画像形成システム
【課題】
本発明の課題は、機密文書や重要書類を印刷する際に、利用者がパスワードの入力を行なわなくても、印刷結果を他人に見られることなく、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる画像形成システムを提供することにある。
【解決手段】
本発明は、出力を行う画像のジョブデータに対応するジョブ識別情報を生成させる。そして、ジョブ識別情報を利用者が所有する携帯端末に送信するとともに、ジョブデータ及びジョブ識別情報を画像形成装置に送信する。ジョブデータが送信された画像形成装置は、携帯端末において選択されたジョブ識別情報に対応するジョブデータの画像形成を行う。利用者が所有する携帯端末を使って選択しない限り、ジョブデータに対応する画像形成が行われないため、他人にその画像が見られるおそれが無くなり、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる。
本発明の課題は、機密文書や重要書類を印刷する際に、利用者がパスワードの入力を行なわなくても、印刷結果を他人に見られることなく、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる画像形成システムを提供することにある。
【解決手段】
本発明は、出力を行う画像のジョブデータに対応するジョブ識別情報を生成させる。そして、ジョブ識別情報を利用者が所有する携帯端末に送信するとともに、ジョブデータ及びジョブ識別情報を画像形成装置に送信する。ジョブデータが送信された画像形成装置は、携帯端末において選択されたジョブ識別情報に対応するジョブデータの画像形成を行う。利用者が所有する携帯端末を使って選択しない限り、ジョブデータに対応する画像形成が行われないため、他人にその画像が見られるおそれが無くなり、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密文書や重要書類を印刷する際に、印刷結果を他人に見られないようにすることができる画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機密文書や重要文書を印刷する際、利用者以外の人に機密文書や重要文書が見られないようにするために、情報処理装置から印刷に関わるジョブデータを送信した後、画像形成装置の操作パネルからパスワードを入力する画像形成システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−235974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような画像形成システムでは、機密文書や重要書類を印刷しようとする利用者が、パスワードを覚え、画像形成装置の操作パネルでそのパスワードを入力しなければならない。そのため、画像形成装置にてパスワードを入力する手間と、パスワードを覚えておかなければならないという負担を利用者に強いることになる。
【0005】
そこで、本発明の画像形成システムは、機密文書や重要書類を印刷する際に、利用者がパスワードの入力を行なわなくても、印刷結果を他人に見られることなく、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の画像形成システムは、情報処理装置と、画像形成装置と、携帯端末とを有し、前記情報処理装置で生成されたジョブデータに基づいて前記画像形成装置で画像形成する画像形成システムであって、前記情報処理装置は、前記画像形成装置から前記ジョブデータに対応するジョブ識別情報を取得する第1識別情報取得部と、前記携帯端末に前記ジョブデータに対応するジョブ名及び前記ジョブ識別情報を出力する情報出力部と、前記画像形成装置に前記ジョブデータ及び前記ジョブ識別情報を送信するデータ送信部とを有し、前記携帯端末は、前記情報処理装置の前記情報出力部から出力された前記ジョブ名及び前記ジョブ識別情報を保持する情報保持部と、前記情報保持部で保持されている前記ジョブ名を表示する表示部と、前記表示部に表示された前記ジョブ名を選択する選択部と、前記選択部で選択された前記ジョブ名に対応する前記ジョブ識別情報を選択状態とする識別情報制御部とを有し、前記画像形成装置は、前記情報処理装置の前記第1識別情報取得部の求めに応じて前記ジョブデータに対応する前記ジョブ識別情報を生成する識別情報生成部と、前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータ及び前記ジョブ識別情報を受信するデータ受信部と、前記携帯端末の前記識別情報制御部によって選択状態とされた前記ジョブ識別情報を取得する第2識別情報取得部と、前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータの中から、前記第2識別情報取得部で取得した前記ジョブ識別情報に対応するジョブデータを検索するように、前記ジョブ識別情報を照合する識別情報照合部と、前記識別情報照合部による照合によって検索された選択状態にある前記ジョブ識別情報に対応する前記ジョブデータに基づいて画像形成を行う画像形成部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成システムは、出力を行う画像のジョブデータに対応するジョブ識別情報を生成させる。そして、ジョブ識別情報を利用者が所有する携帯端末に送信するとともに、ジョブデータ及びジョブ識別情報を画像形成装置に送信する。ジョブデータが送信された画像形成装置は、携帯端末に送信されジョブ識別情報で利用者によって選択されることで、ジョブデータに対応する画像形成が行われる。このように、利用者が所有する携帯端末を使って選択しない限り、ジョブデータに対応する画像形成が行われない。そのため、他人にその画像が見られるおそれが無くなり、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の画像形成システムについて図面を参照しながら説明する。
【0009】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1で説明する画像形成システムのシステム構成図である。実施の形態1で説明する画像形成システムは、図1のように、情報処理装置としてのホストコンピュータ101と、携帯端末としての携帯電話102と、画像形成装置としてのプリンタ103と、ネットワーク104とにより構成されている。
【0010】
このホストコンピュータ101とプリンタ103とは、例えばイーサネット(登録商標)等のネットワーク104を介して接続されている。また、携帯電話102は、後述する近接型の非接触ICカード402を有しており、ホストコンピュータ101に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ105、及び、プリンタ103に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ106を介して、データの送受信が可能となっている。
【0011】
図2は、実施の形態1で説明する画像形成システムのホストコンピュータの構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ101は、アプリケーションプログラム201と、プリンタドライバ202と、印刷ジョブ管理部203と、非接触ICカード検知部204と、第1識別情報取得部としての印刷ジョブ識別情報取得部205と、情報出力部としての識別情報出力部206と、データ送信部としての印刷ジョブデータ送信部207と、ネットワークI/F(インターフェース)208と、USB(Universal Serial Bus)I/F209とを有している。
【0012】
そして、このホストコンピュータ101は、パーソナルコンピュータのような情報処理装置であって、印刷されるページの内容をPDL(Page Description Language)データに変換し、変換されたPDLデータをネットワーク104を介してプリンタ103に送信する。
【0013】
ネットワークI/F208は、ネットワーク104の下位層に位置するプロトコルを解釈し、ネットワーク104に接続されたプリンタ103等の他の装置に対してデータの送受信を行う。実施の形態1で説明する画像形成システムにおいては、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)(HyperText Transfer Protocol(Transmission Control Protocol/Internet Protocol))を使用する。
【0014】
アプリケーションプログラム201は、プリンタ103での印刷の対象となる画像データの解釈を行うプログラムで、アプリケーション形式の画像データを作成したり、作成されている画像データを読み出したりすることができる。このアプリケーションプログラム201は、利用者による画像データの印刷の指示によって、プリンタドライバ202を呼び出す。
【0015】
プリンタドライバ202は、画像データの印刷時に、オペレーティングシステムを介し、アプリケーションプログラム201から呼び出されるプログラムである。このプリンタドライバ202は、アプリケーションプログラム201で解釈可能なアプリケーション形式の画像データを、この画像データを送信するプリンタ103で解釈可能な印刷データである印刷ジョブデータに変換する。また印刷ジョブデータが作成される際、印刷ジョブ名と印刷ジョブデータの送信先となるプリンタ103のIP(Internet Protocol)アドレスである印刷ジョブデータ送信先アドレスとをその印刷ジョブデータに対応させる。
【0016】
印刷ジョブ管理部203は、プリンタドライバ202から印刷ジョブデータと、印刷ジョブ名と、印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得する。そして、取得したこれらの情報を一時的に保持し、管理する。
【0017】
印刷ジョブ識別情報取得部205は、プリンタ103から印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得する。この印刷ジョブ識別情報取得部205は、印刷ジョブ識別情報を取得する際、印刷ジョブ管理部203から印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得する。そして、このアドレスに対応するプリンタ103にHTTPコマンドを送信して送信対象となるジョブデータに対する印刷ジョブ識別情報を要求し、後述するプリンタ103の印刷ジョブ識別情報生成部302で生成した印刷ジョブ識別情報を取得する。
【0018】
印刷ジョブデータ送信部207は、印刷ジョブ管理部203で保持されている印刷ジョブデータ及び印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得し、印刷ジョブ識別情報取得部205で取得した印刷ジョブ識別情報を取得する。そして、印刷ジョブデータ送信部207は、取得した印刷ジョブデータ及び印刷ジョブ識別情報をHTTPコマンドとして、取得した印刷ジョブデータ送信先アドレスに対応するプリンタ103に送信する。
【0019】
USBI/F209は、USBの下位層に位置するプロトコルを解釈し、このホストコンピュータ101にUSBで接続された非接触ICカードリーダ/ライタ105に対してデータの送受信を行う。
【0020】
非接触ICカード検知部204は、USBI/F209を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ105にポーリングコマンドを送信し、非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接する非接触ICカードの有無を確認させる。
【0021】
識別情報出力部206は、印刷ジョブ管理部203から印刷ジョブ名と、印刷ジョブ識別情報取得部205から印刷ジョブ識別情報とを取得する。そして、識別情報出力部206は、USBI/F209を介して、取得した印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を携帯電話102の非接触ICカード402に書き込ませるコマンドを非接触ICカードリーダ/ライタ105に出力する。
【0022】
このホストコンピュータ101に接続される非接触ICカードリーダ/ライタ105は、非接触ICカード検知部204から受け取ったポーリングコマンドによって、非接触ICカード402を搭載する携帯電話102が近接に存在することを認識する。そして、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、近接する携帯電話102の非接触ICカード402が保持するデータを読み込んだり、非接触ICカード402にデータを書き込んだりすることができる。実施の形態1において、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、識別情報出力部206から送信された印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報とを非接触ICカード402に書き込む。
【0023】
図3は、実施の形態1で説明する画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ103は、HTTPコマンド解釈部301と、識別情報生成部としての印刷ジョブ識別情報生成部302と、データ受信部としての印刷ジョブデータ受信部303と、印刷ジョブ保持部304と、非接触ICカード検知部305と、第2識別情報取得部としての識別情報取得部306と、識別情報照合部としての印刷ジョブ識別情報照合部307と、画像形成部308と、ネットワークI/F309と、USBI/F310とを有している。
【0024】
このプリンタ103は、例えば電子写真プリンタやインクジェットプリンタなどの画像形成装置であって、ホストコンピュータ101からHTTPコマンドを用いて送信された印刷ジョブデータに基づいて画像形成部308で所定の用紙に画像形成を行う。
【0025】
ネットワークI/F309は、ネットワーク104の下位層に位置するプロトコルを解釈し、ネットワーク104に接続されたホストコンピュータ101等の他の装置に対してデータの送受信を行う。実施の形態1で説明する画像形成システムにおいては、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)(HyperText Transfer Protocol(Transmission Control Protocol/Internet Protocol))を利用する。
【0026】
HTTPコマンド解釈部301は、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101から送信されるHTTPコマンドコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部301は、受信したHTTPコマンドに応じて、印刷ジョブ識別情報生成部302で印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を生成させる処理や、印刷ジョブ保持部304で印刷ジョブ識別情報をパスに指定して印刷ジョブデータを保持させる処理を行わせる。
【0027】
印刷ジョブ識別情報生成部302は、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101の印刷ジョブ識別情報取得部205から受信したHTTPコマンドに応じて、印刷ジョブ識別情報を生成する。生成した印刷ジョブ識別情報は、ネットワークI/F309を介してホストコンピュータ101に送信される。
【0028】
印刷ジョブデータ受信部303は、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101の印刷ジョブデータ送信部207から印刷ジョブデータ及び印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を受信する。
【0029】
印刷ジョブ保持部304は、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101の印刷ジョブデータ送信部207から受信したHTTPコマンドに応じて、受信した印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報とを関連付けて保持する。
【0030】
USBI/F310は、USBの下位層に位置するプロトコルを解釈し、このプリンタ103にUSBで接続された非接触ICカードリーダ/ライタ106に対してデータの送受信を行う。
【0031】
非接触ICカード検知部305は、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106にポーリングコマンドを送信し、非接触ICカードリーダ/ライタ106に近接する非接触ICカードの有無を確認させる。
【0032】
識別情報取得部306は、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106に、印刷ジョブ識別情報の読み込みコマンドを送信する。そして、識別情報取得部306は、非接触ICカードリーダ/ライタ106に、近接する携帯電話102に搭載された非接触ICカード402から選択状態にある印刷ジョブ識別情報を読み込ませる。識別情報取得部306は、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106が読み込んだ印刷ジョブ識別情報を取得する。
【0033】
印刷ジョブ識別情報照合部307は、印刷ジョブ保持部304に保持された印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報と、識別情報取得部306が取得した印刷ジョブ識別情報とを照合する。そして、この印刷ジョブ識別情報照合部307は、照合された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを取得する。
【0034】
画像形成部308は、印刷ジョブ識別情報照合部307が取得した印刷ジョブデータを受け取り、受け取った印刷ジョブデータの解析を行う。そして、画像形成部308は、解析した印刷ジョブデータに基づいて所定の用紙に画像形成を行う。
【0035】
このプリンタ103に接続される非接触ICカードリーダ/ライタ106は、非接触ICカード検知部305から受け取ったポーリングコマンドによって、非接触ICカード402を搭載する携帯電話102が近接に存在することを認識する。そして、非接触ICカードリーダ/ライタ106は、近接する携帯電話102の非接触ICカード402が保持するデータを読み込んだり、非接触ICカード402にデータを書き込んだりすることができる。実施の形態1において、非接触ICカードリーダ/ライタ106は、携帯電話102の非接触ICカード402から、選択状態として保持されている印刷ジョブ識別情報を読み込む。
【0036】
図4は、実施の形態1で説明する画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。携帯電話102は、例えば、通話機能、パケット通信機能を有する携帯端末であって、さらに、非接触ICカード402が搭載されている。またさらに、携帯電話102は、画面表示、パケット通信等の制御プログラムも搭載可能となっている。この携帯電話102は、制御プログラム401と、非接触ICカードI/F406とを有している。
【0037】
非接触ICカードI/F406は、携帯電話102に搭載される制御プログラム401による処理に応じて、非接触ICカード402のデータの読み書きを行う。
【0038】
非接触ICカード402は、非接触ICカードリーダ/ライタ105,106、及び、制御プログラム401によって読み書きされるデータが保持される。この非接触ICカード402には、非接触ICカードリーダ/ライタ105,106、及び、制御プログラム401によってデータの変更を含むデータの書き込みが行われる。また、この非接触ICカード402に保持されるデータは、非接触ICカードリーダ/ライタ105,106、及び、制御プログラム401によって読み出される。実施の形態1において、非接触ICカード402は、印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報を関連付けて保持するものとする。
【0039】
制御プログラム401は、携帯電話102に搭載される制御プログラムで、表示部としての印刷ジョブリスト表示部403と、識別情報制御部404と、選択部としての印刷ジョブ選択部405とにより構成されている。この制御プログラム401は、これら印刷ジョブリスト表示部403と、識別情報制御部404と、印刷ジョブ選択部405を制御して、非接触ICカードI/F406を介して非接触ICカード402に保持されている印刷ジョブ名を表示画面に表示させたり、画像形成システムの利用者の操作に応じて印刷ジョブ識別情報を選択状態として非接触ICカード402に保持させたりすることができる。
【0040】
印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカードI/F406を介して非接触ICカード402に保持されている印刷ジョブ名を読み出す。そして、印刷ジョブリスト表示部403は、読み出した印刷ジョブ名を所定の表示画面に表示させ、利用者にプリンタ103で印刷する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択させる。
【0041】
印刷ジョブ選択部405は、印刷ジョブリスト表示部403によって表示された印刷ジョブ名のうち、利用者の携帯電話102のキー入力に応じて、プリンタ103で画像の出力を行う印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択する。このとき、印刷ジョブ選択部405は、印刷ジョブ名の選択を表示画面に反映させる。
【0042】
識別情報制御部404は、印刷ジョブ選択部405で利用者に選択された印刷ジョブ名を認識する。そして、識別情報制御部404は、認識した印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とし、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード402に保持されている印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更させる。
【0043】
以下、このような構成を有する実施の形態1で説明する画像形成システムの動作について図面を参照して説明する。まず、このホストコンピュータ101がプリンタ103に送信するGETコマンド及びPOSTコマンドについて説明する。
【0044】
実施の形態1の画像形成システムは、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)が使用される。このとき、HTTPコマンド及びパス指定の組み合わせによってデータの所定の送受信を行う。図5に、HTTPコマンドと、パス指定の組み合わせによるリクエストと、このリクエストに対するレスポンスの取り決めを示す。ここでは、ホストコンピュータ101からプリンタ103に対するGETコマンドとしての印刷ジョブ識別情報の取得要求と、POSTコマンドとしての印刷ジョブデータの送信に関しての取り決めが示されている。
【0045】
GETコマンドは、パス指定のないコマンドで、レスポンスとして印刷ジョブ識別情報をプリンタ103に返信させ、印刷ジョブ識別情報を印刷ジョブ識別情報取得部205で取得するためのコマンドである。また、POSTコマンドは、印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したもので、このコマンドを用いて、印刷ジョブデータ送信部207から送信コンテンツである印刷ジョブデータの実体を送信する。POSTコマンドを受信したプリンタ103は、POSTコマンドを解釈し、印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報を関連付けて保持する。
【0046】
次に、主にホストコンピュータ101での動作について説明する。図6は、実施の形態1で説明する画像形成システムの主にホストコンピュータでの各処理のフローを示す図である。
【0047】
まず、ホストコンピュータ101は、画像形成システムを利用する利用者によって、アプリケーションプログラム201でアプリケーション形式の画像データの印刷操作が行われると、以下のように動作する。まず、アプリケーションプログラム201は、ステップS101において、画像データを解釈し、プリンタドライバ202を呼び出す。
【0048】
アプリケーションプログラム201に呼び出されたプリンタドライバ202は、ステップS102において、アプリケーションプログラム201に用いられて、印刷ジョブデータを生成する。このとき、印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に出力する画像形成装置としてプリンタ103を選択し、プリンタ103で解釈可能な印刷ジョブデータを生成する。そして、プリンタドライバ202は、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレスを印刷ジョブデータに関連付けるように生成する。
【0049】
印刷ジョブデータが生成された後、印刷ジョブ管理部203は、ステップS103において、プリンタドライバ202から印刷ジョブデータ、印刷ジョブ名、及び、印刷ジョブデータ送信先アドレス(プリンタ103のIPアドレス)を取得し、一時的に保持する。
【0050】
次に、非接触ICカード検知部204は、ステップS104において、非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接する非接触ICカード402、すなわち非接触ICカード402を搭載する携帯電話102の存在を確認する。このとき、利用者は、非接触ICカード402が搭載された携帯電話102を非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接させる。
【0051】
ステップS104で、非接触ICカード検知部204が非接触ICカード402の存在を確認できなかった場合、ステップS105において、ステップS104に戻り、非接触ICカード402の存在の確認を続ける。一方、ステップS104で、非接触ICカード検知部204が非接触ICカード402の存在を確認した場合、ステップS106に移行し、印刷ジョブ識別情報取得部205にその旨を通知する。
【0052】
非接触ICカード検知部204から、非接触ICカード402の存在が確認された旨の通知を受け取ると、印刷ジョブ識別情報取得部205は、ステップS106において、ネットワークI/F208によって、ホストコンピュータ101と接続されているネットワーク104を介して、印刷ジョブデータ送信先アドレスに対応するプリンタ103に、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得するためのGETコマンドを送信する。
【0053】
ホストコンピュータ101からGETコマンドが送信されると、プリンタ103は、ネットワークI/F309を介して、GETコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部301は、ステップS107において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部301は、そのコマンドがパス指定なしのGETコマンドであることを認識する。
【0054】
HTTPコマンド解釈部301がGETコマンドを受け取ると、印刷ジョブ識別情報生成部302は、このGETコマンドに応じて、印刷ジョブデータを管理するための印刷ジョブ識別情報を生成する。ここで生成される印刷ジョブ識別情報は、0〜9999までの値であるが、このとき、プリンタ103は、印刷ジョブ識別情報の取得要求に対して1刻みのインクリメントを実施することにより印刷ジョブ識別情報を生成する。印刷ジョブ識別情報生成部302は、ステップS108において、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101に、生成した印刷ジョブ識別情報をGETコマンドのレスポンスとして返信する。
