説明

画像形成システム

【課題】使用する封筒と原稿と用紙の方向及びサイズが同じになるように用紙に画像形成し、その用紙を封筒に封入する画像形成システムを提供する。
【解決手段】給紙手段1−Bと、画像形成装置1と、封入手段3と、原稿サイズ検知手段28と、封筒サイズ検知手段28と、原稿サイズと封筒サイズと当該封入口の長さを比較する比較手段A1と、を備えた画像形成システムにおいて、給紙手段は同一サイズの用紙が互いに直交する向きにセットされた2つ以上の給紙トレイ26を有すると共に、比較手段によって原稿が封筒に封入可能と判断した場合、用紙の封入時の主走査方向長さが封入口長さより小さい向きにセットされた給紙トレイ26を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙とその用紙を封入物として封入する封筒を予めセットした上で、原稿から得られた画像情報により用紙に画像を形成し、その上で画像形成された用紙を封筒に封入する処理を順次行うことができる画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
封筒に封入物を封入・封緘する紙処理において、既に画像形成装置により画像形成された用紙を封入物として供給を受けた上で、画像形成装置とはオフラインにて決められた封入物の封筒への封入処理を大量に行うことができる封入封緘装置は既に知られている。
しかし、今までの封入封緘装置は画像形成装置に対してオフラインであったため、小ロットの封入・封緘処理においては封入物を作成する工程と封入・封緘を行う工程が別の装置で行なわれるため、操作時間のロスが大きくなる。
【0003】
そこで小ロットの封入・封緘を行う際に時間のロスを無くすために画像形成装置と封入封緘装置をオンラインで接続し、一つのシステム(以降封入封緘システムと言う)で前記作業を全て行うことが考えられる。
従来でも封入封緘システムの発明は考えられており、封筒サイズに合わせて封入物のサイズを決定する、封入物のサイズに合わせて封筒サイズを決定するという発明が、例えば、本出願人により特許文献1(特許第3110804号公報)に開示されている。
【0004】
この特許文献1には、画像形成された用紙をビン等の用紙積載手段上に積載し、その積載された用紙を封入物として封筒内に詰め込む作業を自動的に且つ操作性良く行うことができる封入封緘システムが開示される。
ここでの封入封緘システムは、用紙を詰めた封筒が用紙サイズに適した見栄えのよいものになるようにする目的で、用紙処理装置に、搬送されてくる用紙を用紙積載手段に積載し、その用紙を封筒内に搬入する手段と、用紙のサイズを検知する用紙サイズ検知手段と、セットされている封筒のサイズを検知する封筒サイズ検知手段と、検知された封筒のサイズを表示する封筒サイズ表示部と、サイズを検知された用紙を収納可能な封筒サイズを認識する認識手段と、認識した封筒サイズと封筒サイズ検知手段が検知した封筒サイズとを照合する照合手段とを設けており、特に、その照合手段による照合で用紙を収納可能なサイズの封筒が複数あるときはその中で最小サイズの封筒を自動選択する封筒自動選択モードを有するとの構成を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような特許文献1の封入封緘装置の場合、原稿のサイズや向きを封筒選択に反映するものではなく、封入封緘装置に達した状態での原稿画像が形成された用紙のサイズや向きから、その用紙の封筒への封入可否の判断をすることと成る。このため、本来、使用者が原稿のサイズや向きを考慮し、使用したいと考えていた封筒、用紙ではなく、使用するつもりの無い封筒への封入が成され、使用したい封筒が勝手に変更されてしまい、封筒、封入物が使用者が意図しないサイズになってしまうという課題がある。
また、使用者は封入封緘装置にセットしている封筒に原稿と同サイズの封入物を画像形成しようとした場合、原稿のセット方向や折り処理の有無を自分で考慮した上で設定しなければならず、それらの設定に使用者が関与する必要があり、煩わしさがあった。
【0006】
本発明は、上述の課題に着目してなされたもので、目的とするのは、使用する封筒と、これに封入できる原稿の方向とその原稿画像を形成する用紙の方向とを対比して、原稿と用紙の方向及びサイズが同じになるように用紙に画像形成し、その用紙を封筒に封入する処理を行える画像形成システムを提供することにある。
【0007】
更に、他の目的は、使用する封筒に対して折畳むことで封入できる原稿の場合にも、その原稿と用紙の方向及びサイズが同一になるように印字の方向を切換えた上で用紙に画像形成する共に折畳みを行ってから封入処理出来る画像形成システムを提供することにある。
更に、他の目的は、使用する複数の封筒がある場合には、原稿の方向及びサイズより、より形状が近く折り回数が少なくなる封筒への封入が可能となるように、用紙への画像形成を行い、選択した封筒への封入処理が出来る画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記課題を達成するため以下の構成とした。
第1の発明である画像形成システムは、用紙を給紙する給紙手段と、前記用紙に対して原稿の画像を形成する画像形成装置と、画像形成された用紙を封筒に封入する封入手段と、原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、封筒のサイズ及び封筒の封入口の長さを検知する封筒サイズ検知手段と、前記原稿サイズと前記封筒サイズと当該封入口の長さを比較する比較手段と、を備えた画像形成システムにおいて、前記給紙手段は同一サイズの用紙がセットされており、互いに直交する向きにセットされた2つ以上の給紙トレイを有すると共に、前記比較手段によって前記原稿が前記封筒に封入可能なサイズと判断した場合、当該原稿の画像が形成された用紙の封入時の主走査方向長さが前記封入口長さより小さい向きにセットされた給紙トレイを選択することを特徴とする。
【0009】
第2の発明である画像形成システムは、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は前記選択された給紙トレイからの用紙の向きと原稿の向きが90度異なる場合には同原稿画像データの向きを90度回転させた向きに修正して用紙への印字処理を行う印字処理手段を有した、ことを特徴とする。
【0010】
第3の発明である画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成システムは画像形成された用紙に折り処理を行う折り手段を有し、前記比較手段が封筒の封入口の長さと原稿サイズを比較し、原稿の一の辺が前記封入口の長さより小さく、且つ前記一の辺に直交する辺の長さが前記封入口と直交する辺の長さより長く、画像形成された用紙を折ることにより封入可能と判断した場合には、前記折り手段は画像形成後の用紙を封筒に封入可能なサイズとなるように折るモードで折り制御することを特徴とする。
【0011】
第4の発明である画像形成システムは、請求項1の画像形成システムにおいて、前記比較手段にて原稿の主走査方向、副走査方向の長さが共に封筒の封入口の長さより長かった場合、画像形成を行わないことを特徴とする。
【0012】
第5の発明である画像形成システムは請求項3の画像形成システムにおいて、前記比較手段にて原稿の主走査方向、副走査方向の長さが共に前記封入口の長さより短く、且つ前記原稿の前記封入口に接する辺に直交する辺の長さが前記封入口と直交する辺の長さより長く、折り処理を施せば封入可能な場合、前記折り手段は折り回数のより少ない折りモードで原稿画像を形成した用紙を折り制御することを特徴とする。
【0013】
第6の発明である画像形成システムは請求項3の画像形成システムにおいて、前記比較手段にて原稿の主走査方向、副走査方向の長さが共に前記封入口の長さより短く、且つ前記原稿の前記封入口に接する辺に直交する辺の長さが前記封入口と直交する辺の長さより長く、折り処理を施せば封入可能な場合、前記画像形成装置は原稿の封入口に接する辺の長さが前記封入口長さに近い向きの用紙に原稿画像を形成するよう制御することを特徴とする。
【0014】
第7の発明である画像形成システムは、請求項3の画像形成システムにおいて、封入される用紙に対して折り処理を施して良いか否かを予め設定できる折り許可スイッチを備えたことを特徴とする。
【0015】
第8の発明である画像形成システムは、請求項3の画像形成システムにおいて、前記折り手段は折り処理を施す折りモードが選択された場合、折り処理を施して良いか否かの選択指示を折り選択スイッチで行うことを特徴とする。
