説明

画像形成装置、制御方法、制御プログラムおよびジョブ管理装置、ジョブ処理方法、ジョブ管理プログラム

【課題】 画像形成装置のメモリ効率を上げながら、詳細情報としてのジョブ集計が必要となった際に、オンデマンドで、ジョブ情報が含む詳細情報を集計することができない。
【解決手段】 図5のジョブ情報と、図6のジョブ情報を集計して得られるジョブ情報の統計データを含むジョブ集計表を管理するジョブ管理アプリケーション1105が開示された。さらに、ジョブ管理アプリケーション1105は、ジョブ情報の出力方法を定義する出力設定情報を、通信媒体であるネットワーク8を介して設定PC1101から取得する。そして、取得した出力設定情報に従い、前記ジョブ情報を設定PC1101又は設定してきたPCではない、他のPC1200やMFP1103などへ転送してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、複写機等、およびこれらの複合機の機能を有する画像形成装置、制御方法、制御プログラムおよびジョブ管理装置、ジョブ処理方法、ジョブ管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが、プリンタ(印刷装置)、スキャナ、複写機、または、それらを統合したマルチファンクション機器(MFP)などの周辺機器をネットワークを介して使用する際に、ジョブの管理を行なうジョブ管理装置が知られている。このような情報処理装置の中には、ジョブの履歴をファイルに出力する機能を有する装置が知られている。このジョブ管理装置は、複数台のマルチファンクション機器(MFP)に出力されたジョブ情報を1つに集計することで、ジョブ履歴を管理していた。この集計処理を行うためには、ジョブ管理処理を行う情報処理装置(コンピュータ)を用意することが一般的である(特許文献1参照)。
【0003】
一方、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、複写機等、およびこれらの複合機能を有する画像形成装置において、システム組み込み向けのOS上にさらに別の組み込みシステム向けの実行環境、例えばJava(登録商標)などの実行環境を構築し、アプリケーションモジュールをダウンロードして搭載することが行なわれている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−308191号公報
【特許文献2】特開2003−330732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、マルチファンクションプリンタ(MFP)、プリンタ、スキャナ、コピー機等の画像形成装置では、ジョブ情報の集計を行なうが、メモリ量に限りがあるため、ジョブ情報を保持することはできないという問題がある。ここで、ジョブ情報の一部を丸めて集計結果だけを集計表として保有することも考えられるが、集計表として丸めてジョブ情報を丸めてしまうと、詳細情報としてのジョブ集計が必要となった際に、オンデマンドで、ジョブ情報が含む詳細情報を集計できなくなるという問題がある。
【0005】
さらに、ジョブ情報を所定のサーバ機能を有する装置にて収集することが考えられるが、ジョブ情報の出力方法を画像形成装置から上記サーバ機能を有する装置へジョブ情報を転送する仕組みがさらに別の問題となる。例えば、複数の画像形成装置に、ジョブの出力を、どの時刻に、どの出力先に、どの通信プロトコルを用いて行うかのジョブ情報の出力方法の少なくともひとつを設定する必要があり、このような設定処理を、画像形成装置を回って一台ずつ行うのは、ITマネージャの多大な負荷となるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願のひとつの実施形態として、ジョブ情報と、ジョブ情報を集計して得られるジョブ情報の統計データを含むジョブ集計表を管理する管理手段と、前記ジョブ情報の出力方法を定義する出力設定情報を、通信媒体を介して外部情報処理装置から取得する取得手段と、前記取得手段が取得した出力設定情報に従い、前記ジョブ情報を前記外部情報処理装置又は他の情報処理装置へ転送する転送手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置、該装置に適用可能な方法、制御プログラムが開示される。
【0007】
本願のひとつの実施形態として、ジョブ集計表と、ジョブ情報とを管理する画像形成装置に記憶されるジョブ情報を管理するジョブ管理装置において、前記画像形成装置がジョブ情報を出力する時刻を示す時刻情報、又は、ジョブ情報を出力する出力先を示す情報を含むジョブ情報の出力方法を定義した出力設定情報として管理する管理手段と、前記管理手段が管理する出力設定情報を複数の画像形成装置へ転送する転送手段を備えたことを特徴とするジョブ管理装置、該装置に適用可能な方法、制御プログラムが開示される。
