画像形成システム、画像形成システムを構成する画像形成装置、その制御方法およびプログラム
【課題】従来、タンデム印刷システムにおいて印刷処理のデータを受けた場合、システムを構成する全ての画像形成装置が稼動状態になっていた。
【解決手段】2台以上の画像形成装置が連動して印刷処理を行う画像形成システムにおける画像形成装置において、印刷データの内容を解析して他の画像形成装置の電力を制御する信号を生成する電力制御手段を備えることを特徴とする。
【解決手段】2台以上の画像形成装置が連動して印刷処理を行う画像形成システムにおける画像形成装置において、印刷データの内容を解析して他の画像形成装置の電力を制御する信号を生成する電力制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成システムを構成する画像形成装置、その制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特色トナーの一種であるクリアトナーを用いた電子写真方式の画像形成装置が提案されている。クリアトナーを用いることで、様々な表現ができるようになり、印刷物の付加価値が向上する。CMYK等の有色トナーの他にクリアトナーを付加する仕組みを画像形成装置に組み込むことで1台の装置でクリアトナーを使った印刷物の作成を可能にしている。
【0003】
しかし、1台の画像形成装置にクリアトナーを付加する仕組みを組み込むことによって問題が発生する。それは、定着可能なトナー量には限りがあるところ、CMYKトナーとクリアトナーとはまとめて定着する必要があり、トナー量の制限に合わせるためにCMYKトナーまたはクリアトナーが十分に使えないという問題である。このような問題を解消するため、トナー量の情報から、トナーの定着処理を1回で行うか、複数回に分けて行うかを判断する仕組みが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
一方、印刷物の作成を複数の画像形成装置を繋げたシステムによって実現する場合には、全体の消費電力も増えることになり、効率の良い電力制御が望まれている。接続された複数の画像形成装置のうち、不使用期間中である画像形成装置は節電モードに移行させて該画像形成装置に対する電力供給を遮断することで消費電力を抑えるという技術が対応策として提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−299254号公報
【特許文献2】特開2007−090527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引用文献1のような仕組みを導入することでトナー量の制限などの問題を解消することは可能である。しかし、クリアトナーを使った印刷を必要としないユーザに対しては上記のような仕組みは不要な機能であってシステムの高コスト化をもたらすだけである。これに対しては、有色トナーを使う画像形成装置とクリアトナーを使う画像形成装置とを接続しクリアトナーを使った印刷物の作成が一括で行える画像形成システムを構築することで、クリアトナーに特化した仕組みは不要となる。このような画像形成システムであれば、クリアトナーを使った印刷を必要とするユーザは接続された双方の画像形成装置を用いて印刷を行えばよいし、クリアトナーを使った印刷を必要としないユーザは有色トナーを使う画像形成装置のみを用いて印刷すればよい。このように2つの画像形成装置を接続する仕組みを作ることで、様々なユーザの要望に柔軟に対応可能なシステムの構築が可能となる。
【0007】
ただし、2つの画像形成装置を繋げたシステムを提供する場合、システム全体の消費電力が増えることになるため、効率の良い電力制御が望まれる。
【0008】
例えば、CMYKカラートナーによって印刷済みの用紙を上記画像形成システムに投入し、そこにクリアトナー印刷を施して新たな印刷物を作成したい場合、後段の画像形成装置のみを稼動させれば十分である。しかし、上記特許文献2の従来技術では、前段の画像形成装置はスリープ状態に落ちることはなく通常の稼動状態のままである。
【0009】
また、前段の画像形成装置によってCMYKのカラー印刷を行った後、印刷データ内の特定データのみを対象として後段の画像形成装置でクリアトナー印刷をしたいという場合も考えられる。この場合、後段の画像形成装置のクリアトナー印刷を行うためのドラムや定着機構は、クリアトナー印刷を行わないデータの処理中であっても稼動状態のまま置かれることになる。
【0010】
つまり、上記引用文献2の従来技術における節電効果は限定的なもので、消費電力をさらに削減できる余地が多く残っていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像形成システムは、有色色材を用いて印刷を行う第1の画像形成装置の排紙部と接続された給紙部を有し、透明色材を用いて印刷を行う第2の画像形成装置が印刷処理を行う画像形成システムであって、前記画像形成システムに入力された印刷データを解析する解析手段と、前記解析手段による解析の結果、前記入力された印刷データに対して印刷処理を行う際に、前記画像形成システムを構成する画像形成装置の機能部のうち、少なくとも第1の画像形成装置を構成する機能部からスリープ状態へ移行可能な機能部を抽出し、該抽出された機能部がスリープ状態へ移行可能な期間情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された情報を用いて、スリープ状態へ移行可能な期間、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行させて電力制御を行う電力制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の画像形成装置からなる画像形成システムにおいて緻密な電力制御を行うことができ、これにより消費電力を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成システムを構成する画像形成装置の内部構成を示す図である。
【図3】データ処理部の内部構成を示す図である。
【図4】電力制御部の内部構成を示す図である。
【図5】データ解析部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】データ解析部における印刷データの解析結果の具体例を示す図である。
【図7】消費電力算出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】消費電力算出部における処理結果の一例を示した図である。
【図9】実施形態1に係る画像形成システムにおいて印刷データを処理した場合の概略を示す図である。
【図10】実施形態2に係る画像形成システムにおいて印刷データを処理した場合の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態1]
【0015】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。
【0016】
まず、後段の装置である第2の画像形成装置では、特色色材である透明色材を用いた印刷を行う。透明色材(クリアトナー)とは、透過性がある画像を付加する特徴を有する透明記録剤である。クリアトナーを用いると、有色トナーのみ用いて行われた印刷とは異なった光沢感、つや感、マット感等の特殊な質感を表現することができる。また、透明色材として、クリアトナー以外にも、淡色トナーやクリアインクを用いても構わない。また、前段の装置である第1の画像形成装置では、CMYKトナーのような有色色材を用いる。これも、CMYKに限らずモノクロ画像を実現するKトナーのみを用いてもよい。
【0017】
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【0018】
画像形成システム100は、画像形成装置101及び画像形成装置102からなり、相互に接続された2台が連動して印刷処理を行うことが可能となっている。なお、図1の画像形成システムは2台の画像形成装置で構成されているが、本発明の画像形成システムは3台以上の画像形成装置で構成することも可能である。
【0019】
また、印刷処理とは、入力したデータを印刷用紙等の媒体へ印刷出力し、印刷出力した用紙を搬送することを指す。
【0020】
画像形成システム100においては、画像形成装置101の排紙部と画像形成装置102の給紙部とが不図示のバッファを介して接続される。そして、画像形成装置101でトナーの転写、定着を終えた用紙が画像形成装置102に搬送・給紙され、同一の用紙上に特色トナーによる画像形成が行われる。
【0021】
103は画像形成装置101と画像形成装置102とを結ぶネットワークであり、このネットワーク103を介して画像形成装置間の各種制御や画像データの通信がなされる。また、ネットワーク103は不図示の外部ネットワーク(インターネット等)とも接続される。そして、このネットワーク103介して外部PC等から送られた制御信号によって画像形成システム100を制御したり、画像形成装置101、102に画像データを送信したりすることができる。
【0022】
画像形成装置101、102は、記録媒体である用紙上に画像を形成可能な装置である。本実施形態では、画像形成装置101はCMYKのカラートナーによる画像形成を行い、画像形成装置102は特色トナー(クリアトナー)による画像形成を行うものとする。なお、画像形成装置101及び102はそれぞれ単独でも画像形成を行い得る。そのため、例えば、画像形成装置101による印字処理を行った後、後段の画像形成装置102による印字処理を経ることなく、用紙を出力することが可能である。この場合、画像形成装置101での印字処理を終えた用紙は画像形成装置102に搬送されるとそのまま画像形成装置102の排紙口から出力される。
【0023】
(画像形成装置)
次に、画像形成装置101及び102の説明を行う。
【0024】
図2は、画像形成装置101及び画像形成装置102に共通の内部構成を示す図である。
【0025】
201はデータ処理部であり、その詳細については後述する。
【0026】
202は各種情報を表示する表示部であり、液晶ディスプレイ等で構成される。
【0027】
203は印刷部207を制御するプリンタコントローラである。
【0028】
204はユーザによる入力操作を受け付け可能な操作部であり、表示部202と共にユーザインタフェースを構成している。
