説明

画像形成装置、寿命判定方法、及びコンピュータプログラム

【課題】書き込み領域全体について効率よく、精度の高い寿命判定を行う。
【解決手段】カウントした画素数から画素密素を算出し(S201)、紙種、線速、解像度、印刷面、用紙サイズ、カラーモードなどに応じて小領域の画素密度に重み付けを行い(S202)、画像形成を行う毎に各小領域毎に重み付けを行った画素密度を積算し、その積算値をEEPROMの前記小領域毎に設定された記憶領域に記憶する(S203)。そして、その記憶領域に記憶されている各小領域毎の積算値と予め設定された寿命を示す閾値と比較し(S204)、積算値が閾値を越えた時点で(S204−Y)寿命に到達したと判断する(S205)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複合して有するデジタル複合機等の画像形成装置、この画像形成装置の画像形成手段の寿命判定方法、及びこの寿命判定制御をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば特許文献1に記載された発明が知られている。この発明は、少なくとも感光体と不揮発性メモリを有するプロセスカートリッジが装着可能な画像形成装置において、画像形成装置は、記録紙に印字するプリンタの各機構部を制御する手段を有し、外部のホストコンピュータなどから受信した画像データを前記制御手段が画像信号に展開する際に所定の幅における画像信号の量を積算することにより、感光体の寿命を判定することを特徴とし、このように構成したことにより、感光体の寿命、及びプロセスカートリッジの寿命を判断することができ、また、プロセスカートリッジにおける電子部品等の故障によりデータが失われるのを防止するができるというものである。
【特許文献1】特開2002−251110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1記載の発明では、画像信号は例えばA3記録紙が印字されても中央部の官製葉書幅の領域しか画像信号のカウントを行わない。すなわち、特許文献1記載の発明では、最小の記録紙サイズに合わせた領域についてのみ画像信号のみの積算を行っている。これは、特許文献1記載の発明が、カウンタなどの感光体寿命判定回路の回路規模を小さくするためであり、このために記録領域全体について正確な画素カウントを行うことはできておらず、それ故、精度の高い寿命判定を行うことはできない。
【0004】
このようなことから、本発明が解決しようとする課題は、書き込み領域全体について効率よく、精度の高い寿命判定を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、第1の手段は、帯電された像担持体上に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像し、トナー像を用紙に転写し、定着して画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置において、作像動作中に書き込み可能領域における画素の存在個所を所定単位の小領域に特定する手段と、前記特定された小領域の画素密度を算出する手段と、算出された各小領域における書き込み画素密度に基づいて前記画像形成手段の寿命を判定する手段と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、前記特定する手段は前記画素の存在個所を副走査方向と主走査方向でマトリクス状に分割した小領域について特定し、前記判定する手段は、前記マトリクス状に分割された各小領域に対して記憶領域を持ち、この記憶領域に前記算出する手段によって算出された書き込み画素密度を積算し、その積算結果に基づいて寿命を判定することを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1または第2の手段において、前記判定する手段は、前記画像形成手段のうち定着装置及び像担持体の少なくとも一方の寿命を判定することを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段において、前記判定する手段は、前記定着装置の寿命を判定する際、紙種情報、線速情報、解像度、片面・両面印刷、及び用紙サイズのいずれかに応じて前記小領域の画素密度について重み付けを行って判定することを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第1ないし第4のいずれかの手段において、前記判定する手段はモノクロモード及びカラーモードに応じて判定することを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、帯電された像担持体上に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像し、トナー像を用紙に転写し、定着して画像を形成する画像形成手段の寿命を判定する寿命判定方法において、作像動作中に書き込み可能領域における画素の存在個所を所定単位の小領域に特定し、前記特定された小領域の画素密度を算出し、算出された各小領域における書き込み画素密度に基づいて前記画像形成手段の寿命を判定することを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、帯電された像担持体上に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像し、トナー像を用紙に転写し、定着して画像を形成する画像形成手段の寿命を判定する判定制御をコンピュータによって実行するためのコンピュータプログラムにおいて、作像動作中に書き込み可能領域における画素の存在個所を所定単位の小領域に特定する手順と、前記特定された小領域の画素密度を算出する手順と、算出された各小領域における書き込み画素密度に基づいて前記画像形成手段の寿命を判定する手順と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