【発明の効果】
【0008】
本願発明のひとつの側面によれば、画像形成装置のメモリ効率を上げながら、詳細情報としてのジョブ集計が必要となった際に、オンデマンドで、ジョブ情報が含む詳細情報を集計できるという効果がある。
【0009】
さらに、本願発明の別の側面によれば、ジョブの出力方法に係わる設定処理を、画像形成装置を回って一台ずつ行なう必要がなくなり、ITマネージャの多大な軽減となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明に係る画像形成装置の一例であるMFP1102の構成を示すブロック図である。なお、MFP1103,1104とも、同様の構成をしている。コア部10は、インターフェース部701、706、707、708、データ処理部702、705、CPU703(各制御手段)、メモリ704(記憶手段)を備えている。
【0011】
上記構成を詳述すると、リーダ部1からの画像データは、I/F706を介してデータ処理部702へ転送される。データ処理部702では、画像の回転処理や変倍処理などの画像処理を行う。また、そして、データ処理部702へ転送された画像データは、CPU703を通じて、メモリ704にデジタル画像データとして蓄積される。また、本発明の表示部の好適な一例である操作部500からの制御コマンドに応じて、CPU703、データ処理部705、I/F708を通じて、プリンタ部2へ転送される。または、インターフェース部701を介してモデム処理部4、ネットワーク処理部7へ転送される。操作部500は、例えば、液晶パネルを用いて構成され、該液晶パネルは、タッチパッドの機能となっており、指が触れることにより、所定の命令又は設定に対応付けられたキー選択を可能とするものである。
【0012】
また、ネットワーク処理部7を介して入力された画像を表すコードデータは、701を介して、CPU703へ転送され、CPUが、PDLコードであると判定した場合、PDLコードを、I/F701を通じて、PDL展開部9へ転送されて、そこで、画像ビットマップデータに展開される。この画像ビットマップデータは、I/F701、CPU703を通じて、メモリ704へ蓄積されていく。その後、CPU703、データ処理部705、I/F708を通じて、プリンタ部2へ転送され、プリントする。
【0013】
モデム処理部4からのファックス画像データは、I/F701、CPU703を介して、データ処理部705へ転送された後、I/F708を介して、プリンタへ転送される。
【0014】
CPU703は、メモリ704に記憶されている制御プログラム、及び、I/F707経由で操作部500から受けた制御コマンドに従って、上記のような制御を行う。また、メモリ704はCPU703の作業領域としても使われる。
【0015】
このように、本画像形成装置では、画像入出力制御部3のコア部10を中心に、原稿画像の読み取り、画像のプリント、画像の送受信、画像の保存、コンピュータからのデータの入出力などの機能を複合させた処理を行うことが可能である。本発明の入力手段の好適な一例であるインタフェース部(I/F部)701は、外部ネットワーク上のサーバや他の画像形成装置から、様々なアプリケーションや制御プログラムをダウンロードし、メモリ704に記憶することが出来る。また、他の入力手段の好適な一例としては、不図示の着脱可能なメモリスロットが考えられる。ネットワークだけからではなく、該メモリスロットに接続されたフレキシブルディスクやICカード、DVDやCD−ROMなどの可搬記憶媒体からもプログラムをダウンロードして、メモリ704に格納することが出来る。また、ネットワーク処理部7は、ネットワーク8と接続されており、データの送受信・転送処理を制御する。また、ネットワーク8には、MFP1103、MFP1104が接続されており、さらに設定PC1101も接続されている。後述するが、設定PC1101からは、MFP1102乃至1104の各装置とネットワーク8を介して通信して、ジョブ情報の出力方法の設定を行うことが出来る。
【0016】
図2は、後述する設定PCコンピュータ1101の内部構成を示す図である。図2において、201はCPU、即ち中央処理装置であり、このコンピュータ装置全体の制御および演算処理等を行うものである。設定PCコンピュータ1101は、通信部207を用いて、ネットワーク8を介してMFP1102乃至1104と通信し、ジョブの出力設定方法の設定を行う。この処理については、後述する。202はROM、即ち読み出し専用メモリであり、システム起動プログラムの情報等の記憶領域である。203はRAM、即ちランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域であり、オペレーティングシステム、アプリケーション、デバイスドライバおよび通信制御などのプログラムがCPU201に制御、ロード、及び実行される領域である。