【0029】
205は原稿をスキャンして画像データを読み取る画像読取部であり、ともに不図示の原稿台とオートドキュメントフィーダ(ADF)を含む。
【0030】
206はHDD、RAM、ROM等で構成される記憶部であり、画像読取部205で読み取った画像データなど各種のデータや情報、処理結果を格納する機能を有する。
【0031】
207は印刷部(エンジン部)であり、印刷に適した画像処理が施された画像データに基づいて記録媒体(例えば、紙)に画像を形成する。
208は、ネットワーク103を介して送られてくる印刷データや画像データ等の受信、各種命令の他方の画像形成装置への送信などを担うネットワークインタフェースである。
【0032】
(データ処理部)
続いて、データ処理部201について説明する。
【0033】
図3はデータ処理部201の内部構成を示す図である。
【0034】
データ処理部201は、CPU301、画像処理部302、及び電力制御部303から構成され、それらが共通バス304により相互に接続されている。
【0035】
CPU301は、操作部204等からユーザによって指示された印刷データの内容に応じて印刷を実行するための各種処理の制御を行う。この制御は、あらかじめROM等に格納されている制御プログラムに基づいて実行される。制御プログラムには、システムクロックによってタスクと称されるロードモジュール単位に時分割制御を行うためのOS(オペレーティングシステム)がある。また、制御プログラムには、このOSによって機能単位に実行制御される複数のロードモジュールがある。
【0036】
画像処理部302は、画像読取部205や記憶部206から受け取った印刷データに対して画像処理を行う。さらには印刷部207の特性に適した画像処理を行う。画像処理された画像データは、印刷部207に送られて印刷処理されたり、ネットワークI/F208を介して別の画像形成装置に送信されたり、記憶部206に格納されたりする。
【0037】
電力制御部303は、画像形成装置内の各部に供給する電力の制御を行う。本実施形態に係る画像形成システム100において前段の画像形成装置として機能する画像形成装置101の電力制御部303は、自身の電力制御に加え、他の画像形成装置に対する電力制御信号(命令)の生成も行う。具体的には、前段の画像形成装置101の電力制御部303は、受け取った印刷データ等の内容に基づき後段の画像形成装置102のスリープ状態への移行の是非を判定し、後段の画像形成装置102に対するスリープの移行/復帰命令を出力する。この場合、後段の画像形成装置102の電力制御部303は、前段の画像形成装置101から受け取った移行/復帰命令に従って電力を制御する。なお、画像形成システムが3台以上の画像形成装置からなる場合(後段の画像形成装置が複数の場合)にも同様に、最前段の画像形成装置の電力制御部303において後続する各画像形成装置のための電力制御信号が生成される。
【0038】
(電力制御部)
図4は、電力制御部303の内部構成を示す図である。
【0039】
電力制御部303は、データ解析部401、消費電力算出部403、スリープ制御部402、および実行部404を備える。
【0040】
以下、電力制御部303を構成する各部について説明するが、実施形態1では、前段の画像形成装置101において印刷データを受信することを前提としている。したがって、後述の実施形態2のように後段の画像形成装置102で印刷データを受信する態様においては、以下の説明は、後段の画像形成装置102の電力制御部303についての説明となる。すなわち、「前段」とある部分を「後段」、「後段」とある部分を「前段」にそれぞれ読み替えることで、そのまま実施形態2に係る画像形成装置102の電力制御部303についての説明となる。
【0041】
(データ解析部)
データ解析部401は、最初に、印刷データ、及び画像形成装置の機能部に関する情報(機能部情報)を取得する。ここで、「機能部情報」は、画像形成装置がどのような機能ブロックで構成されているかを示す情報である。そして、機能部情報には、各機能部がスリープ状態から復帰して安定するまでに要する時間に関する情報(動作特性情報)も含まれる。なお、機能部情報は、予め記憶部206に記憶されているものを読み出すことで取得してもよいし、或いは、前段の画像形成装置を起動する度に後段の画像形成装置から機能部情報を受信して取得するようにしてもよい。
【0042】
そして、データ解析部401は、印刷データを解析し、得られた解析結果と機能部情報とに基づいて、当該印刷データに対して処理を実行するにはどの画像形成装置のどの機能部を稼動させればよいか(どの機能部をスリープにできるか)を決定する。さらに、データ解析部401は、当該印刷データを処理する過程のどの部分(期間)でスリープ状態にできるかを判定する。判定結果は、スリープ期間情報としてスリープ制御部402に送られる。
【0043】
図5は、データ解析部401における処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
ステップ501において、データ解析部401は、印刷データ及び、前段と後段の双方の画像形成装置の機能部情報をCPU301から受け取る。
【0045】
ステップ502において、データ解析部401は、受け取った印刷データを解析し、各画像形成装置におけるデータ処理の内容(どのような処理をどのタイミングで行うか)を抽出する。
【0046】
ステップ503において、データ解析部401は、ステップ502で抽出した処理内容とステップ501で受け取った機能部情報とに基づいて、スリープ状態へと移行可能な機能部を抽出する。
ステップ504において、データ解析部401は、ステップ503で抽出された機能部のスリープ状態の開始と終了を規定する情報(スリープ期間情報)を生成する。
【0047】
ステップ505において、データ解析部401は、ステップ504で生成したスリープ期間情報をスリープ制御部402へ送る。また、データ解析部401は、ステップ503で抽出されたスリープ状態へと移行可能な機能部を特定する情報及び上記スリープ期間情報を消費電力算出部403へ送る。
【0048】
図6は、データ解析部401における印刷データの解析結果の具体例を示したものである。以下、印刷データ1〜4の各場合についてそれぞれ説明する。
【0049】
<印刷データ1:クリアトナー印刷なしの印刷データが連続して処理される場合>
この場合は、前段の画像形成装置においてCMYKトナーを用いた印字処理を行い、後段の画像形成装置においてはクリアトナーを用いた印字処理は行わずフィニッシャまでの搬送のみを行う。
【0050】
この時、データ解析部401は、以下のように判断する。
まず、前段の画像形成装置については、前段の画像形成装置におけるデータの処理(以下、「前段のデータ処理」と呼ぶ。)の間はスリープ状態にしてよい機能部はなく、すべての機能部を稼動状態にすると判断する。一方、後段の画像形成装置におけるジョブの処理(以下、「後段のデータ処理」と呼ぶ。)の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。すなわち、前段の画像形成装置について、後段のデータ処理の間は、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く、他の機能部をスリープ状態にしてよいと判断する。
【0051】
なお、この場合の他の機能部には、搬送系、定着処理を行う印刷部207、プリンタコントローラ203、画像読取部205、記憶部206、操作部204など、画像形成及び紙搬送に関して処理を行う機能部が含まれる。
【0052】
そして、後段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよい。そして後段のデータ処理中は搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。つまり、後段の画像形成装置について、前段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態にしてよいと判断し、後段のデータ処理の間は搬送系を稼動状態にすると判断する。
【0053】
<印刷データ2:CMYKトナー印刷なしの印刷データが連続して処理される場合>
この場合は、前段の画像形成装置においては、CMYKトナーを用いた印字処理は行わず用紙(カラー印刷済み)の搬送のみを行い、後段の画像形成装置においてクリアトナーを用いた印字処理を行うという内容である。この時、データ解析部401は、以下のように判断する。まず、前段の画像形成装置については、前段のデータ処理中は搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動状態にすると判断し、後段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動状態にすると判断する。すなわち、前段の画像形成装置にて、前段のデータ処理の間は、搬送系、及びデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態にしてよいと判断し、後段のデータ処理の間はさらに搬送系をスリープ状態にしてよいと判断する。
【0054】
そして、後段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断し、後段のデータ処理中はスリープ状態にしてよい機能部はなく、すべての機能部を稼動状態にすると判断する。つまり、後段の画像形成装置について、前段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態にしてよいと判断し、後段のデータ処理の間はすべての機能部を稼動状態にすると判断する。
【0055】
<印刷データ3:全10データ中、4つ目以降のデータがクリアトナーを用いた印刷を行う場合>
これは、前段の画像形成装置で処理される全10データに対しCMYKトナーを用いた印字処理を行った後、後段の画像形成装置では4つ目以降のデータについてのみクリアトナーを用いた印字処理を行うという内容のデータである。
【0056】
この場合、データ解析部401は、以下のように判断する。
【0057】
まず、前段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はスリープ状態にしてよい機能部はなく、すべての機能部を稼動状態にすると判断し、後段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。すなわち、前段の画像形成装置について、後段のデータ処理の間は、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行してよいと判断する。
