説明

画像処理装置

【課題】複数の制御部を備える画像処理装置の構成において利便性を向上させること。
【解決手段】前記複数の制御部31,32は、互いに異なる複数の動作形態にて高解像度データに対して印刷可能な通常モードと、低解像度データに対して印刷可能な省電力モードとを実行可能であり、当該複数の制御部31,32の少なくとも1つにより印刷データにおける高解像度データから低解像度データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに対して画像処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の制御部を備える画像形成装置がある(特許文献1参照)。この画像形成装置は、印刷部等の各部を制御するメイン制御部と、外部機器とのインターフェイスを制御するサブ制御部とを備え、省電力モード中はメイン制御部を停止しサブ制御部のみ動作させる構成になっている。これにより省電力モードにおける一層の電力消費低減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−101609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の画像処理装置では、動作する複数の制御部の動作形態に応じて、有効とされる機能が予め固定されており、利便性が悪く更なる改良が望まれていた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、複数の制御部を備える構成において利便性を向上させることが可能な画像処理装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、画像データに対する機能を実行可能な画像処理装置であって、前記機能を実行するために動作する動作部と、少なくとも演算処理素子を有し前記動作部を制御する複数の制御部と、を備え、前記複数の制御部は、前記画像データの状態に基づいて機能を実行可能であって、それぞれの制御部が動作するか否かに基づいて決定する互いに異なる複数の制御形態を有し、前記複数の制御形態は、状態変化前の画像データに対して前記機能を実行可能である第1形態と、状態変化後の画像データに対して前記機能を実行可能である第2形態と、を含み、前記複数の制御部のうち少なくとも1つの制御部は、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データを生成する。
【0007】
上記の構成を採用すれば、機能を実行することが可能な第1形態及び第2形態の制御形態に対して確実に実行可能な画像データの状態を生成することが可能であるため、制御形態が第1形態であっても第2形態であっても、画像データに対して機能を実行することが可能となる。従って、複数の制御形態であっても画像データに対する機能実行を行うことが可能であり、画像データの状態を変化させることのできない従来の構成に比べて、利便性を向上させることが出来る。
【0008】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記第2形態の制御形態は、前記状態変化前の画像データに対して前記機能を実行不可能であっても良い。
【0009】
上記の構成を採用すれば、第2形態の制御形態であっても、状態変化後の画像データにて機能を実行することが可能であるため、制御形態が第1または第2形態であっても、画像データに対する機能を確実に実行可能である。
【0010】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記第2形態の制御形態にて前記状態変化前の画像データに対して前記機能を実行可能であるか否かを判断する実行判断部と、前記実行判断部が肯定判断したことに応じて、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データの生成を禁止する禁止部と、を備えても良い。
【0011】
上記の構成を採用すれば、制御形態が第2形態であっても状態変化前の画像データに対して機能を実行することが可能であるか判断するため、状態変化後の画像データの作成を禁止して無駄なデータ作成を抑制することが可能である。
【0012】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記第1形態の制御形態にて動作する複数の制御部のうち少なくとも1つの制御部は、前記制御形態が第1形態から第2形態に切り替わる際に、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データを生成しても良い。
【0013】
上記の構成を採用すれば、第1形態から第2形態に制御形態が切り替わる際に、第1形態にて状態変化後の画像データを生成可能である。従って、例えば第2形態の制御形態にて状態変化後の画像データを生成不可能であっても、制御形態が切り替わる際に予め状態変化前の画像データが生成されるため、第2形態にて画像データに対する機能の実行が可能である。
【0014】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記第2形態の制御形態にて動作する複数の制御部のうち少なくとも1つの制御部は、前記第2形態にて動作部を制御し画像データに対して機能を実行する際に、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データを生成しても良い。
【0015】
上記構成を採用すれば、第2形態にて状態変化後の画像データを生成可能であるため、画像データに対して機能を実行する際に状態変化後の画像データを生成可能である。従って、機能が実行される前に予め状態変化後の画像データを生成しておく必要が無く、機能が実行される適切なタイミングにて、状態変化後の画像データを生成することが可能である。
