画像形成装置、画像形成システム及び画像形成プログラム
【課題】本発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減する。
【解決手段】予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部125と、取得部125が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数から求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部123に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を取得部125の取得元に複写する複写部126と、を有する。
【解決手段】予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部125と、取得部125が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数から求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部123に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を取得部125の取得元に複写する複写部126と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(Local Area Network)等の通信手段に複数の画像形成装置等が接続された画像形成システムにおいて、1つの画像形成装置に設定された設定値を他の画像形成装置にも設定する場合には、画像形成装置の管理者等が1台ずつ他の画像形成装置に設定値を設定するか、通信手段を介して設定値の情報を他の画像形成装置に送信し、他の画像形成装置は受信した設定値の情報を反映させる。
【0003】
特許文献1では、画像形成装置が有する制御用パラメータ等の設定値の一部あるいは全部を、同じネットワークシステム上の他の画像形成装置に複写、記憶し、必要に応じて元の画像形成装置に再反映させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−244317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の画像形成装置は、予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部と、前記取得部が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数から求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を前記取得部の取得元に複写する複写部と、を有する。
【0007】
請求項2に記載の画像形成システムは、画像形成動作を制御するための設定値を記憶する第1の記憶部と、予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を保持する保持部と、を有する第1の画像形成装置と、画像形成動作を制御するための設定値を記憶する第2の記憶部と、前記第1の画像形成装置が予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1の画像形成装置の保持部に保持されている記録媒体の数量と設定値毎のエラー回数とから求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、前記第2の記憶部に記憶された前記設定値の一部または全部を前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写する複写部と、を有する第2の画像形成装置と、を有する。
【0008】
請求項3に記載の画像形成システムは、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値のうちいずれか1つの設定値において、前記第1の画像形成装置のエラー発生率が予め定められた値を超えている場合に、前記第2の記憶部に記憶されている設定値の全ての、前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値への複写を制限することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の画像形成システムは、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値の全てにおける前記第1の画像形成装置のエラー発生率が、予め定められた値以下である場合に、前記設定値の全てを前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の画像形成システムは、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値における前記第1の画像形成装置のエラー発生率が、予め定められた値以下である場合に、前記第2の記憶部の設定値を前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の画像形成システムは、請求項2から5のいずれか1項記載の画像形成システムにおいて、前記第2の画像形成装置は、予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を保持する保持部と、前記保持部に保持されている設定値毎のエラー回数を総和して求める総エラー回数を記録媒体の数量で除して求められる総エラー率と、前記第1の画像形成装置の保持部に保持されている設定値毎のエラー回数を総和して求める総エラー回数を記録媒体の数量で除して求められる総エラー率とに基づいて、設定値の複写元を前記第1の画像形成装置とするか否かを決定する決定部と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の画像形成プログラムは、コンピュータを、予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部、前記取得部が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数とから求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を前記取得部の取得元に複写する複写部、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明は、設定値を複写することに起因して他の画像形成装置の画像形成の効率が低下するのを低減する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減する。
【0015】
請求項3および請求項4に記載の発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減し、設定値の複写を制限する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減しつつ、設定値を複写する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、画像形成システム全体の画像形成の効率を高める。
【0018】
請求項7に記載の発明は、設定値を複写することに起因して他の画像形成装置の画像形成の効率が低下するのを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用される画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置のシステム構成の一例を示す図である。
【図3】各画像形成装置に設定される設定値の一例を示す図である。
【図4】保持部が保持するデータの一例を示す図である。
【図5】制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】制御部が有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】設定値を複写するか否かを決定する際に使用するテーブルの一例を示したものである。
