説明

画像形成システム、画像読取システム

【課題】利用者にとって便利な画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成システム100は、複合機10と大型ディスプレィ20とを備えている。複合機10は、制御装置15と、タッチパネル付の小型ディスプレィ11bが形成されている操作パネル11とを備えている。操作パネル11は複合機10の正面側に取り付けられている。大型ディスプレィ20は複合機10の背面側に設置されている。制御装置15は、利用者から入力されるコマンドに応じて、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを専ら小型ディスプレィ11bの表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる通常モードと、小型ディスプレィ11bのタッチパネルの一部エリアを大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる特殊モードとを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに応じた画像を用紙に形成する画像形成装置(複合機,プリンタ)を備えた画像形成システム、または原稿を読み取って前記原稿の画像を示す画像データを生成する画像読取装置(スキャナ)を備えた画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高機能化した複合機には、ネットワークを介して通信可能に接続されているサーバやウェブサイト等から画像データ(ファイル)を呼び出し、この画像データの画像をプリントする機能を有するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1によれば、コンビニエンスストアに設置される複合機が、利用者の操作指示に応じてウェブサイトにアクセスし、利用者からの入金に応じて当該ウェブサイトからデジタル画像(コンテンツ)をダウンロードして印刷出力する点が開示されている。最近では、新聞(ニュース)、雑誌、書籍の電子化が普及し、これらをウェブサイトから複合機にダウンロードして印刷出力することも可能になっている。
【0004】
特許文献2によれば、IDで保護されている電子メールメッセージをメールサーバから呼び出して印刷出力するインターネットファクシミリ(画像形成装置)が示されている。
【0005】
また、最近では、複合機の正面側の操作パネルに形成されている表示装置(タッチパネル付)にリンクを表示させ、利用者がタッチパネルを用いてリンクを選択すると、選択したリンクに対応するウェブページやファイルを前記表示装置に表示するような複合機が一般的になっている。そして、このような複合機は、前記表示装置に表示されているウェブページやファイルに対する印刷指示を入力すると、前記ウェブページや前記ファイルの画像を印刷するようになっている。
【0006】
ところで、複合機の操作パネルに形成されている表示装置のサイズは10.5インチ以下であるものが多い(例えば8.5インチ)。それゆえ、ファイル名やリンクを当該表示装置に表示させることは可能であっても、ファイルの画像やリンク先のウェブページの画像を全面表示させるためには縮小して表示しなければならず、この縮小によって利用者は前記ファイルの画像やウェブページの視認が困難になる(例えばA4やA3サイズに適合する画像を8.5インチサイズの表示装置に全面表示させるには縮小が必要である)。つまり、印刷の対象となる画像(前記ファイルの画像やウェブページ)のプレビューを前記表示装置に表示させてもその視認が困難であるという欠点があった。
【0007】
そこで、複合機の操作パネルの前に位置する利用者から視認可能な位置に大型サイズの表示装置(例えば24インチや32インチ)を設置し、この大型サイズの表示装置(以下「大型ディスプレィ」と称す)と複合機とをUSB(Universal Serial Bus)にて接続して、複合機にて扱われる各種情報および各種画像を大型ディスプレィに表示させれば、画像を縮小せずに表示させることができ、以上の欠点を解消できる。また、大型ディスプレィを用いれば、複数の画像を同時に表示させても視認性を確保できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−268095号公報
【特許文献2】特開2002−7264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上にて説明した大型ディスプレィは、複合機の操作パネルの表示装置と同様、複合機の操作のための画像表示手段である。それゆえ、大型ディスプレィに表示されている複数の選択対象からいずれかの対象を利用者に選択させるというケースもありえ、このようなケースを想定すれば、大型ディスプレィの表示画像用のポインティングデバイスを備えるべきである。そして、このようなポインティングデバイスとしては大型ディスプレィに取り付けられるタッチパネルが挙げられる。
【0010】
しかし、複合機の操作パネルの前に位置する利用者から視認可能な位置に大型ディスプレィを設置し、大型ディスプレィのタッチパネルを用いて大型ディスプレィの表示画像に対する指示入力を行わなければならないようなシステムを構築すると、以下に示す問題が生じる。
【0011】
複合機を利用する利用者は複合機の正面側に位置しているのが通常であるため、複合機の正面に位置する利用者にとって操作し易い位置に複合機の操作パネルが取り付けられる。つまり、複合機の正面に位置する利用者にとって、複合機の操作パネルの形成位置がポインティングデバイスの位置として最適であり、それ以外の位置に設置されているポインティングデバイスについては操作し難い。
【0012】
それゆえ、以上のようなシステムにおいて、複合機の正面側に位置する利用者が操作パネルを操作している最中に大型ディスプレィのタッチパネルを操作する必要が生じた場合、操作し難い位置から当該タッチパネルを操作しなければならず、利用者にとって使い勝手が良くない。
【0013】
