説明

画像形成システム

【課題】PCI Express規格の高速シリアルバスを有効に活用することで、ライン同期転送のタイミング制約があっても、高速な画像データ出力や同時転送を可能にする。
【解決手段】画像出力部(Engine TX)のメモリリードトランザクション(読出し要求コマンドMemReadReq.)のトラフィッククラスTCのプライオリティを画像入力部(Engine RX)のメモリライトトランザクション(メモリ書込み要求コマンドMemWriteReq.)のトラフィッククラスTCのプライオリティより高くし、かつ、メモリリードトランザクションが全て発行されてからメモリライトトランザクションが発行されるようにストリクトプライオリティを設定することで、ライン同期転送のタイミング制約があっても高速で画像データの出力が可能となり、読出し要求コマンドMemReadReq.をライン有効期間XLGATE内に受信でき、複数の画像データ転送を同時に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種画像データを扱い各種の処理を行う複合機(MFP)等の画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によれば、デジタル複写機に関して、プロッタ、スキャナ及びユーザインタフェースとプロセッサとを、標準バス、例えばPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続するアーキテクチャが提案されている。
【0003】
特許文献2によれば、スキャナ制御部や書込制御部や主制御部などを備えるデジタル複写機に関して、内部インタフェースとして、高速シリアルインタフェース、例えばIEEE1394バスやUSB(ユニバーサルシリアルバス)を使用するシステム構成が提案されている。
【0004】
また、他の高速シリアルインタフェースとして、PCIバス方式の後継規格に当るPCI Express(登録商標)なるインタフェースも提案され、実用化の段階にきている(例えば、非特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、画像データその他のデータを扱うデジタル複写機、MFP等の画像形成システム(画像形成装置)が様々な分野で使用されているが、今日では、さらなる高速化・高性能化・多機能化、さらには拡張性が要求されるようになってきている。
【0006】
この点、従来のデジタル方式の画像形成システムは、当該システムの設計時点で大量のデータを処理するために必要な機能を満足する最も手頃なシステムを構築することを主眼としている。このような設計思想の下では、極力低価格なシステムを構築することができるものの、当該システムに関して簡単に変更したり拡張したりすることは難しく、拡張性に欠けるものとなっている。例えば、画像形成システムを構成する回路の大部分が、1つの回路基板上に実装され、処理制御機構がほぼ1つのユニットで構成されることとなる。このような構成で、高速化、高性能化、多機能化への対応をとる場合、変更がたとえ一部の回路に関するものであっても、その都度、回路基板全体の交換や、回路基板の設計変更が余儀なくされ、結果として、開発費用と開発期間を要し、拡張性に欠けるものである。
【0007】
このような複写装置を構成する場合の新たなアプローチの一つとして、パソコンなどのコンピュータシステムの場合と同様に、PCIバスを使用したアーキテクチャを採用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、コントローラと、画像処理部や画像記録部などの機能部分との間をPCIバスにより接続することとなる。特許文献1の場合であれば、プロセッサ及びメモリを主要部とし、この主要部と複写装置を構成する種々の機能部分との間がPCIバスで接続される。
【0008】
このようにPCIバスを利用することで、制御データや画像データをPCIバスという共通の伝送ライン上に乗せ、このPCIバスを介して双方向で伝送でき、かつ、機能モジュールの変更や追加も可能となるので、装置ないしはシステムの高性能化や多機能化の要求に応えるのが容易と考えられる。
【0009】
しかし、PCIバスは、パラレル方式で制御コマンドや画像データなどを転送するため、配線数が多くインタフェースコストがかかるものである。また、プロセッサやメモリシステムを搭載したマザーボード上において、PCIバスを利用する個々の機能モジュールを一箇所に集中して配置させる必要があり、レイアウトの自由度がなく、実際には、多機能化に柔軟に応えるのが難しい。
【0010】
加えて、パラレルにデータ転送する場合、信号線同士でのデータのずれや不揃いが発生し、また、信号線同士が電圧の影響を与え合うクロストーク現象が生じ、高速データ転送に適していないため、PCIバスでは高速化の要求に応えるのが難しい。即ち、パラレル方式のPCIバスでは、レーシングやスキューなどの問題があり、高速・高画質の画像形成装置に使用するには、転送レートが低い段階にきている。
【0011】
また、複数のモジュールをPCIバスに接続すると、他のモジュールと競合しないように、入出力アドレスやIRQ(Interrupt Request)を割り当てて1つのPCIバスを共用しなければならない。つまり、モジュール間を時分割でデータ転送しなければならず、高速データ転送が難しい。
【0012】
一方、特許文献2によれば、内部インタフェースとして、高速シリアルインタフェース、例えばIEEE1394バスやUSBを使用することにより、自由度の高いシステムを構築することが可能とされている。これによると、デジタル複写機全体を制御するMBDに、感光体上に画像の書込みを行うための書込みレーザを制御するLDU、スキャナを制御するSCD、及び、ユーザが動作指示を与えるための操作パネルを制御するPCUを、高速シリアルインタフェースを介してシリアルケーブルで直接接続することとしている。
【0013】
しかし、より一層の高速・高画質化への要求が高まっている今日においては、特許文献2のようにIEEE1394バスやUSBのような汎用バスを用いた構成では、十分な高速データ転送を行うのが厳しくなっている。また、ハードウエアの電気的、物理的制約で、拡張性を確保することも難しくなっている。さらに、高速転送や拡張性を確保しようとすると、バス幅の増大による、基板設計難、基板コストアップ、ASICピン数の増大によるコストアップ等の問題が発生している。
【0014】
一方、他の高速シリアルインタフェースとして、PCIバス方式の後継規格に当るPCI Express(登録商標)なるインタフェースも提案され、実用化の段階にきている(例えば、非特許文献1参照)。
【0015】
本発明の目的は、PCI Expressのようなインタフェース技術を画像形成システムに応用することで、さらなる高速化を実現するとともに、拡張性を増大させることである。
【0016】
また、前述の特許文献2の場合、複数の画像データの転送を同時に行う際の問題については言及されていない。また、シリアルであり自由度の高いシステムを構築できるようになるため、複数のトラフィックが発生するようになるが、ライン同期転送のタイミング制約等の影響については言及されていない。
【0017】
本発明のさらなる目的は、例えばスケーラビリティが高い等の特徴を有するPCI Express規格のような高速シリアルバスを有効に活用することにより、ライン同期転送のタイミング制約があっても、高速な画像データ出力や同時転送を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の画像形成システムは、画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像処理部とシリアルバスを介して接続されるスイッチと、前記スイッチとシリアルバスを介して接続されるプリンタコントローラと、を具備する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像形成システムの内部で高速シリアルバスにより構成要素となるデバイス間を適宜接続しているので、それらのデバイスの電気系を別個の基板上に実装して構成することができ、高速性を損なうことなく、設計上の自由度を大幅に拡張することができ、基板面積低減によるコストダウンも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】既存PCIシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】PCI Expressシステムの構成例を示すブロック図である。
