説明

画像処理装置

【課題】画像処理装置において、自動原稿搬送装置を用いた原稿スキャン処理を速やかに開始できるとともに、原稿スキャン用の光源の異常を誤検知することを防止できること。
【解決手段】光源241を備えたキャリッジ240が、ADF230の第1参照面236に対向する第1の位置で第1ランプチェック処理を行い、その結果が良好でなければ、キャリッジを移動させて第2参照面223に対向する第2の位置で第2ランプチェック処理を行う。前記第2ランプチェック処理の結果が良好でなければ、光源の異常が通知され、原稿スキャン処理は禁止される。前記第2ランプチェック処理の結果が良好であれば、原稿カバー210が開いていることが通知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スキャナ及び複写機などの画像処理装置は、原稿の画像を読み取る画像読み取り部を備えている。前記画像読み取り部は、原稿を走査して画像を読み取りつつ、その画像のデータをメモリに記録する原稿スキャン処理を実行する。
【0003】
前記画像読み取り部は、光透過性の材料からなる原稿台の下方で所定の副走査方向に移動することにより、原稿台に載置された原稿を走査するキャリッジを備えている。前記原稿台は、一般に、フラットベッドと称される。前記キャリッジは、主走査方向に伸びて形成された光源及びミラーが一体化されたユニットである。また、前記キャリッジは、前記主走査方向に直交する副走査方向において往復移動可能に支持されている。前記キャリッジにおける前記光源の光は、前記原稿台を透過して原稿に反射し、原稿からの反射光は、前記キャリッジにおける前記ミラーによって変向され、受光素子へ導かれる。前記原稿からの反射光には、原稿の画像の情報が含まれている。
【0004】
なお、通常の画像読み取り部は、前記光源及び第1のミラーが一体化された第1キャリッジと、前記第1のミラーで反射された光を変向して受光素子へ導く複数の第2のミラーが一体化された第2キャリッジとを備えている。前記第2キャリッジは、前記第1のミラーから受光素子までの光路長を一定に保持するように、前記副走査方向において前記第1キャリッジに連動する。
【0005】
前記キャリッジにおける光源の明るさが不足する場合、正常な画像データが得られない。前記光源の明るさが不足する状態でコピー処理が実行されると、現像剤及びシート材が無駄に消費される。そこで、前記画像読み取り部は、前記原稿スキャン処理の開始指令を受けたときに、前記光源の明るさチェックするランプチェック処理を実行し、前記光源の明るさが正常であることを確認した上で原稿の走査を行う。
【0006】
前記ランプチェック処理は、原稿以外の参照面に前記光源の光を投光し、前記受光素子によって得られる前記参照面からの反射光の強度に基づいて、前記光源の良否判別を行う処理である。例えば、特許文献1には、前記ランプチェックの結果がエラーであるときに、画像処理を停止することが示されている。前記参照面は、例えば、白色、薄い黄色又は薄い灰色などの均一な色の面である。
【0007】
また、前記ランプチェックによって前記光源の異常が検出された場合、通常、画像処理装置は、利用者に対して前記光源が異常である旨を通知する。前記光源の異常が発生した場合、前記光源の交換が必要となるため、利用者は、画像処理装置のメンテナンス要員を呼ばなければならない。そのため、前記光源の異常の通知は、通常、メンテナンス要員を呼ぶべき旨のメッセージを含む。
【0008】
また、画像処理装置において、ADF(Automatic Document Feeder)は、前記原稿台の上側を開閉可能に支持された原稿カバーに設けられる。ADFを備えた画像処理装置において、前記キャリッジは、副走査方向に移動しながら前記原稿台(フラットベッド)に載置された原稿をスキャンするキャリッジ移動スキャンと、前記ADFにおける原稿の搬送経路に対向する位置に停止して、搬送中の原稿をスキャンする原稿移動スキャンとに兼用される。前記ADFにおける原稿の搬送経路の一部には、読み取り窓が設けられ、前記キャリッジにおける前記光源の光は、前記読み取り窓を通じて原稿に照射され、原稿からの反射光は、前記読み取り窓を通じて前記キャリッジのミラーに戻る。
【0009】
前記ADFを備えた画像処理装置において、前記キャリッジは、前記原稿移動スキャンを速やかに開始できるよう、待機状態において、前記ADFにおける前記読み取り窓に対向する位置に停止されている。以下、前記ADFにおける原稿の搬送経路の一部に設けられた前記読み取り窓に対向する前記キャリッジの位置のことを、ADF位置と称する。
【0010】
前記ADFにおける原稿の搬送経路の前記読み取り窓に対向する部分には、前記参照面が形成されている。原稿の搬送経路の前記読み取り窓に対向する部分は、原稿が前記ADF内で搬送されていないときに、前記ADF位置にある前記キャリッジの前記光源からの光が前記読み取り窓を通過して到達する部分である。これにより、前記キャリッジが、待機位置である前記ADF位置に存在するときに、前記キャリッジを移動させることなく速やかに前記ランプチェックを行うことが可能となる。なお、前記ADFにおいて前記参照面が形成された部材は、特許文献1において、白原稿ガイド板29として示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−109652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、前記原稿カバーは、ADFを用いた原稿スキャン処理を開始する時点において完全に閉じられていることが原則である。しかしながら、前記原稿カバーが完全に閉じられていない状態で、ADFを用いた原稿スキャン処理の開始操作がなされることもある。
