説明

画像処理装置

【課題】内部記憶装置や専用の外部記憶装置を用いることなく、画像データの保存と保存した画像データの出力とを行うことができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】複合機10はユーザから画像データの外部保存指示を受けると、その画像データを添付し識別情報を付加した電子メールをユーザのメールアカウントを用いてメールサーバ5に送信し、メールサーバ5を利用した画像データの外部保存を行う。ユーザから外部保存が行われた画像データの出力指示を受けると、ユーザのメールアカウントを用いてメールサーバ5から識別情報が付加されている電子メールを受信し画像データを出力する。ユーザの端末装置4がメールサーバ5に対して行うメール受信要求と、その要求に応えてメールサーバ5が端末装置4に対して行う応答とを複合機10が中継し、この中継による端末装置4への応答ではユーザ宛ての電子メールに関する応答のみを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの保存と保存した画像データの出力とを行う画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像処理装置では、原稿のスキャンや通信相手からの受信などによって入力された画像データを内蔵のハードディスク装置に保存しておき、その内部保存した画像データをユーザの指示により読み出して出力できる機能や、入力された画像データを外部記憶装置に送信して保存しておき、その外部保存した画像データをユーザの指示により受信して出力できる機能が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
画像データの外部保存に関しては、画像データ(イメージデータ)を電子メール形式(メールフォーマット)に変換し、所定のプロトコル(電子メールプロトコル)に従いネットワーク上の特定者のメール装置(ユーザの端末装置)に送信して保存する技術がある(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
また、電子メールの受信に関しては、複数のユーザに共用されるインターネットファクシミリ端末装置において、登録されている全ユーザのメールIDおよびパスワードを用いて電子メールサーバから全ユーザの電子メールに関する情報(メッセージ情報)を取得して出力すると共に、ユーザの指示によりそのユーザ宛ての電子メールのみを受信して印刷する技術、すなわち、複数のユーザに共用される装置でユーザ毎に電子メールの受信および印刷を行う技術がある(たとえば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−150882号公報
【特許文献2】特開平11−53527号公報
【特許文献3】特開2002−7264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像データの内部保存は、ハードディスク装置を搭載していない低価格の画像処理装置などでは利用することができない。また、従来の画像データの外部保存は、専用の外部記憶装置が必要となりコストが嵩んでしまう。
【0007】
電子メール形式に変換した画像データをネットワーク上のユーザの端末装置に送信して保存する場合は、ユーザが端末装置を操作して画像データを画像処理装置に送信(返信)しない限り、画像処理装置は端末装置から画像データを受信することができない。そのため、端末装置への画像データの外部保存は可能でも、画像処理装置がユーザの指示により端末装置から画像データを受信して出力することは不可能である。
【0008】
複数のユーザに共用されるインターネットファクシミリ端末装置がユーザの指示で電子メールの受信および印刷をユーザ毎に行う技術は、他の装置から送信されたユーザ宛の電子メールを受信して印刷するものであり、この技術を画像データの外部保存に利用することはできない。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、内部記憶装置や専用の外部記憶装置を用いることなく、画像データの保存と保存した画像データの出力とを行うことができる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]画像データを入力する入力部と、
画像データを出力する出力部と、
ネットワークに接続して通信を行う通信部と、
前記ネットワークに接続された電子メールサーバおよび電子メール装置との前記通信部を通じた電子メールの送受信に係る処理を行う電子メール処理部と、
画像データの外部保存先の設定で、前記電子メール装置への電子メールの送信に必要な送信用情報を入力する送信用情報入力部と、
前記設定で、前記送信用情報入力部から入力された送信用情報を用いて送信された電子メールの受信に必要な受信用情報を入力する受信用情報入力部と、
前記受信用情報入力部から入力された受信用情報を記憶する記憶部と、
操作部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
画像データの保存指示を前記操作部で受けた場合に、前記電子メール処理部に前記入力部から入力された画像データを添付し識別情報を付加した電子メールを前記送信用情報入力部から入力された送信用情報を用いて電子メールサーバに送信させて、該画像データの外部保存を行い、
前記電子メール処理部が前記電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けた場合に、前記電子メール処理部に前記記憶部に記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバに対し電子メールの受信に関する要求を行わせ、該要求に対する電子メールサーバからの応答のうち前記識別情報が付加されていない電子メールに関する応答のみを前記電子メール装置に対して行わせ、
前記外部保存が行われた画像データの出力指示を前記操作部で受けた場合に、前記電子メール処理部に前記記憶部に記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバから前記識別情報が付加されている電子メールを受信させ、前記出力部に該電子メールに添付されている画像データを出力させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【0012】
上記発明では、画像処理装置は画像データの外部保存先の設定で、電子メール装置への電子メールの送信に必要な送信用情報の入力と、その送信用情報を用いて送信された電子メールの受信に必要な受信用情報の入力とを受け付け、入力された受信用情報は記憶しておく。
【0013】
入力された画像データの保存指示を受けると、その画像データを添付し識別情報を付加した電子メール(画像添付メール)を、入力された送信用情報を用いて電子メールサーバに送信することにより、電子メールサーバを利用した画像データの外部保存を行う。外部保存が行われた画像データの出力指示を受けると、記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバから識別情報が付加されている電子メールを受信し、この電子メールに付加されている画像データを出力する。
【0014】
画像処理装置における画像データの外部保存先の設定で、電子メール装置における電子メールの送信用情報および受信用情報を入力し、電子メール装置が電子メールの受信先としている電子メールサーバを画像処理装置による画像データの外部保存先として利用する場合は、画像処理装置がその電子メールサーバに外部保存を行った画像添付メール(外部保存メール)が電子メール装置に受信され削除されてしまうことが起こり得る。
【0015】
これを回避するために画像処理装置は、電子メール装置が直接電子メールサーバから電子メールを受信せず、当該画像処理装置を中継して受信させるための機能を備える。すなわち、画像処理装置は電子メール装置が電子メールサーバに対して行う電子メールの受信に関する要求と、その要求に応えて電子メールサーバが電子メール装置に対して行う応答とを中継し、この中継による電子メール装置への応答では、外部保存メールに関する応答は行わず、電子メール装置宛ての電子メール(通常メール)に関する応答のみを行うようにする。
【0016】
ここでは、外部保存メールに識別情報を付加することで、外部保存メールと通常メールを識別情報の有無によって識別可能とする。画像処理装置は電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けると、記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバに電子メールの受信に関する要求を行い、その要求に対する電子メールサーバからの応答のうち識別情報が付加されていない電子メール(通常メール)に関する応答のみを電子メール装置に対して行う。電子メール装置が電子メールを受信するための要求(メール受信要求)を画像処理装置に対して行うと、電子メールサーバ内の外部保存メールと通常メールとが画像処理装置により識別情報の有無で区別され、識別情報の無い通常メールのみを受信するようになる。
【0017】
これにより、内部記憶装置や専用の外部記憶装置を用いることなく、電子メールサーバを利用して画像データの保存と保存した画像データの出力とを行うことができる。また、電子メールサーバに保存した画像データが電子メール装置による電子メールサーバへの直接アクセスによって削除されてしまうことを防止できる。
【0018】
[2]前記電子メールの受信に関する要求は、電子メールのメッセージ番号を指定して該電子メールの受信に関する要求を行うメッセージ番号指定要求を含み、
前記メッセージ番号指定要求に対する前記応答は、前記メッセージ番号を指定された電子メールに関する応答であり、
前記電子メール装置との前記メッセージ番号指定要求および応答で用いるメッセージ番号と、前記電子メールサーバとの前記メッセージ番号指定要求および応答で用いるメッセージ番号とを相互変換するための変換テーブルを有する
ことを特徴とする[1]に記載の画像処理装置。
【0019】
上記発明では、画像処理装置による外部保存メールが電子メールサーバ内に保存されることで、通常メールのメッセージ番号が本来のメッセージ番号と食い違ってくるのに対し、本来のメッセージ番号に変換するための変換テーブルを備える。これにより、通常メール(識別情報が付加されていない電子メール)の電子メールサーバ内でのメッセージ番号を、本来のメッセージ番号に変換して電子メール装置に応答する、あるいは、電子メール装置から受けたメッセージ番号指定要求に対し、その指定されたメッセージ番号を電子メールサーバ内でのメッセージ番号に変換して電子メールサーバに対するメッセージ番号指定要求を行い、その要求に対する電子メールサーバからの応答におけるメッセージ番号を、電子メール装置から指定されたメッセージ番号に変換して電子メール装置に応答するなどが可能となる。
【0020】
[3]前記制御部は、前記設定を受けると前記電子メール装置に電子メールの受信先を当該画像処理装置に変更する変更依頼を通知して前記電子メール装置が前記電子メールサーバから電子メールを受信しないことを確認するまで前記設定を保留し、確認すると前記設定を実行し前記外部保存先を使用可能とする
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像処理装置。
【0021】
上記発明では、外部保存先の設定を受けると電子メール装置に電子メールの受信先を当該画像処理装置に変更する変更依頼を通知し、電子メール装置が電子メールサーバから電子メールを受信しないことを確認するまでは、外部保存先の設定を保留する(使用不可)。確認すると、外部保存先の設定を実行し、その外部保存先を使用できるようにする。これにより、たとえば、外部保存先の設定後直ちにこの外部保存先となる電子メールサーバに外部保存を行った画像添付メールなどが電子メール装置に受信され削除されてしまうことはない。
【0022】
[4]前記制御部は、前記通知後に前記電子メール処理部が前記電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けたことをもって前記確認ができたとする
ことを特徴とする[3]に記載の画像処理装置。
【0023】
上記発明では、画像処理装置は変更依頼の通知後に電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けるまで外部保存先の設定を保留する(使用不可)。電子メール装置において電子メールの受信先が当該画像処理装置に変更され、電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けると外部保存先の設定を実行し、その外部保存先を使用できるようにする。
【0024】
このように、画像処理装置は電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けたことをもって、電子メール装置が電子メールサーバから電子メールを受信しないことを確認することができる。
【0025】
[5]前記制御部は、前記通知後に前記電子メール処理部に前記記憶部に記憶されている受信用情報を用いて前記電子メールサーバにログインさせ、そのログイン状態を少なくとも前記電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けるまで保持させると共に、前記電子メール処理部が前記ログインしたことをもって前記確認ができたとする
ことを特徴とする[3]に記載の画像処理装置。
【0026】