【図3】デスクトップ/モバイルでのPCI Expressプラットホームの構成例を示すブロック図である。
【図4】x4の場合の物理層の構造例を示す模式図である。
【図5】デバイス間のレーン接続例を示す模式図である。
【図6】スイッチの論理的構造例を示すブロック図である。
【図7】(a)は既存のPCIのアーキテクチャを示すブロック図、(b)はPCI Expressのアーキテクチャを示すブロック図である。
【図8】PCI Expressの階層構造を示すブロック図である。
【図9】トランザクションレイヤパケットのフォーマット例を示す説明図である。
【図10】PCI Expressのコンフィグレーション空間を示す説明図である。
【図11】仮想チャネルの概念を説明するための模式図である。
【図12】データリンクレイヤパケットのフォーマット例を示す説明図である。
【図13】x4リンクでのバイトストライピング例を示す模式図である。
【図14】アクティブステート電源管理の制御例を示すタイムチャートである。
【図15】本実施の形態の画像形成システムの構成例を略図的に示すブロック図である。
【図16】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図17】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図18】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図19】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図20】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図21】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図22】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図23】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図24】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図25】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図26】その変形構成例を略図的に示すブロック図である。
【図27】画像形成システムの最適構成例を示す概略ブロック図である。
【図28】システム構成例を略図的に示すブロック図である。
【図29】コマンド発行順を示す模式的なタイミングチャートである。
【図30】データ転送方式の仕組みを示す概略構成図である。
【図31】アービトレーション特性を示す説明図である。
【図32】ペイロードの基本特性を示す特性図である。
【図33】シリアル通信制御部を複数有する場合の画像形成システムのリンクアップ前の構成例を略図的に示すブロック図である。
【図34】そのリンクアップ後の構成例を略図的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
[PCI Express規格の概要]
まず、本実施の形態は高速シリアルバスの一つであるPCI Express(登録商標)を利用するものであり、本実施の形態の前提として当該PCI Express規格の概要について、非特許文献1の一部抜粋により説明する。ここに、高速シリアルバスとは、1本の伝送路を用いてシリアル(直列)伝送により高速(100Mbps程度以上)にデータをやり取りすることができるインタフェースを意味する。
【0023】
PCI Expressは、PCIの後継規格としてコンピュータ全般に通用する標準拡張バスとして規格化されたバスであり、概略的には、低電圧差動信号伝送、ポイントツーポイントで送受信独立の通信チャネル、パケット化されたスプリットトランザクション、リンク構成の違いによる高いスケーラビリティなどの特徴を持つ。
【0024】
図1に既存のPCIシステム、図2にPCI Expressシステムの各々の構成例を示す。既存のPCIシステムにあっては、CPU100やAGPグラフィックス101やメモリ102が接続されたホストブリッジ103に対して、PCI-X(PCIの上位互換規格)デバイス104a,104bがPCI-Xブリッジ105aを介して接続されたり、PCIデバイス104c,104dが接続されたPCIブリッジ105bやPCIバススロット106が接続されたPCIブリッジ107がPCIブリッジ105cを介して接続されたりしたツリー構造(木構造)とされている。
【0025】
これに対して、PCI Expressシステムにあっては、CPU110やメモリ111が接続されたルートコンプレックス112に対して、PCI Expressグラフィックス113がPCI Express114aにより接続され、また、エンドポイント115aやレガシーエンドポイント116aがPCI Express114bにより接続されたスイッチ117aがPCI Express114cにより接続され、さらには、エンドポイント115bやレガシーエンドポイント116bがPCI Express114dにより接続されたスイッチ117bやPCIバススロット118が接続されたPCIブリッジ119がPCI Express114eにより接続されたスイッチ117cがPCI Express114fにより接続されたツリー構造(木構造)とされている。
【0026】
実際に想定されるPCI Expressプラットホーム例を図3に示す。図示例は、デスクトップ/モバイルへの適用例を示し、CPU121がCPUホストバス122により接続され、メモリ123が接続されたメモリハブ124(ルートコンプレックスに相当する)に対して、例えば、グラフィックス125がx16のPCI Express126aにより接続され、また、変換機能を有するI/Oハブ127がPCI Express126bにより接続されている。このI/Oハブ127には、例えば、Serial ATA128によりストレージ129が接続され、LPC130によりローカルI/O131が接続され、USB 2.0132やPCIバススロット133が接続されている。さらには、I/Oハブ127には、PCI Express126cによりスイッチ134が接続され、このスイッチ134には、各々、PCI Express126d,126e,126fによりモバイルドック135、ギガビットイーサネット136(イーサネットは登録商標)、アドインカード137が接続されている。
【0027】
即ち、PCI Expressシステムでは、従来のPCI,PCI-X,AGPといったバスがPCI Expressで置き換わり、既存のPCI/PCI-Xデバイスを接続するためにブリッジが使用される。チップセット間の接続もPCI Express接続となり、IEEE1394,Serial ATA,USB 2.0などの既存のバスはI/OハブによりPCI Expressに接続される。
【0028】
[PCI Expressの構成要素]
A.ポート(Port)/レーン(Lane)/リンク(Link)
図4に物理層の構造を示す。ポートは、物理的には同一半導体内にあり、リンクを形成するトランスミッタ/レシーバの集合で、論理的にはコンポーネント・リンク間を1対1で接続(ポイント・ツー・ポイント)するインタフェースを意味する。転送レートは、例えば片方向2.5Gbpsとされている。レーンは、例えば0.8Vの差動信号ペアのセットで、送信側の信号ペア(2本)、受信側の信号ペア(2本)からなる。リンクは、2つのポートとその間を結ぶレーンの集まりであり、コンポーネント間のデュアルシンプレックス通信バスである。「xNリンク」はN本のレーンから構成され、現在の規格では、N=1,2,4,8,16,32が定義されている。図示例は、x4リンク例である。例えば、図5に示すように、デバイスA,B間を結ぶこのレーン幅Nを可変することにより、スケーラブルなバンド幅を構成することが可能となる。
