説明

画像形成システム及び画像形成装置

【課題】画像形成装置の設定における操作性を向上させる。
【解決手段】複数の複合機がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムにおいて、一の複合機に対してユーザーAのログインが行われると(ステップS3)、ネットワーク下の他の複合機に、ユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われる(ステップS4)。ユーザーAがログインしている他の複合機がある場合には(ステップS5;YES)、ユーザーAがログインしている対象複合機から対象複合機における設定情報が取得され(ステップS6)、取得された設定情報が一の複合機に設定される(ステップS7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク下に複数の画像形成装置が接続された環境において、画像形成装置に搭載されている機能や出力スピード等に応じて、複数の画像形成装置を使い分けることが行われている。また、画像形成装置を使用する際に、ログイン操作を必要とし、登録されたユーザーにのみ画像形成装置の使用が許可されている場合もある。
【0003】
例えば、印刷ジョブが送信されたプリンターが故障等により使用できない場合、他のプリンターにジョブを転送して代行出力し、その旨をユーザーに通知する印刷ジョブ認証装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、複数台の画像形成装置のうち、任意の1台で読み取られた原稿の画像情報を他の画像形成装置に転送する場合に、データを暗号化して転送するかどうかを選択することができる画像形成装置ネットワークシステムが提案されている(特許文献2参照)。
また、自装置の故障や能力不足により処理できない作業がある場合に、代行可能な装置を検索し、代行可能な装置に処理させる画像処理システムが提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−327123号公報
【特許文献2】特開2005−079681号公報
【特許文献3】特開2002−135508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ジョブを実行しようと、ある画像形成装置にログインして設定を始めたが、使用したい機能(両面印刷機能、ステープル機能等)が搭載されていなかった場合には、その機能が搭載されている他の画像形成装置に移動して、また一から設定し直さなければならず、非常に煩わしい作業であった。
【0006】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、画像形成装置の設定における操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の画像形成装置がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、前記複数の画像形成装置のそれぞれは、当該画像形成装置にログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する第1の記憶部と、当該画像形成装置における設定情報を記憶する第2の記憶部と、第2の認証情報を入力するための操作部と、前記操作部から入力された第2の認証情報が前記第1の記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、当該画像形成装置に対するログインを許可する制御部と、を備え、一のユーザーが前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置にログインした場合に、当該一の画像形成装置の制御部は、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置から当該他の画像形成装置の第2の記憶部に記憶されている設定情
報を取得し、当該他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の制御部は、前記複数の画像形成装置のうち他の全ての画像形成装置に対して前記一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行った結果に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報のうち前記一の画像形成装置に設定することができない設定内容がある場合には、その旨を通知するとともに、当該設定することができない設定内容を前記一の画像形成装置に設定可能な設定内容に変更して設定する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報がデフォルト設定と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報が予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報が予め定められた設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定した後、前記他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、複数の画像形成装置と、サーバーと、がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、前記サーバーは、前記複数の画像形成装置のそれぞれにログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を前記第2の認証情報の送信元の画像形成装置に送信し、所定のタイミングで前記複数の画像形成装置のそれぞれにおける設定情報を取得する第1の制御部と、を備え、前記複数の画像形成装置のそれぞれは、前記第2の認証情報を入力するための操作部と、前記操作部から入力された第2の認証情報を前記サーバーに送信し、前記サーバーから受信された認証結果に基づいて、当該画像形成装置に対するログインを許可するか否かを判断する第2の制御部と、を備え、一のユーザーが前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置にログインした場合に、前記第1の制御部は、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、前記取得した当該他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に送信し、前記一の画像形成装置の第2の制御部は、前記サーバーから前記他の画像形成装置における設定情報を取得し、当該他の画像形成装置に
おける設定情報を前記一の画像形成装置に設定する。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成システムにおいて、前記サーバーは、前記複数の画像形成装置のそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報を記憶する第2の記憶部を備え、前記複数の画像形成装置のそれぞれの第2の制御部は、当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報を前記サーバーに送信し、前記第1の制御部は、前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報を更新し、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の第2の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報のうち前記一の画像形成装置に設定することができない設定内容がある場合には、その旨を通知するとともに、当該設定することができない設定内容を前記一の画像形成装置に設定可能な設定内容に変更して設定する。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の第2の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報がデフォルト設定と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の第2の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報が予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の第2の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報が予め定められた設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項8から13のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記第1の制御部は、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に送信した後、前記他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0021】