【0013】
前記キャリッジが前記ADF位置に停止した状態で前記ランプチェックが行われる場合、前記原稿カバーが完全に閉じられていなければ、前記光源が正常であっても、前記光源が異常である旨の通知が行われてしまうという問題点があった。画像処理装置が、前記光源が正常であるにもかかわらず前記光源の異常を通知すると、その画像処理装置のメンテナンス要員が、利用者によって無駄に呼び出されてしまう。
【0014】
一方、前記原稿カバーの開閉によって変位しない部分に固定の参照面が設けられ、その固定の参照面に対向する位置に前記キャリッジが停止した状態で、前記ランプチェックが行われることが考えられる。しかしながら、その場合、ADFを用いた原稿スキャン処理の実行ごとに、前記キャリッジを前記ADF位置と前記固定の参照面に対向する位置との間で移動させることが必要となる。そのため、原稿カバーが閉じられているときでさえ、ADFを用いた原稿スキャン処理を速やかに開始できないという問題点があった。
【0015】
本発明の目的は、画像処理装置において、ADFを用いた原稿スキャン処理を速やかに開始できるとともに、原稿スキャン用の光源の異常を誤検知することを防止できることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る画像処理装置は、以下の(1)〜(5)に示される各構成要素を備える。
(1)原稿台の上側を開閉可能に支持された原稿カバーに設けられ、セットされた原稿を所定の搬送経路に沿って搬送する自動原稿搬送装置(ADF)。
(2)原稿に投光する光源と前記原稿からの反射光を受光素子へ導く導光部の一部とが設けられ、前記原稿台に沿って副走査方向に移動可能に支持され、前記原稿カバーが閉じられた状態において前記自動原稿搬送装置における前記搬送経路の一部に形成された第1の参照面に対向する第1の位置に停止して待機するキャリッジ。
(3)前記第1の位置で待機する前記キャリッジの前記光源を点灯させ、前記受光素子により検出される前記第1の参照面からの反射光の強度に基づいて前記光源の良否を判別する第1のランプチェック処理を実行する第1制御部。
(4)前記第1のランプチェック処理の結果が良好でない場合に、前記キャリッジを前記第1の位置から所定の部位に固定された第2の参照面に対向する第2の位置へ移動させるとともに前記キャリッジの前記光源を点灯させ、前記受光素子により検出される前記第2の参照面からの反射光の強度に基づいて前記光源の良否を判別する第2のランプチェック処理を実行する第2制御部。
(5)前記第1のランプチェック処理の結果及び前記第2のランプチェック処理の結果の両方が良好でないことを要件として、前記光源が異常である旨を通知する光源異常通知部。
【0017】
また、本発明に係る画像処理装置が、次の(6)に示される構成要素をさらに備えることが考えられる。
(6)前記第1のランプチェック処理の結果が良好でなく、かつ、前記第2のランプチェック処理の結果が良好である場合に、前記原稿カバーが開いた状態である旨を通知する原稿カバー状態通知部。
【0018】
また、本発明に係る画像処理装置が、次の(7)に示される構成要素をさらに備えることが考えられる。
(7)前記第1のランプチェック処理の結果及び前記第2のランプチェック処理の結果の両方が良好でない場合に、前記自動原稿搬送装置による前記原稿の搬送を禁止する第3制御部。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、前記原稿カバーが閉じられているときには、前記キャリッジの移動を伴わない迅速な前記第1のランプチェック処理によって確実に前記光源の良否が判別される。従って、前記原稿カバーが閉じられており、前記光源が正常であるときには、ADFを用いた原稿スキャン処理を速やかに開始することができる。
【0020】
また、前記原稿カバーが完全に閉じられていないことが原因で、前記第1のランプチェック処理の結果が不良である場合には、前記キャリッジの移動を伴う前記第2のランプチェック処理によって確実に前記光源の良否が判別される。前記第2のランプチェック処理は、前記光源の光を固定部位に設けられた前記第2の参照面に反射させて前記光源の明るさをチェックする処理であるため、前記原稿カバーの状態に関わらず、前記光源の良否を確実に検知できる。そして、本発明においては、前記第1のランプチェック処理及び前記第2のランプチェック処理の両方の結果が不良であるときに初めて、前記光源の異常が通知される。その結果、前記原稿カバーの状態に起因して、原稿スキャン用の前記光源の異常が、誤って検知及び通知されることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置1の概略構成を表す断面図である。
【図2】画像処理装置1におけるキャリッジの走査範囲を下方から見た図である。
【図3】画像処理装置1におけるキャリッジの位置の変化を表すスキャナ部の断面図である。
【図4】原稿カバー部が開閉される様子を表す画像処理装置1の側面図である。
【図5】画像処理装置1における制御関連の主要部のブロック図である。
