説明

画像処理装置

【課題】従来技術と比較して高い確度をもって自身が保持する時間情報を自動的に更新することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置1は、時間に関する第1の時間情報を取得すると共に、第1の時間情報を取得することが出来ない場合に、より高い確度で時間に関する第2の時間情報を取得し、取得した第1の時間情報又は第2の時間情報の何れかの情報に基づいて自身が保持する時間情報を設定する制御部13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、特に時間情報を保持する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置では、例えば消耗品の交換時期等を管理する為に、交換をした記録と共に交換を行った時期を記録する。この様な画像処理装置としては、特許文献1に開示された印刷装置がある。
【0003】
【特許文献1】特開2006−98896公報
【0004】
具体的には、この特許文献1には、消耗品の使用頻度等を管理する為に印刷装置の稼動日数を管理し、これに基づいて消耗品の次の交換時期を予測することとしている。そして、この様な印刷装置では、ユーザが操作パネルに所定の時間に関する情報を入力することで稼動日等の時刻管理を行うこととしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された印刷装置では、ユーザが手動で時間に関する情報を入力していた為、煩雑な操作が要求されるという問題があった。また、ユーザが手動で時間に関する情報の入力を行うことで、入力ミスが発生する可能性が高く、入力ミスが発生すると、時間情報を関連付けて行われる印刷装置の処理に不具合が生じるという問題があった。また、ユーザが手動で時刻情報を入力すると、入力するタイミングに誤差がある為、例えばLAN環境内にある各種機器と同期をとることができないという問題があった。
【0006】
本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、従来技術と比較して高い確度をもって自身が保持する時間情報を自動的に更新することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に本発明にかかる画像処理装置は、時間に関する第1の時間情報を取得する第1の時間情報取得手段と、前記第1の時間情報取得手段によって前記第1の時間情報を取得することが出来ない場合に、前記第1の時間情報取得手段によって前記第1の時間情報を取得することが出来る確度と比較して高い確度に時間に関する第2の時間情報を取得する第2の時間情報取得手段と、前記第1の時間情報取得手段によって取得された前記第1の時間情報又は前記第2の時間情報取得手段によって取得された前記第2の時間情報の何れかの情報に基づいて自身が保持する時間情報を設定する設定手段を備えることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、画像処理装置は、第1の時間情報取得手段と、第1の時間情報取得手段よりも高い確度で時間に関する情報を取得する第2の時間情報取得手段とによって、自身の保持する時間情報を設定することが出来る。
【発明の効果】
【0009】
この様に、画像処理装置は、第1の時間情報取得手段及び第2の時間情報取得手段によって自動的に時間に関する情報を更新することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施の形態では、本発明にかかる画像処理装置を備える画像処理システムを用いて詳細な説明を行う。
【0011】
図1に示す様に第1の実施の形態にかかる画像処理システムは、画像データに対して所定の画像処理を行う画像処理装置1と、画像処理装置1と直接接続された端末3と、LAN(Local Area Network)を介して画像処理装置1と接続された管理者端末5−1,5−2,5−3と、ルータ7及びWAN(Wide Area Network)9を介して画像処理装置1と接続されたタイムサーバ11を備える。
【0012】
この様な画像処理システムでは、画像処理装置1は、上位装置である管理者端末5−1,5−2,5−3に共有されている。そして、画像処理装置1には、これら管理者端末5−1,5−2,5−3からLAN4を介して所定の画像データが送信される。また、画像処理装置1は端末3と直接接続されており、端末3からも同様に所定の画像データが入力される。
【0013】
ルータ7は、画像処理装置1、及び管理者端末5−1,5−2,5−3によって構成されるLAN環境から外部への通信要求、及び外部からLAN環境への通信要求を補足し、セキュリティを確保する為のファイアウォール機能を有する。そしてLAN4に接続された管理者端末5−1,5−2,5−3及び画像処理装置1は、ルータ7を介してWAN9の先にあるタイムサーバ11と通信を行う。
【0014】
タイムサーバ11は、NTP(Network Time Protocol)、SNTP(Simple Network Time Protocol)又はTIMEプロトコル(RFC868)をサポートするタイムサーバである。この様なタイムサーバ11は、WAN9及びルータ7を介して管理者端末5−1,5−2,5−3及び画像処理装置1と接続される。
【0015】
画像処理装置1は、WAN9を介して接続されたタイムサーバ11又は端末3から時間情報を取得し、タイムサーバ11又は端末3から取得した時間情報に基づいて、自身が保持する時間情報を設定する。図2に示す様にこの様な画像処理装置1は、画像処理装置1を構成する各部の動作を制御する制御部13と、ユーザが画像処理装置1の動作を操作する為の操作パネル15と、プリントエンジン17とを備える。この様な画像処理装置1は、例えば端末3から送信された画像情報を受信した制御部13は、プリントエンジン17に対して画像情報に基づく画像処理を行うべき旨の指令を供給する。そして、プリントエンジン17は、当該指令に基づいて画像処理を行う。
【0016】
制御部13は、各種演算処理を行うCPU19と、CPU19が演算処理を行う際に使用するプログラムを格納するROM(Read Only Memory)21と、CPU19が演算を行う際に情報を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)23と、操作パネル15及びプリントエンジン17と通信を行う為のエンジンインターフェイス25と、内蔵時計回路によって構成され時間情報を保持するリアルタイムクロック(RTC)27と、LAN4を介して画像処理装置1と管理者端末5−1,5−2,5−3等の上位装置とを接続するネットワークインターフェイス29と、画像処理装置1と端末3とを接続するホストインターフェイス31と、タイムサーバ11のIPアドレス及び端末3のIPアドレス等の情報を記憶する記憶装置33とを備える。この様なCPU19は、ROM21に格納されたプログラムに従って、ネットワークインターフェイス29を介してタイムサーバ11から時間情報を取得し、又はホストインターフェイス31を介して端末3から時間情報を取得する。そして、CPU19は、タイムサーバ11又は端末3から取得した何れかの時間情報に基づいてRTC27によって保持された時間情報を設定する。
【0017】
CPU19は、ROM21に格納されたプログラム及び記憶装置33に格納されたタイムサーバ11のIPアドレスに基づいてネットワークインターフェイス29を介してタイムサーバ11が保有する時間情報(以下、「第1の時間情報」という)を取得する。また、CPU19は、ROM21に格納されたプログラムに従ってホストインターフェイス31を介して端末3が保有する時間情報(以下、「第2の時間情報」という)を取得する。また、CPU19は、タイムサーバ11から取得した第1の時間情報、又は端末3から取得した第2の時間情報の何れかの時間情報に基づいてRTC27が保有する時間情報を設定し、更新する。
【0018】
RTC27は、CPU19がタイムサーバ11又は端末3から取得した時間情報に基づいて時間を管理する。CPU19が取得する時間情報及びRTC27が管理する時間としては、年月日時分秒等によって表される時刻情報であっても良く、任意の時間を基準として経過時間を示す様な時間情報であっても良い。また、RTC27は、画像処理装置1の電源がオフとされた際にも時間の計測が可能となる様に、図示せぬバックアップ用のバッテリ等の電源を内蔵している。尚、以下では、タイムサーバ11が保有する第1の時間情報は所定の時間を基準として経過時間を演算する為に使用する基準時刻に関する時間情報であり、端末3が保有する第2の時間情報は年月日時分秒等によって表される時刻情報であるものとして詳細な説明を行う。
【0019】
ホストインターフェイス31は、画像処理装置1と端末3を直接接続する為のインターフェイスであり、例えばパラレルインターフェイス、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス、RS232C(Recommended Standard 232 version C)インターフェイス、又はIEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)インターフェイス等によって構成される。
