画像出力装置、画像出力方法及びプログラム
【課題】適切な枠の画像を表示対象の画像とともに表示させることで、より効果的に表示対象の画像を見せることができる。
【解決手段】画像取得部51は、表示対象の画像(原画像)の画像データを取得する。構図解析部52は、画像取得部51により取得された画像データに基づいて、原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する。HSV抽出部53は、構図解析部52により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する。枠決定部55は、HVS抽出部53による抽出結果に基づいて、原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する。枠付画像出力制御部56は、枠決定部により決定された色で原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する。
【解決手段】画像取得部51は、表示対象の画像(原画像)の画像データを取得する。構図解析部52は、画像取得部51により取得された画像データに基づいて、原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する。HSV抽出部53は、構図解析部52により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する。枠決定部55は、HVS抽出部53による抽出結果に基づいて、原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する。枠付画像出力制御部56は、枠決定部により決定された色で原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置、画像出力方法及びプログラムに関し、原画像をより効果的に見せることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、額縁に入れられた絵画や銀塩写真等が飾られるように、デジタル写真(原画像)の周縁に枠の画像を合成することによって、当該原画像を効果的に見せる手法が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、複数の枠の中から決定された一の枠の画像を原画像に合成して表示する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−300360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の手法では、原画像に合成される枠の画像は、デフォルトの設定、あるいはユーザの選択操作により決定されていた。このため、このような枠の画像が原画像に合成されたとしても、合成された枠の画像が当該原画像をより効果的に見せるものである画像とは限らなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、適切な枠の画像を表示対象の画像とともに表示させることで、より効果的に表示対象の画像を見せることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の画像出力装置は、原画像の画像データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析手段と、前記解析手段により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出手段と、前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、適切な枠の画像を表示対象の画像とともに表示させることで、より効果的に表示対象の画像を見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像出力装置の機能的構成のうち、枠付画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】マンセルの色相における総体を順序立てて円環状に表示したマンセルの色相環を示す概念図である。
【図4】色相ごとの明度と彩度の一例を表示したマンセルの色票を示す概念図である。
【図5】ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された色相の差による調和を基準色に対して円形図示した概念図である。
【図6】ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された色相、明度及び彩度の差による調和を基準色に対して数値にした表である。
【図7】ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された明度及び彩度の差による調和を基準色に対して円形図示した概念図である。
【図8】図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置が実行する枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図9】図7の枠付画像表示処理のうち、枠画像決定処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図10】図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置が実行する枠画像決定処理の流れを説明するフローチャートの他の変形例を示す図である。
【図11】図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置が実行する第2実施形態における枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図12】図11の枠付画像表示処理のうち、枠画像決定処理の詳細を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る画像出力装置1の一実施形態としてのハードウェアの構成を示すブロック図である。
画像出力装置1は、例えばデジタルフォトフレームとして構成される。
【0012】
画像出力装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0013】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0014】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0015】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ23が接続されている。
【0016】
入力部16は、各種釦等の操作部で構成され、ユーザの指示操作を受け付ける。
【0017】
出力部17は、画像等の各種情報を出力すべく、表示部41と、LED部42と、を備えている。
表示部41は、画像を表示可能なディスプレイ等により構成される。
LED部42は、図示はしないが表示部41の周囲を覆うように配置される、複数のLED(Light Emitting Diode)より構成される。複数のLEDの発光状態が制御されることによって、各種情報が出力される。
【0018】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、表示対象の原画像や、当該原画像に合成され得る枠の画像等の各種画像のデータを記憶する。記憶部18はまた、後述する図3乃至図7に示すような表示対象の画像の調和色を決定するために用いる色の関係を示したデータ等を記憶する。
【0019】
通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0020】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0021】
図2は、このような画像出力装置1の機能的構成のうち、枠付画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
枠付画像表示処理とは、表示対象の原画像に対して枠の画像を合成して表示部41に表示させるまでの一連の処理をいう。
【0022】
図2において、CPU11は、画像取得部51と、構図解析部52と、HSV抽出部53と、調和色特定部54と、枠決定部55と、枠付画像出力制御部56と、を備えている。
【0023】
なお、画像取得部51乃至枠付画像出力制御部56は、本実施形態では、CPU11と、当該CPU11により実行されるプログラムとの組み合わせ、即ち、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより構成されている。しかしながら、これは例示であって、画像取得部51乃至枠付画像出力制御部56の機能の少なくとも一部を、CPU11以外の他の構成要素に移譲させることも当然可能である。
【0024】
画像取得部51は、例えば、通信部19やリムーバブルメディア31から表示対象の画像のデータを、原画像のデータとして取得する。
【0025】
構図解析部52は、画像取得部51により取得された原画像のデータに基づいて、当該原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象領域を決定する。
【0026】
ここで、処理対象領域とは、後述するHSV抽出部53において色の特性が抽出される領域をいう。詳細については後述するが、この色の特性に基づいて、原画像に付加される枠の画像の色等が決定される。従って、構図解析部52による原画像の構図の解析手法としては、原画像に付加される枠の画像の色等の決定手法に応じて、各種各様の手法が採用される。そこで、構図解析部52による原画像の構図の解析手法の具体例については、原画像に付加される枠の画像の色等の決定手法とともに後述する。
【0027】
HSV抽出部53は、構図解析部52により決定された処理対象領域の色の特性として、色相(Hue)、彩度(Saturtion/Chroma)及び明度(Brightness Lightness Value)の3つの成分を抽出する。
例えば、原画像のデータの色の特性が、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの成分からなるRGB色空間により表わされているものとする。この場合、処理対象領域のデータに対して、RGB色空間からHSV色空間に色空間変換する変換処理が施され、その変換処理の結果に基づいて、処理対象領域についての、色相、彩度及び明度の各値(以下、これらをまとめて「HSV値」と呼ぶ)が抽出される。なお、HSV色空間等の詳細については、図3及び図4を参照して後述する。
ここで、処理対象領域は複数の画素から構成されているため、HSV抽出部53による変換処理が実行された段階では、各画素毎のHSV値が得られている。そこで、HSV抽出部53は、処理対象領域を構成する各画素のHSV値を用いて所定の演算を行うことにより、処理対象領域全体としての色(HSV値)を抽出する。この場合の所定の演算は、特に限定されず、例えば、単純な平均を取る演算を採用してもよいし、メディアン値を取る演算を採用してもよい。要するに、当該処理対象領域を含む原画像が、枠の画像により、より効果的に表示されるように、当該処理対象領域の色を抽出できれば足り、演算手法自体は任意でよい。
【0028】
調和色特定部54は、HSV抽出部53により抽出された処理対象領域における色(HSV値)に対する、調和色や不調和色を特定する。調和色や不調和色の詳細については、図5乃至図7を参照して後述する。
【0029】
枠決定部55は、調和色特定部54による調和色や不調和色の特定結果に基づいて原画像に付加する枠の画像(原画像の周囲を取り囲む範囲の色で表示される枠の画像)を決定する。
枠の画像を決定する手法は、特に限定されず、例えば、記憶部18に記憶されている1以上の枠の画像のデータの中から選択的に決定する、といった手法を採用することができる。また例えば、記憶部18に記憶されている所定の枠の画像のデータに基づいて新たな枠の画像のデータを生成し、当該新たな枠の画像を原画像に付加すると決定する、といった手法を採用することもできる。
【0030】
枠付画像出力制御部56は、画像取得部51により取得された原画像のデータに対して、枠決定部55により決定された枠の画像のデータを合成することによって、合成画像(以下、「枠付画像」と呼ぶ)のデータを生成する。そして、枠付画像出力制御部56は、枠付画像のデータを表示部41に出力する制御を実行する。これにより、枠付画像が表示部41に表示される。即ち、原画像の周囲に、枠決定部55により決定された枠の画像が付加されて表示部41に表示される。
【0031】
さらに以下、このような機能的構成のCPU11による枠付画像のデータの生成手法の詳細について、図3乃至図7を適宜参照して説明する。
【0032】
上述したように、本実施形態では、原画像のうち処理対象領域の色に対する調和色や不調和色が特定され、この特定された調和色や不調和色に基づいて、原画像に付加される枠の画像が決定される。このような一連の処理において用いられる色空間は、本実施形態では、HSV色空間が採用されている。
【0033】
ここで、HSV色空間とは、色相、彩度、明度の3つの成分からなるHSVモデル(HSV model)で表される色空間をいう。このようなHSVモデルとして、本実施形態では、図3及び図4に示すいわゆるマンセル・カラー・システム(Munsell Collor System)が採用されている。
【0034】
図3は、マンセルの色相環を示す概念図である。
