説明

画像加熱装置、画像形成装置、及び画像加熱システム

【課題】用紙後端が定着装置を通過する前にヒータをOFFした場合、定着不良などの画像不良が生じたり、消費電力があまり低減できなかった。
【解決手段】定着装置の温度状態や本体設置環境、用紙の種類等に応じてヒータOFFするタイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像加熱装置、画像形成装置、及び画像加熱システムに関する。
【0002】
画像加熱装置としては、記録材に形成された未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を向上させる光沢度付与装置が挙げられる。画像形成装置としては、例えば電子写真方式を利用して、画像を記録材上に形成してハードコピーを得る複写機、ファクシミリ、プリンタ、それらの複合機能などが挙げられる。
【背景技術】
【0003】
近年、電子写真方式を用いた画像形成装置では省エネルギー化の観点から、記録材に形成された未定着画像を定着する画像加熱装置としては、熱容量が小さな定着装置が提案され、実用化されている。定着装置の低熱容量化の具体的な施策として、ベルト状のエンドレスベルト(以下定着ベルトと称す)を定着部材として用いる、ベルト定着方式があり、以下の構成が提案されている。
【0004】
特許文献1には、発熱体としてのセラミックヒータ(以下ヒータと称す)を定着部材と加圧部材とで形成するニップ部に配置し、定着ベルトを介してヒータの熱を与えながら定着領域の加圧力で未定着トナー像を記録材面に定着させる方式が記載されている。この方式は、ヒータ及び定着部材の熱容量が小さいため画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
【0005】
また、省エネルギー化に対しては定着装置への通電時間をできるだけ短縮することが望ましい。そこで、前述のベルト定着方式においてはスタンバイ時にヒータへの通電を行わずに、画像形成動作実行時や画像形成動作の予備動作時のみ、ヒータへ通電するような制御も用いられている。
【0006】
一方、特許文献2には、記録材の後端が定着装置を通過する前に記録材の位置に基づいて所定のタイミングでヒータをオフして定着装置の余熱により定着させる方法が開示されている。即ち、記録材の位置に基づいて使用する定着装置の熱時定数を考慮した所定のタイミングで定着装置のヒータへの通電をオフしている。このような制御を行うことにより、画像形成動作中の電力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−293225号公報
【特許文献2】特開平8−171307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は特許文献2の技術を更に発展させたものである。即ち、ベルト定着方式などの熱容量が小さい定着装置を用いた場合、定着装置の温度状態によってヒータをオフした際の定着装置の温度低下量が大きく変化する。そして、定着装置が冷えている状態では温度低下量が大きく、定着装置が十分温まった状態では温度低下量が小さくなる。そのため、ヒータへの通電をオフするタイミングによっては、温度低下が大きすぎて定着不良が発生する場合や、消費電力の低減効果があまり得られない場合があることが判明した。
【0009】
また、通紙される記録材の種類や装置の設置環境によっても、定着可能な温度や定着装置の温度低下量が異なるため、同様の事象が生じる場合があることが判明した。
【0010】
そこで本発明の目的は、加熱手段をオフするタイミングを各種条件に基づいて適切に制御することで、画像不良を発生させることなく消費電力量を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、画像を担持して搬送される記録材を加熱手段による熱を用いて加熱する画像加熱手段と、前記画像加熱手段の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段が検知する温度に基づいて前記加熱手段の加熱動作を制御する温度制御手段と、前記画像加熱手段よりも記録材搬送方向上流側において搬送路上の記録材の位置を検知する記録材検知手段と、前記加熱手段の加熱動作を停止するタイミングを記録材の後端が前記画像加熱手段を通過するタイミング以前に決定する加熱停止制御手段と、を有し、前記温度制御手段は前記記録材検知手段により検知した記録材の位置に基づいて前記加熱停止制御手段が決定したタイミングにて前記加熱手段の加熱動作を停止することを特徴とする。
【0012】
また、上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱システムの代表的な構成は、画像を担持した記録材を搬送する搬送路と、前記搬送路を搬送される加熱手段による熱を用いて加熱する画像加熱手段と、前記画像加熱手段の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段が検知する温度に基づいて前記加熱手段の加熱動作を制御する温度制御手段と、前記画像加熱手段よりも記録材搬送方向上流側において搬送路上の記録材の位置を検知する記録材検知手段と、前記加熱手段の加熱動作を停止するタイミングを記録材の後端が前記画像加熱手段を通過するタイミング以前に決定する加熱停止制御手段と、を有し、前記温度制御手段は前記記録材検知手段により検知した記録材の位置に基づいて前記加熱停止制御手段が決定したタイミングにて前記加熱手段の加熱動作を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像不良を発生させることなく消費電力量を低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像形成装置の一例の概略構成を示す縦断面模式図
