説明

画像形成システム

【課題】画像形成ユニットの交換時に、画像形成ユニットによって実行されたプリント回数の累計が、想定されたプリント枚数と大きく異なることを抑制する。
【解決手段】複数枚の原稿の画像を連続して読み取ることが可能な画像読取装置と、1回の画像形成速度が画像読取装置による1枚の原稿の画像の読取速度よりも速くなったプリンタとを備えており、プリンタの画像形成ユニットが感光体ドラムの走行距離の累計に基づいて設定された寿命に達することによって交換指示される。所定のタイミングにおける画像形成ユニットに設けられた感光体ドラムの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率が、そのタイミングにおけるプリント枚数の累計に基づく第2寿命消費率以上になった場合に、連続コピージョブを、速度優先モードから寿命優先モードに切り換えて実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の原稿の画像を自動的に読み取ることができる画像読取装置と、当該画像読取装置によって読み取られた画像のデータに基づいて記録シート上に画像を形成することができるプリンタとを有する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の原稿の画像を効率よくコピーするために、自動原稿搬送ユニット(ADFユニット)を備えた画像読取装置が、電子写真方式によって画像をプリントするプリンタ上に搭載された画像形成システムが知られている。
このような画像形成システムでは、画像読取装置が、複数枚の原稿の画像を順番に読み取って、それぞれの原稿の画像に対応した画像データを取得する。また、プリンタは、通常、電子写真方式にてトナー画像を形成するための画像形成ユニット、画像形成ユニットにおいて形成されたトナー画像を記録シートに転写する転写部、記録シートに転写されたトナー画像を定着させる定着装置等を備えている。
【0003】
画像形成ユニットには、回転可能になった感光体ドラム、感光体ドラムを帯電する帯電装置、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像する現像装置等の、電子写真方式によってトナー画像を形成するための構成要素が一体化されている。画像形成動作(プリント動作)を実行する際には、感光体ドラムが回転されて、感光体ドラム上にトナー画像が形成される。
【0004】
また、画像形成ユニットの中には、プリンタに対して交換可能になったタイプがある。この場合、画像形成ユニットに設けられた感光体ドラムが、予め設定された耐用期間(寿命)に達すると、新たな画像形成ユニットとの交換時期であることが、例えば表示部に表示される。感光体ドラムの寿命は、感光体ドラムの走行距離(感光体ドラムの外周面の移動距離=感光体ドラムの周長×回転数)に基づいて算出される。
【0005】
なお、感光体ドラムの寿命は、通常、このように、感光体ドラムの走行距離に基づいて算出されるが、感光体ドラムが算出された寿命に達するまでに、画像形成ユニットが実行することが可能なプリント回数(プリント枚数)の総数について想定されている。このプリント回数の総数は、例えば、2枚のプリント動作を連続して実行するジョブ(2P/1)に要する感光体ドラムの走行距離を平均的な使用形態とみなして、感光体ドラムが寿命に達するまでに実行可能なプリント回数の総数が設定(想定)されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−205712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、画像形成システムでは、複数枚の原稿の画像をコピーするジョブ(連続コピージョブ)を実行する場合には、連続コピージョブが短時間で終了するように設定された速度優先モードでプリント動作が実行される。この速度優先モードでは、最初の原稿の画像の読取が開始される前に、プリンタにおいて、画像形成ユニットにおける感光体ドラムの回転が開始される。その後、画像読取装置によって1枚の原稿の画像データが取得される度に、1枚の原稿の画像データに基づくプリント動作が実行される。
【0008】
この場合、画像形成ユニットでは、感光体ドラムの回転が開始されてから、画像読取装置によって読み取られた全ての原稿の画像データに基づくプリント動作が終了するまで、感光体ドラムの回転が継続される。これにより、画像形成ユニットは、画像データが取得されると直ちにプリント動作を実行することができ、プリント待ち時間が最小化される。
ところで、画像形成システムには、画像読取装置における1枚の原稿の画像の読取速度(スキャン速度)が、プリンタにおける1枚のプリント動作速度よりも遅い場合がある。このような画像形成システムでは、前述したように、連続コピージョブを速度優先モードで実行すると、1枚のプリント動作が終了した時点では、次の原稿のスキャンが終了していないために、画像形成ユニットの感光体ドラムは、次の原稿のスキャンが終了するまで、プリント動作を実行することなく回転を継続することになる。
【0009】
従って、連続コピージョブの回数が多くなると、感光体ドラムは、プリント動作を実行することなく回転する時間(空回転時間)が長くなる。これにより、感光体ドラムの走行距離に基づく寿命の消費率(寿命消費率)が増加し、実際のプリント回数の累計が、感光体ドラムとの寿命に対応しなくなる。その結果、感光体ドラムが、走行距離に基づく寿命に達した場合に、実際のプリント枚数の総数が、想定されたプリント枚数の総数よりも少ないにも拘わらず、例えば、画像形成ユニットの交換が指示されることになる。
【0010】
通常、ユーザは、実行されたプリント枚数の総数に基づいて画像形成ユニットの交換時期を判断する傾向にあるために、このように、画像形成ユニットの交換が指示された時点で、実際のプリント枚数の総数が、想定されたプリント枚数の総数よりも少ない場合には、画像形成システムが想定された能力を発揮していないものとして、不安あるいは不信を抱くおそれがある。
【0011】
そして、このような状態で画像形成ユニットの交換が実行されると、画像形成ユニットに設けられた帯電装置、現像装置等は、耐用期間に達していないにもかかわらず、画像形成ユニットの交換によって廃棄されることになり、資源が無駄に浪費されることになる。
また、例えば、現像装置にトナーを補給するトナーカートリッジが画像形成ユニットと一体的に構成されたプリンタにあっては、トナーカートリッジに未使用のトナーが残存する状態で、画像形成ユニットが、一体となったトナーカートリッジとともに交換されることとなり、資源が浪費されることになる。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像読取装置における読取速度がプリンタにおける画像形成速度よりも遅い場合に、画像形成ユニットの交換が指示された時点で、画像形成ユニットにおいて実行されたプリント回数の総数が、想定されたプリント回数の総数と大きく異なることを抑制できる画像形成システムを提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、画像形成ユニットとともにトナーカートリッジが交換される構成であって、画像読取装置における読取速度がプリンタにおける画像形成速度よりも遅い場合に、画像形成ユニットの寿命が到来した時点で、トナーカートリッジ内に多量にトナーが残存することを抑制できる画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、画像読取装置と、当該画像読取装置が1枚の原稿を読み取る速度よりも1回の画像形成速度の方が速いプリンタとを備える画像形成システムであって、前記プリンタが複数枚の原稿画像を連続コピーするジョブについて、ジョブ実行開始から終了までの実行時間を短縮する速度優先モードと、プリンタ内の感光回転体のジョブ実行中における走行距離を短縮する寿命優先モードのいずれかを選択して実行させる制御手段と、前記感光回転体の走行距離の累計に基づいて第1寿命消費率を求める第1演算手段と、プリント枚数の累計に基づいて第2寿命消費率を求める第2演算手段と、を備え、前記制御手段は、予め設定された所定のタイミングにおいて第1寿命消費率と第2寿命消費率とを比較し、第1寿命消費率が第2寿命消費率以上となっている場合に、前記速度優先モードから前記寿命優先モードに切り換えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る画像形成システムは、画像読取装置と、当該画像読取装置が1枚の原稿を読み取る速度よりも1回の画像形成速度の方が速く、感光回転体を有する画像形成ユニットがトナーカートリッジと一体となって交換可能になったプリンタとを備える画像形成システムであって、前記プリンタが複数枚の原稿画像を連続コピーするジョブについて、ジョブ実行開始から終了までの実行時間を短縮する速度優先モードと、前記感光回転体の走行距離を短縮する寿命優先モードのいずれかを選択して実行させる制御手段と、前記感光回転体の走行距離の累計に基づいて第1寿命消費率を求める第1演算手段と、前記画像形成ユニットのトナー消費量に基づいて第2寿命消費率を求める第2演算手段と、を備え、前記制御手段は、予め設定された所定のタイミングにおいて第1寿命消費率と第2寿命消費率とを比較し、第1寿命消費率が第2寿命消費率以上になっている場合に、前記速度優先モードから前記寿命優先モードに切り換えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像形成システムでは、画像形成速度(プリント速度)が原稿画像の読取速度よりも速くなった構成において、感光回転体の走行距離の累計に基づく第1寿命消費率が、プリント回数の累計に基づく第2寿命消費率以上になった場合に、速度優先モードから寿命優先モードで連続コピージョブを実行するように切り換えられるために、その後は、感光回転体の走行距離に基づく第1寿命消費率の増加割合が抑制される。従って、感光回転体が寿命に達した時点で、画像形成ユニットにおいて実行されたプリント回数の総数が、想定されたプリント枚数の総数と大きく異なることを抑制することができる。
【0017】
また、画像形成速度が原稿の画像の読取速度よりも速く、しかも、画像形成ユニットとトナーカートリッジとが一体的に交換される画像形成システムにおいて、画像形成ユニットに燃えけられた感光回転体の第1寿命消費率が、画像形成ユニットでのトナー消費量に基づく第2寿命消費率以上になると、その後は、寿命優先モードで連続コピージョブが実行されるために、画像形成ユニットの交換時に、トナーカートリッジ内に多くのトナー量が残存することを抑制することができる。
【0018】
好ましくは、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記感光回転体は、交換可能になった画像形成ユニットに設けられていることを特徴とする。
好ましくは、前記所定のタイミングは、前記プリンタの画像形成動作が予め設定された所定の回数になった時点、前記プリンタの画像形成動作が開始される時点、前記画像形成ユニットの感光回転体が予め設定された走行距離になった時点、当該感光回転体が予め設定された寿命消費率になった時点のいずれかに設定されていることを特徴とする。
【0019】
好ましくは、前記第1演算手段は、前記第1寿命消費率を、前記感光回転体の回転数に基づいて、または、当該回転数に対して予め設定された回転駆動時間に基づいて求めることを特徴とする。
好ましくは、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記プリンタは、カラートナー画像を形成するカラー用画像形成ユニットと、黒色のトナー画像を形成する黒色用画像形成ユニットとを有し、カラー用画像形成ユニットおよび黒色用画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成するカラーモードと、黒色用画像形成ユニットのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行することが可能であり、前記制御手段は、前記所定のタイミングにおいて、前記カラー用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上であって、前記黒色用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率未満の場合には、連続コピージョブがカラーモードのときにのみ寿命優先モードとし、前記黒色用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上の場合には、連続コピージョブがカラーモードおよびモノクロモードのいずれの場合にも寿命優先モードとすることを特徴とする。
【0020】
好ましくは、請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記プリンタは、カラートナー画像を形成するカラー用画像形成ユニットと、黒色のトナー画像を形成する黒色用画像形成ユニットとを有し、カラー用画像形成ユニットおよび黒色用画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成するカラーモードと、黒色用画像形成ユニットのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行することが可能であり、前記制御手段は、前記所定のタイミングにおいて、前記カラー用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上であって、前記黒色用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率未満の場合には、連続コピージョブがカラーモードのときにのみ寿命優先モードとし、黒色用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上の場合には、連続コピージョブがカラーモードおよびモノクロモードのいずれの場合にも寿命優先モードとすることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムの一例を示す斜視図である。
【図2】その画像形成システムに設けられたプリンタにおける主要部の概略構成を示す模式図である。
【図3】その画像形成システムに設けられた画像読取装置の構成を説明するための断面模式図である。
【図4】その画像形成システムの制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】その画像形成システムに設けられた感光体ドラムの寿命と走行距離との関係を示すグラフである。
【図6】感光体ドラムの寿命消費率と駆動時間との関係を示すグラフである。
【図7】1回で2枚のプリント動作を連続して実行するジョブ(2P/J)のみを繰り返し実行した場合における感光体ドラムの駆動時間とプリント枚数との関係を示すグラフである。
【図8】連続してプリント動作を実施した場合における感光体ドラムの駆動時間とプリント枚数との関係を示すグラフである。
【図9】1回の連続プリントジョブを連続プリントモードで実行する場合の制御部によるメインモータの制御を説明するためのタイムチャートである。
【図10】4枚の原稿の連続コピージョブを速度優先モードで実行する場合の制御部によるメインモータの制御を説明するタイムチャートである。
【図11】4枚の原稿の連続コピージョブを第1寿命優先モードで実行する場合の制御部によるメインモータの制御を説明するためのタイムチャートである。
【図12】4枚の原稿の画像の連続コピージョブを第2寿命優先モードで実行する場合の制御部によるメインモータの制御を説明するためのタイムチャートである。
【図13】連続コピージョブを第3寿命優先モードで実行する場合の制御部によるメインモータの制御を説明するためのタイムチャートである。
【図14】制御部によって実行されるモード切換制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14に示されたユニット交換時モード切換制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】画像形成ユニットとトナーカートリッジとが一体になったトナーカートリッジ一体型画像形成ユニットの斜視図である。
【図17】他の実施形態における制御部によって実行される連続コピージョブのモード切換制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[実施形態1]
<画像形成システムの全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの一例を示す斜視図である。この画像形成システムは、複写機、スキャナ、プリンタ、ファックスなどの機能を有するオールインワン(AIO)型の複合機(MFP)であり、ネットワークを介してデータの送受信が可能になっている。
【0023】
