説明

画像形成システム、画像形成装置、情報処理装置、画像形成方法、及び画像形成プログラム

【課題】画像形成装置が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成可能な画像形成システム、画像形成装置、情報処理装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムを提供する。
【解決手段】画像形成システムは、情報処理装置100から送信された印刷ジョブデータJを画像形成装置200が受信し、記録紙に地紋画像を形成するシステムであって、前記地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータ71を保持する保持部51と、保持部51に保持されるパターンデータ71を用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成部53と、コマンド生成部53により生成された前記描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈部62と、コマンド解釈部62により解釈された前記描画指示に従って、元画像に地紋パターンを描画する描画部63とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成システム、画像形成装置、情報処理装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理技術、画像形成技術の向上によって、デジタルカラー複写機を用いて紙幣や有価証券などを複写した場合、その複写物と原本である本物とが容易に区別できないほど忠実な複写が可能となってきている。このため、紙幣や有価証券などのような特殊原稿については、複写を全く行うことができないようにするか、あるいは、正しく複写を行うことができないようにする措置をとることが必要である。
【0003】
また、例えば企業においては、紙幣や証券など特殊原稿以外の一般文書の場合にあっても、文書内容の機密保持の観点から、複写が禁止されている機密文書が多数存在する。このような機密文書についても、複写を全く行うことができないようにするか、あるいは、正しく複写を行うことができないようにする措置をとることが必要である。
【0004】
このようなことから、従来、特殊原稿や機密文書などを複写することに規制力を及ぼすことを目的とする地紋技術を用いた種々の発明がなされている。具体的には、特殊原稿や機密文書などの元画像に地紋パターン画像を重畳し、地紋が埋め込まれた原稿画像を形成することで、原稿画像の不正な複写を抑制するものである。
【0005】
特許文献1には、重畳手段を有する画像処理装置であって、重畳手段において、元画像周辺に位置する地紋パターン画像のドットを、地紋パターンとして重畳しないことにより、地紋パターンを元画像に重畳させたときの元画像の描画要素の視認性を適切に保つことができる画像処理方法が提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、パターン重畳装置が、一部に付加情報を示す付加情報部を有する所定の形状であるパターンを、元画像の端部に付加情報を欠くことなく重畳させる複数種類の重畳手段を有することにより、パターンの途切れによる地紋の検知遅延を改善するパターン重畳方法は提案されている。
【0007】
特許文献3には、インクジェット方式の画像形成装置であって、地紋パターンの背景領域と複写禁止を示す情報を付加する潜像領域とで、それぞれ異なる単位面積当たりのインク滴付着量の異なる地紋パターンと、元画像とを重畳させる重畳手段を有することにより、インクジェット方式の画像形成装置から出力された印刷物においても、不正な複写を抑制することのできる印刷物を形成できる画像形成方法が提案されている。
【0008】
このように、従来の画像形成方法では、例えば、PC(Personal Computer)にインストールされたプリンタドライバから印刷データとして送信された特殊原稿や機密文書などを基に、画像形成装置が有する画像形成機能を用いて、不正コピー抑止の地紋埋め込み画像(地紋画像)を形成する。
【0009】
そのため、PC側から画像形成装置に送信する印刷データには、地紋パターンのデータが含まれている。
【特許文献1】特開2006―229924号公報
【特許文献2】特開2006−345394号公報
【特許文献3】特開2006−256173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の画像形成方法では、印刷データに含まれる地紋パターンのデータが、元画像と同じ画像領域を有する画像データであるため、印刷データのデータ量が多くなる。そのため、本来画像形成装置が有する印刷性能の1つであるファーストプリント時間(1ページ目の印刷完了までにかかる時間)が長くなる。
【0011】
このように、従来の画像形成装置には、地紋印刷を行ったときにユーザに対して高速印刷性能を十分に提供できないという問題点がある。
【0012】
本発明では、上記従来技術の問題点に鑑み、画像形成装置が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成可能な画像形成システム、画像形成装置、情報処理装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、情報処理装置から送信された印刷ジョブデータを画像形成装置が受信し、受信した前記印刷ジョブデータを基に、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成システムであって、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータを保持する保持手段と、前記保持手段に保持される前記パターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成手段と、前記印刷ジョブデータに含まれる、前記コマンド生成手段により生成された前記描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈手段と、前記コマンド解釈手段により解釈された前記描画指示に従って、元画像に前記地紋パターンを描画する描画手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、前記コマンド生成手段において、前記地紋画像における所定の情報を付加する潜像領域の地紋パターンと、前記地紋画像における背景領域の地紋パターンとを定義する地紋パターン定義コマンドと、前記パターンデータを用いた前記潜像領域の地紋パターンの描画を指示する潜像領域描画コマンドと、前記パターンデータを用いた前記背景領域の地紋パターンの描画を指示する背景領域描画コマンドとを生成することを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、前記地紋を埋め込んだ画像を印刷するときの印刷条件設定を取得する取得手段を有し、前記コマンド生成手段において、前記取得手段により取得した前記印刷条件設定に基づいて、前記描画コマンドを生成することを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、前記描画手段において、前記描画指示に従って、前記パターンデータを用いて前記地紋パターンを一定の周期で繰り返し描画し、前記地紋画像を形成することを特徴とする。
【0017】
