説明

画像処理装置

【課題】画像処理の仕上がりを容易に確認することが可能な、使い勝手のよい画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】デジタルカメラ100は、液晶ディスプレイ123と、画像情報を取得する画像処理部122と、画像情報に含まれる被写体に対して画像処理を施す画像処理部122と、操作部150と、使用者による操作部150の操作を受け付けて、画像処理の方法を設定するコントローラ130と、被写体に対して設定された画像処理を施す前の第一の画像と、被写体に対して設定された画像処理を施した後の第二の画像とを同一画面上に表示するよう液晶ディスプレイ123を制御するコントローラ130とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置に関し、特に画像を表示可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人が被写体に含まれる撮影画像の画像情報に基づいて、撮影画像内の肌色部分を色調整する画像処理装置が知られている。例えば、特許文献1は、肌色部分を構成する複数の肌色画素を明度、彩度、色相の3属性で表色し、3属性のうち、2つの属性の一方を縦軸に、他方を横軸にとった平面内における各肌色画素の分布状態を表す肌色分布が部分的に変化するように、肌色部分を色調調整する画像処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-158824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像処理装置は、きめ細かな肌色調整を可能とすることを目的とするものであり、使用者による肌色調整の仕上がり確認を容易にすることを考慮したものではなかった。従って、使用者が肌色調整などの画像処理の仕上がりを確認するためには、毎回肌色調整前および後の画像を出力する必要があり、不便であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、画像処理の仕上がりを容易に確認することが可能な、使い勝手のよい画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の画像処理装置は、表示部と、画像情報を取得する取得部と、画像情報に含まれる被写体に対して画像処理を施す画像処理部と、操作部と、使用者による操作部の操作を受け付けて、画像処理の方法を設定する設定部と、被写体に対して設定された画像処理を施す前の第一の画像と、被写体に対して設定された画像処理を施した後の第二の画像と、を同一画面上に表示するよう表示部を制御する表示制御部とを備える。
【0007】
これにより、画像処理装置は、使用者による操作を受け付けて画像処理の方法を設定し、被写体に対して、設定された画像処理を施す前の第一の画像と、設定された画像処理を施した後の第二の画像とを同一画面上に表示部に表示することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像処理の仕上がりを容易に確認することが可能な、使い勝手のよい画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係るデジタルカメラ100の電気的構成図
【図2】実施の形態1に係るデジタルカメラ100の背面構成図
【図3】実施の形態1に係るデジタルカメラ100の色調レビュー表示のフローチャート
【図4】実施の形態1に係るデジタルカメラ100のスルー画像表示イメージ図
【図5】実施の形態1に係るデジタルカメラ100のインフォメーション表示イメージ図
【図6】実施の形態1に係るデジタルカメラ100の顔拡大レビュー表示イメージ図
【図7】他の実施形態に係るデジタルカメラ100の等倍レビュー表示イメージ図
【図8】他の実施形態に係るデジタルカメラ100の色調レビュー表示のフローチャート
【図9】他の実施形態に係るデジタルカメラ100の顔拡大レビュー表示イメージ図
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施の形態1〕
実施の形態1に係るデジタルカメラ100は、使用者による操作を受け付けて画像処理の方法を設定し、被写体に対して、設定された画像処理を施す前の第一の画像と、設定された画像処理を施した後の第二の画像とを液晶ディスプレイ123に同一画面上に表示することができる。以下、デジタルカメラ100の構成および動作を説明する。
【0011】
〔1.構成〕
以下図を用いてデジタルカメラ100の構成を説明する。
【0012】
〔1−1.デジタルカメラ100の構成〕
図1は、デジタルカメラ100の電気的構成図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は撮像した被写体像に基づく画像情報を生成する。撮像により生成された画像情報は、AFE(アナログ・フロント・エンド)121や画像処理部122において各種処理が施される。生成された画像情報はフラッシュメモリ142やメモリカード140に記録される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像情報は、使用者による操作部150の操作を受け付けて液晶ディスプレイ123上に表示される。
【0013】
図2は、デジタルカメラ100の背面構成図である。デジタルカメラ100は、上面にレリーズ釦170、ズームレバー171、電源釦172などの操作釦を備える。また、デジタルカメラ100は、背面に選択釦173、決定釦174、ディスプレイ釦175、モードダイアル176などの操作釦や、液晶ディスプレイ123を備える。
【0014】