【図6】画像処理装置1におけるADFを用いた原稿スキャン処理の制御の手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0023】
まず、図1に示される断面図を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の全体構成について説明する。画像処理装置1は、電子写真方式の画像形成装置である。前記画像処理装置1は、原稿から画像を読み取って画像データをメモリに記録し、シート材を給紙カセットから画像形成位置を経て排紙トレイへ搬送するとともに、画像形成位置を通過する前記シート材に対し、前記メモリに記録された画像データに基づく画像をトナー像として形成する。前記シート材は、画像が転写される紙又はPET製シートなどの媒体である。
【0024】
図1に示されるように、画像処理装置1は、画像形成部100及び画像読み取り部200を備える。前記画像形成部100は、給紙カセット101、給紙ローラ110、レジストローラ120、画像転写ユニット130、定着装置140、排紙ローラ150、及び排紙トレイ103等を備えている。なお、前記画像処理装置1は、スキャナ及び複写機として機能する他、さらに、プリンタとしても機能する、いわゆる複合機である。
【0025】
前記画像形成部100において、前記給紙カセット101は、複数枚のシート材2を収容する容器である。前記給紙ローラ110は、前記給紙カセット101に収容されたシート材2を一枚ずつ既定のシート搬送経路102へ送り出すローラである。前記レジストローラ120は、前記給紙ローラ110によって送り出されたシート材2を把持し、そのシート材2を所定のタイミングで前記画像転写ユニット130へ送り出す一対のローラである。なお、前記給紙カセット101の位置は、シート材2の供給位置の一例である。
【0026】
前記画像転写ユニット130は、前記レジストローラ120から搬送されてくるシート材2をさらに後段の前記定着装置140へ搬送しつつ、そのシート材2にトナー画像を転写する装置である。前記画像転写ユニット130は、像担持体である感光体ドラム、及びその感光体ドラムの周囲に配置された複数の機器から構成される。前記感光体ドラムの周囲には、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置及びクリーニング装置などが配置されている。
【0027】
前記定着装置140は、前記画像転写ユニット130から搬送されてくるシート材2をさらに後段へ搬送しつつ、そのシート材2に転写されたトナーをそのシート材2に溶着させる装置である。前記定着装置140は、ヒータが内包されたヒートローラとこれに圧接して従動する加圧ローラとを備え、さらに、前記ヒートローラの表面温度を検出する定着温度センサ141を備えている。
【0028】
前記排紙ローラ150は、前記定着装置140から搬送されてくるシート材2を前記排紙トレイ103へ排出するローラである。前記排紙トレイ103の位置は、シート材2の排出位置である。なお、前記排紙ローラ150は、一方の面に画像が形成されたシート材2を、両面プリントのために反転させて搬送するターンバックローラとしても機能する。また、前記画像処理装置1は、本体側面の一部を開閉可能に支持された開閉式シートトレイを備え、その開閉式シートトレイからシート材2を供給することも可能である。ここでは、両面プリント及び開閉式シートトレイについての説明は省略する。
【0029】
前記画像読み取り部200は、原稿から画像を読み取って画像データを生成し、その画像データをメモリに記録する装置である。前記画像読み取り部200は、各々ユニット化された原稿カバー部210及びスキャナ部220を備えている。
【0030】
前記画像読み取り部200における下側のユニットである前記スキャナ部220は、原稿台221、第1読み取り窓222、シェーディング補正板223、第1キャリッジ240、第2キャリッジ250、集光レンズ260、受光素子270及びキャリッジ走査機構280を備えている。一方、前記画像読み取り部200における上側のユニットである前記原稿カバー210は、原稿トレイ211、原稿排出トレイ212、原稿押さえ部213及び自動原稿搬送装置(ADF)230が設けられている。前記ADF230は、その内側に原稿搬送路231が形成され、原稿供給機構232、原稿搬送ローラ233、第2読み取り窓234及び原稿排出ローラ235を備えている。
【0031】
図4は、前記原稿カバー部210が開閉される様子を表す前記画像処理装置1の側面図である。図4(a)は、前記原稿カバー部210が閉じられた状態、図4(b)は、前記原稿カバー部210が開かれた状態を示す。図4に示されるように、前記画像処理装置1の本体の奥側に設けられたヒンジ219は、前記原稿カバー部210を回動可能に支持する。これにより、前記ADF230が設けられた前記原稿カバー部210は、前記原稿台221の上側を開閉可能に支持されている。
【0032】
また、前記原稿カバー部210には、前記原稿カバー部210の開状態及び閉状態を検知するカバーセンサ290が設けられている。前記カバーセンサ290は、例えば、押しボタンスイッチ又はリミットスイッチなどである。なお、前記画像処理装置1の本体には、原稿スキャン処理及びコピーのスタートボタン3111などを含む操作部311と、各種の情報を表示する表示部312とが設けられている。
【0033】