【0058】
そして、後段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。そして、後段のデータ処理中は、その処理がいくつ目のデータの処理であるかに応じてスリープ状態にする対象を決定する。具体的には、4つ目の印字処理を行うまでは、搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。つまり、後段の画像形成装置について、前段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行できるとまず判断する。そして、後段のデータ処理の開始時に搬送系のスリープ状態を終了させて稼動状態にし、4つ目以降の処理の開始時点ですべての機能部を稼動状態にすると判断する。
【0059】
<印刷データ4:全5データ中、4つ目を除きクリアトナーを用いた印刷を行う場合>
これは、前段の画像形成装置で全5データに対しCMYKトナーを用いた印字処理を行った後、後段の画像形成装置では1、2、3、5つ目のデータについてのみ、クリアトナーを用いた印字処理を行うという内容である。
【0060】
この場合、データ解析部401は、以下のように判断する。
【0061】
まず、前段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はスリープ状態にしてよい機能部はなく、すべての機能部を稼動状態にすると判断し、後段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。すなわち、前段の画像形成装置について、後段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行できると判断する。
【0062】
そして、後段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。そして、印刷データ3と同様、後段のデータ処理中は、その処理が何ページ目の処理であるかに応じてスリープ状態にする対象を決定する。具体的には、1〜3つ目及び5つ目の印字処理を行う間は後段の画像形成装置のすべての機能部を稼動状態にすると判断し、4つ目の処理を行う間は、搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。つまり、後段の画像形成装置について、前段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行できると判断する。そして、後段のデータ処理の間は、まず、その開始時に後段の画像形成装置のすべての機能部のスリープ状態を終了させ稼動状態にすると判断する。そして、4ページ目の処理の開始時点で、搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行可能で、4ページ目の処理の終了の時点でこれら機能部のスリープ状態は終了と判断する。
【0063】
次に、スリープ制御部402について説明する。
【0064】
スリープ制御部402は、データ解析部401から受け取ったスリープ期間情報を参照して、スリープ状態への移行命令及びスリープ状態からの復帰命令を発行するタイミングを決定する。そして、決定した発行タイミングを実行部404に送る。
【0065】
以下、移行命令及び復帰命令の発行タイミングを決定する場合の基本的考え方を説明する。
【0066】
<移行命令の場合>
原則として、スリープ期間の開始の時点がそのまま移行命令の発行のタイミングとなる。すなわち、スリープ期間の開始時点において対象の機能部がスリープ状態に入るように移行命令の発行タイミングは決定される。
【0067】
しかしながら、常に上記原則通りとした場合には不都合が生じるケースもある。例えば、エンジンの場合、スリープから復帰して安定するまでに10SEC程度を要する。したがって、エンジンのスリープ期間が10SEC以下であるのに原則通り移行命令を発行すると、スリープ期間の終了後もエンジンが安定するまでは次の処理が開始できないという状態(待ち状態)が生じてしまう。そうなると予定されたとおりの消費電力の削減効果を得られないばかりか、スループットも落ちてしまう。そこで、このような待ち状態が生じないよう、各機能部の動作特性を考慮して、移行命令の発行タイミングを決定するようにしてもよい。
【0068】
例えば、上記の印刷データ4の場合、データ解析部401は、後段の画像形成装置について、後段のデータ処理中において4つ目の処理を行う間、印刷部207(つまり、エンジン)をスリープ状態にすると判断している。通常であれば、データ1つ分のクリアトナーの印字処理に10SECを要することはないので、この場合、スリープへの移行命令の発行タイミングを決定しない(=発行命令を発行しない)ようにする。すなわち、後述の消費電力算出部403においてスリープ状態に移行するか否かを決定することとしているが、スリープ制御部402においてその一部を担うようにしてもよい。
【0069】
<復帰命令の場合>
上記の印刷データ3の場合を例に説明する。この場合において、後段の画像形成装置における機能部の動作特性情報として、エンジンのスリープ復帰に要する時間は10SEC、搬送系のスリープ復帰に要する時間は0.5SEC、コントローラのスリープ復帰に要する時間は10MSECとする。
【0070】
印刷データ3の例では、後段の画像形成装置は、後段のデータ処理の開始の時点で搬送系が稼動状態になければならない。そこで、まず、搬送系の復帰命令の発行タイミングが「1つ目のデータ印刷開始の0.5SEC前」に決定される。同様に、コントローラの復帰命令の発行タイミングが「1つ目データの印刷開始の0.1MSEC前」に決定される。そして、4つ目のデータ以降の処理においてはすべての機能部が稼動している必要があるので、エンジンの復帰命令の発行タイミングが「4つ目データの印刷が開始される10SEC前」に決定される。
【0071】
このように、各機能部がスリープ状態から復帰して安定するまでの時間を考慮して復帰命令の発行タイミングは決定される。
【0072】
なお、移行命令の場合も復帰命令の場合も、命令の送受信に要する時間や、状態を変化させるための処理時間などがさらに考慮された上で、実際の発行タイミングは決定される。
【0073】
次に、消費電力算出部403について説明する。
【0074】
消費電力算出部403は、後段の画像形成装置102をスリープ状態にする場合としない場合とで、トータルで消費される電力量を比較し、スリープ状態に移行するかどうかを決定する処理を行う。
【0075】
図7は消費電力算出部403における処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
ステップ701において、消費電力算出部403は、スリープ状態へと移行可能な機能部の情報及びスリープ期間情報をデータ解析部401から受け取る。
【0077】
ステップ702において、消費電力算出部403は、受け取ったスリープ期間情報から、スリープ状態へと移行可能な機能部をスリープ状態にした場合の消費電力量を算出する。具体的には、該機能部に対するスリープ時の供給電力に、スリープ状態におかれる時間を乗じることによって算出する。
【0078】
ステップ703において、消費電力算出部403は、スリープ状態にした各機能部をスリープ状態から復帰させる場合にかかる電力量を算出する。通常、スリープ状態から復帰する際には、過渡電流が流れ込むため、一時的ではあるが通常の稼動時に必要な電力以上の電力(通常時の3〜4倍程度)を消費する。これをスリープ状態にするために必要なコストとしてカウントするために、本ステップにおいて、スリープ復帰時にかかる電力量を算出する。
【0079】
ステップ704において、消費電力算出部403は、ステップ702で算出したスリープ時の消費電力量に、ステップ703で算出したスリープ復帰時にかかる電力量を加算する。これにより、スリープ状態に移行可能と判定された各機能部をスリープ状態にすることによってトータルで必要となる消費電力量を算出する。
【0080】
ステップ705において、消費電力算出部403は、スリープ状態に移行可能な各機能部をスリープ状態に移行しない場合に消費される電力量(すなわち、通常の稼動時の消費電力量)を算出する。
【0081】
ステップ706において、消費電力算出部403は、スリープ状態に移行可能な各機能部をスリープ状態にすることで消費電力を削減する効果があるのかどうかを判定する。具体的には、ステップ704で算出した消費電力量とステップ705で算出した消費電力量とを比較し、ステップ704で算出した消費電力量の方が小さい場合に、スリープ移行による消費電力の削減効果があると判定する。削減効果があると判定された場合はステップ707に進む。削減効果がない、すなわち、スリープ状態に移行させない方がトータルの消費電力量が少ないと判定された場合は、本処理を終了する。
【0082】
ステップ707において、消費電力算出部403は、スリープ状態への移行命令の発行を指示する信号を実行部404に出力する。
【0083】
図8は、エンジン等(データ処理部の一部とネットワークIFを除く機能部)をスリープ対象とした場合における、消費電力算出部403における処理結果の一例を示したものである。エンジン等が稼動状態にある場合の消費電力が1500W、エンジン等をスリープ状態にした場合の消費電力が150Wと仮定した。そして、スリープ期間がそれぞれ1秒、10秒、30秒の場合についてスリープ状態にすることによる実効性があるかどうかを判定した結果を示している。この表から明らかなように、スリープ期間が1秒の場合には、スリープ状態にすることでかかる総消費電力量は1950WSとなりスリープ状態に移行しない方が消費電力量が450WS少なくて済む。したがって、この場合には上述のステップ706で「NO」となり、スリープ状態への移行命令の発行を指示する信号は出力されない。一方、スリープ期間が10秒や30秒の場合には、スリープ状態に移行することによりトータルの消費電力量が小さく出来るので、上述のステップ706で「YES」となり、スリープ状態への移行命令の発行を指示する信号が出力されることになる。
【0084】
次に、実行部404について説明する。
【0085】