【0055】
プリンタ103からGETコマンドのレスポンスとして印刷ジョブ識別情報が返信されると、ホストコンピュータ101は、ネットワークI/F208を介して受信する。印刷ジョブ識別情報取得部205は、ステップS109において、受信した印刷ジョブ識別情報をネットワークI/F208から受け取り、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得する。印刷ジョブ識別情報取得部205は、取得した印刷ジョブ識別情報を一時的に保持する。
【0056】
印刷ジョブ識別情報取得部205が印刷ジョブ識別情報を取得すると、識別情報出力部206は、印刷ジョブ管理部203で一時的に保持されている印刷ジョブ名と、印刷ジョブ識別情報取得部205で一時的に保持されている印刷ジョブ識別情報とを受け取る。そして、識別情報出力部206は、USBI/F209を介して、非接触ICカード402に印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報とを書き込むためのコマンドを非接触ICカードリーダ/ライタ105に送信する。非接触ICカードリーダ/ライタ105は、ステップS110において、受信したコマンドに応じて、近接する非接触ICカード402に印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報とを書き込む。
【0057】
ここで、印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報が書き込まれる非接触ICカード402の保持フォーマットについて説明する。図7は、非接触ICカードにおける、印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報の保持フォーマットを説明する図である。例えば、この非接触ICカード402は、フラグ領域と、印刷ジョブ識別情報領域と、印刷ジョブ名領域とがあり、それぞれ関連付けて最大5個までの印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を登録枠に書き込むことができるようになっている。この5個の登録枠は0〜4のインデックスで管理されている。
【0058】
フラグ領域には、0、1、−1のうち何れかの数値が保持される。フラグ領域が0の場合は、その枠に印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が登録されていないことを示す。また、フラグ領域が1の場合は、その枠に印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が登録されていて、かつ、その印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が非選択状態にあることを示す。さらに、フラグ領域が−1の場合は、その枠に印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が登録されていて、かつ、その印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が選択状態にあることを示す。
【0059】
印刷ジョブ識別情報領域には、その枠に登録されている印刷ジョブ識別情報が保持され、0〜9999までの数値を取りうる。また、印刷ジョブ名領域には、その枠に登録されている印刷ジョブ名が保持され、例えば最大20文字の文字列が格納できる。
【0060】
図8は、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が書き込まれる前の非接触ICカードの保持フォーマットを示し、図9は、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が書き込まれた後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す。ステップS110で非接触ICカード402に印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報との書き込みが行われる場合、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、まず、非接触ICカード402の0〜4までの枠のうち未登録の枠を検出する。図8において、未登録の枠はフラグ領域が0となっている枠は2〜4の枠である。非接触ICカードリーダ/ライタ105は、未登録の枠に印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報をそれぞれの領域に書き込む。さらに、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、フラグ領域を登録かつ非選択を示す1とする。
【0061】
具体的に、サンプル5という印刷ジョブ名と0050という印刷ジョブ識別情報とを登録する場合、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、未登録の枠である2の枠を検出し、2の枠に印刷ジョブ識別情報領域に0050、印刷ジョブ名領域にサンプル5、フラグ領域を1を書き込むと、図9に示されるように印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が2の枠に登録される。
【0062】
印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報とが非接触ICカード402に書き込まれると、印刷ジョブデータ送信部207は、印刷ジョブ管理部203で一時的に保持されている印刷ジョブデータと、印刷ジョブ識別情報取得部205で一時的に保持されている印刷ジョブ識別情報とを受け取る。そして、印刷ジョブデータ送信部207は、ステップS111において、ネットワークI/F208を介して、印刷ジョブ識別情報をパスとして指定し、送信コンテンツを印刷ジョブデータの実体としたPOSTコマンドをプリンタ103に送信する。
【0063】
ホストコンピュータ101からPOSTコマンドが送信されると、プリンタ103は、ネットワークI/F309を介して、POSTコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部301は、ステップS112において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部301は、そのコマンドが印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したPOSTコマンドであることを認識する。そして、HTTPコマンド解釈部301は、パスに指定された値を印刷ジョブ識別情報として抽出する。
【0064】
HTTPコマンド解釈部301がPOSTコマンドを受け取ると、印刷ジョブデータ受信部303は、HTTPコマンド解釈部301で抽出された印刷ジョブ識別情報と、受信した印刷ジョブデータとの関連付けを行う。そして、印刷ジョブデータ受信部303は、ステップS113において、印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報とを印刷ジョブ保持部304に保持させる。このとき、プリンタ103に送信された印刷ジョブデータに対応する画像の出力は行われない。
【0065】
印刷ジョブデータがプリンタ103に送信されると、利用者は、送信された印刷ジョブデータに対応する画像を出力させるために、携帯電話102を操作し、ステップS110で非接触ICカード402に書き込まれた印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。以下、利用者が有する携帯電話102に搭載された非接触ICカード402に登録されている印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報の選択について説明する。図10は、実施の形態1で説明する画像形成システムの携帯電話での各処理のフローを示す図である。
【0066】
まず、ステップS121において、利用者が携帯電話102のキーを入力して、携帯電話102の制御プログラム401が起動する。
【0067】
制御プログラム401が起動すると、印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード402に保持されているフラグ領域の値、及び、印刷ジョブ名を枠毎に取得する。そして、印刷ジョブリスト表示部403は、ステップS122において、取得した情報から、印刷ジョブ名を所定の表示画面に表示させる。
【0068】
ここで、印刷ジョブ名を表示する携帯電話102の表示画面について説明する。図11は、印刷ジョブ名が表示される表示画面を説明する図である。
【0069】
制御プログラム401が起動した際、携帯電話102に搭載される非接触ICカード402に図9に示されているような印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が保持されているとすると、携帯電話102の画面には、図11に示されるような表示画面が表示される。この表示画面には、非接触ICカード402の0〜4の5個の枠に対応するように、5個の枠に分けられている。そして、それぞれの枠には、携帯電話102のキー入力によって選択、非選択を切り替えられるチェックボックスと、枠のインデックスに対応する印刷ジョブ名の表示領域が配置されている。
【0070】
この表示画面は、それぞれの枠に対応する非接触ICカード402のフラグ領域の値に応じて枠の表示が異なる。印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカード402のフラグ領域の値が1(登録かつ非選択)の場合、その枠に保持されている印刷ジョブ名の文字列を読み出し、表示画面の対応する枠の印刷ジョブ名の表示領域に表示させる。このとき、その枠のチェックボックスは、非選択の状態とする。
【0071】
また、印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカード402のフラグ領域の値が0(未登録)の場合、表示画面の対応する枠の印刷ジョブ名の表示領域に未登録の文字列を表示させるとともに、表示領域の対応する枠全体をグレイアウトの状態とする。このとき、その枠のチェックボックスは選択できない状態とする。
【0072】
そして、印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカード402のフラグ領域の値が−1(登録かつ選択)の場合、その枠に保持されている印刷ジョブ名の文字列を読み出し、表示画面の対応する枠の印刷ジョブ名の表示領域に表示させる。このとき、その枠のチェックボックスは、選択の状態とする。
【0073】
このように、携帯電話102の画面に図11のような表示画面が表示されると、利用者は、キー入力を介して、表示画面に表示されている印刷ジョブ名のリストの中から、印刷ジョブデータに対応する画像の出力を行う印刷ジョブ名を選択する。印刷ジョブ選択部405は、利用者のキー入力によって選択された枠を判別し、ステップS123において、利用者のキー入力によって選択された枠にあるチェックボックスにチェックを入れて選択された状態となるように識別情報制御部404に指示を出す。
【0074】
そして、その指示を受けた識別情報制御部404は、ステップS124のように、対応する非接触ICカード402の枠のフラグ領域を1から−1に変更するように更新し、選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。
【0075】
例えば、利用者が図11の示す表示画面の2の枠に該当するサンプル5の印刷ジョブ名を選択する場合、印刷ジョブ選択部405は、表示画面の2の枠のサンプル5が選択されたことを判別する。そして、印刷ジョブ選択部405は、選択された2の枠のサンプル5のチェックボックスにチェックを入れた状態に変更されるように、識別情報制御部404に指示を出す。指示を受けた識別情報制御部404は、図12のように、選択された2の枠に対応する非接触ICカード402の2の枠のフラグ領域を−1に変更する。そして、印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカード402のフラグ領域の変更を受けて、表示画面を図13のように、2の枠のチェックボックスにチェックを入れるように変更する。
【0076】
このように、出力する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名が携帯電話102で選択されると、識別情報制御部404は、携帯電話102に搭載されている非接触ICカード402に保持している印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更する。変更後、選択状態となっている印刷ジョブ識別情報を生成したプリンタ103に利用者が移動する。以下、利用者に選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブデータに対応する画像の出力について説明する。図14は、実施の形態1で説明する画像形成システムのプリンタでの各処理を示すフロー図である。
【0077】
まず、非接触ICカード検知部305は、ステップS131において、非接触ICカードリーダ/ライタ106に近接する非接触ICカード402、すなわち非接触ICカード402を搭載する携帯電話102の存在を確認する。このとき、利用者は、非接触ICカード402が搭載された携帯電話102を非接触ICカードリーダ/ライタ106に近接させる。
【0078】
ステップS131で、非接触ICカード検知部305が非接触ICカード402の存在を確認できなかった場合、ステップS132において、ステップS131に戻り、非接触ICカード402の存在の確認を続ける。一方、ステップS131で、非接触ICカード検知部305が非接触ICカード402の存在を確認した場合、ステップS133に移行し、識別情報取得部306にその旨を通知する。
【0079】
非接触ICカード検知部305から、非接触ICカード402の存在が確認された旨の通知を受け取ると、識別情報取得部306は、ステップS133において、USBI/F310によって、プリンタ103と接続されている非接触ICカードリーダ/ライタ106を介して、非接触ICカード402の印刷ジョブ識別情報の中から、選択状態となっている印刷ジョブ識別情報を検出する。
【0080】
ステップS133で、識別情報取得部306が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出できなかった場合、ステップS134において、以降の処理を行わず、本処理を終了とする。一方、ステップS133で、識別情報取得部306が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出された場合、識別情報取得部306は、非接触ICカードリーダ/ライタ106に検出された印刷ジョブ識別情報を非接触ICカード402から読み込ませる。そして、識別情報取得部306は、ステップS135において、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106に読み取らせた印刷ジョブ識別情報を取得する。
【0081】
具体例として図12を参照して説明すると、まず、識別情報取得部306は、非接触ICカード402の0〜4までの枠のフラグ領域を検索し、−1(登録かつ選択)となっている枠を検出する。図12のように、2の枠のフラグ領域が−1となっているため、識別情報取得部306は、選択状態のものとして2の枠の印刷ジョブ識別情報を検出する。選択状態にある印刷ジョブ識別情報を検出した識別情報取得部306は、非接触ICカードリーダ/ライタ106にその印刷ジョブ識別情報を読み込ませる。非接触ICカードリーダ/ライタ106は、非接触ICカード402の2の枠の印刷ジョブ識別情報の0050の値を読み込む。
【0082】
識別情報取得部306が印刷ジョブ識別情報を取得すると、印刷ジョブ識別情報照合部307は、その印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブ識別情報照合部307は、ステップS136において、印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータの中から、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを検索するように、印刷ジョブ保持部304の印刷ジョブ識別情報を照合する。
【0083】
印刷ジョブ識別情報照合部307で照合が行われた後、画像形成部308は、検索された印刷ジョブデータを印刷ジョブ識別情報照合部307から受け取る。そして、画像形成部308は、ステップS137において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に形成し、画像形成を行う。
【0084】
印刷ジョブ識別情報照合部307が画像形成部308において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像の出力が行われたことを確認すると、印刷ジョブ識別情報照合部307は、ステップS138において、画像形成に用いた印刷ジョブデータを、印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0085】
そして、識別情報取得部306は、ステップS139において、非接触ICカード402に保持されている印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報のうち、画像の出力を行った印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を削除する。具体的に、識別情報取得部306は、ステップS133で検出された枠のフラグ領域を−1から0に変更するように非接触ICカード402の情報を更新する。これにより、非接触ICカード402の保持フォーマットは、図15のように、2の枠のフラグ領域が0となり、印刷ジョブ識別情報及び印刷ジョブ名が保持されていない状態となる。
【0086】
非接触ICカード402の更新後、ステップS133に移行し、識別情報取得部306は、非接触ICカード402の中に、他の選択された印刷ジョブ識別情報がないかを確認し、選択された識別情報がある場合は、ステップS133からステップS139の処理を繰り返す。また、選択された識別情報がない場合は、この処理を終了する。
【0087】
実施の形態1で説明する画像形成システムは、出力を行う画像の印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を生成させる。そして、印刷ジョブ識別情報を利用者が所有する携帯電話に送信するとともに、印刷ジョブデータ及び印刷ジョブ識別情報をプリンタに送信する。印刷ジョブデータが送信されたプリンタは、携帯電話において選択された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータの画像形成を行う。このように、利用者が所有する携帯電話を使って選択しない限り、印刷ジョブデータに対応する画像の出力が行われないため、他人にその画像が見られるおそれが無くなる。すなわち、実施の形態1で説明する画像形成システムは、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる。
【0088】
また、ホストコンピュータ101と携帯電話102との間、及び、ホストコンピュータ101とプリンタ103との間における印刷ジョブ識別情報の読み書きは、非接触ICカード402と非接触ICカードリーダ/ライタ105,106との間で行われる。これにより、印刷ジョブ識別情報の読み書きは、非接触ICカード402と非接触ICカードリーダ/ライタ105,106とが近接に存在していなければならない。したがって、非接触ICカード402を搭載する携帯電話102を所有する利用者がホストコンピュータ101、プリンタ103の近くに存在しなければ、印刷ジョブデータに対応する画像の出力が行われない。したがって、より機密文書及び重要書類の漏洩を防止することができる。
【0089】
また、非接触ICカード402を利用することで、携帯電話の通信回線を使用する必要が無くなる。これにより、携帯電話の通信費用が発生せずに、印刷ジョブの選択が可能となる。
【0090】
[実施の形態2]
実施の形態2で説明する画像形成システムは、実施の形態1の画像形成システムに、携帯電話から接続可能な公衆パケット通信回線と、ネットワークから接続可能なインターネットを加え、携帯電話から公衆パケット通信回線及びインターネットを介して、プリンタに接続できるようになっている。以下、この画像形成システムについて説明するが、実施の形態1と重複する部分は説明を省略する。
【0091】
図16は、実施の形態2で説明する画像形成システムのシステム構成図である。実施の形態2で説明する画像形成システムは、図16のように、情報処理装置としてのホストコンピュータ1601と、携帯端末としての携帯電話1602と、画像形成装置としてのプリンタ1603と、ネットワーク1604と、公衆パケット通信回線1605と、インターネット1606により構成されている。
【0092】
ホストコンピュータ1601とプリンタ1603とを接続するネットワーク1604は、インターネット1606と接続されている。また、携帯電話1602は、公衆パケット通信回線1605と接続可能となっており、公衆パケット通信回線1605、及び、インターネット1606を介して、プリンタ1603に接続可能となっている。
【0093】
図17は、実施の形態2で説明する画像形成システムのホストコンピュータの構成を示すブロック図である。このホストコンピュータ1601は、実施の形態1で説明したホストコンピュータと同じ構成であるが、識別情報出力部1701の動作が異なっている。
【0094】
この識別情報出力部1701は、印刷ジョブ管理部203から印刷ジョブ名及び印刷ジョブデータ送信先アドレスと、印刷ジョブ識別情報取得部205から印刷ジョブ識別情報とを取得する。そして、識別情報出力部1701は、USBI/F209を介して、取得した印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を携帯電話1602の非接触ICカード1902に書き込ませるコマンドを非接触ICカードリーダ/ライタ105に出力する。
【0095】
このホストコンピュータ1601に接続される非接触ICカードリーダ/ライタ105は、識別情報出力部1701から出力されるコマンドに応じて、印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報とを非接触ICカード1902に書き込む。
【0096】
図18は、実施の形態2で説明する画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ1603は、実施の形態1で説明したプリンタにジョブ削除部としての印刷ジョブ制御部1802を加えた構成で、HTTPコマンド解釈部1801と、第2識別情報取得部としての識別情報取得部1803との動作が異なっている。
【0097】
この印刷ジョブ制御部1802は、ネットワークI/F309を介して、削除命令と削除対象となる印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブ制御部1802は、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを、印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0098】
HTTPコマンド解釈部1801は、実施の形態1で説明した動作の他に、ネットワークI/F309を介して、公衆パケット通信回線1605、及び、インターネット1606を経由して携帯電話1602から送信される後述するDELETEコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、印刷ジョブ制御部1802に印刷ジョブデータを印刷ジョブ保持部304から削除する処理を行わせる。
【0099】
識別情報取得部1803は、実施の形態1と同様に、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106に、印刷ジョブ識別情報の読み書きを行わせるが、実施の形態2で非接触ICカード1902に保持される印刷ジョブデータ送信先アドレスが保持される領域へのアクセスは行わせないようになっている。これにより、実施の形態1と同様に印刷データに対応する画像の出力が可能となる。
【0100】
図19は、実施の形態2で説明する画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。携帯電話1602は、実施の形態1で説明した携帯電話にネットワークI/F1905を加え、制御プログラム1901として印刷ジョブ削除イベント取得部1903と、印刷ジョブ削除命令送信部としての印刷ジョブ制御命令送信部1904とを加えた構成である。また、携帯電話1602は、非接触ICカード1902の保持フォーマット、及び、印刷ジョブリスト表示部1906と識別情報制御部1907の動作が異なっている。
【0101】
ネットワークI/F1905は、公衆パケット通信回線1605の下位層に位置するプロトコルを解釈し、公衆パケット通信回線1605及びインターネット1606を介してネットワーク1604に接続されたプリンタ1603等に対してデータの送受信を行う。
【0102】
印刷ジョブ削除イベント取得部1903は、印刷ジョブリスト表示部403によって表示された印刷ジョブ名のうち、利用者の携帯電話1602のキー入力で選択した印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブデータを削除するという削除命令を取得する。
【0103】
印刷ジョブ制御命令送信部1904は、印刷ジョブ削除イベント取得部1903で取得した削除命令を解釈する。そして、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ネットワークI/F1905を介して、削除命令に応じたHTTPコマンドとして、DELETEコマンドをプリンタ1603に送信する。また、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、削除命令によって削除される印刷ジョブ名を認識し、非接触ICカードI/F406を介して、認識した印刷ジョブ名と、この印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報とを削除する。
【0104】
印刷ジョブリスト表示部1906は、利用者に削除させる印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択させるために、読み出した印刷ジョブ名、削除ボタンを有する表示画面に表示させる。
【0105】
識別情報制御部1907は、印刷ジョブリスト表示部1906が表示させる削除ボタンを有する表示画面で選択された印刷ジョブ名を認識し、認識した印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。そして、識別情報制御部1907は、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード1902に保持されている印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更する。
【0106】
以下、このような構成を有する実施の形態2で説明する画像形成システムの動作について図面を参照して説明する。まず、この携帯電話1602がプリンタ1603に送信するDELETEコマンドについて説明する。
【0107】
実施の形態2の画像形成システムは、実施の形態1と同様に、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)が使用される。図20に、HTTPコマンドと、パス指定の組み合わせによるリクエストと、このリクエストに対するレスポンスの取り決めを示す。ここでは、実施の形態1で説明したGETコマンドと、POSTコマンドとに関しての取り決めの他に、DELETEコマンドに関しての取り決めが示されている。
