説明

画像出力装置及びプログラム

【課題】複数台のプリンタを内蔵する画像出力装置において、プリンタ故障が発生した場合にも最適な印画品質の印画物を得られる画像出力装置を提供する。
【解決手段】画像出力装置1は、利用者が持参した入力メディアから画像データを取得し、記憶部302に保持するとともに、プリント注文入力手段105により入力された注文画像および注文枚数にしたがって、プリント手段103により複数のプリンタを稼動して分散印刷処理を行う。プリンタに故障が起きた場合、プリンタ故障時のプリンタ処理415により、故障プリンタの未印刷の画像印刷を他の正常なプリンタに再振り分けして処理させるが、このとき、再振り分けされた画像の画像データを記憶部302から取り出し、再振り分けされたプリンタに合うように最適化処理を施した上で印刷することにより、良い品質の印画物を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が持ち込んだ記録媒体の画像データを印刷する画像出力装置に関し、更に詳しくは、画像出力装置に内蔵されている複数台のプリンタのいずれかに障害が発生した場合に、最適な画像出力を可能とする画像出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が持ち込んだ記録媒体に記録されているディジタルカメラの画像データをプリントすることができる比較的小規模の画像プリントシステム(画像出力装置)が実用化されている特許文献1)。
最近では、これらの画像出力装置は、印刷時間の短縮を図るため、複数台のプリンタを搭載するようになってきている。複数のプリンタを搭載した場合、1台のプリンタに故障あるいは消耗品切れ等が発生して使用できなくなった場合でも、他のプリンタは使い続けることができ、画像出力装置を稼動し続けることができるという利点もある。
しかし、使用できなくなったプリンタで印刷する予定であった印刷物の印刷を行う必要があり、このような場合の解決方法が提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−268431号公報
【特許文献2】特開平8−31998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献2は、ビデオプリンタを対象としており、1画面分の画像データを記憶領域に記憶させ、これを読み出してプリンタで印刷を行うものであり、プリンタ故障が発生した場合には、記憶領域への新規の画像データの書き込みを禁止するとともに、故障を解消したプリンタあるいは新規のプリンタを接続した場合には、記憶領域内に格納されている画像データを読み出してそのまま印刷させる制御方法を開示している。
【0004】
しかしながら、前記の制御方法では、記憶領域内の画像データを読み出してそのまま印刷するため、新規のプリンタで印刷する場合、プリンタに最適化されず良好な品質の印画が得られないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、複数台のプリンタを内蔵する画像出力装置において、プリンタ故障が発生した場合にも最適な印画品質の印画物を得られる画像出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決するための第1の発明は、記録媒体に記録された画像データを入力する画像入力手段と、前記画像データを保持する保持手段と、前記保持手段に保持されていた画像データを印刷枚数に応じて複数のプリンタに分散して印刷する印刷手段と、を有する画像出力装置であって、前記印刷手段は、前記複数のプリンタのうちの少なくとも1台を除くプリンタが故障した場合に、故障したプリンタが印刷すべき画像データを、故障していないプリンタに割り当てる故障時再割り当て手段と、前記故障時再割り当て手段によって割り当てられた画像データを前記保持手段から取り出し、再割り当てされたプリンタに合うよう最適化して印刷する最適化印刷手段と、を有することを特徴とする画像出力装置である。
前記最適化印刷手段は、前記保持手段に保持されている画像データに対して、再割り当てされたプリンタに最適な色変換、センタリング、トリミングを行う。
【0007】
画像入力手段によって、利用者が持参した記録媒体から画像データを読み込み、保持手段により読み込んだ画像データを保持し、印刷手段は、利用者の依頼に基づいて、保持されている画像データのすべてあるいは一部を、複数のプリンタに分散して印刷する。
故障等で少なくとも1台のプリンタが使用できなくなった場合には、故障時再割り当て手段によって、使用不可能なプリンタで未印刷の画像データの印刷を他の使用できるプリンタに分散して割り当てる。