【0016】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記画像データを記憶する記憶部を備え、前記複数の制御部のうち少なくとも1つの制御部は、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データを生成する際に、前記記憶部に状態変化前の画像データを記憶しておいても良い。
【0017】
上記構成を採用すれば、状態変化後の画像データを生成する際に状態変化前の画像データを記憶しておくことで、例えば状態変化前の画像データを他の装置に転送する際や、画像データに対する機能を再度実行する際に、状態変化前の画像データを用いることが可能である。
【0018】
さらに、本発明の画像処理装置は、ユーザからの入力を受け付ける入力部を備え、前記動作部は、前記入力部にて入力された指示に基づき、前記状態変化後の画像データ及び前記記憶部に記憶されている状態変化前の画像データの少なくとも一方に対して機能を実行しても良い。
【0019】
上記構成を採用すれば、ユーザが状態変化前及び状態変化後の画像データの少なくとも一方に対して機能の実行が指示可能であるので、ユーザが所望する状態の画像データに対して機能を実行可能である。
【0020】
さらに、本発明の画像処理装置は、画像データのデータ設定及び前記動作部の動作設定の少なくとも一方に応じて、前記第2形態による状態変化後の画像データに対する機能の実行を許可するか否かを判断する設定判断部を備えても良い。
【0021】
上記構成を採用すれば、状態変化後の画像データに対する機能実行を許可及び拒否可能であるため、状態変化後の画像データにて機能の実行を拒否すべき画像データを適切に扱うことが可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の制御部を備える構成において利便性を向上させることが可能な画像処理装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態1の受信処理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施形態1の省電力処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、実施形態1のセキュアプリント処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施形態2の受信処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施形態2の省電力処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施形態2のセキュアプリント処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施形態3の受信処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施形態3の省電力処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
本発明の実施形態1について図を参照して説明する。
【0025】
1.画像処理システムの電気的構成
図1は、画像処理システム1の電気的構成を示すブロック図である。画像処理システム1は、端末装置10(例えばパーソナルコンピュータ)とプリンタ30(画像処理装置の一例)とを備える。
【0026】
(1)端末装置
端末装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、HDD(ハードディスクドライブ)14、キーボードやポインティングデバイス等を有する操作部15、液晶ディスプレイ等を有する表示部16、通信回線20に接続されるネットワークインターフェイス17等を備えている。HDD14には、OSや、印刷用の画像データを作成可能なアプリケーションソフト、プリンタ30を制御するためのプリンタドライバなどの各種プログラムが記憶されており、CPU11は、ROM12から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM13に記憶させながら、端末装置10の動作を制御する。
【0027】
(2)プリンタ
プリンタ30は、例えばプリント機能、コピー機能、スキャナ機能など複数の機能を実行可能な複合機であり、第1制御部31および第2制御部32(複数の制御部の一例)を備える。第1制御部31は、第1CPU31A(演算処理素子の一例)、ROM31B、RAM31Cを有し、第2制御部32は、第2CPU32A、ROM32B、RAM32Cを有する。
【0028】
各ROM31B,32Bには、プリンタ30の動作を制御するための各種プログラム等
が記録されており、各CPU31A,32Aは、各ROM31B,32Bから読み出したプログラムに従って、その処理結果を各RAM31C,32Cに記憶させながら、プリンタ30の動作を制御する。
【0029】
第1制御部31は、第2制御部32よりも高性能であって且つ消費電力が大きい。具体的には、第1CPU31Aの動作周波数(例えば400[MHz])は、第2CPU32Aの動作周波数(例えば100[MHz])よりも高く、RAM31Cのメモリ容量は、RAM32Cのメモリ容量よりも大きい。このため、第1制御部31は、第2制御部32に比べて、画像データを大量、且つ高速に処理することが可能である。
【0030】
また、プリンタ30は、更にネットワークインターフェイス21、NVRAM(Non−Volatile RAM)34(記憶部の一例)、操作部35を備えており、更に、スキャナ部36、ファクシミリ部37、画像処理部38、印刷部39など、各種のデバイス(動作部)を備えている。
【0031】
ネットワークインターフェイス21は、通信回線20を介して端末装置10等の外部機器に接続されており、相互にデータ通信が可能となっている。操作部35(入力部)は、複数のボタンを有し、ユーザによって各機能の実行指示などの各種の入力操作が可能である。更に操作部35は、表示部(例えば液晶ディスプレイ)やランプ等を有し、各種の設定画面や動作状態等を表示することが可能である。