光学系110は、フォーカスレンズ111やズームレンズ112、絞り113、シャッタ114等により構成される。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズOIS(Optical Image Stabilizer)を含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0015】
フォーカスレンズ111は被写体のフォーカス状態の調節に用いられる。ズームレンズ112は被写体の画角の調節に用いられる。絞り113は、CCDイメージセンサ120に入射する光量の調節に用いられる。シャッタ114は、CCDイメージセンサ120に入射する光の露出時間を調節する。フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113、シャッタ114は、それぞれに対応したDCモータやステッピングモータ等の駆動手段により、コントローラ130から通知された制御信号に従って駆動される。
【0016】
CCDイメージセンサ120は、光学系110を通して形成された被写体像を撮像して画像情報を生成する。CCDイメージセンサ120の受光面には多数のフォトダイオードが2次元的に配列されている。また、各フォトダイオードに対応してR、G、Bの原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。撮像対象となる被写体からの光は、光学系110を通過した後に、CCDイメージセンサ120の受光面に結像される。結像された被写体像は、各フォトダイオードへ入射した光量に応じてR、G、Bに仕分けられたそれぞれ色情報に変換される。その結果、被写体像を示す全体の画像情報が生成される。各フォトダイオードは、CCDイメージセンサ120の画素に対応する。しかし、各フォトダイオードから実際に出力される色情報は、R、G、Bのいずれかの原色情報である。そのため、各画素のそれぞれで発現させるべき色は、後段の画像処理部122において、各画素に対応するフォトダイオードおよび、その周辺のフォトダイオードから出力される原色情報(色、光量)に基づき生成される。ここの各画素のそれぞれで発現させるべき色の濃度情報を、以下の説明において各画素色情報と呼ぶことにする。なお、CCDイメージセンサ120は、デジタルカメラ100が撮影モードにあるとき、一定時間ごとに新しいフレームの画像情報を生成することができる。
【0017】
AFE121は、CCDイメージセンサ120が生成した画像情報に対して、相関二重サンプリングによる雑音抑圧、アナログゲインコントローラによるADコンバータ133の入力レンジ幅への増幅、ADコンバータによるAD変換を施す。その後、AFE121は、画像情報を画像処理部122に出力する。
【0018】
画像処理部122は、AFE121から出力された画像情報に対して各種の処理を施す。各種処理としては、スミア補正、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
また、画像処理部122は、画像情報を構成する各画素色情報に対して肌色調整処理を実行することができる。肌色調整処理は、使用者による操作を受け付けてコントローラ130が設定した色調調整パラメータに従い、肌色部分の情報を含む各画素色情報に対して色調調整を行う処理である。色調調整パラメータは、各画素色情報の明度を変更する明度パラメータ、彩度を変更する彩度パラメータ、色相を変更する色相パラメータにより構成される。画像処理部122の肌色調整処理についての詳細動作は後述する。
【0020】
液晶ディスプレイ123は、デジタルカメラ100の背面に備わる。液晶ディスプレイ123は、画像処理部122にて処理された画像情報に基づく画像を表示する。液晶ディスプレイ123が表示する画像には、スルー画像や記録画像がある。スルー画像は、CCDイメージセンサ120により一定時間ごとに生成される新しいフレームの画像が、連続して表示される画像である。通常は、デジタルカメラ100が撮影モードにあるときに、画像処理部122がCCDイメージセンサ120の生成した画像情報からスルー画像を生成する。使用者は、液晶ディスプレイ123に表示されるスルー画像を参照することにより、被写体の構図を確認しながら撮影できる。記録画像は、デジタルカメラ100が再生モードにあるときに、メモリカード140等に記録された高画素の画像を液晶ディスプレイ123に表示するために低画素に縮小した画像である。メモリカード140に記録される高画素の画像情報は、使用者によるレリーズ釦170の操作を受け付けた後に、CCDイメージセンサ120が生成した画像情報に基づいて画像処理部122により生成される。
【0021】
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ130は、プログラム等の情報を格納するROMや、プログラム等の情報を処理するCPUなどにより構成される。ROMは、オートフォーカス制御(AF制御)や自動露出制御(AE制御)に関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。ROMはコントローラ130の内部構成である必要はなく、コントローラ130の外部に備わったものでもよい。
【0022】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。また、フラッシュメモリ142は、画像情報等を記録するための内部メモリとして機能する記憶手段である。
【0023】
カードスロット141は、メモリカード140を着脱可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141は、メモリカード120を制御する機能を備えてもよい。
