説明

画像形成装置、画像形成システム及び制御プログラム

【課題】画像形成装置が印刷部数の増加によって割り当てられていない識別子を物理ページに合成することを防止する。
【解決手段】画像形成装置20は、HDD33に蓄積されている画像形成用データを用いた印刷を指示し、画像形成の際に用いる印刷部数情報を変更可能な操作部21と、操作部21が印刷を指示した画像形成用データ及び該画像形成用データにかかる印刷部数情報を基に画像形成した印刷媒体を出力する画像形成部23と、画像形成用データの論理ページ数及び印刷部数情報に応じて確保した識別子群のうちの初期識別子を提供する外部装置から印刷要求に対応して提供された初期識別子を基に、画像形成部23が出力する各物理ページ毎に異なる識別子を演算し、その各識別子を画像形成部23が出力する各物理ページの画像に合成する制御部31とを備え、操作部21が印刷部数情報を増加させる変更をした場合のその増加分の部数について前記合成を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び制御プログラムである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1乃至3には、用紙に印刷したパターンから、その用紙上の位置を特定可能にする技術が開示されている。
例えば、特許文献2では、印刷された各物理ページを区別できるように、位置アサイナによって物理ページと位置情報との割り当てを行い、その割り当てた関係をデータとして保持しておき、システム内で必要に応じてそのデータを提供するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4215516号公報
【特許文献2】特表2006−504181号公報
【特許文献3】特表2008−282411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、印刷部数情報に基づき識別子が画像形成装置に割り当てられた後に、画像形成装置が印刷部数情報の増加によって割り当てられていない識別子を物理ページに合成することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データ及び該画像形成用データによる印刷の印刷部数情報を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている画像形成用データを用いた印刷を指示する指示手段と、前記指示手段が印刷を指示した画像形成用データ及び該画像形成用データにかかる前記印刷部数情報を基に画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、前記画像形成用データの論理ページ数及び印刷部数情報に応じて確保した識別子群を管理し前記識別子群のうちの初期識別子を提供する外部装置から前記印刷要求に対応して提供された前記初期識別子を基に、前記出力手段が出力する各物理ページ毎に異なる識別子を演算する識別子演算手段と、前記識別子演算手段が演算した各識別子を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を変更入力に応じて変更する変更手段と、を有し、前記変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をした場合のその増加分の部数について前記合成手段による合成を行わない画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1の記載において、前記変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をした場合、その増加分の部数の印刷媒体について前記出力手段による出力を行わない画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2の記載において、前記物理ページへの前記識別子の合成を実行させるための情報を検出する情報検出手段を有し、前記合成手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記合成を行い、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出できない場合、前記合成を行わず、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合において前記変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をしたとき、その増加変更前の印刷部数情報に基づいて前記出力手段による出力を行う画像形成装置である。
【0007】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2の記載において、前記物理ページへの前記識別子の合成を実行させるための情報を検出する情報検出手段を有し、前記合成手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記合成を行い、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出できない場合、前記合成を行わず、前記変更手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を増加させる変更入力を許容しない画像形成装置である。
【0008】
請求項5に係る発明は、請求項4の記載において、前記変更手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報の変更入力を許容しない画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項4の記載において、前記変更手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を減少させる変更入力だけを許容する画像形成装置である。
【0009】
請求項7に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データ及び該画像形成用データによる印刷の印刷部数情報を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている画像形成用データを用いた印刷を指示する指示手段と、前記指示手段が印刷を指示した画像形成用データ及び該画像形成用データにかかる前記印刷部数情報を基に画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、前記画像形成用データの論理ページ数及び印刷部数情報に応じて確保した識別子群を管理し前記識別子群のうちの初期識別子を提供する提供手段と、前記提供手段から前記印刷要求に対応して提供された前記初期識別子を基に、前記出力手段が出力する各物理ページ毎に異なる識別子を演算する識別子演算手段と、前記識別子演算手段が演算した各識別子を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を変更入力に応じて変更する変更手段と、を有し、前記変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をした場合のその増加分の部数について前記合成手段による合成を行わない画像形成システムである。
【0010】
請求項8に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データ及び該画像形成用データによる印刷の印刷部数情報を蓄積する蓄積ステップと、前記蓄積ステップで蓄積された画像形成用データを用いた印刷を指示する指示ステップと、前記指示ステップで印刷を指示した画像形成用データ及び該画像形成用データにかかる前記印刷部数情報を基に画像形成した印刷媒体を出力する出力ステップと、前記画像形成用データの論理ページ数及び印刷部数情報に応じて確保した識別子群を管理し前記識別子群のうちの初期識別子を提供する外部装置から前記印刷要求に対応して提供された前記初期識別子を基に、前記出力ステップで出力する各物理ページ毎に異なる識別子を演算する識別子演算ステップと、前記識別子演算ステップで演算した各識別子を、前記出力ステップが出力する各物理ページの画像に合成する合成ステップと、を有し、前記出力ステップが画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を変更入力に応じて変更する変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をした場合のその増加分の部数について前記合成ステップによる合成を行わない処理をコンピュータに実行させるコンピュータに読取可能な制御プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、7、8に係る発明によれば、変更手段が印刷部数情報を増加させる変更をした場合のその増加分の部数について合成手段による合成を行わないようにすることで、外部装置又は提供手段が印刷部数情報に基づき識別子を画像形成装置に割り当てた後に、画像形成装置が印刷部数情報の増加によって割り当てられていない識別子を物理ページに合成することを防止できる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、識別子が合成されていない物理ページを出力しないようにできる。
請求項3に係る発明によれば、物理ページへの識別子の合成を実行させるための情報を検出した場合に印刷部数を制限して印刷媒体の出力を行うことで、識別子を管理する外部装置から割り当てられていない識別子を物理ページに合成するのを防止でき、物理ページへの識別子の合成を実行させるための情報を検出していない場合には、そのような制限なく、変更した印刷部数に応じた印刷媒体の出力ができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、物理ページへの識別子の合成を実行させるための情報を検出した場合に印刷部数を増加させる変更入力を制限することで、識別子を管理する外部装置から割り当てられていない識別子を物理ページに合成するのを防止でき、物理ページへの識別子の合成を実行させるための情報を検出していない場合には、そのような制限なく、変更した印刷部数に応じた印刷媒体の出力ができる。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、このような構成を有しない場合と比較して、情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合の印刷部数情報を増加させる変更入力を許容しない処理を容易に実現できる。
