画像形成装置、排出シート管理方法
【課題】いわゆる胴内排紙型の画像形成装置において、装置から排出されるシートの取り扱いの利便性を向上させることのできる技術を提供する。
【解決手段】所定のシート受けにて受けたシートを保持する保持部を、胴内の排出トレイ上に位置するとともに、排出口から排出されるシートを保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、保持部が排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように排出トレイ上から退避している退避位置との間で、移動させる。
【解決手段】所定のシート受けにて受けたシートを保持する保持部を、胴内の排出トレイ上に位置するとともに、排出口から排出されるシートを保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、保持部が排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように排出トレイ上から退避している退避位置との間で、移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書は、画像形成装置等から排出されるシートを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置にて画像が形成されたシートや、画像が形成された後にソート、ステイプル等のいわゆる後処理されたシートは、所定の排出トレイ上に排出される。
【0003】
しかしながら、一つの排出トレイ上に載置可能なシート枚数には限界がある。画像形成装置における印字枚数が多い場合等、排出トレイに排出されるシート枚数が当該排出トレイに積載可能なシート枚数を超える場合には、排出トレイ上に積載されたシートをユーザが手作業で適宜取り除かなければ印刷処理を続行することができなかった。
【0004】
また一方、オフィス内で使用される画像形成装置においては、設置スペースの省スペース化や、装置の小型化などを図るための構成である、「胴内排紙型」の画像形成装置が知られる。「胴内排紙型」の画像形成装置では、処理済みのシートが装置中央付近に設けられた排紙トレイに排紙される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、「胴内排紙型」の画像形成装置は、省スペース化の観点では優れるものの、排紙トレイ上方の空間は例えばスキャナ等の構成部分や、当該排紙トレイ直上に更に設けられる他の排紙トレイにより占有されており、ユーザが排紙トレイ上のシートを確認する際の視認性が悪い場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、いわゆる胴内排紙型の画像形成装置において、装置から排出されるシートの取り扱いの利便性を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この明細書は、装置上方に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、少なくとも一部が前記画像読取部の下方に位置し、装置の排出口から排出されるシートを受ける排出トレイと、所定のシート受けを有し、該シート受けにて受けたシートを保持する保持部と、前記排出トレイ上に位置するとともに、前記排出口から排出されるシートを前記保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、前記保持部が前記排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように前記排出トレイ上から退避している退避位置との間で、前記保持部を移動させる移動機構と、を備える画像形成装置に関する。
【0008】
また、この明細書は、装置上方に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、少なくとも一部が前記画像読取部の下方に位置し、装置の排出口から排出されるシートを受ける排出トレイと、所定のシート受けを有し、該シート受けにて受けたシートを保持する保持部と、を備える画像形成装置における排出シート管理方法であって、前記排出トレイ上に位置するとともに、前記排出口から排出されるシートを前記保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、前記保持部が前記排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように前記排出トレイ上から退避している退避位置との間で、前記保持部を移動させる排出シート管理方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
以上に詳述したように、本発明によれば、いわゆる胴内排紙型の画像形成装置において、装置から排出されるシートの取り扱いの利便性を向上させることのできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置の斜視図である。
【図2】画像形成装置の画像読取部Rおよび画像形成部P付近の縦断面図である。
【図3】画像形成装置における移動機構の図である。
【図4】第1の実施の形態による画像形成装置の機能ブロック図である。
【図5】保持部Hの移動制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】保持部Hが「シート受け位置」に移動する状態を示す図である。
【図7】保持部Hが「シート受け位置」に移動する状態を示す図である。
【図8】保持部Hのシート受けHtにてシートを受ける様子を示す図である。
【図9】保持部Hを「退避位置」に移動させる様子を示す図である。
【図10】保持部Hを「退避位置」に移動させる様子を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における保持部Hの移動制御の流れを示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図13】第4の実施の形態による画像形成装置の構成の構成図である。
【図14】第5の実施の形態による画像形成装置の斜視図である。
【図15】保持部を格納した画像形成装置の斜視図である。
【図16】ストッパとコネクタとをフロント側から見た図である。
【図17】ストッパが係合したコネクタをフロント側から見た図である。
【図18】保持部と支持枠とを取り外した画像形成装置の斜視図である。
【図19】移動機構の斜視図である。
【図20】リヤ側のストッパをリヤ側から見た斜視図である。
【図21】CPUの動作に係るフローチャートである。
【図22】ジョブ情報取得部の動作に係るフローチャートである。
【図23】第6の実施の形態による、保持部が臥位である画像形成装置の斜視図である。
【図24】保持部が立位である画像形成装置の斜視図である。
【図25】保持部の変形例の斜視図である。
【図26】保持部が立位である画像形成装置の透視図である。
【図27】保持部が臥位である画像形成装置の透視図である。
【図28】第7の実施の形態による画像形成装置の斜視図である。
【図29】第7の実施の形態による画像形成装置における第2排出トレイt2を移動させるトレイ移動機構の詳細および機能ブロックである。
【図30】第2排出トレイt2上でのシートのソート処理の図である。
【図31】ソート動作時における第2排出トレイt2の移動範囲の図である。
【図32】ジョブの終了後に、第2排出トレイt2が画像形成装置の外側に突き出す様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、画像形成装置(MFP:Multi Function Peripheral)の斜視図である。
画像形成装置は、自動原稿搬送部Aと、画像読取部Rと、画像形成部Pと、後処理部Fと、第1排出トレイt1と、第2排出トレイt2と、保持部Hと、移動機構と、を備える。
【0012】
自動原稿搬送部Aは、トレイAtに載置される複数枚の原稿を、画像読取部Rによる所定の原稿読み取り位置へ向けて連続的に自動搬送する機能を有する。
画像読取部Rは、画像形成装置本体の上方に配置されており、自動原稿搬送部Aにより自動搬送されるシート原稿や、不図示の原稿載置台に載置されるシート原稿やブック原稿の画像をスキャンして読み取る機能を有する。
画像形成部Pは、画像読取部Rにて原稿から読み取られた画像や画像形成装置にて外部機器から受信した画像データ等に基づいて、給紙カセットKから供給されるシートに現像剤像を形成する機能を有する。
後処理部Fは、画像形成部Pにより画像が形成されたシートに対して、ステイプル処理、パンチ処理、製本処理等の後処理をする機能を有する。後処理部Fは、後処理をしたシート束を、シート排出口から排出する。
【0013】
第1排出トレイt1および第2排出トレイt2は、シート排出口の下流側にある。第1排出トレイt1は、画像読取部Rの下にある。第1排出トレイt1は、少なくとも一部が画像読取部Rのフットプリントの範囲内にある。第2排出トレイt2は、第1排出トレイt1の上方かつ画像読取部Rの下方にある。図2は、画像形成装置の画像読取部Rおよび画像形成部P付近の縦断面図である。
画像形成部Pにて画像が形成されたシートおよび後処理部Fにて後処理されたシートは、排出先変更フラップ804によって切り替えられる排出経路を経て、排出ローラ805によって第1排出トレイt1および第2排出トレイt2のいずれか一方に排出される。また、画像形成装置は、第1排出トレイt1上にシートがあるか否かを検知するセンサS1を備える。
【0014】
保持部Hは、所定のシート受けHtを有し、このシート受けHtにて受けたシートを保持する。保持部Hの構成の詳細については後述する。
図3は、画像形成装置における移動機構の図である。
ラック806aとピニオン806bは、協働して移動機構として動作する。具体的に、上記移動機構は、第1排出トレイt1上に位置するとともに、排出口Q1から排出されるシートを保持部Hの所定のシート受けHtにて受ける「シート受け位置」と、保持部Hが排出トレイt1上に載置されるシートに当接しないように排出トレイt1上にない「退避位置」との間で、保持部Hを移動させる。ピニオン806bは、保持部Hに支持されるモータ806cにより回転駆動され、ラック806aと係合して保持部Hを移動させる。ラック806aが保持部Hに支持されモータ806cが画像形成装置本体に支持されるのでもよい。
【0015】
ここで、「保持」とは、保持部Hが「シート受け位置」から「退避位置」までの間を移動するときに、所定のシート受けHtにて受けたシートのシート受けHtに対する位置関係がほぼ変わらないように維持することである。
具体的に、保持部Hは、「シート受け位置」に位置する状態において排出口Q1に対向する側に、シートを受け入れる開口部Hnを有する箱形状に形成されている。また、保持部Hは、シート受けHtにシートが存在しているか否かを検知するセンサS2を備えている。