【0024】
メモリカード140は、内部にフラッシュメモリ等の記憶手段を備えた外部メモリである。メモリカード140は、画像処理部122で処理される画像情報などのデータを記録可能である。
【0025】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作レバーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。例えば図2に示したレリーズ釦170や、ズームレバー171、電源釦172、選択釦173、決定釦174、ディスプレイ釦175、モードダイアル176などがこれにあたる。操作部150は使用者による操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作指示信号を通知する。
【0026】
レリーズ釦170は、押下釦である。レリーズ釦170が使用者により押下されると、コントローラ130は、フォーカス状態や露出状態などの撮影条件を決定した後、押下操作のタイミングに撮像された画像情報を記録画像としてメモリカード140等に記録する。
【0027】
ズームレバー171は画角調節についての広角端と望遠端を有する中央位置自己復帰式のレバーである。ズームレバー171は、使用者により操作されるとコントローラ130にズームレンズ112を駆動するための動作指示信号を通知する。すわなち、ズームレバー171が広角端に操作されると、コントローラ130は、被写体を広角で捉えられるようにズームレンズ112を駆動する。同様に、ズームレバー171が望遠端に操作されると、コントローラ130は、被写体を望遠で捉えられるようにズームレンズ112を駆動する。
【0028】
電源釦172は、デジタルカメラ100を構成する各部への電力供給をON/OFFするための押下式釦である。電源OFF時に電源釦172が使用者により押下されると、コントローラ130はデジタルカメラ100を構成する各部に電力を供給し、起動させる。また、電源ON時に電源釦172が使用者により押下されると、コントローラ130は各部への電力供給を停止する。
【0029】
選択釦173は、上下左右方向に設けられた押下式釦である。使用者は、選択釦173のいずれかの方向を押下することにより、液晶ディスプレイ123に表示される各種条件項目を選択することができる。
【0030】
決定釦174は、押下式釦である。デジタルカメラ100が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、決定釦174が使用者により押下されると、コントローラ130は液晶ディスプレイ123にメニュー画面を表示する。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。決定釦174が各種条件の設定項目が選択されているときに押下されると、コントローラ130は、選択された項目の設定を確定する。
【0031】
ディスプレイ釦175は、押下式釦である。ディスプレイ釦175が押下されると、コントローラ130は所定の画面を表示するよう液晶ディスプレイ123を制御する。
【0032】
モードダイアル176は、ダイアル部材である。使用者は、モードダイアル176を操作することにより、デジタルカメラ100に設定されるモードを切り替えることができる。デジタルカメラ100に設定されるモードとしては、撮影モード、再生モード、肌色調整モードなどがある。撮影モードは、液晶ディスプレイ123にスルー画像を表示させて、使用者のレリーズ釦170押下操作のタイミングに撮像された画像をメモリカード140等に記録するモードである。再生モードは、すでにメモリカード140等に記録してある画像を、液晶ディスプレイ123に表示するモードである。肌色調整モードは、被写体の肌色部分の色調調整が可能な撮影モードである。肌色調整モードの詳細は、本実施の形態の動作の項で説明する。
【0033】
〔1−2.本発明との対応関係〕
液晶ディスプレイ123は、本発明の表示部の一例である。画像処理部122は、本発明の取得部の一例である。画像処理部122は、本発明の画像処理部の一例である。操作部150は、本発明の操作部の一例である。コントローラ130は、本発明の設定部の一例である。コントローラ130は、本発明の表示制御部の一例である。CCDイメージセンサ120は、本発明の撮像部の一例である。デジタルカメラ100は、本発明の画像処理装置の一例である。
【0034】
〔2.動作〕
以下図3を用いてデジタルカメラ100の色調レビュー表示の動作を説明する。図3は、実施の形態1に係るデジタルカメラ100の色調レビュー表示のフローチャートである。
【0035】
デジタルカメラ100が肌色調整モードにあるとき、コントローラ130は、液晶ディスプレイ123にスルー画像を表示するよう制御する(S301)。このとき、液晶ディスプレイ123は、図4に示すように色調調整アイコンをスルー画像表示部D310とともに表示する。表示される色調調整アイコンには、肌色調整アイコンと透明感調整アイコンの2種がある。
【0036】
肌色調整アイコンには、美白肌D301、ナチュラル肌D302、褐色肌D303が用意されている。美白肌D301は、被写体である人物を色白肌で撮影したいときに設定されるアイコンである。ナチュラル肌D302は、被写体である人物を肌本来の色でそのまま撮影したいときに設定されるアイコンである。褐色肌D303は、被写体である人物を褐色肌に撮影したいときに設定されるアイコンである。コントローラ130は、美白肌D301を実現するための色調調整パラメータ、ナチュラル肌D302を実現するための色調調整パラメータ、褐色肌D303を実現する色調調整パラメータのそれぞれをROM(不図示)に予め格納している。使用者は、選択釦173の左右キーを操作することにより、肌色調整アイコンのいずれかを選択することができる(S302)。選択中の肌色調整アイコンには、選択アイコンD300が重畳表示される。