図1に示すように、この画像形成システムは、記録用紙等の記録シート上に、電子写真方式によってトナー画像を形成するプリンタAと、プリンタA上に搭載された画像読取装置Bとを備えている。画像読取装置Bは、原稿画像を読み取る画像読取ユニット10と、画像読取ユニット10上に設けられたADF(自動原稿給紙)ユニット20とを有している。
【0024】
画像読取装置Bを構成するADFユニット20は、画像読取ユニット10に対して、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられており、画像読取ユニット10の上面を閉鎖した状態で、画像を読み取るための原稿を画像読取ユニット10に自動的に供給する。画像読取ユニット10は、ADFユニット20によって供給される原稿の画像、または、操作者によって画像読取ユニット10上の所定位置に手置きセットされた原稿の画像を光学的に読み取ることによって、原稿の画像に対応した画像データを取得する。
【0025】
プリンタAには、プリント部40と、プリント部40の下側に設けられた給紙部60とが設けられている。給紙部60には、それぞれに記録シートSが収容された複数のカセット61が設けられており、選択された1つのカセット61内の記録シートSがプリント部40に供給される。
プリント部40では、画像読取ユニット10にて取得された画像データ、ネットワークを介して端末装置等から送られる画像データ等に基づいて、周知の電子写真方式によって、記録シート上にカラーまたはモノクロのトナー画像を形成する。プリント部40によってトナー画像がプリントされた記録シートは、画像読取ユニット10の下側に設けられた排紙トレイ40a上に排出される。
【0026】
また、スキャナ部20の正面側部分には、操作パネル29が設けられている。操作パネル29は、プリント枚数、プリントサイズ等の各種情報の入力のための複数のキーを備えた操作部29aと、入力指示メニュー、取得した画像データに関する情報等が表示される表示部29bとを備えている。表示部29bは、例えば液晶パネルによって構成されている。
【0027】
<プリンタの構成>
図2は、プリンタAにおける主要部の概略構成を示す模式図である。図2に示すように、プリンタAのプリント部40には、矢印Xで示す方向に周回移動するように水平状態で配置された中間転写ベルト42と、中間転写ベルト42における下側の周回移動域に対向して、周回移動方向に沿って順番に配置された4つの画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kとが設けられている。各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kは、それぞれ、プリンタAに対して着脱可能になっており、それぞれが予め設定された耐用期間(寿命)に達することによって、新たな画像形成ユニットに交換される。
【0028】
中間転写ベルト42の上方には、中間転写ベルト42を介して各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kのそれぞれに対向するように、トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kが配置されている。トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kのそれぞれには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーが収容されている。
【0029】
各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kには、トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kのそれぞれに収容されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナーが供給される。トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kのそれぞれは、プリンタAに対して着脱可能になっており、それぞれに収容されたトナーが消費されることによって、新たなトナーカートリッジに交換される。
【0030】
画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kのそれぞれは、中間転写ベルト42に対向して配置された、感光回転体としての感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kを有しており、それぞれが、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kを用いた電子写真方式によって、Y、M、C、Kの各色のトナー画像を形成する。
なお、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kは、何れも概略同様の構成になっているので、画像形成ユニット50Yについての構成についてのみ説明し、他の画像形成ユニット50M、50C、50Kの構成の詳細な説明は省略する。
【0031】
画像形成ユニット50Yの感光体ドラム51Yは、図2に矢印Zで示す方向に回転されるように構成されている。中間転写ベルト42に対して感光体ドラム51Yの回転方向下流側には、感光体ドラム51Yの表面に残留するトナーを除去するクリーニング装置55Y、帯電器52Y、露光器53Y、現像器54Yが、回転方向に沿って順番に設けられている。
【0032】
なお、K用の画像形成ユニット50Kにおける感光体ドラム51Kは、メインモータ56aによって回転駆動されるようになっており、他の画像形成ユニット50Y、50M、50Cの感光体ドラム51Y、51M、51Cは、カラーユニットモータ56bによって、それぞれ回転駆動されるようになっている。画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kには、それぞれの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数の累計を検出する回転数センサ58y、58m、58c、58k(図4参照)が設けられている。
【0033】
感光体ドラム51Yは、クリーニング装置55Yによって表面のトナー等が除去された後に、帯電器52Yによって表面が均一に帯電される。露光器53Yは、画像読取ユニット10にて読み取られた原稿の画像データ等に基づく駆動信号により感光体ドラム51Yに向ってレーザビームを照射して、帯電された感光体ドラム51Y表面を露光走査することにより、感光体ドラム51Yの表面上に静電潜像を形成する。
【0034】
現像器54Yには、トナーカートリッジ47YからY色のトナーが補給されるようになっており、感光体ドラム51Yの表面に形成された静電潜像は、現像器54YによりY色のトナーによって現像される。
なお、K用の画像形成ユニット50Kにおける現像器54Kは、メイン現像モータ56cによって駆動されるようになっており、他の画像形成ユニット50Y、50M、50Cの現像器54Y、54M、54Cは、カラー現像モータ56dによってそれぞれが駆動されるようになっている。
【0035】
中間転写ベルト42の周回移動域内には、中間転写ベルト42を挟んで感光体ドラム51Yに対向して配置された1次転写ローラ48Yが設けられている。1次転写ローラ48Yは、プリンタAに取り付けられている。1次転写ローラ48Yは、転写バイアス電圧が印加されることによって感光体ドラム51Yとの間に電界を形成し、その電界により、感光体ドラム51Y上に形成されたトナー画像が中間転写ベルト42上に静電転写される。
【0036】
他の画像形成ユニット50M、50C、50Kの上方にも、それぞれに設けられた感光体ドラム51M、51C、51Kに中間転写ベルト42を挟んで対向して配置された1次転写ローラ48M、48C、48KがそれぞれプリンタAに取り付けられており、それぞれの感光体ドラム51M、51C、51K上に形成されたトナー画像が、1次転写ローラ48M、48C、48Kによって形成される電界により、中間転写ベルト42上に静電転写される。
【0037】
なお、フルカラー画像を形成する場合には、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51K上に形成されたそれぞれのトナー画像は、中間転写ベルト42上の同じ領域に多重転写されるように、各画像形成ユニット50K、50M、50C、50Kのそれぞれによる画像形成動作タイミングがずらされる。モノクロ画像を形成する場合には、Kトナー用の画像形成ユニット50Kのみが駆動されることによって、感光体ドラム51K上にK色のトナー画像が形成されて、中間転写ベルト42における所定領域上に転写される。
【0038】
中間転写ベルト42には、画像形成ユニット50Kに近接した一方の端部において、2次転写ローラ41が圧接されており、2次転写ローラ41と中間転写ベルト42との間に、記録シートが通過する2次転写ニップが形成されている。
給紙部60は、内部に収容された複数の給紙カセット61のいずれか一つから、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50K、または画像形成ユニット50Kによるトナー画像の形成に並行して、給紙モータ62によって記録シートSを1枚ずつ繰り出して、レジストローラ対46を介して上記の2次転写ニップへ搬送する。レジストローラ対46は、搬送された記録シートSを、中間転写ベルト42上のトナー像が2次転写ローラ41へ搬送されるタイミングに合わせて、2次転写ローラ41へ搬送する。
【0039】
2次転写ローラ41は、中間転写ベルト42上のトナー像を、2次転写ニップを通過する記録シートS上に静電転写する。トナー像が転写された記録シートSは、2次転写ニップの上方の定着装置49へと搬送される。
なお、中間転写ベルト42には、画像形成ユニット50Yに近接した端部において、クリーナ43が圧接されており、記録シートSに転写されることなく中間転写ベルト42上に残ったトナーは、クリーナ43によって、中間転写ベルト42から除去される。
【0040】
定着装置49は、搬送される記録シートSを加熱および加圧することにより、記録シートS上のトナー像を記録シートSに定着する。
なお、定着装置49は、定着モータ56eによって駆動されるようになっている。
定着装置49の上方には、トナー像が定着された記録シートSを、記録シート用トレイ40a上に排出するための排紙ローラ対44が設けられている。排紙ローラ対44は、正転および逆転が可能になっており、排紙ローラ対44の正転によって、記録シートSを記録シート用トレイ40a上へと搬送する。
【0041】
なお、プリンタAには、排紙ローラ対44に搬送された記録シートSを、レジストローラ対46の搬送方向上流側にまで搬送する循環経路45が設けられている。
排紙ローラ対44は、記録シートSの片面にのみ画像を形成する場合には、搬送された記録シートSは、そのまま、記録シート用トレイ40a上に排出させるために正転される。
【0042】
排紙ローラ対44は、記録シートSの両面に画像を形成する場合には、記録シートSの後端部が排紙ローラ対44を通過する直前まで正転された後に、逆転される。これにより、記録シートSは、スイッチバックして、レジストローラ対46の搬送方向上流側にまで通じている循環経路45を通って、レジストローラ対46の搬送方向上流側へ搬送される。
【0043】
レジストローラ対46の搬送方向上流側へと搬送された記録シートSは、レジストローラ対46によって、トナー画像が定着されていない面が2次転写ローラ41側に向けられた状態で、2次転写ニップへと搬送される。2次転写ニップを通過した記録シートSは、定着装置49へと搬送されて、定着装置49において、新たに記録シートSに転写されたトナー画像を記録シートSに定着する。トナー画像が定着された記録シートSは、正転状態になった排紙ローラ対44によって、記録シート用トレイ40a上に排出される。
【0044】
なお、本実施形態におけるプリンタAは、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kによってフルカラーおよびモノクロのプリント動作を実行する場合、記録シート(A4サイズ)の片面に対して1分間に24枚のトナー画像を形成することができる。すなわち、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおいて、露光器53Y、53M、53C、53Kのそれぞれによって露光を開始させるための画像データの送信は、最短で2.5秒の間隔で実行することができる。従って、複数枚の記録シートSを連続搬送する場合における各記録シートSに対する画像データの送信の間隔(TOB(Top Of Data)の間隔)は、2.5秒である。
【0045】
<画像読取装置における画像読取ユニットの構成>
図3は、プリンタA上に搭載された画像読取装置Bの構成を説明するための断面模式図である。画像読取装置Bを構成する画像読取ユニット10の上面には、原稿が載置される第1プラテンガラス16が設けられている。第1プラテンガラス16は、プリンタAの正面から背面側に向って右側(以下、単に「右側」とし、反対側を「左側」とする)の側部を除く画像読取ユニット10の上面のほぼ全域を覆う長方形状になっている。第1プラテンガラス16の左側の側方には、第1プラテンガラス16とは適当な間隔をあけて、第2プラテンガラス13が設けられている。
【0046】
第2プラテンガラス13は、画像読取ユニット10の左右方向(副走査方向)とは直交する方向(主走査方向)に長く延びる帯板状に構成されており、第2プラテンガラス13上を、ADFユニット20にて搬送される原稿Dが通過するようになっている。
画像読取ユニット10には、第1プラテンガラス16および第2プラテンガラス13の下側において、図3に矢印Yで示す方向および反対方向(副走査方向)に沿って往復移動可能になった画像読取モジュール18が設けられている。画像読取モジュール18は、画像読取モータ14、ベルト、ワイヤー等によって構成された駆動伝達部15等により、副走査方向に沿ってスライドされるようになっている。
【0047】
画像読取モジュール18には、主走査方向に沿って長くなった光源11が搭載されている。光源11は、画像読取モジュール18が第2プラテンガラス13の下方に位置された場合に、ADFユニット20によって第2プラテンガラス13上を通過する原稿に向けて光を照射する。
画像読取モジュール18には、ラインセンサー12が光源11の右側に搭載されている。このラインセンサー12は、主走査方向に沿って配列された複数の光電変換素子を有するCCD(Charge Coupled Device)が基板上に実装された構成になっている。ラインセンサー12は、光源11から照射されて、第2プラテンガラス13上を通過する原稿によって反射された光を受光する。
【0048】
また、ラインセンサー12は、第1プラテンガラス16の下方を矢印Yで示す方向に移動する間に、光源11から照射されて第1プラテンガラス16に載置された原稿によって反射した光も受光するようになっている。
なお、光源11としては、キセノンランプのような希ガス蛍光灯、外面電極蛍光灯、LED等が使用される。
【0049】
<画像読取装置におけるADFユニットの構成>
図3に示すように、画像読取ユニット10上に設けられたADFユニット20は、画像読取ユニット10の上面を全体にわたって覆うことが可能な構成になっており、ADFユニット20の正面側部分が上方に回動されることによって、画像読取ユニット10の上面が開放されて、画像読取ユニット10の第1プラテンガラス16上に原稿Dを載置することができる。
【0050】
ADFユニット20は、1枚または複数枚の原稿Dが載置される原稿搭載台21を備えている。原稿Dは、片面にしか画像が形成されていない場合には、画像が形成された面(表面)を上方に向けた状態で原稿搭載台21上に載置される。また、両面に画像が形成されている場合には、先に画像が読み取られる面(第1面)を上方、反対側面(第2面)を下方に向けた状態で原稿搭載台21上に載置される。
【0051】
原稿搭載台21上に載置された原稿Dは、原稿搭載台21における左側の側縁部に設けられたストッパー22によって位置決めされる。
原稿搭載台21上の原稿Dは、ピックアップローラ23によって、原稿搭載台21の左側に設けられた給紙ローラ24にまで送り出される。給紙ローラ24は、原稿Dを第1搬送経路25aへと搬送する。
【0052】
第1搬送路25aは、給紙ローラ24による原稿Dの搬送方向下流側において、下方に向って湾曲しており、第1搬送路25a内を搬送される原稿Dは、第1搬送路25aの湾曲部分の下側に設けられた搬送ローラ対26へと搬送される。搬送ローラ対26は、画像読取ユニット10に設けられた第2プラテンガラス13の上方を通過するように原稿Dを搬送する。
【0053】