特に、複合機の正面側から良好に視認できる位置に大型ディスプレィが設置されているものの、当該大型ディスプレィが利用者にとって複合機の正面側に位置したままタッチできないような位置に設置されている場合(例えば、複合機の背面側に大型ディスプレィが設置されている場合)、利用者は大型ディスプレィの設置位置まで移動して大型ディスプレィのタッチパネルにタッチしなければならず、利用者にとって使い勝手が良くない。
【0014】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置(または画像読取装置)と大型ディスプレィとを備えるシステムであって、利用者にとって使い勝手の良いシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明の画像形成システムは、タッチパネル付の第1表示装置が形成されている操作パネルを備えた画像形成装置と、前記第1表示装置よりもサイズの大きな第2表示装置と、入力される指示に応じて、前記タッチパネルを第1表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる第1モードと、前記タッチパネルの少なくとも一部のエリアを前記第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる第2モードとを切り替える制御部とを備えたことを特徴とする。本発明の構成によれば、利用者は、画像形成システムを第2モードに移行させることによって、画像形成装置の操作パネルに形成されている第1表示装置のタッチパネルを用いて第2表示装置の表示画像に対する指示入力を行える。それゆえ、第2表示装置が操作パネルから離れていても、利用者は操作パネルを用いて第2表示装置の表示画像に対する指示入力を行えるため、利用者にとって使い勝手が良いという利点を有する。なお、本願発明における画像形成装置は、プリンタ、複合機、複写機、ファクシミリ等の画像印刷機能を有する装置を指す。
【0016】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記制御部は、前記第2モードにて、前記タッチパネルのうち前記第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるエリアに対して、ドラッグ操作、フリック操作、タップ操作、ダブルタップ操作のうちのいずれかの操作が行われると、行われた操作の内容を第2表示装置の表示画像に反映させるようになっていてもよい。つまり、前記第2モードにおいて、前記タッチパネルに対してドラッグ操作が行われた場合は例えば第2表示装置に表示されているカーソル等が移動し、前記タッチパネルに対してフリック操作またはスクロール操作が行われた場合は例えば第2表示装置の表示画像がスクロールし、前記タッチパネルに対してタップ操作またはダブルタップ操作が行われた場合は例えば第2表示装置の表示画像上の項目が選択されることになる。
【0017】
さらに、本発明の画像形成システムにおいて、前記制御部は、前記第2モードにて、(a)前記タッチパネルのうちの一部である第2エリアを、第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させ、(b)前記タッチパネルのうち第2エリア以外の第1エリアを、第1表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるようになっていてもよい。この構成によれば、第2モードにおいて、前記タッチパネルを、第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして利用できるだけではなく、第1表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとしても利用できる。例えば、第2モードにおいて、第1表示装置の表示エリアのうち前記第1エリアと重なる位置に操作ボタン等を表示し、前記タッチパネルのうち前記操作ボタンと重なる位置に利用者がタップ操作を行うと当該操作ボタンが選択され、前記タッチパネルのうち第2エリアに対して利用者がドラッグ操作を行うと第2表示装置の表示されているカーソルが移動するといった事が可能になる。
【0018】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記制御部は、前記第2モードにて、前記第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能するエリアであることを示す操作エリア画像を、第1表示装置のうち前記タッチパネルの第2エリアと重なるエリアに表示させるようになっていてもよい。この構成によれば、第2モードにおいて、利用者は、前記第1表示装置のタッチパネルのうち、前記第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能するエリア(第2エリア)を特定できるため、誤操作(例えば第2エリアに触れるつもりが第1エリアに触れていた等)の発生を抑制できる。
【0019】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記制御部は、前記第1モードにて前記操作エリア画像を前記第1表示装置に表示させず、前記第2モードにて前記操作エリア画像を前記第1表示装置に表示させるようになっていてもよい。この構成によれば、利用者は、操作エリア画像の表示の有無により、画像形成システムの現在のモードが第1モードおよび第2モードのいずれであるかを把握できる。
【0020】
また、第1の利用者が、画像形成システムを第2モードに移行させた後、画像形成システムを第1モードに戻さないまま立ち去り、次に、操作に不慣れな第2の利用者が画像形成システムを使用するようなケースを想定する。このようなケースでは、操作に不慣れな第2の利用者は、いきなり、特殊なモードである第2モードになっている画像形成システムを操作することになり、第2の利用者が、戸惑ってしまうという不具合が生じることもある。そこで、本発明の画像形成システムにおいて、前記制御部は、前記第2モードにて前記タッチパネルに対する操作が行われていない状態が所定時間継続すると、前記第2モードから前記第1モードに切り替えるようになっていてもよい。この構成によれば、前記第2モードにおいて前記タッチパネルに対する操作が行われていない状態が所定時間継続すると、前記第2モードから前記第1モード(通常のモード)に切り替わるため、前記の不具合の発生を抑制できる。