【0016】
保持部Hは、「退避位置」において、画像形成装置の右側面および左側面の内の、排出口Q1からのシート排出方向下流側に位置する側の側面に隣接している。
このように、保持部Hを画像形成装置本体の右側面もしくは左側面に沿うように退避させることにより、移動する保持部Hが装置手前側(図1におけるX軸方向手前側)に突き出すことがなく、装置手前側から装置を操作するユーザの操作性を妨げることがない。
なお、排出トレイを複数段設けることにより、画像形成装置が備える複数の機能(FAX機能、プリント機能、コピー機能など)を利用する場合に、ジョブの内容やユーザの指定に基づいて任意の排出トレイ上にシートを排出することができる。これにより、FAX機能によって印字されたシートは第1排出トレイ上に排出し、コピー機能によって印字されたシートは第2排出トレイ上に排出する、といった処理が可能となる。
【0017】
図4は、画像形成装置の機能ブロック図である。
画像形成装置の画像形成部Pは、CPU801、記憶部802、センサS1(シート検知部に相当)およびセンサS2(満杯検知部および保持シート検知部に相当)を備える。CPU801は、記憶部802に格納されているプログラムを実行することにより自動原稿搬送部Aと画像読取部Rと画像形成部Pとの各種処理を制御する。 センサS1(シート検知部)は、排出トレイt1上にあるシートの有無を検知する。 センサS2(満杯検知部)は、保持部Hにおけるシート保持枚数が所定の保持限界枚数を超えるか否かを検知する。また、センサS2(保持シート検知部)は、保持部Hにて保持されているシートの有無を検知する。
【0018】
後処理部Fは、ジョブ情報取得部101、移動制御部105およびモータ806cを備える。ジョブ情報取得部101は、画像形成装置における印刷ジョブの実行状況に関する情報をCPU801から取得する。またジョブ情報取得部101は、後処理部Fの状態や移動制御部105の状態に関する情報をCPU801へ提供する。移動制御部105は、例えばモータ806cなどの移動機構による、保持部Hの移動を制御する。
【0019】
図5は、保持部Hの移動制御の流れを示すフローチャートである。
保持部Hは、画像形成装置の電源投入時、スリープ状態からの復帰時、ジョブが完了した状態では、「退避位置」に位置している。同図に示すフローチャートでは、保持部Hが上記「退避位置」にある状態(図1に示す状態)から処理が始まる場合を例に挙げる。
まず、移動制御部105は、ジョブ情報取得部101にて取得される情報に基づいて、画像形成装置において印刷ジョブの実行が開始されるか否かを判定する(ACT101)。ジョブ情報取得部101は、画像形成装置にて実行されるジョブに関する情報を、たとえばCPU801等から取得する。
【0020】
画像形成装置において印刷ジョブの実行が開始される場合(ACT101,Yes)、CPU801は、センサS2による検知結果に基づいて、保持部Hにてシートが限界枚数まで保持されているか否かを判定する(ACT102)。
保持部Hにて保持されているシート枚数が限界枚数に達していない場合、CPU801は、センサS1による検知結果に基づいて、第1排出トレイt1上にシートがあるか否かを判定する(ACT103)。
【0021】
第1排出トレイt1上にシートがない場合(ACT103,No)、CPU801は、保持部Hを「シート受け位置」に移動させ(図6および図7を参照)、保持部Hのシート受けHtにてシートを受け(図8を参照)、画像形成装置における印刷ジョブの実行が完了したときに保持部Hを「退避位置」に移動させる(ACT104)(図9および図10を参照)。
一方、画像形成装置において印刷ジョブの実行が開始されない場合(ACT101,No)、CPU801は、センサS2にて保持部Hにて保持されているシート枚数が、保持部Hにて保持可能な限界枚数(保持限界枚数)に達すると検知されている場合(ACT102,Yes)、もしくは、センサS1にて排出トレイ上にシートがあると検知されている場合(ACT103,Yes)には、保持部Hを「シート受け位置」へ移動させることなく、「退避位置」を維持する。
【0022】
このような構成とすることにより、第1排出トレイt1上にシートがあるにも拘わらず、保持部Hを「シート受け位置」に移動させてしまい、第1排出トレイt1上のシートを折り曲げてしまったり、保持部H内にシートが保持されている状態で保持部H内に新たにシートを進入させることにより保持部H内でのシート詰まりを生じたりする事態を回避することができる。
また、シート受けHtに対するシートの保持方法としては、保持部が移動する際に、結果としてシートを保持することができればよい。例えば、箱形状の保持部H内にシートを収容する構成としてもよいし、バネ等を用いて板状の部材に付勢する構成とすることもできる。
このように、排出トレイを複数段設ける場合でも、上段側の排出トレイによって下段側の排出トレイ上のシートの視認性が悪くなるという問題を回避することが可能となる。
【0023】
(第2の実施の形態)
続いて、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは、保持部の移動方向が異なる。
【0024】
図11は、第2の実施の形態における保持部Hの移動制御の流れを示すフローチャートである。同図に示すフローチャートでは、ACT102の動作に相当する処理のみが変更されている。
具体的に、ACT102に相当するACT102’において、センサS2により保持部Hにてシートが保持されていないと検知した場合(ACT102’,No)、ACT103へと進む。
【0025】
移動制御部105は、センサS2にて保持部Hにてシートが保持されていると検知されている場合(ACT102’,Yes)には、保持部Hを「シート受け位置」へ移動させることなく、「退避位置」を維持する。
本実施の形態では、保持部Hにて保持されているシートが例え少数枚である場合であっても、続けて保持部H内に搬送されるシート枚数が多い場合には、保持部H内におけるシート詰まりが発生する可能性があることを考慮し、保持部Hにて1枚でもシートが保持されている場合には、「シート受け位置」への移動を禁止する構成としている。
【0026】
(第3の実施の形態)
続いて、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態とは、保持部の移動方向が異なる。
【0027】
図12は、第3の実施の形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。
保持部Hは、不図示の移動機構により矢印で示す移動方向に移動可能に設けられており、「退避位置」において、画像形成装置の正面側の側面に隣接する構成となっている。
このように、保持部Hを画像形成装置本体の手前側に退避させる構成とすることにより、通常スペースが確保されている画像形成装置本体の手前側の空間を有効利用することができる。また、装置の手前側に保持部Hを移動させる構成とすることで、装置の左右側面側に保持部Hを移動させるための特別なスペースを確保する必要がなく、設置スペースの削減にも寄与することができる。
【0028】
また、移動制御部101は、上記移動機構による保持部Hの移動を制御する機能を有する。
移動制御部101は、「シート受け位置」から「退避位置」までの移動範囲内における保持部Hの移動を制御することにより、保持部Hのシート受けHtに積載されるシートのソートを行う。
このように、装置から排出されるシートを排出トレイt1上から退避させるための保持部Hの移動機構を、シートのソート処理にも兼用することにより、上記移動機構の有効利用が図れ、装置の多機能化にも寄与することができる。
【0029】
(第4の実施の形態)
続いて、第4の実施の形態について説明する。
図13は、第4の実施の形態による画像形成装置の構成図である。
同図に示すように、保持部H’は、少なくともその移動時に第1の排出トレイt1に対応する壁面が屈曲可能な構成となっている。
【0030】
これにより、保持部H’が移動機構によって「退避位置」と「シート受け位置」との間を移動する際に、画像形成装置外側への突出量を少なくすることができる。このような構成とすることで、画像形成装置の設置スペースの省スペース化およびユーザの操作の利便性の向上に寄与することができる。
【0031】
(第5の実施の形態)
図14は画像形成装置の斜視図である。画像形成装置の、図14においてMで指す側をフロント側、Nで指す側をリヤ側、Vで指す側を左側、Uで指す側を右側とする。画像形成装置は、画像形成部Pと画像読取部Rを備える。
画像形成部Pは上面に第1排出トレイt1を備える。画像形成部Pは、第1排出トレイt1の右側上方に排出口Q1を有する。画像形成部Pは、第1排出トレイt1のフロント側とリヤ側とのそれぞれにレール142を有する。
【0032】
支持枠143は、フロント側とリヤ側のレール142に架かる。支持枠143は、レール142上を右側と左側とへスライドする。支持枠143のフロント側からリヤ側への方向の長さは、画像形成部Pのフットプリントの内側にあるとよい。さらに言えば、支持枠143のフロント側からリヤ側への方向の長さは、画像読取部Rのフットプリントの内側にあるとよい。支持枠143は、保持部Hを回転軸144まわりに立位と臥位とに回動するよう支持する。支持枠143がレール142の最も左へと移動すると、回転軸144が第1排出トレイt1のフットプリントの外へ出る。すると、保持部Hは第1排出トレイt1による支持を失って回転軸144まわりに回動して落下して立位を採る。立位では、シート受けHtは垂直であってもよいが、水平に対して45度以上90度以下であってよい。
画像形成部Pは排出口Q1のフロント側とリヤ側とにストッパ141を備える。ストッパ141は、支持枠143のコネクタ145に係合する。
【0033】
図15は、保持部Hを格納した画像形成装置の斜視図である。支持枠143がレール142の最も右へと移動すると、保持部Hは第1排出トレイt1によって右側を支持されて臥位を採る。臥位では、シート受けHtは水平であってもよいが、水平に対して45度以下であってよい。臥位の保持部Hは画像形成部Pのフットプリントの内側にあるとよい。
図16は、ストッパ141とコネクタ145とをフロント側から見た図である。ストッパ141はシャフト151まわりに回動する。ストッパ141は、シャフト151の左側に係合爪152を、そしてシャフト151の右側にバランサ153を備える。バランサ153は係合爪152よりも重く、ストッパ141の重心はシャフト151よりも右側にあるので、ストッパ141は図16において時計回りに回ろうとする。コネクタ145は右側にバネ154を支持する。バネ154はコネクタ145の右側に支持されるのではなくバランサ153の左側に支持されるのでもよい。
【0034】
