説明

画像処理装置

【課題】 画像読取装置を原稿から離して走査開始位置を変えながら走査することができ、また基準画像を読み取ることなく画像合成ができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、位置情報生成手段により生成した位置情報に基づき、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、走査開始位置に基づいて、画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとを合成し、合成画像を画像記憶手段に記憶させる画像合成手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイメージスキャナ等の画像読取装置に関するものであり、特に自由走査が可能な画像読取装置の画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿上の画像読取部を手動で移動させて画像を取得するハンディスキャナタイプの画像読取装置として特開平8−107479号に示されるようものが一般的である。以下、この構成について図面を参照しながら説明する。
【0003】
従来の画像読取装置は、図25に示すように原稿2509上を走査して画像データを得るイメージセンサ2501と、イメージセンサを移動させる車輪2503a、2503bと、車輪2503a、2503bの移動量を検出するエンコーダ2502a、2502bと、エンコーダ2502a、2502bにより検出された移動量に基づいて、読み取り画像の走査位置の情報を生成する走査位置検出回路2504と、イメージセンサにより読み取った画像を記憶する画像バッファ2505と、読み取り画像の画像データと走査位置情報とにより写像し、画像メモリ2507に記憶されている画像と合成する写像回路2506と、合成された画像にずれがある場合に、これを検出する位置ずれ検出回路2508とを備えている。
【0004】
イメージセンサ2501は2つの車輪2503a、2503b間に設けられ、イメージセンサ2501の各素子からの画像信号を処理して画像データを得る。イメージセンサ2501の両端の車輪2503a、2503bを原稿上で転せると、車輪2503a、2503bに連動したエンコーダ2502a、2502bにより、移動量が検出される。なお図示していないが、回転方向によって位相の異なる2相のパルスを発生するエンコーダを用いることにより回転方向を検出することができる。走査位置検出回路2504は、車輪2503a、2503bの回転量により検出された移動量に基づいて、読み取り画像の走査位置の情報を生成する。イメージセンサ2501で読み取った画像データを走査位置に基づいて写像し、画像メモリに記憶されている画像と合成して画像メモリ上に記憶していく。
【0005】
この画像読取装置を用いた原稿の読取方法を図26に示す。原稿を分割して走査する場合、車輪を原稿から離さないように走査方向を逆転させて原稿を順次読み取る。つまり、図26に示すようにまず領域ABCDを走査2601にて読み取り、次に車輪を浮かさずに逆方向に移動させて走査2602を行うことで、領域CDEFを読み取る。この走査方法を繰り返して大画面の画像を得ていた。
【0006】
また別の走査の方法として特開2000−295438号が開示されている。この走査方法について図27を用いて説明する。特開2000−295438号では、まず走査2701に示すように、縦方向に画像合成の基準となる画像を読み取るための走査を行い、基準画像を得る。次に基準画像に対して垂直方向に順次走査を行い画像データを読み取る。読み取った画像と基準画像とのパターンマッチングを行うことで、読み取った画像の相対的な位置を算出し画像合成を行う。例えば走査2704で読み取った画像は、基準画像2701との重複走査領域ABCDのデータを用いてパターンマッチングを行うことで相対的な位置の算出を行っている。
【特許文献1】特開平8−107479号公報
【特許文献2】特開2000−295438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特開平8−107479号に示される画像読取装置では、車輪が一度原稿から離れると読み取り開始位置からの相対的な距離情報が失われ、再び車輪を原稿に接して画像の読み取りを行った場合の読み取り開始位置がわからなくなり、画像を合成することができなくなるため、走査を始めると原稿のすべての部分の読み取りが終了するまで画像読取装置を原稿から離すことができないという問題があった。
【0008】
さらに、図26の領域CDEFを読み取る際に、車輪が浮かないように画像読取装置を回転させながら移動させなければならず、この走査方法に習熟が必要であるという問題もあった。
【0009】
また、特開2000−295438号に示される画像読取装置では、パターンマッチングによる画像合成処理を行う為、画像読取装置を原稿から一度離して走査できるものの、画像合成のための基準画像が必要であり、さらに基準画像を得るために走査方向に対して垂直方向に走査する必要があるため、画像読み取りの操作が複雑になるという問題があった。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、画像読取装置を原稿から離して走査開始位置を変えながら走査することができ、また基準画像を読み取ることなく画像合成ができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の画像処理装置は、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報が一定期間以上変化しないときに、これを走査の終了として検出する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報に変化がない一定の期間の後、直前の走査方向と同一の方向に動きがあったときに、これを次の走査の開始として検出する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報にあらかじめ定めた値を超える移動量が発生したときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項5に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報により、直前の走査方向と逆方向に動きがあったときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項6に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報に変化がない一定の期間の後、直前の走査方向と逆方向の動きがあったときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出する、ことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項7に記載の画像処理装置は、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、上記画像読取手段と原稿との距離を算出する距離情報生成手段と、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、を備え、上記走査切替検出手段は、上記距離情報生成手段により算出した距離情報に基づいて、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する、ことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項8に記載の画像処理装置は、請求項7に記載の画像処理装置において、上記距離情報生成手段が、上記画像読取手段と原稿が接している場合と、上記画像読取手段と原稿が離れている場合と、を区別して検出するスイッチである、ことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項9に記載の画像処理装置は、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、上記画像記憶手段内の画像データを表示する画像表示手段とを備え、上記画像合成手段は、走査中に読み取った画像データの大きさがパターンマッチングのために必要な画像の大きさを越えた時点で画像合成を開始する、ことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項10に記載の画像処理装置は、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、上記走査切替検出手段により走査の終了状態が検出されると、次の走査が可能であることを知らせる報知手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項11に記載の画像処理装置は、請求項10に記載の画像処理装置において、上記報知手段が、表示ランプである、ことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項12に記載の画像処理装置は、請求項10に記載の画像処理装置において、上記報知手