図1に示される前記ADF230において、前記原稿供給機構232は、前記原稿トレイ211に載置された原稿を1枚ずつ前記原稿搬送路231に供給する。前記原稿搬送ローラ233は、前記原稿供給機構232から引き継いで、前記原稿搬送路231に沿って原稿を搬送する。さらに、前記原稿排出ローラ235は、前記原稿搬送ローラ233により送られた原稿を前記原稿排出トレイ212へ排出する。前記原稿搬送路231の入口には、前記ADF230に原稿がセットされたことを検出する原稿センサ2111が設けられている。
【0034】
前記原稿搬送路231の一部には、主走査方向に伸びて形成された開口である前記第2読み取り窓234が設けられている。また、前記第2読み取り窓234に対向する前記スキャナ部220の部分には、ガラス板などの透光性の部材である前記第1読み取り窓222が設けられている。さらに、前記原稿搬送路231における、前記第2読み取り窓234に対し原稿の通過経路を挟んで対向する部分に、原稿搬送ガイドを兼ねる参照板236が設けられている。前記参照板236の下面は、前記光源241の光を反射するよう白色、薄い黄色又は薄い灰色などの均一な色を有している。なお、前記参照板236の下面は、前記第1の参照面の一例である。
【0035】
図2は、前記第1キャリッジ240の走査範囲を下方から見た図である。図2において、上下方向が主走査方向、左右方向が副走査方向である。また、図2において、前記第1キャリッジ240の走査範囲の一部は記載が省略されている。図2に示されるように、前記第1キャリッジ240は、副走査方向において、前記原稿台221の全範囲及びその隣りにおける前記ADF230の下方に位置する範囲に渡って移動可能に支持されている。前記ADF230の下方に相当する範囲内における、前記第2読み取り窓234に対向する位置には、透光性の部材である前記第1読み取り窓222が設けられている。
【0036】
また、前記原稿台221と前記第1読み取り窓222との間には、前記シェーディング補正板223が固定されている。このシェーディング補正板223の表面も、白色、薄い黄色又は薄い灰色などの均一な色を有している。前記シェーディング補正板223は、シェーディング補正に用いられる。前記シェーディング補正は、前記光源241から前記シェーディング補正板223に投光されたときに、前記受光素子270から出力される1ライン分の画素各々の光強度が均一となるように、それら光強度に対する補正ゲインを設定する処理である。なお、前記シェーディング補正板223の表面は、前記第2の参照面の一例である。
【0037】
以下、再び図1を参照する。前記原稿台221は、ガラス板などの透光性の部材であり、その上に原稿が載置される。前記第1キャリッジ240は、主走査方向に伸びて形成された光源241及び第1ミラー242が一体化されたユニットである。前記光源241は、前記原稿台221に載置された原稿に対し下方から投光する。また、前記第1ミラー242は、前記原稿からの反射光を前記受光素子270へ導く導光用の光学系の一部である。なお、図1において、奥行き方向が主走査方向である。
【0038】
前記第1キャリッジ240は、前記キャリッジ走査機構280により、前記原稿台221の下面に沿って副走査方向に往復移動可能に支持されている。前記副走査方向は、前記主走査方向に直交する方向であり、図1においては左右の方向である。前記第1キャリッジ240における前記光源241の光は、前記原稿台221を透過して原稿に反射し、原稿からの反射光は、前記第1キャリッジ240における前記第1ミラー242によって変向され、さらに、2つの第2ミラー251,252を経て前記受光素子270へ導かれる。前記受光素子270に至る光路には、前記集光レンズ260が配置されている。原稿からの反射光には、原稿の画像の情報が含まれている。
【0039】
前記第2キャリッジ250は、前記第1ミラー242で反射された光を変向して前記受光素子270へ導く2つの第2ミラー251,252が一体化されたユニットである。前記第2キャリッジ250は、前記キャリッジ走査機構280によって副走査方向に往復移動可能に支持されている。前記第2キャリッジ250は、前記第1ミラー242から前記受光素子270までの光路長を一定に保持するように、副走査方向において前記第1キャリッジ240に連動する。より具体的には、前記第2キャリッジ250は、副走査方向において、前記第1キャリッジ240の移動に対し、同じ方向へ半分の速度で移動する。
【0040】
図3は、前記第1キャリッジ240及び前記第2キャリッジ250の位置の変化を表す前記スキャナ部220の断面図である。図3(a)に示されるように、前記第1キャリッジ240は、前記第1読み取り窓222に対向する第1の位置に停止して待機する。この第1の位置は、前記原稿カバー部210が閉じられた状態において、前記ADF230における前記原稿搬送路231の一部に形成された前記参照板236の下面に対向する位置である。この第1の位置が、前記第1キャリッジ240のホームポジションである。
【0041】
前記第1の位置は、前記原稿スキャン処理行われるときの前記第1キャリッジ240の初期位置である。読み取り画像の品質を高めるためには、前記第1キャリッジ240は、高い精度で前記初期位置に位置決めされる必要がある。そのため、本画像処理装置1は、前記第1キャリッジ240が前記第1の位置に存在することを検知する不図示のセンサを備え、前記キャリッジ走査機構280は、そのセンサの検出結果に基づいて、前記第1キャリッジ240を前記第1の位置に位置決めする。
【0042】