【0032】
スキャナ部36は、図示しない原稿の画像を読み取って読取データとしての画像データを生成する。ファクシミリ部37は、図示しない外部のファクシミリ装置との間でファクシミリデータとしての画像データを送受信する。
【0033】
画像処理部38は、スキャナ部36からの読取データやネットワークインターフェイス21で受信した印刷データなど、各種の画像データに対する画像処理(例えば印刷処理可能なデータに変換する処理など)を実行する。印刷部39は、例えば電子写真方式またはインクジェット方式により、上記画像データに基づく画像をシート(例えば用紙、OHPシート)に印刷する。
【0034】
また、上記デバイスは単独又は協働して以下の機能を実行する。
【0035】
「プリント機能」は、ネットワークインターフェイス21が端末装置10から印刷データを受信し、画像処理部38がその印刷データに所定の画像処理(例えばビットマップデータへの展開処理)をし、印刷部39が印刷対象画像をシートに印刷する。
【0036】
「コピー機能」は、操作部35がユーザによるコピー指示を受け付け、スキャナ部36が原稿の読取データを生成し、画像処理部38がその読取データに所定の画像処理をし、印刷部39が読取画像をシートに印刷する。
【0037】
「ファクシミリ印刷機能」は、操作部35がユーザによるファクシミリ印刷指示を受け付け、印刷部39が、既に受信したファクシミリデータに基づく画像をシートに印刷する。
【0038】
「スキャン機能」は、操作部35がユーザによるスキャン指示を受け付け、スキャナ部36が原稿の読取データを生成する。
【0039】
「ファクシミリ通信機能」は、操作部35がユーザによるファクシミリ通信指示を受け付け、ファクシミリ部37が外部のファクシミリ装置との間でファクシミリデータのやり
取りを行う。
【0040】
2.制御形態及び動作モード
2つの制御部31,32は、制御能力が互いに異なる「高能力形態(第1形態の一例)」、「低能力形態(第2形態の一例)」で各機能を実行することができる。
【0041】
「高能力形態」は、第1制御部31だけが起動状態になっており、第2制御部32はスリープ状態になっている制御形態である。「起動状態」とはデバイスを制御可能な状態をいい、「スリープ状態」とは、例えばNVRAMへのアクセスが不能であり、例えば起動状態の制御部や外部機器等からの信号(例えば起動割り込み信号)のみ検知可能な状態をいう。
【0042】
「低能力形態」は、第2制御部32だけが起動状態になっており、第1制御部31はスリープ状態になっている制御形態である。
【0043】
尚、これら2つの制御形態は、それぞれの制御形態において上述した全ての機能を実行可能である。但し、各CPU31A,32Aは動作周波数が異なるため、機能を実行する速度が異なる。
【0044】
また、画像データの解像度の大きさによって機能を実行するのに必要な速度が異なるため、各CPU31A,32Aの動作周波数によっては機能を実行できない場合がある。即ち、「低能力形態」における第2CPU32Aの動作周波数は低いため、解像度の高い画像データを処理する場合、機能の処理速度が遅くなり過ぎることで機能を実行不可能となる場合がある。
【0045】
尚、プリンタ30が「高能力形態」で動作している場合を「通常モード」、「低能力形態」で動作している場合を「省電力モード」と呼称する。
【0046】
また、本実施形態では、上記した2つの動作モードは以下のタイミングで切り替わる。即ち、通常モードにてプリンタ30が動作している状態で機能実行がなされずに規定時間経過した場合、省電力モードに切り替わる。また、逆に省電力モードにてプリンタ30が動作している状態で特定の機能が実行される場合、通常モードに切り替わる。
【0047】
例えばプリント機能を例にして説明すると、通常モードにてプリンタ30が動作している際に、ネットワークインターフェイス21を介して印刷データを受信せずに規定時間経過すると、動作モードが省電力モード切り替わる。更に、省電力モードにてプリンタ30が動作している際に、ネットワークインターフェイス21を介して受信した即時で印刷する印刷データ(以後、「即時データ」と呼称)を印刷する場合、動作モードが通常モードに切り替わる。
【0048】
しかしながら、省電力モードにてプリンタ30が動作している際に、セキュアプリント用の印刷データ(以後、「セキュアデータ」と呼称)を印刷する場合、動作モードが切り替わらずに省電力モードにて印刷を実行する。尚、通常モードにてプリンタ30が動作している際に、セキュアデータを印刷する場合、動作モードが切り替わらずに通常モードのまま印刷を実行する。
【0049】
尚、セキュアプリントとは、ユーザがプリンタ30の操作部35を操作して印刷の実行指示をすることで、予めNVRAM34に記憶されている印刷データを任意のタイミングで印刷するプリント方法である。このセキュアプリントでは、印刷データ毎に印刷の実行指示をする前にユーザ認証をすることで、特定のユーザにのみ印刷データの印刷を許可す
る。従って、セキュアジョブの印刷データに対してセキュリティを担保して印刷が可能である。
【0050】
3.画像データ
画像データは、画像を構成するための最小画素の単位面積を変化させることで、解像度を変更することが可能である。例えば、プリント機能で印刷データの解像度を変更することで、トナーやインク等の印刷剤にて表現する最小面積が変化するため、シートに印刷剤を印刷するか否かの判断数が変化し、画像処理や印刷を実行する際の処理負荷が変化する。従って、印刷速度が変化する。
【0051】
即ち、画像データの解像度が変更されれば機能実行の速度を変化させることが可能であるため、上述にて例示した「低能力形態」にて実行不可能な画像データあっても、第2制御部32の動作周波数にて十分な速度で処理可能な様に解像度を低く変更すれば、機能を実行可能である。但し、この場合は解像度を下げた状態の画像データにて機能を実行するため、例えばプリント機能であれば、元の画像データの印刷に比べて粗い画像の印刷が実行されることとなる。