上記発明では、画像処理装置は変更依頼の通知後に、記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバにログインするまで外部保存先の設定を保留する(使用不可)。ログインすると外部保存先の設定を実行し、その外部保存先を使用できるようにする。このログイン状態は、少なくとも電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けるまで保持する。
【0027】
当該画像処理装置による電子メールサーバへのログイン中は、電子メール装置は電子メールサーバにログインできず、電子メールサーバから電子メールを受信できない状態となる。電子メール装置において電子メールの受信先が当該画像処理装置に変更され、電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けると、当該画像処理装置は電子メールサーバからログオフする。
【0028】
このように、画像処理装置は電子メールサーバへのログイン状態を、少なくとも電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けるまで保持することで、電子メール装置が電子メールサーバから電子メールを受信しないことをログインしたことをもって(ログイン時点で)確認することができる。また、電子メール装置では電子メールの受信先を画像処理装置に変更しなければ自装置宛ての電子メールを受信できないため、電子メールの受信先を早期に当該画像処理装置に変更することを促すことができる。
【0029】
[6]前記電子メールサーバへの前記要求に対する応答で取得された電子メールに関する情報を記憶管理する記憶管理部と、
表示部とを備え、
前記制御部は、
前記記憶管理部における前記識別情報が付加されている電子メールに関する情報に基づいて、前記外部保存が行われた画像データに関する情報を前記表示部に表示し、
前記電子メール処理部に前記電子メールサーバに対する前記要求を行わせ、該要求に対する電子メールサーバからの応答で取得された電子メールに関する情報に前記記憶管理部の情報を更新し、該情報に基づいて前記表示を更新する
ことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0030】
上記発明では、外部保存が行われた画像データに関する情報の表示指示を受けた場合に、画像処理装置内で記憶管理している情報(識別情報が付加されている電子メール(外部保存メール)に関する情報)に基づいてその表示を迅速に行うことができる。また、電子メールサーバから電子メールに関する情報を取得し、記憶管理している情報の更新と表示の更新を行うことで、外部保存が行われた画像データに関する最新の情報を表示することができる。
【0031】
[7]前記電子メールサーバへの前記要求に対する応答で取得された電子メールに関する情報を記憶管理する記憶管理部を備え、
前記制御部は、前記電子メール処理部が前記電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けた場合に、前記電子メール処理部による前記電子メールサーバへの前記要求に対する応答に基づいて、前記記憶管理部における前記識別情報が付加されている電子メールに関する情報を更新する
ことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0032】
上記発明では、電子メールの受信に関する要求を受けると、画像処理装置内で記憶管理している外部保存メール(識別情報が付加されている電子メール)に関する情報が更新される。電子メールサーバ内の通常メール(電子メール装置宛の電子メール)の数は、電子メールサーバが送信元から通常メールを受信したときに増加し、通常メールが電子メールサーバ内から電子メール装置へ受信され削除されると減少する。この電子メールサーバ内の通常メールの増減に伴い、電子メールサーバ内の外部保存メールのメッセージ番号などが変化する。ここでは、電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けるのに伴い、画像処理装置内で記憶管理している外部保存メールのメッセージ番号などが更新されるようになる。
【0033】
[8]前記電子メールサーバへの前記要求に対する応答で取得された電子メールに関する情報を記憶管理する記憶管理部を備え、
前記電子メールの受信に関する要求は、電子メールに関する情報の取得要求を含み、
前記制御部は、前記電子メール処理部が前記電子メール装置から電子メールに関する情報の取得要求を受けた場合に、
前記記憶管理部の情報で応答可能である場合は前記電子メール処理部に該情報で応答を行わせ、
前記記憶管理部の情報で応答不可である場合は前記電子メール処理部に前記記憶部に記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバに対し電子メールに関する情報の取得要求を行わせ、該要求に対する電子メールサーバからの応答で取得された電子メールに関する情報に前記記憶管理部の情報を更新し該情報で応答を行わせる
ことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0034】
上記発明では、電子メール装置から電子メールに関する情報の取得要求を受けた場合に、記憶管理部の情報(通常メール(識別情報が付加されていない電子メール)に関する情報)で応答可能であればその情報で電子メール装置に対する応答を迅速に行うことができる。応答不可であれば電子メールサーバに電子メールに関する情報の取得要求を行い、その要求に対する電子メールサーバからの応答で取得された電子メールに関する情報に記憶管理部の情報を更新し、その情報で電子メール装置に対する応答を行う。
【0035】
[9]前記記憶管理部は、
前記識別情報が付加されていない電子メールに関する情報を記憶管理する第1記憶管理部と、
前記識別情報が付加されている電子メールに関する情報を記憶管理する第2記憶管理部と、
を有することを特徴とする[6]〜[8]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0036】
上記発明では、通常メール(識別情報が付加されていない電子メール)に関する情報と、外部保存メール(識別情報が付加されている電子メール)に関する情報とを異なる記憶管理部で個別に記憶管理することにより、双方のメールに関する情報を効率よく管理することができる。
【0037】
[10]前記制御部は、前記電子メール処理部に前記電子メールサーバに対する前記要求を定期的に行わせ、該要求に対する電子メールサーバからの応答で取得された電子メールに関する情報に前記記憶管理部の情報を更新する
ことを特徴とする[6]〜[9]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0038】
上記発明では、電子メールサーバに対する電子メールの受信に関する要求を定期的に行い、その応答を受けることで、たとえば、画像処理装置内で記憶管理する電子メールに関する情報を随時更新することができ、電子メール装置から受けた要求に対してより新しい情報を応答することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の画像処理装置によれば、内部記憶装置や専用の外部記憶装置を用いることなく、画像データの保存と保存した画像データの出力とを行うことができる。したがって、内部記憶装置を搭載していない画像処理装置でも、あるいは、コストを掛けて専用の外部記憶装置を設けなくても、画像データの保存および利用が可能となる。また、電子メールサーバに保存した画像データが電子メール装置による電子メールサーバへの直接アクセスによって削除されてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置としての複合機と端末装置およびメールサーバによるシステムの概要を示す図である。
【図2】端末装置のメール受信先が(A)メールサーバの場合と(B)複合機の場合との通信経路を比較して示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】複合機によるメール受信プロトコルのコマンドの一例を示す図である。
【図5】複合機に記憶されるBOX管理テーブルの構成を示す図である。
【図6】メールサーバ内での電子メールの管理状態を模式的にリスト化して示す図である。
【図7】複合機に記憶されるメール情報管理テーブルの構成を示す図である。
【図8】複合機に記憶される画像リスト管理テーブルの構成を示す図である。
【図9】複合機によるBOX作成の動作を示す流れ図である。
【図10】BOX作成における外部BOXの初期化を示すシーケンス図である。
【図11】複合機の表示部に表示されたBOX作成用のBOX一覧画面を示す図である。
【図12】複合機の表示部に表示された外部BOX作成画面を示す図である。
【図13】複合機の表示部に表示された外部BOX初期化中のBOX一覧画面を示す図である。
【図14】複合機の表示部に表示された外部BOX初期化完了後のBOX一覧画面を示す図である。
【図15】BOX作成における外部BOX初期化の変形例を示すシーケンス図である。
【図16】複合機によるBOX保存の動作を示す流れ図である。
【図17】複合機の表示部に表示されたBOX保存用のBOX一覧画面を示す図である。
【図18】画像データの外部保存を行う電子メールのヘッダに付加された識別情報などの一例を示す図である。
【図19】複合機が端末装置に対して行うユーザ認証の動作を示す流れ図である。
【図20】ユーザ認証におけるコマンドと応答を示すシーケンス図である。
【図21】複合機が認証した端末装置からメール受信に関するコマンドとしてSTATコマンドを受け付けて応答する動作を示す流れ図である。
【図22】メール受信に関するSTATコマンドと応答を示すシーケンス図である。
【図23】メール受信に関するLISTコマンドと応答を示すシーケンス図である。
【図24】メール受信に関するRETRコマンドと応答およびDELEコマンドと応答を示すシーケンス図である。
【図25】複合機によるBOX利用の動作を示す流れ図である。
【図26】複合機の表示部に表示されたBOX利用用のBOX一覧画面を示す図である。
【図27】複合機の表示部に表示された外部BOXの画像一覧画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置としての複合機(MFP;Multi Function Peripheral/Multi Function Printer)10と、端末装置4およびメールサーバ5によるシステムの概要を示す図である。本実施形態では、複合機10が会社(オフィス)で使用される場合を例に説明する。
【0043】
社内に構築されたLAN(Local Area Network)などのネットワーク2には、社員用(ユーザ用)の任意台の端末装置4と、社内用のメールサーバ(電子メールサーバ)5と、複合機10とが接続されている。これらはネットワーク2を通じて互いに通信可能とされている。
【0044】
メールサーバ5は、ネットワーク2を通じてインターネットに常時接続され、電子メールプロトコルに従い自ネットワーク2内のユーザ(端末装置4および複合機10を含む)に係る電子メールの送信および受信を行うコンピュータである。本実施形態では、自ネットワーク2内のユーザから送られてきた電子メールをその宛先となる自ネットワーク2や他ネットワークのユーザに送信する送信メールサーバとしての機能と、自ネットワーク2内のユーザ宛てに送られてきた電子メールを保管し、ユーザからのメール受信要求に応答する受信メールサーバとしての機能とを兼ね備えている。メールサーバ5は、たとえば、メール送信プロトコルはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)に対応し、メール受信プロトコルはPOP3(Post Office Protocol 3)に対応しており、メール送信用のSMTPサーバとメール受信用のPOP3サーバの機能を兼ね備えている。
【0045】
同様の機能を備えたメールサーバは、インターネット上や他のイントラネット(ローカルネットワーク)上にも多数存在している。メールサーバ5は、社内のメールアカウントを用いたユーザによる電子メールの送受信に関与する。詳細には、自ネットワーク2内のユーザ間(自己送受信を含む)による電子メールの送受信は単独で行い、自ネットワーク2内のユーザと他ネットワークのユーザ間による電子メールの送受信はインターネット上や他のイントラネット上のメールサーバなどと通信(連携)して行う。
【0046】
端末装置4は、複合機10に対してネットワーク2を通じてアクセスし、ドキュメントの印刷など各種作業の指示や操作の依頼などを行ったり、電子メールの送受信を行ったりする装置(電子メール装置)である。たとえば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)に複合機10のドライバプログラム(プリンタドライバ)と電子メールプログラム(メールクライアント)などを組み込んで構成される。
【0047】
複合機10は、原稿の画像を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷して出力するコピー機能、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり端末装置4へ送信したりするスキャン機能(ファイル保存/ファイル送信)、端末装置4から受信した印刷データに係る画像を記録紙に印刷して出力するプリンタ機能、画像データを送受信するファクシミリ機能、電子メールを送受信する電子メール機能、コピー、スキャン、プリント、ファクシミリ受信、受信メール添付などで入力された画像データのファイルをBOXと呼ばれるフォルダに保存し、保存したファイルを印刷したり端末装置4へ送信したりして出力(利用)するBOX機能などを備えている。
