説明

画像形成装置、情報端末、制御方法及びプログラム

【課題】複数の給紙段にセットされた用紙の紙残量値を纏めて正確に検出することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】印刷装置100は、複数の給紙段105等と、給紙段105等の実際の残紙枚数を保持するデータベースと、給紙段105等の紙残量値を段階的に検出する紙残量検出センサ124等を備え、印刷装置100を制御するCPU205は、印刷ジョブで設定された給紙段からの1枚の給紙毎に残紙枚数から1を減算し、紙残量検出センサ124が検出した紙残量値が変化したときに変化後の紙残量値を取得し、減算された残紙枚数を変化後の紙残量値に変更し、給紙段105等に給紙中の給紙段にセットされている用紙と同種且つ同サイズの用紙がセットされている別の給紙段がある場合に給紙中の給紙段における残紙枚数が変更されると、別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成装置、及び画像形成装置を制御する情報端末に情報端末に関し、より詳しくは、画像形成装置で画像を形成する用紙を供給する給紙段の紙残量値を正確に検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙に画像を形成する画像形成装置では、給紙段に紙残量を検出する各種の紙検出センサを搭載することによって、給紙段の紙残量を検出している。画像形成装置は、紙検出センサによって紙残量の変化が検出されたときに、給紙段の紙残量値を更新する。つまり、画像形成装置は、給紙段の残紙を1枚単位で検出しているのではなく、紙検出センサの精度に応じて検出可能な検出レベルで紙残量値を保持しており、紙残量値には一定の幅がある。紙検出センサの紙残量検出レベルが4段階である場合、例えば、紙残量値は、「0」、「給紙段の紙残量の最大値の1/3残」、「給紙段の紙残量の最大値の2/3残」、「給紙段の紙残量の最大値(3/3残)」で検出される。
【0003】
一般的に、画像形成装置を使用するユーザは、実施しようとしている印刷ジョブで使用される用紙の枚数と紙検出センサが検出している紙残量値とを比較して、その印刷ジョブを実行するのに十分な紙残量があるか否かを検討する。紙残量が不足すると判断した場合、ユーザは不足分の用紙を画像形成装置に給紙する必要があるが、このとき、ユーザに正しい紙残量値を通知することができるか否かは、紙検出センサの検出精度によって決まる。
【0004】
大量印刷を行うことが少ないユーザにとっては、紙残量値を正確に取得する必要性は低いかもしれない。しかしながら、POD(Print on demand)環境のユーザは、多数のページの印刷ジョブを大量に実施することが多い。そして、印刷ジョブをスケジューリングし、用紙切れエラーなどによって画像形成装置を止めないようにして印刷を行う。このような使用方法の場合には、ユーザは給紙段にどのような紙をどれだけ設定すればよいかを知る必要があるため、画像形成装置には、できるだけ詳細な紙残量値を取得してユーザに提示することが求められる。
【0005】
このような要求に応じる技術として、画像形成装置が保持している給紙数の累計カウンタと給紙段に設けられた紙検出センサとを使用して、紙残量値を補正する技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術では、補正した紙残量値が紙検出センサによる検出値を下回るとき(例えば、0以下になる場合)には、補正を行わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−1051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記先行技術では、1つの給紙段に対してだけ紙残量値の補正を行うものであるため、その1つの給紙段の紙残量値が確定した後も、その1つの給紙段からの給紙を実行し続ける。これに対して、画像形成装置としては、複数の給紙段を持ち多数の紙を給紙することができるものが広く普及している。このような画像形成装置をPODの環境で使用するユーザは、複数の給紙段に同種、同サイズの用紙を設定する。そして、1つの給紙段が空になったら(給紙段の用紙が無くなったら)自動的に同紙、同サイズの用紙が設定されている他の給紙段からの給紙を可能とする自動給紙段変更機能を使用することがある。
【0008】
上記先行技術にこのような使用方法を適用した場合、1つの給紙段における紙残量値を正確に検出した後、そのまま同じ給紙段から紙を給紙し、その給紙段の紙残量値が0になったら次の給紙段からの給紙を行うように自動給紙段変更を行う。
【0009】
しかし、複数の給紙段に同じ紙種類、紙サイズが設定されている場合に、これら複数の給紙段全ての紙残量値を合計して、確認することができないという問題がある。この問題は、給紙段をグループ化して、同種、同サイズの用紙を一度に設定することが可能な画像形成装置においても、同様に発生する。
【0010】
本発明は、複数の給紙段にセットされた用紙の紙残量値を纏めて正確に検出することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、複数の給紙段を備える画像形成装置であって、前記複数の給紙段のそれぞれの残紙枚数を保持する保持手段と、前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出手段と、前記紙残量検出手段が取得した紙残量値が変化した場合に、変化した後の紙残量値を取得する取得手段と、前記複数の給紙段のうち印刷ジョブで指定されている給紙段からの給紙を検出する給紙検出手段と、前記給紙検出手段により用紙の給紙が検出されたときに、1枚の給紙毎に前記保持手段が保持する残紙枚数から1を減算する紙残量補正手段と、前記紙残量検出手段により紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正手段により補正された残紙枚数を、前記取得手段が取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正手段と、給紙を行っている給紙段にセットされている用紙と同種且つ同サイズの用紙がセットされている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記紙残量補正手段により給紙を行っている給紙段における残紙枚数が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の給紙段にセットされた用紙の紙残量値を纏めて正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る印刷装置(画像形成装置)の構成を示す断面図である。
【図2】図1の印刷装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】図1の印刷装置において給紙段のグループ化を行うための設定画面を示す図である。
【図4】図1の印刷装置においてグループ化された給紙段を用いて印刷ジョブを実行する場合のフローチャートである。
【図5】図1の印刷装置の操作部に表示される用紙設定変更画面の一例を示す図である。