【0029】
B.ルートコンプレックス(Root Complex)
ルートコンプレックス112は、I/O構造の最上位に位置し、CPUやメモリサブシステムをI/Oに接続する。ブロック図などでは、図3に示すように、「メモリハブ」と記述されることが多い。ルートコンプレックス112(又は、124)は、1つ以上のPCI Expressポート(ルートポート)(図2中では、ルートコンプレックス112中の四角で示す)を持ち、各々のポートは独立したI/O階層ドメインを形成する。I/O階層ドメインは、単純なエンドポイントである場合(例えば、図2中のエンドポイント115a側の例)や、多数のスイッチやエンドポイントから形成される場合(例えば、図2中のエンドポイント115bやスイッチ117b,115c側の例)がある。
【0030】
C.エンドポイント(End Point)
エンドポイント115は、タイプ00hのコンフィグレーション空間ヘッダを持つデバイス(具体的には、ブリッジ以外のデバイス)で、レガシーエンドポイントとPCI Expressエンドポイントとに分けられる。両者の大きな違いは、PCI ExpressエンドポイントはBAR(ベースアドレスレジスタ)でI/Oリソースを要求せず、このためI/Oリクエストを要求しない。また、PCI Expressエンドポイントは、ロックリクエストもサポートしていない。
【0031】
D.スイッチ(Switch)
スイッチ117(又は、134)は、2つ以上のポートを結合し、ポート間でのパケットルーティングを行う。コンフィグレーションソフトウェアからは、当該スイッチは、図6に示すように、仮想PCI-PCIブリッジ141の集合体として認識される。図中、両矢印はPCI Expressリンク114(又は、126)を示し、142a〜142dはポートを示す。このうち、ポート142aはルートコンプレックスに近い方のアップストリームポートであり、ポート142b〜142dはルートコンプレックスから遠い方のダウンストリームポートである。
【0032】
E.PCI Express114e−PCIブリッジ119
PCI ExpressからPCI/PCI-Xへの接続を提供する。これにより、既存のPCI/PCI-XデバイスをPCI Expressシステム上で使用することができる。
【0033】
[階層アーキテクチャ]
従来のPCIのアーキテクチャは、図7(a)に示すように、プロトコルとシグナリングが密接に関連する構造であり階層という考え方はなかったが、PCI Expressでは、図7(b)に示すように、一般的な通信プロトコルやInfiniBandのように、独立した階層構造とされ、各層に分けて仕様が定義されている。即ち、最上位のソフトウェア151、最下位の機構(メカニカル)部152間に、トランザクション層153、データリンク層154、物理層155を持つ構造とされている。これにより、各層のモジュール性が確保され、スケーラビリティを持たせることやモジュールの再利用が可能となる。例えば、新たな信号コーディング方式や伝送媒体を採用する場合、物理層を変更するだけでデータリンク層やトランザクション層は変更せずに対応できる。
【0034】
PCI Expressのアーキテクチャの中心となるのは、トランザクション層153、データリンク層154、物理層155であり、各々図8を参照して説明する以下のような役割を持つ。
【0035】
A.トランザクション層153
トランザクション層153は、最上位に位置し、トランザクションレイヤパケット(TLP)の組み立て、分解機能を持つ。トランザクションレイヤパケット(TLP)は、リード/ライト、各種イベントといったトランザクションの伝達に用いられる。また、トランザクション層153は、トランザクションレイヤパケット(TLP)のためのクレジットを用いたフロー制御を行う。各層153〜155におけるトランザクションレイヤパケット(TLP)の概要を図9に示す(詳細は、後述する)。
【0036】
B.データリンク層154
データリンク層154の主な役割は、エラー検出/訂正(再送)によりトランザクションレイヤパケット(TLP)のデータ完全性を保証することと、リンク管理である。データリンク層154間では、リンク管理やフロー制御のためのパケットのやり取りを行う。このパケットは、トランザクションレイヤパケット(TLP)と区別するために、データリンクレイヤパケット(DLLP)と呼ばれる。
【0037】
C.物理層155
物理層155は、ドライバ、入力バッファ、パラレル−シリアル/シリアル−パラレル変換器、PLL、インピーダンス整合回路といったインタフェース動作に必要な回路を含んでいる。また、論理的な機能としてインタフェースの初期化・保守の機能を持つ。物理層155は、データリンク層154/トランザクション層153を実際のリンクで使用される信号技術から独立させる役目も持っている。
【0038】
なお、PCI Expressのハードウェア構成上、エンベデッド・クロックという技術を採用しており、クロック信号はなく、クロックのタイミングはデータ信号中に埋め込まれており、受信側でデータ信号のクロスポイントを基にクロックを抽出する方式とされている。
【0039】
[コンフィグレーション空間]
PCI Expressは、従来のPCIと同様にコンフィグレーション空間を持つが、その大きさは従来のPCIが256バイトであるのに対して、図10に示すように、4096バイトへと拡張されている。これにより、多数のデバイス固有レジスタセットを必要とするデバイス(ホストブリッジなど)に対しても、将来的に十分な空間が確保されている。PCI Expressでは、コンフィグレーション空間へのアクセスは、フラットなメモリ空間へのアクセス(コンフィグレーションリード/ライト)で行われ、バス/デバイス/機能/レジスタ番号はメモリアドレスにマップされている。
【0040】
当該空間の先頭256バイトは、PCIコンフィグレーション空間として、BIOSや従来のOSからI/Oポートを使用した方法でもアクセスできる。従来のアクセスをPCI Expressでのアクセスに変換する機能は、ホストブリッジ上に実装される。00hから3FhまではPCI2.3互換のコンフィグレーションヘッダとなっている。これにより、PCI Expressで拡張された機能以外であれば、従来のOSやソフトウェアをそのまま使用することができる。即ち、PCI Expressにおけるソフトウェア層は、既存のPCIと互換性を保ったロード・ストア・アーキテクチャ(プロセッサが直接I/Oレジスタをアクセスする方式)を継承している。しかし、PCI Expressで拡張された機能(例えば、同期転送やRAS(Reliability,Availability and Serviceability)などの機能)を使用するには、4KバイトのPCI Express拡張空間にアクセスできるようにする必要がある。
【0041】
なお、PCI Expressとしては様々なフォームファクタ(形状)が考えられるが、具体化している例としては、アドインカード、プラグインカード(Express Card)、Mini PCI Expressなどがある。
【0042】
[PCI Express のアーキテクチャの詳細]
PCI Express のアーキテクチャの中心となっているトランザクション層153、データリンク層154、物理層155について、各々詳細に説明する。
【0043】
A.トランザクション層153
トランザクション層153の主な役割は、前述したように、上位のソフトウェア層151と下位のデータリンク層154との間でトランザクションレイヤパケット(TLP)の組み立てと分解を行うことである。
【0044】
a.アドレス空間とトランザクションタイプ