【図8】設定値を複写した後の各画像形成装置の設定値の一例を示す図である。
【図9】複写元装置を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】複写元装置が設定値を複写する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】設定値を複写した後の各画像形成装置の設定値の一例を示す図である。
【図12】複写元装置が設定値を複写する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0021】
まず、図1を参照して、本発明を適用した画像形成システムの構成の一例について説明する。
【0022】
画像形成システム100は、通信手段20と、通信手段20に接続された画像形成装置10−1、画像形成装置10−2、・・・、画像形成装置10−n(以後、特に区別する必要がない限り画像形成装置10と記載する)とを備える。
通信手段20は、通信手段20に接続された装置同士の通信を可能にするものであり、通信手段20としては、例えばLAN等が挙げられる。
画像形成装置10は、通信手段20に接続し、通信手段20を介して不図示の情報処理装置、画像データ入力装置等および画像形成装置と通信する。画像形成装置10としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等が挙げられる。
【0023】
次に、図2を参照して画像形成装置10のシステム構成の一例について説明する。
画像形成装置10は、通信部11、制御部12、保持部13、操作・表示部14、画像処理部15および画像出力部16を有する。
【0024】
通信部11は、通信手段20と制御部12と接続する。通信部11は、通信手段20を介して不図示の情報処理装置、画像データ入力装置等から出力された画像データを受信する。また、通信部11は、後述する制御部12の命令に基づいて、通信手段20を介して他の画像形成装置と総印刷枚数(画像形成を行った記録媒体の数量)やエラー回数等のデータの送受信を行う。
【0025】
制御部12は、通信部11と、保持部13と、操作・表示部14と、画像処理部15と、画像出力部16と接続する。
制御部12は、通信部11から画像データや、他の画像形成装置が送信した総印刷枚数に関するデータやエラー回数等のデータを入力する。また、制御部12は、操作・表示部14から入力された操作に基づいて、画像処理部15及び画像出力部16を制御する。また、エラー等が発生した場合に、制御部12は、エラー内容を表示するように操作・表示部14を制御する。
制御部12は、画像データを入力すると、画像処理部15を制御して、画像形成装置10に設置された用紙(記録媒体)に画像出力部16が画像を出力できるよう画像データを処理させる。画像処理部15での画像処理が終了すると、制御部12は、画像出力部16に画像を出力するよう指示する。
また、制御部12は、画像処理部15による画像処理中、または、画像出力部16による画像出力中にエラーが起こった場合には、保持部13へエラーを記憶させる。
【0026】
保持部13は、制御部12と接続され、上述したように画像処理中及び画像出力中に発生したエラーの回数や、印刷枚数等を保持する。保持部13は、電力の供給を受けていない場合でもその記憶内容を保持することができる装置である。保持部13としては、例えば、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable Read Only memory)や、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等が挙げられる。なお、本実施例では、画像形成装置10が保持部13を有する構成としているが、保持部13は画像形成装置10に外付けされる構成としても良い。
【0027】
操作・表示部14は、ユーザからの操作入力を受付けて、制御部12へ出力する。また、制御部12からの命令に従って、操作・表示部14はエラー情報や、ユーザへの伝達事項を表示する。
【0028】
画像処理部15は、制御部12と画像出力部16と接続される。画像処理部15は、制御部12からの命令に従って、画像データを画像出力部16が出力できる形式に変更する処理を実行する。そして、処理を実行した画像データを画像出力部16へ出力する。
【0029】
画像出力部16は、制御部12と画像処理部15と接続される。画像出力部16は、画像処理部15から画像出力部16が出力可能な形式に変換された画像データを入力し、制御部12からの命令に従って用紙に画像を出力する。
【0030】
次に、図3を参照しながら、通信手段20に接続されている各画像形成装置と各画像形成装置が画像出力を行う際に使用する設定値との関係について説明する。図3において、画像形成装置10−1〜画像形成装置10−nの下段に示されたテーブルT10−1〜テーブルT10−nは、各画像形成装置の設定項目と設定値との関係の一例を示している。各画像形成装置は画像形成を行う際に使用する設定項目として、カラー/モノクロ印刷、片面/両面印刷、用紙サイズ、紙質等の情報を有している。なお、画像形成を行う際に使用する設定項目は、本実施例に限られるものではなく、例えば、反転印刷や、180度回転印刷といった項目でも良い。
【0031】
ここでは、画像形成装置10−1の設定値について、テーブルT10−1を用いて説明する。設定項目「カラー/モノクロ印刷」とは、画像形成装置10−1が画像出力を行う場合にカラー印刷を行うかモノクロ印刷を行うかを設定するものである。画像形成装置10−1は、カラー印刷を行うという設定がされており、設定値は「カラー印刷」となっている。
【0032】
設定項目「片面/両面印刷」とは、画像形成装置10−1が画像出力を行う場合に、片面印刷を行うか両面印刷を行うかを設定するものである。画像形成装置10−1は、用紙の両面に印刷を行う両面印刷の設定がされており、設定値は「両面印刷」となっている。
【0033】
設定項目「用紙サイズ」は、画像形成装置10−1が画像出力を行う際に使用する用紙のサイズについて設定するものである。画像形成装置10−1は、A4サイズの用紙を用いて画像出力を行う設定がされており、設定値は「A4」となっている。用紙サイズは「A4」の他に、例えば、画像形成装置10−2に設定されているレターサイズの「Letter」や、A3サイズの「A3」等、本実施例に限定されない設定値を設定可能である。
【0034】
設定項目「紙質」は、画像形成装置10−1が画像出力を行う際に使用する紙の質について設定するものである。画像形成装置10−1は、一般的なOA用紙を用いて画像出力を行う設定がされており、設定値は「普通紙」となっている。紙質には、普通紙のほかにも、画像形成装置10−2に設定されている「厚紙」や、画像形成装置10−nに設定されている「OHP」等、本実施例に限定されない設定値を設定可能である。
【0035】
次に、各画像形成装置の保持部13が保持する、予め定められた期間における総印刷枚数と設定値ごとのエラー回数の一例について図4を用いて説明する。
図4(1)は、画像形成装置10−1の保持部13が保持する、予め定められた期間において、画像出力を行った用紙の総数と、設定値毎のエラー回数についての一例を示したテーブルである。ここで予め定められた期間とは、画像形成装置間で設定値の複写を行う際に、設定値を複写しても良いか否かを判定するために十分な期間のことであり、例えば、1日、1週間、1ヶ月等とすることができ、ユーザにより変更可能である。
図4(1)〜(3)によれば、画像形成装置10−1が33枚、画像形成装置10−2が65枚、画像形成装置10−nが42枚の用紙に画像形成を行っている。
【0036】
次に、予め定められた期間において、各画像形成装置が画像形成を行った際に設定されていた設定値でエラーが発生した回数について図4下段に示されたテーブルを用いて説明する。
図4(1)において、画像形成装置10−1は、設定項目「カラー/モノクロ印刷」に設定された設定値「モノクロ印刷」によって印刷を行った際、3回エラーが発生したため、保持部13が設定値「モノクロ印刷」にエラー回数「3」を保持している。また、画像形成装置10−1は、設定値「カラー印刷」の場合に、エラーが1回発生したため、保持部13が、設定値「カラー印刷」にエラー回数「1」を保持している。
