説明

画像処理装置

【課題】文字認識が正確になされる画像の形成とトナーの節約とを適切に両立することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】PC2が送信した最初のラスタライズデータに基づいて、画像処理部15は、画像形成部18で画像を形成する際にトナーを節約するための新たなラスタライズデータを出力する。最初のラスタライズデータ及び新たなラスタライズデータ夫々に基づいて、文字認識処理部14は、第1及び第2の文字認識結果夫々を出力する。制御部11は、第1及び第2の文字認識結果に基づいて、文字認識の認識率を演算し、演算結果が所定認識率以上であり、且つ、トナーが最も節約される新たなラスタライズデータを画像形成部18に入力する。ただし、このようなラスタライズデータが得られるまで、画像処理部15は、トナー節約度を変更した新たなラスタライズデータを繰り返し出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字を含む画像を記録シートに形成する場合に消費される記録剤を節約するための画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、コピー機、又はMFP(Multi Functional Peripheral )等の画像形成装置は、記録シートに、ラスタライズデータに基づく画像を、トナーを用いて形成する。
このような画像形成装置は、トナーを節約しつつ画像を形成するモード(以下、トナーセーブモードという)と、トナーの節約を特には考慮しない通常の画像形成モード(以下、通常モードという)とを有する。
通常モードにおける画像形成装置は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCという)から受信したラスタライズデータそのものに基づいて画像を記録シートに形成する。このように形成された画像を、以下では通常画像ともいう。
【0003】
トナーセーブモードにおける画像形成装置は、PCから受信したラスタライズデータに対して所定の画像処理を施してから画像を記録シートに形成する。ここで、所定の画像処理とは、画像形成時のトナー消費量を削減するための画像処理(例えば画素の間引き処理)である。以下、この画像処理を、トナーセーブ処理という。また、このように形成された画像を、以下ではトナーセーブ画像ともいう。
この結果、トナーセーブモードでは、通常モードで消費されるトナーの量よりも少ない消費量で、画像を形成することができる。従って、画像形成装置のランニングコストを削減することができる。
【0004】
しかしながら、トナーセーブ画像の画質は、往々にして通常画像の画質よりも低いため、画像を見る者に対して違和感を与えることがある。
そこで、従来、トナー消費量の削減とトナーセーブ画像の画質向上とを両立させることができる画像処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の画像処理装置は、ラスタライズデータに基づいて、画像に含まれるエッジ及び顔画像領域を夫々検出する。
【0005】
次いで、画像処理装置は、検出したエッジ及び顔画像領域以外の領域に対して、トナーセーブ処理を施す。一方、画像処理装置は、検出したエッジ及び顔画像領域夫々に対しては、トナーセーブ処理を施さない。
この結果、トナーの消費量を削減しているにも関わらず、画像に含まれている文字の輪郭及び顔画像等は画質が劣化しない。従って、画像を見るものが違和感を覚える不都合を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−37283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、光学式画像読取装置(以下、OCRという)は、記録シートに形成されている画像(以下、原稿画像という)に含まれている文字を、光学的に読み取る。このために、OCRは、原稿画像を光学的に読み取ってなるラスタライズデータに対して、所定の文字認識処理を施す。
ところが、原稿画像がトナーセーブ画像である場合には、原稿画像が通常画像である場合に比べて、文字認識の処理結果が不正確になる傾向にある。何故ならば、トナーセーブ画像に含まれる文字は、画質の劣化によって、全体的に濃度が低い、又は、文字の輪郭が部分的に変形している等の不備を有することがあるからである。
【0008】
このため、一般的な画像形成装置を使用する場合には、記録シートに形成された画像を文字認識する可能性があるときには、トナーセーブモードを利用することができない。即ち、トナーを節約することができない。
一方、特許文献1に記載の画像形成装置を使用する場合には、トナーセーブモードを利用することができる。
【0009】
しかしながら、画像に含まれるエッジ及び顔画像領域に対してはトナーセーブ処理が施されないため、画像の内容によっては、トナーを十分に節約することができない。
また、画像に含まれる文字の種類によっては、エッジに対してトナーセーブ処理を施したとしても、正確な文字認識が可能であることも考えられる。即ち、特許文献1に記載の画像形成装置は、文字認識が正確になされる画像の形成とトナーの節約とを適切に両立しているとは言い切れない。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、記録剤の消費量が最も低減され、且つ、文字認識の認識率が所定認識率以上になるラスタライズデータを生成する構成とすることにより、文字認識が正確になされる画像の形成と記録剤の節約とを適切に両立することができる画像処理装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、文字認識の認識率を、画像形成装置に係る補正値を用いて補正する構成とすることにより、記録シートに形成されている画像をOCRが文字認識した場合の正否を正確に推定することができる画像処理装置を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、画像と認識率とを表示部に表示させ、操作部が操作された場合に記録剤の消費量を低減する度合いを変更する構成とすることにより、記録剤の消費量を低減する度合いを使用者が変更することができる画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る画像処理装置は、文字を含む画像のラスタライズデータに対し、前記画像を記録シートに形成する場合に消費される記録剤の消費量を低減するための画像処理を施すことによって、新たなラスタライズデータを生成するデータ生成部を備える画像処理装置において、前記画像処理が施されていない最初のラスタライズデータ及び前記データ生成部が生成した新たなラスタライズデータ夫々に基づいて、前記最初のラスタライズデータ及び前記新たなラスタライズデータ夫々が示す画像に含まれている文字を文字認識する第1文字認識部及び第2文字認識部と、前記第1文字認識部及び第2文字認識部夫々による認識結果に基づいて、前記新たなラスタライズデータに基づく文字認識の認識率を演算する認識率演算部と、前記画像処理を施す際の前記消費量を低減する度合いを変更する消費量変更部と、前記消費量が最も低減され、且つ、前記認識率演算部が演算した認識率が所定認識率以上である画像処理が施された最終的なラスタライズデータを出力するデータ出力部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像処理装置は、前記認識率演算部は、前記新たなラスタライズデータに基づく文字認識の認識率を、前記データ出力部が出力した最終的なラスタライズデータに基づいて記録シートに画像を形成する画像形成装置に係る補正値を用いて補正するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像処理装置は、前記最初のラスタライズデータ及び前記新たなラスタライズデータ夫々に基づく画像、並びに前記認識率演算部が演算した認識率を表示する表示部と、前記消費量を低減する度合いを変更するための操作部とを更に備え、前記消費量変更部は、前記操作部の操作量に基づいて、前記消費量を低減する度合いを変更するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、画像処理装置は、データ生成部、第1文字認識部、第2文字認識部、認識率演算部、消費量変更部、及びデータ出力部を備える。