【0021】
また、本発明の画像形成システムにおいて、前記操作パネルは前記画像形成装置の正面に取り付けられ、前記第2表示装置は前記画像形成装置の背面側に設置されていてもよい。この構成によれば、複合機の正面側で操作パネルを操作している利用者が第2表示装置の表示画像を良好に視認することができるというメリットを有する。
【0022】
さらに、本発明の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は前記制御部を備え、前記画像形成装置と前記第2表示装置とはUSB(Universal Serial Bus)にて接続されていてもよい。
【0023】
また、上記の課題を解決するために、本発明の画像読取システムは、タッチパネル付きの第1表示装置が形成されている操作パネルを備えている画像読取装置と、前記操作パネルから離れた位置に配置されており、前記第1表示装置よりもサイズの大きな第2表示装置と、入力される指示に応じて、前記タッチパネルを第1表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる第1モードと、前記タッチパネルの少なくとも一部のエリアを第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる第2モードとを切り替える制御部とを備えることを特徴とする。本発明の画像読取システムによれば、前述した本発明の画像形成システムと同様、利用者にとって便利であるという利点を有する。なお、本発明における画像読取装置はスキャナ専用機を指す。
【発明の効果】
【0024】
以上示したように、本発明の構成によれば、第2表示装置が操作パネルから離れていても、利用者は操作パネルを用いて第2表示装置の表示画像に対する指示入力を行えるため、利用者にとって使い勝手が良いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示したブロック図である。
【図3】図1の画像形成システムに含まれる複合機に取り付けられている操作パネルを示す模式図である。
【図4】(a)は通常モードにおいて小型ディスプレィに表示される操作画像であり、(b)は特殊モードにおいて小型ディスプレィに表示される操作画像である。
【図5】特殊モードにおいて、利用者が小型ディスプレィのタッチパネルに対してドラッグ操作することによって大型ディスプレィに表示されているポインタを移動させている様子を示した模式図である。
【図6】(a)は店舗に設置された一般的な複合機と電子看板とを示す図であり、(b)は複合機の近傍に電子看板を設置した状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態の画像形成システムの斜視図であり、図2は、本実施形態の画像形成システムの概略構成を示したブロック図である。
【0027】
図1および図2に示すように、本実施形態の画像形成システム100は複合機10と大型ディスプレィ20とを有している。
【0028】
複合機(画像形成装置)10は、印刷処理、スキャン処理、通信処理、ファクシミリ送受信処理を実行するデジタル複合機である。複合機10は、図1および図2に示すように、操作パネル11とスキャナ部12とプリント部13と記憶部14と制御装置15とを備えている。
【0029】
図1に示すように、操作パネル11は、複合機10の正面側に取り付けられており、利用者に対して各種情報を通知するとともに、利用者からの入力を受け付けるものである。
【0030】
図3は操作パネル11を示す模式図である。操作パネル11は、図3に示すように、各種の入力キーを含む入力部11aと小型ディスプレィ11bとを備えている。また、小型ディスプレィ(第1表示装置)11bは、8.5インチサイズの液晶表示装置であり、タッチパネルを備えている。つまり、本実施形態の複合機10は、小型ディスプレィ11bに各種操作ボタンを表示し、前記タッチパネルのうち操作ボタンに対応する位置に利用者がタッチした場合に当該操作ボタンに応じたコマンドを受け付けるようになっている。
【0031】
スキャナ部12は、原稿の画像を読み取る撮像素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device))と、撮像素子による読取位置まで原稿を搬送する原稿搬送部とを含んでいる。スキャナ部12は、原稿の画像を読み取って、当該原稿の画像を示した画像データを生成するものである。
【0032】
プリント部13は、用紙などのシートに対して、スキャナ部12にて生成された画像データまたは外部から受信した画像データに対応する画像(文字/写真/グラフィック)を印刷する電子写真方式の印刷機である。プリント部13は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを備えている。具体的に、プリント部13では、帯電装置が感光体ドラムの表面を帯電させる。そして、露光装置が画像データに応じた光を感光体ドラムに照射し、感光体ドラム上に画像データで示される画像と同じパターンの静電潜像を形成する。その後、現像装置により感光体ドラムの表面にトナーが引き付けられ、前記静電潜像が顕像化し、感光体ドラムにトナー画像が形成される。その後、転写装置が当該トナー画像をシートに転写する。最後に、定着装置がトナーに熱を加えてシートに融着させることで、シートに画像が形成される。これにより、スキャナ部12にて生成された画像データまたは外部装置から入力された画像データに基づいた印刷処理が実行される。なお、外部から入力された画像データとは、通信ネットワーク16を介して端末装置,ウェブサーバ(ウェブサイト)等から複合機10に送られた画像データを指す。