【0017】
204はKBC、即ちキーボード制御部であり、キーボードから入力データを受け取りCPUへ伝達する。205はCRT、表示手段の一例であるディスプレイ制御部であり、ディスプレイ装置への表示制御を行なう。206は記憶手段の一例であるHD、即ちハードディスク装置であり、プログラムおよびデータを格納しておく。格納されたプログラム及びデータは、実行時に必要に応じて、参照されまたはRAMへのロードされる。HD206の代わりに、FD即ち負フロッピー(登録商標)ディスク装置や、SRAM即ち不揮発性記憶装置などが設けられていていも良い。
【0018】
207は通信部であり、ネットワーク通信制御を行うものである。通信部207は、図1で説明したようにネットワークに接続された他のコンピュータや周辺機器との通信が可能である。208はシステムバスであり、上述の構成要素間のデータの通路となるべきものである。
【0019】
図3は本発明の画像形成装置の一例であるMFP1102に実現されるソフトウエア構造図の一例を示す図である。MFP1103,1104も同様に構成される。図3は、ソフトウェアの機能モジュールの一例を示している。これらの機能モジュールは、制御プログラムとして、図1のHDD100Aに記憶され、CPU703の制御によって、メモリ(RAM)704に展開され、読み出し実行される。
【0020】
301は画像形成装置全体を制御する本発明の第1の実行環境の一例であり、一般的には複写機の各種機能をリアルタイムに制御可能なリアルタイムOSの各モジュール、或いは、CPUに、命令してクリティカルに複写機のオプション装置、拡張カードを含む各機能を制御することが可能なライブラリ群である。そして、その上位で動作するアプリケーションに対して、インターフェース・コマンドを提供するモジュール群により実現されるものである。302は第1の実行環境301上で動作するコントローラ制御部であり、リーダ部1、プリンタ部2、モデム通信部4、PDL展開部8など制御するモジュールにより構成されるものとする。
【0021】
303はアプリケーション・プログラミング・インターフェース(以下API)であり、アプリケーションからの命令の入力の命令列に応答して、このインターフェースでコントローラ制御部302にアクセスするための処理とネットワーク処理部7及びネットワーク4を介して複合機200等に制御コマンドを送る機能を有するものである。304は第1の実行環境301上で動作するアプリケーションであり、API303を使用しコントローラ制御部302に各種処理を依頼するものである。また、ネットワーク処理部7を用いて、図1のネットワーク処理部やI/F部701を駆動制御し、ネットワーク8上の他のコンピュータやMFP1102乃至1104等と通信することも可能である。
【0022】
305は特定のアプリケーションを実行するために最適な第2の実行環境であり、例えば、Java(登録商標)の仮想マシンなどにより実現されるものである。306は本発明の第2の実行環境305上のアプリケーションが第1の実行環境であるリアルタイムOS301上で動作するコントローラ制御部302にアクセスするためのAPIであり、本実施例においてはAPI303を呼び出すための変換モジュールの機能とネットワーク処理部7及びネットワーク4を介して画像形成装置200等に制御コマンドを送る機能を有するものである。
【0023】
307は第2の実行環境305上のアプリケーションを統括的に制御する機能を有するフレームワークモジュールである。308は本発明の第2の実行環境305上の他のアプリケーションを管理するためのアプリケーションであり、フレームワーク307と協調し、後述のアプリケーション309,310のダウンロード、アップロード、消去、無効化を行うものである。アプリケーション309として、本実施形態では、図4のジョブ管理アプリケーション1105乃至1107は、第2の実行環境305上で動作するアプリケーションであり、API306を使用しコントローラ制御部302等に各種処理を依頼したり、また、ジョブ情報を集計してジョブ集計表を構成したりするアプリケーションである。また、ネットワークを介して、他の装置上のアプリケーションと通信することも出来る。
【0024】
311は本発明の第2の実行環境305が使用する資源を管理するリソース管理部であり、第1の実行環境を実現するリアルタイムOS301上で動作する。リソース管理部311は、第2の実行環境を実現する仮想マシン305自身、API306、フレームワーク307、或いはOS305上の全アプリケーションがメモリ等のリソース資源を使用する際、予め決められた以上の資源が使用できないように制限するものである。
【0025】