文字を含む画像を記録シートに形成する場合に消費される記録剤の消費量を低減するための画像処理とは、トナーセーブ処理である。データ生成部は、文字を含む画像のラスタライズデータに対し、トナーセーブ処理を施すことによって、新たなラスタライズデータを生成する。
【0017】
第1文字認識部は、最初のラスタライズデータが示す画像に含まれている文字を文字認識する。最初のラスタライズデータに対しては、トナーセーブ処理が施されていないため、第1文字認識部による文字認識は、概ね正確であると考えられる。
第2文字認識部は、新たなラスタライズデータが示す画像に含まれている文字を文字認識する。新たなラスタライズデータは、データ生成部によってトナーセーブ処理が施されたものであるため、第2文字認識部による文字認識は、第1文字認識部による文字認識に比べて不正確である可能性がある。
【0018】
認識率演算部は、第1文字認識部による認識結果と第2文字認識部による認識結果とに基づいて、新たなラスタライズデータに基づく文字認識、即ち第2文字認識部による文字認識の認識率を演算する。
認識率演算部が演算した認識率が所定認識率以上であれば、新たなラスタライズデータに基づいて記録シートに形成された画像に含まれている文字を、OCRが正確に認識することができる。
【0019】
しかしながら、新たなラスタライズデータに基づいて、文字認識が正確になされる画像を記録シートに形成することができるとしても、記録剤を十分に節約できなければ、画像形成装置のランニングコストを削減することはできない。
そこで、消費量変更部は、記録剤の消費量を低減する度合い(以下、記録剤の低減度という)を変更する。消費量変更部による変更内容は、データ生成部がラスタライズデータに対してトナーセーブ処理を施す際のトナーセーブ処理に反映される。
【0020】
第2文字認識部による文字認識、認識率演算部による演算、消費量変更部による変更、及び、データ生成部による生成を繰り返すことによって、記録剤の低減度の大小と、認識率の高低との相関関係が得られる。一般に、記録剤の消費量が減少すればするほど、認識率は低下する。
そこで、データ出力部は、記録剤の消費量が最も低減され、且つ、認識率が所定認識率以上であるトナーセーブ処理が施された最終的なラスタライズデータを出力する。
データ出力部が出力した最終的なラスタライズデータは、例えば画像形成装置に与えられる。この場合、画像形成装置は、与えられたラスタライズデータに基づく画像を、記録シートに、記録剤を用いて形成する。
【0021】
本発明にあっては、認識率演算部は、新たなラスタライズデータに基づく文字認識の認識率を補正する。
何故ならば、第1文字認識部及び第2文字認識部夫々による認識結果と、最初のラスタライズデータ及び最終的なラスタライズデータ夫々に基づく画像に含まれている文字をOCRが認識する場合の認識結果とが異なるからである。
【0022】
更に詳細には、第1文字認識部は、最初のラスタライズデータそのものに対して、文字認識処理を施す。一方、OCRは、画像形成装置が最初のラスタライズデータに基づいて記録シートに形成した画像を光学的に読み取ってなるラスタライズデータに対して、文字認識処理を施す。ところが、最初のラスタライズデータが示す画像に含まれている文字と、最初のラスタライズデータに基づいて記録シートに形成された画像に含まれている文字との間には、形状及び濃度等の差異が存在する。この差異は、第1文字認識部による認識結果とOCRによる認識結果との差異に対応する。また、この差異は、主として画像形成装置の画像形成能力に起因するものである。
【0023】
同様に、最終的なラスタライズデータが示す画像に含まれている文字と、最終的なラスタライズデータに基づいて記録シートに形成される画像に含まれている文字との間には、形状及び濃度等の差異が存在する。この差異は、第2文字認識部による認識結果とOCRによる認識結果との差異に対応する。また、この差異は、主として画像形成装置の画像形成能力に起因するものである。
【0024】
そこで、認識率演算部は、認識率を補正する際に、最終的なラスタライズデータに基づいて記録シートに画像を形成する画像形成装置に係る補正値を用いる。
従って、補正後の認識率は、実際にOCRが文字認識した場合に演算される認識率に略等しい、と考えられる。
ただし、認識率演算部が用いる補正値には、画像形成装置の画像形成能力が反映されている必要がある。
以上の結果、補正後の認識率が高い(又は低い)場合には、OCRが正確に文字認識することができる(又は不正確に文字認識してしまう)ことがわかる。
【0025】
本発明にあっては、画像処理装置は、表示部及び操作部を更に備える。
表示部は、最初のラスタライズデータに基づく画像(以下、最初の画像という)を表示する。また、表示部は、データ生成部が生成した新たなラスタライズデータに基づく画像(以下、新たな画像という)を表示する。更に、表示部は、認識率演算部が演算した認識率を表示する。
【0026】
画像処理装置の使用者は、表示部に表示された最初の画像及び新たな画像を夫々視認し、また、これらを見比べることによって、新たな画像の画質が十分に高いか否かを判断することができる。また、使用者は、表示部に表示された認識率を視認することによって、認識率の高低、延いては新たな画像に含まれる文字をOCRが正確に認識することができるか否かを判断することができる。
【0027】
新たな画像の画質が非常に高く、新たな画像に含まれる文字をOCRが正確に認識することができると判断した場合、使用者は、操作部を用いて、記録剤の低減度を大きくする。
消費量変更部は、操作部の操作量に基づいて、記録剤の低減度を大きくする。この結果、記録剤の消費量が更に低減されるようになる。
このときデータ生成部が生成する新たなラスタライズデータに基づく画像は、画質が低い。また、認識率が低下する。
【0028】
一方、新たな画像の画質が過剰に低く、新たな画像に含まれる文字をOCRが正確に認識することができないと判断した場合、使用者は、操作部を用いて、記録剤の低減度を小さくする。
消費量変更部は、操作部の操作量に基づいて、記録剤の低減度を小さくする。この結果、記録剤の消費量があまり低減されなくなる。
このときデータ生成部が生成する新たなラスタライズデータに基づく画像は、画質が高い。また、認識率が向上する。
【発明の効果】
【0029】
本発明の画像処理装置による場合、OCRは、最終的なラスタライズデータに基づいて記録シートに形成された画像に含まれている文字を、正確に認識することができる。
しかも、画像形成装置は、最終的なラスタライズデータに基づき、記録剤を最小限の消費量だけ消費することによって、記録シートに画像を形成することができる。
以上のように、本発明の画像処理装置は、文字認識が正確になされる画像の形成と記録剤の節約とを適切に両立することができる。また、画像形成装置のランニングコストを削減することができる。
【0030】
本発明の画像処理装置による場合、実際にOCRが文字認識した場合に演算される認識率に略等しい認識率を求めることができる。従って、求めた認識率に基づき、記録シートに形成されている画像をOCRが文字認識した場合の正否を正確に推定することができる。このとき、最初のラスタライズデータ及び新たなラスタライズデータ夫々に基づいて実際に画像を記録シートに形成する必要がない。
【0031】
本発明の画像処理装置による場合、表示部に表示された画像及び文字認識の認識率を参考にしながら、使用者が、操作部を用いて記録剤の低減度を変更することができる。
仮に、記録剤の低減度を自動的に変更する場合、変更幅が小さすぎるときには、最終的なラスタライズデータを出力するまでの演算時間が無用に長くなる。逆に、変更幅が大きすぎるときには、記録剤の低減度と認識率とが均衡する点を演算することが困難である。