【0037】
設定項目「片面/両面印刷」の設定値「片面印刷」「両面印刷」はいずれもエラーが発生しなかったため、保持部13はエラー回数「0」を保持する。また、設定項目「用紙サイズ」の設定値「A4」では、エラーが発生しなかったため、保持部13はエラー回数「0」を保持する。また、設定値「Letter」では、2回エラーが発生したため、保持部13は、エラー回数「2」を保持する。
【0038】
そして、設定項目「紙質」では、設定値「普通紙」で0回、設定値「OHP」で8回のエラーが発生したため、保持部13は、それぞれエラー回数「0」と「8」を保持する。
画像形成装置10−1と同様に、画像形成装置10−2〜画像形成装置10−nも設定値毎のエラー回数をそれぞれの保持部13が保持する。
【0039】
次に、図5を参照しながら、本実施例における制御部のハードウェア構成の一例について説明する。
制御部12は、いわゆるコンピュータ、すなわち、信号の入出力を行う入出力部124と、制御装置50による制御処理を実現するためのプログラムや、他の画像形成装置の保持部から総印刷枚数および設定値毎のエラー回数を取得するプログラム(詳細は後述)や、設定値などが格納されたROM(Read Only Memory)123(記憶部)と、ROM123に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)121と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM(Random Access Memory)122とから構成される。
また、ROM123に格納されたプログラムのCPU121による演算によって、図6に示す取得部125、複写部126及び決定部127が有する機能が実行される。
【0040】
続いて、図6を参照しながら、制御部12において、上述したCPU121などのハードウェアとROM123に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される処理の一例について説明する。
【0041】
制御部12は、ROM123、取得部125、複写部126及び決定部127を備える。ROM123は、画像形成装置10が画像形成に使用する設定値を記憶しておく記憶部の役割を果たす。ただし、設定値の記憶は、ROM123ではなく、不揮発性の記憶装置であるEEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等を用いて行っても良い。また、本実施例では保持部13とは別の装置に設定値を記憶しているが、保持部13を共有して設定値を記憶させても良い。
【0042】
取得部125は、通信部11と、複写部126と、決定部127と接続する。取得部125は、通信手段20に接続された他の画像形成装置の保持部に保持されている、総印刷枚数と、設定値毎のエラー回数を通信部11を介して入力する。そして、入力したデータを複写部126および決定部127へ出力する。
複写部126は、取得部125から入力された各画像形成装置の記憶媒体の数量と設定値毎のエラー回数とから各設定値毎のエラー発生率を求める。そして、複写部126は、求めたエラー発生率に基づいて他の画像形成装置に自己の設定値を複写するか否かを決定する。複写部126は、他の画像形成装置に自己の設定値を複写すると決定した場合には、ROM123から自己の設定値を取得して、通信部11を介して他の画像形成装置に自己の設定値を複写する。
【0043】
決定部127は、通信部11と、保持部13と、取得部125と接続する。決定部127は、取得部125から他の画像形成装置の総印刷枚数と設定値毎のエラー回数を入力する。そして、決定部127は、入力した設定値毎のエラー回数を加算して総エラー回数を求め、求めた総エラー回数を総印刷枚数で除することで総エラー発生率を計算する。
【0044】
また、決定部127は、保持部13から、自己の総印刷枚数と設定値毎のエラー回数を入力する。そして、決定部127は、入力した自己の設定値毎のエラー回数を加算して総エラー回数を求め、求めた総エラー回数を総印刷枚数で除することで、自己の総エラー発生率を計算する。そして、自己の総エラー発生率と他の画像形成装置の総エラー発生率とをそれぞれ比較し、例えば、最もエラー発生率が小さい画像形成装置を複写元装置とするよう、通信部11を介して他の画像形成装置に通知する。
なお、画像形成システム100において、複写元装置を決定する処理を実行するのは、画像形成装置10−1〜画像形成装置10−nのうちのいずれか1つである。複写元装置を決定する処理を実行する画像形成装置は、予め決めておいても良いし、設定値の複写を行う際に、ユーザが指定するように構成しても良い。
【0045】
次に、図7および図8を参照して、通信手段20に接続された画像形成装置10−1〜画像形成装置10−nのいずれか1つの画像形成装置から他の画像形成装置に設定値を複写する処理の一例について具体的に説明する。
まず、図7を用いて、複写元装置の決定について説明する。ここでは、画像形成装置10−1〜画像形成装置10−nのうち画像形成装置10−1が複写元を決定するための処理を行う装置に選ばれたものとして説明する。画像形成装置10−1(第2の画像形成装置)は、通信手段20に接続された他の画像形成装置10−2〜画像形成装置10−n(第1の画像形成装置)から図4で説明した総印刷枚数および設定値毎のエラー回数を取得する。次に、画像形成装置10−1は、自己も含め、画像形成装置および設定値毎のエラー発生率、および、設定値毎のエラーを総和して総印刷枚数で除した総エラー発生率を求める。図7(a)が、画像形成装置10−1が取得した画像形成装置毎の総印刷枚数を表したものであり、図7(b)は、画像形成装置10−1が取得した画像形成装置及び設定値毎のエラー回数とエラー発生率(カッコ内数字)を示したものである。
【0046】
画像形成装置10−1は、計算した総エラー発生率が最小である画像形成装置を複写元に決定する。図7の場合は、画像形成装置10−1の総エラー発生率が57%で最小であるため、画像形成装置10−1が複写元装置となる。
複写元装置となった画像形成装置10−1は、次に、自己の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率がエラー発生率閾値を越えているか否か判定する。ここで、エラー発生率閾値とは、その設定値に起因して発生するエラーが総印刷枚数に占める割合について、ユーザが許容できる範囲を示したものである。エラー発生率閾値は、ユーザが任意に設定可能であり、また、設定値毎に異なる値とすることが可能である。
【0047】
本実施例では、図3のテーブルT10−1で示したように、画像形成装置10−1には、設定値として「カラー印刷」、「両面印刷」「A4」「普通紙」が設定されている。そこで、画像形成装置10−1は、画像形成装置10−2において、設定値が「カラー印刷」「両面印刷」「A4」「普通紙」におけるエラー発生率とエラー発生率閾値とを比較する。すると、画像形成装置10−2において、設定値「カラー印刷」でのエラー発生率は、エラー発生率閾値10%を越える23%となっている。また、画像形成装置10−2において設定値「両面印刷」でのエラー発生率も、エラー発生率閾値8%を越える26%となっている。したがって、画像形成装置10−1は、自己の設定値を画像形成装置10−2に複写しない。
【0048】
画像形成装置10−1は、同様の処理を通信手段20に接続されている画像形成装置について実施する。画像形成装置10−nにおいて、設定値「両面印刷」「Letter」でのエラー発生率は、エラー発生率閾値を越えている。しかし、画像形成装置10−1の設定値「カラー印刷」、「両面印刷」「A4」「普通紙」では、いずれの設定値においても画像形成装置10−2のエラー発生率は、エラー発生率閾値を越えていない。したがって、画像形成装置10−1は、画像形成装置10−nに自己の全ての設定値「カラー印刷」「両面印刷」「A4」「普通紙」を複写する。
【0049】