これによって、本発明の画像形成システムは、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータと、このパターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドとを含む印刷データをPC側で生成し、画像形成装置に送信することで、画像形成装置側で、受信した描画コマンドを解釈し、解釈した結果に従ってパターンデータを基に地紋パターンを描画し地紋画像を形成する構成とし、PC側から画像形成装置側へ送信される印刷データのデータ量を軽減することにより、画像形成装置が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成することができる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理装置は、受信した印刷ジョブデータを基に画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置と接続される、前記印刷ジョブデータを送信する情報処理装置であって、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータを保持する保持手段と、前記保持手段に保持される前記パターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成手段と、前記コマンド生成手段により生成された前記描画コマンドを含む前記印刷ジョブデータを前記画像形成装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【0019】
これによって、本発明の情報処理装置は、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータと、このパターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドとを含む印刷データを生成し、画像形成装置に送信する構成とし、PC側から画像形成装置側へ送信される印刷データのデータ量が軽減されることにより、画像形成装置が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成することができる。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、当該画像形成装置と接続される情報処理装置から受信した印刷ジョブデータを基に、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置であって、前記情報処理装置から送信された前記印刷ジョブデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記印刷ジョブデータに含まれる、地紋パターンの描画を指示する描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈手段と、前記コマンド解釈手段により解釈された前記描画指示に従って、元画像に前記地紋パターンを描画する描画手段とを有することを特徴とする。
【0021】
これによって、本発明の画像形成装置は、PCから受信した描画コマンドを解釈し、解釈した結果に従ってパターンデータを基に地紋パターンを描画し地紋画像を形成する構成としたことにより、画像形成装置が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成することができる。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成方法は、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータを保持する保持手段を有する情報処理装置と、前記情報処理装置から送信された印刷ジョブデータを基に、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置とから構成される画像形成システムにおける画像形成方法であって、前記保持手段に保持される前記パターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成手順と、前記印刷ジョブデータに含まれる、前記コマンド生成手順により生成された前記描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈手順と、前記コマンド解釈手順により解釈された前記描画指示に従って、元画像に前記地紋パターンを描画する描画手順とを有することを特徴とする。
【0023】
これによって、本発明の画像形成方法は、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータと、このパターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドとを含む印刷データをPC側で生成し、画像形成装置に送信することで、画像形成装置側で、受信した描画コマンドを解釈し、解釈した結果に従ってパターンデータを基に地紋パターンを描画し地紋画像を形成することで、画像形成装置が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成することができる。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理装置における画像形成プログラムは、受信した印刷ジョブデータを基に画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置と接続される、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータを保持する保持手段を有する情報処理装置における画像形成プログラムであって、コンピュータを、前記保持手段に保持される前記パターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成手段と、前記コマンド生成手段により生成された前記描画コマンドを含む前記印刷ジョブデータを前記画像形成装置に送信する送信手段として機能させる。
【0025】
これによって、本発明の情報処理装置における画像形成プログラムは、コンピュータを、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータと、このパターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドとを含む印刷データを生成し、画像形成装置に送信ように機能させることができる。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置における画像形成プログラムは、当該画像形成装置と接続される情報処理装置から受信した印刷ジョブデータを基に、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置における画像形成プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置から送信された前記印刷ジョブデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記印刷ジョブデータに含まれる、地紋パターンの描画を指示する描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈手段と、前記コマンド解釈手段により解釈された前記描画指示に従って、元画像に前記地紋パターンを描画する描画手段として機能させる。
【0027】
これによって、本発明の画像形成装置における画像形成プログラムは、コンピュータを、PCから受信した描画コマンドを解釈し、解釈した結果に従ってパターンデータを基に地紋パターンを描画し地紋画像を形成するように機能させることができる。
【0028】
よって、本発明の画像形成プログラムは、画像形成装置が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、画像形成装置が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成可能な画像形成システム、画像形成装置、情報処理装置、画像形成方法、及び画像形成プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
[第1の実施形態]
<システム構成>
まず、本実施形態に係る画像形成システム1のシステム構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【0032】