つまり、使用者が、表示部に表示された画像の画質及び認識率夫々の高低に基づいて、適切な変更幅で、記録剤の低減度を変更することによって、演算時間の短縮と、最適なトナーセーブ処理の実行とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置として機能するMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るMFPで実行される画像形成処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1に係るMFPで実行されるOCR対応処理手順のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係るMFPで実行されるOCR対応処理手順のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係るMFPの表示部に表示される画像確認画面の一例を示す模式図である。
【図6A】本発明の実施の形態1に係るMFPの表示部に表示される画像比較画面の一例を示す模式図である。
【図6B】本発明の実施の形態1に係るMFPの表示部に表示される画像比較画面の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るMFPで得られたトナー節約度と認識率との組み合わせのリストの一例を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るMFPで実行される補正値演算処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態3に係る画像処理装置として機能するPCの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0034】
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置として機能するMFP1の構成を示すブロック図である。
MFP1は、プリンタ機能、コピー機能、及びファイルサーバ機能等、複数種類の機能を有するデジタル複合機である。MFP1は、制御部11、I/F(インタフェース)12、記憶部13、文字認識処理部14、画像処理部15、表示部16、操作部17、画像形成部18、及び画像読取部19を備える。
【0035】
制御部11は、ROMと、ROMに記憶されているコンピュータプログラムに従って各種処理を実行するCPUと、CPUが作業領域として用いるRAMとを備え、MFP1の制御中枢として機能する。
I/F12は、MFP1とLAN5との間のインタフェースである。
【0036】
記憶部13は、例えばハードディスクを用いてなる大容量記憶装置である。MFP1がプリンタ又はコピー機等として機能する場合、記憶部13は、自身に入力されたラスタライズデータを一時的に記憶する。MFP1がファイルサーバとして機能する場合、記憶部13は、自身に入力された文書ファイル又は画像ファイル等を蓄積する。
【0037】
文字認識処理部14は、自身に入力されたラスタライズデータに対して所定の文字認識処理を施す。
ラスタライズデータが示す画像に文字が含まれている場合、文字認識処理部14は、認識した文字を示す文字データを制御部11へ出力する。このとき出力すべき文字データは、少なくとも、認識した文字夫々を示すテキストデータと、画像内で文字を認識した位置を示す位置データとが関連付けられたものである。ここで、文字とは、英数字、かな文字、及び記号等である。
【0038】
画像処理部15は、自身に入力されたラスタライズデータに対し、自身に設定されたトナー節約度(後述)に応じたトナーセーブ処理を施すことによって、新たなラスタライズデータを生成する。そして、画像処理部15は、生成した新たなラスタライズデータを記憶部13へ出力する。画像処理部15には、デフォルトのトナー節約度として、トナー節約度N%が予め設定されている。ここで、Nは0<N<100の実数である。
【0039】
例えば、白黒の2値画像を示すラスタライズデータに対して施すべきトナーセーブ処理とは、黒画素を白画素に変換する間引き処理である。黒画素の個数が少ないほど、黒色のトナーの消費量は削減される。従って、画像処理部15は、トナー節約度が大きい(又は小さい)ほど、白画素に変換される黒画素の個数を多く(又は少なく)するような間引き処理をラスタライズデータに対して施す。ただし、黒画素を間引く度合いとトナー節約度との関係は、予め画像処理部15に与えられている。
なお、トナーセーブ処理とは、多値画像を2値画像に変換する際の閾値を変更する処理であってもよい。この場合、閾値の増加に伴って、2値画像に含まれる黒画素の個数は少なくなるため、黒色のトナーの消費量は削減される。
【0040】
表示部16は液晶表示パネルを用いてなり、自身に入力されたラスタライズデータに基づく画像を表示する。
操作部17は、MFP1の使用者が操作すべき1個又は複数個の操作キーを備える。本実施の形態における操作キーは、表示部16に積層してあるタッチパネル上に制御部11によって設けられるソフトキーである。なお、操作キーは、ハードキーであってもよい。
画像形成部18は、自身に入力されたラスタライズデータに基づく画像を、トナーを用いて、記録用紙又はOHPシート等の記録シートに形成する。
画像読取部19は、自身に載置された原稿を読み取ってなるラスタライズデータを記憶部13へ出力する。
【0041】
LAN5には、複数台(図中2台)のPC2,2,…が接続されており、I/F12及びLAN5を介して、MFP1とPC2,2,…夫々とが通信する。
各PC2は、例えば文書作成用又は画像生成用等のアプリケーションソフトウェアと、MFP1をプリンタとして機能させるためのプリンタドライバとがインストールされている。
【0042】
一般的なプリンタドライバは、プリンタとして機能するMFP1をトナーセーブモードで作動させるためのコマンド(以下、トナーセーブコマンドという)をMFP1へ出力する機能を有する。しかしながら、トナーセーブモードで記録シートに形成された画像を、後日、OCRで読み取る可能性があるか否かをMFP1に報知するためのコマンドは有していない。
【0043】
PC2は、アプリケーションソフトウェアによって生成された文書ファイル又は画像ファイル等を、プリンタドライバによってラスタライズデータに変換してから、プリンタとして機能するMFP1へ送信する。このとき、PC2の使用者がトナーセーブモードで画像を形成するよう指示した場合、PC2は、ラスタライズデータと共にトナーセーブコマンドをMFP1へ送信する。
或いは、PC2は、文書ファイル又は画像ファイル等を、ファイルサーバとして機能するMFP1へ送信する。
【0044】
以下では、MFP1が、PC2から送信されたラスタライズデータを、最初のラスタライズデータとする場合を例示する。なお、MFP1は、画像読取部19から出力されたラスタライズデータを、最初のラスタライズデータとしてもよい。又は、MFP1は、記憶部13に記憶されている文書ファイル又は画像ファイル等をMFP1の内部でラスタライズしてなるラスタライズデータを、最初のラスタライズデータとしてもよい。
【0045】
図2は、MFP1で実行される画像形成処理の手順を示すフローチャートである。
制御部11は、PC2,2,…の何れかからラスタライズデータを受信したか否かを判定する(S11)。まだ受信していない場合(S11でNO)、制御部11は、S11の処理を繰り返す。
【0046】
ラスタライズデータを受信した場合(S11でYES)、制御部11は、受信したラスタライズデータを最初のラスタライズデータとして記憶部13に一時的に記憶させる(S12)。S12で記憶された最初のラスタライズデータをはじめ、記憶部13に一時的に記憶されたラスタライズデータは、後述するS14、S21、又はS19の処理終了後、削除されるか、又は記憶部13に新たに記憶されるデータによって上書きされる。なお、複数台のPC2,2,…から同時的にラスタライズデータを受信した場合、制御部11は、ラスタライズデータを受信する都度、S12の処理を実行しておく。そして、制御部11は、ラスタライズデータを受信した順に、S13以降の処理を実行する。
【0047】
また、制御部11は、S11で受信したラスタライズデータと共に、トナーセーブコマンドも受信したか否かを判定する(S13)。
受信していない場合(S13でNO)、制御部11は、通常モードで画像形成し(S14)、処理をS11へ戻す。