【0048】
BOX機能には、自機内への保存を行う内部保存機能と、メールサーバを利用して保存を行う外部保存機能とが設けられている。内部保存では、自機内に作成したBOX(フォルダ)にファイルを保存する。外部保存では、メールサーバ内に作成されているユーザのメールボックスを外部保存用のBOXとして利用し、そのメールボックスにファイル(画像添付メール)を保存するようになっている。これらのBOXについては、内部保存用は「内部BOX」と称し、外部保存用は「外部BOX」または「リモートボックス」と称して呼び分ける。本実施形態では、画像データ(ファイル)の外部保存を行う保存場所(外部保存先)は、メールサーバ5内のメールボックス5aとなる(外部BOX=メールボックス)。
【0049】
外部保存機能の詳細は、外部BOXの設定(作成)でユーザからメールアカウントの入力を受け付けて記憶する機能、ユーザから画像データの外部保存指示を受けると、その画像データのファイルを添付し識別情報を付加した電子メールを記憶されているメールアカウントを用いてメールサーバ5に送信することにより、メールサーバ5を利用した画像データの外部保存を行う機能、ユーザから外部保存が行われた画像データの出力指示を受けると、記憶されているメールアカウントを用いてメールサーバ5から識別情報が付加されている電子メールを受信し、この電子メールに付加されている画像データを出力する機能などである。上記の画像データのファイルを添付し識別情報を付加した電子メールは、「画像添付メール」、「外部保存メール」とも呼ぶ。
【0050】
外部BOXの設定においてユーザが自分の端末装置4で使用するメールアカウントを入力し、端末装置4が電子メールの受信先(メール受信先)としているメールサーバ5内のそのユーザ用のメールボックス5aを複合機10による外部BOXとして利用(共用)する場合は、複合機10がそのユーザ用のメールボックス5aに外部保存を行った画像添付メール(外部保存メール)が端末装置4に受信され削除されてしまうことが起こり得る。
【0051】
これを回避するために、複合機10は端末装置4が直接メールサーバ5から電子メールを受信せず、当該複合機10を中継して受信させるための機能を備えている。本機能の詳細は、複合機10はユーザから外部BOXの設定を受けるとそのユーザの端末装置4にメール受信先を自機に変更する変更依頼を通知して端末装置4がメールサーバ5から電子メールを受信しないことを確認するまでその設定を保留し、確認するとその設定を実行し外部BOXを使用可能とするものである。さらに、複合機10は端末装置4がメールサーバ5に対して行う電子メールの受信に関する要求と、その要求に応えてメールサーバ5が端末装置4に対して行う応答とを中継し、この中継による端末装置4への応答では、外部保存メールに関する応答は行わず、ユーザ宛ての電子メールに関する応答のみを行うものである。ユーザ宛ての電子メールは、「通常メール」とも呼ぶ。
【0052】
識別情報は、この外部保存メールと通常メールを識別するための情報であり、外部保存メールのみに付加される。また端末装置4におけるメール受信先の変更は、ユーザが端末装置4内の電子メールプログラムにおけるメール受信先(受信サーバアドレス)の設定を複合機10に変更することで行う。
【0053】
図2は、端末装置4のメール受信先が(A)メールサーバ5に設定されている場合の通信経路と(B)複合機10に設定されている場合の通信経路とを比較して示す図である。
【0054】
(A)に示す端末装置4のメール受信先がメールサーバ5の場合では、端末装置4は宛先のメールアドレスへ送信する電子メールをメールサーバ5に送信し、メールサーバ5がその電子メールを宛先へ向けて送信する。端末装置4は自ユーザ宛ての電子メールの受信に関する要求をメールサーバ5に対して行い、メールサーバ5内の自ユーザ用のメールボックスに保管されている自ユーザ宛ての電子メールをメールサーバ5から受信する。
【0055】
複合機10は、このユーザ用のメールボックスを外部BOXとして利用(共用)する場合には、このユーザのメールアドレスを宛先とした画像添付メールをメールサーバ5に送信することで、メールサーバ5内のユーザ用のメールボックスに画像データを保存する。また、この外部保存を行った画像添付メールの受信に関する要求をメールサーバ5に対して行い、メールサーバ5内のユーザ用のメールボックスに保存されている画像添付メール(画像データ)をメールサーバ5から取得する。
【0056】
この場合、複合機10がユーザ用のメールボックスに外部保存を行った画像添付メールが端末装置4に受信され削除されてしまうことが起こり得るため、端末装置4におけるメール受信先を複合機10に変更し、複合機10がユーザ宛ての電子メールと画像添付メールを識別情報の有無で区別(フィルタリング)して、識別情報の無いユーザ宛ての電子メールのみを端末装置4に受信させるようにする。
【0057】
(B)に示す端末装置4のメール受信先が複合機10の場合では、端末装置4は自ユーザ宛ての電子メールの受信に関する要求を複合機10に対して行い、複合機10がこのユーザ宛ての電子メール(識別情報の無い電子メール)の受信に関する要求をメールサーバ5に対して行う。複合機10は、メールサーバ5内のこのユーザ用のメールボックスに保管されているユーザ宛ての電子メールをメールサーバ5から受信し、端末装置4に送信(転送)する。このユーザ用のメールボックスに保存されている外部保存メール(識別情報の有る電子メール)を端末装置4には送信しない。このように、端末装置4は複合機10を通じてメールサーバ5からの自ユーザ宛ての電子メールのみを受信する。この他の通信経路は(A)の場合と同じである。
【0058】
図3は、複合機10の構成を示すブロック図である。
【0059】
複合機10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11に、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、不揮発メモリ14と、ファクシミリ通信部15と、ネットワーク通信部16と、スキャナ部17と、画像記憶部18と、画像処理部19と、プリンタ部20と、表示部21と、操作部22と、電子メール処理部23とを接続して構成される。
【0060】
CPU11は、ROM12に格納されているプログラムに基づいて複合機10の動作を制御する。RAM13には、CPU11によって実行される各種プログラムや各種の固定データが記憶されている。RAM13は、CPU11がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用されるほか、画像データを一時的に保存するための画像メモリなどにも使用される。不揮発メモリ14は、電源がオフされても記憶が保持されるメモリであり、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。装置固有の情報は、機種名、シリアル番号、自機のIP(Internet Protocol)アドレス、自機のメールアドレスなどである。
【0061】
ファクシミリ通信部15は、ファクシミリ機能を備えた外部装置と公衆回線を通じて画像データを送受信する。ネットワーク通信部16は、端末装置4やメールサーバ5などとネットワーク2を通じて通信を行う。
【0062】
スキャナ部17は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する。スキャナ部17は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路と、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0063】
画像記憶部18は、ハードディスク装置(Hard Disk Drive;HDD)で構成されており、各種の保存データを格納するほか、入力された各種の画像データなども保存する。画像記憶部18内には、画像データを保存するための内部保存用のBOX(フォルダ)が作成される。画像処理部19は、画像データに対して、画像補正、回転、拡大/縮小、圧縮/伸張など各種の画像処理を施す。
【0064】
プリンタ部20は、画像データに基づく画像を電子写真プロセスによって記録紙上に形成して出力する。プリンタ部20は、たとえば、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、入力される画像データに応じて点灯制御されるLD(Laser Diode)と、LDから射出されたレーザ光を感光体ドラム上で走査させる走査ユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有する、いわゆるレーザープリンタとして構成されている。レーザ光に代えてLED(Light Emitting Diode)で感光体ドラムを照射するLEDプリンタのほか他の方式のプリンタであってもかまわない。
【0065】
表示部21は、液晶ディスプレイなどで構成され、操作画面や設定画面などの各種の画面を表示する。操作部22は、スタートボタン、ストップボタン、テンキーなどの各種のボタン類と、液晶ディスプレイの表面に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルなどで構成され、ユーザが複合機10に対して行う各種の操作を受け付ける。
【0066】
電子メール処理部23は、電子メールの送受信に係る各種の処理を行う。詳細には、電子メール処理部23は、CPU11から画像外部保存命令を受けて、画像データのファイルを電子メールに添付しメール本体のヘッダに識別情報および添付ファイルの選択用情報(ドキュメント名など)などを付加した画像添付メールを作成するメール作成機能、作成した画像添付メールをネットワーク通信部16を通じてメールサーバ5に送信したり、メールサーバ5から受信した端末装置4のユーザ宛ての電子メールをネットワーク通信部16を通じて端末装置4に送信(転送)したりするメール送信機能、ネットワーク通信部16を通じてメールサーバ5と通信し、メールサーバ5内のメールボックス5aに保管されている電子メールを受信するメール受信機能、電子メールのメッセージ番号についてメールサーバ5とやり取りするときのメッセージ番号と端末装置4とやり取りするときのメッセージ番号とを相互変換するメール情報変換機能、メール送信プロトコル(SMTP)およびメール受信プロトコル(POP3)に従いプロトコル処理を行うプロトコル処理機能などを備えており、これらの機能によって電子メールの送受信に係る各種の処理を行う。端末装置4との間で行うメール受信に関するプロトコル処理では、端末装置4から受けたメール受信プロトコルのコマンドを解析し応答する処理を行う。
【0067】
図4は、複合機10の電子メール処理部23および端末装置4の電子メールプログラムが使用するメール受信プロトコルのコマンドの一例を示す図である。本実施形態では図4に示すPOP3のコマンドを使用する。
【0068】
なお、「電子メールの受信に関する要求」とは、メッセージ数(メッセージ番号)、サイズ、ヘッダ情報、メッセージ全体(電子メール本体)などの電子メールに関する情報を受信(取得)するための要求を指す。POP3においては、STATコマンド、TOPコマンド、LISTコマンド、RETRコマンドなどのメール受信に関するコマンドを含む。この要求に対する応答とは、上記の電子メールに関する情報の応答を指す。「電子メールを受信するための要求」(メール受信要求)とは、広義では電子メールの受信に関する要求を指し、狭義ではメッセージ全体(電子メール本体)を受信するための要求を指す。狭義の場合、POP3においてはRETRコマンドを指す。「電子メールに関する情報の取得要求」(メール情報取得要求)とは、メッセージ全体(電子メール本体)以外の電子メールに関する情報を取得するための要求を指す。POP3においては、STATコマンド、TOPコマンド、LISTコマンドを指す。
【0069】
図3に示すように、CPU11は外部BOXに係る各種の機能を備えている。詳細には、CPU11は、新たに作成する外部BOXの初期化を行う初期化処理機能、外部BOXを作成する外部BOX作成機能、画像データのファイルを外部BOX(メールサーバ5内のメールボックス5a)に保存する画像外部保存命令を電子メール処理部23に出す画像外部保存機能、電子メール処理部23が外部BOXから取得した画像添付メール(外部保存メール)のヘッダ情報に含まれている添付ファイルの選択用情報を表示部21に一覧表示し操作部22を通じて出力するファイル(画像データ)の選択を受け付ける画像表示選択機能などを備えている。
【0070】
外部BOXは、前述したようにメールサーバ5内のメールボックス5aを利用したものである。CPU11が行う上記の外部BOXの作成は、メールサーバ5内に新たにメールボックスを作成するのではなく、既存のメールボックスを外部BOXとして利用できるようにするものである。
詳細には、複合機10内で外部BOXを管理するためのBOXID(IDentification)を作成し、このBOXIDにメールボックスを利用するためのメール受信用情報を含む属性情報を関連付けて登録するものである。
【0071】
図5は、BOXを管理するための情報が登録されるBOX管理テーブル30を示す図である。本実施形態では、内部保存用と外部保存用のBOXを1つのBOX管理テーブル30で管理するようになっている。このBOX管理テーブル30は不揮発メモリ14に記憶されている。