【0052】
尚、本実施形態では、画像データの解像度の変更が可能な制御部は第1制御部31であり、第2制御部32では解像度を変換不可能である。即ち、通常モードにおいてのみ、画像データの解像度を変更し新たな画像データを生成することが可能である。
【0053】
さらに、本実施形態では、端末装置10から送信されネットワークインターフェイス21にて受信する印刷データ(本発明の状態変化前の画像データの一例)は、予め定められた高い解像度にて構成されているデータ(高解像度データ)である。即ち、端末装置10から印刷データが送信される際には、必ず解像度の高い印刷データが送信される。尚、この高解像度データを第2制御部32で印刷する場合、第2CPU32Aの動作周波数が低い影響で、機能の処理が遅くなりすぎ機能を実行不可能である。
【0054】
従って、当該印刷データを印刷するには、第1制御部31で処理をするか、印刷データの解像度を低く変更して低解像度データ(本発明の状態変化後の画像データの一例)を生成した後に第2制御部32で処理する必要がある。
【0055】
さらに、NVRAM34には、画像データを記憶しておくことが可能である。例えば、プリント機能におけるセキュアプリントでは、端末装置10から送信された印刷データを操作部35によりユーザによる印刷実行指示がなされるまでNVRAM34に記憶する。また、ファクシミリ印刷機能では、ユーザによるファクシミリ印刷指示が有るまで、受信したファクシミリデータをNVRAM34に記憶し、ファクシミリ通信機能にて他のファクシミリ装置への送信する際に送信時刻が設定される場合、送信するファクシミリデータを指定時刻までNVRAM34に記憶する。
【0056】
4.印刷実行処理
ここで以下の受信処理、省電力処理、セキュアプリント処理を説明することにより、プリント機能を例にして本発明の機能を実行する処理に関して説明する。
【0057】
4−1.受信処理
図2は、プリンタ30の動作モードに基づいて起動状態であるいずれかの制御部31,32が実行する受信処理を示すフローチャートである。例えばプリンタ30が起動後、定期的に当該処理を実行する。
【0058】
受信処理では、S101で端末装置10から送信された印刷データをネットワークイン
ターフェイス21を介して受信したか否かを判断する。ここで、受信していないと判断した場合(S101:No)、当該受信処理を終了する。
【0059】
一方、受信したと判断した場合(S101:Yes)、S102で当該印刷データがセキュアデータか、即時データか、を判断する。ここで、セキュアデータと判断した場合(S102:Yes)、S103でセキュアデータ(高解像度データ)をNVRAM34に記憶する。尚、ここで受信したセキュアデータは、上述したように第2制御部32で印刷を実行不可能な高解像度データである。
【0060】
更に、S104で低解像度データ生成許可がなされているかを判断する。尚、低解像度データ生成許可とは、予めユーザが端末装置10の操作部15やプリンタ30の操作部35等を操作して、後述するプリンタ30にて低解像度データの生成を許可することである。
【0061】
ここで、低解像度データ生成許可がなされていると判断した場合(S104:Yes)、S105でプリンタ30の現在の動作モードが省電力モードであるか否かを判断する。即ち、プリンタ30が現在どちらの制御部31,32で動作しているか判断する。
【0062】
この時、省電力モードであると判断した場合(S105:Yes)、S106で第2制御部32により第1制御部31を起動して、動作モードを通常モードに切り替える。そして、S107で第1制御部31により当該セキュアデータにおける低解像度データを生成しNVRAM34に記憶する。更に、S108で第1制御部31により第2制御部32を起動して、動作モードを再び省電力モードに切り替え、当該受信処理を終了する。
【0063】
一方、S104で低解像度データ生成許可がなされていないと判断する場合(S104:No)、及びS105でプリンタ30の動作モードが省電力モードではなく通常モードであると判断した場合(S105:No)、低解像度データを生成することなく当該受信処理を終了する。
【0064】
また、S102で受信したものがセキュアデータではなく、即時データであった場合(S102:No)、S109で動作モードが省電力モードであるか否かを判断する。ここで省電力モードである場合(S109:Yes)、S110でS106と同様に動作モードを通常モードに切り替える。
【0065】
S110で通常モードに切り替えた場合、及びS109で省電力モードではなく通常モードであると判断した場合(S109:No)、S111で第1制御部31により印刷部39を制御することで、当該即時データをシートに印刷する。
【0066】
以上により、受信した印刷データがセキュアデータである場合、受信した状態の高解像度のセキュアデータから低解像度のセキュアデータを生成することで、後述するセキュアプリント処理を効率よく行えるように準備することが可能である。
【0067】
4−2.省電力処理
図3は、プリンタ30の通常モードに基づいて起動状態である制御部31が実行する省電力処理を示すフローチャートである。例えばプリンタ30が通常モードである際に、定期的に当該処理を実行する。
【0068】
省電力処理では、S201でネットワークインターフェイス21を介して即時データを受信せずに、規定時間経過したか否かを判断する。ここで、規定時間経過していないと判断した場合(S201:No)、当該省電力処理を終了する。
【0069】
一方、経過したと判断した場合(S201:Yes)、S202で前述した受信処理における図2のS104の判断と同様に、低解像度データ生成許可がなされているか判断する。ここで、許可がなされていると判断した場合(S202:Yes)、S203でNVRAM34内に、未だ低解像度データを生成していないセキュアデータである高解像度データが記憶されているか判断する。即ち、前述した受信処理における図2のS107の処理、又は後述するS204の処理にて、高解像度データに対応する低解像度データがNVRAM34に記憶されたか否かを判断する。
