説明

画像処理装置

【課題】操作に不慣れなオペレータであっても、記憶媒体に保存された画像データの取得に手間が掛からない画像処理装置を構成する。
【解決手段】媒体ドライブ26に記憶媒体Mがセットされた場合には、予め設定されたデータが保存されたものを除き、取得補助手段74が記憶媒体Mから画像データを取得する処理の要否を確認する確認画面をモニタ22に表示し、この確認画面のボタンを操作することにより、その記憶媒体Mから画像データを取得する処理を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体の種類に対応する複数の媒体ドライブのいずれかにセットされた記憶媒体から画像データを取得する画像データ取得手段と、取得した画像データの出力処理を行う出力処理手段とを備えている画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された画像処理装置と類似するものとして特許文献1に記載されるものが存在する。この特許文献1では、メディアドライブ(本発明の媒体ドライブ)において記憶媒体から取得した画像データを露光部において印画紙に露光し、現像処理を行う写真プリント装置(本発明の画像処理装置)が構成されている(段落番号〔0016〕〜〔0028〕)。
【0003】
記憶媒体に保存された画像データのプリント処理を行う場合には、オペレータが記憶媒体の種類を指定することにより、対応するドライブから記憶媒体に保存されている画像情報を抽出し、取得した画像データを縮小画像としてディスプレイ(モニタ)に表示し(段落番号〔0028〕)、この表示状態でオペレータの操作に基づき各画像データのプリント処理に必要な情報を取得した後に、画像データのプリントを行えるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003‐320733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デジタルカメラの普及に伴い、デジタルカメラで使用された記憶媒体の画像データからプリント処理を行う頻度が高まっている。DP店に設置される写真プリント装置を例に挙げると、顧客が持参した記憶媒体を写真プリント装置の媒体ドライブにセットして画像データを取得し、必要な画像処理を行った後にプリント処理を行うことも多く行われている。
【0006】
しかしながら、記憶媒体に保存されている画像データをプリントする際には、特許文献1にも記載されるように、記憶媒体がセットされた媒体ドライブをオペレータが指定することにより、その媒体ドライブにセットされた記憶媒体から画像データを取得する処理形態となるので、手間が掛かる一面もあった。
【0007】
つまり、デジタルカメラで用いられる記憶媒体は複数種存在するため、熟練したオペレータの場合、プリント処理を行う毎に記憶媒体の種類に対応して適正に媒体ドライブを指摘することは、困難ではないが、煩わしい面もあった。この操作形態は、操作に不慣れなオペレータにとって、誤操作を招くこともあり、改善の余地があった。
【0008】
本発明の目的は、操作に不慣れなオペレータであっても、記憶媒体に保存された画像データの取得に手間が掛かることのない画像処理装置を合理的に構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の特徴は、記憶媒体の種類に対応する複数の媒体ドライブのいずれかにセットされた記憶媒体から画像データを取得する画像データ取得手段と、取得した画像データの出力処理を行う出力処理手段とを備えている画像処理装置において、
この画像処理装置の起動時に前記複数の媒体ドライブのいずれかに前記記憶媒体がセットされていることを判別した場合、又は、この画像処理装置の稼動時に前記複数の媒体ドライブのいずれかに前記記憶媒体が新たにセットされたことを判別した場合には、セットされた記憶媒体から画像データを取得する取得ボタンが形成された確認画面をモニタに表示する取得補助手段を備えている点にある。
【0010】
この構成により、画像処理装置の起動時に複数の媒体ドライブのいずれかに記憶媒体がセットされていることを判別した場合、又は、画像処理装置の稼動時に複数の媒体ドライブのいずれかに記憶媒体が新たにセットされたことを判別した場合には、取得補助手段が、セットされた記憶媒体から画像データを取得する取得ボタンが形成された確認画面をモニタに表示するので、オペレータが媒体ドライブを指定する操作を行わずとも、モニタに表示された取得ボタンを操作するだけで画像データを取得できる。従って、操作に不慣れなオペレータであっても、記憶媒体に保存された画像データの取得に手間が掛かることのない画像処理装置が合理的に構成された。