【0020】
記憶装置33は、タイムサーバ11のIPアドレス又は管理者端末5−1,5−2,5−3、若しくは端末3のIPアドレス等を記憶するアドレス記憶領域35と、時間情報取得のジョブを実行したログ、発生したエラーに関するログ、又は画像処理装置1のメンテナンスを行った際のログ等を記憶するログ記憶領域37とを備える。アドレス記憶領域35に記憶されるタイムサーバ11又は管理者端末5−1,5−2,5−3若しくは端末3のIPアドレスは、例えば操作パネル15を介してユーザによって入力され、又は管理者端末5−1,5−2,5−3若しくは端末3等の上位装置にインストールされた画像処理装置1の設定ツール等によって記憶装置33に記憶される。また、この様な記憶装置33は、画像処理装置1の電源がオフとされた場合にも各種情報を記憶しておくことが可能なハードディスクユニット、フラッシュメモリ等の不揮発性デバイスによって構成される。
【0021】
操作パネル15は、例えば画像処理装置1の状態に関する情報をユーザに表示する表示部39と、ユーザが例えば画像処理装置1に対する指令を入力する為の入力部41とを備える。この様な操作パネル15は、操作パネル15から入力された指令を、エンジンインターフェイス25を介してCPU19に供給する。また、表示部39は、エンジンインターフェイス25を介してCPU19から供給された各種情報をユーザに対して表示する。
【0022】
以下、この様な構成を有する画像処理装置1が、RTC27が保有する時間情報を設定する際の一連の処理について図3を参照しながら詳細な説明をする。尚、画像処理装置1が、RTC27の時間情報を設定するタイミングとしては、画像処理装置1の電源が投入されたとき、又はログ記憶領域37に記憶されたジョブ実行ログを参照して前回の時間情報取得のジョブを実行したときから一定の時間が経過したと判断したときである。
【0023】
一連の処理が開始すると、ステップS1においてCPU19は、タイムサーバ11の宛先を取得すべく、記憶装置33のアドレス記憶領域35にタイムサーバ11のIPアドレスが記憶されているか否かを判断する。ここで、CPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、CPU19はタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻の供給を要求すべく、ステップS2の処理を実行する。
【0024】
ステップS2においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されているタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻を取得すべく、基準時刻を要求する。この要求は、LAN4、ルータ7、及びWAN9を介してタイムサーバに供給される。
【0025】
次に、ステップS3においてCPU19は、基準時刻を要求したタイムサーバ11から応答があったか否かを判断する。例えば画像処理装置1とLAN4との間等で何らかの接続異常が発生している場合や、ルータ7が備えるファイアウォール機能によって当該要求が遮断されてしまった場合等には、画像処理装置1が発した要求はタイムサーバ11に到達しない。また、タイムサーバ11が行った応答が、ルータ7が備えるファイアウォール機能によって遮断されてしまう場合もある。すなわち、ステップS3においては、この様な現象によって画像処理装置1とタイムサーバ11との間で通信を行うことが出来ない場合に、タイムサーバ11から基準時刻の応答がないと判断される。そして、ステップS3においてCPU19が、タイムサーバ11から基準時刻の応答があったと判断した場合は、CPU19は、タイムサーバ11から送信された基準時刻に基づいてRTC27の時間情報を設定すべく、ステップS4の処理を実行する。
【0026】
ステップS4においてCPU19は、RTC27が保有する現在時刻と基準時刻との時差から新たな現在時刻を算出する。そして、ステップS5においてCPU19は、算出した新たな現在時刻をRTC27が保有する現在時刻として設定し、一連の処理を終了する。
【0027】
一方、ステップS1においてCPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、及びステップS3においてCPU19が、タイムサーバ11から応答がないと判断した場合は、CPU19は、第1の時間情報を管理するタイムサーバ11とは異なる場所から第2の時間情報を取得すべく、ステップS6以降の一連の処理を行う。
【0028】
ステップS6においてCPU19は、LAN4を介して画像処理装置1と接続された管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5のうち、時刻情報を提供することが可能な管理者端末5のIPアドレスが記憶装置33に記憶されているか否かを判断する。この様に、画像処理装置1では、ルータ7及びWAN9を介して画像処理装置1と接続されたタイムサーバ11から第1の時間情報を取得することが出来ないと判断した場合には、代替手段として、ルータ7及びWAN9を介して時間情報を取得する確度よりも高い確度で時間情報を取得することが可能な、同一のLAN環境内にある管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5から時間情報を取得することを試みる。
【0029】
そして、ステップS6においてCPU19が、管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、当該管理者端末5に時刻情報を要求すべく、ステップS7の処理を実行する。一方で、CPU19が何れの管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、CPU19は第1の時間情報及び第2の時間情報の何れも取得することが出来ないと判断して、一連の処理を終了する。
【0030】
ステップS7においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶された管理者端末5に対して時刻情報を要求する。この要求は、LAN4を介して管理者端末5としての管理者端末5−1,5−2,5−3に送信される。
【0031】
次に、ステップS8においてCPU19は、時刻情報を要求した管理者端末5から応答があったか否かを判断する。そしてCPU19が、管理者端末5から応答があったと判断した場合は、CPU19は、管理者端末5から送信された時刻情報をRTC27に設定すべく、ステップS9以降の処理を実行する。一方、CPU19が管理者端末5から応答がないと判断した場合は、CPU19は一連の処理を終了する。
【0032】
ステップS9においてCPU19は、管理者端末5から送信された情報から必要な時刻情報を抽出する。例えば、1日に複数回、時間情報の設定を行う様な設定であれば、年月日に関する時刻情報は必要とされず、必要となるのは時分秒に関する時刻情報である為、ステップS9においてCPU19は、必要とされる時分秒に関する時刻情報のみを抽出する。
【0033】
次に、ステップS10においてCPU19は、抽出した時刻情報を、新たな時刻情報としてRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0034】
この様に、第1の実施の形態にかかる画像処理装置1は、高精度な時間情報を有するタイムサーバ11から時間情報を取得するプロセスを行う。そして、例えばルータ7が備えるファイアウォール機能又はWAN9の通信障害等によってタイムサーバ11から時間情報を取得することが出来ない場合には、タイムサーバ11から時間情報を取得することが出来る確度と比較して、高い確度で時間情報を取得することが可能な、LAN4を介して接続された管理者端末5−1,5−2,5−3から時間情報を取得することが出来る。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態について詳細な説明をする。第2の実施の形態にかかる画像処理装置は、第1の実施の形態で詳細な説明を行った画像処理装置1と同一の構成を備える箇所がある為、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0036】
図4に示す様に、第2の実施の形態にかかる画像処理装置51に備えられた記憶装置53は、ログ記憶領域37に加え、図示せぬ複数のタイムサーバ11のIPアドレス及び図示せぬ複数の管理者端末5のIPアドレスを複数個記憶する、複数のアドレス記憶領域55−1,55−2,・・・を備える。そして、画像処理装置51は、例えばアドレス記憶領域55−1に記憶されたIPアドレスが割り当てられたタイムサーバ11から応答が得られない場合は、次点にあるアドレス記憶領域55−2に記憶されたIPアドレスが割り振られたタイムサーバ11に対して時間情報の要求を行う。この様に、画像処理装置51は、時間情報の要求を繰り返し行うことで、時間情報を取得することが出来る確度を、画像処理装置1と比較して高くすることが出来る。以下、画像処理装置51の具体的な動作について図5を参照しながら詳細な説明をする。