図8は、画像形成装置10−1が設定値の複写を行った後の、各画像形成装置の設定値について示した図である。画像形成装置10−1が設定値の複写を行う前の画像形成装置10−2の設定値が図3に示したT10−2だったと仮定すると、画像形成装置10−2には、画像形成装置10−1の設定値が複写されなかったので、図3で示した設定値のままである。一方、画像形成装置10−nは、画像形成装置10−1の設定が複写されたので、設定値が書き換えられ、例えば、設定項目「紙質」は設定値が「OHP」であったものが、「普通紙」に書き換えられる。また、画像形成装置10−1は、ユーザに設定値を複写しなかったことを伝達するために、操作・表示部14に図8(b)のような情報を表示させても良い。
【0050】
次に、画像形成システム100が複写元装置を決定する処理の一例について説明する。
図9は、通信手段20に接続された複数の画像形成装置のうちいずれか1つの画像形成装置が、複写元装置を決定する処理の一例を示したフローチャートである。
ユーザが選択した画像形成装置、あるいは、通信手段20に接続された複数の画像形成装置のうち予め複写元装置を決定する装置として選択された画像形成装置が、本処理を行う。本実施例では、画像形成装置10−1が複写元装置を決定する装置として選択された画像形成装置であるとして説明する。
【0051】
画像形成装置10−1は、ユーザから設定値別のエラー発生率閾値の入力を受付ける(ステップS101)。そして、画像形成装置10−1は、ユーザから設定値の複写を開始させる操作(設定値複写開始操作)を受付けたか否かを判定する(ステップS102)。画像形成装置10−1は、ユーザから設定値複写開始操作を受付けていない場合(ステップS102/NO)、設定値複写開始操作を受付けるまで待機する。画像形成装置10−1は、ユーザから設定値複写開始操作を受付けた場合(ステップS102/YES)、通信手段20に接続された他の画像形成装置から設定値毎のエラー回数および、総印刷枚数を取得する(ステップS103)。次に、画像形成装置10−1は、各画像形成装置の総エラー発生率を計算する(ステップS104)。
【0052】
次に、画像形成装置10−1は、ステップS104で計算した各画像形成装置の総エラー率を参照しながら複写元装置を決定していく。まず、画像形成装置10−1は、総エラー発生率を参照している画像形成装置が最初の画像形成装置であるか否か判定する(ステップS105)。総エラー発生率を参照している画像形成装置が最初の画像形成装置である場合(ステップS105/YES)、画像形成装置10−1は、最初の画像形成装置を複写元装置に設定する(ステップS107)。画像形成装置10−1は、総エラー発生率を参照している画像形成装置が最初の画像形成装置でない場合(ステップS105/NO)、前回総エラー発生率を参照した画像形成装置の総エラー発生率と、今回総エラー発生率を参照している画像形成装置の総エラー発生率とを比較する(ステップS106)。
【0053】
前回総エラー発生率を参照した画像形成装置の総エラー発生率が、今回総エラー発生率を参照している画像形成装置の総エラー発生率よりも大きい場合(ステップS106/NO)、今回総エラー発生率を参照している画像形成装置を複写元装置に設定する(ステップS107)。そして、画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置まで総エラー発生率の参照が終了したか否か判定する(ステップS108)。前回総エラー発生率を参照した画像形成装置の総エラー発生率が、今回総エラー発生率を参照している画像形成装置の総エラー発生率よりも小さい場合(ステップS106/YES)、画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置まで総エラー発生率の参照が終了したか否か判定する(ステップS108)。
【0054】
画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置まで総エラー発生率の参照が終了した場合(ステップS108/YES)、複写元装置にステップS104で受付けた設定値毎のエラー発生率閾値を送信する(ステップS110)。次に、画像形成装置10−1は、設定値複写開始操作を複写元装置に通知する(ステップS111)。画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置まで総エラー発生率の参照が終了していない場合(ステップS108/NO)、次の画像形成装置の総エラー発生率の参照を行う(ステップS109)。そして、画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置の総エラー発生率の参照が終了するまで、ステップS105〜ステップS107までの処理を繰り返す。
【0055】
なお、ステップS103の処理を実行するCPUが取得部125に相当する。また、ステップS104〜ステップS111までの処理を実行するCPUが、決定部127に相当する。
【0056】
次に、複写元装置が設定値の複写を行う処理の一例について説明する。図10は、複写元装置として設定された画像形成装置が他の画像形成装置に設定値の複写を行う際の処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
通信手段20に接続された画像形成装置は、複写元装置を決定する装置(本実施例の場合、画像形成装置10−1)から設定値複写開始操作の通知があったか否かを判定する(ステップS200)。設定値複写開始操作の通知がない場合には(ステップS200/NO)、通信手段20に接続された画像形成装置は、設定値複写開始操作の通知があるまで待機する。
通信手段20に接続された画像形成装置は、設定値複写開始操作の通知があった場合には(ステップS200/YES)、自己が複写元装置として設定されたことになるため、通信手段20に接続された他の画像形成装置から設定値ごとのエラー回数と総印刷枚数を取得する(ステップS201)。本実施例では、画像形成装置10−nが複写元装置として設定されたとして、以後のフローチャートについて説明する。
【0058】
画像形成装置10−nは、画像形成装置10−1が送信した設定値毎のエラー発生率閾値を取得する(ステップS202)。次に、画像形成装置10−nは、画像形成装置10−nの設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きくなる設定値が1つ以上あるか否か判定する(ステップS203)。
【0059】
画像形成装置10−nは、画像形成装置10−nの設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きくなる設定値が1つ以上ある場合(ステップS203/YES)、自己の設定値を他の画像形成装置に複写しない(ステップS205)。画像形成装置10−nは、画像形成装置10−nの設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きくなる設定値が1つ以上ない場合(ステップS203/NO)、自己の設定値を他の画像形成装置に複写する(ステップS204)。
【0060】
次に、画像形成装置10−nは、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理(ステップS203〜ステップS205)が終了したか否かを判定する(ステップS206)。
画像形成装置10−nは、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理が終了していない場合(ステップS206/YES)、次の画像形成装置について設定値を複写できるか否かの判定を行う(ステップS207)。画像形成装置10−nは、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理が終了している場合(ステップS206/YES)、処理を終了する。
【0061】
なお、ステップS201の処理を実行するCPUが取得部125に相当する。また、ステップS203〜ステップS207までの処理を実行するCPUが、複写部126に相当する。
【実施例2】
【0062】
実施例1では、エラー発生率がエラー発生率閾値を越えている設定値が一つでもあれば画像形成装置10−1は、他の画像形成装置に設定値を複写しなかった。しかし、画像形成装置10は、エラー発生率がエラー発生率閾値を超えていない設定値については、複写を行うように構成しても良い。