前記第1キャリッジ240が前記第1の位置に停止している状態で前記光源241が点灯したとき、前記受光素子270で検出される光の強度は、前記原稿カバー部210が閉じられている場合と前記原稿カバー部210が開かれている場合とで大きく異なる。前記原稿カバー部210が閉じられている場合、前記光源241の光は、前記第1読み取り窓222及び前記第2読み取り窓234を通過して前記参照板236の下面で反射する。その反射光は、前記第1ミラー242などを経て前記受光素子270に入射する。そのため、前記受光素子270において、前記光源241の光の明るさに相当する光強度が検出される。
【0043】
一方、前記原稿カバー部210が開かれている場合、前記光源241の光は、前記第1読み取り窓222を通過して装置外部へ放射され、前記受光素子270へ到達しない。そのため、前記受光素子270による光の検出強度は、ゼロに近いごく低いレベルとなる。以上のことより、前記第1キャリッジ240が前記第1の位置に停止している状態においては、前記原稿カバー部210が閉じられている場合にのみ、ランプチェック処理の結果は正しい結果を示す。
【0044】
また、図3(b)に示されるように、前記第1キャリッジ240は、前記キャリッジ走査機構280により、前記第1の位置と前記原稿台221に対向する位置との間の第2の位置に位置決めされる場合もある。この第2の位置は、前記第1の位置よりも前記原稿台221寄りの部位に固定された前記シェーディング補正板223に対向する位置である。前述したように、前記シェーディング補正板223の表面は、前記第2の参照面の一例である。
【0045】
前記第1キャリッジ240が前記第2の位置に停止している状態で前記光源241が点灯したとき、前記受光素子270で検出される光の強度は、前記原稿カバー部210が閉じられている場合と前記原稿カバー部210が開かれている場合とでほぼ同じである。従って、前記第1キャリッジ240が前記第2の位置に停止している状態においては、前記原稿カバー部210の状態に関わらず、ランプチェック処理の結果は正しい結果を示す。
【0046】
また、図3(c)に示されるように、前記第1キャリッジ240は、前記キャリッジ走査機構280により、前記原稿台221に載置された原稿3を走査するために、前記原稿台221の下方の範囲において移動される。
【0047】
以上のことから、前記ランプチェック処理が、常に、前記第1キャリッジ240が前記第2の位置に存在する状態で行われることが考えられる。その場合、前記原稿スキャン処理が行われるごとに、前記第1キャリッジ240の移動が必要となり、前記原稿スキャン処理の速やかな開始が損なわれる。
【0048】
また、前記カバーセンサ290により、前記原稿カバー部210が開かれていることが検知されている場合、前記ランプチェック処理を行わないことも考えられる。その場合、前記光源241が不良であるにも関わらず前記原稿スキャン処理が実行されてしまう可能性がある。そうすると、前記原稿スキャン処理を伴うコピー処理が実行されることにより、現像剤やシート材が無駄に消費されてしまうという問題が生じる。そこで、前記画像処理装置1は、状況に応じた前記ランプチェック処理を行う。その詳細な説明は、この明細書の後段において記載されている。
【0049】
次に、図5に示されるブロック図を参照しつつ、前記画像処理装置1における制御関連の主要部の構成について説明する。図5に示されるように、前記画像処理装置1は、メイン制御部310、操作部311、表示部312、画像メモリ313、スキャナ制御部320、プリンタ制御部330及びネットワーク制御部340などを備えている。
【0050】
前記操作部311は、原稿スキャン処理の開始のイベントを発生するスタートボタン3111、その他の操作ボタン及びタッチパネルなどからなり、情報入力のために利用者によって操作されるデバイスである。前記表示部312は、液晶パネル及びLEDランプなどからなり、各種情報を表示するデバイスである。
【0051】
前記画像メモリ313は、画像データが記録されるメモリである。前記画像メモリ313は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの高速でアクセス可能なメモリもしくは大容量のフラッシュメモリ、又はそれらの両方からなる。
【0052】
前記スキャナ制御部320は、前記第1キャリッジ240の動き及び前記第1キャリッジ240における前記光源241の点灯及び消灯を制御するプロセッサである。さらに、前記スキャナ制御部320は、前記受光素子270により得られる画像データを前記画像メモリ313に記録する。即ち、前記スキャナ制御部320は、原稿スキャン処理を制御するプロセッサである。前記原稿スキャン処理は、ADF230を用いた原稿スキャン処理と、原稿台221上の原稿に対する原稿スキャン処理とを含む。前者は、前記第1キャリッジ240を前記ADF230における原稿3の前記搬送経路231に対向する位置、即ち、前記第1の位置に停止させ、搬送中の原稿3に前記光源241から投光して画像を読み取りつつ、その画像のデータを前記画像メモリ313に記録する処理である。後者は、前記第1キャリッジ240の移動によって原稿3を走査して画像を読み取りつつ、その画像のデータを前記画像メモリ313に記録する処理である。
【0053】