【0037】
一連の処理が開始すると、ステップS11においてCPU19は、タイムサーバ11の宛先を取得すべく、タイムサーバ11のIPアドレスが記憶装置53に記憶されているか否かを判断する。ここで、CPU19が、記憶装置53にタイムサーバ11のIPアドレスが記憶されていると判断した場合は、CPU19はタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻を要求すべく、ステップS12の処理を実行する。
【0038】
ステップS12においてCPU19は、IPアドレスが記憶装置53に記憶されているタイムサーバ11のうち、最も優先度の高いタイムサーバに対して基準時刻を要求する。このとき、基準時刻の要求先として選択されるタイムサーバ11は、アドレス記憶領域55−1に記憶されたIPアドレスが割り当てられたタイムサーバ11である。
【0039】
次に、ステップS13においてCPU19は、基準時刻を要求したタイムサーバ11から応答があったか否かを判断する。そして、ステップS13においてCPU19が、タイムサーバ11から基準時刻の応答があったと判断した場合は、CPU19は、タイムサーバ11から送信された基準時刻に基づいてRTC27の時間情報を設定すべく、ステップS14の処理を実行する。
【0040】
ステップS14においてCPU19は、RTC27が保有する現在時刻と基準時刻との時差から新たな現在時刻を算出する。そして、ステップS15においてCPU19は、算出した新たな現在時刻をRTC27が保有する現在時刻として設定し、一連の処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS13においてCPU19が、最も優先度が高いタイムサーバ11から応答が無かったと判断した場合、CPU19はステップS16において、次点のタイムサーバ11のIPアドレスが記憶装置53に記憶されているか否かを判断する。そして、例えばアドレス記憶領域55−1の次点にあるアドレス記憶領域55−2に、アドレス記憶領域55−1にIPアドレスが記憶されたタイムサーバとは異なるタイムサーバ11のIPアドレスが記憶されている場合は、画像処理装置51はステップS12に戻り、IPアドレスがアドレス記憶領域55−2に記憶されたタイムサーバに対して基準時刻の要求を行う。そして、この様な動作は、IPアドレスが記憶装置53に記憶された全てのタイムサーバ11に対して基準時刻の要求が行われるまで繰り返される。そして、記憶装置53にIPアドレスが記憶された全てのタイムサーバ11に対して基準時刻の要求が行われた場合、及びステップS11においてタイムサーバ11のIPアドレスが記憶装置53に記憶されていないと判断された場合は、画像処理装置1は、管理者端末5から時刻情報を取得すべく、ステップS17以降の処理を行う。
【0042】
ステップS17においてCPU19は、管理者端末5のうち、時刻情報を提供することが可能な管理者端末5のIPアドレスが記憶装置53に記憶されているか否かを判断する。ここで、CPU19が、管理者端末5のIPアドレスが記憶装置53に記憶されていると判断した場合は、CPU19は管理者端末5に対して、管理者端末5が管理する時刻情報を要求すべく、ステップS18の処理を実行する。
【0043】
ステップS18においてCPU19は、IPアドレスが記憶装置53に記憶されている管理者端末5のうち、最も優先度の高い管理者端末5に対して時刻情報を要求する。このとき、時刻情報の要求先として選択される管理者端末5は、アドレス記憶領域55−1に記憶されたIPアドレスが割り当てられた管理者端末5である。
【0044】
次に、ステップS19においてCPU19は、時刻情報を要求した管理者端末5から応答があったか否かを判断する。そして、ステップS13においてCPU19が、管理者端末5から時刻情報の応答があったと判断した場合は、CPU19は、管理者端末5から送信された時刻情報に基づいてRTC27の時間情報を設定すべく、ステップS20以降の処理を実行する。
【0045】
ステップS20においてCPU19は、管理者端末5から送信された情報から必要な時刻情報を抽出する。
【0046】
次に、ステップS21においてCPU19は、抽出した時刻情報を、新たな時刻情報としてRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0047】
一方、ステップS19においてCPU19が、最も優先度が高い管理者端末5から応答が無かったと判断した場合、CPU19はステップS16において、次点の管理者端末5のIPアドレスが記憶装置53に記憶されているか否かを判断する。そして、例えばアドレス記憶領域55−1の次点にあるアドレス記憶領域55−2に、アドレス記憶領域55−1にIPアドレスが記憶された管理者端末5とは異なる管理者端末5のIPアドレスが記憶されている場合は、画像処理装置51はステップS18に戻り、IPアドレスがアドレス記憶領域55−2に記憶された管理者端末5に対して時刻情報の要求を行う。そして、この様な動作は、IPアドレスが記憶装置53に記憶された全ての管理者端末5に対して時刻情報の要求が行われるまで繰り返される。そして、IPアドレスが記憶装置53に記憶された全ての管理者端末5に対して時刻情報の要求が行われた場合、及びステップS17において管理者端末5のIPアドレスが記憶装置53に記憶されていないと判断された場合は、画像処理装置1は一連の処理を終了する。
【0048】
この様に、第2の実施の形態にかかる画像処理装置51は、複数のタイムサーバ11のIPアドレス、及び複数の管理者端末5のIPアドレスを記憶し、記憶した全てのタイムサーバ11及び管理者端末5に対して時間情報の要求を行う為、画像処理装置1と比較してより高い確度で時間情報を取得することが可能となる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施の形態について詳細な説明をする。第3の実施の形態にかかる画像処理装置は、第1の実施の形態で詳細な説明を行った画像処理装置1と同一の構成を備える箇所がある為、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0050】
具体的には、第3の実施の形態にかかる画像処理装置は、ROM21に格納されたプログラムの構成が画像処理装置1とは異なる。すなわち、画像処理装置1と第3の実施の形態にかかる画像処理装置とは、時間情報を取得する際における各部の処理が異なる。具体的には、第3の実施の形態にかかる画像処理装置は、画像処理装置と直接接続された端末3から時刻情報を取得する。
【0051】
例えば、端末3の様に、ホストインターフェイス31を介して画像処理装置と直接接続されている様な場合においては、画像処理装置と端末3の電源を同時にオン/オフとすることがある。そして、画像処理装置と端末3との起動時間を比較すると、一般的には画像処理装置の起動時間の方が、端末3の起動時間と比較して短くなる。すなわち、画像処理装置が起動した時点で、画像処理装置が端末3から時刻情報を取得しようとしても、端末3が完全に起動していないことに起因して、時刻情報を取得することが出来ない場合がある。そこで、第3の実施の形態では、画像処理装置は、同一の端末3に対して時刻情報の要求を複数回行い、端末3から時刻情報を取得することが出来ない場合に、タイムサーバ11から基準時刻を取得する。以下、画像処理装置の具体的な動作について、図6を参照しながら詳細な説明をする。
【0052】
一連の処理が開始すると、ステップS30においてCPU19は、画像処理装置がLAN4に接続されているか否かを判断する。そして、CPU19が、画像処理装置がLAN4に接続されていないと判断した場合は、端末3から時刻情報を取得すべく、ステップS31以降の処理を実行する。
【0053】
ステップS31においてCPU19は、端末3への時刻情報の要求回数を示す値nを値0にリセットする。そして、ステップS32においてCPU19は、ホストインターフェイス31を介して端末3に、時刻情報を要求する。
【0054】
次に、ステップS33においてCPU19は、時刻情報を要求した端末3から応答があったか否かを判断する。そして、ステップS33においてCPU19が、端末3から時刻情報の応答があったと判断した場合は、CPU19は、端末3から送信された時刻情報に基づいてRTC27の時間情報を設定すべく、ステップS34以降の処理を実行する。
【0055】
ステップS34においてCPU19は、端末3から送信された情報から必要な時刻情報を抽出する。
【0056】
次に、ステップS35においてCPU19は、抽出した時刻情報を、新たな時刻情報としてRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0057】