PCI Expressでは、従来のPCIでサポートされていたメモリ空間(メモリ空間とのデータ転送用)、I/O空間(I/O空間とのデータ転送用)、コンフィグレーション空間(デバイスのコンフィグレーションとセットアップ用)に加えて、メッセージ空間(PCI Expressデバイス間のインバンドでのイベント通知や一般的なメッセージ送信(交換)用...割り込み要求や確認は、メッセージを「仮想ワイヤ」として使用することにより伝達される)が追加され、4つのアドレス空間が定義されている。各々の空間に対してトランザクションタイプが定義されている(メモリ空間、I/O空間、コンフィグレーション空間は、リード/ライト、メッセージ空間は基本(ベンダ定義含む))。
【0045】
b.トランザクションレイヤパケット(TLP)
PCI Expressは、パケット単位で通信を行う。図9に示したトランザクションレイヤパケット(TLP)のフォーマットにおいて、ヘッダのヘッダ長は3DW(DWはダブルワードの略;合計12バイト)又は4DW(16バイト)で、トランザクションレイヤパケット(TLP)のフォーマット(ヘッダ長とペイロードの有無)、トランザクションタイプ、トラフィッククラス(TC)、アトリビュートやペイロード長などの情報が含まれる。パケット内の最大ペイロード長は1024DW(4096バイト)である。
【0046】
ECRCは、エンドツーエンドのデータ完全性を保証するためのもので、トランザクションレイヤパケット(TLP)部分の32ビットCRCである。これは、スイッチ内部などでトランザクションレイヤパケット(TLP)にエラーが発生した場合、LCRC(リンクCRC)ではエラーを検出できないためである(エラーとなったTLPでLCRCが再計算されるため)。
【0047】
リクエストは、完了パケットが不要なものと必要なものとがある。
【0048】
c.トラフィッククラス(TC)と仮想チャネル(VC)
上位のソフトウェアは、トラフィッククラス(TC)を使用することによりトラフィックの差別化(優先度をつける)を行うことができる。例えば、映像データをネットワークのデータよりも優先して転送する、といったことが可能となる。トラフィッククラス(TC)はTC0からTC7まで8つある。
【0049】
仮想チャネル(VC:Vertual Channel)は、各々独立した仮想通信バス(同一のリンクを共用する複数の独立したデータ・フロー・バッファを使用するメカニズム)で、各々がリソース(バッファやキュー)を持ち、図11に示すように、独立したフロー制御を行う。これにより、1つの仮想チャネルのバッファが満杯の状態(full)になっても、他の仮想チャネルの転送を行うことができる。つまり、物理的には1つのリンクを仮想的な複数のチャネルに分けることで、有効に使用することができる。例えば、図11中に示すように、スイッチを経由してルートのリンクが複数のデバイスに分かれる場合、各デバイスのトラフィックの優先度を制御することができる。VC0は必須で、コストパフォーマンスのトレードオフに応じてその他の仮想チャネル(VC1〜VC7)が実装される。図11中の実線矢印は、デフォルト仮想チャネル(VC0)を示し、破線矢印はその他の仮想チャネル(VC1〜VC7)を示している。
【0050】
トランザクション層内では、トラフィッククラス(TC)が仮想チャネル(VC)にマッピングされる。1つの仮想チャネル(VC)に対して1つ又は複数のトラフィッククラス(TC)をマッピングできる(仮想チャネル(VC)の数が少ない場合)。単純な例では、各トラフィッククラス(TC)から各仮想チャネル(VC)に1対1、全てのトラフィッククラス(TC)を仮想チャネルVC0にマッピングする、といったことが考えられる。TC0−VC0のマッピングは、必須/固定で、それ以外のマッピングは上位のソフトウェアから制御される。ソフトウェアはトラフィッククラス(TC)を利用することで、トランザクションの優先度を制御することが可能となる。
【0051】
d.フロー制御
受信バッファのオーバーフローを避け、伝送順序を確立するためにフロー制御(FC:Flow Control)が行われる。フロー制御は、リンク間のポイントツーポイントで行われ、エンドツーエンドではない。従って、フロー制御により最終的な相手(コンプリータ)にパケットが届いたことを確認することはできない。
【0052】
PCI Expressのフロー制御は、クレジット・ベースで行われる(データ転送を始める前に、受け取り側のバッファの空き状況を確認し、オーバフロー、アンダフローが発生しないメカニズム)。即ち、受信側はリンク初期化時にバッファ容量(クレジット値)を送信側に通知し、送信側はクレジット値と送信するパケットの長さとを比較し、一定の残りがある場合のみパケットを送信する。このクレジットには6種類ある。
【0053】
フロー制御の情報交換はデータリンク層のデータリンクレイヤパケット(DLLP)を使用して行われる。フロー制御はトランザクションレイヤパケット(TLP)のみに適用され、データリンクレイヤパケット(DLLP)には適用されない(DLLPは常時送受信可能)。
【0054】
B.データリンク層154
データリンク層154の主な役割は、前述したように、リンク上の2つのコンポーネント間での信頼性の高いトランザクションレイヤパケット(TLP)交換機能を提供することである。
【0055】
a.トランザクションレイヤパケット(TLP)の扱い
トランザクション層153から受け取ったトランザクションレイヤパケット(TLP)に対しては、先頭に2バイトのシーケンス番号、末尾に4バイトのリンクCRC(LCRC)を付加して、物理層155に渡す(図9参照)。トランザクションレイヤパケット(TLP)は、リトライバッファに保管され、相手から受信確認(ACK)が届くまで再送される。トランザクションレイヤパケット(TLP)の送信に失敗が続いた場合は、リンク異常であると判断して物理層155に対してリンクの再トレーニングを要求する。リンクのトレーニングが失敗した場合、データリンク層154の状態はインアクティブに遷移する。
【0056】
物理層155から受け取ったトランザクションレイヤパケット(TLP)は、シーケンス番号とリンクCRC(LCRC)が検査され、正常であればトランザクション層153に渡され、エラーがあった場合は再送を要求する。
【0057】
b.データリンクレイヤパケット(DLLP)
トランザクションレイヤパケット(TLP)は、物理層から送信されるときに自動的に図12に示すようなデータリンクレイヤパケット(DLLP)に分割されて各レーンに送信される。データリンク層154が生成するパケットは、データリンクレイヤパケット(DLLP)と呼ばれ、データリンク層154間でやり取りされる。データリンクレイヤパケット(DLLP)には、
・Ack/Nak:TLPの受信確認、リトライ(再送)
・InitFC1/InitFC2/UpdateFC:フロー制御の初期化とアップデート
・電源管理のためのDLLP
なる種類がある。
【0058】
図12に示すように、データリンクレイヤパケット(DLLP)の長さは6バイトで、種類を示すDLLPタイプ(1バイト)、DLLPの種類で固有の情報(3バイト)、CRC(2バイト)から構成される。
【0059】
C.物理層−論理サブブロック156
図8中に示す物理層155の論理サブブロック156での主な役割は、データリンク層154から受け取ったパケットを電気サブブロック157で送信できる形式に変換することである。また、物理層155を制御/管理する機能も有する。
【0060】
a.データ符号化とパラレル−シリアル変換
PCI Expressは、連続した"0"や"1"が続かないように(長い期間、クロス・ポイントが存在しない状態が続かないようにするため)、データ符号化に8B/10B変換を用いる。変換されたデータは、図13中に示すように、シリアル変換され、LSBからレーン上に送信される。ここに、レーンが複数ある場合は(図13はx4リンクの場合を例示している)、符号化の前にデータがバイト単位で各レーンに割り振られる。この場合、一見パラレル・バスのようにみえるが、レーン毎に独立した転送を行うので、パラレル・バスで問題となるスキューが大幅に緩和される。
【0061】