図17はストッパ141とコネクタ145とをフロント側から見た図である。コネクタ145が右へ移動してストッパ141に近づくと、バネ154がシャフト151の下方でバランサ153に当接する。コネクタ145がさらに右へ移動すると、バネ154がバランサ153を押してストッパ141を回動させて係合爪152を下げさせる。コネクタ145がさらに右へ移動すると、バネ154が縮んでバランサ153を押す力を保ちつつ、係合爪152がコネクタ145に係合する。
図18は、保持部Hと支持枠143とを取り外した画像形成装置の斜視図である。第1排出トレイt1は、フロント側からリヤ側への方向の中央に、支持枠143と係合して支持枠143を左右へ移動させる移動機構181を備える。センサS1は、保持部Hのスリットを貫通して、保持部Hの中のシートの有無を検知する。また、保持部Hが立位を採る場合は、第1排出トレイt1上のシートの有無を検知する。第1排出トレイt1の左端は、支持枠143が右側と左側とへスライドすることに伴って保持部Hを立位と臥位とにスムースに回動させるために、鉛直方向の断面上で円い。
【0035】
図19は、移動機構181の斜視図である。移動機構181は左軸191と右軸192とを、フロント側ベルト193とリヤ側ベルト194との内側に備える。リール195が左軸191に矢印196方向の付勢モーメントを加える。左軸191の付勢モーメントが、フロント側ベルト193とリヤ側ベルト194との上辺を左へと移動させる。右軸192がフロント側ベルト193とリヤ側ベルト194とに従動回転する。支持枠143に係合するアタッチメント197はフロント側ベルト193とリヤ側ベルト194との上辺を掴む。アタッチメント197はフロント側ベルト193とリヤ側ベルト194との上辺と共に移動する。
【0036】
ストッパ141がコネクタ145に係合しているとき、移動機構181は支持枠143を左側へ付勢している。ストッパ141がコネクタ145から外れたとき移動機構181は支持枠143を左側へ移動させて保持部Hを立位にさせる。保持部Hを臥位にするためには、手動で立位の保持部Hの下部を持ち上げて支持枠143を右へ移動させてコネクタ145をストッパ141に係合させる。
リール195をモータで回転させて、自動で支持枠143を右へ移動させてコネクタ145をストッパ141に係合させるのでもよい。
【0037】
図20は、リヤ側のストッパ141をリヤ側から見た斜視図である。ワンウエイクラッチ200は、図20において反時計回りの矢印201方向にシャフト151を回すトルクを伝達し、矢印201とは逆の方向のトルクを伝達しない。ベルト202がワンウエイクラッチ200へモータ203の回転軸204の回転を伝達する。モータ203は回転軸204を、ストッパ141をコネクタ145から外すときは図20において反時計回りの矢印205方向に回し、シートを搬送するときは図20において時計回りの矢印206方向に回す。ベルト207が下側排出ローラ208へ回転軸204の回転を伝達する。下側排出ローラ208は図20において時計回りの矢印209方向に回転する。上側排出ローラ210は下側排出ローラ208に従動する。
ベルト207と下側排出ローラ208との間に、図20において矢印209とは逆方向の反時計回りのトルクを伝達しないようにワンウエイクラッチがあってもよい。
【0038】
保持部Hの移動について説明するために、CPU801の動作を説明する。図21はCPU801の動作に係るフローチャートである。
画像形成装置が印刷ジョブの実行を開始すると、2102においてCPU801は後処理部Fへジョブ開始情報を送信する。2104においてCPU801は後処理部Fから準備完了情報を受信するまで待つ(2104のNo)。CPU801は後処理部Fから準備完了情報を受信したら(2104のYes)、2106において、CPU801は変数nを0に初期化する。
2108において、CPU801は、画像形成部Pが印刷ジョブで指定された指定枚数だけ印字したかどうか認識するために変数nをチェックする。変数nが指定枚数に達していれば(2108のYes)、2110においてCPU801は後処理部Fへジョブ完了情報を送信する。2112においてCPU801は後処理部Fから停止完了情報を受信するまで待つ(2112のNo)。CPU801は後処理部Fから停止完了情報を受信したら(2112のYes)、印刷ジョブの実行を終了する。
【0039】
2108において、変数nが指定枚数に達していなければ(2108のNo)、2114においてCPU801は、保持部Hあるいは第1排出トレイt1が満杯かどうかチェックする。CPU801は例えば、センサs1がシートがあることを検知してからセンサs1がシートがないことを検知する前にシートを後処理部Fへ渡した枚数が、保持部Hあるいは第1排出トレイt1を満杯であるとする閾値以上となったら、保持部Hあるいは第1排出トレイt1が満杯であると判断する。
第1排出トレイt1が満杯でなければ(2114のNo)、2116においてCPU801は後処理部Fへ、印字するシートのサイズの情報を送信する。2118においてCPU801は画像形成部Pにシートへ印字させる。2120においてCPU801は、画像形成部Pが印字したシートを後処理部Fへ搬送させ、シートを後処理部Fへ渡したら2122において変数nを1加算し、再び2108を実行する。
【0040】
第1排出トレイt1が満杯であれば(2114のYes)、2124においてCPU801は後処理部Fへ、第1排出トレイt1が満杯であることを通知する。2126においてCPU801は後処理部Fへ、ジョブを一時停止することを通知する。2128においてCPU801は後処理部Fから、後処理部Fが一時停止の状態になったことを知らされるまで待つ(2128のNo)。CPU801は後処理部Fから、後処理部Fが一時停止の状態になったことを知らされたら(2128のYes)、2130において、保持部Hあるいは第1排出トレイt1の満杯が解除されたかどうかチェックする。CPU801は例えば、保持部Hあるいは第1排出トレイt1が満杯であると判断した後にセンサs1がシートがないことを検知したら、保持部Hあるいは第1排出トレイt1の満杯が解除されたと判断する。
【0041】
2130においてCPU801は保持部Hあるいは第1排出トレイt1の満杯が解除されるまで待つ(2130のNo)。CPU801は、保持部Hあるいは第1排出トレイt1の満杯が解除されたら(2130のYes)、2132において後処理部Fへ、ジョブを再開することを通知する。2134においてCPU801は後処理部Fから、後処理部Fが再開の準備を整えたことを知らされるまで待つ(2134のNo)。CPU801は、後処理部Fが再開の準備を整えたことを知らされたら(2134のYes)、2116を実行する。
【0042】
保持部Hの移動について説明する。図22はジョブ情報取得部101の動作に係るフローチャートである。
画像形成装置が印刷ジョブの実行を開始すると、2202においてジョブ情報取得部101はCPU801から、印刷ジョブの実行を開始したことを通知されるまで待つ(2202のNo)。ジョブ情報取得部101は、印刷ジョブの実行を開始したことをCPU801から通知されたら(2202のYes)、2204において、移動制御部105に排出ローラ805を駆動させ始める。排出ローラ805を駆動させる方向は、図20における209の方向である。
【0043】
2206においてジョブ情報取得部101は、CPU801へ準備完了情報を送信する。2208において、ジョブ情報取得部101は、CPU801からジョブ完了情報を受信したかどうかチェックする。ジョブ情報取得部101は、シートを画像形成部Pから受け取る度に2208を実行する。ジョブ情報取得部101は、CPU801からジョブ完了情報を受信したら(2208のYes)、2210において移動制御部105に排出ローラ805を停止させ、2212においてジョブ情報取得部101はCPU801へ停止完了情報を送信し、動作を終了する。
ジョブ情報取得部101は、CPU801からジョブ完了情報をまだ受信していなかったら(2208のNo)、2214においてジョブ情報取得部101は、第1排出トレイt1が満杯であることをCPU801から通知されたかどうかチェックする。ジョブ情報取得部101は、第1排出トレイt1が満杯であることをCPU801から通知されていなければ(2214のNo)、次のシートを画像形成部Pから受け取ると2208を再び実行する。
【0044】
ジョブ情報取得部101は、第1排出トレイt1が満杯であることをCPU801から通知されていたら(2214のYes)、2216においてCPU801からジョブを一時停止することを受信するまで待つ(2216のNo)。ジョブ情報取得部101は、2216においてCPU801からジョブを一時停止することを受信したら(2216のYes)、2218において、移動制御部105に排出ローラ805の駆動を停めさせる。ジョブ情報取得部101は、2220において、移動制御部105に排出ローラ805を逆方向へ駆動させる。排出ローラ805を逆方向へ駆動させる量は、ストッパ141がコネクタ145から外れる程度でよい。
【0045】
ジョブ情報取得部101は、2222においてCPU801からジョブを再開することを通知されるまで待つ(2222のNo)。ジョブ情報取得部101は2224において、移動制御部105に排出ローラ805を駆動させ始める。排出ローラ805を駆動させる方向は、図20における209の方向である。
ジョブ情報取得部101は、2226においてCPU801へ、後処理部Fが再開の準備を整えたこと通知し、次のシートを画像形成部Pから受け取ると2208を再び実行する。
【0046】
(第6の実施の形態)
図23は保持部Hが臥位である画像形成装置の斜視図である。画像形成部Pは上面に第1排出トレイt1を備える。第1排出トレイt1は左側が低くなるよう、水平に対して傾いている。画像形成部Pは、第1排出トレイt1の右側上方に排出口Q1を有する。画像形成部Pは、第1排出トレイt1のフロント側とリヤ側とのそれぞれにガイド2342を有する。
保持部Hは両ガイド2342の間を両ガイド2342に沿って第1排出トレイt1の上を右側上方と左側下方とへスライドする。保持部Hは、第1排出トレイt1の上にあるときに臥位を採る。第6の実施の形態における保持部Hの臥位は、第1排出トレイt1に沿って傾いた姿勢である。
【0047】
図24は保持部Hが立位である画像形成装置の斜視図である。保持部Hは、左側下方へ移動すると第1排出トレイt1による支持を失って回動して落下して立位を採る。立位では、シート受けHtは垂直であってもよいが、水平に対して45度以上90度以下であってよい。第1排出トレイt1の左端は、保持部Hを立位と臥位とにスムースに回動させるために、鉛直方向の断面上で円い。
立位にある保持部Hのシート受けHtの上端にコネクタ145がある。保持部Hは、保持部Hを立位から臥位へ手動で移動させるためのハンドルHhを備える。ハンドルHhは、保持部Hを立位から臥位へ手動で移動させるときに手が画像読取部Rにあまり干渉しないよう、立位にある保持部Hの左側の下端にある。スリット2344が、第1排出トレイt1の右上方の延長線上かつ排出口Q1の下方にある。
【0048】