【図2】その部分的な拡大図
【図3】画像形成装置の動作行程図
【図4】実施例1における定着装置(画像加熱装置)の要部の横断面模式図
【図5】ヒータ(加熱手段)と通電制御回路の構成説明図
【図6】実施例1のヒータ通電停止動作のフローチャート
【図7】比較例の定着ベルト表面温度推移図
【図8】実施例1の定着ベルト表面温度推移図
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に図面を参照しながら、本発明の実施形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0016】
[実施例1]
《画像形成装置例の説明》
図1は本発明に従う画像加熱装置或いは画像加熱システムを搭載した画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタ(以下、単にプリンタと記す)1の概略構成を示す縦断面模式図である。図2はその部分的な拡大図である。
【0017】
プリンタ1は制御回路部(制御手段:CPU)50と通信可能に接続したホスト装置51からの入力画像情報に応じて作像動作(プリント動作)して、シート状の記録材Pにフルカラー画像を形成してハードコピーとして出力することができる。ホスト装置51はコンピュータ、イメージリーダー、ファクシミリ等である。制御回路部50は装置51や操作部52と信号の授受をする。また、プリンタ1側の各種の作像機器と信号の授受をして作像シーケンス制御を司る。記録材Pはトナー像が形成されるものである。普通紙、樹脂製シート状物、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用シートなどが挙げられる。
【0018】
プリンタ1の本体内には図面上左側から右側にかけて、第1乃至第4の4つの画像形成部Y・M・C・Bkが水平方向に並べられて配設されている。各画像形成部はいずれもレーザー露光方式の電子写真プロセス機構であり、現像器に収容の現像剤(トナー)の色が異なるだけで、互いに同様な構成である。
【0019】
即ち、各画像形成部は、それぞれ、矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動されるドラム型の電子写真感光体(像担持体:以下、ドラムと記す)11を有する。また、各ドラム11の周囲には、ドラム11に作用するプロセス手段としての、帯電器12、レーザースキャナ13、現像器14、一次転写ブレード17、クリーナ15が配置されている。
【0020】
画像形成部Y・M・C・Bkの下側には中間転写ベルトユニット30が配設されている。ユニット30は、無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)31と、ベルト31を懸回張設している駆動ローラ30a・テンションローラ30b・二次転写対向ローラ30cを有する。各画像形成部Y・M・C・Bkの一次転写ブレード17はベルト31の内側に配設されていて、ベルト31のローラ30bとローラ30aとの間の上行側ベルト部分を介して対応するドラム11の下面に圧接している。各ドラム11とベルト31との当接部が一次転写部である。
【0021】
ローラ30cにはベルト31を介して二次転写ローラ35が圧接している。ベルト31とローラ35との当接部が二次転写部である。ベルト31はローラ30aにより矢印の時計方向にドラム11の回転速度に対応した速度にて循環移動される。
【0022】
本実施例において、第1の画像形成部Yは現像器14にイエロー(Y)色の現像剤(有彩色カラートナー)が収容されていて、ドラム11にY色トナー像を形成する。第2の画像形成部Mは現像器14にマゼンタ(M)色の現像剤が収容されていて、ドラム11にM色トナー像を形成する。第3の画像形成部Cは現像器14にシアン(C)色の現像剤が収容されていて、ドラム11にC色トナー像を形成する。第4の画像形成部Bkは現像器14にブラック(Bk)色の現像剤が収容されていて、ドラム11にBk色トナー像を形成する。
【0023】
制御回路部50は装置51から入力したカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部Y・M・C・Bkを作像動作させる。これにより各画像形成部において回転するドラム11の面に対して所定の制御タイミングで、それぞれ、Y色、M色、C色、Bk色の色トナー像が形成される。なお、ドラム11にトナー像を形成する電子写真作像原理・プロセスは公知に属するからその説明は省略する。
【0024】
各画像形成部のドラム11の面に形成される上記のトナー像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム11の回転方向と順方向に、かつ各ドラム11の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト31の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト31の面に上記のY色、M色、C色、Bk色の4つのトナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像(未定着画像)が合成形成される。
【0025】