b.電源管理とリンクステート
リンクの消費電力を低く抑えるために、表1に示すように、L0/L0s/L1/L2というリンクステートが定義されている。
【0062】
【表1】

L0が通常モードで、L0sからL2へと低消費電力となるが、L0への復帰にも時間がかかるようになる。図14に示すように、ソフトウェアによる電源管理に加えて、アクティブステート電源管理を積極的に行うことにより、消費電力を極力小さくすることが可能となる。
【0063】
D.物理層−電気サブブロック157
物理層155の電気サブブロック157での主な役割は、論理サブブロック156でシリアル化されたデータをレーン上に送信することと、レーン上のデータを受信して論理サブブロック156に渡すことである。
【0064】
a.ACカップリング
リンクの送信側では、ACカップリング用のコンデンサが実装される。これにより、送信側と受信側のDCコモンモード電圧が同一である必要がなくなる。このため、送信側と受信側で異なる設計、半導体プロセス、電源電圧を使用することが可能となる。
【0065】
b.デエンファシス
PCI Expressでは、前述したように、8B/10Bエンコーディングによってできるだけ連続した"0"や"1"が続かないように処理されるが、連続した"0"や"1"が続くこともある(最大5回)。この場合、送信側はデエンファシス転送を行わなければならないことが規定されている。同一極性のビットが連続する場合は、2つ目のビットからは差動電圧レベル(振幅)を3.5±0.5dB落とすことで、受信側で受け取る信号のノイズ・マージンを稼ぐ必要がある。これを、デエンファシスという。伝送路の周波数依存性減衰のため、変化するビットの場合は高周波成分が多く、減衰により受信側の波形が小さくなるが、変化しないビットの場合は高周波成分が少なく、相対的に受信側の波形が大きくなる。このため、受信側での波形を一定とするためにデエンファシスを行う。
【0066】
[画像形成システム]
本実施の形態のデジタル複写機やMFP等の画像形成システムは、その内部インタフェースに前述したようなPCI Express規格の高速シリアルバスを利用するようにしたものである。
【0067】
図15は、本実施の形態の画像形成システムの構成例を示す概略ブロック図である。本実施の形態の画像形成システム1は、例えばMFP等の機器に適用されるもので、その構成要素として、シリアル通信制御部2と画像入力部3と画像出力部4と画像処理部5とプリンタコントローラ6と記憶部9とを備える。ここに、シリアル通信制御部2は、インストールされているプログラム(ソフトウエア)に従いシリアル通信システムの制御を受け持つCPU等を含み、経路制御や経路判断等の処理を行うデバイス部分を含む。特に、PCI Express規格においては、ルートコンプレックスに相当する。画像入力部3とは、原稿画像等に基づく画像データを当該システム内に取り込むためのデバイスやユニット部分を示し、例えば、原稿画像を光電的に読み取って画像データを取得するスキャナエンジン等により構成されている。画像出力部4とは、画像データを紙などに印刷出力するデバイスやユニット部分を示し、例えば、電子写真方式のプロッタ(プリンタ)エンジン等により構成されている。画像処理部5とは、画像データに対して、γ補正、色変換、シェーディング補正、階調補正、地肌補正、拡大・縮小、回転、圧縮・伸長、等の何らかの画像処理を施すデバイスやユニット部分を示し、例えば、各種画像補正器、色変換器、変倍器、回転器、圧縮/伸長器等を含む構成とされている。プリンタコントローラ6とは、インストールされているプログラム(ソフトウエア)に従い当該システム全体の制御を受け持つCPU等を含み、プリンタ動作やMFP動作を制御するデバイスやユニット部分を示す。記憶部9とは、画像データを保存するメモリやHDD等を含むデバイスやユニット部分である。
【0068】
このような画像形成システム(MFP)の構成要素に関して、本実施の形態では、例えば画像処理部5は画像入力部3と画像出力部4とが一体化された構成とされ、かつ、プリンタコントローラ6がシリアル通信制御部2を有し記憶部9を一体に有する構成とされ、かつ、画像処理部5とプリンタコントローラ6とのデバイス間が上述したようなPCI Express規格による高速シリアルバス7により接続されている(従って、画像処理部5、プリンタコントローラ6はポートを有する)。
【0069】
このような構成において、シリアル通信制御部2による制御の下、画像入力部3から取り込まれた画像データは必要に応じて画像処理部5による画像処理を経て後、高速シリアルバス7を介してプリンタコントローラ6に転送され、プリンタコントローラ6内の記憶部9に一旦保存される。その後、プリンタコントローラ6の記憶部9に保存された画像データは高速シリアルバス7を介して画像処理部5に取り込まれ必要に応じて画像処理を経た後、画像出力部4に転送され、印刷出力等がなされる。なお、図15中、点線はMFP制御データの流れを示す(後述する図でも同様)。
【0070】
本実施の形態の場合、MFP等の画像形成システム1の内部でPCI Express規格による高速シリアルバス7により画像処理部5とプリンタコントローラ6とを接続しているので、画像処理部5側とプリンタコントローラ6側とで各々のデバイスの電気系を別個の基板上に実装して構成することができ、高速性を損なうことなく、設計上の自由度を大幅に拡張することができ、基板面積低減によるコストダウンも図ることができる。また、プリンタコントローラ6がシリアル通信制御部2を有しているので、プリンタコントローラ6が有するCPUリソースを兼用することができる。
【0071】
なお、図15に示した本実施の形態は、一例を示すに過ぎず、例えば、以下に示すような各種態様により構成することができる。
【0072】
図16に示す構成例は、シリアル通信制御部2を画像処理部5内に持たせたものである。画像処理部5がシリアル通信制御部2を有しているので、画像処理部5が有するCPUリソースを兼用することができる。よって、プリンタコントローラ6を後付けするようなアプリケーション拡張、例えば、コピー機能からMFP機能への拡張、が容易に可能となる。
【0073】
図17に示す構成例は、プリンタコントローラ6、画像入力部3、画像処理部5、記憶部9及び画像出力部4をシリアル通信制御部2に各々高速シリアルバス7a〜7eにより個別に接続することにより、シリアル通信制御部2を独立させ、プリンタコントローラ6、画像入力部3、画像処理部5、記憶部9及び画像出力部4を等価的に取り扱えるようにしたものである。従って、この場合のシリアル通信制御部2としては、例えばPCI Expressシステムの木構造において根元に位置するルートコンプレックスを用いることで容易に実現できる。
【0074】
これにより、例えば画像入力部3により取り込まれた画像データを高速シリアルバス7bを経てシリアル通信制御部2内に転送し、高速シリアルバス7cを経て画像処理部5に転送して必要な画像処理を施し、さらに高速シリアルバス7dを経て一旦記憶部9に保存させ、再び高速シリアルバス7d,7cを経て画像処理部5に転送して必要な画像処理を施し、さらに高速シリアルバス7c,7eを経て画像出力部4に転送させ、印刷出力等に供することができる。このように、構成要素中、シリアル通信制御部2が独立しているため、アプリケーション拡張の自由度を最大に発揮させることができる。
【0075】
図18に示す構成例は、シリアル通信制御部2を有するプリンタコントローラ6に対して、入力部3、画像処理部5、記憶部9及び画像出力部4を各々高速シリアルバス7a〜7dにより個別に接続し、プリンタコントローラ6が画像入力部3、画像処理部5、記憶部9及び画像出力部4を等価的に取り扱えるようにしたものである。この場合のシリアル通信制御部2も、図17の場合と同様に、例えばPCI Expressシステムの木構造において根元に位置するルートコンプレックスを用いることができる。
【0076】