請求項15に記載の発明は、複数の画像形成装置とネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成装置であって、当該画像形成装置にログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する第1の記憶部と、当該画像形成装置における設定情報を記憶する第2の記憶部と、第2の認証情報を入力するための操作部と、前記操作部から入力された第2の認証情報が前記第1の記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、当該画像形成装置に対するログインを許可する制御部と、を備え、前記制御部は、一のユーザーが当該画像形成装置にログインした場合に、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置から当該他の画像形成装置における設定情報を取得し、当該他の画像形成装置における設定情報を当該画像形成装置に設定する。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成装置の設定における操作性を向上させることができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、他の全ての画像形成装置に対して問い合わせを行うことにより、一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、一の画像形成装置において可能な限り他の画像形成装置における設定情報を引き継ぐことができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、他の画像形成装置において設定変更がある場合に、他の画像形成装置における設定情報を引き継ぐことができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合に、他の画像形成装置における設定情報を引き継ぐことができる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた設定項目について設定変更がある場合に、他の画像形成装置における設定情報を引き継ぐことができる。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、他の画像形成装置がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、画像形成装置の設定における操作性を向上させることができる。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、ログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断することができる。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、一の画像形成装置において可能な限り他の画像形成装置における設定情報を引き継ぐことができる。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、他の画像形成装置において設定変更がある場合に、他の画像形成装置における設定情報を引き継ぐことができる。
【0033】
請求項12に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合に、他の画像形成装置における設定情報を引き継ぐことができる。
【0034】
請求項13に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた設定項目について設定変更がある場合に、他の画像形成装置における設定情報を引き継ぐことができる。
【0035】
請求項14に記載の発明によれば、他の画像形成装置がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0036】
請求項15に記載の発明によれば、画像形成装置の設定における操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1の実施の形態の画像形成システムのシステム構成図である。
【図2】複合機の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】操作部の構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の一の複合機において実行される処理を示すフローチャートである。
【図5】認証情報入力画面の例である。
【図6】設定情報反映処理を示すフローチャートである。
【図7】設定反映確認画面の例である。
【図8】反映不可設定変更情報を含む設定反映確認画面の例である。
【図9】設定トップ画面の例である。
【図10】設定トップ画面の例である。
【図11】設定トップ画面の例である。
【図12】第1の実施の形態の他の複合機において実行される処理を示すフローチャートである。
【図13】第1の実施の形態の変形例1における設定情報反映処理Aを示すフローチャートである。
【図14】第1の実施の形態の変形例2における設定情報反映処理Bを示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態の画像形成システムのシステム構成図である。
【図16】サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図17】第2の実施の形態の一の複合機において実行される処理を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態のサーバーにおいて実行されるログイン状態管理処理を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施の形態のサーバーにおいて実行される設定情報送信処理を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態の他の複合機において実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る画像形成システムの第1の実施の形態について説明する。
図1に、第1の実施の形態の画像形成システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置としての複合機(MFP:Multi-functional Peripheral)10a,10b,・・・,10nがネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0039】
複合機10a,10b,・・・,10nは、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、ファクシミリ機能を有する多目的画像形成装置である。
【0040】
図2に、複合機10aの機能的構成を示す。図2に示すように、複合機10aは、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、操作部15、表示部16、画像読取部17、画像形成部18、後処理部19、ネットワークI/F(InterFace)部20、USB(Universal Serial Bus) I/F部21、公衆回線I/F部22等を備えて構成され、各部はバス23により接続されている。
【0041】
CPU11は、複合機10aの各部の処理動作を統括的に制御する。CPU11は、R
OM12に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM13に展開し、当該プログラムとの協働により、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、ファクシミリ機能等の各機能についての全体制御を行う。
【0042】
ROM12は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0043】
RAM13は、CPU11により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
例えば、RAM13には、ジョブの実行を指示したユーザーと対応付けられて、実行前のジョブのデータが記憶される。ジョブとは、画像形成に関する一連の動作であり、例えば、所定ページの原稿からなる複写物を作成する場合には、所定ページの原稿の画像形成に関する一連の動作をいい、複数部の画像形成を行う場合には、複数部の画像形成に関する一連の動作をいう。
【0044】
記憶部14は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理に関するデータ等を記憶する。
記憶部14には、予め複合機10aにログインを許可されたユーザー(登録ユーザー)に対応する第1の認証情報(ユーザー名、パスワード)が記憶されている。
また、記憶部14には、複合機10aにおける設定情報が記憶される。設定情報には、設定項目毎に、設定値と、デフォルト値からの変更の有無を示す情報と、が含まれる。設定情報には、画像形成条件(用紙、部数、倍率、両面/片面、集約等)、後処理条件(ソート、ステープル、パンチ等)等、複合機10aにおいて設定される様々な情報が含まれる。
【0045】
操作部15は、ユーザーによる操作を受け付ける機能部であり、図3に示すように、表示部16のディスプレイ上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネル15aと、ハードキー15bと、から構成される。操作部15は、ユーザーの指先やタッチペン等により当接されたタッチパネル15a上の位置を検出して、位置信号をCPU11に出力する。また、操作部15は、押下されたハードキー15bの押下信号をCPU11に出力する。例えば、操作部15は、第2の認証情報(ユーザー名、パスワード)を入力する際に用いられる。
【0046】
ハードキー15bには、モード切替キー31、リセットキー32、テンキー33、スタートキー34、ストップキー35、ユーティリティーキー36が含まれる。
モード切替キー31は、FAX、スキャン、フォルダー、コピー等のモードを切り替えるためのキーである。フォルダーモードとは、記憶部14の所定のフォルダー内に保存されている画像データを選択して画像形成を行うモードをいう。
リセットキー32は、設定を初期設定値に戻すためのキーである。
テンキー33は、数値や文字を入力するためのキーである。
スタートキー34は、コピーや印刷、送信等の動作をスタートさせるためのキーである。
ストップキー35は、動作状態を停止させるためのキーである。
ユーティリティーキー36は、複合機10a本体のシステム設定や調整を行うためのキーである。
【0047】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等により構成され、CPU11から入力される表示信号に従って、各種操作画面や処理結果等を表示する。
【0048】
画像読取部17は、原稿を光走査し、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサにより光電変換して原稿画像を読み取り、赤(R)、緑(G)、青(B)の画像データを生成するIR(Image Reader)、原稿を自動搬送するADF(Auto Document Feeder)を備える。
【0049】
画像形成部18は、画像読取部17により生成された画像データ、ネットワークI/F部20により受信された画像データ、公衆回線I/F部22により受信されたFAX用画像データ等に基づいて、用紙上に画像形成を行う。例えば、画像形成部18は、電子写真方式の画像形成を行うものであり、感光体ドラム、感光体ドラムの帯電を行う帯電部、画像データに基づいて感光体ドラム表面を露光走査する露光部、感光体ドラムにトナーを付着させる現像部、感光体ドラム上に形成されたトナー像を印刷用紙に転写する転写部、印刷用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部等から構成される。
【0050】
後処理部19は、画像形成後の用紙に対して、ソート処理、ステープル処理、パンチ処理等の後処理を行う。
【0051】