請求項6に係る発明によれば、このような構成を有しない場合と比較して、情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合の印刷部数情報を増加させる変更入力を許容しない処理を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の画像処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】スキャナ付きペンの構成例を示すブロック図である。
【図4】出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】制御部の構成例を示すブロック図である。
【図6】画像形成装置が提供可能なサービスの選択画面が表示された操作部の一例を示す図である。
【図7】印刷可能な文書名の選択画面が表示された操作部の一例を示す図である。
【図8】図7の選択画面によって選択された文書名、印刷部数、及び格納日時等を表示する操作部の一例を示す図である。
【図9】蓄積文書印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】物理ページ単位の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】ページ描画処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】画像処理システムにおける一連の処理例を説明する図である。
【図13】画像処理システムにおける一連の処理例を説明する他の図である。
【図14】丁合い出力の場合に各物理ページに対応づけた識別子の例を示す図である。
【図15】第2の実施形態における出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態における蓄積文書印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施形態におけるページ描画処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施形態おける、選択された文書名、印刷部数、及び格納日時等を表示する操作部の一例を示す図である。
【図19】第3の実施形態における出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】第3の実施形態おける、選択された文書名、印刷部数、及び格納日時等を表示する操作部の一例を示す図である。
【図21】第4の実施形態における出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】第4の実施形態おける、選択された文書名、印刷部数、及び格納日時等を表示する操作部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態を説明する。
第1の実施形態は、画像処理システムである。
図1は、画像処理システム1の概略構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、画像処理システム1は、ホストコンピュータ10、画像形成装置20、識別子管理サーバ40、文書サーバ50、処理サーバ60、及びスキャナ付きペン70によって構成されている。
ここで、ホストコンピュータ10、画像形成装置20、識別子管理サーバ40、文書サーバ50、処理サーバ60、及びスキャナ付きペン70は、有線又は無線の通信手段80を介して通信可能に接続されている。例えば、通信手段80は、LAN(Local Area Network)やインターネット、一般公衆回線である。
【0018】
ホストコンピュータ10は、使用者により入力、作成等された文書、図形等を印刷媒体に印字するために画像形成装置20に印刷要求を出力する。
そのために、ホストコンピュータ10は、入力部(キーボードやマウス、タッチパネル等)11によって使用者が印刷の際の出力形式の各項目を設定できるように構成されている。
【0019】
ここで、出力形式の各項目としては、印刷部数(出力総部数)、用紙が収容される収容部、印刷した用紙の排出形式(出力形式)、片面印刷又は両面印刷、印刷した用紙の排出先、印刷した用紙の排出順序、及びステープル機能等といったものが挙げられる。例えば、印刷した用紙の排出形式としては、複数部数出力する場合の丁合い出力又はスタック出力(以下、丁合・スタック出力という。)がある。また、印刷した用紙の排出先としては、大容量排出部や用紙が印刷面を上にして排出されるフェイスアップトレイがある。
【0020】
ここで、丁合い出力とは、論理ページ毎の印刷を単位とし印刷部数内の何部目かを示す印刷部数目(出力部数目ともいう。)毎に印刷する形式である。また、スタック出力とは、印刷部数目毎の印刷を単位とし論理ページ毎に印刷する形式である。
このような構成のホストコンピュータ10は、先ず、使用者がこのような出力形式の各項目を入力部11によって設定し印刷の実行を指示すると、不図示のプリンタドライバによって印刷に必要なソフトウェア処理を施す。
【0021】
ここで、ホストコンピュータ10は、ソフトウェア処理によって、印刷対象の画像(アプリケーションデータ)や設定された出力形式の各項目を、画像形成装置20用に処理を施す。具体的には、ホストコンピュータ10は、ソフトウェア処理によって、画像形成装置20が処理できるように画像を印刷データ(出力データ)に加工する処理や、設定された出力形式の各項目を画像形成装置20が読み取れる出力形式指示に置き換える処理等を行う。
【0022】
次に、ホストコンピュータ10は、こうした処理によって取得した印刷データ及び出力形式指示を基に1つの印刷要求となる印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。
画像形成装置20は、ホストコンピュータ10からの印刷用ファイル(印刷要求)に基づいて画像形成処理を行う。
【0023】
図2は、画像形成装置20の構成例を示す図である。
図2に示すように、画像形成装置20は、操作部21、原稿読取部22、画像形成部23、及び処理部30を有している。
操作部21は、情報の入出力部である。例えば、操作部21は、使用者に対する情報を表示する表示部(表示画面)と使用者に操作されて指示内容が入力される入力部とを一体として有する操作パネル等である。
【0024】
処理部30は、画像形成装置20における各種処理を実行する。
図2に示すように、処理部30は、制御部31、メモリ32、HDD33、イメージ入力部34、原稿読取用I/F部35、イメージ出力部36、画像形成用I/F部37、及び通信部38を有している。
制御部31は、各種制御を行う。例えば、制御部31は、印刷要求の実行によって、画像形成用I/F部37を制御して、イメージ出力部36のイメージ画像を画像形成部23に出力し画像形成部23にて用紙に画像形成する。また、制御部31は、複製要求の実行によって、原稿読取用I/F部35及び画像形成用I/F部37を制御して、原稿読取部22によって読み取った原稿のイメージ画像をイメージ入力部34に格納し、イメージ入力部34に格納したイメージ画像をイメージ出力部36に出力して画像形成部23にて用紙に画像形成する。
【0025】
メモリ32及びHDD33には、各種処理に必要なデータや情報が記憶されている。例えば、メモリ32には、制御部31で用いるプログラム32aやデータが記憶されている。
例えば、プログラム32aは、画像形成装置20の出荷時当初からメモリ32に記憶されているものとすることができる。また、プログラム32aは、出荷後に使用者等の作業によりCD−ROM等の記憶媒体から読み込まれてメモリ32に記憶されたものとすることもできる。
【0026】
通信部38は、ホストコンピュータ10との間で通信をする。画像形成装置20は、印刷用ファイルをこの通信部38によって受信したときに、割り込み処理等によって制御部31にその通知を行う。
制御部31は、印刷用ファイルを受信した通知を通信部38から受けると、その印刷用ファイルをメモリ32又はHDD33に格納した後又は格納しながら、印刷用ファイルの内容を解析する。そして、制御部31は、その解析の結果、画像形成のためのファイルであると判定すると、内部的な処理単位となる印刷制御指令を生成し、生成した印刷制御指令を実行する。すなわち、制御部31は、印刷用ファイルから印刷データを読み出し、読み出し印刷データをイメージングプログラムによってメモリ32上にイメージ画像として展開する。
【0027】
さらに、制御部31は、印刷用ファイルから出力形式指示(出力形式情報)を読み出し、読み出した出力形式指示の内容に従って画像形成部23に対してどの給紙部を使用するか、片面印刷か両面印刷か、ホチキスをするかどうか等の出力形式の指定を行う。
その後、制御部31は、画像形成部23の処理に合わせて決定(どのイメージ画像を用いるかの決定)されたイメージ画像を順次出力する。
【0028】
ここで、画像形成装置20は、出力形式指示にて印刷部数が複数部数指定された場合、次のような出力処理を行う。
制御部31は、丁合い出力による複数部印刷になっている場合、ページ数が予め決められた設定値(例えばメモリ容量)よりも多いと、印刷するページ数分のイメージ画像をメモリ32上に展開できないことがあるため、メモリ32上に展開したイメージ画像をHDD33に一旦格納する。これにより、制御部31は、必要に応じてHDD33から読み出してメモリ32上にイメージ画像を展開し、そのイメージ画像を画像形成部23に送信する。このようにすることで、画像形成装置20は、丁合い出力の場合、1,2,3,4,・・・、1,2,3,4,・・・といったように、論理ページ順でまとめて部数分の印刷を行う。
【0029】
また、制御部31は、スタック出力による複数部印刷になっている場合、同じ画像を部数分だけ順次印刷していけば良いため、メモリ32上にイメージ画像を展開し、展開したイメージ画像を部数分、画像形成部23に送信する。このようにすることで、画像形成装置20は、3部を印刷するのであれば、1,1,1、2,2,2、3,3,3、・・・・といったように、論理ページの最初のページから部数分ずつ印刷する。
【0030】
このように、画像形成装置20では、ホストコンピュータ10にて設定された出力形式指示に応じた印刷物を得ることができる。
さらに、画像形成装置20は、印刷データを蓄積して出力する蓄積文書印刷機能を有する。この蓄積文書印刷では、画像形成装置20は、ホストコンピュータ10から送信されてきた印刷データ(又は必要に応じて加工した印刷データ)を印刷部数等の印刷に必要な情報とともにHDD33等の記憶手段に一旦記憶する。そして、画像形成装置20は、使用者から印刷指示があったときに、印刷データや印刷部数(蓄積された印刷部数)等を基に実際に印刷を行う。すなわち、蓄積文書印刷では、画像形成装置20は、ホストコンピュータ10からの印刷用ファイルの受信時に印刷を行うことなく、該画像形成装置20に対する使用者からの印刷指示を待って印刷を行う。