【0063】
そこで、再度、図7を参照しながら、画像形成装置10が、エラー発生率がエラー発生率閾値を超えていない設定値については、複写を行う構成について説明する。なお、実施例2において、画像形成システム100の構成、画像形成装置10のハードウェア構成は実施例1と異なるところがないため、説明を省略する。
【0064】
実施例2では、ユーザが画像形成装置10−nの設定値を他の画像形成装置に複写したいと考えて、画像形成装置10−nの操作・表示部14から、設定値の複写を要求する操作を実行したとする。
【0065】
画像形成装置10−n(第2の画像形成装置)は、上述したように画像形成装置10−1〜画像形成装置10−n−1(第1の画像形成装置)から総印刷枚数およびエラー回数を取得し、画像形成装置及び設定値ごとのエラー発生率を求める。
次に画像形成装置10−nは、自己の設定値「カラー印刷」について、画像形成装置10−1のエラー発生率がエラー発生率閾値を上回っているか否かを判定する。画像形成装置10−1の設定値「カラー印刷」におけるエラー発生率は3%で、エラー発生率閾値10%を下回っている。従って、画像形成装置10−nは、設定値「カラー印刷」を、画像形成装置10−1に複写する。次に、画像形成装置10−nは、設定値「両面印刷」について、画像形成装置10−1のエラー発生率がエラー発生率閾値を上回っているか否かを判定する。設定値「両面印刷」における画像形成装置10−1のエラー発生率は0%であり、エラー発生率閾値8%を下回っているので、画像形成装置10−nは、設定値「両面印刷」を画像形成装置10−1に複写する。
【0066】
次に、画像形成装置10−nは、設定値「A4」での画像形成装置10−1のエラー発生率がエラー発生率閾値を上回っているか否かを判定する。設定値「A4」における画像形成装置10−1のエラー発生率は0%であり、エラー発生率閾値8%を下回っているので、画像形成装置10−nは、設定値「A4」を画像形成装置10−1に複写する。
【0067】
次に、画像形成装置10−nは、設定値「OHP」での画像形成装置10−1のエラー発生率がエラー発生率閾値を上回っているか否かを判定する。設定値「OHP」における画像形成装置10−1のエラー発生率は24%であり、エラー発生率閾値10%を上回っているので、画像形成装置10−nは、設定値「OHP」を画像形成装置10−1に複写しない。
上述の処理を、画像形成装置10−nは、同様にして画像形成装置10−2〜画像形成装置10−n−1に対して実行する。
【0068】
図11は、画像形成装置10−1が設定値の複写を行った後の、各画像形成装置の設定値について示した図である。画像形成装置10−nが設定値の複写を行う前の画像形成装置10−1の設定が図3に示したT10−1だったと仮定すると、画像形成装置10−1には、設定項目「カラー/モノクロ印刷」〜「用紙サイズ」については、画像形成装置10−nの設定値が複写され、設定項目「紙質」の設定値は、複写されなかったので「普通紙」のままである。一方、画像形成装置10−2は、設定値「A4」および「OHP」については、エラー発生率がエラー発生率閾値を下回っていたので、画像形成装置10−nの設定値が複写された。しかし、「カラー印刷」と「両面印刷」については、画像形成装置10−nの設定値は複写されず、図3に示した値のままである。
また、画像形成装置10−nは、ユーザに設定値を複写しなかったことを伝達するために、図9(b)(1)および(2)のように操作・表示部14に画像形成装置名毎に複写を行わなかった設定項目を表示させても良い。
【0069】
次に、複写元装置が設定値毎に設定値を他の画像形成装置に複写するか否かを判定して、設定値の複写を行う処理の一例について説明する。図12は、ユーザが複写元装置に選択した画像形成装置が、他の画像形成装置に設定値を複写する場合の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例では、画像形成装置10−2が複写元装置に選択されたとして説明を実施する。
【0070】
画像形成装置10−2は、ユーザから設定値別のエラー発生率閾値の入力を受付ける(ステップS301)。
そして、画像形成装置10−2は、ユーザから設定値の複写を開始させる操作(設定値複写開始操作)を受付けたか否かを判定する(ステップS302)。画像形成装置10−2は、ユーザから設定値複写開始操作を受付けていない場合(ステップS302/NO)設定値複写開始操作を受付けるまで待機する。画像形成装置10−2は、ユーザから設定値複写開始操作を受付けた場合(ステップS302/YES)、通信手段20に接続された他の画像形成装置から設定値毎のエラー発生率を取得する(ステップS303)。
【0071】
次に、画像形成装置10−2は、画像形成装置10−2の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS304)。
画像形成装置10−2は、画像形成装置10−2の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きい場合(ステップS304/YES)、画像形成装置10−2は、エラー発生率とエラー発生率閾値とを比較した設定値を他の画像形成装置に複写しない(ステップS306)。画像形成装置10−2は、画像形成装置10−2の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも小さい場合(ステップS304/NO)、画像形成装置10−2は、設定値を他の画像形成装置に複写する。(ステップS305)。
【0072】
次に、画像形成装置10−2は、全ての設定値について、他の画像形成装置に複写が可能か否かの判定が終了したかを判定する(ステップS307)。
画像形成装置10−2は、全ての設定値について判定が終了していない場合、(ステップS307/NO)、次の設定値を他の画像形成装置に複写できる否かを判定するため、ステップS304〜ステップS306の処理を繰り返す。画像形成装置10−2は、全ての設定値について判定が終了した場合(ステップS307/YES)、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理(ステップS304〜ステップS207)が終了したか否かを判定する(ステップS308)。
【0073】
画像形成装置10−2は、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理が終了していない場合(ステップS308/YES)、次の画像形成装置について設定値を複写できるか否かの判定を行う(ステップS304〜ステップS307)。画像形成装置10−2は、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理が終了している場合(ステップS308/YES)、処理を終了する。
【0074】
なお、ステップS303の処理を実行するCPUが取得部125に相当する。また、ステップS304〜ステップS308までの処理を実行するCPUが、複写部126に相当する。
【0075】
以上の説明から明らかなように、実施例1および実施例2によれば、複写元装置は、自己の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率がエラー発生率閾値を超える設定値が1以上ある場合には設定値を他の画像形成装置に複写しないため、設定値を複写することに起因して他の画像形成装置が画像形成を行う効率が低下することを低減する。より詳しくは、設定値の複写先装置が、複写された設定値により、紙詰まり(印刷ジャム)、PDLエラー、紙質(例えば、普通紙、OHP等)や用紙サイズの不整合、モータフェイル等のエラーを起こし、印刷が中断する可能性が抑制される。また、実施例1および実施例2によれば、画像形成の効率を低下させる設定値の複写に起因して、ユーザが設定値を元の設定値に再度変更する、あるいは別の設定値に変更するという作業負荷が低減される。