ネットワークI/F部20は、NIC(Network Interface Card)等により構成され、ネットワークNを介して外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0052】
USB I/F部21は、USBインターフェースを備えた外部機器と接続するためのインターフェースである。
【0053】
公衆回線I/F部22は、公衆回線に接続し、FAXの送受信を行う。公衆回線I/F部22は、受信したアナログ信号を複合機10a側で処理可能なデジタル信号に変換するためのモデム、自動音声応答機能を有するTEL応答モジュールを備える。
【0054】
CPU11は、操作部15から入力された第2の認証情報(ユーザー名とパスワードの組み合わせ)が記憶部14に記憶されている第1の認証情報(ユーザー名とパスワードの組み合わせ)と一致した場合に、複合機10aに対するログインを許可する。
【0055】
CPU11は、一のユーザーが複合機10aにログインした場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。具体的には、CPU11は、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうち他の全ての複合機に対して一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行い、この問い合わせの結果に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。
【0056】
CPU11は、一のユーザーが既にログインしている他の複合機がある場合には、ネットワークI/F部20を介して、当該他の複合機から当該他の複合機の記憶部14に記憶されている設定情報を取得し、当該他の複合機における設定情報を複合機10aに設定する。ここで、CPU11は、他の複合機における設定情報が当該他の複合機のデフォルト設定と異なる場合に、他の複合機における設定情報を複合機10aに設定する。
【0057】
CPU11は、他の複合機における設定情報のうち複合機10aに設定することができない設定内容がある場合には、その旨を通知するとともに、当該設定することができない設定内容を複合機10aに設定可能な設定内容に変更して設定する。
例えば、他の複合機における設定情報において、ステープルが設定されている場合に、複合機10aの後処理部19がステープル機能を有していないとき、又は、ステープル機能を有しているがステープル針がなくなったときには、「ステープルなし」に変更される。
また、他の複合機における設定情報において、二箇所綴じステープルが設定されている
場合に、複合機10aの後処理部19が二箇所綴じステープルは実行できないが、コーナーステープルであれば実行可能であるときには、「コーナーステープル」に変更される。
また、他の複合機と複合機10aとの間で、画像読取部17における読取解像度、又は、画像形成部18における書込解像度が異なる場合には、複合機10aにおける読取解像度又は書込解像度に変更される。
【0058】
CPU11は、他の複合機における設定情報を複合機10aに設定した後、ネットワークI/F部20を介して、他の複合機に対し、一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0059】
複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nについても、複合機10aと同様の構成であるため、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0060】
次に、画像形成システム100における動作について説明する。
ここでは、ユーザーAが複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
【0061】
図4は、複合機10aにおいて実行される処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0062】
まず、CPU11により、図5に示す認証情報入力画面161が表示部16に表示される。認証情報入力画面161には、ユーザー名入力領域C1、パスワード入力領域C2、ログインボタンC3が含まれる。
認証情報入力画面161において、ユーザーの操作部15からの操作により、ユーザー名入力領域C1、パスワード入力領域C2に、ユーザーAのユーザー名及びパスワード(第2の認証情報)が入力され(ステップS1)、ログインボタンC3が押下されると、CPU11により、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS2)。具体的には、CPU11により、操作部15から入力された第2の認証情報と、記憶部14に記憶されている第1の認証情報と、の間で一致するものがあるか否かが判断される。
【0063】
複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されている場合(ステップS2;YES)、すなわち、操作部15から入力された第2の認証情報が記憶部14に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、CPU11により、ユーザーAの複合機10aに対するログインが行われる(ステップS3)。
【0064】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ネットワークN下の他の全ての複合機10b,・・・,10nに、ユーザーAのログイン状態(ユーザーAがログインしているか否か)の問い合わせが行われる(ステップS4)。そして、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、他の複合機10b,・・・,10nから、各複合機10b,・・・,10nにおいてユーザーAがログインしているか否かを示す情報が受信される。
【0065】
次に、CPU11により、ステップS4の問い合わせの結果に基づいて、ユーザーAが既にログインしている他の複合機10b,・・・,10nがあるか否かが判断される(ステップS5)。ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがある場合には(ステップS5;YES)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ユーザーAがログインしている複合機(以下、対象複合機という。)から、対象複合機の記憶部14に記憶されている設定情報が取得される(ステップS6)。具体的には、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、対象複合機に対し、対象複合
機における設定情報の取得要求が送信され、対象複合機から送信された設定情報が受信される。取得された対象複合機における設定情報は、CPU11により、RAM13に格納される。
【0066】
次に、CPU11により、設定情報反映処理が行われる(ステップS7)。
設定情報反映処理では、図6に示すように、CPU11により、対象複合機における設定情報に基づいて、対象複合機における設定情報が対象複合機のデフォルト設定と異なるか否かが判断される(ステップS11)。具体的には、CPU11により、デフォルト値からの変更がある設定項目が一つ以上ある場合には、デフォルト設定と異なると判断される。一方、全ての設定項目についてデフォルト値からの変更がない場合には、デフォルト設定であると判断される。
【0067】
対象複合機における設定情報がデフォルト設定と異なる場合には(ステップS11;YES)、CPU11により、対象複合機における設定情報の全てを複合機10aに設定することができるか否かが判断される(ステップS12)。対象複合機における設定情報の全てを複合機10aに設定することができる場合には(ステップS12;YES)、CPU11により、図7に示す設定反映確認画面162が表示部16に表示される(ステップS13)。
設定反映確認画面162には、設定情報表示領域C4、「する」ボタンC5、「しない」ボタンC6が含まれる。設定情報表示領域C4は、対象複合機における設定情報が表示される領域である。対象複合機では、用紙「A4」、部数「5部」、倍率「70.7%」、「片面→両面」、「2in1」、「ソート」、「コーナーステープル」が設定されている。
【0068】
ユーザーの操作部15からの操作により、設定反映確認画面162で「する」ボタンC5が選択された場合には(ステップS14;YES)、CPU11により、対象複合機における設定情報の全てが複合機10aに設定される(ステップS15)。具体的には、CPU11により、対象複合機における設定情報が、複合機10aの設定情報として記憶部14に記憶される。
【0069】
ステップS12において、対象複合機における設定情報のうち、複合機10aに設定することができない設定内容がある場合には(ステップS12;NO)、CPU11により、図8に示す反映不可設定変更情報を含む設定反映確認画面163が表示部16に表示される(ステップS16)。反映不可設定変更情報は、複合機10aに設定不可の設定内容を、複合機10aに設定可能な設定内容にするために、どのように変更するかを示す情報である。
反映不可設定変更情報を含む設定反映確認画面163には、設定情報表示領域C7、「する」ボタンC8、「しない」ボタンC9が含まれる。設定情報表示領域C7において、対象複合機における設定情報のうち、複合機10aに設定可能な設定内容については、そのまま表示され、複合機10aに設定不可の設定内容については、設定不可であることとともに、設定可能な設定内容に変更された代替案が表示される。ここでは、複合機10aに設定可能な設定内容として、用紙「A4」、部数「5部」、倍率「70.7%」、「片面→両面」、「2in1」、「ソート」が表示され、複合機10aに設定不可の設定内容「コーナーステープル」については、ステープル「なし」に変更される旨が表示される。
【0070】
ユーザーの操作部15からの操作により、反映不可設定変更情報を含む設定反映確認画面163で「する」ボタンC8が選択された場合には(ステップS17;YES)、CPU11により、対象複合機における設定情報のうち複合機10aに設定可能な設定内容については設定され、設定不可の設定内容については設定可能な設定内容に変更されて設定される(ステップS18)。
【0071】
ステップS11において、対象複合機における設定情報がデフォルト設定である場合(ステップS11;NO)、ステップS14において、設定反映確認画面162で「しない」ボタンC6が選択された場合(ステップS14;NO)、ステップS17において、設定反映確認画面163で「しない」ボタンC9が選択された場合(ステップS17;NO)、ステップS15の後、又は、ステップS18の後、設定情報反映処理が終了する。
【0072】
次に、図4に戻り、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ユーザーAがログインしている対象複合機に対して、ユーザーAのログアウトを行う指示が送信される(ステップS8)。