なお、後述の実施形態では、像担持体は感光体21に、画像形成手段はシーケンス機器群13(感光体21、帯電チャージャ22、現像ユニット23、転写チャージャ24、クリーニングユニット25、定着ユニット20)に、小領域に特定する手段は書き込みユニット12の書き込みASIC12aに、画素密素を算出する手段及び寿命を判定する手段はエンジンCPU7に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作像動作中に書き込み可能領域における画素の存在個所を所定単位の小領域に特定し、特定された小領域の画素密度を累積して寿命を判定するので、書き込み領域全体について効率よく、精度の高い寿命判定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るレーザプリンタの基本構成を概略的に示した図である。レーザプリンタ1は、画像処理を行うコントローラ2、画像形成を行うエンジン3、エンジンを制御するエンジンボード4、及び操作パネル5を備えている。エンジンボード4の入出力インターフェイス6は、ホストコンピュータ15、コントローラ2、操作パネル5、エンジンボード4、及びエンジン3間でデータの送受を行う。
【0016】
CPU7は、エンジンの制御プログラムが格納されているメモリ(ROM)9のプログラム、操作パネル5からのモード指示、コントローラ2からのコマンドによってエンジン全体を制御する。CPU7は、RAM8及びEEPROM10を使用して制御する。RAM8はCPU7のワークメモリ、入力データのインプットバッファであり、EEPROM10はエンジン3のエラー履歴や操作パネル5からのモード指示の内容、後述の画素密度の積算値などを記憶しておく不揮発性メモリである。また、入出力インターフェイスには、エンジン3の制御のモードを設定するDIP−SW11、LDやポリゴンモータ等を含むレーザ書き込みユニット12、定着系、現像系、駆動系のエンジンシーケンスを司るシーケンス機器群(画像形成手段)13、及びペーパパス上やシーケンス状態をチェックするセンサ類14が接続され、コントローラ2あるいはエンジンCPU7と必要に応じてデータの送受が可能となっている。
【0017】
書き込みユニット12は図2に示すように画像データに応じて変調されたレーザ光をポリゴンミラーによって偏向して感光体21に光書き込みを行うが、本実施形態ではこの書き込みユニット12の制御回路に画素数をカウントする画素数計測手段が設定されている。書き込まれる画素数は、スキャナやPCなどからコントローラ2を介して送られてくる書き込み画像データから抽出される。その際、後述の図5に示すように、主走査方向と副走査方向を所定の領域に分割し、それぞれの分割された領域について、当該領域に含まれる画素数をカウンタでカウントし、メモリに記憶する。この画素数を領域に分割してカウントする制御は書き込みユニット12の制御回路のCPUが実行する。
【0018】
図2は、本実施形態に係るレーザプリンタ1の内部機構を概略的に示した図である。図中符号20は装置本体を示す。装置本体20の内部には、ほぼ中央にベルト状の感光体21が設けられ、その感光体21の外周に沿って図中矢印で示す駆動方向に順に、帯電チャージャ22、現像ユニット23、転写チャージャ24、クリーニングユニット25が配設されている。また、現像ユニット23の上側には、画素数計測手段を備えた光書き込みユニット26が配置され、装置本体20の図中下側には、シートを収納した給紙カセット27が着脱自在に取り付けられ、その他、給排紙のためのシート搬送系が設けられている。また、シート搬送系の終段には定着ユニット30が設けられ、画像形成された画像をシート上に定着する。 以上の構成において、画像形成時には不図示のモータを駆動して給紙コロ28を回転し、給紙カセット27内からシートを図中矢印方向に送り出し、タイミングをとってレジストローラ対29で像担持体となる感光体21の下側に搬送する。感光体21は矢印で示す時計方向に回転する。その際、帯電チャージャ22によって表面を一様に帯電し、その後、光書き込みユニット26から出射されたレーザ光を照射して感光体21上に静電潜像が形成される。この潜像は、現像ユニット23位置を通るときトナーによって可視像化され、この可視像は感光体21の下側に搬送されてきたシートの上面に転写チャージャ24により転写される。
【0019】
画像転写後のシートは定着ユニット30に搬送され、転写画像がシート上に定着される。定着ユニット30を出たシートは、FD/FU切替えソレノイド爪34によりフェイスダウン搬送路31内に搬送され、フェイスダウン排紙ローラ対32によって記録面を下にしたフェイスダウンの状態でフェイスダウン排紙トレイ33上へ排出されるか、記録面を上にしたフェイスアップの状態で、そのままフェイスアップ排紙トレイ35上へ排出される。他方、画像転写後の感光体21は、クリーニングユニット25によって残留トナーが除去され、次いで、図示しない除電ユニットによって除電される。