【0072】
BOX管理テーブル30には、BOXIDとなるBOX番号(BOX#)と、BOX種別と、属性情報とが関連付けられて登録される。BOX種別は、「HDD」が内部BOXを示し、「Remote」が外部BOX(リモートボックス)を示す。
【0073】
属性情報は、ユーザのメールアカウント(ユーザが自分の端末装置4で電子メールの送受信に使用するメールアカウント)によって既にメールサーバ5内に作成されているメールボックス5aを外部BOXとして利用可能とする(共用する)ための情報を含んでおり、外部BOXのみに登録される。属性情報は、端末装置4からのメール受信要求に対して行うユーザ認証で使用する認証情報と、メールサーバ5で保管されている端末装置4のユーザ宛ての電子メールの受信に必要な受信用情報とを含んでいる。受信用情報は、ユーザIDと、パスワードと、メールサーバアドレスである。メールサーバアドレスは、メールサーバのドメイン名またはメールサーバのIPアドレスである。認証情報は、ユーザIDと、パスワードであり、受信用情報のユーザIDおよびパスワードと同じものである。
【0074】
一般に電子メールを利用するユーザには、メールサーバへのアクセス権となるメールアカウントと、このメールアカウントと一対一対応のメールアドレスとが付与される。メールアカウントが付与されたユーザに対しては、一対のユーザIDとパスワードが割り当てられ、メールサーバ内にユーザID毎に受信メールを保管するためのユーザID名のメールボックスが作成される。
【0075】
たとえば、図1に示した社内のメールサーバ5(ドメイン名「aaa.co.jp」)を通じて電子メールを利用する一郎社員にユーザIDとして「ichiro」が割り当てられた場合には、メールサーバ5内に「ichiro」という名称(ID)のメールボックスが作成される。
【0076】
メールアドレスは“ユーザID”@“ドメイン名”で構成される。たとえば、一郎社員には社内の管理者から「ichiro@aaa.co.jp」などが付与される。
【0077】
一般に電子メールの送信では、相手先のメールサーバをメールアドレスのドメイン名から割り出す。通常、メールサーバはユーザ(電子メールプログラム)から送られてきた電子メール(送信メール)のヘッダに付加されているメールアドレスのドメイン名をDNS(Domain Name System)サーバに問い合わせてそのドメイン名に対応するIPアドレスを取得し、そのIPアドレスのメールサーバに電子メールを送信する。電子メールを受信したメールサーバは、受信メールのヘッダに付加されているメールアドレスのユーザIDに対応するメールボックスにその受信メールを格納して保管する。
【0078】
一般に電子メールの受信では、メールサーバはユーザ(電子メールプログラム)からのメール受信要求でユーザIDとパスワードによる認証を行い、認証した場合はそのユーザIDのメールボックスに保管している電子メール(受信メール)の受信許可の応答を行い、認証しない場合は受信不許可(エラー通知)の応答を行う。
【0079】
BOX管理テーブル30では、画像データの外部保存先を示すBOX番号(BOXID)およびBOX種別(Remote)に、複合機10が端末装置4のユーザ用のメールボックスを外部保存先(外部BOX)として利用するための情報(受信用情報)と、その端末装置4に対するユーザ認証で使用する情報(認証情報)とを含む属性情報が関連付けられて登録される。
【0080】
本例のBOX管理テーブル30では、#001と#002に内部BOXが登録され、#003に一郎社員の外部BOXが登録され、#004に太郎社員の外部BOXが登録され、#005〜#007に他の外部BOXが登録されている状態を示している。
【0081】
図6は、メールサーバ5内での電子メールの管理状態を模式的にリスト化して示す図である。ここでは、太郎社員のメールボックス(外部BOX)を例示している。
【0082】
メールサーバ5は、メールボックスで保管する電子メールにメッセージ番号を付与して管理する。メッセージ番号は、1〜Nの連番号である。本図では、メールボックス内の各電子メールのサイズ、ヘッダに付加されている件名(サブジェクト)、送信者(From)、および識別情報の有無(○:有)を模式的にリスト化して示している。メールサーバ5は、複合機10によって当該メールサーバ5への外部保存が行われた画像添付メールのヘッダに付加されている識別情報を認識していないが、ここでは便宜的に識別情報の有無を示している。
【0083】
複合機10からの画像添付メールはヘッダに識別情報が付加されている。画像添付メールの件名は、添付された画像データのドキュメント名などであり、送信者はこのメールボックスのユーザ(当該ユーザのメールアドレス)となっている。ユーザ宛ての電子メールには識別情報が付加されていない。
【0084】
複合機10の外部BOXとして利用されるメールボックスでは、図示のように、ユーザ宛ての電子メール(通常メール)と、複合機10により外部保存が行われた画像添付メール(外部保存メール)とが混在し、1〜Nのメッセージ番号が付与されて管理される。複合機10は、図4に示したSTATコマンドで、メールサーバ5からメールボックス内の電子メールのメッセージ数と全メッセージの合計サイズを取得する。LISTコマンドで、各電子メールのメッセージ番号と各サイズ(メッセージ番号を指定した場合は該当のメッセージ分のみ)を取得する。TOPコマンド(Line数0)で、メールボックス内の指定したメッセージ番号の電子メールのヘッダ情報を取得する。
【0085】
図7は、複合機10が通常メールに関する情報を記憶管理するためのメール情報管理テーブル31の構成を示す図である。メール情報管理テーブル31は、不揮発メモリ14に記憶されている。また、外部BOX毎(外部BOXとして利用されるメールボックスのメールアカウント毎)に作成されて不揮発メモリ14に記憶される。
【0086】
メール情報管理テーブル31には、複合機10がメールサーバ5から取得した、メールボックス(外部BOX)内のユーザ宛ての電子メール(通常メール)に関する情報が記憶される。
【0087】
詳細には、複合機10が付与する自機管理用のメッセージ番号(MFPメッセージ番号)と、メールサーバ5によって付与されたメッセージ番号(メールサーバメッセージ番号)と、電子メールのサイズと、取得したヘッダ情報に含まれている件名(サブジェクト)および送信者(From)とが関連付けられて記憶される。自機管理用のメッセージ番号は、1〜Nの連番号である。このメッセージ番号は、複合機10による外部保存メールがメールボックス内に存在しない場合に、メールサーバ5によって通常メールに付与される本来のメッセージ番号に対応している。
【0088】
図8は、複合機10が外部保存メールに関する情報を記憶管理するための画像リスト管理テーブル32の構成を示す図である。画像リスト管理テーブル32は、不揮発メモリ14に記憶されている。また、メール情報管理テーブル31と同じく、外部BOX毎(外部BOXとして利用されるメールボックスのメールアカウント毎)に作成されて不揮発メモリ14に記憶される。
【0089】
画像リスト管理テーブル32には、複合機10がメールサーバ5から取得した、メールボックス(外部BOX)内の画像添付メール(外部保存メール)に関する情報が記憶される。詳細には、複合機10が付与した画像番号と、メールサーバ5によって付与されたメッセージ番号(メールサーバメッセージ番号)と、取得したヘッダ情報に含まれている添付画像データ(添付ファイル)のサイズ、件名(サブジェクト)、送信者(From)とが関連付けられて記憶される。画像番号は、1〜Nの連番号である。
【0090】
次に、複合機10の動作について説明する。
【0091】
(BOX作成)
図9は、複合機10によるBOX作成の動作を示す流れ図である。図10は、BOX作成における外部BOXの初期化を示すシーケンス図である。本動作では、複合機10の表示部21に図11〜図14に例示するBOX作成に係る画面が表示されるが、本動作はこれらの画面も交えながら説明する。
【0092】
複合機10のCPU11は、操作部22でBOX作成以外の機能の選択を受けた場合には(ステップS101;No)、本動作を終了する(End)。操作部22でBOX作成機能の選択を受けた場合には(ステップS101;Yes)、BOX管理テーブル30の登録情報を使用して表示部21にBOX作成用(設定用)のBOX一覧画面を表示する(ステップS102)。図5に示したBOX管理テーブル30において、たとえば、既に#001〜#003までのBOXが登録されている場合には、図11に示すようなBOX一覧画面40が表示部21に表示される。
【0093】
BOX一覧画面40には、本画面でBOXが作成(設定)できる旨を示すメッセージ41と、各種の表示項目が示された項目欄42と、現在のBOXを一覧表示したBOX一覧43と、BOX一覧43に対するスクロール操作を受け付けるスクロール操作部44と、作成するBOXの種別として内部BOXの選択操作を受け付ける内部BOX選択ボタン45と、作成するBOXの種別として外部BOXの選択操作を受け付ける外部BOX選択ボタン46と、選択された種別のBOXの新規作成操作を受け付ける新規作成ボタン47と、表示部21の表示画面を前画面に戻す操作を受け付ける戻るボタン48とが表示される。
【0094】
項目欄42に示される表示項目は、たとえば、BOX番号を示す「BOX#」、BOXの種別(内部/外部)を示す「BOX種別」、BOX内に保存されているドキュメント(ファイル)の数を示す「ドキュメント数」、および「備考」などである。BOX一覧43では、表示された各BOXは、表示領域に対する押下操作を受けて個別に選択可能とされている。詳細には、押下操作を受けるたびに、非選択状態から選択状態へ、または、選択状態から非選択状態へ切り替えられるようになっている。
【0095】
本例のBOX一覧画面40では、#001〜#003の計3つのBOXがBOX一覧43として表示されている。BOX種別が「HDD_***」と表示されている#001および#002は内部BOXであり、BOX種別が「外部BOX」と表示されている#003は外部BOXである。外部BOXの備考には、図5のBOX管理テーブル30にて関連付けて登録されているメールアドレスが表示される。
【0096】
ユーザは、このBOX一覧画面40を通じて、現在のBOXと種別(内部/外部)、BOX内のドキュメント数を確認することができ、メールアドレスのユーザIDから外部BOXの所有者を識別することができる。またユーザは、内部BOX選択ボタン45または外部BOX選択ボタン46を押下して作成したいBOXの種別を選択し、新規作成ボタン47を押下して新たな内部BOXまたは外部BOXを作成することができる。
【0097】
図9のステップS102で表示したBOX一覧画面40により、戻るボタン48の押下を受けた場合には(ステップS103;No)、CPU11は表示部21の表示画面をBOX一覧画面40から前画面に戻し(ステップS104)、本動作を終了する(End)。
【0098】
BOX一覧画面40により、内部BOX選択ボタン45または外部BOX選択ボタン46の押下と新規作成ボタン47の押下によって、BOXの種別選択および作成指示を受けた場合には(ステップS103;Yes)、選択された種別が内部BOXであれば(ステップS105;内部BOX)、CPU11は画像記憶部18内にBOXを作成する内部BOX作成処理を実行し(ステップS106)、本動作を終了する(End)。選択された種別が外部BOXであれば(ステップS105;外部BOX)、CPU11は表示部21に外部BOX作成画面を表示する(ステップS107)。図12に示すように、外部BOX作成画面50は、たとえばBOX一覧画面40上に別のウィンドウ画面としてポップアップ表示される。
【0099】
外部BOX作成画面50には、外部BOXに係る設定情報の入力および表示領域となる設定情報欄51と、設定の確定を受け付けるOKボタン52(確定ボタン)と、設定(外部BOXの新規作成)のキャンセルを受け付けるCancelボタン53とが表示される。設定情報欄51には、新たに作成される外部BOXのBOX番号が表示されるBOX番号欄(「BOX#」)と、当該外部BOXの所有者としてユーザが入力した氏名(ユーザ名)が表示される所有者欄(「所有者」)と、ユーザが入力した当該外部BOXの利用先となるメールボックスに対応するメールアドレスが表示されるメールアドレス欄(「Mail」)と、ユーザが入力した同メールボックスに対応するパスワードが表示されるパスワード欄(「Mail Password」)とが設けられている。BOX番号欄には、現在のBOX数の次の番号(本例では「004」)が表示される。
【0100】
ユーザは、この外部BOX作成画面50を通じて、新たに作成する外部BOXの設定情報の入力、設定の確定、または、外部BOXの新規作成のキャンセルを行うことができる。
【0101】
図9のステップS107で表示した外部BOX作成画面50により、Cancelボタン53の押下を受けた場合には(ステップS108;No)、CPU11は外部BOXの新規作成をキャンセルし(ステップS110)、表示部21に表示していた外部BOX作成画面50のポップアップ表示を消去して、元のBOX一覧画面40を表示するステップS102へ戻り、以降のステップを同様に行う。
【0102】
外部BOX作成画面50により、設定情報の入力およびOKボタン52の押下によって、外部BOXの設定および作成指示を受けた場合には(ステップS108;Yes)、CPU11は表示部21に表示していた外部BOX作成画面50のポップアップ表示を消去し、外部BOXの登録を行う(ステップS109)。
【0103】