さらに、実施例2によれば、複写元装置は自己の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率がエラー発生率閾値以下である設定値については他の画像形成装置に複写することにより、設定値を複写することに起因して他の画像形成装置が画像形成を行う効率が低下することを低減しつつ、設定値を複写する。実施例2によれば、エラー発生率閾値以下である設定値は複写されるため、ユーザが設定値を複写先装置に複写する作業が低減される。
さらに、実施例1および実施例2の画像形成システムは、総エラー発生率が最小の画像形成装置を複製元装置に設定することにより、画像形成システム全体の画像形成の効率を高める。
【0076】
上述した実施例は、本発明の実施例の一部である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば、実施例では、複写元装置は他の画像形成装置から設定値毎のエラー回数および総印刷枚数を取得して、設定値毎のエラー発生率や、総エラー発生率を求めていたが、各画像形成装置がそれぞれ設定値毎のエラー発生率や、総エラー発生率を保持し、複写元装置は各画像形成装置から設定値毎のエラー発生率や、総エラー発生率を取得するようにしても良い。
また、制御部12が実行するプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
【符号の説明】
【0077】
10、10−1、10−2、10−n…画像形成装置
11…通信部
12…制御部
13…保持部
14…操作・表示部
15…画像処理部
16…画像出力部
20…通信手段
100…画像形成システム
121…CPU
122…RAM
123…ROM(記憶部)
124…入出力部
125…取得部
126…複写部
127…決定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(Local Area Network)等の通信手段に複数の画像形成装置等が接続された画像形成システムにおいて、1つの画像形成装置に設定された設定値を他の画像形成装置にも設定する場合には、画像形成装置の管理者等が1台ずつ他の画像形成装置に設定値を設定するか、通信手段を介して設定値の情報を他の画像形成装置に送信し、他の画像形成装置は受信した設定値の情報を反映させる。
【0003】
特許文献1では、画像形成装置が有する制御用パラメータ等の設定値の一部あるいは全部を、同じネットワークシステム上の他の画像形成装置に複写、記憶し、必要に応じて元の画像形成装置に再反映させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−244317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の画像形成装置は、予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部と、前記取得部が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数から求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を前記取得部の取得元に複写する複写部と、を有する。
【0007】
請求項2に記載の画像形成システムは、画像形成動作を制御するための設定値を記憶する第1の記憶部と、予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を保持する保持部と、を有する第1の画像形成装置と、画像形成動作を制御するための設定値を記憶する第2の記憶部と、前記第1の画像形成装置が予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1の画像形成装置の保持部に保持されている記録媒体の数量と設定値毎のエラー回数とから求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、前記第2の記憶部に記憶された前記設定値の一部または全部を前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写する複写部と、を有する第2の画像形成装置と、を有する。
【0008】
請求項3に記載の画像形成システムは、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値のうちいずれか1つの設定値において、前記第1の画像形成装置のエラー発生率が予め定められた値を超えている場合に、前記第2の記憶部に記憶されている設定値の全ての、前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値への複写を制限することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の画像形成システムは、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値の全てにおける前記第1の画像形成装置のエラー発生率が、予め定められた値以下である場合に、前記設定値の全てを前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の画像形成システムは、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値における前記第1の画像形成装置のエラー発生率が、予め定められた値以下である場合に、前記第2の記憶部の設定値を前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の画像形成システムは、請求項2から5のいずれか1項記載の画像形成システムにおいて、前記第2の画像形成装置は、予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を保持する保持部と、前記保持部に保持されている設定値毎のエラー回数を総和して求める総エラー回数を記録媒体の数量で除して求められる総エラー率と、前記第1の画像形成装置の保持部に保持されている設定値毎のエラー回数を総和して求める総エラー回数を記録媒体の数量で除して求められる総エラー率とに基づいて、設定値の複写元を前記第1の画像形成装置とするか否かを決定する決定部と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の画像形成プログラムは、コンピュータを、予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部、前記取得部が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数とから求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を前記取得部の取得元に複写する複写部、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明は、設定値を複写することに起因して他の画像形成装置の画像形成の効率が低下するのを低減する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減する。
【0015】
請求項3および請求項4に記載の発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減し、設定値の複写を制限する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、設定値を複写することに起因して画像形成の効率が低下するのを低減しつつ、設定値を複写する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、画像形成システム全体の画像形成の効率を高める。
【0018】
請求項7に記載の発明は、設定値を複写することに起因して他の画像形成装置の画像形成の効率が低下するのを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用される画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置のシステム構成の一例を示す図である。
【図3】各画像形成装置に設定される設定値の一例を示す図である。
【図4】保持部が保持するデータの一例を示す図である。