【0020】
図3は、図2の定着装置(定着ユニット)30を拡大して細部を示した図である。定着ユニット30は、第2図に示すように熱源ランプ43,44を内蔵した上下の定着ローラ45,46を備えている。定着ローラ45にはこれの表面温度を検出するサーミスタ58が接触し、定着ローラ45,46の表面温度を必要な定着温度に制御するための温度情報を得るようにしている。さらに、定着ユニット30には、定着ユニット30に固有の情報を記憶しておくメモリ49が搭載されている。
このメモリ49は、EEPROMや電池によるバックアップのある不揮発性のもので、さらに読取り、書き込み可能なものとし、定着ユニット30が装置本体20に装着されたとき、装置本体20に搭載した動作制御用のエンジンCPU7(図1)に接続される。これによりメモリ49に記憶してある定着ユニット30に固有の情報を装置本体20側のエンジンCPU7によって読取り、これに応じた制御を行うことができ、また、エンジンCPU7側からメモリ49に情報を記憶させ、これを必要に応じて用いることもできる。例えば、メモリ49に記憶された定着ユニット30の使用度数がこの定着ユニット30の寿命に対応する値になったかどうかを本体CPU7によって判別し、これに応じた処理を行うことができる。この寿命に関する動作については感光体21も同様である。
【0021】
メモリ49は基板81上にサーミスタ82とともに搭載され、これを定着ユニット30内の定着ローラ45,46とは断熱壁83によって隔絶された断熱室85に設置し、定着ローラ45,46からの熱の影響を排除している。また、基板81の周辺温度が所定温度以上となったとき、これをサーミスタ82により検出して冷却ファン84を駆動することにより、メモリ49の温度保証を行うようにしている。
図4は、本実施形態におけるプリンタコントローラ2の構成を概略的に示すブロック図である。プリンタコントローラ2は、CPU101、ICカード102、NVRAM103、プリグラムROM104、フォントROM105、RAM106及び各種I/F107,109,111,113を備えている。
【0022】
CPU101は、プログラムROM104のプログラム、操作パネル5からのモード指示、ホストコンピュータ15からのコマンドによってコントローラ2全体を制御する。ICカード102は、フォントデータや、プログラムを外部から供給するため、任意に挿抜可能なカードである。NVRAM103は、パネル装置からのモード指示の内容などを記憶しておく不揮発性記憶装置で、プログラムROM104は、コントローラ2の制御プログラムを格納したメモリである。フォントROM105は、フォントのパターンデータなどを記憶すし、RAM106は、CPU101のワークメモリ、入力データのインプットバッファ、プリントデータのページバッファ、ダウンロードフォント用のメモリ等に使用する書き込み/読み出し自在メモリである。
【0023】
エンジンI/F107は、エンジン3とコマンド及びステータスや、印字データの通信を行なうインターフェイスであり、エンジン3は図1に示すように書き込みユニット12及びシーケンス機器群13を備え、シート上に画像を形成する機能を有する。パネルI/F109は、操作パネル5とコマンド及びステータスの通信を行なうインターフェイスである。操作パネル5は、使用者(ユーザ)に現在のプリンタの状態を知らせたり、モード指示を行うためのものである。ホストI/F111は、ホストコンピュータ15と通信を行なうインターフェイスであり、通常はセントロI/FやRS232Cである。ディスクI/F113は、ディスク装置114と通信を行なうためのインターフェイスで、ディスク装置114は、フォントデータ、プログラム、印字データなどの様々のデータを記憶しておく記憶装置であり、フロッピディスク装置やハードディスク装置が使用される。
【0024】
図5は画素カウントの方法を説明するための図である。画素カウントは、書き込みユニット12の制御回路(ASIC)12aに設定された画素数係数手段によって行われる。すなわち、書き込みASIC12aの機能として画素数計数手段が実現される。すなわち、書き込みASIC12aに副走査方向(Y方向)と主走査方向(X方向)でマトリクスを形成し、画素の存在場所をマトリクスによって構成される格子内に特定できる機能を持たせている。そして、書き込み可能領域(図では主走査方向がX1−XM(Mは本実施形態では、1から16の整数)、副走査方向Y1−YN(Nは1以上の正の整数)で示される領域)を格子によって小領域に分割し、その小領域R11,R12,・・・,R21,R22,・・・について当該小領域に含まれる画素情報を当該小領域毎に積算し、正確な書き込み位置の積算情報を取得する。その際、走査ライン数がN(LINE)に達したら(YN)画素数確定とし、確定したことを割り込みによってエンジンCPU7に通知する。また、走査ラインNは所定のレジスタに外部から設定することが可能であり、可変である。
【0025】