【0108】
DELETEコマンドは、削除対象となった印刷ジョブに対応する印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したもので、このコマンドを用いてプリンタ1603の印刷ジョブ保持部304に保持された印刷ジョブデータを削除させるためのコマンドである。プリンタ1603は、このDELETEコマンドを解釈し、印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータを削除する。
【0109】
次に、主にホストコンピュータ1601での動作について説明する。図21は、実施の形態2で説明する画像形成システムの主にホストコンピュータでの各処理のフローを示す図である。
【0110】
まず、ホストコンピュータ1601は、画像形成システムを利用する利用者によって、アプリケーションプログラム201でアプリケーション形式の画像データの印刷操作が行われると、以下のように動作する。まず、アプリケーションプログラム201は、ステップS201において、画像データを解釈し、プリンタドライバ202を呼び出す。
【0111】
アプリケーションプログラム201に呼び出されたプリンタドライバ202は、ステップS202において、アプリケーションプログラム201に用いられて、印刷ジョブデータを生成する。このとき、印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に出力する画像形成装置としてプリンタ1603を選択し、プリンタ1603で解釈可能な印刷ジョブデータを生成する。そして、プリンタドライバ202は、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレスを印刷ジョブデータに関連付けるように生成する。
【0112】
印刷ジョブデータが生成された後、印刷ジョブ管理部203は、ステップS203において、プリンタドライバ202から印刷ジョブデータ、印刷ジョブ名、及び、印刷ジョブデータ送信先アドレス(プリンタ1603のIPアドレス)を取得し、一時的に保持する。
【0113】
次に、非接触ICカード検知部204は、ステップS204において、非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接する非接触ICカード1902、すなわち非接触ICカード1902を搭載する携帯電話1602の存在を確認する。このとき、利用者は、非接触ICカード1902が搭載された携帯電話1602を非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接させる。
【0114】
ステップS204で、非接触ICカード検知部204が非接触ICカード1902の存在を確認できなかった場合、ステップS205において、ステップS204に戻り、非接触ICカード1902の存在の確認を続ける。一方、ステップS204で、非接触ICカード検知部204が非接触ICカード1902の存在を確認した場合、ステップS206に移行し、印刷ジョブ識別情報取得部205にその旨を通知する。
【0115】
非接触ICカード検知部204から、非接触ICカード1902の存在が確認された旨の通知を受け取ると、印刷ジョブ識別情報取得部205は、ステップS206において、ネットワーク1604を介して、印刷ジョブデータ送信先アドレスに対応するプリンタ1603に、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得するためのGETコマンドを送信する。
【0116】
ホストコンピュータ1601からGETコマンドが送信されると、プリンタ1603は、ネットワークI/F309を介して、GETコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部1801は、ステップS207において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、そのコマンドがパス指定なしのGETコマンドであることを認識する。
【0117】
HTTPコマンド解釈部1801がGETコマンドを受け取ると、印刷ジョブ識別情報生成部302は、このGETコマンドに応じて、印刷ジョブデータを管理するための印刷ジョブ識別情報を生成する。印刷ジョブ識別情報生成部302は、ステップS208において、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ1601に、生成した印刷ジョブ識別情報をGETコマンドのレスポンスとして返信する。
【0118】
プリンタ1603からGETコマンドのレスポンスとして印刷ジョブ識別情報が返信されると、ホストコンピュータ1601は、ネットワークI/F208を介して受信する。印刷ジョブ識別情報取得部205は、ステップS209において、受信した印刷ジョブ識別情報をネットワークI/F208から受け取り、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得する。印刷ジョブ識別情報取得部205は、取得した印刷ジョブ識別情報を一時的に保持する。
【0119】
印刷ジョブ識別情報取得部205が印刷ジョブ識別情報を取得すると、識別情報出力部1701は、印刷ジョブ管理部203で一時的に保持されている印刷ジョブ名及び印刷ジョブデータ送信先アドレスと、印刷ジョブ識別情報取得部205で一時的に保持されている印刷ジョブ識別情報とを受け取る。そして、識別情報出力部1701は、USBI/F209を介して、非接触ICカード1902に印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報とを書き込むためのコマンドを非接触ICカードリーダ/ライタ105に送信する。非接触ICカードリーダ/ライタ105は、ステップS210において、受信したコマンドに応じて、近接する非接触ICカード1902に印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報とを書き込む。
【0120】
ここで、印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報が書き込まれる非接触ICカード1902の保持フォーマットについて説明する。図22は、非接触ICカードにおける、印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスとの保持フォーマットを説明する図である。非接触ICカード1902は、実施の形態1で説明した非接触ICカードの保持フォーマットに印刷ジョブデータ送信先アドレスの領域が加えられているもので、実施の形態1の非接触ICカードと略同様である。この印刷ジョブデータ送信先アドレスの領域にも、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報に関連付けて印刷ジョブデータ送信先アドレスが書き込まれるようになっている。
【0121】
図23は、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報が書き込まれる前の非接触ICカードの保持フォーマットを示し、図24は、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報が書き込まれた後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す。ステップS210で非接触ICカード1902に印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報との書き込みが行われる場合、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、まず、非接触ICカード1902の0〜4までの枠のうち未登録の枠を検出する。図23において、未登録の枠はフラグ領域が0となっている枠は2〜4の枠である。非接触ICカードリーダ/ライタ105は、未登録の枠に印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報をそれぞれの領域に書き込む。さらに、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、フラグ領域を登録かつ非選択を示す1とする。
【0122】
具体的に、サンプル5という印刷ジョブ名と、192.168.0.1という印刷ジョブデータ送信先アドレスと、0050という印刷ジョブ識別情報とを登録する場合、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、未登録の枠である2の枠を検出し、2の枠に印刷ジョブ識別情報領域に0050、印刷ジョブデータ送信先アドレス領域に192.168.0.1、印刷ジョブ名領域にサンプル5、フラグ領域を1を書き込むと、図24に示されるように印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が2の枠に登録される。
【0123】
印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報とが非接触ICカード1902に書き込まれると、印刷ジョブデータ送信部207は、印刷ジョブ管理部203で一時的に保持されている印刷ジョブデータと、印刷ジョブ識別情報取得部205で一時的に保持されている印刷ジョブ識別情報とを受け取る。そして、印刷ジョブデータ送信部207は、ステップS211において、ネットワークI/F208を介して、POSTコマンドをプリンタ1603に送信する。
【0124】
ホストコンピュータ1601からPOSTコマンドが送信されると、プリンタ1603は、ネットワークI/F309を介して、POSTコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部1801は、ステップS212において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、そのコマンドが印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したPOSTコマンドであることを認識する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、パスに指定された値を印刷ジョブ識別情報として抽出する。
【0125】
HTTPコマンド解釈部1801がPOSTコマンドを受け取ると、印刷ジョブデータ受信部303は、HTTPコマンド解釈部1801で抽出された印刷ジョブ識別情報と、受信した印刷ジョブデータとの関連付けを行う。そして、印刷ジョブデータ受信部303は、ステップS213において、印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報とを印刷ジョブ保持部304に保持させる。このとき、プリンタ1603に送信された印刷ジョブデータに対応する画像の出力は行われない。
【0126】
印刷ジョブデータがプリンタ1603に送信されると、利用者は、実施の形態1のように、携帯電話1602を操作し、送信された印刷ジョブデータに対応する画像を出力させることができる。実施の形態2では、それ以外に、出力する必要が無くなった印刷ジョブデータを削除することもできる。以下、出力する必要が無くなった印刷ジョブデータの削除について説明する。図25は、実施の形態2で説明する画像形成システムの主に携帯電話での各処理のフローを示す図である。
【0127】
まず、ステップS221において、利用者が携帯電話1602のキーを入力して、携帯電話1602の制御プログラム1901が起動する。
【0128】
制御プログラム1901が起動すると、印刷ジョブリスト表示部1906は、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード1902に保持されているフラグ領域の値、及び、印刷ジョブ名を枠毎に取得する。そして、印刷ジョブリスト表示部1906は、ステップS222において、取得した情報から、印刷ジョブ名を所定の表示画面に表示させる。このとき、印刷ジョブリスト表示部1906は、表示画面に図26のような削除ボタンを表示画面に表示させる。
【0129】
ここで、印刷ジョブ名を表示する携帯電話1602の表示画面について説明する。図26は、印刷ジョブ名が表示される表示画面を説明する図である。
【0130】
制御プログラム1901が起動した際、携帯電話1602に搭載される非接触ICカード1902に図24に示されているような印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス、及び、印刷ジョブ識別情報が保持されているとすると、携帯電話1602の画面には、図26のような表示画面が表示される。この表示画面は、実施の形態1と同様で、非接触ICカード1902の5個の枠に対応するように、チェックボックスと印刷ジョブ名の表示領域が配置されている。また、これら印刷ジョブ名とともに表示される削除ボタンは、利用者のキー入力によって押下されることで、選択状態となった枠の印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報が非接触ICカード1902から削除される。
【0131】
このように、携帯電話1602の画面に図26のような表示画面が表示されると、利用者は、キー入力を介して、表示画面に表示されている印刷ジョブ名のリストの中から、削除する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択する。印刷ジョブ選択部405は、利用者のキー入力によって選択された枠を判別し、ステップS223において、利用者のキー入力によって選択された枠にあるチェックボックスにチェックを入れて選択された状態となるように識別情報制御部1907に指示を出す。
【0132】
そして、その指示を受けた識別情報制御部1907は、ステップS224のように、対応する非接触ICカード1902の枠のフラグ領域を1から−1に変更するように更新し、選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。
【0133】
例えば、利用者が図26の示す表示画面の2の枠に該当するサンプル5の印刷ジョブ名を選択する場合、印刷ジョブ選択部405は、表示画面の2の枠のサンプル5が選択されたことを判別する。そして、印刷ジョブ選択部405は、選択された2の枠のサンプル5のチェックボックスにチェックを入れた状態に変更されるように、識別情報制御部1907に指示を出す。指示を受けた識別情報制御部1907は、図27のように、選択された2の枠に対応する非接触ICカード1902の2の枠のフラグ領域を−1に変更する。そして、印刷ジョブリスト表示部1906は、非接触ICカード1902のフラグ領域の変更を受けて、表示画面を図28のように、2の枠のチェックボックスにチェックを入れるように変更する。
【0134】
このように、出力する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名が携帯電話1602で選択されると、識別情報制御部1907は、携帯電話1602に搭載されている非接触ICカード1902に保持している印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更する。変更後、利用者がキー入力を介して、削除ボタンを押下すると、削除命令として印刷ジョブ削除イベント取得部1903に送られる。印刷ジョブ削除イベント取得部1903は、この削除命令からDELETEコマンドを生成させるために、ステップS225において、印刷ジョブ制御命令送信部1904に削除命令を送る。
【0135】
削除命令を受け取ると、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ステップS226において、非接触ICカード1902から選択状態になっている印刷ジョブの検出を行う。
【0136】
ステップS226で、印刷ジョブ制御命令送信部1904が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出できなかった場合、ステップS227において、以降の処理を行わず、本処理を終了とする。一方、ステップS226で、印刷ジョブ制御命令送信部1904が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出された場合、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ステップS228において、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード1902から選択状態の印刷ジョブ識別情報と対応する印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得する。選択状態の印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得した印刷ジョブ制御命令送信部1904は、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したDELETEコマンドを生成する。
【0137】
そして、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ネットワークI/F1905を介して、ステップS229において、DELETEコマンドを取得した印刷ジョブデータ送信先アドレスに対して送信する。
【0138】
具体例として図27を参照して説明すると、まず、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、非接触ICカード1902の0〜4までの枠のフラグ領域を検索し、−1(登録かつ選択)となっている枠を検出する。図27のように、2の枠のフラグ領域が−1となっているため、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、選択状態にあるものとして、2の枠の印刷ジョブ識別情報を検出する。選択状態にある印刷ジョブ識別情報を検出した印刷ジョブ制御命令送信部1904は、非接触ICカードI/F406を介して、印刷ジョブ識別情報の0050と、対応する印刷ジョブデータ送信先アドレス192.168.0.1を取得する。そして、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したDELETEコマンドを生成する。印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ネットワークI/F1905を介して、生成したDELETEコマンドを、印刷ジョブデータ送信先アドレス192.168.0.1に対応するプリンタ1603に送信する。
【0139】
携帯電話1602からDELETEコマンドが送信されると、プリンタ1603は、ネットワークI/F309を介して、DELETEコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部1801は、ステップS230において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、そのコマンドが印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したDELETEコマンドであることを認識する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、パスに指定された値を印刷ジョブ識別情報として抽出する。
【0140】
HTTPコマンド解釈部1801がDELETEコマンドを受け取ると、印刷ジョブ制御部1802は、ステップS231において、HTTPコマンド解釈部1801で抽出された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0141】
そして、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ステップS232において、非接触ICカード1902に保持されている情報のうち、選択状態にある印刷ジョブ識別情報を削除する。具体的には、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ステップS226で検出された枠のフラグ領域を−1から0に変更するように、非接触ICカード1902の情報を更新する。これにより、非接触ICカード1902の保持フォーマットは、図29のように、2の枠のフラグ領域が0となり、印刷ジョブデータ送信先アドレス、印刷ジョブ識別情報及び印刷ジョブ名が保持されていない状態となる。
【0142】
非接触ICカード1902の更新後、ステップS226に移行し、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、非接触ICカード1902の中に、他の選択された印刷ジョブ識別情報がないかを確認し、選択された印刷ジョブ識別情報がある場合は、ステップS226からステップS232の処理を繰り返す。また、選択された識別情報がない場合は、この処理を終了する。
【0143】
実施の形態2で説明する画像形成システムは、携帯電話1602の非接触ICカード1902、及び、プリンタ1603の印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータの削除について説明したが、実施の形態1と同様に、印刷ジョブデータに対応する画像の出力も可能である。この場合、実施の形態1で説明した図6、図10、図14の動作を行うことで、画像の出力が可能である。
【0144】
したがって、実施の形態2で説明する画像形成システムは、実施の形態1で説明した機密文書及び重要書類の漏洩を防止することができる効果に加え、携帯電話1602の非接触ICカード1902に保持された印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択することで、非接触ICカード1902に保持された対応する印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報と、プリンタ1603の印刷ジョブ保持部304に保持された対応する印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報を削除することができる。これにより、実施の形態2で説明する画像形成システムは、ホストコンピュータ1601から、出力する必要が無くなった印刷ジョブデータを削除することもできる。さらに、この削除命令(DELETEコマンド)は、公衆パケット通信回線1605及びインターネット1606を介して、携帯電話1602からプリンタ1603に送信されるため、利用者が印刷ジョブデータを削除するためにプリンタ1603に移動する必要がなく、遠隔にて行うことができる。したがって、利用者の利便性が向上する。
【0145】
[実施の形態3]
実施の形態3で説明する画像形成システムは、実施の形態1の画像形成システムにネットワークを介して接続されたプリンタが加えられている。以下、この画像形成システムについて説明するが、実施の形態1又は2と重複する部分は説明を省略する。
【0146】
図30は、実施の形態3で説明する画像形成システムのシステム構成図である。実施の形態3で説明する画像形成システムは、図30のように、実施の形態2のホストコンピュータと同様のホストコンピュータ1601と、携帯端末としての携帯電話3002と、画像形成装置としてのプリンタ3003と、第2画像形成装置としての3004と、ネットワーク104とにより構成されている。
【0147】
実施の形態2と同様に、携帯電話3002は、非接触ICカード1902を有しており、ホストコンピュータ1601に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ105、プリンタ3003に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ106、及び、プリンタ3004に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ3005を介して、データの送受信が可能となっている。
【0148】
図31は、実施の形態3で説明する画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ3003,3004は、実施の形態1で説明したプリンタにジョブデータ取得部としての転送印刷ジョブデータ取得部3103と、ジョブデータ転送部としての印刷ジョブデータ転送部3104とを加えた構成で、HTTPコマンド解釈部3101と、識別情報取得部3102と、画像形成部3105の動作が異なっている。このプリンタ3003とプリンタ3004は、略同じ構成を有している。また、非接触ICカードリーダ/ライタ3005は、非接触ICカードリーダ/ライタ106と同じ動作を行う。
【0149】
印刷ジョブデータ転送部3104は、ネットワークI/F309を介して、印刷ジョブデータの転送命令と転送対象となる印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブデータ転送部3104は、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを印刷ジョブ保持部304から取得し、取得した印刷ジョブデータを転送要求元に送信する。
【0150】
転送印刷ジョブデータ取得部3103は、識別情報取得部3102から印刷ジョブデータ転送先アドレスを取得する。そして、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、他のプリンタが保持する印刷ジョブデータを取得するために、他のプリンタに後述する印刷ジョブ識別情報がパスとして指定されたGETコマンドを転送命令として生成する。転送印刷ジョブデータ取得部3103は、取得した印刷ジョブデータ転送先アドレスに対応するプリンタに転送命令を送信し、印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを取得する。
【0151】
HTTPコマンド解釈部3101は、実施の形態1で説明した動作の他に、ネットワークI/F309を介して、他のプリンタから送信される後述する印刷ジョブ識別情報がパスとして指定されたGETコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部3101は、印刷ジョブデータ転送部3104に印刷ジョブデータを転送要求元に送信させる。
【0152】
識別情報取得部3102は、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106,3005に、印刷ジョブ識別情報及び印刷ジョブデータ送信先アドレスの読み込みコマンドを送信する。そして、識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ106,3005に、近接する携帯電話3002に搭載された非接触ICカード1902から選択状態にある印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスを読み込ませる。読み込ませた印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスは、識別情報取得部3102に送られる。識別情報取得部3102は、印刷ジョブデータ送信アドレスを判別し、印刷ジョブデータ送信先アドレスに応じて、印刷ジョブ識別情報照合部307、あるいは、転送印刷ジョブデータ取得部3103のどちらかを動作させる。
【0153】
画像形成部3105は、実施の形態1のように、印刷ジョブ識別情報照合部307から印刷ジョブデータを受け取るだけでなく、転送印刷ジョブデータ取得部3103から印刷ジョブデータを受け取る。そして、画像形成部3105は、受け取った印刷ジョブデータの解析を行い、解析した印刷ジョブデータに基づいて所定の用紙に画像形成を行う。
【0154】
図32は、実施の形態3で説明する画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。携帯電話3002は、実施の形態1で説明した携帯電話と同じ構成であるが、非接触ICカード1902の保持フォーマットは、実施の形態2で説明した非接触ICカードの保持フォーマットと同様である。