【0031】
このような蓄積文書印刷機能によって、例えば、ホストコンピュータ10側で使用者が印刷指示を行ったにもかかわらず、画像形成装置10側で印刷された用紙をその使用者が取りに行かないと言ういわゆる放置プリントを防ぐことができる。
ところで、近年、用紙の印刷面に座標情報を位置コードとして埋め込んでおき、その位置コードを読み取ることで用紙上の位置を特定するシステムが提案されている。例えば、スキャナを内蔵したスキャナ付きペンによって印刷面に埋め込まれた位置コードを読み取り、スキャナ付きペンがその読取結果とともに用紙に書き込んだ筆跡(ストローク)の情報をサーバ等に送るといったシステムがある。
【0032】
このようなシステムでは、スキャナ付きペンによって取得した情報(位置情報やストローク情報)のみをサーバ等に送り、その情報を受け取ったサーバ等で元のアンケート用紙の文章等と対応をとることで、アンケート用紙を回収することなく、そのアンケート用紙のマーク位置(チェック位置)を判定することが可能になる。よって、このようなシステムは、紙から電子データを作成できるために利便性が高い。
【0033】
これに対して、特許文献1乃至3では、画像形成の際に座標情報(位置情報)を埋め込む技術を開示している。これら特許文献1乃至3では、印刷機ではなく、プリンタなどを利用して座標情報を埋め込んだ文書を出力するという、いわゆるオンデマンドプリントにおける埋め込み方法を開示している。
そして、こうしたシステムの構築には、情報を収集すべき印刷物を区別できるような仕組みが必要となる。座標情報だけだと、情報を収集すべき印刷物に対して書き込みがされたのか、そうでない印刷物(情報の収集を必要としない印刷物)に対して書き込みがされたのかの判別がつかなくなってしまうからである。また、座標情報だけだと、ペンで読み取ったページ(物理ページ)が、どの文書のどのページ(論理ページ)に対応するかの対応関係がわからないため、処理ができなくなるからである。
【0034】
これに対して、各物理ページに識別可能な情報(例えば、コード画像)をホストコンピュータ側で付加(合成)する方法がある。この場合、ホストコンピュータは、各物理ページ毎に異なる画像データを画像形成装置に送信することになる。
しかし、この方法では、1ページの印刷データを基に100部印刷する場合には、ホストコンピュータが物理ページとして100ページ分の画像データを作成し画像形成装置に送信する必要がある。この場合、100ページ分の画像データを作成するホストコンピュータの負荷が大きくなり、使用者がホストコンピュータで他の処理を行う妨げとなる。また、100ページ分の画像データを通信する通信手段の負荷も大きくなる。
【0035】
これを防止する方法として、ホストコンピュータから画像形成装置に本文1ページ分を送信し、画像形成装置が識別子(例えばコード画像)を印刷部数分作成し、各物理ページの画像に識別子を合成するという方法がある。この場合、印刷データの論理ページ及びホストコンピュータ側で使用者が設定した印刷部数を基に確保された識別子の空間(識別子群)を、該ホストコンピュータ又は識別子を管理するサーバで管理することが考えられる。さらに、この場合には、画像形成装置が、ホストコンピュータ又はサーバで管理されている識別子空間の識別子の初期値(数値群からなる識別子空間の最小値)を基に、物理ページのページ数分の識別子を作成し、作成した識別子を各物理ページの画像に合成することが考えられる。
【0036】
このように、画像形成装置が識別子(例えばコード画像)を印刷部数分作成し、各物理ページの画像に識別子を合成することで、ホストコンピュータ及び通信手段に対する負荷を軽減できる。
ここで、画像形成装置は、前述のように蓄積文書印刷機能を有している。この蓄積文書印刷機能によって、使用者は、画像形成装置に蓄積されている印刷データ(以下、蓄積印刷データともいう。)を指定して改めて印刷指示を行うことで印刷物を得ることができる。そして、画像形成装置には、蓄積文書印刷機能による印刷に際し、ホストコンピュータで指定した印刷部数とは異なる印刷部数を指示できる装置(印刷部数変更可能な装置)がある。例えば、これにより、使用者は、蓄積印刷データに基づく印刷を行うまでの間に変化した諸事情(配布先の増減など)に対応した印刷部数でその印刷ができるようになる。
【0037】
しかし、蓄積印刷データで印刷される各物理ページに識別子をそれぞれ合成する構成において、印刷部数を変更してしまうと、既に印刷部数に基づいて識別子空間が確保されていることで、不都合が発生してしまう。
例えば、ホストコンピュータ側で論理ページが3ページの文書を2部印刷する印刷指示をした場合、画像形成装置側では、各物理ページ(3×2ページの物理ページ)に識別子情報(この例では初期識別子が1)として、
1,2,3,4,5,6 ・・・(1)
といった6つの番号を付加する。そして、画像形成装置は、印刷部数が変更された場合、初期識別子(この例では1)に基づいて、各物理ページ(3×3ページの物理ページ)に識別子情報として、
1,2,3,4,5,6,7,8,9 ・・・(2)
といった9つの番号を付加することになる。この場合、識別子空間を管理するホストコンピュータ又はサーバは、画像形成装置側で印刷部数が変更されたことを認識できないため、次の印刷データに割り当てる識別子空間として、前の識別子空間(この例では、1,2,3,4,5,6)で使用されていない識別子からなる識別子空間を確保することになる。例えば、ホストコンピュータ側で論理ページが2ページの文書を3部印刷する印刷指示がなされると、ホストコンピュータ又はサーバ側では、先に既に確保している識別子空間(この例では、1,2,3,4,5,6)に続いて2×3の識別子数からなる識別子空間(例えば、7,8,9,10,11,12)を確保し、画像形成装置側では、該識別子空間の初期識別子(この例では7)に基づいて、各物理ページ(2×3ページの物理ページ)に識別子情報として6つの番号を付加することになる。これにより、画像形成装置は、各物理ページ(2×3ページの物理ページ)に識別子情報として、例えば、
7,8,9,10,11,12 ・・・(3)
といった6つの番号を付加することになる。
【0038】
しかし、前記(2)の値と前記(3)の値とを比較すると、7,8,9といった識別子が重複する。すなわち、ホストコンピュータ又はサーバが管理する識別子が、異なる2つの物理ページにそれぞれ割り当てられた状態になる。このような場合、付加されている識別子に基づいて物理ページを処理する装置(例えば処理サーバ等)は、7,8,9の識別子が付加されている物理ページについては、前記(2)に係る物理ページに対する処理を行ったとしても、前記(3)に係る物理ページを処理しているとしてしか認識できず、物理ページと識別子との不整合が生じる。
【0039】
これに対して、本実施形態では、以下のような構成及び処理により、画像形成装置側での印刷部数の変更による物理ページと識別子との不整合が生じないようにしている。
すなわち、本実施形態では、ホストコンピュータ10は、使用者によって印刷実行(出力設定)及び座標情報埋め込みの指示がなされると、その指示を座標情報とともに識別子情報もあわせて印刷物に埋め込む指示とみなし、それに応じた印刷に必要な処理をプリンタドライバによって実行する。
【0040】
また、このとき、ホストコンピュータ10は、通信手段80を通じて識別子管理サーバ40に対して識別子確保要求(番号要求又は識別子発行要求とも言う。)を送信する。ここで、識別子確保要求には、ホストコンピュータ10で使用者が設定した印刷部数と印刷データの論理ページ数(論理ページのページ数)とが含まれる。この識別子確保要求は、識別子管理サーバ40に対して初期識別子(後述の先頭の識別子(識別子初期値))を取得する要求となる。
【0041】
その後、ホストコンピュータ10は、識別子確保要求に対応して識別子管理サーバ40から初期識別子情報を受信すると、前述の印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及びその初期識別子情報を基に1つの印刷用ファイルを作成する。ここで、ホストコンピュータ10は、印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及び初期識別子情報を必要に応じて加工し印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。
【0042】
さらに、ホストコンピュータ10は、画像形成装置20に送信する印刷データの作成に用いた文書データ(例えば印刷対象となる文章の全部又は一部)を文書サーバ50に初期識別子情報とともに送信する。
識別子管理サーバ40は、システム全体で識別子を一意にして管理するサーバである。識別子管理サーバ40は、例えば、図1に示すように、処理部41及び記憶部42を有している。
【0043】
この識別子管理サーバ40は、先ず、ホストコンピュータ10から識別子確保要求を受信すると、処理部41によって、記憶部42で管理している識別子空間(識別子群)内から空いている識別子空間を検索する。ここで、識別子空間は複数の識別子(複数の数値)で構成されており、空いている識別子空間とは、現在使用されていない(未だ割り当てていない)識別子によって構成される識別子空間である。
【0044】
具体的には、識別子管理サーバ40は、印刷部数に論理ページ数を掛け合わせた分(印刷部数×論理ページ数)の大きさの空いている識別子空間(連続する数値の空間)を検索する。例えば、論理ページ数が5ページで印刷部数が3部の場合、識別子管理サーバ40は、印刷する物理ページ数相当の15(=5×3)個の未使用の識別子からなる識別子空間を検索する。
【0045】
次に、識別子管理サーバ40は、空いている識別子空間を検索して確保すると、すなわち、画像形成装置20に割り当て可能な識別子空間を確保すると、確保した識別子空間、その先頭の識別子(最小の数値の識別子)である初期識別子情報、論理ページ数の情報、及び印刷部数の情報を対応付けて記憶部42に記憶する。
そして、識別子管理サーバ40は、記憶部42に記憶した情報のうちの初期識別子情報をホストコンピュータ10に送信する。
【0046】
また、識別子管理サーバ40は、処理サーバ60から後述の識別子取得要求を受信すると、識別子取得要求に含まれている識別子情報に基づいて、対応する初期識別子情報及び論理ページ番号の情報を処理サーバ60に返信する。ここで、識別子管理サーバ40は、識別子情報、初期識別子情報、及び初期識別子情報に対応付けられている論理ページ数を用いて、予め設定されている演算によって、識別子取得要求に含まれている識別子情報に対応する論理ページ番号を取得している。