【0016】
第9の発明である画像形成システムは、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の画像形成システムにおいて、画像形成された用紙を封入する封筒が複数設けられた場合には、予めいずれか一つの封筒を指定するための封筒指定スイッチを備えたことを特徴とする。
【0017】
第10の発明である画像形成システムは、請求項1乃至9のいずれか一つに記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、画像複写装置又はプリンタであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、原稿の画像を用紙に形成するに先立ち、原稿サイズと使用する封筒のサイズと当該封入口の長さを比較することで、封筒に対して封入できる原稿画像のサイズを確認し、更に、用紙の封入時の主走査方向長さが封筒の封入口長さより小さい向きにセットされた給紙トレイを選択し、その給紙トレイからの用紙に原稿画像を形成し、その用紙を封筒に封入物として封入するとの処理を行うので、原稿画像が形成された用紙を封筒に確実に封入出来、用紙への原稿画像の形成とその用紙の封筒への封入処理とを使用者が原稿セット方向を気にせずに行える。(請求項1)
また、本発明によれば、原稿サイズと使用する封筒のサイズと当該封入口の長さを比較した際に、用紙の向きと原稿の向きが90度異なると判断される場合には、印字処理手段が原稿画像データの向きを90度回転切換えしてから用紙への印字を行うので、原稿画像と同原稿画像を形成する用紙(封入物)とが同じ画像方向となるようにでき、予め、用紙のセット方向を互いに90度向きを変えた2つの給紙カセットを用意しておくことで、使用者が原稿の方向を気にすることなく画像形成でき、操作性が向上する。(請求項2)
また、本発明によれば、封筒に封入される用紙に対し画像形成装置で画像形成後に、封入不可の場合であっても、その用紙に対し折り手段にて封筒に封入可能なサイズに折り処理を施すことで、画像形成された用紙の封入不可を回避し、封入可能にできる場合には、画像形成を行い画像形成された用紙の封入を行えるので、原稿形状に対する許容性を拡大でき、従来に比べて多種の原稿形状に対処できる。(請求項3)
また、本発明によれば、用紙への画像形成を行うに先立ち、画像形成可能な用紙とその用紙を封入可能な封筒の有無を判断し、主走査方向、副走査方向の長さが共に封筒の封入口の長さより長かった場合は画像形成を行わないので、封筒への封入ができない用紙への無駄な画像形成を排除できる。(請求項4)
また、本発明によれば、封筒に封入される用紙に対し画像形成装置で画像形成後に、封入不可の場合であっても、その用紙に対し折り手段にて封筒に封入可能なサイズに折り処理を施すにあたり、折り回数のより少ない折りモードで原稿画像を形成した用紙を折り制御し、画像形成を行うので、無駄な折り処理を排除できる。(請求項5)
また、本発明によれば、原稿の主走査方向、副走査方向の長さが共に前記封入口の長さより短い場合には、原稿の封入口に接する辺の長さが封入口長さに近いようにセットされている用紙を選択して、画像形成を行うことで、画像形成された用紙をそのまま封入でき、折畳むとしてもその回数が小さくなり、無駄な折り処理を排除できる。(請求項6)
また、本発明によれば、使用者が封入される用紙に対しての折り処理を施す場合、前もって使用者の選択指示を受けるので、用紙の折畳み時には使用者の意図を確実に反映できる。(請求項7)
また、本発明によれば、折り処理を施す折りモードが選択された場合、その都度、封入される用紙に対して折り処理を施して良いか否かの選択指示を折り選択スイッチで使用者が行うので、用紙の折畳み時には使用者の意図を確実に反映できる。(請求項8)
また、本発明によれば、封筒が複数設けられた場合、封筒指定スイッチによりいずれか一つの封筒を予め指定するので、使用者の意図を確実に反映できる。(請求項9)
また、本発明によれば、画像形成システムの画像形成装置として、画像複写装置又はプリンタを採用することで、請求項1〜9と同様の効果を奏することができる(請求項10)。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの全体構成図である。
【図2】画像形成システムの制御機能部のブロック図である。
【図3】画像形成システムの画像複写装置の概略側面構成図である。
【図4】画像形成システムの封入装置の概略側面構成図である。
【図5】画像形成システムの給紙手段を成す封筒収容カセットの斜視図である。
【図6】画像形成システムの封入装置の要部拡大部分側面図である。
【図7】画像形成システムの封入装置の他の態様での要部拡大部分側面図である。
【図8】画像形成システムの封入装置の他の態様での要部拡大部分側面図である。
【図9】画像形成システムの封入装置の封筒チャック部の要部斜視図である。
【図10】画像形成システムの封入装置のパックユニットの拡大要部側面図である。
【図11】画像形成システムの封入装置の中間トレイとパックユニットの概略斜視図である。
【図12】画像形成システムの封入装置の用紙と画像と封筒の相対関係を説明する図である。
【図13】画像形成システムの封入装置の用紙と画像と封筒の相対関係を説明する図である。
【図14】画像形成システムの操作パネルの正面図である。
【図15】画像形成システムの操作パネルの表示面の正面図である。
【図16】画像形成システムの操作パネルの表示面の他の態様での正面図である。
【図17】画像形成システムの封入装置の封入制御処理ルーチンのフローチャート。
【図18】第2実施形態での画像形成システムの全体構成図である。
【図19】図18の画像形成システムの制御機能部のブロック図である。
【図20】図18の画像形成システムの画像複写装置の全体構成図である。
【図21】図18の画像形成システムの折り処理装置の概略構成側面図である。
【図22】画像形成システムの給紙手段を成す大量収容トレイを示し、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【図23】図18の画像形成システムの折り処理装置のローラの作動説明図である。
【図24】図18の画像形成システムの封入装置の用紙の折り処理説明図である。
【図25】図18の画像形成システムの折り処理装置の用紙と画像と封筒の相対関係を説明する図である。
【図26】図18の画像形成システムの折り処理装置の用紙の他の態様での折り説明図である。
【図27】図18の画像形成システムの折り処理装置の第1段階の封入制御処理ルーチンのフローチャート。
【図28】図18の画像形成システムの折り処理装置の第2段階の封入制御処理ルーチンのフローチャート。
【図29】図18の画像形成システムの折り処理装置の変形例としての封入制御処理ルーチンの概略フローチャート。
【図30】図18の画像形成システムの折り処理装置の他の変形例としての封入制御処理ルーチンのフローチャートで、(a)は前部を、(b)は後部の一方側を示す。
【図31】図18の画像形成システムの折り処理装置の他の変形例としての封入制御処理ルーチンの後部の他方側のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を適用した画像形成システムを説明する。
ここで「第1実施形態」として、画像形成した用紙の封筒への封入にあたり、使用者の原稿セット方向が縦横いずれでも確実に封入できる第1の画像形成システムM1を説明する。
図1には「第1実施形態」としての第1の画像形成システムM1の概略構成図を示した。この第1画像形成システムM1は、画像形成装置としての画像複写装置1と、自動原稿搬送装置(ADF)を有した画像読取装置としてのスキャナー2と、表示装置付きの操作パネル1−Aと、給紙手段を成す給紙段1−Bを備え、その下流に封入装置3を連結している。
【0021】
図3に示すように、封入を行う封筒B(後述のB1、B2を総称する)や封入物となる用紙S(後述のSt、Syを総称する)は画像複写装置1にある給紙段1−Bにそれぞれセットされており、画像複写装置1から封入装置3へそれぞれ搬送される。封入装置3内で封筒Bへ封入物としての用紙Sの封入がなされた後に、封筒Bは積載トレイ3−A(図1参照)に排出される。
図2にブロック図で示すように、画像複写装置1と封入装置3とはそれぞれが制御手段310、320を備え、各制御手段310、320は、お互いの通信ポートを介して通信回線330で接続される。画像複写装置1の制御手段310と操作パネル1−A内の操作部340とは信号回線350で接続され、相互に信号の授受を行っている。