一方、制御回路部50は所定の給紙タイミングにて、給紙カセット20又はマルチ給紙トレイ25から記録材Pを1枚分離給送する。その記録材が搬送路21で二次転写部に向って搬送される。搬送路21には二次転写部よりも記録材搬送方向上流側にレジセンサ(レジストセンサ)24とレジローラ対(レジストローラ対)23が配設されている。
【0026】
レジセンサ24は、レジローラ対23よりも記録材搬送方向上流側に設置された記録材の有無を検知するセンサであり、このレジセンサ24からの信号が制御回路部50に入力する。制御回路部50はレジセンサ24により記録材の有無を検出することで記録材の先後端通過タイミングを検知することができる。即ち、レジセンサ24は、後述する画像加熱装置としての定着装置(画像定着手段)40よりも記録材搬送方向上流側において搬送路上の記録材Pの位置を検知する記録材検知手段である。
【0027】
レジローラ対23は、レジセンサ24を通って搬送されてくる記録材Pの先端部をその時点では回転が停止されているレジローラ対23のニップ部で一旦受け止めて、記録材Pが斜行している場合、真っ直ぐに直す。
【0028】
そして、制御回路部50は、走行しているベルト31上のトナー像の位置と同期を取って、トナー像の先端部が二次転写部に到達したとき記録材Pの先端部も丁度二次転写部に到達するタイミングとなるようにレジストローラ対23の回転駆動を開始させる。レジローラ対23で二次転写部に導入された記録材は二次転写ローラ35によってベルト31上のフルカラーの合成トナー像の一括二次転写を順次に受ける。
【0029】
二次転写部を出た記録材Pはベルト31の面から分離されて、画像加熱装置としての定着装置40に導入される。この定着装置40により、記録材P上の複数色の未定着トナー像が溶融混色されて記録材面に固着画像として定着される。二次転写部における記録材分離後のベルト31の面はベルトクリーナ18により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。定着装置40までの作像機構部が搬送される記録材に未定着画像を形成する画像形成手段である。
【0030】
フルカラー以外のモノ黒などの単色或いは2次色若しくは多次色のプリントモードの場合には対応する色の画像形成部が作像動作制御される。また、片面プリントモードの場合においては、定着装置40を出た記録材Pは、予めの指定に従ってフラッパ61により進路切り換えされて、プリンタ上面に配置されているフェイスダウン排紙トレイ55に排出される。あるいは、プリンタ側面に配置されているフェイスアップ排紙トレイ64に排出される。
【0031】
トレイ55への排紙の場合は、定着装置40を出た記録材Pは、図2の実線示の第1の姿勢に転換されているフラッパ61の上面側を通って上方に案内され、搬送路26により上方搬送される。そして、第1の排紙ローラ27によりトレイ55上に画像面下向きで排出される。トレイ64への排紙の場合は、定着装置40を出た記録材Pは、図2の二点鎖線示の第2の姿勢に転換されているフラッパ61の下面側を通って直進し、第2の排紙ローラ63によりトレイ64上に画像面上向きで排出される。
【0032】
両面プリントモードの場合は、定着装置40を出た第1面に対する画像形成・定着済みの記録材Pが、第1の姿勢に転換されているフラッパ61の上面側を通って上方に案内され、搬送路26により上方搬送される。その記録材Pの搬送途中で後端が反転ポイントRに達したとき、搬送路26が逆搬送駆動に転換される。これにより、記録材Pがスイッチバック搬送されて両面搬送路70に入る。そして、搬送路70から再び搬送路21に入って、表裏反転された状態にて二次転写部に再搬送される。これにより、記録材Pは第2面に対する画像転写を受ける。
【0033】
二次転写部を出た記録材Pは再び定着装置40に導入される。定着装置40を出た両面プリント済みの記録材Pが、片面プリントモードの場合と同様に予めの指定に従ってフラッパ61により進路切り換えされてトレイ55又はトレイ64に排出される。フラッパ61、スイッチバック搬送路26等で構成される部分は反転手段の一例である。
【0034】
《プリンタの動作行程》
図3は制御回路部50が実行するプリンタ1の動作行程図である。
【0035】
a)前多回転動作
前多回転動作は、プリンタ1のメイン電源スイッチSWが投入されたときに実行するプリンタ始動動作行程である。メインモータMを起動させて各画像形成部のドラム11を回転駆動させ、所定のプロセス機器について所定のウォーミングアップ動作を実行させる。
【0036】
b)スタンバイ時(待機時)
スタンバイ時は、所定の前多回転動作が終了したら、メインモータMを停止させて、ホスト装置51から制御回路部50へのプリントスタート信号(画像信号:画像形成実行要求)の入力待ちをしている状態時である。
【0037】
c)前回転動作
前回転動作は、ホスト装置51から制御回路部50へプリントスタート信号が入力されたときに実行するプリント前動作(画像形成動作の予備動作)である。メインモータMを駆動させてドラム11を回転駆動させ、所定のプロセス機器について画像形成動作前の所定の準備動作を実行させる。この前回転動作はa)の前多回転動作中にプリントスタート信号が入力したときにはb)のスタンバイ時無しに前多回転動作に引き続いて実行される。
【0038】
d)プリント動作
ホスト装置51から制御回路部50へ入力した画像情報に対応する画像を記録材Pに形成する画像形成動作である。所定の前回転動作の終了に引き続いて実行される。この画像形成動作は、モノプリントである場合は、記録材Pが一枚だけ搬送されて、その記録材に対するプリント動作がなされる。マルチプリント(連続プリントジョブモード)である場合には、設定された所定複数枚の記録材が所定の間隔(紙間)をあけて連続して搬送され、それらの記録材に対して順次にプリント動作(連続プリント動作)が実行される。