図4は、所定の色相についての明度と彩度の一例を表示したマンセルの色票を示す概念図である。
即ち、色相(H)は、赤、黄、緑、青、紫等の色の様相の相違を示すものであり、その総体を順序立てて円環状に表わしたものが図3に示す色相関である。R(赤)、YR(黄赤)、Y(黄)、GY(黄緑)、G(緑)、BG(青緑)、B(青)、PB(紫青)、P(紫)、及びRP(赤紫)が基本10色とされ、その順に円環状に配置される。
この場合、所定の色相(H)については、図4に示すような2次元平面上のマンセルの色票によって、明度(V)と彩度(S)が表現される。なお、図4の例では、色相(H)が赤(2.5R)についての、明度(V)と彩度(S)が示されている。
明度(V)は、色の明るさを示すものであり、図4の例の色票では、下限からの垂直上方向の距離を示す値で表現される。具体的には、明度(V)=0が最も暗い色(黒)を示し、明度(V)=10が最も明るい色(白)を示している。即ち、明度(V)が大きな値になるほど、明るい色になっていく。
また、彩度(S)は、色の鮮やかさを示すものであり、図4の例の色票では、右限からの水平左方向の距離を示す値で表現される。具体的には、彩度(S)=0が無彩を示し、彩度(S)が大きな値になるほど、鮮やかな色になっていく。ただし、彩度(S)は、色相(H)と明度(S)の組み合わせによって、最大値が異なる。
【0035】
本実施形態においては、上述したように、HSV抽出部53は、このようなマンセルの色相環及びマンセルの色票に基づいて、原画像の処理対象領域の色(HSV値)を抽出する。すると、調和色特定部54は、処理対象領域の色(HSV値)に対する調和色や不調和色を特定する。
このような調和色や不調和色を特定する手法は、特に限定されないが、本実施形態では、色の調和を定量的に示した、ムーン&スペーサの色彩調和論に基づく手法が採用されている。そこで、以下、このような手法の詳細について、図5乃至図7を参照して説明する。
【0036】
図5は、ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された、基準色との色相の差の点で、当該基準色の調和色及び不調和色を円形図示した概念図である。
ムーン&スペンサー色調和論では、図3及び図4に示すいわゆるマンセル・カラー・システムに基づいて設定される色空間ωにおいて、明快な幾何学的関係の配色が調和配色とされ、曖昧な関係の配色が不調和とされる。
具体的には、基準色との調和配色は、同一調和、類似調和又は対比調和に属する色である。基準色との不調和配色は、第1不調和(第1不明瞭)、第2不調和(第2同一調和)、又は、眩輝の不調和に属する色である。
図5に示すように、基準色との色相の差の点に着目し、同図の円周上の基準色の位置(最上位の位置)からみて左周り及び右周りにそれぞれ、同一調和、第一不調和、類似調和、第二不調和及び対比調和が、その順番で配置される。
【0037】
図6は、ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された、基準色との色相、明度、彩度の差の点で、当該基準色の調和色又は不調和色の種類を特定するための基準を示している。
図6に示す表は行列構造を有しているため、以下、図6中横方向の項目の集合体を「行」と呼び、同図中縦方向の項目の集合体を「列」と呼ぶ。
図6の表では、「種類」、「色相差/角度」、「明度」、及び、「彩度」の各項目が、各行毎に対応付けられて配置されている。
即ち、所定の行の「種類」の項目には、基準色の調和色又は不調和色の種類が示されている。
当該所定の行の「色相差/角度」は、同一の行の最左方の「種類」の調和色又は不調和色についての、基準色との色相の差の範囲、及び、当該色相の差を図5の円周上の角度(基準色を0度)に換算した値の範囲が示されている。
当該所定の行の「明度」は、同一の行の最左方の「種類」の調和色又は不調和色についての、基準色との明度の差の範囲が示されている。
当該所定の行の「彩度」は、同一の行の最左方の「種類」の調和色又は不調和色についての、基準色との彩度の差の範囲が示されている。
具体的には例えば、図6の1行目に着目すると、基準色と比較して、「色相差/角度」が0乃至1j.n.d/±0度乃至1度の範囲内であり、「明度」が0乃至1j.n.dの範囲内であり、「彩度」が0乃至1j.n.dの範囲内である色が、「同一調和」という種類の調和色に分類される。
【0038】
図7は、ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された、基準色との明度の差及び彩度の差の点で、当該基準の調和色及び不調和色を円形図示した概念図である。
明度の差及び彩度の差の点に着目した場合にも、図7の円周上の基準色の位置(最上位の位置)からみて左周り及び右周りにそれぞれ、同一調和、第一不明瞭、類似調和、第二不明瞭及び対比調和が、その順番で配置される。
【0039】
ここで、基準色としては、図2のHSV抽出部53により抽出されたHSV値を有する、原画像の処理対象領域の色が採用される。即ち、調和色特定部54は、図5乃至図7を参照して上述したムーン&スペンサーの色調和論に基づいて、原画像の処理対象領域の色に対する調和色及び不調和色を特定する。すると、枠決定部55は、このようにして特定された調和色及び不調和色に基づいて、原画像に付する枠を決定する。
【0040】
このように、原画像に付する枠は、原画像の処理対象領域の色に対する調和色及び不調和色に基づいて決定されるため、原画像を効果的に表示できる枠を設定するためには、適切な処理対象領域の設定が必要になる。即ち、処理対象領域の設定は、構図解析部52による原画像の構図の解析に基づいて行われるため、構図解析部52に適用する構図の解析手法を適切にする必要がある。構図の解析手法としては、例えば、被写体を含む領域を処理対象領域として設定可能な、構図の解析手法を構図解析部52に適用するとよい。この場合、処理対象領域の色は、主に被写体の色となるため、被写体の色に対する調和色や不調和色に基づく枠、即ち、被写体を含む原画像をより効果的に表示できる枠の設定が可能になる。具体的には例えば、被写体が人物である場合には、人物の顔を検出する任意の顔検出手法を、構図の解析手法として構図解析部52に適用することができる。この場合、人物の顔の色、即ち肌色に対する調和色や不調和色に基づく枠、即ち人物を含む原画像をより効果的に表示できる枠の設定が可能になる。
また例えば、原画像の多くを占める領域等、原画像全体の印象を特徴付ける領域を処理対象領域として設定可能な、構図の解析手法を構図解析部52に適用するとよい。この場合、例えば、原画像が風景画であるならば、当該風景画に写り込んでいる山や海等が処理対象領域となる。よって、山の緑色や海の青色等に対する調和色や不調和色に基づく枠、即ち山や海等を含む原画像をより効果的に表示できる枠の設定が可能になる。
【0041】
以上、図2乃至図7を参照して、本実施形態の画像出力装置1の機能的構成について説明した。
次にこのような機能的構成を有する画像出力装置1が実行する処理のうち枠付画像表示処理の流れについて説明する。
図8は、図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置1が実行する枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【0042】
枠付画像表示処理は、本実施形態においては、ユーザが入力部16を操作して枠付画像表示の指示をしたことを契機として開始される。
【0043】
ステップS1において、画像取得部51は、表示対象の画像のデータを取得したか否かを判定する。
表示対象の画像のデータが取得された場合には、ステップS1において、YESであると判定されて、ステップS2に進む。
【0044】
ステップS2において、構図解析部52乃至枠決定部55は、表示対象の画像を原画像として、原画像に付加する枠の画像を決定するまでの一連の処理(以下、「枠画像決定処理」と呼ぶ)を実行する。ステップS2の枠画像決定処理の流れの詳細については、図9を用いて後述する。
【0045】
ステップS3において、枠付画像出力制御部56は、原画像に対して枠の画像を付加するように各データを合成することで、枠付画像のデータを生成する。
【0046】
ステップS4において、表示部41は、枠付画像を表示する。
【0047】
このようにしてステップS4の処理で枠付画像が表示されると、処理はステップS5に進む。或いはまた、表示対象の画像のデータが取得されなかった場合には、ステップS1においてNOであると判定されて、ステップS2乃至S4の処理は実行されずに、処理はステップS5に進む。
【0048】
ステップS5において、枠付画像出力制御部56は、処理の終了指示があったか否かを判定する。詳細には、枠付画像出力制御部56は、ユーザによる入力部16への操作による処理の終了指示の有無を判定する。
【0049】
ユーザによる処理の終了指示が未だなされていない場合には、ステップS5においてNOであると判定されて、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、新たな表示対象の画像のデータが取得されると、ステップS1においてYESであると判定されて、ステップS2乃至S4の処理が実行される。これにより、新たな表示対象の画像に対して新たな枠が付された画像、即ち、新たな枠付画像が表示される。
【0050】
その後、処理の終了指示があった場合には、ステップS5においてYESであると判定されて、枠付画像表示処理は終了する。
【0051】
次に、このような枠付画像表示処理のステップS2の枠画像決定処理の詳細について説明する。
図9は、図8の枠付画像表示処理のうち、ステップS2の枠画像決定処理の詳細を説明するフローチャートである。
上述したように、枠画像決定処理は、画像取得部51により表示対象の画像のデータが取得され、ステップS1の処理でYESであると判定されたことを契機として、ステップS2の処理として開始される。
【0052】
ステップS21において、構図解析部52は、表示対象の画像のデータを原画像のデータとして用いて、当該原画像の構図を解析することによって、処理対象領域を決定する。
【0053】
ステップS22において、HSV抽出部53は、処理対象領域についての、色相、明度、及び彩度(HSV値)を抽出する。
【0054】
ステップS23において、調和色特定部54は、HSV抽出部53の抽出結果のうち、に色相に基づいて、処理対象領域についての、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色を特定する。詳細には、調和色特定部54は、ステップS22の処理でHSV抽出部53により抽出された処理対象領域の色相、明度、及び彩度(HSV値)により特定される色を基準色として、基準色との色相の差の観点で、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色に属する色を特定する。即ち、図5及び図6(ただし、図6の表では、「明度」及び「彩度」の項目は除く)を参照して、当該基準色に対する、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定される。
【0055】
ステップS24において、枠決定部55は、3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像のデータが存在するか否かを判定する。詳細には、枠決定部55は、ステップS23の処理で特定された同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色のうち、少なくとも1種色の枠の画像が記憶部18に記憶されているか否かを判定する。
【0056】
3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像のデータが記憶部18に記憶されている場合には、ステップS24において、YESと判定されて、ステップS25に進む。
【0057】
ステップS25において、枠決定部55は、3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像として、複数の枠の画像のデータが存在するか否か、即ち記憶部18に記憶されているか否かを判定する。
3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像として、複数の枠の画像のデータが記憶部18に記憶されている場合には、ステップS25において、YESであると判定されて、ステップS26に進む。
【0058】
ステップS26において、枠決定部55は、明度及び彩度に基づいて、1以上の枠の画像のデータを選択する。
即ち、上述したステップS23の処理では、基準色との色相の差によって、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定されている。しかしながら、図6や図7に示すように、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色の特定には、基準色との色相の差のみならず、基準色との明度の差及び彩度の差も考慮する必要がある。
従って、ステップS26の処理では、色相の差によって特定された3種色のうち少なくとも1種類の枠の画像のデータが、明度の差及び彩度の差の点でも、3種類色に属する枠であるか否かが判断され、属すると判断された枠の画像のデータが選択される。
【0059】
ステップS27において、枠決定部55は、複数の枠の画像のデータが選択されたか否かを判定する。
ステップS26の処理で複数の枠の画像のデータが選択された場合には、ステップS27において、YESであると判定されて、処理はステップS28に進む。
【0060】
ステップS28において、枠決定部55は、ユーザによる1枚の枠の画像の選択操作を受け付ける。