【0073】
ステップS5において、ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがない場合(ステップS5;NO)、又は、ステップS8の後、CPU11により、設定トップ画面が表示部16に表示される(ステップS9)。
【0074】
図7の設定反映確認画面162において、「する」ボタンC5が選択された場合には(ステップS14;YES)、図9に示す設定トップ画面164が表示される。設定トップ画面164には、設定反映確認画面162の設定情報表示領域C4に表示されていた設定内容が全て反映されている。
【0075】
図7の設定反映確認画面162において、「しない」ボタンC6が選択された場合には(ステップS14;NO)、図10に示す設定トップ画面165が表示される。設定トップ画面165は、複合機10aにおけるデフォルト設定状態を示している。
【0076】
図8の反映不可設定変更情報を含む設定反映確認画面163において、「する」ボタンC8が選択された場合には(ステップS17;YES)、図11に示す設定トップ画面166が表示される。設定トップ画面166には、反映不可設定変更情報を含む設定反映確認画面163の設定情報表示領域C7に表示されていた複合機10aに設定可能な設定内容と、複合機10aに設定不可の設定内容を設定可能な設定内容に変更した設定内容と、が反映されている。
【0077】
図8の反映不可設定変更情報を含む設定反映確認画面163において、「しない」ボタンC9が選択された場合には(ステップS17;NO)、図10と同様の設定トップ画面165が表示される。
【0078】
ステップS2において、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS2;NO)、又は、ステップS9の後、複合機10aにおける処理が終了する。
【0079】
図12は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、複合機10bにおいて実行される処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0080】
複合機10bにおいて、ユーザーAがログイン状態である場合には(ステップS21;YES)、CPU11により、操作部15からの操作により、設定変更操作があるか否かが判断される(ステップS22)。設定変更操作があった場合には(ステップS22;YES)、CPU11により、設定変更操作に基づいて、記憶部14に記憶されている複合機10bにおける設定情報が更新される(ステップS23)。
【0081】
ステップS22において、設定変更操作がない場合(ステップS22;NO)、又は、
ステップS23の後、CPU11により、複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがあるか否かが判断される(ステップS24)。複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがあった場合には(ステップS24;YES)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aに対して、ユーザーAがログイン状態である旨が通知され(ステップS25)、複合機10bにおける設定情報が送信される(ステップS26)。
【0082】
ステップS24において、複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがない場合(ステップS24;NO)、又は、ステップS26の後、CPU11により、印刷ジョブが開始されるか否かが判断される(ステップS27)。印刷ジョブが開始された場合には(ステップS27;YES)、CPU11により、画像形成部18が制御され、印刷ジョブが実行される(ステップS28)。
【0083】
ステップS27において、印刷ジョブが開始されない場合(ステップS27;NO)、又は、ステップS28の後、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aから、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信されたか否かが判断される(ステップS29)。
【0084】
ユーザーAのログアウトを行う指示が受信されない場合には(ステップS29;NO)、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS30)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS30;NO)、ステップS22に戻り、ステップS22〜ステップS30の処理が繰り返される。
【0085】
ステップS29において、複合機10aから、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信された場合(ステップS29;YES)、又は、ステップS30において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS30;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS31)。
【0086】
ステップS21において、複合機10bにて、ユーザーAがログイン状態でない場合には(ステップS21;NO)、CPU11により、複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがあるか否かが判断される(ステップS32)。複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがあった場合には(ステップS32;YES)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aに対して、ユーザーAがログイン状態でない旨が通知される(ステップS33)。
【0087】
ステップS32において、複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがない場合(ステップS32;NO)、ステップS33の後、又は、ステップS31の後、複合機10bにおいて実行される処理が終了する。
なお、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち複合機10bを例に説明したが、他の複合機についても同様である。
【0088】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、一のユーザーが複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうち一の複合機にログインした場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機から他の複合機における設定情報を取得し、他の複合機における設定情報を一の複合機に設定するので、複合機の設定における操作性を向上させることができる。他の複合機における設定情報を容易に引き継ぐことができ、一の複合機で設定し直さなければならない煩わしさを解消できる。
【0089】
また、一の複合機から他の全ての複合機に対して問い合わせを行うことにより、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断することができる。
【0090】
また、一の複合機に設定することができない設定内容を一の複合機に設定可能な設定内容に変更して設定するので、一の複合機において可能な限り他の複合機における設定情報を引き継ぐことができる。
【0091】
また、他の複合機において設定変更がある場合に、他の複合機における設定情報を引き継ぐことができる。
【0092】
また、一の複合機から他の複合機に対してログアウトを行う指示を送信するので、他の複合機がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0093】
[変形例1]
次に、第1の実施の形態の変形例1について説明する。
第1の実施の形態では、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報がデフォルト設定と異なる場合に、当該他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定することとしたが、変形例1では、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報が所定数(例えば「3」)以上の設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、当該他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定する。その他の構成及び処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0094】
他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定するか否かの基準となる所定数については、任意に変更可能とする。
【0095】
変形例1においても、ユーザーAが複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
変形例1では、複合機10aにおいて、図6に示す設定情報反映処理に代えて、図13に示す設定情報反映処理Aが行われる。
【0096】
CPU11により、対象複合機における設定情報に基づいて、対象複合機において所定数以上の設定項目について対象複合機のデフォルト値から変更されているか否か、すなわち、対象複合機における設定情報が所定数以上の設定項目についてデフォルト値と異なるか否かが判断される(ステップS41)。
【0097】
対象複合機において所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更されている場合には(ステップS41;YES)、ステップS42に移行する。
一方、対象複合機においてデフォルト値から変更されている設定項目が所定数未満である場合には(ステップS41;NO)、対象複合機における設定情報は複合機10aに設定されずに、設定情報反映処理Aが終了する。
図13のステップS42〜ステップS48の処理は、図6のステップS12〜ステップS18の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0098】
以上説明したように、変形例1によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、同一ユーザーが先にログインしている他の複合機において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合に、他の複合機における設定情報を引き継ぐことができる。