【0039】
e)紙 間
連続プリントジョブモードにおいて、一の記録材の後端部と次の記録材の先端部との間の間隔部であり、転写部(本実施例では二次転写部)における記録材の非通紙状態時である。
【0040】
f)後回転動作
設定された1枚または複数枚の記録材に対する一連のプリント動作(画像形成ジョブ)の終了後に実行させる後動作行程である。プリント動作の終了後もメインモータMの駆動を所定の時間継続させて、所定のプロセス機器に所定の後動作を実行させる。
【0041】
g)スタンバイ時
所定の後回転動作行程が終了したら、メインモータMを停止させて、ホスト装置51から制御回路部50への次のプリントジョブのスタート信号の入力待ちをしている状態時である。次のプリントジョブのスタート信号が入力すると、再びc)〜f)の動作行程サイクルが実行される。
【0042】
《定着装置》
(1)定着装置の概略構成
図4は本実施例における定着装置(画像加熱装置)40の要部の横断面模式図である。本実施例における定着装置40は、特開平4−44075〜44083号公報、特開平4−204980〜204984号公報等に開示の、加圧部材駆動式・テンションレスタイプのベルト定着方式の定着装置である。
【0043】
401は画像加熱部材(画像加熱手段)としてのベルトユニット、402は加圧部材としての弾性加圧ローラであり、該両者401・402を上下に並行に配列して圧接させて両者間に定着ニップ部Nを形成させている。
【0044】
ベルトユニット401において、404は加熱体支持部材兼ベルト内面ガイド部材としての横断面略半円形樋型のヒータガイドであり、断熱性、高耐熱性、剛性を有する高耐熱性樹脂等で構成される。このヒータガイド404は図面に垂直方向を長手とする横長部材であり、その下面に長手に沿って設けた溝部に加熱手段としての加熱体(以下、ヒータと記す)403を嵌入させて、断熱、固定的に保持させてある。406は、ヒータガイド404を補強する金属製のステイである。
【0045】
405は可撓性部材としての、耐熱性に優れた円筒状のベルト(以下、定着ベルトと記す)であり、上記のヒータガイド404と、ヒータ403と、ステイ406のアセンブリに対してルーズに外嵌させてある。すなわち、定着ベルト405の内周長と、ヒータ403とステイ406を含むヒータガイド404の外周長は、定着ベルト405の方を大きくしてあり、従って、定着ベルト405はヒータガイド404に対して周長が余裕を持つようルーズに外嵌している。
【0046】
定着ベルト405は、例えば厚み30μm〜100μm程度のポリイミドを基層とした薄膜筒で、基層の上にプライマー層を介してPFA、PTFE等のコートが施されており、トナー像との離型性を保っている。定着ベルト405は、可撓性を有する金属円筒体や金属層を有する複合層構成の円筒体であってもよい。
【0047】
そして、ベルトユニット401側のヒータ403の下面に対して、加圧部材としての弾性加圧ローラ402を定着ベルト405を挟ませて加圧ローラ402の弾性に抗して加圧手段(不図示)にて所定の押圧力で加圧当接させてある。これにより、記録材搬送方向aにおいて、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。上記ベルトユニット401側のステイ406は加圧ローラ402で加圧された際のヒータガイド404やヒータ403の変形を防止している。
【0048】
加圧ローラ402は、金属軸402aと、シリコンゴムからなる弾性層402bと、弾性層402bの上にプライマー層を介して10〜100μm程度の厚みを有するPFA等の離型層402cと、で構成されている。
【0049】
加圧ローラ402は制御回路部に50で制御される定着モータM40の駆動力が駆動力伝達機構(不図示)を介して伝達されることで、記録材Pを搬送する方向である矢印Bの反時計方向に所定の周速度で回転駆動される(加圧部材駆動式)。この加圧ローラ402の回転駆動に伴い、加圧ローラ402と定着ベルト405の外面との定着ニップ部Nにおける摩擦力で円筒状の定着ベルト405に回転力が作用する。これにより定着ベルト405が定着ニップ部Nにおいてベルト内面がヒータ403の下向き面に密着して摺動しながらヒータガイド404の外回りを矢印Aの時計方向に従動回転する。
【0050】
定着ベルト405の耐磨耗性向上、安定した定着ベルト405の回転、及び定着ベルト405への均一な熱伝達等を考慮して、ヒータ403と定着ベルト405の摺擦面に耐熱グリスが塗布されている。本実施例で用いた耐熱性グリスは基油であるパーフロロポリエーテルや、増稠剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等から構成されているダウコーニングアジアのHP−300である。
【0051】
加圧ローラ402の回転駆動による定着ベルト405の回転がなされ、また後述するようにヒータ403に対する通電により該ヒータ403が昇温して所定の目標温度に温調される。この状態において、定着ニップ部Nの定着ベルト405と加圧ローラ402との間に未定着トナー像tを担持した記録材Pが導入され、記録材Pのトナー像担持面が定着ベルト405の外面に密着して定着ベルト405と一緒に定着ニップ部Nを通過する。
【0052】
これにより、ヒータ403の熱が定着ベルト405を介して記録材Pに付与され未定着トナー像tが記録材Pの面に加熱定着される。定着ニップ部Nを通った記録材Pは定着ベルト405の面から曲率分離されて排出搬送される。
【0053】