詳細には、枠決定部55は、枠付画像出力制御部56を介して、ステップS27の処理で選択された複数の枠の画像のデータに基づいて、当該複数の枠の画像の各々を表示部41に選択可能に表示させる。ユーザは、入力部16を操作することによって、表示された複数の枠の画像の中から1枚の枠の画像を選択する。
【0061】
このようにして、ステップS26の処理で複数の枠の画像のデータが選択された場合には、ステップS27においてYESであると判定されて、上述したステップS28及びS29の処理が実行される。これにより、ユーザにより選択された1枚の枠の画像のデータが選抜されたので、処理はステップS29に進む。
これに対して、ステップS26の処理で1枚の枠の画像のデータが選択された場合には、ステップS27においてNOであると判定されて、処理はステップS29に進む。即ち、ステップS26の処理で1枚の枠の画像のデータが選択された場合には、1枚の枠の画像のデータを選抜する必要は特にないので、ステップS28及びS29の処理は実行されずに、処理はステップS29に進む。
【0062】
ステップS29において、枠決定部55は、このようにして選抜された1枚の枠の画像のデータを付加対象として決定する。
これにより、枠画像決定処理は終了となる。即ち、図8の枠付画像表示処理のステップS2が終了し、処理は、ステップS3に進む。その結果、ステップS29の処理で付加対象として決定された枠の画像が、原画像に付加されて表示される。
【0063】
以上、色相の差によって特定された3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像のデータが記憶部18に記憶されていた場合の一連の処理、即ち、ステップS24においてYESであると判定された場合のそれ以降の処理について説明した。
以下、3種色の何れの色の枠の画像のデータが存在しない場合、即ち、ステップS24においてNOであると判定された場合のそれ以降の処理について説明する。
【0064】
この場合、ステップS24においてNOであると判定されると、処理はステップS30に進む。
ステップS30において、枠決定部55は、無彩色の複数の枠の画像(白色、灰色、黒色の各枠の画像)の中から、ユーザによる1枚の枠の画像の選択操作を受け付ける。
詳細には、枠決定部55は、枠付画像出力制御部56を介して、無彩色の複数の枠の画像(白色、灰色、黒色の各枠の画像)のデータに基づいて、当該複数の枠の画像の各々を表示部41に選択可能に表示させる。ユーザは、入力部16を操作することによって、表示された複数の枠の画像の中から1枚の枠の画像を選択する。
【0065】
ステップS29において、枠決定部55は、ステップS30の処理で選択された1枚の枠の画像のデータを付加対象として決定する。
これにより、枠画像決定処理は終了となる。即ち、図8の枠付画像表示処理のステップS2が終了し、処理は、ステップS3に進む。その結果、ステップS29の処理で付加対象として決定された枠の画像が、原画像に付加されて表示される。
【0066】
以上、本発明の第1実施形態に係る画像出力装置1について説明した。
次に、本発明の第2実施形態に係る画像出力装置1について説明する。
【0067】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る画像出力装置1は、第1実施形態に係る画像出力装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。
従って、図1は、第2実施形態に係る画像出力装置1のハードウェアの構成を示すブロック図でもある。第2実施形態に係るは、第1実施形態と同様に、例えばデジタルフォトフレームにより構成することができる。
また、図2は、第2実施形態に係る画像出力装置1の機能的構成のうち、枠付画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図でもある。
【0068】
さらに、第2実施形態に係る画像出力装置1が実行する枠付画像表示処理は、第1実施形態に係る枠付画像表示処理と基本的に同様の流れとなる。従って、図8は、第2実施形態に係る枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートでもある。
ただし、第2実施形態では、枠付画像表示処理のうちステップS2の枠画像決定処理については、第1実施形態で採用された図9のフローチャートではなく、図10のフローチャートが採用される。
図10は、図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置1が実行する、第2実施形態に係る枠画像決定処理の流れを説明するフローチャートである。
【0069】
上述した第1実施形態における図9の枠画像決定処理では、予め記憶されていた枠の画像のデータが、原画像の付加用に用いられていたのに対して、第2実施形態における図10の枠画像処理では、枠の画像データが生成されて、原画像の付加用に用いられる点が差異点である。詳細には、第2実施形態では、第1実施形態に係るステップS24乃至S28の処理に代えて、ステップS44の処理が実行される点が差異点である。
そこで、以下、このような差異点について主に説明し、一致点の説明は適宜省略する。
【0070】
枠画像決定処理は、画像取得部51により表示対象の画像のデータが取得され、ステップS1の処理でYESであると判定されたことを契機として、ステップS2の処理として開始される。
この場合、第1実施形態におけるステップS21乃至S23の各処理と同様の、ステップS41乃至S43の処理が実行される。これにより、基準色(原画像の処理対象領域の色)との色相の差の観点で、当該基準色に対する、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定される。これにより、処理はステップS44に進む。
【0071】
ステップS44において、枠決定部55は、3種色の各々の枠画像のデータを生成する。
なお、ステップS43の処理では、第1実施形態のステップS23の処理と同様に、基準色との色相の差によって、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定されている。しかしながら、図6や図7に示すように、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色の特定には、基準色との色相の差のみならず、基準色との明度の差及び彩度の差も考慮する必要がある。
従って、ステップS44の処理では、色相の差によって特定された3種色の各々に対して、さらに、明度の差及び彩度の差も考慮されて、具体的な3種類色の各々が決定されて、枠の画像のデータが生成される。
なお、原画像に付加される枠の画像は原則として1つであるため、3種類色のうちの所定の1種類色が予め決定され、枠決定部55は、当該1種類色の枠の画像のデータのみを生成してもよい。或いは、3種類色の各々の枠の画像がユーザに表示され、ユーザが、入力部16を操作して、所望の1枚の枠の画像を選択するようにしてもよい。
【0072】
ステップS45において、枠決定部55は、ステップS45の処理で生成した3種色の各々の枠の画像のデータのうちの所定の1つを付加対象として決定する。
これにより、第2実施形態の枠画像決定処理は終了となる。即ち、図8の枠付画像表示処理のステップS2が終了し、処理は、ステップS3に進む。その結果、ステップS29の処理で付加対象として決定された枠の画像(新たに生成された枠の画像)が、原画像に付加されて表示される。
【0073】
以上、本発明の第2実施形態に係る画像出力装置1について説明した。
次に、本発明の第3実施形態に係る画像出力装置1について説明する。
【0074】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る画像出力装置1は、第1実施形態に係る画像出力装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。
従って、図1は、第2実施形態に係る画像出力装置1のハードウェアの構成を示すブロック図でもある。第3実施形態に係るは、第1実施形態と同様に、例えばデジタルフォトフレームより構成することができる。
また、図2は、第2実施形態に係る画像出力装置1の機能的構成のうち、枠付画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図でもある。
【0075】
ただし、第1実施形態に係る画像出力装置1が実行する枠付画像表示処理では、表示対象の画像は1枚(別の画像を表示するまでには明示の切り替え指示が必要)であった。これに対して、第3実施形態に係る画像出力装置1が実行する枠付画像表示処理では、表示対象は複数の画像であり、当該複数の画像が連続的に再生される。
このため、第3実施形態では、枠付画像表示処理については、第1実施形態で採用された図8のフローチャートではなく、図11のフローチャートが採用される。
【0076】
図11は、図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置1が実行する、第3実施形態に係る枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【0077】
枠付画像表示処理は、本実施形態においては、ユーザが入力部16を操作して枠付画像表示の指示をしたことを契機として開始される。
【0078】
ステップS61において、画像取得部51は、表示対象の画像のデータを取得したか否かを判定する。
表示対象の画像のデータが取得された場合には、ステップS61において、YESである判定されて、ステップS62に進む。
【0079】
ステップS62において、構図解析部52乃至枠決定部55は、枠画像決定処理を行う。
ステップS62における枠決定部55により枠画像決定処理の流れの詳細については、図12を用いて、後述する。
【0080】
ステップS63において、枠決定部55は、再生パターンに従って、付加対象の枠画像を設定する。
【0081】
ステップS64において、枠付画像出力制御部56は、表示対象の画像に対して、設定された枠画像を付加するように各データを合成することで、枠付画像のデータを生成する。
【0082】
ステップS65において、表示部41は、枠付画像を表示する。
【0083】
このようにしてステップS65の処理で枠付画像が表示されると、処理はステップS66に進む。或いはまた、表示対象の画像のデータが取得されなかった場合には、ステップS66においてNOであると判定されて、ステップS62乃至S65の処理は実行されずに、処理はステップS66に進む。
【0084】
ステップS66において、枠付画像出力制御部56は、処理の終了指示があったか否かを判定する。詳細には、枠付画像出力制御部56は、ユーザによる入力部16への操作による処理の終了指示の有無を判定する。
【0085】
ユーザによる処理の終了指示が未だにされていない場合には、ステップS66において、NOであると判定されて、処理はステップS61に戻され、それ以降の処理が繰り返えされる。即ち、新たな表示対象の画像のデータが取得されると、ステップS61において、YESであると判定されて、ステップS62乃至S65の処理が実行される。これにより、再生パターン毎の新たな表示対象の画像に対して、再生パターンに従った新たな枠が付された画像、即ち、新たな枠付画像が表示される。
【0086】
次に、このような枠付画像表示処理のステップS62の枠画像決定処理の詳細について説明する。
図12は、図11の枠付画像表示処理のうち、ステップS62の枠画像決定処理の詳細を説明するフローチャートである。
上述したように枠画像決定処理は、画像取得部51により表示対象の画像のデータが取得されたと判定され、ステップS61の処理でYESであること判定されたことを契機として、ステップS62の処理として開始される。
【0087】
ステップS71において、構図解析部52は、表示対象の画像のデータを原画像のデータとして用いて、当該原画像の構図を解析することによって、処理対象領域を決定する。
【0088】
ステップS72において、HSV抽出部53は、処理対象領域についての、色相、明度、及び彩度(HSV値)を抽出する。
【0089】
ステップS73において、調和色特定部54は、HSV抽出部53の抽出結果のうち、に色相に基づいて、処理対象領域についての、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色を特定する。詳細には、調和色特定部54は、ステップS22の処理でHSV抽出部53により抽出された処理対象領域の色相、明度、及び彩度(HSV値)により特定される色を基準色として、基準色との色相の差の観点で、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色に属する色を特定する。即ち、図5及び図6(ただし、図6の表では、「明度」及び「彩度」の項目は除く)を参照して、当該基準色に対する、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定される。
【0090】
ステップS74において、枠決定部55は、3種色の各々に対して、複数パターンの枠画像のデータの各々を生成する。
なお、ステップS73の処理では、第1実施形態のステップS23の処理と同様に、基準色との色相の差によって、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定されている。しかしながら、図6や図7に示すように、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色の特定には、基準色との色相の差のみならず、基準色との明度の差及び彩度の差も考慮する必要がある。