まず、API303について説明する。API303は、第1の実行環境であるリアルタイムOS301によって制御されるコントローラ制御部302にアクセスするための複数の制御コマンドにそれぞれ対応したリアルタイムOS301上のインターフェースの集合である。この制御コマンドに対応した個々のインターフェースでは、制御コマンドを実行する対象の機器を指定するパラメータを持ち、かつ指定の対象として同一機器内のコントローラ制御部302、さらに、ネットワーク4で接続された画像形成装置200のコントローラ制御部302を指定可能である。
【0026】
次に、以上の方法で画像形成装置の第2の実行環境において実現されるジョブ管理方法について、各図を用いて詳細に説明する。
【0027】
図4は、図1のMFP1102の第2の実行環境である図3の仮想マシン305上で実行されるジョブ管理アプリケーション1105および、画像形成装置とネットワークで接続された情報処理装置(コンピュータ)の構成図である。1103、および1104におけるジョブ管理アプリケーションも同様に構成される。そして、MFP1102にて出力されるプリント、コピー、ファックス等の出力内容を示す情報をジョブ履歴として、アプリケーション1105は記憶管理する。例えば、プリント処理の際は、PDL展開部8で展開された画像データを、レーザービームプリントを行うためのコントローラを含むプリンタ部で印刷し、排紙が終了するのに応答して、プリンタ部又は不図示の廃止部からCPU703に対して排紙完了報告が入る。そして、排紙完了報告を受けると、CPUは、現在処理しているジョブの情報を履歴情報として収集し、一連のジョブ情報として、MFPの内臓又は外付けの、大容量記憶媒体の一例であるHDD100Aへアプリケーション1105は格納保存する。以降、コピージョブ、プリントジョブ、ファックスジョブが処理され、完了するのに応答して、ジョブ情報が収集され、HDD100Aに記録保存される。保存したジョブ履歴は、以後説明するように、指定された情報処理装置(コンピュータ)にファイル出力(エクスポート)可能である。そして、このジョブ履歴の出力に関する設定を各々のジョブ管理アプリケーションにおいて行なうことができる。各々のジョブ管理アプリケーションは、保持するジョブ履歴を後述する設定PC1101に出力することで、複数のジョブ管理アプリケーションが保持するジョブ履歴を1つに集計することが可能である。
【0028】
1101は、設定PCである。前述したように、図2のような、PC機能を備えるハードウェア構成をとる。この情報処理装置上の設定アプリケーションは、ジョブ管理アプリケーションが出力するジョブ履歴の出力に関する設定(出力先、スケジュール、送信方法)を行なうことができ、この設定情報を各ジョブ管理アプリケーションに送信することで、1度に複数のジョブ管理アプリケーションの出力設定を行なうことを可能としている。また、1102、1103および1104のMFPにおけるジョブ管理アプリケーションはwebアプリケーションを含む。ジョブ管理アプリケーション1105は、ジョブ履歴の出力設定を含めた各種操作を、PC1101から受け付けることが可能である。なお、後述するジョブ管理設定アプリケーションは、図2の206HDに記憶されており、CPU201の実行制御に応じて、RAM203に読み出し実行される。
【0029】
図5はジョブ履歴の一例を示す図である。画像形成装置に出力されたジョブに関して様々な情報が定義されている。このジョブ履歴は、画像形成装置に出力が行なわれると、画像形成装置上のジョブ管理アプリケーション1105が含む集計アプリケーションにイベントがあがり、集計アプリケーションは画像形成装置に出力された情報をジョブ履歴として図1のHDD100Aに登録・保存する。図5の形式は、詳細なジョブ情報を含む。
【0030】
例えば、プリントジョブやコピージョブ、ファクスジョブなどのジョブタイプ、ジョブの開始時刻や出力時刻、デバイス名称、IPアドレス、出力対象となったドキュメント名、ジョブの出力元を示すコンピュータ名、ジョブを発行する課金先となる部門ID、部門の下のユーザ名、論理的な出力ページ数の合計12、物理的な出力用紙枚数13、ジョブが含むカラーページ数の合計、白黒ページ数の合計、用紙タイプ、両面か否か、2アップなどのレイアウト情報、スキャン枚数、FAX送信情報としてのファックス番号、ページ数、送信時間を記録可能である。しかし、これらの情報は、サイズが大きく、ジョブごとに用意され、蓄積されていくので、MFPのHDD100Aなどの大容量メモリを用いてもメモリが逼迫する。
【0031】
図6は集計表データの内容を示している。これは画像形成装置に出力された図5のジョブ情報に関して、いくつかの情報を表形式のデータに集計しなおしたものである。この集計表のフォーマットはあらかじめ決められており、ここでは、例えば、用紙タイプ、用紙サイズごとの出力面数が集計・表示されている。ユーザはこの集計表を用いることで、出力面数に限った情報を確認することができる。この集計表は、画像形成装置に出力がなされるたびに、追加編集され、集計アプリケーションに保持される。この集計表を用いて、図5のジョブ情報の当面不要な情報を破棄すれば、HDD100Aなどを逼迫することが無くなる。