実行部404は、スリープ制御部402からの移行命令及び/又は復帰命令の発行タイミング情報、および消費電力算出部403からの移行/復帰命令の発行を指示する信号に従って、各機能部の稼動状態とスリープ状態との切り替えの実行に必要な処理を行う。具体的には、前段の画像形成装置の各機能部については、受け取った移行/復帰命令の発行タイミングに従って電力を制御し、必要な電力の供給状態を作り出す。また、後段の画像形成装置の各機能部については、指示された発行タイミングで移行命令又は復帰命令を後段の画像形成装置に対して出力する。後段の画像形成装置の電力制御部303は受け取った移行命令又は復帰命令に従って電力を制御する。すなわち、受信した移行命令又は復帰命令は、後段の画像形成装置においてデータ解析部401を介さずに直接に実行部404に送られ(図4の破線を参照)、該命令に基づく電力の供給状態が作り出される。
【0086】
図9は、本実施形態に係る画像形成システム100において、前述の印刷データ1を処理した場合の概略を示す図である。
【0087】
ここで、前段の画像形成装置101はエンジン等の全機能部が稼動し印刷データの送信を待っている状態であり、後段の画像形成装置102はデータ処理部の一部とネットワークIFのみが稼動するスリープ状態である。
【0088】
そして、ネットワーク103を介して印刷データ1を前段の画像形成装置101が受け取ると、前段の画像形成装置101の電力制御部303は、受信した印刷データ1に基づいて前述したスリープ制御に関する処理を行う。
【0089】
その後、前段の画像形成装置101は、後段の画像形成装置102に対し、後段の画像形成装置102における処理を示すデータを送信する。印刷データ1の場合、後段の画像装置には、用紙搬送のデータが送信されることになる。用紙搬送のデータを受信した後段の画像形成装置102は、後段の画像形成装置102における処理が可能であることを前段の画像形成装置101に通知する。
【0090】
通知を受け取った前段の画像形成装置101は、自身のデータの処理(CMYKトナーによる印字処理)を開始する。また、前段の画像形成装置101は、印字処理と並行して、所定の発行タイミングでスリープの復帰命令/移行命令を後段の画像形成装置102に対して出力する。印字処理を終えた用紙は後段の画像形成装置102に順次送られる。CMYKトナーの印字処理が終了した段階で、前段の画像形成装置101は、データ処理部の一部とネットワークIFを残してスリープ状態に移行する。
【0091】
後段の画像形成装置102は、受信した復帰命令に従って搬送系を稼動状態にさせ、データに従った処理を行う。すなわち、CMYKトナーによる印字を終えた用紙を前段の画像形成装置101から受け取って、順次フィニッシャまで搬送する。すべての用紙の搬送を終えると、受信した移行命令に従ってデータ処理部の一部とネットワークIFを残してスリープ状態に移行する。
【0092】
このように本発明によれば、複数の画像形成装置で構成される画像形成システムにおいて緻密な電力制御が可能になる。また、本実施形態に係る画像形成システムの場合、印刷データの内容に基づいたシステム全体の電力制御を前段の画像形成装置で行うので、後段の画像形成装置を最も効率的な動作モードに自動で移行することが可能となる。
【0093】
[実施形態2]
【0094】
実施形態1では、印刷データを受信する前段の画像形成装置において後段の画像形成装置の電力制御も行う態様について説明した。次に、印刷データを後段の画像形成装置で受信し、後段の画像形成装置において前段の画像形成装置の電力制御を行う態様について、実施形態2として説明する。
【0095】
なお、本実施形態に係る画像形成システムの構成や各画像形成装置の内部構成は実施形態1で示した内容と同じであるので、ここでは差異点を中心に説明することとする。
【0096】
図1で示す画像形成システム100の後段の画像形成装置102で印刷データを受信して処理する場合の例としては、たとえば、実施形態1で説明した印刷データ2のような場合が挙げられる。すなわち、前段の画像形成装置101においてCMYKトナーによる印字処理を行う必要がない場合である。特に印刷データ2の場合、原稿を直接後段の画像形成装置102に投入し、前段の画像形成装置101では搬送も行わないというケースも十分に考えられる。さらに、印刷物にクリアトナーを載せてみてその出来を事前にチェックしたい場合など、お試し印刷のようなケースも考えられる。
【0097】
図10は、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、クリアトナー印刷のみを行う場合の処理の概略を示す図である。図10に示されるとおり、CMYKカラーの印刷が既になされた用紙が直接に後段の画像形成装置102に投入され、印刷データも後段の画像形成装置102で受信されている。
【0098】
そして、印刷データを受け取った後段の画像形成装置102から前段の画像形成装置101に対してスリープの移行命令等が送信されている。前段の画像形成装置102では、該命令に従って電力状態を制御することになる。
【0099】
印刷データ2を受け取った後段の画像形成装置102の電力制御部303では、以下のような処理が行われる。
【0100】
まず、データ解析部401が、何等の処理も行わない前段の画像形成装置101については、データ処理部201の一部とネットワークI/F208のみを稼動させればよいと判断する。また、後段の画像形成装置102自身については、クリアトナー印字を行うため、すべての機能部を稼動状態にすると判断する。そして、スリープ制御部402及び消費電力算出部403における所定の処理を経て、実行部404は、前段の画像形成装置101に対してエンジンや搬送系など主要な機能部をスリープ状態にする移行命令が直ちに出力される。また、実行部404は、後段の画像形成装置102の各機能部を稼動状態にし、クリアトナー印字処理が実行可能な状態にする。
【0101】
そして、後段の画像形成装置102におけるクリアトナー印字処理が実行される。
【0102】
以上のように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、前段の画像形成装置は後段の画像形成装置からの指示によりスリープ状態へと移行する。特に、本実施形態のように前段の画像形成装置がCMYKトナーを備えたカラー画像形成装置である場合には、後段の画像形成装置におけるデータの処理中、CMYKの4つのエンジンすべてをスリープ状態にするのでより大きな節電効果が期待できる。
【0103】
(その他の実施例)
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成システムを構成する画像形成装置、その制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特色トナーの一種であるクリアトナーを用いた電子写真方式の画像形成装置が提案されている。クリアトナーを用いることで、様々な表現ができるようになり、印刷物の付加価値が向上する。CMYK等の有色トナーの他にクリアトナーを付加する仕組みを画像形成装置に組み込むことで1台の装置でクリアトナーを使った印刷物の作成を可能にしている。
【0003】
しかし、1台の画像形成装置にクリアトナーを付加する仕組みを組み込むことによって問題が発生する。それは、定着可能なトナー量には限りがあるところ、CMYKトナーとクリアトナーとはまとめて定着する必要があり、トナー量の制限に合わせるためにCMYKトナーまたはクリアトナーが十分に使えないという問題である。このような問題を解消するため、トナー量の情報から、トナーの定着処理を1回で行うか、複数回に分けて行うかを判断する仕組みが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
一方、印刷物の作成を複数の画像形成装置を繋げたシステムによって実現する場合には、全体の消費電力も増えることになり、効率の良い電力制御が望まれている。接続された複数の画像形成装置のうち、不使用期間中である画像形成装置は節電モードに移行させて該画像形成装置に対する電力供給を遮断することで消費電力を抑えるという技術が対応策として提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−299254号公報
【特許文献2】特開2007−090527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引用文献1のような仕組みを導入することでトナー量の制限などの問題を解消することは可能である。しかし、クリアトナーを使った印刷を必要としないユーザに対しては上記のような仕組みは不要な機能であってシステムの高コスト化をもたらすだけである。これに対しては、有色トナーを使う画像形成装置とクリアトナーを使う画像形成装置とを接続しクリアトナーを使った印刷物の作成が一括で行える画像形成システムを構築することで、クリアトナーに特化した仕組みは不要となる。このような画像形成システムであれば、クリアトナーを使った印刷を必要とするユーザは接続された双方の画像形成装置を用いて印刷を行えばよいし、クリアトナーを使った印刷を必要としないユーザは有色トナーを使う画像形成装置のみを用いて印刷すればよい。このように2つの画像形成装置を接続する仕組みを作ることで、様々なユーザの要望に柔軟に対応可能なシステムの構築が可能となる。
【0007】
ただし、2つの画像形成装置を繋げたシステムを提供する場合、システム全体の消費電力が増えることになるため、効率の良い電力制御が望まれる。
【0008】
例えば、CMYKカラートナーによって印刷済みの用紙を上記画像形成システムに投入し、そこにクリアトナー印刷を施して新たな印刷物を作成したい場合、後段の画像形成装置のみを稼動させれば十分である。しかし、上記特許文献2の従来技術では、前段の画像形成装置はスリープ状態に落ちることはなく通常の稼動状態のままである。
【0009】
また、前段の画像形成装置によってCMYKのカラー印刷を行った後、印刷データ内の特定データのみを対象として後段の画像形成装置でクリアトナー印刷をしたいという場合も考えられる。この場合、後段の画像形成装置のクリアトナー印刷を行うためのドラムや定着機構は、クリアトナー印刷を行わないデータの処理中であっても稼動状態のまま置かれることになる。
【0010】