図25は保持部Hの変形例の斜視図である。ハンドルHhは、立位から臥位へ手動で移動させるときに、人が腰を曲げずに高い位置で作業できるように、立位にある保持部Hの左側の下端よりも上にあってもよい。ハンドルHhは、立位にある保持部Hの左側の上端にあってもよい。
【0049】
図26は、保持部Hが立位である画像形成装置の透視図である。リール2502が、第1排出トレイt1の右上端の下にある。保持部Hが立位から臥位へ移動するときにベルト2504を巻きとるために、リール2502はベルト2504を第1排出トレイt1の右上端へと巻き上げるよう付勢される。ベルト2504の左下端は保持部Hの右側を支持する。ベルト2504は両ガイド2342の間にある。保持部Hが立位であるときに排出口Q1が排出するシートはベルト2504上を滑落する。シート受けHtの右側がベルト2504上を滑落するシートを止める。モータがリール2502を、ベルト2504を第1排出トレイt1の右上端へと巻き上げるよう駆動するのでもよい。
【0050】
図27は、保持部Hが臥位である画像形成装置の透視図である。シート受けHtの上端が、第1排出トレイt1の右上方の延長線上かつ排出口Q1の下方にあるスリット2344に入る。スリット2344のなか右上方にストッパ141がある。ストッパ141は、コネクタ145に係合する。ストッパ141がコネクタ145を解放すると、保持部Hは自重でリール2502の付勢に抗って、左側下方へ移動する。
【0051】
(第7の実施の形態)
続いて、第7の実施の形態について説明する。
図28は、第7の実施の形態による画像形成装置の斜視図である。
同図に示すように、画像形成装置は、第2排出トレイt2が、同図におけるx軸方向に移動可能となっている。
【0052】
図29は、第7の実施の形態による画像形成装置における第2排出トレイt2を移動させるトレイ移動機構の詳細および機能ブロックである。
同図に示すように、トレイ移動機構は、ラック706a、ピニオン706bおよびモータ706cから構成されている。このような構成のトレイ移動機構により、第2排出トレイt2を、排出口Q2からのシート排出方向と直交する水平方向(図28におけるx軸方向)に移動させる。
【0053】
また、画像形成装置は、ジョブ情報取得部501、トレイ移動制御部502およびシート検知部503を備えている。
ジョブ情報取得部501は、画像形成装置における印刷ジョブの実行状況に関する情報を例えばCPU801から取得する。
トレイ移動制御部502は、トレイ移動機構による第2排出トレイt2の移動を制御することにより、排出口Q2から排出されるシートを、第2排出トレイt2上でソートさせる(図30を参照)。
【0054】
具体的に、トレイ移動制御部502は、ジョブ情報取得部501にてCPU801等から取得される情報に基づいて、画像形成装置におけるジョブの実行が完了したときに、第2排出トレイt2をソート動作時における移動範囲(第1の位置〜第2の位置)よりも装置手前側(x軸方向手前側)(第3の位置)に移動させる。
また、トレイ移動制御部502は、画像形成装置におけるジョブの実行が完了したときに、第2排出トレイt2をソート動作時における移動範囲よりも装置手前側に移動させた後、一定時間経過後(例えば、60秒経過後)に第1排出トレイt1上の所定の待機位置に移動させる画像形成装置。
シート検知部503は、第2排出トレイt2上に載置されたシートの有無を検知する役割を有する。
【0055】
トレイ移動制御部502は、画像形成装置におけるジョブの実行が完了したときに、第2排出トレイt2をソート動作時における移動範囲よりも装置手前側に移動させた後、シート検知部503によりシートが検知されなくなった後に(すなわち、ユーザによってシートが取り除かれた後に)第1排出トレイt1上の所定の待機位置に移動させる。
【0056】
また、トレイ移動制御部502は、ソート動作時における第2排出トレイt2の移動範囲が、画像読取部Rの直下の領域(フットプリント)内に収まるように第2排出トレイt2の移動を制御する(図31を参照)。
【0057】
このように、第2排出トレイt2によるソート動作時に、第2排出トレイt2と第2排出トレイt2上のシートとが画像読取部Rのフットプリントからはみ出さないように、第2排出トレイt2の移動を制御することにより、ソート動作中の第2排出トレイt2と装置外にあるものやユーザとの干渉の発生を回避することができる。
なお、トレイ移動制御部502は、画像形成装置におけるジョブの終了後に、第2排出トレイt2を、画像形成装置の外側(画像読取部のフットプリントよりも外側)に突き出す位置まで移動させてもよい(図32を参照)。
【0058】
このような構成とすることにより、胴内排紙型の画像形成装置において、胴内に複数の排出トレイを設けた場合でも、処理後のシートが載置された第2排出トレイt2が装置手前側に移動するため、ユーザは処理後のシートに容易にアクセスすることができ、操作性が良い。
【0059】
特に、シート排出方向と直交する方向に位置をずらしてシートのソートを行なう場合において、第2排出トレイt2上における装置手前側から見て奥側にソートされるシートがとりづらくなるといった事態を回避することができる。
【0060】
上述の各実施の形態による画像形成装置での処理における各動作は、記憶部802に格納されている排出シート管理プログラムをCPU801に実行させることにより実現されるものである。
【0061】
更に、画像形成装置を構成するコンピュータにおいて上述した各動作を実行させるプログラムを、排出シート管理プログラムとして提供することができる。本実施の形態では、プログラムが、装置内部に設けられた記憶領域に予め記録されている場合を例示したが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様のプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、回線上の伝送媒体などが挙げられる。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0062】
なお、プログラムは、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
【0063】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0064】
A 自動原稿搬送部、R 画像読取部、P 画像形成部、F 後処理部、t1 第1排出トレイ、t2 第2排出トレイ、H 保持部。
【技術分野】
【0001】
この明細書は、画像形成装置等から排出されるシートを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置にて画像が形成されたシートや、画像が形成された後にソート、ステイプル等のいわゆる後処理されたシートは、所定の排出トレイ上に排出される。
【0003】
しかしながら、一つの排出トレイ上に載置可能なシート枚数には限界がある。画像形成装置における印字枚数が多い場合等、排出トレイに排出されるシート枚数が当該排出トレイに積載可能なシート枚数を超える場合には、排出トレイ上に積載されたシートをユーザが手作業で適宜取り除かなければ印刷処理を続行することができなかった。
【0004】
また一方、オフィス内で使用される画像形成装置においては、設置スペースの省スペース化や、装置の小型化などを図るための構成である、「胴内排紙型」の画像形成装置が知られる。「胴内排紙型」の画像形成装置では、処理済みのシートが装置中央付近に設けられた排紙トレイに排紙される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、「胴内排紙型」の画像形成装置は、省スペース化の観点では優れるものの、排紙トレイ上方の空間は例えばスキャナ等の構成部分や、当該排紙トレイ直上に更に設けられる他の排紙トレイにより占有されており、ユーザが排紙トレイ上のシートを確認する際の視認性が悪い場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、いわゆる胴内排紙型の画像形成装置において、装置から排出されるシートの取り扱いの利便性を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この明細書は、装置上方に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、少なくとも一部が前記画像読取部の下方に位置し、装置の排出口から排出されるシートを受ける排出トレイと、所定のシート受けを有し、該シート受けにて受けたシートを保持する保持部と、前記排出トレイ上に位置するとともに、前記排出口から排出されるシートを前記保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、前記保持部が前記排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように前記排出トレイ上から退避している退避位置との間で、前記保持部を移動させる移動機構と、を備える画像形成装置に関する。
【0008】
また、この明細書は、装置上方に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、少なくとも一部が前記画像読取部の下方に位置し、装置の排出口から排出されるシートを受ける排出トレイと、所定のシート受けを有し、該シート受けにて受けたシートを保持する保持部と、を備える画像形成装置における排出シート管理方法であって、前記排出トレイ上に位置するとともに、前記排出口から排出されるシートを前記保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、前記保持部が前記排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように前記排出トレイ上から退避している退避位置との間で、前記保持部を移動させる排出シート管理方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
以上に詳述したように、本発明によれば、いわゆる胴内排紙型の画像形成装置において、装置から排出されるシートの取り扱いの利便性を向上させることのできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置の斜視図である。
【図2】画像形成装置の画像読取部Rおよび画像形成部P付近の縦断面図である。
【図3】画像形成装置における移動機構の図である。
【図4】第1の実施の形態による画像形成装置の機能ブロック図である。
【図5】保持部Hの移動制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】保持部Hが「シート受け位置」に移動する状態を示す図である。
【図7】保持部Hが「シート受け位置」に移動する状態を示す図である。
【図8】保持部Hのシート受けHtにてシートを受ける様子を示す図である。