【0032】
図7はジョブ管理アプリケーションの処理内容を示すフローチャートである。各ステップは、ジョブ管理アプリケーション1105が、CPU201により実行されることにより実現される。
【0033】
設定PC1101からログイン要求があった場合に、図7の処理が開始される。S701においてジョブ管理アプリケーションへのログインの受け付けつまり、パスワードとユーザIDの認証情報の要求を待つ。認証情報の入力が設定PC1101からあり、当該認証情報にて認証が許可されるかどうかを判断する(S702)。許可されれば、S703以後の処理に進み、許可されなければS703でエラー表示が行なわれる。
【0034】
S703では、イベント待ちとなる。S703で、イベントが発生したと判断されれば、S704へ進む。画像形成装置への出力を示すイベントが発生したとジョブ管理アプリケーションが判断した場合は、S709へ進む。S709は画像形成装置へジョブ情報の出力を行なう。S704で、画造形性装置への出力を示すイベントが生じていると判断された場合は、S705へ進む。S705では、ジョブ管理アプリケーションにおいてユーザ操作によりメニューが選択された場合に種々の処理が行われる。
【0035】
S705で、画像形性装置への出力を示すイベントが生じていないと判断された場合は、S706へ進む。S706では、ジョブ履歴設定情報を受信することを示すイベントが生じていたと判断された場合は、S711へ進む。S711は、画像形成装置とネットワークで接続されている設定PC1101においてジョブ履歴の出力設定が行なわれ、集計アプリケーションに送信され、MFP側の集計アプリケーションにて設定情報を受信する。
【0036】
S706で、ジョブ履歴設定情報を受信することを示すイベントが生じていないと判断された場合は、S707へ進み、エクスポート要求を示すイベントが生じていないかどうかを判断する。生じていると判定された場合は、S712へ進む。生じていないと判断した場合は、S708へ進み、タイムアウトイベントが生じているかどうかを判定する。S708で、タイマーの計時により、S701でログインした時刻からある一定の時間が経過していることを示すタイムアウトイベントが生じていないとS708で判断された場合は、S703へ進む。S703で、タイムアウトイベントが生じていないと判断された場合は、S713へ進み、自動的にログアウト処理を行い、処理を終了する。S712では、ジョブ履歴の出力設定においてスケジュール(出力期日)が設定される。その後、そのスケジュールに従ってジョブ履歴の出力が行なわれる。
【0037】
以下に、各処理の詳細な説明を記述する。各図の各ステップは、ジョブ管理アプリケーション1105により実行される。
【0038】
図8はS709の処理、つまり、画像形成装置に出力が行なわれた旨を示しイベントが生じた場合の処理である。S801ではMFP1102のCPU703から、印刷部集計アプリケーションにあがった出力イベントを受信する。S802では出力ログ(出力情報)を取得する。S803では、S802より取得した出力ログよりジョブ履歴の作成・更新を行なう。S804では、S802より取得した出力ログより、面数に関する必要な情報を抽出して集計表の追加・編集を行なう処理である。
【0039】
図9は、S705で、集計アプリケーションが、S705でメニュー選択イベントが生じたことを検出した場合に開始される。ユーザがメニュー選択により各種処理を行なった場合の処理内容を示している。S901よりユーザはメニューを選択する。ここではユーザ操作によるジョブ履歴のエクスポート(ファイル出力)、およびジョブ履歴の出力設定が選択可能であるとする。S902からS904は、ジョブ履歴のユーザ操作によるエクスポートを選択した場合の処理である。S902では、ジョブ履歴の出力先のPCおよびフォルダの指定を行なう。S903では、集計アプリケーションが保持しているジョブ履歴をファイルに変換する処理である。S904では、S903でファイルに変換されたジョブ履歴をS902で指定したフォルダに出力する。S905は、ジョブ履歴の出力設定を行なう処理である。ここでは、出力先(出力先PCおよび出力先フォルダ)、スケジュール(ジョブ履歴を出力する日時)および送信方法(ジョブ履歴の通信プロトコル、FTPまたはSMBまたはE−Mailより選択)を設定することが可能である。
【0040】
これらの設定は図12の設定画面にて設定可能である。ここでは、ジョブ履歴の設定情報として実行時刻(スケジュール)、送信方法(プロトコルを選択)、エクスポート先(出力先)を定義する。ジョブ履歴は設定情報に従ってファイル出力される。ファイル名はあらかじめ決められている。ファイル名には、画像形成装置のIPアドレスが含まれており、どの画像形成装置上のジョブ管理アプリケーションから出力されたジョブ履歴であるかを判別することができる。その他にユーザ認証として、ユーザ名とパスワードを入力するようになっている。