段が、液晶表示素子である、ことを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項13に記載の画像処理装置は、請求項10に記載の画像処理装置において、上記報知手段は、次の走査が可能であることを音で知らせる、ことを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項14に記載の画像処理装置は、請求項10に記載の画像処理装置において、上記報知手段は、次の走査が可能であることを上記表示手段に表示する、ことを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項15に記載の画像処理装置は、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、新たに読み取った画像データと、上記画像記憶手段に記憶されている画像データとに重複走査領域がない場合を、走査の異常として検出する異常検出手段と、を備え、走査の異常が検出された場合に、上記新たに読み取った画像データを消去して走査を行う前の状態に戻す、ことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項16に記載の画像処理装置は、請求項15に記載の画像処理装置において、上記異常検出手段は、新たに読み取った画像データに曲がりが生じている場合を走査の異常として検出し、走査の異常が検出された場合に、上記新たに読み取った画像データを消去して走査を行う前の状態に戻す、ことを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項17に記載の画像処理装置は、請求項15または請求項16に記載の画像処理装置において、上記異常検出手段は、その検出結果を上記報知手段により報知する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の請求項1に記載された画像処理装置によれば、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、を備えたもの、としたので、原稿を走査した後で上記画像読取手段を原稿から離して次の走査開始位置に移動させながら順次走査を行う場合でも、走査終了、次の走査を開始などの走査状態を正確に検出することができる。
【0029】
本発明の請求項2に記載された画像処理装置によれば、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報が一定期間以上変化しないときに、これを走査の終了として検出するもの、としたので、簡単に走査の終了を検出することができる。
【0030】
本発明の請求項3に記載された画像処理装置によれば、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報に変化がない一定の期間の後、直前の走査方向と同一の方向に動きがあったときに、これを次の走査の開始として検出するもの、としたので、操作者が本来の走査方向とは逆の方向に誤走査してしまった場合でも、逆の方向に走査して得た画像データは必要ないものとして扱うことができるので、走査の開始状態が誤検出されるのを防止することができ、走査の開始を正確に検出することができる。
【0031】
本発明の請求項4に記載された画像処理装置によれば、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報にあらかじめ定めた値を超える移動量が発生したときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出するもの、としたので、次の走査に移る場合に画像読取部を原稿に接触した際に微小な移動が生じた場合でも、走査の状態が誤検出されるのを防止することができる。
【0032】
本発明の請求項5に記載された画像処理装置によれば、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報により、直前の走査方向と逆方向に動きがあったときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出するもの、としたので、走査の方向が逆方向に変わることを検出して、容易に次の走査の開始状態を検出することができる。
【0033】
本発明の請求項6に記載された画像処理装置によれば、請求項1に記載の画像処理装置において、上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報に変化がない一定の期間の後、直前の走査方向と逆方向の動きがあったときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出するもの、としたので、走査の状態を簡単にかつ正確に検出することができる。
【0034】
本発明の請求項7に記載された画像処理装置によれば、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、上記画像読取手段と原稿との距離を算出する距離情報生成手段と、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、を備え、上記走査切替検出手段は、上記距離情報生成手段により算出した距離情報に基づいて、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出するもの、としたので、上記画像読取手段と原稿との距離に基づいて、走査中、走査終了、次の走査を開始などの走査状態を正確に検出することができる。また、走査の切替を検出するために設けていた、走査を行わない一定の期間が必要なくなり、次の走査までの時間を短縮することができる。
【0035】
本発明の請求項8に記載された画像処理装置によれば、請求項7に記載の画像処理装置において、上記距離情報生成手段が、上記画像読取手段と原稿が接している場合と、上記画像読取手段と原稿が離れている場合と、を区別して検出するスイッチであるもの、としたので、低コストで上記走査切替検出手段を提供することができる。
【0036】
本発明の請求項9に記載された画像処理装置によれば、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、上記画像記憶手段内の画像データを表示する画像表示手段と、を備え、上記画像合成手段は、走査中に読み取った画像データの大きさがパターンマッチングのために必要な画像の大きさを越えた時点で画像合成を開始するもの、としたので、走査の終了を待つことなく、パターンマッチングに必要な画像データを読み取った時点で画像合成を行い合成画像を表示することができ、操作者は読み取り画像をリアルタイムに確認しながら走査を行うことができる。
【0037】
本発明の請求項10に記載された画像処理装置によれば、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と上記走査切替検出手段により走査の終了状態が検出されると、次の走査が可能であることを知らせる報知手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、を備えたもの、としたので、操作者は走査の終了が正しく検出されたことや、次の走査が可能であることを確認することができ、誤操作をすることなく画像の読み取りを行うことができる。また、走査の切替を検出するために設けていた、走査を行わない一定の期間が必要なくなり、次の走査までの時間を短縮することができる。
【0038】
本発明の請求項11に記載された画像処理装置によれば、請求項10に記載の画像処理装置において、上記報知手段が、表示ランプであるもの、としたので、操作者は走査の終了が正しく検出されたことや、次の走査が可能であることを容易に確認することができる。
【0039】
本発明の請求項12に記載された画像処理装置によれば、請求項10に記載の画像処理装置において、上記報知手段が、液晶表示素子であるもの、としたので、操作者は走査の終了が正しく検出されたことや、次の走査が可能であることを容易に確認することができるる。
【0040】
本発明の請求項13に記載された画像処理装置によれば、請求項10に記載の画像処理装置において、上記報知手段は、次の走査が可能であることを音で知らせるもの、としたので、操作者は走査の終了が正しく検出されたことや、次の走査が可能であることを容易に確認することができる。
【0041】
本発明の請求項14に記載された画像処理装置によれば、請求項10に記載の画像処理装置において、上記報知手段は、次の走査が可能であることを上記表示手段に表示するもの、としたので、操作者は走査の終了が正しく検出されたことや、次の走査が可能であることを容易に確認することができる。
【0042】
本発明の請求項15に記載された画像処理装置によれば、原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、新たに読み取った画像データと、上記画像記憶手段に記憶されている画像データとに重複走査領域がない場合を、走査の異常として検出する異常検出手段と、を備え、走査の異常が検出された場合に、上記新たに読み取った画像データを消去して走査を行う前の状態に戻すもの、としたので、操作者が走査に失敗した場合に、全ての原稿を再走査するのではなく、異常が発生した部分のみを再走査して画像合成を行うことができ、原稿の再走査の負担を軽減することができる。