外部BOXの登録は、BOX管理テーブル30において既に登録されているBOXの次のBOX番号(未登録の場合は「#001」)および外部BOXを示すBOX種別(Remote)に関連付けて、認証情報と受信用情報を含む属性情報を登録することにより行う。認証情報および受信用情報におけるユーザIDは、入力されたメールアドレスに含まれているユーザIDであり、パスワードは、入力されたパスワードである。受信用情報におけるメールサーバアドレスは、入力されたメールアドレスに含まれているドメイン名、またはドメイン名から割り出したメールサーバのIPアドレスである。
【0104】
本実施形態のBOX管理テーブル30では、入力されたメールアドレス(ユーザ宛ての電子メールの送信用情報)は登録していない。メールアドレスは、登録した受信用情報におけるユーザIDとメールサーバアドレス(ドメイン名)から作成可能である。
【0105】
本例では、図12の外部BOX作成画面50で例示したメールアドレス「taro@aaa.co.jp」に含まれているユーザID「taro」およびドメイン名「aaa.co.jp」と、入力されたパスワード「*****」とが上記の属性情報として、既に登録されている#001〜#003のBOXの次のBOX番号となる#004および外部BOXを示すBOX種別(Remote)に関連付けられて登録される。
【0106】
またCPU11は、この外部BOXとして利用されるメールボックスのメールアカウント(受信用情報)に対応するメール情報管理テーブル31および画像リスト管理テーブル32を新たに作成し、この外部BOX(BOXID)に関連付けて不揮発メモリ14に記憶する。
【0107】
CPU11は、表示部21に表示しているBOX一覧画面40に、この新たな外部BOXを選択禁止(使用不可)の状態で表示する(ステップS110(外部BOXの設定保留))。本例では、図13のBOX一覧画面40に示すように、BOX一覧43における#004に新たな外部BOXがグレーアウトで表示される。ドキュメント数は「0」で、備考にはBOX所有ユーザとなる太郎社員のメールアドレス「taro@aaa.co.jp」が表示される。
【0108】
CPU11は、この新たな外部BOXに対する初期化処理を行う。初期化処理では、入力されたユーザのメールアドレスと、不揮発メモリ14に記憶されている自機のIPアドレスおよびメールアドレスとを初期化命令と共に電子メール処理部23に入力する。
【0109】
電子メール処理部23は、CPU11から初期化命令を受けると、入力されたユーザのメールアドレス宛ての初期設定メールを作成し、メールサーバ5に送信する(ステップS111)。
【0110】
詳細には、電子メールを新規作成し、その電子メールのヘッダにおける宛先(To:)にはCPU11から入力されたユーザのメールアドレスを記載し、差出人(From:)にはCPU11から入力された自機のメールアドレスを記載し、件名(Subject:)には「外部BOX初期設定通知」などを記載し、メール本文(メッセージ部)にはメール受信先の変更を依頼する旨のメッセージと、その変更するメール受信先として、CPU11から入力された自機のIPアドレスを記載して、上記の初期設定メールを作成し、ネットワーク通信部16を通じてメールサーバ5に送信する。メッセージは、たとえば、MFP(複合機10)においてメールボックスを画像ボックス(外部BOX)として共用する旨と、メールクライアントの受信設定におけるサーバアドレスをメールサーバのアドレスからMFPのアドレスに変更することの依頼などを記載する。
【0111】
電子メール処理部23は、この端末装置4からのメール受信要求を監視する(ステップS112;No)。
【0112】
図10に示すように、複合機10がユーザのメールアドレス宛ての初期設定メールをメールサーバ5に送信すると(P11)、メールサーバ5は複合機10から受信した初期設定メールをそのユーザ用のメールボックスに保管する。その後、ユーザの端末装置4がメールサーバ5にメール受信要求を行い(P12)、たとえばメールボックスに保管されている全ての電子メールを受信すると(P13)、その中には初期設定メールが含まれている。ユーザが初期設定メールに従い、端末装置4の電子メールプログラムにおけるメール受信先を複合機10のIPアドレスに設定変更すると、端末装置4は複合機10にメール受信要求を行うようになる(P14)。
【0113】
図9では、端末装置4からのメール受信要求を受けると(ステップS112;Yes)、CPU11は新たに作成した外部BOXの選択禁止を解除してこの外部BOXを使用可能な状態にし(ステップS113(外部BOXの設定実行))、本動作を終了する(End)。本例では、図14のBOX一覧画面40に示すように、新たに作成された#004の外部BOXに対するグレーアウトが解除され、選択可能(使用可能)となる。
【0114】
ユーザは、この新たに作成した外部BOXを複合機10内のBOX(内部BOX)と同様に画像データの保存先として利用できるようになる。本例では、太郎社員のメールアドレスに対応する図1に示したメールサーバ5内の太郎社員用のメールボックス(ユーザID:taro)が外部BOXとして利用可能となる。
【0115】
図15は、外部BOXの初期化における変形例を示すシーケンス図である。本図におけるP21〜P23は、図10におけるP11〜P13と同じシーケンスである。複合機10は、ユーザのメールアドレス宛ての初期設定メールをメールサーバ5に送信すると(P21)、メールサーバ5内のそのユーザ用のメールボックスに保管されている電子メールを定期的に監視する。すなわち、メールサーバ5に対して定期的にそのユーザ用のメールボックスに保管されている電子メールのメール情報取得要求を行い(P24)、メール情報を取得する(P25)。
【0116】
複合機10は、初期設定メールが無いことを確認すると、そのユーザのメールアカウント(受信用情報)でメールサーバ5にログインし、ログイン状態を保持してメールサーバ5におけるそのユーザのメールアカウントを占有する(P26)。複合機10は、メールサーバ5にログインすると、新たに作成した外部BOXの選択禁止を解除してこの外部BOXを使用可能な状態にする(図14参照)。
【0117】
複合機10がメールサーバ5へのログイン状態を保持している間は、端末装置4は自ユーザのメールアカウントが複合機10に占有されていてメールサーバ5にログインすることができず、メールサーバ5から自ユーザ宛ての電子メールを受信できない状態となる。
【0118】
ユーザが初期設定メールに従い、端末装置4の電子メールプログラムにおけるメール受信先を複合機10のIPアドレスに設定変更すると、端末装置4は複合機10にメール受信要求を行うようになる(P27)。複合機10は、端末装置4からのメール受信要求を受けると、そのメール受信要求に対する応答(ユーザ認証、コマンド解析、メールサーバ5へのコマンド送信および応答受信、端末装置4への応答送信などのプロトコル処理)を行ってメールサーバ5からログアウトし、メールサーバ5におけるそのユーザのメールアカウントの占有を解除する(P28)。
【0119】
(BOX保存)
図16は、複合機10によるBOX保存の動作を示す流れ図である。本動作では、複合機10の表示部21に図17に例示するBOX保存に係る画面が表示されるが、本動作はこの画面も交えながら説明する。またここでは、原稿のスキャンによる画像データのファイルをBOXに保存するジョブ(スキャンBOX保存ジョブ)を例に説明する。
【0120】
複合機10のCPU11は、操作部22でBOX保存以外の機能の選択を受けた場合には(ステップS201;No)、本動作を終了する(End)。操作部22でBOX保存機能の選択を受けた場合には(ステップS201;Yes)、BOX管理テーブル30の登録情報を使用して表示部21にBOX保存用のBOX一覧画面を表示する(ステップS202)。図5に示したBOX管理テーブル30のように、たとえば#001〜#005のBOXが登録されている場合には、図17に示すようなBOX一覧画面60が表示部21に表示される。
【0121】
BOX一覧画面60には、図11で説明したBOX一覧画面40と同様の項目欄62、BOX一覧63(現在のBOX一覧)、スクロール操作部64、および戻るボタン66と、画像データのファイルを保存する保存先のBOXの指定を促す旨を示すメッセージ61と、指定の確定を受け付けるOKボタン65(確定ボタン)とが表示される。
【0122】
ユーザは、このBOX一覧画面60を通じて、現在のBOXと種別(内部/外部)、BOX内のドキュメント数を確認することができ、メールアドレスのユーザIDから外部BOXの所有者を識別することができる。またユーザは、BOX一覧63の中から自分の所有するBOXを押下して選択し、OKボタン65を押下してファイルを保存するBOXを指定することができる。なお、本図ではBOX一覧63の中で#004の外部BOXが押下・選択されている状態を示している。
【0123】
図16のステップS202で表示したBOX一覧画面60により、戻るボタン66の押下を受けた場合には(ステップS203;No)、CPU11は表示部21の表示画面をBOX一覧画面60から前画面に戻し(ステップS204)、本動作を終了する(End)。
【0124】
BOX一覧画面60により、BOX一覧63の中のいずれかのBOXの押下とOKボタン65の押下によって、保存先のBOXの選択および指定を受けたが(ステップS203;Yes)、スキャナ部17への原稿のセットおよびスタートボタンの押下を受けずに所定時間が経過した場合には(ステップS205;No)、CPU11は表示部21の表示画面をBOX一覧画面60から前画面に戻し(ステップS204)、本動作を終了する(End)。
【0125】
所定時間内にスキャナ部17への原稿のセットおよびスタートボタンの押下を受けた場合には(ステップS205;Yes)、CPU11はスキャナ部17による原稿の読み取りを実行する(ステップS206)。そしてスキャナ部17から出力された原稿の画像データをファイル化し、RAM13に一時保存する(画像データの取得)。
【0126】
指定されたのが内部BOXである場合には(ステップS207;内部BOX)、CPU11はRAM13に保存されている画像データのファイルを読み出して指定の内部BOXに保存し(ステップS208)、本動作を終了する(End)。
【0127】
指定されたのが外部BOXである場合には(ステップS207;外部BOX)、CPU11はBOX管理テーブル30からその外部BOX(BOXID)に関連付けて登録されている受信用情報のユーザIDとメールサーバアドレス(ドメイン名)を読み出し(ステップS209)、メールアドレスを生成する(ステップS210)。また、RAM13に保存されている画像データのファイルを読み出し、それらを画像外部保存命令と共に電子メール処理部23に入力する。
【0128】
電子メール処理部23は、CPU11から画像外部保存命令を受けると、入力された画像データのファイルを添付した電子メールである画像添付メール(画像データ添付メール)を作成する(ステップS211)。
【0129】
詳細には、電子メールを新規作成し、その電子メールにCPU11から入力された画像データのファイルを添付し、その電子メールのヘッダにおける差出人(From:)と宛先(To:)にはCPU11から入力されたメールアドレスを記載し、件名(Subject:)には添付ファイルの選択用情報となるドキュメント名(ファイル名)を記載し、更に識別情報と添付ファイルのサイズおよびページ数などをヘッダに付加して、上記の画像添付メールを作成する。電子メールのヘッダには、規定されたヘッダ情報の他に任意のヘッダ情報を付加できるため、ドキュメント名は任意のヘッダ情報として付加することも可能である。また、ヘッダまたはメール本文に印刷の設定を示す情報や画像の種別を示す情報を付加してもよい。
【0130】
電子メール処理部23は、この画像添付メールをネットワーク通信部16を通じてメールサーバ5に送信し(ステップS212(画像データ外部保存))、本動作を終了する(End)。
【0131】
図18は、画像添付メール90のヘッダに、識別情報91と、印刷設定情報92(印刷時のモード情報)と、画像種別情報93とを付加した場合の一例を示す図である。
【0132】
ヘッダ情報は、“フィールド名”コロン(:)“フィールドボディ”の形式で構成される。たとえば、識別情報91では、フィールド名は複合機10の外部BOXに関する情報(識別情報)であることを示す“X-MFP-RemoteBox-Info”とし、フィールドボディは複合機10の機種名とシリアル番号などにしてもよい。印刷設定情報92では、フィールド名には印刷設定に関する情報であることを示す“PrintMode”を含ませ、フィールドボディはステープル、パンチ、両面、印刷サイズ(記録紙サイズ)などの設定情報にしてもよい。画像種別情報93では、フィールド名には画像種別に関する情報であることを示す“ImageType”を含ませ、フィールドボディはその画像種別を示すファクシミリ送信画像の控え(“G3FAX_SEND”)、あるいは、ファクシミリ受信画像、コピー画像の控えなどにしてもよい。
【0133】
メールサーバ5は、複合機10から画像添付メールを受信すると、そのメール本体のヘッダに付加されている宛先のメールアドレスからユーザIDを識別し、そのユーザIDのメールボックスに受信した画像添付メールを格納して保管する。複合機10は、このようにしてメールサーバ5を利用した画像データの外部保存を行う。
【0134】
図17に示したように、たとえば、太郎社員が複合機10によるスキャンBOX保存ジョブで、保存先に自分の外部BOXを選択・指定した場合には、複合機10が本ジョブで画像データ(ファイル)の外部保存を行うために送信した画像添付メールは、メールサーバ5内のユーザID:taroのメールボックスに保管される。
【0135】