【0011】
本発明は、前記画像データとの合成処理が可能な合成データを保存した記憶媒体に識別情報を保存しており、前記媒体ドライブにセットされた記憶媒体から前記識別情報を取得した場合には、この記憶媒体を画像データの取得対象から除外するように前記取得補助手段の処理形態を設定しても良い。
【0012】
この構成により、テンプレート等の合成データを保存した記憶媒体が媒体ドライブにセットされている場合には、取得補助手段は識別情報に基づき、この記憶媒体を画像データの取得対象から除外することになるので、無駄にデータを取得しないものにできる。
【0013】
本発明は、前記複数の媒体ドライブに優先順位が設定され、複数の前記媒体ドライブに前記記憶媒体がセットされていることを判別した場合には、優先度が高い媒体ドライブにセットされている記憶媒体を画像データの取得対象に設定するように前記取得補助手段の処理形態を設定しても良い。
【0014】
この構成により、デジタルカメラで使用される頻度が高い記憶媒体に対応した媒体ドライブの優先順位を高く設定しておくことにより、例えば、フロッピーディスク(商標)等画像データが保存されている可能性の低い媒体ドライブにフロッピーディスク(商標)がセットされていても、デジタルカメラで使用された記憶媒体から画像データを優先的に取得することが可能となる。
【0015】
本発明は、前記優先順位を設定するために、前記複数の媒体ドライブの一覧が示される登録画面を前記モニタに表示し、オペレータに優先順位の設定を求める優先順位設定手段を備えても良い。
【0016】
この構成により、オペレータはモニタに表示された登録画面において媒体ドライブの優先順位を任意に設定することが可能となり、例えば、プリント処理の依頼の頻度が高いものに高い優先順位を与える等、使用の実情に整合させることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔写真プリント装置〕
図1及び図2に示すように、暗箱構造の筐体10の外部にオペレート部Aを形成すると共に、筐体10の内部に印画紙Pに画像データの露光を行う露光処理部Exと、この露光処理部Exからの印画紙Pを反転することで表裏を入れ換えて上方に搬送する縦搬送部CVと、この縦搬送部CVからの印画紙Pの現像処理を行う現像処理部Deと、この現像処理部Deからの印画紙Pの乾燥を行う乾燥処理部Drとを形成し、この乾燥処理部Drで乾燥された印画紙Pを筐体10の端部の排出部11から排出し、搬送ベルト12で受け止めて水平方向に搬送し、複数のトレイ13Aの何れかにオーダ単位で回収するソータ13を備えることにより画像処理装置としての写真プリント装置が構成されている。
【0018】
〔オペレート部〕
前記オペレート部Aは、オペレータが画像データの取得と、プリント処理に必要な操作とを行う操作端末として機能するものであり、このオペレート部Aには、テーブル部20に設置された汎用コンピュータで成るプリント制御ユニット21と、このプリント制御ユニット21の上面に設置されたモニタ22と、現像処理後の写真フィルムFのコマ画像から画像データを取得するフィルムスキャナ23と、2つのキーボード24とマウス25とを備えている。前記プリント制御ユニット21の前面にはコンパクトフラッシュ(商標)やメモリースティック(商標)等各種の半導体型の記憶媒体Mと、CD−ROM、DVD、MO等の磁気式や光学式の記憶媒体Mとの間で情報のアクセスを行う複数の媒体ドライブ26を備えている。
【0019】
前記フィルムスキャナ23は、下部に配置した光源23Aからの光線をフィルムキャリア23Bに支持された写真フィルムFに照射し、この写真フィルムFからの光線をレンズユニット23Cから上部の光電変換ユニット23Dに導き、この光電変換ユニット23Dにおいて写真フィルムFのコマ画像の光電変換とA/D変換とを行うことによりR(赤)・G(緑)・B(青)の3原色に色分解したデジタル型の画像データとして取得する。
【0020】
〔縦搬送部・現像処理部・乾燥処理部〕
図面には具体的な構造を示していないが、前記縦搬送部CVは、前記露光処理部Exで露光された印画紙Pを圧着型のローラ15で受け取り、圧着型のローラの姿勢の変換によって表裏を入れ換え、ガイドレール16に沿って上方に搬送し、前記現像処理部Deに送り出すように機能する。