【0070】
未処理の高解像度データが有る場合(S203:Yes)、S204で前述した受信処理における図2のS107の処理と同様に、セキュアデータにおける低解像度データを生成しNVRAM34に記憶する。その後、S205で前述した受信処理における図2のS108と同様に動作モードを省電力モードに切り替え、当該省電力処理を終了する。
【0071】
一方、S202で低解像度データ生成許可がなされていないと判断する場合(S202:No)、及びS203で未処理の高解像度データが無い場合(S203:No)、低解像度データを生成することなくS205で動作モードを省電力モードに切り替え、当該省電力処理を終了する。
【0072】
以上により、動作モードが省電力モードに切り替わる際に、NVRAM34に未だ低解像度データを生成していないセキュアデータである高解像度データが記憶されている場合、当該セキュアデータから低解像度のセキュアデータを生成することで、後述するセキュアプリント処理を効率よく行えるように準備することが可能である。
【0073】
4−3.セキュアプリント処理
図4は、プリンタ30の動作モードに基づいて起動状態であるいずれかの制御部31,32が実行するセキュアプリント処理を示すフローチャートである。例えばプリンタ30が起動後、定期的に当該処理を実行する。
【0074】
セキュアプリント処理では、S301でユーザにてプリンタ30の操作部35にてセキュアプリントの実行指示が有ったか否かを判断する。尚、セキュアプリントの実行指示とは、前述したように、予めNVRAM34に記憶されている印刷データを選択して印刷の実行を指示することである。
【0075】
このユーザによる選択時には、表示パネル(図示せず)にNVRAM34に記憶されているセキュアデータ(高解像度データ及び低解像度データを含めて)を表示されており、ユーザはその表示を参照して印刷を望むセキュアデータを選択する。尚、前述したように、この際にユーザ認証をすることで、特定のユーザにのみ実行指示の対象の印刷データの印刷を許可することが可能である。
【0076】
ここで、実行指示が無いと判断した場合(S301:No)、当該セキュアプリント処理を終了する。一方、実行指示が有ると判断した場合(S301:Yes)、S302で印刷の実行対象のデータとして高解像度データが選択されたか否かを判断する。即ち、NVRAM34内に一つのセキュアデータに対して低解像度データと高解像度データとが記憶されている場合、ユーザによってどちらが選択されたかを判断する。
【0077】
ここで、高解像度データが選択されたと判断した場合(S302:Yes)、S303でプリンタ30の現在の動作モードが省電力モードであるか否かを判断する。省電力モードであれば(S303:Yes)、S304で第2制御部32により第1制御部31を起動して、動作モードを通常モードに切り替える。
【0078】
S304で通常モードに切り替えた場合、及びS303で省電力モードではなく通常モードであると判断した場合(S303:No)、S305にて第1制御部31により印刷部39を制御することで、選択された高解像度データをシートに印刷する。
【0079】
そして、S306で印刷対象の高解像度データをNVRAM34から消去し、S307で消去した高解像度データに対応する低解像度データが、NVRAM34に存在するか否かを判断する。ここで、低解像度データがNVRAM34に存在する場合(S307:Yes)、S308でNVRAM34から低解像度データを消去し、当該セキュアプリント処理を終了する。一方、S307で対応する低解像度データがNVRAM34に存在していない場合(S307:No)、そのまま当該セキュアプリント処理を終了する。
【0080】
また、S302で印刷対象のデータとして高解像度データが選択されていない、即ち低解像度データが選択された場合(S302:No)、S309で動作モードに応じて第1制御部31又は第2制御部32により印刷部39を制御することで、選択された低解像度データをシートに印刷する。その後、S308にてNVRAM34から低解像度データを消去し、当該セキュアプリント処理を終了する。
【0081】
以上により、セキュアプリント処理を実施する際に、印刷対象のセキュアデータが高解像度データであっても低解像度データであっても適切に印刷することが可能である。更に、印刷終了後のデータに対しては必ず消去されるため、セキュアデータに対するセキュリティ性を高めることが可能である。また、低解像度データを印刷した場合は高解像度データが消去されないため、高解像度なセキュアデータを他の装置に転送することや、再度同じ印刷データに対してセキュアプリント処理の実行指示をすることにより、より高品質な印刷が可能である。
【0082】
5.本実施形態の効果
本実施形態によれば、通常モードから省電力モードに動作モードが切り替わる際に、第1制御部31にてセキュアデータから低解像度データを生成可能である。従って、本実施形態のように第2制御部32にて低解像度データを生成不可能であっても、動作モードが切り替わる際に予め低解像度データが生成されるため、省電力モードであってもセキュアプリントにおける印刷処理が実行可能である。
【0083】
また、本実施形態によれば、第2制御部32は、高解像度データによるセキュアプリントにおける印刷が不可能であっても、低解像度データによる印刷を実行することが可能であるため、動作モードが通常モード又は省電力モードであっても、セキュアプリントにおける印刷処理を確実に実行可能である。
【0084】
尚、第1又は第2制御部31,32にて実行されるS104及びS202の判断は、本発明の設定判断部に相当する。
【0085】
<実施形態2>