一方、他の複合機においてデフォルト値から変更されている設定項目が予め定められた数未満である場合には、設定情報を引き継ぐまでもないと考えられるため、不要な処理を省くことができる。
【0099】
[変形例2]
次に、第1の実施の形態の変形例2について説明する。
第1の実施の形態では、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報がデフォルト設定と異なる場合に、当該他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定することとしたが、変形例2では、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報が所定の設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、当該他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定する。その他の構成及び処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0100】
他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定するか否かの基準となる所定の設定項目については、任意に変更可能とする。
【0101】
例えば、一のユーザーが既にログインしている他の複合機において、画質調整に関する設定項目について、デフォルト設定状態から変更がある場合には、ユーザーが望む画質になるように微調整した状態を無駄にしないように、新たにログインした複合機に他の複合機における設定情報を設定する。画質調整に関する設定項目として、濃度、明度、コントラスト、彩度等が挙げられる。
【0102】
また、一のユーザーが既にログインしている他の複合機において、複数の設定項目の組み合わせで成り立つ機能の設定が完了している場合には、複数の設定項目について設定した状態を無駄にしないように、新たにログインした複合機に他の複合機における設定情報を設定する。複数の設定項目の組み合わせで成り立つ機能として、拡大連写が挙げられる。
拡大連写とは、原稿の画像をA0サイズやB0サイズ等、複合機にセットできる用紙サイズを超えるサイズに拡大コピーする機能をいう。原稿サイズとできあがりサイズ(拡大コピー後のサイズ)を指定してコピーすると、原稿の画像を分割したものが、それぞれ別々の用紙に拡大コピーされる。この分割画像のコピーをつなぎ合わせると、できあがりサイズの拡大コピーが完成する。例えば、A3サイズの用紙8枚に分割コピーし、この8枚をつなぎ合わせて、A0サイズのポスターを作ることができる。拡大連写に関する設定項目として、原稿サイズ、使用用紙(サイズ・紙種)、できあがりサイズが挙げられる。
【0103】
変形例2においても、ユーザーAが複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
変形例2では、複合機10aにおいて、図6に示す設定情報反映処理に代えて、図14に示す設定情報反映処理Bが行われる。
【0104】
CPU11により、対象複合機における設定情報に基づいて、対象複合機において所定の設定項目について対象複合機のデフォルト値から変更されているか否か、すなわち、対象複合機における設定情報が所定の設定項目についてデフォルト値と異なるか否かが判断される(ステップS51)。例えば、画質調整に関する設定項目、拡大連写等の複数の設定項目の組み合わせで成り立つ設定項目について、デフォルト値から変更があるか否かが判断される。
【0105】
対象複合機において所定の設定項目についてデフォルト値から変更されている場合には(ステップS51;YES)、ステップS52に移行する。
一方、対象複合機において所定の設定項目についてデフォルト値から変更されていない場合には(ステップS51;NO)、対象複合機における設定情報は複合機10aに設定されずに、設定情報反映処理Bが終了する。
図14のステップS52〜ステップS58の処理は、図6のステップS12〜ステップ
S18の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
以上説明したように、変形例2によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、同一ユーザーが先にログインしている他の複合機において予め定められた設定項目について設定変更がある場合に、他の複合機における設定情報を引き継ぐことができる。画像形成において重要な設定項目や、設定に手間がかかる設定項目については、特に、複合機の設定における操作性を向上させることができる。
【0107】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
図15に、第2の実施の形態の画像形成システム200のシステム構成を示す。図15に示すように、画像形成システム200は、画像形成装置としての複合機10a,10b,・・・,10nと、サーバー40と、がネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0108】
複合機10a,10b,・・・,10nについては、第1の認証情報をサーバー40が管理する点が異なるが、他の構成については第1の実施の形態と同様であるため、図2を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0109】
第2の制御部としての複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、操作部15から入力された第2の認証情報をサーバー40に送信する。
複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から受信された認証結果に基づいて、複合機10aに対するログインを許可するか否かを判断する。
【0110】
複合機10aのCPU11は、複合機10aにおいてユーザーがログイン又はログアウトした場合に、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aにおいてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報をサーバー40に送信する。
複合機10aのCPU11は、操作部15において設定変更操作があった場合に、記憶部14に記憶されている設定情報を更新するとともに、ネットワークI/F部20を介して、更新された設定情報をサーバー40に送信する。
【0111】
複合機10aのCPU11は、一のユーザーが複合機10aにログインした場合に、ネットワークI/F部20を介して、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報をサーバー40から取得し、当該他の複合機における設定情報を複合機10aに設定する。ここで、CPU11は、他の複合機における設定情報が他の複合機のデフォルト設定と異なる場合に、他の複合機における設定情報を複合機10aに設定する。
【0112】
複合機10aのCPU11は、他の複合機における設定情報のうち複合機10aに設定することができない設定内容がある場合には、その旨を通知するとともに、当該設定することができない設定内容を複合機10aに設定可能な設定内容に変更して設定する。
【0113】
複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nについても、複合機10aと同様の構成であるため、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0114】
サーバー40は、一般のPC(Personal Computer)により構成される。
図16に、サーバー40の機能的構成を示す。図16に示すように、サーバー40は、第1の制御部としてのCPU41、ROM42、RAM43、記憶部44、操作部45、表示部46、ネットワークI/F部47等を備えて構成され、各部はバス48により接続
されている。
【0115】
CPU41は、サーバー40の各部の処理動作を統括的に制御する。CPU41は、ROM42又は記憶部44に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM43に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0116】
ROM42は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0117】
RAM43は、CPU41により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0118】
記憶部44は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理プログラムや各種処理に関するデータ等を記憶する。
記憶部44には、予め複数の複合機10a,10b,・・・,10nのそれぞれにログインを許可されたユーザー(登録ユーザー)に対応する第1の認証情報(ユーザー名、パスワード)が記憶されている。
また、記憶部44には、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報が記憶されている。ログイン状態情報には、複合機毎に、ログインしているユーザーの有無を示す情報、ログインしているユーザーがいる場合にはそのユーザー名が含まれる。
また、記憶部44には、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのそれぞれにおける設定情報が記憶されている。設定情報には、設定項目毎に、設定値と、デフォルト値からの変更の有無を示す情報と、が含まれる。
【0119】
操作部45は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザーによる操作入力を受け付ける。操作部45は、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU41に出力する。
【0120】
表示部46は、LCDを備え、CPU41から入力される表示信号に従って、各種操作画面や各種処理結果を表示する。
【0121】
ネットワークI/F部47は、ネットワークNを介して外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0122】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を、第2の認証情報の送信元の複合機に送信する。