従って、ステップS74の処理では、色相の差によって特定された3種色の各々に対して、さらに、明度の差及び彩度の差も考慮されて、具体的な3種類色の各々が決定されて、枠の画像のデータが生成される。
なお、原画像に付加される枠の画像は原則として1つであるため、3種類色のうちの所定の1種類色が予め決定され、枠決定部55は、当該1種類色の枠の画像のデータのみを生成してもよい。或いは、3種類色の各々の枠の画像がユーザに表示され、ユーザが、入力部16を操作して、所望の1枚の枠の画像を選択するようにしてもよい。
【0091】
ステップS75において、枠決定部55は、3種色の各々に対して生成した複数パターンの枠画像のデータの再生順番を示す再生パターンを設定する。これにより、第3実施形態の枠画像決定処理は終了となる。即ち、図11の枠付画像表示処理のステップS62が終了し、処理は、ステップS63に進む。その結果、ステップS63の処理で付加対象として決定された枠の画像(新たに生成された枠の画像)が、原画像に付加されて表示される。
【0092】
以上説明したように、上記第1乃至第3実施形態における画像出力装置1は、画像取得部51と、構図解析部52と、HSV抽出部53と、枠決定部55と、枠付画像出力制御部56と、を備える。
画像取得部51は、表示対象の画像を原画像のデータとして取得する。
構図解析部52は、画像取得部51により取得された原画像のデータに基づいて、当該原画像の構図を解析することによって、原画像内の処理対象領域を決定する。
HSV抽出部53は、構図解析部52により決定された処理対象領域についての、色彩、明度、及び彩度(HSV値)を抽出する。
枠決定部55は、HSV抽出部53による抽出結果に基づいて、原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する。
枠付画像出力制御部56は、枠決定部55により決定された色で原画像を取り込んで表示部41に表示されるように、原画像のデータの出力を制御する。
【0093】
従って、第1乃至第3実施形態における画像出力装置1においては、表示対象の原画像の処理対象の色にとって適切な色の枠の画像が決定され、当該枠の画像が原画像に付加されて表示部41に表示される。
このようにして、第1乃至第3実施形態における画像出力装置1においては、表示対象の原画像を、より効果的に表示することができる枠の画像を付加することが可能になる。
【0094】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0095】
上述の実施形態では、画像のデータから直接的に読み取れる色の情報に基づいて、調和色等が決定されたが、特にこれに限られず、例えば、画像のデータから副次的に読み取れる情報に基づいて、調和色等を決定するようにしてもよい。具体的には例えば、山の風景画が原画像である場合、茶色や黄色等が多く見られるときは、季節が「秋」であるという副次的な情報が読み取られる。この場合、各季節毎に、その季節にとって調和する色が調和色として対応付けられていれば、「秋」に対応する調和色を、当該原画像に付加する枠の色として決定することができる。
【0096】
また、上述の実施形態では、枠の色は調和色が採用されたが、特にこれに限られない。例えば、不調和色を枠の色として採用することも可能である。この場合、表示対象の原画像を引き立たせるようなプラスの効果があるような不調和色であってもよいし、逆に、表示対象の原画像が引き立たなくなるようなマイナスの効果があるような不調和色であってもよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、原画像に付加される枠は、画像とされたが、特にこれに限定されない。即ち、原画像を取り囲み、かつ、色が変化する対象であれば、枠として採用することができる。例えば、表示部41の周囲に配置される複数のLEDからなるLED部42(図1)を枠として設定することができる。
【0098】
この場合、本発明に係る画像出力装置1の枠付画像出力制御部56は、原画像のデータを表示部41に出力する制御を実行するとともに、さらに、LED部42の発光状態の制御を実行する。これにより、発光状態が制御されたLED部42が枠として付加された状態で、原画像を表示部41に表示される。
【0099】
また、上述の実施形態では、画像出力装置1は、表示部41により表示対象の画像を表示して出力したが、特にこれに限られない。画像出力装置1の出力は、例えば、印刷により行われるように構成してもよい。
【0100】
また、上述の実施形態では、枠の色を決定する場合には、図3及び図4に示すマンセル・カラー・システム(Munsell Collor System)が採用されていたが、特にこれに限られず、色を定量的に表すことができる任意の表色系を採用することができる。
【0101】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される画像出力装置1は、デジタルフォトフレームを例として説明したが、特にこれに限定されない。本発明は、原画像を、より効果的に表示することができる枠とともに画像を出力することができればよく、電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビ、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話装置、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0102】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図2の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が画像出力装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2の例に限定されない。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0103】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0104】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図1のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図1のROM12や、図1の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0105】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定することは意図していない。本発明はその他の様々な実施の形態を取ることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書や図面に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0107】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
原画像の画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析手段と、
前記解析手段により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像出力装置。
[付記2]
前記決定手段は、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色とともにこの色で表示される枠の画像データを決定し、
前記出力制御手段は、前記枠の画像データと前記原画像の画像データとを合成することによって、前記枠が付加された前記原画像の合成画像データを生成して、前記合成画像データの出力を制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の画像出力装置。
[付記3]
前記原画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の周囲に設けられる複数種の発光色で発光する発光手段と、
前記出力制御手段は、前記決定手段によって決定された色で発光するよう前記発光手段を制御する発光色制御手段を含む
ことを特徴とする付記1に記載の画像出力装置。
[付記4]
前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記解析手段により処理対象として決定された領域との調和色を特定する特定手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記特定手段により特定された前記調和色を、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色として決定する、
ことを特徴とする付記1乃至3の何れか1項に記載の画像出力装置。
[付記5]
前記解析手段は、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内に含まれる顔を検出し、当該顔を含む領域を、処理対象の領域として決定する、
ことを特徴とする付記1乃至4の何れか1項に記載の画像出力装置。
[付記6]
前記決定手段は、前記解析手段によって決定された処理対象の領域を強調する枠を、前記原画像に付加する枠として決定する、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか1項に記載の画像出力装置。
[付記7]
原画像の画像データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析ステップと、
前記解析ステップの処理により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップの処理による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする画像出力方法。
[付記8]
原画像の画像データを取得する取得機能と、
前記取得機能の発揮により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析機能と、
前記解析機能の発揮により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出機能と、
前記抽出機能の発揮による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定機能と、
前記決定機能の発揮により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0108】
1・・・画像出力装置、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、41・・表示部、42・・・LED部、51・・・画像取得部、52・・・構図解析部、53・・・HSV抽出部、54・・・調和色特定部、55・・・枠決定部、56・・・枠付画像出力制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置、画像出力方法及びプログラムに関し、原画像をより効果的に見せることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、額縁に入れられた絵画や銀塩写真等が飾られるように、デジタル写真(原画像)の周縁に枠の画像を合成することによって、当該原画像を効果的に見せる手法が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、複数の枠の中から決定された一の枠の画像を原画像に合成して表示する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−300360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の手法では、原画像に合成される枠の画像は、デフォルトの設定、あるいはユーザの選択操作により決定されていた。このため、このような枠の画像が原画像に合成されたとしても、合成された枠の画像が当該原画像をより効果的に見せるものである画像とは限らなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、適切な枠の画像を表示対象の画像とともに表示させることで、より効果的に表示対象の画像を見せることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の画像出力装置は、原画像の画像データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析手段と、前記解析手段により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出手段と、前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、適切な枠の画像を表示対象の画像とともに表示させることで、より効果的に表示対象の画像を見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像出力装置の機能的構成のうち、枠付画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】マンセルの色相における総体を順序立てて円環状に表示したマンセルの色相環を示す概念図である。
【図4】色相ごとの明度と彩度の一例を表示したマンセルの色票を示す概念図である。