図5は本実施例におけるヒータ403と通電制御回路の構成説明図である。ヒータ403は、被加熱材としての記録材Pの搬送方向aに対して直交方向を長手とする細長の耐熱性・絶縁性・良熱伝導性の基板403aを有する。この基板403aの表面(定着ベルト摺動面)側に基板長手に沿って形成した抵抗発熱体403bを有する。この抵抗発熱体403bを形成したヒータ表面を保護させた耐熱性オーバーコート層403cを有する。また、抵抗発熱体403bの長手両端部の給電用電極403d・403eを有する。ヒータ403はこの構成において全体に低熱容量のものである。
【0054】
基板403aは、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックス材料が用いられる。抵抗発熱体403bは、例えば、銀・パラジウム・ガラス粉末(無機結着剤)・有機結着剤を混練して調合したペーストをスクリーン印刷により、基板403a上に細帯状に形成して得たものである。抵抗発熱体の材料としては、銀パラジウム(Ag/Pd)以外にRuO2、Ta2N等の電気抵抗材料を用いても良い。
【0055】
給電用電極403d・403eは銀パラジウムのスクリーン印刷パターンを用いた。オーバーコート層403cは、抵抗発熱体403bと定着ベルト405との電気的な絶縁性と、定着ベルト405との摺動性を確保することが主な目的である。オーバーコート層403cは例えばとして厚さ約50μmの耐熱性ガラス層である。
【0056】
上記のヒータ403をオーバーコート層403cに形成具備させた表面側を下向きに露呈させてステイ404の下面側に保持させて固定配設してある。THはヒータ403の温度を検知するために設けられた検温素子であり、ヒータ裏面側、すなわち基板403aの抵抗発熱体403bを設けた側とは反対面側に配設してある。本実施例では、この検温素子THとしてサーミスタを用いている。
【0057】
Wmaxは定着装置40に対する記録材Sの最大通紙幅である。本実施例において定着装置40に対する大小各種幅サイズの記録材の通紙は、記録材幅中心の所謂中央基準搬送でなされる。記録材において幅サイズとは,記録材搬送路面内において記録材の搬送方向aに対して直交する方向の寸法である。Oは記録材Sの中央基準搬送線(仮想線)である。抵抗発熱体403bはこの最大通紙幅Wmaxよりも少し長い。
【0058】
サーミスタTHは大小どの幅サイズの記録材についても通紙域となるヒータ部分の温度を検知するようにヒータ403の長手方向中央部(本実施例では中央基準搬送線Oの位置にほぼ対応するヒータ部分)に配設されている。そして、このサーミスタTHで検知されるヒータ温度(温度に関する電気的な情報)がA/D変換器41を介して制御回路部50に入力する。
【0059】
42・43は給電用コネクタであり、ステイ404に固定支持させたヒータ403の給電用電極403d・403e部分に嵌着され、給電用電極403d・403eにそれぞれコネクタ42・43側の電気接点が接触状態になる。ヒータ403は商用電源(AC電源)44からトライアック45を介して給電用電極403d・403e間に給電されることにより抵抗発熱体403bが長手全長にわたって発熱して、迅速急峻に昇温する。
【0060】
その昇温がサーミスタTHで検知され、サーミスタTHの出力をA/D変換し制御手段部41に取り込む。制御手段部41はその情報に基づいてトライアック45により抵抗発熱体403bに通電する電力を位相制御あるいは波数制御等により制御して、ヒータ403を所定の温度に制御する。
【0061】
定着ベルト405の耐磨耗性向上、安定した定着ベルト405の回転、及び定着ベルト405への均一な熱伝達等を考慮して、ヒータ403と定着ベルト405の摺擦面に耐熱グリスが塗布されている。本実施例で用いた耐熱性グリスは基油であるパーフロロポリエーテルや、増稠剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等から構成されているダウコーニングアジアのHP−300である。
【0062】
(2)ヒータ通電制御
本実施例の上記の定着装置40において、ベルトユニット401が、画像tを担持して搬送される記録材Pを加熱手段であるヒータ403の熱を用いて加熱する画像加熱手段である。サーミスタTHが画像加熱手段であるベルトユニット401の温度を検知する温度検知手段である。制御回路部50の温度制御機能部が温度検知手段であるサーミスタTHが検知する温度に基づいて加熱手段であるヒータ403の加熱動作を制御する温度制御手段である。レジセンサ24が画像加熱手段であるベルトユニット401よりも記録材搬送方向上流側において搬送路上の記録材の位置を検知する記録材検知手である。
【0063】
加熱手段であるヒータ403への通電制御動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。制御回路部50の温度制御機能部によるヒータ403への通電制御の開始タイミングは、例えば、前多回転動作が終了してプリントスタート信号の入力待ちをしているスタンバイ状態等のプリント動作開始前でも構わない。しかし、消費電力を低減するためにはプリント動作開始時点、または、原稿セット検知やユーザーによる操作部52への入力検知といったプリント予備動作検知時点から行う方が望ましい。本実施例では、プリント動作開始時点でヒータ403への通電制御を開始する場合について説明する。
【0064】
プリンタ1がプリント動作を開始すると、制御回路部50の温度制御機能部はヒータ403への通電を開始する。また、加圧ローラ402の回転駆動を開始することで、定着ベルト405および加圧ローラ402の全周を加熱して、サーミスタTHの検知温度が所定の温度となるまで定着立上げ動作を行う(ステップS1、S2)。
【0065】