【0123】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された当該複合機においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、記憶部44に記憶されている当該複合機におけるログイン状態情報を更新する。
【0124】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して、所定のタイミングで複数の複合機10a,10b,・・・,10nのそれぞれにおける設定情報を取得する。ここでは、CPU41は、各複合機10a,10b,・・・,10nにおいて設定変更があった場合に、各複合機10a,10b,・・・,10nから送信された設定情報を取得する。
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された当該複合機における設定情報に基づいて、記憶部44に記憶されている当該複合機における設定情報を更新する。
【0125】
CPU41は、一のユーザーが複合機10a,10b,・・・,10nのいずれかにログインした場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。具体的には、CPU41は、記憶部44に記憶されている複合機毎のログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。
【0126】
CPU41は、一のユーザーが既にログインしている他の複合機がある場合には、ネットワークI/F部47を介して、記憶部44に記憶されている当該他の複合機における設定情報を一のユーザーが新たにログインした複合機に送信する。
【0127】
CPU41は、他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に送信した後、ネットワークI/F部47を介して当該他の複合機に対し、一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0128】
次に、画像形成システム200における動作について説明する。
ここでは、ユーザーAが複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
【0129】
図17は、複合機10aにおいて実行される処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0130】
まず、ユーザーの操作部15からの操作により、ユーザーAのユーザー名及びパスワード(第2の認証情報)が入力されると(ステップS61)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、操作部15から入力されたユーザーAのログイン入力情報(第2の認証情報)がサーバー40に送信される(ステップS62)。
【0131】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ユーザーAの認証結果がサーバー40から受信されると(ステップS63)、CPU11により、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS64)。具体的には、CPU11により、サーバー40から受信された認証結果に基づいて、ユーザーAに、複合機10aに対するログインを許可するか否かが判断される。
【0132】
複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されている場合には(ステップS64;YES)、CPU11により、ユーザーAの複合機10aに対するログインが行われ(ステップS65)、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aにユーザーAがログインした旨の情報がサーバー40に通知される(ステップS66)。
【0133】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40に、他の複合機10b,・・・,10nにおけるユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われる(ステップS67)。そして、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から、各複合機10b,・・・,10nにおけるログイン状態情報が受信される。なお、サーバー40から、ユーザーAが既にログインしている複合機を示す情報が受信されることとしてもよい。
【0134】
ここで、ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがある場合には(ステップS68;YES)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介し
て、ユーザーAが既にログインしている対象複合機における設定情報がサーバー40から取得される(ステップS69)。具体的には、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40に対し、対象複合機における設定情報の取得要求が送信され、サーバー40から送信された対象複合機における設定情報が受信される。取得された対象複合機における設定情報は、CPU11により、RAM13に格納される。
【0135】
次に、CPU11により、設定情報反映処理が行われる(ステップS70)。
設定情報反映処理は、第1の実施の形態において、図6に示した設定情報反映処理と同様であるため、説明を省略する。
【0136】
ステップS68において、ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがない場合(ステップS68;NO)、又は、ステップS70の後、CPU11により、設定トップ画面が表示部16に表示される(ステップS71)。
【0137】
ステップS64において、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS64;NO)、又は、ステップS71の後、複合機10aにおいて実行される処理が終了する。
【0138】
図18は、サーバー40において実行されるログイン状態管理処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU41と、記憶部44に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0139】
ネットワークI/F部47により、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から、当該複合機において、あるユーザーがログインした旨の情報が受信されると(ステップS81;YES)、CPU41により、記憶部44に記憶されている当該複合機のログイン状態情報が更新される(ステップS82)。具体的には、CPU41により、当該複合機のログイン状態情報に含まれる「ログインしているユーザーの有無を示す情報」が「ログインユーザーあり」に変更され、当該複合機にログインしているユーザーのユーザー名が追加される。
【0140】
ステップS81において、あるユーザーがログインした旨の情報が受信されない場合(ステップS81;NO)、又は、ステップS82の後、ネットワークI/F部47により、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から、当該複合機における設定情報が受信されると(ステップS83;YES)、CPU41により、記憶部44に記憶されている当該複合機の設定情報が更新される(ステップS84)。
【0141】
ステップS83において、設定情報が受信されない場合(ステップS83;NO)、又は、ステップS84の後、ネットワークI/F部47により、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から、当該複合機において、あるユーザーがログアウトした旨の情報が受信されると(ステップS85;YES)、CPU41により、記憶部44に記憶されている当該複合機のログイン状態情報が更新される(ステップS86)。具体的には、CPU41により、当該複合機のログイン状態情報に含まれる「ログインしているユーザーの有無を示す情報」が「ログインユーザーなし」に変更され、当該複合機にログインしていたユーザーのユーザー名が削除される。
【0142】
ステップS85において、あるユーザーがログアウトした旨の情報が受信されない場合(ステップS85;NO)、又は、ステップS86の後、ステップS81に戻り、処理が繰り返される。
【0143】
図19は、サーバー40において実行される設定情報送信処理を示すフローチャートで
ある。この処理は、複合機10aにおいてユーザーAがログインする際に実行される処理であって、CPU41と、記憶部44に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0144】
まず、ネットワークI/F部47により、ユーザーAのログイン入力情報(第2の認証情報)が複合機10aから受信されると(ステップS91;YES)、CPU41により、ユーザーAの認証判断が行われる(ステップS92)。具体的には、CPU41により、複合機10aから受信された第2の認証情報と、記憶部44に記憶されている第1の認証情報と、の間で一致するものがあるか否かが判断される。
【0145】
次に、CPU41により、ネットワークI/F部47を介して、ユーザーAの認証結果が、ログイン入力情報の送信元の複合機10aに通知される(ステップS93)。
【0146】
次に、CPU41により、ユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS94)。ユーザーAのログインが許可されている場合(ステップS94;YES)、すなわち、複合機10aから受信された第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合には、ネットワークI/F部47により、複合機10aから、複合機10aにおいてユーザーAがログインした旨の情報が受信され、CPU41により、記憶部44に記憶されている当該複合機のログイン状態情報が更新される(図18のステップS81,S82参照)。
【0147】
次に、CPU41により、複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがあるか否かが判断される(ステップS95)。複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがあった場合には(ステップS95;YES)、CPU41により、ネットワークI/F部47を介して、複合機10aに、他の複合機10b,・・・,10nのログイン状態情報が通知される(ステップS96)。なお、サーバー40から、ユーザーAが既にログインしている複合機を示す情報が通知されることとしてもよい。