S14における制御部11は、記憶部13から最初のラスタライズデータを読み出し、画像形成部18に入力させる。画像形成部18は、入力された最初のラスタライズデータに基づく画像(即ち通常画像)を記録シートに形成する。
【0048】
以下では、最初のラスタライズデータに基づく画像(即ち最初の画像)を記録シートに形成するときに消費されるトナーの消費量を、トナー節約度0%の消費量とする。また、トナー節約度100%とは、全くトナーを消費しないことを意味する。
トナーセーブコマンドを受信した場合(S13でYES)、制御部11は、トナーセーブモードに移行し、後述するS15の処理を実行する。
【0049】
ところで、トナーセーブモードでは、画像形成部18で画像を形成する前に、n%のトナー節約度が画像処理部15に設定される。ただし、nは0<n<100の実数である。
この後、画像形成部18で、トナーがトナー節約度n%の消費量だけ消費されて、記録シートに画像が形成される。
画像処理部15が最初のラスタライズデータに対してトナー節約度n%でトナーセーブ処理を施すことによって、トナー節約度n%の新たなラスタライズデータが生成される。トナー節約度n%の新たなラスタライズデータに基づく画像を、以下ではトナー節約度n%の新たな画像という。
【0050】
しかしながら、トナーの消費量が削減されるほど、即ち、トナー節約度が大きいほど、トナーセーブ画像は、OCRによる文字認識に対して不利である。ただし、将来的に、トナーセーブ画像をOCRが文字認識することがないのであれば、格別の問題はない。
そこで、MFP1は、OCRによる文字認識に対応したトナーセーブ処理を実行する必要があるか否か(以下、OCR対応要否)を使用者に問い合わせる。何故ならば、トナーセーブモードで記録シートに形成された画像を、後日、OCRで読み取る可能性がある(又はない)と使用者が考えているのでれば、OCRによる文字認識に対応したトナーセーブ処理を実行する必要がある(又はない)からである。
【0051】
以下では、OCRによる文字認識に対応した(又は対応していない)トナーセーブモードを、OCR対応(又はOCR非対応)のトナーセーブモードという。
OCR対応要否を使用者に問い合わせるために、制御部11は、表示部16に、OCR対応要否を受け付けるための画面(以下、OCR対応要否受付画面という)を表示させ(S15)、操作部17に、OCR対応要否を受け付けさせる(S16)。
【0052】
操作部17にOCR対応要否を受け付けさせる場合、制御部11は、タッチパネルに、2種類の操作キーである必要キー及び不要キーを設ける。OCR対応要否受付画面には、OCRによる文字認識に対応したトナーセーブ処理を実行する必要があるか否かを使用者に問い合わせるメッセージ画像と、必要キー及び不要キー夫々の位置及び範囲を示す画像とが含まれる。
【0053】
S15の処理終了後、制御部11は、必要キーが操作されたか否かを判定し(S17)、操作されていない場合は(S17でNO)、不要キーが操作されたか否かを判定し(S18)、操作されていない場合は(S18でNO)、処理をS17へ戻す。
不要キーが操作された場合(S18でYES)、制御部11は、OCR非対応のトナーセーブモードで画像形成し(S19)、処理をS11へ戻す。
【0054】
S19における制御部11は、記憶部13から最初のラスタライズデータを読み出し、画像処理部15に入力させる。画像処理部15は、自身に入力されたラスタライズデータに対し、デフォルトのトナー節約度N%でトナーセーブ処理を施すことによって、新たなラスタライズデータを生成し、生成した新たなラスタライズデータを記憶部13に一時的に記憶させる。
【0055】
次いで、制御部11は、記憶部13から新たなラスタライズデータを読み出し、読み出した新たなラスタライズデータを、画像形成部18に入力させる。画像形成部18は、入力された新たなラスタライズデータに基づく画像(即ちトナー節約度N%のトナーセーブ画像)を記録シートに形成する。このとき、画像形成部18で、トナーがトナー節約度N%の消費量だけ消費されて、記録シートに画像が形成される。
【0056】
一方、必要キーが操作された場合(S17でYES)、制御部11は、OCR対応処理を行なうサブルーチン(後述する図3及び図4参照)を呼び出し、実行する(S20)。S20のOCR対応処理を実行した結果、画像処理部15には、最終的なトナー節約度n%が設定される。一般に、n≦Nである。
S20の処理終了後、制御部11は、OCR対応のトナーセーブモードで画像形成し(S21)、処理をS11へ戻す。
【0057】
S21における制御部11は、記憶部13から最初のラスタライズデータを読み出し、画像処理部15に入力させる。画像処理部15は、自身に入力されたラスタライズデータに対し、最終的なトナー節約度n%でトナーセーブ処理を施すことによって、最終的なラスタライズデータを生成し、生成した最終的なラスタライズデータを記憶部13に一時的に記憶させる。このときの画像処理部15は、本発明の実施の形態におけるデータ出力部として機能する。
【0058】
次いで、制御部11は、記憶部13から最終的なラスタライズデータを読み出し、読み出した最終的なラスタライズデータを、画像形成部18に入力させる。画像形成部18は、入力された最終的なラスタライズデータに基づく画像(即ちトナー節約度n%のトナーセーブ画像)を記録シートに形成する。このとき、画像形成部18で、トナーがトナー節約度n%の消費量だけ消費されて、記録シートに画像が形成される。
なお、OCR対応要否を示すコマンドが、PC2から送信される構成でもよい。また、通常モードで画像を形成するか、又は、OCR対応若しくはOCR非対応のトナーセーブモードで画像を形成するかの区別を、MFP1が使用者に問い合わせる構成でもよい。
【0059】
以下では、最初のラスタライズデータが示す画像が、文字を含む1頁の画像である場合を例示する。
図3及び図4は、MFP1で実行されるOCR対応処理手順のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、制御部11は、図3に示すように、記憶部13から最初のラスタライズデータを読み出す(S31)。
【0060】
次いで、制御部11は、最初のラスタライズデータが示す画像に含まれている文字を文字認識する(S32)。S32における制御部11は、S31で読み出した最初のラスタライズデータを文字認識処理部14に入力させる。文字認識処理部14は、文字認識結果である文字データを制御部11へ出力する。このときの文字認識処理部14は、本発明の実施の形態における第1文字認識部として機能する。
【0061】
次に、制御部11は、S32の処理によって得られた文字認識結果(以下、第1の文字認識結果という)から第1の文字データを抽出する(S33)。ここで、第1の文字認識結果とは、S33の処理を実行することによって文字認識処理部14から制御部11に入力される文字データである。
S33における制御部11は、第1の文字データとして、第1の文字認識結果が示す最初のM個(Mは自然数。好ましくはM≧2)の文字を示す文字データを抽出する。
【0062】
なお、第1の文字データの抽出は、これに限定されるものではない。例えば、制御部11は、第1の文字認識結果が示す文字の内、所定の条件に合致する文字の文字データをM個抽出してもよい。ここで、所定の条件とは、通常画像であればOCRが正確に認識し易く、トナーセーブ画像であればOCRが誤認識し易い文字であること、というものである。このような文字の一例としては、漢字、所定の画数以上の文字、濁音及び半濁音の仮名文字、又は、所定の範囲内のサイズを有する文字等が挙げられる。
【0063】
S33の処理終了後、制御部11は、後述する図5に示すような画像確認画面を表示部16に表示し(S34)、操作部17に、トナー節約度及び所定認識率夫々の変更指示、並びに画像開始指示を受け付けさせる(S35)。
図5は、表示部16に表示される画像確認画面の一例を示す模式図である。
表示部16には、左右一列に並置された第1の表示ボックス161,163,165と、第1の表示ボックス161,163,165の下側に左右一列に並置された第2の表示ボックス162,164,166とが設けられている。更に、表示部16には、表示ボックス167,168が設けられている。