原稿Dは、片面に画像が形成されている場合には、その画像形成面が、第2プラテンガラス13に対向した状態で、また、両面に画像が形成されている場合には、最初に画像が読み取られる面が、第2プラテンガラス13に対向した状態で、第2プラテンガラス13上を通過する。いずれの場合にも、原稿搭載台21に載置された状態では、上方に向けられた面が、第2プラテンガラス13上を通過する。そして、原稿Dが第2プラテンガラス13上を通過する際に、第2プラテンガラス13に対向する面(下側の表面)の画像が、画像読取モジュール18のラインセンサー12によって読み取られる。
【0054】
第2プラテンガラス13の上方を通過した原稿Dは、第1排紙ローラ対27aから第2排紙ローラ対27bへと順番に搬送される。第2排紙ローラ対27bは、正転および逆転可能になっており、第2排紙ローラ対27bの正転によって、原稿Dは、図示しない原稿排紙トレイ上へと搬送される。
原稿Dの片面に画像が形成されている場合には、第2排紙ローラ対27bの正転により、そのまま、原稿排紙トレイ上に排出される。両面に画像が形成された原稿Dの両面の画像をラインセンサー12によって読み取る場合には、第2排紙ローラ対27bによって原稿排紙トレイ上に搬送される原稿Dの後端部が第2排紙ローラ対27bを通過する直前に、第2排紙ローラ対27bは逆転駆動される。これにより、原稿Dはスイッチバックして、搬送ローラ対26の搬送方向上流側位置に通じている第2搬送経路25bへ搬送され、第2搬送経路25bを通って、搬送ローラ対26へと搬送される。
【0055】
第2搬送経路25bを通って搬送ローラ対26へ搬送された原稿Dは、搬送ローラ対26によって、第2面を下側(第2プラテンガラス13側)に向けた状態で、第2プラテンガラス13の上方を通過するように搬送される。そして、原稿Dが第2プラテンガラス13上を通過する際に、原稿Dの第2面の画像が、画像読取モジュール18のラインセンサー12によって読み取られる。
【0056】
第2面の画像がラインセンサー12によって読み取られた原稿Dは、第1排紙ローラ対27aへと搬送された後に、第2排紙ローラ対27bへと搬送される。そして、正転状態になった第2排紙ローラ対27bによって、原稿Dは、原稿排紙トレイ上に排出される。
原稿Dにおける両面の画像をプリントする場合には、プリンタAでは、記録シートSの片面(第1面)に、原稿Dにおける第1面の画像に対応した画像をプリントして、当該記録シートSを排紙ローラ対44へと搬送する。その後、記録シートSは、循環経路45を通って、レジストローラ対46へと搬送されて、記録シートSの他方の片面(第2面)に、原稿Dにおける第2面の画像に対応した画像をプリントして、排紙ローラ対44によって記録シート用トレイ40a上に排出する。
【0057】
なお、給紙ローラ24、搬送ローラ対26、第1排紙ローラ対27a、第2排紙ローラ対27bは、ADFモータ20Mによって回転されるようになっている。
また、画像読取装置Bは、ADFユニット20によって複数枚の原稿Dを連続して搬送して画像読取ユニット10によって読み取る場合には、1分間に10枚のA4サイズの原稿Dの画像を読み取ることができる。従って、原稿Dの画像のスキャンが開始されてから、次の原稿Dの画像のスキャンが開始されるまでの最短時間は6秒になっており、プリンタAにおけるTOBの最短間隔(2.5秒)よりも長くなっている。すなわち、画像読取装置Bによる1枚の原稿Dのスキャン速度は、プリンタAにおける1回(1枚)のプリント速度よりも遅くなっている。
【0058】
<画像形成システムの制御系>
図4は、画像形成システムの制御系の構成を示すブロック図である。画像形成システムには、プリンタAのプリント部40および給紙部60と、画像読取装置BのADFユニット20および画像読取ユニット10とを制御する制御部71を備えている。制御部71は、中央演算部(CPU)71a、データ書き込み部71b、RAM71c等を有している。
【0059】
制御部71には、各種データを記憶する不揮発性メモリ72、操作パネル29の操作部29aおよび表示部29b、画像データを記憶する画像メモリ73と、データの送受信が可能になっている。
制御部71は、画像読取装置BにおけるADFユニット20のADFモータ20Mおよび画像読取ユニット10の画像読取モータ14をそれぞれ制御し、プリンタAにおけるプリント部40のメインモータ56a、カラーユニットモータ56b、メイン現像モータ56c、カラー現像モータ56d、定着モータ56e、給紙部60の給紙モータ62を制御する。
【0060】
また、制御部71には、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数を計数する回転数センサ58y、58m、58c、58kの検出結果(回転数の累計)が与えられている。さらに、制御部71には、プリンタAにおけるプリント部40において、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kのそれぞれが交換されたことを検出するユニット交換センサ57y、57m、57c、57kのそれぞれの出力が与えられている。
【0061】
なお、制御部71は、プリンタAにおいて実行されたプリント回数(プリント枚数)の累計を、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kのそれぞれ毎に計数するようになっているが、K用画像形成ユニット50Kでは、カラー画像を形成するカラーモードと、モノクロ画像を形成するモノクロモードのそれぞれを合計したプリント枚数の累計を計数するのに対して、カラー用画像形成ユニット50Y、50M、50Cのそれぞれでは、カラーモードでのプリント枚数の累計をそれぞれ計数する。各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kのそれぞれにおいて計数されるプリント枚数の累計は、後述するように、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kが交換される毎にリセット状態(=0)とされる。
【0062】
さらに、制御部71は、ネットワーク76、USB77、パラレルインターフェース78a、シリアルインターフェース78b等との間のデータの入出力を制御するデータ入出力手段75に接続されており、また、当該データ入出力手段75を制御するデータ通信制御部74を制御するようになっている。データ通信制御部74は、インターネット等のネットワーク76を介して、当該ネットワーク76に接続された外部機器との間で、電子メール等を利用してデータの送受信を行うようになっている。
【0063】
これら、不揮発性メモリ72、操作パネル29の操作部29aおよび表示部29b、画像メモリ73、データ通信制御部74、データ入出力手段75、ネットワーク76、USB77、パラレルインターフェース78a、シリアルインターフェース78bは、情報処理部70aを構成している。
さらに、制御部71は、電話回線に接続されたファクシミリ部70bと、ファクシミリ部70bによるデータの送受を制御するために通信制御部70cも制御する構成になっている。通信制御部70cは、ファクシミリ部70bにより、公衆電話回線を介してファクシミリデータの送信および受信を行うようになっている。
【0064】
<画像形成ユニットの寿命>
プリンタAに設けられた各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kは、それぞれの耐用期間(寿命)が予め設定されており、制御部71は、それぞれの画像形成ユニットが、設定された寿命に達することによって、新たな画像形成ユニットに交換することを指示するようになっている。
【0065】
画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kの寿命は、通常、それぞれの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの寿命に設定されており、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの寿命は、走行距離(外周面の移動距離=周長×累積回転数)に基づいて設定されている。
図5は、感光体ドラム(51Y等)の走行距離の累計と、寿命消費率との関係を示すグラフである。感光体ドラムの耐用期間(寿命)は、走行距離の累計が2000万mmに設定されており、従って、走行距離の累計が2000万mmで、寿命消費率が100%になったものとしている。寿命消費率が100%になると、例えば、それぞれが新たな画像形成ユニットに交換する時期であることが、操作部29の表示部29bに表示される。
【0066】
なお、感光体ドラムの寿命消費率は、寿命とみなされる感光体ドラムの走行距離の累計に対する実際の感光体ドラムの累計の割合であり、従って、感光体ドラムの走行距離が1000万mmの場合には、感光体ドラムの寿命消費率は50%、500万mmの場合には、寿命消費率は25%である。
図6は、感光体ドラム(51Y等)の寿命消費率と駆動時間との関係を示すグラフである。このグラフは、1回に2枚のプリント動作を連続して実行するジョブ(2P/J)を繰り返し実行した場合に、感光体ドラムの走行距離の累計が2000万mm(寿命消費率100%)に達するまでの駆動時間を示している。なお、2P/Jにおける感光体ドラムの駆動時間は、感光体ドラムが回転を停止した状態から、2枚のプリント動作が終了した後に停止されるまでの時間である。
【0067】
この場合、感光体ドラムの走行距離が2000万mm(寿命消費率100%)に達するまでに要した時間は128660秒であり、図6のグラフでは、感光体ドラムの駆動時間が128660秒を、100%の寿命消費率として示している。
図7は、2P/Jを繰り返し実行した場合における感光体ドラムの駆動時間とプリント枚数との関係を示すグラフである。2P/Jを繰り返し実行する場合、感光体ドラムの寿命消費率が100%になる128660秒の駆動時間では、プリント枚数(回数)は、21319枚(回)になる。
【0068】
このように、画像形成ユニットが、感光体ドラムの走行距離に基づく寿命に達するまでに実行可能なプリント枚数の総数は、寿命に達するまでの感光体ドラムの駆動時間に基づいて設定される。
なお、図8は、感光体ドラムの回転を停止させることなく、連続してプリント動作を実行した場合における感光体ドラムの駆動時間とプリント枚数との関係を示すグラフである。感光体ドラムを連続して回転させて連続プリントを実行した場合には、駆動時間が、寿命消費率100%に相当する128660秒に達するまでに、50万枚程度のプリントが可能である。
【0069】
このように、感光体ドラムを停止させることなく連続してプリント動作を実行した場合には、感光体ドラムが寿命に達するまでのプリント枚数は、2P/Jの場合の15倍程度にまで増加している。これは以下の理由による。
すなわち、2P/Jの場合、1ジョブ毎に、感光体ドラムを、回転停止状態から所定の回転速度になるまで立ち上げて、プリント動作が終了した後に、感光体ドラムの回転を停止させる必要がある。従って、感光体ドラムは、立ち上げ時には、プリント動作の実行を伴わない回転状態(空回転状態)になる。同様に、プリント動作が終了してから回転が停止するまでの間も、プリント動作の実行を伴わない空回転状態になる。
【0070】
これに対して、感光体ドラムを停止させることなく、連続してプリント動作を実行する場合には、感光体ドラムが、一旦、所定の回転速度にまで立ち上げられると、その後は、回転を停止させることなく、プリント動作が連続して実行されるために、2P/Jでプリント動作を繰り返し実行する場合のように、プリント動作の実行を伴わない空回転状態の時間がほとんどない状態になる。その結果、連続してプリント動作を実行する場合には、感光体ドラムの寿命消費率が100%に達するまでに実行できるプリント回数(プリント枚数)が著しく増加する。
【0071】
本実施形態の画像形成システムでは、画像読取装置Bにおける1枚の原稿画像のスキャン時間が、プリンタAにおける1回(1枚)のプリント動作時間よりも長いために、複数枚の原稿の画像を連続して読み取って得られた画像データに基づくプリント動作を順番に実行する連続コピージョブの場合には、1枚のスキャン動作が終了するまでプリント動作が開始されない。従って、その間は、感光体ドラムが空回転状態になる。
【0072】
このために、感光体ドラムの走行距離に基づく寿命消費率が100%に達すると、実際のプリント枚数の累計(総数)が、想定されたプリント枚数よりも少なくなるおそれがある。このことから、本実施形態の画像形成システムでは、連続コピージョブを、ジョブの開始から終了までの実行時間が短縮されることを優先して設定された速度優先モードと、連続コピージョブの実行時における感光体ドラムの走行距離が、速度優先モードよりも短くなるように設定された寿命優先モードとに切り換えて実行できる構成として、所定のタイミングで取得された各感光体ドラムの走行距離の累計に基づく寿命消費率(以下、第1寿命消費率とする)と、そのタイミングにおけるプリント枚数の累計に基づく寿命消費率(以下、第2寿命消費率とする)とを比較して、その比較結果に基づいて、速度優先モードから寿命優先モードに切り換える構成としている。
【0073】
<速度優先モードおよび寿命優先モード>
次に、連続コピージョブを実行する場合に選択的に実行される速度優先モードおよび寿命優先モードと、参考のために、外部機器から送信される画像データ等に基づく連続プリントジョブの指示を受け付けた場合に実行される連続プリントモードとについて説明する。
【0074】
(1)連続プリントモード
本実施形態の画像形成システムでは、画像読取装置Bによる原稿画像のスキャンを実行することなく、例えば、ネットワーク76等を介して制御部71に与えられた画像データに基づく連続プリントジョブが指示されると、プリンタAは、連続プリントモードによってプリント動作を実行するように設定されている。
【0075】
図9は、1回の連続プリントジョブを連続プリントモードで実行する場合における制御部71によるメインモータ56aの制御を説明するためのタイムチャートである。
なお、図9においては、K色の画像形成ユニット50Kにおける感光体ドラム51Kを駆動するメインモータ56aの制御について示しているが、フルカラー画像を形成するカラーモードの場合、他のカラー画像形成ユニット50Y、50M、50Cの感光体ドラム51Y、51M、51Cを駆動するカラーユニットモータ56bも、図9のタイムチャートにて示されるメインモータ56aの制御と同様に制御される。
【0076】
また、モノクロ画像を形成するモノクロモードの場合には、K色の画像形成ユニット50Kにおける感光体ドラム51Kを駆動するメインモータ56aのみが制御されて、カラーユニットモータ56bは制御(駆動)されない。従って、図9に示すメインモータ56aの制御のみが実行されるために、その詳細な説明については省略する。
図9に示すように、制御部71は、連続プリントジョブが指示されることによって、プリンタAにプリント準備コマンドを出力する。プリンタAは、プリント準備コマンドによって、各画像形成ユニット50Kの感光体ドラム51Kを駆動するためのメインモータ56aと、カラー画像形成ユニット50Y、50M、50Cの感光体ドラム51Y、51M、51Cを駆動するためのカラーユニットモータ56bとの回転を開始する。なお、この場合には、定着装置49における加熱温度が所定の定着温度になるように制御される。
【0077】
メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bは、予め設定された所定のプリント速度になるように、予め設定された回転速度(標準回転速度)に立ち上げられる。本実施形態では、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの標準回転速度は、1分間に24回(枚)のプリント動作、すなわち、片面プリント時において24枚の記録シートに対するプリントが可能な回転速度に設定されている。従って、連続してプリント動作を実行する場合には、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおいて画像形成を開始するために最初の画像データの出力が開始されてから、次の画像形成を開始するための画像データの出力が開始されるまでの時間間隔(TOB(Top Of Data)の間隔)は、2.5秒になっている。
【0078】
メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転駆動が開始されると、定着装置49が所定の定着温度になる所定のタイミングで、制御部71は、プリンタAにプリントコマンドを出力する。その後、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが所定の標準回転速度に立ち上がった直後のタイミングで、1枚目のプリント画像に対応する画像データを、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kに出力する。これにより、それぞれの画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kによるプリント動作が開始される。
【0079】