【0043】
本発明の請求項16に記載された画像処理装置によれば、請求項15に記載の画像処理装置において、上記異常検出手段は、新たに読み取った画像データに曲がりが生じている場合を走査の異常として検出し走査の異常が検出された場合に、新たに読み取った画像データを消去して走査を行う前の状態に戻すもの、としたので、操作者が走査に失敗した場合に、全ての原稿を再走査するのではなく、異常が発生した部分のみを再走査して画像合成を行うことができ、原稿の再走査の負担を軽減することができる。
【0044】
本発明の請求項17に記載された画像処理装置によれば、請求項15または請求項16に記載の画像処理装置において、上記異常検出手段は、その検出結果を上記報知手段により報知するもの、としたので、操作者に容易に異常を認識させて、再走査を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0046】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る画像処理装置Aの構成を示すブロック図である。
【0047】
図1に示すように、画像処理装置Aは、原稿を、重複して走査する重複走査領域を設けて分割走査し、得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現するものである。
【0048】
つまり、画像処理装置Aは、移動量検出手段102、103とイメージセンサ104とを有し、原稿上を走査して画像を読み取る画像読取部101と、読み取った画像データを一時記憶する画像バッファ105と、画像読取部101の移動量及び移動距離より画像の読み取り位置の位置座標を算出する位置情報生成手段107と、位置情報生成手段107により生成された位置情報を記憶する位置情報記憶手段108と、位置情報記憶手段108に記憶されている位置情報に基づいて、読み取った画像データを写像する写像手段106と、写像データを記憶する写像データ記憶手段109と、位置情報生成手段107により生成した位置情報に基づいて、読み取り画像データを記憶する画像メモリ112と、重複走査領域内の画像データにより、画像メモリ112に記憶されている画像データを基準とした新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出する走査開始位置算出手段110と、位置ずれを補正して画像を合成する位置ずれ補正手段111と、を有するものであり、画像メモリ112は、位置ずれ補正手段111により位置ずれを補正して合成された画像を順次記憶するものである。
【0049】
画像読取部101は図2に示すように原稿の画像を読み取るイメージセンサ104と、その両端に車輪A,車輪Bを有し、さらに、車輪Aの回転を検出するエンコーダ204および車輪Bの回転を検出するエンコーダ205を有している。ここで、車輪Aとエンコーダ204とで、原稿上の移動量を検出する移動量検出手段102を構成し、車輪Bとエンコーダ205とで移動量検出手段103を構成している。エンコーダ204,205は車輪の回転角度に応じて位相の異なる2相のパルスを発生し、この2相パルスは位置情報生成手段107に入力される。
【0050】
このような構成の画像読取部101により原稿を読み取る際は、図3に示すように、まず、画像読取部101を原稿に密着させて矢印31の方向に移動して走査することにより領域ABCDの画像データを得、次に、画像読取部101を原稿から離してEFライン上に移動させ、再び画像読取部101を原稿に密着させて領域ABCDと一部の領域が重複するように矢印32の方向に移動して走査して領域EFGHの画像データを得る。この要領で順次走査を行い原稿を読み取る。
【0051】
位置情報生成手段107は、移動量検出手段102,103の検出信号に基づいて、読み取った画像の位置情報を生成し、生成した位置情報を位置情報記憶手段108に記憶するものである。
【0052】
この位置情報生成手段107による位置情報生成方法について図4を用いて説明を行う。図4は、車輪Aと車輪Bがセンサ部の両側にある画像読取部101を、車輪Aが位置P(XA0,YA0)に、車輪Bが位置P(XB0,YB0)にある場合を基準位置として走査する場合の、車輪A及び車輪Bの移動を示す図である。Lは車輪Aと車輪Bとの距離を表している。ここで、基準位置から微小距離移動したときの車輪Aの座標をP(XA1,YA1)とし、車輪Bの座標をP(XB1,YB1)とし、この位置の基準位置からの角度をθ1で表す。車輪Aの移動距離をdA1、車輪Bの移動距離をdB1とするとθ1は、
θ1=(dB1−dA1)/L
で算出される。さらに次の微小時間後に車輪Aが座標P(XA2,YA2)に移動し、車輪Bが座標P(XB2,YB2)に移動した場合の移動角度をθ2で表し、車輪Aの移動距離をdA2、車輪Bの移動距離をdB2とするとθ2は、
θ2=(dB2−dA2)/L
で近似できる。また微小時間の移動であるので円弧の長さと弦の長さとが等しいものとし、座標XA1,YA1,XB1,YB1が既知であるとすれば、XA2,YA2,XB2,YB2はXA1,YA1,XB1,YB1を用いて次式で近似できる。
XA2=XA1+dA*cos(θ1+θ2/2)
YA2=YA1−dA*sin(θ1+θ2/2)
XB2=XB1+dB*cos(θ1+θ2/2)
YB2=YB1−dB*sin(θ1+θ2/2)
【0053】
イメージセンサ104と車輪A,Bとの位置関係は既知であるため、車輪Aおよび車輪Bの位置座標を算出してイメージセンサ104が読み取った画像の位置を算出し、読み取り画像の座標位置情報を生成する。
【0054】
写像手段106は、画像バッファ105に記憶されている画像と、位置情報記憶手段108に記憶されている位置情報と、により写像を行い、写像データを写像データ記憶手段109に記憶するものである。
【0055】
走査開始位置算出手段110は、図5に示すように、第2画像502を、すでに走査されている第1画像501と一部の領域を重複させて読み取った際の、重複走査領域EIJDを用いてパターンマッチングを行い、第2画像502の走査開始位置EFを算出するものである。第2画像502の走査開始位置を算出する際には、図6に示すように、第1画像501に検索領域601を、第2画像502に画像取り出し用のテンプレート602を設定し、検索領域601とテンプレート602とでパターンマッチングを行う。
【0056】
次に、この走査開始位置算出手段110によるパターンマッチング法について説明する。図6の2枚の画像は、図5に示す方法で走査して得た第1画像501と第2画像502とを表している。まず、図6に示すように、第2画像502の重複走査領域EIJD内、かつ辺EJに接する部分にテンプレート602を設定する。この時、走査開始位置を正確に算出するために走査開始位置に近い領域にテンプレートを設定し、第2画像502の走査開始位置が第1画像501との重複走査領域外にある場合でもパターンマッチングできるようにするために、第2画像502の走査開始位置からテンプレートを設定せずに右側にオフセットを持たせた位置に設定している。次に、テンプレート602と同じ画像サイズの検索領域601を第1画像501上に仮に設定する。パターンマッチングでは第2画像502に設定されたテンプレート602の画像データと、第1画像501上の検索領域601との類似度を算出する。次に検索領域601を移動させて再び類似度を算出する。このように検索領域601の位置を移動させながら類似度を算出し、類似度が最も高くなる位置を検索する。ここで、類似度は、テンプレート602内の画像データtと検索領域601内の画像データkとの差分値の絶対値|t−k|を、テンプレート602内及び検索領域601内の全ての画素について算出し、その総和値を算出することで算出できる。従って総和値が最も小さくなる位置が類似度が最も高い場所となる。このようにしてパターンマッチングを行い、総和値が最も小さくなる位置を算出して第2画像502の第1画像501に対する相対位置を算出し、第2画像502の走査開始位置EFを算出する。なお、画像データの画像の大きさによりテンプレートの大きさを変更するようにしてもよい。この場合、読み取り画像が大きい場合にはパターンマッチングの精度を向上させるように大きなテンプレート設定する一方、読み取り画像データが小さい場合にはテンプレートが読み取った画像からはみ出してパターンマッチングできなくなることを防止するように小さいテンプレートを設定する。
【0057】
位置ずれ補正手段111は、読み取り画像に歪みが生じた場合に、走査開始位置算出手段110により算出された走査開始位置に基づいて2枚の画像を合成した際に生じる画像のずれを、第1画像501の重複走査領域内の画像に対して相関が高い位置に第2画像502を変形移動させ、画像の歪みを補正して画像合成を行うものである。
【0058】