本実施形態に係る画像形成システム1は、例えば、図1に示すように、プリンタドライバがインストールされており、プリンタドライバにより生成される印刷データ(以下、「ジョブデータ」という。)を画像形成装置200へ送信する送信手段(後述するインタフェース装置)を有する情報処置装置100と、情報処理装置100から印刷データを受信し、印刷要求に応じて所定の画像形成処理を行う(印刷する)画像形成装置200とが、ジョブデータなどを通信可能なデータ伝送路90で接続されることにより構成される。これら情報処理装置100と画像形成装置200とを接続するデータ伝送路90は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやネットワークケーブルなどである。但し、これらの手段に限らず、情報処理装置100と画像形成装置200とが、有線及び/又は無線回線により構築されたLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などのネットワーク(データ通信網)を介して接続される構成としても良く、画像形成システム1が、互いの装置間でジョブデータなどのデータ通信を行える手段を有していれば良い。
【0033】
<ハードウェア構成>
では、本実施形態に係る画像形成システム1を構成する情報処理装置100と画像形成装置200とのハードウェア構成について、図2及び図3を用いて説明する。
【0034】
<<情報処理装置(PC)>>
図2は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0035】
本実施形態に係る情報処理装置100は、入力装置101と、表示装置102と、ドライブ装置103と、ROM(Read Only Memory)105と、RAM(Random Access Memory)106と、CPU(Central Processing Unit)107と、インタフェース装置108と、HDD(Hard Disk Drive)109とから構成され、それぞれバスで相互に接続されている。
【0036】
入力装置101は、キーボード及びマウスなどで構成され、情報処理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイ(表示手段)などで構成され、例えばプリンタドライバの設定画面を表示する。インタフェース装置108は、情報処理装置100をLANなどのデータ伝送路90に接続するインタフェースである。HDD109は、基本ソフトウェアであるOS(Operating System)や、本実施形態に係る地紋画像形成機能を含む印刷に関する各種機能を有するプリンタドライバのプログラムやデータを格納している。また、HDD109は、本実施形態に係る地紋画像形成機能で用いる地紋パターンのデータ(以下、「パターンデータ」といい、例えばブラシパターンデータなど。)を含む各種データを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
【0037】
本実施形態に係る地紋画像形成機能を有するプリンタドライバは、例えばCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの記録媒体104によって情報処理装置100に提供されるか、またデータ伝送路90であるネットワークなどを通じてダウンロードされる。記録媒体104は、ドライブ装置103にセットされ画像形成プログラムが記録媒体104からドライブ装置103を介してHDD109にインストールされる。
【0038】
ROM105は、情報処理装置100が起動されるときに実行されるBIOS(Basic Input/Output System)のプログラムや各種データを格納している。RAM106は、ROM105やHDD109から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。CPU107は、RAM106が一時保持しているプログラムを実行する。
【0039】
<<画像形成装置(プリンタ)>>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0040】
本実施形態に係る画像形成装置200は、操作パネル21と、記憶メディアI/F22と、コントローラ23と、データ通信I/F24と、プロッタ25とから構成され、それぞれバスで相互に接続されている。
【0041】
操作パネル21は、入力装置201と表示装置202とを有しており、入力装置201は、ハードウェアキーなどで構成され、画像形成装置200に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置202は、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示する。データ通信I/F24は、インタフェース装置209を有しており、画像処理装置200をLANなどのデータ伝送路90に接続するインタフェースである。
【0042】
記憶メディアI/F22は、ドライブ装置203を有し、例えば、デジタルカメラなどの外部機器によって記録された電子データや、画像形成装置100の拡張機能を実現する各種プログラムやデータなどを格納している記録媒体204から、ドライブ装置203を介して読み出す。
【0043】
コントローラ23は、ROM205、RAM206、NVRAM(Non Volatile RAM)207、及びCPU208とを有しており、ROM205は、画像形成装置200が起動されるときに実行されるシステム制御に関するプログラムや各種データ、また本実施形態に係る地紋画像形成機能に関するプログラムや各種データなどを格納している。また、RAM206は、ROM205から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。また、NVRAM207は、画像形成装置100が有する各種機能のデフォルト設定値が格納されている。例えば、印刷条件に関するデフォルト値などである。
【0044】
更に、CPU208は、RAM206が一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ23は、例えば、データ通信I/F24を介して情報処理装置100からジョブデータを受信した場合に、ROM205からRAM206上に読み出されたPDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(以下、「PDLパーサ」という。)がCPU208により実行され、受信したデータからコマンドを解釈してビットマップイメージを生成する(印刷画像を形成する)。
【0045】
プロッタ25は、印刷装置210を有しており、例えば、電子写真プロセス方式によってビットマップイメージを記録紙に印刷する。
【0046】
このように、本実施形態に係る画像形成システム1では、情報処理装置100によって、RAM106に読み出されたプリンタドライバがCPU107で実行され、アプリケーションデータを基に設定画面から設定された印刷条件に従ってジョブデータを生成し、画像形成装置200に送信している。
【0047】
また、本実施形態に係る画像形成システム1では、画像形成装置200によって、コントローラ23のRAM206に読み出されたPDLパーサがCPU208で実行され、上記情報処理装置100から受信したジョブデータを解釈してビットマップデータを生成し、生成したビットマップデータがバスを介してプロッタ25へ転送され、電子写真プロセス方式により記録紙に画像形成(印刷)を行っている。
【0048】
<ソフトウェア構成>
次に、本実施形態に係る画像形成システム1のソフトウェア構成について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム1のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【0049】
<<情報処理装置(PC)>>
本実施形態に係る情報処理装置100では、Windows(登録商標)などのOS31上で、文書や画像作成・編集機能などを有するアプリケーション33により生成されたアプリケーションデータを基に画像形成装置200が解釈可能なPDLで記述されたジョブデータを生成するプリンタドライバ32が動作する。これらのソフトウェア部品は、情報処理装置100が有するCPU107で実行される。
【0050】
<<画像形成装置(プリンタ)>>