【0021】
前記現像処理部Deは、発色現像槽と漂白定着槽と安定槽とで成る複数の処理槽を樹脂によって一体形成した現像処理槽30を備えると共に、前記露光処理部Exから供給された印画紙Pを夫々の現像処理槽に搬送するように複数の圧着型のローラを有した搬送機構31を備えている。前記乾燥処理部Drは、現像処理部Deから送り出された印画紙Pを搬送する複数の圧着ローラ32と、この圧着ローラ32で搬送される印画紙Pに対して乾燥空気を供給するブロワ33とを備えている。
【0022】
〔露光処理部〕
前記露光処理部Exは、2つ印画紙マガジン1にロール状に収容された長尺の印画紙Pを圧着型の供給搬送ローラ41で上方に引き上げた後に水平方向に送り出し、カッターユニット42の排出ローラ43からチャッカーCに受け渡す。このチャッカーCは印画紙Pを挟持する挟持状態と、印画紙Pを開放する開放状態とに切り換え自在なチャック部材(図示せず)を備えており、このチャック部材で印画紙Pを挟持した状態で水平方向へ移動し、印画紙Pの先端を露光ユニットGに受け渡す。
【0023】
前記露光ユニットGは、露光搬送機構Gcによって印画紙Pを水平方向(副走査方向)に搬送しながら、露光ヘッドGhによって主走査方向に沿ったライン露光を行うように露光形態が設定されている。また、前記露光搬送機構Gcは、圧着状態と開放状態とに切り換え自在な第1ローラ45と、第2ローラ46と、第3ローラ47とを、印画紙Pの搬送方向に沿って配置している。
【0024】
前記露光ヘッドGhとして、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応した3種の真空ケースの内部に多数のドット状となる蛍光体をライン状に配置し、蛍光体を独立して発光させるように構成したものを用いているが、これに代えて、光源からの光線の照射を画素単位で制御する液晶型等のシャッターから印画紙Pの感光面に導くことでライン露光を行うものや、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザビームを走査する形態でライン露光を行うものであっても良い。
【0025】
この露光処理部Exには、この露光処理部Exで印画紙Pの切断と搬送の制御とを行い、前記現像処理部Deで印画紙Pの現像処理液の管理とを行い、前記乾燥処理部Drで印画紙Pの搬送と温度管理とを行うためマイクロプロセッサを有したプリント管理装置36を備え、このプリント管理装置36は以下のように印画紙Pを搬送して露光を行う。
【0026】
〔露光処理形態〕
印画紙Pに対する露光処理を開始する際には、前記チャッカーCをカッターユニット42の近傍の待機位置にセットし、この状態において何れか一方の印画紙マガジン1からの印画紙Pを供給搬送ローラ41で水平方向に送り出し、カッターユニット42の部位を通過させ、前記待機位置のチャッカーCに受け渡す。
【0027】
印画紙Pが受け渡されたチャッカーCは印画紙Pの先端近くを挟持し、水平方向へ搬送を開始する。この水平方向への搬送時にはチャッカーCの移動速度と等速度で前記供給搬送ローラ41と排出ローラ43とを駆動する。そして、カッターユニット42の切断位置を基準にして搬送された印画紙Pの長さがプリントサイズに達すると、印画紙Pの搬送を一時停止してカッターユニット42によって印画紙Pを切断し、この切断の後にチャッカーCを水平方向に更に移動させ、印画紙Pを露光搬送機構Gcに受け渡す。
【0028】
この露光搬送機構Gcでは、第1ローラ45を開放状態に設定して前記チャッカーCからの印画紙Pを受け入れ、この受け入れの直後に圧着状態に切り換えることで印画紙Pの搬送を開始する。この搬送を開始した後には、第2ローラ46を開放状態に設定して印画紙Pを受け入れ、この受け入れの直後に圧着状態に切り換えて印画紙Pの露光搬送を開始し、これと連係して前記第1ローラ45を開放状態に設定する。次に、第3ローラ47を開放状態に設定して印画紙Pを受け入れ、この受け入れの直後に第3ローラ47を圧着状態に切り換え、これと連係して第2ローラ46を開放状態に切り換えることで印画紙Pの露光搬送を継続する。
【0029】
このような出力処理形態は従来からの写真プリント装置と基本的に変わるものではなく、本発明は、前記複数の媒体ドライブ26のいずれかにセットされた記憶媒体Mから画像データを取得して印画紙Pにプリント処理等を行う場合に、画像データの取得の手間を軽減できる点に特徴を有するものであり、そのための制御系を以下に示している。