次に、この位置ずれ補正手段111により画像のずれを補正する方法を説明する。まず、図5に示すように、第2画像502の任意の位置に、画像読取部101の走査方向に垂直な方向にKLラインを設定し、図8に示すように、KLラインの周囲の画像データをブロック化する。例えば、第1画像501のKLライン上のK点に画像データDm,nがあり、第2画像502のK点に画像データXnがある場合、位置補正を行わなければ第2画像502の画像データXnは第1画像501のDm,nの位置に写像されることになる。位置ずれの補正は、第2画像502のKMライン上のデータを上下左右斜めに移動させて、各々の位置での第1画像との相関値を算出して行う。相関値は相関の度合いを表す値であり、移動させない場合と、左斜め上に移動させた場合と、上に移動させた場合と、右斜め上に移動させた場合と、右に移動させた場合と、右斜め下に移動させた場合と、下に移動させた場合と、左斜め下に移動させた場合と、左に移動させた場合と、の合計9個の相関値を算出する。例えば左に移動させた場合の相関値は図9(a)に示すように、写像データと画像メモリ上の重なり走査領域の画像データとの差分で算出され、
(相関値)=|Xn−Dm-1,n|+|Xn+1−Dm-1,n+1|+|Xn+2−Dm-1,n+2|・・・
となる。同様に位置を移動させない場合、すなわち中央での相関値は図9(b)に示すように、
(相関値)=|Xn−Dm,n|+|Xn+1−Dm,n+1|+|Xn+2−Dm,n+2|・・・
で算出される。
【0059】
このようにして9個の相関値を算出し、その中で最も小さい値をとる座標位置が相関の最も高い位置となる。そして、その座標位置に第2画像502の写像データを写像して画像合成を行う。写像位置毎の補正量(ΔX,ΔY)は図10に示す値となり、位置情報生成手段107により生成された座標(X,Y)は位置補正されて、座標(Xh,Yh)となる。
Xh=X+ΔX
Yh=Y+ΔY
【0060】
次に、このように構成される画像処理装置Aの動作について説明する。
【0061】
まず、画像読取部101により走査を行い原稿を読み取る。図3に示すように、画像読取部101を図3の矢印31の方向に走査し、領域ABCDを得る。読み取られた領域ABCDの画像データは画像バッファ105に記憶され、移動量検出手段102、103は車輪A、Bの回転角度に応じて位相の異なる2相のパルスを発生し、この2相パルスに基づいて、位置情報生成手段107は画像読取部101の走査位置情報を算出する。位置情報生成手段107により生成された位置情報は位置情報記憶手段108に記憶され、写像手段106により、この位置情報と画像バッファ105に記憶されている画像データとを写像する。そして、この領域ABCDの画像データは画像メモリ112に記憶される。
【0062】
次に、図3に示すように領域ABCDに一部重なるように矢印32の方向に走査し、領域EFGHを得る。この要領で原稿の一部領域を重複して走査を行い、順次原稿を読み取っていく。
【0063】
このような走査では、領域ABCDを走査した後、画像読取部101をいったん原稿から離して領域EFGHの走査開始位置のEFライン上に移動させ、再び画像読取部101を原稿に密着させて領域EFGHの走査を行うことになるので、移動量検出手段102、103が原稿から離れてしまい、領域ABCDと領域EFGHとの位置関係を検出することができない。このため、読み取った画像EFGHの画像データは、領域ABCDの画像データと同様に画像バッファ105に記憶し、位置情報生成手段107により画像読取部101の走査位置情報を算出し、写像手段106によりこの位置情報と画像バッファ105に記憶されている画像データとを写像した後、走査開始位置算出手段110により、重複走査領域の画像データを利用して領域ABCDの画像データに対する領域EFGHの画像データの走査開始位置を算出する。図5に示すように、第2画像502を、画像メモリ112に記憶されている第1画像501と重なりが生じるように読み取って、重複走査領域EIJDを得た場合、第1画像502の重複走査領域にテンプレート602を設定し、これと同じ画像サイズの検索領域601を第1画像501上に仮に設定してパターンマッチングを行う。つまり、検索領域601の位置を移動させながらテンプレート602のデータと検索領域601との類似度を算出し、類似度が最も高くなる位置を検索する。この位置に基づいて第2画像502の第1画像に対する相対的位置を算出し、第2画像502の走査開始位置EFを算出する。
【0064】
パターンマッチングにより第1画像501と第2画像502とを合成せずに、走査開始位置EFのみを算出しているのは、走査の際に車輪が滑ったり浮いたりすることにより読み取り画像に歪みが生じる可能性があり、このような場合、そのまま単純に2枚の画像を合成すると、2枚の画像にずれが生じるためである。この現象の例を図7に示す。図7(a)の原稿画像に対して、走査71によって一回目の走査を行い、走査72により2回目の走査を行う。その後、重複走査領域でパターンマッチングを行い2枚の画像を合成すると、図7(b)のような画像が得られる。図7(b)は走査開始位置を基準にして、読み取った画像を単純に合成した画像である。走査72による2回目の走査で画像読取部の滑りによる誤差が生じると、図7(b)のように走査開始位置側では境界部の画像が一致するが、走査開始位置から離れた位置では走査71による画像と走査72による画像とに、画像読み取り部の移動方向のずれが生じ、うまく合成できていない。
【0065】
次に、このようなずれをなくす為に、画像メモリ112に記憶されている第1画像501との相関に基づき第2画像502の写像位置を補正して2枚の画像データを合成する。位置ずれ補正手段111により、第2画像502を上下左右斜めにずらして各々の位置での第1画像501との相関値を算出し、その中で最も相関の最も高い位置に第2画像502の写像データを写像することにより位置ずれを補正し、画像データを合成する。
【0066】
そして、画像メモリ112は、位置ずれを補正して合成された画像データを記憶する。
【0067】
このように、本実施の形態1による画像処理装置Aにおいては、既に画像メモリ112に記憶されている第1画像501に対して一部の領域を重複させて2回目の走査を行い、この重複走査領域を用いて2回目の走査で得られた第2画像502の走査開始位置を算出するので、1回目の原稿を走査した後、2回目の原稿を走査する際に、画像読取部101をいったん原稿から離して移動させたため移動量検出手段102、103による移動量の検出ができなくなった場合でも、第2画像502の位置を検出することができる。
【0068】
また、第2画像502の重複走査領域の走査開始位置に近い位置にテンプレートを設定することにより、このテンプレートと第1画像501に仮に設定した検索領域とでパターンマッチングを行うことができ、第2画像502の走査開始位置を正確に算出することができる。
【0069】
また、第2画像502の任意の位置に走査方向に垂直な方向のラインを設定し、このライン上の画像データと第1画像501の画像データとが一致するように第2画像の写像位置を補正して2枚の画像を合成するので、走査を行う際に車輪が滑ったり浮いたりして読み取り画像に歪みが生じた場合でも、写像位置を正確に補正することができ、画像合成の精度を向上させることができる。
【0070】
また、第1画像501の画像データと第2画像502の画像データとが一致する位置を検索する際に、設定されたライン上の画像データを上下左右および斜め方向に移動させて相関値を算出するので、走査角度がずれて走査した場合でも写像位置を正確に補正することができ、さらに合成精度を向上させることができる。
【0071】
(実施の形態2)
本実施の形態2による画像処理装置Bの構成は、上記実施の形態1と同様であるが、走査開始位置算出手段110によりパターンマッチングを行う際に、第2画像502に2つのテンプレートを設定し、それぞれのテンプレートを用いて2回のパターンマッチングを行う点が異なる。
【0072】
図11は、2つのテンプレートによるパターンマッチングを説明する図である。
【0073】
2つのテンプレートは第2画像502の重複走査領域EIJD内に設定されている。第1テンプレート1101は辺EJに接して、走査開始位置に近い位置に設定され、第2テンプレート1102は走査開始位置である辺EIに隣接して設定されている。
【0074】
次に、このような構成の画像処理装置Bの動作について説明する。
【0075】
まず、第2画像502に第1テンプレート1101を設定し、設定した第1テンプレート1101を用いてパターンマッチングを行い、走査開始位置EFを算出する。次に、この走査開始位置EFに隣接する位置に第2テンプレート1102を設定し、同様にパターンマッチングにより再度走査開始位置EFを算出する。ここで、まず第1テンプレート1101によりパターンマッチングを行うのは、第2画像502の走査開始位置が第1画像501との重複走査領域外にある場合、第2テンプレート1102によるパターンマッチングができなくなり、また、第2テンプレート1102はテンプレートの面積が小さくなるのでパターンマッチングの精度が低下するためである。
【0076】
このように、本実施の形態2による画像処理装置Bにおいては、第2画像502に第1テンプレート1101を設定してパターンマッチングを行い走査開始位置EFを算出した後、この走査開始位置EFに隣接した位置に第2テンプレート1102を設定して再度パターンマッチングを行うので、より走査開始位置に近い場所でパターンマッチングを行うことができ、走査開始位置の算出の精度、及び画像合成精度を向上させることができる。
【0077】