【0155】
以下、このような構成を有する実施の形態3で説明する画像形成システムの動作について図面を参照して説明する。
【0156】
実施の形態3で説明する画像形成システムの動作について、まず、このプリンタ3003,3004に送信される印刷ジョブ識別情報をパスに指定されたGETコマンドについて説明する。
【0157】
実施の形態3の画像形成システムは、実施の形態1と同様に、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)が使用される。図33に、HTTPコマンドと、パス指定の組み合わせによるリクエストと、このリクエストに対するレスポンスの取り決めを示す。ここでは、実施の形態1で説明したGETコマンドと、POSTコマンドとに関しての取り決めの他に、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドに関しての取り決めが示されている。
【0158】
ここで説明するGETコマンドは、実施の形態1で説明したパス指定の無いGETコマンドとは異なり、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したもので、コマンドを用いて他のプリンタから印刷ジョブデータを受信するためのコマンドである。
【0159】
この画像形成システムのホストコンピュータ1601は、利用者によって、アプリケーションプログラム201でアプリケーション形式の画像データの印刷操作が行われると、実施の形態1と同様に動作する。この印刷操作においてプリンタ3003が印刷ジョブデータの送信先として選択されると、プリンタ3003から印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブデータとこの印刷ジョブ識別情報がプリンタ3003に送信され、プリンタ3003の印刷ジョブ保持部304に保持される。また、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス(プリンタ3003のIPアドレス)及び印刷ジョブ識別情報が携帯電話3002に送信され、携帯電話3002の非接触ICカード1902に実施の形態2で説明した保持フォーマットに関連付けられて保持される。
【0160】
次に、利用者は、送信された印刷ジョブデータに対応する画像を出力させるために、携帯電話3002を操作し、非接触ICカード1902に書き込まれた印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。非接触ICカード1902の保持フォーマットは異なるものの、印刷ジョブ識別情報の選択に関しては実施の形態1と同様である。
【0161】
出力する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名が携帯電話3002で選択されると、識別情報制御部404は、携帯電話3002に搭載されている非接触ICカード1902に保持している印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更する。変更後、選択状態となっている印刷ジョブ識別情報を生成していないプリンタ3004に利用者が移動する。以下、利用者に選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブデータに対応する画像の出力について説明する。なお、ここでは、プリンタ3003のIPアドレスを192.168.0.1とし、プリンタ3004のIPアドレスを192.168.0.2とする。また、プリンタ3003とプリンタ3004とは同じ構成で、同じ動作するものである。図34は、実施の形態3で説明する画像形成システムのプリンタでの各処理を示すフロー図である。
【0162】
まず、非接触ICカード検知部305は、ステップS301において、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に近接する非接触ICカード1902、すなわち非接触ICカード1902を搭載する携帯電話3002の存在を確認する。このとき、利用者は、非接触ICカード1902が搭載された携帯電話3002を非接触ICカードリーダ/ライタ3005に近接させる。
【0163】
ステップS301で、非接触ICカード検知部305が非接触ICカード1902の存在を確認できなかった場合、ステップS302において、ステップS301に戻り、非接触ICカード1902の存在の確認を続ける。一方、ステップS301で、非接触ICカード検知部305が非接触ICカード1902の存在を確認した場合、ステップS303に移行し、識別情報取得部3102にその旨を通知する。
【0164】
非接触ICカード検知部305から、非接触ICカード1902の存在が確認された旨の通知を受け取ると、識別情報取得部3102は、ステップS303において、USBI/F310によって、プリンタ3004と接続されている非接触ICカードリーダ/ライタ3005を介して、非接触ICカード1902の印刷ジョブ識別情報の中から、選択状態となっている印刷ジョブ識別情報を検出する。
【0165】
ステップS303で、識別情報取得部3102が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出できなかった場合、ステップS304において、以降の処理を行わず、本処理を終了とする。一方、ステップS303で、識別情報取得部3102が選択状態の印刷ジョブ識別情報を検出した場合、識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に検出された印刷ジョブ識別情報を非接触ICカード1902から読み込ませる。そして、識別情報取得部3102は、ステップS305において、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に読み取らせた印刷ジョブ識別情報を取得する。
【0166】
印刷ジョブ識別情報を取得した後、識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に検出された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータ送信先アドレスを非接触ICカード1902から読み込ませる。そして、識別情報取得部3102は、ステップS306において、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に読み取らせた印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得する。
【0167】
具体例として図27を参照して説明すると、まず、識別情報取得部3102は、非接触ICカード1902の0〜4までの枠のフラグ領域を検索し、−1(登録かつ選択)となっている枠を検出する。図27のように、2の枠のフラグ領域が−1となっているため、識別情報取得部3102は、選択状態のものとして2の枠の印刷ジョブ識別情報を検出する。選択状態にある印刷ジョブ識別情報を検出した識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ3005にその印刷ジョブ識別情報を読み込ませる。非接触ICカードリーダ/ライタ3005は、非接触ICカード1902の2の枠の印刷ジョブ識別情報の0050の値を読み込む。次に、識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ3005にその印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータ送信先アドレスを読み込ませる。非接触ICカードリーダ/ライタ3005は、非接触ICカード1902の2の枠の印刷ジョブデータ送信先アドレスの192.168.0.1を読み込む。
【0168】
印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得した後、識別情報取得部3102は、ステップS307において、取得した印刷ジョブデータ送信先アドレスが自己のプリンタ3004のIPアドレスであるか否かを確認する。
【0169】
ステップS307において、印刷ジョブデータ送信先アドレスが自己のプリンタ3004のIPアドレスである場合、印刷ジョブ識別情報照合部307は、その印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブ識別情報照合部307は、ステップS315において、印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータの中から、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを検索するように、印刷ジョブ保持部304の印刷ジョブ識別情報を照合する。
【0170】
印刷ジョブ識別情報照合部307で照合が行われた後、画像形成部3105は、検索された印刷ジョブデータを印刷ジョブ識別情報照合部307から受け取る。そして、画像形成部3105は、ステップS316において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に形成し、画像形成を行う。
【0171】
印刷ジョブ識別情報照合部307が画像形成部3105において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像の出力が行われたことを確認すると、印刷ジョブ識別情報照合部307は、ステップS317において、画像形成に用いた印刷ジョブデータを、印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0172】
一方、ステップS307において、印刷ジョブデータ送信先アドレスが自己のプリンタ3004のIPアドレスでない場合、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、検索されたの印刷ジョブ識別情報及び印刷ジョブデータ送信先アドレスを受け取る。そして、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、印刷ジョブデータ送信先アドレスを印刷ジョブデータ転送先アドレスとして置き換え、さらに、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドを生成する。転送印刷ジョブデータ取得部3103は、印刷ジョブデータ転送先アドレスに対応するプリンタ3003に、取得した印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータの転送要求としてGETコマンドを送信する。
【0173】
具体的に、非接触ICカード1902から取得した印刷ジョブデータ送信先アドレスがプリンタ3003のIPアドレスである192.168.0.1であるため、プリンタ3004のIPアドレスの192.168.0.2とは異なる。この比較によって、識別情報取得部3102は、印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスを転送印刷ジョブデータ取得部3103に渡す。印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスを受け取った転送印刷ジョブデータ取得部3103は、印刷ジョブデータ送信先アドレスを印刷ジョブデータ転送先アドレスに置き換える。さらに、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、印刷ジョブ識別情報をパスとしたGETコマンドを生成する。そして、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、生成したGETコマンドを、印刷ジョブデータ転送先アドレスに対応するプリンタ3003に送信する。
【0174】
プリンタ3004からGETコマンドが送信されると、プリンタ3003は、プリンタ3003のネットワークI/F309を介して、GETコマンドを受信する。プリンタ3003のHTTPコマンド解釈部3101は、ステップS309において、受信したコマンドをプリンタ3003のネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、プリンタ3003のHTTPコマンド解釈部3101は、そのコマンドが印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドであることを認識する。
【0175】
プリンタ3003のHTTPコマンド解釈部3101が印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドを受け取ると、プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104は、その印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104は、ステップS310において、印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータの中から、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを検索する。
【0176】
プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104で検索が行われた後、印刷ジョブ保持部304に保持されている検索された印刷ジョブデータ取得する。プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104は、ステップS311において、ネットワークI/F309を介して、プリンタ3004に、取得した印刷ジョブデータをGETコマンドのレスポンスとして返信する。
【0177】
プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104が印刷ジョブデータをレスポンスとして返信すると、プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104は、ステップS312において、返信した印刷ジョブデータを、印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0178】
プリンタ3003から印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドのレスポンスとして印刷ジョブデータが返信されると、プリンタ3004は、ネットワークI/F309を介して受信する。転送印刷ジョブデータ取得部3103は、ステップS313において、受信した印刷ジョブ識別情報をネットワークI/F309から受け取り、選択状態にある印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを取得する。
【0179】
印刷ジョブデータを取得した後、画像形成部3105は、取得された印刷ジョブデータを転送印刷ジョブデータ取得部3103から受け取る。そして、画像形成部3105は、ステップS314において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に形成し、画像形成を行う。
【0180】
ステップS314又はステップS317において、画像形成部3105で画像形成が行われた後、識別情報取得部3102は、ステップS318において、非接触ICカード1902に保持されている印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報のうち、画像の出力を行った印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を削除する。具体的に、識別情報取得部3102は、ステップS303で検出された枠のフラグ領域を−1から0に変更するように非接触ICカード1902の情報を更新する。
【0181】
したがって、実施の形態3で説明する画像形成システムは、実施の形態1で説明した機密文書及び重要書類の漏洩を防止することができる効果に加え、出力のために利用者が有する非接触ICカード1902を搭載した携帯電話3002を近接させたプリンタ3004に、他のプリンタ3003に保持されている印刷ジョブデータを転送させることで、印刷ジョブデータを保持していないプリンタ3004であっても、画像の出力が可能となる。すなわち、印刷ジョブ識別情報を生成させ、印刷ジョブデータを保持させたプリンタ3003以外のプリンタでも印刷ジョブデータに対応する画像の出力が可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0182】
本発明では、携帯電話とプリンタ、ホストコンピュータ間の通信手段として非接触ICカードを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、赤外線通信、非接触ICカード、USB接続など、1対1で通信端末が特定可能な通信手段であれば、全て本発明に適用可能である。
【0183】
また、本発明では、印刷ジョブに関する情報を携帯電話の非接触ICカードに保持するようにしているが、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報といった印刷ジョブに関する情報を携帯電話のアプリケーションプログラム用に用意されているデータ保持領域にコピーし、印刷ジョブに関する情報をこのデータ保持領域に保持しても良い。またこの場合、非接触ICカードは、通信手段のみを利用してもよい。具体的には、携帯電話がホストコンピュータから印刷ジョブに関する情報を受信する際、非接触ICカードによって取得した印刷ジョブに関する情報を携帯電話の保持領域に保持させるようにしても良く、携帯電話がプリンタに印刷ジョブに関する情報を送信する際は、携帯電話の保持領域から印刷ジョブに関する情報を非接触ICカードに渡し、非接触ICカードを介して、保持領域からプリンタに送信するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】実施の形態1の画像形成システムのシステム構成図を示す図である。
【図2】実施の形態1の画像形成システムのホストコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1の画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1の画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1の画像形成システムのホストコンピュータからプリンタに送信されるコマンドを説明する図である。
【図6】実施の形態1の画像形成システムの主にホストコンピュータでの各処理を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1の画像形成システムの非接触ICカードの保持フォーマットを説明する図である。
【図8】実施の形態1の画像形成システムの非接触ICカードに、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を書き込む前の保持フォーマットを示す図である。
【図9】実施の形態1の画像形成システムの非接触ICカードに、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を書き込んだ後の保持フォーマットを示す図である。
【図10】実施の形態1の画像形成システムの携帯電話での各処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1の画像形成システムにおける、印刷ジョブ名が選択される前の携帯電話の表示画面を示す図である。
【図12】実施の形態1の画像形成システムにおける、選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とした後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す図である。
【図13】実施の形態1の画像形成システムにおける、印刷ジョブ名が選択された後の携帯電話の表示画面を示す図である。
【図14】実施の形態1の画像形成システムのプリンタでの各処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態1の画像形成システムにおける、選択された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータに対応する画像を出力した後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す図である。
【図16】実施の形態2の画像形成システムのシステム構成図を示す図である。
【図17】実施の形態2の画像形成システムのホストコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図18】実施の形態2の画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態2の画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図20】実施の形態2の画像形成システムのプリンタに送信されるコマンドを説明する図である。
【図21】実施の形態2の画像形成システムの主にホストコンピュータでの各処理を示すフローチャートである。
【図22】実施の形態2の画像形成システムの非接触ICカードの保持フォーマットを説明する図である。
【図23】実施の形態2の画像形成システムの非接触ICカードに、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を書き込む前の保持フォーマットを示す図である。
【図24】実施の形態3の画像形成システムの非接触ICカードに、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を書き込んだ後の保持フォーマットを示す図である。
【図25】実施の形態2の画像形成システムの主に携帯電話での各処理を示すフローチャートである。
【図26】実施の形態2の画像形成システムにおける、印刷ジョブ名が選択される前の携帯電話の表示画面を示す図である。
【図27】実施の形態2の画像形成システムにおける、選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を選択状態とした後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す図である。
【図28】実施の形態2の画像形成システムにおける、印刷ジョブ名が選択された後の携帯電話の表示画面を示す図である。
【図29】実施の形態2の画像形成システムにおける、選択された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を削除した後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す図である。
【図30】実施の形態3の画像形成システムのシステム構成図を示す図である。
【図31】実施の形態3の画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。
【図32】実施の形態3の画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図33】実施の形態3の画像形成システムのプリンタに送信されるコマンドを説明する図である
【図34】実施の形態3の画像形成システムのプリンタでの各処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0185】
101,1601 ホストコンピュータ
201 アプリケーションプログラム
202 プリンタドライバ
203 印刷ジョブ管理部
204 非接触ICカード検知部
205 印刷ジョブ識別情報取得部
206,1701 識別情報出力部
207 印刷ジョブデータ送信部
208 ネットワークI/F
209 USBI/F
102,1602,3002 携帯電話
401,1901 制御プログラム
402,1902 非接触ICカード
403,1906 印刷ジョブリスト表示部
404,1907 識別情報制御部
405 印刷ジョブ選択部
406 非接触ICカードI/F
1903 印刷ジョブ削除イベント取得部
1904 印刷ジョブ制御命令送信部
1905 ネットワークI/F
103,1603,3003,3004 プリンタ
301,1801,3101 HTTPコマンド解釈部
302 印刷ジョブ識別情報生成部
303 印刷ジョブデータ受信部
304 印刷ジョブ保持部
305 非接触ICカード検知部
306,1803,3102 識別情報取得部
307 印刷ジョブ識別情報照合部
308 画像形成部
309 ネットワークI/F
310 USBI/F
1802 印刷ジョブ制御部
3103 転送印刷ジョブデータ取得部
3104 印刷ジョブデータ転送部
104,1604 ネットワーク
105,106,3005 非接触ICカードリーダ/ライタ
1605 公衆パケット通信回線
1606 インターネット
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密文書や重要書類を印刷する際に、印刷結果を他人に見られないようにすることができる画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機密文書や重要文書を印刷する際、利用者以外の人に機密文書や重要文書が見られないようにするために、情報処理装置から印刷に関わるジョブデータを送信した後、画像形成装置の操作パネルからパスワードを入力する画像形成システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−235974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような画像形成システムでは、機密文書や重要書類を印刷しようとする利用者が、パスワードを覚え、画像形成装置の操作パネルでそのパスワードを入力しなければならない。そのため、画像形成装置にてパスワードを入力する手間と、パスワードを覚えておかなければならないという負担を利用者に強いることになる。
【0005】
そこで、本発明の画像形成システムは、機密文書や重要書類を印刷する際に、利用者がパスワードの入力を行なわなくても、印刷結果を他人に見られることなく、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の画像形成システムは、情報処理装置と、画像形成装置と、携帯端末とを有し、前記情報処理装置で生成されたジョブデータに基づいて前記画像形成装置で画像形成する画像形成システムであって、前記情報処理装置は、前記画像形成装置から前記ジョブデータに対応するジョブ識別情報を取得する第1識別情報取得部と、前記携帯端末に前記ジョブデータに対応するジョブ名及び前記ジョブ識別情報を出力する情報出力部と、前記画像形成装置に前記ジョブデータ及び前記ジョブ識別情報を送信するデータ送信部とを有し、前記携帯端末は、前記情報処理装置の前記情報出力部から出力された前記ジョブ名及び前記ジョブ識別情報を保持する情報保持部と、前記情報保持部で保持されている前記ジョブ名を表示する表示部と、前記表示部に表示された前記ジョブ名を選択する選択部と、前記選択部で選択された前記ジョブ名に対応する前記ジョブ識別情報を選択状態とする識別情報制御部とを有し、前記画像形成装置は、前記情報処理装置の前記第1識別情報取得部の求めに応じて前記ジョブデータに対応する前記ジョブ識別情報を生成する識別情報生成部と、前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータ及び前記ジョブ識別情報を受信するデータ受信部と、前記携帯端末の前記識別情報制御部によって選択状態とされた前記ジョブ識別情報を取得する第2識別情報取得部と、前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータの中から、前記第2識別情報取得部で取得した前記ジョブ識別情報に対応するジョブデータを検索するように、前記ジョブ識別情報を照合する識別情報照合部と、前記識別情報照合部による照合によって検索された選択状態にある前記ジョブ識別情報に対応する前記ジョブデータに基づいて画像形成を行う画像形成部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成システムは、出力を行う画像のジョブデータに対応するジョブ識別情報を生成させる。そして、ジョブ識別情報を利用者が所有する携帯端末に送信するとともに、ジョブデータ及びジョブ識別情報を画像形成装置に送信する。ジョブデータが送信された画像形成装置は、携帯端末に送信されジョブ識別情報で利用者によって選択されることで、ジョブデータに対応する画像形成が行われる。このように、利用者が所有する携帯端末を使って選択しない限り、ジョブデータに対応する画像形成が行われない。そのため、他人にその画像が見られるおそれが無くなり、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の画像形成システムについて図面を参照しながら説明する。