【0033】
図2に示される記憶部14は、例えばハードディスクからなる記憶装置である。記憶部14は、複合機10にて扱われている画像データや各種データを記憶・保存するためのものである。
【0034】
制御装置(コンピュータ)15は、複合機10に備えられている機器を統括的に制御する機能を有し、且つ画像データに対して画像処理を実行する機能を有する。具体的に、制御装置(制御部)15は、プロセッサ、プロセッサに実行されるプログラム(ファームウェア)や制御に必要なデータを格納するROM(Read Only Memory)等の記録媒体(コンピュータ読取可能な記録媒体)、プロセッサによるデータ処理の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、センサ等の周辺機器からの信号を受け付ける入力バッファ、当該信号をデジタル化するA/D変換回路等を含む入力回路、モータまたはソレノイドを駆動するドライバに駆動信号を出力する出力回路などを有している。つまり、制御装置15は、前記のプログラムを実行することによって、複合機10が有している各種機器の制御,画像処理,各種処理を実現するようになっている。
【0035】
つぎに、大型ディスプレィ(第2表示装置)20について説明する。通常の複合機には原稿自動搬送装置やソータ(排紙用紙分離装置)等の標準装備品またはオプション品を接続可能であるが、本実施形態の大型ディスプレィ20は前記の標準装備品またはオプション品として複合機10に接続されるものである。
【0036】
大型ディスプレィ20は、32インチサイズの液晶表示装置であり、図1に示すように複合機10の背面側且つ複合機10よりも上側に位置するように取りつけ軸17に取り付けられている。これにより、複合機10の正面側にて操作パネル11を操作する利用者は、大型ディスプレィ20の表示画像を良好に視認することができる。なお、本実施形態の複合機10は、奥行サイズ(正面と背面との距離)が600mm以上であり高さが1200mm以上であることから、利用者は複合機の正面側から背面側の大型ディスプレィのタッチパネルに直接触れることは困難である。
【0037】
そして、図1および図2に示すように、複合機10と大型ディスプレィ20とはUSB(Universal Serial Bus)ケーブル18にて接続されており、複合機10の制御装置15が大型ディスプレィ20を制御するようになっている。
【0038】
つまり、制御装置15は、利用者から入力されるコマンドやファームウェアに基づき、複合機の操作に必要な情報や印刷対象画像のプレビューを小型ディスプレィ11bや大型ディスプレィ20に表示させる表示制御部として機能する。なお、制御装置15は、操作用ボタンが示されている操作画像(図4(a)参照)を主として小型ディスプレィ11bに表示し、印刷対象画像のプレビューを主として大型ディスプレィ20に表示させるようになっている。
【0039】
つぎに、本実施形態の特徴について説明する。本実施形態においては、図1の複合機10の正面側に操作パネル11が取り付けられ、この操作パネル11に形成されている小型ディスプレィ11bにはタッチパネルが構成されている。
【0040】
そして、制御装置15は、利用者から入力される指示に応じて、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを専ら小型ディスプレィ11bのポインティングデバイスとして機能させる通常モード(第1モード)と、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを小型ディスプレィ11bのポインティングデバイスおよび大型ディスプレィ20のポインティングデバイスとして機能させる特殊モード(第2モード)とを切り替え可能になっている。
【0041】
具体的に説明すると、画像形成システム100は初期状態において通常モードになっている。つまり、複合機10の電源をオンにして複合機10を起動した後は必ず通常モードになる。そして、通常モードにおいて、制御装置15は、図4(a)に示す操作画像を小型ディスプレィ11bに表示し、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを専ら小型ディスプレィ11bの表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる。つまり、小型ディスプレィ11bのタッチパネルの全エリアは小型ディスプレィ11bの表示画像に対する位置・方向等を指示するためのエリアとして用いられる。そして、図1に示すように複合機10の正面側に位置する利用者は、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを操作して、小型ディスプレィ11bに表示されている操作画像に示される各種操作ボタン(図4(a)参照)を選択するようになっている。これにより、複合機10に対して各種設定(コピー濃度、倍率、用紙サイズ、特別機能)を行うことが可能になっている。
【0042】
そして、通常モードにおいて小型ディスプレィ11bに表示されている操作画像には、図4(a)に示すように、モード切替指示(通常モードと特殊モードとを切り替える指示)を入力するためのマウスボタン(切替ボタン)6が表示されている。通常モードにおいて利用者が小型ディスプレィ11bのタッチパネルを操作してマウスボタン6を選択すると、制御装置15は、利用者からモード切替指示が入力されたことを検知し、画像形成システム100を通常モードから特殊モードへ移行させるようになっている。なお、図6において、マウスボタン6は、「ディスプレィ用マウス」となっているが、単に「操作ボタン」となっていてもよい。
【0043】
制御装置15は、画像形成システム100を通常モードから特殊モードに移行させると、小型ディスプレィ11bに図4(b)に示す操作画像を表示させ、大型ディスプレィ20に図5に示すポインタ8を表示させるようになっている。
【0044】