つまり、上記引用文献2の従来技術における節電効果は限定的なもので、消費電力をさらに削減できる余地が多く残っていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像形成システムは、有色色材を用いて印刷を行う第1の画像形成装置の排紙部と接続された給紙部を有し、透明色材を用いて印刷を行う第2の画像形成装置が印刷処理を行う画像形成システムであって、前記画像形成システムに入力された印刷データを解析する解析手段と、前記解析手段による解析の結果、前記入力された印刷データに対して印刷処理を行う際に、前記画像形成システムを構成する画像形成装置の機能部のうち、少なくとも第1の画像形成装置を構成する機能部からスリープ状態へ移行可能な機能部を抽出し、該抽出された機能部がスリープ状態へ移行可能な期間情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された情報を用いて、スリープ状態へ移行可能な期間、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行させて電力制御を行う電力制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の画像形成装置からなる画像形成システムにおいて緻密な電力制御を行うことができ、これにより消費電力を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成システムを構成する画像形成装置の内部構成を示す図である。
【図3】データ処理部の内部構成を示す図である。
【図4】電力制御部の内部構成を示す図である。
【図5】データ解析部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】データ解析部における印刷データの解析結果の具体例を示す図である。
【図7】消費電力算出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】消費電力算出部における処理結果の一例を示した図である。
【図9】実施形態1に係る画像形成システムにおいて印刷データを処理した場合の概略を示す図である。
【図10】実施形態2に係る画像形成システムにおいて印刷データを処理した場合の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態1]
【0015】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。
【0016】
まず、後段の装置である第2の画像形成装置では、特色色材である透明色材を用いた印刷を行う。透明色材(クリアトナー)とは、透過性がある画像を付加する特徴を有する透明記録剤である。クリアトナーを用いると、有色トナーのみ用いて行われた印刷とは異なった光沢感、つや感、マット感等の特殊な質感を表現することができる。また、透明色材として、クリアトナー以外にも、淡色トナーやクリアインクを用いても構わない。また、前段の装置である第1の画像形成装置では、CMYKトナーのような有色色材を用いる。これも、CMYKに限らずモノクロ画像を実現するKトナーのみを用いてもよい。
【0017】
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【0018】
画像形成システム100は、画像形成装置101及び画像形成装置102からなり、相互に接続された2台が連動して印刷処理を行うことが可能となっている。なお、図1の画像形成システムは2台の画像形成装置で構成されているが、本発明の画像形成システムは3台以上の画像形成装置で構成することも可能である。
【0019】
また、印刷処理とは、入力したデータを印刷用紙等の媒体へ印刷出力し、印刷出力した用紙を搬送することを指す。
【0020】
画像形成システム100においては、画像形成装置101の排紙部と画像形成装置102の給紙部とが不図示のバッファを介して接続される。そして、画像形成装置101でトナーの転写、定着を終えた用紙が画像形成装置102に搬送・給紙され、同一の用紙上に特色トナーによる画像形成が行われる。
【0021】
103は画像形成装置101と画像形成装置102とを結ぶネットワークであり、このネットワーク103を介して画像形成装置間の各種制御や画像データの通信がなされる。また、ネットワーク103は不図示の外部ネットワーク(インターネット等)とも接続される。そして、このネットワーク103介して外部PC等から送られた制御信号によって画像形成システム100を制御したり、画像形成装置101、102に画像データを送信したりすることができる。
【0022】
画像形成装置101、102は、記録媒体である用紙上に画像を形成可能な装置である。本実施形態では、画像形成装置101はCMYKのカラートナーによる画像形成を行い、画像形成装置102は特色トナー(クリアトナー)による画像形成を行うものとする。なお、画像形成装置101及び102はそれぞれ単独でも画像形成を行い得る。そのため、例えば、画像形成装置101による印字処理を行った後、後段の画像形成装置102による印字処理を経ることなく、用紙を出力することが可能である。この場合、画像形成装置101での印字処理を終えた用紙は画像形成装置102に搬送されるとそのまま画像形成装置102の排紙口から出力される。
【0023】
(画像形成装置)
次に、画像形成装置101及び102の説明を行う。
【0024】
図2は、画像形成装置101及び画像形成装置102に共通の内部構成を示す図である。
【0025】
201はデータ処理部であり、その詳細については後述する。
【0026】
202は各種情報を表示する表示部であり、液晶ディスプレイ等で構成される。
【0027】
203は印刷部207を制御するプリンタコントローラである。
【0028】
204はユーザによる入力操作を受け付け可能な操作部であり、表示部202と共にユーザインタフェースを構成している。
【0029】
205は原稿をスキャンして画像データを読み取る画像読取部であり、ともに不図示の原稿台とオートドキュメントフィーダ(ADF)を含む。
【0030】
206はHDD、RAM、ROM等で構成される記憶部であり、画像読取部205で読み取った画像データなど各種のデータや情報、処理結果を格納する機能を有する。
【0031】
207は印刷部(エンジン部)であり、印刷に適した画像処理が施された画像データに基づいて記録媒体(例えば、紙)に画像を形成する。
208は、ネットワーク103を介して送られてくる印刷データや画像データ等の受信、各種命令の他方の画像形成装置への送信などを担うネットワークインタフェースである。
【0032】
(データ処理部)
続いて、データ処理部201について説明する。
【0033】
図3はデータ処理部201の内部構成を示す図である。
【0034】
データ処理部201は、CPU301、画像処理部302、及び電力制御部303から構成され、それらが共通バス304により相互に接続されている。
【0035】
CPU301は、操作部204等からユーザによって指示された印刷データの内容に応じて印刷を実行するための各種処理の制御を行う。この制御は、あらかじめROM等に格納されている制御プログラムに基づいて実行される。制御プログラムには、システムクロックによってタスクと称されるロードモジュール単位に時分割制御を行うためのOS(オペレーティングシステム)がある。また、制御プログラムには、このOSによって機能単位に実行制御される複数のロードモジュールがある。
【0036】
画像処理部302は、画像読取部205や記憶部206から受け取った印刷データに対して画像処理を行う。さらには印刷部207の特性に適した画像処理を行う。画像処理された画像データは、印刷部207に送られて印刷処理されたり、ネットワークI/F208を介して別の画像形成装置に送信されたり、記憶部206に格納されたりする。
【0037】
電力制御部303は、画像形成装置内の各部に供給する電力の制御を行う。本実施形態に係る画像形成システム100において前段の画像形成装置として機能する画像形成装置101の電力制御部303は、自身の電力制御に加え、他の画像形成装置に対する電力制御信号(命令)の生成も行う。具体的には、前段の画像形成装置101の電力制御部303は、受け取った印刷データ等の内容に基づき後段の画像形成装置102のスリープ状態への移行の是非を判定し、後段の画像形成装置102に対するスリープの移行/復帰命令を出力する。この場合、後段の画像形成装置102の電力制御部303は、前段の画像形成装置101から受け取った移行/復帰命令に従って電力を制御する。なお、画像形成システムが3台以上の画像形成装置からなる場合(後段の画像形成装置が複数の場合)にも同様に、最前段の画像形成装置の電力制御部303において後続する各画像形成装置のための電力制御信号が生成される。
【0038】
(電力制御部)
図4は、電力制御部303の内部構成を示す図である。
【0039】
電力制御部303は、データ解析部401、消費電力算出部403、スリープ制御部402、および実行部404を備える。
【0040】
以下、電力制御部303を構成する各部について説明するが、実施形態1では、前段の画像形成装置101において印刷データを受信することを前提としている。したがって、後述の実施形態2のように後段の画像形成装置102で印刷データを受信する態様においては、以下の説明は、後段の画像形成装置102の電力制御部303についての説明となる。すなわち、「前段」とある部分を「後段」、「後段」とある部分を「前段」にそれぞれ読み替えることで、そのまま実施形態2に係る画像形成装置102の電力制御部303についての説明となる。
【0041】
(データ解析部)
データ解析部401は、最初に、印刷データ、及び画像形成装置の機能部に関する情報(機能部情報)を取得する。ここで、「機能部情報」は、画像形成装置がどのような機能ブロックで構成されているかを示す情報である。そして、機能部情報には、各機能部がスリープ状態から復帰して安定するまでに要する時間に関する情報(動作特性情報)も含まれる。なお、機能部情報は、予め記憶部206に記憶されているものを読み出すことで取得してもよいし、或いは、前段の画像形成装置を起動する度に後段の画像形成装置から機能部情報を受信して取得するようにしてもよい。
【0042】
そして、データ解析部401は、印刷データを解析し、得られた解析結果と機能部情報とに基づいて、当該印刷データに対して処理を実行するにはどの画像形成装置のどの機能部を稼動させればよいか(どの機能部をスリープにできるか)を決定する。さらに、データ解析部401は、当該印刷データを処理する過程のどの部分(期間)でスリープ状態にできるかを判定する。判定結果は、スリープ期間情報としてスリープ制御部402に送られる。