サーミスタTHの検知温度が所定の温度に達した後、制御回路部50の温度制御機能部はプリント中温度制御によりヒータ403を制御する(ステップS3)。プリント中温度制御においては、ヒータ403が所定の定着温度T_printとなるようにサーミスタTHの検知温度に基づいてヒータ403への通電を制御する。プリント中温度制御は、連続プリント動作中は継続して行われ、この間サーミスタTHの検知温度はT_printにてほぼ一定となる。
【0066】
また、制御回路部50の加熱停止制御機能部(加熱停止制御手段)は、後述するように、加熱手段であるヒータ403の加熱動作を停止するタイミングを記録材Pの後端が画像加熱手段であるベルトユニット401を通過するタイミング以前に決定する。そして、制御回路部50の温度制御機能部は記録材検知手段であるレジセンサ24により検知した記録材の位置に基づいて制御回路部50の加熱停止制御機能部が決定したタイミングにてヒータ304の加熱動作を停止する。
【0067】
具体的に、本実施例においては、制御回路部50の加熱停止制御機能部は、連続プリントの最終紙(n枚目の記録材)が定着ニップ部Nを通過するΔt秒前をヒータ動作停止タイミングとして、このタイミングにおいて定着ヒータ403への通電を停止する。ステップS4〜S7がこの制御ステップである。本実施例においては、最終紙の後端がレジセンサ24を通過するのを検知してからヒータOFF時間t_off秒が経過したタイミングが、ヒータ動作停止タイミングと一致するように設定されている。
【0068】
制御回路部50の加熱停止制御機能部は、連続プリントの最終紙の後端が、レジセンサ24を通過したタイミングから計時をスタートする。そして、その時点における諸条件に基づいてヒータ動作停止タイミングを決定する。これによりヒータOFF時間が決まる。最終紙の後端がレジセンサ24を通過してからt_off秒が経過した時点でヒータ403への通電を停止する。但し、加圧ローラ402の回転駆動は最終紙が定着ニップ部Nを通過した後に停止する。
【0069】
最終紙の後端がレジセンサ24を通過してから定着ニップ部Nを通過し終わる時間は記録材の搬送速度(プロセススピード)と、レジセンサ24から定着ニップ部Nまでの記録材搬送路長から算出される。
【0070】
(3)ヒータ動作停止タイミングの決定
ヒータ動作停止タイミングの決定方法について説明する。本実施例では、制御回路部50の加熱停止制御機能部は定着装置40(ベルトユニット401)の温度状態に基づいてヒータ動作停止タイミングを決定する。プリント動作開始時におけるヒータ403への通電開始直前のサーミスタTHの検知温度をプリント開始時定着温度T_startとする。T_startは定着装置40のプリント開始時における蓄熱の程度を表している。即ち、定着装置40の温度状態は、一連(画像形成ジョブ)の定着動作開始時(画像加熱動作開始時)のサーミスタTHの検知温度により判断される。
【0071】
T_startの代わりに、定着ベルト405の温度や加圧ローラ402の温度より判断して、定着装置40のプリント開始時における蓄熱の程度を表す値として用いても構わない。また、前回のプリントジョブ終了からの経過時間(一連の定着動作(画像加熱動作)におけるヒータ403の加熱動作時間)等により判断して、定着装置40のプリント開始時における蓄熱の程度を表す値として用いても構わない。
【0072】
プリント動作を開始してから、当該プリントジョブにおいてヒータ402への通電を開始してから最終紙の紙後端がレジセンサ24を通過するまでの時間をt_printとする。t_printは定着装置40が当該プリント動作中に加熱された程度を表している。
【0073】
t_printの代わりに、当該プリントジョブのプリント枚数や記録材Pのサイズや種類、当該プリントジョブ中の積算電力量等を、定着装置40が当該プリント動作中に加熱された程度を表す値として用いても構わない。
【0074】
本実施例では、T_startおよびt_printに基づいたΔtを表1のヒータ動作停止タイミングテーブルを用いて決定する。
【0075】
【表1】

【0076】
T_start<80℃、かつ、t_print<150sは定着装置40が冷えている状態とし、これを定着装置cold状態とする。T_start≧80℃、かつ、t_print≧150s以上は定着装置40が十分温まっている状態とし、これを定着装置hot状態とする。この定着装置cold状態と定着装置hot状態とにおける、ヒータ403のOFF前後における定着ベルト405の表面温度推移を図7および図8に示す。
【0077】
ここで、図7および図8でヒータOFFする前の温度推移は、前述したようにプリント中温度制御実行中はヒータ温度がT_printでほぼ一定に保たれている。このときの定着ベルト表面温度は、通紙中には定着ベルトから記録材Pに熱が奪われるために温度低下して、紙間では再び温度が上昇するような温度推移を繰り返す。定着ベルト405の表面温度が低下して、定着可能温度を下回るとトナーの加熱不足により定着不良が発生してしまうため、定着可能温度以上になるようにT_printが設定されている。
【0078】
図7は、比較例としての、定着装置cold状態および定着装置hot状態で同タイミングでヒータOFFした際の定着ベルト405の表面温度推移である。ヒータ動作停止タイミングがΔt0となるように、ヒータOFF時間t_off0経過時点でヒータOFFした際に、定着装置hot状態では定着装置40の余熱によりヒータOFF後の温度低下が緩やかであるために定着不良は発生しない。しかし、定着装置cold状態ではヒータOFF後の定着装置40の温度低下が大きくなり、最終紙後端においては定着不良が発生してしまう。
【0079】