【図6】図1の印刷装置の操作部に表示される用紙属性詳細設定画面の一例を示す図である。
【図7】図1の印刷装置の操作部に表示される坪量変更画面の一例を示す図である。
【図8】図1の印刷装置での紙残量値の補正方法を示すフローチャートである。
【図9】図1の印刷装置において、紙残量値を保持しているデータベースの例を示す図である。
【図10】図9に示すデータベースが更新された後の状態の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る情報端末及び印刷制御装置を備える画像形成システムの概略構成を示す図である。
【図12】図11に示す印刷制御装置が印刷装置の給紙段の情報を補正する処理を示すフローチャートである。
【図13】図11に示す情報端末が印刷装置の給紙段の情報を補正する処理を行うアプリケーションのUIの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置の一例として印刷装置を取り上げるが、本発明に係る画像形成装置は、例えば、複写機、複合機等の給紙段を備えるあらゆる画像形成装置に適用することができる。
【0015】
《第1実施形態》
<印刷装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷装置の構成を示す断面図である。印刷装置100は、画像形成部101、定着部102、スキャナ部103、操作部104、用紙排出部107、トナー補給部110及び外部給紙装置118を備えている。
【0016】
画像形成部101は、給紙段(給紙トレイ)105,106、搬送部108、一次転写部111、転写ベルト112及び二次転写部113を有している。定着部102は、スイッチバック部109、廃トナー収納部114、定着ユニット115,116及び搬送部117,123を備えている。外部給紙装置118は、搬送部119及び給紙段(給紙トレイ)120,121,122を有している。
【0017】
スキャナ部103は、原稿をスキャンして画像の電子データを生成する。操作部104は、ハードキーやタッチパネル式等の表示部を備えており、操作者による印刷装置100への各種指示を受け付ける。給紙段105,106,120,121、122(以下において「給紙段105等」と記す場合がある)は、印刷装置100で印刷を行う用紙(記録材)を積載して収納する。用紙排出部107は、印刷された用紙を印刷装置100の外部へ排出する。スイッチバック部109は、用紙排出部107へ用紙を排出する際に用紙の出力面を反転させる。
【0018】
トナー補給部110は、画像形成部101へ現像剤であるトナーを補給する。一次転写部111は、画像データに基づいて形成したトナー像を転写ベルト112に転写する。二次転写部113は、転写ベルト112に転写されたトナー像を用紙に転写する。廃トナー収納部114は、転写処理の過程において発生した余分なトナーを収納する。定着ユニット115は、二次転写部113において画像が転写された用紙に熱と圧力を加えて、トナーを用紙に定着させる。定着ユニット116は、定着ユニット115において画像が定着された用紙に更に熱と圧力を加えて画像の定着を強化させる。
【0019】
用紙を搬送するための搬送路である搬送部108,117,119,123には、一定の間隔で用紙を搬送するためのローラが設けられている。搬送部117は、定着ユニット115から定着ユニット116へ用紙を搬送する。搬送部123は、定着ユニット115から定着ユニット116を介さずに用紙排出部107又はスイッチバック部109へ用紙を搬送する。搬送部108,119は、用紙を印刷装置100へ供給する。給紙段105,106,120,121,122にはそれぞれ、紙残量を検出する第1の紙残量取得手段としての紙残量検出センサ124,125,126,127,128(以下において「紙残量検出センサ124等」と記す場合がある)が配設されている。
【0020】
<印刷装置の制御系>
図2は、印刷装置100の制御系を示すブロック図である。印刷装置100の全体的な制御はメインコントローラ201によって行われる。メインコントローラ201は、CPUバス212を介して接続されたCPU205、RAM206、操作部I/F207、ネットワークI/F208、モデム209、ROM210及びHDD211を備えている。メインコントローラ201では、イメージバスI/F213を介してCPUバス212とイメージバス224とが接続され、イメージバス224には、RIPI/F214、データ圧縮部215、デバイスI/F216及び画像処理部217が接続されている。
【0021】
ネットワークI/F208には、外部機器とネットワークによって接続を行うためのネットワークケーブル203が接続されている。モデム209には、外部機器と電話回線によって接続を行うための回線ケーブル204が接続されている。CPU205は、メインコントローラ201全体を制御する。RAM206は、CPU205上で動作するプログラムによって管理され、外部から受信したデータを一時的に蓄えるための受信バッファやRIP221によってラスタライズされた画像データを一時的に蓄えるための画像データバッファ等として使用される。ROM210は、CPU205上で動作するプログラムやデータ等を格納する。HDD211は、種々のデータを長期的に保存する。
【0022】
操作部I/F207は、操作部104とメインコントローラ201とを接続するためのインタフェースである。イメージバスI/F213は、CPUバス212とイメージバス224とを接続するためのインタフェースである。RIPI/F214には、データバス218を介してRIP221が接続される。RIP221は、外部から入力される画像記述データをビットマップイメージデータに変換する機能を有するラスタライズボード(RIP)である。RIPI/F214は、データバス218によってRIP221とイメージバス224を接続するためのインタフェースである。データ圧縮部215は、データを圧縮する。
【0023】
デバイスI/F216には、データバス219を介して給紙排紙装置222が接続され、データバス220を介してプリンタ223が接続される。ここでは、給紙排紙装置222とは、印刷装置100における用紙の給紙や排紙を行う機械的な構成を指し、プリンタ223とは印刷装置100において用紙に対する画像形成を担う構成を指し、これらの構成は図1を用いて上述した通りである。
【0024】
CPU205は、操作部104又は外部機器からネットワークケーブル203を介して指示される信号にしたがって、データバス219,220を介してプリンタ223及び給紙排紙装置222へ印刷を行うための命令を発行する。画像処理部217は、RIP221によって生成されたビットマップイメージデータに各種の画像処理を施す。画像処理部217は、2ページのビットマップイメージデータを1ページのビットマップイメージデータに合成する機能等のビットマップイメージデータをデジタル的に処理する機能を備える。
【0025】
<給紙段のグループ化>