【0043】
図5は、データ解析部401における処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
ステップ501において、データ解析部401は、印刷データ及び、前段と後段の双方の画像形成装置の機能部情報をCPU301から受け取る。
【0045】
ステップ502において、データ解析部401は、受け取った印刷データを解析し、各画像形成装置におけるデータ処理の内容(どのような処理をどのタイミングで行うか)を抽出する。
【0046】
ステップ503において、データ解析部401は、ステップ502で抽出した処理内容とステップ501で受け取った機能部情報とに基づいて、スリープ状態へと移行可能な機能部を抽出する。
ステップ504において、データ解析部401は、ステップ503で抽出された機能部のスリープ状態の開始と終了を規定する情報(スリープ期間情報)を生成する。
【0047】
ステップ505において、データ解析部401は、ステップ504で生成したスリープ期間情報をスリープ制御部402へ送る。また、データ解析部401は、ステップ503で抽出されたスリープ状態へと移行可能な機能部を特定する情報及び上記スリープ期間情報を消費電力算出部403へ送る。
【0048】
図6は、データ解析部401における印刷データの解析結果の具体例を示したものである。以下、印刷データ1〜4の各場合についてそれぞれ説明する。
【0049】
<印刷データ1:クリアトナー印刷なしの印刷データが連続して処理される場合>
この場合は、前段の画像形成装置においてCMYKトナーを用いた印字処理を行い、後段の画像形成装置においてはクリアトナーを用いた印字処理は行わずフィニッシャまでの搬送のみを行う。
【0050】
この時、データ解析部401は、以下のように判断する。
まず、前段の画像形成装置については、前段の画像形成装置におけるデータの処理(以下、「前段のデータ処理」と呼ぶ。)の間はスリープ状態にしてよい機能部はなく、すべての機能部を稼動状態にすると判断する。一方、後段の画像形成装置におけるジョブの処理(以下、「後段のデータ処理」と呼ぶ。)の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。すなわち、前段の画像形成装置について、後段のデータ処理の間は、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く、他の機能部をスリープ状態にしてよいと判断する。
【0051】
なお、この場合の他の機能部には、搬送系、定着処理を行う印刷部207、プリンタコントローラ203、画像読取部205、記憶部206、操作部204など、画像形成及び紙搬送に関して処理を行う機能部が含まれる。
【0052】
そして、後段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよい。そして後段のデータ処理中は搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。つまり、後段の画像形成装置について、前段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態にしてよいと判断し、後段のデータ処理の間は搬送系を稼動状態にすると判断する。
【0053】
<印刷データ2:CMYKトナー印刷なしの印刷データが連続して処理される場合>
この場合は、前段の画像形成装置においては、CMYKトナーを用いた印字処理は行わず用紙(カラー印刷済み)の搬送のみを行い、後段の画像形成装置においてクリアトナーを用いた印字処理を行うという内容である。この時、データ解析部401は、以下のように判断する。まず、前段の画像形成装置については、前段のデータ処理中は搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動状態にすると判断し、後段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動状態にすると判断する。すなわち、前段の画像形成装置にて、前段のデータ処理の間は、搬送系、及びデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態にしてよいと判断し、後段のデータ処理の間はさらに搬送系をスリープ状態にしてよいと判断する。
【0054】
そして、後段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断し、後段のデータ処理中はスリープ状態にしてよい機能部はなく、すべての機能部を稼動状態にすると判断する。つまり、後段の画像形成装置について、前段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態にしてよいと判断し、後段のデータ処理の間はすべての機能部を稼動状態にすると判断する。
【0055】
<印刷データ3:全10データ中、4つ目以降のデータがクリアトナーを用いた印刷を行う場合>
これは、前段の画像形成装置で処理される全10データに対しCMYKトナーを用いた印字処理を行った後、後段の画像形成装置では4つ目以降のデータについてのみクリアトナーを用いた印字処理を行うという内容のデータである。
【0056】
この場合、データ解析部401は、以下のように判断する。
【0057】
まず、前段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はスリープ状態にしてよい機能部はなく、すべての機能部を稼動状態にすると判断し、後段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。すなわち、前段の画像形成装置について、後段のデータ処理の間は、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行してよいと判断する。
【0058】
そして、後段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。そして、後段のデータ処理中は、その処理がいくつ目のデータの処理であるかに応じてスリープ状態にする対象を決定する。具体的には、4つ目の印字処理を行うまでは、搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。つまり、後段の画像形成装置について、前段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行できるとまず判断する。そして、後段のデータ処理の開始時に搬送系のスリープ状態を終了させて稼動状態にし、4つ目以降の処理の開始時点ですべての機能部を稼動状態にすると判断する。
【0059】
<印刷データ4:全5データ中、4つ目を除きクリアトナーを用いた印刷を行う場合>
これは、前段の画像形成装置で全5データに対しCMYKトナーを用いた印字処理を行った後、後段の画像形成装置では1、2、3、5つ目のデータについてのみ、クリアトナーを用いた印字処理を行うという内容である。
【0060】
この場合、データ解析部401は、以下のように判断する。
【0061】
まず、前段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はスリープ状態にしてよい機能部はなく、すべての機能部を稼動状態にすると判断し、後段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。すなわち、前段の画像形成装置について、後段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行できると判断する。
【0062】
そして、後段の画像形成装置については、前段のデータ処理中はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。そして、印刷データ3と同様、後段のデータ処理中は、その処理が何ページ目の処理であるかに応じてスリープ状態にする対象を決定する。具体的には、1〜3つ目及び5つ目の印字処理を行う間は後段の画像形成装置のすべての機能部を稼動状態にすると判断し、4つ目の処理を行う間は、搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を稼動させればよいと判断する。つまり、後段の画像形成装置について、前段のデータ処理の間はデータ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行できると判断する。そして、後段のデータ処理の間は、まず、その開始時に後段の画像形成装置のすべての機能部のスリープ状態を終了させ稼動状態にすると判断する。そして、4ページ目の処理の開始時点で、搬送系及び、データ処理部201の一部とネットワークI/F208を除く他の機能部をスリープ状態に移行可能で、4ページ目の処理の終了の時点でこれら機能部のスリープ状態は終了と判断する。
【0063】
次に、スリープ制御部402について説明する。
【0064】
スリープ制御部402は、データ解析部401から受け取ったスリープ期間情報を参照して、スリープ状態への移行命令及びスリープ状態からの復帰命令を発行するタイミングを決定する。そして、決定した発行タイミングを実行部404に送る。
【0065】
以下、移行命令及び復帰命令の発行タイミングを決定する場合の基本的考え方を説明する。
【0066】
<移行命令の場合>
原則として、スリープ期間の開始の時点がそのまま移行命令の発行のタイミングとなる。すなわち、スリープ期間の開始時点において対象の機能部がスリープ状態に入るように移行命令の発行タイミングは決定される。
【0067】
しかしながら、常に上記原則通りとした場合には不都合が生じるケースもある。例えば、エンジンの場合、スリープから復帰して安定するまでに10SEC程度を要する。したがって、エンジンのスリープ期間が10SEC以下であるのに原則通り移行命令を発行すると、スリープ期間の終了後もエンジンが安定するまでは次の処理が開始できないという状態(待ち状態)が生じてしまう。そうなると予定されたとおりの消費電力の削減効果を得られないばかりか、スループットも落ちてしまう。そこで、このような待ち状態が生じないよう、各機能部の動作特性を考慮して、移行命令の発行タイミングを決定するようにしてもよい。