各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kでは、標準回転速度で回転する感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kが、帯電器(52Y等)によって帯電された後に、露光器(53Y等)によって露光されて、画像データに対応した静電潜像が形成される。その後、メイン現像モータ56cによる現像器54Kの駆動およびカラー現像モータ56dによる現像器54Y、54M、54Cの駆動が開始される。
【0080】
各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおいてプリント動作が開始されると、制御部71は、1枚目のプリント動作が実行されている間に、プリンタAに、2枚目の画像データのプリントコマンドを出力する。画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける1回(1枚)のプリント動作に要する時間は、画像データの出力間隔Tt(本実施形態では2.5秒)に等しいことから、時間Ttが経過すると、直ちに、2枚目のプリント画像に対応する画像データが、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kに出力されて、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kによるプリント動作が開始される。
【0081】
以後、同様の動作が繰り返され、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおいて、1回(1枚)のプリント動作が終了すると、直ちに、次のプリント動作が実行される。
その後、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおいて所定回数(例えば4回)のプリント動作が連続して実行されて、最後の画像データに対応するプリント動作が終了すると、形成されたトナー画像が記録シートに転写されるために要する時間が経過した時点で、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転が停止されるように後処理される。
【0082】
このために、最後の画像データが、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kに出力されてから、予め設定された後処理時間Teが経過した時点で、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bは回転停止状態になる。本実施形態の画像形成システムでは、1分間に24回のプリント動作が実行される標準回転速度では、後処理時間Teは8秒になっている。
【0083】
このように、画像読取装置Bによる原稿Dのスキャン動作を実行することなく、プリンタAにおいて連続してプリントする連続プリントジョブを、連続プリントモードによって実行する場合には、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kは連続してプリント動作を実行することができるために、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kは、プリント動作を実行することなく回転される時間(空回転時間)は、立ち上がり時および立ち下がり時を除いてほとんどない。
【0084】
従って、1回の連続プリントジョブを実行するために要するジョブ実行時間Tjは、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが回転駆動された全時間である全回転駆動時間Taに等しい。しかも、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bは、空回転時間がほとんどないために、連続プリントジョブを実行するために各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kにおいて必要とされる走行距離は短くなる。
【0085】
この場合、1回の連続プリントジョブにおけるメインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの全回転駆動時間Ta(秒)は、プリント準備コマンドが出力されてから最初の画像データが出力されるまでの初期時間をTf、プリント枚数をn、TODの間隔(1回のプリントに要する時間)をTt、後処理時間をTeとすると、Ta(秒)=Tf+Tt×(n−1)+Teになる。なお、本実施形態では、前述したように、TODの間隔Ttは2.5秒、Teは8秒である。
【0086】
(2)速度優先モード
次に、画像読取装置Bによって複数枚の原稿Dの画像を連続して読み取って(スキャンして)、原稿Dの画像データを取得し、取得された画像データに基づくプリント動作をプリンタAにおいて順番に実行する連続コピージョブの場合に設定される速度優先モードについて説明する。この速度優先モードは、連続コピージョブの実行時に必要とされる感光体ドラムの走行距離が短くなることよりも、連続コピージョブの実行時に必要とされるジョブ実行時間が短くなることを優先して設定されている。
【0087】
図10は、4枚の原稿の連続コピージョブにおいて実行される速度優先モードにおけるK色の画像形成ユニット50Kの感光体ドラム51Kを駆動するメインモータ56aに対する制御を説明するタイムチャートである。
なお、この場合も、フルカラー画像を形成するカラーモードの場合には、カラーユニットモータ56bは、図10のタイムチャートにて示されるメインモータ56aの制御と同様に制御される。また、モノクロ画像を形成するモノクロモードの場合には、K色の画像形成ユニット50Kにおける感光体ドラム51Kを駆動するメインモータ56aのみが制御されることになる。
【0088】
制御部71は、画像読取装置BにおけるADFユニット20の原稿搭載台21上に原稿Dが載置されることによって連続コピージョブと判断し、速度優先モードによる連続コピーを開始する。図10のタイムチャートでは、原稿搭載台21上に4枚の原稿Dが載置された場合について示している。
ADFユニット20の原稿搭載台21上に原稿Dが載置されと、制御部71は、プリンタAにプリント準備コマンドを出力する。プリンタAは、プリント準備コマンドによって、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kを駆動するためのメインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転駆動を開始する。また、定着装置49における加熱温度が所定の定着温度になるように制御する。
【0089】
メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転駆動が開始されると、所定のタイミングで、画像読取装置BにおけるADFユニット20が駆動されて、最初の原稿Dの画像のスキャンが開始される。これにより、原稿搭載台21上に載置された原稿Dは、上側から順番にスキャナユニット10における画像読取位置に搬送されて、搬送された各原稿Dの画像が、スキャナユニット10によって順番にスキャンされる。
【0090】
制御部71は、スキャナユニット10によるスキャン動作が開始された後の所定のタイミングで、プリンタAにプリントコマンドを出力する。プリントコマンドが出力されるタイミングは、1枚目の原稿Dのスキャンが終了した時点で、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kが標準回転速度になって各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kがプリント動作可能な状態になるように設定される。
【0091】
プリントコマンドが与えられたプリンタAは、最初の原稿Dの画像の読み取りが終了した時点で、スキャナユニット10にて読み込まれた画像データを、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kに出力して、それぞれによるプリント動作を開始する。また、画像読取装置Bでは、最初の原稿Dの画像の読み取りが終了すると、直ちに2枚目の原稿Dのスキャン動作が開始される。
【0092】
この場合、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける1枚のプリント動作が時間Tt(=2.5秒)で終了するのに対して、画像読取装置Bにおける1枚の原稿画像のスキャンに、プリント時間Ttよりも長い時間Ts(=6秒>Tt)を要する。このために、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおけるプリント動作が終了すると、制御部71は、プリンタAにプリントコマンドを出力して、画像読取装置Bにおいて次の画像データが読み取られると直ちにプリント動作を実行することを指示する。
【0093】
各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kは、プリントコマンドが出力されていることにより、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転等の駆動を継続する。この場合、2枚目の原稿Dのスキャン動作が終了するまでは、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kはプリント動作の実行が伴わない空回転状態になる。
【0094】
その後、画像読取装置Bにおいて2枚目の原稿Dのスキャン動作が終了すると同時に、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kは、スキャナユニット10にて読み込まれた2枚目の原稿Dの画像データに基づくプリント動作を開始する。また、これと同時に、画像読取装置Bでは、3枚目の原稿Dのスキャン動作を開始する。
以後、同様の動作が繰り返され、画像読取装置Bにおいて原稿Dの画像データが得られると、画像読取装置Bにおける次の原稿Dの画像のスキャン動作と、プリンタAによるプリント動作とが同時に実行される。これにより、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kは、全て(4枚)の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が終了するまで、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転が継続される。
【0095】
最後(4枚目)の原稿Dのスキャン動作が終了して、最後(4枚目)の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が開始されると同時に、制御部71は、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bを停止させるための後処理を開始する。これにより、前述した図9のタイムチャートに示された連続プリントモードの場合と同様に、予め設定された所定の後処理時間Te(本実施形態では8秒)が経過した時点で、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bは回転停止状態になる。
【0096】
このように、速度優先モードでは、1回の連続コピージョブの実行に要するジョブ実行時間Tjは、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが回転駆動された全時間である全回転駆動時間Taに等しくなる。全回転駆動時間Taは、プリント準備コマンドが出力されてからスキャンが開始されるまでの初期時間をTf、1枚の原稿Dの画像のスキャンに要するスキャン時間をTs(本実施形態では6秒)、スキャン回数(原稿Dの枚数=プリント回数)をn、後処理時間をTeとすると、Ta(秒)=Tf+Ts×(n−1)+Teになる。
【0097】
この場合、全回転駆動時間Taは、1ジョブにおける全ての原稿Dの画像をスキャンするために要する時間(Ts×n)よりも若干長くなるものの、比較的短時間で1回の連続コピージョブを終了させることができる。
しかし、この速度優先モードでは、全回転駆動時間Taの間は、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kが、それぞれ回転状態になっており、しかも、1枚のプリント動作が終了した後に、スキャン動作が終了して次のプリント動作が開始されるまでの間は、空回転状態になる。従って、連続コピージョブの実行に必要な感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離は長くなる。その結果、速度優先モードで連続コピージョブを実行することにより、連続コピージョブの実行時における感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの寿命消費率が増加する割合が大きくなる。
【0098】
(3)第1寿命優先モード
本実施形態の画像形成システムでは、連続コピージョブを、速度優先モードから寿命優先モードに切り換えて実行することができるようになっている。寿命優先モードは、1回の連続コピージョブを実行する場合に、ジョブ実行時間Tjが短くなることよりも、ジョブの実行に必要な各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離が短くなることを優先して設定されている。
【0099】
なお、本実施形態では、寿命優先モードとしては、第1寿命優先モード、第2寿命優先モード、第3寿命優先モードの3つがあり、いずれか1つの寿命優先モードが、速度優先モードに代えて実行されるように、予め設定されている。
図11は、4枚の原稿Dの連続コピージョブにおいて実行される第1寿命優先モードでのメインモータ56aに対する制御を説明するためのタイムチャートである。
【0100】
なお、この場合も、フルカラー画像を形成するカラーモードの場合には、カラーユニットモータ56bは、図11のタイムチャートにて示されるメインモータ56aの制御と同様に制御される。また、モノクロ画像を形成するモノクロモードの場合には、K色の画像形成ユニット50Kにおける感光体ドラム51Kを駆動するメインモータ56aのみが制御されることなる。
【0101】
この第1寿命優先モードでは、原稿搭載台21上に原稿Dが載置されることにより、載置された原稿Dの画像のスキャンを開始する。図11のタイムチャートでは、原稿搭載台21上に4枚の原稿Dが載置された場合における第1寿命優先モードで連続コピージョブを実行する場合について示している。
まず、画像読取装置Bにおいて、全て(4枚)の原稿Dの画像の連続スキャンが実行される。そして、全て(4枚)の原稿Dの連続スキャンが終了すると、制御部71は、プリンタAにプリント準備コマンドを出力する。プリンタAは、プリント準備コマンドによって、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kを駆動するためのメインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転駆動を開始する。また、定着装置49における加熱温度が所定の定着温度になるように制御する。
【0102】
その後は、図9に示す連続プリントモードの場合と同様であり、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが回転駆動されて、定着装置49が所定の定着温度になった直後に、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kは、全て(4枚)の原稿Dの画像データに基づくプリント動作を連続して実行する。
最後(4枚目)の原稿Dのスキャン動作が終了して、その原稿Dの画像データに基づくプリント動作が開始されると同時に、制御部71は、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bを停止させるための後処理の実行を開始する。これにより、予め設定された所定の後処理時間Te(本実施形態では8秒)が経過した時点で、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bは回転停止状態になる。
【0103】
このような第1寿命優先モードでは、1回の連続コピージョブの実行に要するジョブ実行時間Tjは、全ての原稿Dの画像をスキャンするために必要とされる時間(Ts×n)と、全ての原稿Dの画像データに基づくプリント動作を実行するために必要とされる時間との合計になる。この場合のプリントプリント動作を実行するために必要とされる時間は、図9の連続プリントモードにおけるメインモータ56aが回転駆動される全時間である全回転駆動時間Ta(=Tf+Tt×(n−1)+Te))に等しい。従って、ジョブ実行時間Tjは、Tj=(Ts×n)+(Tf+Tt×(n−1)+Te)になる。
【0104】