本実施形態では、複数の給紙段を仮想的に1つ(一纏まり)として扱うことを「給紙段のグループ化」と呼ぶ。通常、給紙段が指定された印刷ジョブの場合、指定された給紙段の用紙がなくなると、印刷装置100は印刷を止め、操作部104に指定された給紙段に用紙を補給する旨を表示する。これに対し、給紙段のグループ化が行われていると、指定された給紙段の用紙がなくなっても、同じグループに属する給紙段に印刷可能な用紙がある場合には、その用紙を用いることによって、印刷ジョブが継続して行われる。
【0026】
図3は、操作部104に表示される給紙段105等のグループ化の設定画面である。設定画面300内の表示枠301,302,303,304,305のそれぞれには、給紙段105,106,120,121,122の情報(給紙段105等に付された通し番号、用紙サイズ、紙残量を示す図形)が表示されている。
【0027】
設定画面300に表示されている5つのグループ化設定ボタン306は、給紙段105等のそれぞれが属しているグループのグループ番号を示している。図3では、表示枠301,302に示される給紙段105,106はグループ1に、表示枠303,304に示される給紙段120,121はグループ2に、表示枠305に示される給紙段122はグループ3にそれぞれ属している。
【0028】
グループ化設定ボタン306はそれぞれ、1回押下される毎にグループ番号が1ずつインクリメントされ、グループ番号の表示が更新(変更)される。グループ番号は給紙段105等の総数と同じ数(図3の場合には「5」)まで変更可能であり、給紙段105等の総数と同じときに更にグループ化設定ボタン306が押下されると「1」に戻る。設定画面300に設けられているOKボタン307が押下されると、CPU205はそのときの給紙段105等のグループ化の設定をRAM206に記憶する。
【0029】
<印刷ジョブのフロー>
図4は、グループ化された給紙段を用いて印刷ジョブを実行する場合のフローチャートである。なお、ここでは、給紙段の数を限定せずに、複数の給紙段を備えている構成に一般化した説明を行う。印刷ジョブは、CPU205が、ROM210に格納されているプログラムをRAM206の作業領域に展開、実行し、印刷装置100を構成する各種駆動手段を制御することによって行われる。
【0030】
CPU205は、印刷ジョブの指令信号を受信すると、給紙段が指定されているジョブか否かを判定する(ステップS401)。給紙段が指定されていない場合(S401で“NO”)、CPU205は、通常の印刷処理を行う(ステップS402)。なお、ステップS402の処理内容には、従来技術を適用することができ、ここでの説明を省略する。
【0031】
給紙段が指定されている場合(S401で“YES”)、CPU205は、指定された給紙段が用紙切れか否かを判定する(ステップS403)。用紙切れではない場合(S403で“NO”)、CPU205は、指定された給紙段から1枚印刷を行い(ステップS405)、続いて印刷ジョブが完了したか否かを判定する(ステップS406)。印刷ジョブが完了した場合(S406で“YES”)、CPU205は処理を終了させる。印刷ジョブが完了していない場合(S406で“NO”)、CPU205は処理をステップS403に戻す。
【0032】
ステップS403において、指定された給紙段が用紙切れの場合(S403で“YES”)、CPU205は、印刷に使用する給紙段を用紙切れが起きた給紙段と同一のグループに属する他の給紙段に変更する(ステップS404)。続いてCPU205は、同一のグループに属する全ての給紙段が用紙切れか否かを判定する(ステップS407)。使用可能な用紙がある場合(S407で“NO”)、CPU205は処理をステップS403に戻す。全ての給紙段が用紙切れの場合(S407で“YES”)、CPU205は、操作部104に用紙補給表示画面を出すように指示し(ステップS408)、用紙が補給されたか否かを判定する(ステップS409)。
【0033】
用紙が補給されていない場合(S409で“NO”)、CPU205は、用紙が補給されるまで判断を繰り返す(用紙補給が検出されるまで待つ)。用紙が補給されると(S409で“YES”)、CPU205は、使用する給紙段をステップS409で用紙補給された給紙段に変更し(ステップS410)、その後、処理をステップS405へ進める。印刷装置100では、以上の通りにして、グループ化された給紙段からの印刷を行う。
【0034】
<給紙段の用紙設定>
操作部104により給紙段105等に用紙設定を行う操作について説明する。図5は、操作部104に表示される用紙設定変更画面の一例を示す図である。この用紙設定変更画面は、ユーザが操作部104において用紙種類の登録用画面を開くことによって表示される。ユーザは、用紙設定変更画面の給紙段選択ボタン501〜505の中から用紙設定を変更する給紙段の給紙段選択ボタンを選択、押下し、続いて、設定ボタン506を押下する。この操作により、CPU205は、選択された給紙段選択ボタンに対応する給紙段をRAM206に保持し、操作部104に用紙属性詳細設定画面を表示させる。
【0035】
図6は、用紙属性詳細設定画面の一例を示す図であり、この用紙属性詳細設定画面に示される各種の属性(名称、種別、坪量、色など)の変更が、変更ボタン601〜606の押下によって受け付けられる。なお、閉じるボタン607が押下されると、画面は図5の用紙設定変更画面に戻る。
【0036】
例えば、坪量の変更ボタン603が押下されると、CPU205は、操作部104に坪量変更画面を表示させる。図7は、坪量変更画面の一例を示す図である。マイナスボタン701の押下により坪量の値が減少し、プラスボタン702の押下により坪量の値が増加する。キャンセルボタン703は、変更をキャンセルして、坪量の値を坪量変更画面が開かれたときの値に戻す。OKボタン704が押下されると、CPU205は、坪量を表示されている値に設定して、RAM206に保持する。
【0037】
<紙残量の検出/紙残量値の補正>
図8は、印刷装置100での紙残量値の補正方法を示すフローチャートである。ユーザが印刷装置100の電源を入れると、CPU205は、ソフトウェアの起動を行い、給紙段105等のそれぞれに設定されている紙残量値を取得して、RAM206に記憶する(ステップS801)。なお、紙残量値は、プリンタ223からデバイスI/F部216に通知され、更にイメージバスI/F213を介してCPU205に送られる。なお、紙残量値の取得には、HDD211から取得する方法等、別の方法を取ることもできる。
【0038】
プリンタ223から通知される紙残量値は段階的に数段階で定義されており、本実施形態では、紙残量値の検出レンジが4段階に分かれているものとする。つまり、給紙段105等にそれぞれ備わっている紙残量検出センサ124等による紙残量の検出精度は4段階となっている。そのため、本実施形態では、給紙段105等における紙残量値は、「0」、「1/3」、「2/3」、「最大(3/3)」の4段階で示されることになる。この場合、給紙段105等の給紙可能枚数の最大値を1500枚とすると、「0」は0枚、「1/3」は500枚、「2/3」は1000枚、「最大」は1500枚を示す。
【0039】
本実施形態では、紙残量値が変化するタイミングは紙残量検出センサ124等の各閾値に達したときであるとする。また、紙残量値の検出では、給紙段105等にセットされている紙の厚さ(図7の坪量変更画面で設定された坪量)に基づいて、紙残量検出センサ124等の紙残量検出能力を補正する。