【0148】
次に、CPU41により、ユーザーAが既にログインしている他の複合機10b,・・・,10nがあるか否かが判断される(ステップS97)。具体的には、CPU41により、記憶部44に記憶されているログイン状態情報が参照され、複合機10a以外の複合機にユーザーAがログインしているか否かが判断される。
【0149】
ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがある場合には(ステップS97;YES)、CPU41により、ネットワークI/F部47を介して、複合機10aに、ユーザーAがログインしている対象複合機における設定情報が送信される(ステップS98)。
【0150】
次に、CPU41により、ネットワークI/F部47を介して、ユーザーAがログインしている対象複合機に対して、ユーザーAのログアウトを行う指示が送信される(ステップS99)。
【0151】
ステップS91において、ユーザーAのログイン入力情報が複合機10aから受信されない場合(ステップS91;NO)、ステップS94において、ユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS94;NO)、ステップS95において、複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせがない場合(ステップS95;NO)、ステップS97において、ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがない場合(ステップS97;NO)、又は、ステップS99の後、設定情報送信処理が終了する。
【0152】
図20は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、ユーザーAが複合機10aにログインする前に既にユーザーAがログインしていた複合機(ここでは、複合機10bを例にして説明する。)において実行される処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0153】
複合機10bにおいて、ユーザーAがログイン状態である場合には(ステップS101;YES)、CPU11により、操作部15からの操作により、設定変更操作があるか否かが判断される(ステップS102)。設定変更操作があった場合には(ステップS102;YES)、CPU11により、設定変更操作に基づいて、記憶部14に記憶されている複合機10bにおける設定情報が更新され(ステップS103)、ネットワークI/F部20を介して、複合機10bにおける設定情報がサーバー40に送信される(ステップS104)。
【0154】
ステップS102において、設定変更操作がない場合(ステップS102;NO)、又は、ステップS104の後、CPU11により、印刷ジョブが開始されるか否かが判断される(ステップS105)。印刷ジョブが開始された場合には(ステップS105;YES)、CPU11により、画像形成部18が制御され、印刷ジョブが実行される(ステップS106)。
【0155】
ステップS105において、印刷ジョブが開始されない場合(ステップS105;NO)、又は、ステップS106の後、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信されたか否かが判断される(ステップS107)。
【0156】
ユーザーAのログアウトを行う指示が受信されない場合には(ステップS107;NO)、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS108)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS108;NO)、ステップS102に戻り、ステップS102〜ステップS108の処理が繰り返される。
【0157】
ステップS107において、サーバー40から、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信された場合(ステップS107;YES)、又は、ステップS108において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS108;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS109)。そして、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10bからユーザーAがログアウトした旨の情報がサーバー40に通知される(ステップS110)。
【0158】
ステップS101において、複合機10bにて、ユーザーAがログイン状態でない場合(ステップS101;NO)、又は、ステップS110の後、複合機10bにおいて実行される処理が終了する。
なお、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち複合機10bを例に説明したが、他の複合機についても同様である。
【0159】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、一のユーザーが複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうち一の複合機にログインした場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報をサーバー40から取得し、他の複合機における設定情報を一の複合機に設定するので、複合機の設定における操作性を向上させることができる。他の複合機における設定情報を容易に引き継ぐことができ、一の複合機で
設定し直さなければならない煩わしさを解消できる。
【0160】
また、サーバー40は、記憶部44に記憶されているログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断することができる。
【0161】
また、一の複合機に設定することができない設定内容を一の複合機に設定可能な設定内容に変更して設定するので、一の複合機において可能な限り他の複合機における設定情報を引き継ぐことができる。
【0162】
また、他の複合機において設定変更がある場合に、他の複合機における設定情報を引き継ぐことができる。
【0163】
また、サーバー40から他の複合機に対してログアウトを行う指示を送信するので、他の複合機がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0164】
[変形例1]
次に、第2の実施の形態の変形例1について説明する。
第2の実施の形態では、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報がデフォルト設定と異なる場合に、当該他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定することとしたが、変形例1では、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報が所定数以上の設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、当該他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定する。その他の構成及び処理については、第2の実施の形態と同様である。
【0165】
他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定するか否かの基準となる所定数については、任意に変更可能とする。
【0166】
変形例1においても、ユーザーAが複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
変形例1では、複合機10aにおいて、図17に示す処理に含まれる設定情報反映処理(ステップS70)に代えて、図13に示す設定情報反映処理Aが行われる。
【0167】
以上説明したように、変形例1によれば、第2の実施の形態と同様の効果に加え、同一ユーザーが先にログインしている他の複合機において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合に、他の複合機における設定情報を引き継ぐことができる。
【0168】
[変形例2]
次に、第2の実施の形態の変形例2について説明する。
第2の実施の形態では、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報がデフォルト設定と異なる場合に、当該他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定することとしたが、変形例2では、一のユーザーが既にログインしている他の複合機における設定情報が所定の設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、当該他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定する。その他の構成及び処理については、第2の実施の形態と同様である。
【0169】
他の複合機における設定情報を新たにログインした複合機に設定するか否かの基準となる所定の設定項目については、任意に変更可能とする。
【0170】
変形例2においても、ユーザーAが複合機10aにログインする場合を例にして説明す
る。
変形例2では、複合機10aにおいて、図17に示す処理に含まれる設定情報反映処理(ステップS70)に代えて、図14に示す設定情報反映処理Bが行われる。
【0171】
以上説明したように、変形例2によれば、第2の実施の形態と同様の効果に加え、同一ユーザーが先にログインしている他の複合機において予め定められた設定項目について設定変更がある場合に、他の複合機における設定情報を引き継ぐことができる。
【0172】
なお、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び2では、各複合機10a,10b,・・・,10nにおいてログイン又はログアウトが行われた場合や設定変更が行われた場合に、各複合機からその都度サーバー40に通知することとしたが、サーバー40から問い合わせがあった場合に、各複合機からサーバー40にログイン状態及び設定情報を通知することとしてもよい。例えば、サーバー40において、CPU41が、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から、あるユーザーがログインした旨の情報を受信した場合に、ネットワークI/F部47を介して、その他の複数の複合機のそれぞれに対して当該ユーザーがログインしているか否かを問い合わせ、当該ユーザーがログインしている複合機から設定情報を取得することとしてもよい。