【0047】
文書サーバ(印刷データサーバ)50は、文書データを管理するサーバである。文書サーバ50は、例えば、図1に示すように、処理部51及び記憶部52を有している。
この文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から文書データ及び初期識別子情報を受信すると、処理部51によって、文書データと初期識別子情報とを対応付けて記憶部52に記憶する。
【0048】
ここで、使用者は、各論理ページに対して、どのような領域にどのような情報が書き込まれるべきであるかというような情報(領域情報)を合わせて文書サーバ50に格納させておくことができる。このような構成の場合、ホストコンピュータ10は、書き込まれるべき項目の情報と書き込まれる特定の座標領域の情報との入力が使用者によりなされると、これら情報からなる領域情報を文章データとともに文書サーバ50に送信する。そして、文書サーバ50は、文章データ及び領域情報を受信すると、文書データと領域情報とを対応付けて保持する。
【0049】
その後、文書サーバ50は、処理サーバ60から後述の文書情報取得要求を受信すると、その文書情報取得要求に含まれている初期識別子及び論理ページ番号に基づいて、文書データ(論理ページ番号に対応する文書情報等)を検索し取得する。そして、文書サーバ50は、取得した文書データ(文書情報、画像情報等)、さらに、領域情報を保持している場合にはその領域情報も合わせて処理サーバ60に返信する。
【0050】
画像形成装置20では、ホストコンピュータ10からの印刷用ファイルを受信し、その受信した印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が埋め込まれていると、制御部31が、印刷用ファイルから初期識別子情報を読み出してメモリ32に格納する。さらに、制御部31は、印刷用ファイルから印刷データを読み出してHDD33に格納する。そして、制御部31は、印刷処理として、印刷データをメモリ32上にイメージ展開する。また、制御部31は、印刷処理として、座標情報画像を物理ページ毎に作成する。
【0051】
ここで、制御部31は、次のように、座標情報画像を物理ページ毎に作成する処理を行う。
先ず、制御部31は、印刷用ファイル(印刷要求)の指示として与えられる初期識別子によって、最初に出力する物理ページに付与する最初の識別子を初期化する。制御部31は、この初期化によって、最初に印刷する物理ページに付与する最初の識別子に初期識別子を設定する。
【0052】
そして、制御部31は、物理ページのページ描画処理を行うたびに、初期化によって設定した最初の識別子を基に、該物理ページ毎の識別子を生成していく。例えば、制御部31は、最初の識別子を初期値とし1を加算していくことで物理ページ毎の識別子を生成していく。なお、本実施形態では、このような識別子の生成方法に限定されないことは言うまでもない。
【0053】
その一方で、制御部31は、印刷しようとする用紙の用紙サイズに合わせて座標情報画像を生成する。ここで、座標情報画像は、座標情報によって構成される画像であり、例えば、座標情報画像生成プログラムによって生成される。さらに、制御部31は、座標情報画像生成プログラムに対して先に得た識別子情報をパラメータとして渡す等して、識別子情報を含んだ座標情報画像(識別子情報を合成した座標情報画像)を生成する。そして、制御部31は、メモリ32上にこのような座標情報画像を物理ページそれぞれについて作成していく。
【0054】
そして、制御部31は、印刷データに基づくイメージ画像と座標情報画像とを合成した画像を用紙上に形成させる処理を行う。
ここで、イメージ出力部36は、画像合成機能によって、複数のメモリに格納されている画像をor又はxor合成して画像形成部23に出力可能に構成されている。このようなことから、制御部31は、メモリ上に展開されている、イメージ画像と、該イメージ画像を形成する物理ページ用に生成した座標情報画像(識別子情報を含む座標情報画像)とを指定して、イメージ出力部36に対して画像合成出力の指示を行う。これにより、イメージ出力部36は、合成した画像を構成する信号を画像形成部23に出力する。
【0055】
画像形成部23は、イメージ出力部36からの信号が入力されると、その信号に基づいて用紙上に画像形成をする。このようにして画像形成部23によって用紙に形成された画像は、座標情報及び識別子情報がコード化されたコード画像がイメージ画像に合成された画像となる。
スキャナ付きペン70は、ペンの機能によって用紙に書き込みつつ、スキャナの機能によりその用紙上の記述内容を読み取ることができるように構成されている。
【0056】
図3は、スキャナ付きペン70の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、スキャナ付きペン70は、制御部71、読取部72、筆圧センサ73、送信ボタン74、及び通信部75を有している。
このスキャナ付きペン70は、制御部71によって制御されて、筆圧センサ73が筆圧を検出(例えば予め設定された値以上の筆圧を検出)すると、読取部72が用紙上の読み取り範囲内に有る記述内容を読み取る。そして、スキャナ付きペン70は、送信ボタン74が押下されると読み取った情報を通信部75によって処理サーバ60に送信する。
【0057】
例えば、このような構成のスキャナ付きペン70は、座標情報及び識別子情報のコード画像が印刷された用紙100に書き込みをした際、次のような処理を行う。
スキャナ付きペン70では、読取部72が印刷面のコード画像を読み取ると、制御部71(その認識機能により)がそのコード画像から座標情報及び識別子情報を読み取る。そして、スキャナ付きペン70では、送信ボタン74が押下されると、通信部75によって、予め設定されている特定の処理サーバ60にそれらの情報を送信する。さらに、制御部71は、スキャナ付きペン70により用紙に書き込みを行っている場合には、その書き込みのストローク情報も収集しており、そのストローク情報も処理サーバ60に送信する。
【0058】
処理サーバ60は、スキャナ付きペン70から送信されてきた情報を基に処理を行う。処理サーバ60は、例えば、図1に示すように、処理部61及び記憶部62を有している。 この処理サーバ60は、先ず、スキャナ付きペン70から情報が送信されてくると、その情報内から識別子情報を取り出す。そして、処理サーバ60は、取り出した識別子情報を用いて、識別子管理サーバ40に対して識別子取得要求を送信する。ここで、識別子取得要求は、論理ページ番号を取得するための要求である。この識別子取得要求は、識別子情報を含んでいる。
【0059】
それから、処理サーバ60は、その識別子取得要求に対応して識別子管理サーバ40から初期識別子及び論理ページ番号の情報を受信すると、文書サーバ50に対して文書情報取得要求を送信する。ここで、文書情報取得要求は、その論理ページ番号に対応する文書データ(該論理ページ番号に対応する文書情報等)を取得するための要求である。この文書情報取得要求は、受信した初期識別子及び論理ページ番号を含んでいる。
【0060】
そして、処理サーバ60は、文書情報取得要求に対応して文書サーバ50から文章データ(場合によっては領域情報を含む)が送信されてくると、文章データ並びに先にスキャナ付きペン70から送信されてきている座標情報及びストローク情報を基に、予め設定されている処理を行う。例えば、印刷データがアンケート用紙のものであれば、処理サーバ60は、アンケートの集計処理を行う。
【0061】
次に、画像形成装置20による蓄積文書印刷の際の処理をさらに詳しく説明する。
図4は、その処理手順の一例の出力処理を示すフローチャートである。
また、図5は、図4の処理を実行する画像形成装置20における処理部30の制御部31の構成例を示す図である。図5に示すように、制御部31は、表示制御部91、画像形成制御部92、識別子演算部93、及び情報取得部94を有する。
【0062】
図4に示すように、先ずステップS1では、表示制御部91は、以降の処理で必要となる文書の情報を取得する。例えば、表示制御部91は、印刷データにかかる文書名、蓄積された部数(蓄積文書印刷のために当初記憶されている印刷部数)、印刷データの格納日時等を取得する。
次に、ステップS2では、表示制御部91は、印刷部数に前記ステップS1で取得した蓄積された部数(蓄積文書印刷のために当初記憶されている印刷部数)を設定する。
【0063】
次に、ステップS3では、表示制御部91は、前記ステップS1で取得した文書名及び前記ステップS2で設定した印刷部数を操作部(例えば操作パネル)21に表示する。このとき、次のステップS4によって、表示制御部91は、変更受付状態(変更可能状態)として操作部21に印刷部数を表示する。
ここで、図6乃至図8は、画像形成装置20の操作部21の表示例を示す図である。
【0064】
先ず、図6に示すように、操作部21には、「コピー」、「FAX」、「蓄積文書プリント」、及び「スキャン」等の画像形成装置20で提供可能なサービス(機能)の選択画面が表示される。
このような選択画面で蓄積文書印刷を実行する「蓄積文書プリント」が使用者によって押圧されて選択されると、図7に示すように、操作部21には、印刷可能な(蓄積又は格納されている)文書名の選択画面が表示される。
【0065】
この場合、例えば、画像形成装置20は、格納されている全ての文書をリスト表示したり、使用者がログインしている状態であれば、その使用者によって格納された文書のみをリスト表示したりする。しかし、ここではその表示方法については限定しない。
そして、このような選択画面で印刷可能な文書(この例では「文書B」)が使用者によって押圧されて選択されると、図8に示すように、操作部21には、選択された文書の文書情報を基に、選択された文書名(この例では「文書B」)、印刷部数(蓄積された部数、この例では2部)、及び格納日時等が表示される。このとき、ステップS4の処理によって、印刷部数は、変更可能な態様(変更受付状態)として操作部21に表示される。例えば、図示しないテンキーで部数を入力することによって部数を変更できるように操作部21に表示される。
【0066】
次に、ステップS5では、表示制御部91は、部数入力(部数変更)が有るか否かを判定する。表示制御部91は、部数入力が有ると判定すると、ステップS6に進む。また、表示制御部91は、部数入力が無いと判定すると、ステップS7に進む。
ステップS6では、表示制御部91は、印刷部数に入力部数(変更された部数)を設定する。そして、表示制御部91は、ステップS7に進む。
【0067】
ステップS7では、表示制御部91は、印刷開始のためのスタートキーが使用者によって押下されたか否かを判定する。表示制御部91は、スタートキーが押下されたと判定すると、ステップS8に進む。また、表示制御部91は、スタートキーが押下されないと判定すると、ステップS5から再び処理を開始する。