【0040】
さて、ステップS801で給紙段105等の紙残量値を取得すると、紙残量値を設定するデータベースに取得した紙残量値をセットする(ステップS802)。図9は、紙残量値を保持しているデータベースの例を示す図であり、ここでは、MIB(Management information base)を用いている。このデータベースは、例えば、HDD211に保持されている。
【0041】
図9において、「実残量」は、給紙段105等の実際の残紙枚数を示しており、給紙段105は1400枚、給紙段106は1100枚、給紙段120は1500枚、給紙段121は900枚、給紙段122は750枚である。しかし、紙残量値は、印刷装置100が検出可能な値となるため4段階表示となり、「prtInputCurrentLevel」が、給紙段105等のそれぞれについて検出可能な紙残量値を示す。そのため、prtInputCurrentLevelでは、給紙段105は1000枚、給紙段106に1000枚、給紙段120は1500枚、給紙段121は500枚、給紙段122は500枚となる。
【0042】
「InputCurrentLebelFlg」は、給紙段105等の紙残量値が確定しているか否かを示すフラグ(確定フラグ)であり、「実残量」の残紙枚数と「prtInputCurrentLevel」の紙残量値とが同じときに「ON」となる。ステップS802で給紙段105等の紙残量値が最大値であれば、CPU205はInputCurrentLevelFlgを「ON」にする。
【0043】
ステップS802で給紙段105等の紙残量値がセットされると、CPU205は、ジョブ(印刷ジョブ)を受信したか否かを判断する(ステップS803)。CPU205は、ジョブを受信するまで(S803で“NO”)、ステップS803の判断を繰り返す。ジョブを受信すると(S803で“YES)、CPU205は、給紙検出手段としてジョブで設定されている給紙段からの給紙をジョブの実行に伴って検出し、給紙毎(用紙の給送毎)に給紙を行った給紙段の紙残量値を更新する(ステップS804)。
【0044】
ここでは、以下に給紙段105から給紙を行ってジョブを実行した場合の具体例を説明する。ステップS804では、給紙段105から1枚の用紙が給紙されると、CPU205は、prtInputCurrentLevelの現在の値である1000枚から1枚を減算し、prtInputCurrentLevelに999をセットする。
【0045】
ステップS804で紙残量値が変更されると、CPU205は、紙残量検出センサ124等が給紙段105の紙残量の変化を検出したか否かを確認する(ステップS805)。給紙段105の場合、実残量の1400枚のうち400枚印刷されて実残量が1000枚となったタイミングで、紙残量検出センサ124は紙残量が変化したことを検出する。
【0046】
紙残量検出センサ124等が紙残量の変化を検出するまで(S805で“NO”)、CPU205は、ステップS804,S805の処理を繰り返す。給紙段105の場合、給紙段105の実残量が1000枚になるまで、ステップS804,S805の処理が繰り返される。なお、図8には不図示であるが、ステップS804とステップS805の処理を実行している間に印刷ジョブが終了した場合には、CPU205は、処理をステップS802に戻す。紙残量検出センサ124等が紙残量の変化を検出すると(S805で“YES”)、CPU205は、処理をステップS806に進める。給紙段105の場合、実残量が1000枚になったときに、処理はステップS806に進められ、このとき、prtInputCurrentLevelは600枚となっている。
【0047】
ステップS806では、CPU205は、給紙段105等がグループ化されているか否かを判断する。給紙段105がグループ化されていない場合(S806で“NO”)、CPU205は、処理をステップS813に進める。ステップS813では、CPU205は、確定フラグであるInputCurrentLevelFlgを「ON」に設定し、prtInputCurrentLevelの値を変更する。給紙段105では、CPU205は、実紙残量補正手段として、prtInputCurrentLevelの値を600から1000に変更する。これにより正確な紙残量値が設定されたことになる。続いて、CPU205は、残ジョブを印刷し(ステップS814)、その後、処理をステップS803に戻す。
【0048】
ステップS806で給紙段105等がグループ化されている場合(S806で“YES”)、CPU205は、処理をステップS807に進める。給紙段105は給紙段106とグループ化されているため、処理はステップS807へ進められる。なお、給紙段105等がグループ化されていない場合であっても、同種且つ同サイズが設定されている給紙段がある場合を給紙段がグループ化されている場合と同様に扱い、これをステップS806の判断基準としてもよい。
【0049】
ステップS807では、CPU205は、給紙段105等に設定されている紙が順序性のある特殊紙か否かを判断する。順序性のある紙としては、タブ紙やノーカーボン紙等があり、給紙段105等に順序性のある紙が設定されているか否かは、図5の用紙設定変更画面及び図6の用紙属性詳細設定画面にてユーザが設定した情報から取得する。
【0050】
順序性がある紙がセットされていない場合(S807で“NO”)、CPU205は、処理を後述するステップS810に進める。順序性のある紙が設定されている場合(S807で“YES”)、CPU205は、順序性を保つことが可能な状態まで(順序性を保つための最後の用紙が給紙されるまで)印刷を実行する(ステップS808)。なお、順序性を保つための最後の用紙が印刷されたか否かは、印刷ジョブの属性から取得する。順序性を保つための最後の用紙(5タブ用紙であれば5タブ目)が印刷されたか否かは、印刷した枚数から計算するようにしてもよい。
【0051】
順序性を保つことが可能な状態まで印刷が実行された後、CPU205は、実紙残量補正手段として、印刷を実行した用紙の枚数だけprtInputCurrentLevelの値を減算し(ステップS809)、処理をステップS810へ進める。CPU205は、ステップS810において、確定フラグ(InputCurrentLevelFlg)を「ON」にセットする。図10は、図9に示すデータベースにおいて、ステップS810によりデータベース(MIB)が更新された状態の一例を示す図である。図10に示されるように、本実施形態では、給紙段105のprtInputCurrentLevelの値と実残量が共に1000となり、InputCurrentLevelFlgは「ON」となる。
【0052】
CPU205は、ステップS810の後、グループ化されている給紙段の中に紙残量値が確定していない給紙段があるか否かを確認する(ステップS811)。ステップS811での判断は、ステップS806の判断でグループ化されていると判断された給紙段のうち、InputCurrentLevelFlgが「OFF」となっているものを検索することによって行われる。給紙段105は給紙段106とグループ化されており、給紙段106ではInputCurrentLevelFlgが「OFF」であるため、給紙段106の紙残量値が未だ確定していないと判断される。