一方、ステップS33においてCPU19が、端末3から応答がないと判断した場合は、CPU19は、端末3が完全に起動していない可能性があると判断し、ステップS36以降の処理を行う。
【0058】
ステップS36においてCPU19は、端末3から応答がないと判断してから所定の待機時間が経過したか否かを判断する。そして、CPU19が待機時間を経過していないと判断した場合は、CPU19は、待機時間が経過するまで同一の処理を繰り返し行う。そして、CPU19が、待機時間が経過したと判断した場合は、CPU19は、ステップS37の処理を行う。
【0059】
ステップS37においてCPU19は、端末3への時刻情報の要求回数を示す値nに対して値1を加算し、当該加算によって得られた和を、新たに値nとして設定する。これにより、CPU19は端末3への時刻情報の要求回数に対してインクリメントを行う。その後、CPU19はステップS38の処理を行う。
【0060】
ステップS38においてCPU19は、ステップS37において設定した値nが、所定のリトライ回数よりも小さいか否かを判断する。そして、CPU19が、値nがリトライ回数よりも小さいと判断した場合は、CPU19は、再度ステップS32以降の処理を実行する。一方でCPU19が、値nがリトライ回数よりも大きいと判断した場合は、CPU19は、一連の処理を終了する。
【0061】
また、ステップS30においてCPU19が、画像処理装置がLAN4に接続されていると判断した場合、CPU19はステップS39以降の処理を行う。
【0062】
ステップS39おいてCPU19は、タイムサーバ11の宛先を取得すべく、記憶装置33のアドレス記憶領域35にタイムサーバ11のIPアドレスが記憶されているか否かを判断する。ここで、CPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、CPU19はタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻の供給を要求すべく、ステップS40の処理を実行する。
【0063】
ステップS40においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されているタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻を取得すべく、基準時刻を要求する。
【0064】
次に、ステップS41においてCPU19は、基準時刻を要求したタイムサーバ11から応答があったか否かを判断する。そして、ステップS41においてCPU19が、タイムサーバ11から基準時刻の応答があったと判断した場合は、CPU19は、タイムサーバ11から送信された基準時刻に基づいてRTC27の時間情報を設定すべく、ステップS42の処理を実行する。
【0065】
ステップS42においてCPU19は、RTC27が保有する現在時刻と基準時刻との時差から新たな現在時刻を算出する。そして、ステップS43においてCPU19は、算出した新たな現在時刻をRTC27が保有する現在時刻として設定し、一連の処理を終了する。
【0066】
一方、ステップS39においてCPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、及びステップS41においてCPU19が、タイムサーバ11から応答がないと判断した場合は、CPU19は、第1の時間情報を管理するタイムサーバ11とは異なる場所から第2の時間情報を取得すべく、ステップS44以降の一連の処理を行う。
【0067】
ステップS44においてCPU19は、LAN4を介して画像処理装置1と接続された管理者端末5のうち、時刻情報を提供することが可能な管理者端末5のIPアドレスが記憶装置33に記憶されているか否かを判断する。そして、ステップS44においてCPU19が、管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、当該管理者端末5に時刻情報を要求すべく、ステップS45の処理を実行する。一方で、CPU19が何れの管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、CPU19は第1の時間情報及び第2の時間情報の何れも取得することが出来ないと判断して、一連の処理を終了する。
【0068】
ステップS45においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶された管理者端末5に対して時刻情報を要求する。
【0069】
次に、ステップS46においてCPU19は、時刻情報を要求した管理者端末5から応答があったか否かを判断する。そしてCPU19が、管理者端末5から応答があったと判断した場合は、CPU19は、管理者端末5から送信された時刻情報をRTC27に設定すべく、ステップS47以降の処理を実行する。一方、CPU19が管理者端末5から応答がないと判断した場合は、CPU19は一連の処理を終了する。
【0070】
ステップS47においてCPU19は、管理者端末5から送信された情報から必要な時刻情報を抽出する。
【0071】
次に、ステップS48においてCPU19は、抽出した時刻情報を、新たな時刻情報としてRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0072】
この様に、第3の実施の形態にかかる画像処理装置によれば、画像処理装置と直接接続された端末3に対して、複数回時刻情報を要求する処理を行う。そして、時刻情報の要求回数を示す値n及び待機時間を調整することによって、画像処理装置と端末3とを同時に起動した場合においても、端末3の起動が完全に終了するまでこの要求を繰り返すことができ、画像処理装置が時刻情報を取得することができる確度を向上させることができる。
【0073】
次に、本発明の第4の実施の形態について詳細な説明をする。第4の実施の形態にかかる画像処理装置は、第1の実施の形態で詳細な説明を行った画像処理装置1と同一の構成を備える箇所がある為、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0074】
具体的には、第4の実施の形態にかかる画像処理装置は、ROM21に格納されたプログラムの構成が画像処理装置1とは異なる。すなわち、画像処理装置1と第3の実施の形態にかかる画像処理装置とは、時間情報を取得する際における各部の処理が異なる。具体的には、第4の実施の形態にかかる画像処理装置は、タイムサーバ11及び管理者端末5から基準時刻又は時刻情報を取得することができない場合は、管理者端末5から送信された印刷データから時刻情報を抽出し、RTC27に設定する。尚、本実施の形態では、管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5から送信された印刷データから時刻情報を抽出する構成とするが、画像処理装置は、端末3から印刷データを送信され、当該端末3から送信された印刷データから時刻情報を抽出する構成であっても良い。
【0075】
管理者端末5は、図7に示す様に、管理者としてのユーザが操作することによって所定の画像データを生成する為のアプリケーション57と、アプリケーション57において生成された画像データを、画像処理装置67が認識することが可能な印刷データに変換するプリンタドライバ59とを備える。そして、プリンタドライバ59において変換された印刷データは、スプールファイル61に書き出される。また、管理者端末5は、図8に示す様に、スプールファイル61に書き出された、ページ1データ69−1、ページ2データ69−2、・・・、ページnデータ69−nからなる印刷データのヘッダ部分に、例えば管理者端末5の時刻情報を管理するプログラムから読み出した時刻情報65を埋め込み、当該印刷データを、LAN4を介して画像処理装置67に送信するランゲージモニタ63を備える。
【0076】
次に、画像処理装置67の一連の処理について、図9を参照しながら詳細な説明をする。
【0077】
一連の処理が開始すると、ステップS50においてCPU19は、タイムサーバ11の宛先を取得すべく、記憶装置33のアドレス記憶領域35にタイムサーバ11のIPアドレスが記憶されているか否かを判断する。ここで、CPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、CPU19はタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻の供給を要求すべく、ステップS51の処理を実行する。
【0078】
ステップS51においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されているタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻を取得すべく、基準時刻を要求する。この要求は、LAN4、ルータ7、及びWAN9を介してタイムサーバに供給される。
【0079】