(ユーザ認証/メール受信)
図19は、複合機10が端末装置4からメール受信要求を受ける場合に端末装置4に対して行うユーザ認証の動作を示す流れ図である。図20は、ユーザ認証におけるコマンドと応答を示すシーケンス図である。
【0136】
端末装置4は、メール受信先がメールサーバ5から複合機10に変更された以降は、複合機10に対してメール受信要求を行う。たとえば、所定の時間間隔(定期的)に自動受信を行う設定にされている場合には、その所定の時間間隔でメール受信要求を行う。端末装置4は、このメール受信要求を行うに当たり、図4に示したUSERコマンドおよびPASSコマンドを用いて複合機10に認証(ログイン)を要求する。
【0137】
複合機10では、電子メール処理部23は端末装置4からのUSERコマンドの受信を監視する(ステップS301;No)。端末装置4からUSERコマンドを受信すると(ステップS301;Yes/図20のP31)、電子メール処理部23はこのUSERコマンドで指定されたユーザ名(ID)がBOX管理テーブル30の認証情報に登録されているか否かを確認する(ステップS302)。
【0138】
指定されたユーザ名が登録されていない場合には(ステップS303;No)、電子メール処理部23は端末装置4にユーザ認証エラーの応答を送信し(ステップS304)、このUSERコマンドに対するユーザ認証の動作は終了する(End)。指定されたユーザ名が登録されている場合には(ステップS303;Yes)、電子メール処理部23は端末装置4にユーザ名OKおよびこのユーザ名のパスワードを要求する応答を送信し(ステップS305/図20のP32)、端末装置4からのPASSコマンドの受信を監視する(ステップS306;No)。
【0139】
端末装置4からPASSコマンドを受信すると(ステップS306;Yes/図20のP33)、電子メール処理部23はこのPASSコマンドで指定されたパスワードをBOX管理テーブル30における該当の認証情報のパスワードと照合する(ステップS307)。
【0140】
パスワードの照合に失敗した場合には(ステップS308;No)、電子メール処理部23は端末装置4にパスワードエラーの応答を送信し(ステップS309)、このUSERコマンドとPASSコマンドに対するユーザ認証の動作は終了する(End)。パスワードの照合に成功した場合には(ステップS308;Yes)、電子メール処理部23は、BOX管理テーブル30における該当の認証情報に関連付けられている受信用情報を読み出し、そのユーザ名とパスワードを用いてサーバアドレス先のメールサーバに認証(ログイン)を要求する(ステップS310)。この認証要求で使用するコマンドは、端末装置4の場合と同じUSERコマンドおよびPASSコマンドである。認証要求先のメールサーバは、たとえば、端末装置4に対するユーザ認証でユーザ名:taroを認証した場合には、これに対応するメールサーバ5となる。
【0141】
複合機10(電子メール処理部23)は、ユーザ名(たとえば「taro」)を指定してUSERコマンドをメールサーバ5に送信する(図20のP34)。メールサーバ5はこのUSERコマンドで指定されたユーザ名が認証情報のデータベースに登録されているか否かを確認する。指定されたユーザ名が登録されていない場合には、メールサーバ5は複合機10にユーザ認証エラーの応答を送信する。指定されたユーザ名が登録されている場合には、メールサーバ5は複合機10にユーザ名OKおよびこのユーザ名のパスワードを要求する応答を送信する(図20のP35)。
【0142】
複合機10(電子メール処理部23)は、メールサーバ5からこの応答(OK)を受信すると、パスワードを指定してPASSコマンドをメールサーバ5に送信する(図20のP36)。メールサーバ5はこのPASSコマンドで指定されたパスワードを認証情報のデータベースにおける該当のユーザ名のパスワードと照合する。
【0143】
パスワードの照合に失敗した場合には、メールサーバ5は複合機10にパスワードエラーの応答を送信する。パスワードの照合に成功した場合には、メールサーバ5は複合機10にユーザ認証OKの応答を送信し(図20のP37)、複合機10をログインさせる。
【0144】
複合機10では、メールサーバ5へのログインに失敗した場合には(ステップS311;No)、電子メール処理部23は端末装置4にユーザ認証エラーの応答を送信する(ステップS312)。CPU11は、BOX管理テーブル30における該当の認証情報(受信用情報)に対応する外部BOXの使用警告を行い(ステップS313)、この端末装置4からの認証要求に対するユーザ認証の動作は終了する(End)。外部BOXの使用警告は、エラーレポートとして印刷し出力する、あるいは、表示部21に表示するBOX一覧画面60(図17)で該当の外部BOXに警告メッセージや警告マークを表示するなどにより行う。
【0145】
メールサーバ5へのログインに成功した場合には(ステップS311;Yes)、電子メール処理部23は端末装置4にユーザ認証OKの応答を送信し(ステップS314/図20のP38)、本動作を終了する(End)。複合機10は、端末装置4を認証した場合には、メールサーバ5へのログイン状態を保持し、端末装置4からメール受信に関するコマンドを受け付けて応答する。
【0146】
図21は、複合機10が認証した端末装置4からメール受信に関するコマンドとしてSTATコマンドを受け付けて応答する動作を示す流れ図である。図22は、そのSTATコマンドと応答を示すシーケンス図である。
【0147】
複合機10では、認証した端末装置4からSTATコマンドを受信すると(ステップS401/図22のP41)、電子メール処理部23はログインしているメールサーバ5にSTATコマンドを送信する(ステップS402/図22のP42)。また、端末装置4を認証したメールアカウントに対応するメール情報管理テーブル31および画像リスト管理テーブル32に、以前に記憶した情報が残っている場合には、その情報をクリアする。
【0148】
メールサーバ5は、複合機10によるログイン・ユーザ名(ID)のメールボックスに保管されている電子メールのメッセージ数と全メッセージの合計サイズの応答を複合機10に送信する(図22のP43)。
【0149】
複合機10では、メールサーバ5からの応答(STAT情報)を受信すると(ステップS403)、電子メール処理部23はメッセージ数(メールボックス内の電子メール数)を解析し取得して(ステップS404)、
メッセージ数が1以上の場合には、そのメッセージ数と同じ回数だけステップS405〜ステップS409を繰り返す。
【0150】
メッセージ数が1以上の場合には、電子メール処理部23はメールサーバ5にTOPコマンドを送信する(ステップS405/図22のP44)。最初のTOPコマンドでは、メッセージ番号は1を指定する。Line数は0を指定してヘッダ情報のみを要求する。
【0151】
メールサーバ5は、メールボックスに保管されているメッセージ番号1の電子メールにおけるヘッダ情報の応答を複合機10に送信する(図22のP45)。
【0152】
複合機10では、メールサーバ5からの応答でヘッダ情報を取得すると、電子メール処理部23はヘッダ情報に識別情報が含まれているか否かを確認する(ステップS407)。識別情報があれば、そのメッセージ番号の電子メールは複合機10が外部保存を行った画像添付メールである。識別情報がなければ、そのメッセージ番号の電子メールは端末装置4のユーザ宛ての電子メールである。
【0153】
ヘッダ情報に識別情報が含まれている場合には(ステップS407;Yes)、電子メール処理部23は、端末装置4を認証したメールアカウントに対応する画像リスト管理テーブル32(図8参照)に、画像番号(最初は「1」)と、メールサーバ5におけるメッセージ番号と、ヘッダ情報に含まれている添付ファイルのサイズ、件名(ドキュメント名)、送信者とを関連付けて記憶する(ステップS408)。
【0154】
ヘッダ情報に識別情報が含まれていない場合には(ステップS407;No)、電子メール処理部23は、メールサーバ5にLISTコマンドを送信する(ステップS410/図22のP46)。LISTコマンドでは、直前に送信したTOPコマンドで指定したメッセージ番号と同じメッセージ番号を指定する。
【0155】
メールサーバ5は、メールボックスに保管されている指定のメッセージ番号の電子メールにおけるサイズの応答を複合機10に送信する(図22のP47)。
【0156】
複合機10では、メールサーバ5からの応答でサイズを取得すると(ステップS411)、電子メール処理部23は、端末装置4を認証したメールアカウントに対応するメール情報管理テーブル31(図7参照)に、自機におけるメッセージ番号(最初は「1」)と、メールサーバ5におけるメッセージ番号と、取得したサイズと、ヘッダ情報に含まれている件名および送信者とを関連付けて記憶する(ステップS412)。
【0157】
次のメッセージがある場合には(ステップS409;Yes)、ステップS405へ戻り、次のメッセージに対して同様の動作を行う(図22のP48〜P51)。次のメッセージがない場合には(ステップS409;No)、電子メール処理部23は、対象のメール情報管理テーブル31に記憶されている情報から、端末装置4からのSTATコマンドに対する応答を作成する(ステップS413)。
【0158】
詳細には、メール情報管理テーブル31に記憶されている自機のメッセージ番号における最後のメッセージ番号を、応答するメッセージ数とする。メール情報管理テーブル31に記憶されている全メッセージのサイズの合計を算出し、その合計サイズを、応答する合計サイズとする。メッセージ数が0の場合には、メッセージ数=0および合計サイズ=0の応答を作成する。
【0159】
電子メール処理部23は、このメッセージ数と合計サイズの応答を端末装置4に送信し(ステップS414/図22のP52)、本動作を終了する(End)。
【0160】
また複合機10は、メールサーバ5に対して所定のタイミング(定期的など)にメール情報取得要求(STATコマンド、TOPコマンド、LISTコマンド)を行い、その応答を受けてメール情報管理テーブル31や画像リスト管理テーブル32の情報(サーバメッセージ番号(メッセージ数)、サイズ、ヘッダ情報(件名、送信者)など)を随時更新し、端末装置4から電子メールの受信に関する要求を受けたときにメール情報管理テーブル31の情報で応答可能であればその情報で応答するようにしてもよい。
【0161】
本実施形態のメール情報管理テーブル31では、メッセージ番号、サイズなどを記憶管理している。端末装置4からSTATコマンドやLISTコマンドを受けた場合は、メール情報管理テーブル31に記憶されているメッセージ番号およびサイズで応答可能である。TOPコマンドによるヘッダ情報の取得要求やメッセージにおける指定LINE数の取得要求、あるいは、RETRコマンドによるメール受信要求(電子メール本体の取得要求)などは、メール情報管理テーブル31に記憶されている情報では応答不可である。
【0162】
複合機10は、端末装置4から受けたメール情報取得要求に対し、メール情報管理テーブル31内の情報で応答不可である場合には、メールサーバ5からそのメール情報を取得して端末装置4に応答する。メール情報管理テーブル31内の情報で応答可能である場合には、その情報で端末装置4に応答するようにしてもよい。端末装置4から受けたメール受信要求に対してはメール情報管理テーブル31内の情報では応答不可であるため、メールサーバ5からその電子メール本体を取得して端末装置4に応答する。
【0163】
たとえば、図23に示すように、複合機10は定期的にメールサーバにLISTコマンドを送信し(P61)、メールサーバから各電子メールのメッセージ番号とサイズの応答を受け(P62〜P65)、メール情報管理テーブル31内の情報と画像リスト管理テーブル32内の情報を更新する。端末装置4からLISTコマンドを受信したときに(P66)、メール情報管理テーブル31内の情報でその端末装置4のユーザ宛ての電子メールのメッセージ番号(自機のメッセージ番号)とサイズを応答するようにしてもよい(P67〜P68)。
【0164】
STATコマンドも同様である。複合機10は定期的にメールサーバにSTATコマンドを送信してその応答を受信し、メール情報管理テーブル31内の情報と画像リスト管理テーブル32内の情報を更新する。端末装置4からSTATコマンドを受信したときにメール情報管理テーブル31内の情報でその端末装置4のユーザ宛ての電子メールのメッセージ数と合計サイズを応答するようにしてもよい。また、TOPコマンド(Line数0)を定期的にメールサーバに送信してその応答を受信し、メール情報管理テーブル31および画像リスト管理テーブル32の情報(件名、送信者)を更新するようにしてもよい。
【0165】
図24は、複合機10が端末装置4からRETRコマンドおよびDELEコマンドを受けたときの応答を示すシーケンス図である。複合機10は端末装置4から自機のメッセージ番号が指定されたRETRコマンドを受信すると(P71)、そのメッセージ番号に対応するメールサーバ5のメッセージ番号を指定したRETRコマンドをメールサーバ5に送信する(P72)。複合機10は、メールサーバ5からの応答でそのメッセージ番号の電子メールを受信すると(P73)、端末装置4からのRETRコマンドに対する応答で自機のメッセージ番号に該当するその電子メールを端末装置4に送信する(P74)。
【0166】
複合機10は端末装置4から自機のメッセージ番号が指定されたDELEコマンドを受信すると(P75)、そのメッセージ番号に対応するメールサーバ5のメッセージ番号を指定したDELEコマンドをメールサーバ5に送信する(P76)。メールサーバ5は、複合機10からDELEコマンドを受信すると、指定されたメッセージ番号の電子メールを削除し、削除完了の応答を複合機10に送信する(P77)。複合機10は、メールサーバ5からこの応答を受信すると、端末装置4からのDELEコマンドに対する応答で、指定された自機のメッセージ番号に該当する電子メールの削除完了を端末装置4に送信する(P78)。