また、前記プリンタ制御部330は、前記給紙ローラ110、前記レジストローラ120、前記画像転写ユニット130、前記定着装置140及び前記排紙ローラ150などを制御するプロセッサである。即ち、前記プリンタ制御部330は、プリント処理を制御するプロセッサである。前記プリント処理は、前記画像読み取り部200によって前記画像メモリ313に記録された画像データ、又は外部装置から得られた画像データに基づいて、シート材2に画像を形成する処理である。
【0054】
前記ネットワーク制御部340は、例えば、標準規格であるIEEE802.3に準拠したLAN(Local Area Network)及びインターネットなどのネットワークを通じて、パーソナルコンピュータなどの外部装置との間でデータの送受信を行うプロセッサである。
【0055】
前記メイン制御部310は、前記操作部311に対する操作入力の検知、前記表示部312に対する表示情報の出力、及び他の制御部320,330,340の制御を行うプロセッサである。前記メイン制御部310が、前記スキャナ制御部320及び前記プリンタ制御部330を制御することにより、コピー処理が実行される。また、前記画像処理装置1は、プリンタとして機能する場合、前記画像読み取り部200による前記原稿スキャン処理の代わりに、前記ネットワーク制御部350が、外部の計算機からの画像データの受信処理を実行する。
【0056】
前記メイン制御部310は、前記操作部311に対してスキャンモードを選択する操作が検知された後、前記スタートボタン3111の操作が検知されたときに、前記原稿センサ2111の検知の状態に応じて、前記ADF230を用いた原稿スキャン処理と、前記原稿台221上の原稿3に対する原稿スキャン処理とのいずれかを行う。即ち、前記原稿センサ2111によって前記ADF230に原稿3がセットされていることが検知されている場合、前記メイン制御部310は、前記ADF230を用いた原稿スキャン処理の制御を実行する。また、前記原稿センサ2111によって前記ADF230に原稿3がセットされていないことが検知されている場合は、前記メイン制御部310は、前記原稿台221上の原稿3に対する原稿スキャン処理の制御を実行する。また、前記メイン制御部310は、前記操作部311に対してコピーモードを選択する操作が検知された後、前記スタートボタン3111の操作が検知されたときは、前記原稿センサ2111の検知の状態に応じて、前記ADF230を用いた原稿スキャン処理又は前記原稿台221上の原稿3に対する原稿スキャン処理の制御と、それによって得られる画像データに基づくプリント処理の制御とを実行する。
【0057】
次に、図6に示されるフローチャートを参照しつつ、前記画像処理装置1における前記ADF230を用いた原稿スキャン処理の制御の手順の一例について説明する。前記ADF230を用いた原稿スキャン処理は、前記メイン制御部310が、前記スキャナ制御部320を制御することによって実現される。また、前記メイン制御部310及び前記スキャナ制御部320は、所定の制御プログラムを実行することにより、前記原稿スキャン処理の制御を実現する。以下の説明において、S1,S2,…,S9は、処理の手順の識別符号を表す。また、図6に示される処理は、前記メイン制御部310が、原稿スキャンの開始イベントを検知したときに開始される。
【0058】
前記開始イベントは、例えば、前記スタートボタン3111が操作されたことである。前記スタートボタン3111が操作されたことは、前記メイン制御部310によって検知され、その検知結果が、前記メイン制御部310から前記スキャナ制御部320へ伝送される。また、前記開始イベントが、前記ADF230に原稿3がセットされた状態で、前記スタートボタン3111が操作されたことであることも考えられる。前記ADF230に原稿3がセットされていることは、前記原稿センサ2111の検出信号に基づき検知される。
【0059】
前記開始イベントが検知されると、前記スキャナ制御部320は、前記第1の位置で停止中の前記第1キャリッジ240の前記光源241を点灯させることによる第1のランプチェック処理を実行する(S1)。この第1のランプチェック処理は、前記第1の位置で停止中の前記第1キャリッジ240の移動を伴わずに実行される。ステップS1でのランプチェック処理 即ち、前記第1のランプチェック処理は、原稿搬送ガイドを兼ねる前記参照板236の表面に前記光源241の光を投光し、前記受光素子270によって得られる前記参照板236からの反射光の強度に基づいて、前記光源241の良否判別を行う処理である。前記受光素子270によって得られる光の強度が、予め定められた下限強度以上であるときに、前記光源241は良好であるという判別がなされる。
【0060】
なお、ランプチェック処理は、前記メイン制御部310が、前記スキャナ制御部320に対し、ランプチェック処理の実行指令を出力することによって開始される。また、前記第1のランプチェック処理の結果は、前記スキャナ制御部320から前記メイン制御部310へ伝送される。また、ステップS1の処理を行う前記スキャナ制御部320が、前記第1制御部の一例である。
【0061】
次に、前記スキャナ制御部320は、前記第1のランプチェック処理の結果が良好であるか否かに応じて、次に実行する処理を選択する(S2)。即ち、前記第1のランプチェック処理の結果が良好であるとき、前記スキャナ制御部320は、前記ADF230を制御することにより、原稿3の搬送と、搬送中の原稿3から画像を読み取る処理とを実行する(S3)。
【0062】