次に、ステップS52においてCPU19は、基準時刻を要求したタイムサーバ11から応答があったか否かを判断する。例えば画像処理装置67とLAN4との間等で何らかの接続異常が発生している場合や、ルータ7が備えるファイアウォール機能によって当該要求が遮断されてしまった場合等には、画像処理装置67が発した要求はタイムサーバ11に到達しない。また、タイムサーバ11が行った応答が、ルータ7が備えるファイアウォール機能によって遮断されてしまう場合もある。すなわち、ステップS52においては、この様な現象によって画像処理装置67とタイムサーバ11との間で通信を行うことが出来ない場合に、タイムサーバ11から基準時刻の応答がないと判断される。そして、ステップS52においてCPU19が、タイムサーバ11から基準時刻の応答があったと判断した場合は、CPU19は、タイムサーバ11から送信された基準時刻に基づいてRTC27の時間情報を設定すべく、ステップS53の処理を実行する。
【0080】
ステップS53においてCPU19は、RTC27が保有する現在時刻と基準時刻との時差から新たな現在時刻を算出する。そして、ステップS54においてCPU19は、算出した新たな現在時刻をRTC27が保有する現在時刻として設定し、一連の処理を終了する。
【0081】
一方、ステップS50においてCPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、及びステップS52においてCPU19が、タイムサーバ11から応答がないと判断した場合は、CPU19は、第1の時間情報を管理するタイムサーバ11とは異なる場所から第2の時間情報を取得すべく、ステップS55以降の一連の処理を行う。
【0082】
ステップS55においてCPU19は、LAN4を介して画像処理装置67と接続された管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5のうち、時刻情報を提供することが可能な管理者端末5のIPアドレスが記憶装置33に記憶されているか否かを判断する。この様に、画像処理装置67では、ルータ7及びWAN9を介して画像処理装置67と接続されたタイムサーバ11から第1の時間情報を取得することが出来ないと判断した場合には、代替手段として、ルータ7及びWAN9を介して時間情報を取得する確度よりも高い確度で時間情報を取得することが可能な、同一のLAN環境内にある管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5から時間情報を取得することを試みる。
【0083】
そして、ステップS55においてCPU19が、管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、当該管理者端末5に時刻情報を要求すべく、ステップS56の処理を実行する。一方で、CPU19が何れの管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、CPU19は第1の時間情報及び第2の時間情報の何れも取得することが出来ないと判断して、一連の処理を終了する。
【0084】
ステップS56においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶された管理者端末5に対して時刻情報を要求する。この要求は、LAN4を介して管理者端末5としての管理者端末5−1,5−2,5−3に送信される。
【0085】
次に、ステップS57においてCPU19は、時刻情報を要求した管理者端末5から応答があったか否かを判断する。そしてCPU19が、管理者端末5から応答があったと判断した場合は、CPU19は、管理者端末5から送信された時刻情報をRTC27に設定すべく、ステップS58以降の処理を実行する。一方、CPU19が管理者端末5から応答がないと判断した場合は、印刷データから時刻情報を抽出すべく、ステップS60以降の処理を行う。
【0086】
ステップS58においてCPU19は、管理者端末5から送信された情報から必要な時刻情報を抽出する。
【0087】
次に、ステップS59においてCPU19は、抽出した時刻情報を、新たな時刻情報としてRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0088】
一方、ステップS57においてCPU19が、管理者端末5から応答がないと判断した場合は、ステップS60においてCPU19は、管理者端末5から印刷データを受信したか否かを判断する。そして、この処理は、印刷データを受信するまで繰り返し行われる。
【0089】
次に、ステップS61においてCPU19は、受信した印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれているか否かを判断する。そして、CPU19が、印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれていると判断した場合は、CPU19は、時刻情報を設定すべく、ステップS62以降の処理を実行する。一方、CPU19が印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれていないと判断した場合、CPU19は一連の処理を終了する。
【0090】
ステップS62においてCPU19は、印刷データのヘッダ部分から時刻情報を抽出する。そして、ステップS63においてCPU19は、抽出した時刻情報をRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0091】
この様に、画像処理装置67によれば、タイムサーバ11又は管理者端末5に対して基準時刻又は時刻情報を要求し、両者から応答がない場合は、管理者端末5から送信された印刷データから時刻情報を抽出することができる。これにより、画像処理装置67がネットワーク上でタイムサーバ11又は管理者端末5を見つけることができない場合においても、画像処理装置は時刻情報を取得することができる。また、管理者端末5から送信された印刷データから時刻情報を抽出することによって、画像処理装置67が保有する時刻情報と管理者端末5が保有する時刻情報とを同期させることができる。
【0092】
次に、本発明の第5の実施の形態について詳細な説明をする。第5の実施の形態にかかる画像処理装置は、第4の実施の形態で詳細な説明を行った画像処理装置67と同一の構成を備える箇所がある為、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0093】
具体的には、第5の実施の形態にかかる画像処理装置は、ROM21に格納されたプログラムの構成が画像処理装置とは異なる。すなわち、画像処理装置と第5の実施の形態にかかる画像処理装置とは、時間情報を取得する際における各部の処理が異なる。具体的には、第5の実施の形態にかかる画像処理装置は、予め指定された上位装置から送信された印刷データのみから時刻情報を抽出する処理を行う。これにより、第5の実施の形態にかかる画像処理装置は、同時に複数の上位装置から印刷データが送信された場合においても、RTC27が保有する時間情報を繰り返し設定し直すことを防止することができる。以下、第5の実施の形態にかかる画像処理装置が行う具体的な処理について、図10を参照しながら詳細な説明を行う。
【0094】
一連の処理が開始すると、ステップS70においてCPU19は、タイムサーバ11の宛先を取得すべく、記憶装置33のアドレス記憶領域35にタイムサーバ11のIPアドレスが記憶されているか否かを判断する。ここで、CPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、CPU19はタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻の供給を要求すべく、ステップS71の処理を実行する。
【0095】
ステップS71においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されているタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻を取得すべく、基準時刻を要求する。この要求は、LAN4、ルータ7、及びWAN9を介してタイムサーバに供給される。
【0096】
次に、ステップS72においてCPU19は、基準時刻を要求したタイムサーバ11から応答があったか否かを判断する。そして、ステップS72においてCPU19が、タイムサーバ11から基準時刻の応答があったと判断した場合は、CPU19は、タイムサーバ11から送信された基準時刻に基づいてRTC27の時間情報を設定すべく、ステップS73の処理を実行する。
【0097】
ステップS73においてCPU19は、RTC27が保有する現在時刻と基準時刻との時差から新たな現在時刻を算出する。そして、ステップS74においてCPU19は、算出した新たな現在時刻をRTC27が保有する現在時刻として設定し、一連の処理を終了する。
【0098】