【0064】
操作部17には、トナー節約度を変更するための操作キー175,176と、所定認識率を変更するための操作キー173,174とが設けられている。また、操作部17には、トナー節約度及び所定認識率の変更を確定するときに操作すべき操作キー171と、画像の形成を開始させるときに操作すべき操作キー172とが設けられている。表示部16には、各操作キー171〜176の位置及び範囲を示す画像も表示されている。以下では、操作キー171を確定キー171といい、操作キー172を開始キー172という。
操作キー173,175は、数値を増加させる場合に操作すべきものであり、操作キー174,176は、数値を減少させる場合に操作すべきものである。
【0065】
第1の表示ボックス161は、最初の画像の一部を表示すべき領域である。第1の表示ボックス163は、最初の画像に係る文字認識の認識率を表示すべき領域である。第1の表示ボックス165は、最初の画像に係るトナー節約度を表示すべき領域である。
第2の表示ボックス162は、新たな画像の一部を表示すべき領域である。第2の表示ボックス164は、新たな画像に係る文字認識の認識率を表示すべき領域である。第2の表示ボックス166は、新たな画像に係るトナー節約度(即ちトナー節約度n%)を表示すべき領域である。
【0066】
ところで、文字認識の認識率は、最初の画像と、新たな画像との差異に基づいて演算される。本実施の形態においては、新たな画像に含まれている文字列が、最初の画像に含まれている文字列と完全に一致していれば、認識率100%である。逆に、両者が全く一致していなければ、認識率0%である。即ち、M個の文字の内、m個が一致していれば、認識率kは下記の式(1)のように表わされる。
k=m/M×100…(1)
【0067】
従って、第1の表示ボックス161には、S33で抽出された第1の文字データに基づくM個の文字が表示される。図5では、1個の空白を含む12個の文字「開発会議事録 2009年」が例示されている。
また、第1の表示ボックス163には、認識率「100%」が表示される。何故ならば、最初の画像同士は完全に一致するからである。
更に、第1の表示ボックス165には、トナー節約度「0%」が表示される。何故ならば、最初の画像はトナー節約度0%のものだからである。
【0068】
認識率が所定認識率以上(又は所定認識率未満)であれば、OCRによる新たな画像の認識結果は正確(又は不正確)なものである、と推定される。
表示ボックス167は、現在設定されている所定認識率を表示すべき領域である。
画像確認画面における表示ボックス167には、デフォルトの所定認識率が表示される。図5では、所定認識率「100%」が例示されている。
表示ボックス168は、変更されたトナー節約度を表示すべき領域である。
画像確認画面における第2の表示ボックス168には、変更前のトナー節約度が表示されている。図5では、トナー節約度「0%」が例示されている。
【0069】
画像確認画面が表示される時点では、新たなラスタライズデータが存在しないため、画像確認画面における第2の表示ボックス162,164,166には、何も表示されない。なお、第2の表示ボックス162,164,166に、第1の表示ボックス161,163,165と同じ内容のものが表示される構成でもよい。また、第2の表示ボックス164と表示ボックス167とが兼用される構成でもよい。同様に、第2の表示ボックス166と表示ボックス168とが兼用される構成でもよい。
【0070】
S35の処理終了後、制御部11は、操作キー173〜176の何れかひとつが操作されたか否かを判定する(S36)。操作された場合(S36でYES)、制御部11は、操作された操作キーに応じて、所定認識率又はトナー節約度を更新する(S37)。次に、制御部11は、更新後の所定認識率又はトナー節約度を、表示部16に表示させる(S38)。
【0071】
S38の処理終了後、又は、操作キー173〜176の何れも操作されていない場合(S36でNO)、制御部11は、確定キー171が操作されたか否かを判定する(S39)。操作されていない場合(S39でNO)、制御部11は、開始キー172が操作されたか否かを判定し(S40)、操作されていない場合(S40でNO)、処理をS36へ戻す。
【0072】
使用者は、表示部16に表示された画像確認画面を視認する。
所定認識率を変更したい使用者は、操作キー173,174を操作する。トナー節約度を変更したい使用者は、操作キー175,176を操作する。
操作キー173〜176を操作する都度、表示ボックス167又は表示ボックス168に表示される数値が変化するため、使用者は、所望の数値が表示された場合に、確定キー171を操作する。
【0073】
確定キー171が操作された場合(S39でYES)、制御部11は、図4に示すように、確定キー171が操作された時点で表示ボックス168に表示されているトナー節約度を、トナー節約度n%として、画像処理部15に設定する(S51)。このときの制御部11は、本発明の実施の形態における消費量変更部として機能する。
【0074】
次に、制御部11は、記憶部13から最初のラスタライズデータを読み出し(S52)、読み出した最初のラスタライズデータに対してトナーセーブ処理を施す(S53)。このために、S53における制御部11は、最初のラスタライズデータを画像処理部15に入力させる。画像処理部15は、自身に入力されたラスタライズデータに対し、トナー節約度n%でトナーセーブ処理を施すことによって、トナー節約度n%の新たなラスタライズデータを生成する。このときの画像処理部15は、本発明の実施の形態におけるデータ生成部として機能する。生成されたトナー節約度n%の新たなラスタライズデータは、記憶部13に一時的に記憶される。
【0075】
次に、制御部11は、記憶部13からトナー節約度n%の新たなラスタライズデータを読み出し(S54)読み出した新たなラスタライズデータが示す画像に含まれている文字を文字認識する(S55)。このために、S55における制御部11は、トナー節約度n%の新たなラスタライズデータを文字認識処理部14に入力させる。文字認識処理部14は、文字認識結果である文字データを制御部11へ出力する。このときの文字認識処理部14は、本発明の実施の形態における第2文字認識部として機能する。
次に、制御部11は、S33において抽出した第1の文字データを参照しつつ、S55の処理によって得られた文字認識結果(以下、第2の文字認識結果という)から第2の文字データを抽出する(S56)。
【0076】
S56における制御部11は、第1の文字データに含まれている位置データに等しい位置データに関連付けられている文字データを、第2の文字データとして、第2の文字認識結果から抽出する。
このような文字データが存在しない場合には、文字認識処理部14が、存在するはずの文字を認識できなかった、と考えられる。このため、制御部11は、第1の文字データに含まれている位置データと、空白を示すテキストデータとを関連付けて、第2の文字データに含ませる。
【0077】
S56の処理終了後、制御部11は、第1の文字データと第2の文字データを比較することによって、文字認識の認識率を演算する(S57)。このときの制御部11は、本発明の実施の形態における認識率演算部として機能する。
S57における制御部11は、第1及び第2夫々の文字データが示すM個の文字の内、何個が一致しているのかを計数する。計数結果がm個であれば、S57における制御部11は、上記の式(1)を用いて認識率kを演算する。
【0078】
S57の処理終了後、制御部11は、S57で演算した認識率と、S51で設定したトナー節約度n%とを関連付けて記憶する(S58)。互いに異なる複数種類のトナー節約度n%についてS51〜S58の処理を複数回実行することによって、制御部11は、トナー節約度と認識率との組み合わせのリストを得る(後述する図7参照)。
S58の処理終了後、制御部11は、後述する図6に示すような画像比較画面を表示部16に表示し(S59)、処理をS35へ戻して、操作部17に、トナー節約度及び所定認識率夫々の変更指示、並びに画像開始指示を受け付けさせる。
【0079】
図6は、表示部16に表示される画像比較画面の一例を示す模式図である。