その後、最適化印刷手段によって、画像データを再割り当てしたプリンタに適するように最適化したうえで、印刷を行う。
【0008】
第2の発明は、コンピュータを請求項1の画像出力装置として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数台のプリンタを内蔵する画像出力装置において、プリンタ故障が発生した場合にも良好な印画品質の印画物を得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、図1を参照しながら、本発明の実施の形態に係る画像出力装置1のシステム構成について説明する。
図1は、画像出力装置1の構成を示すブロック図である。
【0011】
画像出力装置1は、画像データ読込手段101、プリント手段103、プリント注文入力手段105、課金手段107、保守手段109、通信手段111等を備える。
【0012】
画像データ読込手段101は、予め画像データが記録された入力メディア121から画像データを取得する。
入力メディア121は、例えば、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、ミニSD(secure digital)カード、SDメモリカード、メモリスティック、コンパクトディスク等である。
尚、本実施の形態では、画像データ読込手段101として、入力メディア121から画像データを読み取る手段のみを示しているが、スキャナ装置や撮影装置を装備し、スキャナ装置により画像を読み取る手段や、被写体をデジタルカメラ等の撮影装置により撮像し、画像データを読み取る手段を備えるようにしてもよい。
【0013】
プリント手段103は、画像データを印刷する高解像度カラープリンタであり、プリント物123を印刷する。昇華型あるいはインクジェット型など、プリンタの方式は問わない。プリント物123は、デジタルカメラ画像等の写真や、シールプリント、はがき等である。
【0014】
利用者は、プリント注文入力手段105を通じて、印刷を注文する画像データを選択する。プリント注文入力手段105は、例えば、液晶ディスプレイやCRT(cathode-ray tube)等の表示手段と一体化されたタッチパネルや、キーボード、マウス、トラックボール等の各種ポインタを用いることができる。
プリント注文手段105は、画像データ読取手段101によって取得された画像データのサムネイル画像を表示し、プリント枚数やプリントサイズの指定を可能にする。利用者は、タッチパネルや各種ポインタを使用して、印刷注文する画像データの選択、プリント枚数やプリントサイズの指定を行うことができる。
【0015】
課金手段107は、利用者によるプリント物の注文内容に応じた料金を算出し、利用者に入金を要求する。通常、この課金手段107による利用者の入金が完了してからプリント手段103が起動され、注文された画像データの印刷を開始する。
【0016】
保守手段109は、画像出力装置1の保守を行うもので、プリント物123の価格の設定や環境設定、ハードウエアの保守や、さまざまなログデータの参照、統計情報等の参照、ソフトウエアのアップグレード等を行う。
【0017】
通信手段111は、画像出力装置1のさまざまなログデータや統計情報を管理会社にネットワーク等を通じて送信する。通信手段111は必須ではない。
【0018】
次に、図2を参照しながら、画像出力装置1の外観構成について説明する。図2は、画像出力装置1の概略斜視図である。
【0019】
図2に示すように、画像出力装置1の上部正面には、タッチパネル付きの液晶ディスプレイ等のディスプレイ画面201が配置されている。タッチパネル付きディスプレイ201は、操作の案内や操作の状況、読み込んだ画像データのサムネイル画像表示等を表示する表示手段としての機能を持つ。
【0020】
タッチパネル付きディスプレイ201の下部には、メディア投入口203が設けられる。メディア投入口203は、各種メディア(スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード(CFカード)、フロッピー(登録商標)ディスク、PCカード、CD−ROM等)の挿入口であり、複数の挿入口が1箇所にまとめて配置されている。
また、画像出力装置1の筐体内には、上記の各記録媒体の挿入口に対応して、それぞれの媒体の読取・書込み装置の本体(図示しない)が設置されている。各挿入口には、料金の徴収が完了するまで記録媒体を取り出せないようにシャッター(図示しない)を備えてもよい。
【0021】
画像出力装置1の下段部には、料金投入口(硬貨投入口205、紙幣挿入口207)、つり銭返却口209、レシート取出口215、プリント物取出口211、メンテナンスキー213、ドア開閉キー217等がそれぞれ配置されている。