本実施形態に係る画像形成装置200では、当該装置を制御するOS41上で、画像形成装置200が有する各種ハードウェアリソースを制御するプログラム群であるデバイスドライバ42と、情報処理装置100などの外部機器とデータ通信を行うデータ受信43と、データ受信43から受信されたジョブデータを基に生成されたビットマップイメージを電子写真プロセス方式によって記録紙に印刷する(記録紙に画像形成する)印刷処理44と、データ受信43から受信されたジョブデータからビットマップイメージを生成する描画処理45aを有するPDLパーサであるプリンタ言語処理45とが動作している。これらのソフトウェア部品は、画像形成装置200が有するコントローラ23のCPU208やプロッタ25の印刷装置210が有するCPUなどで実行される。
【0051】
<<動作概要>>
本実施形態に係る画像形成システム1では、上記のようなソフトウェア構成を有し、以下に示す手順によって、ジョブデータの印刷を行っている。
【0052】
(動作手順1)ユーザからの印刷要求指示の受け付け
情報処理装置100は、プリンタドライバ32により、設定画面を介してユーザからの印刷条件及び印刷要求指示を取得する。
【0053】
(動作手順2)ジョブデータの生成及び送信
情報処理装置100は、プリンタドライバ32により、ユーザから受け付けた印刷条件に従って、GDI(Graphic Device Interface:非図示)を介してアプリケーション33から受け取ったデータを基に、画像形成装置200が解釈可能なPDLで記述したジョブデータを生成し、画像処理装置200に送信する。
【0054】
(動作手順3)印刷
画像形成装置200は、情報処理装置100から送信されたジョブデータをデータ受信43により受信すると、プリンタ言語処理45によりジョブデータを解釈して、描画処理45aによりビットマップイメージを生成し、生成したビットマップイメージを印刷処理44に転送する。その結果、画像形成装置200は、プロッタ25によりビットマップイメージを記録紙に印刷する。
【0055】
このように、本実施形態に係る画像形成システム1は、上記(手順1)〜(手順3)によって、一般的な「画像形成機能」を実現している。
【0056】
<地紋画像形成機能>
次に、本実施形態に係る画像形成システム1が有する「地紋画像形成機能」の構成について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム1が有する機能構成の一例を示す図である。
【0057】
<<地紋画像形成機能>>
本実施形態に係る画像形成システム1が有する「地紋画像形成機能」について簡単に説明する。
【0058】
本実施形態では、画像形成装置200が有する印刷速度性能を低下させることなく、不正コピーを防止する地紋を元画像に埋め込むため、情報処理装置100において、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータ71と、このパターンデータ71を用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドとを含むジョブデータJを生成し、生成したジョブデータJを画像形成装置200に送信し、画像形成装置200において、受信した描画コマンドを解釈し、解釈した結果に従ってパターンデータ71を基に地紋パターンを描画し地紋画像を形成する構成とし、情報処理装置100から画像形成装置200へ送信されるジョブデータJのデータ量を軽減することにより、「地紋画像形成機能」を実現している。
【0059】
<<機能構成の概要>>
本実施形態に係る画像形成システム1は、主に、情報処理装置100が有する、地紋パターンを形成するパターンデータ71を保持する保持部51(保持手段)と、印刷条件に関する情報を取得する条件取得部52(取得手段)と、地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成部53(コマンド生成手段)と、当該情報処理装置100と画像形成装置200との間でデータの送受信を行う送受信部54と、更に、画像形成装置200が有する、当該画像形成装置200と情報処理装置100との間でデータの送受信を行う送受信部61と、情報処理装置100から受信した描画コマンドを解釈するコマンド解釈部62(コマンド解釈手段)と、地紋パターンを描画し元画像に対して地紋画像を形成する描画部63(描画手段)とから構成されている。以下に、上記各機能部について説明する。
【0060】
保持部51は、例えば、情報処理装置100が有するHDD109などの不揮発性の記憶装置の所定の記憶領域に、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータ71を格納し保持する機能である。保持部51が保持するパターンデータ71については、後述する<<地紋画像の概要>>にて説明を行う。
【0061】
条件取得部52及びコマンド生成部53は、プリンタドライバ32が、情報処理装置100が有するCPU107によって実行されることで機能する。
【0062】
条件取得部52は、プリンタドライバ32の設定画面を介してユーザが設定した印刷条件に関する情報(例えば「地紋画像の潜像領域に埋め込む付加情報の文字列」や「文字列の角度」など)を取得する機能である。
【0063】
コマンド生成部53は、プリンタドライバ32が、条件取得部52により取得した印刷条件に関する情報に従って、保持部51に保持されるパターンデータ71を用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成する機能である。
【0064】
また、コマンド解釈部62及び描画部63は、プリンタ言語処理45が、画像形成装置200が有するコントローラ23のCPU208によって実行されることで機能する。
【0065】
コマンド解釈部62は、プリンタ言語処理45が、送受信部61から受信したジョブデータJに含まれる、情報処理装置100のプリンタドライバ32が有するコマンド生成部53により生成された描画コマンドから描画指示を解釈する機能である。
【0066】
描画部63は、プリンタ言語処理45が有する描画処理45aが、コマンド解釈部62により解釈された描画指示に従って、パターンデータ71を基に元画像に地紋パターンを描画する機能である。
【0067】
また、情報処理装置100及び画像形成装置200の両方が有する送受信部54及び61は、それぞれの装置が有するインタフェース装置108及び209が有する機能である。
【0068】
<<地紋画像の概要>>
本実施形態に係る画像形成システム1が、「地紋画像形成機能」において形成する地紋画像について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る地紋が埋め込まれた印刷物の一例を示す図である。図6(a)には、本実施形態に係る不正コピーを抑制する付加情報が含まれる印刷物Pの地紋画像を形成するパターンデータ71の例が示されており、また、図6(b)には、上記パターンデータ71で形成された地紋画像を有する印刷物Pを複写したときの例が示されている。
【0069】
(地紋パターンのパターンデータにより形成される地紋画像)
図6(a)には、本実施形態に係る不正コピーを抑制する付加情報が含まれる印刷物Pの地紋画像を形成するパターンデータ71の例が示されている。
【0070】
まず「地紋」について説明する。画像形成システム1などで不正コピーを抑止するために取り扱われる「地紋」とは、不正コピーが行われた場合に、コピーされたものであることが明確に判断可能な所定の付加情報(例えば図6(a)に示す"COPY"などの文字列)が浮き上がるように、原稿である元画像にできるだけ目立たないように所定のドットパターンによる付加情報を埋め込む処理である。上記ドットパターンは、地紋パターン81と言われ、図6(a)の拡大図に示すように、主に、コピーのときに薄く印刷され、付加情報の背景領域となる地紋パターン81a(以下、「背景領域の地紋パターン81a」という)と、コピーのときに背景領域より相対的に濃く印刷される付加情報の潜像領域となる地紋パターン81b(以下、「潜像領域の地紋パターン81b」という)とから構成されている。このように、地紋画像は、異なる地紋パターン81のパターンデータ71により形成される。
【0071】
また、地紋画像は、印刷物Pの元画像全体に対して形成される。そのため、従来では、背景領域の地紋パターン81aと潜像領域の地紋パターン81bの両方から構成される、元画像と同じ画像領域の画像データを用意しておき、地紋画像形成処理を施すときに、この画像データと元画像データとを1つのジョブデータJとして情報処理装置100から画像形成装置200に送信し、画像形成装置200において元画像に地紋画像を重畳していた。