本発明の実施形態2について図を参照して説明する。尚、前記実施形態1に対して本実施形態2における構成としての相違は、画像データの解像度の変更が可能な制御部が異なることである。即ち、画像データに対する解像度の変更は、第1制御部31だけではなく第2制御部32であっても実行可能ある。従って、実施形態2では省電力モードにおいても、画像データの解像度を変更し新たな画像データを生成することが可能である。上記した以外の構成は前記実施形態1と同様である。
【0086】
また、前記実施形態1との処理としての相違は、受信処理、省電力処理、セキュアプリ
ント処理である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0087】
6−1.受信処理
図5は、プリンタ30の動作モードに基づいて起動状態であるいずれかの制御部31,32が実行する受信処理を示すフローチャートである。例えばプリンタ30が起動後、定期的に当該処理を実行する。
【0088】
本実施形態の受信処理では、前記実施形態1の受信処理とは異なり、セキュアデータに対応した低解像度データを生成しない点が相違点である。即ち、図2におけるS104からS108の処理は行わない。従って、本実施形態における受信処理では、S103でセキュアデータ(高解像度データ)をNVRAM34に記憶した後は、当該受信処理を終了する。尚、即時データに関しては前記実施形態1の受信処理と同様にS109からS111の処理を実行する。
【0089】
6−2.省電力処理
図6は、プリンタ30の通常モードに基づいて起動状態である制御部31が実行する省電力処理を示すフローチャートである。例えばプリンタ30が通常モードである際に、定期的に当該処理を実行する。
【0090】
本実施形態の省電力処理では、前記実施形態1の省電力処理とは異なり、プリンタ30の動作モードを省電力モードに切り替える際に、セキュアデータに対応した低解像度データを生成しない点が相違点である。即ち、図3におけるS202からS204の処理は行わない。従って、本実施形態における省電力処理では、S201で規定時間の経過を判断した後(S201:Yes)、S205にて動作モードを省電力モードに切り替え、当該省電力処理を終了する。
【0091】
6−3.セキュアプリント処理
図7は、プリンタ30の動作モードに基づいて起動状態であるいずれかの制御部31,32が実行するセキュアプリント処理を示すフローチャートである。例えばプリンタ30が起動後、定期的に当該処理を実行する。
【0092】
本実施形態のセキュアプリント処理では、前記実施形態1のセキュアプリント処理とは異なり、低解像度データにて印刷を実行する前に、セキュアデータに対応した低解像度データを生成する点が相違点である。
【0093】
本実施形態では、S302にて高解像度データが選択されず、低解像度データが選択された場合(S302:No)、S401で低解像度データ生成許可がなされているかを判断する。尚、この処理は、図2のS104等の判断と同様である。ここで低解像度データ生成許可がなされていると判断した場合(S401:Yes)、S402でプリンタ30の現在の動作モードが省電力モードであるか否かを判断する。この処理は、図4におけるS303等の判断と同様である。
【0094】
ここで、省電力モードであると判断した場合(S402:Yes)、S403で第2制御部32により印刷対象のセキュアデータにおける低解像度データを生成しNVRAM34に記憶する。一方、省電力モードではなく通常モードであると判断した場合(S402:No)、S404で第1制御部31により印刷対象のセキュアデータにおける低解像度データを生成しNVRAM34に記憶する。
【0095】
S403及びS404の処理が終了すると、S309で動作モードに応じて第1制御部
31又は第2制御部32により印刷部39を制御することで、選択された低解像度データをシートに印刷する。その後は前記実施形態1と同様に、S308にてNVRAM34から低解像度データを消去し、当該セキュアプリント処理を終了する。
【0096】
尚、高解像度データのセキュアプリントに関しては前記実施形態1のセキュアプリント処理と同様にS303からS308の処理を実行する。
【0097】
7.本実施形態の効果
本実施形態によれば、省電力モードであっても低解像度データを生成可能であるため、セキュアデータに対して印刷を実行する直前に、低解像度データを生成可能である。従って、印刷が実行される前に予め低解像度データを生成しておく必要が無く、NVRAM34の記憶容量を圧迫することが無いため、セキュアプリントにおける低解像度データの印刷処理が実行される適切なタイミングにて低解像度データを生成することが可能である。
【0098】
尚、第1又は第2制御部31,32にて実行されるS401及の判断は、本発明の設定判断部に相当する。
【0099】
<実施形態3>
本発明の実施形態3について図を参照して説明する。尚、前記実施形態1に対して本実施形態3における構成としての相違は、端末装置10から送信されネットワークインターフェイス21にて受信する印刷データの解像度が不明なことである。即ち、端末装置10から印刷データが送信される際には、どの程度の解像度の印刷データが送信されるか決まっていない。従って、送信された印刷データがセキュアデータである場合、そのままの解像度である高解像度データであっても第2制御部32で印刷することが可能であるか否かを判断する必要がある。
【0100】
また、前記実施形態1との処理としての相違は、受信処理、省電力処理である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0101】
8−1.受信処理
図8は、プリンタ30の動作モードに基づいて起動状態であるいずれかの制御部31,32が実行する受信処理を示すフローチャートである。例えばプリンタ30が起動後、定期的に当該処理を実行する。
【0102】
本実施形態の受信処理では、前記実施形態1の受信処理とは異なり、セキュアデータに対応した高解像度データに対して低解像度データの生成が必要か否かを判断する点が相違点である。即ち、図2におけるS105からS106の間に新たな処理を追加する。従って、本実施形態における受信処理では、S105で動作モードが省電力モードであると判断した後(S105:Yes)、S501で低解像度データを作成する必要があるかを判断する。