従って、この第1寿命優先モードでは、1回の連続コピージョブの実行に要するジョブ実行時間Tjは、図10に示す速度優先モードのジョブ実行時間Tjよりも長くなる。これにより、単位時間当たりのコピー枚数(コピー生産効率)は低下する。
しかしながら、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの全回転駆動時間Taは、速度優先モードにおける全回転駆動時間Taよりも短く、しかも、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kは、プリント動作を伴わない空回転時間が短くなるために、連続コピージョブの実行に必要とされる感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離は短くなる。従って、第1寿命優先モードで連続コピージョブを実行することにより、連続コピージョブの実行時における感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの寿命消費率が増加する割合は低下する。
【0105】
(4)第2寿命優先モード
次に、第2寿命優先モードについて説明する。図12は、4枚の原稿Dの連続コピージョブを第2寿命優先モードで実行する場合のメインモータ56aに対する制御を説明するためのタイムチャートである。
なお、この場合も、フルカラー画像を形成するカラーモードの場合には、カラーユニットモータ56bは、図12のタイムチャートにて示されるメインモータ56aの制御と同様に制御される。また、モノクロ画像を形成するモノクロモードの場合には、K色の画像形成ユニット50Kにおける感光体ドラム51Kを駆動するメインモータ56aのみが制御されることなる。
【0106】
この第2寿命優先モードでは、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転速度が、速度優先モードの場合の1/2になるように、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転速度を、速度優先モードの場合の1/2とすること以外は、図10に示す速度優先モードと同様になっている。
【0107】
従って、この第2寿命優先モードでは、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおいて、1分間に実行することができるプリント動作は12回(枚)になる。このために、1回のプリント動作に要する時間は、図10に示す速度優先モードの2倍(=2×Tt、本実施形態では5秒)になる。しかし、このプリント時間は、1枚の原稿Dをスキャンするために要する時間(6秒)よりも短いために、1回のプリント動作が終了してから、比較的短い時間(本実施形態では1秒)が経過した時点で、1枚の原稿Dのスキャンが終了する。その結果、そのスキャンによって得られた画像データに基づくプリント動作が開始するまでの空回転時間を短くすることができる。
【0108】
しかも、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転速度が速度優先モードの1/2になっていることから、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kにおけるプリント動作の実行を伴わない空回転時の走行距離は、速度優先モードの場合よりも短くなる。
このように、第2寿命優先モードでは、図10に示す速度優先モードと同様に、1回の連続コピージョブに要するジョブ実行時間Tjは、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの全回転駆動時間Taに等しくなっているが、感光体ドラム51Y、51M、51Cの回転速度が速度優先モードの1/2になっていることによって初期時間Tfおよび後処理時間Teが長くなる分だけ、速度優先モードのジョブ実行時間Tjよりも長くなる。
【0109】
しかし、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kにおけるプリント動作の実行を伴わない空回転時間が短く、しかも、回転速度が遅くなっていることにより、連続コピージョブの実行に必要とされる各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離は、速度優先モードの場合よりも短くなる。その結果、連続コピージョブの実行時における感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの寿命消費率が増加する割合が低下する。
【0110】
(5)第3寿命優先モード
次に、第3寿命優先モードについて説明する。この第3寿命優先モードでは、画像読取装置Bにおいて複数枚の原稿Dの画像の連続スキャンが実行されている間に、予め設定された枚数(以下、この枚数をmとする)の原稿Dの画像の連続スキャンが終了すると、それらm枚の原稿Dの画像データに基づくプリント動作を連続して実行した後に、一旦、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bを停止して、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kがプリント動作を伴わない空回転時間を短縮するようになっている。
【0111】
図13は、連続コピージョブを第3寿命優先モードで実行する場合のメインモータ56aに対する制御を説明するためのタイムチャートである。
なお、この場合も、フルカラー画像を形成するカラーモードの場合には、カラーユニットモータ56bは、図13のタイムチャートにて示されるメインモータ56aの制御と同様に制御される。また、モノクロ画像を形成するモノクロモードの場合には、K色の画像形成ユニット50Kにおける感光体ドラム51Kを駆動するメインモータ56aのみが制御されることなる。
【0112】
この第3寿命優先モードでは、連続プリントのために連続スキャンされる原稿Dの枚数mは、画像読取装置Bにおいて原稿Dの連続スキャンによって得られる画像データに基づくプリント動作により、ジョブ実行時間Tjが長くならないように、画像読取装置Bにおける1枚の原稿Dの画像のスキャンに要する時間と、プリンタAにおける1回(1枚)のプリントに要する時間とに基づいて設定される。
【0113】
図13のタイムチャートでは、連続プリントされる原稿のスキャン枚数mは3枚(m=3)になっており、3枚の原稿Dの画像データに基づくプリント動作を連続して実行した後に、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転を停止するようになっている。
第3寿命優先モードでは、原稿搭載台21上に原稿Dが載置されることにより、まず、載置された原稿Dの画像の連続スキャンを開始する。制御部71は、最初の原稿Dのスキャンが終了すると、プリンタAにプリント準備コマンドを出力する。その後、予め設定された所定のタイミングでプリンタAにおけるメインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転を開始する。
【0114】
メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転を開始するタイミングは、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kがプリント動作可能な状態になることにより、スキャンされた原稿Dの画像データに基づくプリント動作を開始し、その後、m−1(=2)枚の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が終了した時点で、m(=3)枚の原稿Dのスキャンが終了するように設定される。
【0115】
画像読取装置Bにおいて2枚の原稿Dの画像の連続スキャンが実行されると、プリンタAにおいて、スキャンされた原稿Dの画像データに基づくプリント動作が開始される。その後、m(=3)枚の原稿Dのスキャンが終了した時点で、プリンタAでは、m−1(=2)枚の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が終了し、m(=3)枚目の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が開始される。
【0116】
なお、画像読取装置Bでは、原稿搭載台21上に載置された全ての原稿Dの画像のスキャンが終了していない場合には、原稿Dの連続スキャンが継続される。また、原稿搭載台21上に載置された全ての原稿Dの画像のスキャンが終了した場合には、スキャンされた最後の原稿Dのプリント動作が開始された時点で、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転を停止させる後処理が開始されることになる。
【0117】
m(=3)枚目の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が開始されと、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bを一旦停止させるために、後処理が開始される。従って、所定の後処理時間Teが経過すると、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bは停止状態になる。その後、所定時間にわたって、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが停止される。なお、このときのメインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの停止時間をTxとする。
【0118】
メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが停止されてから停止時間Txが経過すると、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが再起動される。この場合の停止時間Txは、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kがプリント動作可能な状態になることにより、m+1(=4)枚目の原稿Dの画像データのプリント動作を開始し、2m−1(=5)枚目の原稿Dの画像データに基づくプリント動作の終了時点で、2m(=6)枚目の原稿Dの画像のスキャンが終了するように設定される。
【0119】
プリンタAでは、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの再起動の開始から、所定の初期時間Tfが経過すると、m+1(=4)枚目からの原稿Dの画像データに基づくプリント動作が開始される。
以後、2m−1枚の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が終了して、2m枚目の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が開始された時点で、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bを停止させるための後処理が実行される。
【0120】
なお、この第3寿命優先モードでは、画像読取装置BにおけるADFユニット20の原稿搭載台21上に載置された全ての原稿Dのスキャンが終了すると、最後の原稿Dの画像データに基づくプリント動作が開始された時点で、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bを停止させるための後処理が実行される。そして、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが停止されることによって、第3寿命優先モードによる連続コピージョブは終了する。
【0121】
このような第3寿命優先モードでは、連続プリントのために連続スキャンされる原稿Dの枚数mは、以下のようにして設定される。
最初のm(=3)枚の原稿Dのスキャン処理が終了した後のm(=3)枚目のプリント動作が開始してから、次のm(=3)枚の原稿Dのスキャン処理が終了して2m(=6)枚目のプリント動作が開始されるまでの時間Tcは、次の(1)式で表わされる。
【0122】
Tc=Te+Tx+Tf+Tt×(m-1) ・・・(1)
この時間Tc間に、m(=3)枚の原稿Dのスキャン処理が終了している必要があることから、Tc≦Ts×mとなり、次の(2)式を満足する必要がある。
Te+Tx+Tf+Tt×(m-1)≦Ts×m・・・(2)
この場合、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの停止時間Txを、最小値(=0)とすると、次の(3)式が得られる。
【0123】
Te+Tf+Tt×(m-1)≦Ts×m ・・・(3)
この(3)式を満足するように、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bを停止させるタイミングに関するスキャン枚数mが設定される。従って、画像読取装置Bによるm枚の原稿Dの画像の連続スキャンと、その後のそれらm枚の原稿Dの画像データに基づくプリンタAのプリント動作とが終了した後に、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bは、一旦、停止状態とされる。
【0124】
本実施形態では、後処理時間Te=8(秒)、初期時間Tf=3(秒)、プリント時間Tt=2.5秒、スキャン時間Ts=6秒であることから、次の(4)式が成立する。
8+3+2.5×(m-1)≦6×m ・・・(4)
この(4)式は、次の(5)式に書き換えることができる。
8.5≦3.5m ・・・(5)
この(5)式から、m(整数値)は、少なくとも3であればよい。
【0125】
m=3の場合、3枚の原稿Dの画像のスキャンに要する時間は、6(秒)×3(枚)=18(秒)であり、この時間(18秒)が、前述した(1)式の時間Tcに等しいことから、次の(6)式が得られる。
Tc=18=8+Tx+3+2.5×2
=16+Tx ・・・(6)
(6)式からは、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの停止時間Txとして、2(秒)が得られる。
【0126】
なお、この場合、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの駆動開始タイミングは、原稿Dのスキャン動作が開始されてから、m(=3)枚の原稿Dのスキャンが終了した時点で、m−1(=3)枚のプリント動作が終了するように設定される。このために、原稿Dのスキャンが開始されてから、次の(7)式を満足する遅延時間Trが経過した時点で、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの駆動を開始すればよい。
【0127】
m×Ts=Tr+Tf+(m−1)×Tt ・・・(7)
よって、原稿Dのスキャン動作が開始されてから、次の(8)式によって求められる遅延時間Trが経過した時点でメインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bの回転が開始される。
Tr=m×Ts−Tf−(m−1)×Tt ・・・(8)
本実施形態における遅延時間Trは、Tr=3×6−3−2×2.5=8(秒)になる。
【0128】
このような第3寿命優先モードでは、連続コピーする原稿Dの枚数が増加するほど、メインモータ56aおよびカラーユニットモータ56bが停止される時間が増加する。従って、連続コピーする原稿Dの枚数が増加するほど、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの寿命消費率が増加する割合を効果的に抑制することができる。
<制御部によるモード切換制御>
図14は、制御部71によって実行される連続コピージョブ時のモード切換制御の処理手順を示すフローチャートである。なお、このモード切換制御は、画像形成システムが使用されている間は、常時、実行されるようになっている。このために、使用前に、制御部71には、モード切換制御のための各種条件について、初期設定されている。
【0129】
具体的には、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数の累計、カラーモードおよびモノクロモードのそれぞれにおけるプリント枚数の累計について、初期状態(=0)とされている。また、カラー画像を形成するカラーモード、モノクロ画像を形成するモノクロモードのいずれの場合であっても、連続コピージョブを、速度優先モード(図10のタイムチャート参照)で実行するように初期設定されている。また、連続プリントジョブは、図9に示す連続プリントモードで実行されるように設定されている。
【0130】
なお、以下においては、カラーモードおよびモノクロモードのいずれの場合も連続コピーの実行を速度優先モードとする設定を、全コピー速度優先モードとする。