【0041】
図10は、画像形成装置とネットワークで接続されている情報処理装置において、ジョブ履歴の出力設定を行い、各ジョブ管理アプリケーションに設定情報が送信された場合に、集計アプリケーションがその設定情報を受信したときの処理を示している。S1001では設定アプリケーション(1101)において設定、送信された設定情報を受信する。S1002では受信が成功した場合はS1003に進む。S1003では、受信したジョブ履歴出力設定情報を保存する。ここで、設定情報が既に存在する場合は上書きを行なう。設定情報の上書きは、S905において設定された情報であっても行なわれるようにすると好適である。
【0042】
図11は、エクスポート要求イベント、つまり、ジョブ履歴出力設定において設定されたスケジュールとして予め定められた時刻を迎えたことを示すイベントが生じたとき(S707でYES)に開始される処理である。S1101では、ジョブ履歴出力設定において送信方法が設定されているか否かの判別を行なう。送信方法が設定されている場合は、S1102に進み、設定されたプロトコルに従ってジョブ履歴を送信する。S1103は送信が成功した場合は処理をそのまま終了する。送信が失敗した場合は、S1110に進みエラーを履歴に記録して処理を終了する。S1104以降は、送信方法が設定されていない場合の処理である。あらかじめ定められた送信方法(プロトコル)の順に、ジョブ履歴の送信が行なわれる。S1104では、ジョブ履歴をFTP送信により送信する。S1105の判断処理により送信が成功した場合は処理を終了する。送信が失敗した場合は、S1106に進み、ジョブ履歴をSMBにより送信する。S1107の判断処理により送信が成功した場合は処理を終了する。送信が失敗した場合は、S1108に進み、ジョブ履歴をE−Mail送信により送信する。S1109の判断処理により送信が成功した場合は処理を終了する。送信が失敗した場合は、S1110に進み、エラーを履歴に記述して処理を終了する。
【0043】
以上の処理により、複数台の画像形成装置上で稼動するジョブ管理アプリケーションが持つジョブ履歴を、サーバコンピュータを使用することなく一箇所に収集することが可能となる。また、情報処理装置で設定したジョブ履歴の出力設定情報を画像処理装置上の集計アプリケーションに送信、一括設定を行なうことで、ジョブ履歴の出力設定に関するユーザの利便性を向上が図られる。
【0044】
ジョブ履歴(ジョブ情報)の出力に関する実施例を示したが、ジョブ履歴の変わりに、ジョブの一部の情報を表形式のデータとして保持した集計表データを用いても同様である。
【0045】
以上説明したように、我々は、図5のジョブ情報と図6のジョブ情報を集計して得られるジョブ情報の統計データを含むジョブ集計表を管理するジョブ管理アプリケーション1105を開示した。さらに、ジョブ管理アプリケーション1105は、ジョブ情報の出力方法を定義する出力設定情報を、通信媒体であるネットワーク8を介して設定PC1101から取得する。そして、取得した出力設定情報に従い、前記ジョブ情報を設定PC1101又は設定してきたPCではない、他のPC1200やMFP1103などへ転送してもよい。さらに、ジョブ管理アプリケーション1105は、ジョブ情報を用いて、ジョブ集計表として集計する。さらに、ジョブ情報が、集計済であれば、外部の設定PC1101へ転送し、集計済でない場合、例えば、ジョブ集計表に反映されていない場合には、ジョブ情報をネットワークへ出力しないように転送処理をジョブ管理アプリケーション1105が制御してもよい。
【0046】
さらに、出力設定情報は、前記ジョブ情報を前記転送手段が転送する時刻を示す時刻情報、又は、ジョブ管理アプリケーション1105が転送に用いる転送プロトコル(FTP、SMB,SMTP等)のうち少なくともひとつを出力方法として定義可能であるようにすればよい。ジョブ集計表と、ジョブ情報とを管理するMFP1102乃至1104に記憶されるジョブ情報を管理する設定PC1101において、ジョブ情報を出力する時刻を示す時刻情報、又は、ジョブ情報を出力する出力先を示す情報を含むジョブ情報の出力方法を定義した出力設定情報として管理するジョブ管理設定アプリケーションが開示する。ジョブ管理設定アプリケーションが、管理する出力設定情報を複数のMFP1102乃至1104へ転送する。
【0047】