【図9】保持部Hを「退避位置」に移動させる様子を示す図である。
【図10】保持部Hを「退避位置」に移動させる様子を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における保持部Hの移動制御の流れを示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図13】第4の実施の形態による画像形成装置の構成の構成図である。
【図14】第5の実施の形態による画像形成装置の斜視図である。
【図15】保持部を格納した画像形成装置の斜視図である。
【図16】ストッパとコネクタとをフロント側から見た図である。
【図17】ストッパが係合したコネクタをフロント側から見た図である。
【図18】保持部と支持枠とを取り外した画像形成装置の斜視図である。
【図19】移動機構の斜視図である。
【図20】リヤ側のストッパをリヤ側から見た斜視図である。
【図21】CPUの動作に係るフローチャートである。
【図22】ジョブ情報取得部の動作に係るフローチャートである。
【図23】第6の実施の形態による、保持部が臥位である画像形成装置の斜視図である。
【図24】保持部が立位である画像形成装置の斜視図である。
【図25】保持部の変形例の斜視図である。
【図26】保持部が立位である画像形成装置の透視図である。
【図27】保持部が臥位である画像形成装置の透視図である。
【図28】第7の実施の形態による画像形成装置の斜視図である。
【図29】第7の実施の形態による画像形成装置における第2排出トレイt2を移動させるトレイ移動機構の詳細および機能ブロックである。
【図30】第2排出トレイt2上でのシートのソート処理の図である。
【図31】ソート動作時における第2排出トレイt2の移動範囲の図である。
【図32】ジョブの終了後に、第2排出トレイt2が画像形成装置の外側に突き出す様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、画像形成装置(MFP:Multi Function Peripheral)の斜視図である。
画像形成装置は、自動原稿搬送部Aと、画像読取部Rと、画像形成部Pと、後処理部Fと、第1排出トレイt1と、第2排出トレイt2と、保持部Hと、移動機構と、を備える。
【0012】
自動原稿搬送部Aは、トレイAtに載置される複数枚の原稿を、画像読取部Rによる所定の原稿読み取り位置へ向けて連続的に自動搬送する機能を有する。
画像読取部Rは、画像形成装置本体の上方に配置されており、自動原稿搬送部Aにより自動搬送されるシート原稿や、不図示の原稿載置台に載置されるシート原稿やブック原稿の画像をスキャンして読み取る機能を有する。
画像形成部Pは、画像読取部Rにて原稿から読み取られた画像や画像形成装置にて外部機器から受信した画像データ等に基づいて、給紙カセットKから供給されるシートに現像剤像を形成する機能を有する。
後処理部Fは、画像形成部Pにより画像が形成されたシートに対して、ステイプル処理、パンチ処理、製本処理等の後処理をする機能を有する。後処理部Fは、後処理をしたシート束を、シート排出口から排出する。
【0013】
第1排出トレイt1および第2排出トレイt2は、シート排出口の下流側にある。第1排出トレイt1は、画像読取部Rの下にある。第1排出トレイt1は、少なくとも一部が画像読取部Rのフットプリントの範囲内にある。第2排出トレイt2は、第1排出トレイt1の上方かつ画像読取部Rの下方にある。図2は、画像形成装置の画像読取部Rおよび画像形成部P付近の縦断面図である。
画像形成部Pにて画像が形成されたシートおよび後処理部Fにて後処理されたシートは、排出先変更フラップ804によって切り替えられる排出経路を経て、排出ローラ805によって第1排出トレイt1および第2排出トレイt2のいずれか一方に排出される。また、画像形成装置は、第1排出トレイt1上にシートがあるか否かを検知するセンサS1を備える。
【0014】
保持部Hは、所定のシート受けHtを有し、このシート受けHtにて受けたシートを保持する。保持部Hの構成の詳細については後述する。
図3は、画像形成装置における移動機構の図である。
ラック806aとピニオン806bは、協働して移動機構として動作する。具体的に、上記移動機構は、第1排出トレイt1上に位置するとともに、排出口Q1から排出されるシートを保持部Hの所定のシート受けHtにて受ける「シート受け位置」と、保持部Hが排出トレイt1上に載置されるシートに当接しないように排出トレイt1上にない「退避位置」との間で、保持部Hを移動させる。ピニオン806bは、保持部Hに支持されるモータ806cにより回転駆動され、ラック806aと係合して保持部Hを移動させる。ラック806aが保持部Hに支持されモータ806cが画像形成装置本体に支持されるのでもよい。
【0015】
ここで、「保持」とは、保持部Hが「シート受け位置」から「退避位置」までの間を移動するときに、所定のシート受けHtにて受けたシートのシート受けHtに対する位置関係がほぼ変わらないように維持することである。
具体的に、保持部Hは、「シート受け位置」に位置する状態において排出口Q1に対向する側に、シートを受け入れる開口部Hnを有する箱形状に形成されている。また、保持部Hは、シート受けHtにシートが存在しているか否かを検知するセンサS2を備えている。
【0016】
保持部Hは、「退避位置」において、画像形成装置の右側面および左側面の内の、排出口Q1からのシート排出方向下流側に位置する側の側面に隣接している。
このように、保持部Hを画像形成装置本体の右側面もしくは左側面に沿うように退避させることにより、移動する保持部Hが装置手前側(図1におけるX軸方向手前側)に突き出すことがなく、装置手前側から装置を操作するユーザの操作性を妨げることがない。
なお、排出トレイを複数段設けることにより、画像形成装置が備える複数の機能(FAX機能、プリント機能、コピー機能など)を利用する場合に、ジョブの内容やユーザの指定に基づいて任意の排出トレイ上にシートを排出することができる。これにより、FAX機能によって印字されたシートは第1排出トレイ上に排出し、コピー機能によって印字されたシートは第2排出トレイ上に排出する、といった処理が可能となる。
【0017】
図4は、画像形成装置の機能ブロック図である。
画像形成装置の画像形成部Pは、CPU801、記憶部802、センサS1(シート検知部に相当)およびセンサS2(満杯検知部および保持シート検知部に相当)を備える。CPU801は、記憶部802に格納されているプログラムを実行することにより自動原稿搬送部Aと画像読取部Rと画像形成部Pとの各種処理を制御する。 センサS1(シート検知部)は、排出トレイt1上にあるシートの有無を検知する。 センサS2(満杯検知部)は、保持部Hにおけるシート保持枚数が所定の保持限界枚数を超えるか否かを検知する。また、センサS2(保持シート検知部)は、保持部Hにて保持されているシートの有無を検知する。
【0018】
後処理部Fは、ジョブ情報取得部101、移動制御部105およびモータ806cを備える。ジョブ情報取得部101は、画像形成装置における印刷ジョブの実行状況に関する情報をCPU801から取得する。またジョブ情報取得部101は、後処理部Fの状態や移動制御部105の状態に関する情報をCPU801へ提供する。移動制御部105は、例えばモータ806cなどの移動機構による、保持部Hの移動を制御する。
【0019】
図5は、保持部Hの移動制御の流れを示すフローチャートである。
保持部Hは、画像形成装置の電源投入時、スリープ状態からの復帰時、ジョブが完了した状態では、「退避位置」に位置している。同図に示すフローチャートでは、保持部Hが上記「退避位置」にある状態(図1に示す状態)から処理が始まる場合を例に挙げる。
まず、移動制御部105は、ジョブ情報取得部101にて取得される情報に基づいて、画像形成装置において印刷ジョブの実行が開始されるか否かを判定する(ACT101)。ジョブ情報取得部101は、画像形成装置にて実行されるジョブに関する情報を、たとえばCPU801等から取得する。
【0020】
画像形成装置において印刷ジョブの実行が開始される場合(ACT101,Yes)、CPU801は、センサS2による検知結果に基づいて、保持部Hにてシートが限界枚数まで保持されているか否かを判定する(ACT102)。
保持部Hにて保持されているシート枚数が限界枚数に達していない場合、CPU801は、センサS1による検知結果に基づいて、第1排出トレイt1上にシートがあるか否かを判定する(ACT103)。
【0021】
第1排出トレイt1上にシートがない場合(ACT103,No)、CPU801は、保持部Hを「シート受け位置」に移動させ(図6および図7を参照)、保持部Hのシート受けHtにてシートを受け(図8を参照)、画像形成装置における印刷ジョブの実行が完了したときに保持部Hを「退避位置」に移動させる(ACT104)(図9および図10を参照)。
一方、画像形成装置において印刷ジョブの実行が開始されない場合(ACT101,No)、CPU801は、センサS2にて保持部Hにて保持されているシート枚数が、保持部Hにて保持可能な限界枚数(保持限界枚数)に達すると検知されている場合(ACT102,Yes)、もしくは、センサS1にて排出トレイ上にシートがあると検知されている場合(ACT103,Yes)には、保持部Hを「シート受け位置」へ移動させることなく、「退避位置」を維持する。
【0022】
このような構成とすることにより、第1排出トレイt1上にシートがあるにも拘わらず、保持部Hを「シート受け位置」に移動させてしまい、第1排出トレイt1上のシートを折り曲げてしまったり、保持部H内にシートが保持されている状態で保持部H内に新たにシートを進入させることにより保持部H内でのシート詰まりを生じたりする事態を回避することができる。
また、シート受けHtに対するシートの保持方法としては、保持部が移動する際に、結果としてシートを保持することができればよい。例えば、箱形状の保持部H内にシートを収容する構成としてもよいし、バネ等を用いて板状の部材に付勢する構成とすることもできる。
このように、排出トレイを複数段設ける場合でも、上段側の排出トレイによって下段側の排出トレイ上のシートの視認性が悪くなるという問題を回避することが可能となる。
【0023】
(第2の実施の形態)
続いて、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは、保持部の移動方向が異なる。
【0024】
図11は、第2の実施の形態における保持部Hの移動制御の流れを示すフローチャートである。同図に示すフローチャートでは、ACT102の動作に相当する処理のみが変更されている。
具体的に、ACT102に相当するACT102’において、センサS2により保持部Hにてシートが保持されていないと検知した場合(ACT102’,No)、ACT103へと進む。
【0025】
移動制御部105は、センサS2にて保持部Hにてシートが保持されていると検知されている場合(ACT102’,Yes)には、保持部Hを「シート受け位置」へ移動させることなく、「退避位置」を維持する。