【0053】
グループ化されている全ての給紙段において紙残量値が確定している場合(S811で“YES”)、CPU205は、処理をステップS814に進めて、残りのジョブを実行する。なお、グループ化されている全ての給紙段の紙残量値を纏めて設定するオブジェクトを用意してもよい。このオブジェクトには、グループ化の数だけそれぞれのグループの合計紙残量が設定されることとなり、確定フラグ(InputCurrentLevelFlg)は全ての給紙段の紙残量値が確定すると「ON」になる。
【0054】
グループ化されている全ての給紙段において紙残量値が確定していない給紙段がある場合(S811で“YES”)、CPU205は、ジョブを実行する給紙段を切り替える(ステップS812)。図10から明らかなように、給紙段105からの給紙を行っていた場合、CPU205は、給紙段105から給紙段106へとジョブに対する給紙段を切り替え、処理をステップS804に戻して、給紙段106の紙残量値を確定するための処理を実行する。こうしてCPU205は、給紙段105と同様に、紙残量検出センサ125が給紙段106における紙残量の変化を検出するまで、ジョブを実行する。
【0055】
なお、グループ化されている給紙段の中に他にも確定フラグ(InputCurrentLevelFlg)が「OFF」の給紙段があれば、CPU205は、その給紙段に切り替える。グループ化された全ての給紙段の確定フラグ(InputCurrentLevelFlg)が「ON」になったとき、最後に確定した給紙段からの給紙を実施してもよい。一方、初めに確定した給紙段を保存しておき、その給紙段からの給紙を行うために給紙段を切り替えるようにしてもよい。
【0056】
確定フラグ(InputCurrentLevelFlg)が「ON」から「OFF」になる場合とは、給紙段105等が開けられた場合や紙残量検出センサ124等が故障した場合である。給紙段105等が開けられた場合、ユーザが用紙を補給したかどうかに関係なく、確定フラグ(InputCurrentLevelFlg)を「OFF」にする必要がある。これは、ユーザが、紙残量検出センサ124等の閾値に達しない量を補給した場合と、給紙段105等を開けたが用紙を補給せずにそのまま閉めた場合との区別ができないからである。但し、紙残量検出センサ124等が検出可能な閾値と等しい量を給紙できた場合は、確定フラグは「ON」のままでもよい。
【0057】
以上の本実施形態によれば、1枚単位で給紙段の紙残量値を検出する精密なセンサを使用せずとも、1枚単位で給紙段の紙残量値を検出することが可能になる。また、多数の給紙段を備え、グループ化されている給紙段がある場合(複数の給紙段に同種且つ同サイズの用紙がセットされている場合も同様)に、ジョブを実行している給紙段の紙残量値が確定すると、次の給紙段へ自動的に給紙段が変更される。これにより、全ての給紙段の紙残量値の確定を早めることができる。その結果、ユーザは確定した全ての給紙段の紙残量値に基づいてジョブスケジューリングを見直すことができるようになる。
【0058】
更に、タブ紙等の順序性がある用紙の場合、紙残量値が確定した瞬間に給紙段を変更するのではなく、順序性を維持することが可能なタイミングまでジョブを実行し、その後に自動給紙段変更を行う。これにより、給紙段変更で再度同じ給紙段に変更された場合でも、順序性を確保する必要がなく、給紙段を切り替えた瞬間にジョブを実行することが可能となる。
【0059】
《第2実施形態》
<画像形成システムの概略構成>
第2実施形態では、画像形成装置に通信可能に接続された情報端末及び印刷制御装置が、画像形成装置の給紙段の紙残量値を補正する。図11は、第2実施形態に係る情報端末及び印刷制御装置を備える画像形成システムの概略構成を示す図であり、ネットワーク接続状態を示している。
【0060】
情報端末1103、印刷装置100B及び印刷制御装置1101がネットワーク1104を介して接続され、印刷制御装置1101と印刷装置100Aとが専用ネットワーク1102により接続されている。本実施形態では、専用ネットワーク1102を用いているが、印刷制御装置1101が印刷装置100Aから情報を取得可能であればよく、専用ネットワーク1102に代えて、例えば、物理インタフェース又は無線インタフェースを用いてもよい。
【0061】
画像形成装置である印刷装置100A,100Bはそれぞれ、第1実施形態で説明した印刷装置100と同じである。印刷制御装置1101は、印刷装置100Aの給紙段の情報を取得し、補正する。情報端末1103は、印刷装置100Bの給紙段の情報を取得し、補正する。なお、印刷装置100A,100Bにおける給紙段のグループ化や紙残量値を保持しているデータベース(MIB)の仕様は第1実施形態の場合と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0062】
<印刷制御装置による処理>
図12は、印刷制御装置1101が印刷装置100Aの給紙段の情報を補正する処理を示すフローチャートである。印刷制御装置1101は、不図示のCPU、プログラムを格納したROM、記憶装置であるRAMを備えており、CPUがROMに格納されたプログラムをRAMの作業領域に展開し、実行することにより、図12に示される各種の処理を行う。
【0063】
印刷制御装置1101のCPUは、第1の取得手段として、印刷ジョブ前に印刷装置100Aから給紙段の情報と設定されている紙残量値を取得する(ステップS1201)。ここで、給紙段の情報は印刷装置100Aのデータベース(MIB)のprtInputTableから取得し、印刷装置100Aの紙残量値としてデータベース(MIB)のprtInputCurrentLevelの値を取得する。取得した紙残量値は、印刷制御装置1101が備えるデータベース(印刷装置100Aと同様のMIB)のprtInputCurrentLevelの値として保存される。なお、本実施形態では、印刷装置100Aにおいて給紙段の紙残量補正を行わないため、印刷制御装置1101は、給紙段の紙残量値を4段階(例えば、0,1/3,2/3,3/3)でしか取得できない。
【0064】
印刷制御装置1101のCPUは、ステップS1201の後、印刷装置100Aへ印刷ジョブの送信を行う(ステップS1202)。その後、印刷制御装置1101のCPUは、印刷装置100Aの給紙イベント又は排紙イベントの通知の受信待ちを行い、給紙イベント又は排紙イベントを受信すると、ステップS1201で取得した給紙段の紙残量値を更新する(ステップS1203)。具体的には、データベース(MIB)のprtInputCurrentLevelの紙残量値から、給紙イベント又は排紙イベントの通知を受信する毎に1が減算される。
【0065】
ステップS1203の後、印刷制御装置1101のCPUは、第2の取得手段として、印刷装置100AのprtInputCurrentLevelの値を取得し、給紙段の紙残量値が変化をしたか否かを確認する(ステップS1204)。印刷装置100Aの給紙段の紙残量値が変化していない場合(S1204で“NO”)、印刷制御装置1101のCPUは、処理をステップS1203に戻し、ステップS1203とステップS1204の処理を繰り返す。ステップS1202とステップS1203の間に印刷ジョブが終了した場合は、不図示であるであるが、ジョブの終了状態となる。