定着ユニット30はトナーが付着した用紙が通紙され、トナーを用紙に定着させ排紙する。通紙の際、トナーが多く付着した部分はトナーが付着していない部分に比べ早く劣化し、寿命が短くなる。この劣化に関しては感光体21も同じで、トナーが多く付着した部分は付着していない部分に比べ早く劣化し、寿命が短くなる。このことを利用して、本実施形態では、寿命判定を行う。この寿命判定では、算出された各小領域における書き込み画素数、言い換えれば当該小領域における書き込み画素密度に基づいて判定するが、その際、各諸領域の書き込み画素密度を積算もしくは累積し、使用量の限界と比較して寿命を判定する。
【0026】
ここで、定着端部温度落ち込みについて説明する。
定着ユニット30への通紙中及び通紙後に定着温度の制御を行い、所望の温度に調整する場合、定着部材の中央が定着可能温度に復帰していても、放熱により端部(側端部)の温度が中央よりも低い状態となり、所謂“端部温度落ち込み”という現象が発生する。定着部材の端部が定着可能の温度に達していない状態で通紙すると(転写用紙搬送方向の)側端部が定着不良と呼ばれる異常画像が発生する。この端部温度落ち込みは、定着の側端部にトナーが多く載っている用紙が通紙された場合、より大きな側端部温度落ち込みになる。また、この他に紙種、線速、解像度、印刷面の違い(両面、片面)、用紙サイズ、カラーモードの違いによっても端部温度落ち込みの度合いが変化をする。このためこれらの要因により定着の制御を変更する必要があり、これらの要素が定着ユニット30の寿命に影響を与える。
【0027】
図6は、本実施形態に係るレーザプリンタ1の定着動作に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。同図において、ホストコンピュータ15から印刷要求が来ると(S101)、プリンタコントローラ2を介してエンジン3に画像データが送られ(S102)、エンジン3はコントローラ2から送られた画像データに対して画像処理を行い(S103)、書き込みユニット12からレーザ光を感光体21に照射して潜像を形成し、前記シーケンス機器群13によってシート上に画像を作成する。ここで、書き込みユニット12の画素数計数手段は、前述のように分割された小領域について定着側端部の画素を特定して画素数をカウントする(S104)。
【0028】
エンジンCPU7は書き込みユニット12の画素数情報により、定着側端部の画素密度を算出し(S105)、CPU7は算出された画素密度に基づいて定着温度の目標値を設定する。つまり、画素密度と該画数密度に応じた最適な定着温度との関係を規定したテーブルから既に設定されている定着温度に対応する画素密度を読み取り、読み取った画素密度と算出した画素密度とを比較して定着温度を選択し(S106)、定着目標温度を設定する(S107)。これにより定着端部温度落ち込みを低減することができる。
【0029】
また、このときに格子状に分割された小領域の一番外側の画素に対しては重み付けを一番重くし中に行くほど重み付けを軽くすることにより好適な温度制御を行うことができる。そして、さらに温度設定判断条件として紙種、線速、解像度、印刷面、用紙サイズ、カラーモードを加えることによりさらに好適な温度設定を行うことができる。
【0030】
また、書き込みが行われた部分をメモリ49に記録しておく。そして、このときにどのような条件もしくは制御で印刷が行われたかにより重み付けを行う。この値があらかじめ決められた値を超えると寿命が来たと判断する。
【0031】
図7は寿命判定の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートでは、まず、ステップS104でカウントした画素数から画素密素を算出し(ステップS201)、前述のように紙種、線速、解像度、印刷面、用紙サイズ、カラーモードなどに応じて小領域の画素密度に重み付けを行い(ステップS202)、画像形成を行う毎に各小領域毎に重み付けを行った画素密度を積算し、その積算値をEEPROM10の前記小領域毎に設定された記憶領域に記憶する(ステップS203)。そして、その記憶領域に記憶されている各小領域毎の積算値と予め設定された寿命を示す閾値と比較し(ステップS204)、積算値が閾値を越えた時点で(ステップS204−Y)寿命に到達したと判断し(ステップS205)、それまではまだ寿命に達していないと判断する(ステップS206)。寿命に達したときには、例えば、その旨、操作パネル5に表示し、交換を促す。
【0032】
このように小領域に分割し、書き込み位置がどの領域であるかを特定し、その分の画素密度を画像形成の度に積算していることにより、ユニットのどの部分が多く使用されたか、ユニットの有る部分の使用量が寿命に達したかの判定を行うことができる。これにより、正確にユニットの寿命判定を行うことができる。
【0033】
ここでは、寿命判定を定着装置について説明しているが、この寿命判定処理については、感光体21においても同様である。
【0034】
以上のように本実施形態によれば、
1)通紙枚数ではなく、書き込み位置に対応した書き込み画素密度の積算値に基づいて寿命判定を行うので、より正確に寿命判定を行うことができる。
2)定着装置に対して寿命判定を行うので、定着ユニットの寿命を正確に判定できる。
その際、紙種情報に応じて重み付けを行い、紙種の違いによる寿命判定の変動要素を加味すれば、また、線速情報に応じて重み付けを行い、線速の違いによる寿命判定の変動要素を加味すれば、また、解像度に応じて重み付けを行い、解像度の違いによる寿命判定の変動要素を加味すれば、片面、両面印刷に応じて重み付けを行い、印刷面の違いによる寿命判定の変動要素を加味すれば、用紙サイズに応じて重み付けを行い、用紙サイズの違いによる寿命判定を加味すれば、カラーモードにより定着の温度変化が異なることから、カラーモードによる寿命変動を考慮し、カラーモードの違いによる寿命判定を加味すれば、それぞれ、より好適な寿命判定を行うことができ、良好な定着品質を保つことができる。