【図5】ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された色相の差による調和を基準色に対して円形図示した概念図である。
【図6】ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された色相、明度及び彩度の差による調和を基準色に対して数値にした表である。
【図7】ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された明度及び彩度の差による調和を基準色に対して円形図示した概念図である。
【図8】図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置が実行する枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図9】図7の枠付画像表示処理のうち、枠画像決定処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図10】図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置が実行する枠画像決定処理の流れを説明するフローチャートの他の変形例を示す図である。
【図11】図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置が実行する第2実施形態における枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図12】図11の枠付画像表示処理のうち、枠画像決定処理の詳細を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る画像出力装置1の一実施形態としてのハードウェアの構成を示すブロック図である。
画像出力装置1は、例えばデジタルフォトフレームとして構成される。
【0012】
画像出力装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0013】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0014】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0015】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ23が接続されている。
【0016】
入力部16は、各種釦等の操作部で構成され、ユーザの指示操作を受け付ける。
【0017】
出力部17は、画像等の各種情報を出力すべく、表示部41と、LED部42と、を備えている。
表示部41は、画像を表示可能なディスプレイ等により構成される。
LED部42は、図示はしないが表示部41の周囲を覆うように配置される、複数のLED(Light Emitting Diode)より構成される。複数のLEDの発光状態が制御されることによって、各種情報が出力される。
【0018】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、表示対象の原画像や、当該原画像に合成され得る枠の画像等の各種画像のデータを記憶する。記憶部18はまた、後述する図3乃至図7に示すような表示対象の画像の調和色を決定するために用いる色の関係を示したデータ等を記憶する。
【0019】
通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0020】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0021】
図2は、このような画像出力装置1の機能的構成のうち、枠付画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
枠付画像表示処理とは、表示対象の原画像に対して枠の画像を合成して表示部41に表示させるまでの一連の処理をいう。
【0022】
図2において、CPU11は、画像取得部51と、構図解析部52と、HSV抽出部53と、調和色特定部54と、枠決定部55と、枠付画像出力制御部56と、を備えている。
【0023】
なお、画像取得部51乃至枠付画像出力制御部56は、本実施形態では、CPU11と、当該CPU11により実行されるプログラムとの組み合わせ、即ち、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより構成されている。しかしながら、これは例示であって、画像取得部51乃至枠付画像出力制御部56の機能の少なくとも一部を、CPU11以外の他の構成要素に移譲させることも当然可能である。
【0024】
画像取得部51は、例えば、通信部19やリムーバブルメディア31から表示対象の画像のデータを、原画像のデータとして取得する。
【0025】
構図解析部52は、画像取得部51により取得された原画像のデータに基づいて、当該原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象領域を決定する。
【0026】
ここで、処理対象領域とは、後述するHSV抽出部53において色の特性が抽出される領域をいう。詳細については後述するが、この色の特性に基づいて、原画像に付加される枠の画像の色等が決定される。従って、構図解析部52による原画像の構図の解析手法としては、原画像に付加される枠の画像の色等の決定手法に応じて、各種各様の手法が採用される。そこで、構図解析部52による原画像の構図の解析手法の具体例については、原画像に付加される枠の画像の色等の決定手法とともに後述する。
【0027】
HSV抽出部53は、構図解析部52により決定された処理対象領域の色の特性として、色相(Hue)、彩度(Saturtion/Chroma)及び明度(Brightness Lightness Value)の3つの成分を抽出する。
例えば、原画像のデータの色の特性が、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの成分からなるRGB色空間により表わされているものとする。この場合、処理対象領域のデータに対して、RGB色空間からHSV色空間に色空間変換する変換処理が施され、その変換処理の結果に基づいて、処理対象領域についての、色相、彩度及び明度の各値(以下、これらをまとめて「HSV値」と呼ぶ)が抽出される。なお、HSV色空間等の詳細については、図3及び図4を参照して後述する。
ここで、処理対象領域は複数の画素から構成されているため、HSV抽出部53による変換処理が実行された段階では、各画素毎のHSV値が得られている。そこで、HSV抽出部53は、処理対象領域を構成する各画素のHSV値を用いて所定の演算を行うことにより、処理対象領域全体としての色(HSV値)を抽出する。この場合の所定の演算は、特に限定されず、例えば、単純な平均を取る演算を採用してもよいし、メディアン値を取る演算を採用してもよい。要するに、当該処理対象領域を含む原画像が、枠の画像により、より効果的に表示されるように、当該処理対象領域の色を抽出できれば足り、演算手法自体は任意でよい。
【0028】
調和色特定部54は、HSV抽出部53により抽出された処理対象領域における色(HSV値)に対する、調和色や不調和色を特定する。調和色や不調和色の詳細については、図5乃至図7を参照して後述する。
【0029】
枠決定部55は、調和色特定部54による調和色や不調和色の特定結果に基づいて原画像に付加する枠の画像(原画像の周囲を取り囲む範囲の色で表示される枠の画像)を決定する。
枠の画像を決定する手法は、特に限定されず、例えば、記憶部18に記憶されている1以上の枠の画像のデータの中から選択的に決定する、といった手法を採用することができる。また例えば、記憶部18に記憶されている所定の枠の画像のデータに基づいて新たな枠の画像のデータを生成し、当該新たな枠の画像を原画像に付加すると決定する、といった手法を採用することもできる。
【0030】
枠付画像出力制御部56は、画像取得部51により取得された原画像のデータに対して、枠決定部55により決定された枠の画像のデータを合成することによって、合成画像(以下、「枠付画像」と呼ぶ)のデータを生成する。そして、枠付画像出力制御部56は、枠付画像のデータを表示部41に出力する制御を実行する。これにより、枠付画像が表示部41に表示される。即ち、原画像の周囲に、枠決定部55により決定された枠の画像が付加されて表示部41に表示される。
【0031】
さらに以下、このような機能的構成のCPU11による枠付画像のデータの生成手法の詳細について、図3乃至図7を適宜参照して説明する。
【0032】
上述したように、本実施形態では、原画像のうち処理対象領域の色に対する調和色や不調和色が特定され、この特定された調和色や不調和色に基づいて、原画像に付加される枠の画像が決定される。このような一連の処理において用いられる色空間は、本実施形態では、HSV色空間が採用されている。
【0033】
ここで、HSV色空間とは、色相、彩度、明度の3つの成分からなるHSVモデル(HSV model)で表される色空間をいう。このようなHSVモデルとして、本実施形態では、図3及び図4に示すいわゆるマンセル・カラー・システム(Munsell Collor System)が採用されている。
【0034】
図3は、マンセルの色相環を示す概念図である。
図4は、所定の色相についての明度と彩度の一例を表示したマンセルの色票を示す概念図である。
即ち、色相(H)は、赤、黄、緑、青、紫等の色の様相の相違を示すものであり、その総体を順序立てて円環状に表わしたものが図3に示す色相関である。R(赤)、YR(黄赤)、Y(黄)、GY(黄緑)、G(緑)、BG(青緑)、B(青)、PB(紫青)、P(紫)、及びRP(赤紫)が基本10色とされ、その順に円環状に配置される。
この場合、所定の色相(H)については、図4に示すような2次元平面上のマンセルの色票によって、明度(V)と彩度(S)が表現される。なお、図4の例では、色相(H)が赤(2.5R)についての、明度(V)と彩度(S)が示されている。
明度(V)は、色の明るさを示すものであり、図4の例の色票では、下限からの垂直上方向の距離を示す値で表現される。具体的には、明度(V)=0が最も暗い色(黒)を示し、明度(V)=10が最も明るい色(白)を示している。即ち、明度(V)が大きな値になるほど、明るい色になっていく。
また、彩度(S)は、色の鮮やかさを示すものであり、図4の例の色票では、右限からの水平左方向の距離を示す値で表現される。具体的には、彩度(S)=0が無彩を示し、彩度(S)が大きな値になるほど、鮮やかな色になっていく。ただし、彩度(S)は、色相(H)と明度(S)の組み合わせによって、最大値が異なる。
【0035】
本実施形態においては、上述したように、HSV抽出部53は、このようなマンセルの色相環及びマンセルの色票に基づいて、原画像の処理対象領域の色(HSV値)を抽出する。すると、調和色特定部54は、処理対象領域の色(HSV値)に対する調和色や不調和色を特定する。
このような調和色や不調和色を特定する手法は、特に限定されないが、本実施形態では、色の調和を定量的に示した、ムーン&スペーサの色彩調和論に基づく手法が採用されている。そこで、以下、このような手法の詳細について、図5乃至図7を参照して説明する。
【0036】
図5は、ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された、基準色との色相の差の点で、当該基準色の調和色及び不調和色を円形図示した概念図である。
ムーン&スペンサー色調和論では、図3及び図4に示すいわゆるマンセル・カラー・システムに基づいて設定される色空間ωにおいて、明快な幾何学的関係の配色が調和配色とされ、曖昧な関係の配色が不調和とされる。
具体的には、基準色との調和配色は、同一調和、類似調和又は対比調和に属する色である。基準色との不調和配色は、第1不調和(第1不明瞭)、第2不調和(第2同一調和)、又は、眩輝の不調和に属する色である。
図5に示すように、基準色との色相の差の点に着目し、同図の円周上の基準色の位置(最上位の位置)からみて左周り及び右周りにそれぞれ、同一調和、第一不調和、類似調和、第二不調和及び対比調和が、その順番で配置される。
【0037】
図6は、ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された、基準色との色相、明度、彩度の差の点で、当該基準色の調和色又は不調和色の種類を特定するための基準を示している。
図6に示す表は行列構造を有しているため、以下、図6中横方向の項目の集合体を「行」と呼び、同図中縦方向の項目の集合体を「列」と呼ぶ。
図6の表では、「種類」、「色相差/角度」、「明度」、及び、「彩度」の各項目が、各行毎に対応付けられて配置されている。
即ち、所定の行の「種類」の項目には、基準色の調和色又は不調和色の種類が示されている。
当該所定の行の「色相差/角度」は、同一の行の最左方の「種類」の調和色又は不調和色についての、基準色との色相の差の範囲、及び、当該色相の差を図5の円周上の角度(基準色を0度)に換算した値の範囲が示されている。
当該所定の行の「明度」は、同一の行の最左方の「種類」の調和色又は不調和色についての、基準色との明度の差の範囲が示されている。
当該所定の行の「彩度」は、同一の行の最左方の「種類」の調和色又は不調和色についての、基準色との彩度の差の範囲が示されている。
具体的には例えば、図6の1行目に着目すると、基準色と比較して、「色相差/角度」が0乃至1j.n.d/±0度乃至1度の範囲内であり、「明度」が0乃至1j.n.dの範囲内であり、「彩度」が0乃至1j.n.dの範囲内である色が、「同一調和」という種類の調和色に分類される。