【0072】
しかし、図6(a)の拡大図に示すように、地紋画像を構成する背景領域の地紋パターン81aと潜像領域の地紋パターン81bとは、それぞれにおいて、ある特定のドットパターンが一定の周期で繰り返し配列されている(タイリングされている)ことが分かる。
【0073】
このことから、本実施形態では、情報処理装置100から送信するジョブデータJに含まれる地紋画像のデータ量を軽減するため、地紋画像を形成する最小単位の地紋パターン81のパターンデータ71と、パターンデータ71を用いた地紋パターン81の描画を指示する描画コマンドとを、元画像とともに1つのジョブデータJとして送信する構成としている。その結果、画像形成装置200は、受信した描画コマンドに従ってパターンデータ71を基に地紋パターン81を描画し、地紋画像を形成する。
【0074】
このようにして地紋画像が形成された印刷物Pを原稿としてコピーを行った場合には、図6(b)に示すようなコピーされたものであることが明確に判断可能な所定の付加情報が浮き上がって印刷された印刷物CPが得られる。
【0075】
<<機能動作の概要>>
これまでに説明を行った各機能部及び地紋画像の構成によって、本実施形態に係る画像形成システム1が有する「地紋画像形成機能」が、情報処理装置100及び画像形成装置200の装置ごとで「どのように動作しているのか」について説明する。
【0076】
(情報処理装置側)印刷条件の設定
まず、情報処理装置100は、プリンタドライバ32が有する条件取得部52によって、地紋画像内に潜像される付加情報を「どのように描画するか」の印刷条件設定を取得する。
【0077】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る印刷条件設定を行う設定画面Wの一例を示す図である。本実施形態に係るプリンタドライバ32は、図7に示すような印刷条件に関する情報を設定可能なGUI(Graphical User Interface)機能を有する設定画面Wを表示装置102に表示する。
【0078】
図7に示す設定画面Wでは、「不正コピー抑止機能」の詳細設定において、例えば、地紋パターン81のパターンデータ71を選択指示するパターンデータ設定W1、付加情報として地紋画像に潜像する所定の文字列を入力する文字列設定W2、付加情報の文字列を描画するときのフォント(文字タイプ)設定可能なフォント設定W3、設定されたフォントのスタイル(例えば「太字」、「斜体」、又は「太字斜体」など。)を設定可能なフォントスタイル設定W4、及び付加情報として地紋画像に潜像するときの回転角度を設定可能な角度設定W5などの各種条件設定が可能である。
【0079】
例えば、図7に示す設定画面Wの例では、「潜像領域の地紋パターン81bとして"青海波(せいがいは)"マスクパターンを用いて、"COPY"という付加情報を、"MS Pゴシック"フォントの"標準"スタイルで、"30度"の角度をつけて地紋画像に潜像させる」という付加情報の印刷条件が設定されている。条件取得部52は、これらの設定情報を取得する。
【0080】
(情報処理装置側)描画コマンドの生成
次に、情報処理装置100は、プリンタドライバ32が有するコマンド生成部53によって、先の条件取得部52により取得された各種条件設定に基づいて、付加情報を潜像した地紋画像を構成する背景領域の地紋パターン81aと潜像領域の地紋パターン81bとの描画を指示する画像形成装置200が解釈可能な描画コマンドを生成する。
【0081】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る地紋パターン81の描画コマンド生成の一例を示す図である。先の図6においても説明したように、印刷物Pに形成された地紋画像は、背景領域P1と、付加情報を潜像する潜像領域P2とから構成されている。また、背景領域P1と潜像領域P2のそれぞれの地紋画像を形成する地紋パターン81は、異なるドットパターンのパターンデータ71により形成される。図8には、ドットパターン及びパターンサイズ(例えば、図中に示すようなパターンの縦横ピクセル数AとB。)がそれぞれ異なる矩形のパターンデータ71の例が示されている。これらドットパターンやパターンサイズは、地紋を元画像にできるだけ目立たないように埋め込むように、予め設計される。図8には、パターンサイズの異なるパターンデータ71の例を示したが、ドットパターンの組み合わせによっては、同じパターンサイズであってもよい。
【0082】
上記の構成を踏まえて、本実施形態に係るコマンド生成部53は、以下の手順により地紋パターン81を描画するためのコマンドを生成する。
【0083】
(生成手順1)前処理
まず、プリンタドライバ32は、描画コマンドを生成する前処理として、付加情報として設定された所定の文字列に関する処理を行う。例えば、条件取得部52により取得された地紋画像の印刷条件設定の文字列情報、フォント情報、及びスタイル情報に基づいて、情報処理装置100が有するHDD109に格納されたフォントデータからアウトラインデータをRAM106上に生成する。更に、生成したアウトラインデータを、印刷条件設定の角度設定に基づいて、所定の角度に回転する。
【0084】
(生成手順2)地紋パターン定義コマンドの生成
次いで、プリンタドライバ32は、コマンド生成部53により、印刷条件設定のパターンデータ設定情報から潜像領域P2の地紋画像を形成する地紋パターン81bと、背景領域P1の地紋画像を形成する地紋パターン81aとにそれぞれ対応するパターンデータ71を、保持部51が保持している複数個のパターンデータ71から特定し、特定したパターンデータ71とパターンデータ設定情報とを基に、背景領域P1の地紋パターン81aと潜像領域P2の地紋パターン81bを定義した定義コマンドを生成する。すなわち、背景領域P1及び潜像領域P2それぞれにおいて地紋パターン81を描画するときに用いるパターンデータ71を、画像形成装置200のRAM206上に読み出すコマンドを生成する。
【0085】
(生成手順3)背景領域の描画コマンドの生成
次いで、プリンタドライバ32は、コマンド生成部53により、アウトラインデータから、背景領域P1の地紋パターン81aを描画する描画コマンドを生成する。すなわち、付加情報である文字列の外形に示される領域以外の地紋画像の領域(図8では、付加情報の文字列"COPY"の領域以外の領域)を形成する地紋パターン81aを描画する描画コマンドを生成する。
【0086】
(生成手順4)潜像領域の描画コマンドの生成
更に、プリンタドライバ32は、コマンド生成部53により、アウトラインデータから潜像領域P2(図8では、付加情報の文字列"COPY"の領域)の地紋パターン81bを描画する描画コマンドを生成する。
【0087】
このように、本実施形態に係る情報処理装置100は、プリンタドライバ32のコマンド生成部53によって、(1)地紋パターン81の定義コマンド、(2)背景領域P1の描画コマンド、(3)潜像領域P2の描画コマンドを生成し、地紋パターン81のパターンデータ71と(1)から(3)の各コマンドを含むジョブデータJを、送受信部54を介して画像形成装置200に送信する。これによって、本実施形態に係る情報処理装置100は、送信するジョブデータJに含まれる地紋画像のデータ量を軽減することができる。
【0088】
(画像形成装置側)描画コマンドの解析
画像形成装置200は、送受信部61によって、情報処理装置100から送信されたジョブデータJを受信する。受信したジョブデータJは、コマンド解釈部62により解釈される。
【0089】
図9は、本発明の第1の実施形態に係るジョブデータJのデータ構成の一例を示す図である。図9に示すように、情報処理装置100のプリンタドライバ32を介して送信されるジョブデータJは、ジョブのヘッダ情報であるジョブヘッダと、各ページAに対応するページデータとから構成されている。更に、ページデータは、ページAの開始情報などを含むページ定義データD1と、ページAを構成するグラフィック及び/又はイメージなどのページ描画データD2と、地紋画像における地紋パターン81の定義コマンドデータD3と、背景領域P1の描画コマンドデータD4と、及び潜像領域P2の描画コマンドデータD5とから構成されている。ジョブデータJを構成する各種データは、当該画像形成装置200が解釈可能なPDLやPJL(Printer Job Language)などの言語により記述されたデータである。