【0009】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1で説明する画像形成システムのシステム構成図である。実施の形態1で説明する画像形成システムは、図1のように、情報処理装置としてのホストコンピュータ101と、携帯端末としての携帯電話102と、画像形成装置としてのプリンタ103と、ネットワーク104とにより構成されている。
【0010】
このホストコンピュータ101とプリンタ103とは、例えばイーサネット(登録商標)等のネットワーク104を介して接続されている。また、携帯電話102は、後述する近接型の非接触ICカード402を有しており、ホストコンピュータ101に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ105、及び、プリンタ103に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ106を介して、データの送受信が可能となっている。
【0011】
図2は、実施の形態1で説明する画像形成システムのホストコンピュータの構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ101は、アプリケーションプログラム201と、プリンタドライバ202と、印刷ジョブ管理部203と、非接触ICカード検知部204と、第1識別情報取得部としての印刷ジョブ識別情報取得部205と、情報出力部としての識別情報出力部206と、データ送信部としての印刷ジョブデータ送信部207と、ネットワークI/F(インターフェース)208と、USB(Universal Serial Bus)I/F209とを有している。
【0012】
そして、このホストコンピュータ101は、パーソナルコンピュータのような情報処理装置であって、印刷されるページの内容をPDL(Page Description Language)データに変換し、変換されたPDLデータをネットワーク104を介してプリンタ103に送信する。
【0013】
ネットワークI/F208は、ネットワーク104の下位層に位置するプロトコルを解釈し、ネットワーク104に接続されたプリンタ103等の他の装置に対してデータの送受信を行う。実施の形態1で説明する画像形成システムにおいては、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)(HyperText Transfer Protocol(Transmission Control Protocol/Internet Protocol))を使用する。
【0014】
アプリケーションプログラム201は、プリンタ103での印刷の対象となる画像データの解釈を行うプログラムで、アプリケーション形式の画像データを作成したり、作成されている画像データを読み出したりすることができる。このアプリケーションプログラム201は、利用者による画像データの印刷の指示によって、プリンタドライバ202を呼び出す。
【0015】
プリンタドライバ202は、画像データの印刷時に、オペレーティングシステムを介し、アプリケーションプログラム201から呼び出されるプログラムである。このプリンタドライバ202は、アプリケーションプログラム201で解釈可能なアプリケーション形式の画像データを、この画像データを送信するプリンタ103で解釈可能な印刷データである印刷ジョブデータに変換する。また印刷ジョブデータが作成される際、印刷ジョブ名と印刷ジョブデータの送信先となるプリンタ103のIP(Internet Protocol)アドレスである印刷ジョブデータ送信先アドレスとをその印刷ジョブデータに対応させる。
【0016】
印刷ジョブ管理部203は、プリンタドライバ202から印刷ジョブデータと、印刷ジョブ名と、印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得する。そして、取得したこれらの情報を一時的に保持し、管理する。
【0017】
印刷ジョブ識別情報取得部205は、プリンタ103から印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得する。この印刷ジョブ識別情報取得部205は、印刷ジョブ識別情報を取得する際、印刷ジョブ管理部203から印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得する。そして、このアドレスに対応するプリンタ103にHTTPコマンドを送信して送信対象となるジョブデータに対する印刷ジョブ識別情報を要求し、後述するプリンタ103の印刷ジョブ識別情報生成部302で生成した印刷ジョブ識別情報を取得する。
【0018】
印刷ジョブデータ送信部207は、印刷ジョブ管理部203で保持されている印刷ジョブデータ及び印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得し、印刷ジョブ識別情報取得部205で取得した印刷ジョブ識別情報を取得する。そして、印刷ジョブデータ送信部207は、取得した印刷ジョブデータ及び印刷ジョブ識別情報をHTTPコマンドとして、取得した印刷ジョブデータ送信先アドレスに対応するプリンタ103に送信する。
【0019】
USBI/F209は、USBの下位層に位置するプロトコルを解釈し、このホストコンピュータ101にUSBで接続された非接触ICカードリーダ/ライタ105に対してデータの送受信を行う。
【0020】
非接触ICカード検知部204は、USBI/F209を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ105にポーリングコマンドを送信し、非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接する非接触ICカードの有無を確認させる。
【0021】
識別情報出力部206は、印刷ジョブ管理部203から印刷ジョブ名と、印刷ジョブ識別情報取得部205から印刷ジョブ識別情報とを取得する。そして、識別情報出力部206は、USBI/F209を介して、取得した印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を携帯電話102の非接触ICカード402に書き込ませるコマンドを非接触ICカードリーダ/ライタ105に出力する。
【0022】
このホストコンピュータ101に接続される非接触ICカードリーダ/ライタ105は、非接触ICカード検知部204から受け取ったポーリングコマンドによって、非接触ICカード402を搭載する携帯電話102が近接に存在することを認識する。そして、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、近接する携帯電話102の非接触ICカード402が保持するデータを読み込んだり、非接触ICカード402にデータを書き込んだりすることができる。実施の形態1において、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、識別情報出力部206から送信された印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報とを非接触ICカード402に書き込む。
【0023】
図3は、実施の形態1で説明する画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ103は、HTTPコマンド解釈部301と、識別情報生成部としての印刷ジョブ識別情報生成部302と、データ受信部としての印刷ジョブデータ受信部303と、印刷ジョブ保持部304と、非接触ICカード検知部305と、第2識別情報取得部としての識別情報取得部306と、識別情報照合部としての印刷ジョブ識別情報照合部307と、画像形成部308と、ネットワークI/F309と、USBI/F310とを有している。
【0024】
このプリンタ103は、例えば電子写真プリンタやインクジェットプリンタなどの画像形成装置であって、ホストコンピュータ101からHTTPコマンドを用いて送信された印刷ジョブデータに基づいて画像形成部308で所定の用紙に画像形成を行う。
【0025】
ネットワークI/F309は、ネットワーク104の下位層に位置するプロトコルを解釈し、ネットワーク104に接続されたホストコンピュータ101等の他の装置に対してデータの送受信を行う。実施の形態1で説明する画像形成システムにおいては、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)(HyperText Transfer Protocol(Transmission Control Protocol/Internet Protocol))を利用する。
【0026】
HTTPコマンド解釈部301は、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101から送信されるHTTPコマンドコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部301は、受信したHTTPコマンドに応じて、印刷ジョブ識別情報生成部302で印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を生成させる処理や、印刷ジョブ保持部304で印刷ジョブ識別情報をパスに指定して印刷ジョブデータを保持させる処理を行わせる。
【0027】
印刷ジョブ識別情報生成部302は、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101の印刷ジョブ識別情報取得部205から受信したHTTPコマンドに応じて、印刷ジョブ識別情報を生成する。生成した印刷ジョブ識別情報は、ネットワークI/F309を介してホストコンピュータ101に送信される。
【0028】
印刷ジョブデータ受信部303は、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101の印刷ジョブデータ送信部207から印刷ジョブデータ及び印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を受信する。
【0029】
印刷ジョブ保持部304は、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101の印刷ジョブデータ送信部207から受信したHTTPコマンドに応じて、受信した印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報とを関連付けて保持する。
【0030】
USBI/F310は、USBの下位層に位置するプロトコルを解釈し、このプリンタ103にUSBで接続された非接触ICカードリーダ/ライタ106に対してデータの送受信を行う。
【0031】
非接触ICカード検知部305は、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106にポーリングコマンドを送信し、非接触ICカードリーダ/ライタ106に近接する非接触ICカードの有無を確認させる。
【0032】
識別情報取得部306は、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106に、印刷ジョブ識別情報の読み込みコマンドを送信する。そして、識別情報取得部306は、非接触ICカードリーダ/ライタ106に、近接する携帯電話102に搭載された非接触ICカード402から選択状態にある印刷ジョブ識別情報を読み込ませる。識別情報取得部306は、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106が読み込んだ印刷ジョブ識別情報を取得する。
【0033】
印刷ジョブ識別情報照合部307は、印刷ジョブ保持部304に保持された印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報と、識別情報取得部306が取得した印刷ジョブ識別情報とを照合する。そして、この印刷ジョブ識別情報照合部307は、照合された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを取得する。
【0034】
画像形成部308は、印刷ジョブ識別情報照合部307が取得した印刷ジョブデータを受け取り、受け取った印刷ジョブデータの解析を行う。そして、画像形成部308は、解析した印刷ジョブデータに基づいて所定の用紙に画像形成を行う。
【0035】
このプリンタ103に接続される非接触ICカードリーダ/ライタ106は、非接触ICカード検知部305から受け取ったポーリングコマンドによって、非接触ICカード402を搭載する携帯電話102が近接に存在することを認識する。そして、非接触ICカードリーダ/ライタ106は、近接する携帯電話102の非接触ICカード402が保持するデータを読み込んだり、非接触ICカード402にデータを書き込んだりすることができる。実施の形態1において、非接触ICカードリーダ/ライタ106は、携帯電話102の非接触ICカード402から、選択状態として保持されている印刷ジョブ識別情報を読み込む。
【0036】
図4は、実施の形態1で説明する画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。携帯電話102は、例えば、通話機能、パケット通信機能を有する携帯端末であって、さらに、非接触ICカード402が搭載されている。またさらに、携帯電話102は、画面表示、パケット通信等の制御プログラムも搭載可能となっている。この携帯電話102は、制御プログラム401と、非接触ICカードI/F406とを有している。
【0037】
非接触ICカードI/F406は、携帯電話102に搭載される制御プログラム401による処理に応じて、非接触ICカード402のデータの読み書きを行う。
【0038】
非接触ICカード402は、非接触ICカードリーダ/ライタ105,106、及び、制御プログラム401によって読み書きされるデータが保持される。この非接触ICカード402には、非接触ICカードリーダ/ライタ105,106、及び、制御プログラム401によってデータの変更を含むデータの書き込みが行われる。また、この非接触ICカード402に保持されるデータは、非接触ICカードリーダ/ライタ105,106、及び、制御プログラム401によって読み出される。実施の形態1において、非接触ICカード402は、印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報を関連付けて保持するものとする。
【0039】
制御プログラム401は、携帯電話102に搭載される制御プログラムで、表示部としての印刷ジョブリスト表示部403と、識別情報制御部404と、選択部としての印刷ジョブ選択部405とにより構成されている。この制御プログラム401は、これら印刷ジョブリスト表示部403と、識別情報制御部404と、印刷ジョブ選択部405を制御して、非接触ICカードI/F406を介して非接触ICカード402に保持されている印刷ジョブ名を表示画面に表示させたり、画像形成システムの利用者の操作に応じて印刷ジョブ識別情報を選択状態として非接触ICカード402に保持させたりすることができる。
【0040】
印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカードI/F406を介して非接触ICカード402に保持されている印刷ジョブ名を読み出す。そして、印刷ジョブリスト表示部403は、読み出した印刷ジョブ名を所定の表示画面に表示させ、利用者にプリンタ103で印刷する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択させる。
【0041】
印刷ジョブ選択部405は、印刷ジョブリスト表示部403によって表示された印刷ジョブ名のうち、利用者の携帯電話102のキー入力に応じて、プリンタ103で画像の出力を行う印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択する。このとき、印刷ジョブ選択部405は、印刷ジョブ名の選択を表示画面に反映させる。
【0042】
識別情報制御部404は、印刷ジョブ選択部405で利用者に選択された印刷ジョブ名を認識する。そして、識別情報制御部404は、認識した印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とし、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード402に保持されている印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更させる。
【0043】
以下、このような構成を有する実施の形態1で説明する画像形成システムの動作について図面を参照して説明する。まず、このホストコンピュータ101がプリンタ103に送信するGETコマンド及びPOSTコマンドについて説明する。
【0044】
実施の形態1の画像形成システムは、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)が使用される。このとき、HTTPコマンド及びパス指定の組み合わせによってデータの所定の送受信を行う。図5に、HTTPコマンドと、パス指定の組み合わせによるリクエストと、このリクエストに対するレスポンスの取り決めを示す。ここでは、ホストコンピュータ101からプリンタ103に対するGETコマンドとしての印刷ジョブ識別情報の取得要求と、POSTコマンドとしての印刷ジョブデータの送信に関しての取り決めが示されている。
【0045】
GETコマンドは、パス指定のないコマンドで、レスポンスとして印刷ジョブ識別情報をプリンタ103に返信させ、印刷ジョブ識別情報を印刷ジョブ識別情報取得部205で取得するためのコマンドである。また、POSTコマンドは、印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したもので、このコマンドを用いて、印刷ジョブデータ送信部207から送信コンテンツである印刷ジョブデータの実体を送信する。POSTコマンドを受信したプリンタ103は、POSTコマンドを解釈し、印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報を関連付けて保持する。
【0046】
次に、主にホストコンピュータ101での動作について説明する。図6は、実施の形態1で説明する画像形成システムの主にホストコンピュータでの各処理のフローを示す図である。
【0047】
まず、ホストコンピュータ101は、画像形成システムを利用する利用者によって、アプリケーションプログラム201でアプリケーション形式の画像データの印刷操作が行われると、以下のように動作する。まず、アプリケーションプログラム201は、ステップS101において、画像データを解釈し、プリンタドライバ202を呼び出す。
【0048】
アプリケーションプログラム201に呼び出されたプリンタドライバ202は、ステップS102において、アプリケーションプログラム201に用いられて、印刷ジョブデータを生成する。このとき、印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に出力する画像形成装置としてプリンタ103を選択し、プリンタ103で解釈可能な印刷ジョブデータを生成する。そして、プリンタドライバ202は、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレスを印刷ジョブデータに関連付けるように生成する。
【0049】
印刷ジョブデータが生成された後、印刷ジョブ管理部203は、ステップS103において、プリンタドライバ202から印刷ジョブデータ、印刷ジョブ名、及び、印刷ジョブデータ送信先アドレス(プリンタ103のIPアドレス)を取得し、一時的に保持する。
【0050】
次に、非接触ICカード検知部204は、ステップS104において、非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接する非接触ICカード402、すなわち非接触ICカード402を搭載する携帯電話102の存在を確認する。このとき、利用者は、非接触ICカード402が搭載された携帯電話102を非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接させる。
【0051】
ステップS104で、非接触ICカード検知部204が非接触ICカード402の存在を確認できなかった場合、ステップS105において、ステップS104に戻り、非接触ICカード402の存在の確認を続ける。一方、ステップS104で、非接触ICカード検知部204が非接触ICカード402の存在を確認した場合、ステップS106に移行し、印刷ジョブ識別情報取得部205にその旨を通知する。
【0052】
非接触ICカード検知部204から、非接触ICカード402の存在が確認された旨の通知を受け取ると、印刷ジョブ識別情報取得部205は、ステップS106において、ネットワークI/F208によって、ホストコンピュータ101と接続されているネットワーク104を介して、印刷ジョブデータ送信先アドレスに対応するプリンタ103に、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得するためのGETコマンドを送信する。
【0053】
ホストコンピュータ101からGETコマンドが送信されると、プリンタ103は、ネットワークI/F309を介して、GETコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部301は、ステップS107において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部301は、そのコマンドがパス指定なしのGETコマンドであることを認識する。
【0054】
HTTPコマンド解釈部301がGETコマンドを受け取ると、印刷ジョブ識別情報生成部302は、このGETコマンドに応じて、印刷ジョブデータを管理するための印刷ジョブ識別情報を生成する。ここで生成される印刷ジョブ識別情報は、0〜9999までの値であるが、このとき、プリンタ103は、印刷ジョブ識別情報の取得要求に対して1刻みのインクリメントを実施することにより印刷ジョブ識別情報を生成する。印刷ジョブ識別情報生成部302は、ステップS108において、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ101に、生成した印刷ジョブ識別情報をGETコマンドのレスポンスとして返信する。
【0055】
プリンタ103からGETコマンドのレスポンスとして印刷ジョブ識別情報が返信されると、ホストコンピュータ101は、ネットワークI/F208を介して受信する。印刷ジョブ識別情報取得部205は、ステップS109において、受信した印刷ジョブ識別情報をネットワークI/F208から受け取り、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得する。印刷ジョブ識別情報取得部205は、取得した印刷ジョブ識別情報を一時的に保持する。
【0056】
印刷ジョブ識別情報取得部205が印刷ジョブ識別情報を取得すると、識別情報出力部206は、印刷ジョブ管理部203で一時的に保持されている印刷ジョブ名と、印刷ジョブ識別情報取得部205で一時的に保持されている印刷ジョブ識別情報とを受け取る。そして、識別情報出力部206は、USBI/F209を介して、非接触ICカード402に印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報とを書き込むためのコマンドを非接触ICカードリーダ/ライタ105に送信する。非接触ICカードリーダ/ライタ105は、ステップS110において、受信したコマンドに応じて、近接する非接触ICカード402に印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報とを書き込む。
【0057】
ここで、印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報が書き込まれる非接触ICカード402の保持フォーマットについて説明する。図7は、非接触ICカードにおける、印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報の保持フォーマットを説明する図である。例えば、この非接触ICカード402は、フラグ領域と、印刷ジョブ識別情報領域と、印刷ジョブ名領域とがあり、それぞれ関連付けて最大5個までの印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を登録枠に書き込むことができるようになっている。この5個の登録枠は0〜4のインデックスで管理されている。
【0058】
フラグ領域には、0、1、−1のうち何れかの数値が保持される。フラグ領域が0の場合は、その枠に印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が登録されていないことを示す。また、フラグ領域が1の場合は、その枠に印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が登録されていて、かつ、その印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が非選択状態にあることを示す。さらに、フラグ領域が−1の場合は、その枠に印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が登録されていて、かつ、その印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が選択状態にあることを示す。
【0059】
印刷ジョブ識別情報領域には、その枠に登録されている印刷ジョブ識別情報が保持され、0〜9999までの数値を取りうる。また、印刷ジョブ名領域には、その枠に登録されている印刷ジョブ名が保持され、例えば最大20文字の文字列が格納できる。
【0060】
図8は、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が書き込まれる前の非接触ICカードの保持フォーマットを示し、図9は、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が書き込まれた後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す。ステップS110で非接触ICカード402に印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報との書き込みが行われる場合、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、まず、非接触ICカード402の0〜4までの枠のうち未登録の枠を検出する。図8において、未登録の枠はフラグ領域が0となっている枠は2〜4の枠である。非接触ICカードリーダ/ライタ105は、未登録の枠に印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報をそれぞれの領域に書き込む。さらに、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、フラグ領域を登録かつ非選択を示す1とする。
【0061】