これにより、例えば画像入力部3により取り込まれた画像データを高速シリアルバス7aを経てプリンタコントローラ6内に転送し、高速シリアルバス7bを経て画像処理部5に転送して必要な画像処理を施し、さらに高速シリアルバス7bを経て記憶部9に転送させ、一旦保存させ、再び高速シリアルバス7c,7bを経て画像処理部5に転送して必要な画像処理を施し、さらに高速シリアルバス7b,7dを経て画像出力部4に転送させ、印刷出力等に供することができる。これによれば、図15の場合の効果に加えて、画像入力部3と画像出力部4との拡張の自由度を増大させることができる。
【0077】
図19に示す構成例は、図18との対比では、画像入力部3とプリンタコントローラ6とを入れ替えたものである。画像入力部3がシリアル通信制御部2を有しているので、画像入力部3が有するCPUリソースを兼用することができる。また、画像入力部3のアプリケーションをベースとして、その他の機能を後付けするようなアプリケーション拡張を容易に実現することができる。
【0078】
図20に示す構成例は、図18との対比では、画像処理部5とプリンタコントローラ6とを入れ替えたものである。これによれば、画像処理部5がシリアル通信制御部2を有しているので、画像処理部5が有するCPUリソースを兼用することができる。
【0079】
図21に示す構成例は、図18との対比では、画像出力部4とプリンタコントローラ6とを入れ替えたものである。これによれば、画像出力部4がシリアル通信制御部2を有しているので、画像出力部4が有するCPUリソースを兼用することができる。また、画像出力部4のアプリケーションをベースとして、その他の機能を後付けするようなアプリケーション拡張を容易に実現することができる。
【0080】
図22に示す構成例は、図17に示した構成において、シリアル通信制御部2よりも下流側にPCI Expressシステムの木構造におけるスイッチ8を、高速シリアルバス7eを介して介在させ、画像入力部3、画像処理部5、画像出力部4、プリンタコントローラ6をパケットスイッチ8の下流側ポートに各々高速シリアルバス7a〜7dにより接続したものである。
【0081】
図23ないし図26は、各々図18ないし図21に示した構成において、同様に、PCI Expressシステムの木構造におけるパケットスイッチ8を介在させた構成としたものである。ここに、パケットスイッチとは、高速シリアルインタフェースの通信パケットをルーティングする機能を有するデバイス又はデバイス群或いはユニットを意味し、本実施の形態では、PCI Express規格のスイッチが用いられている。
【0082】
このように、高速シリアルバス7経路上にパケットスイッチ8が介在されているので、シリアル通信制御部2を有する構成要素の出力を複数持たなくてもよくなる上に、パケットスイッチ8の有する拡張性に基づき必要に応じて拡張でき、拡張性を増大させることができる。
【0083】
ところで、PCI Expressシステムの木構造におけるスイッチ(パケットスイッチ)をPCI Express規格の高速シリアルバス経路上に介在させて拡張性と高速性とを両立させる場合の画像形成システムの最適構成例について図27を参照して説明する。図27に示す画像形成システムの構成例は、前述したMFPのような単体構成の画像形成システム例ではなく、複数の機器を接続することにより構築される画像形成システム例である。その基本として、まず、画像出力部に相当するプロッタ(又は、プリンタ)11と記憶部に相当する画像メモリ12,13とが、PCI Express規格の高速シリアルバス14a,14b,14c及び1段のみのPCI Express規格のスイッチ15を介して近傍で接続されている。ここに、画像メモリ12,13は、例えばプロッタ11で印字出力するための最終ドットデータを格納する専用メモリが用いられている。もっとも、必ずしも最終ドットデータである必要はなく、途中経路上にリアルタイムの圧縮伸長器等がある場合には、圧縮データを格納するメモリであってもよい。このようにプロッタ11と画像メモリ12,13とを1段のスイッチ15で近傍接続する基本構成に加えて、CPU16やシステムメモリ17が接続されてシリアル通信制御部に相当するルートコンプレックス18を接続する場合にはスイッチ15の上流側にPCI Express規格の高速シリアルバス14dで接続すればよい。さらに、タイミング制約のないもの、或いは、遅くてもよいもの、例えば画像入力部としてのスキャナ19や画像処理部としての画処理演算ユニット20などを接続する場合には、スイッチ15の下流側に拡張用のPCI Express規格のスイッチ21を介在させて、PCI Express規格の高速シリアルバス14e,14f,14gで接続すればよい。即ち、スイッチ15を介在させることにより、当該スイッチ15の有する拡張性に基づきシステムを任意に構成することができるとともに、ライン同期信号に同期させて画像データを転送させる必要がある等、高速処理上のタイミング制御の厳しいプロッタ11と画像メモリ12,13とを近傍で接続しているので、データ転送の遅延を抑え、画像メモリ12又は13からプロッタ11への高速データ転送に対処し得る。
【0084】
なお、図27に示すシステム構成例では、インタフェースが共通なため、画像入力部としてのスキャナと画像出力部としてのプロッタとを併有するMFP22も、プロッタ11と同様に、スイッチ15に対してPCI Express規格の高速シリアルバス14hを介して接続されている例を示している。この場合も、MFP22中のプロッタと画像メモリ12,13とは1段のスイッチ15を介して近傍で接続された構成となっており、画像メモリ12又は13から当該プロッタへのライン同期信号に同期した画像データの転送を遅延なく行わせることができる。
【0085】
これらの構成例におけるデータ転送について、さらに説明する。例えば、図28に示すように、画像処理部5と記憶部9とを一体に有するプリンタコントローラ6がシリアル通信制御部2を内蔵し、画像入力部3からプリンタコントローラ6に直接的に(必要に応じてパケットスイッチ8を介して)データ転送可能で、かつ、プリンタコントローラ6から画像出力部4に直接的に(必要に応じてパケットスイッチ8を介して)データ転送可能な実際的なシステム構成例に適用可能なデータ転送例としては、高速シリアルバス7により、ライン同期信号に同期して画像データを画像入力部3からプリンタコントローラ6に転送させるとともに、ライン同期信号に同期して画像データをプリンタコントローラ6から画像出力部4に転送させることを基本とする。この場合、プリンタコントローラ6から画像出力部4へのデータ転送を、画像入力部3からプリンタコントローラ6へのデータ転送よりも優先的に行わせる転送方式とすることが好ましい。この方式は、図15、図16、図18、図22ないし図26の構成例に対しても適用可能なデータ転送例である。
【0086】
より具体的には、本実施の形態では、画像入力部3及び画像出力部4が画像データ転送のイニシエータとなる転送方式とし、画像入力部3ではメモリライトトランザクションを用い、画像出力部4ではメモリリードトランザクションを用いるデータ転送方式とし、かつ、これらの2つのトランザクションを別のトラフィッククラスTCに割り当てる方式とされている。この際、仮想チャネルVCの設定により、画像出力部4のメモリリードトランザクションのトラフィッククラスTCのプライオリティを画像入力部3のメモリライトトランザクションのトラフィッククラスTCのプライオリティより高くし、かつ、メモリリードトランザクションが全て発行されてからメモリライトトランザクションが発行されるようにストリクトプライオリティを設定することにより、ライン同期転送のタイミング制約があっても高速で画像データの出力が可能になるとともに、複数の画像データ転送を同時に行うことができる。
【0087】
図29はコマンド発行順を示す模式的なタイミングチャートである。図29(a)はライン同期信号XLDSYNCに同期して画像データの読出し要求コマンドMemReadReq.とメモリ書込み要求コマンドMemWriteReq.とにプライオリティを設定せずに高速シリアルバス7を利用して送信するとともに読出し要求コマンドMemReadReq.に従いメモリ読出しコマンドMemReadComn.を受信する場合の動作例であって、ライン同期転送のタイミング制約の関係上、読出し要求コマンドMemReadReq.をライン有効期間XLGATE内に受信できないケース例を示している。