【0030】
〔制御構造〕
図3に示すように写真プリント装置の制御系が構成されている。つまり、プリント制御ユニット21は、マイクロプロセッサCPUと、このマイクロプロセッサCPUのデータバスに接続する入出力インタフェース(I/O)70とを備え、この入出力インタフェース(I/O)70に対して、前記モニタ22と、フィルムスキャナ23と、このフィルムスキャナ23にセットされたフィルムキャリア23Bを判別するフィルムキャリアセンサ23Sと、キーボード24と、マウス25と、複数の媒体ドライブ26と、ハードディスクHDとの間で情報がアクセスする信号系を形成し、また、入出力インタフェース70と前記プリント管理装置36との間で信号をアクセスする通信系を形成している。
【0031】
前記マイクロプロセッサCPUのデータバスに対して、RAMやROMで成る半導体メモリ71と、GUI制御手段72と、画像データ取得手段73と、取得補助手段74と、優先順位設定手段75と、オーダ設定手段76と、出力処理手段77とを備えている。
【0032】
前記GUI制御手段72は、前記モニタ22の画面上においてマウス25の操作に対応したカーソルの操作やキーボード24を介して情報を取得する処理を実現する。前記画像データ取得手段73は、前記フィルムスキャナ23あるいは媒体ドライブ26から画像データを取得する処理を実現する。
【0033】
前記取得補助手段74は、取得禁止判定部74Aと優先順位判定部74Bとを備えて構成され、前記画像データ取得手段73が記憶媒体Mから画像データを取得する際に、取得禁止判定部74Aと優先順位判定部74Bとがオペレータの操作を低減する処理を実現する。
【0034】
前記優先順位設定手段75は、前記取得補助手段74が記憶媒体Mから画像データを取得する際に、取得対象とする記憶媒体Mの優先順位の設定を実現する。前記オーダ設定手段76は、取得した画像データの出力形態(プリント処理又は保存処理)及び出力に関連する情報を取得する。
【0035】
前記出力処理手段77は、プリント処理実行部77Aと保存処理実行部77Bとを備えて構成され、プリント処理実行部77Aが前記画像データ取得手段73で取得した画像データを前記プリント管理装置36に伝送することによりプリント処理を実現し、保存処理実行部77Bが前記媒体ドライブ26に伝送することによりCD−RやDVD−R等の記憶媒体Mに保存する処理を実現する。
【0036】
このGUI制御手段72と、画像データ取得手段73と、取得補助手段74と、優先順位設定手段75と、オーダ設定手段76、出力処理手段77とはソフトウエアで構成されるものであるが、これらをハードウエアで構成することや、ハードウエアとの組み合わせで構成しても良い。
【0037】
また、前記プリント管理装置36は、前記露光処理部Exの供給搬送ローラ41から乾燥処理部Drの圧着ローラ32に亘る搬送系全般を管理する搬送制御部81と、前記露光ヘッドGhを制御して印画紙Pに対する画像データの露光を管理する露光制御部82と、前記現像処理槽30の現像処理液の温度管理や液面管理を行い、乾燥処理部Drの温度管理を行う現像・乾燥制御部83とを制御するものであり、このプリント管理装置36は2つの前記印画紙マガジン1に備えたIDプレート(図示せず)の情報を取得するマガジンセンサMSからの信号が入力するように構成されている。
【0038】
〔出力処理〕
写真プリント装置の起動時に前記複数の媒体ドライブ26のいずれかに前記記憶媒体Mがセットされていることを判別した場合、又は、該写真プリント装置が稼動している状態において前記複数の媒体ドライブ26のいずれかに前記記憶媒体Mが新たにセットされたことを判別した場合に、前記プリント制御ユニット21は図6のフローチャートに示す処理を行う。
【0039】
尚、媒体ドライブ26のいずれかに記憶媒体Mがセットしたことを判別する処理としては、例えば、各媒体ドライブ26に記憶媒体Mがセットされたことを検出するセンサを備えているものであれば、各媒体ドライブ26のセンサの信号を短いサイクルで取得する処理を行い、そのセンサの信号に基づいて存否を判別することや、媒体ドライブ26に対してディレクトリ等のデータを取得するコマンドを短いサイクルで実行し、各媒体ドライブ26からのデータの取得の有無から存否を判別することが考えられる。
【0040】