【0090】
画像形成装置200は、上記ジョブデータJを受信すると、プリンタ言語処理45であるPDLパーサが有するコマンド解釈部62によってジョブデータJの先頭からデータ内容(記述されたコマンドによる描画要求指示など)の解釈を開始する。よって、各ページデータを構成するD1からD5のデータが順次解釈される。
【0091】
(画像形成装置側)ページの描画
画像形成装置200は、コマンド解釈部62により、ページ描画データD2を解釈して得たページの描画指示に従って、描画処理45aが有する描画部63により、ページAを構成する文書や図形、画像などのグラフィック及び/又はイメージ(元画像)を描画する。
【0092】
(画像形成装置側)地紋パターンの描画
また、画像形成装置200は、コマンド解釈部62により、地紋パターン81の定義コマンドデータD3、背景領域P1の描画コマンドデータD4、及び潜像領域P2の描画コマンドデータD5を解釈して得た、地紋パターン81の定義及び描画指示に従って、描画処理45aが有する描画部63により、背景領域P1及び潜像領域P2それぞれの地紋パターン81を描画する。より具体的には、以下の手順により地紋パターン81を描画し地紋画像を形成する。
【0093】
(描画手順1)パターンデータの確保
まず、描画部63は、定義コマンドデータD3の解釈結果から、背景領域P1及び潜像領域P2それぞれの地紋パターン81を描画するときに用いるパターンデータ71を、RAM206上に確保したワークメモリ領域に保持する。
【0094】
(描画手順2)背景領域の描画
次いで、描画部63は、背景領域P1の描画コマンドデータD4の解釈結果から、元画像と同じ座標空間である地紋画像の背景領域P1の範囲に対して、先の手順でRAM206上に保持しておいた背景領域P1のパターンデータ71を一定の周期で繰り返し配置し描画する。これによって、背景領域P1の地紋パターン81aが描画される。
【0095】
(描画手順3)潜像領域の描画
更に、描画部63は、潜像領域P2の描画コマンドデータD5の解釈結果から、元画像と同じ座標空間である地紋画像の潜像領域P2の範囲に対して、先の手順でRAM206上に保持しておいた潜像画像P2のパターンデータ71を一定の周期で繰り返し配置し描画する。これによって、潜像領域P2の地紋パターン81bが描画される。
【0096】
上記(描画手順2)及び(描画手順3)において、「パターンデータ71を一定の周期で繰り返し配置し描画する」とは、例えば、地紋画像の画像領域における座標空間を、パターンデータ71の横幅を示すピクセル値を基に、横方向に移動しながら地紋画像の横幅分パターンデータ71を配置し、地紋画像の横幅分全ての領域に配置し終えると、パターンデータ71の縦幅を示すピクセル値だけ縦方向に移動して、再度、横方向に移動しながらパターンデータ71を配置すると言うような描画方法である。このとき、地紋画像の背景領域P1と潜像領域P2のそれぞれの描画において、用いるパターンデータ71を切り換える。
【0097】
また、上記(描画手順2)及び(描画手順3)において、「描画する」とは、上記描画方法により、地紋画像のビットマップデータをRAM206上に確保フレームメモリ領域に書き込むことを意味する。
【0098】
このように、本実施形態に係る画像形成装置200は、プリンタ言語処理45が有するコマンド解釈部62による解釈結果から、描画部63により、地紋画像を形成する最小単位の地紋パターン81のパターンデータ71を用いて一定の周期で繰り返し描画する構成により、最小のデータ量で地紋画像を形成することができる。
【0099】
このように、本実施形態に係る画像形成システム1は、上記に説明を行った情報処理装置100及び画像形成装置200それぞれが有する各機能部により、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターン81のパターンデータ71と、このパターンデータ71を用いた地紋パターン81の描画を指示する描画コマンドD4及びD5とを含むジョブデータJを情報処理装置100で生成し、画像形成装置200に送信することで、画像形成装置200で、受信した描画コマンドD4及びD5を解釈し、解釈した結果に従ってパターンデータ71を基に地紋パターン81を描画し地紋画像を形成する。その結果、画像形成システム1は、情報処理装置100から画像形成装置200へ送信されるジョブデータJのデータ量を軽減することにより、画像形成装置200が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成可能な「地紋画像形成機能」を実現している。
【0100】
<処理手順>
上記に説明を行った本実施形態に係る「地紋画像形成機能」の具体的な処理手順について、図10から図12を用いて説明する。
【0101】
<<プリンタドライバ内の処理>>
図10は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置100側の画像形成に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理手順は、プリンタドライバ32が行う画像形成に関する処理であり、情報処理装置100が有するCPU107で実行される。
【0102】
本実施形態に係る情報処理装置100は、アプリケーション33がGDIを介して、地紋印刷の対象となる元画像のアプリケーションデータをプリンタドライバ32に転送する(ステップS101及びS102)。
【0103】
プリンタドライバ32は、転送されたアプリケーションデータを基に、コマンド生成部53により、画像形成装置200が解釈可能なPDLで記述された描画コマンドを含むジョブデータJを生成する(ステップS103)。このとき、コマンド生成部53は、地紋パターン81を描画する描画コマンドを生成する。コマンド生成部53は、条件取得部52により取得した設定画面Wから設定された印刷条件設定72と、保持部51に保持されている地紋パターン81のパターンデータ71と、フォントデータFとを基に、付加情報を含む地紋画像を形成する地紋パターン81を描画する描画コマンドを生成する。
【0104】
情報処理装置100は、プリンタドライバ32のステップS103の処理手順により生成された地紋パターン81のパターンデータ71とその描画コマンドを含むジョブデータJを、指定されたIPアドレス(Internet Protocol Address)などを基に、特定の画像形成装置200へ送信する(ステップS104)。
【0105】
情報処理装置100は、上記ジョブデータJを、インタフェース装置108に転送し、画像形成装置200とのデータ通信を行う(ステップS105)。
【0106】
<<地紋パターン生成処理>>
図11は、本発明の第1の実施形態に係る地紋パターン生成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図11に示す処理手順は、図10のステップS103で説明を行った地紋パターン81の描画コマンド生成に関する処理の詳細な手順を示すものである。
【0107】
本実施形態に係るプリンタドライバ32は、まず、条件取得部52により取得された印刷条件設定72の文字列設定情報、フォント設定情報、及びスタイル設定情報を基に、情報処理装置100が有するHDD109に格納されているフォントデータFを参照し、アウトラインデータをRAM106上に読み出す(ステップS201)。
【0108】
次に、プリンタドライバ32は、印刷条件設定72の角度設定情報を基に、RAM106上に読み出されたアウトラインデータを所定の角度回転する(ステップS202)。
【0109】
コマンド生成部53は、印刷条件情報72のパターンデータ設定情報を基に、保持部51に保持されている全てのパターンデータ71を参照し、該当するパターンデータ71とパターンデータ設定情報とを基に、地紋パターン81の定義コマンドを生成する(ステップS203)。
【0110】
また、コマンド生成部53は、RAM106上に読み出されたアウトラインデータから、地紋画像における背景領域P1の地紋パターン81aの描画コマンドを生成する(ステップS204)。
【0111】
更に、コマンド生成部53は、アウトラインデータから、地紋画像における潜像領域P2の地紋パターン81bの描画コマンドを生成する(ステップS205)。
【0112】