さらに、制御部71に設けられた各種フラグについても、初期設定されている。この場合のフラグとしては、カラー用の画像形成ユニット50Y、50M、50Cのそれぞれが交換されたことを示す交換フラグFy、Fm、Fc、全コピー速度優先モードに設定されていることを示す全コピー速度優先モードフラグFas、連続コピージョブがカラーモードの場合にのみ第1〜第3のいずれかの寿命優先モードに設定されてモノクロモードの場合には速度優先モードに設定されていること(以下、この場合をカラー寿命優先モードとする)を示すカラー寿命優先フラグFcj等である。
【0131】
なお、初期状態では、全コピー速度優先モードに初期設定されていることから、全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっているが、カラー寿命優先フラグFcjはリセット状態(=0)になっており、交換フラグFy、Fm、Fcの全ても、リセット状態(=0)になっている。
このような初期設定状態で、画像形成システムの使用が開始されると、制御部71は、プリンタAに、プリントジョブ、コピージョブ等の各種ジョブに基づくプリント動作を実行させる(図14のステップS11参照、以下同様)。そして、プリント動作が実行される毎に、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率(%)を取得する(ステップS12)。
【0132】
この場合、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率は、例えば、プリント終了時毎に、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数の累計に基づいて算出される。このために、制御部71のRAM71cには、図5に示すグラフが予め記憶されている。
制御部71は、プリント動作が終了する毎に、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数を計数する回転数センサ58y、58m、58c、58kの出力を取得して、取得されたそれぞれの回転数の累計に、予め設定された各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの周長を乗じることによって、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離を算出する。そして、図5に示すグラフを利用して、算出された各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離の累計に基づいて、それぞれの第1寿命消費率を算出する。
【0133】
なお、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率は、このように、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数の累計に基づいて算出する構成に限らず、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kが回転された駆動時間の累計を計測して、図6のグラフを用いて、各感光体ドラムの回転数に対して予め設定された回転駆動時間に基づいて算出するようにしてもよい。
【0134】
次に、算出された各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率のいずれかが100%に達しているかを判断する(ステップS13)。全ての感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの第1寿命消費率が100%に達していない場合(ステップS13において「NO」)には、ステップS14に進む。
なお、取得された各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率のいずれかが100%に達している場合には、対応する画像形成ユニットの交換が指示されることになり、その後、画像形成ユニットが交換されると、交換時モード切換制御(ステップS30)が実行される。この交換時モード切換制御については後述する。
【0135】
ステップS14では、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kのそれぞれの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率が、プリント枚数の累計に基づく第2寿命消費率と比較するタイミング(寿命比較タイミング)であるかを判断する。この寿命比較タイミングは、例えば、プリント枚数が1K枚(1000枚)増加したタイミングに設定されている。従って、プリント枚数が、1K枚、2K枚、・・・に達する毎に、寿命比較タイミングになる。寿命比較タイミングでない場合(ステップS14において「NO」)には、ステップS11に戻り、寿命比較タイミングになるまで、プリント動作が実行される毎に各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの寿命消費率が取得される。
【0136】
寿命比較タイミングである場合(ステップS14において「YES」)には、ステップS15に進んで、その寿命比較タイミングにおけるプリント枚数の累計に基づく各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの第2寿命消費率を算出する。この場合、制御部71のRAM71cには、図6および図7に示すグラフが予め記憶されており、このグラフを利用して、寿命比較タイミング時における各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kのプリント枚数の累計に基づく第2寿命消費率(%)を算出する。
【0137】
第2寿命消費率(%)は、予め設定された(想定された)プリント可能な枚数の総数と、寿命比較タイミングにおけるプリント枚数の累計との割合によって求められる。
ステップS15においてプリント枚数の累計に基づく第2寿命消費率(%)が算出されると、算出された第2寿命消費率と、寿命比較タイミングでのK(黒)用の感光体ドラム51Kの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率(ステップS12において求められている)とを比較する(ステップS16)。
【0138】
ステップS16において、K用の感光体ドラム51Kの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率が、プリント枚数の累計に基づく第2寿命消費率以上になっている場合(ステップS16において「YES」)には、ステップS17に進み、全コピー速度優先フラグFasがセット状態(=1)になっているかを判断する。
画像形成システムの使用開始当初は、連続コピージョブは、速度優先モードで実行されるように全コピー速度優先モードに初期設定されていることから、通常、全コピー速度優先フラグFasはセット状態であるために(ステップS17において「YES」)、ステップS18に進む。ステップS18では、全コピー寿命優先モードに設定し、全コピー速度優先モードフラグFasをリセット状態(=0)にする。その後、ステップS11に戻る。
【0139】
ステップS17において、全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっていない場合(ステップS17において「NO」)には、ステップS18に進むことなく、ステップS11に戻る。
これにより、以降は、カラーモードおよびモノクロモードのいずれの連続コピージョブも寿命優先モードで実行される。従って、カラーモードおよびモノクロモードの両方において駆動されるK用の感光体ドラム51Kは、連続コピージョブの実行によってプリント枚数が増加しても、走行距離の累計が増加する割合が抑制され、従って、第1寿命消費率が増加する割合が抑制される。その結果、K用の感光体ドラム51Kの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率が100%に達した場合に、プリント枚数(カラーモードおよびモノクロモードの両方のプリント枚数の合計)の累計が、想定されたプリント枚数と大きく異なることが抑制される。
【0140】
同様に、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのそれぞれも、以降は、連続コピージョブの実行時において、走行距離の累計が増加する割合が抑制されて、第1寿命消費率の増加割合が抑制されることになる。
このようにして、全コピー寿命優先モードが設定された後に、次の寿命判定タイミングになると(ステップS14において「YES」)、K用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率と、プリント枚数に基づく第2寿命消費率とが比較される(ステップS16)。そして、K用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が、プリント枚数に基づく第2寿命消費率以上の状態を維持している場合(ステップS16において「YES」)には、ステップS17において、全コピー速度優先モードフラグFasがリセット状態(=0)になっていることから(ステップS17において「NO」)、全コピー寿命優先モードの設定状態が維持されて、ステップS11に戻る。
【0141】
寿命判定タイミング時(ステップS14において「YES」)に、K用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が、プリント枚数に基づく第2寿命消費率以上になっていない場合(ステップS16において「NO」)には、ステップS21に進み、ステップS12において求められたカラー用の感光体ドラム51Y、51M、51Cのそれぞれの走行距離に基づく第1寿命消費率と、ステップS15において求められたカラーモードでのプリント枚数に基づく第2寿命消費率とをそれぞれ比較する。
【0142】
ステップS21において、各カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cの全ての走行距離に基づく第1寿命消費率が、プリント枚数に基づく第2寿命消費率以上になっていない場合(ステップS21において「NO」)には、ステップS22に進み、全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっているかを判断する。全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっている場合(ステップS22において「YES」)には、全コピー速度優先モードを維持して、ステップS11に戻る。全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっていない場合(ステップS22において「NO」)には、全コピー速度優先モードに切り換えて、全コピー速度優先モードフラグFasをセット状態(=1)とし(ステップS23)、ステップS11に戻る。
【0143】
以上のことから、全コピー寿命優先モードに切り換えられた状態で連続コピージョブが実行されると、K用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率の増加割合が抑制されることにより、K用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が、プリント枚数に基づく第2寿命消費率以上でなくなる場合がある。
この場合(ステップS16において「NO」)、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cの全ての走行距離に基づく第1寿命消費率が、それぞれにおけるプリント枚数に基づく第2寿命消費率以上でなければ(ステップS21において「NO」)、ステップS22およびS23において、全コピー速度優先モードに切り換えられる。従って、その後は、カラーモード、モノクロモードのいずれの場合にも、連続コピージョブが速度優先モードで実行されるために、連続コピージョブのコピー効率が低下するおそれがない。
【0144】
ステップS21において、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのいずれかの走行距離に基づく第1寿命消費率が、それぞれにおけるプリント枚数に基づく第2寿命消費率以上になっている場合(ステップS21において「YES」)には、ステップS24に進み、カラー寿命優先モードフラグFcjがセット状態(=1)であるかを判断する。カラー寿命優先モードフラグFcjがセット状態の場合(ステップS24において「YES」)には、すでにカラー寿命優先モードに切り換えられているものとして、ステップS11へ戻る。
【0145】
カラー寿命優先モードフラグFcjがセット状態でない場合(ステップS24において「NO」)には、カラー寿命優先モードに切り換えられるとともに、カラー寿命優先フラグFcjをセット状態(Fcj=1)、全コピー速度優先フラグFasをリセット状態(Fas=0)とする(ステップS25)。その後、ステップS11へ戻る。
ステップS25において、カラー寿命優先モードに切り換えられると、その後は、カラーモードでの連続コピージョブについては、寿命優先モードで実行される。
【0146】
これにより、カラーモードにおいてのみ駆動されるカラー用の感光体ドラム51Y、51M、51Cは、カラーモードでの連続コピージョブによるプリント動作の実行により、それぞれにおけるプリント枚数が増加しても、各カラー用の感光体ドラム51Y、51M、51Cの走行距離の累計の増加割合が抑制されて、第1寿命消費率の増加割合が抑制される。従って、各カラー用の感光体ドラム51Y、51M、51Cの走行距離に基づく第1寿命消費率がそれぞれ100%に達した場合に、それぞれにおけるプリント枚数の累計が、想定されたプリント枚数と大きく異なることが抑制される。
【0147】
なお、この場合、K用感光体ドラム51Kは、走行距離に基づく第1寿命消費率が、プリント枚数に基づく第2寿命消費率以上になっていないために(ステップS16において「NO」)、走行距離に基づく第1寿命消費率の増加割合を抑制する必要がなく、従って、モノクロモードでの連続コピージョブは速度優先モードで実行される。これにより、モノクロモードでの連続コピージョブにおいてコピー効率が低下するおそれがない。
【0148】
その後、いずれかの画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に達すると(ステップS13において「YES」)、ユニット交換時モード切換制御(ステップS30)が実行される。図15は、ユニット交換時モード切換制御のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
ユニット交換時モード切換制御では、まず、ステップS12において取得されたK用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に達しているかを判断する(ステップS31)。そして、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率が100%に達している場合(ステップS31において「YES」)には、ステップS32に進んで、K用の感光体ドラム51Kが設けられたK用画像形成ユニット50Kの交換指示を、操作パネル29の表示パネル29aに表示する(ステップS32)。
【0149】
なお、ステップS31において、K用の感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に達していない場合(ステップS31において「NO」)には、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのいずれかの走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に達しているものとして、ステップS41に進む。この場合の処理手順については後述する。
【0150】
ステップS32においてK用画像形成ユニット50Kの交換が指示された後に、K用のユニット交換センサ57KによってK用画像形成ユニット50Kが交換されたことが検出されると(ステップS33において「YES」)、ステップS35に進む。
なお、ステップS32の後に、K用のユニット交換センサ57KによりK用画像形成ユニット50Kの交換が検出されない場合(ステップS33において「NO」)には、ステップS34に進んで、所定の警告処理が実行されて、ステップS33に戻る。
【0151】
ステップS35では、交換されたK用画像形成ユニット50KにおけるK用感光体ドラム51Kの回転数の累計およびモノクロモードおよびカラーモードでのプリント枚数の合計の累計を、それぞれリセット(=0)する。従って、その後は、交換された新たなK用の画像形成ユニット50Kを用いたプリント時における感光体ドラム51Kの回転数と、モノクロモードおよびカラーモードの両方でのプリント枚数の合計の累計とが、それぞれ新たに計数される。