図4(b)に示す操作画像には、中央部に操作枠7が示されている。つまり、通常モードでは図4(a)に示されるように操作画像の中央部に複合機および用紙トレイ(用紙配置)のイラストが示されているが、特殊モードでは図4(b)に示されるように操作画像において前記イラストの代わりに操作枠7が示されることになる。
【0045】
特殊モードでは、制御装置15は、小型ディスプレィ11bのタッチパネルにおいて、操作枠7と重なるエリアを大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させ、操作枠7と重なるエリア以外のエリアを小型ディスプレィ11bの表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる。
【0046】
これにより、制御装置15は、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち操作枠7と重なるエリアに対して利用者が操作を行うと、当該操作の内容を大型ディスプレィ20の表示画像に反映させることになる。
【0047】
例えば、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち操作枠7と重なるエリアに対して利用者がドラッグ操作を行うと、図5に示すように大型ディスプレィ20に表示されているポインタ(カーソル)8はドラッグ操作の方向に応じた方向に移動することになる。つまり、利用者が小型ディスプレィ11bのタッチパネルに対して右方向に指を滑らせれば大型ディスプレィ20のポインタ8は右方向に移動し、利用者が小型ディスプレィ11bのタッチパネルに対して左方向に指を滑らせれば大型ディスプレィ20のポインタ8は左方向に移動する。また、利用者が小型ディスプレィ11bのタッチパネルに対して複合機10の背面へ向けた方向に指を滑らせればポインタ8は上方向に移動し、利用者が小型ディスプレィ11bのタッチパネルに対して手前へ向けた方向に指を滑らせればポインタ8は下方向に移動する。
【0048】
また、例えば、大型ディスプレィ20に各種操作ボタンを表示し、利用者が所望の操作ボタンの表示位置までポインタ8を移動させ、小型ディスプレィ11bのタッチオアネルに対してタップ操作を行えば大型ディスプレィ20に表示されている操作ボタンが反転表示され、再度タップ操作を行えば当該操作ボタンが選択されるようになっていてもよい。
【0049】
また、特殊モードであっても、制御装置15は、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち操作枠7と重なるエリア以外のエリアについて、大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるのではなく、小型ディスプレィ11bの表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるようになっている。したがって、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち小型ディスプレィ11bに表示されている操作ボタンと重なる位置を利用者がタップすると、当該操作ボタンが選択されることになる。つまり、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち図4(b)に示される特別機能ボタンと重なる位置を利用者がタップすると、特別機能ボタンが選択され、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち図4(b)に示されるファイリングボタンを利用者がタップすると、ファイリングボタンが選択されることになる。
【0050】
そして、特殊モード中においても、小型ディスプレィ11bに表示されている操作画像には、図4(b)に示すように、通常モードと特殊モードとを切り替える指示を入力するためのマウスボタン6aが表示されている。但し、図4(a)および図4(b)に示すように、通常モードにおいて表示されているマウスボタン6と特殊モード中に表示されているマウスボタン6aとは表示色が互いに異なる。これにより、利用者は現在特殊モードが選択されているか否かを認識できる。
【0051】
特殊モード中において、利用者が小型ディスプレィ11bのタッチパネルを操作してマウスボタン6a(図4(b)参照)を選択すると、制御装置15は、利用者からモード切替指示が入力されたことを検知し、画像形成システム100を特殊モードから通常モードへ戻すようになっている。そして、制御装置15は、画像形成システム100が特殊モードから通常モードへ戻ると、図4(b)に示す操作画像の表示を中止し、図4(a)に示す操作画像を小型ディスプレィ11bに表示させるようになっている。つまり、特殊モード中は小型ディスプレィ11bに操作枠7が表示されているが、通常モードに戻ると小型ディスプレィ11bから操作枠7が消去されることになる。これにより、利用者は現在特殊モードが選択されているか否かの特定が容易になる。
【0052】
以上示したように、本実施形態の画像形成システム100は、タッチパネル付の小型ディスプレィ11bが形成されている操作パネル11を正面に備えた複合機10と、複合機10の背面側に設置されており小型ディスプレィ11bよりもサイズの大きな大型ディスプレィ20と、複合機10および大型ディスプレィ20を制御する制御装置15とを備えている。そして、制御装置15は、利用者から入力される指示に応じて、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを小型ディスプレィ11bの表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる通常モードと、小型ディスプレィ11bのタッチパネルの一部のエリアを大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる特殊モードとを切り替えるようになっている。
【0053】