【0038】
図7は、ムーン&スペンサーの色調和論に基づいて作成された、基準色との明度の差及び彩度の差の点で、当該基準の調和色及び不調和色を円形図示した概念図である。
明度の差及び彩度の差の点に着目した場合にも、図7の円周上の基準色の位置(最上位の位置)からみて左周り及び右周りにそれぞれ、同一調和、第一不明瞭、類似調和、第二不明瞭及び対比調和が、その順番で配置される。
【0039】
ここで、基準色としては、図2のHSV抽出部53により抽出されたHSV値を有する、原画像の処理対象領域の色が採用される。即ち、調和色特定部54は、図5乃至図7を参照して上述したムーン&スペンサーの色調和論に基づいて、原画像の処理対象領域の色に対する調和色及び不調和色を特定する。すると、枠決定部55は、このようにして特定された調和色及び不調和色に基づいて、原画像に付する枠を決定する。
【0040】
このように、原画像に付する枠は、原画像の処理対象領域の色に対する調和色及び不調和色に基づいて決定されるため、原画像を効果的に表示できる枠を設定するためには、適切な処理対象領域の設定が必要になる。即ち、処理対象領域の設定は、構図解析部52による原画像の構図の解析に基づいて行われるため、構図解析部52に適用する構図の解析手法を適切にする必要がある。構図の解析手法としては、例えば、被写体を含む領域を処理対象領域として設定可能な、構図の解析手法を構図解析部52に適用するとよい。この場合、処理対象領域の色は、主に被写体の色となるため、被写体の色に対する調和色や不調和色に基づく枠、即ち、被写体を含む原画像をより効果的に表示できる枠の設定が可能になる。具体的には例えば、被写体が人物である場合には、人物の顔を検出する任意の顔検出手法を、構図の解析手法として構図解析部52に適用することができる。この場合、人物の顔の色、即ち肌色に対する調和色や不調和色に基づく枠、即ち人物を含む原画像をより効果的に表示できる枠の設定が可能になる。
また例えば、原画像の多くを占める領域等、原画像全体の印象を特徴付ける領域を処理対象領域として設定可能な、構図の解析手法を構図解析部52に適用するとよい。この場合、例えば、原画像が風景画であるならば、当該風景画に写り込んでいる山や海等が処理対象領域となる。よって、山の緑色や海の青色等に対する調和色や不調和色に基づく枠、即ち山や海等を含む原画像をより効果的に表示できる枠の設定が可能になる。
【0041】
以上、図2乃至図7を参照して、本実施形態の画像出力装置1の機能的構成について説明した。
次にこのような機能的構成を有する画像出力装置1が実行する処理のうち枠付画像表示処理の流れについて説明する。
図8は、図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置1が実行する枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【0042】
枠付画像表示処理は、本実施形態においては、ユーザが入力部16を操作して枠付画像表示の指示をしたことを契機として開始される。
【0043】
ステップS1において、画像取得部51は、表示対象の画像のデータを取得したか否かを判定する。
表示対象の画像のデータが取得された場合には、ステップS1において、YESであると判定されて、ステップS2に進む。
【0044】
ステップS2において、構図解析部52乃至枠決定部55は、表示対象の画像を原画像として、原画像に付加する枠の画像を決定するまでの一連の処理(以下、「枠画像決定処理」と呼ぶ)を実行する。ステップS2の枠画像決定処理の流れの詳細については、図9を用いて後述する。
【0045】
ステップS3において、枠付画像出力制御部56は、原画像に対して枠の画像を付加するように各データを合成することで、枠付画像のデータを生成する。
【0046】
ステップS4において、表示部41は、枠付画像を表示する。
【0047】
このようにしてステップS4の処理で枠付画像が表示されると、処理はステップS5に進む。或いはまた、表示対象の画像のデータが取得されなかった場合には、ステップS1においてNOであると判定されて、ステップS2乃至S4の処理は実行されずに、処理はステップS5に進む。
【0048】
ステップS5において、枠付画像出力制御部56は、処理の終了指示があったか否かを判定する。詳細には、枠付画像出力制御部56は、ユーザによる入力部16への操作による処理の終了指示の有無を判定する。
【0049】
ユーザによる処理の終了指示が未だなされていない場合には、ステップS5においてNOであると判定されて、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、新たな表示対象の画像のデータが取得されると、ステップS1においてYESであると判定されて、ステップS2乃至S4の処理が実行される。これにより、新たな表示対象の画像に対して新たな枠が付された画像、即ち、新たな枠付画像が表示される。
【0050】
その後、処理の終了指示があった場合には、ステップS5においてYESであると判定されて、枠付画像表示処理は終了する。
【0051】
次に、このような枠付画像表示処理のステップS2の枠画像決定処理の詳細について説明する。
図9は、図8の枠付画像表示処理のうち、ステップS2の枠画像決定処理の詳細を説明するフローチャートである。
上述したように、枠画像決定処理は、画像取得部51により表示対象の画像のデータが取得され、ステップS1の処理でYESであると判定されたことを契機として、ステップS2の処理として開始される。
【0052】
ステップS21において、構図解析部52は、表示対象の画像のデータを原画像のデータとして用いて、当該原画像の構図を解析することによって、処理対象領域を決定する。
【0053】
ステップS22において、HSV抽出部53は、処理対象領域についての、色相、明度、及び彩度(HSV値)を抽出する。
【0054】
ステップS23において、調和色特定部54は、HSV抽出部53の抽出結果のうち、に色相に基づいて、処理対象領域についての、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色を特定する。詳細には、調和色特定部54は、ステップS22の処理でHSV抽出部53により抽出された処理対象領域の色相、明度、及び彩度(HSV値)により特定される色を基準色として、基準色との色相の差の観点で、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色に属する色を特定する。即ち、図5及び図6(ただし、図6の表では、「明度」及び「彩度」の項目は除く)を参照して、当該基準色に対する、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定される。
【0055】
ステップS24において、枠決定部55は、3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像のデータが存在するか否かを判定する。詳細には、枠決定部55は、ステップS23の処理で特定された同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色のうち、少なくとも1種色の枠の画像が記憶部18に記憶されているか否かを判定する。
【0056】
3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像のデータが記憶部18に記憶されている場合には、ステップS24において、YESと判定されて、ステップS25に進む。
【0057】
ステップS25において、枠決定部55は、3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像として、複数の枠の画像のデータが存在するか否か、即ち記憶部18に記憶されているか否かを判定する。
3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像として、複数の枠の画像のデータが記憶部18に記憶されている場合には、ステップS25において、YESであると判定されて、ステップS26に進む。
【0058】
ステップS26において、枠決定部55は、明度及び彩度に基づいて、1以上の枠の画像のデータを選択する。
即ち、上述したステップS23の処理では、基準色との色相の差によって、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定されている。しかしながら、図6や図7に示すように、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色の特定には、基準色との色相の差のみならず、基準色との明度の差及び彩度の差も考慮する必要がある。
従って、ステップS26の処理では、色相の差によって特定された3種色のうち少なくとも1種類の枠の画像のデータが、明度の差及び彩度の差の点でも、3種類色に属する枠であるか否かが判断され、属すると判断された枠の画像のデータが選択される。
【0059】
ステップS27において、枠決定部55は、複数の枠の画像のデータが選択されたか否かを判定する。
ステップS26の処理で複数の枠の画像のデータが選択された場合には、ステップS27において、YESであると判定されて、処理はステップS28に進む。
【0060】
ステップS28において、枠決定部55は、ユーザによる1枚の枠の画像の選択操作を受け付ける。
詳細には、枠決定部55は、枠付画像出力制御部56を介して、ステップS27の処理で選択された複数の枠の画像のデータに基づいて、当該複数の枠の画像の各々を表示部41に選択可能に表示させる。ユーザは、入力部16を操作することによって、表示された複数の枠の画像の中から1枚の枠の画像を選択する。
【0061】
このようにして、ステップS26の処理で複数の枠の画像のデータが選択された場合には、ステップS27においてYESであると判定されて、上述したステップS28及びS29の処理が実行される。これにより、ユーザにより選択された1枚の枠の画像のデータが選抜されたので、処理はステップS29に進む。
これに対して、ステップS26の処理で1枚の枠の画像のデータが選択された場合には、ステップS27においてNOであると判定されて、処理はステップS29に進む。即ち、ステップS26の処理で1枚の枠の画像のデータが選択された場合には、1枚の枠の画像のデータを選抜する必要は特にないので、ステップS28及びS29の処理は実行されずに、処理はステップS29に進む。
【0062】
ステップS29において、枠決定部55は、このようにして選抜された1枚の枠の画像のデータを付加対象として決定する。
これにより、枠画像決定処理は終了となる。即ち、図8の枠付画像表示処理のステップS2が終了し、処理は、ステップS3に進む。その結果、ステップS29の処理で付加対象として決定された枠の画像が、原画像に付加されて表示される。
【0063】
以上、色相の差によって特定された3種色のうち少なくとも1種色の枠の画像のデータが記憶部18に記憶されていた場合の一連の処理、即ち、ステップS24においてYESであると判定された場合のそれ以降の処理について説明した。
以下、3種色の何れの色の枠の画像のデータが存在しない場合、即ち、ステップS24においてNOであると判定された場合のそれ以降の処理について説明する。
【0064】
この場合、ステップS24においてNOであると判定されると、処理はステップS30に進む。
ステップS30において、枠決定部55は、無彩色の複数の枠の画像(白色、灰色、黒色の各枠の画像)の中から、ユーザによる1枚の枠の画像の選択操作を受け付ける。
詳細には、枠決定部55は、枠付画像出力制御部56を介して、無彩色の複数の枠の画像(白色、灰色、黒色の各枠の画像)のデータに基づいて、当該複数の枠の画像の各々を表示部41に選択可能に表示させる。ユーザは、入力部16を操作することによって、表示された複数の枠の画像の中から1枚の枠の画像を選択する。
【0065】
ステップS29において、枠決定部55は、ステップS30の処理で選択された1枚の枠の画像のデータを付加対象として決定する。
これにより、枠画像決定処理は終了となる。即ち、図8の枠付画像表示処理のステップS2が終了し、処理は、ステップS3に進む。その結果、ステップS29の処理で付加対象として決定された枠の画像が、原画像に付加されて表示される。
【0066】
以上、本発明の第1実施形態に係る画像出力装置1について説明した。
次に、本発明の第2実施形態に係る画像出力装置1について説明する。
【0067】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る画像出力装置1は、第1実施形態に係る画像出力装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。
従って、図1は、第2実施形態に係る画像出力装置1のハードウェアの構成を示すブロック図でもある。第2実施形態に係るは、第1実施形態と同様に、例えばデジタルフォトフレームにより構成することができる。
また、図2は、第2実施形態に係る画像出力装置1の機能的構成のうち、枠付画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図でもある。
【0068】
さらに、第2実施形態に係る画像出力装置1が実行する枠付画像表示処理は、第1実施形態に係る枠付画像表示処理と基本的に同様の流れとなる。従って、図8は、第2実施形態に係る枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートでもある。
ただし、第2実施形態では、枠付画像表示処理のうちステップS2の枠画像決定処理については、第1実施形態で採用された図9のフローチャートではなく、図10のフローチャートが採用される。