その結果、プリンタドライバ32では、パターンデータ71、地紋パターン81の定義コマンド、背景領域P1の描画コマンド、及び潜像領域P2の描画コマンドを含むジョブデータJを生成される。
【0113】
<<地紋画像形成処理>>
図12は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム1の画像生成に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0114】
本実施形態に係る画像形成システム1は、まず、情報処理装置100が有するプリンタドライバ32において生成した地紋パターン81の描画コマンドを含むジョブデータJを画像形成装置200へ送信する。このとき送信されるジョブデータJには、ジョブヘッダの他、各ページデータが含まれ、各ページデータは、ページ定義データD1、ページ描画データD2、地紋パターン定義コマンドデータD3、背景領域P1の描画コマンドデータD4、及び潜像領域P2の描画コマンドデータD5から構成される。このように、情報処理装置100から送信されるジョブデータJによって、画像形成装置200には、ページ単位で、「ページの定義」、「ページの描画」、「地紋の定義」、「背景領域の描画」、「潜像領域の描画」が指示される(ステップS301からS305)。
【0115】
画像形成システム1は、画像形成装置200が有するプリンタ言語処理45のコマンド解釈部62によって、情報処理装置100から受信したジョブデータJを解釈する。まず、コマンド解釈部62は、ジョブデータJの先頭にあるジョブヘッダの内容を解釈し、ジョブに関する初期情報(例えば日付やジョブ名など)を取得する。次に、コマンド解釈部62は、ページデータのページ定義データD1を解釈し、取得したページパラメータの設定を描画部63に指示する(ステップS306)。
【0116】
コマンド解釈部62は、ページデータのページ描画データD2を解釈し、ページ描画処理を描画部63に指示する(ステップS307)。
【0117】
描画指示を受け取った描画部63は、指示に従って、RAM206上に確保されたフレームメモリ領域にページを描画する(ステップS308)。
【0118】
次に、コマンド解釈部62は、ページデータの地紋パターン定義コマンドデータD3を解釈し、パターンデータ71の読み出しを描画部63に指示する(ステップS309)。
【0119】
読み出し指示を受け取った描画部63は、指示に従って、RAM206上に確保されたワークメモリ領域に受信した背景領域P1及び潜像領域P2それぞれの地紋パターン81のパターンデータ71を保持する(ステップS310)。
【0120】
コマンド解釈部62は、ページデータの背景領域P1の描画コマンドデータD4を解釈し、地紋画像における背景領域P1の地紋パターン81aの描画処理を描画部63に指示する(ステップS311)。
【0121】
描画指示を受け取った描画部63は、指示に従って、ステップS310の処理手順においてワークメモリ領域に読み出しておいた背景領域P1の地紋パターン81aのパターンデータ71を基に、フレームメモリ領域に背景領域P1の地紋パターン81aを一定の周期で繰り返し描画する(ステップS312からS313)。
【0122】
コマンド解釈部62は、ページデータの潜像領域P2の描画コマンドデータD5を解釈し、地紋画像における潜像領域P2の地紋パターン81bの描画処理を描画部63に指示する(ステップS314)。
【0123】
描画指示を受け取った描画部63は、指示に従って、ステップS310の処理手順においてワークメモリ領域に読み出しておいた潜像領域P2の地紋パターン81bのパターンデータ71を基に、フレームメモリ領域に背景領域P2の地紋パターン81bを一定の周期で繰り返し描画する(ステップS315からS316)。
【0124】
<まとめ>
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、本実施形態に係る画像形成システム1は、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターン81のパターンデータ71と、このパターンデータ71を用いた地紋パターン81の描画を指示する描画コマンドD4及びD5とを含むジョブデータJを情報処理装置100で生成し、画像形成装置200に送信することで、画像形成装置200で、受信した描画コマンドD4及びD5を解釈し、解釈した結果に従ってパターンデータ71を基に地紋パターン81を描画し地紋画像を形成する。
【0125】
これによって、本実施形態に係る画像形成システム1は、従来より情報処理装置100から画像形成装置200へ送信されるジョブデータJのデータ量を軽減することができ、画像形成装置200が有する高速印刷性能を維持しながら、不正コピー抑止などに利用される地紋画像を形成可能な「地紋画像形成機能」を提供することができる。
【0126】
ここまで、上記第1の実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、本発明の実施形態に係る画像形成システム1が有する「地紋画像形成機能」は、図10から図12に示した各処理手順を、上記実施形態に係る画像形成システム1を構成する情報処理装置100と画像形成装置200とのそれぞれの動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムとしてコンピュータで実行することで実現することができる。よって、本発明の各実施形態に係る画像形成システム1が有する画像形成プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体104及び204に格納することができる。
【0127】
よって、本実施形態に係る画像形成プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体104及び204に記憶させることによって、これらの記憶媒体104及び204を読み取り可能なドライブ装置103及び203に接続された記録媒体104及び204から、画像形成システム1の構成要素である情報処理装置100及び画像形成装置200それぞれにインストールすることができる。また、情報処理装置100及び画像形成装置200は、それぞれのインタフェース装置108及び209を有していることから、インターネットなどの電気通信回線を介して画像形成プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0128】
また、上記実施形態において不正コピー抑止などに利用される地紋画像の画像形成機能について説明を行ったが、本発明は、不正コピー抑止用の地紋画像の形成に限定されるものではない。本実施形態において説明を行った地紋画像形成機能は、不正コピー抑止用の地紋画像を形成する場合以外の地紋画像においても、本発明が目的とする効果を奏することができる。
【0129】
また、上記実施形態において地紋画像形成機能を有するプリンタドライバ32から生成されたジョブデータJのデータ構成について説明を行ったが、本発明は、このデータ構成に限定されるものではない。ジョブデータJのデータ構成はPDLによるため、画像形成装置200とプリンタドライバ32との組み合わせによって異なる。そのため、本実施形態に示すジョブデータJは、プリンタドライバ32から生成されたデータの一例であって、この限りでない。
【0130】
最後に、上記実施形態に挙げた形状に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムのソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムが有する機能構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る地紋が埋め込まれた印刷物の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る印刷条件設定を行う設定画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る地紋パターンの描画コマンド生成の一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るジョブデータのデータ構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置側の画像形成に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る地紋パターン生成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの画像生成に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1 画像形成システム