このようなステップS5乃至ステップS7の処理によって、表示制御部91は、スタートキーが押下されるまで、部数入力(部数変更)が行われる限り、その都度印刷部数にその入力部数を設定する。
【0068】
ステップS8では、制御部31は、蓄積文書印刷処理を実行する。そして、制御部31は、蓄積文書印刷処理の完了後、該図4に示す出力処理を終了する。ここで、蓄積文書印刷処理については、主として画像形成制御部92が処理を行い、必要に応じて識別子演算部93や情報取得部94が処理を行う。
次に、図4における前記ステップS8の蓄積文書印刷処理を詳しく説明する。
【0069】
図9は、蓄積文書印刷処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、先ずステップS21において、制御部31は、座標情報埋め込み指示が有る(印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれている)か否かを判定する。制御部31は、座標情報埋め込み指示が有ると判定すると、ステップS23に進む。また、制御部31は、座標情報埋め込み指示が無いと判定すると、ステップS22に進む。
【0070】
ステップS22では、制御部31は、通常の画像形成による出力処理を行う。
ステップS23では、制御部31は、各種情報を取得する。具体的には、制御部31は、以降の処理で必要となる情報、すなわち、印刷用ファイルに含まれている初期識別子情報や、印刷部数、丁合い又はスタック等の出力形式指示の内容を取得する。例えば、このステップS23の処理を情報取得部94が行う。
【0071】
ステップS24では、制御部31は、総論理ページ取得処理を行う。具体的には、制御部31は、値pnを論理ページ数に設定する。
次に、ステップS25では、制御部31は、値cnを印刷部数に設定し、値coを蓄積された部数(蓄積文書印刷のために当初記憶されている印刷部数)に設定する。
次に、ステップS26では、制御部31は、論理ページ番号を示す値p及び出力部数目を示す値cそれぞれを1に設定する(初期化する)。
【0072】
次に、ステップS27では、制御部31は、出力指示が丁合かつ装置が丁合出力が可能か否かを判定する。制御部31は、そうであると判定すると、ステップS28に進む。また、制御部31は、そうでないと判定すると、ステップS29に進む。
ステップS28では、制御部31は、出力指示を丁合に設定する(出力指示を丁合に維持する)。そして、制御部31はステップS30に進む。
【0073】
ステップS29では、制御部31は、出力指示をスタックに設定する(出力指示をスタックに変更する)。そして、制御部31はステップS30に進む。
ここで、ステップS27乃至ステップS29の処理を設けている理由は次のようになる。
制御部31では、当初の出力指示(例えば使用者による出力指示)で指定された形式で必ず出力されるとは限らない。例えば、丁合い出力を行うためには画像データを蓄積するための記憶部が必要となるが、制御部31の構成上そのような記憶部がない場合もある。そのような場合に制御部31が丁合い出力からスタック出力に切り替えることもある。
【0074】
このようなことから、制御部31は、ステップS27乃至ステップS29の処理によって、制御部31の構成態様や処理態様(予め設定した条件)に応じて出力指示を変更する。
ステップS30では、制御部31は、物理ページ単位の出力処理(画像形成処理)を実行する。この物理ページ単位の出力処理については後で詳述する。
【0075】
次に、ステップS31では、制御部31は、丁合いの出力指示か否かを判定する。制御部31は、丁合いの出力指示と判定すると、ステップS32に進む。また、制御部31は、そうでないと判定すると(スタックの出力指示の場合)、ステップS36に進む。
ステップS32では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。
【0076】
次に、ステップS33では、制御部31は、値p(ページpの論理ページ)が存在するか否かを判定する。制御部31は、値pが存在すると判定すると、前記ステップS30から再び処理を開始する。これにより、値cの出力部数目について、次の論理ページの印刷が行われる。また、制御部31は、値pが存在しないと判定すると、ステップS34に進む。
【0077】
ステップS34では、制御部31は、値cに1を加算する(値cをインクリメントする)。さらに、制御部31は、値pを1に設定する(値pを初期化する)。
次に、ステップS35では、制御部31は、前記ステップS31で設定した値cが前記ステップS25で設定した値cnよりも大きいか否かを判定する。制御部31は、値cが値cnよりも大きいと判定すると(c>cn)、該図9に示す印刷処理を終了する。また、制御部31は、値cが値cn以下であると判定すると(c≦cn)、前記ステップS30から再び処理を開始する。すなわち、制御部31は、次の出力部数目の論理ページの第1ページ目から印刷を開始する。
【0078】
ステップS36では、制御部31は、値cに1を加算する(値cをインクリメントする)。
次に、ステップS37では、制御部31は、値cが前記ステップS25で設定した値cnよりも大きいか否かを判定する。制御部31は、値cが値cnよりも大きいと判定すると(c>cn)、ステップS38に進む。また、制御部31は、値cが値cn以下であると判定すると(c≦cn)、前記ステップS30から再び処理を開始する。すなわち、制御部31は、値pの論理ページについて、次の出力部数目の印刷を行う。
【0079】
ステップS38では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。さらに、制御部31は、値cを1に設定する(値cを初期化する)。
次に、ステップS39では、制御部31は、値pは存在するか否かを判定する。制御部31は、値pが存在すると判定すると、前記ステップS30から再び処理を開始する。また、制御部31は、値pが存在しないと判定すると、該図9に示す印刷処理を終了する。
【0080】
以上のステップS30乃至ステップS39の一連の処理によって識別子を算出し物理ページに合成する処理が実現されており、例えば、識別子算出に係る処理については識別子演算部93によって実現されている。
次に、図9における前記ステップS30の物理ページ単位の出力処理を詳しく説明する。
【0081】
図10は、物理ページ単位の出力処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、先ずステップS51では、制御部31は、出力指示が両面印刷か否かを判定する。制御部31は、出力指示が両面印刷であると判定すると、ステップS52に進む。また、制御部31は、出力指示が片面印刷であると判定すると、ステップS56に進む。
【0082】
ステップS52では、制御部31は、値p+1(裏面)が存在するか否かを判定する。制御部31は、値p+1(裏面)が存在すると判定すると、ステップS53に進む。制御部31は、値p+1(裏面)が存在しないと判定すると、すなわち、両面印刷の出力指示のあった論理ページの最終ページが用紙の表面になる場合、ステップS56に進む。
次に、ステップS53では、制御部31は、値p(ページp)についてページ描画処理を行う。このページ描画処理は、物理ページ単位の出力処理において物理ページ(1ページ)に画像を描画するための処理である。このページ描画処理については後で詳述する。
【0083】
次に、ステップS54では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。
次に、ステップS55では、制御部31は、値p+1(ページp+1)についてページ描画処理を行う。そして、制御部31は、ステップS58に進む。
一方、ステップS56では、値pのページ割付属性に「片面」を設定する。
【0084】
次に、ステップS57では、制御部31は、値p(ページp)についてページ描画処理を行う。そして、制御部31は、ステップS58に進む。
ステップS58では、制御部31は、画像形成した用紙の搬送と印字処理を行う。
次に、ステップS59では、制御部31は、用紙出力が終了したか否かを判定する。すなわち、制御部31は、1ページ分の用紙について印字処理され外部出力されたか否かを判定する。制御部31は、用紙出力が終了したと判定すると、該図10に示すページ出力処理を終了する。
【0085】
次に、図10における前記ステップS53、前記ステップS55、又は前記ステップS56のページ描画処理を詳しく説明する。
図11は、ページ描画処理の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、先ずステップS71では、制御部31は、値p(ページp)の論理ページをイメージ画像として展開済みか否かを判定する。すなわち、制御部31は、値pの論理ページをメモリ32にイメージ展開し、そのイメージ画像をHDD33に格納済みか否かを判定する。制御部31は、イメージ画像として展開済みであると判定すると、ステップS72に進む。また、制御部31は、イメージ画像として展開済みではないと判定すると、ステップS73に進む。
【0086】
ステップS72では、制御部31は、HDD33から値pの論理ページのイメージ画像を読み出しメモリ32上に展開する。そして、制御部31は、ステップS75に進む。
ステップS73では、制御部31は、値pの論理ページのイメージ画像をメモリ32上に展開する。
次に、ステップS74では、制御部31は、前記ステップS73においてメモリ32上に展開した論理ページのイメージ画像をHDD33に格納する。そして、制御部31は、ステップS75に進む。
【0087】
ステップS75では、制御部31は、前記図9のステップS34又はステップS36で設定された最新の値c(最新の出力部数目)が同図9のステップS25で設定された値co(蓄積された部数)以下か否かを判定する。制御部31は、値cが値co以下であると判定すると(c≦co)、ステップS76に進む。また、制御部31は、値cが値coよりも大きいと判定すると(c>co)、ステップS79に進む。
【0088】
ステップS76では、制御部31は、用紙サイズ及び識別子IDを基に、コード画像(識別子情報である識別子ID及び座標情報をコード化した画像)を生成する。
次に、ステップS77では、制御部31は、前記ステップS76で生成したコード画像と、前記ステップS72又はステップS73にてメモリ32上に展開したイメージ画像とを合成し、その合成画像を基に用紙上に画像を形成する。
【0089】
次に、ステップS78では、制御部31は、IDに1を加算する。そして、制御部31は、該図11に示すページ描画処理を終了する。