前記取得補助手段74は全ての媒体ドライブ26における記憶媒体Mのセットの有無を判別し、セットされていることを判別した場合には、図4に示す確認画面50をモニタ22に表示し、画像データの取得の要否の判断をオペレータに求める(#101〜103ステップ)。
【0041】
前記確認画面50は、メッセージ領域51に記憶媒体Mから出力処理の要否を確認する情報を表示すると共に、記憶媒体Mに識別データとして取得禁止データ(識別情報の一例)が保存されたものを取得対象から除外する。また、セットされた記憶媒体Mが複数である場合には、優先順位が最も高い記憶媒体Mの種類を示す情報を表示し、出力処理を行わない場合に選択するNOボタン52(取得ボタンの一例)と、出力処理を実行する場合に選択するYESボタン53とが形成されている。
【0042】
テンプレート等の合成データを保存した記憶媒体Mは、デジタルカメラで撮影に使用された記憶媒体Mに保存された画像データとデータの構造が基本的に同じものであるため、例えば、画像データを取得するように画像データ取得手段73の処理形態を設定した場合には、記憶媒体Mからテンプレート等の合成データをプリント対象として認識して取得することも考えられる。このような理由から、その記憶媒体Mに識別情報として取得禁止データを保存しておくことにより、その記憶媒体Mから画像データが取得される不都合を回避しているのである。
【0043】
この識別情報は、テキストファイル等の単純な構造のファイルに対して、識別情報であることを示すファイル名を付したものを想定しており、このファイルを記憶媒体Mに保存しておき、記憶媒体Mが媒体ドライブ26にセットされたことを判別した後に、記憶媒体Mにおいてファイル名から識別情報であるファイルが存在することを判別した場合には、そのファイルにおいて取得禁止データの有無を判別する形態の処理を行い、取得禁止データが存在する場合には、取得対象から除外する。このように取得禁止データが保存された記憶媒体Mを取得対象から除外する処理は前記取得禁止判定部74Aが実現する。
【0044】
前記優先順位とは、複数の媒体ドライブ26に記憶媒体Mがセットされた際に、画像データを優先して取得する順位のことであり、図5に示すオプション登録画面60において記憶媒体毎に順位を設定しておくことにより、順位が最も高い媒体ドライブ26にセットされた記憶媒体Mを画像データの取得対象として設定し、その記憶媒体Mの種類が前記メッセージ領域51に表示される。このように優先順位が高いものを画像データの取得対象として設定する処理は前記優先順位判定部74Bが実現する。
【0045】
オプション登録画面60では、プリント制御ユニット21に備えている全ての媒体ドライブ26が一覧画面61に表示され、この一覧画面61で選択された媒体ドライブ26に対応する記憶媒体M(メディア)の種類がメディア表示領域62に表示され、優先順位を優先順位設定領域63に入力できるように構成されている。更に、ドライブ情報、出力画質、出力画像サイズ等の情報が情報領域64に表示され、画面の下部にYES/OKボタン65と、NOキャンセルボタン66とが形成されている。
【0046】
このオプション登録画面60の一覧画面61で媒体ドライブ26を選択し、優先順位設定領域63において優先順位を数値で入力する操作を各媒体ドライブ26について行った状態でYES/OKボタン65を操作することで、優先順位が設定され保存される。これらの処理は、前記優先順位設定手段75が実現する。
【0047】
次に、確認画面50においてNOボタン52が操作された場合には、画像データの取得は行われず、YESボタン53が操作された場合には、確認画面50のメッセージ領域51に表示された記憶媒体Mから画像データを取得する処理が実行され、これに続き、オーダ画面(図示せず)がモニタ22に表示され、このオーダ画面において、オペレータの操作に基づいて出力形態の情報が取得される(#104〜#106ステップ)。
【0048】
出力形態とは、取得した画像データを印画紙Pにプリントするプリント処理(前記プリント処理実行部77Aによる処理)と、取得した画像データをCD−RやDVD−R等の記憶媒体Mに画像データを保存する保存処理(前記保存処理実行部77Bによる処理)との2種が類設定されている。選択された処理の設定はオーダ設定手段76が実現する。
【0049】