【図5】制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】制御部が有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】設定値を複写するか否かを決定する際に使用するテーブルの一例を示したものである。
【図8】設定値を複写した後の各画像形成装置の設定値の一例を示す図である。
【図9】複写元装置を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】複写元装置が設定値を複写する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】設定値を複写した後の各画像形成装置の設定値の一例を示す図である。
【図12】複写元装置が設定値を複写する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0021】
まず、図1を参照して、本発明を適用した画像形成システムの構成の一例について説明する。
【0022】
画像形成システム100は、通信手段20と、通信手段20に接続された画像形成装置10−1、画像形成装置10−2、・・・、画像形成装置10−n(以後、特に区別する必要がない限り画像形成装置10と記載する)とを備える。
通信手段20は、通信手段20に接続された装置同士の通信を可能にするものであり、通信手段20としては、例えばLAN等が挙げられる。
画像形成装置10は、通信手段20に接続し、通信手段20を介して不図示の情報処理装置、画像データ入力装置等および画像形成装置と通信する。画像形成装置10としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等が挙げられる。
【0023】
次に、図2を参照して画像形成装置10のシステム構成の一例について説明する。
画像形成装置10は、通信部11、制御部12、保持部13、操作・表示部14、画像処理部15および画像出力部16を有する。
【0024】
通信部11は、通信手段20と制御部12と接続する。通信部11は、通信手段20を介して不図示の情報処理装置、画像データ入力装置等から出力された画像データを受信する。また、通信部11は、後述する制御部12の命令に基づいて、通信手段20を介して他の画像形成装置と総印刷枚数(画像形成を行った記録媒体の数量)やエラー回数等のデータの送受信を行う。
【0025】
制御部12は、通信部11と、保持部13と、操作・表示部14と、画像処理部15と、画像出力部16と接続する。
制御部12は、通信部11から画像データや、他の画像形成装置が送信した総印刷枚数に関するデータやエラー回数等のデータを入力する。また、制御部12は、操作・表示部14から入力された操作に基づいて、画像処理部15及び画像出力部16を制御する。また、エラー等が発生した場合に、制御部12は、エラー内容を表示するように操作・表示部14を制御する。
制御部12は、画像データを入力すると、画像処理部15を制御して、画像形成装置10に設置された用紙(記録媒体)に画像出力部16が画像を出力できるよう画像データを処理させる。画像処理部15での画像処理が終了すると、制御部12は、画像出力部16に画像を出力するよう指示する。
また、制御部12は、画像処理部15による画像処理中、または、画像出力部16による画像出力中にエラーが起こった場合には、保持部13へエラーを記憶させる。
【0026】
保持部13は、制御部12と接続され、上述したように画像処理中及び画像出力中に発生したエラーの回数や、印刷枚数等を保持する。保持部13は、電力の供給を受けていない場合でもその記憶内容を保持することができる装置である。保持部13としては、例えば、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable Read Only memory)や、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等が挙げられる。なお、本実施例では、画像形成装置10が保持部13を有する構成としているが、保持部13は画像形成装置10に外付けされる構成としても良い。
【0027】
操作・表示部14は、ユーザからの操作入力を受付けて、制御部12へ出力する。また、制御部12からの命令に従って、操作・表示部14はエラー情報や、ユーザへの伝達事項を表示する。
【0028】
画像処理部15は、制御部12と画像出力部16と接続される。画像処理部15は、制御部12からの命令に従って、画像データを画像出力部16が出力できる形式に変更する処理を実行する。そして、処理を実行した画像データを画像出力部16へ出力する。
【0029】
画像出力部16は、制御部12と画像処理部15と接続される。画像出力部16は、画像処理部15から画像出力部16が出力可能な形式に変換された画像データを入力し、制御部12からの命令に従って用紙に画像を出力する。
【0030】
次に、図3を参照しながら、通信手段20に接続されている各画像形成装置と各画像形成装置が画像出力を行う際に使用する設定値との関係について説明する。図3において、画像形成装置10−1〜画像形成装置10−nの下段に示されたテーブルT10−1〜テーブルT10−nは、各画像形成装置の設定項目と設定値との関係の一例を示している。各画像形成装置は画像形成を行う際に使用する設定項目として、カラー/モノクロ印刷、片面/両面印刷、用紙サイズ、紙質等の情報を有している。なお、画像形成を行う際に使用する設定項目は、本実施例に限られるものではなく、例えば、反転印刷や、180度回転印刷といった項目でも良い。
【0031】
ここでは、画像形成装置10−1の設定値について、テーブルT10−1を用いて説明する。設定項目「カラー/モノクロ印刷」とは、画像形成装置10−1が画像出力を行う場合にカラー印刷を行うかモノクロ印刷を行うかを設定するものである。画像形成装置10−1は、カラー印刷を行うという設定がされており、設定値は「カラー印刷」となっている。
【0032】
設定項目「片面/両面印刷」とは、画像形成装置10−1が画像出力を行う場合に、片面印刷を行うか両面印刷を行うかを設定するものである。画像形成装置10−1は、用紙の両面に印刷を行う両面印刷の設定がされており、設定値は「両面印刷」となっている。
【0033】
設定項目「用紙サイズ」は、画像形成装置10−1が画像出力を行う際に使用する用紙のサイズについて設定するものである。画像形成装置10−1は、A4サイズの用紙を用いて画像出力を行う設定がされており、設定値は「A4」となっている。用紙サイズは「A4」の他に、例えば、画像形成装置10−2に設定されているレターサイズの「Letter」や、A3サイズの「A3」等、本実施例に限定されない設定値を設定可能である。
【0034】
設定項目「紙質」は、画像形成装置10−1が画像出力を行う際に使用する紙の質について設定するものである。画像形成装置10−1は、一般的なOA用紙を用いて画像出力を行う設定がされており、設定値は「普通紙」となっている。紙質には、普通紙のほかにも、画像形成装置10−2に設定されている「厚紙」や、画像形成装置10−nに設定されている「OHP」等、本実施例に限定されない設定値を設定可能である。
【0035】
次に、各画像形成装置の保持部13が保持する、予め定められた期間における総印刷枚数と設定値ごとのエラー回数の一例について図4を用いて説明する。
図4(1)は、画像形成装置10−1の保持部13が保持する、予め定められた期間において、画像出力を行った用紙の総数と、設定値毎のエラー回数についての一例を示したテーブルである。ここで予め定められた期間とは、画像形成装置間で設定値の複写を行う際に、設定値を複写しても良いか否かを判定するために十分な期間のことであり、例えば、1日、1週間、1ヶ月等とすることができ、ユーザにより変更可能である。
図4(1)〜(3)によれば、画像形成装置10−1が33枚、画像形成装置10−2が65枚、画像形成装置10−nが42枚の用紙に画像形成を行っている。
【0036】
次に、予め定められた期間において、各画像形成装置が画像形成を行った際に設定されていた設定値でエラーが発生した回数について図4下段に示されたテーブルを用いて説明する。