【0068】
例えば、上記の印刷データ4の場合、データ解析部401は、後段の画像形成装置について、後段のデータ処理中において4つ目の処理を行う間、印刷部207(つまり、エンジン)をスリープ状態にすると判断している。通常であれば、データ1つ分のクリアトナーの印字処理に10SECを要することはないので、この場合、スリープへの移行命令の発行タイミングを決定しない(=発行命令を発行しない)ようにする。すなわち、後述の消費電力算出部403においてスリープ状態に移行するか否かを決定することとしているが、スリープ制御部402においてその一部を担うようにしてもよい。
【0069】
<復帰命令の場合>
上記の印刷データ3の場合を例に説明する。この場合において、後段の画像形成装置における機能部の動作特性情報として、エンジンのスリープ復帰に要する時間は10SEC、搬送系のスリープ復帰に要する時間は0.5SEC、コントローラのスリープ復帰に要する時間は10MSECとする。
【0070】
印刷データ3の例では、後段の画像形成装置は、後段のデータ処理の開始の時点で搬送系が稼動状態になければならない。そこで、まず、搬送系の復帰命令の発行タイミングが「1つ目のデータ印刷開始の0.5SEC前」に決定される。同様に、コントローラの復帰命令の発行タイミングが「1つ目データの印刷開始の0.1MSEC前」に決定される。そして、4つ目のデータ以降の処理においてはすべての機能部が稼動している必要があるので、エンジンの復帰命令の発行タイミングが「4つ目データの印刷が開始される10SEC前」に決定される。
【0071】
このように、各機能部がスリープ状態から復帰して安定するまでの時間を考慮して復帰命令の発行タイミングは決定される。
【0072】
なお、移行命令の場合も復帰命令の場合も、命令の送受信に要する時間や、状態を変化させるための処理時間などがさらに考慮された上で、実際の発行タイミングは決定される。
【0073】
次に、消費電力算出部403について説明する。
【0074】
消費電力算出部403は、後段の画像形成装置102をスリープ状態にする場合としない場合とで、トータルで消費される電力量を比較し、スリープ状態に移行するかどうかを決定する処理を行う。
【0075】
図7は消費電力算出部403における処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
ステップ701において、消費電力算出部403は、スリープ状態へと移行可能な機能部の情報及びスリープ期間情報をデータ解析部401から受け取る。
【0077】
ステップ702において、消費電力算出部403は、受け取ったスリープ期間情報から、スリープ状態へと移行可能な機能部をスリープ状態にした場合の消費電力量を算出する。具体的には、該機能部に対するスリープ時の供給電力に、スリープ状態におかれる時間を乗じることによって算出する。
【0078】
ステップ703において、消費電力算出部403は、スリープ状態にした各機能部をスリープ状態から復帰させる場合にかかる電力量を算出する。通常、スリープ状態から復帰する際には、過渡電流が流れ込むため、一時的ではあるが通常の稼動時に必要な電力以上の電力(通常時の3〜4倍程度)を消費する。これをスリープ状態にするために必要なコストとしてカウントするために、本ステップにおいて、スリープ復帰時にかかる電力量を算出する。
【0079】
ステップ704において、消費電力算出部403は、ステップ702で算出したスリープ時の消費電力量に、ステップ703で算出したスリープ復帰時にかかる電力量を加算する。これにより、スリープ状態に移行可能と判定された各機能部をスリープ状態にすることによってトータルで必要となる消費電力量を算出する。
【0080】
ステップ705において、消費電力算出部403は、スリープ状態に移行可能な各機能部をスリープ状態に移行しない場合に消費される電力量(すなわち、通常の稼動時の消費電力量)を算出する。
【0081】
ステップ706において、消費電力算出部403は、スリープ状態に移行可能な各機能部をスリープ状態にすることで消費電力を削減する効果があるのかどうかを判定する。具体的には、ステップ704で算出した消費電力量とステップ705で算出した消費電力量とを比較し、ステップ704で算出した消費電力量の方が小さい場合に、スリープ移行による消費電力の削減効果があると判定する。削減効果があると判定された場合はステップ707に進む。削減効果がない、すなわち、スリープ状態に移行させない方がトータルの消費電力量が少ないと判定された場合は、本処理を終了する。
【0082】
ステップ707において、消費電力算出部403は、スリープ状態への移行命令の発行を指示する信号を実行部404に出力する。
【0083】
図8は、エンジン等(データ処理部の一部とネットワークIFを除く機能部)をスリープ対象とした場合における、消費電力算出部403における処理結果の一例を示したものである。エンジン等が稼動状態にある場合の消費電力が1500W、エンジン等をスリープ状態にした場合の消費電力が150Wと仮定した。そして、スリープ期間がそれぞれ1秒、10秒、30秒の場合についてスリープ状態にすることによる実効性があるかどうかを判定した結果を示している。この表から明らかなように、スリープ期間が1秒の場合には、スリープ状態にすることでかかる総消費電力量は1950WSとなりスリープ状態に移行しない方が消費電力量が450WS少なくて済む。したがって、この場合には上述のステップ706で「NO」となり、スリープ状態への移行命令の発行を指示する信号は出力されない。一方、スリープ期間が10秒や30秒の場合には、スリープ状態に移行することによりトータルの消費電力量が小さく出来るので、上述のステップ706で「YES」となり、スリープ状態への移行命令の発行を指示する信号が出力されることになる。
【0084】
次に、実行部404について説明する。
【0085】
実行部404は、スリープ制御部402からの移行命令及び/又は復帰命令の発行タイミング情報、および消費電力算出部403からの移行/復帰命令の発行を指示する信号に従って、各機能部の稼動状態とスリープ状態との切り替えの実行に必要な処理を行う。具体的には、前段の画像形成装置の各機能部については、受け取った移行/復帰命令の発行タイミングに従って電力を制御し、必要な電力の供給状態を作り出す。また、後段の画像形成装置の各機能部については、指示された発行タイミングで移行命令又は復帰命令を後段の画像形成装置に対して出力する。後段の画像形成装置の電力制御部303は受け取った移行命令又は復帰命令に従って電力を制御する。すなわち、受信した移行命令又は復帰命令は、後段の画像形成装置においてデータ解析部401を介さずに直接に実行部404に送られ(図4の破線を参照)、該命令に基づく電力の供給状態が作り出される。
【0086】
図9は、本実施形態に係る画像形成システム100において、前述の印刷データ1を処理した場合の概略を示す図である。
【0087】
ここで、前段の画像形成装置101はエンジン等の全機能部が稼動し印刷データの送信を待っている状態であり、後段の画像形成装置102はデータ処理部の一部とネットワークIFのみが稼動するスリープ状態である。
【0088】
そして、ネットワーク103を介して印刷データ1を前段の画像形成装置101が受け取ると、前段の画像形成装置101の電力制御部303は、受信した印刷データ1に基づいて前述したスリープ制御に関する処理を行う。
【0089】
その後、前段の画像形成装置101は、後段の画像形成装置102に対し、後段の画像形成装置102における処理を示すデータを送信する。印刷データ1の場合、後段の画像装置には、用紙搬送のデータが送信されることになる。用紙搬送のデータを受信した後段の画像形成装置102は、後段の画像形成装置102における処理が可能であることを前段の画像形成装置101に通知する。
【0090】
通知を受け取った前段の画像形成装置101は、自身のデータの処理(CMYKトナーによる印字処理)を開始する。また、前段の画像形成装置101は、印字処理と並行して、所定の発行タイミングでスリープの復帰命令/移行命令を後段の画像形成装置102に対して出力する。印字処理を終えた用紙は後段の画像形成装置102に順次送られる。CMYKトナーの印字処理が終了した段階で、前段の画像形成装置101は、データ処理部の一部とネットワークIFを残してスリープ状態に移行する。
【0091】
後段の画像形成装置102は、受信した復帰命令に従って搬送系を稼動状態にさせ、データに従った処理を行う。すなわち、CMYKトナーによる印字を終えた用紙を前段の画像形成装置101から受け取って、順次フィニッシャまで搬送する。すべての用紙の搬送を終えると、受信した移行命令に従ってデータ処理部の一部とネットワークIFを残してスリープ状態に移行する。
【0092】
このように本発明によれば、複数の画像形成装置で構成される画像形成システムにおいて緻密な電力制御が可能になる。また、本実施形態に係る画像形成システムの場合、印刷データの内容に基づいたシステム全体の電力制御を前段の画像形成装置で行うので、後段の画像形成装置を最も効率的な動作モードに自動で移行することが可能となる。
【0093】
[実施形態2]
【0094】
実施形態1では、印刷データを受信する前段の画像形成装置において後段の画像形成装置の電力制御も行う態様について説明した。次に、印刷データを後段の画像形成装置で受信し、後段の画像形成装置において前段の画像形成装置の電力制御を行う態様について、実施形態2として説明する。
【0095】
なお、本実施形態に係る画像形成システムの構成や各画像形成装置の内部構成は実施形態1で示した内容と同じであるので、ここでは差異点を中心に説明することとする。
【0096】
図1で示す画像形成システム100の後段の画像形成装置102で印刷データを受信して処理する場合の例としては、たとえば、実施形態1で説明した印刷データ2のような場合が挙げられる。すなわち、前段の画像形成装置101においてCMYKトナーによる印字処理を行う必要がない場合である。特に印刷データ2の場合、原稿を直接後段の画像形成装置102に投入し、前段の画像形成装置101では搬送も行わないというケースも十分に考えられる。さらに、印刷物にクリアトナーを載せてみてその出来を事前にチェックしたい場合など、お試し印刷のようなケースも考えられる。
【0097】