【0022】
料金投入口(205、207)、つり銭返却口209、レシート取出口215は、課金手段として機能する。
利用者は、硬貨投入口205に硬貨を投入したり、紙幣挿入口207に紙幣を挿入することにより料金を支払う。釣銭がある場合にはつり銭返却口209から放出される。
また、料金徴収後、徴収金額や注文内容等が印刷されたレシートがレシート取出口215から放出される。画像出力装置1の筐体内には、レシート取出口215に対応してレシート印刷用プリンタが設けられている。
【0023】
プリント物取出口211からは印刷済みのプリント物が放出される。図2では、プリント物取出口211が3つ装備されている(211−1、211−2、221−3)。通常、画像出力装置1の筐体内には、複数枚の画像プリントを同時に行えるよう複数のプリンタ本体(図示しない)がプリント物取出口211につながる位置に設置されている。図2の場合、3台のプリンタに対応して3つのプリント物取出口(211−1、211−2、211−3)を備えている。
【0024】
利用者は、タッチパネル付きディスプレイ201に設けられたタッチパネルにより画像の選択やプリントの実行を指示し、指示に従ってプリンタ本体によって印刷され、プリント物取出口211から放出されるプリント物123を受け取る。
【0025】
メンテナンスキー213は、利用者が画像出力装置1を利用可能な運転モードと、管理者が画像出力装置1のメンテナンスや設定、レシートの再印刷等を行う管理モードを切り替えるキーである。
【0026】
また、画像出力装置1の筐体内には、図示しないが、画像出力装置1の各構成部分を制御するための制御部を含むパソコンや、電圧の変換を行う電源ボックス、停電時に制御部のCPUやハードディスク等の破損を防ぐ無停電電源装置等が設けられる。
【0027】
次に、図3を参照しながら、画像出力装置1のハードウエア構成について説明する。
画像出力装置1は、制御部301、記憶部302、入出力部303(CD−ROMドライブ装置、キーボード、マウス等)、通信部304、各種メディア読取部305、シャッター306、モニタ307(タッチパネル付き)、コインメック308、ビルバリ309、レシートジャーナル処理部310、プリンタ311等がバス312を介して接続される。
【0028】
制御部301は、プログラムの実行を行うCPU(central processing
unit)と、プログラム命令あるいはデータ等を格納するためのRAM(random access memory)、ROM(read only memory)等で構成される。制御部301は、記憶部302等に格納されたプログラムに従って、バス312を介して接続された各装置を駆動制御する。
【0029】
記憶部302には、各構成部分を駆動制御するプログラム、例えば、画像入力プログラム、シャッターの開閉制御プログラム、課金処理プログラム、後述するプリンタ制御用プログラム、レシート印刷処理プログラム、保守プログラム等のプログラムや、画像データ、各種制御データ等が格納されている。
【0030】
これらのプログラム・コードは、制御部301により必要に応じて読み出され、RAMに移され、CPUに読み出されて各種機能として実行される。
【0031】
入出力部303(CD−ROMドライブ装置、キーボード、マウス等)は、制御部301のROMや記憶部302に格納されているプログラムや情報を更新したり、画像出力装置1の動作等の設定を行う画像出力装置1のメンテナンス時に用いられる。メンテナンスキー213により管理モードに切り替えて、入出力部303にプログラム更新用のCD−ROMを挿入し、データの書き換えを行ったり、設定データを入力することによりメンテナンスを実行する。
【0032】
通信部304は、インターネットやPHS(personal handyphone
system)等の通信機能を持つもので、画像出力装置1の各種ログ情報や統計情報等を管理会社に送信したり、プログラム更新を行う場合に更新ソフトウエアの受信したりする。
【0033】
各種メディア読取部305は、画像入力機能の役割を果たす。シャッター306は、各記録媒体挿入口に設けられ、記録媒体の挿入口を開閉し、読取処理の最中や、課金処理が完了するまで、記録媒体を取り出せないようにする。
【0034】
利用者は、モニタ307に表示された操作案内に従って、モニタ307に設置されたタッチパネルに触れることにより、画像入力時の画像選択や、プリント指示、プリント物出力までの一連の操作を行える。
【0035】
コインメック308、ビルバリ309、レシートジャーナル処理部310は、課金機能の役割を果たす。コインメック308は硬貨投入口205に対応して画像出力装置1の内部に設けられ、硬貨の入出力を管理する。また、ビルバリ309は、紙幣挿入口207に対応して画像出力装置1の内部に設けられ、紙幣の入出力を管理する。また、レシートジャーナル処理部310は、レシート取出口215に対応して画像出力装置1の内部に設けられ、レシート印刷を行う。