図6Aには、表示ボックス167に表示されている所定認識率が100%であり、表示ボックス168に表示されているトナー節約度が10%である状態で、確定キー171が操作された場合に表示部16に表示される画像比較画面を例示している。
図6Bには、表示ボックス167に表示されている所定認識率が100%であり、表示ボックス168に表示されているトナー節約度が20%である状態で、確定キー171が操作された場合に表示部16に表示される画像比較画面を例示している
【0080】
図6に示す画像比較画面は、図5に示す画像確認画面と同様の構成である。
ただし、画像比較画面を表示する時点では新たなラスタライズデータが存在する。
このため、第2の表示ボックス162には、S56で抽出された第2の文字データに基づくM個の文字が表示される。
【0081】
図6Aでは、1個の空白を含む12個の文字「開発会議事録 2009年」が例示されており、図6Bでは、2個の空白を含む12個の文字「開発会 事録 2009年」が例示されている。つまり、図6Aに示す画像比較画面とは、トナーの消費量を削減したにも関わらず、OCRが12個全部の文字を認識できた場合の例である。一方、図6Bに示す画像比較画面とは、トナーの消費量を過剰に削減したせいで、OCRが12個中1個の文字を認識できなくなった場合の例である。
【0082】
また、第2の表示ボックス164には、S57で演算された認識率が表示される。図6Aでは、認識率「100%」が例示されており、図6Bでは、認識率「92%」が例示されている。
更に、第2の表示ボックス166には、S51で設定されたトナー節約度が表示される。図6Aでは、トナー節約度「10%」が例示されており、図6Bでは、トナー節約度「20%」が例示されている。
【0083】
使用者は、表示部16に表示された画像比較画面を視認する。
所定認識率を変更したい使用者は、操作キー173,174を操作する。トナー節約度を変更したい使用者は、操作キー175,176を操作する。
例えば、図5に示す画像確認画面を視認して、認識率10%で確定キー171を操作した使用者は、図6Aに示す画像比較画面を視認する。
【0084】
この時点で、認識率は100%であり、十分に高い。ところが、トナー節約度は10%であり、十分に大きいとはいえない。
そこで、トナー節約度を更に大きくすることを所望した使用者は、操作キー175を操作して認識率を20%まで増大させ、次いで、確定キー171を操作する。
すると、図6Bに示す画像比較画面が表示部16に表示される。この時点で、認識率は92%であり、過剰に低い。
【0085】
認識率100%とトナー削減度10%の組み合わせにも、認識率92%とトナー削減度20%の組み合わせにも満足しなかった使用者は、トナー節約度を幾らか小さくすることによって、認識率の向上を図る。このために、使用者は、操作キー176を操作して、認識率を例えば15%まで増大させ、次いで、確定キー171を操作する。
【0086】
この後、例えば第2の表示ボックス164に認識率100%が表示され、第2の表示ボックス166にトナー節約度15%が表示された場合、認識率100%とトナー削減度15%の組み合わせに満足した使用者は、開始キー172を操作する。
図6Aに示す画像比較画面を視認した時点で、又は、図6Aに示す画像比較画面を視認した後、図6Bに示す画像比較画面を視認した時点で、認識率100%とトナー削減度10%の組み合わせに満足した使用者は、開始キー172を操作する。
【0087】
図7は、トナー節約度と認識率との組み合わせのリストの一例を示す模式図である。
図7には、トナー節約度10%と認識率100%との組み合わせ、トナー節約度20%と認識率92%との組み合わせ、及び、トナー節約度15%と認識率100%との組み合わせを含むリストが例示されている。図7を参照すればわかるように、トナー節約度が大きくなるほどに認識率は低くなる傾向にある。ただし、トナー節約度が異なっていても、認識率が所定認識率以上である場合も存在する。
開始キー172が操作された場合(S40でYES)、制御部11は、開始キー172が操作された時点で表示ボックス167に表示されている所定認識率を、現在の所定認識率として設定する(S71)。
【0088】
次いで、制御部11は、図7に示すようなリストを参照し、現在設定されている所定認識率以上の認識率に関連付けられているトナー節約度の内、最も大きなトナー節約度を、最終的なトナー節約度として求める(S72)。
本実施の形態では、所定認識率が100%であるため、最終的なトナー節約度は15%になる。
開始キー172を操作する前に、使用者が操作キー174を操作することによって、所定認識率を90%に低減していたならば、最終的なトナー節約度は20%になる。
【0089】
なお、S72の処理を実行する時点で、トナー節約度と認識率との組み合わせのリストがまだ得られていない場合、制御部11は使用者に対してエラーを報知し、処理をS35へ戻す。同様に、S72の処理を実行した結果、最終的なトナー節約度が0%になった場合、又は、現在設定されている所定認識率以上の認識率がリストの中に含まれていない場合等にも、制御部11は使用者に対してエラーを報知し、処理をS35へ戻す。
【0090】
S72の処理終了後、制御部11は、S72で求めた最終的なトナー節約度を画像処理部15に設定し(S73)、処理を元のルーチンへ戻す。
なお、S33の処理で第1の文字データが抽出されない場合、制御部11は、例えばM個未満の文字を示す文字データを抽出してもよい。又は、制御部11は、使用者に対してエラーを報知し、使用者の指示に応じて、通常モード又はOCR非対応のトナーセーブモードで画像を形成してもよい。
ところで、最初のラスタライズデータが示す画像が、複数頁分の画像である場合、1頁目の画像に文字が含まれていないのであれば、2頁目以降の文字を含む画像を採用すればよい。
【0091】
また、最初のラスタライズデータが示す画像が、複数頁分の画像である場合、制御部11は、1頁目の画像に対応する認識率を、全頁の画像に対して適用する構成でもよい。このとき、画像形成処理の所要時間が短縮され、しかも、使用者の手間暇を省くことができる。
ただし、認識率は各頁で大きく異なることがある。このため、制御部11は、各頁に対応して認識率を演算する構成でもよい。
或いは、制御部11は、全頁一律の認識率を用いるか、頁毎に演算した認識率を用いるかを、頁数の多寡、又は使用者の指示に応じて判断してもよい。
【0092】
以上のようなMFP1は、トナーの消費に起因するMFP1のランニングコストを削減することができる。しかも、トナーの消費量を削減しつつ、OCRが正確に文字を認識することができる画像を記録シートに形成することができる。
なお、所定認識率は、例えばMFP1の製造時に制御部11に与えられた固定値であってもよい。この場合、S35では、トナー節約度の変更指示と画像開始指示とが受け付けられる。
また、図3及び図4に示すOCR対応処理において、制御部11が、S34〜S40,S59,S71の処理を実行しない構成でもよい。この場合、所定認識率は予め制御部11に与えられる。
【0093】
更に詳細には、制御部11は、S33の処理終了後、処理をS51へ移して、適宜のトナー節約度(例えば5%)を設定する。次いで、制御部11は、S52〜S58の処理を実行する。この後、制御部11は、S57で演算した認識率が所定認識率以上であるか否かを判定し、所定認識率以上であれば、再び処理をS51へ移して、前回のトナー節約度よりも大きい適宜のトナー節約度(例えば10%)を設定する。S57で演算した認識率が所定認識率未満であれば、S72以降の処理を実行する。
この場合、使用者が所定認識率及びトナー節約度を設定する必要がないため、使用者の利便性を向上させることができる。
【0094】
更にまた、MFP1は、トナー節約度を制御部11が自動的に設定するか、使用者が手動で設定するかを切り替え可能であってもよい。この場合、自動設定と手動設定との切り替えを、使用者が手動で選択してもよく、MFP1が自動的に選択してもよい。
最初のラスタライズデータが示す画像に、通常画像であればOCRが正確に認識し易く、トナーセーブ画像であればOCRが誤認識し易い文字が含まれている(又は含まれていない)場合には、自動設定(又は手動設定)の方が好ましい。
【0095】
実施の形態 2.