なお、本実施の形態2においては、パターンマッチングとして、第2画像502内の第1テンプレート1101および第2テンプレート1102の画像データと、第1画像501の画像データと、によるパターンマッチングについて説明したが、これは一例であって、他の画像データによってパターンマッチングを行ってもよい。
【0078】
例えば、第1テンプレート1101でパターンマッチングを行う際に、第1テンプレート1101内の画像データを画像データをブロック化し、各ブロック毎に画像データを低解像度化して低解像度化データを作成し、同様に第1画像501を低解像度化した低解像度化データを作成し、これらの低解像度化データによりパターンマッチングを行うようにしてもよい。この場合の低解像度化は、図12のようにあらかじめ設定されているブロック内の画像データを平均化し、平均値を低解像度化データとすることで実現できる。第1テンプレート1101及び第1画像501を低解像度化した解像度化データによってパターンマッチングを行うことにより、低解像度化しない画像によるパターンマッチングを行った場合と比較して、パターンマッチングに要する処理時間を大幅に短縮することができる。
【0079】
また、第1テンプレート1101の画像データを平均化する際に、図13に示すようにブロック化開始位置を図13(a)から図13(d)のように縦方向に移動させて低解像度化データを作成し、それぞれの低解像度化データと第1画像501の低解像度化データとにより類似度を算出し、そのなかで最も類似度が高いものによりパターンマッチングを行うようにしてもよい。低解像度化データによりパターンマッチングを行う場合、図14(a)に示す例のように第1画像501の画像データと第2画像502の画像データとを同じ位置でブロックした場合では精度良くパターンマッチングができるが、第1画像501のブロック化の位置が図14(a)の状態の際に、図14(b)に示す位置で走査を行って第2画像502を読み取ったような場合、つまり、第1画像501と第2画像502とでブロック化が異なった領域で行われた場合、パターンマッチングの精度が低下する可能性がある。このように第1画像501と第2画像502とでブロック化が異なった位置で行われた場合でも、ブロック化開始位置を移動させて作成した低解像度化データを用いてパターンマッチングを行うことにより、精度よくパターンマッチングを行うことができる。
【0080】
また、第1テンプレート1101のブロック化開始位置は、図13では縦方向に移動させて低解像度化データを作成する場合について説明しているが、縦方向に限定されるものではなく、縦方向及び横方向にブロック化開始位置を移動させて低解像度化データを作成してもよい。2方向にブロック化開始位置を移動させて作成した低解像度化データを用いてパターンマッチングを行うことにより、さらにパターンマッチングの精度を向上させることができる。
【0081】
(実施の形態3)
本実施の形態3による画像処理装置Cの構成は、上記実施の形態1と同様であるが、走査開始位置算出手段110によりパターンマッチングを行う際に、画像データが存在する領域にテンプレートを設定する点が異なる。
【0082】
図15に示す例のように第2画像502に空白の部分が多い場合、第1テンプレート1101を図15のように辺EGに接した位置に設定すると、画像データが存在しないためパターンマッチングができなくなる可能性がある。これを防止するため、走査開始位置算出手段110は、図16に示すようにまず画像データを検索して画像データが存在する領域を検出し、画像データが存在する領域に第1テンプレート1101を設定する。第2テンプレート1102(図示せず)についても同様に走査開始位置EFから画像データを検索し、画像データが存在する部分に第2テンプレート1102を設定する。画像データの検索は、ラプラシアンフィルタ等のエッジ抽出フィルタにより行い、抽出したエッジの大きさがあらかじめ設定した値より大きい場合に画像データが存在すると判断するようになされている。
【0083】
次に、このような構成の画像処理装置Cの動作について説明する。
【0084】
まず、走査開始位置算出手段110により第2画像502の画像データが存在する領域を検索する。画像データが存在する領域が見つかると第1テンプレート1101を設定し、この第1テンプレートに基づいてパターンマッチングを行い、走査開始位置EFを算出する。次に走査開始側から画像データを検索し、画像データが存在する場所が見つかると第2テンプレート1102を設定し、同様にパターンマッチングにより再度走査開始位置EFを算出する。
【0085】
このように、本実施の形態3による画像処理装置Cにおいては、第2画像502の画像データが存在する場所を検索するので、画像データの存在する場所にテンプレートを設定することができ、画像の合成精度を向上させることができる。
【0086】
なお本実施の形態3においては、エッジ抽出フィルタにより画像の検索を行うとしているが、これは一例であって、他の方法で画像を検索してもよい。
【0087】
例えば、第1テンプレート1101及び第2テンプレート1102を設定する際、ブロック化を行い画像データを低解像度化し、それぞれのブロック内の画像データの最大値と最小値を算出し、その差が大きいブロックに画像データが存在すると判断するようにしてもよい。この場合、ブロック化と画像データの検索とを同時に実施できるので、パターンマッチングに要する処理時間を短縮することができる。
【0088】
(実施の形態4)
図17は、実施の形態4による画像処理装置Dの構成を示すブロック図である。
【0089】
図17において、図1と同一符号は同一または相当する構成である。本実施の形態4による画像処理装置Dは、上記実施の形態1による画像処理装置Aにおいて、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段1701を備えたものである。
【0090】
つまり、走査切替検出手段1701は、位置情報生成手段107が生成する位置情報を検出し、この位置情報が一定期間以上変化しない場合、つまり画像読取部101を操作者が原稿から離した場合に、走査が終了したと判断するものである。そして、走査が終了した後、読み取り画像が画像メモリ112に記憶されている画像と合成されて、合成画像が画像メモリ112に記憶されると、走査切替検出手段1701は、位置情報生成手段107の移動量データと、画像バッファ105及び写像データ記憶手段109にある写像データと、を消去する。また、走査切替検出手段1701は、位置情報生成手段107が算出する位置情報に変化がない一定の期間の後、位置情報生成手段107が直前の走査と同一方向の移動量を検出すると、次の走査が開始されたと判断する。
【0091】
次に、このような構成の画像処理装置Dの動作について説明する。
【0092】
走査切換検出手段1701は位置情報生成手段107から出力される位置情報を検出し、その位置情報が一定の期間以上変化しなくなると、走査が終了したと判断する。すると、走査して得た画像は位置情報生成手段107により生成された位置情報に基づいて写像され、既に画像メモリ112に記憶されている画像と合成されて画像メモリ112に記憶される。次に、走査切替検出手段1701は、位置情報生成手段107の移動量データと、画像バッファ105及び写像データ記憶手段109にある写像データと、を消去して次の走査まで待機する。また、位置情報生成手段107が算出する位置情報に変化がない一定の期間を経た後、位置情報生成手段107が直前の走査方向と同一方向の移動量を検出すると、走査切替検出手段1701は次の走査が開始されたと判断する。
【0093】
このように、本実施の形態4による画像処理装置Dにおいては、位置情報生成手段107により出力される位置情報が一定期間以上変化しなくなると走査が終了したと判断し、位置情報に変化がない一定の期間の後に直前の走査と同一方向の動きを検出すると次の走査が開始されたと判断する走査切替検出手段1701を設けたので、原稿を走査した後で画像読取部101を原稿から離して次の走査開始位置に移動させながら順次走査を行う場合でも、容易に走査終了、次の走査を開始などの走査状況を検出することができる。
【0094】
また、走査方向と同一方向に動きがあった場合にのみ次の走査が開始されたと判断するので、次の走査に移る場合に原稿と画像読取部とが接触した場合でも、走査切替の状況が誤検出されるのを防止することができる。
【0095】
また、操作者が次の走査を行う際に、画像読取部101を原稿上に置いた後で、走査開始位置を前回の走査開始位置に合わせるために本来の走査方向とは逆の方向に移動し、その後に本来の走査方向に走査した場合でも、逆の方向に移動した際に走査して得た画像データは必要ないものとして扱うことができるので、走査切替の状態が誤検出されるのを防止することができる。
【0096】
なお、本実施の形態4においては、走査切替の状態の検出方法として、位置情報生成手段107の出力変化に基づく検出方法について説明したが、これは一例であって、他の方法で走査切替の状態を検出してもよい。
【0097】
例えば、位置情報生成手段107により出力される位置情報にあらかじめ定めた値以上の移動量が発生した場合に、走査切替検出手段1701が走査切替の状態を判断するようにしてもよい。これにより画像読取部101を再び原稿に接触させたときにおこる振動により、実際には走査を行っていないのに移動量が発生してしまう場合でも、走査切替の状態を誤検出することなく、走査切替の状態を正確に検出することができる。