図8は、定着装置cold状態および定着装置hot状態で表1に示すように異なるタイミングでヒータOFFした際の定着ベルト405の表面温度推移である。
【0080】
定着装置cold状態においては、ヒータ動作停止タイミングがΔt0より小さいΔt(cold)となるようにヒータOFF時間をt_off0より大きいt_off(cold)に設定することで、最終紙後端でも定着不良が発生しなくなった。
【0081】
一方、定着装置hot状態においては、ヒータ動作停止タイミングΔt(hot)となるようにヒータOFF時間t_off(hot)に設定することで、定着装置cold状態よりも早いタイミングでヒータOFFしても定着不良は発生しない。
【0082】
このように、定着装置40の温度状態に対するヒータOFF後の温度推移からヒータ動作停止タイミングΔtおよびヒータOFF時間t_offを決めることで、定着不良が発生せずに消費電力を低減することができる。
【0083】
本実施例では、定着装置40の温度状態によりヒータ動作停止タイミングΔtやヒータOFF時間t_offを決定したが、環境温度/湿度によりヒータ動作停止タイミングΔtやヒータOFF時間t_offを決定しても良い。即ち、図1と図5において、53は画像形成装置(または画像加熱装置)に設置されている環境の温度または湿度を検知する環境センサ(環境検知手段)である。この環境センサ53の検知温度または湿度の情報が制御回路部50に入力する。制御回路部50の加熱停止制御機能部が決定する所定の条件が、この環境センサ53の検知温度または湿度に基づくことを特徴とする。
【0084】
この場合、低温または高湿環境では定着装置40の温度低下が大きいためヒータ動作停止タイミングΔtを小さくヒータOFF時間t_offを大きく設定することができる。また、高温または低湿環境ではヒータ動作停止タイミングΔtを大きくヒータOFF時間t_offを小さく設定することができる。
【0085】
また、搬送(通紙)される記録材Pの種類によりヒータ動作停止タイミングΔtやヒータOFF時間t_offを決定しても良い。この場合、厚紙などの単位面積あたりの重量(坪量)が大きい記録材では、定着装置40の温度低下が大きいためヒータ動作停止タイミングΔtを小さくヒータOFF時間t_offを大きく設定することができる。また、坪量が小さい記録材ではヒータ動作停止タイミングΔtを大きくヒータOFF時間t_offを小さく設定することができる。搬送される記録材Pの種類情報は制御回路部50に対して操作部52の選択指定手段やホスト装置51からユーザーにより入力される。
【0086】
[実施例2]
本実施例では、制御回路部50の加熱停止制御機能部は、記録材Pの後端を検知する替わりに記録材に形成される画像の後端を検知してヒータ動作停止タイミングΔtを決定している点が、実施例1と異なっている。
【0087】
画像後端を検知する方法としては、レーザースキャナ13が潜像を形成する際に用いる画像情報から記録材後端側における画像有り領域から画像無し領域への変化点を検知する等の方法がある。
【0088】
画像後端位置を検出して、画像後端位置に対してヒータ動作停止タイミングΔtやヒータOFF時間t_offを決定することで、記録材後端基準でヒータ動作を停止するよりも早いタイミングでヒータ動作停止することができる。
【0089】
[その他の事項]
1)実施例では連続プリントジョブの場合における最終の記録材(最終紙)に対してのみ加熱停止制御手段を動作させる説明したけれども、モノプリントの場合における1枚通紙の記録材に対しても同様に加熱停止制御手段を動作させることができる。
【0090】
2)通紙される記録材の厚さなどに応じてプロセススピードを変更可能な画像形成装置や画像加熱装置において、記録材が連続して搬送される際に、記録材の間隔(紙間)が所定時間以上となる場合は次のような制御にすることもできる。即ち、先行する記録材に対して前記の加熱停止制御手段が動作する。
【0091】
3)画像加熱装置は実施例のベルト加熱方式に限られない。熱ローラ方式、熱チャンバー方式、赤外線照射方式、電磁加熱方式など従来公知の各種構成の加熱方式の画像加熱装置を使用することができる。
【0092】
4)または画像加熱装置は定着装置に限られない。記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大装置(画像改質装置)であってもよい。
【0093】
5)画像形成装置の画像形成部は電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式の画像形成部であってもよい。また、転写方式に限られず、記録材に対して直接方式で未定着画像を形成する構成のものであってもよい。
【符号の説明】
【0094】
t:画像、P:記録材、403:加熱手段、401:画像加熱手段、TH:温度検知手段、50:温度制御手段・加熱停止制御手段、24:記録材検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を担持して搬送される記録材を加熱手段による熱を用いて加熱する画像加熱手段と、
前記画像加熱手段の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段が検知する温度に基づいて前記加熱手段の加熱動作を制御する温度制御手段と、
前記画像加熱手段よりも記録材搬送方向上流側において搬送路上の記録材の位置を検知する記録材検知手段と、
前記加熱手段の加熱動作を停止するタイミングを記録材の後端が前記画像加熱手段を通過するタイミング以前に決定する加熱停止制御手段と、