このような構成によれば、利用者は、画像形成システム100を通常モードから特殊モードへ切り替えることによって、操作パネル11に形成されている小型ディスプレィ11bのタッチパネルを用いて大型ディスプレィ20の表示画像に対する指示入力を行える。それゆえ、本実施形態のように大型ディスプレィ20が複合機10の背面側に設置されていても、利用者は複合機10の操作パネル11を用いて大型ディスプレィ20の表示画像に対する指示入力を行うことができるため、利用者にとって使い勝手が良いという利点を有する。
【0054】
また、制御装置15は、前記特殊モードにおいて、(a)小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうちの一部である第2エリアを、大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させ、(b)前記タッチパネルのうち前記第2エリア以外の第1エリアを、小型ディスプレィ11bの表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるようになっている。ここで、第2エリアは、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち、図4(b)に示されている操作枠7と重なるエリアであり、第1エリアは、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち、第2エリア以外のエリアである。
それゆえ、前記特殊モードにおいては、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを、大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして利用し、且つ、小型ディスプレィ11bの表示画像に対するポインティングデバイスとして利用するようになっている。具体的には、前記特殊モードにおいて、小型ディスプレィ11bの表示エリアのうち、前記タッチパネルの第1エリアと重なる位置に操作ボタン等を表示し、前記タッチパネルの第1エリアのうち前記操作ボタンと重なる位置に利用者がタップ操作を行うと当該操作ボタンが選択され、前記タッチパネルの第2エリアに対して利用者がドラッグ操作を行うと大型ディスプレィ20に表示されているカーソルが移動するようになっている。
【0055】
また、以上示した実施形態において、特殊モードでは、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち第2エリア(操作枠7と重なるエリア)に対してドラッグ操作またはタップ操作が行われた場合、制御装置15は、行われた操作の内容を大型ディスプレィ20の表示画像に反映させている。ここで、タッチパネルに対して行われる操作としては、ドラッグ操作またはタップ操作に限定されるものではなく、例えば、フリック操作、ダブルタップ操作等を行うことも可能であり、制御装置15は、行われた操作の内容を大型ディスプレィ20の表示画像に反映させることができる。つまり、特殊モードにおいて、小型ディスプレィ11bのタッチパネルに対してフリック操作が行われると、例えば大型ディスプレィ20の表示画像がスクロールすることになる。
【0056】
また、特殊モードでは、制御装置15は、小型ディスプレィ11bにおいて、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるエリアを示す操作枠(操作エリア画像)7を表示させている(図4(b)参照)。これにより、利用者は、小型ディスプレィ11bのタッチパネルのうち、大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能するエリアを正確に特定でき、誤操作の発生を抑制できる。
【0057】
また、制御装置15は、通常モードにおいて小型ディスプレィ11bに操作枠7を表示させず、特殊モードにおいてのみ小型ディスプレィ11bに操作枠7を表示させるようになっている。これにより、利用者は、操作枠7の表示の有無を確認することで、現在のモードが通常モードおよび特殊モードのいずれであるのかを容易に把握できる。
【0058】
また、第1の利用者が、画像形成システム100を通常モードから特殊モードに移行させた後、通常モードに戻さないまま立ち去り、次に、操作に不慣れな第2の利用者が画像形成システム100を使用するようなケースを想定する。このようなケースでは、操作に不慣れな第2の利用者は、いきなり、特殊モードになっている画像形成システム100を操作することになり、第2の利用者が、戸惑ってしまうという不具合が生じることもある。そこで、制御装置15は、前記特殊モードにて小型ディスプレィ11bのタッチパネルに対する操作が行われていない状態が所定時間(例えば3分)継続すると、画像形成システム100を前記特殊モードから前記通常モードに切り替えるようになっていてもよい。これにより前記の不具合の発生を抑制できる。
【0059】
また、本実施形態の画像形成システム100では、大型ディスプレィ20は複合機10の背面側に設置されているが、大型ディスプレィ20の設置位置は、複合機10の背面側に限定されるものではなく、複合機10の正面側において操作パネル11を操作している利用者が視認可能な位置に設置されていればよい。但し、大型ディスプレィ20が複合機10の背面側に設置されている本実施形態の構成によれば、複合機10の正面側で操作パネル11を操作している利用者が大型ディスプレィ20の表示画像を良好に視認することができるというメリットを有する。
【0060】
また、本実施形態の複合機10の奥行サイズおよび高さからすれば、利用者は複合機10の正面側から背面側の大型ディスプレィ20に直接触れることは困難である。それゆえ、大型ディスプレィ20にタッチパネルを取り付けたとしても、利用者は複合機10の正面側から背面側に移動しなければ大型ディスプレィ20のタッチパネルを利用できない。しかし、本実施形態のシステムによれば、操作パネル11の小型ディスプレィ11bのタッチパネルを大型ディスプレィ20の表示画像のためのポインティングとして機能させることが可能であるため、大型ディスプレィ20のタッチパネルを利用するまでもなく(複合機10の正面側から背面側に移動するまでもなく)、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを利用して大型ディスプレィ20の表示画像に対する指示入力を行える。