【0098】
また、走査よりも画像合成処理に時間がかかり、次々と読み取った画像をリアルタイムに合成することができない場合は、画像バッファ105と位置情報記憶手段108とに全ての走査により得た画像データと位置情報とを記憶し、走査が終了した後、画像の合成を行うようにしてもよい。この場合、走査切替手段1701により走査の切り替えが検出されたときに位置情報生成手段107の位置情報が初期化され0になっているので、画像の合成処理をする際に位置情報が0になっているデータを検索することにより走査の切り替えを検出でき、簡単に各々の画像データの境界を検出することができる。
【0099】
(実施の形態5)
本実施の形態5による画像処理装置Eの構成は、上記実施の形態4と同様であるが、走査切替検出手段1701は、直前の走査の方向とは逆の方向の移動量を検出した場合に次の走査が開始した判断する点が異なる。
【0100】
つまり、図18に示すように矢印1801の方向に走査して第1画像501を読み取った後、それとは逆の方向(矢印1802の方向)に走査して第2画像502を読み取った場合に、直前の走査の方向とは逆の方向の移動量が検出されるので、走査切替検出手段1701は次の走査が開始したと判断する。なお、この場合、第2画像画像502の走査開始位置はGHラインとなるため、走査開始位置検出手段110は、パターンマッチングのためのテンプレートを走査開始位置GHラインに隣接する位置に設定してパターンマッチングを行う。
【0101】
次に、このような構成の画像処理装置Eの動作について説明する。
【0102】
位置情報生成手段107が直前の走査の方向とは逆の方向の移動量を検出すると、走査切替検出手段1701は次の走査が開始されたと判断する。すると、走査して得た画像は位置情報生成手段107により生成された位置情報に基づいて写像される。そして、走査開始位置検出手段110により第2画像のGHラインに近接した位置にテンプレートを設定してパターンマッチングを行い、第2画像502の走査開始位置GHを検出する。この走査開始位置GHに基づいて第2画像502と第1画像501とが合成され、画像メモリ112に記憶される。すると、走査切替検出手段1701は、位置情報生成手段107の移動量データと、画像バッファ105及び写像データ記憶手段109にある写像データと、を消去して次の走査まで待機する。
【0103】
このように、本実施の形態5による画像処理装置Eにおいては、走査切替検出手段1701は、位置情報生成手段107により直前の走査の方向とは逆の方向の移動量を検出すると次の走査が開始されたと判断するので、走査の方向が逆方向に変わることを検出して、容易に次の走査の開始を検出することができる。
【0104】
なお、本実施の形態5においては、走査切替の状態の検出方法として、位置情報生成手段107の出力変化による走査切替の状態の検出方法について説明したが、これは一例であって、他の方法で走査切替の状態を検出してもよい。
【0105】
例えば、位置情報生成手段107が生成する位置情報にあらかじめ定めた値以上の移動量が発生した場合に、走査切替検出手段1701が走査切替の状態を判断するようにしてもよい。これにより、画像読取部101を再び原稿に接触させたときにおこる振動により、実際には走査を行っていないのに移動量が発生してしまう場合でも、走査切替の状態を誤検出することなく、正確な走査切替の状態を検出することができる。
【0106】
また、走査切替検出手段1701は、位置情報生成手段107が算出する位置情報に変化がない一定の期間の後、直前の走査の方向とは逆方向の移動量を検出した場合に、次の走査が開始されたと判断するようにしてもよい。これにより、走査の途中または終了直前に画像読取部101に走査の方向とは逆の方向の微小な移動量が生じた場合でも走査の切り替えを誤検出することなく、走査の状態を正確に検出することができる。
【0107】
(実施の形態6)
図19は、実施の形態6による画像処理装置Fの構成を示すブロック図である。図19において、図17と同一符号は同一または相当する構成である。本実施の形態6による画像処理装置Fは、上記実施の形態4による画像処理装置Dにおいて、画像読取部101と原稿との距離情報を生成する距離情報生成手段1901を備え、この距離情報生成手段1901により生成される距離情報に基づいて、走査切替検出手段1701が走査切替の状態を検出するようにしたものである。
【0108】
図20は、画像読取部101と原稿2001との位置関係を示す断面図である。走査が切り替わる際には、図20に示すように、図20(a)の画像読取部101と原稿2001が接している状態(走査をしている)から、図20(b)の画像読取部101と原稿2001が離れた状態(画像読取部101を次の走査開始位置に移動している)に移行し、さらに図20(c)のように両者が接している状態(次の走査をしている)へと移行する。そこで、距離情報性製手段1901は、原稿2001と画像読取部101との距離を計測し、この計測結果を走査切替検出手段1701により閾値判断して走査の状態を検出する。つまり、走査切替検出手段1701は、画像読取部101と原稿2001との距離が規定の閾値より小さい場合は走査中であると判断し、画像読取部101と原稿2001との距離が規定の閾値より大きい場合は走査が終了していると判断する。そして、走査が終了している状態から、再び画像読取部101と原稿2001との距離が規定の閾値より小さくなった場合は次の走査が開始されたと判断する。
【0109】
次に、このような構成の画像処理装置Fの動作について説明する。
【0110】
距離情報生成手段1901は画像読み取り部101と原稿2001との距離を計測し、走査切替検出手段1701に入力する。走査切替検出手段1701は、距離情報生成手段1901により計測された距離情報に基づき、距離が閾値より小さい期間は走査中と判断し、その後、距離が閾値より大きくなると走査が終了したと判断し、次に再び距離が閾値より小さくなった場合には次の走査が開始されたと判断する。
【0111】
このように、本実施の形態6による画像処理装置Fにおいては、画像読取部101と原稿2001との距離を計測し、計測された距離情報に基づいて走査切替検出手段1701が走査の切替を検出するので、走査中、走査終了、次の走査を開始などの走査状態を正確に検出することができる。また、走査の切替を検出するために設けていた、走査を行わない一定の期間が必要なくなり、次の走査までの時間を短縮することができる。
【0112】
なお本実施の形態6においては、距離情報生成手段1901は距離を計測することにより距離情報を生成するとしているが、これは一例であって、他の方法で距離情報を生成してもよい。
【0113】
例えば、距離情報生成手段1901をスイッチにより構成し、原稿2001と画像読取部101が接している場合にオンとなり、離れている場合にはオフとなるようにしてもよい。この場合は、画像読み取り部101にスイッチを取付けるだけで距離情報生成手段1901を実現することができ、低コストで走査切替検出手段1701を提供することができる。
【0114】
(実施の形態7)
図21は、実施の形態7による画像処理装置Gの構成を示すブロック図である。図21において、図17と同一符号は同一または相当する構成である。本実施の形態7による画像処理装置Gは、上記実施の形態4による画像処理装置Dにおいて、画像メモリ112に記憶されている画像データを表示する画像表示手段2101を備え、走査開始位置算出手段110を、走査開始位置算出に必要な大きさの画像データを読み取った時点で走査開始位置を算出するようにし、走査をしながら画像を合成し、合成された画像をリアルタイムで画像表示手段2101に表示するようにしたものである。
【0115】
つまり、走査開始位置算出手段110は、位置情報記憶手段108に記憶されている走査開始位置からの距離がパターンマッチングに必要な距離を越えた時点でパターンマッチングを行い、第2画像502の走査開始位置を算出するものである。ここで、第2画像502のテンプレート1101、1102は図11に示したように走査開始位置側に設定されるため、パターンマッチングの為に必要な画像は走査開始位置からテンプレート1101の位置までである。走査開始位置を算出した後、走査により得られる画像は走査開始位置に基づいて順次合成され、画像メモリ112に記憶される。
【0116】
画像表示手段2101は合成されて画像メモリ112に記憶される画像をリアルタイムで表示するものである。
【0117】
次に、このような構成の画像処理装置Gの動作について説明する。
【0118】
原稿の走査中、パターンマッチングに必要な大きさの画像データを走査した時点で、走査開始位置算出手段110によりパターンマッチングを行い、走査開始位置を算出する。そして、この走査開始位置に基づいて、位置ずれ補正手段111により位置ずれを補正し、第2画像502と第1画像501とを合成して画像メモリ112に記憶し、この画像を画像表示手段2101に表示する。同様に、この後の走査により得られる画像を走査開始位置に基づいて順次合成し、画像メモリ112に記憶し、リアルタイムで画像表示手段2101に表示する。
【0119】
このように、本実施の形態7による画像処理装置Gにおいては、パターンマッチングに必要な画像データを読み取った時点でパターンマッチングを行うので、走査の終了を待つことなく、画像合成を行い合成画像を表示することができ、操作者は読み取り画像をリアルタイムに確認しながら走査を行うことができる。