【0037】
透明感調整アイコンには、透明感大D305、透明感中D306、透明感小D307が用意されている。使用者は、透明感調整アイコンのいずれかを選択することにより、被写体である人物の肌に肌色調整を施す際の透明感を調整することができる。すなわち、使用者は透明感調整アイコンを選択することによって、被写体である人物について肌色調整を適用する肌色部分の範囲を変更することができる。例えば、使用者が透明感を大に設定したときは、肌色の下地の透け度合が大きいように、肌色調整を行う肌色部分の範囲を疎にする。一方、使用者が透明感を小に設定したときは、肌色の下地の透け度合が小さくなるように、肌色調整を行う肌色部分の範囲を密にする。コントローラ130は、透明感調整アイコンそれぞれの透明度合をROM(不図示)に予め格納している。使用者は、選択釦173の上下キーを操作することにより、透明感調整アイコンのいずれかを選択することができる(S302)。選択中の透明感調整アイコンには、選択枠D304が表示される。
【0038】
肌色調整アイコンおよび透明感調整アイコンの設定操作については、液晶ディスプレイ123の画面下に表示されるガイダンス欄D308に表示される。
【0039】
なお、肌色調整モードにおけるスルー画像表示において、画面の右上にインフォメーションアイコンD309が表示される。このとき、使用者によるディスプレイ釦175の押下操作を受け付けると、コントローラ130は、インフォメーション表示をするよう液晶ディスプレイ123を制御する。図5は、インフォメーション表示のイメージ図である。インフォメーション表示画面には、被写体の画像D320、色調チャートD321、選択済の肌色調整機能名D322、選択済の肌色調整機能の説明D323、ガイダンス欄D324が表示されている。被写体の画像D320は、設定されている色調調整が施された後の被写体の画像である。使用者は、被写体の画像D320を確認することにより、色調調整の仕上がりを知ることができる。色調チャートD321は、設定されている肌色調整アイコンに対応する色調調整パラメータについて、その明度を縦軸に、その色相を横軸にとって示したものである。使用者は、色調チャートD321を確認することにより、設定されている肌色調整アイコンによって被写体の肌色部分に適用される色調調整パラメータを知ることができる。選択済の肌色調整機能名D322は、設定されている肌色調整アイコンの名称である。また、選択済の肌色調整機能の説明D323は、設定されている肌色調整アイコンの説明である。使用者は、肌色調整機能名D322や肌色調整機能の説明D323を確認することにより、それぞれの肌色調整アイコンを選択したことによる効果を知ることができる。インフォメーション表示時に、ディスプレイ釦175が押下操作されると、コントローラ130は再度スルー画像を表示するよう液晶ディスプレイ123を制御する。
【0040】
液晶ディスプレイ123がスルー画像を表示している間、コントローラ130は、使用者によりレリーズ釦170が押下操作されたか否かを監視している(S303)。使用者によるレリーズ釦170の押下操作を受け付けると、コントローラ130は、設定された肌色調整アイコンおよび透明感調整アイコンに対応する色調調整パラメータをROMから読み出し、画像処理部122に通知する。画像処理部122は、通知された色調調整パラメータに従って、肌色部分の情報を含む各画素色情報に対して色調調整を施す。続いて、コントローラ130は、設定した色調調整を施す前および、設定した色調調整を施した後について、被写体である人物の顔部分を拡大したレビュー画像を表示する(S304)。図6は、色調調整前後の顔拡大レビュー表示のイメージ図である。図6に示すように、コントローラ130は、設定した色調調整を施す前後について、被写体である人物の顔部分を拡大した画像を、液晶ディスプレイ123の同一画面上に表示する。すなわち、画面左側に色調調整前の被写体の画像D318を表示し、画面右側に色調調整後の被写体の画像D319を表示する。これにより、使用者は、設定した色調調整による仕上がりを容易に確認することができる。また、画面上部には、選択済の肌色調整アイコンD316および選択済の透明感調整アイコンD317が表示される。すなわち、色調調整後の被写体の画像D319に適用されている色調調整アイコンが表示される。これにより、使用者は、設定した色調調整アイコンを確認することができる。
【0041】
コントローラ130は、図6に示すような顔拡大レビュー表示を液晶ディスプレイ123に所定時間表示させた後、色調調整処理を施す前および、色調調整処理を施した後のそれぞれの画像情報をメモリカード140などに記録する(S305)。
【0042】
〔1−3.まとめ〕
以上のように、実施の形態1に係るデジタルカメラ100は、液晶ディスプレイ123と、画像情報を取得する画像処理部122と、画像情報に含まれる被写体に対して画像処理を施す画像処理部122と、操作部150と、使用者による操作部150の操作を受け付けて、画像処理の方法を設定するコントローラ130と、被写体に対して設定された画像処理を施す前の第一の画像と、被写体に対して設定された画像処理を施した後の第二の画像とを同一画面上に表示するよう液晶ディスプレイ123を制御するコントローラ130とを備える。即ち、デジタルカメラ100は、使用者による操作を受け付けて画像処理の方法を設定し、被写体に対して、設定された画像処理を施す前の第一の画像と、設定された画像処理を施した後の第二の画像とを液晶ディスプレイ123に同一画面上に表示することができる。これにより、被写体に対して、設定された画像処理を施す前の第一の画像と、設定された画像処理を施した後の第二の画像とを使用者が容易に確認することが可能となり、便利なデジタルカメラ100を提供することができる。