具体的に、サンプル5という印刷ジョブ名と0050という印刷ジョブ識別情報とを登録する場合、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、未登録の枠である2の枠を検出し、2の枠に印刷ジョブ識別情報領域に0050、印刷ジョブ名領域にサンプル5、フラグ領域を1を書き込むと、図9に示されるように印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が2の枠に登録される。
【0062】
印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報とが非接触ICカード402に書き込まれると、印刷ジョブデータ送信部207は、印刷ジョブ管理部203で一時的に保持されている印刷ジョブデータと、印刷ジョブ識別情報取得部205で一時的に保持されている印刷ジョブ識別情報とを受け取る。そして、印刷ジョブデータ送信部207は、ステップS111において、ネットワークI/F208を介して、印刷ジョブ識別情報をパスとして指定し、送信コンテンツを印刷ジョブデータの実体としたPOSTコマンドをプリンタ103に送信する。
【0063】
ホストコンピュータ101からPOSTコマンドが送信されると、プリンタ103は、ネットワークI/F309を介して、POSTコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部301は、ステップS112において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部301は、そのコマンドが印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したPOSTコマンドであることを認識する。そして、HTTPコマンド解釈部301は、パスに指定された値を印刷ジョブ識別情報として抽出する。
【0064】
HTTPコマンド解釈部301がPOSTコマンドを受け取ると、印刷ジョブデータ受信部303は、HTTPコマンド解釈部301で抽出された印刷ジョブ識別情報と、受信した印刷ジョブデータとの関連付けを行う。そして、印刷ジョブデータ受信部303は、ステップS113において、印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報とを印刷ジョブ保持部304に保持させる。このとき、プリンタ103に送信された印刷ジョブデータに対応する画像の出力は行われない。
【0065】
印刷ジョブデータがプリンタ103に送信されると、利用者は、送信された印刷ジョブデータに対応する画像を出力させるために、携帯電話102を操作し、ステップS110で非接触ICカード402に書き込まれた印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。以下、利用者が有する携帯電話102に搭載された非接触ICカード402に登録されている印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報の選択について説明する。図10は、実施の形態1で説明する画像形成システムの携帯電話での各処理のフローを示す図である。
【0066】
まず、ステップS121において、利用者が携帯電話102のキーを入力して、携帯電話102の制御プログラム401が起動する。
【0067】
制御プログラム401が起動すると、印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード402に保持されているフラグ領域の値、及び、印刷ジョブ名を枠毎に取得する。そして、印刷ジョブリスト表示部403は、ステップS122において、取得した情報から、印刷ジョブ名を所定の表示画面に表示させる。
【0068】
ここで、印刷ジョブ名を表示する携帯電話102の表示画面について説明する。図11は、印刷ジョブ名が表示される表示画面を説明する図である。
【0069】
制御プログラム401が起動した際、携帯電話102に搭載される非接触ICカード402に図9に示されているような印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が保持されているとすると、携帯電話102の画面には、図11に示されるような表示画面が表示される。この表示画面には、非接触ICカード402の0〜4の5個の枠に対応するように、5個の枠に分けられている。そして、それぞれの枠には、携帯電話102のキー入力によって選択、非選択を切り替えられるチェックボックスと、枠のインデックスに対応する印刷ジョブ名の表示領域が配置されている。
【0070】
この表示画面は、それぞれの枠に対応する非接触ICカード402のフラグ領域の値に応じて枠の表示が異なる。印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカード402のフラグ領域の値が1(登録かつ非選択)の場合、その枠に保持されている印刷ジョブ名の文字列を読み出し、表示画面の対応する枠の印刷ジョブ名の表示領域に表示させる。このとき、その枠のチェックボックスは、非選択の状態とする。
【0071】
また、印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカード402のフラグ領域の値が0(未登録)の場合、表示画面の対応する枠の印刷ジョブ名の表示領域に未登録の文字列を表示させるとともに、表示領域の対応する枠全体をグレイアウトの状態とする。このとき、その枠のチェックボックスは選択できない状態とする。
【0072】
そして、印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカード402のフラグ領域の値が−1(登録かつ選択)の場合、その枠に保持されている印刷ジョブ名の文字列を読み出し、表示画面の対応する枠の印刷ジョブ名の表示領域に表示させる。このとき、その枠のチェックボックスは、選択の状態とする。
【0073】
このように、携帯電話102の画面に図11のような表示画面が表示されると、利用者は、キー入力を介して、表示画面に表示されている印刷ジョブ名のリストの中から、印刷ジョブデータに対応する画像の出力を行う印刷ジョブ名を選択する。印刷ジョブ選択部405は、利用者のキー入力によって選択された枠を判別し、ステップS123において、利用者のキー入力によって選択された枠にあるチェックボックスにチェックを入れて選択された状態となるように識別情報制御部404に指示を出す。
【0074】
そして、その指示を受けた識別情報制御部404は、ステップS124のように、対応する非接触ICカード402の枠のフラグ領域を1から−1に変更するように更新し、選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。
【0075】
例えば、利用者が図11の示す表示画面の2の枠に該当するサンプル5の印刷ジョブ名を選択する場合、印刷ジョブ選択部405は、表示画面の2の枠のサンプル5が選択されたことを判別する。そして、印刷ジョブ選択部405は、選択された2の枠のサンプル5のチェックボックスにチェックを入れた状態に変更されるように、識別情報制御部404に指示を出す。指示を受けた識別情報制御部404は、図12のように、選択された2の枠に対応する非接触ICカード402の2の枠のフラグ領域を−1に変更する。そして、印刷ジョブリスト表示部403は、非接触ICカード402のフラグ領域の変更を受けて、表示画面を図13のように、2の枠のチェックボックスにチェックを入れるように変更する。
【0076】
このように、出力する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名が携帯電話102で選択されると、識別情報制御部404は、携帯電話102に搭載されている非接触ICカード402に保持している印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更する。変更後、選択状態となっている印刷ジョブ識別情報を生成したプリンタ103に利用者が移動する。以下、利用者に選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブデータに対応する画像の出力について説明する。図14は、実施の形態1で説明する画像形成システムのプリンタでの各処理を示すフロー図である。
【0077】
まず、非接触ICカード検知部305は、ステップS131において、非接触ICカードリーダ/ライタ106に近接する非接触ICカード402、すなわち非接触ICカード402を搭載する携帯電話102の存在を確認する。このとき、利用者は、非接触ICカード402が搭載された携帯電話102を非接触ICカードリーダ/ライタ106に近接させる。
【0078】
ステップS131で、非接触ICカード検知部305が非接触ICカード402の存在を確認できなかった場合、ステップS132において、ステップS131に戻り、非接触ICカード402の存在の確認を続ける。一方、ステップS131で、非接触ICカード検知部305が非接触ICカード402の存在を確認した場合、ステップS133に移行し、識別情報取得部306にその旨を通知する。
【0079】
非接触ICカード検知部305から、非接触ICカード402の存在が確認された旨の通知を受け取ると、識別情報取得部306は、ステップS133において、USBI/F310によって、プリンタ103と接続されている非接触ICカードリーダ/ライタ106を介して、非接触ICカード402の印刷ジョブ識別情報の中から、選択状態となっている印刷ジョブ識別情報を検出する。
【0080】
ステップS133で、識別情報取得部306が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出できなかった場合、ステップS134において、以降の処理を行わず、本処理を終了とする。一方、ステップS133で、識別情報取得部306が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出された場合、識別情報取得部306は、非接触ICカードリーダ/ライタ106に検出された印刷ジョブ識別情報を非接触ICカード402から読み込ませる。そして、識別情報取得部306は、ステップS135において、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106に読み取らせた印刷ジョブ識別情報を取得する。
【0081】
具体例として図12を参照して説明すると、まず、識別情報取得部306は、非接触ICカード402の0〜4までの枠のフラグ領域を検索し、−1(登録かつ選択)となっている枠を検出する。図12のように、2の枠のフラグ領域が−1となっているため、識別情報取得部306は、選択状態のものとして2の枠の印刷ジョブ識別情報を検出する。選択状態にある印刷ジョブ識別情報を検出した識別情報取得部306は、非接触ICカードリーダ/ライタ106にその印刷ジョブ識別情報を読み込ませる。非接触ICカードリーダ/ライタ106は、非接触ICカード402の2の枠の印刷ジョブ識別情報の0050の値を読み込む。
【0082】
識別情報取得部306が印刷ジョブ識別情報を取得すると、印刷ジョブ識別情報照合部307は、その印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブ識別情報照合部307は、ステップS136において、印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータの中から、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを検索するように、印刷ジョブ保持部304の印刷ジョブ識別情報を照合する。
【0083】
印刷ジョブ識別情報照合部307で照合が行われた後、画像形成部308は、検索された印刷ジョブデータを印刷ジョブ識別情報照合部307から受け取る。そして、画像形成部308は、ステップS137において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に形成し、画像形成を行う。
【0084】
印刷ジョブ識別情報照合部307が画像形成部308において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像の出力が行われたことを確認すると、印刷ジョブ識別情報照合部307は、ステップS138において、画像形成に用いた印刷ジョブデータを、印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0085】
そして、識別情報取得部306は、ステップS139において、非接触ICカード402に保持されている印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報のうち、画像の出力を行った印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を削除する。具体的に、識別情報取得部306は、ステップS133で検出された枠のフラグ領域を−1から0に変更するように非接触ICカード402の情報を更新する。これにより、非接触ICカード402の保持フォーマットは、図15のように、2の枠のフラグ領域が0となり、印刷ジョブ識別情報及び印刷ジョブ名が保持されていない状態となる。
【0086】
非接触ICカード402の更新後、ステップS133に移行し、識別情報取得部306は、非接触ICカード402の中に、他の選択された印刷ジョブ識別情報がないかを確認し、選択された識別情報がある場合は、ステップS133からステップS139の処理を繰り返す。また、選択された識別情報がない場合は、この処理を終了する。
【0087】
実施の形態1で説明する画像形成システムは、出力を行う画像の印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を生成させる。そして、印刷ジョブ識別情報を利用者が所有する携帯電話に送信するとともに、印刷ジョブデータ及び印刷ジョブ識別情報をプリンタに送信する。印刷ジョブデータが送信されたプリンタは、携帯電話において選択された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータの画像形成を行う。このように、利用者が所有する携帯電話を使って選択しない限り、印刷ジョブデータに対応する画像の出力が行われないため、他人にその画像が見られるおそれが無くなる。すなわち、実施の形態1で説明する画像形成システムは、利用者のみに機密文書や重要書類を提供することができる。
【0088】
また、ホストコンピュータ101と携帯電話102との間、及び、ホストコンピュータ101とプリンタ103との間における印刷ジョブ識別情報の読み書きは、非接触ICカード402と非接触ICカードリーダ/ライタ105,106との間で行われる。これにより、印刷ジョブ識別情報の読み書きは、非接触ICカード402と非接触ICカードリーダ/ライタ105,106とが近接に存在していなければならない。したがって、非接触ICカード402を搭載する携帯電話102を所有する利用者がホストコンピュータ101、プリンタ103の近くに存在しなければ、印刷ジョブデータに対応する画像の出力が行われない。したがって、より機密文書及び重要書類の漏洩を防止することができる。
【0089】
また、非接触ICカード402を利用することで、携帯電話の通信回線を使用する必要が無くなる。これにより、携帯電話の通信費用が発生せずに、印刷ジョブの選択が可能となる。
【0090】
[実施の形態2]
実施の形態2で説明する画像形成システムは、実施の形態1の画像形成システムに、携帯電話から接続可能な公衆パケット通信回線と、ネットワークから接続可能なインターネットを加え、携帯電話から公衆パケット通信回線及びインターネットを介して、プリンタに接続できるようになっている。以下、この画像形成システムについて説明するが、実施の形態1と重複する部分は説明を省略する。
【0091】
図16は、実施の形態2で説明する画像形成システムのシステム構成図である。実施の形態2で説明する画像形成システムは、図16のように、情報処理装置としてのホストコンピュータ1601と、携帯端末としての携帯電話1602と、画像形成装置としてのプリンタ1603と、ネットワーク1604と、公衆パケット通信回線1605と、インターネット1606により構成されている。
【0092】
ホストコンピュータ1601とプリンタ1603とを接続するネットワーク1604は、インターネット1606と接続されている。また、携帯電話1602は、公衆パケット通信回線1605と接続可能となっており、公衆パケット通信回線1605、及び、インターネット1606を介して、プリンタ1603に接続可能となっている。
【0093】
図17は、実施の形態2で説明する画像形成システムのホストコンピュータの構成を示すブロック図である。このホストコンピュータ1601は、実施の形態1で説明したホストコンピュータと同じ構成であるが、識別情報出力部1701の動作が異なっている。
【0094】
この識別情報出力部1701は、印刷ジョブ管理部203から印刷ジョブ名及び印刷ジョブデータ送信先アドレスと、印刷ジョブ識別情報取得部205から印刷ジョブ識別情報とを取得する。そして、識別情報出力部1701は、USBI/F209を介して、取得した印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を携帯電話1602の非接触ICカード1902に書き込ませるコマンドを非接触ICカードリーダ/ライタ105に出力する。
【0095】
このホストコンピュータ1601に接続される非接触ICカードリーダ/ライタ105は、識別情報出力部1701から出力されるコマンドに応じて、印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報とを非接触ICカード1902に書き込む。
【0096】
図18は、実施の形態2で説明する画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ1603は、実施の形態1で説明したプリンタにジョブ削除部としての印刷ジョブ制御部1802を加えた構成で、HTTPコマンド解釈部1801と、第2識別情報取得部としての識別情報取得部1803との動作が異なっている。
【0097】
この印刷ジョブ制御部1802は、ネットワークI/F309を介して、削除命令と削除対象となる印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブ制御部1802は、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを、印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0098】
HTTPコマンド解釈部1801は、実施の形態1で説明した動作の他に、ネットワークI/F309を介して、公衆パケット通信回線1605、及び、インターネット1606を経由して携帯電話1602から送信される後述するDELETEコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、印刷ジョブ制御部1802に印刷ジョブデータを印刷ジョブ保持部304から削除する処理を行わせる。
【0099】
識別情報取得部1803は、実施の形態1と同様に、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106に、印刷ジョブ識別情報の読み書きを行わせるが、実施の形態2で非接触ICカード1902に保持される印刷ジョブデータ送信先アドレスが保持される領域へのアクセスは行わせないようになっている。これにより、実施の形態1と同様に印刷データに対応する画像の出力が可能となる。
【0100】
図19は、実施の形態2で説明する画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。携帯電話1602は、実施の形態1で説明した携帯電話にネットワークI/F1905を加え、制御プログラム1901として印刷ジョブ削除イベント取得部1903と、印刷ジョブ削除命令送信部としての印刷ジョブ制御命令送信部1904とを加えた構成である。また、携帯電話1602は、非接触ICカード1902の保持フォーマット、及び、印刷ジョブリスト表示部1906と識別情報制御部1907の動作が異なっている。
【0101】
ネットワークI/F1905は、公衆パケット通信回線1605の下位層に位置するプロトコルを解釈し、公衆パケット通信回線1605及びインターネット1606を介してネットワーク1604に接続されたプリンタ1603等に対してデータの送受信を行う。
【0102】
印刷ジョブ削除イベント取得部1903は、印刷ジョブリスト表示部403によって表示された印刷ジョブ名のうち、利用者の携帯電話1602のキー入力で選択した印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブデータを削除するという削除命令を取得する。
【0103】
印刷ジョブ制御命令送信部1904は、印刷ジョブ削除イベント取得部1903で取得した削除命令を解釈する。そして、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ネットワークI/F1905を介して、削除命令に応じたHTTPコマンドとして、DELETEコマンドをプリンタ1603に送信する。また、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、削除命令によって削除される印刷ジョブ名を認識し、非接触ICカードI/F406を介して、認識した印刷ジョブ名と、この印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報とを削除する。
【0104】
印刷ジョブリスト表示部1906は、利用者に削除させる印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択させるために、読み出した印刷ジョブ名、削除ボタンを有する表示画面に表示させる。
【0105】
識別情報制御部1907は、印刷ジョブリスト表示部1906が表示させる削除ボタンを有する表示画面で選択された印刷ジョブ名を認識し、認識した印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。そして、識別情報制御部1907は、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード1902に保持されている印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更する。
【0106】
以下、このような構成を有する実施の形態2で説明する画像形成システムの動作について図面を参照して説明する。まず、この携帯電話1602がプリンタ1603に送信するDELETEコマンドについて説明する。
【0107】
実施の形態2の画像形成システムは、実施の形態1と同様に、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)が使用される。図20に、HTTPコマンドと、パス指定の組み合わせによるリクエストと、このリクエストに対するレスポンスの取り決めを示す。ここでは、実施の形態1で説明したGETコマンドと、POSTコマンドとに関しての取り決めの他に、DELETEコマンドに関しての取り決めが示されている。
【0108】
DELETEコマンドは、削除対象となった印刷ジョブに対応する印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したもので、このコマンドを用いてプリンタ1603の印刷ジョブ保持部304に保持された印刷ジョブデータを削除させるためのコマンドである。プリンタ1603は、このDELETEコマンドを解釈し、印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータを削除する。
【0109】
次に、主にホストコンピュータ1601での動作について説明する。図21は、実施の形態2で説明する画像形成システムの主にホストコンピュータでの各処理のフローを示す図である。
【0110】
まず、ホストコンピュータ1601は、画像形成システムを利用する利用者によって、アプリケーションプログラム201でアプリケーション形式の画像データの印刷操作が行われると、以下のように動作する。まず、アプリケーションプログラム201は、ステップS201において、画像データを解釈し、プリンタドライバ202を呼び出す。
【0111】
アプリケーションプログラム201に呼び出されたプリンタドライバ202は、ステップS202において、アプリケーションプログラム201に用いられて、印刷ジョブデータを生成する。このとき、印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に出力する画像形成装置としてプリンタ1603を選択し、プリンタ1603で解釈可能な印刷ジョブデータを生成する。そして、プリンタドライバ202は、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレスを印刷ジョブデータに関連付けるように生成する。
【0112】
印刷ジョブデータが生成された後、印刷ジョブ管理部203は、ステップS203において、プリンタドライバ202から印刷ジョブデータ、印刷ジョブ名、及び、印刷ジョブデータ送信先アドレス(プリンタ1603のIPアドレス)を取得し、一時的に保持する。
【0113】
次に、非接触ICカード検知部204は、ステップS204において、非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接する非接触ICカード1902、すなわち非接触ICカード1902を搭載する携帯電話1602の存在を確認する。このとき、利用者は、非接触ICカード1902が搭載された携帯電話1602を非接触ICカードリーダ/ライタ105に近接させる。
【0114】
ステップS204で、非接触ICカード検知部204が非接触ICカード1902の存在を確認できなかった場合、ステップS205において、ステップS204に戻り、非接触ICカード1902の存在の確認を続ける。一方、ステップS204で、非接触ICカード検知部204が非接触ICカード1902の存在を確認した場合、ステップS206に移行し、印刷ジョブ識別情報取得部205にその旨を通知する。
【0115】
非接触ICカード検知部204から、非接触ICカード1902の存在が確認された旨の通知を受け取ると、印刷ジョブ識別情報取得部205は、ステップS206において、ネットワーク1604を介して、印刷ジョブデータ送信先アドレスに対応するプリンタ1603に、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得するためのGETコマンドを送信する。
【0116】
ホストコンピュータ1601からGETコマンドが送信されると、プリンタ1603は、ネットワークI/F309を介して、GETコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部1801は、ステップS207において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、そのコマンドがパス指定なしのGETコマンドであることを認識する。
【0117】
HTTPコマンド解釈部1801がGETコマンドを受け取ると、印刷ジョブ識別情報生成部302は、このGETコマンドに応じて、印刷ジョブデータを管理するための印刷ジョブ識別情報を生成する。印刷ジョブ識別情報生成部302は、ステップS208において、ネットワークI/F309を介して、ホストコンピュータ1601に、生成した印刷ジョブ識別情報をGETコマンドのレスポンスとして返信する。
【0118】
プリンタ1603からGETコマンドのレスポンスとして印刷ジョブ識別情報が返信されると、ホストコンピュータ1601は、ネットワークI/F208を介して受信する。印刷ジョブ識別情報取得部205は、ステップS209において、受信した印刷ジョブ識別情報をネットワークI/F208から受け取り、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を取得する。印刷ジョブ識別情報取得部205は、取得した印刷ジョブ識別情報を一時的に保持する。
【0119】