【0022】
まず、画像複写装置1について説明する。
図3に示すように、画像複写装置1はフルカラー画像形成装置であり、4色分の画像形成ユニット60Y(イエロー)、60C(シアン)、60M(マゼンダ)、60K(黒)が対応する画像形成ステーションに着脱自在になっており、レーザー光を照射可能な書込み手段としての光学ユニット8、中間転写ユニット10、用紙及び封筒を供給する給紙手段を成す給紙段1−B、及び定着ユニット6等を備えている。
【0023】
各画像形成ユニット60Y、60C、60M、60BKの構造は同一であり、それぞれ像担持体としての感光体ドラム20、これに作用するプロセス手段として、感光体ドラム20を帯電する帯電装置79、感光体ドラムに残留した現像剤等を除去するクリーニング装置71が一体的に構成されており、これに感光体ドラムに形成された潜像を現像する現像装置80を連結する構成になっている。符号78は除電装置を示す。
各画像形成ユニットは、後述する開閉式面板の開閉方向(感光体の回転軸方向)に画像形成装置本体に対して着脱自在な構成になっている。
【0024】
中間転写ユニット10は、転写媒体(中間転写体)としての中間転写ベルト11、該中間転写ベルト11を回転可能に支持する4つのローラ72、73、74、75、各感光体ドラム20に形成されたトナー像を中間転写ベルト11に転写する一次転写ローラ12、及び中間転写ベルト11上に転写されたトナー像を更に被転写体としての用紙Pに転写する二次転写ローラ66を備えている。図1中、矢印A1は中間転写ベルト11の移動方向を、矢印B1は感光体ドラム20の回転方向を示している。
【0025】
図3に示すように、給紙手段としての給紙段1−Bはその上部の封筒用カセット25、中部及び下部の各給紙カセット26,26に分かれる。上部の封筒用カセット25には縦長の封筒Bt(図5に示すように長手方向を搬送方向fに向け、搬送方向f下流側に封止口と反対の閉鎖端を向けて収納される。更に、中部及び下部の各給紙カセット26,26には縦置きのA4の用紙St(図13(a)に示すように長手方向を搬送方向fに向けている)、横置きのA4の用紙Sy(図13(b)に示すように長手方向を搬送方向fと直行する方向に向けている)が収容されている。
【0026】
図5に示すように、給紙段1−Bの封筒用カセット25にはカセット本体151と、用紙サイズ検知手段及び封筒サイズ検知手段を共に兼ねるサイズ検知系が設けられる。
ここで、給紙段1−Bの給紙カセット本体151には、収納する各用紙サイズ又は封筒サイズにそれぞれ対応させて形成したサイズ指示板27が取り付けてあり、その給紙カセット本体151を装置本体99にセットすると本体側にそのサイズ指示板27に対応させて設けてあるサイズ検知センサ28がそのサイズ指示板27を検知して、カセット内に入っている用紙または封筒(図5では封筒Bを入れてある)のサイズを検知する。この給紙カセット本体151の各側面には、サイズシール29を貼着してユーザがカセット内の収納物のサイズを一目でわかるようにしてある。
【0027】
なお、各給紙カセット25,26に代えて、その他の多種の封筒、多種の用紙を収容した給紙カセットを収容可能であり、ここでは同様の構成を成すその他の給紙カセットの図示を省略する。
なお、給紙段1−Bの封筒用カセット25や、複数の向きが縦横90度互いに異なる用紙St(搬送方向と直行する方向)、Sy(搬送方向に沿う方向)を収容する各給紙カセット26は、封筒B及び用紙Pを搬送方向fに移送する給紙ローラ24、用紙のズレを規制するズレ止め251,261を備える。
【0028】
図3に示すように、給紙段1−Bからの封筒Bや用紙Sは複数の送りローラfrから受ける搬送力を受けて搬送方向fに移送され、レジストローラ対4を経て後述する二次転写領域57に搬送されている。この二次転写領域57の下流には定着ユニット6が設けられる。この定着ユニット6は加熱ローラ62、定着ローラ65、定着ベルト64及び加圧ローラ63を備え、用紙等にトナー像に熱と圧を加えることで定着を行う。
【0029】
上記構成において、まず1色目、イエローの像担持体ユニット60Yにおいて、感光体ドラム20が帯電装置79によって一様に帯電された後、光学ユニット8から照射されたレーザー光によって潜像が形成され、これが現像装置80によって現像されてトナー像が形成される。
感光体ドラム20上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ12の作用によって中間転写ベルト11上に転写される。一次転写が終了した感光体ドラム20はクリーニング装置71によってクリーニングされ、次の画像形成に備える。
【0030】
クリーニング装置71によって回収された残留トナーは、像担持体ユニットの取り出し方向(感光体ドラムの回転軸方向)に設置された図示しない廃トナー回収ボトルに貯蔵され、適時に廃トナー回収ボトルが交換される。
同様の画像形成工程がC、M、BK用の各像担持体ユニット60C、60M、60BKにおいても行われて各色のトナー像が形成され、先に形成されたトナー像に順次重ねて転写される。
【0031】
用紙Sはいずれか一つの選択されたカセット25、26、又は手差し給紙トレイ27によって二次転写領域57に搬送され、二次転写ローラ66の作用によって中間転写ベルト11上に形成されたトナー像が用紙Sや封筒Bに転写される。トナー像を転写された用紙Sは定着ユニット6に搬送される。定着ユニット6は、加熱ローラ62、定着ローラ65、定着ベルト64及び加圧ローラ63を備え、記録紙Pや封筒B上のトナー像に熱と圧を加えることで定着を行う。この該定着ユニット6の定着ローラ65と加圧ローラ63にてトナー像が定着された記録紙Pや封筒Bは排紙ローラ対7及び直状ローラ列17により封入装置3に搬送される。
【0032】
二次転写後の中間転写ベルト11は、クリーニングブレード76を有するベルトクリーニング装置13によってクリーニングされる。
各像担持体ユニット60Y、60C、60M、60Kに新しいトナーを供給するために、トナーボトル9Y、9C、9M、9Kを回転させ、不図示のパイプを通して各現像装置80にトナーを搬送する。
図3において、符号51は両面ユニットを示している。両面ユニット51は両面プリント時に駆動するものであり、排紙ローラ対7でスイッチバックされ、切換え爪22で両面ユニットの搬送路21へ搬送され、搬送ローラ対23によりレジストローラ対4へ向けて搬送される。符号29は手差し給紙の給紙ローラを、28は搬送ローラ対を示す。
【0033】
中間転写ベルト11は単層または複層ベルトである。単層の場合は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)・ポリアミドイミド体(PA)・ポリイミド体(PI)・ETFEなどを用いて60〜150μmの厚みに作られる。これらは機械強度を要求される。電気的な特性は、カーボンブラックを配合して、10〜1012Ω・cmに調整してある。なお作成は遠心成型やディッピングなどで作られる。
複層の場合は、上記の基体上に弾性層と表面層が成型される。弾性層はカーボンブラックなどの難燃ゴムに練りこんで形成される。ゴムの素材は難燃性を考慮してクロロプレンゴム類などを、基体と同じ抵抗領域にて形成される。具体的には、基体の成型後にある程度冷却した後に、表面にプライマなどの処理を行った後、ローラコートもしくはディッピングで作られ、そこで加硫される。他にもいろいろな成型方法がある。
【0034】
最後に、表面層をトナーとの付着力が強くない材料で0.5〜10μmの厚みに成型される。表面層の材質としては、ウレタン・PC・フッソ樹脂・シリコン樹脂類などが多様に考えられる。なお、この層は、薄く1μm程度だが、高圧がかかるため、部分放電を起こさないように十分に高抵抗な材質で、スプレーコーディングもしくはディッピングにて製造される。
図3に示すように、中間転写ベルト11はローラ72〜75等の懸架部の懸架ローラに回動される。該懸架部では裏に懸架ローラ72がある部分で二次転写ローラ66が用紙Pを押圧して転写ニップを形成し、バイアスが印加される。なお、懸架ローラ72は転写対向ローラであり、用紙Sとベルト11を確実に押さえて搬送するために、薄肉のソリッドのゴム材料を芯金に成型されて作られる。抵抗は二次転写ローラ66と同抵抗領域が望ましい。懸架ローラ72には(−)のバイアスが不図示の電源により与えられ、相対的に転写電界を与えるものである。出力は(−)数10μAで定電流制御され、(−500)〜(−6kV)程度でよい。
【0035】