図10は、図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置1が実行する、第2実施形態に係る枠画像決定処理の流れを説明するフローチャートである。
【0069】
上述した第1実施形態における図9の枠画像決定処理では、予め記憶されていた枠の画像のデータが、原画像の付加用に用いられていたのに対して、第2実施形態における図10の枠画像処理では、枠の画像データが生成されて、原画像の付加用に用いられる点が差異点である。詳細には、第2実施形態では、第1実施形態に係るステップS24乃至S28の処理に代えて、ステップS44の処理が実行される点が差異点である。
そこで、以下、このような差異点について主に説明し、一致点の説明は適宜省略する。
【0070】
枠画像決定処理は、画像取得部51により表示対象の画像のデータが取得され、ステップS1の処理でYESであると判定されたことを契機として、ステップS2の処理として開始される。
この場合、第1実施形態におけるステップS21乃至S23の各処理と同様の、ステップS41乃至S43の処理が実行される。これにより、基準色(原画像の処理対象領域の色)との色相の差の観点で、当該基準色に対する、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定される。これにより、処理はステップS44に進む。
【0071】
ステップS44において、枠決定部55は、3種色の各々の枠画像のデータを生成する。
なお、ステップS43の処理では、第1実施形態のステップS23の処理と同様に、基準色との色相の差によって、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定されている。しかしながら、図6や図7に示すように、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色の特定には、基準色との色相の差のみならず、基準色との明度の差及び彩度の差も考慮する必要がある。
従って、ステップS44の処理では、色相の差によって特定された3種色の各々に対して、さらに、明度の差及び彩度の差も考慮されて、具体的な3種類色の各々が決定されて、枠の画像のデータが生成される。
なお、原画像に付加される枠の画像は原則として1つであるため、3種類色のうちの所定の1種類色が予め決定され、枠決定部55は、当該1種類色の枠の画像のデータのみを生成してもよい。或いは、3種類色の各々の枠の画像がユーザに表示され、ユーザが、入力部16を操作して、所望の1枚の枠の画像を選択するようにしてもよい。
【0072】
ステップS45において、枠決定部55は、ステップS45の処理で生成した3種色の各々の枠の画像のデータのうちの所定の1つを付加対象として決定する。
これにより、第2実施形態の枠画像決定処理は終了となる。即ち、図8の枠付画像表示処理のステップS2が終了し、処理は、ステップS3に進む。その結果、ステップS29の処理で付加対象として決定された枠の画像(新たに生成された枠の画像)が、原画像に付加されて表示される。
【0073】
以上、本発明の第2実施形態に係る画像出力装置1について説明した。
次に、本発明の第3実施形態に係る画像出力装置1について説明する。
【0074】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る画像出力装置1は、第1実施形態に係る画像出力装置1と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。
従って、図1は、第2実施形態に係る画像出力装置1のハードウェアの構成を示すブロック図でもある。第3実施形態に係るは、第1実施形態と同様に、例えばデジタルフォトフレームより構成することができる。
また、図2は、第2実施形態に係る画像出力装置1の機能的構成のうち、枠付画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図でもある。
【0075】
ただし、第1実施形態に係る画像出力装置1が実行する枠付画像表示処理では、表示対象の画像は1枚(別の画像を表示するまでには明示の切り替え指示が必要)であった。これに対して、第3実施形態に係る画像出力装置1が実行する枠付画像表示処理では、表示対象は複数の画像であり、当該複数の画像が連続的に再生される。
このため、第3実施形態では、枠付画像表示処理については、第1実施形態で採用された図8のフローチャートではなく、図11のフローチャートが採用される。
【0076】
図11は、図2の機能的構成を有する図1の画像出力装置1が実行する、第3実施形態に係る枠付画像表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【0077】
枠付画像表示処理は、本実施形態においては、ユーザが入力部16を操作して枠付画像表示の指示をしたことを契機として開始される。
【0078】
ステップS61において、画像取得部51は、表示対象の画像のデータを取得したか否かを判定する。
表示対象の画像のデータが取得された場合には、ステップS61において、YESである判定されて、ステップS62に進む。
【0079】
ステップS62において、構図解析部52乃至枠決定部55は、枠画像決定処理を行う。
ステップS62における枠決定部55により枠画像決定処理の流れの詳細については、図12を用いて、後述する。
【0080】
ステップS63において、枠決定部55は、再生パターンに従って、付加対象の枠画像を設定する。
【0081】
ステップS64において、枠付画像出力制御部56は、表示対象の画像に対して、設定された枠画像を付加するように各データを合成することで、枠付画像のデータを生成する。
【0082】
ステップS65において、表示部41は、枠付画像を表示する。
【0083】
このようにしてステップS65の処理で枠付画像が表示されると、処理はステップS66に進む。或いはまた、表示対象の画像のデータが取得されなかった場合には、ステップS66においてNOであると判定されて、ステップS62乃至S65の処理は実行されずに、処理はステップS66に進む。
【0084】
ステップS66において、枠付画像出力制御部56は、処理の終了指示があったか否かを判定する。詳細には、枠付画像出力制御部56は、ユーザによる入力部16への操作による処理の終了指示の有無を判定する。
【0085】
ユーザによる処理の終了指示が未だにされていない場合には、ステップS66において、NOであると判定されて、処理はステップS61に戻され、それ以降の処理が繰り返えされる。即ち、新たな表示対象の画像のデータが取得されると、ステップS61において、YESであると判定されて、ステップS62乃至S65の処理が実行される。これにより、再生パターン毎の新たな表示対象の画像に対して、再生パターンに従った新たな枠が付された画像、即ち、新たな枠付画像が表示される。
【0086】
次に、このような枠付画像表示処理のステップS62の枠画像決定処理の詳細について説明する。
図12は、図11の枠付画像表示処理のうち、ステップS62の枠画像決定処理の詳細を説明するフローチャートである。
上述したように枠画像決定処理は、画像取得部51により表示対象の画像のデータが取得されたと判定され、ステップS61の処理でYESであること判定されたことを契機として、ステップS62の処理として開始される。
【0087】
ステップS71において、構図解析部52は、表示対象の画像のデータを原画像のデータとして用いて、当該原画像の構図を解析することによって、処理対象領域を決定する。
【0088】
ステップS72において、HSV抽出部53は、処理対象領域についての、色相、明度、及び彩度(HSV値)を抽出する。
【0089】
ステップS73において、調和色特定部54は、HSV抽出部53の抽出結果のうち、に色相に基づいて、処理対象領域についての、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色を特定する。詳細には、調和色特定部54は、ステップS22の処理でHSV抽出部53により抽出された処理対象領域の色相、明度、及び彩度(HSV値)により特定される色を基準色として、基準色との色相の差の観点で、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色に属する色を特定する。即ち、図5及び図6(ただし、図6の表では、「明度」及び「彩度」の項目は除く)を参照して、当該基準色に対する、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定される。
【0090】
ステップS74において、枠決定部55は、3種色の各々に対して、複数パターンの枠画像のデータの各々を生成する。
なお、ステップS73の処理では、第1実施形態のステップS23の処理と同様に、基準色との色相の差によって、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色が特定されている。しかしながら、図6や図7に示すように、同一調和色、類似調和色、及び対比調和色の3種色の特定には、基準色との色相の差のみならず、基準色との明度の差及び彩度の差も考慮する必要がある。
従って、ステップS74の処理では、色相の差によって特定された3種色の各々に対して、さらに、明度の差及び彩度の差も考慮されて、具体的な3種類色の各々が決定されて、枠の画像のデータが生成される。
なお、原画像に付加される枠の画像は原則として1つであるため、3種類色のうちの所定の1種類色が予め決定され、枠決定部55は、当該1種類色の枠の画像のデータのみを生成してもよい。或いは、3種類色の各々の枠の画像がユーザに表示され、ユーザが、入力部16を操作して、所望の1枚の枠の画像を選択するようにしてもよい。
【0091】
ステップS75において、枠決定部55は、3種色の各々に対して生成した複数パターンの枠画像のデータの再生順番を示す再生パターンを設定する。これにより、第3実施形態の枠画像決定処理は終了となる。即ち、図11の枠付画像表示処理のステップS62が終了し、処理は、ステップS63に進む。その結果、ステップS63の処理で付加対象として決定された枠の画像(新たに生成された枠の画像)が、原画像に付加されて表示される。
【0092】
以上説明したように、上記第1乃至第3実施形態における画像出力装置1は、画像取得部51と、構図解析部52と、HSV抽出部53と、枠決定部55と、枠付画像出力制御部56と、を備える。
画像取得部51は、表示対象の画像を原画像のデータとして取得する。
構図解析部52は、画像取得部51により取得された原画像のデータに基づいて、当該原画像の構図を解析することによって、原画像内の処理対象領域を決定する。
HSV抽出部53は、構図解析部52により決定された処理対象領域についての、色彩、明度、及び彩度(HSV値)を抽出する。
枠決定部55は、HSV抽出部53による抽出結果に基づいて、原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する。
枠付画像出力制御部56は、枠決定部55により決定された色で原画像を取り込んで表示部41に表示されるように、原画像のデータの出力を制御する。
【0093】
従って、第1乃至第3実施形態における画像出力装置1においては、表示対象の原画像の処理対象の色にとって適切な色の枠の画像が決定され、当該枠の画像が原画像に付加されて表示部41に表示される。
このようにして、第1乃至第3実施形態における画像出力装置1においては、表示対象の原画像を、より効果的に表示することができる枠の画像を付加することが可能になる。
【0094】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0095】
上述の実施形態では、画像のデータから直接的に読み取れる色の情報に基づいて、調和色等が決定されたが、特にこれに限られず、例えば、画像のデータから副次的に読み取れる情報に基づいて、調和色等を決定するようにしてもよい。具体的には例えば、山の風景画が原画像である場合、茶色や黄色等が多く見られるときは、季節が「秋」であるという副次的な情報が読み取られる。この場合、各季節毎に、その季節にとって調和する色が調和色として対応付けられていれば、「秋」に対応する調和色を、当該原画像に付加する枠の色として決定することができる。
【0096】
また、上述の実施形態では、枠の色は調和色が採用されたが、特にこれに限られない。例えば、不調和色を枠の色として採用することも可能である。この場合、表示対象の原画像を引き立たせるようなプラスの効果があるような不調和色であってもよいし、逆に、表示対象の原画像が引き立たなくなるようなマイナスの効果があるような不調和色であってもよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、原画像に付加される枠は、画像とされたが、特にこれに限定されない。即ち、原画像を取り囲み、かつ、色が変化する対象であれば、枠として採用することができる。例えば、表示部41の周囲に配置される複数のLEDからなるLED部42(図1)を枠として設定することができる。
【0098】
この場合、本発明に係る画像出力装置1の枠付画像出力制御部56は、原画像のデータを表示部41に出力する制御を実行するとともに、さらに、LED部42の発光状態の制御を実行する。これにより、発光状態が制御されたLED部42が枠として付加された状態で、原画像を表示部41に表示される。
【0099】
また、上述の実施形態では、画像出力装置1は、表示部41により表示対象の画像を表示して出力したが、特にこれに限られない。画像出力装置1の出力は、例えば、印刷により行われるように構成してもよい。
【0100】