ラスタライズデータ(以下、オリジナルデータという)と、オリジナルデータに基づいて記録シートに形成された画像を光学的に読み取ってなるラスタライズデータ(以下、スキャンデータという)とは、往々にして異なる。従って、オリジナルデータに基づく文字認識結果と、スキャンデータに基づく文字認識結果とは異なることがある。異なる文字認識結果からは、異なる認識率が演算される。
【0096】
オリジナルデータとスキャンデータとの差異は、主に、オリジナルデータに基づいて記録シートに画像を形成した画像形成装置の画像形成能力の高低に起因する。例えば、画像形成装置が廉価品である、又は画像形成装置に経年劣化が生じている等の理由で画像形成装置の画像形成能力が低い場合が考えられる。この場合、記録シートに形成された画像の画質が低いため、オリジナルデータに基づく文字認識結果は正確なものであっても、スキャンデータに基づく文字認識結果は不正確なものになりがちである。
【0097】
本実施の形態におけるMFP1は、実施の形態1のMFP1と同様のハードウェア構成を有する。ただし、本実施の形態におけるMFP1では、図4に示すOCR対応処理のS57の処理が実行された後、S58の処理が実行される前に、制御部11が認識率を補正する。この結果、オリジナルデータとスキャンデータとの差異に起因する認識率の誤差を低減することができる。
【0098】
例えば、認識率を補正するための補正値(以下、単に補正値という)が、−2%であるとする。この場合、S57の処理で認識率92%という演算結果が得られたならば、制御部11は、演算結果に補正値を加算する。この結果、S58の処理では、認識率92%から2%を減算したもの、即ち認識率90%が記憶される。また、S59の処理を実行することによって、図6に示すような画像比較画面において、第2の表示ボックス164に、認識率「90%」が表示される。
【0099】
なお、補正値は認識率に対して加算(又は減算)されるものに限定されず、乗算又は除算されるものであってもよい。
例えば、補正値が、“0.98”であるとする。この場合、S57の処理で認識率92%という演算結果が得られたならば、制御部11は、演算結果に補正値を乗算する。この結果、S58の処理では、認識率92%に“0.98”を乗算したもの、即ち認識率90%が記憶される。また、S59の処理を実行することによって、図6に示すような画像比較画面において、第2の表示ボックス164に、認識率「90%」が表示される。
【0100】
認識率を補正するための補正値は、例えばMFP1の製造時に演算されて、制御部11に与えられる。補正値は、例えば同一種類のMFP1,1,…に共通であってもよいが、MFP1毎に演算されてもよい。また、補正値は固定値であってもよいが、画像形成装置の経年劣化に影響され易いため、適宜のタイミングで再演算されることが望ましい。
本実施の形態では、MFP1の画像形成部18が記録シートに画像を形成する場合を例示する。つまり、ここで用いられる補正値は、画像形成部18の画像形成能力に応じた補正値である。従って、MFP1から他のMFP又はプリンタ等の画像形成装置へオリジナルデータを送信し、送信先で画像を形成する場合には、送信先の画像形成能力に応じた補正値を用いる必要がある。
【0101】
以下では、補正値の再演算が可能なMFP1を説明する。
記憶部13には、補正値演算用のオリジナルデータが予め記憶されている。このオリジナルデータが示す画像には、例えば、通常画像であればOCRが正確に認識し易く、トナーセーブ画像であればOCRが誤認識し易い文字が含まれている。
MFP1の使用者、管理者、又は保守点検作業者等(以下、作業者という)は、操作部17を操作することによって、MFP1に、後述する図8に示す補正値演算処理を実行させる。
図8は、本発明の実施の形態2に係るMFPで実行される補正値演算処理の手順を示すフローチャートである。
【0102】
制御部11は、記憶部13から補正値演算用のオリジナルデータを読み出し(S91)、読み出したオリジナルデータを画像形成部18に入力させることによって、画像の形成を開始させる(S92)。画像形成部18は、入力されたオリジナルデータに基づく画像を記録シートに形成する。
画像形成部18における画像形成と並行して、制御部11は、オリジナルデータが示す画像に含まれている文字を、S32又はS55と同様にして、文字認識する(S93)。
また、制御部11は、画像形成部18が画像を形成し終えたか否かを判定し(S94)、終了していない場合は(S94でNO)、終了するまでS94の処理を繰り返し実行する。
【0103】
画像形成部18が画像を形成し終えた場合(S94でYES)、制御部11は、表示部16に所定のメッセージを示すメッセージ画像を表示させる(S95)。ここで、所定のメッセージとは、画像が形成されている記録シートを画像読取部19に載置してから操作部17を操作するよう作業者を促すものである。
次に、制御部11は、操作部17が操作されたか否かを判定し(S96)、操作されていない場合には(S96でNO)、S96の処理を繰り返し実行する。操作部17が操作された場合(S96でYES)、制御部11は、画像読取部19を作動させることによって(S97)、スキャンデータを生成させる。このとき、画像読取部19は、自身に載置された原稿を読み取ってなるラスタライズデータ、即ちスキャンデータを生成し、生成したスキャンデータを記憶部13に一時的に記憶させる。
【0104】
次いで、制御部11は、記憶部13からスキャンデータを読み出す(S98)。次に、制御部11は、読み出したスキャンデータを、文字認識処理部14に入力させることによって、生成されたスキャンデータが示す画像に含まれている文字を、S93と同様にして、文字認識する(S99)。
そして、制御部11は、S93における文字認識結果と、S99における文字認識結果とを比較することによって、S57と同様にして、文字認識の認識率を演算する(S100)。
最後に、制御部11は、S100で演算した認識率に基づいて補正値を演算し(S101)、演算結果を補正値として記憶してから(S102)、補正値演算処理を終了する。
【0105】
S102における制御部11は、S100における演算結果から100%を減算することによる減算結果を、補正値とする。
オリジナルデータとスキャンデータとが略一致するのであれば、S100における演算結果は100%である。このため、S102における制御部11は、補正値として補正値0%を得る。一方、オリジナルデータとスキャンデータとが大幅に異なるのであれば、S100における演算結果は100%未満(例えば、98%)である。このため、S102における制御部11は、補正値として、S100における演算結果から100%を減算したもの(この場合、−2%)を得る。
以上のようにして得られた補正値は、S57の処理で演算した認識率に加算される。
【0106】
なお、S57の処理で演算した認識率に補正値を乗算する場合、S102における制御部11は、S100における演算結果を100%で除算することによる除算結果を、補正値とする。例えば、S100における演算結果が98%であれば、補正値は“0.98”である。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
以上のようなMFP1は、画像形成部18の画像形成能力に起因する認識率の誤差を低減することができるため、更に適切なトナー節約度を演算することができる。
【0107】