なお、懸架ローラ72,74,75は電界を与える用途は無いので、フロートでもよく接地されていてもよい。また、金属ローラでも樹脂ローラでもよい。
【0036】
二次転写ローラ66は、ウレタンやEPDMなどにイオン系導電剤(リチウムイオンやナトリウムイオン)やカーボンブラックなどを配合して軸乗に成型される。その表面硬度はアスカC15〜70度に調整されている。表層にさらに別樹脂材(テフロン(登録商標)など)を被覆し、長期のトナーフィルミングなどの影響を除いている。
【0037】
次に、画像複写装置1の下流側に設けられた封入装置3について説明する。
図1に示すように、封入装置3は画像複写装置1に直接連結され、図3、4に示すように画像複写装置1の直状ローラ列17の下流端と流入口mが連結され、これにより、給紙段1−Bにセットされた封筒や用紙Sが宛名や画像を画像形成された後に封入装置3へ搬送されてくる。
図4に示すように、封入装置3はその本体100の内部に流入口mに連続する入口搬送路105と、入口搬送路105の下流端で本体100の上方に開口するよう設けられた排紙トレイ125と、入口搬送路105の途中に設けられ制御手段320(図2参照)の指示で切換え操作される上搬送分岐爪106と、その上搬送分岐爪106の切換えにより分岐される下搬送路109と、下搬送路109の下流側に設けられ制御手段320の指示で切換え操作される下搬送分岐爪110と、下搬送分岐爪110の切換えにより分岐される傾斜搬送路112と、傾斜搬送路112の下端からの用紙Sを一旦載置する中間トレイ115及びその一端に配備されたパックユニット119と、下搬送路109の下流側の封筒チャック部138と、その封筒チャック部より更に下流に湾曲して延びる排紙搬送路123と、その下流端で本体100の下端側前部に開口を設けた積載トレイ3−Aと、これら用紙搬送路に配備され用紙Sに搬送力を加える複数の搬送ローラr3であるコロ対を備える。
【0038】
図4に示すように、入口搬送路105には同部を通過する用紙Sを検知する入口センサ104と、排紙トレイ125に排紙される用紙Sを検知する排紙センサ108と、傾斜搬送路112の下端のコロ対r3aに用紙Sの下端が達するのを検知する封入物排紙センサ113と、積載トレイ3−Aに排紙される封筒Bを検知する封筒排紙センサ124とを備え、これらは封入装置3の制御手段320(図2参照)に入力されている。
ところで、図4、7に示すように、封筒チャック部138は、上,下方向に互いに圧接して回転可能な一対のチャックコロ120,136(以下一対のチャックコロを総称する場合には120と記す)と、そこに対設された開封マイラー121とを有する。なお、チャックコロ120はローラであってもよい。
【0039】
図7に示すように、封筒チャック部138の直上の下搬送路109には、チャックコロ120のニップ部に封筒Bを案内する封筒ガイド135,139と、そのニップ部の搬送上流側の封筒ガイド135に支持され、封筒の封入口側端部の通過を検知する封筒検知用センサ137とが設けられている。その下側の一方のチャックコロ120の側面に弾性変形可能なシート状の開封部材となる開封マイラー121の一部が当接する。
開封マイラー121は、チャックコロ120によって保持される封筒Bの封入口部内に一部を挿入させることによって封筒を開封し得る位置に配設してある。
【0040】
そのチャックコロ120は、略垂直方向に配置されて互いに圧接している。また、封筒ガイド135,139は、封筒Bを縦搬送路111から用紙が移送される位置へ案内して各チャックコロ120と136の間のニップ部へ導くと共に、その各チャックコロ120,136に達した封筒Bをさらに下方へ導き、その際に封筒Bを下側のチャックコロ120に略沿わせて排紙搬送路123へと案内する。
【0041】
開封マイラー121は例えば薄いフィルム状の樹脂材で形成され、それが下側のチャックコロ120に近接して配設され、その上端側が本体100に支持された不図示の基枠に固定される。更に、通常状態において、開封マイラー121はその下端部より少し上側の部分を下側のチャックコロ120に材料自身の持つ弾性力によって所定の加圧力で当接させている。
【0042】
図7には封筒チャック部138において封筒Bがその開口部Bonを開封マイラー121の下端よりも下側に位置させた上で保持された状態を示す。
更に、用紙Sを封筒B内へ案内する際には、封筒Bの折り曲げ片部Bfcを挟持する図7の状態より、両チャックコロ120,136を所定量逆転させ、図8,9に示すように下端121a側を封筒Btの開口部Bon内に挿入して、パックユニット119によって移送される用紙Sをその開口部Bon内に導く。この間、揺動コロ対22は矢印i側に退避し、封筒Bの引き上げ作動の抵抗とならないようにしている。
【0043】
このように、封筒チャック部138は封筒Bが下方へ向けて搬送されてくると、それを封筒ガイド135,139によって一対のチャックコロ120,136間に案内する。次にその封筒Bを、それぞれ回転するチャックコロ120,136の搬送力によって下側のチャックコロ120と開封マイラー121の間へ送り、排紙搬送路123に移送する。
次に、図4に示すように、傾斜搬送路112の下端からの用紙Sを一旦載置する中間トレイ115は傾斜搬送路112とは逆に傾斜配備され、下端側が封筒チャック部138に空間部eを介して対設され、しかも同部にパックユニット119を対設する。
【0044】
中間トレイ115は戻しコロ114と、パックユニット119に接近して配備された後端ストッパ118と、退避後先端ストッパ116と、サイドジョガー対117と、を備える。
用紙S(封筒Bの封入物)は封入物排紙センサ113を通過し、中間トレイ115へ所定枚数排出され、これが制御手段320に確認されると、中間トレイ115に対向して退却位置より押圧する方向に支持枠nを介して付勢された戻しコロ14が回転駆動され、用紙S(封筒Bの封入物)を後端ストッパ18の方向へ搬送する。搬送完了後、サイドジョガー対17にて整合動作を行う。封筒に封入する全ての封入物が揃うまで同じ動作を繰り返す。
傾斜搬送路112からの用紙Sが全て中間トレイ115に積載された後、後端ストッパ118は図4中の矢印dの方向へ退避作動する。これにより封入物束がパックユニット119内へ搬送可能となる。次いで、先端ストッパ116は矢印gの方向へ移動を開始し、用紙S束(封入物束)をパックユニット119内へ搬送する。
【0045】
パックユニット119は、図11に示すように中間トレイ115の下端部側の左右に形成された切り込み部に対し、進退可能に収容され同時に封筒チャック部138に向けて揺動する同一構成の左右一対の構造体である。即ち、左右の各パックユニット119は、図10に示すように上パック部140と下パック部141とからなり、その上パック部に上コロ142を、下パック部に下コロ43をそれぞれ回転可能に取り付けている。また、その上,下パック部40,41の同図で右端側には挿入ガイド144,145を回動可能に取り付け、それらを弱いバネによって先端側が互いに接近するように付勢して、束状の用紙Sがそこを通過する際にはそれらが押し開かれて用紙が大きな抵抗を受けることなく搬送されるようにしている。
【0046】
ここで、パックユニット119へ用紙Sが束状を成して搬送完了後、パックユニット119は矢示Jの方向へ移動し、チャックコロ120,136に保持された状態の封筒Bへパックユニット119内の搬送ローラの回転により搬送され封入される。
封入完了後、揺動コロ対122は矢印iと逆方向に移動し、封筒を排紙搬送路23に沿って搬送を開始する。封筒は封筒排紙センサ24を通過し、封筒積載トレイ26へ排紙される。
次に、画像複写装置1の制御手段310と信号回線350で操作部340が接続された操作パネル1−Aを説明する。
【0047】
図14に示すように、操作パネル1−Aは操作ボード部341と表示モニタ342とを有する。操作ボード部341は電源キーBa、テンキーBb、複写キーBc、機能メニューボタンBd、ストップキーBe,その他のキーを備え、表示モニタ342は図15に示すような表示モードの表示を行う。
ここで、表示モニタaに図15のような操作画面が表示されているものとする。
ここでは特に、給紙段1−Bには、1段目(下段)にA4の横長の用紙By、2段目(上段)にはA4の縦長の用紙Btがセットされているものとする。これに応じて、給紙カセットの用紙Sのサイズ及び向きSt,Syの表示、封筒Bのサイズ及び向きBt,Byの表示を行い、封入モードa1の表示をも行う。なお、本実施形態では用紙サイズをA4としているが、要は原稿と同サイズの用紙が縦と横にセットされていることを示す。