印刷ジョブ識別情報取得部205が印刷ジョブ識別情報を取得すると、識別情報出力部1701は、印刷ジョブ管理部203で一時的に保持されている印刷ジョブ名及び印刷ジョブデータ送信先アドレスと、印刷ジョブ識別情報取得部205で一時的に保持されている印刷ジョブ識別情報とを受け取る。そして、識別情報出力部1701は、USBI/F209を介して、非接触ICカード1902に印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報とを書き込むためのコマンドを非接触ICカードリーダ/ライタ105に送信する。非接触ICカードリーダ/ライタ105は、ステップS210において、受信したコマンドに応じて、近接する非接触ICカード1902に印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報とを書き込む。
【0120】
ここで、印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報が書き込まれる非接触ICカード1902の保持フォーマットについて説明する。図22は、非接触ICカードにおける、印刷ジョブ名と印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスとの保持フォーマットを説明する図である。非接触ICカード1902は、実施の形態1で説明した非接触ICカードの保持フォーマットに印刷ジョブデータ送信先アドレスの領域が加えられているもので、実施の形態1の非接触ICカードと略同様である。この印刷ジョブデータ送信先アドレスの領域にも、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報に関連付けて印刷ジョブデータ送信先アドレスが書き込まれるようになっている。
【0121】
図23は、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報が書き込まれる前の非接触ICカードの保持フォーマットを示し、図24は、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報が書き込まれた後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す。ステップS210で非接触ICカード1902に印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報との書き込みが行われる場合、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、まず、非接触ICカード1902の0〜4までの枠のうち未登録の枠を検出する。図23において、未登録の枠はフラグ領域が0となっている枠は2〜4の枠である。非接触ICカードリーダ/ライタ105は、未登録の枠に印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報をそれぞれの領域に書き込む。さらに、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、フラグ領域を登録かつ非選択を示す1とする。
【0122】
具体的に、サンプル5という印刷ジョブ名と、192.168.0.1という印刷ジョブデータ送信先アドレスと、0050という印刷ジョブ識別情報とを登録する場合、非接触ICカードリーダ/ライタ105は、未登録の枠である2の枠を検出し、2の枠に印刷ジョブ識別情報領域に0050、印刷ジョブデータ送信先アドレス領域に192.168.0.1、印刷ジョブ名領域にサンプル5、フラグ領域を1を書き込むと、図24に示されるように印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報が2の枠に登録される。
【0123】
印刷ジョブ名と印刷ジョブデータ送信先アドレスと印刷ジョブ識別情報とが非接触ICカード1902に書き込まれると、印刷ジョブデータ送信部207は、印刷ジョブ管理部203で一時的に保持されている印刷ジョブデータと、印刷ジョブ識別情報取得部205で一時的に保持されている印刷ジョブ識別情報とを受け取る。そして、印刷ジョブデータ送信部207は、ステップS211において、ネットワークI/F208を介して、POSTコマンドをプリンタ1603に送信する。
【0124】
ホストコンピュータ1601からPOSTコマンドが送信されると、プリンタ1603は、ネットワークI/F309を介して、POSTコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部1801は、ステップS212において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、そのコマンドが印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したPOSTコマンドであることを認識する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、パスに指定された値を印刷ジョブ識別情報として抽出する。
【0125】
HTTPコマンド解釈部1801がPOSTコマンドを受け取ると、印刷ジョブデータ受信部303は、HTTPコマンド解釈部1801で抽出された印刷ジョブ識別情報と、受信した印刷ジョブデータとの関連付けを行う。そして、印刷ジョブデータ受信部303は、ステップS213において、印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報とを印刷ジョブ保持部304に保持させる。このとき、プリンタ1603に送信された印刷ジョブデータに対応する画像の出力は行われない。
【0126】
印刷ジョブデータがプリンタ1603に送信されると、利用者は、実施の形態1のように、携帯電話1602を操作し、送信された印刷ジョブデータに対応する画像を出力させることができる。実施の形態2では、それ以外に、出力する必要が無くなった印刷ジョブデータを削除することもできる。以下、出力する必要が無くなった印刷ジョブデータの削除について説明する。図25は、実施の形態2で説明する画像形成システムの主に携帯電話での各処理のフローを示す図である。
【0127】
まず、ステップS221において、利用者が携帯電話1602のキーを入力して、携帯電話1602の制御プログラム1901が起動する。
【0128】
制御プログラム1901が起動すると、印刷ジョブリスト表示部1906は、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード1902に保持されているフラグ領域の値、及び、印刷ジョブ名を枠毎に取得する。そして、印刷ジョブリスト表示部1906は、ステップS222において、取得した情報から、印刷ジョブ名を所定の表示画面に表示させる。このとき、印刷ジョブリスト表示部1906は、表示画面に図26のような削除ボタンを表示画面に表示させる。
【0129】
ここで、印刷ジョブ名を表示する携帯電話1602の表示画面について説明する。図26は、印刷ジョブ名が表示される表示画面を説明する図である。
【0130】
制御プログラム1901が起動した際、携帯電話1602に搭載される非接触ICカード1902に図24に示されているような印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス、及び、印刷ジョブ識別情報が保持されているとすると、携帯電話1602の画面には、図26のような表示画面が表示される。この表示画面は、実施の形態1と同様で、非接触ICカード1902の5個の枠に対応するように、チェックボックスと印刷ジョブ名の表示領域が配置されている。また、これら印刷ジョブ名とともに表示される削除ボタンは、利用者のキー入力によって押下されることで、選択状態となった枠の印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報が非接触ICカード1902から削除される。
【0131】
このように、携帯電話1602の画面に図26のような表示画面が表示されると、利用者は、キー入力を介して、表示画面に表示されている印刷ジョブ名のリストの中から、削除する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択する。印刷ジョブ選択部405は、利用者のキー入力によって選択された枠を判別し、ステップS223において、利用者のキー入力によって選択された枠にあるチェックボックスにチェックを入れて選択された状態となるように識別情報制御部1907に指示を出す。
【0132】
そして、その指示を受けた識別情報制御部1907は、ステップS224のように、対応する非接触ICカード1902の枠のフラグ領域を1から−1に変更するように更新し、選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。
【0133】
例えば、利用者が図26の示す表示画面の2の枠に該当するサンプル5の印刷ジョブ名を選択する場合、印刷ジョブ選択部405は、表示画面の2の枠のサンプル5が選択されたことを判別する。そして、印刷ジョブ選択部405は、選択された2の枠のサンプル5のチェックボックスにチェックを入れた状態に変更されるように、識別情報制御部1907に指示を出す。指示を受けた識別情報制御部1907は、図27のように、選択された2の枠に対応する非接触ICカード1902の2の枠のフラグ領域を−1に変更する。そして、印刷ジョブリスト表示部1906は、非接触ICカード1902のフラグ領域の変更を受けて、表示画面を図28のように、2の枠のチェックボックスにチェックを入れるように変更する。
【0134】
このように、出力する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名が携帯電話1602で選択されると、識別情報制御部1907は、携帯電話1602に搭載されている非接触ICカード1902に保持している印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更する。変更後、利用者がキー入力を介して、削除ボタンを押下すると、削除命令として印刷ジョブ削除イベント取得部1903に送られる。印刷ジョブ削除イベント取得部1903は、この削除命令からDELETEコマンドを生成させるために、ステップS225において、印刷ジョブ制御命令送信部1904に削除命令を送る。
【0135】
削除命令を受け取ると、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ステップS226において、非接触ICカード1902から選択状態になっている印刷ジョブの検出を行う。
【0136】
ステップS226で、印刷ジョブ制御命令送信部1904が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出できなかった場合、ステップS227において、以降の処理を行わず、本処理を終了とする。一方、ステップS226で、印刷ジョブ制御命令送信部1904が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出された場合、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ステップS228において、非接触ICカードI/F406を介して、非接触ICカード1902から選択状態の印刷ジョブ識別情報と対応する印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得する。選択状態の印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得した印刷ジョブ制御命令送信部1904は、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したDELETEコマンドを生成する。
【0137】
そして、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ネットワークI/F1905を介して、ステップS229において、DELETEコマンドを取得した印刷ジョブデータ送信先アドレスに対して送信する。
【0138】
具体例として図27を参照して説明すると、まず、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、非接触ICカード1902の0〜4までの枠のフラグ領域を検索し、−1(登録かつ選択)となっている枠を検出する。図27のように、2の枠のフラグ領域が−1となっているため、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、選択状態にあるものとして、2の枠の印刷ジョブ識別情報を検出する。選択状態にある印刷ジョブ識別情報を検出した印刷ジョブ制御命令送信部1904は、非接触ICカードI/F406を介して、印刷ジョブ識別情報の0050と、対応する印刷ジョブデータ送信先アドレス192.168.0.1を取得する。そして、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したDELETEコマンドを生成する。印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ネットワークI/F1905を介して、生成したDELETEコマンドを、印刷ジョブデータ送信先アドレス192.168.0.1に対応するプリンタ1603に送信する。
【0139】
携帯電話1602からDELETEコマンドが送信されると、プリンタ1603は、ネットワークI/F309を介して、DELETEコマンドを受信する。HTTPコマンド解釈部1801は、ステップS230において、受信したコマンドをネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、そのコマンドが印刷ジョブ識別情報をパスとして指定したDELETEコマンドであることを認識する。そして、HTTPコマンド解釈部1801は、パスに指定された値を印刷ジョブ識別情報として抽出する。
【0140】
HTTPコマンド解釈部1801がDELETEコマンドを受け取ると、印刷ジョブ制御部1802は、ステップS231において、HTTPコマンド解釈部1801で抽出された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0141】
そして、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ステップS232において、非接触ICカード1902に保持されている情報のうち、選択状態にある印刷ジョブ識別情報を削除する。具体的には、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、ステップS226で検出された枠のフラグ領域を−1から0に変更するように、非接触ICカード1902の情報を更新する。これにより、非接触ICカード1902の保持フォーマットは、図29のように、2の枠のフラグ領域が0となり、印刷ジョブデータ送信先アドレス、印刷ジョブ識別情報及び印刷ジョブ名が保持されていない状態となる。
【0142】
非接触ICカード1902の更新後、ステップS226に移行し、印刷ジョブ制御命令送信部1904は、非接触ICカード1902の中に、他の選択された印刷ジョブ識別情報がないかを確認し、選択された印刷ジョブ識別情報がある場合は、ステップS226からステップS232の処理を繰り返す。また、選択された識別情報がない場合は、この処理を終了する。
【0143】
実施の形態2で説明する画像形成システムは、携帯電話1602の非接触ICカード1902、及び、プリンタ1603の印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータの削除について説明したが、実施の形態1と同様に、印刷ジョブデータに対応する画像の出力も可能である。この場合、実施の形態1で説明した図6、図10、図14の動作を行うことで、画像の出力が可能である。
【0144】
したがって、実施の形態2で説明する画像形成システムは、実施の形態1で説明した機密文書及び重要書類の漏洩を防止することができる効果に加え、携帯電話1602の非接触ICカード1902に保持された印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名を選択することで、非接触ICカード1902に保持された対応する印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報と、プリンタ1603の印刷ジョブ保持部304に保持された対応する印刷ジョブデータと印刷ジョブ識別情報を削除することができる。これにより、実施の形態2で説明する画像形成システムは、ホストコンピュータ1601から、出力する必要が無くなった印刷ジョブデータを削除することもできる。さらに、この削除命令(DELETEコマンド)は、公衆パケット通信回線1605及びインターネット1606を介して、携帯電話1602からプリンタ1603に送信されるため、利用者が印刷ジョブデータを削除するためにプリンタ1603に移動する必要がなく、遠隔にて行うことができる。したがって、利用者の利便性が向上する。
【0145】
[実施の形態3]
実施の形態3で説明する画像形成システムは、実施の形態1の画像形成システムにネットワークを介して接続されたプリンタが加えられている。以下、この画像形成システムについて説明するが、実施の形態1又は2と重複する部分は説明を省略する。
【0146】
図30は、実施の形態3で説明する画像形成システムのシステム構成図である。実施の形態3で説明する画像形成システムは、図30のように、実施の形態2のホストコンピュータと同様のホストコンピュータ1601と、携帯端末としての携帯電話3002と、画像形成装置としてのプリンタ3003と、第2画像形成装置としての3004と、ネットワーク104とにより構成されている。
【0147】
実施の形態2と同様に、携帯電話3002は、非接触ICカード1902を有しており、ホストコンピュータ1601に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ105、プリンタ3003に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ106、及び、プリンタ3004に接続された非接触ICカードリーダ/ライタ3005を介して、データの送受信が可能となっている。
【0148】
図31は、実施の形態3で説明する画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ3003,3004は、実施の形態1で説明したプリンタにジョブデータ取得部としての転送印刷ジョブデータ取得部3103と、ジョブデータ転送部としての印刷ジョブデータ転送部3104とを加えた構成で、HTTPコマンド解釈部3101と、識別情報取得部3102と、画像形成部3105の動作が異なっている。このプリンタ3003とプリンタ3004は、略同じ構成を有している。また、非接触ICカードリーダ/ライタ3005は、非接触ICカードリーダ/ライタ106と同じ動作を行う。
【0149】
印刷ジョブデータ転送部3104は、ネットワークI/F309を介して、印刷ジョブデータの転送命令と転送対象となる印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブデータ転送部3104は、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを印刷ジョブ保持部304から取得し、取得した印刷ジョブデータを転送要求元に送信する。
【0150】
転送印刷ジョブデータ取得部3103は、識別情報取得部3102から印刷ジョブデータ転送先アドレスを取得する。そして、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、他のプリンタが保持する印刷ジョブデータを取得するために、他のプリンタに後述する印刷ジョブ識別情報がパスとして指定されたGETコマンドを転送命令として生成する。転送印刷ジョブデータ取得部3103は、取得した印刷ジョブデータ転送先アドレスに対応するプリンタに転送命令を送信し、印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを取得する。
【0151】
HTTPコマンド解釈部3101は、実施の形態1で説明した動作の他に、ネットワークI/F309を介して、他のプリンタから送信される後述する印刷ジョブ識別情報がパスとして指定されたGETコマンドを解釈する。そして、HTTPコマンド解釈部3101は、印刷ジョブデータ転送部3104に印刷ジョブデータを転送要求元に送信させる。
【0152】
識別情報取得部3102は、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ106,3005に、印刷ジョブ識別情報及び印刷ジョブデータ送信先アドレスの読み込みコマンドを送信する。そして、識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ106,3005に、近接する携帯電話3002に搭載された非接触ICカード1902から選択状態にある印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスを読み込ませる。読み込ませた印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスは、識別情報取得部3102に送られる。識別情報取得部3102は、印刷ジョブデータ送信アドレスを判別し、印刷ジョブデータ送信先アドレスに応じて、印刷ジョブ識別情報照合部307、あるいは、転送印刷ジョブデータ取得部3103のどちらかを動作させる。
【0153】
画像形成部3105は、実施の形態1のように、印刷ジョブ識別情報照合部307から印刷ジョブデータを受け取るだけでなく、転送印刷ジョブデータ取得部3103から印刷ジョブデータを受け取る。そして、画像形成部3105は、受け取った印刷ジョブデータの解析を行い、解析した印刷ジョブデータに基づいて所定の用紙に画像形成を行う。
【0154】
図32は、実施の形態3で説明する画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。携帯電話3002は、実施の形態1で説明した携帯電話と同じ構成であるが、非接触ICカード1902の保持フォーマットは、実施の形態2で説明した非接触ICカードの保持フォーマットと同様である。
【0155】
以下、このような構成を有する実施の形態3で説明する画像形成システムの動作について図面を参照して説明する。
【0156】
実施の形態3で説明する画像形成システムの動作について、まず、このプリンタ3003,3004に送信される印刷ジョブ識別情報をパスに指定されたGETコマンドについて説明する。
【0157】
実施の形態3の画像形成システムは、実施の形態1と同様に、ネットワークの上位層のプロトコルとしてHTTP(TCI/IP)が使用される。図33に、HTTPコマンドと、パス指定の組み合わせによるリクエストと、このリクエストに対するレスポンスの取り決めを示す。ここでは、実施の形態1で説明したGETコマンドと、POSTコマンドとに関しての取り決めの他に、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドに関しての取り決めが示されている。
【0158】
ここで説明するGETコマンドは、実施の形態1で説明したパス指定の無いGETコマンドとは異なり、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したもので、コマンドを用いて他のプリンタから印刷ジョブデータを受信するためのコマンドである。
【0159】
この画像形成システムのホストコンピュータ1601は、利用者によって、アプリケーションプログラム201でアプリケーション形式の画像データの印刷操作が行われると、実施の形態1と同様に動作する。この印刷操作においてプリンタ3003が印刷ジョブデータの送信先として選択されると、プリンタ3003から印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブデータとこの印刷ジョブ識別情報がプリンタ3003に送信され、プリンタ3003の印刷ジョブ保持部304に保持される。また、印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス(プリンタ3003のIPアドレス)及び印刷ジョブ識別情報が携帯電話3002に送信され、携帯電話3002の非接触ICカード1902に実施の形態2で説明した保持フォーマットに関連付けられて保持される。
【0160】
次に、利用者は、送信された印刷ジョブデータに対応する画像を出力させるために、携帯電話3002を操作し、非接触ICカード1902に書き込まれた印刷ジョブ識別情報を選択状態とする。非接触ICカード1902の保持フォーマットは異なるものの、印刷ジョブ識別情報の選択に関しては実施の形態1と同様である。
【0161】
出力する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名が携帯電話3002で選択されると、識別情報制御部404は、携帯電話3002に搭載されている非接触ICカード1902に保持している印刷ジョブ識別情報を選択状態となるように変更する。変更後、選択状態となっている印刷ジョブ識別情報を生成していないプリンタ3004に利用者が移動する。以下、利用者に選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブデータに対応する画像の出力について説明する。なお、ここでは、プリンタ3003のIPアドレスを192.168.0.1とし、プリンタ3004のIPアドレスを192.168.0.2とする。また、プリンタ3003とプリンタ3004とは同じ構成で、同じ動作するものである。図34は、実施の形態3で説明する画像形成システムのプリンタでの各処理を示すフロー図である。
【0162】
まず、非接触ICカード検知部305は、ステップS301において、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に近接する非接触ICカード1902、すなわち非接触ICカード1902を搭載する携帯電話3002の存在を確認する。このとき、利用者は、非接触ICカード1902が搭載された携帯電話3002を非接触ICカードリーダ/ライタ3005に近接させる。
【0163】
ステップS301で、非接触ICカード検知部305が非接触ICカード1902の存在を確認できなかった場合、ステップS302において、ステップS301に戻り、非接触ICカード1902の存在の確認を続ける。一方、ステップS301で、非接触ICカード検知部305が非接触ICカード1902の存在を確認した場合、ステップS303に移行し、識別情報取得部3102にその旨を通知する。
【0164】
非接触ICカード検知部305から、非接触ICカード1902の存在が確認された旨の通知を受け取ると、識別情報取得部3102は、ステップS303において、USBI/F310によって、プリンタ3004と接続されている非接触ICカードリーダ/ライタ3005を介して、非接触ICカード1902の印刷ジョブ識別情報の中から、選択状態となっている印刷ジョブ識別情報を検出する。
【0165】
ステップS303で、識別情報取得部3102が選択状態の印刷ジョブ識別情報が検出できなかった場合、ステップS304において、以降の処理を行わず、本処理を終了とする。一方、ステップS303で、識別情報取得部3102が選択状態の印刷ジョブ識別情報を検出した場合、識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に検出された印刷ジョブ識別情報を非接触ICカード1902から読み込ませる。そして、識別情報取得部3102は、ステップS305において、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に読み取らせた印刷ジョブ識別情報を取得する。
【0166】