【0066】
印刷装置100Aの給紙段の紙残量値が変化したことを検出すると(S1204で“YES”)、印刷制御装置1101のCPUは、印刷装置100Aが現在給紙を行っている給紙段が他の給紙段とグループ化されているか否かを確認する(ステップS1205)。
【0067】
給紙段がグループ化されていない場合(S1205で“NO”)、印刷制御装置1101のCPUは、印刷制御装置1101のInputCurrentLevelFlgの値を「ON」にセットする(ステップS1212)。その後、印刷制御装置1101のCPUは、ステップS1203の処理を実行して残りの印刷ジョブを実行し(ステップS1213)、その後、処理は終了となる。一方、給紙段がグループ化されている場合(S1205で“NO”)、印刷制御装置1101のCPUは、処理をステップS1206へ進める。なお、ステップS1205では、給紙段がグループ化されていない場合でも、同種且つ同サイズの用紙が設定されている給紙段がある場合を給紙段がグループ化されている場合と同様に扱い、これをステップS1205の判断基準としてもよい。
【0068】
ステップS1206において、印刷制御装置1101のCPUは、給紙段に設定されている紙が順序性のある特殊紙か否かを判断する。順序性のある特殊紙としては、タブ紙やノーカーボン紙等がある。給紙段に順序性のある紙が設定されていない場合(S1206で“NO”)、印刷制御装置1101のCPUは、処理を後述するステップS1209に進める。一方、給紙段に順序性のある紙が設定されていた場合(S1206で“YES”)、印刷制御装置1101のCPUは、順序性を保持可能な状態になるまで(順序性を保つための最後の紙が給紙されるまで)、印刷を行う。
【0069】
なお、現在の給紙段に順序性のある紙が設定されているかどうかは、印刷装置100Aのデータベース(MIB)のprtInputTableから取得し、順序性のある最後の最後の紙が印刷されたか否かは、印刷ジョブの属性から取得する。順序性を保つための最後の紙(例えば、5タブ用紙であれば5タブ目)が印刷されたかどうかは、印刷した枚数から計算してもよい。
【0070】
順序性を保持可能な状態まで印刷が実行されると、印刷制御装置1101のCPUは、印刷が実行された量(用紙枚数)だけ、印刷制御装置1101が保持するデータベース(MIB)のprtInputCurrentLevelの値を更新(減算)する。続いて、印刷制御装置1101のCPUは、確定フラグ(InputCurrentLevelFlg)を「ON」にセットし(ステップS1209)、グループ化されている給紙段の中に紙残量値が未確定の給紙段があるか否かを確認する(ステップS1210)。
【0071】
紙残量値が未確定の給紙段があるか否かの判断は、ステップS1205で印刷制御装置1101においてグループ化されていると判断された給紙段のInputCurrentLevelFlgの値(ON/OFF)を取得することにより行う。取得した紙残量値の全てが「ON」となって確定している場合(S1210で“NO”)、印刷制御装置1101のCPUは、処理をステップS1213に進め、残りのジョブを実行して、その後、処理を終了させる。なお、グループ化されている全ての給紙段の紙残量値を、纏めて設定するオブジェクトを用意してもよい。
【0072】
取得した紙残量値が「OFF」となって紙残量値が確定していない給紙段がある場合(S1210で“YES”)、印刷制御装置1101のCPUは、印刷装置100Aに対して、給紙段切り替えの指示を行う(ステップS1211)。そして、印刷装置100Aにおいて給紙段が変更されると、印刷制御装置1101のCPUは、処理をステップS1203に戻して、切り替え後の給紙段を用いて印刷処理を実行する。
【0073】
なお、印刷制御装置1101が自身のInputCurrentLevelFlgの値を「ON」から「OFF」にする場合は、印刷装置100Aから給紙段が開いたことを通知するイベントが到達した場合又は給紙段の異常を示すイベントを受信した場合である。
【0074】
<情報端末による処理>
ここでは、情報端末1103が情報収集アプリケーション(ユーティリティソフトウェア)を用いて印刷装置100Bの給紙段情報を取得し、補正する場合について説明する。なお、情報収集アプリケーションは、印刷制御装置1101上にあってもよく、その場合、印刷装置100Aの給紙段情報だけではなく、印刷装置100Bの給紙段情報を取得して管理するようにしてもよい。
【0075】
情報端末1103の情報収集アプリケーションが印刷装置100Bの給紙段情報を取得する処理のシーケンスは、印刷制御装置1101が給紙段情報を取得する処理フローと同様であるが、データベース(MIB)を使用しない点で相違する。具体的には、情報収集アプリケーションでは、ユーザに視覚的に紙残量値の通知を行う。
【0076】
図13は、情報端末1103が印刷装置100Bの給紙段の情報を取得し、補正する処理を行う情報収集アプリケーションのUI(ユーザインターフェース)の例を示す図である。UIのウィンドウ1301には、現在のウィンドウの階層やタイトルを表示するためのタイトルバー1302が表示されている。UIのウィンドウ1301内には装置リストウィンドウ1303が設けられている。装置リストウィンドウ1303には、ネットワーク1104上に接続され、この情報収集アプリケーションで管理可能な装置(プリンタ、スキャナ、ファックス等)が一覧表示されている。
【0077】
更に、UIのウィンドウ1301には、現在管理対象となっている装置のステータス情報が表示されるウィンドウであるステータスタブ1304が表示されている。ステータスタブ1304は、装置の現在の使用状況や給紙部のカセット情報を示す情報欄1306を有しており、給紙段数、各給紙段にセットされている用紙のサイズ及び紙残量値を給紙段情報として読み取ることができるようになっている。図13には、装置リストウィンドウ1303において装置1305が選択され、選択された装置1305の状態が表示されている。
【0078】
情報収集アプリケーションは、印刷装置100Bの給紙段の情報を取得し、情報欄1306の内容を補正する。情報収集アプリケーションは、印刷制御装置1101のPCUと同様に、印刷装置100Bの給紙段の紙残量値として、prtInputCurrentLevelの値を取得する。情報収集アプリケーションは、印刷装置100Bから送信された給紙イベント又は排紙イベントを取得する毎に、アプリケーションが保持しているprtInputCurrentLevelの紙残量値を更新(1を減算)する。印刷装置100BのprtInputCurrentLevelの値が変化したとき、アプリケーションが保持している紙残量値を、印刷装置100BのprtInputCurrentLevelの値に補正する。
【0079】
情報収集アプリケーションの表示について、紙残量値を補正前と補正後では表示色を変える等して表示することにより、紙残量値が正しく補正されているかどうかをユーザに通知することができる。表示色を変える方法以外にも、ポップアップ形式や背景色の変更を行う等して、ユーザに通知するようにしてもよい。本実施形態によっても、第1実施形態と同じ効果を得ることができることは言うまでもない。