そして、オーダ画面においてプリント処理が選択された場合には、前記オーダ画面においてプリントサイズ、インデックスプリントの有無、テンプレートとの合成処理等が設定され、この設定の後には、必要に応じてプレジャッジ画面が表示され、このプレジャッジ画面においてプリント枚数の設定や補正処理を行うことも可能となる。また、保存処理が選択された場合には、記憶媒体Mに保存する際の画素数の設定、保存すべき画像データの設定等を行える。
【0050】
このように出力形態の情報を取得した後には、設定された出力形態に従って出力処理が実行される(#107、#108ステップ)。この処理によって前述したプリント処理(前記プリント処理実行部77Aによる処理)と、保存処理(前記保存処理実行部77Bによる処理)とが実現するものとなり、これらは前記出力処理手段77が実現する。
【0051】
このように、本発明では、記憶媒体Mの画像データをプリント処理等を行う場合において、その記憶媒体Mに対応する媒体ドライブ26にオペレータがセットするだけで、セットされた記憶媒体Mの種類を判別して、確認画面50をモニタに表示する。この確認画面50には、取得が禁止された記憶媒体Mが除外された状態で、優先順位が高いものが表示されるので、オペレータは確認画面50の表示に基づいて画像データを取得する処理を選択する操作を行うだけで、画像データを取得することが可能となり、従来のように記憶媒体Mがセットされた媒体ドライブ26を選択する操作を行う必要がなく、操作の手間を省けるものになっている。
【0052】
更に、確認画面50において画像データを取得する操作を選択した後には、自動的にオーダ画面が表示され、取得した画像データの出力形態をオペレータが選択できるので、シーケンシャルな操作形態を実現しており、オーダ画面を表示するための手間を省けるものにしている。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】写真プリント装置の斜視図
【図2】写真プリント装置の縦断正面図
【図3】制御系のブロック回路図
【図4】確認画面を示す図
【図5】オプション登録画面を示す図
【図6】出力処理のフローチャート
【符号の説明】
【0054】
22 モニタ
26 媒体ドライブ
50 確認画面
60 登録画面(オプション登録画面)
73 画像データ取得手段
74 取得補助手段
77 出力処理手段
M 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体の種類に対応する複数の媒体ドライブのいずれかにセットされた記憶媒体から画像データを取得する画像データ取得手段と、取得した画像データの出力処理を行う出力処理手段とを備えている画像処理装置であって、
この画像処理装置の起動時に前記複数の媒体ドライブのいずれかに前記記憶媒体がセットされていることを判別した場合、又は、この画像処理装置の稼動時に前記複数の媒体ドライブのいずれかに前記記憶媒体が新たにセットされたことを判別した場合には、セットされた記憶媒体から画像データを取得する取得ボタンが形成された確認画面をモニタに表示する取得補助手段を備えている画像処理装置。
【請求項2】
前記画像データとの合成処理が可能な合成データを保存した記憶媒体に識別情報を保存しており、前記媒体ドライブにセットされた記憶媒体から前記識別情報を取得した場合には、この記憶媒体を画像データの取得対象から除外するように前記取得補助手段の処理形態を設定している請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数の媒体ドライブに優先順位が設定され、複数の前記媒体ドライブに前記記憶媒体がセットされていることを判別した場合には、優先度が高い媒体ドライブにセットされている記憶媒体を画像データの取得対象に設定するように前記取得補助手段の処理形態が設定されている請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記優先順位を設定するために、前記複数の媒体ドライブの一覧が示される登録画面を前記モニタに表示し、オペレータに優先順位の設定を求める優先順位設定手段を備えている請求項3記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−179208(P2007−179208A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375649(P2005−375649)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】