【0103】
ここでの判断は、上述したように受信した状態のセキュアデータである高解像度データに対して、第2制御部32にて印刷処理が実行可能か否かを判断する。具体的には、受信したセキュアデータの解像度を算出し、当該解像度が第2制御部32にて印刷可能な規定値の解像度よりも大きいか否かを判断する。
【0104】
ここで、低解像度データが必要と判断した場合(S501:Yes)、S106で動作モードを通常モードに切り替え、以後の前記第1形態の受信処理と同様にS106からS108の処理を実行し、当該受信処理を終了する。一方、低解像度データが必要ないと判
断した場合(S501:No)、当該受信処理を終了する。
【0105】
8−2.省電力処理
図9は、プリンタ30の通常モードに基づいて起動状態である制御部31が実行する省電力処理を示すフローチャートである。例えばプリンタ30が通常モードである際に、定期的に当該処理を実行する。
【0106】
本実施形態の省電力処理では、前記実施形態1の省電力処理とは異なり、プリンタ30の動作モードを省電力モードに切り替える際に、セキュアデータに対応した高解像度データに対して低解像度データの生成が必要か否かを判断する点が相違点である。即ち、図3におけるS203からS204の間に新たな処理を追加する。従って、本実施形態における受信処理では、S203でNVRAM34内に未だ低解像度データを生成していないセキュアデータである高解像度データが記憶されていると判断した後(S203:Yes)、S601で低解像度データを作成する必要があるかを判断する。
【0107】
ここでのS601の処理は、本実施形態3の受信処理における図8のS501の処理と同様である。ここで、低解像度データが必要と判断した場合(S601:Yes)、S204でセキュアデータから低解像度データを生成しNVRAM34に記憶する。その後、S205で動作モードを省電力モードに切り替え、当該省電力処理を終了する。一方、低解像度データが必要ないと判断した場合(S602:No)、低解像度データは生成せず、S205で動作モードを省電力モードに切り替え、当該省電力処理を終了する。
【0108】
9.本実施形態の効果
本実施形態によれば、動作モードが省電力モードであってもセキュアデータにおける高解像度データに対して印刷処理を実行することが可能であるか判断するため、低解像度データの作成を禁止して無駄なデータ作成を抑制することが可能である。
【0109】
尚、第1又は第2制御部31,32にて実行されるS104及びS202の判断は、本発明の設定判断部に相当する。さらに、第1又は第2制御部31,32にて実行されるS501及びS601の判断は、本発明の実行判断部に相当し、第1又は第2制御部31,32にて実行されるS501及びS601のNOの判断は、本発明の禁止部に相当する。
【0110】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0111】
(1)上記実施形態では、複合機であるプリンタ30を例に挙げたが、本発明の「画像処理装置」はこれに限れない。例えばスキャナ機能やファクシミリ機能を有しないプリンタや、ファクシミリ装置単体、画像読取装置単体であってもよい。要するに、画像データに対する機能を実行可能な画像処理装置であればよい。
【0112】
(2)上記実施形態では、プリント機能、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ通信機能などを例に挙げたが、本発明はこれに限られない。例えば画像データをNVRAM34に蓄積する画像蓄積機能、スキャンデータなどから特定画像を抽出する特定画像抽出機能、メール機能や、端末装置10から画像データを受信し、その受信した画像データに基づくファクシミリデータを外部のファクシミリ装置に送信する、PCファックス機能などでもよい。要するに、画像データに対する機能であればよく、それぞれの画像データを扱う際に第1制御部31及び第2制御部32の動作に応じて、データを生成する等の処理を適切に行えればよい。
【0113】
具体的な適用例としては、PCファックス機能におけるファックス送信時に時間指定をして送信する際や、ファクシミリ通信機能におけるファクシミリ受信時にユーザが指定して印刷をする際、等が挙げられる。
【0114】
(3)上記実施形態では、2つの制御部31〜33を備えるプリンタ30を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られず、3つ以上の制御部を備える画像処理装置でもよい。
【0115】
(4)上記実施形態では、2つの制御形態を異ならせる方法として、それぞれの制御形態で起動状態とする制御部31,32の性能を異ならせたが、本発明はこれに限られない。例えば、起動状態とする制御部の数を異ならせる方法でもよい。複数の制御部が起動状態の場合には、それら複数の制御部が協働してデバイスを制御して機能を実行する。協働の形態としては、例えば複数の制御部が共通のデバイス(例えば画像処理部38)を分担して制御する形態がある。また、一機能を複数のデバイスで実行する場合には、各制御部がそれぞれ個別のデバイス(例えば画像処理部38と印刷部39)を制御する形態がある。また、複数の制御部の性能を異ならせて、各制御形態では互いに異なる制御部を起動状態とする方法でもよい。
【0116】
(5)上記実施形態では、セキュアデータ等の画像データを、プリンタ30に備えられたNVRAM34に登録したが、本発明はこれに限られない。例えば端末装置10が備えるHDD14など、プリンタ30に対して外部を記憶装置に登録してもよいし、プリンタ30にHDDやフラッシュROM等の記憶素子を備えてもよい。
【0117】