さらに、出力設定情報として指定される出力先の装置を同一のものとして、MFP1102乃至1104に対して設定すると好適である。例えば、MFP1102乃至1104に対して、毎夜23時ジャストに、設定PC1101にジョブ情報を出力し、MFP1102乃至1104側では、ジョブ情報を消去するようにすれば、設定PC1101でジョブ情報を格納保存しておくとともに、MFP1102乃至1104に記憶されているジョブ情報が取っていたHDD100Aなどの領域を開放して他の目的に活用する一方、ジョブ集計表を用いて、必要な情報を提供することが出来る。
【0048】
本願の実施形態によって、一台の設定PCにジョブ情報を集めるようにすれば、ジョブ管理のためのサーバを用意するということは運用コストがかからない。つまり、画像処理装置の制御とは別の実行環境にジョブ管理モジュールをダウンロードして実行することが可能である画像形成装置においても、各画像形成装置のジョブ情報は各画像形成装置が保有しているので、複数台の画像形成装置全体のジョブ管理を行い、1箇所に集計するためには、ユーザの利用環境にあるすべての画像形成装置のジョブ情報を集計するサーバを用意する必要がなく、複数台の画像形成装置全体のジョブ管理をPC一台で行うことができる。
【0049】
また、本願発明の別の側面によれば、各画像形成装置に出力されたジョブ履歴を出力する設定を行なう場合、各画像形成装置上に構築された実行環境一つ一つに設定を行なう必要が無くなる。
【0050】
さらに、本願発明の別の側面によれば、ジョブ情報の集計を行うサーバを用意しなくても、複数台の画像形成装置に出力されたジョブ履歴を集計することもできる。また、画像形成装置とは別の情報処理装置において、ジョブ履歴の出力設定を行ない、出力設定ファイルを送信することで、複数台の画像形成装置に出力されたジョブ履歴の出力設定を一度に設定できる。
【0051】
(他の実施形態)
本実施形態における図7乃至図11に示す処理が、外部からインストールされるプログラムによって、MFP1102や設定PC1101により遂行される。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群をホストコンピュータに供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0052】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、他のPCからダウンロードすることで、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0053】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、たとえば、フロッピィーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、DVD、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM等を用いることができる。
【0054】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例であるMFP1102の構成を示すブロック図である。
【図2】後述する設定PC1101の内部構成を示す図である。
【図3】MFP1102に実現されるソフトウエア構造図の一例を示す図である。
【図4】設定PC1101設定アプリケーション、および画像形成装置の第2の実行環境において実行されるジョブ管理アプリケーションのブロック図である。
【図5】図4のMFP1102のジョブ管理アプリケーション1105が作成するジョブ履歴である。
【図6】図4のジョブ管理アプリケーション1105が作成するジョブの集計表である。
【図7】図4のジョブ管理アプリケーション1105の処理内容を示す図である。
【図8】図4のジョブ管理アプリケーション1105における出力ログ収集の処理内容を示す図である。
【図9】ジョブ管理アプリケーション1105におけるメニュー選択が行なわれた場合の処理内容を示す図である。
【図10】ジョブ管理設定アプリケーションが設定したジョブ履歴出力情報をジョブ管理アプリケーションが受信した時の処理内容を示す図である。
【図11】ジョブ管理アプリケーション1105において、ジョブ履歴出力のスケジュールが定刻を迎えた場合に行なわれる処理内容を示す図である。
【図12】ジョブ管理アプリケーションにおいて、ジョブ履歴出力設定の画面を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブ情報と、ジョブ情報を集計して得られるジョブ情報の統計データを含むジョブ集計表を管理する管理手段と、
前記ジョブ情報の出力方法を定義する出力設定情報を、通信媒体を介して外部情報処理装置から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した出力設定情報に従い、前記ジョブ情報を前記外部情報処理装置又は他の情報処理装置へ転送する転送手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ジョブ情報を用いて、ジョブ集計表として集計する集計手段と、