【0120】
(実施の形態8)
図22は、実施の形態8による画像処理装置Hの構成を示すブロック図である。図22において、図21と同一符号は同一または相当する構成である。本実施の形態8による画像処理装置Hは、上記実施の形態7による画像処理装置Gにおいて、走査の開始が可能か否かを知らせる報知手段2201を備えたものである。
【0121】
つまり、報知手段2201は、図23に示すように画像読取部101に取付けられた表示ランプ2301により構成され、走査の開始が可能な状態の時に点灯するものである。走査の開始が可能か否かの判断は、走査切替検出手段1701の検出結果によってなされ、走査切替検出手段1701により走査の終了状態が検出されているときが、次の走査が可能な状態である。
【0122】
次に、このような構成の画像処理装置Hの動作について説明する。
【0123】
走査切替検出手段1701により走査が終了したことを検出すると、報知手段2201は、表示ランプ2301を点灯させて次の走査が可能であることを操作者に知らせる。そして、走査切替検出手段1701により次の走査が始まったことが検出されると、点灯を止める。
【0124】
このように、本実施の形態8による画像処理装置Hにおいては、表示ランプ2301が点灯することによって操作者に次の走査が可能な状態であることを報知するので、操作者は走査の終了が正しく検出されたことや、次の走査が可能であることを確認することができ、誤操作をすることなく画像の読み取りを行うことができる。また、走査の切替を検出するために設けていた、走査を行わない一定の期間が必要なくなり、次の走査までの時間を短縮することができる。
【0125】
なお本実施の形態8においては、報知手段2201を表示ランプ2301により構成しているが、これは一例であって、他の構成としてもよい。
【0126】
例えば、報知手段2201は、図23に示すように画像読取部101に取付けられた液晶表示素子2302により構成され、走査の開始が可能な状態の時に「読み取りOK」等の文字を表示し、次の走査が可能であることを操作者に報知するようにしてもよい。
【0127】
また、報知手段2201は、図23に示すように画像読取部101に取付けられたスピーカ2303により構成され、走査の開始が可能な状態の時に音を発生させて、次の走査が可能であることを操作者に報知するようにしてもよい。
【0128】
また、報知手段2201を画像表示手段2101に設け、走査の開始が可能な状態の時に画像表示手段2101に「読み取りOK」等の文字を表示し、次の走査が可能であることを操作者に報知するようにしてもよい。
【0129】
(実施の形態9)
図24において、図1と同一符号は同一または相当する構成である。本実施の形態9による画像処理装置Iは、上記実施の形態1による画像処理装置Aにおいて、走査の異常を検出する異常検出手段2401、及び異常が検出された場合に警告を表示する報知手段2201とを備えたものである。
【0130】
ここで走査の異常とは、重複走査領域を設けることなく走査を行った場合や、走査の際に極端な曲がりが生じたような場合のことであり、異常検出手段2401は、走査開始位置算出手段110によるパターンマッチングで算出される相関値により走査した画像の重複走査領域の有無を判断する。つまり、画像メモリ112に記憶されている画像データと、走査して読み取った画像データとによるパターンマッチングで算出した相関値が大きな値になるのは、相関がない場合であり、重複走査領域がないことを意味する。そこで、異常検出手段2401は、相関値があらかじめ定めた値より大きい場合に重複走査領域がないと判断し、報知手段2201に警告を表示する。また、移動量検出手段102、103からの検出信号のうちどちらか一方だけの変化量が大きい場合には走査に曲がりが生じており、正確な画像合成ができないため、このような場合も走査の異常である。そこで、異常検出手段2401は、走査に曲がりが生じた場合も同様に走査異常であると判断し、報知手段2201に警告を表示する。ここで、報知手段2201は実施の形態8と同様に、画像読取部101に設けた表示ランプ2301や液晶表示素子2302やスピーカ2303、また画像表示手段2101上への表示等で警告を発し、操作者に再走査を促すものである。
【0131】
異常を検出した後、異常検出手段2401は、位置情報生成手段107の位置情報を初期化すると共に、異常が発生した走査により読み取った位置情報と画像データとを位置情報記憶手段108、画像バッファ105、写像データ記憶手段109から消去する。
【0132】
次に、このような構成の画像処理装置Iの動作について説明する。
【0133】
異常検出手段2401は重複走査領域を設けることなく走査を行った場合や、走査の際に極端な曲がりが生じるような場合を検出すると、走査の異常であるとして報知手段2201に警告表示し、操作者に走査のやり直しを促す。そして、新たに走査して読み取った画像の画像データ及び位置情報を消去し、画像読み取り前の状態に戻す。
【0134】
このように、本実施の形態9による画像処理装置Iにおいては、重複走査領域を設けることなく走査を行った場合や、走査に極端な曲がりが生じた場合を、走査の異常として検出して、このような異常な走査によって得た画像データ及び位置情報を消去するので、操作者が走査に失敗した場合に、全ての原稿を再走査するのではなく、異常が発生した部分のみを再走査して画像合成を行うことができ、原稿の再走査の負担を軽減することができる。
【0135】
また、走査の異常が検出された場合に、報知手段2201により警告を表示するので、操作者に容易に異常を認識させて、再走査を促すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明に係る画像処理装置は、原稿を走査した後で上記画像読取手段を原稿から離して次の走査開始位置に移動させながら順次走査を行う場合でも、走査終了、次の走査を開始などの走査状態を正確に検出することができるので、イメージスキャナ等の、自由走査が可能な画像読取装置の画像処理装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の実施の形態1における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における走査方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態1における座標算出処理を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態1における画像合成処理を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるパターンマッチングの方法を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態1における合成画像のずれを説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態1における相関値の算出方法を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態1における相関値の算出方法を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態1における相関値の算出方法を説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態2におけるパターンマッチングを説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態2における低解像度化のためのブロック化を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態2における低解像度化開始位置を移動させる方法を説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態2における低解像度化開始位置の差によるブロック化の違いを示す図である。
【図15】本発明の実施の形態3における画像検索の方法を説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態3における画像検索の方法を説明する図である。
【図17】本発明の実施の形態4における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態5における走査の方法を説明する図である。
【図19】本発明の実施の形態6における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施の形態6における画像読取部と原稿との位置関係を示す断面図である。
【図21】本発明の実施の形態7における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の実施の形態7における画像読取手段の外観を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態8における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の実施の形態9における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図25】従来の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図26】従来の画像処理装置による走査の方法を説明する図である。