印刷ジョブ識別情報を取得した後、識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に検出された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータ送信先アドレスを非接触ICカード1902から読み込ませる。そして、識別情報取得部3102は、ステップS306において、USBI/F310を介して、非接触ICカードリーダ/ライタ3005に読み取らせた印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得する。
【0167】
具体例として図27を参照して説明すると、まず、識別情報取得部3102は、非接触ICカード1902の0〜4までの枠のフラグ領域を検索し、−1(登録かつ選択)となっている枠を検出する。図27のように、2の枠のフラグ領域が−1となっているため、識別情報取得部3102は、選択状態のものとして2の枠の印刷ジョブ識別情報を検出する。選択状態にある印刷ジョブ識別情報を検出した識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ3005にその印刷ジョブ識別情報を読み込ませる。非接触ICカードリーダ/ライタ3005は、非接触ICカード1902の2の枠の印刷ジョブ識別情報の0050の値を読み込む。次に、識別情報取得部3102は、非接触ICカードリーダ/ライタ3005にその印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータ送信先アドレスを読み込ませる。非接触ICカードリーダ/ライタ3005は、非接触ICカード1902の2の枠の印刷ジョブデータ送信先アドレスの192.168.0.1を読み込む。
【0168】
印刷ジョブデータ送信先アドレスを取得した後、識別情報取得部3102は、ステップS307において、取得した印刷ジョブデータ送信先アドレスが自己のプリンタ3004のIPアドレスであるか否かを確認する。
【0169】
ステップS307において、印刷ジョブデータ送信先アドレスが自己のプリンタ3004のIPアドレスである場合、印刷ジョブ識別情報照合部307は、その印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、印刷ジョブ識別情報照合部307は、ステップS315において、印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータの中から、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを検索するように、印刷ジョブ保持部304の印刷ジョブ識別情報を照合する。
【0170】
印刷ジョブ識別情報照合部307で照合が行われた後、画像形成部3105は、検索された印刷ジョブデータを印刷ジョブ識別情報照合部307から受け取る。そして、画像形成部3105は、ステップS316において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に形成し、画像形成を行う。
【0171】
印刷ジョブ識別情報照合部307が画像形成部3105において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像の出力が行われたことを確認すると、印刷ジョブ識別情報照合部307は、ステップS317において、画像形成に用いた印刷ジョブデータを、印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0172】
一方、ステップS307において、印刷ジョブデータ送信先アドレスが自己のプリンタ3004のIPアドレスでない場合、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、検索されたの印刷ジョブ識別情報及び印刷ジョブデータ送信先アドレスを受け取る。そして、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、印刷ジョブデータ送信先アドレスを印刷ジョブデータ転送先アドレスとして置き換え、さらに、印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドを生成する。転送印刷ジョブデータ取得部3103は、印刷ジョブデータ転送先アドレスに対応するプリンタ3003に、取得した印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータの転送要求としてGETコマンドを送信する。
【0173】
具体的に、非接触ICカード1902から取得した印刷ジョブデータ送信先アドレスがプリンタ3003のIPアドレスである192.168.0.1であるため、プリンタ3004のIPアドレスの192.168.0.2とは異なる。この比較によって、識別情報取得部3102は、印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスを転送印刷ジョブデータ取得部3103に渡す。印刷ジョブ識別情報と印刷ジョブデータ送信先アドレスを受け取った転送印刷ジョブデータ取得部3103は、印刷ジョブデータ送信先アドレスを印刷ジョブデータ転送先アドレスに置き換える。さらに、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、印刷ジョブ識別情報をパスとしたGETコマンドを生成する。そして、転送印刷ジョブデータ取得部3103は、生成したGETコマンドを、印刷ジョブデータ転送先アドレスに対応するプリンタ3003に送信する。
【0174】
プリンタ3004からGETコマンドが送信されると、プリンタ3003は、プリンタ3003のネットワークI/F309を介して、GETコマンドを受信する。プリンタ3003のHTTPコマンド解釈部3101は、ステップS309において、受信したコマンドをプリンタ3003のネットワークI/F309から受け取り、そのコマンドを解釈する。そして、プリンタ3003のHTTPコマンド解釈部3101は、そのコマンドが印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドであることを認識する。
【0175】
プリンタ3003のHTTPコマンド解釈部3101が印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドを受け取ると、プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104は、その印刷ジョブ識別情報を受け取る。そして、プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104は、ステップS310において、印刷ジョブ保持部304に保持されている印刷ジョブデータの中から、受け取った印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを検索する。
【0176】
プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104で検索が行われた後、印刷ジョブ保持部304に保持されている検索された印刷ジョブデータ取得する。プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104は、ステップS311において、ネットワークI/F309を介して、プリンタ3004に、取得した印刷ジョブデータをGETコマンドのレスポンスとして返信する。
【0177】
プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104が印刷ジョブデータをレスポンスとして返信すると、プリンタ3003の印刷ジョブデータ転送部3104は、ステップS312において、返信した印刷ジョブデータを、印刷ジョブ保持部304から削除する。
【0178】
プリンタ3003から印刷ジョブ識別情報をパスに指定したGETコマンドのレスポンスとして印刷ジョブデータが返信されると、プリンタ3004は、ネットワークI/F309を介して受信する。転送印刷ジョブデータ取得部3103は、ステップS313において、受信した印刷ジョブ識別情報をネットワークI/F309から受け取り、選択状態にある印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータを取得する。
【0179】
印刷ジョブデータを取得した後、画像形成部3105は、取得された印刷ジョブデータを転送印刷ジョブデータ取得部3103から受け取る。そして、画像形成部3105は、ステップS314において、検索された印刷ジョブデータに対応する画像を所定の用紙に形成し、画像形成を行う。
【0180】
ステップS314又はステップS317において、画像形成部3105で画像形成が行われた後、識別情報取得部3102は、ステップS318において、非接触ICカード1902に保持されている印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報のうち、画像の出力を行った印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を削除する。具体的に、識別情報取得部3102は、ステップS303で検出された枠のフラグ領域を−1から0に変更するように非接触ICカード1902の情報を更新する。
【0181】
したがって、実施の形態3で説明する画像形成システムは、実施の形態1で説明した機密文書及び重要書類の漏洩を防止することができる効果に加え、出力のために利用者が有する非接触ICカード1902を搭載した携帯電話3002を近接させたプリンタ3004に、他のプリンタ3003に保持されている印刷ジョブデータを転送させることで、印刷ジョブデータを保持していないプリンタ3004であっても、画像の出力が可能となる。すなわち、印刷ジョブ識別情報を生成させ、印刷ジョブデータを保持させたプリンタ3003以外のプリンタでも印刷ジョブデータに対応する画像の出力が可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0182】
本発明では、携帯電話とプリンタ、ホストコンピュータ間の通信手段として非接触ICカードを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、赤外線通信、非接触ICカード、USB接続など、1対1で通信端末が特定可能な通信手段であれば、全て本発明に適用可能である。
【0183】
また、本発明では、印刷ジョブに関する情報を携帯電話の非接触ICカードに保持するようにしているが、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報といった印刷ジョブに関する情報を携帯電話のアプリケーションプログラム用に用意されているデータ保持領域にコピーし、印刷ジョブに関する情報をこのデータ保持領域に保持しても良い。またこの場合、非接触ICカードは、通信手段のみを利用してもよい。具体的には、携帯電話がホストコンピュータから印刷ジョブに関する情報を受信する際、非接触ICカードによって取得した印刷ジョブに関する情報を携帯電話の保持領域に保持させるようにしても良く、携帯電話がプリンタに印刷ジョブに関する情報を送信する際は、携帯電話の保持領域から印刷ジョブに関する情報を非接触ICカードに渡し、非接触ICカードを介して、保持領域からプリンタに送信するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】実施の形態1の画像形成システムのシステム構成図を示す図である。
【図2】実施の形態1の画像形成システムのホストコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1の画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1の画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1の画像形成システムのホストコンピュータからプリンタに送信されるコマンドを説明する図である。
【図6】実施の形態1の画像形成システムの主にホストコンピュータでの各処理を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1の画像形成システムの非接触ICカードの保持フォーマットを説明する図である。
【図8】実施の形態1の画像形成システムの非接触ICカードに、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を書き込む前の保持フォーマットを示す図である。
【図9】実施の形態1の画像形成システムの非接触ICカードに、印刷ジョブ名及び印刷ジョブ識別情報を書き込んだ後の保持フォーマットを示す図である。
【図10】実施の形態1の画像形成システムの携帯電話での各処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1の画像形成システムにおける、印刷ジョブ名が選択される前の携帯電話の表示画面を示す図である。
【図12】実施の形態1の画像形成システムにおける、選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブ識別情報を選択状態とした後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す図である。
【図13】実施の形態1の画像形成システムにおける、印刷ジョブ名が選択された後の携帯電話の表示画面を示す図である。
【図14】実施の形態1の画像形成システムのプリンタでの各処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態1の画像形成システムにおける、選択された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータに対応する画像を出力した後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す図である。
【図16】実施の形態2の画像形成システムのシステム構成図を示す図である。
【図17】実施の形態2の画像形成システムのホストコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図18】実施の形態2の画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態2の画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図20】実施の形態2の画像形成システムのプリンタに送信されるコマンドを説明する図である。
【図21】実施の形態2の画像形成システムの主にホストコンピュータでの各処理を示すフローチャートである。
【図22】実施の形態2の画像形成システムの非接触ICカードの保持フォーマットを説明する図である。
【図23】実施の形態2の画像形成システムの非接触ICカードに、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を書き込む前の保持フォーマットを示す図である。
【図24】実施の形態3の画像形成システムの非接触ICカードに、印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を書き込んだ後の保持フォーマットを示す図である。
【図25】実施の形態2の画像形成システムの主に携帯電話での各処理を示すフローチャートである。
【図26】実施の形態2の画像形成システムにおける、印刷ジョブ名が選択される前の携帯電話の表示画面を示す図である。
【図27】実施の形態2の画像形成システムにおける、選択された印刷ジョブ名に対応する印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を選択状態とした後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す図である。
【図28】実施の形態2の画像形成システムにおける、印刷ジョブ名が選択された後の携帯電話の表示画面を示す図である。
【図29】実施の形態2の画像形成システムにおける、選択された印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブデータに対応する印刷ジョブ名、印刷ジョブデータ送信先アドレス及び印刷ジョブ識別情報を削除した後の非接触ICカードの保持フォーマットを示す図である。
【図30】実施の形態3の画像形成システムのシステム構成図を示す図である。
【図31】実施の形態3の画像形成システムのプリンタの構成を示すブロック図である。
【図32】実施の形態3の画像形成システムの携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図33】実施の形態3の画像形成システムのプリンタに送信されるコマンドを説明する図である
【図34】実施の形態3の画像形成システムのプリンタでの各処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0185】
101,1601 ホストコンピュータ
201 アプリケーションプログラム
202 プリンタドライバ
203 印刷ジョブ管理部
204 非接触ICカード検知部
205 印刷ジョブ識別情報取得部
206,1701 識別情報出力部
207 印刷ジョブデータ送信部
208 ネットワークI/F
209 USBI/F
102,1602,3002 携帯電話
401,1901 制御プログラム
402,1902 非接触ICカード
403,1906 印刷ジョブリスト表示部
404,1907 識別情報制御部
405 印刷ジョブ選択部
406 非接触ICカードI/F
1903 印刷ジョブ削除イベント取得部
1904 印刷ジョブ制御命令送信部
1905 ネットワークI/F
103,1603,3003,3004 プリンタ
301,1801,3101 HTTPコマンド解釈部
302 印刷ジョブ識別情報生成部
303 印刷ジョブデータ受信部
304 印刷ジョブ保持部
305 非接触ICカード検知部
306,1803,3102 識別情報取得部
307 印刷ジョブ識別情報照合部
308 画像形成部
309 ネットワークI/F
310 USBI/F
1802 印刷ジョブ制御部
3103 転送印刷ジョブデータ取得部
3104 印刷ジョブデータ転送部
104,1604 ネットワーク
105,106,3005 非接触ICカードリーダ/ライタ
1605 公衆パケット通信回線
1606 インターネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、画像形成装置と、携帯端末とを有し、前記情報処理装置で生成されたジョブデータに基づいて前記画像形成装置で画像形成する画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置から前記ジョブデータに対応するジョブ識別情報を取得する第1識別情報取得部と、
前記携帯端末に前記ジョブデータに対応するジョブ名及び前記ジョブ識別情報を出力する情報出力部と、
前記画像形成装置に前記ジョブデータ及び前記ジョブ識別情報を送信するデータ送信部とを有し、
前記携帯端末は、
前記情報処理装置の前記情報出力部から出力された前記ジョブ名及び前記ジョブ識別情報を保持する情報保持部と、
前記情報保持部で保持されている前記ジョブ名を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記ジョブ名を選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記ジョブ名に対応する前記ジョブ識別情報を選択状態とする識別情報制御部とを有し、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置の前記第1識別情報取得部の求めに応じて前記ジョブデータに対応する前記ジョブ識別情報を生成する識別情報生成部と、
前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータ及び前記ジョブ識別情報を受信するデータ受信部と、
前記携帯端末の前記識別情報制御部によって選択状態とされた前記ジョブ識別情報を取得する第2識別情報取得部と、
前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータの中から、前記第2識別情報取得部で取得した前記ジョブ識別情報に対応するジョブデータを検索するように、前記ジョブ識別情報を照合する識別情報照合部と、
前記識別情報照合部による照合によって検索された選択状態にある前記ジョブ識別情報に対応する前記ジョブデータに基づいて画像形成を行う画像形成部とを有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記携帯端末の前記情報保持部には、前記ジョブ識別情報が保持可能な非接触ICカードが用いられ、
前記情報処理装置は、前記情報出力部から出力された前記ジョブ識別情報を前記非接触ICカードに保持させるように書き込む非接触ICカードリーダ/ライタが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記携帯端末の前記情報保持部には、前記ジョブ識別情報が保持可能な非接触ICカードが用いられ、
前記画像形成装置は、選択状態とされた前記ジョブ識別情報を前記非接触ICカードから読み込む非接触ICカードリーダ/ライタが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、
前記情報保持部で保持された前記ジョブ名及び前記ジョブ識別情報から、前記識別情報制御部で選択状態とされた前記ジョブ識別情報及び該ジョブ識別情報に対応する前記ジョブ名を削除し、前記画像形成装置に前記ジョブ識別情報に対応する前記ジョブデータを削除する命令を送信する印刷ジョブ削除命令送信部を有し、
前記画像形成装置は、
前記携帯端末の前記印刷ジョブ削除命令送信部から受信した前記命令に応じて、前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータの中から、前記ジョブ識別情報に対応するジョブデータを削除するジョブ削除部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記印刷ジョブ削除命令送信部は、ネットワークを介して、前記画像形成装置に前記ジョブ識別情報に対応する前記ジョブデータを削除する命令を送信することを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
当該画像形成システムは、
前記携帯端末の前記識別情報制御部によって選択状態とされた前記ジョブ識別情報を取得する第2識別情報取得部と、
前記第2識別情報取得部で取得した前記ジョブ識別情報に対応するジョブデータを前記画像形成装置に転送させる転送命令を送信し、前記ジョブデータを取得するジョブデータ取得部と、
前記ジョブデータ取得部で取得したジョブデータに基づいて画像形成を行う画像形成部とを有する第2画像形成装置を有し、
前記画像形成装置は、
前記第2画像形成装置のジョブデータ取得部から送信された前記転送命令に基づいて、前記ジョブデータを前記第2画像形成装置に転送するジョブデータ転送部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項1】
情報処理装置と、画像形成装置と、携帯端末とを有し、前記情報処理装置で生成されたジョブデータに基づいて前記画像形成装置で画像形成する画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置から前記ジョブデータに対応するジョブ識別情報を取得する第1識別情報取得部と、
前記携帯端末に前記ジョブデータに対応するジョブ名及び前記ジョブ識別情報を出力する情報出力部と、
前記画像形成装置に前記ジョブデータ及び前記ジョブ識別情報を送信するデータ送信部とを有し、
前記携帯端末は、
前記情報処理装置の前記情報出力部から出力された前記ジョブ名及び前記ジョブ識別情報を保持する情報保持部と、
前記情報保持部で保持されている前記ジョブ名を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記ジョブ名を選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記ジョブ名に対応する前記ジョブ識別情報を選択状態とする識別情報制御部とを有し、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置の前記第1識別情報取得部の求めに応じて前記ジョブデータに対応する前記ジョブ識別情報を生成する識別情報生成部と、
前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータ及び前記ジョブ識別情報を受信するデータ受信部と、
前記携帯端末の前記識別情報制御部によって選択状態とされた前記ジョブ識別情報を取得する第2識別情報取得部と、
前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータの中から、前記第2識別情報取得部で取得した前記ジョブ識別情報に対応するジョブデータを検索するように、前記ジョブ識別情報を照合する識別情報照合部と、
前記識別情報照合部による照合によって検索された選択状態にある前記ジョブ識別情報に対応する前記ジョブデータに基づいて画像形成を行う画像形成部とを有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記携帯端末の前記情報保持部には、前記ジョブ識別情報が保持可能な非接触ICカードが用いられ、
前記情報処理装置は、前記情報出力部から出力された前記ジョブ識別情報を前記非接触ICカードに保持させるように書き込む非接触ICカードリーダ/ライタが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記携帯端末の前記情報保持部には、前記ジョブ識別情報が保持可能な非接触ICカードが用いられ、
前記画像形成装置は、選択状態とされた前記ジョブ識別情報を前記非接触ICカードから読み込む非接触ICカードリーダ/ライタが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、
前記情報保持部で保持された前記ジョブ名及び前記ジョブ識別情報から、前記識別情報制御部で選択状態とされた前記ジョブ識別情報及び該ジョブ識別情報に対応する前記ジョブ名を削除し、前記画像形成装置に前記ジョブ識別情報に対応する前記ジョブデータを削除する命令を送信する印刷ジョブ削除命令送信部を有し、
前記画像形成装置は、
前記携帯端末の前記印刷ジョブ削除命令送信部から受信した前記命令に応じて、前記情報処理装置の前記データ送信部から送信された前記ジョブデータの中から、前記ジョブ識別情報に対応するジョブデータを削除するジョブ削除部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記印刷ジョブ削除命令送信部は、ネットワークを介して、前記画像形成装置に前記ジョブ識別情報に対応する前記ジョブデータを削除する命令を送信することを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
当該画像形成システムは、
前記携帯端末の前記識別情報制御部によって選択状態とされた前記ジョブ識別情報を取得する第2識別情報取得部と、
前記第2識別情報取得部で取得した前記ジョブ識別情報に対応するジョブデータを前記画像形成装置に転送させる転送命令を送信し、前記ジョブデータを取得するジョブデータ取得部と、
前記ジョブデータ取得部で取得したジョブデータに基づいて画像形成を行う画像形成部とを有する第2画像形成装置を有し、
前記画像形成装置は、
前記第2画像形成装置のジョブデータ取得部から送信された前記転送命令に基づいて、前記ジョブデータを前記第2画像形成装置に転送するジョブデータ転送部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2008−198015(P2008−198015A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33922(P2007−33922)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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