【0088】
これに対して、図29(b)は、上記と同様のケースにおいて、上述したように、画像出力部4(Engine TX)のメモリリードトランザクション(読出し要求コマンドMemReadReq.)のトラフィッククラスTCのプライオリティを画像入力部3(Engine RX)のメモリライトトランザクション(メモリ書込み要求コマンドMemWriteReq.)のトラフィッククラスTCのプライオリティより高くし、かつ、メモリリードトランザクションが全て発行されてからメモリライトトランザクションが発行されるようにストリクトプライオリティを設定しているので、ライン同期転送のタイミング制約があっても高速で画像データの出力が可能となり、読出し要求コマンドMemReadReq.をライン有効期間XLGATE内に受信でき、複数の画像データ転送を同時に行うことができる。
【0089】
なお、スイッチ8(スイッチ15でも同様)を介在させて高速シリアルバス7により、ライン同期信号に同期して画像データを画像入力部3からプリンタコントローラ6に転送させるとともに、ライン同期信号に同期して画像データをプリンタコントローラ6から画像出力部4に転送させる場合に、プリンタコントローラ6から画像出力部4へのデータ転送を、画像入力部3からプリンタコントローラ6へのデータ転送よりも優先的に行わせる転送方式の仕組みについて図30を参照して説明する。図30に示す例では、スイッチ8の各々異なるポートB,D,Eに対してノード1,2,3が各々物理的に1つのポートA,C,Fにより接続された構成例であり、例えば、ノード1が画像入力部3、ノード2が画像出力部4、ノード3が画像処理部5と記憶部9とを一体に有するプリンタコントローラ6なるデバイスに各々相当する例である(図27に示したシステム構成例参照)。
【0090】
ここに、画像入力部3及び画像出力部4が画像データ転送のイニシエータとなる転送方式とし、画像入力部3ではメモリライトトランザクションを用い、画像出力部4ではメモリリードトランザクションを用いるデータ転送方式とし、かつ、これらの2つのトランザクションを同一のトラフィッククラスTCに割り当てる方式とされている。本実施の形態の例では、TC0〜TC3で示す4つのトラフィッククラスTCを割り当てるものであり、線種を変えて示す4本の経路がこれらの2つのトランザクションを同一のトラフィッククラスTCに割り当てられている様子を模式的に示している。また、各ノード1,2,3内の各ポートA,C,FにはPCI Express規格に従いトラフィッククラスTC0〜TC3に関してプライオリティ設定可能な仮想チャネルVC0〜VC3が用意されており、どのトラフィッククラスTC0〜TC3をどの仮想チャネルVC0〜VC3に割り当てるかが設定されている。スイッチ8側の入力ポートB,D及び出力ポートEに関してもポートA,C,Fに対応する仮想チャネルVC0〜VC3が割り当てられている。ここに、ポートA,Bの仮想チャネルVC0〜VC3間のアービトレーションを行いシリアル化させるVCアービトレーション9a、ポートC,Dの仮想チャネルVC0〜VC3間のアービトレーションを行いシリアル化させるVCアービトレーション9b、ポートE,Fの仮想チャネルVC0〜VC3間のアービトレーションを行いシリアル化させるVCアービトレーション9cが各ポートA,C,E内に設けられている。
【0091】
このような構成に加えて、スイッチ8内には、ポートB,Dに接続されて、ノード3(プリンタコントローラ6)からノード2(画像出力部4)への画像データの転送を、ノード1(画像入力部3)からノード3(プリンタコントローラ6)への画像データの転送より優先的に行わせるようにポートEに対するアービトレーションを行うポートアービトレーション10が設けられている。このポートアービトレーション10は、ポートB,Dから2つのトラフィックスがあった場合に、同じトラフィッククラスTC0〜TC3同士のものを一旦集めて、同じ仮想チャネルVC0〜VC3のものに対して入力ポートB,Dの違うものを設定されたプライオリティに従いアービトレーションするものであり、入力ポートB,Dの違いによりアービトレーションされて残った各仮想チャネルVC0〜VC3をVCアービトレーション9cによりシリアル化させてノード3(プリンタコントローラ6)側に転送出力させることとなる。
【0092】
PCI Express規格に従ったこのような仕組みによりノード3(プリンタコントローラ6)からノード2(画像出力部4)への画像データの転送を、ノード1(画像入力部3)からノード3(プリンタコントローラ6)への画像データの転送より優先的に行わせるわけであるが、この場合のポートアービトレーション10におけるトラフィック分配アルゴリズムとしては、PCI Express規格に従い、ラウンドロビン(RR)、ウエイテッドラウンドロビン(WRR)、時間の概念の管理も含むタイムベースウエイテッドラウンドロビン(TBWRR)の何れのアルゴリズムであってもよい。ここに、ウエイテッドラウンドロビン(WRR)なるアルゴリズムを利用する場合には、ペイロードサイズを合わせて考慮することが好ましい。ちなみに、ラウンドロビン(RR)やタイムベースウエイテッドラウンドロビン(TBWRR)なるアルゴリズムを利用する場合でも、ペイロードサイズを考慮することが好ましい。ペイロードサイズを考慮することにより、より決め細やかなプライオリティ制御が実現できるようになる。
【0093】
前述したストリクト(strict)アルゴリズムを含めて、トラフィッククラスTC0〜TC3の4種類のデータ転送を行わせる場合のこれらの各アルゴリズムの基本特性を図31を参照して簡単に説明する。何れにしても、アービトレーション特性の測定結果は動的な変動を観測する必要があるため、図31ではデータ積算図として示す。図において、横軸は時間、縦軸は転送されたデータ量(積算値)である。なお、ペイロードサイズは、4種類とも128byte(約8000)の条件での測定例とする。図31(a)はストリクト(strict)特性を示すもので、単純に、順番にデータを流していくアルゴリズムである。図31(b)はラウンドロビン(RR)特性を示し、4種類のデータを順番に均等に分けながら流していくアルゴリズムであり、図面上、4種類の特性は1本の特性に重なって表現されている。図31(c)はウエイテッドラウンドロビン(WRR)特性として、4種類に関して1:2:4:8の比率でデータ転送させるように設定した場合の特性例を示し、1つのトラフィッククラスのデータ転送が終了すると、残りのトラフィッククラスについて8:4:2、さらには、8:4の如く、比率を変遷させながらデータ転送させるアルゴリズムである。タイムベースウエイテッドラウンドロビン(TBWRR)はこのようなウエイテッドラウンドロビン(WRR)に時間の概念の管理も含ませたものである。
【0094】
また、ストリクト(strict)のアルゴリズムで測定した場合のペイロードの基本特性を図32に示す。図32によれば、ペイロードサイズが小さいほど転送レートが遅く、ペイロードサイズが大きいほど転送レートが大きいことが分かる。このようなペイロード特性は、他のアービトレーションのアルゴリズムを用いた場合も同様であり、特に、ウエイテッドラウンドロビン(WRR)なるアルゴリズムの場合には、比率に応じた転送レートを決定するためにペイロードサイズを考慮することは有効である。
【0095】
なお、高速シリアルバス7経路上にPCI Express規格のスイッチ8を介在させ、画像入力部3と画像出力部4とプリンタコントローラ6とが各々スイッチ8の別のポートに接続され、高速シリアルバス7により、ライン同期信号に同期して画像データを画像入力部3からプリンタコントローラ6に転送させるとともに、ライン同期信号に同期して画像データをプリンタコントローラ6から画像出力部4に転送させる2つのトランザクションを別のトラフィッククラスTCに割当てる場合であれば、図30を参照すれば、スイッチ8における出力ポートEの仮想チャネルVCのアービトレーション9cのストリクトプライオリティの設定により、プリンタコントローラ6から画像出力部4への画像データの転送を、画像入力部3からプリンタコントローラ6への画像データの転送より優先的に行わせる仕組みとさせることが望ましい。