前記集計手段によって、ジョブ情報をジョブ集計表として集計済であるか否かを認識する認識手段と、
前記認識手段によって、ジョブ集計表に集計済であるジョブ情報を、前記転送手段が転送し、集計済ではないジョブ情報を、前記転送手段が転送しないように転送手段を制御する転送制御手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力設定情報は、前記ジョブ情報を前記転送手段が転送する時刻を示す時刻情報、又は、転送手段が転送に用いる転送プロトコルのうち少なくともひとつを出力方法として定義可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ジョブ情報と、ジョブ情報を集計して得られるジョブ情報の統計データを含むジョブ集計表を管理する管理工程と、
前記ジョブ情報の出力方法を定義する出力設定情報を、通信媒体を介して外部情報処理装置から取得する取得工程と、
前記取得工程が取得した出力設定情報に従い、前記ジョブ情報を前記外部情報処理装置又は他の情報処理装置へ転送する転送工程と、
を備えることを特徴とするジョブ情報処理方法。
【請求項5】
ジョブ情報を用いて、ジョブ集計表として集計する集計工程と、
前記集計工程によって、ジョブ情報をジョブ集計表として集計済であるか否かを認識する認識工程と、
前記認識工程によって、ジョブ集計表に集計済であるジョブ情報を、前記転送工程が転送し、集計済ではないジョブ情報を、前記転送工程が転送しないように転送工程を制御する転送制御工程と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載のジョブ情報処理方法。
【請求項6】
前記出力設定情報は、前記ジョブ情報を前記転送工程が転送する時刻を示す時刻情報、又は、転送工程が転送に用いる転送プロトコルのうち少なくともひとつを出力方法として定義可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載のジョブ情報処理方法。
【請求項7】
ジョブ情報と、ジョブ情報を集計して得られるジョブ情報の統計データを含むジョブ集計表を管理する管理工程と、
前記ジョブ情報の出力方法を定義する出力設定情報を、通信媒体を介して外部情報処理装置から取得する取得工程と、
前記取得工程が取得した出力設定情報に従い、前記ジョブ情報を前記外部情報処理装置又は他の情報処理装置へ転送する転送工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
ジョブ集計表と、ジョブ情報とを管理する画像形成装置に記憶されるジョブ情報を管理するジョブ管理装置において、
前記画像形成装置がジョブ情報を出力する時刻を示す時刻情報、又は、ジョブ情報を出力する出力先を示す情報を含むジョブ情報の出力方法を定義した出力設定情報として管理する管理手段と、
前記管理手段が管理する出力設定情報を複数の画像形成装置へ転送する転送手段を備えたことを特徴とするジョブ管理装置。
【請求項9】
前記管理手段が管理する出力設定情報として指定される出力先の装置を同一のものとして、複数の画像形成装置に対して設定することを特徴とする請求項8に記載のジョブ管理装置。
【請求項10】
ジョブ集計表と、ジョブ情報とを管理する画像形成装置に記憶されるジョブ情報を管理するジョブ管理方法において、
前記画像形成装置がジョブ情報を出力する時刻を示す時刻情報、又は、ジョブ情報を出力する出力先を示す情報を含むジョブ情報の出力方法を定義した出力設定情報として管理する管理工程と、
前記管理工程が管理する出力設定情報を複数の画像形成装置へ転送する転送工程を備えたことを特徴とするジョブ管理方法。
【請求項11】
前記管理工程が管理する出力設定情報として指定される出力先の装置を同一のものとして、複数の画像形成装置に対して設定することを特徴とする請求項10に記載のジョブ管理装方法。
【請求項12】
ジョブ集計表と、ジョブ情報とを管理する画像形成装置に記憶されるジョブ情報を管理するジョブ管理方法において、
前記画像形成装置がジョブ情報を出力する時刻を示す時刻情報、又は、ジョブ情報を出力する出力先を示す情報を含むジョブ情報の出力方法を定義した出力設定情報として管理する管理工程と、
前記管理工程が管理する出力設定情報を複数の画像形成装置へ転送する転送工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−31452(P2006−31452A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−210112(P2004−210112)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】