【0036】
また、プリンタ311は、利用者により選択され、プリント指示が行われた画像データの印刷出力処理を行う。画像出力装置1には、複数枚の画像を同時に印刷し、印刷時間の短縮を図るため、複数台のプリンタ311(同図ではプリンタ1(311−1)、プリンタ2(311−2)、プリンタ3(311−3)の3台、)が備えられる。
【0037】
次に、図4に沿って、画像出力装置1の動作について説明する。
図4は、画像出力装置1の動作の流れの説明図である。
【0038】
画像出力装置1は、まず、利用者に入力メディア121をメディア投入口203に挿入させるように促す指示画面をモニタ307(201)に表示する。利用者が入力メディア121をメディア投入口203に挿入すると、制御部301、画像データ読込手段101により、各種メディア読取部305の当該入力メディア121に適合するメディア読取部を起動して挿入された入力メディア121の画像データを取得する。
取得された画像データは、記憶部302の画像データ領域401に格納される。
【0039】
次に、制御部301は、プリント注文入力手段105により、取得された画像データのサムネイル画像をモニタ307(201)に表示し、利用者にプリントする画像の選択と、プリント枚数の設定を行わせる。
図5は、サムネイル画面501の例である。利用者が挿入したメディアから取得した画像データのサムネイル画像(001〜015)がモニタ307(201)上に表示される。
利用者は、プリントしたい画像のプリント枚数(注文枚数)を例えば、「+」あるいは「−」の部分のタッチパネルに触れることにより設定する。利用者により設定された枚数が、注文枚数として表示される。
【0040】
サムネイル画面501には、例えば、サムネイル画像を拡大したいときに使用する「拡大」ボタンや、プリント枚数設定完了後に押す「お支払いへ」等のボタンが設けられる。これらのタッチパネル・ボタンに触れることにより、対応する処理が実行される。
【0041】
利用者によりプリント枚数が指定されると、プリント注文入力手段105は、例えば、図6(a)に示すような注文画像テーブル403を作成する。
注文画像テーブル403は、利用者が選択したプリント画像のサムネイル番号と、利用者が指定したプリント枚数からなり、記憶部302内に置かれる。
【0042】
利用者がプリント枚数の設定を完了すると(「お支払いへ」のボタンを押す)と、次に、制御部301は、課金処理を実行する。すなわち、合計金額等を算出し、モニタ307(201)に表示し、利用者に代金の投入を促す。
利用者が料金を硬貨投入口205や紙幣挿入口207から投入し、投入金額が合計金額を上回ると、制御部301は、プリント手段103を起動し、プリント処理を開始する。
【0043】
プリント処理は、複数のプリンタ311−1、311−2、311−3を使用して実行する。すなわち、利用者が合計枚数で複数枚のプリントを注文した場合、複数のプリンタ311−1、311−2、311−3に印刷処理を分散する(プリンタ分散処理411)。
【0044】
制御部301は、まず、プリント手段103のプリンタ分散処理411を起動し、注文画像テーブル403を参照し、注文画像を3台のプリンタ(311−1、311−2、311−3)に振り分け、プリント分散テーブル405を作成する。プリント分散テーブル405は記憶部302に置かれる。
【0045】
図6(a)の注文画像テーブル403の場合、画像002が2枚、画像003が1枚、画像004が2枚、画像005が2枚、というように注文されているが、プリンタ分散処理411は、これを3台のプリンタに分散し、例えば、画像002をプリンタ1とプリンタ2、画像003をプリンタ3、画像004をプリンタ1とプリンタ2、画像005をプリンタ3とプリンタ1というように分散する。
【0046】
図6(b)は、図6(a)の注文画像テーブル403についてプリント分散処理411を行った結果のプリンタ分散テーブル405の例である。
注文画像テーブル403のプリント注文を3台のプリンタに分散し、プリンタ1は、画像002、画像004、画像005、画像008、画像010を、プリンタ2は、画像002、画像004、画像007、画像009、画像011を、プリンタ3は、画像003、画像005、画像008、画像010、画像011を印刷するように分散されている。
【0047】
次に、制御部301は、プリンタ最適化処理413を起動し、各プリンタに振り分けられた画像データを、各プリンタに合うように最適化する処理を行い、最適化印刷データ407を作成する。