一方、ステップS79では、制御部31は、前記ステップS72又はステップS73にてメモリ32上に展開したイメージ画像を、コード画像を合成することなく用紙上に形成する。そして、制御部31は、前記ステップS78に進む。
【0090】
このようなステップS75乃至ステップS79の処理により、制御部31は、出力部数目(c)が蓄積された部数(co)以下である場合には、コード画像とイメージ画像との合成画像を基に用紙上に画像を形成し、出力部数目(c)が蓄積された部数(co)よりも大きい場合には、イメージ画像のみで用紙上に画像形成する。
次に、画像処理システム1について動作等を説明する。
【0091】
先ず、画像処理システム1における一連の処理例を図12及び図13を参照しつつ説明する。
先ず、図12を用いて説明すると、ホストコンピュータ10は、使用者によって印刷実行(出力設定)及び座標情報埋め込みの指示がなされると、通信手段80を通じて識別子管理サーバ40に対して識別子確保要求を送信する。
【0092】
識別子管理サーバ40では、ホストコンピュータ10から識別子確保要求を受信すると、空いている識別子空間を検索し確保する。さらに、識別子管理サーバ40は、確保した識別子群、その初期識別子、論理ページ数、及び印刷部数の情報を対応付けて保持する。そして、識別子管理サーバ40は、初期識別子をホストコンピュータ10に送信する。
【0093】
ホストコンピュータ10は、識別子管理サーバ40から初期識別子情報を受信すると、印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及び初期識別子情報を基に1つの印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。その一方で、ホストコンピュータ10は、画像形成装置20に送信する印刷データの元となる文書データを初期識別子情報とともに文書サーバ50に送信する。
【0094】
文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から文章データ及び初期識別子情報を受信すると、受信した文章データ及び初期識別子情報を記憶部52に記憶する。また、文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から領域情報が送信されてきた場合には、その領域情報も対応付けて記憶部52に記憶する。
また、画像形成装置20では、ホストコンピュータ10から印刷用ファイルを受信すると、その印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれているとき、該印刷用ファイルに含まれている初期識別子を基に、物理ページ毎の識別子を取得する。さらに、制御部31は、物理ページ毎の座標情報画像を生成する。これによって、画像形成装置20は、それら識別子情報及び座標情報画像によるコード画像を物理ページ毎に生成する。そして、画像形成装置20は、生成したコード画像と印刷データに基づくイメージ画像とを物理ページ単位で合成して合成画像を生成し、生成した合成画像を用紙に形成していく。
【0095】
ここで、前述のように、画像形成装置20では、蓄積文書印刷に際して使用者が印刷部数を変更できるように構成されている(図4)。これにより、使用者は、蓄積文書印刷の際の印刷部数を蓄積された部数(当初印刷部数)よりも多い値に変更することができる。これに対して、画像形成装置20は、蓄積された部数(co)内の印刷についてコード画像とイメージ画像とを合成して画像形成を行い、蓄積された部数(co)よりも多い出力部数の印刷についてコード画像を合成することなくイメージ画像のみで画像形成を行う。
【0096】
よって、画像形成装置20は、変更された印刷部数が蓄積された部数よりも多い場合でも、識別子管理サーバ40が確保した識別子空間の識別子を用いつつ変更後の印刷部数の印刷を行える。これにより、画像形成装置20は、変更された印刷部数が蓄積された部数よりも多い場合に識別子管理サーバ40から割り当てられていない識別子を物理ページに合成するのを防止し、印刷部数の変更による物理ページと識別子との不整合の発生を防止する。
【0097】
ここで、使用者が蓄積文書印刷の際の印刷部数を蓄積された部数よりも多い数に変更した場合の出力例を説明する。
図14は、論理ページ数が5ページ、蓄積された部数が2部の場合に、画像形成装置20側で使用者によって印刷部数が3部に変更されたときの出力例を示す図である。また、この出力例は、両面印刷、丁合い出力の場合の例である。さらに、この出力例は、初期識別子の値が10の場合の例である。
【0098】
図14に示すように、画像形成装置20は、1部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号1、2、3、4、5の印刷ページに対して、10、11、12、13、14の識別子を対応付ける。また、画像形成装置20は、2部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号6、7、8、9、10の印刷ページに対して、15、16、17、18、19の識別子を対応付ける。しかし、画像形成装置20は、3部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号11、12、13、14、15の印刷ページに対しては識別子を対応付けていない。
【0099】
なお、図14では、1部目及び2部目の各物理ページに対して識別子を矢印で対応付けて示しているが、実際には、識別子は、符号化されて各物理ページの画像に合成されている。
このように、画像形成装置20は、蓄積された部数(co)よりも大きい出力部数目(図14の例では3部目)の印刷についてイメージ画像のみで画像形成する。
【0100】
そして、図13に示すように、スキャナ付きペン70は、このような用紙への書き込みに際して埋め込まれているコード画像を読み取り、そのコード画像から座標情報及び識別子情報を読み取る。それから、スキャナ付きペン70は、送信ボタンが押下されたときに、読み取った座標情報及び識別子情報をストローク情報とともに処理サーバ60に送信する。
【0101】
処理サーバ60は、スキャナ付きペン70から情報を受信すると、その情報内の識別子を用いて、識別子管理サーバ40に対して識別子取得要求を送信する。
識別子管理サーバ40は、処理サーバ60から識別子取得要求を受信すると、識別子取得要求にかかる識別子に対応する初期識別子及び論理ページ番号を処理サーバ60に返信する。
【0102】
処理サーバ60は、識別子管理サーバ40から初期識別子及び論理ページ番号を受信すると、その情報を用いて、文書サーバ50に対して文書情報取得要求を送信する。
文書サーバ50は、処理サーバ60から文書情報取得要求を受信すると、文書情報取得要求に含まれている初期識別子及び論理ページ番号に対応する文書データ(論理ページ番号に対応する文書情報等)を取得する。そして、文書サーバ50は、取得した文書データを処理サーバ60に送信する。ここで、文書サーバ50は、領域情報を保持している場合には領域情報もあわせて処理サーバ60に送信する。
【0103】
処理サーバ60は、文書サーバ50から文書データ(文書情報等)を受信すると、その印刷データとストローク情報とを使用して、例えばアンケートの集計等の処理を行う。
ここで、アンケート集計の処理の一例を説明する。
使用者がホストコンピュータ10において領域情報を入力し、文書サーバ50には、領域情報(特定の座標領域と書き込まれるべき項目等の情報)が登録されているとする。例えば、小さい四角枠形状のチェックボックスの領域情報にあっては、そのチェックボックスの座標領域と、「×」印や「レ」印等のチェックボックスに書き込まれるべき値の形状情報とを含んでいる。
【0104】
この場合、処理サーバ60は、文書サーバ50から印刷データとともに領域情報を受け取ることで、座標情報によって特定した領域に記載された情報が何であるかを認識する。例えば、スキャナ付きペン70から送信されてきた、該スキャナ付きペン70によって実際のアンケート用紙に書き込まれた文字の座標情報及びストローク情報を基に、チェックボックス内に記載された「×」印や「レ」印等を認識する。
【0105】
また、書き込まれるべき項目として、他にも数値情報や日本語、漢字で登録しておけば、処理サーバ60は、ストローク情報をOCR(Optical Character Reader)などで文字認識することで、その数値情報や日本語、漢字を認識できる。
そして、処理サーバ60は、そのように認識した情報を電子データとして集計する。
以上のように処理サーバ60がアンケート集計の処理を行うことで、処理サーバ60の使用者等は、アンケート用紙を収集して、収集したアンケート用紙の記載内容を人手で集計するといったような作業を必要とすることなく、アンケートの集計をとることができ、アンケートの集計の処理効率を上げることができる。
【0106】
ここで、本実施形態では、HDD33は、例えば、蓄積手段を構成する。また、操作部21は、例えば、指示手段及び変更手段を構成する。また、画像形成部23は、例えば、出力手段を構成する。制御部31(例えば識別子演算部93)は、例えば、識別子演算手段を構成する。また、制御部31及びメモリ32は、例えば、合成手段を構成する。また座標情報埋め込み指示は、例えば、物理ページへの識別子の合成を実行させるための情報を構成する。
【0107】
なお、前述の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、識別子が合成されている印刷ページ(図14の例では1部目と2部目の印刷ページ)と識別子が合成されていな印刷ページ(図14の例では3部目の印刷ページ)とが出力されるため、それらを区別可能な情報を各印刷ページに付加しても良い。例えば、画像形成装置20は、識別子の合成の有無を示す情報を使用者が識別可能な態様として各印刷ページに付加する。
【0108】
また、前述の実施形態の説明では、識別子管理サーバ40が識別子空間の確保に用いた印刷部数は、使用者によって設定された部数(ホストコンピュータ10において設定された部数)と等しくなっている。これに対して、本実施形態では、識別子管理サーバ40は、使用者によって設定された印刷部数に対して、ある程度余裕をもたせた最終的な印刷部数を用いて識別子空間を確保しても良い。ここで、ある程度余裕をもたせた最終的な印刷部数とは、例えば、使用者によって設定された印刷部数に対して2部を加算した部数である。そして、識別子管理サーバ40がこのようなに最終的な印刷部数を設定できるような場合には、画像形成システム1全体もそれに応じた処理を行う。
【0109】