一方、ステップS70においてCPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、及びステップS72においてCPU19が、タイムサーバ11から応答がないと判断した場合は、CPU19は、第1の時間情報を管理するタイムサーバ11とは異なる場所から第2の時間情報を取得すべく、ステップS75以降の一連の処理を行う。
【0099】
ステップS75においてCPU19は、LAN4を介して画像処理装置と接続された管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5のうち、時刻情報を提供することが可能な管理者端末5のIPアドレスが記憶装置33に記憶されているか否かを判断する。この様に、画像処理装置では、ルータ7及びWAN9を介して画像処理装置と接続されたタイムサーバ11から第1の時間情報を取得することが出来ないと判断した場合には、代替手段として、ルータ7及びWAN9を介して時間情報を取得する確度よりも高い確度で時間情報を取得することが可能な、同一のLAN環境内にある管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5から時間情報を取得することを試みる。
【0100】
そして、ステップS75においてCPU19が、管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、当該管理者端末5に時刻情報を要求すべく、ステップS76の処理を実行する。一方で、CPU19が何れの管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、CPU19は第1の時間情報及び第2の時間情報の何れも取得することが出来ないと判断して、一連の処理を終了する。
【0101】
ステップS76においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶された管理者端末5に対して時刻情報を要求する。この要求は、LAN4を介して管理者端末5としての管理者端末5−1,5−2,5−3に送信される。
【0102】
次に、ステップS77においてCPU19は、時刻情報を要求した管理者端末5から応答があったか否かを判断する。そしてCPU19が、管理者端末5から応答があったと判断した場合は、CPU19は、管理者端末5から送信された時刻情報をRTC27に設定すべく、ステップS78以降の処理を実行する。一方、CPU19が管理者端末5から応答がないと判断した場合は、印刷データから時刻情報を抽出すべく、ステップS80以降の処理を行う。
【0103】
ステップS78においてCPU19は、管理者端末5から送信された情報から必要な時刻情報を抽出する。
【0104】
次に、ステップS79においてCPU19は、抽出した時刻情報を、新たな時刻情報としてRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0105】
一方、ステップS77においてCPU19が、管理者端末5から応答がないと判断した場合は、ステップS80においてCPU19は、管理者端末5から印刷データを受信したか否かを判断する。そして、この処理は、印刷データを受信するまで繰り返し行われる。
【0106】
次に、ステップS81においてCPU19は、受信した印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれているか否かを判断する。そして、CPU19が、印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれていると判断した場合は、CPU19は、時刻情報を設定すべく、ステップS82以降の処理を実行する。一方、CPU19が印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれていないと判断した場合、CPU19は一連の処理を終了する。
【0107】
ステップS82においてCPU19は、印刷データが、管理者端末5から送信された印刷データであるか否かを判断する。すなわち、CPU19は、印刷データの送信元によって、これ以降に行う処理を区別する。そして、印刷データが管理者端末5から送信された印刷データでないと判断した場合は、印刷データは端末3から送信された印刷データとなる。そして、CPU19が、印刷データの送信元が管理者端末5でないと判断した場合は、CPU19は、当該印刷データに含まれる時刻情報を抽出すべくステップS83以降の処理を行う。
【0108】
ステップS83においてCPU19は、印刷データのヘッダ部分から時刻情報を抽出する。そして、ステップS84においてCPU19は、抽出した時刻情報をRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0109】
一方、ステップS82においてCPU19が、印刷データの送信元が管理者端末5であると判断した場合は、ステップS85においてCPU19は、印刷データの送信元が指定の管理者端末5であるか否かを判断する。具体的には、CPU19は、今回印刷データを送信した管理者端末5が、前回の時刻情報取得プロセス時に時刻情報を抽出した印刷データを送信した管理者端末5であるか否かを判断する。この判断は、CPU19がステップS82の処理を実行する際に記憶装置33を参照することで実行される。そして、CPU19が、印刷データの送信元が指定の管理者端末5であると判断した場合、CPU19は、時刻情報を抽出すべくステップS83以降の処理を実行する。一方、CPU19が、印刷データの送信元が指定の管理者端末5でないと判断した場合、CPU19は、当該印刷データからは時刻情報を抽出せずに、一連の処理を終了する。
【0110】
ステップS83においてCPU19は、印刷データのヘッダ部分から時刻情報を抽出する。そして、ステップS84においてCPU19は、抽出した時刻情報をRTC27に設定し、一連の処理を終了する。
【0111】
この様に、画像処理装置は、複数のインターフェイスを介して複数の上位装置と接続されている場合であっても、時間情報を取得すべき上位装置を予め決定しておくことによって同一の送信元から送信された印刷データのみから時刻情報を抽出することができる。そして、同一の上位装置から送信された印刷データのみから時刻情報を抽出することによって、画像処理装置に複数の上位装置から継続的に印刷データが送信された場合であっても、印刷データを受信する度に時間情報を設定することを防止することができる。特に、全ての上位装置が保有する時間情報が同期されていない場合には、印刷データを受信する度に時間情報が変更されてしまう為、本発明の効果が顕著になる。
【0112】
尚、本実施の形態では、画像処理装置は、指定の管理者端末5から送信された印刷データから時刻情報を抽出する構成としたが、ホストインターフェイスを介して画像処理装置と接続された端末3から送信された印刷データから時刻情報を抽出する構成とすることも可能である。
【0113】
次に、本発明の第6の実施の形態について詳細な説明をする。第6の実施の形態にかかる画像処理装置は、第5の実施の形態で詳細な説明を行った画像処理装置67と同一の構成を備える箇所がある為、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0114】
具体的には、第6の実施の形態にかかる画像処理装置は、管理者端末5又は端末3の何れの端末から印刷データが送信された場合においても、RTC27が保有する時間情報を安定させることができる画像処理装置である。さらに具体的には、画像処理装置は、RTC27が保有する時間情報を設定する度に設定のもととなった時刻情報又は現在時刻の取得元である上位装置を記憶装置33に記憶する。そして、次回RTC27が保有する時間情報を設定する際には、記憶装置33に記憶された上位装置のみから時刻情報又は現在時刻を取得する処理を行うことで、RTC27は安定した時間情報を保有することができる。以下、第6の実施の形態にかかる画像処理装置が行う具体的な処理について、図11を参照しながら詳細な説明を行う。
【0115】
一連の処理が開始すると、ステップS90においてCPU19は、タイムサーバ11の宛先を取得すべく、記憶装置33のアドレス記憶領域35にタイムサーバ11のIPアドレスが記憶されているか否かを判断する。ここで、CPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、CPU19はタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻の供給を要求すべく、ステップS91の処理を実行する。
【0116】
ステップS91においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されているタイムサーバ11に対して、タイムサーバ11が管理する基準時刻を取得すべく、基準時刻を要求する。この要求は、LAN4、ルータ7、及びWAN9を介してタイムサーバに供給される。
【0117】