【0173】
また、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0174】
例えば、画像形成システム内の複合機毎に、ログインを許可されているユーザーの組み合わせが異なることとしてもよい。
【0175】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体メモリやハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0176】
10a,10b,・・・,10n 複合機
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 操作部
16 表示部
17 画像読取部
18 画像形成部
19 後処理部
20 ネットワークI/F部
21 USB I/F部
22 公衆回線I/F部
40 サーバー
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 記憶部
45 操作部
46 表示部
47 ネットワークI/F部
100 画像形成システム
200 画像形成システム
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
当該画像形成装置にログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する第1の記憶部と、
当該画像形成装置における設定情報を記憶する第2の記憶部と、
第2の認証情報を入力するための操作部と、
前記操作部から入力された第2の認証情報が前記第1の記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、当該画像形成装置に対するログインを許可する制御部と、
を備え、
一のユーザーが前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置にログインした場合に、
当該一の画像形成装置の制御部は、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置から当該他の画像形成装置の第2の記憶部に記憶されている設定情報を取得し、当該他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する画像形成システム。
【請求項2】
前記一の画像形成装置の制御部は、
前記複数の画像形成装置のうち他の全ての画像形成装置に対して前記一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行った結果に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する、
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記一の画像形成装置の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報のうち前記一の画像形成装置に設定することができない設定内容がある場合には、その旨を通知するとともに、当該設定することができない設定内容を前記一の画像形成装置に設定可能な設定内容に変更して設定する、
請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記一の画像形成装置の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報がデフォルト設定と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記一の画像形成装置の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報が予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記一の画像形成装置の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報が予め定められた設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記一の画像形成装置の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定した後、前記他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
複数の画像形成装置と、サーバーと、がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、
前記サーバーは、
前記複数の画像形成装置のそれぞれにログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、
前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を前記第2の認証情報の送信元の画像形成装置に送信し、
所定のタイミングで前記複数の画像形成装置のそれぞれにおける設定情報を取得する第1の制御部と、
を備え、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
前記第2の認証情報を入力するための操作部と、
前記操作部から入力された第2の認証情報を前記サーバーに送信し、
前記サーバーから受信された認証結果に基づいて、当該画像形成装置に対するログインを許可するか否かを判断する第2の制御部と、
を備え、
一のユーザーが前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置にログインした場合に、
前記第1の制御部は、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、前記取得した当該他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に送信し、
前記一の画像形成装置の第2の制御部は、
前記サーバーから前記他の画像形成装置における設定情報を取得し、当該他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する画像形成システム。
【請求項9】
前記サーバーは、
前記複数の画像形成装置のそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報を記憶する第2の記憶部を備え、
前記複数の画像形成装置のそれぞれの第2の制御部は、
当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報を前記サーバーに送信し、
前記第1の制御部は、
前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報を更新し、
前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する、
請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記一の画像形成装置の第2の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報のうち前記一の画像形成装置に設定することができない設定内容がある場合には、その旨を通知するとともに、当該設定することができない設定内容を前記一の画像形成装置に設定可能な設定内容に変更して設定する、
請求項8又は9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記一の画像形成装置の第2の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報がデフォルト設定と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する、
請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記一の画像形成装置の第2の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報が予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する、
請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記一の画像形成装置の第2の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報が予め定められた設定項目についてデフォルト値と異なる場合に、前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に設定する、
請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記第1の制御部は、
前記他の画像形成装置における設定情報を前記一の画像形成装置に送信した後、前記他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する、
請求項8から13のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項15】
複数の画像形成装置とネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成装置であって、
当該画像形成装置にログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する第1の記憶部と、
当該画像形成装置における設定情報を記憶する第2の記憶部と、
第2の認証情報を入力するための操作部と、
前記操作部から入力された第2の認証情報が前記第1の記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、当該画像形成装置に対するログインを許可する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
一のユーザーが当該画像形成装置にログインした場合に、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置から当該他の画像形成装置における設定情報を取得し、当該他の画像形成装置における設定情報を当該画像形成装置に設定する画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−252235(P2012−252235A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125903(P2011−125903)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】