本実施の形態では、保持部Hにて保持されているシートが例え少数枚である場合であっても、続けて保持部H内に搬送されるシート枚数が多い場合には、保持部H内におけるシート詰まりが発生する可能性があることを考慮し、保持部Hにて1枚でもシートが保持されている場合には、「シート受け位置」への移動を禁止する構成としている。
【0026】
(第3の実施の形態)
続いて、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態とは、保持部の移動方向が異なる。
【0027】
図12は、第3の実施の形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。
保持部Hは、不図示の移動機構により矢印で示す移動方向に移動可能に設けられており、「退避位置」において、画像形成装置の正面側の側面に隣接する構成となっている。
このように、保持部Hを画像形成装置本体の手前側に退避させる構成とすることにより、通常スペースが確保されている画像形成装置本体の手前側の空間を有効利用することができる。また、装置の手前側に保持部Hを移動させる構成とすることで、装置の左右側面側に保持部Hを移動させるための特別なスペースを確保する必要がなく、設置スペースの削減にも寄与することができる。
【0028】
また、移動制御部101は、上記移動機構による保持部Hの移動を制御する機能を有する。
移動制御部101は、「シート受け位置」から「退避位置」までの移動範囲内における保持部Hの移動を制御することにより、保持部Hのシート受けHtに積載されるシートのソートを行う。
このように、装置から排出されるシートを排出トレイt1上から退避させるための保持部Hの移動機構を、シートのソート処理にも兼用することにより、上記移動機構の有効利用が図れ、装置の多機能化にも寄与することができる。
【0029】
(第4の実施の形態)
続いて、第4の実施の形態について説明する。
図13は、第4の実施の形態による画像形成装置の構成図である。
同図に示すように、保持部H’は、少なくともその移動時に第1の排出トレイt1に対応する壁面が屈曲可能な構成となっている。
【0030】
これにより、保持部H’が移動機構によって「退避位置」と「シート受け位置」との間を移動する際に、画像形成装置外側への突出量を少なくすることができる。このような構成とすることで、画像形成装置の設置スペースの省スペース化およびユーザの操作の利便性の向上に寄与することができる。
【0031】
(第5の実施の形態)
図14は画像形成装置の斜視図である。画像形成装置の、図14においてMで指す側をフロント側、Nで指す側をリヤ側、Vで指す側を左側、Uで指す側を右側とする。画像形成装置は、画像形成部Pと画像読取部Rを備える。
画像形成部Pは上面に第1排出トレイt1を備える。画像形成部Pは、第1排出トレイt1の右側上方に排出口Q1を有する。画像形成部Pは、第1排出トレイt1のフロント側とリヤ側とのそれぞれにレール142を有する。
【0032】
支持枠143は、フロント側とリヤ側のレール142に架かる。支持枠143は、レール142上を右側と左側とへスライドする。支持枠143のフロント側からリヤ側への方向の長さは、画像形成部Pのフットプリントの内側にあるとよい。さらに言えば、支持枠143のフロント側からリヤ側への方向の長さは、画像読取部Rのフットプリントの内側にあるとよい。支持枠143は、保持部Hを回転軸144まわりに立位と臥位とに回動するよう支持する。支持枠143がレール142の最も左へと移動すると、回転軸144が第1排出トレイt1のフットプリントの外へ出る。すると、保持部Hは第1排出トレイt1による支持を失って回転軸144まわりに回動して落下して立位を採る。立位では、シート受けHtは垂直であってもよいが、水平に対して45度以上90度以下であってよい。
画像形成部Pは排出口Q1のフロント側とリヤ側とにストッパ141を備える。ストッパ141は、支持枠143のコネクタ145に係合する。
【0033】
図15は、保持部Hを格納した画像形成装置の斜視図である。支持枠143がレール142の最も右へと移動すると、保持部Hは第1排出トレイt1によって右側を支持されて臥位を採る。臥位では、シート受けHtは水平であってもよいが、水平に対して45度以下であってよい。臥位の保持部Hは画像形成部Pのフットプリントの内側にあるとよい。
図16は、ストッパ141とコネクタ145とをフロント側から見た図である。ストッパ141はシャフト151まわりに回動する。ストッパ141は、シャフト151の左側に係合爪152を、そしてシャフト151の右側にバランサ153を備える。バランサ153は係合爪152よりも重く、ストッパ141の重心はシャフト151よりも右側にあるので、ストッパ141は図16において時計回りに回ろうとする。コネクタ145は右側にバネ154を支持する。バネ154はコネクタ145の右側に支持されるのではなくバランサ153の左側に支持されるのでもよい。
【0034】
図17はストッパ141とコネクタ145とをフロント側から見た図である。コネクタ145が右へ移動してストッパ141に近づくと、バネ154がシャフト151の下方でバランサ153に当接する。コネクタ145がさらに右へ移動すると、バネ154がバランサ153を押してストッパ141を回動させて係合爪152を下げさせる。コネクタ145がさらに右へ移動すると、バネ154が縮んでバランサ153を押す力を保ちつつ、係合爪152がコネクタ145に係合する。
図18は、保持部Hと支持枠143とを取り外した画像形成装置の斜視図である。第1排出トレイt1は、フロント側からリヤ側への方向の中央に、支持枠143と係合して支持枠143を左右へ移動させる移動機構181を備える。センサS1は、保持部Hのスリットを貫通して、保持部Hの中のシートの有無を検知する。また、保持部Hが立位を採る場合は、第1排出トレイt1上のシートの有無を検知する。第1排出トレイt1の左端は、支持枠143が右側と左側とへスライドすることに伴って保持部Hを立位と臥位とにスムースに回動させるために、鉛直方向の断面上で円い。
【0035】
図19は、移動機構181の斜視図である。移動機構181は左軸191と右軸192とを、フロント側ベルト193とリヤ側ベルト194との内側に備える。リール195が左軸191に矢印196方向の付勢モーメントを加える。左軸191の付勢モーメントが、フロント側ベルト193とリヤ側ベルト194との上辺を左へと移動させる。右軸192がフロント側ベルト193とリヤ側ベルト194とに従動回転する。支持枠143に係合するアタッチメント197はフロント側ベルト193とリヤ側ベルト194との上辺を掴む。アタッチメント197はフロント側ベルト193とリヤ側ベルト194との上辺と共に移動する。
【0036】
ストッパ141がコネクタ145に係合しているとき、移動機構181は支持枠143を左側へ付勢している。ストッパ141がコネクタ145から外れたとき移動機構181は支持枠143を左側へ移動させて保持部Hを立位にさせる。保持部Hを臥位にするためには、手動で立位の保持部Hの下部を持ち上げて支持枠143を右へ移動させてコネクタ145をストッパ141に係合させる。
リール195をモータで回転させて、自動で支持枠143を右へ移動させてコネクタ145をストッパ141に係合させるのでもよい。
【0037】
図20は、リヤ側のストッパ141をリヤ側から見た斜視図である。ワンウエイクラッチ200は、図20において反時計回りの矢印201方向にシャフト151を回すトルクを伝達し、矢印201とは逆の方向のトルクを伝達しない。ベルト202がワンウエイクラッチ200へモータ203の回転軸204の回転を伝達する。モータ203は回転軸204を、ストッパ141をコネクタ145から外すときは図20において反時計回りの矢印205方向に回し、シートを搬送するときは図20において時計回りの矢印206方向に回す。ベルト207が下側排出ローラ208へ回転軸204の回転を伝達する。下側排出ローラ208は図20において時計回りの矢印209方向に回転する。上側排出ローラ210は下側排出ローラ208に従動する。
ベルト207と下側排出ローラ208との間に、図20において矢印209とは逆方向の反時計回りのトルクを伝達しないようにワンウエイクラッチがあってもよい。
【0038】
保持部Hの移動について説明するために、CPU801の動作を説明する。図21はCPU801の動作に係るフローチャートである。
画像形成装置が印刷ジョブの実行を開始すると、2102においてCPU801は後処理部Fへジョブ開始情報を送信する。2104においてCPU801は後処理部Fから準備完了情報を受信するまで待つ(2104のNo)。CPU801は後処理部Fから準備完了情報を受信したら(2104のYes)、2106において、CPU801は変数nを0に初期化する。
2108において、CPU801は、画像形成部Pが印刷ジョブで指定された指定枚数だけ印字したかどうか認識するために変数nをチェックする。変数nが指定枚数に達していれば(2108のYes)、2110においてCPU801は後処理部Fへジョブ完了情報を送信する。2112においてCPU801は後処理部Fから停止完了情報を受信するまで待つ(2112のNo)。CPU801は後処理部Fから停止完了情報を受信したら(2112のYes)、印刷ジョブの実行を終了する。
【0039】
2108において、変数nが指定枚数に達していなければ(2108のNo)、2114においてCPU801は、保持部Hあるいは第1排出トレイt1が満杯かどうかチェックする。CPU801は例えば、センサs1がシートがあることを検知してからセンサs1がシートがないことを検知する前にシートを後処理部Fへ渡した枚数が、保持部Hあるいは第1排出トレイt1を満杯であるとする閾値以上となったら、保持部Hあるいは第1排出トレイt1が満杯であると判断する。
第1排出トレイt1が満杯でなければ(2114のNo)、2116においてCPU801は後処理部Fへ、印字するシートのサイズの情報を送信する。2118においてCPU801は画像形成部Pにシートへ印字させる。2120においてCPU801は、画像形成部Pが印字したシートを後処理部Fへ搬送させ、シートを後処理部Fへ渡したら2122において変数nを1加算し、再び2108を実行する。
【0040】
第1排出トレイt1が満杯であれば(2114のYes)、2124においてCPU801は後処理部Fへ、第1排出トレイt1が満杯であることを通知する。2126においてCPU801は後処理部Fへ、ジョブを一時停止することを通知する。2128においてCPU801は後処理部Fから、後処理部Fが一時停止の状態になったことを知らされるまで待つ(2128のNo)。CPU801は後処理部Fから、後処理部Fが一時停止の状態になったことを知らされたら(2128のYes)、2130において、保持部Hあるいは第1排出トレイt1の満杯が解除されたかどうかチェックする。CPU801は例えば、保持部Hあるいは第1排出トレイt1が満杯であると判断した後にセンサs1がシートがないことを検知したら、保持部Hあるいは第1排出トレイt1の満杯が解除されたと判断する。