(6)上記実施形態では、画像データを生成する際に解像度を変更したデータを生成したが、本発明はこれに限られない。例えば第1制御部31及び第2制御部32にそれぞれ異なるデータ解凍のエンジン(プログラム)が備えられ、それぞれ解凍することの可能な圧縮形式の画像データを生成することや、第1制御部31及び第2制御部32にてそれぞれ扱うことの可能な拡張子の画像データを生成してもよい。
【0118】
(7)上記実施形態では、セキュアプリント処理において低解像度データを印刷する際、高解像度データを削除せずに低解像度データのみを削除していたが、本発明はこれに限られない。例えば低解像度データを印刷する際であっても高解像度データを削除して、セキュアデータのセキュリティ性を強化してもよい。また、どちらのデータも残して、再印刷等に使用してもよい。尚、高解像度データを印刷する際にも同様のことが言える。
【0119】
(8)上記実施形態では、セキュアプリント処理において高解像度データ又は低解像度データをユーザが選択し、選択したデータに対して印刷を実行していたが、本発明はこれに限られない。例えばいずれか一方が必ず選択される形態でもよい。
【0120】
(9)上記実施形態では、低解像度データが生成される場合に、高解像度データがNVRAM34に記憶されたままでいるが、本発明はこれに限られない。例えば低解像度データが生成されるタイミングで高解像度データが消去されてもよい。この様に構成することで、消去されることでNVRAM34の記憶容量の圧迫を回避することが可能である。
【0121】
(10)上記実施形態では、低解像度データの生成許可を指定可能であるが、本発明はこれに限られなく、この指定は出来なくてもよい。
【0122】
(11)上記実施形態では、スリープ中の制御部は、信号のみ検知可能な状態であったが、本発明はこれに限られない。例えばスリープ中の制御部は、HDD34などのメモリにアクセス可能な状態でもよい。但し、上記実施形態の構成であれば消費電力をより低減
できるというメリットがある。
【符号の説明】
【0123】
1 画像処理システム
10 端末装置
11 CPU
15 操作部
20 通信回線
21 ネットワークインターフェイス
30 プリンタ
31 第1制御部
31A 第1CPU
32 第2制御部
32A 第2CPU
34 NVRAM
35 操作部
39 印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに対する機能を実行可能な画像処理装置であって、
前記機能を実行するために動作する動作部と、
少なくとも演算処理素子を有し前記動作部を制御する複数の制御部と、
を備え、
前記複数の制御部は、前記画像データの状態に基づいて機能を実行可能であって、それぞれの制御部が動作するか否かに基づいて決定する互いに異なる複数の制御形態を有し、
前記複数の制御形態は、
状態変化前の画像データに対して前記機能を実行可能である第1形態と、
状態変化後の画像データに対して前記機能を実行可能である第2形態と、
を含み、
前記複数の制御部のうち少なくとも1つの制御部は、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データを生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2形態の制御形態は、前記状態変化前の画像データに対して前記機能を実行不可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2形態の制御形態にて前記状態変化前の画像データに対して前記機能を実行可能であるか否かを判断する実行判断部と、
前記実行判断部が肯定判断したことに応じて、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データの生成を禁止する禁止部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1形態の制御形態にて動作する複数の制御部のうち少なくとも1つの制御部は、前記制御形態が第1形態から第2形態に切り替わる際に、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データを生成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2形態の制御形態にて動作する複数の制御部のうち少なくとも1つの制御部は、前記第2形態にて動作部を制御し画像データに対して機能を実行する際に、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データを生成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像データを記憶する記憶部を備え、
前記複数の制御部のうち少なくとも1つの制御部は、前記状態変化前の画像データに基づいて前記状態変化後の画像データを生成する際に、前記記憶部に状態変化前の画像データを記憶しておくことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の画像処理装置。
【請求項7】
ユーザからの入力を受け付ける入力部を備え、
前記動作部は、前記入力部にて入力された指示に基づき、前記状態変化後の画像データ及び前記記憶部に記憶されている状態変化前の画像データの少なくとも一方に対して機能を実行することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像データのデータ設定及び前記動作部の動作設定の少なくとも一方に応じて、前記第2形態による状態変化後の画像データに対する機能の実行を許可するか否かを判断する設定判断部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−109211(P2011−109211A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259579(P2009−259579)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】