【0080】
<他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。また、上述した図4や図8に示すフローチャートを実行する装置をインターネット等のネットワーク上に配置し、このフローチャートの処理をサービスとして提供することによって本発明を実施するようにしてもよい。
【0081】
更に本発明は以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0082】
100,100A,100B 印刷装置(画像形成装置)
101 画像形成部
104 操作部
105,106,120,121,122 給紙段
124,125,126,127,128 紙残量検出センサ
205 CPU
1101 印刷制御装置
1103 情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給紙段を備える画像形成装置であって、
前記複数の給紙段のそれぞれの残紙枚数を保持する保持手段と、
前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出手段と、
前記紙残量検出手段が取得した紙残量値が変化した場合に、変化した後の紙残量値を取得する取得手段と、
前記複数の給紙段のうち印刷ジョブで指定されている給紙段からの給紙を検出する給紙検出手段と、
前記給紙検出手段により用紙の給紙が検出されたときに、1枚の給紙毎に前記保持手段が保持する残紙枚数から1を減算する紙残量補正手段と、
前記紙残量検出手段により紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正手段により補正された残紙枚数を、前記取得手段が取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正手段と、
給紙を行っている給紙段にセットされている用紙と同種且つ同サイズの用紙がセットされている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記紙残量補正手段により給紙を行っている給紙段における残紙枚数が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の給紙段を備える画像形成装置であって、
前記複数の給紙段のそれぞれの残紙枚数を保持する保持手段と、
前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出手段と、
前記紙残量検出手段が取得した紙残量値が変化した場合に変化した後の紙残量値を取得する取得手段と、
前記複数の給紙段のうち印刷ジョブで指定されている給紙段からの給紙を検出する給紙検出手段と、
前記給紙検出手段により用紙の給紙が検出されたときに、1枚の給紙毎に前記保持手段が保持する残紙枚数から1を減算する紙残量補正手段と、
前記紙残量検出手段により紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正手段により補正された残紙枚数を、前記取得手段が取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正手段と、
給紙を行っている給紙段とグループ化されている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記実紙残量補正手段により給紙を行っている給紙段における残紙枚数が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブで設定された給紙段にセットされている用紙が順序性を持つ場合に、前記制御手段は、前記用紙の順序性を保持することが可能な枚数まで給紙を行った後に、前記別の給紙段への変更を実施することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数の給紙段、及び前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出手段を有する画像形成装置と通信可能に接続された情報端末であって、
前記紙残量検出手段が検出する紙残量値を取得する第1の取得手段と、
前記紙残量検出手段が検出する紙残量値が変化した場合に変化した後の紙残量値を取得する第2の取得手段と、
前記複数の給紙段のうち前記印刷ジョブで設定されている給紙段から1枚の給紙が行われたことを示す給紙イベント又は排紙イベントの通知を前記画像形成装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が前記通知を受信したときに、前記通知を受信する毎に前記第1の取得手段が取得した紙残量値から1を減算する紙残量補正手段と、
前記第2の取得手段により紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正手段により補正された紙残量値を、前記第2の取得手段が取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正手段と、
給紙を行っている給紙段にセットされている用紙と同種且つ同サイズの用紙がセットされている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記紙残量補正手段により給紙を行っている給紙段における紙残量値が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御手段と、を備えることを特徴とする情報端末。
【請求項5】
複数の給紙段、及び前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出手段を有する画像形成装置と通信可能に接続された情報端末であって、
前記紙残量検出手段が検出する紙残量値を取得する第1の取得手段と、
前記紙残量検出手段が検出する紙残量値が変化した場合に変化した後の紙残量値を取得する第2の取得手段と、
前記複数の給紙段のうち前記印刷ジョブで設定されている給紙段から1枚の給紙が行われたことを示す給紙イベント又は排紙イベントの通知を前記画像形成装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が前記通知を受信したときに、前記通知を受信する毎に、前記第1の取得手段が取得した紙残量値から1を減算する紙残量補正手段と、
前記第2の取得手段により紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正手段により補正された紙残量値を、前記第2の取得手段が取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正手段と、
給紙を行っている給紙段とグループ化されている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記実紙残量補正手段により給紙を行っている給紙段における残紙枚数が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御手段と、を備えることを特徴とする情報端末。