図10は、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、クリアトナー印刷のみを行う場合の処理の概略を示す図である。図10に示されるとおり、CMYKカラーの印刷が既になされた用紙が直接に後段の画像形成装置102に投入され、印刷データも後段の画像形成装置102で受信されている。
【0098】
そして、印刷データを受け取った後段の画像形成装置102から前段の画像形成装置101に対してスリープの移行命令等が送信されている。前段の画像形成装置102では、該命令に従って電力状態を制御することになる。
【0099】
印刷データ2を受け取った後段の画像形成装置102の電力制御部303では、以下のような処理が行われる。
【0100】
まず、データ解析部401が、何等の処理も行わない前段の画像形成装置101については、データ処理部201の一部とネットワークI/F208のみを稼動させればよいと判断する。また、後段の画像形成装置102自身については、クリアトナー印字を行うため、すべての機能部を稼動状態にすると判断する。そして、スリープ制御部402及び消費電力算出部403における所定の処理を経て、実行部404は、前段の画像形成装置101に対してエンジンや搬送系など主要な機能部をスリープ状態にする移行命令が直ちに出力される。また、実行部404は、後段の画像形成装置102の各機能部を稼動状態にし、クリアトナー印字処理が実行可能な状態にする。
【0101】
そして、後段の画像形成装置102におけるクリアトナー印字処理が実行される。
【0102】
以上のように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、前段の画像形成装置は後段の画像形成装置からの指示によりスリープ状態へと移行する。特に、本実施形態のように前段の画像形成装置がCMYKトナーを備えたカラー画像形成装置である場合には、後段の画像形成装置におけるデータの処理中、CMYKの4つのエンジンすべてをスリープ状態にするのでより大きな節電効果が期待できる。
【0103】
(その他の実施例)
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有色色材を用いて印刷を行う第1の画像形成装置の排紙部と接続された給紙部を有し、透明色材を用いて印刷を行う第2の画像形成装置が印刷処理を行う画像形成システムであって、
前記画像形成システムに入力された印刷データを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析の結果、前記入力された印刷データに対して印刷処理を行う際に、
前記画像形成システムを構成する画像形成装置の機能部のうち、少なくとも第1の画像形成装置を構成する機能部からスリープ状態へ移行可能な機能部を抽出し、該抽出された機能部がスリープ状態へ移行可能な期間情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された情報を用いて、スリープ状態へ移行可能な期間、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行させて電力制御を行う電力制御手段と
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記解析手段により、スリープ状態へと移行可能な機能部であると解析された機能部について、スリープ状態に移行するタイミング及びスリープ状態から復帰するタイミングを決定する手段と、
前記タイミングを決定する手段で決定されたタイミングに関する情報を、前記スリープを行う機能部を有する画像形成装置の制御部へ送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記抽出された機能部をスリープ状態に移行するかどうかを決定する決定手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記決定手段でスリープ状態に移行すると決定された場合に、前記機能部を有する画像形成装置の制御部に電力制御を行うための信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行する場合の消費電力量とスリープ状態に移行しない場合の消費電力量を比較し、スリープ状態に移行する場合の消費電力量がスリープ状態に移行しない場合の消費電力量よりも少ない場合に前記抽出された機能部をスリープ状態に移行すると決定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記決定手段は、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行することにより前記印刷データを処理できない状態が生じる場合には、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行しないと決定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項6】
有色色材を用いて印刷を行う第1の画像形成装置の排紙部と接続された給紙部を有し、透明色材を用いて印刷を行う第2の画像形成装置が印刷処理を行う画像形成システムの制御方法であって、
前記画像形成システムに入力された印刷データを解析する解析ステップと、
前記解析ステップによる解析の結果、前記入力された印刷データに対して印刷処理を行う際に、
前記画像形成システムを構成する画像形成装置の機能部のうち、少なくとも第1の画像形成装置を構成する機能部からスリープ状態へ移行可能な機能部を抽出し、該抽出された機能部がスリープ状態へ移行可能な期間情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された情報を用いて、スリープ状態へ移行可能な期間、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行させて電力制御を行う電力制御ステップと
を有することを特徴とする画像形成システムを制御する方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
有色色材を用いて印刷を行う第1の画像形成装置の排紙部と接続された給紙部を有し、透明色材を用いて印刷を行う第2の画像形成装置が印刷処理を行う画像形成システムであって、
前記画像形成システムに入力された印刷データを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析の結果、前記入力された印刷データに対して印刷処理を行う際に、
前記画像形成システムを構成する画像形成装置の機能部のうち、少なくとも第1の画像形成装置を構成する機能部からスリープ状態へ移行可能な機能部を抽出し、該抽出された機能部がスリープ状態へ移行可能な期間情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された情報を用いて、スリープ状態へ移行可能な期間、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行させて電力制御を行う電力制御手段と
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記解析手段により、スリープ状態へと移行可能な機能部であると解析された機能部について、スリープ状態に移行するタイミング及びスリープ状態から復帰するタイミングを決定する手段と、
前記タイミングを決定する手段で決定されたタイミングに関する情報を、前記スリープを行う機能部を有する画像形成装置の制御部へ送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記抽出された機能部をスリープ状態に移行するかどうかを決定する決定手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記決定手段でスリープ状態に移行すると決定された場合に、前記機能部を有する画像形成装置の制御部に電力制御を行うための信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行する場合の消費電力量とスリープ状態に移行しない場合の消費電力量を比較し、スリープ状態に移行する場合の消費電力量がスリープ状態に移行しない場合の消費電力量よりも少ない場合に前記抽出された機能部をスリープ状態に移行すると決定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記決定手段は、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行することにより前記印刷データを処理できない状態が生じる場合には、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行しないと決定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項6】
有色色材を用いて印刷を行う第1の画像形成装置の排紙部と接続された給紙部を有し、透明色材を用いて印刷を行う第2の画像形成装置が印刷処理を行う画像形成システムの制御方法であって、
前記画像形成システムに入力された印刷データを解析する解析ステップと、
前記解析ステップによる解析の結果、前記入力された印刷データに対して印刷処理を行う際に、
前記画像形成システムを構成する画像形成装置の機能部のうち、少なくとも第1の画像形成装置を構成する機能部からスリープ状態へ移行可能な機能部を抽出し、該抽出された機能部がスリープ状態へ移行可能な期間情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された情報を用いて、スリープ状態へ移行可能な期間、前記抽出された機能部をスリープ状態に移行させて電力制御を行う電力制御ステップと
を有することを特徴とする画像形成システムを制御する方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−96443(P2012−96443A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245538(P2010−245538)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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