【0043】
また、実施の形態1に係るデジタルカメラ100は、画像情報を生成するCCDイメージセンサ120を更に備える。即ち、デジタルカメラ100は、CCDイメージセンサ120が生成した画像情報に含まれる被写体に対して、設定された画像処理を施す前の第一の画像と、設定された画像処理を施した後の第二の画像とを液晶ディスプレイ123に同一画面上に表示することができる。これにより、CCDイメージセンサ120が生成している画像情報に含まれる被写体に対して、設定された画像処理を施す前の第一の画像と、設定された画像処理を施した後の第二の画像とを、撮影しながら容易に確認することが可能となり、便利なデジタルカメラ100を提供することができる。
【0044】
また、実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、コントローラ130は、設定された色調アイコンを、第一の画像および第二の画像とともに表示するよう液晶ディスプレイ123を制御する。これにより、使用者は、第一の画像および第二の画像を見比べながら、設定されている色調アイコンを確認できるため、容易に被写体に施すべき所望の色調調整を選択することが可能となる。
【0045】
また、実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、第一の画像は、画像処理部122が取得したオリジナルの画像である。これにより、使用者は、オリジナルの画像と、色調調整後の画像とを見比べることが可能となり、オリジナル画像に色調調整を施したことによる仕上がりを容易に確認することができる。
【0046】
また、実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、コントローラ130は、被写体の特定の部位を拡大して表示するよう液晶ディスプレイ123を制御する。これにより、拡大表示された特定の部位に対して色調調整の仕上がりを比較することが可能となるため、使用者にとって仕上がりの確認が容易なデジタルカメラ100を提供することができる。
【0047】
また、実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、被写体は人物であり、特定の部位は該人物の顔である。これにより、使用者は、拡大表示された人物の顔に対して色調調整の仕上がりを比較することが可能となるため、被写体の人物に対して所望の色調の仕上がりになっているか否かを容易に確認することができる。
【0048】
〔2.他の実施の形態〕
本発明は、上記実施の形態1に限定されず、種々の実施形態が考えられる。以下、本発明の他の実施の形態についてまとめて記載する。
【0049】
上記実施の形態1において、液晶ディスプレイ123を、表示部の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、有機ELディスプレイや、プラズマディスプレイなど、他の表示デバイスであっても本発明に適用可能である。
【0050】
上記実施の形態1において、コントローラ130は、画像処理部122と別体の構成として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、コントローラ130は、画像処理部122などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。また、コントローラ130や画像処理部122は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。
【0051】
上記実施の形態1において、CCDイメージセンサ120を、撮像部の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、CMOSイメージセンサや、NMOSイメージセンサなど他の撮像素子であっても本発明に適用可能である。また上記実施の形態において、色分離のためのフィルタ構成を、RGBの原色フィルタとしたが、CMY等の補色フィルタでも良い。
【0052】
上記実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、液晶ディスプレイ123がスルー画像を表示しているときの色調レビュー表示について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、液晶ディスプレイ123が記録画像を表示しているときに、使用者によるレリーズ釦170等の操作部150の操作を受け付けて、画像処理部122は記録画像に対して色調調整し、コントローラ130は液晶ディスプレイ123に色調レビュー表示をするように制御してもよい。
【0053】
上記実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、人物の顔を拡大した画像の色調レビュー表示をする場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、人物の顔を拡大せずに、図7に示す等倍レビュー表示のイメージ図のように、色調調整を施す前後について被写体の等倍画像の色調レビュー表示をしてもよい。なお、上記実施の形態に係るデジタルカメラ100にように、被写体である人物の顔を拡大した方が、使用者にとって色調調整の確認が容易であることは言うまでもない。
【0054】