【0152】
次いで、ステップS36に進んで、カラー寿命優先フラグFcjがセット状態(=1)であるかを判断する。カラー寿命優先フラグFcjがセット状態の場合(ステップS36において「YES」)には、カラー用の感光体ドラム51Y、51M、51Cのいずれかの走行距離に基づく第1寿命消費率が、プリント枚数に基づく第2寿命消費率以上になっているために、カラー寿命優先モードに設定された状態であることから、そのカラー寿命優先モードの設定状態を維持して、ユニット交換時モード切換制御は終了し、図14に示すステップS14に戻る。
【0153】
これに対して、ステップS36において、カラー寿命優先フラグFcjがセット状態でない場合(ステップS36において「NO」)には、全コピー速度優先モードに切り換えるとともに、全コピー速度優先フラグFasをセット状態(=1)にする(ステップS37)。これにより、ユニット交換時モード切換制御は終了して、図14に示すステップS14に戻る。
【0154】
以降は、前述したように、K用の感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率とプリント枚数に基づく第2寿命消費率との比較、および、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのそれぞれの走行距離に基づく第1寿命消費率とプリント枚数に基づく第2寿命消費率との比較に基づいて、速度優先モードと寿命優先モードとの切換制御が実行される。
【0155】
ステップS31において、K用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に達していない場合(ステップS31において「NO」)にステップS41に進むと、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのいずれかが、走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に達しているために、該当するカラー用感光体ドラム(51Y、51M、51Cのいずれか)が設けられたカラー用像形成ユニットの交換指示を、操作パネル29の表示パネル29aに表示する(ステップS41)。
【0156】
その後、該当するカラー用画像形成ユニットの交換が、対応するカラー用のユニット交換センサ(57Y、57M、57Cのいずれか)によって検出されると(ステップS42において「YES」)、ステップS44に進む。
なお、該当するカラー用画像形成ユニットの交換指示(ステップS41)の後に、該当するカラー用画像形成ユニットの交換が検出されない場合(ステップS42において「NO」)には、ステップS43に進んで、所定の警告処理が実行されて、ステップS42に戻る。
【0157】
ステップS44では、交換されたカラー用画像形成ユニットにおける感光体ドラム(51Y、51M、51Cのいずれか)の回転数の累計と、当該カラー用画像形成ユニットにおけるカラーモードでのプリント枚数の累計とを、それぞれリセット(=0)する。従って、その後は、交換された新たな画像形成ユニットを用いたカラーモードでの画像形成時に、該当する感光体ドラムの回転数の累計と、カラーモードでのプリント枚数の累計とが、それぞれ新たに計数される。
【0158】
次いで、ステップS45に進んで、カラー寿命優先フラグFcjがセット状態(=1)であるかを判断する。カラー寿命優先フラグFcjがセット状態でない場合(ステップS45において「NO」)には、全コピー寿命優先モードになっているものとして、ユニット交換時モード切換制御は終了し、図14のステップS14に戻る。
これに対して、カラー寿命優先フラグFcjがセット状態(=1)の場合(ステップS45において「YES」)には、カラー用画像形成ユニット50Y、50M、50Cのそれぞれが交換されたことを示す交換フラグFy、Fm、Fcの全てがセット状態になっているかを判断する(ステップS46)。
【0159】
全ての交換フラグFy、Fm、Fcがセット状態になっている場合(ステップS46において「YES」)には、カラー用の画像形成ユニット50Y、50M、50Cの全てが交換されたものとして、全コピー速度優先モードに切り換え、かつ、全コピー速度優先フラグFasをセット状態(=1)にするとともに、交換フラグFy、Fm、Fcの全てをリセット状態(=0)とする(ステップS47)。これにより、ユニット交換時モード切換制御は終了し、図14に示すステップS14に戻る。
【0160】
以降は、前述したように、K(黒)用の感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率とプリント枚数に基づく第2寿命消費率との比較、および、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのそれぞれの走行距離に基づく第1寿命消費率と、それぞれにおけるプリント枚数に基づく第2寿命消費率との比較に基づいて、連続コピージョブの速度優先モードと寿命優先モードとの切換制御が実行される。
【0161】
このように、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kが交換されても、それぞれの画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数の累計がリセットされるとともに、それぞれの画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kを使用したプリント枚数の累計もリセットされる。そして、交換された新たな感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数の累計およびプリント枚数の累計をそれぞれカウントすることにより、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの回転数に基づく寿命消費率と、それぞれのプリント枚数に基づく第2寿命消費率との比較に基づいて、連続コピージョブにおける速度優先モードと寿命優先モードとが切り換えられることになる。
【0162】
以上のように、本実施形態の画像形成システムでは、寿命比較タイミングにおいて、いずれかの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの第1寿命消費率が、第2寿命消費率以上になったことが検出されると、連続コピージョブの実行時に、速度優先モードから寿命優先モード(第1〜第3のいずれかの寿命優先モード)に切り換えられるために、その後は、連続コピージョブの実行時に、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの第1寿命消費率の増加する割合が抑制される。
【0163】
従って、いずれかの感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの第1寿命消費率が100%に達して、対応する画像形成ユニットを交換する場合に、当該画像形成ユニットにおいて実行可能であると想定されたプリント枚数と、実際に実行されたプリント枚数とが大きく異なるおそれがない。その結果、想定されたプリント枚数と、実際のプリント枚数とが大きく相違することにより、ユーザが不信感、不安等を抱くことを抑制することができ、また、それぞれの画像形成ユニットの交換時に、画像形成ユニットに設けられた帯電器、現像器等が、寿命消費率の低い状態で廃棄されることを抑制することができる。
【0164】
さらには、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率が第2寿命消費率未満の場合に、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上になると、カラーモード時にのみ寿命優先モードが実行されるカラー寿命優先モードとされる。従って、モノクロモードでは、速度優先モードが実行されるために、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率が第2寿命消費率未満であるにもかかわらず、モノクロ画像の連続コピージョブを効率よく実行することができる。
【0165】
[実施形態2]
本実施形態では、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kのそれぞれと、トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kのそれぞれとが一体になって、プリンタAに対して着脱可能になった、カートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500Kがそれぞれ構成されている。図16は、画像形成ユニット50Y(50M、50C、50K)と、各トナーカートリッジ47Y(47M、47C、47K)とが一体になったカートリッジ一体型画像形成ユニット500Y(500M、500C、500K)の斜視図である。
【0166】
トナーカートリッジ一体型画像形成ユニット500Y(500M、500C、500K)は、トナーカートリッジ47Y(47M、47C、47K)および画像形成ユニット50Y(50M、50C、50K)のそれぞれの長手方向の一方の端部同士が連結部58によって連結されており、連結部58の内部に、トナーカートリッジ47Y(47M、47C、47K)の内部と、画像形成ユニット50Y(50M、50C、50K)に設けられた現像器54Y(54M、54C、54K)の内部とを連通するトナー搬送路が設けられている。トナーカートリッジ47Y(47M、47C、47K)に収容されたトナーは、連結部58の内部のトナー搬送路を通って画像形成ユニット50Y(50M、50C、50K)の現像器54Y(54M、54C、54K)内に供給される。
【0167】
制御部71は、各カートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500KがプリンタAに装着されてプリント動作が実行される毎に、それぞれのカートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500Kに設けられた現像器54Y、54M、54C、54Kにおいて消費されるトナー量の累計を、Y、M、C、Kのそれぞれの色の画像データにおけるY、M、C、Kのそれぞれの色のトナー画像の比率であるカバレッジ比に基づいて演算するようになっている。そして、トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kに収容された全トナー量に対する、各現像器54Y、54M、54C、54Kにおけるトナー消費量の割合(%)が、各トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kの寿命消費率(以下、本実施形態において、この寿命消費率を第2寿命消費率とする)として算出される。
【0168】
図17は、本実施形態における制御部71によって実行される連続コピージョブのモード切換制御の処理手順を説明するフローチャートである。このモード切換制御においても、実施形態1におけるモード切換制御と同様に、制御部71は、全コピー速度優先モードに初期設定されて、全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっているが、カラー寿命優先フラグFcj、交換フラグFy、Fm、Fcの全ては、リセット状態(=0)になっている。
【0169】
このような初期設定状態で、画像形成システムの使用が開始されると、制御部71は、プリンタAに、プリントジョブ、コピージョブ等の各種ジョブに基づくプリント動作を実行させる(図17のステップS51参照、以下同様)。そして、プリント動作が実行される毎に、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率(%)を取得するとともに、各トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kのトナー消費量に基づく第2寿命消費率を取得する(ステップS52)。
【0170】
次に、算出された各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率のいずれかが100%に達しているかを判断する(ステップS53)。それぞれの第1寿命消費率が100%に達していない場合(ステップS53において「NO」)には、ステップS54に進む。
なお、取得された各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率のいずれかが100%に達している場合には、対応する画像形成ユニットの交換が指示されることになり、画像形成ユニットが交換されることにより、交換時モード切換制御(ステップS70)が実行される。この交換時モード切換制御については後述する。
【0171】
ステップS54では、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kのそれぞれの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率が、トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kの第2寿命消費率と比較するタイミング(寿命比較タイミング)であるかを判断する。この寿命比較タイミングは、前述の実施形態1と同様であり、例えば、プリント枚数が1K枚(1000枚)増加したタイミングに設定される。
【0172】
寿命比較タイミングである場合(ステップS54において「YES」)には、ステップS55に進んで、その寿命比較タイミングにおける各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの第1寿命消費率と、トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kのそれぞれの第2寿命消費率とを比較する。
ステップS55における比較の結果、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率が、K用トナーカートリッジ47Kの第2寿命消費率よりも大きくなっている場合(ステップS56において「YES」)には、ステップS57に進み、全コピー速度優先フラグFasがセット状態(=1)になっているかを判断する。
【0173】
全コピー速度優先フラグFasがセット状態(=1)の場合(ステップS57において「YES」)には、全コピー寿命優先モードに設定し、全コピー速度優先モードフラグFasをリセット状態(=0)にする(ステップS58)。その後、ステップS51に戻る。
これにより、以降は、カラーモードおよびモノクロモードのいずれの連続コピージョブも寿命優先モードで実行される。従って、カラーモードおよびモノクロモードの両方において駆動されるK用の感光体ドラム51Kは、連続コピージョブの実行時に、走行距離の累計に基づく第1寿命消費率の増加割合が抑制される。その結果、K用の感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に達した場合に、K用トナーカートリッジ47Kの第1寿命消費率が100%よりも大きく低下してトナーが多量に残存した状態で交換されることを抑制することができる。
【0174】
このようにして、全コピー寿命優先モードが設定されると、次の寿命判定タイミングになり(ステップS54において「YES」)、K用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が、K用トナーカートリッジ47Kの第2寿命消費率よりも大きくなった状態を維持している場合には(ステップS56において「YES」)、ステップS57において、全コピー速度優先モードフラグFasがリセット状態(=0)になっていることから(ステップS57において「NO」)、全コピー寿命優先モードの設定状態が維持されて、ステップS51に戻る。
【0175】
寿命判定タイミング時(ステップS54において「YES」)に、K用感光体ドラム51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が、K用トナーカートリッジ47Kの第2寿命消費率よりも大きくなっていない場合(ステップS56において「NO」)には、ステップS61に進み、ステップS52において求められたカラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのそれぞれの走行距離に基づく第1寿命消費率のいずかが、対応するカラー用トナーカートリッジ47Y、47M、47Cよりも大きくなっているかを判断する(ステップS61)。
【0176】