【0048】
表示モニタaに図15の操作画面28が表示されるが、後述するように、封入可否の指示の入力が必要な場合、判断を求める際の操作画面の例を図16に示した。
この場合、後述の封入制御中において、処理封入可否判断が使用者によりなされ、折り処理が必要と判断された場合、使用者に折り処理を行って良いか否かの判断を求める際の操作画面28の例を示す。
操作画面28の「継続」、「中止」のボタンのどちらかを押下することにより、使用者に折り処理を施して良いか否かの判断を求めることが出来る。この判断は、初期設定にて「継続」、「中止」の判断を設定することも可能であり、その場合は図16のような表示はされず、予め設定されている方を選択することとなる。
【0049】
次に、第1の画像形成システムM1の作動を説明する。
【0050】
まず、図1に示すように、画像複写装置1の給紙段1−Bの封筒用カセット25には縦長のA4用紙Sを封入可能な封筒Btがセットされた場合(図5参照)を説明する。
画像複写装置1では予め、封筒用カセット25の縦長(搬送路方向に長い)封筒Btのサイズと、上下の給紙カセット26の縦長(搬送路方向に長い)の用紙Stと横長(搬送路方向と直交方向に長い)の用紙Syのサイズが各サイズ検知センサ28により読み取られ、制御手段310に入力され、図15に示す操作パネル1−Aの表示モニタ342に表示される。
まず、スキャナー2の原稿搬送装置(ADF)上の原稿載置面に宛先表示原稿と、封入する画像を有する複数枚の原稿がセットされる。
【0051】
ここで、封入処理を行うため、図15の表示モニタ342にある封入のタブの封入ボタンa1を押下し、操作パネル1−AのスタートキーBc(図14参照)を押下することで、画像複写装置1は封入モードの作動に入る。
まず、スキャナー2が宛先表示原稿を読み取り、指定された宛名表示画像を封筒Btに複写し、その封筒Btを封入装置3の入口搬送路5に搬送する。
なお、この場合に、封筒Btの表面に宛先を裏面に送り主名を複写する場合は、スキャナー2の原稿載置の際、送り主表示原稿と名宛先表示原稿とを順次重ねて配備し、これを順次読み取り、送り主と宛先を両面ユニット51を駆動させて両面複写モードで複写し、封入装置3の入口搬送路5に搬送する。
【0052】
封入装置3の制御手段320は制御手段310からのデータにより封筒Btの搬送時を検知しており、入口センサ4にて封筒Btを検知すると、各搬送ローラr3が駆動し、この際、上下搬送分岐爪106、110を切換え、縦向きの封筒Btを下搬送路109を経て封筒チャック部138に搬送する。
この際、チャックコロ120のニップ部に封筒Btを案内する封筒ガイド135,139のうちの一方の封筒ガイド135には封筒検知用センサ137が設けられ、これが封筒Btを検知すると制御手段320がチャックコロ120の回転を止める。この際、図9に示すように、開封マイラー121の下端が封筒Btの開口端より上に位置し、一部が当接する。制御手段320はこの状態よりチャックコロ120を所定量逆転させる。この時、揺動コロ対22は矢印の方向iへ退避しており、封筒とは接しない位置にいる。これより、開封マイラー121はチャックコロ120によって保持される封筒Bの開口部内に一部を挿入させ封筒Btを開封し、封入物である用紙Sが封入されてくるのを待つ。
【0053】
次に、制御手段320は制御手段310からのデータによりスキャナー2にて原稿読み取り後、今回の封筒Btと原稿画像Ptを対比し、図12(a)に示すように、用紙Sは縦向きのA4用紙Stを使用することで、縦向きの封筒Btへ封入が可能で、原稿と同一向きで原稿画像と同一画像を形成可能と判断し、給紙段1−Bの縦向きA4用紙St給紙カセット26から縦向きの用紙Stを取り出すことを決定する。なお、図12(a)、(b)中の符合skは用紙Sのサイズを検知して、制御手段320に入力する用紙サイズ検知手段を示す。この判断により、縦向きの用紙Stに縦向きの原稿画像Pt(図12(a)参照)を複写し、画像形成された用紙Stを封入装置3へ搬送する。
【0054】
原稿画像Ptの形成された縦向きの用紙St(封入物)は入口搬送路5に搬入され、これが入口センサ4で検知されると、各搬送ローラが駆動して封入物の搬送が開始される。制御手段320は制御手段310からのデータに基づき、用紙Stを所定枚数だけ、中間トレイ15に導くよう上搬送分岐爪6を切換える。
【0055】
中間トレイ115に用紙Stが搬送されるとその都度戻しコロ114が用紙Stに接して用紙Stを後端ストッパ118の方向へ移送する。用紙Stが所定枚数搬送されたことが封入物排紙センサ113により確認すると、制御手段320は封入物を後端ストッパ118の方向へ搬送する。搬送完了後、サイドジョガー対117にて整合動作を行う。封筒に封入する全ての封入物が揃い用紙束となるまで同じ動作を繰り返す。
【0056】
この後、図4に示すように、後端ストッパ118は矢印の方向dへ退避する。退避後、先端ストッパ116は矢印の方向gへ移動を開始し、用紙束(封入物束)をパックユニット119内へ搬送される。この際、パックユニット119の上パック部の上コロ142と下パック部の下コロ143を所定量それぞれ回転し、用紙束をそこに挟持する。その上で、制御手段320に制御されるパックユニット119は不図示の駆動源に駆動され、矢示Jの方向へ揺動し、一対のチャックコロ120,136間に保持された状態の封筒Btの開口へ挿入ガイド144,145を対向させ、パックユニット119内の搬送ローラ142、143の回転により搬送され、用紙Sが束状を成して封入される。
【0057】
パックユニット119へ用紙Sが束状を成して搬送完了後、揺動コロ対22は矢印iと逆方向に移動し、封筒Btに搬送力を加え、排紙搬送路123へ搬送を開始する。封筒Btは封筒排紙センサ124を通過し、封筒積載トレイ126へ排紙され、用紙束を封入した1つの封筒Btの搬送が完了する。
上述のところで、図12(a)に示すように、スキャナー2にて原稿を読み取り、原稿画像Ptのサイズと向きが縦長のA4サイズと確認し、今回の封筒Btと原稿画像Ptを対比し、用紙Sは縦向きのA4用紙Stを使用すると判断し、以後の封入処理を行っていた。
【0058】
以下に、この封筒と原稿と用紙Sとの相違に応じ、画像形成された用紙Sを封筒に封入処理する場合の変形例(1)〜(3)を説明する。
<変形例(1)>
図12(a)の封入処理パターンに代えて、図12(b)に示す場合を説明する。
この場合、予め、封筒用カセット25に横長の封筒By(図3に2点差線で示す)を積載しておくとする。更に、スキャナー2にて原稿を読み取り、原稿画像Pyのサイズと向きが横長のA4サイズと確認するとする。この場合には、今回の横長の封筒Byと横長の原稿画像Pyを対比し、原稿画像Pyを横長の封筒Byに封入可能と判断できる。そこで、横長のA4の用紙Syを使用することで、原稿画像と同一の画像形成が可能であると判断でき、下段の給紙カセット26より横長のA4の用紙Syを取り出して、使用し、以後の封入処理を行っても良い。
【0059】
<変形例(2)>
更に、上述の変形例に代えて、図13(a)に示すように、予め、封筒用カセット25に縦長の封筒Bt(図13(a)に示す)を積載しておくとする。更に、スキャナー2にて原稿を読み取り、原稿画像Pyのサイズと向きが横長のA4サイズ(図13(a)に2点鎖線で示す)と確認したとする。この場合には、今回の縦長の封筒Btの封入口幅L1と横長の原稿画像Pyの(L4)を対比し、L1<(L4)と判断され、原稿画像Pyを横長の封筒Byに封入できず、封筒Byの向きが横長の原稿画像Pyと同一の画像を形成した場合の用紙Syの向きとが90度異なる場合と判断する。そこで、制御手段310は印字処理手段として機能し、読み取った横長の原稿画像Pyのデータの向きを90度回転させた向きに修正した原稿画像Ptのデータに変換処理する。その上で、制御手段310は修正した縦向きの変換後の原稿画像Ptのデータにより、このデータと同じ縦向きの用紙Stへの印字処理を行うよう、縦長のA4の用紙Stを使用すると判断する。これにより、用紙Stに原稿画像を縦向きに変えた画像Ptの形成が可能であると判断でき、上段の給紙カセット26より縦長のA4の用紙Stを取り出して使用し、以後の封入処理を行うようにしても良い。
【0060】
<変形例(3)>