【図27】従来の他の画像処理装置による走査の方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0138】
101 画像読取手段
102,103 移動量検出手段
104,2501 イメージセンサ
105,2505 画像バッファ
106 写像手段
107 位置情報生成手段
108 位置情報記憶手段
109 写像データ記憶手段
110 走査開始位置算出手段
111 位置ずれ補正手段
112,2507 画像メモリ
202,203,2503 車輪
204,205,2502 エンコーダ
501 第1画像
502 第2画像
601 検索領域
602,1101,1102 テンプレート
1701 走査切替検出手段
1901 距離情報生成手段
2001,2509 原稿
2101 画像表示手段
2201 報知手段
2301 表示ランプ
2302 液晶表示手段
2303 スピーカ
2401 異常検出手段
2504 走査位置検出回路
2506 写像回路
2508 位置ずれ検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、
原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、
上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、
走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、
上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報が一定期間以上変化しないときに、これを走査の終了として検出する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置において、
上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報に変化がない一定の期間の後、直前の走査方向と同一の方向に動きがあったときに、これを次の走査の開始として検出する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像処理装置において、
上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報にあらかじめ定めた値を超える移動量が発生したときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像処理装置において、
上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報により、直前の走査方向と逆方向に動きがあったときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像処理装置において、
上記走査切替検出手段は、上記位置情報生成手段が算出した位置情報に変化がない一定の期間の後、直前の走査方向と逆方向の動きがあったときに、走査の終了状態および次の走査の開始状態を検出する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、
原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、
上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、
上記画像読取手段と原稿との距離を算出する距離情報生成手段と、
走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、
上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、を備え、
上記走査切替検出手段は、上記距離情報生成手段により算出した距離情報に基づいて、走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理装置において、
上記距離情報生成手段が、上記画像読取手段と原稿が接している場合と、上記画像読取手段と原稿が離れている場合と、を区別して検出するスイッチである、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、
原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、
上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、
上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、
上記画像記憶手段内の画像データを表示する画像表示手段とを備え、
上記画像合成手段は、走査中に読み取った画像データの大きさがパターンマッチングのために必要な画像の大きさを越えた時点で画像合成を開始する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、
原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、
上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、
走査の終了状態、及び次の走査の開始状態を検出する走査切替検出手段と、
上記走査切替検出手段により走査の終了状態が検出されると、次の走査が可能であることを知らせる報知手段と、
上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像処理装置において、
上記報知手段が、表示ランプである、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
請求項10に記載の画像処理装置において、
上記報知手段が、液晶表示素子である、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
請求項10に記載の画像処理装置において、
上記報知手段は、次の走査が可能であることを音で知らせる、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項14】
請求項10に記載の画像処理装置において、
上記報知手段は、次の走査が可能であることを上記表示手段に表示する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項15】
原稿を重複して走査することにより得られた複数の分割画像を順次合成することにより原稿画像を再現する画像処理装置であって、
原稿上を走査して画像を読み取る画像読取手段と、
上記画像読取手段の走査時の移動量より、画像の読み取り位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成した位置情報に基づいて、読み取った画像データを記憶する画像記憶手段と、
上記画像読取手段で重複して走査した重複走査領域内の、上記画像記憶手段内の画像データと新たに読み取った画像データとから、走査開始位置算出手段により新たに読み取った画像データの走査開始位置を算出し、該走査開始位置に基づいて、上記画像記憶手段内の画像データと上記新たに読み取った画像データとを合成し、該合成画像を上記画像記憶手段に記憶させる画像合成手段と、
新たに読み取った画像データと、上記画像記憶手段に記憶されている画像データとに重複走査領域がない場合を、走査の異常として検出する異常検出手段と、を備え、
走査の異常が検出された場合に、上記新たに読み取った画像データを消去して走査を行う前の状態に戻す、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像処理装置において、
上記異常検出手段は、新たに読み取った画像データに曲がりが生じている場合を走査の異常として検出し、
走査の異常が検出された場合に、上記新たに読み取った画像データを消去して走査を行う前の状態に戻す、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の画像処理装置において、
上記異常検出手段は、その検出結果を上記報知手段により報知する、
ことを特徴とする画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2009−11005(P2009−11005A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263573(P2008−263573)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【分割の表示】特願2001−208237(P2001−208237)の分割
【原出願日】平成13年7月9日(2001.7.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】