次に、ステップS92においてCPU19は、基準時刻を要求したタイムサーバ11から応答があったか否かを判断する。そして、ステップS92においてCPU19が、タイムサーバ11から基準時刻の応答があったと判断した場合は、CPU19は、タイムサーバ11から送信された基準時刻に基づいてRTC27の時間情報を設定すべく、ステップS93の処理を実行する。
【0118】
ステップS93においてCPU19は、RTC27が保有する現在時刻と基準時刻との時差から新たな現在時刻を算出する。そして、ステップS94においてCPU19は、算出した新たな現在時刻をRTC27が保有する現在時刻として設定する。
【0119】
次に、ステップS95においてCPU19は、次回の時間情報取得プロセス時において使用する為に、現在時刻の取得元となったタイムサーバ11を記憶装置33に記憶し、一連の処理を終了する。
【0120】
一方、ステップS90においてCPU19が、タイムサーバ11のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、及びステップS92においてCPU19が、タイムサーバ11から応答がないと判断した場合は、CPU19は、第1の時間情報を管理するタイムサーバ11とは異なる場所から第2の時間情報を取得すべく、ステップS96以降の一連の処理を行う。
【0121】
ステップS96においてCPU19は、LAN4を介して画像処理装置と接続された管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5のうち、時刻情報を提供することが可能な管理者端末5のIPアドレスが記憶装置33に記憶されているか否かを判断する。この様に、画像処理装置では、ルータ7及びWAN9を介して画像処理装置と接続されたタイムサーバ11から第1の時間情報を取得することが出来ないと判断した場合には、代替手段として、ルータ7及びWAN9を介して時間情報を取得する確度よりも高い確度で時間情報を取得することが可能な、同一のLAN環境内にある管理者端末5−1,5−2,5−3等の管理者端末5から時間情報を取得することを試みる。
【0122】
そして、ステップS96においてCPU19が、管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていると判断した場合は、当該管理者端末5に時刻情報を要求すべく、ステップS97の処理を実行する。一方で、CPU19が何れの管理者端末5のIPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶されていないと判断した場合、CPU19は第1の時間情報及び第2の時間情報の何れも取得することが出来ないと判断して、一連の処理を終了する。
【0123】
ステップS97においてCPU19は、IPアドレスがアドレス記憶領域35に記憶された管理者端末5に対して時刻情報を要求する。この要求は、LAN4を介して管理者端末5としての管理者端末5−1,5−2,5−3に送信される。
【0124】
次に、ステップS98においてCPU19は、時刻情報を要求した管理者端末5から応答があったか否かを判断する。そしてCPU19が、管理者端末5から応答があったと判断した場合は、CPU19は、管理者端末5から送信された時刻情報をRTC27に設定すべく、ステップS99以降の処理を実行する。一方、CPU19が管理者端末5から応答がないと判断した場合は、印刷データから時刻情報を抽出すべく、ステップS102以降の処理を行う。
【0125】
ステップS99においてCPU19は、管理者端末5から送信された情報から必要な時刻情報を抽出する。
【0126】
次に、ステップS100においてCPU19は、抽出した時刻情報を、新たな時刻情報としてRTC27に設定する。
【0127】
次に、ステップS101においてCPU19は、次回の時間情報取得プロセス時において使用する為に、現在時刻の取得元となった管理者端末5を記憶装置33に記憶し、一連の処理を終了する。
【0128】
一方、ステップS98においてCPU19が、管理者端末5から応答がないと判断した場合は、ステップS102においてCPU19は、管理者端末5から印刷データを受信したか否かを判断する。そして、この処理は、印刷データを受信するまで繰り返し行われる。
【0129】
次に、ステップS103においてCPU19は、受信した印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれているか否かを判断する。そして、CPU19が、印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれていると判断した場合は、CPU19は、時刻情報を設定すべく、ステップS104以降の処理を実行する。一方、CPU19が印刷データのヘッダ部分に時刻情報が含まれていないと判断した場合、CPU19は一連の処理を終了する。
【0130】
ステップS104においてCPU19は、今回送信された印刷データが画像処理装置の電源投入後に最初の印刷データであるか否かを判断する。そして、CPU19が今回送信された印刷データが画像処理装置の電源投入後に最初の印刷データであると判断した場合は、RTC27が現在保有している時間情報は、電源投入時に行った時間情報取得プロセスの際に時間情報の取得元となった上位装置に依存している情報である為、新たに時間情報を取得すべく、ステップS105以降の処理を実行する。
【0131】
ステップS105においてCPU19は、印刷データのヘッダ部分から時刻情報を抽出する。
【0132】
次に、ステップS106においてCPU19は、抽出した時刻情報を、新たな時刻情報としてRTC27に設定する。
【0133】
次に、ステップS107においてCPU19は、次回の時間情報取得プロセス時において使用する為に、現在時刻の取得元となった管理者端末5を記憶装置33に記憶し、一連の処理を終了する。
【0134】
一方、ステップS104においてCPU19が、今回送信された印刷データが画像処理装置の電源投入後に最初の印刷データでないと判断した場合は、ステップS108においてCPU19は、今回送信された印刷データが記憶装置33に記憶された上位装置であるか否かを判断する。ここで判断の対象となる上位装置は、前回の時間情報設定プロセス時に、時間情報の取得元となった上位装置であり、例えばステップS95及びステップS101の処理において記憶装置33に記憶された上位装置である。そして、CPU19が今回送信された印刷データが記憶装置33に記憶された上位装置であると判断した場合は、今回送信された印刷データから時刻情報を抽出すべく、ステップS105以降の処理を実行する。一方、CPU19が今回送信された印刷データが記憶装置33に記憶された上位装置でないと判断した場合は、今回送信された印刷データからは時刻情報を抽出する必要がないとして、一連の処理を終了する。
【0135】
この様に、画像形成装置は、複数のインターフェイスを介して複数の上位装置と接続されている場合であっても、一定の上位装置から送信される印刷データのヘッダ部分に含まれる時刻情報のみを取得することによって、同一の送信元から送信された印刷データのみから時刻情報を抽出することができる。そして、同一の上位装置から送信された印刷データのみから時刻情報を抽出することによって、画像処理装置に複数の上位装置から継続的に印刷データが送信された場合であっても、印刷データを受信する度に時間情報を設定することを防止することができる。特に、全ての上位装置が保有する時間情報が同期されていない場合には、印刷データを受信する度に時間情報が変更されてしまう為、本発明の効果が顕著になる。
【0136】
また、画像形成装置は、電源投入毎に時刻情報を取得するための印刷データの供給元を変更する為、例えばスタンドアローン状態にある上位装置から不正確な時刻情報を取得してしまった場合等においても、次回の電源投入時からは異なる上位装置から時刻情報を取得することができる。そしてこれにより、不正確な時刻情報を保持した上位装置から時刻情報を取得し続けることを防止することができる。
【0137】
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、上述の構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0138】
例えば、上述の実施の形態では、ネットワークインターフェイスのプロトコルとしてTCP/IPを用いて詳細な説明を行ったが、NetWare(登録商標)、又はAppleTalk(登録商標)等のプロトコルを使用することも可能である。
【0139】
また、上述の実施の形態においては、例えばステップS10において管理者端末5から取得した時刻情報をRTC27に設定することとしたが、管理者端末5から取得した時刻情報をRTC27に設定する際に、時刻情報を取得する為に要する時間を時刻情報に加算することによって、画像処理装置1は、より精度の高い時刻情報を取得することができる。
【0140】