【0096】
一方、例えば、画像処理部5から記憶部9を一体に有するプリンタコントローラ6に直接的にデータ転送可能で、かつ、プリンタコントローラ6から画像出力部4に直接的にデータ転送可能な図17、図18、図19、図22ないし図26の構成例に適用可能なデータ転送例としては、高速シリアルバス7により、ライン同期信号に同期して画像データを画像処理部5からプリンタコントローラ6に転送させるとともに、ライン同期信号に同期して画像データをプリンタコントローラ6から画像出力部4に転送させることを基本とする。この場合、プリンタコントローラ6から画像出力部4へのデータ転送を、画像処理部5からプリンタコントローラ6へのデータ転送よりも優先的に行わせる転送方式とすることが好ましい。
【0097】
より具体的には、本実施の形態では、画像処理部5及び画像出力部4が画像データ転送のイニシエータとなる転送方式とし、処理部5ではメモリライトトランザクションを用い、画像出力部4ではメモリリードトランザクションを用いるデータ転送方式とし、かつ、これらの2つのトランザクションを別のトラフィッククラスTCに割り当てる方式とされている。この際、仮想チャネルVCの設定により、画像出力部4のメモリリードトランザクションのトラフィッククラスTCのプライオリティを画像処理部5のメモリライトトランザクションのトラフィッククラスTCのプライオリティより高くし、かつ、メモリリードトランザクションが全て発行されてからメモリライトトランザクションが発行されるようにストリクトプライオリティを設定することにより、ライン同期転送のタイミング制約があっても高速で画像データの出力が可能になるとともに、複数の画像データ転送を同時に行うことができる。
【0098】
この場合も、図29に示す例を適用できる。
【0099】
ところで、前述の説明では、シリアル通信制御部2が1個のみ存在するシステム構成例への適用例として説明したが、シリアル通信制御部自体は複数存在するシステム構成であっても適用可能であり、実際のシステム稼動時にこれらのシリアル通信制御部が動的に調停され、何れか一つのみが有効なシリアル通信制御部として稼動する形態であればよい。
【0100】
この点について、図33及び図34を参照して説明する。リンクアップ前の状態において、例えば図32に示すように、画像形成システム内に2つのシリアル通信制御部2a,2bが存在しているものとする。このようなシステム構成において、リンクアップ直後に、シリアル通信制御部2a,2bはシステム全体に制御部の存在を通知するパケット(通知パケット)を相互に出力する。当該制御部の存在を通知するパケットを受信した相互のシリアル通信制御部2b,2aは、受信した通知パケットに記載されている優先順位と自己側の優先順位との大小関係を比較し、システム設計者が事前に定義していた優先順位に従い、自己側が最も優先順位が高い場合のみ当該システムにおいて有効なシリアル通信制御部2であると判断し、それ以外の場合は、当該システムにおけるシリアル通信制御部として動作しない選択をする。図34は、シリアル通信制御部2a側の方がシリアル通信制御部2bよりも優先度が大きく、シリアル通信制御部2aが当該システムにおいて有効となり、シリアル通信制御部2bが破線で示すように動作しない状態となったリンクアップ後の様子を模式的に示すブロック図である。前述したようなPCI Express規格においては、メッセージパケットを利用してこれらの制御を行うことで容易に実現できる。
【0101】
また、画像入力部3、画像出力部4、画像処理部5、記憶部9及びプリンタコントローラ6に関しては、各々1つの例で説明したが、これらの構成要素に関しては、同時に複数存在していてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 画像形成システム
2 シリアル通信制御部
3 画像入力部
4 画像出力部
5 画像処理部
6 プリンタコントローラ
7 PCI Express規格による高速シリアルバス
8 PCI Express規格のスイッチ、パケットスイッチ
9 記憶部
9c 仮想チャネルVCのアービトレーション
10 ポートアービトレーション
11 画像出力部
12,13 記憶部
14 PCI Express規格による高速シリアルバス
15 PCI Express規格のスイッチ、パケットスイッチ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【特許文献1】特開2000−151878公報
【特許文献2】特開2001−016382公報
【非特許文献】
【0104】
【非特許文献1】"PCI Express 規格の概要"Interface誌、July'2003 里見尚志

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部とシリアルバスを介して接続されるスイッチと、
前記スイッチとシリアルバスを介して接続されるプリンタコントローラと、
を具備することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
画像データを出力する画像出力部をさらに具備し、
前記スイッチから前記画像出力部に画像データが転送されることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
画像データを入力する画像入力部をさらに具備し、
前記スイッチから前記画像出力部への画像データの転送は、前記画像入力部から前記スイッチへの画像データの転送よりも優先して行われることを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像入力部によって入力される画像データの前記スイッチへの転送のトランザクションはメモリライトトランザクションであり、
前記画像出力部によって出力される画像データの前記スイッチからの転送のトランザクションはメモリリードトランザクションであることを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記メモリライトトランザクションは、前記メモリリードトランザクションが全て発行された後に発行されるトランザクションであることを特徴とする請求項4記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記プリンタコントローラから前記スイッチを介して前記画像出力部に画像データが転送されることを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像出力部が出力する画像データを格納する記憶部をさらに具備することを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項8】
画像データを入力する画像入力部をさらに具備し、
前記画像入力部が入力する画像データは前記スイッチに転送されることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像入力部から前記スイッチを介して前記プリンタコントローラに画像データが転送されることを特徴とする請求項8記載の画像形成システム。
【請求項10】
画像データを格納する記憶部をさらに具備し、
前記記憶部は前記スイッチに接続されることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2013−37700(P2013−37700A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193166(P2012−193166)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【分割の表示】特願2009−256257(P2009−256257)の分割
【原出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】