更に、上述の変形例に代えて、図13(b)に示すように、予め、封筒用カセット25に横長の封筒By(図13(b)に示す)を積載しておくとする。更に、スキャナー2にて原稿を読み取り、原稿画像Ptのサイズと向きが縦長のA4サイズ(図13(b)に2点鎖線で示す)と確認した場合とする。この場合には、今回の横長の封筒Byの封入口と直交する方向(搬送方向f)の幅L2と縦長の原稿画像Ptの搬送方向fの幅(L3)を対比し、L2<(L3)と判断され、原稿画像Ptを横長の封筒Byに封入できず、封筒Byの向きが、縦長の原稿画像Ptと同一の画像を形成した用紙Stの向きとが90度異なる場合と判断する。そこで、制御手段310は印字処理手段A1(図2参照)として機能し、読み取った縦長の原稿画像Ptのデータの向きを90度回転させた向きに修正した原稿画像Pyのデータに変換処理する。その上で、制御手段310は修正した横長の変換後の原稿画像Pyのデータにより、このデータと同じ横長の用紙Syへの印字処理を行うよう、横長のA4の用紙Syを使用すると判断する。これにより、用紙Syに原稿画像を横向きに変えた画像Pyの形成が可能であると判断し、下段の給紙カセット26より横長のA4の用紙Syを取り出して使用し、以後の封入処理を行うようにしても良い。
【0061】
次に、制御手段310が画像複写装置1のメインルーチン(不図示)の途中で行う、封入判断可否判定ルーチンを図17に示した。
ここで、ステップs11〜s14に達すると、封筒Bの封入口の長さL1、封筒Bの奥行き(搬送方向f)の長さL2、原稿Pの副走査方向yの長さL3、原稿Pの主走査方向xの長さL4をそれぞれ検知する。その後のステップs15に達すると、まずは図12(a)、(b)に示すように、原稿Pと同じ方向で用紙S(封入物)を画像形成しても封入出来るかを主走査方向xでL1>L4を判定し、Yesでステップs16に進み、副走査方向yでL2>L3を判定し、Yesでステップs19、20と進む。ここでは、主走査方向がL4の長さの用紙S(原稿と同じ向きの用紙)がセットされた給紙段のカセットから給紙開始し、その後、画像形成処理に進む。
【0062】
ステップs15、s16でNoの判断でステップs17に達すると、そこでは、原稿を90度回転させた場合(図13(a)、(b))には封入出来るかの第1の判断L1>(L3)をし、Noではステップs23に進んで今回の画像形成を停止し、封入できない無駄な画像形成を防止する。
一方、ステップs17でYesでステップs18に進むと、ここでは原稿を90度回転させた場合(図13(a)、(b))には封入出来るかの第2の判断L2>(L4)をし、Noではステップs23にYesでステップs21、s22に進む。ここでは、副走査方向がL3の長さの用紙S(原稿の向きを90変えた向きの用紙)がセットされた給紙段のカセットから給紙開始し、その後、画像形成処理に進む。
【0063】
このように、第1の画像形成システムM1を用い、図12、図13に示したような画像形成及び封入処理を行うと、原稿画像が形成された用紙Sを封筒Bに確実に封入出来、用紙Sへの原稿画像Pの形成とその用紙Sの封筒Bへの封入処理とを使用者が原稿セット方向を気にせずに行える。
また、原稿サイズと使用する封筒Bのサイズと当該封入口の長さを比較した際に、用紙Sの向きと原稿の向きが90度異なると判断される場合には、印字処理手段A1が原稿画像データの向きを90度回転切換えしてから用紙への印字を行うので、原稿画像と同原稿画像を形成する用紙(封入物)とが同じ画像方向となるようにでき、予め、用紙のセット方向を互いに90度向きを変えた2つの給紙カセットを用意しておくことで、使用者が原稿の方向を気にすることなく画像形成でき、操作性が向上する。
【0064】
次に、「第2実施形態」として、画像形成した用紙の封筒への封入にあたり、用紙の折りたたみ処理を行うことで封入可能にできる第2の画像形成システムM2を説明する。
図18には「第2実施形態」としての第2の画像形成システムM2の概略構成図を示した。この第2画像形成システムM2は、画像形成装置としての画像複写装置1と、自動原稿搬送装置(ADF)を有した画像読取装置としてのスキャナー2と、表示装置付きの操作パネル1−Aと、給紙手段を成す給紙段1−Bを備え、その下流に折り処理装置46と封入装置3がこの順で配備される。
【0065】
ここで、第2画像形成システムM2は、第1の画像形成システムM1と対比して、封入装置3の上流側に折り処理装置46を設けた点と、画像複写装置1aに多量積載トレイ90が配備された点でのみ相違し、ここでは多量積載トレイ90と折り処理装置46を主に説明し、重複説明を略す。
図19に第2の画像形成システムM2のブロック図を示す。ここで、画像複写装置1と封入装置3とその間の折り処理装置46はそれぞれが制御手段310、320,360を備え、各制御手段310、320,360は、お互いの通信ポートを介して通信回線330で接続される。画像複写装置1の制御手段310と操作パネル1−A内の操作部340とは信号回線350で接続され、相互に信号の授受を行っている。
【0066】
図20には画像複写装置1aを示した。
ここで、画像複写装置1aは図3の画像複写装置1aと対比して、多量積載トレイ90が配備された点でのみで相違し、ここでは多量積載トレイ90以外の説明を略す。
多量積載トレイ90は図22(a)、(b)に示すように、画像複写装置1aの本体側方中間部に突き出し状態で装備される。多量積載トレイ90は底板30上に多量の用紙Sや封筒Bを積載し、収納する。底板30にはガイドロッド33に沿って矢示A方向にスライド可能な一対のサイドガイド31,32は装備され、これによって多量の用紙Sや封筒Bを挾んで底板30の中央位置にセットする。
【0067】
用紙Sや封筒Bはガイドロッド33に沿って矢示A方向にスライド可能な一対のサイドガイド31,32によって挾んで底板30の中央位置にセットする。底板30の下側には、サイドガイド32の位置を検知することにより底板30上の用紙サイズを検知するサイズ検知装置34(例えば可変抵抗型位置センサ)を配設し、それによって検知した値を予め記憶させてあるサイズデータと比較して、底板30上にセットされている用紙Sまたは封筒Bのサイズを認知することができるようにしている。ここでの多量積載トレイ90は、縦長のA4サイズの用紙を封入する縦長の封筒Btが載置されているが、以後の図25(a)に示す封入処理では、後述するB5サイズの用紙Sを横長で封入可能な封筒By1が積載されるものとするが、これに代えてその他のサイズの封筒、用紙を積載することも可能である。
【0068】
次に、折り処理装置46の構成について説明する。
図21に示すように、折り処理装置46は一側が画像複写装置1に直接連結され、画像複写装置1の直状ローラ列17の下流端と流入口m1が連結され、これにより、給紙段1−Bにセットされた封筒や用紙Sが宛名や画像を画像形成された後に封入装置3へ搬送されてくる。
折り処理装置46は本体200の上部の流入口m1に連続する入口搬送路205と、入口搬送路205の上流及び下流側に設けられ用紙S等を搬送する給紙ローラ対206と、排紙ローラ対207と、入口搬送路205の途中に設けられ制御手段360の指示で切換え操作される上搬送分岐爪248と、その上搬送分岐爪248の切換えにより分岐される下搬送路261と、下搬送路261の下流側に設けられ制御手段320の指示で切換え操作される第1第2折ローラ対252,253と、そこより上下に延出する第1、第2搬送経路362,363及び上端が排紙ローラ対307のニップ直前に達する戻り排紙経路364とを備える。
【0069】
ここで、入口搬送路208には同部を通過する用紙Sを検知する入口センサ247と、排紙ローラ対207に排紙される用紙Sを検知する排紙センサ260と、下搬送路260の下端湾曲部に設けられた下部用紙センサ257と、第1折りローラ52の手前のレジスト検知線さ251と、第1折りローラ52の出口側に対設された切換え爪255が退避位置にあるとオンする退避センサ265と、第1搬送経路262の上端に用紙Sが達するとオンする上突き当りセンサ249と、第2搬送経路263の下端に用紙Sが達するとオンする下突き当りセンサ259と、第2折りローラ253の出口側に対設された切換え爪256が退避位置にあるとオンする退避センサ266とを備え、これら各センサの検知信号は制御手段360(図19参照)に入力される。
【0070】
ところで、図21に示すように、折り処理装置46は、上,下方向に互いに圧接して回転可能な一対の搬送コロr4を複数配設し、これの回転駆動により各搬送路の用紙Sに搬送力を付与している。