上記実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、使用者によるレリーズ釦170の押下操作を受け付けてから、色調調整前後の顔拡大レビューを表示するようにしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、使用者によるレリーズ釦170の押下操作を受け付ける前に、色調調整前後の顔拡大レビューを表示するようにしてもよい。図8は、他の実施形態に係るデジタルカメラ100の色調レビュー表示のフローチャートである。図8におけるステップS401、ステップS402は、図3におけるステップS301、ステップS302と同様であるため説明を省略する。他の実施形態に係るデジタルカメラ100は、使用者により肌色調整アイコンおよび透明感調整アイコンが選択されると、色調調整前後の顔拡大レビューを表示する。使用者は、色調調整前後の顔拡大レビュー表示を確認してから、この画像を記録するか否かを選択することができる。すなわち、画像を記録したい場合に、使用者はレリーズ釦170を押下操作する。レリーズ釦が押下操作されると(S404)、コントローラ130は、画像をメモリカード140等に記録する(S405)。
【0055】
上記実施の形態1に係るデジタルカメラ100において、レビュー表示する一方の画像が画像処理部122の取得したオリジナルの画像である場合を説明したが本発明はこれに限定されない。すなわち、デジタルカメラ100において、レビュー表示する一方の画像は、前回設定した色調調整パラメータに従って色調調整された画像であってもよい。図9は、他の実施の形態における顔拡大レビュー表示のイメージ図を示す。この場合、顔拡大レビュー表示には、前回選択した色調アイコンD340、今回選択した色調アイコンD341、前回選択した色調による被写体の画像D342、今回選択した色調による被写体の画像D343が表示される。これにより、使用者は、前回色調調整した画像と、今回色調調整した画像とを見比べることが可能となり、設定した色調調整条件の相違による画像の仕上がりの相違を容易に確認することができる。
【0056】
上記実施の形態1において、肌色調整や透明感調整を画像処理の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、明暗補正や、ホワイトバランス補正などの画像処理に対しても本発明は適用可能である。
【0057】
以上のように、本発明によれば、画像処理の仕上がりを容易に確認することが可能な、使い勝手のよい画像処理装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明はデジタルカメラ100への実施に限定されない。すなわち、ムービーカメラや携帯電話など、画像表示の可能な画像処理装置に本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
100 デジタルカメラ
111 フォーカスレンズ
112 ズームレンズ
113 絞り
114 シャッタ
120 CCDイメージセンサ
121 AFE(アナログ・フロント・エンド)
122 画像処理部
123 液晶ディスプレイ
124 バッファメモリ
130 コントローラ
140 メモリカード
141 カードスロット
142 フラッシュメモリ
150 操作部
170 レリーズ釦
171 ズームレバー
172 電源釦
173 選択釦
174 決定釦
175 ディスプレイ釦
176 モードダイアル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
画像情報を取得する取得部と、
画像情報に含まれる被写体に対して画像処理を施す画像処理部と、
操作部と、
使用者による前記操作部の操作を受け付けて、前記画像処理の方法を設定する設定部と、
被写体に対して前記設定された画像処理を施す前の第一の画像と、被写体に対して前記設定された画像処理を施した後の第二の画像と、を同一画面上に表示するよう前記表示部を制御する表示制御部と、を備えた、
画像処理装置。
【請求項2】
画像情報を生成する撮像部を更に備えた、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記設定された画像処理の内容を、前記第一の画像および前記第二の画像とともに表示するよう前記表示部を制御する、
請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第一の画像は、前記取得部が取得したオリジナルの画像である、
請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第一の画像は、前記設定された画像処理を施す前に設定された画像処理、が施された画像である、
請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、被写体の特定の部位を拡大して表示するよう前記表示部を制御する、
請求項1から5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記被写体は人物である、請求項1から6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記被写体は人物であり、前記特定の部位は該人物の顔である、
請求項6に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−151693(P2011−151693A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12725(P2010−12725)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】