一方、前記第1のランプチェック処理の結果が良好でないとき、前記スキャナ制御部320は、前記キャリッジ走査機構280及び前記光源241を制御することにより、第2のランプチェック処理を実行する(S4)。この第2のランプチェック処理において、前記スキャナ制御部320は、まず、前記第1キャリッジ240を前記第1の位置から、その第1の位置よりも前記原稿台221寄りの部位に固定された前記シェーディング補正板223の表面に対向する第2の位置へ移動させる。さらに、前記スキャナ制御部320は、前記第1キャリッジの前記光源241を点灯させ、前記受光素子270により検出される前記シェーディング補正板223の表面からの反射光の強度に基づいて、前記光源241の良否を判別する。その判別の方法は、前記第1のランプチェック処理と同じである。
【0063】
なお、前記第2のランプチェック処理の結果は、前記スキャナ制御部320から前記メイン制御部310へ伝送される。また、ステップS4の処理を行う前記スキャナ制御部320が、前記第2制御部の一例である。
【0064】
次に、前記スキャナ制御部320は、前記第1キャリッジ240の位置を前記第1の位置へ戻す(S5)。また、前記メイン制御部310及び前記スキャナ制御部320は、前記第2のランプチェック処理の結果が良好であるか否かに応じて、次に実行する処理を選択する(S6)。
【0065】
即ち、前記メイン制御部310は、前記第2のランプチェック処理の結果が良好であるとき、前記表示部312を通じて、前記原稿カバー210が開いた状態である旨を警告するメッセージを通知する(S7)。前記原稿カバー210が開いた状態には、前記原稿カバー210が前記原稿台221の上を解放した状態の他、前記原稿カバー210が、前記原稿台221の上を覆っているが、完全には閉じられていない状態も含まれる。なお、ステップS7の処理を行う前記メイン制御部310が、前記原稿カバー状態通知部の一例である。
【0066】
そして、ステップS7の通知が行われている状態で、前記スキャナ制御部320は、原稿スキャン処理への移行の要件を確認する所定の確認イベントが検知されることを待つ(S8)。確認イベントは、例えば、前記原稿カバー210が閉じられていること、前述した開始イベントと同じイベント、又はそれらの組合せなどが考えられる。前記原稿カバー210が閉じられていることは、前記カバーセンサ290により検知される。そして、前記確認イベントが検知されると、前記スキャナ制御部320は、前述したステップS3の処理へ移行する。これにより、前記第2のランプチェック処理の結果が良好であるときは、前記原稿カバー210の状態が適切でない旨の警告(S7)が行われた上で、前記確認イベントの検知に応じて前記ADF230を用いた原稿スキャン処理(S3)が実行されることが許容される。
【0067】
なお、前記原稿カバー210が完全に閉じられていないときに前記ADF230による原稿3の搬送が行われると、通常は、前記第2読み取り窓234の部分で原稿3の詰まりが発生する。そのため、前記ADF230を用いた原稿スキャン処理は正常に実行されない。しかしながら、前記原稿カバー210を閉じる操作の途中で前記第1のランプチェック処理が行われた場合、及び、メッセージを見た利用者が、前記原稿カバー210を閉じ直す場合も考えられる。これらの場合、前記確認イベントの検知の検知に応じて前記ADF230を用いた原稿スキャン処理(S4)を実行することが許容されれば、原稿セットのやり直しなどを要することなく、速やかに原稿スキャン処理が開始される。
【0068】
一方、前記メイン制御部310は、前記第2のランプチェック処理の結果が良好でないとき、前記表示部312を通じて、ランプ異常のメッセージを通知する(S9)。このランプ異常のメッセージには、前記光源241が異常である旨、及び、その異常の修復のために、当該画像処理装置1のメンテナンスの窓口へ連絡すべき旨の情報が含まれる。このように、前記メイン制御部310は、前記第1のランプチェック処理(S1)の結果及び前記第2のランプチェック処理(S5)の結果の両方が良好でないことを要件として、前記光源241が異常である旨を通知する(S9)。なお、ステップS9の処理を実行する前記メイン制御部310が、前記光源異常通知部の一例である。
【0069】
また、前記スキャナ制御部320は、前記第2のランプチェック処理の結果が良好でないときには、ステップS3をスキップして処理を終了させる。即ち、前記スキャナ制御部320は、前記第1のランプチェック処理(S1)の結果及び前記第2のランプチェック処理(S5)の結果の両方が良好でないときには、前記ADF230による原稿3の搬送を禁止する(S2,S7)。この制御を行う前記スキャナ制御部320が、前記第3制御部の一例である。
【0070】
前記画像処理装置1においては、前記原稿カバー210が閉じられているときには、キャリッジの移動を伴わない迅速な前記第1のランプチェック処理(S1)によって確実に前記光源241の良否が判別される。従って、前記原稿カバー210が閉じられており、前記光源241が正常であるときには、前記ADF230を用いた原稿スキャン処理(S4)を速やかに開始することができる。
【0071】
また、前記原稿カバー230が完全に閉じられていないことが原因で、前記第1のランプチェック処理(S1)の結果が不良である場合には、キャリッジの移動を伴う前記第2のランプチェック処理(S5)によって確実に前記光源241の良否が判別される。前記第2のランプチェック処理は、前記光源241の光を固定部位に設けられた前記シェーディング補正板223の表面に反射させて前記光源241の明るさをチェックする処理であるため、前記原稿カバー210の状態に関わらず、前記光源241の良否を確実に検知できる。