具体的には、管理者端末5は、画像処理装置1から時刻情報の要求に先立ってダミー信号を受信したときから、時刻情報の要求の受信する為に要する時間、管理者端末5が自身が保有する時刻情報を読み出す為に要する時間、及び読み出した時刻情報を画像処理装置1に送信する為に要する時間の総和からなる第1経時時間、並びに記憶した経時時間を記憶部から読み出す為に要する時間、及び経時時間を時刻情報に含まれる時刻に加算する為に要する時間の和からなる第2経時時間を予め記憶している。そして、管理者端末5は、画像処理装置1に時刻情報を送信する際に、記憶した第1経時時間及び第2経時時間の和を時刻情報に含まれる時刻に加算する。そして、管理者端末5は、第1経時時間及び第2経時時間の和と時刻情報に含まれる時刻との和を画像処理装置1に送信する。これにより、画像処理装置1は、管理者端末5内部における処理に要する時間を考慮した時刻情報の設定を行うことが出来る為、画像処理装置1に設定される時刻情報をより高精度にすることができる。
【0141】
また、上述の経時時間を記憶して加算する処理は、画像処理装置1において実行することも可能である。この場合、画像処理装置1には、画像処理装置1が時刻情報を受信してから取得した時刻情報をRTC27に設定するまでの経時時間を画像処理装置1に記憶させる。そして、例えばステップS10においてCPU19がRTC27に時刻情報を設定する際に、時刻情報に記憶した経時時間を加算することによって同様の効果を得ることが出来る。
【0142】
また、これらの処理は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置1及び管理者端末5のみならず、画像処理装置51、及び画像処理装置67について適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】第1の実施の形態にかかる画像処理装置が接続されるネットワークの概略を示すブロック図である。
【図2】同画像処理装置のブロック図である。
【図3】同画像処理装置の動作を示すフロー図である。
【図4】第2の実施の形態にかかる画像処理装置のブロック図である。
【図5】同画像処理装置の動作を示すフロー図である。
【図6】第3の実施の形態にかかる画像処理装置の動作を示すフロー図である。
【図7】第4の実施の形態にかかる画像処理装置が接続される管理者端末のブロック図である。
【図8】同管理者端末が生成する印刷データのブロック図である。
【図9】同画像処理装置のブロック図である。
【図10】第5の実施の形態にかかる画像処理装置の動作を示すフロー図である。
【図11】第6の実施の形態にかかる画像処理装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0144】
1 画像処理装置
3 端末
5 管理者端末
7 ルータ
11 タイムサーバ
13 制御部
15 操作パネル
17 プリントエンジン
19 CPU
21 ROM
23 RAM
25 エンジンインターフェイス
27 RTC
29 ネットワークインターフェイス
31 ホストインターフェイス
33 記憶装置
35 アドレス記憶領域
37 ログ記憶領域
39 表示部
41 入力部
51 画像処理装置
53 記憶装置
55 アドレス記憶領域
57 アプリケーション
59 プリンタドライバ
61 スプールファイル
63 ランゲージモニタ
65 時刻情報
67 画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間に関する第1の時間情報を取得する第1の時間情報取得手段と、
前記第1の時間情報取得手段によって前記第1の時間情報を取得することが出来ない場合に、前記第1の時間情報取得手段によって前記第1の時間情報を取得することが出来る確度と比較して高い確度で時間に関する第2の時間情報を取得する第2の時間情報取得手段と、
前記第1の時間情報取得手段によって取得された前記第1の時間情報又は前記第2の時間情報取得手段によって取得された前記第2の時間情報に基づいて時間情報を管理する時間情報管理手段と、
前記第1の時間情報取得手段によって取得された前記第1の時間情報又は前記第2の時間情報取得手段によって取得された前記第2の時間情報の何れかの情報に基づいて前記時間情報管理手段によって管理される時間情報を設定する設定手段を備えること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の時間情報取得手段は、
予め記憶された前記第1の時間情報を保持するタイムサーバのIPアドレスに基づいて前記第1の時間情報を取得し、
前記第2の時間情報取得手段は、
前記第1の時間情報取得手段によって前記タイムサーバから前記第1の時間情報を取得することができない場合に、予め記憶された前記第2の時間情報を保持する端末のIPアドレスに基づいて前記第2の時間情報を取得すること
を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1の時間情報を保持する複数のタイムサーバ又は前記第2の時間情報を保持する複数の端末のIPアドレスを記憶するIPアドレス記憶手段を備え、
前記第1の時間情報取得手段は、前記IPアドレス記憶手段にIPアドレスが記憶された複数の前記タイムサーバから順次前記第1の時間情報の取得を試み、
前記第2の時間情報取得手段は、前記IPアドレス記憶手段にIPアドレスが記憶された複数の前記端末から順次前記第2の時間情報の取得を試みること
を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の時間情報を保持する複数のタイムサーバ又は前記第2の時間情報を保持する複数の端末のIPアドレスを記憶するIPアドレス記憶手段を備え、
前記第1の時間情報取得手段は、前記IPアドレス記憶手段にIPアドレスが記憶された複数の前記タイムサーバから順次前記第1の時間情報の取得を試み、
前記第2の時間情報取得手段は、前記IPアドレス記憶手段にIPアドレスが記憶された複数の前記端末のうち、特定の前記端末から第2の時間情報の取得を試みること
を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の時間情報を保持する複数のタイムサーバ又は前記第2の時間情報を保持する複数の端末のIPアドレスを記憶するIPアドレス記憶手段を備え、
前記第1の時間情報取得手段は、前記IPアドレス記憶手段にIPアドレスが記憶された複数の前記タイムサーバから順次前記第1の時間情報の取得を試み、
前記第2の時間情報取得手段は、前記IPアドレス記憶手段にIPアドレスが記憶された複数の前記端末のうち、一定期間毎に前記第2の時間情報を取得する前記端末を変更すること
を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項6】
入力された印刷データが前記第2の時間情報を含むか否かを検出する時間情報検出手段を備え、
前記第1の時間情報取得手段及び前記第2の時間情報取得手段の何れによっても前記第1の時間情報又は前記第2の時間情報を取得することが出来ない場合に、前記時間情報検出手段による検出結果に基づいて前記印刷データから前記第2の時間情報を抽出する時間情報抽出手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1の時間情報取得手段は、ネットワークインターフェイスを介して前記第1の時間情報を取得し、
前記第2の時間情報取得手段は、ホストインターフェイスを介して前記第2の時間情報を取得すること
を特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記ネットワークインターフェイスの接続状態を検出するネットワーク接続検出手段を備え、
前記第2の時間情報取得手段は、前記ネットワーク接続検出手段による検出結果に基づいて前記第1の時間情報によって前記第1の時間情報を取得することができないと判断すること
を特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1の時間情報取得手段は、一定の時間内で繰り返し前記第1の時間情報の取得を試みること
を特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記タイムサーバは、NTPサーバであること
を特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記タイムサーバは、SNTPサーバであること
を特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記タイムサーバは、TIMEプロトコルをサポートするタイムサーバであること
を特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかの項記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−80653(P2008−80653A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263449(P2006−263449)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】