これによって、画像形成装置20は、ホストコンピュータ10から受け取った部数に対して識別子管理サーバ40が識別空間の確保の際に加算した部数を、蓄積された部数についても加算して処理を行う。例えば、使用者がホストコンピュータ10において印刷部数を3部に設定した場合に識別子管理サーバ40が印刷部数を5部(2部加算)とし識別子空間を確保した場合には、画像形成装置20は、蓄積された部数を5部として扱い処理を行う。これにより、例えば、画像形成装置20は、使用者が印刷部数を多少増加させるような場合にその増加分について識別子の合成を許容することで識別子合成の利便性を維持できる。
また、本実施形態では、ホストコンピュータ10が識別子管理サーバ40の機能を有しても良い。すなわち、ホストコンピュータ10が、識別子群を管理しても良い。
【0110】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を説明する。なお、前記第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第2の実施形態では、画像形成装置20は、変更後の印刷部数が蓄積された部数よりも多い場合、その増加分の部数の印刷を行わないようにしている。
図15乃至図17は、その処理例の示すフローチャートである。図15は、出力処理を示すフローチャートであり、図16は、蓄積文書印刷処理を示すフローチャートであり、図17は、ページ描画処理を示すフローチャートである。
【0111】
図15に示すように、出力処理では、制御部31(表示制御部91)は、前記ステップS7でスタートキーが押下されたと判定すると、ステップS91に進む。
ステップS91では、制御部31は、座標情報埋め込み指示が有る(印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれている)か否かを判定する。制御部31は、座標情報埋め込み指示が有ると判定すると、ステップS92に進む。また、制御部31は、座標情報埋め込み指示が無いと判定すると、前記ステップS8に進む。
【0112】
ステップS92では、制御部31は、変更後の印刷部数(前記ステップS6で設定された印刷部数)が蓄積された部数以下か否かを判定する。制御部31は、変更後の印刷部数が蓄積された部数以下であると判定すると(変更後の印刷部数≦蓄積された部数)、前記ステップS8に進む。また、制御部31は、変更後の印刷部数が蓄積された部数よりも多いと判定すると(変更後の印刷部数>蓄積された部数)、ステップS93に進む。
【0113】
ステップS93では、制御部31は、初期値である蓄積された部数を印刷部数に設定する。そして、制御部31は、前記ステップS8に進む。
また、蓄積文書印刷処理では、図16に示すように、制御部31は、前記ステップS25から換えたステップS111において、値cnを印刷部数に設定することだけを行う。
また、ページ描画処理では、図17に示すように、制御部31は、前記ステップS75及びステップS79の処理を行うことなく、前記ステップS72又は前記ステップS74から前記ステップS76に直接進む。
【0114】
また、第2の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第1の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
次に、第2の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第2の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、変更した印刷部数が蓄積された部数よりも多い場合には、印刷部数を蓄積された部数に戻してから蓄積文書印刷処理を実施し、変更した印刷部数が蓄積された部数以下の場合には、印刷部数をそのままにして蓄積文書印刷処理を実施する(図15)。そして、画像形成装置20は、最終的に設定された印刷部数に基づいて蓄積文書印刷処理を行う(図16、図17等)。
【0115】
よって、画像形成装置20は、変更した印刷部数が蓄積された部数よりも多い場合には印刷部数を蓄積された部数に戻すため(図15)、識別子管理サーバ40から割り当てられた識別子の範囲内で印刷を行うようになる。これにより、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から割り当てられていない識別子を物理ページに合成して出力するのを防止し、印刷部数の変更による物理ページと識別子との不整合の発生を防止する。
【0116】
なお、前述の第2の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、画像形成装置20が蓄積文書印刷用に記憶している複数の文章(印刷データ)の印刷部数を一度に変更することもできる。この場合、例えば、図6に示すように、操作部21に画像形成装置20が提供可能なサービス(機能)の選択画面が表示されている場合において、蓄積文書印刷を実行する「蓄積文書プリント」が使用者によって押圧されて選択されたとする。すると、操作部21には、図18に示すように、記憶されている文書の文書情報に基づいて、その文章の文書名(この例では「文書A」、「文書B」、「文書C」、及び「文書D」)及び印刷部数が表示される。そして、画像形成装置20は、印刷部数が変更された場合、各文章個別に印刷部数変更の判定をして出力処理を行う。例えば、画像形成装置20は、スタートキーが押下された場合に進むステップS91以降の処理を各文章について行う。
【0117】
これにより、画像形成装置20は、変更後の印刷部数が蓄積された部数よりも多い文章については印刷部数を蓄積された部数に戻して蓄積文章印刷処理を行う。この結果、変更後の印刷部数が蓄積された部数よりも多い文章については、他の文章の印刷部数よりも少なく印刷されるようになる。
また、第1の実施形態でも同様な処理を行った場合には、各文章の印刷部数は同一になるものの、変更後の印刷部数が蓄積された部数よりも多い文章については、蓄積された部数よりも多い部数の物理ページに識別子が合成されない状態になる。
【0118】
(第3実施形態)
次に第3の実施形態を説明する。なお、前記第2実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第3実施形態では、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が有る場合、すなわち、識別子を合成する場合、印刷部数を変更できないようにしている。
図19は、その処理例の出力処理を示すフローチャートである。
図19に示すように、制御部31は、前記ステップS3の次にステップS131の処理を行っている。
【0119】
ステップS131では、制御部31(表示制御部91)は、座標情報埋め込み指示が有る(印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれている)か否かを判定する。制御部31は、座標情報埋め込み指示が有ると判定すると、前記ステップ7に進む。また、制御部31は、座標情報埋め込み指示が無いと判定すると、ステップS132に進む。
ステップS132では、制御部31は、変更受付状態(変更可能状態)として操作部21に印刷部数を表示する。
【0120】
次に、ステップS133では、制御部31は、部数入力(部数変更)が有るか否かを判定する。制御部31は、部数入力が有ると判定すると、ステップS134に進む。また、制御部31は、部数入力が無いと判定すると、ステップS7に進む。
ステップS134では、制御部31は、印刷部数に入力部数(変更された部数)を設定する。そして、制御部31は、ステップS7に進む。
【0121】
ステップS7では、制御部31は、印刷開始のためのスタートキーが使用者によって押下されたか否かを判定する。制御部31は、スタートキーが押下されたと判定すると、ステップS8に進む。また、制御部31は、スタートキーが押下されないと判定すると、ステップS131から再び処理を開始する。
また、第3の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第2の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
【0122】
次に、第3の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第3の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が無い場合には印刷部数の変更を許容し、座標情報埋め込み指示が有る場合には印刷部数の変更を許容しないようにしている(図19)。
図20は、座標情報埋め込み指示が有る場合、すなわち印刷部数が変更できない場合の操作部21の表示例を示す図である。図20に示すように、操作部21では、印刷部数の表示が固定されて印刷部数の変更ができないようになっている。
【0123】
よって、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が有る場合、印刷部数を変更できないようにしているため(図19)、識別子管理サーバ40から割り当てられた識別子の範囲内で印刷を行うようになる。これにより、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から割り当てられていない識別子を物理ページに合成して出力するのを防止し、印刷部数の変更による物理ページと識別子との不整合の発生を防止する。
【0124】
(第4実施形態)
次に第4の実施形態を説明する。なお、前記第2実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第4の実施形態では、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が有る場合、すなわち、識別子を合成する場合、印刷部数を減少させる変更のみを許容している。
図21は、その処理例の出力処理を示すフローチャートである。
図21に示すように、ステップS5では、制御部31(表示制御部91)は、部数入力(部数変更)が有るか否かを判定する。制御部31は、部数入力が有ると判定すると、ステップS151に進む。また、制御部31は、部数入力が無いと判定すると、前記ステップS7に進む。
【0125】
ステップS151では、制御部31は、座標情報埋め込み指示が有る(印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれている)か否かを判定する。制御部31は、座標情報埋め込み指示が有ると判定すると、ステップ152に進む。また、制御部31は、座標情報埋め込み指示が無いと判定すると、ステップS154に進む。
ステップS152では、制御部31は、入力部数(変更された部数)が蓄積された部数以下であるか否かを判定する。制御部31は、入力部数(変更された部数)が蓄積された部数以下であると判定すると(入力部数≦蓄積された部数)、ステップS154に進む。また、制御部31は、入力部数(変更された部数)が蓄積された部数よりも多いと判定すると(入力部数>蓄積された部数)、ステップS153に進む。