各プリンタ311(311−1、311−2、311−3)は、個々に異なる発色特性や印刷位置特性を持つため、出力物としてのプリント物123の発色や位置を揃えるための調整をここで行う。
例えば、発色については、各プリンタのカラーチャートに沿ってカラー調整を行う。また、画像のセンタリングやトリミングを各プリンタの特性に合わせる。
【0048】
以上のプリンタ最適化処理413により最適化した画像データは、記憶部302の最適化印刷データ407に格納される。
図6(c)は、最適化印刷データ407の例である。各プリンタ(プリンタ1、プリンタ2、プリンタ3)に振り分けられた画像についての最適化印刷データが格納される。
すなわち、プリンタ最適化処理413は、プリンタ分散テーブル405を参照し、各プリンタに振り分けられた画像データを記憶部302の画像データ401から取り出し、各プリンタ用に最適化処理を行い、最適化印刷データ407を作成、格納する。
【0049】
制御部301は、最後に、各プリンタ用に最適化された最適化印刷データ407を各プリンタに送り、各プリンタで印刷処理が実行される。
すなわち、プリンタ1に振り分けられた画像の最適化印刷データ407−1は、プリンタ1(311−1)に送られ、プリント物123−1を出力する。図6(c)の最適化印刷データ407の例であれば、プリンタ1(311−1)は、画像002、画像004、画像005、画像008、画像010をプリント物123−1としてプリント物取出口211−1に出力する。
【0050】
同様に、プリンタ2に振り分けられた画像(002、004、007、009、011)の最適化印刷データ407−2はプリンタ2(311−2)に送られ、プリント物123−2としてプリント物取出口211−2に出力される。さらに、プリンタ3に振り分けられた画像(003、005、008、010、011)の最適化印刷データ407−3はプリンタ3(311−3)に送られ、プリント物123−3としてプリント物取出口211−3に出力される。
【0051】
以上の処理により、利用者は、持参したメディアに記録されている画像データから印刷する画像データを選択し、印刷枚数を指定し、指示された料金を投入することにより最適に印刷された写真をプリント物取出口211から取り出すことができる。
【0052】
次に、プリンタ故障時の印刷処理について説明する。
図7は、プリンタ故障時の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
プリンタ故障には、用紙切れやインク切れ等の消耗品切れや、用紙送り等の機械的故障、データ転送等の電子的故障等が挙げられる。どの故障の場合でも、プリンタが故障すると、そのプリンタでの印刷は不可能になる。
本実施の形態の画像出力装置1では、複数(例えば3台)のプリンタが内蔵されており、通常は、印刷処理を複数のプリンタに分散して処理している。
ここで、プリンタ故障が発生した場合、故障を起こしたプリンタで印刷するべき未印刷の画像データは、他に正常なプリンタがある場合、正常なプリンタで印刷することが可能である。
ただし、すべてのプリンタが故障した場合には、代替して印刷することは不可能である。
以下にプリンタ故障時の処理方法を説明する。
【0054】
プリンタ故障時には、故障を起こしたプリンタからプリンタ故障情報409が出力される。プリンタ故障情報409の内容は、故障発生を示す情報、故障の種類(用紙切れ、インク切れ、紙詰まり、電子的故障等)である。
プリンタ故障情報409は例えば割り込み信号として制御部301に送られる。制御部301は、プリンタ故障情報409を受け取ると、保守手段109を稼動するとともに、プリント手段103内のプリンタ故障時のプリント処理415を稼動する。
保守手段109は、例えば、プリンタ故障情報409を受け取り、プリンタ故障を示す情報をモニタ307(201)に表示させるとともに、記憶部303に障害ログ情報として故障内容を記録する。これらの保守手段109による処理は本発明の主旨ではないので、詳細な説明は省く。
【0055】
プリント手段103のプリンタ故障時のプリント処理415は、まず、このプリンタ故障情報409を受け取る(ステップ701)。プリンタ故障情報409には、故障したプリンタの番号や故障の内容等が含まれる。
【0056】
次に、故障したプリンタの番号から故障プリンタの未印刷画像データを他の正常なプリンタに振り分ける処理を行う(ステップ702)。ここでは、例えば、プリンタ1(311−1)に故障が生じたものとする。
図8は、未印刷画像データの印刷処理を説明するための図である。
同図(a)は、先に図6(b)で説明したプリンタ分散テーブル405を示している。プリンタ1(311−1)が故障し、画像002までは印刷が完了しており、画像004以降が印刷未完了で残っているものとする。