制御手段350に駆動制御される折り処理装置46は、画像複写装置1から出力される用紙がすべてZ折り動作を行なわない場合は入口搬送路205を経て分岐爪48に当接せず、ストレイト搬送され、そのまま封入装置3に向け排紙される。Z折り処理を選択された場合は、用紙は分岐爪248から下搬送路261に搬送されていく。用紙Sがレジスト検知センサ251に到達時に用紙Sが第1ガイド板250と第2ガイド板258に突き当たった際にガイド板が動かないように各ガイド版の駆動源の不図示のPMモータを励磁する。更に、レジスト検知センサ251に用紙Sが到達後、設定時間Tms後に第1折りローラ52の不図示のクラッチがオンになるまでスキュー補正を行い、その後に搬送経路B62へ搬送されている。
【0071】
図23の<a>に示すように、上搬送経路262へ搬送された用紙Sは、第1ガイド板250に突き当たって<b>の状態に変位し、第1折りローラ252と第2折りローラ253のローラ対の方へ撓んでいく。更に撓んでいくと、<c>の状態に達して、ローラ対のニップに用紙は咥えられ、この際、図23に示す第1折りが成される。この後、<d>に示すように、下搬送経路263へ搬送された用紙Sは、<e>に示すように、第2ガイド板258に突き当たり、用紙が第2折りローラ253と第3折りローラ254のニップ付近に撓んでくる。更にローラ対253,254のニップに用紙Sは咥えられ、<f>に示すように、戻り搬送経路264(上方)の方へ搬送されていく。この際、図23に示す第2折りが成される。そしてZ折処理された用紙Sは戻り排紙経路264から排紙ローラ対207のニップへ搬送されていき、Z折処理された用紙Sを排紙して終了する。
【0072】
図24は、制御手段360に駆動制御される折り処理装置146により折り処理された用紙Sの折りパターンを説明している。図23で<c>の状態において、切換え爪256(図21に示す)を作動位置(破線で図21に示す)に切換えると、用紙Sは2つ折の状態で戻り搬送経路264へ搬送される。
ここで、用紙S(封入物)は搬送方向に対して折り処理が行われ、図25で、(a)は上述のZ折りのパターンである。(b)は3つ折り状態を示し、(c)は4つ折り状態を示す。各搬送方向の封入物の長さは原稿の長さL3に対して以下のような対応になっている(図26参照)。
(Z折り時):L5=L3×1/2
(3つ折り時):L6=L3×1/3
(4つ折り時):L7=L3×1/4
これらの各折モードでは第1ガイド板250と第2ガイド板258のローラニップに対する接離方向の切換え及び切換え爪255,256が退却位置より作動位置(破線で図21に示す)に切換えることで得られ、各ローラ252、253,254が選択回転することで、3つ折り、4つ折りを達成できる。
上述した図12(a)〜図13(b)に示す封入処理では、封筒Bと原稿画像Pを対比し、用紙Sがそのまま封入可能と判断した場合に、その用紙Sに画像をそのまま、あるいは90度回転変換処理して印字して、以後の封入処理を行っていた。
これに対し、図27〜図28に示す封入処理では、封筒Bと原稿画像Pを対比し、用紙Sがそのまま封入不可あるが折畳むことで封入可能と判断した場合における封入処理を説明する。なお、重複する説明は簡略化する。
この場合、予め、多量積載トレイ90に横長の封筒By1(図25(a)に示す)を積載しておくとする。この横長の封筒By1はA4の横長の封筒By(図13に示す)より縦横とも小さく、B5サイズの封筒とする。
【0073】
ここで、制御手段320の第1段階(図27の処理)の制御を説明する。
制御手段320はステップs21〜s24に達すると制御手段からのデータを受け、スキャナー2にて読み取られた原稿画像Ptのサイズと向きが縦長のA4サイズと確認する。この場合封筒Bの封入口の長さL1、封筒Bの奥行き(搬送方向f)の長さL2、原稿Pの副走査方向yの長さL3、原稿Pの主走査方向xの長さL4をそれぞれ確認し(図25(a)参照)、今回の横長の封筒By1と縦長の原稿画像Ptを対比し、原稿画像Ptを横長の封筒Byに封入できないと判断する。
ここで、ステップs25に達すると、まず、図27〜図28に示すように、原稿Pと同じ方向で用紙S(封入物)を画像形成しても封入出来るかを主走査方向xでL1>L4を判定し、Yesでステップs26に進み、副走査方向yでL2>L3を判定し、Yesでステップs29、30と進む。この場合は、主走査方向がL4の長さの用紙S(原稿と同じ向きの用紙)がセットされた給紙段のカセットから給紙開始し、その後、画像形成処理に進む。
【0074】
ステップs25、s26でNoの判断でステップs27に達すると、そこでは、原稿を90度回転させた場合には封入出来るかの第1の判断L1>(L3)をし、Noではステップs33の第2段階(図26の処理)の制御に進む。
一方、ステップs27でYesでステップs28で原稿を90度回転させた場合には封入出来るかの第2の判断L2>(L4)をし、Noではステップs33にYesでステップs31、s32に進む。ここでは、副走査方向がL3の長さの用紙S(原稿の向きを90変えた向きの用紙)がセットされた給紙段のカセットから給紙開始し、その後、画像形成処理に進む。
【0075】
ステップs27、28よりステップs33の第2段階(図26の処理)の制御に進むとする。
ステップs33に達したことは、第1段階の判断として、折り処理を施さずに封入出来るか否かの封入可否判断を行ったが、第一段階で封入可能の判断が出来なかった場合である。
第2段階の判断を開始する。第2段階の折り処理の例として、Z折り時の制御フローを示しているが、3つ折り、4つ折り時についても同様のフローになる。
ここで、主走査方向xで判断L1>L4をし、Yesでステップs34に進み、副走査方向yでL2>L3を判定し、Yesでステップs38、39と進み、主走査方向がL4の長さの用紙Sがセットされた給紙段のカセットから給紙開始し、画像形成処理に進む。
【0076】
一方、ステップs34でNoで、ステップs36に達すると、Z折り時の搬送方向の長さL5がL2より小さいかの副走査方向yの判断をし、Noでステップs35に、Yesでステップs37に進み、Z折り処理を行うように折り処理装置46を設定し、ステップs38,39と進み、A4の縦長の用紙Stへの画像形成をする。
一方、ステップs33、s35でNoの判断でステップs35に達すると、そこでは、原稿を90度回転させた場合には封入出来るかの第1の判断L1>(L3)をし、Noではステップs41に進み、無駄な複写を停止させる。
【0077】
ステップs35でYesでステップs40で原稿を90度回転させた場合には封入出来るかの第2の判断L2>(L4)をし、Noではステップs42にYesでステップs44、s45に進む。ここでは、副走査方向がL3の長さの用紙S(原稿の向きを90変えた向きの用紙)がセットされた給紙段のカセットから給紙開始し、その後、画像形成処理に進む。
一方、ステップs42に達すると、Z折り時の搬送方向の長さL5がL2より小さいかの副走査方向yの判断をし、Noでステップs41に、Yesでステップs43に進み、Z折り処理を行うように折り処理装置46を設定し、ステップs44,45と進み、A4の縦長の用紙Stへの画像形成をする処理に進む。
【0078】
次に、上述の処理において、折り処理装置46はZ折りを行うものとして説明したが、これ代えて、次のような判断を行うよう制御しても良い。
この場合、図29に示すように、上述の第1段階のステップs21〜32の判断をし、次いで、上述の第2段階のステップs33〜s45の判断をしてZ折り処理を施す。その上でステップs46の第3段階の判断に進み、ここでは3つ折り処理を施す場合であるか否か判断して、その場合には3つ折り処理を施す。更に、ステップs47に進み、第4段階の判断に進み、ここでは4つ折り処理を施すか否か判断して、その場合には4つ折り処理を施す。図29に示す順番で封入可否の判断を行うことにより、封入可能判断を折り回数が少ないパターンを選択出来るようにする。
【0079】
このように、折り回数が少ないことにより、封入後の封筒の膨らみを押さえることが出来、封筒積載トレイ26の積載部数が向上することが出来る。
更に、このような制御を行った場合、封筒By1のサイズがより小さな、封筒By2(図20中の封筒カセット25参照)の使用を可能にでき、封筒の選択範囲を拡大できる。
上述の図17の封入処理においては、封入処理の判断を封筒の封入口の長さL1に対しての原稿画像の副操作方向yの長さL4の対比により封入処理の判断を開始していたが、これに代えて、図30、図31の封入制御処理のようにしても良い、
この場合、図17の封入処理でのステップs11〜s14と同様の処理がステップs51〜s54で行われ、その上で、ステップs55で封筒の縦横長さL3,L4を比較し、L3が大きく縦長ではステップs56〜s64の処理を図17の場合と同様におこなう。一方、L4が大きく横長ではステップs65〜s73の処理を図17の場合と同様におこなう。