【0061】
また、近年、一般的な複合機に取り付けられる制御装置(コンピュータ)の性能は汎用のパーソナルコンピュータと同等になり、複合機に設置されるメモリは大容量化している(2GB以上)。そして、オフィス環境では、複合機は、インターネットおよびLANに接続されると共に、LANを介して各個人の端末装置に接続され、共有ファイルを格納する共有サーバやメールサーバとしての役目をも果たすようになっていきている。この点、本実施形態の画像形成システム100において、複合機10を前記共有サーバおよびメールサーバとして機能させれば、各個人の端末装置を立ち上げなくても、複合機10に記憶されている共有ファイルやメールを大型ディスプレィ20に表示させることができ、必要な共有ファイルの画像やメールの画像をプリントアウトできる。
【0062】
近年、オフィスにおいて、消費電力の大きいパソコン,ディスプレィ,照明の節電が大きな課題となっているので、個人の端末装置を立ち上げずに複合機10に記憶されているメールを大型ディスプレィ20に表示させる事は意義がある。
【0063】
また、節電のために、複合機10は、未使用の状態が5分程度以上経過すると自動で節電モードまたはシャットオフモードに移行するようになっている。そして、節電のために、大型ディスプレィ20も自動で節電モードまたはシャットオフモードに移行するようになっていることが望ましく、このモード切替を複合機10の制御装置15が制御するようになっていることが好ましい。
【0064】
さらに、複合機10には、USBケーブル18を接続するためのUSBポート以外に、USBメモリ用のスロットやSDメモリカード用のスロットが取り付けられている。そして、制御装置15は、USBメモリやSDメモリカードに格納されているファイルや写真を大型ディスプレィ20に表示させ、利用者に選択されたファイルまたは写真をプリントアウトするようになっていてもよい。この場合、利用者は、画像形成システム100を特殊モードに移行させ、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを操作して大型ディスプレィ20のポインタを移動させることによって、大型ディスプレィ20に表示されているファイル等を選択することができる。
【0065】
また、本実施形態では、特殊モードにおいて、小型ディスプレィ11bのタッチパネルの一部のエリアを大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるようになっているが、当該タッチパネルの全エリアを大型ディスプレィ20の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるようになっていても構わない。この場合、特殊モードにおいて、小型ディスプレィ11bの全面に操作枠7が示され、入力部11aのなかのいずれかのキーによって通常モードと特殊モードとの切り替えが可能になっていてもよい。
【0066】
なお、本実施形態の画像形成システム100は、複合機10を備えるものであるが、複合機10の代わりに、画像形成機能を有する他の画像形成装置(例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ)を備えていてもよい。
【0067】
また、本実施形態の画像形成システム100において、大型ディスプレィ20には、タッチパネルが取り付けられていてもよいし、取り付けられていなくても構わない。
【0068】
また、複合機10の代わりに、タッチパネル付の小型ディスプレィを形成した操作パネルを備えたスキャナ専用機を設置し、スキャナ専用機(画像読取装置)と大型ディスプレィ20と接続し、このスキャナ専用機と大型ディスプレィ20とからなる画像読取システムにおいて、以上にて説明した通常モードと特殊モードとの切り替えを実現してもよい。つまり、前記の画像読取システムは、タッチパネル付きの小型ディスプレィが形成されている操作パネルを備えている画像読取装置と、前記操作パネルから離れた位置に配置されており小型ディスプレィよりもサイズの大きな大型ディスプレィと、画像読取装置および大型ディスプレィを制御する制御装置とを備えている。そして、この制御装置は、利用者によって入力される指示に応じて、前記タッチパネルを小型ディスプレィの表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる通常モードと、前記タッチパネルの少なくとも一部のエリアを大型ディスプレィの表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる特殊モードとを切り替えるようになっている。
【0069】
[画像形成システムの用途]
つぎに、画像形成システムの用途の一例を説明する。図6(a)は、コンビニエンスストア等の店舗に設置される一般的な複合機500と電子看板600とを示す模式図である。電子看板600は、顧客に示したい情報を表示するものであることから、店舗の入口や目立つ場所に設置される事が通例であり、コピーサービス用の複合機500は、コインチェンジャー550を接続しており、店舗のカウンタの中や部屋の隅等(邪魔にならない場所)に設置される事が通例である。それゆえ、電子看板600と複合機500とは、互いに離れて設置される事が通例であり、互いの連携は全く無かった。
【0070】
しかし、最近では、電子看板600の表示内容が多種多様になり、利用者がプリントアウトすることを所望する画像(電子クーポンや地図等)が表示されることもある。さらに、電子看板600は、5〜20秒間隔で表示内容を切り替え、且つ、同一表示内容を一定の時間間隔をあけて繰り返し表示するようになっている。したがって、利用者は、見過ごした内容を再度見るために待機する必要があり、不便である。
【0071】