また、上述の実施形態では、枠の色を決定する場合には、図3及び図4に示すマンセル・カラー・システム(Munsell Collor System)が採用されていたが、特にこれに限られず、色を定量的に表すことができる任意の表色系を採用することができる。
【0101】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される画像出力装置1は、デジタルフォトフレームを例として説明したが、特にこれに限定されない。本発明は、原画像を、より効果的に表示することができる枠とともに画像を出力することができればよく、電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビ、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話装置、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0102】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図2の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が画像出力装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2の例に限定されない。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0103】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0104】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図1のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図1のROM12や、図1の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0105】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定することは意図していない。本発明はその他の様々な実施の形態を取ることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書や図面に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0107】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
原画像の画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析手段と、
前記解析手段により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像出力装置。
[付記2]
前記決定手段は、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色とともにこの色で表示される枠の画像データを決定し、
前記出力制御手段は、前記枠の画像データと前記原画像の画像データとを合成することによって、前記枠が付加された前記原画像の合成画像データを生成して、前記合成画像データの出力を制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の画像出力装置。
[付記3]
前記原画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の周囲に設けられる複数種の発光色で発光する発光手段と、
前記出力制御手段は、前記決定手段によって決定された色で発光するよう前記発光手段を制御する発光色制御手段を含む
ことを特徴とする付記1に記載の画像出力装置。
[付記4]
前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記解析手段により処理対象として決定された領域との調和色を特定する特定手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記特定手段により特定された前記調和色を、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色として決定する、
ことを特徴とする付記1乃至3の何れか1項に記載の画像出力装置。
[付記5]
前記解析手段は、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内に含まれる顔を検出し、当該顔を含む領域を、処理対象の領域として決定する、
ことを特徴とする付記1乃至4の何れか1項に記載の画像出力装置。
[付記6]
前記決定手段は、前記解析手段によって決定された処理対象の領域を強調する枠を、前記原画像に付加する枠として決定する、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか1項に記載の画像出力装置。
[付記7]
原画像の画像データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析ステップと、
前記解析ステップの処理により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップの処理による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする画像出力方法。
[付記8]
原画像の画像データを取得する取得機能と、
前記取得機能の発揮により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析機能と、
前記解析機能の発揮により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出機能と、
前記抽出機能の発揮による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定機能と、
前記決定機能の発揮により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0108】
1・・・画像出力装置、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、41・・表示部、42・・・LED部、51・・・画像取得部、52・・・構図解析部、53・・・HSV抽出部、54・・・調和色特定部、55・・・枠決定部、56・・・枠付画像出力制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像の画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析手段と、
前記解析手段により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色とともにこの色で表示される枠の画像データを決定し、
前記出力制御手段は、前記枠の画像データと前記原画像の画像データとを合成することによって、前記枠が付加された前記原画像の合成画像データを生成して、前記合成画像データの出力を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記原画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の周囲に設けられる複数種の発光色で発光する発光手段と、
前記出力制御手段は、前記決定手段によって決定された色で発光するよう前記発光手段を制御する発光色制御手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記解析手段により処理対象として決定された領域との調和色を特定する特定手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記特定手段により特定された前記調和色を、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色として決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記解析手段は、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内に含まれる顔を検出し、当該顔を含む領域を、処理対象の領域として決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記解析手段によって決定された処理対象の領域を強調する枠を、前記原画像に付加する枠として決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項7】
原画像の画像データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析ステップと、
前記解析ステップの処理により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップの処理による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする画像出力方法。
【請求項8】
原画像の画像データを取得する取得機能と、
前記取得機能の発揮により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析機能と、
前記解析機能の発揮により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出機能と、
前記抽出機能の発揮による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定機能と、
前記決定機能の発揮により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
原画像の画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析手段と、
前記解析手段により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色とともにこの色で表示される枠の画像データを決定し、
前記出力制御手段は、前記枠の画像データと前記原画像の画像データとを合成することによって、前記枠が付加された前記原画像の合成画像データを生成して、前記合成画像データの出力を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記原画像を表示する表示手段と、
前記表示手段の周囲に設けられる複数種の発光色で発光する発光手段と、
前記出力制御手段は、前記決定手段によって決定された色で発光するよう前記発光手段を制御する発光色制御手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記抽出手段による抽出結果に基づいて、前記解析手段により処理対象として決定された領域との調和色を特定する特定手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記特定手段により特定された前記調和色を、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色として決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記解析手段は、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内に含まれる顔を検出し、当該顔を含む領域を、処理対象の領域として決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記解析手段によって決定された処理対象の領域を強調する枠を、前記原画像に付加する枠として決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項7】
原画像の画像データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析ステップと、
前記解析ステップの処理により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップの処理による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする画像出力方法。
【請求項8】
原画像の画像データを取得する取得機能と、
前記取得機能の発揮により取得された前記画像データに基づいて、前記原画像の構図を解析することによって、当該原画像内の処理対象の領域を決定する解析機能と、
前記解析機能の発揮により処理対象として決定された領域についての、色彩、明度、及び彩度を抽出する抽出機能と、
前記抽出機能の発揮による抽出結果に基づいて、前記原画像の周囲を取り囲む範囲の色を決定する決定機能と、
前記決定機能の発揮により決定された色で前記原画像を取り囲んで表示されるように、画像データの出力を制御する出力制御機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−151572(P2012−151572A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7297(P2011−7297)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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