3)像担持体に対して寿命判定を行うので、感光体あるいは中間転写体等の像担持体の寿命を正確に判定することができる。
等の効果を奏する。
【0035】
なお、本発明は、本実施形態のみならず、特許請求の範囲に記載された技術的事項全てを含むことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザプリンタの基本構成を概略的に示した図である。
【図2】本実施形態に係るレーザプリンタの内部機構を概略的に示した図である。
【図3】定着装置の細部を示した図である。
【図4】プリンタコントローラを概略的に示したブロック図である。
【図5】画素カウントの方法を説明するための図である。
【図6】本実施形態に係るレーザプリンタの定着動作に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係るレーザプリンタの寿命判定の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1 レーザプリンタ
2 コントローラ
3 エンジン
4 エンジンボード
5 操作パネル
6 入出力インターフェイス
7 (エンジン)CPU
10 EEPROM
12 書き込みユニット
12a 書き込みASIC
13 シーケンス機器群
20 装置本体
21 感光体
22 帯電チャージャ
23 現像ユニット
24 転写チャージャ
25 クリーニングユニット
30 定着装置
43,44 熱源ランプ
45,46 定着ローラ
49 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電された像担持体上に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像し、トナー像を用紙に転写し、定着して画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置において、
作像動作中に書き込み可能領域における画素の存在個所を所定単位の小領域に特定する手段と、
前記特定された小領域の画素密度を算出する手段と、
算出された各小領域における書き込み画素密度に基づいて前記画像形成手段の寿命を判定する手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記特定する手段は前記画素の存在個所を副走査方向と主走査方向でマトリクス状に分割した小領域について特定し、
前記判定する手段は、前記マトリクス状に分割された各小領域に対して記憶領域を持ち、この記憶領域に前記算出する手段によって算出された書き込み画素密度を積算し、その積算結果に基づいて寿命を判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置において、
前記判定する手段は、前記画像形成手段のうち定着装置及び像担持体の少なくとも一方の寿命を判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像形成装置において、
前記判定する手段は、前記定着装置の寿命を判定する際、紙種情報、線速情報、解像度、片面・両面印刷、及び用紙サイズのいずれかに応じて前記小領域の画素密度について重み付けを行って判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記判定する手段はモノクロモード及びカラーモードに応じて判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
帯電された像担持体上に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像し、トナー像を用紙に転写し、定着して画像を形成する画像形成手段の寿命を判定する寿命判定方法において、
作像動作中に書き込み可能領域における画素の存在個所を所定単位の小領域に特定し、
前記特定された小領域の画素密度を算出し、
算出された各小領域における書き込み画素密度に基づいて前記画像形成手段の寿命を判定すること
を特徴とする寿命判定方法。
【請求項7】
帯電された像担持体上に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像し、トナー像を用紙に転写し、定着して画像を形成する画像形成手段の寿命を判定する判定制御をコンピュータによって実行するためのコンピュータプログラムにおいて、
作像動作中に書き込み可能領域における画素の存在個所を所定単位の小領域に特定する手順と、
前記特定された小領域の画素密度を算出する手順と、
算出された各小領域における書き込み画素密度に基づいて前記画像形成手段の寿命を判定する手順と、
を備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−72089(P2010−72089A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236768(P2008−236768)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】