【0167】
端末装置4からのDELEコマンドによりメールサーバ5内の電子メールが削除された場合には、複合機10はメールサーバ5に対してメール情報取得要求(STATコマンド、TOPコマンド、LISTコマンド)を行い、その情報の応答を受けてメール情報管理テーブル31および画像リスト管理テーブル32の情報を更新するようにしてもよい。
【0168】
また複合機10は、端末装置4からQUITコマンドを受信すると、メールサーバ5にQUITコマンドを送信してメールサーバ5からログアウトし、端末装置4に対する認証(ログイン)を解除する。
【0169】
また、複合機10が端末装置4から認証要求およびメール情報取得要求を受けずに、メールサーバに対して所定のタイミング(定期的など)にメール情報取得要求を行う場合には、複合機10はその要求を行うタイミングにメールサーバにログインしてメール情報取得要求を行い、メールサーバからその情報の応答を受けるとログアウトする。そして、メール情報管理テーブル31および画像リスト管理テーブル32の情報を更新する。
【0170】
(BOX利用)
図25は、複合機10によるBOX利用(BOX保存ファイル利用)の動作を示す流れ図である。本動作では、複合機10の表示部21に図26および図27に例示する画面が表示されるが、本動作はこれらの画面も交えながら説明する。
【0171】
複合機10のCPU11は、操作部22でBOX利用以外の機能の選択を受けた場合には(ステップS501;No)、本動作を終了する(End)。操作部22でBOX利用機能の選択を受けた場合には(ステップS501;Yes(表示指示))、BOX管理テーブル30の登録情報を使用して表示部21にBOX利用用のBOX一覧画面を表示する(ステップS502)。図5に示したBOX管理テーブル30のように、たとえば#001〜#005のBOXが登録されている場合には、図26に示すようなBOX一覧画面70が表示部21に表示される。
【0172】
BOX一覧画面70には、図11で説明したBOX一覧画面40と同様の項目欄72、BOX一覧73(現在のBOX一覧)、スクロール操作部74、および戻るボタン76と、利用先のBOXの指定を促す旨を示すメッセージ71と、指定の確定を受け付けるOKボタン75(確定ボタン)とが表示される。
【0173】
ユーザは、このBOX一覧画面70を通じて、現在のBOXと種別(内部/外部)、BOX内のドキュメント数を確認することができ、メールアドレスのユーザIDから外部BOXの所有者を識別することができる。またユーザは、BOX一覧73の中から自分の所有するBOXを押下して選択し、OKボタン75を押下して利用するBOXを指定することができる。なお、本図ではBOX一覧73の中で#004の外部BOXが押下・選択されている状態を示している。
【0174】
図25のステップS502で表示したBOX一覧画面70により、たとえば、戻るボタン76の押下を受けた場合には(ステップS503;No)、CPU11は表示部21の表示画面をBOX一覧画面から前画面に戻し(ステップS504)、本動作を終了する(End)。
【0175】
BOX一覧画面70により、たとえば、BOX一覧73の中のいずれかのBOXの押下とOKボタン75の押下によって、利用先のBOXの選択および指定を受けた場合は(ステップS503;Yes)、CPU11は指定されたBOXが内部BOXであれば(ステップS505;内部BOX)、その内部BOXに保存されている画像データのファイルを利用可能にする内部BOX利用処理を実行し、本動作を終了する(End)。
【0176】
指定されたBOXが外部BOXの場合には(ステップS505;外部BOX)、CPU11はその外部BOXに対応する画像リスト管理テーブル32に記憶されている情報を用いて図27に示すようなBOX保存画像一覧画面80を表示部21に表示する。
【0177】
BOX保存画像一覧画面80には、画面タイトル81と、各種の表示項目が示された項目欄82と、指定したBOX(本例では外部BOX)に保存されている画像(ファイル)を一覧表示した画像一覧83と、画像一覧83に対するスクロール操作を受け付けるスクロール操作部84と、指定したBOXが外部BOXの場合にはその外部BOXの所有者を示すメールアドレス85と、本画面の表示更新の操作を受け付ける更新ボタン86と、選択した画像に対する削除指示の操作を受け付ける削除ボタン87と、選択した画像に対する印刷指示の操作を受け付ける印刷ボタン88と、表示部21の表示画面を前画面に戻す操作を受け付ける戻るボタン89とが表示される。
【0178】
項目欄82に示される表示項目は、たとえば、画像番号を示す「ID#」、「ドキュメント名」、「ページ数」、「備考」などである。画像一覧83では、表示された各画像のドキュメント名(選択用情報)は、表示領域に対する押下操作を受けて個別に選択可能とされている。詳細には、押下操作を受けるたびに、非選択状態から選択状態へ、または、選択状態から非選択状態へ切り替えられるようになっている。
【0179】
ユーザは、このBOX保存画像一覧画面80を通じて、指定した外部BOXに保存されている画像をドキュメント名から識別することができ、画像のページ数を確認することができる。またユーザは、本画面の表示更新を行う、あるいは、画像一覧83の中から画像のドキュメント名を押下して選択し、選択した画像の削除や印刷を行うことができる。
【0180】
図25のステップS507で表示したBOX保存画像一覧画面80により、戻るボタン89の押下を受けた場合には(ステップS508;戻る)、ステップS502へ戻り、CPU11は表示部21の表示画面をBOX保存画像一覧画面80から前画面のBOX一覧画面70に戻してステップS502以降を同様に行う。更新ボタン86の押下を受けた場合には(ステップS508;更新)、画像リスト管理テーブル32に記憶されている情報の更新処理を行い(ステップS509)、ステップS507へ戻る。
【0181】
ステップS509の更新処理では、電子メール処理部23がこの外部BOXに対応するメールボックスを保有しているメールサーバにSTATコマンドおよびTOPコマンドを送信して、メールサーバからそのメールボックス(外部BOX)に保存されている電子メールのヘッダ情報を取得し、ヘッダ情報に識別情報が含まれている電子メールの情報を画像リスト管理テーブル32に記憶する。
【0182】
この更新処理後のステップS507では、CPU11は更新された画像リスト管理テーブル32に記憶されている情報を用いてBOX保存画像一覧画面80を表示部21に表示し、ステップS507以降を同様に行う。
【0183】
BOX保存画像一覧画面80により、画像(ドキュメント名)の選択を受け(ステップS508;画像選択)、削除ボタン87の押下を受けた場合には(ステップS510;削除)、選択された画像を外部BOX内から削除し(ステップS511)、本動作を終了する(End)。選択された画像の削除は、電子メール処理部23がこの外部BOXに対応するメールボックスを保有しているメールサーバに、選択された画像の画像番号に対応するメッセージ番号を指定したDELEコマンドを送信することで行う。
【0184】
BOX保存画像一覧画面80により、画像(ドキュメント名)の選択を受け(ステップS508;画像選択)、印刷ボタン88の押下を受けた場合には(ステップS510;印刷)、外部BOXから選択された画像を取得して印刷し(ステップS512)、本動作を終了する(End)。
【0185】
選択された画像の印刷は、電子メール処理部23がこの外部BOXに対応するメールボックスを保有しているメールサーバに、選択された画像の画像番号に対応するメッセージ番号を指定したRETRコマンドを送信することで、メールサーバからそのメッセージ番号の画像添付メールを受信し、CPU11がその画像添付メールに添付されているファイルの画像をプリンタ部20により記録紙に印刷して出力することで行う。メールのヘッダに印刷の設定が付加されている場合には、その設定に従って印刷を行う。
【0186】
また複合機10は、メールサーバ5に画像データ(画像添付メール)の外部保存を行った場合やメールサーバ5内の画像データ(画像添付メール)を削除した場合に、メールサーバ5に対してメール情報取得要求(STATコマンド、TOPコマンド、LISTコマンド)を行い、その情報の応答を受けてメール情報管理テーブル31および画像リスト管理テーブル32の情報を更新するようにしてもよい。
【0187】
このように、本実施形態に係る複合機10では、BOXを管理するための情報を登録するBOX管理テーブル30に、外部BOXとして利用するメールサーバ5内のメールボックスに対応するBOXIDを登録し、そのメールボックスからの電子メールの受信に必要な受信用情報をBOXIDに関連付けて登録する。画像データ(ファイル)の外部保存指示を受けた場合には、その画像データを添付した電子メール(画像添付メール)を、受信用情報から生成した送信用情報(メールアドレス)を用いてメールサーバ5に送信し画像データの外部保存を行う(図16参照)。外部保存が行われた画像データの出力指示を受けた場合には、受信用情報を用いてメールサーバ5から画像添付メールを受信し、画像データを出力する(図25参照)。
【0188】
また、ユーザ宛ての電子メールを保管するメールボックスが外部BOXとして共用される場合でも、すなわち、ユーザのメール送受信用のメールアカウントが外部BOXの設定に使用されても、複合機10はそのメールボックス(外部BOX)に外部保存を行う画像添付メールに識別情報を付加することで、メールボックス内で保管されるユーザ宛ての電子メールとの識別が可能となる。複合機10はユーザの端末装置4から電子メールの受信に関する要求を受けると、記憶されているユーザのメールアカウント(受信用情報)を用いてメールサーバ5に電子メールの受信に関する要求を行い、その要求に対するメールサーバ5からの応答のうち識別情報が付加されていないユーザ宛ての電子メールに関する応答のみを端末装置4に対して行う。端末装置4が電子メールを受信するための要求(メール受信要求)を複合機10に対して行うと、メールボックス内で保管されるユーザ宛ての電子メールと外部保存の画像添付メールが複合機10により識別情報の有無で区別され、識別情報の無いユーザ宛ての電子メールのみを受信するようになる。
【0189】
これにより、内部記憶装置や専用の外部記憶装置を用いることなく、メールサーバを利用して画像データの保存と保存した画像データの出力とを行うことができる。また、ハードディスク装置(内部記憶装置)を搭載していない低価格の複合機などにおいても、同様にメールサーバを利用して画像データの保存と保存した画像データの出力とを行うことができる。すなわち、ハードディスク装置を搭載していなくても一般のBOX機能と同様の機能を利用することができる。したがって、コストを掛けて専用の外部記憶装置を設けなくても、あるいは、内部記憶装置を搭載していない複合機などでも、画像データの保存および利用が可能となる。また、メールサーバに保存した画像データ(画像添付メール)が端末装置によるメールサーバへの直接アクセスによって削除されてしまうことを防止できる。
【0190】
図10および図15で説明したように、複合機10は外部BOXの設定(新規作成)を受けると端末装置4にメール受信先を自機に変更する変更依頼を通知し(初期設定メール送信)、端末装置4がメールサーバ5から電子メールを受信しないことを確認するまでは、外部BOXの設定を保留する(選択禁止/使用不可)。確認すると外部BOXの設定を実行し、その外部BOXを使用できるようにする。
【0191】
これにより、外部BOXを新たに作成する場合に、たとえば、作成直後にこの外部BOXに外部保存を行った画像添付メールなどが端末装置4に受信され削除されてしまうことはない。上記の確認は、図10で説明したように、複合機10が端末装置4から電子メールの受信に関する要求を受けるか否かで行ったり、図15で説明したように、複合機10が端末装置4のユーザのメールアカウントでメールサーバ5にログインしたか否か(メールサーバ5へのログイン状態を保持してそのメールアカウントを占有したか否か)で行ったりすることができる。後者の場合は、端末装置4では初期設定メールの受信後はメール受信先を複合機10に変更しなければ自ユーザ宛ての電子メールを受信できないため、メール受信先を早期に複合機10に変更することを促すことができる。
【0192】
複合機10による外部保存メールがメールサーバ5内に保存されることで、通常メールのメッセージ番号が本来のメッセージ番号と食い違ってくるのに対し、複合機10はメール情報管理テーブル31(変換テーブル)によって、メールサーバ5内における通常メールの実際のメッセージ番号と、外部保存メールが無い場合の本来のメッセージ番号とを相互変換する。
【0193】
これにより、端末装置4から受けるメッセージ番号が指定された電子メールの受信に関する要求(メッセージ番号指定要求)に対し、メールサーバ5内における通常メールの実際のメッセージ番号を、本来のメッセージ番号に変換して端末装置4に応答することができる。また、端末装置4から受けたメッセージ番号指定要求に対し、その指定されたメッセージ番号をメールサーバ5内でのメッセージ番号に変換してメールサーバ5に対するメッセージ番号指定要求を行い、その要求に対するメールサーバ5からの応答におけるメッセージ番号を、端末装置4から指定されたメッセージ番号に変換して端末装置4に応答することができる。
【0194】