そこで、図4(b)に示すように電子看板600を複合機500の近傍に配置し、この電子看板600にタッチパネルを取り付け、複合機500と電子看板600とを接続し、電子看板600の表示画像を複合機500にてプリントアウト可能にすればよい。このようにすれば、利用者は、電子看板600の表示内容をプリントアウトでき、また、タッチパネルを操作して表示内容を切り替えることで見過ごした内容を直ちに確認できる。しかし、この構成では、部屋の隅等に設置される複合機500の近傍にさらに電子看板600の設置スペースが必要になるという問題がある。また、複合機500の操作パネルを操作する利用者は、電子看板600のタッチパネルに触れるために複合機500の正面から電子看板600の正面まで移動しなければならず、この移動のためのスペースも充分に確保しなければならないという問題もある。
【0072】
そこで、図1、図5に示す本実施形態の画像形成システム100を店舗に設置し、電子看板に表示すべき内容を大型ディスプレィ20に表示させることが好ましい。これにより、以上のような問題を解消しつつ、大型ディスプレィ20に表示される内容をプリント可能になる。また、画像形成システム100を特殊モードに移行させ、小型ディスプレィ11bのタッチパネルを操作して大型ディスプレィ20の表示内容を切り替えることにより、見過ごした内容を直ちに確認できる。
【0073】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、画像データに応じた画像を用紙に形成(印刷)する画像形成装置を備えた画像形成システム、または原稿を読み取って前記原稿の画像を示す画像データを生成する画像読取装置を備えた画像読取システムに利用できる。
【符号の説明】
【0075】
7 操作枠(操作エリア画像)
10 複合機(画像形成装置)
11 操作パネル
11b 小型ディスプレィ(第1表示装置)
15 制御装置(制御部)
18 USBケーブル
20 大型ディスプレィ(第2表示装置)
100 画像形成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル付の第1表示装置が形成されている操作パネルを備えた画像形成装置と、
前記第1表示装置よりもサイズの大きな第2表示装置と、
入力される指示に応じて、前記タッチパネルを第1表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる第1モードと、前記タッチパネルの少なくとも一部のエリアを前記第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる第2モードとを切り替える制御部とを備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2モードにおいて、前記タッチパネルのうち前記第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させるエリアに対して、ドラッグ操作、フリック操作、タップ操作、ダブルタップ操作のうちのいずれかの操作が行われると、行われた操作の内容を第2表示装置の表示画像に反映させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2モードにおいて、(a)前記タッチパネルのうちの一部である第2エリアを、第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させ、(b)前記タッチパネルのうち第2エリア以外の第1エリアを、第1表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2モードにおいて、前記第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能するエリアであることを示す操作エリア画像を、第1表示装置のうち前記タッチパネルの第2エリアと重なるエリアに表示させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1モードにおいて前記操作エリア画像を前記第1表示装置に表示させず、前記第2モードにおいて前記操作エリア画像を前記第1表示装置に表示させるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2モードにおいて前記タッチパネルに対する操作が行われていない状態が所定時間継続すると、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成装置は前記制御部を備え、
前記画像形成装置と前記第2表示装置とはUSB(Universal Serial Bus)にて接続されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記操作パネルは前記画像形成装置の正面に取り付けられ、前記第2表示装置は前記画像形成装置の背面側に設置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
タッチパネル付きの第1表示装置が形成されている操作パネルを備えている画像読取装置と、
前記操作パネルから離れた位置に配置されており、前記第1表示装置よりもサイズの大きな第2表示装置と、
入力される指示に応じて、前記タッチパネルを第1表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる第1モードと、前記タッチパネルの少なくとも一部のエリアを第2表示装置の表示画像に対するポインティングデバイスとして機能させる第2モードとを切り替える制御部とを備えたことを特徴とする画像読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−109803(P2012−109803A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257094(P2010−257094)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】