ステップS61において、各カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cの全ての走行距離に基づく第1寿命消費率が、対応するカラー用トナーカートリッジ47Y、47M、47Cの第2寿命消費率よりも大きくなっていない場合(ステップS61において「NO」)には、ステップS62に進み、全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっているかを判断する。全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっている場合(ステップS62において「YES」)には、全コピー速度優先モードを維持して、ステップS51に戻る。全コピー速度優先モードフラグFasがセット状態(=1)になっていない場合(ステップS62において「NO」)には、全コピー速度優先モードに切り換えて、全コピー速度優先モードフラグFasをセット状態(=1)とし(ステップS63)、ステップS51に戻る。
【0177】
以上のことから、全コピー寿命優先モードに切り換えられた状態で、連続コピージョブが実行されると、K用感光体ドラム51Kの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率の増加割合が抑制されることにより、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率が、K用トナーカートリッジ47Kの第2寿命消費率以下になる場合がある。
この場合(ステップS56において「NO」)、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cの全ての走行距離に基づく第1寿命消費率が、それぞれに対応するカラー用トナーカートリッジ47Y、47M、47Cの第2寿命消費率よりも大きくなければ(ステップS61において「NO」)、ステップS62およびS63において、全コピー速度優先モードに切り換えられる。従って、その後は、カラーモード、モノクロモードのいずれの場合にも、連続コピージョブは速度優先モードで実行されるために、連続コピージョブのコピー効率が低下するおそれがない。
【0178】
ステップS61において、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのいずれかの走行距離に基づく第1寿命消費率が、それぞれに対応するカラー用トナーカートリッジ47Y、47M、47Cの第2寿命消費率よりも大きくなっている場合(ステップS61において「YES」)には、ステップS64に進み、カラー寿命優先モードフラグFcjがセット状態(=1)であるかを判断する。カラー寿命優先モードフラグFcjがセット状態の場合(ステップS64において「YES」)には、すでにカラー寿命優先モードに切り換えられているものとして、ステップS51へ戻る。
【0179】
カラー寿命優先モードフラグFcjがセット状態でない場合(ステップS64において「NO」)には、カラー寿命優先モードに切り換えられるとともに、カラー寿命優先フラグFcjをセット状態(Fcj=1)、全コピー速度優先フラグFasをリセット状態(Fas=0)とする(ステップS65)。その後、ステップS51へ戻る。
ステップS25において、カラー寿命優先モードに切り換えられると、その後は、カラーモードでの連続コピージョブは、寿命優先モードで実行される。
【0180】
これにより、カラーモードにおいてのみ駆動されるカラー用の感光体ドラム51Y、51M、51Cは、カラーモードでの連続コピージョブによるプリント動作の実行により、それぞれにおけるトナー消費量が増加しても、各カラー用の感光体ドラム51Y、51M、51Cの走行距離の累計に基づく第1寿命消費率の増加割合が抑制される。従って、各カラー用の感光体ドラム51Y、51M、51Cの第1寿命消費率がそれぞれ100%に達した場合に、それぞれに対応するカラー用トナーカートリッジ47Y、47M、47Cの第2寿命消費率が100%から大きく低下することが抑制される。
【0181】
なお、この場合、K用感光体ドラム51Kは、走行距離の累計に基づく第1寿命消費率が、K用トナーカートリッジ47Kの第2寿命消費率よりも大きくなっていないために(ステップS56において「NO」)、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率の増加割合を抑制する必要がなく、従って、モノクロモードでの連続コピージョブは速度優先モードで実行される。これにより、モノクロモードでの連続コピージョブにおいてコピー効率が低下するおそれがない。
【0182】
その後、いずれかの画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に達すると(ステップS13において「YES」)、ユニット交換時モード切換制御(ステップS30)が実行される。
本実施形態におけるユニット交換時モード切換制御(ステップS70)は、実施形態1のユニット交換時モード切換制御とは、カートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500Kのそれぞれが交換されることと、図15におけるステップS35およびS44における処理のみが異なっている。すなわち、本実施形態におけるユニット交換時モード切換制御では、図15のステップS35およびS44では「プリント枚数のリセット」に代えて、「現像器の消費トナー量の累計のリセット」がそれぞれ実行される。
【0183】
従って、カートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500Kのそれぞれが交換されると、交換されたカートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500Kのそれぞれの各現像器54Y、54M、54C、54Kにおいて消費されるトナー量の累計がリセット状態(=0)とされる。これにより、交換されたカートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500Kのそれぞれのトナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kの第2寿命消費率が、リセットされた後のトナー量の累計に基づいて新たに演算されることになる。
【0184】
本実施形態では、寿命比較タイミングにおいて、それぞれのトナーカートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500Kにおける感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率と、トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kのトナー消費量に基づく第2寿命消費率とをそれぞれ比較して、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの第1寿命消費率がナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kの第2寿命消費率よりも大きくなったことが検出されると、連続コピージョブの実行時に、速度優先モードから寿命優先モード(第1〜第3のいずれかの寿命優先モード)に切り換えられる。
【0185】
従って、その後、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が増加する割合が抑制されることになる。その結果、感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離に基づく第1寿命消費率が100%に到達した場合に、対応するトナーカートリッジ47Y、47M、47C、47Kにおけるトナー消費率に基づく第2寿命消費率が、感光体ドラムの第1寿命消費率と大きく異なることを抑制することができる。これにより、トナーカートリッジ47Y、47M、47C、47K内に多量のトナーが残留した状態で、トナーカートリッジ一体型画像形成ユニット500Y、500M、500C、500Kとともに交換されることを抑制することができる。
【0186】
また、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率がK用トナーカートリッジの第2寿命消費率よりも大きくなっていない場合に、カラー用感光体ドラム51Y、51M、51Cのいずれかの第1寿命消費率が対応するトナーカートリッジ47Y、47M、47Cの第2寿命消費率よりも大きくなると、カラー画像を形成する場合にのみ寿命優先モードとするようになっているために、モノクロ画像を形成する場合に、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率がK用トナーカートリッジの第2寿命消費率よりも大きくなっていないにもかかわらず、連続コピージョブのコピー効率が低下することを抑制することができる。
【0187】
[変形例]
なお、前記実施形態1のステップS14および前記実施形態2のステップS54のそれぞれにおける寿命比較タイミングは、プリント枚数が10K枚増加したタイミングとしたが、このような構成に限らず、プリント動作が開始される毎のタイミングであってもよい。あるいは、予め設定された所定のプリント枚数だけ増加したタイミング、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの走行距離が、予め設定された長さにわたって増加したタイミング、あるいは、各感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kの第1寿命消費率が、予め設定された割合で増加したタイミング等としてもよい。
【0188】
また、上記の実施形態では、フルカラー画像を形成するタンデム型カラーデジタル画像形成システムについて説明したが、本発明は、このような構成に限るものではなく、モノクロ画像を形成する画像形成システムであってもよい。モノクロ画像を形成する画像形成システムの場合には、K用の画像形成ユニット50Kまたはトナーカートリッジ一体型画像形成ユニット500Kしか設けられないために、K用感光体ドラム51Kの第1寿命消費率に基づいて、寿命優先モードに切り換えられることになる。
【0189】
さらに、上記の実施形態では、感光回転体として感光体ドラムについて説明したが、そのような構成に限らず、感光ベルト等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本発明は、画像読取装置と、画像形成ユニットが交換可能になったプリンタとを有するとともに画像形成速度が原稿の画像の読取速度よりも速くなっている画像形成システムにおいて、画像形成ユニットを適切に交換する技術として有用である。
【符号の説明】
【0191】
A プリンタ
B 画像読取装置
5K トナーカートリッジ一体型画像形成ユニット
10 画像読取ユニット
20 ADFユニット
40 プリント部
42 中間転写ベルト
47Y、47M、47C、47K トナーカートリッジ
50Y、50M、50C カラー用画像形成ユニット
50K K用画像形成ユニット
51Y、51M、51C、51K 感光体ドラム
56a メインモータ
56b カラーユニットモータ
56c メイン現像モータ
56d カラー現像モータ
500Y、500M、500C カラー用カートリッジ一体型画像形成ユニット
500K K用カートリッジ一体型画像形成ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置と、当該画像読取装置が1枚の原稿を読み取る速度よりも1回の画像形成速度の方が速いプリンタとを備える画像形成システムであって、
前記プリンタが複数枚の原稿画像を連続コピーするジョブについて、ジョブ実行開始から終了までの実行時間を短縮する速度優先モードと、プリンタ内の感光回転体のジョブ実行中における走行距離を短縮する寿命優先モードのいずれかを選択して実行させる制御手段と、
前記感光回転体の走行距離の累計に基づいて第1寿命消費率を求める第1演算手段と、
プリント枚数の累計に基づいて第2寿命消費率を求める第2演算手段と、を備え、
前記制御手段は、予め設定された所定のタイミングにおいて第1寿命消費率と第2寿命消費率とを比較し、第1寿命消費率が第2寿命消費率以上となっている場合に、前記速度優先モードから前記寿命優先モードに切り換えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記感光回転体は、交換可能になった画像形成ユニットに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
画像読取装置と、当該画像読取装置が1枚の原稿を読み取る速度よりも1回の画像形成速度の方が速く、感光回転体を有する画像形成ユニットがトナーカートリッジと一体となって交換可能になったプリンタとを備える画像形成システムであって、
前記プリンタが複数枚の原稿画像を連続コピーするジョブについて、ジョブ実行開始から終了までの実行時間を短縮する速度優先モードと、前記感光回転体の走行距離を短縮する寿命優先モードのいずれかを選択して実行させる制御手段と、
前記感光回転体の走行距離の累計に基づいて第1寿命消費率を求める第1演算手段と、
前記画像形成ユニットのトナー消費量に基づいて第2寿命消費率を求める第2演算手段と、を備え、
前記制御手段は、予め設定された所定のタイミングにおいて第1寿命消費率と第2寿命消費率とを比較し、第1寿命消費率が第2寿命消費率以上になっている場合に、前記速度優先モードから前記寿命優先モードに切り換えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
前記所定のタイミングは、前記プリンタの画像形成動作が予め設定された所定の回数になった時点、前記プリンタの画像形成動作が開始される時点、前記画像形成ユニットの感光回転体が予め設定された走行距離になった時点、当該感光回転体が予め設定された寿命消費率になった時点のいずれかに設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1演算手段は、前記第1寿命消費率を、前記感光回転体の回転数に基づいて、または、当該回転数に対して予め設定された回転駆動時間に基づいて求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記プリンタは、カラートナー画像を形成するカラー用画像形成ユニットと、黒色のトナー画像を形成する黒色用画像形成ユニットとを有し、カラー用画像形成ユニットおよび黒色用画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成するカラーモードと、黒色用画像形成ユニットのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行することが可能であり、
前記制御手段は、前記所定のタイミングにおいて、前記カラー用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上であって、前記黒色用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率未満の場合には、連続コピージョブがカラーモードのときにのみ寿命優先モードとし、前記黒色用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上の場合には、連続コピージョブがカラーモードおよびモノクロモードのいずれの場合にも寿命優先モードとすることを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記プリンタは、カラートナー画像を形成するカラー用画像形成ユニットと、黒色のトナー画像を形成する黒色用画像形成ユニットとを有し、カラー用画像形成ユニットおよび黒色用画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成するカラーモードと、黒色用画像形成ユニットのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行することが可能であり、
前記制御手段は、前記所定のタイミングにおいて、前記カラー用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上であって、前記黒色用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率未満の場合には、連続コピージョブがカラーモードのときにのみ寿命優先モードとし、黒色用画像形成ユニットの第1寿命消費率が第2寿命消費率以上の場合には、連続コピージョブがカラーモードおよびモノクロモードのいずれの場合にも寿命優先モードとすることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−133095(P2012−133095A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284586(P2010−284586)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】