この制御構成の場合、封筒Bの封入口の長さL1、封筒の奥行きの長さL2、原稿の副走査方向の長さL3、原稿の主走査方向の長さL4をそれぞれ検知後、封筒BのL3とL4の長さを比較し、長い方から封入可否判断を行うことになる。これより、封筒の封入口と用紙S(封入物)の封筒の封入口と接する辺の長さが近いものを選択することが出来るようになる。
【0080】
上述のところにおいて、画像形成装置として画像複写装置1を説明し、コピー動作の説明を行ったが、これに代えて画像形成装置としてプリンタを用いても良く、この場合の作用効果は同様である。
上述のように、図1、図20の画像形成システムは、用意された封筒に封入可能と判断した用紙Sに原稿画像を形成し、その用紙を封筒に封入物として封入するので、用紙Sを封筒に確実に封入出来、用紙への原稿画像の形成とその用紙の封筒への封入処理とを使用者が原稿セット方向を気にせずに行える。
更に、原稿サイズと使用する封筒の向きが90度異なる場合には、印字処理手段が原稿画像データの向きを90度回転切換えしてから用紙への印字を行うので、原稿画像と同原稿画像を形成する用紙(封入物)とが同じ画像方向となるようにでき、予め、用紙のセット方向を互いに90度向きを変えた2つの給紙カセットを用意しておくことで、使用者が原稿の方向を気にすることなく画像形成でき、操作性が向上する。
【0081】
更に、上述の図20の画像形成システムは、用紙に画像形成後に、その用紙Sを封入不可の場合でも、折り手段にて封筒に封入可能なサイズに折り処理を施すことで、画像形成された用紙の封入不可を回避し、用紙の封入を行えるので、原稿形状に対する許容性を拡大でき、比較的多種の原稿形状に対処できる。
更に、図20の画像形成システムは、画像の主走査方向x、副走査方向yの長さが共に封筒の封入口の長さL1より長かった場合は画像形成を行わないので、封筒への封入ができない用紙への無駄な画像形成を排除できる。
更に、図20の画像形成システムは用紙が封入不可の場合であって、その用紙に対し折り手段にて封筒に封入可能なサイズに折り処理を施すにあたり、折り回数のより少ない折りモードで原稿画像を形成した用紙を折り制御し、画像形成を行うので、無駄な折り処理を排除できる。
【0082】
更に、図20の画像形成システムは原稿の主走査方向、副走査方向の長さが共に前記封入口の長さより短い場合には、原稿の封入口に接する辺の長さが封入口長さに近いようにセットされている用紙を選択して、画像形成を行うことで、画像形成された用紙をそのまま封入でき、折畳むとしてもその回数が小さくなり、無駄な折り処理を排除できる。
更に、図20の画像形成システムは使用者が封入される用紙に対しての折り処理を施す場合、前もって使用者の選択指示を受けるので、用紙の折畳み時には使用者の意図を確実に反映できる。
更に、図20の画像形成システムは折り処理を施す折りモードが選択された場合、その都度、封入される用紙に対して折り処理を施して良いか否かの選択指示を折り選択スイッチで使用者が行うので、用紙の折畳み時には使用者の意図を確実に反映できる。
【0083】
更に、図1、図20の画像形成システムは、封筒が複数設けられた場合、いずれか一つの封筒を予め指定するので、使用者の意図を確実に反映できる。
更に、図1、図20の画像形成システムは、画像形成装置として、画像複写装置又はプリンタを採用することで、請求項1〜9と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 画像複写装置
2 原稿サイズ検知手段(スキャナー)
3 封入手段
26 給紙トレイ
28 封筒サイズ検知手段
119 パックユニット
138 封筒チャック部
sk 用紙サイズ検知手段
x 主走査方向
A1 比較手段
S 用紙
1−B 給紙手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特許第3110804号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を給紙する給紙手段と、前記用紙に対して原稿の画像を画像形成する画像形成装置と、画像形成された用紙を封筒に封入する封入手段と、原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知手段と、封筒のサイズ及び封筒の封入口の長さを検知する封筒サイズ検知手段と、原稿サイズと封筒サイズと当該封入口の長さを比較する比較手段と、を備えた画像形成システムにおいて、給紙手段は同一サイズの用紙がセットされており、互いに直交する向きにセットされた2つ以上の給紙トレイを有すると共に、比較手段によって原稿が封筒に封入可能なサイズと判断した場合、原稿の画像が形成された用紙の封入時の主走査方向長さが封入口長さより小さい向きにセットされた給紙トレイ26を選択することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は前記選択された給紙トレイからの用紙の向きと原稿の向きが90度異なる場合には同原稿画像データの向きを90度回転させた向きに修正して用紙への印字処理を行う印字処理手段を有した、ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成システムは画像形成された用紙に折り処理を行う折り手段を有し、前記比較手段が封筒の封入口の長さと原稿サイズを比較し、原稿の一の辺が前記封入口の長さより小さく、且つ前記一の辺に直交する辺の長さが前記封入口と直交する辺の長さより長く、画像形成された用紙を折ることにより封入可能と判断した場合には、前記折り手段は画像形成後の用紙を封筒に封入可能なサイズとなるように折るモードで折り制御することを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項1の画像形成システムにおいて、前記比較手段にて原稿の主走査方向、副走査方向の長さが共に封筒の封入口の長さより長かった場合、画像形成を行わないことを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項3の画像形成システムにおいて、前記比較手段にて原稿の主走査方向、副走査方向の長さが共に前記封入口の長さより短く、且つ前記原稿の前記封入口に接する辺に直交する辺の長さが前記封入口と直交する辺の長さより長く、折り処理を施せば封入可能な場合、前記折り手段は折り回数のより少ない折りモードで原稿画像を形成した用紙を折り制御することを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項3の画像形成システムにおいて、前記比較手段にて原稿の主走査方向、副走査方向の長さが共に前記封入口の長さより短く、且つ前記原稿の前記封入口に接する辺に直交する辺の長さが前記封入口と直交する辺の長さより長く、折り処理を施せば封入可能な場合、前記画像形成装置は原稿の封入口に接する辺の長さが前記封入口長さに近い向きの用紙に原稿画像を形成するよう制御することを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
請求項3の画像形成システムにおいて、封入される用紙に対して折り処理を施して良いか否かを予め設定できる折り許可スイッチを備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
請求項3の画像形成システムにおいて、前記折り手段は折り処理を施す折りモードが選択された場合、折り処理を施して良いか否かの指示を使用者からの選択指示の入力に応じて行うことを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一つに記載の画像形成システムにおいて、
画像形成された用紙を封入する封筒が複数設けられた場合には、予めいずれか一つの封筒を指定するための封筒指定スイッチを備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一つに記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置は、画像複写装置又はプリンタであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2011−112972(P2011−112972A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270832(P2009−270832)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】