【0041】
2130においてCPU801は保持部Hあるいは第1排出トレイt1の満杯が解除されるまで待つ(2130のNo)。CPU801は、保持部Hあるいは第1排出トレイt1の満杯が解除されたら(2130のYes)、2132において後処理部Fへ、ジョブを再開することを通知する。2134においてCPU801は後処理部Fから、後処理部Fが再開の準備を整えたことを知らされるまで待つ(2134のNo)。CPU801は、後処理部Fが再開の準備を整えたことを知らされたら(2134のYes)、2116を実行する。
【0042】
保持部Hの移動について説明する。図22はジョブ情報取得部101の動作に係るフローチャートである。
画像形成装置が印刷ジョブの実行を開始すると、2202においてジョブ情報取得部101はCPU801から、印刷ジョブの実行を開始したことを通知されるまで待つ(2202のNo)。ジョブ情報取得部101は、印刷ジョブの実行を開始したことをCPU801から通知されたら(2202のYes)、2204において、移動制御部105に排出ローラ805を駆動させ始める。排出ローラ805を駆動させる方向は、図20における209の方向である。
【0043】
2206においてジョブ情報取得部101は、CPU801へ準備完了情報を送信する。2208において、ジョブ情報取得部101は、CPU801からジョブ完了情報を受信したかどうかチェックする。ジョブ情報取得部101は、シートを画像形成部Pから受け取る度に2208を実行する。ジョブ情報取得部101は、CPU801からジョブ完了情報を受信したら(2208のYes)、2210において移動制御部105に排出ローラ805を停止させ、2212においてジョブ情報取得部101はCPU801へ停止完了情報を送信し、動作を終了する。
ジョブ情報取得部101は、CPU801からジョブ完了情報をまだ受信していなかったら(2208のNo)、2214においてジョブ情報取得部101は、第1排出トレイt1が満杯であることをCPU801から通知されたかどうかチェックする。ジョブ情報取得部101は、第1排出トレイt1が満杯であることをCPU801から通知されていなければ(2214のNo)、次のシートを画像形成部Pから受け取ると2208を再び実行する。
【0044】
ジョブ情報取得部101は、第1排出トレイt1が満杯であることをCPU801から通知されていたら(2214のYes)、2216においてCPU801からジョブを一時停止することを受信するまで待つ(2216のNo)。ジョブ情報取得部101は、2216においてCPU801からジョブを一時停止することを受信したら(2216のYes)、2218において、移動制御部105に排出ローラ805の駆動を停めさせる。ジョブ情報取得部101は、2220において、移動制御部105に排出ローラ805を逆方向へ駆動させる。排出ローラ805を逆方向へ駆動させる量は、ストッパ141がコネクタ145から外れる程度でよい。
【0045】
ジョブ情報取得部101は、2222においてCPU801からジョブを再開することを通知されるまで待つ(2222のNo)。ジョブ情報取得部101は2224において、移動制御部105に排出ローラ805を駆動させ始める。排出ローラ805を駆動させる方向は、図20における209の方向である。
ジョブ情報取得部101は、2226においてCPU801へ、後処理部Fが再開の準備を整えたこと通知し、次のシートを画像形成部Pから受け取ると2208を再び実行する。
【0046】
(第6の実施の形態)
図23は保持部Hが臥位である画像形成装置の斜視図である。画像形成部Pは上面に第1排出トレイt1を備える。第1排出トレイt1は左側が低くなるよう、水平に対して傾いている。画像形成部Pは、第1排出トレイt1の右側上方に排出口Q1を有する。画像形成部Pは、第1排出トレイt1のフロント側とリヤ側とのそれぞれにガイド2342を有する。
保持部Hは両ガイド2342の間を両ガイド2342に沿って第1排出トレイt1の上を右側上方と左側下方とへスライドする。保持部Hは、第1排出トレイt1の上にあるときに臥位を採る。第6の実施の形態における保持部Hの臥位は、第1排出トレイt1に沿って傾いた姿勢である。
【0047】
図24は保持部Hが立位である画像形成装置の斜視図である。保持部Hは、左側下方へ移動すると第1排出トレイt1による支持を失って回動して落下して立位を採る。立位では、シート受けHtは垂直であってもよいが、水平に対して45度以上90度以下であってよい。第1排出トレイt1の左端は、保持部Hを立位と臥位とにスムースに回動させるために、鉛直方向の断面上で円い。
立位にある保持部Hのシート受けHtの上端にコネクタ145がある。保持部Hは、保持部Hを立位から臥位へ手動で移動させるためのハンドルHhを備える。ハンドルHhは、保持部Hを立位から臥位へ手動で移動させるときに手が画像読取部Rにあまり干渉しないよう、立位にある保持部Hの左側の下端にある。スリット2344が、第1排出トレイt1の右上方の延長線上かつ排出口Q1の下方にある。
【0048】
図25は保持部Hの変形例の斜視図である。ハンドルHhは、立位から臥位へ手動で移動させるときに、人が腰を曲げずに高い位置で作業できるように、立位にある保持部Hの左側の下端よりも上にあってもよい。ハンドルHhは、立位にある保持部Hの左側の上端にあってもよい。
【0049】
図26は、保持部Hが立位である画像形成装置の透視図である。リール2502が、第1排出トレイt1の右上端の下にある。保持部Hが立位から臥位へ移動するときにベルト2504を巻きとるために、リール2502はベルト2504を第1排出トレイt1の右上端へと巻き上げるよう付勢される。ベルト2504の左下端は保持部Hの右側を支持する。ベルト2504は両ガイド2342の間にある。保持部Hが立位であるときに排出口Q1が排出するシートはベルト2504上を滑落する。シート受けHtの右側がベルト2504上を滑落するシートを止める。モータがリール2502を、ベルト2504を第1排出トレイt1の右上端へと巻き上げるよう駆動するのでもよい。
【0050】
図27は、保持部Hが臥位である画像形成装置の透視図である。シート受けHtの上端が、第1排出トレイt1の右上方の延長線上かつ排出口Q1の下方にあるスリット2344に入る。スリット2344のなか右上方にストッパ141がある。ストッパ141は、コネクタ145に係合する。ストッパ141がコネクタ145を解放すると、保持部Hは自重でリール2502の付勢に抗って、左側下方へ移動する。
【0051】
(第7の実施の形態)
続いて、第7の実施の形態について説明する。
図28は、第7の実施の形態による画像形成装置の斜視図である。
同図に示すように、画像形成装置は、第2排出トレイt2が、同図におけるx軸方向に移動可能となっている。
【0052】
図29は、第7の実施の形態による画像形成装置における第2排出トレイt2を移動させるトレイ移動機構の詳細および機能ブロックである。
同図に示すように、トレイ移動機構は、ラック706a、ピニオン706bおよびモータ706cから構成されている。このような構成のトレイ移動機構により、第2排出トレイt2を、排出口Q2からのシート排出方向と直交する水平方向(図28におけるx軸方向)に移動させる。
【0053】
また、画像形成装置は、ジョブ情報取得部501、トレイ移動制御部502およびシート検知部503を備えている。
ジョブ情報取得部501は、画像形成装置における印刷ジョブの実行状況に関する情報を例えばCPU801から取得する。
トレイ移動制御部502は、トレイ移動機構による第2排出トレイt2の移動を制御することにより、排出口Q2から排出されるシートを、第2排出トレイt2上でソートさせる(図30を参照)。
【0054】
具体的に、トレイ移動制御部502は、ジョブ情報取得部501にてCPU801等から取得される情報に基づいて、画像形成装置におけるジョブの実行が完了したときに、第2排出トレイt2をソート動作時における移動範囲(第1の位置〜第2の位置)よりも装置手前側(x軸方向手前側)(第3の位置)に移動させる。
また、トレイ移動制御部502は、画像形成装置におけるジョブの実行が完了したときに、第2排出トレイt2をソート動作時における移動範囲よりも装置手前側に移動させた後、一定時間経過後(例えば、60秒経過後)に第1排出トレイt1上の所定の待機位置に移動させる画像形成装置。
シート検知部503は、第2排出トレイt2上に載置されたシートの有無を検知する役割を有する。
【0055】
トレイ移動制御部502は、画像形成装置におけるジョブの実行が完了したときに、第2排出トレイt2をソート動作時における移動範囲よりも装置手前側に移動させた後、シート検知部503によりシートが検知されなくなった後に(すなわち、ユーザによってシートが取り除かれた後に)第1排出トレイt1上の所定の待機位置に移動させる。
【0056】
また、トレイ移動制御部502は、ソート動作時における第2排出トレイt2の移動範囲が、画像読取部Rの直下の領域(フットプリント)内に収まるように第2排出トレイt2の移動を制御する(図31を参照)。
【0057】
このように、第2排出トレイt2によるソート動作時に、第2排出トレイt2と第2排出トレイt2上のシートとが画像読取部Rのフットプリントからはみ出さないように、第2排出トレイt2の移動を制御することにより、ソート動作中の第2排出トレイt2と装置外にあるものやユーザとの干渉の発生を回避することができる。
なお、トレイ移動制御部502は、画像形成装置におけるジョブの終了後に、第2排出トレイt2を、画像形成装置の外側(画像読取部のフットプリントよりも外側)に突き出す位置まで移動させてもよい(図32を参照)。
【0058】
このような構成とすることにより、胴内排紙型の画像形成装置において、胴内に複数の排出トレイを設けた場合でも、処理後のシートが載置された第2排出トレイt2が装置手前側に移動するため、ユーザは処理後のシートに容易にアクセスすることができ、操作性が良い。
【0059】
特に、シート排出方向と直交する方向に位置をずらしてシートのソートを行なう場合において、第2排出トレイt2上における装置手前側から見て奥側にソートされるシートがとりづらくなるといった事態を回避することができる。
【0060】
上述の各実施の形態による画像形成装置での処理における各動作は、記憶部802に格納されている排出シート管理プログラムをCPU801に実行させることにより実現されるものである。
【0061】
更に、画像形成装置を構成するコンピュータにおいて上述した各動作を実行させるプログラムを、排出シート管理プログラムとして提供することができる。本実施の形態では、プログラムが、装置内部に設けられた記憶領域に予め記録されている場合を例示したが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様のプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、回線上の伝送媒体などが挙げられる。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0062】