【0072】
前記画像処理装置1においては、前記第1のランプチェック処理(S1)及び前記第2のランプチェック処理(S5)の両方の結果が良好でない(不良である)ときに初めて、前記光源241の異常が通知される(S9)。その結果、前記原稿カバー210の状態に起因して、前記光源241の異常が、誤って検知及び通知されることが防止される。また、メンテナンスの窓口への不必要な連絡及び問合せも回避される。
【0073】
また、前述した実施形態において、前記原稿カバー210が開いていることの通知(S8)が省略されることも考えられる。また、図6に示した処理が開始されるときに、前記カバーセンサ290によって前記原稿カバー210が開かれていることが検知されている場合に、前記第1のランプチェック処理(S1,S2)を省略し、前記第2のランプチェック処理(S5)から開始することも考えられる。
【0074】
また、前述した実施形態において、前記第2のランプチェック処理(S5)の結果が良好でないときに、前記メイン制御部310が、前記原稿カバー210が開いていることを通知(S8)した後、前記スキャナ制御部320が、前記第1のランプチェック処理を再度実行し、その結果が良好であることを要件に、前記ADF230を用いた原稿スキャン処理(S4)を実行することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、画像処理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 画像処理装置
2 シート材
3 原稿
100 画像形成部
101 給紙カセット
102 シート材搬送経路
103 排紙トレイ
110 給紙ローラ
120 レジストローラ
130 画像転写ユニット
140 定着装置
141 定着温度センサ
150 排紙ローラ
200 画像読み取り部
210 原稿カバー部
211 原稿トレイ
212 排出トレイ
213 原稿押さえ部
219 ヒンジ
220 スキャナ部
221 原稿台
222 第1読み取り窓
223 シェーディング補正板
230 自動原稿搬送装置(ADF)
231 原稿搬送路
232 原稿供給機構
233 原稿搬送ローラ
234 第2読み取り窓
235 原稿排出ローラ
236 参照板
240 第1キャリッジ
241 光源
242 第1ミラー
250 第2キャリッジ
251,252 第2ミラー
260 集光レンズ
270 受光素子
280 キャリッジ走査機構
290 カバーセンサ
310 メイン制御部
311 操作部
312 表示部
313 画像メモリ
314 第2画像メモリ
320 スキャナ制御部
330 プリンタ制御部
340 ネットワーク制御部
421 光源
2111 原稿センサ
3111 スタートボタン
S1,S2,…,S9 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿台の上側を開閉可能に支持された原稿カバーに設けられ、セットされた原稿を所定の搬送経路に沿って搬送する自動原稿搬送装置と、
原稿に投光する光源と前記原稿からの反射光を受光素子へ導く導光部の一部とが設けられ、前記原稿台に沿って副走査方向に移動可能に支持され、前記原稿カバーが閉じられた状態において前記自動原稿搬送装置における前記搬送経路の一部に形成された第1の参照面に対向する第1の位置に停止して待機するキャリッジと、を備えた画像処理装置であって、
前記第1の位置で待機する前記キャリッジの前記光源を点灯させ、前記受光素子により検出される前記第1の参照面からの反射光の強度に基づいて前記光源の良否を判別する第1のランプチェック処理を実行する第1制御部と、
前記第1のランプチェック処理の結果が良好でない場合に、前記キャリッジを前記第1の位置から所定の部位に固定された第2の参照面に対向する第2の位置へ移動させるとともに前記キャリッジの前記光源を点灯させ、前記受光素子により検出される前記第2の参照面からの反射光の強度に基づいて前記光源の良否を判別する第2のランプチェック処理を実行する第2制御部と、
前記第1のランプチェック処理の結果及び前記第2のランプチェック処理の結果の両方が良好でないことを要件として、前記光源が異常である旨を通知する光源異常通知部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1のランプチェック処理の結果が良好でなく、かつ、前記第2のランプチェック処理の結果が良好である場合に、前記原稿カバーが開いた状態である旨を通知する原稿カバー状態通知部をさらに備える請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1のランプチェック処理の結果及び前記第2のランプチェック処理の結果の両方が良好でない場合に、前記自動原稿搬送装置による前記原稿の搬送を禁止する第3制御部をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−142485(P2011−142485A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1714(P2010−1714)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】