【0126】
ステップS153では、制御部31は、操作部21においてエラーメッセージ(印刷部数の変更ができないメッセージ等)を表示させる。そして、制御部31は、ステップS7に進む。
ステップS154では、制御部31は、印刷部数に入力部数(変更された部数)を設定する。そして、制御部31は、ステップS7に進む。
【0127】
ステップS7では、制御部31は、印刷開始のためのスタートキーが使用者によって押下されたか否かを判定する。制御部31は、スタートキーが押下されたと判定すると、ステップS8に進む。また、制御部31は、スタートキーが押下されないと判定すると、ステップS5から再び処理を開始する。
また、第3の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第2の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
【0128】
次に、第4の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第4の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が有る場合には、入力部数が蓄積された部数以下のときに該入力部数を印刷部数に設定し、入力部数が蓄積された部よりも多いときにはエラーメッセージを操作部21に表示させかつ印刷部数に入力部数を設定しないようにしている(図21)。すなわち、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が有る場合には、蓄積された部数を減少させる印刷部数の変更を許容し、蓄積された部数を増加させる変更入力についてはエラーメッセージを操作部21に表示させてその変更を許容しないようにしている。
【0129】
図22は、座標情報埋め込み指示が有る場合において入力部数が蓄積された部数よりも多いときの操作部21の表示例を示す図である。図22に示すように、操作部21には、「この文書は部数を増やして印字することができません」等のエラーメッセージが表示される。
このように、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が有る場合には印刷部数を減少させる変更だけを許容しているため(図21)、識別子管理サーバ40から割り当てられた識別子の範囲内で印刷を行うようになる。これにより、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から割り当てられていない識別子を物理ページに合成して出力するのを防止し、印刷部数の変更による物理ページと識別子との不整合の発生を防止する。
【0130】
なお、前述の第3及び第4の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
すなわち、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が有る場合に印刷部数を増加させる変更入力を許容しない構成であれば、第3の実施形態のように印刷部数を変更させない構成や第4の実施形態のように印刷部数の減少変更のみを許容する構成に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0131】
1 画像処理システム、10 ホストコンピュータ、20 画像形成装置、21 操作部、23 画像形成部、30 処理部、31 制御部、32 メモリ、33 HDD、40 識別子管理サーバ、50 文書サーバ、60 処理サーバ、70 スキャナ付きペン、93 識別子演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データ及び該画像形成用データによる印刷の印刷部数情報を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている画像形成用データを用いた印刷を指示する指示手段と、
前記指示手段が印刷を指示した画像形成用データ及び該画像形成用データにかかる前記印刷部数情報を基に画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、
前記画像形成用データの論理ページ数及び印刷部数情報に応じて確保した識別子群を管理し前記識別子群のうちの初期識別子を提供する外部装置から前記印刷要求に対応して提供された前記初期識別子を基に、前記出力手段が出力する各物理ページ毎に異なる識別子を演算する識別子演算手段と、
前記識別子演算手段が演算した各識別子を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、
前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を変更入力に応じて変更する変更手段と、を有し、
前記変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をした場合のその増加分の部数について前記合成手段による合成を行わない画像形成装置。
【請求項2】
前記変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をした場合、その増加分の部数の印刷媒体について前記出力手段による出力を行わない請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記物理ページへの前記識別子の合成を実行させるための情報を検出する情報検出手段を有し、
前記合成手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記合成を行い、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出できない場合、前記合成を行わず、
前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合において前記変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をしたとき、その増加変更前の印刷部数情報に基づいて前記出力手段による出力を行う請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記物理ページへの前記識別子の合成を実行させるための情報を検出する情報検出手段を有し、
前記合成手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記合成を行い、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出できない場合、前記合成を行わず、
前記変更手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を増加させる変更入力を許容しない請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報の変更入力を許容しない請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記変更手段は、前記情報検出手段が前記合成を実行させるための情報を検出した場合、前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を減少させる変更入力だけを許容する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データ及び該画像形成用データによる印刷の印刷部数情報を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている画像形成用データを用いた印刷を指示する指示手段と、
前記指示手段が印刷を指示した画像形成用データ及び該画像形成用データにかかる前記印刷部数情報を基に画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、
前記画像形成用データの論理ページ数及び印刷部数情報に応じて確保した識別子群を管理し前記識別子群のうちの初期識別子を提供する提供手段と、
前記提供手段から前記印刷要求に対応して提供された前記初期識別子を基に、前記出力手段が出力する各物理ページ毎に異なる識別子を演算する識別子演算手段と、
前記識別子演算手段が演算した各識別子を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、
前記出力手段が画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を変更入力に応じて変更する変更手段と、を有し、
前記変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をした場合のその増加分の部数について前記合成手段による合成を行わない画像形成システム。
【請求項8】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データ及び該画像形成用データによる印刷の印刷部数情報を蓄積する蓄積ステップと、
前記蓄積ステップで蓄積された画像形成用データを用いた印刷を指示する指示ステップと、
前記指示ステップで印刷を指示した画像形成用データ及び該画像形成用データにかかる前記印刷部数情報を基に画像形成した印刷媒体を出力する出力ステップと、
前記画像形成用データの論理ページ数及び印刷部数情報に応じて確保した識別子群を管理し前記識別子群のうちの初期識別子を提供する外部装置から前記印刷要求に対応して提供された前記初期識別子を基に、前記出力ステップで出力する各物理ページ毎に異なる識別子を演算する識別子演算ステップと、
前記識別子演算ステップで演算した各識別子を、前記出力ステップが出力する各物理ページの画像に合成する合成ステップと、を有し、
前記出力ステップが画像形成の際に用いる前記印刷部数情報を変更入力に応じて変更する変更手段が前記印刷部数情報を増加させる変更をした場合のその増加分の部数について前記合成ステップによる合成を行わない処理をコンピュータに実行させるコンピュータに読取可能な制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−67050(P2013−67050A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206036(P2011−206036)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】