【0057】
このような場合、ステップ702により、印刷未完了の画像(004、005、008、010)を、他のプリンタ2(311−2)およびプリンタ3(311−3)に振り分け、プリンタ分散テーブル405を再構成する。
すなわち、図8(b)に示すように、プリンタ2(311−2)に最初に振り分けられた画像データの後に、新たに割り当てられた画像(004および008)801を追加し、同様に、プリンタ3(311−3)に最初に振り分けられた画像データの後に、新たに割り当てられた画像(004および010)803を追加する。
【0058】
次に、新たに割り当てられた画像801および803について、プリンタ最適化処理413を実行し、最適化印刷データ407に追加する(ステップ703)。
すなわち、図8(c)に示すように、新たに割り当てられた画像801および803についての最適化印刷データ(それぞれ805および807)を追加する。
【0059】
ここで、プリンタ最適化処理413は、プリンタ分散テーブル405に追加された新たに割り当てられた画像801の画像データを記憶部302の画像データ401から取り出し、プリンタ2に合うように色、位置等を調整する。すなわち、図8(c)に新たに追加されたデータ805は、プリンタ1用に最適化された印刷データである図6(c)の「004の印刷データ」および「008の印刷データ」ではなく、新たにプリンタ2に合うように最適化された印刷データである。
【0060】
プリンタ3に新たに割り当てられた画像803についても、同様に、画像データを記憶部302の画像データ401から取り出し、プリンタ3に合うように最適化し、新たな最適化印刷データ807を得る。
【0061】
以上のように最適化印刷データ407に新たに割り当てられた画像データの最適化印刷データを追加することにより、故障プリンタの未印刷分の画像が、正常なプリンタに振り分けられ、しかも、最適化された良好な印刷画像を印刷することが可能になる。
【0062】
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態に係る画像出力装置1の構成を示すブロック図
【図2】画像出力装置1の外観斜視図
【図3】画像出力装置1のハードウエア構成図
【図4】画像出力装置1の動作を説明する図
【図5】サムネイル画面例の説明図
【図6】印刷手段の説明図
【図7】プリンタ故障時のプリンタ処理の流れを示すフローチャート
【図8】プリンタ故障時の印刷手段の説明図
【符号の説明】
【0064】
1………画像出力装置
101………画像データ読取手段
103………プリント手段
201、307………タッチパネル付ディスプレイ(モニタ)
203………メディア投入口
301………制御部
303………記憶部
311………プリンタ
413………プリンタ最適化処理
415………プリンタ故障時のプリント処理
405………プリント分散テーブル
407………最適化印刷データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録された画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像データを保持する保持手段と、
前記保持手段に保持されていた画像データを印刷枚数に応じて複数のプリンタに分散して印刷する印刷手段と、
を有する画像出力装置であって、
前記印刷手段は、前記複数のプリンタのうちの少なくとも1台を除くプリンタが故障した場合に、故障したプリンタが印刷すべき画像データを、故障していないプリンタに割り当てる故障時再割り当て手段と、
前記故障時再割り当て手段によって割り当てられた画像データを前記保持手段から取り出し、再割り当てされたプリンタに合うよう最適化して印刷する最適化印刷手段と、
を有することを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記最適化印刷手段は、前記保持手段に保持されている画像データに対して、再割り当てされたプリンタに最適な色変換、センタリング、トリミングを行うことを特徴とする請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
コンピュータを請求項1の画像出力装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−87154(P2008−87154A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266870(P2006−266870)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】