を有し、前記温度制御手段は前記記録材検知手段により検知した記録材の位置に基づいて前記加熱停止制御手段が決定したタイミングにて前記加熱手段の加熱動作を停止することを特徴とする画像加熱装置。
【請求項2】
加熱停止制御手段が決定する所定の条件が、前記画像加熱手段の温度状態に基づくことを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項3】
前記画像加熱手段の温度状態は、一連の画像加熱動作における前記加熱手段の加熱動作時間により判断されることを特徴とする請求項2に記載の画像加熱装置。
【請求項4】
前記画像加熱手段の温度状態は、一連の画像加熱動作開始時の前記温度検知手段の検知温度により判断されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像加熱装置。
【請求項5】
前記加熱停止制御手段が決定する所定の条件が、画像加熱装置に設置されている環境の温度または湿度を検知する環境検知手段の検知温度または湿度に基づくことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の画像加熱装置。
【請求項6】
前記加熱停止制御手段が決定する所定の条件が、搬送される記録材の種類に基づくことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の画像加熱装置。
【請求項7】
前記加熱停止制御手段が決定する所定の条件が、記録材に形成された画像情報に基づくことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の画像加熱装置。
【請求項8】
記録材が連続して搬送される際に、最終の記録材に対してのみ前記加熱停止制御手段が動作することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像加熱装置。
【請求項9】
記録材が連続して搬送される際に、記録材の間隔が所定時間以上となる場合に先行する記録材に対して前記加熱停止制御手段が動作することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像加熱装置。
【請求項10】
搬送される記録材に未定着画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段から搬送された前記記録材を加熱して前記未定着画像を定着する画像定着手段と、を有する画像形成装置であって、前記画像定着手段が請求項1から請求項9の何れか一項に記載の画像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
画像を担持した記録材を搬送する搬送路と、
前記搬送路を搬送される加熱手段による熱を用いて加熱する画像加熱手段と、
前記画像加熱手段の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段の温度に基づいて前記加熱手段の加熱動作を制御する温度制御手段と、
前記画像加熱手段よりも記録材搬送方向上流側において搬送路上の記録材の位置を検知する記録材検知手段と、
前記加熱手段の加熱動作を停止するタイミングを記録材の後端が前記画像加熱手段を通過するタイミング以前に決定する加熱停止制御手段と、
を有し、前記温度制御手段は前記記録材検知手段により検知した記録材の位置に基づいて前記加熱停止制御手段が決定したタイミングにて前記加熱手段の加熱動作を停止することを特徴とする画像加熱システム。
【請求項12】
加熱停止制御手段が決定する所定の条件が、前記画像加熱手段の温度状態に基づくことを特徴とする請求項11に記載の画像加熱システム。
【請求項13】
前記画像加熱手段の温度状態は、一連の画像加熱動作における前記加熱手段の加熱動作時間により判断されることを特徴とする請求項12に記載の画像加熱システム。
【請求項14】
前記画像加熱手段の温度状態は、一連の画像加熱動作開始時の前記温度検知手段の検知温度により判断されることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の画像加熱システム。
【請求項15】
前記加熱停止制御手段が決定する所定の条件が、画像加熱装置に設置されている環境の温度または湿度を検知する環境検知手段の検知温度または湿度に基づくことを特徴とする請求項11から請求項14の何れか一項に記載の画像加熱システム。
【請求項16】
前記加熱停止制御手段が決定する所定の条件が、搬送される記録材の種類に基づくことを特徴とする請求項11から請求項15の何れか一項に記載の画像加熱システム。
【請求項17】
前記加熱停止制御手段が決定する所定の条件が、記録材に形成された画像情報に基づくことを特徴とする請求項11から請求項16の何れか一項に記載の画像加熱システム。
【請求項18】
記録材が連続して搬送される際に、最終の記録材に対してのみ前記加熱停止制御手段が動作することを特徴とする請求項11から請求項17の何れか一項に記載の画像加熱システム。
【請求項19】
記録材が連続して搬送される際に、記録材の間隔が所定時間以上となる場合に先行する記録材に対して前記加熱停止制御手段が動作することを特徴とする請求項11から請求項17の何れか一項に記載の画像加熱システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−105130(P2013−105130A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250497(P2011−250497)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】