【請求項6】
前記印刷ジョブで設定されている給紙段にセットされている用紙が順序性を持つ場合に、前記制御手段は、前記用紙の順序性を保持することが可能な枚数まで給紙を行った後に、前記別の給紙段への変更を実施することを特徴とする請求項4又は5記載の情報端末。
【請求項7】
複数の給紙段を備える画像形成装置で実行される制御方法であって、
前記複数の給紙段のそれぞれの残紙枚数を保持する保持ステップと、
前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出ステップと、
前記紙残量検出ステップが取得した紙残量値が変化した場合に、変化した後の紙残量値を取得する取得ステップと、
前記複数の給紙段のうち印刷ジョブで指定されている給紙段からの給紙を検出する給紙検出ステップと、
前記給紙検出ステップにより用紙の給紙が検出されたときに、1枚の給紙毎に前記保持ステップで保持した残紙枚数から1を減算する紙残量補正ステップと、
前記紙残量検出ステップで紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正ステップで補正された残紙枚数を、前記取得ステップで取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正ステップと、
給紙を行っている給紙段にセットされている用紙と同種且つ同サイズの用紙がセットされている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記紙残量補正ステップで給紙を行っている給紙段における残紙枚数が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御ステップと、を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項8】
複数の給紙段を備える画像形成装置で実行される制御方法であって、
前記複数の給紙段のそれぞれの残紙枚数を保持する保持ステップと、
前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出ステップと、
前記紙残量検出ステップで取得した紙残量値が変化した場合に変化した後の紙残量値を取得する取得ステップと、
前記複数の給紙段のうち印刷ジョブで指定されている給紙段からの給紙を検出する給紙検出ステップと、
前記給紙検出ステップで用紙の給紙が検出されたときに、1枚の給紙毎に前記保持ステップで保持した残紙枚数から1を減算する紙残量補正ステップと、
前記紙残量検出ステップで紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正ステップで補正された残紙枚数を、前記取得ステップで取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正ステップと、
給紙を行っている給紙段とグループ化されている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記実紙残量補正ステップで給紙を行っている給紙段における残紙枚数が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御ステップと、を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項9】
複数の給紙段、及び前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出手段を有する画像形成装置と通信可能に接続された情報端末で実行される制御方法であって、
前記紙残量検出手段が検出する紙残量値を取得する第1の取得ステップと、
前記紙残量検出手段が検出する紙残量値が変化した場合に変化した後の紙残量値を取得する第2の取得ステップと、
前記複数の給紙段のうち前記印刷ジョブで設定されている給紙段から1枚の給紙が行われたことを示す給紙イベント又は排紙イベントの通知を前記画像形成装置から受信する受信ステップと、
前記受信ステップで前記通知を受信したときに、前記通知を受信する毎に前記第1の取得ステップで取得した紙残量値から1を減算する紙残量補正ステップと、
前記第2の取得ステップで紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正ステップで補正された紙残量値を、前記第2の取得ステップで取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正ステップと、
給紙を行っている給紙段にセットされている用紙と同種且つ同サイズの用紙がセットされている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記紙残量補正ステップで給紙を行っている給紙段における紙残量値が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御ステップと、を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項10】
複数の給紙段、及び前記複数の給紙段のそれぞれの紙残量値を段階的に検出する紙残量検出手段を有する画像形成装置と通信可能に接続された情報端末であって、
前記紙残量検出手段が検出する紙残量値を取得する第1の取得ステップと、
前記紙残量検出手段が検出する紙残量値が変化した場合に変化した後の紙残量値を取得する第2の取得ステップと、
前記複数の給紙段のうち前記印刷ジョブで設定されている給紙段から1枚の給紙が行われたことを示す給紙イベント又は排紙イベントの通知を前記画像形成装置から受信する受信ステップと、
前記受信ステップで前記通知を受信したときに、前記通知を受信する毎に、前記第1の取得ステップで取得した紙残量値から1を減算する紙残量補正ステップと、
前記第2の取得ステップで紙残量値の変化が検出されると、前記紙残量補正ステップで補正された紙残量値を、前記第2の取得ステップで取得した前記変化した後の紙残量値に変更する実紙残量補正ステップと、
給紙を行っている給紙段とグループ化されている別の給紙段が前記複数の給紙段にある場合に、前記実紙残量補正ステップにより給紙を行っている給紙段における残紙枚数が補正されると、前記別の給紙段から給紙を行うように給紙段を変更する制御ステップと、を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項7又は8に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項9又は10に記載の情報端末の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−236656(P2012−236656A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105085(P2011−105085)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】