図27に示した外部BOXにおけるBOX保存画像一覧画面80の表示では、その表示指示を受けた場合に、画像リスト管理テーブル32で記憶管理している情報を使用してその表示を迅速に行うことができる。また、ユーザから更新指示を受けると、メールサーバ5からメール情報を取得して画像リスト管理テーブル32の情報を更新し、BOX保存画像一覧画面80に最新の画像リストを表示することができる。
【0195】
図21および図22で説明したように、複合機10は端末装置4から電子メールの受信に関する要求(STATコマンド)を受けたときも、画像リスト管理テーブル32の情報を更新する。メールサーバ5内の通常メールの数は、メールサーバ5が送信元から通常メールを受信したときに増加し、通常メールがメールサーバ5内から端末装置4へ受信され削除されると減少する。このメールサーバ5内の通常メールの増減に伴い、メールサーバ5内の外部保存メールのメッセージ番号などが変化する。本実施形態では、複合機10が端末装置4から電子メールの受信に関する要求を受けるのに伴い、画像リスト管理テーブル32で記憶管理している外部保存メールのメッセージ番号などが更新されるようになる。
【0196】
図23で説明したように、複合機10はメールサーバ5に対する電子メールの受信に関する要求(LISTコマンドなど)を定期的に行い、その応答を受けることで、メール情報管理テーブル31(および画像リスト管理テーブル32)の情報を随時更新することができ、端末装置4から受けた要求に対してより新しい情報を応答することができる。
【0197】
複合機10が端末装置4からメール情報取得要求(STATコマンド、TOPコマンド、LISTコマンドなど)を受けた場合に、メール情報管理テーブル31の情報で応答可能であればその情報で端末装置4に対する応答を迅速に行うことができる。応答不可であればメールサーバ5にメール情報取得要求を行い、その要求に対するメールサーバ5からの応答で取得された情報にメール情報管理テーブル31(および画像リスト管理テーブル32)の情報を更新し、その情報で端末装置4に対する応答を行うことができる。
【0198】
また、通常メールに関する情報と、外部保存メールに関する情報とを異なる管理テーブルで個別に記憶管理することにより、双方のメールに関する情報を効率よく管理することができる。
【0199】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0200】
たとえば、実施形態に係る複合機は、画像データの内部保存機能を備えた構成を例に説明したが、内部保存機能を備えていない構成としてもよい。
【0201】
画像データの外部保存先となるメールサーバ内のメールボックス(外部BOX)は、電子メールの受信用情報(メールアカウント)に対応しており、この情報単位で作成される。実施形態ではメールサーバ内のメールボックスを利用した外部保存先を複合機内で管理するに当たり、外部保存先(メールボックス=外部BOX)を示すBOXIDを作成して管理するようにしているが、このようなBOXIDを作成せずに、受信用情報のみで管理することも可能である。
【0202】
外部BOXとして利用するのは、社内のメールサーバ5内に設けられたメールボックスに限らない。無料電子メールサービスを提供するインターネットサービスプロバイダ(インターネット接続業者)のメール受信プロトコル(POP3など)に対応したメールサーバなど、社外のメールサーバ内に設けられたメールボックスも利用可能である。
【0203】
端末装置に対するメール受信先の変更依頼の通知は、電子メールを使用した通知(初期設定メール)の他に、端末装置内のドライバプログラムを使用して行うようにしてもよい。たとえば、ドライバプログラムにこの変更依頼の通知受信機能を組み込み、複合機が端末装置にアクセスしドライバプログラムを通じて変更依頼の通知を行うようにしてもよい。
【0204】
外部BOXの画像一覧画面(図27参照)における表示の更新は、ユーザ操作による手動更新のみに限らず、自動更新としてもよい。たとえば、本画面の表示指示を受けると自動的に更新動作を開始する、あるいは、本画面の表示指示を受けて本画面を表示した後に自動的に更新動作を開始するなどしてもよい。
【0205】
メールサーバへの電子メールの受信に関する要求に対する応答で取得された通常メール(識別情報が付加されていない電子メール)と外部保存メール(識別情報が付加されている電子メール)に関するそれぞれの情報は、個別の管理テーブル(第1記憶管理部(メール情報管理テーブル31)および第2記憶管理部(画像リスト管理テーブル32))で記憶管理する例を説明したが、1つの管理テーブル(記憶管理部)で記憶管理するようにしてもよい。たとえば、図6ではメールサーバ内での電子メールの管理状態を模式的にリスト化して示したが、このリスト内の識別情報が付加されていない電子メール(通常メール)には複合機用(自機管理用)のメッセージ番号を関連付けて記憶し、識別情報が付加されている電子メール(外部保存メール)には画像番号を関連付けて記憶する構成の管理テーブルなどにより実現できる。
【0206】
また、本発明に係る画像処理装置は実施形態で説明した複合機に限らず、複写機やプリンタ機などの各種の画像処理装置を対象にすることができる。
【符号の説明】
【0207】
2…ネットワーク
4…端末装置
5…メールサーバ
5a…メールボックス
10…複合機
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…不揮発メモリ
15…ファクシミリ通信部
16…ネットワーク通信部
17…スキャナ部
18…画像記憶部
19…画像処理部
20…プリンタ部
21…表示部
22…操作部
23…電子メール処理部
30…BOX管理テーブル
31…メール情報管理テーブル
32…画像リスト管理テーブル
40…BOX一覧画面
41…メッセージ
42…項目欄
43…BOX一覧
44…スクロール操作部
45…内部BOX選択ボタン
46…外部BOX選択ボタン
47…新規作成ボタン
48…戻るボタン
50…外部BOX作成画面
51…設定情報欄51
52…OKボタン
53…Cancelボタン
70…BOX一覧画面
71…メッセージ
72…項目欄
73…BOX一覧
74…スクロール操作部
75…OKボタン
76…戻るボタン
80…BOX保存画像一覧画面
81…画面タイトル
82…項目欄
83…画像一覧
84…スクロール操作部
85…メールアドレス
86…更新ボタン
87…削除ボタン
88…印刷ボタン
89…戻るボタン
90…画像添付メール
91…識別情報
92…印刷設定情報
93…画像種別情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する入力部と、
画像データを出力する出力部と、
ネットワークに接続して通信を行う通信部と、
前記ネットワークに接続された電子メールサーバおよび電子メール装置との前記通信部を通じた電子メールの送受信に係る処理を行う電子メール処理部と、
画像データの外部保存先の設定で、前記電子メール装置への電子メールの送信に必要な送信用情報を入力する送信用情報入力部と、
前記設定で、前記送信用情報入力部から入力された送信用情報を用いて送信された電子メールの受信に必要な受信用情報を入力する受信用情報入力部と、
前記受信用情報入力部から入力された受信用情報を記憶する記憶部と、
操作部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
画像データの保存指示を前記操作部で受けた場合に、前記電子メール処理部に前記入力部から入力された画像データを添付し識別情報を付加した電子メールを前記送信用情報入力部から入力された送信用情報を用いて電子メールサーバに送信させて、該画像データの外部保存を行い、
前記電子メール処理部が前記電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けた場合に、前記電子メール処理部に前記記憶部に記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバに対し電子メールの受信に関する要求を行わせ、該要求に対する電子メールサーバからの応答のうち前記識別情報が付加されていない電子メールに関する応答のみを前記電子メール装置に対して行わせ、
前記外部保存が行われた画像データの出力指示を前記操作部で受けた場合に、前記電子メール処理部に前記記憶部に記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバから前記識別情報が付加されている電子メールを受信させ、前記出力部に該電子メールに添付されている画像データを出力させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記電子メールの受信に関する要求は、電子メールのメッセージ番号を指定して該電子メールの受信に関する要求を行うメッセージ番号指定要求を含み、
前記メッセージ番号指定要求に対する前記応答は、前記メッセージ番号を指定された電子メールに関する応答であり、
前記電子メール装置との前記メッセージ番号指定要求および応答で用いるメッセージ番号と、前記電子メールサーバとの前記メッセージ番号指定要求および応答で用いるメッセージ番号とを相互変換するための変換テーブルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記設定を受けると前記電子メール装置に電子メールの受信先を当該画像処理装置に変更する変更依頼を通知して前記電子メール装置が前記電子メールサーバから電子メールを受信しないことを確認するまで前記設定を保留し、確認すると前記設定を実行し前記外部保存先を使用可能とする
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記通知後に前記電子メール処理部が前記電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けたことをもって前記確認ができたとする
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記通知後に前記電子メール処理部に前記記憶部に記憶されている受信用情報を用いて前記電子メールサーバにログインさせ、そのログイン状態を少なくとも前記電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けるまで保持させると共に、前記電子メール処理部が前記ログインしたことをもって前記確認ができたとする
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記電子メールサーバへの前記要求に対する応答で取得された電子メールに関する情報を記憶管理する記憶管理部と、
表示部とを備え、
前記制御部は、
前記記憶管理部における前記識別情報が付加されている電子メールに関する情報に基づいて、前記外部保存が行われた画像データに関する情報を前記表示部に表示し、
前記電子メール処理部に前記電子メールサーバに対する前記要求を行わせ、該要求に対する電子メールサーバからの応答で取得された電子メールに関する情報に前記記憶管理部の情報を更新し、該情報に基づいて前記表示を更新する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記電子メールサーバへの前記要求に対する応答で取得された電子メールに関する情報を記憶管理する記憶管理部を備え、
前記制御部は、前記電子メール処理部が前記電子メール装置から電子メールの受信に関する要求を受けた場合に、前記電子メール処理部による前記電子メールサーバへの前記要求に対する応答に基づいて、前記記憶管理部における前記識別情報が付加されている電子メールに関する情報を更新する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記電子メールサーバへの前記要求に対する応答で取得された電子メールに関する情報を記憶管理する記憶管理部を備え、
前記電子メールの受信に関する要求は、電子メールに関する情報の取得要求を含み、
前記制御部は、前記電子メール処理部が前記電子メール装置から電子メールに関する情報の取得要求を受けた場合に、
前記記憶管理部の情報で応答可能である場合は前記電子メール処理部に該情報で応答を行わせ、
前記記憶管理部の情報で応答不可である場合は前記電子メール処理部に前記記憶部に記憶されている受信用情報を用いて電子メールサーバに対し電子メールに関する情報の取得要求を行わせ、該要求に対する電子メールサーバからの応答で取得された電子メールに関する情報に前記記憶管理部の情報を更新し該情報で応答を行わせる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記記憶管理部は、
前記識別情報が付加されていない電子メールに関する情報を記憶管理する第1記憶管理部と、
前記識別情報が付加されている電子メールに関する情報を記憶管理する第2記憶管理部と、
を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記電子メール処理部に前記電子メールサーバに対する前記要求を定期的に行わせ、該要求に対する電子メールサーバからの応答で取得された電子メールに関する情報に前記記憶管理部の情報を更新する
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−130314(P2011−130314A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288657(P2009−288657)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】