なお、プログラムは、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
【0063】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0064】
A 自動原稿搬送部、R 画像読取部、P 画像形成部、F 後処理部、t1 第1排出トレイ、t2 第2排出トレイ、H 保持部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置上方に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、
少なくとも一部が前記画像読取部の下方に位置し、装置の排出口から排出されるシートを受ける排出トレイと、
所定のシート受けを有し、該シート受けにて受けたシートを保持する保持部と、
前記排出トレイ上に位置するとともに、前記排出口から排出されるシートを前記保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、前記保持部が前記排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように前記排出トレイ上から退避している退避位置との間で、前記保持部を移動させる移動機構と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記保持部は、前記シート受け位置に位置する状態において前記排出口に対向する側に、シートを受け入れる開口部を有する箱形状に形成されている画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記保持部は、前記退避位置において、前記画像形成装置の右側面および左側面の内の、前記排出口からのシート排出方向下流側に位置する側の側面に隣接している画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記保持部は、前記退避位置において、前記画像形成装置の正面側の側面に隣接している画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部をさらに備え、
前記移動制御部は、前記シート受け位置から前記退避位置までの移動範囲内における前記保持部の移動を制御することにより、前記保持部の前記シート受けに積載されるシートのソートを行う画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部と、
前記画像形成装置における印刷ジョブの実行状況に関する情報を取得するジョブ情報取得部と、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記ジョブ情報取得部にて取得される情報に基づいて、前記画像形成装置における印刷ジョブの実行が開始されるときに前記保持部を前記シート受け位置に移動させ、前記画像形成装置における印刷ジョブの実行が完了したときに前記保持部を前記退避位置に移動させる画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部と、
前記排出トレイ上にあるシートの有無を検知するシート検知部と、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記シート検知部にて前記排出トレイ上にシートがあると検知されている場合には、前記保持部を前記シート受け位置へ移動させない画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部と、
前記保持部におけるシート保持枚数が所定の保持限界枚数を超えるか否かを検知する満杯検知部と、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記満杯検知部にて前記保持部におけるシート保持枚数が前記保持限界枚数を超えていると検知される場合には、前記保持部を前記シート受け位置へ移動させない画像形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部と、
前記保持部にて保持されているシートの有無を検知する保持シート検知部と、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記保持シート検知部にて前記保持部がシートを保持していると検知されている場合には、前記保持部を前記シート受け位置へ移動させない画像形成装置。
【請求項10】
装置上方に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、少なくとも一部が前記画像読取部の下方に位置し、装置の排出口から排出されるシートを受ける排出トレイと、所定のシート受けを有し、該シート受けにて受けたシートを保持する保持部と、を備える画像形成装置における排出シート管理方法であって、
前記排出トレイ上に位置するとともに、前記排出口から排出されるシートを前記保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、前記保持部が前記排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように前記排出トレイ上から退避している退避位置との間で、前記保持部を移動させる排出シート管理方法。
【請求項1】
装置上方に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、
少なくとも一部が前記画像読取部の下方に位置し、装置の排出口から排出されるシートを受ける排出トレイと、
所定のシート受けを有し、該シート受けにて受けたシートを保持する保持部と、
前記排出トレイ上に位置するとともに、前記排出口から排出されるシートを前記保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、前記保持部が前記排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように前記排出トレイ上から退避している退避位置との間で、前記保持部を移動させる移動機構と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記保持部は、前記シート受け位置に位置する状態において前記排出口に対向する側に、シートを受け入れる開口部を有する箱形状に形成されている画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記保持部は、前記退避位置において、前記画像形成装置の右側面および左側面の内の、前記排出口からのシート排出方向下流側に位置する側の側面に隣接している画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記保持部は、前記退避位置において、前記画像形成装置の正面側の側面に隣接している画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部をさらに備え、
前記移動制御部は、前記シート受け位置から前記退避位置までの移動範囲内における前記保持部の移動を制御することにより、前記保持部の前記シート受けに積載されるシートのソートを行う画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部と、
前記画像形成装置における印刷ジョブの実行状況に関する情報を取得するジョブ情報取得部と、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記ジョブ情報取得部にて取得される情報に基づいて、前記画像形成装置における印刷ジョブの実行が開始されるときに前記保持部を前記シート受け位置に移動させ、前記画像形成装置における印刷ジョブの実行が完了したときに前記保持部を前記退避位置に移動させる画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部と、
前記排出トレイ上にあるシートの有無を検知するシート検知部と、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記シート検知部にて前記排出トレイ上にシートがあると検知されている場合には、前記保持部を前記シート受け位置へ移動させない画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部と、
前記保持部におけるシート保持枚数が所定の保持限界枚数を超えるか否かを検知する満杯検知部と、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記満杯検知部にて前記保持部におけるシート保持枚数が前記保持限界枚数を超えていると検知される場合には、前記保持部を前記シート受け位置へ移動させない画像形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記移動機構による前記保持部の移動を制御する移動制御部と、
前記保持部にて保持されているシートの有無を検知する保持シート検知部と、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記保持シート検知部にて前記保持部がシートを保持していると検知されている場合には、前記保持部を前記シート受け位置へ移動させない画像形成装置。
【請求項10】
装置上方に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、少なくとも一部が前記画像読取部の下方に位置し、装置の排出口から排出されるシートを受ける排出トレイと、所定のシート受けを有し、該シート受けにて受けたシートを保持する保持部と、を備える画像形成装置における排出シート管理方法であって、
前記排出トレイ上に位置するとともに、前記排出口から排出されるシートを前記保持部の所定のシート受けにて受けるシート受け位置と、前記保持部が前記排出トレイ上に載置されるシートに当接しないように前記排出トレイ上から退避している退避位置との間で、前記保持部を移動させる排出シート管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2009−301043(P2009−301043A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143307(P2009−143307)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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