21 操作パネル
22 記憶メディアI/F
23 コントローラ
24 データ通信I/F
25 プロッタ
31 OS(情報処理装置側)
32 プリンタドライバ
33 アプリケーション
41 OS(画像形成装置側)
42 デバイスドライバ
43 データ受信
44 印刷処理
45 プリンタ言語処理
45a 描画処理
51 保持部
52 条件取得部
53 コマンド生成部
54 送受信部(情報処理装置側)
61 送受信部(画像形成装置側)
62 コマンド解析部
63 描画部
71 パターンデータ
72 印刷条件設定
81 地紋パターン
81a 背景領域の地紋パターン
81b 潜像領域の地紋パターン
90 データ伝送路(例えばネットワークなど)
100 情報処理装置
101 入力装置
102 表示装置
103 ドライブ装置
104 記録媒体
105 ROM
106 RAM
107 CPU
108 インタフェース装置
109 HDD
200 画像形成装置
201 入力装置
202 表示装置
203 ドライブ装置
204 記録媒体
205 ROM
206 RAM
207 NVRAM
208 CPU
209 インタフェース装置
210 印刷装置(プロッタ装置)
CP 不正コピーを抑止する付加情報を含む印刷物
P 地紋が埋め込まれた印刷物
P1 背景領域
P2 潜像領域
F フォントデータ
J ジョブデータ
W 設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置から送信された印刷ジョブデータを画像形成装置が受信し、受信した前記印刷ジョブデータを基に、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成システムであって、
地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータを保持する保持手段と、
前記保持手段に保持される前記パターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成手段と、
前記印刷ジョブデータに含まれる、前記コマンド生成手段により生成された前記描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈手段と、
前記コマンド解釈手段により解釈された前記描画指示に従って、元画像に前記地紋パターンを描画する描画手段とを有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記コマンド生成手段は、
前記地紋画像における所定の情報を付加する潜像領域の地紋パターンと、前記地紋画像における背景領域の地紋パターンとを定義する地紋パターン定義コマンドと、
前記パターンデータを用いた前記潜像領域の地紋パターンの描画を指示する潜像領域描画コマンドと、
前記パターンデータを用いた前記背景領域の地紋パターンの描画を指示する背景領域描画コマンドとを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記地紋を埋め込んだ画像を印刷するときの印刷条件設定を取得する取得手段を有し、
前記コマンド生成手段は、
前記取得手段により取得した前記印刷条件設定に基づいて、前記描画コマンドを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記描画手段は、
前記描画指示に従って、前記パターンデータを用いて前記地紋パターンを一定の周期で繰り返し描画し、前記地紋画像を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
受信した印刷ジョブデータを基に画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置と接続される情報処理装置であって、
地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータを保持する保持手段と、
前記保持手段に保持される前記パターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成手段と、
前記コマンド生成手段により生成された前記描画コマンドを含む前記印刷ジョブデータを前記画像形成装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
当該画像形成装置と接続される情報処理装置から受信した印刷ジョブデータを基に、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置であって、
前記情報処理装置から送信された前記印刷ジョブデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記印刷ジョブデータに含まれる、地紋パターンの描画を指示する描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈手段と、
前記コマンド解釈手段により解釈された前記描画指示に従って、元画像に前記地紋パターンを描画する描画手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータを保持する保持手段を有する情報処理装置と、前記情報処理装置から送信された印刷ジョブデータを基に、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置とから構成される画像形成システムにおける画像形成方法であって、
前記保持手段に保持される前記パターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成手順と、
前記印刷ジョブデータに含まれる、前記コマンド生成手順により生成された前記描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈手順と、
前記コマンド解釈手順により解釈された前記描画指示に従って、元画像に前記地紋パターンを描画する描画手順とを有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
受信した印刷ジョブデータを基に画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置と接続される、地紋画像を形成する最小単位の異なる地紋パターンのパターンデータを保持する保持手段を有する情報処理装置における画像形成プログラムであって、
コンピュータを、
前記保持手段に保持される前記パターンデータを用いた地紋パターンの描画を指示する描画コマンドを生成するコマンド生成手段と、
前記コマンド生成手段により生成された前記描画コマンドを含む前記印刷ジョブデータを前記画像形成装置に送信する送信手段として機能させる画像形成プログラム。
【請求項9】
当該画像形成装置と接続される情報処理装置から受信した印刷ジョブデータを基に、画像形成媒体に地紋を埋め込んだ画像を形成する画像形成装置における画像形成プログラムであって、
コンピュータを、
前記情報処理装置から送信された前記印刷ジョブデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記印刷ジョブデータに含まれる、地紋パターンの描画を指示する描画コマンドから描画指示を解釈するコマンド解釈手段と、
前記コマンド解釈手段により解釈された前記描画指示に従って、元画像に前記地紋パターンを描画する描画手段として機能させる画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−118324(P2009−118324A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290904(P2007−290904)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】