なお、オリジナルデータとスキャンデータとの差異は、OCRの画像読取能力の高低にも影響される。従って、実際に画像を読み取るOCRが生成したスキャンデータを用いて補正値を演算すれば、認識率の誤差を更に低減することができる。
しかしながら、現実的には、MFP1が備える画像読取部19が生成したスキャンデータを用いて補正値を演算すればよい。何故ならば、認識率を演算する時点では、何れの画像形成装置で画像を形成するかはわかっても、何れのOCRで画像を読み取るかはわからないことが多いからである。
【0108】
実施の形態 3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る画像処理装置として機能するPC3の構成を示すブロック図である。
PC3は、CPU31、不揮発性メモリ32、揮発性メモリ33、表示部34、操作部35、及びI/F36を備える。
表示部34は、液晶表示ディスプレイを用いてなる。操作部35は、キーボード及びマウス等を用いてなる。
I/F36は、PC3とLAN5との間のインタフェースである。
【0109】
LAN5には、少なくとも1台のスキャナ40と、複数台(図中2台)のプリンタ41,42,…とが接続されており、I/F36及びLAN5を介して、PC3と、スキャナ40及びプリンタ41,42,…夫々とが通信する。
スキャナ40は、自身に載置された原稿を読み取ってなるラスタライズデータを送信する。プリンタ41,42,…夫々は、公知の画像形成装置であり、受信したラスタライズデータに基づく画像を記録シートに形成する。
【0110】
PC3の不揮発性メモリ32は、ROM及びハードディスク等を用いてなる。不揮発性メモリ32には、例えば文書作成用又は画像生成用等のアプリケーションソフトウェアと、プリンタ41,42,…に一対一対応でプリンタドライバ321,322,…がインストールされている。
プリンタドライバ321,322,…夫々には、実施の形態1の図2に示す画像形成処理、図3及び図4に示すOCR対応処理、並びに実施の形態2の図8に示す補正値演算処理に相当する処理を実行するためのコンピュータプログラムが組み込まれている。また、プリンタドライバ321,322,…には、対応するプリンタ41,42,…の画像形成能力に応じた補正値が設定されている。
【0111】
ここで、プリンタドライバ321,322,…夫々には、ラスタライズデータに基づいて文字を抽出するコンピュータプログラム(以下、OCRソフトという)が個々に組み込まれていてもよい。又は、プリンタドライバ321,322,…夫々が、1個のOCRソフトを共有する構成でもよい。
【0112】
不揮発性メモリ33は、例えばRAMを用いてなる。
CPU31が、揮発性メモリ33を作業領域として用い、不揮発性メモリ32に記憶されているプリンタドライバ321,322,…の何れかに従って各種処理を実行することによって、PC3は、実施の形態1,2と同様の画像処理装置として機能することができる。
このとき、不揮発性メモリ32の一部は、実施の形態1,2の記憶部13として機能する。
【0113】
ただし、PC3は、実施の形態1,2の文字認識処理部14及び画像処理部15に相当するものを備えていない。このため、CPU31がソフト的に文字認識処理部14及び画像処理部15夫々と同様の処理を実行する。
また、PC3は、実施の形態1,2の画像形成部18及び画像読取部19に相当するものを備えていない。しかしながら、制御部11が、I/F36及びLAN5を介してラスタライズデータをプリンタ41,42,…へ送信することによって、プリンタ41,42,…夫々が、実施の形態1,2の画像形成部18として機能する。同様に、制御部11が、I/F36及びLAN5を介してラスタライズデータをスキャナ40から受信することによって、スキャナ40が、実施の形態1,2の画像読取部19として機能する。
【0114】
以上のようなPC3は、実施の形態1,2のMFP1と同様に、トナーの消費に起因するプリンタ41,42,…のランニングコストを削減することができる。しかも、トナーの消費量を削減しつつ、OCRが正確に文字を認識することができる画像を記録シートに形成することができる。
【0115】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば本発明の画像処理装置は、MFP1又はPC3に限定されず、コピー機、プリンタ、又はスキャナでもよい。また、記録剤はトナーに限定されず、インクであってもよい。
更に、本発明の効果がある限りにおいて、MFP1及び/又はPC3に、実施の形態1〜3に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 MFP(画像処理装置)
11 制御部(認識率演算部,消費量変更部,データ出力部)
14 文字認識処理部(第1文字認識部,第2文字認識部)
15 画像処理部(データ生成部)
16,34 表示部
17,35 操作部
18 画像形成部(画像形成装置)
3 PC(画像処理装置)
31 CPU(データ生成部,第1文字認識部,第2文字認識部,認識率演算部,消費量変更部,データ出力部)
41,42 プリンタ(画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字を含む画像のラスタライズデータに対し、前記画像を記録シートに形成する場合に消費される記録剤の消費量を低減するための画像処理を施すことによって、新たなラスタライズデータを生成するデータ生成部を備える画像処理装置において、
前記画像処理が施されていない最初のラスタライズデータ及び前記データ生成部が生成した新たなラスタライズデータ夫々に基づいて、前記最初のラスタライズデータ及び前記新たなラスタライズデータ夫々が示す画像に含まれている文字を文字認識する第1文字認識部及び第2文字認識部と、
前記第1文字認識部及び第2文字認識部夫々による認識結果に基づいて、前記新たなラスタライズデータに基づく文字認識の認識率を演算する認識率演算部と、
前記画像処理を施す際の前記消費量を低減する度合いを変更する消費量変更部と、
前記消費量が最も低減され、且つ、前記認識率演算部が演算した認識率が所定認識率以上である画像処理が施された最終的なラスタライズデータを出力するデータ出力部と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記認識率演算部は、前記新たなラスタライズデータに基づく文字認識の認識率を、前記データ出力部が出力した最終的なラスタライズデータに基づいて記録シートに画像を形成する画像形成装置に係る補正値を用いて補正するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記最初のラスタライズデータ及び前記新たなラスタライズデータ夫々に基づく画像、並びに前記認識率演算部が演算した認識率を表示する表示部と、
前記消費量を低減する度合いを変更するための操作部と
を更に備え、
前記消費量変更部は、前記操作部の操作量に基づいて、前記消費量を低減する度合いを変更するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−41215(P2011−41215A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189447(P2009−189447)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】