図4(1)において、画像形成装置10−1は、設定項目「カラー/モノクロ印刷」に設定された設定値「モノクロ印刷」によって印刷を行った際、3回エラーが発生したため、保持部13が設定値「モノクロ印刷」にエラー回数「3」を保持している。また、画像形成装置10−1は、設定値「カラー印刷」の場合に、エラーが1回発生したため、保持部13が、設定値「カラー印刷」にエラー回数「1」を保持している。
【0037】
設定項目「片面/両面印刷」の設定値「片面印刷」「両面印刷」はいずれもエラーが発生しなかったため、保持部13はエラー回数「0」を保持する。また、設定項目「用紙サイズ」の設定値「A4」では、エラーが発生しなかったため、保持部13はエラー回数「0」を保持する。また、設定値「Letter」では、2回エラーが発生したため、保持部13は、エラー回数「2」を保持する。
【0038】
そして、設定項目「紙質」では、設定値「普通紙」で0回、設定値「OHP」で8回のエラーが発生したため、保持部13は、それぞれエラー回数「0」と「8」を保持する。
画像形成装置10−1と同様に、画像形成装置10−2〜画像形成装置10−nも設定値毎のエラー回数をそれぞれの保持部13が保持する。
【0039】
次に、図5を参照しながら、本実施例における制御部のハードウェア構成の一例について説明する。
制御部12は、いわゆるコンピュータ、すなわち、信号の入出力を行う入出力部124と、制御装置50による制御処理を実現するためのプログラムや、他の画像形成装置の保持部から総印刷枚数および設定値毎のエラー回数を取得するプログラム(詳細は後述)や、設定値などが格納されたROM(Read Only Memory)123(記憶部)と、ROM123に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)121と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM(Random Access Memory)122とから構成される。
また、ROM123に格納されたプログラムのCPU121による演算によって、図6に示す取得部125、複写部126及び決定部127が有する機能が実行される。
【0040】
続いて、図6を参照しながら、制御部12において、上述したCPU121などのハードウェアとROM123に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される処理の一例について説明する。
【0041】
制御部12は、ROM123、取得部125、複写部126及び決定部127を備える。ROM123は、画像形成装置10が画像形成に使用する設定値を記憶しておく記憶部の役割を果たす。ただし、設定値の記憶は、ROM123ではなく、不揮発性の記憶装置であるEEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等を用いて行っても良い。また、本実施例では保持部13とは別の装置に設定値を記憶しているが、保持部13を共有して設定値を記憶させても良い。
【0042】
取得部125は、通信部11と、複写部126と、決定部127と接続する。取得部125は、通信手段20に接続された他の画像形成装置の保持部に保持されている、総印刷枚数と、設定値毎のエラー回数を通信部11を介して入力する。そして、入力したデータを複写部126および決定部127へ出力する。
複写部126は、取得部125から入力された各画像形成装置の記憶媒体の数量と設定値毎のエラー回数とから各設定値毎のエラー発生率を求める。そして、複写部126は、求めたエラー発生率に基づいて他の画像形成装置に自己の設定値を複写するか否かを決定する。複写部126は、他の画像形成装置に自己の設定値を複写すると決定した場合には、ROM123から自己の設定値を取得して、通信部11を介して他の画像形成装置に自己の設定値を複写する。
【0043】
決定部127は、通信部11と、保持部13と、取得部125と接続する。決定部127は、取得部125から他の画像形成装置の総印刷枚数と設定値毎のエラー回数を入力する。そして、決定部127は、入力した設定値毎のエラー回数を加算して総エラー回数を求め、求めた総エラー回数を総印刷枚数で除することで総エラー発生率を計算する。
【0044】
また、決定部127は、保持部13から、自己の総印刷枚数と設定値毎のエラー回数を入力する。そして、決定部127は、入力した自己の設定値毎のエラー回数を加算して総エラー回数を求め、求めた総エラー回数を総印刷枚数で除することで、自己の総エラー発生率を計算する。そして、自己の総エラー発生率と他の画像形成装置の総エラー発生率とをそれぞれ比較し、例えば、最もエラー発生率が小さい画像形成装置を複写元装置とするよう、通信部11を介して他の画像形成装置に通知する。
なお、画像形成システム100において、複写元装置を決定する処理を実行するのは、画像形成装置10−1〜画像形成装置10−nのうちのいずれか1つである。複写元装置を決定する処理を実行する画像形成装置は、予め決めておいても良いし、設定値の複写を行う際に、ユーザが指定するように構成しても良い。
【0045】
次に、図7および図8を参照して、通信手段20に接続された画像形成装置10−1〜画像形成装置10−nのいずれか1つの画像形成装置から他の画像形成装置に設定値を複写する処理の一例について具体的に説明する。
まず、図7を用いて、複写元装置の決定について説明する。ここでは、画像形成装置10−1〜画像形成装置10−nのうち画像形成装置10−1が複写元を決定するための処理を行う装置に選ばれたものとして説明する。画像形成装置10−1(第2の画像形成装置)は、通信手段20に接続された他の画像形成装置10−2〜画像形成装置10−n(第1の画像形成装置)から図4で説明した総印刷枚数および設定値毎のエラー回数を取得する。次に、画像形成装置10−1は、自己も含め、画像形成装置および設定値毎のエラー発生率、および、設定値毎のエラーを総和して総印刷枚数で除した総エラー発生率を求める。図7(a)が、画像形成装置10−1が取得した画像形成装置毎の総印刷枚数を表したものであり、図7(b)は、画像形成装置10−1が取得した画像形成装置及び設定値毎のエラー回数とエラー発生率(カッコ内数字)を示したものである。
【0046】
画像形成装置10−1は、計算した総エラー発生率が最小である画像形成装置を複写元に決定する。図7の場合は、画像形成装置10−1の総エラー発生率が57%で最小であるため、画像形成装置10−1が複写元装置となる。
複写元装置となった画像形成装置10−1は、次に、自己の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率がエラー発生率閾値を越えているか否か判定する。ここで、エラー発生率閾値とは、その設定値に起因して発生するエラーが総印刷枚数に占める割合について、ユーザが許容できる範囲を示したものである。エラー発生率閾値は、ユーザが任意に設定可能であり、また、設定値毎に異なる値とすることが可能である。
【0047】
本実施例では、図3のテーブルT10−1で示したように、画像形成装置10−1には、設定値として「カラー印刷」、「両面印刷」「A4」「普通紙」が設定されている。そこで、画像形成装置10−1は、画像形成装置10−2において、設定値が「カラー印刷」「両面印刷」「A4」「普通紙」におけるエラー発生率とエラー発生率閾値とを比較する。すると、画像形成装置10−2において、設定値「カラー印刷」でのエラー発生率は、エラー発生率閾値10%を越える23%となっている。また、画像形成装置10−2において設定値「両面印刷」でのエラー発生率も、エラー発生率閾値8%を越える26%となっている。したがって、画像形成装置10−1は、自己の設定値を画像形成装置10−2に複写しない。
【0048】
画像形成装置10−1は、同様の処理を通信手段20に接続されている画像形成装置について実施する。画像形成装置10−nにおいて、設定値「両面印刷」「Letter」でのエラー発生率は、エラー発生率閾値を越えている。しかし、画像形成装置10−1の設定値「カラー印刷」、「両面印刷」「A4」「普通紙」では、いずれの設定値においても画像形成装置10−2のエラー発生率は、エラー発生率閾値を越えていない。したがって、画像形成装置10−1は、画像形成装置10−nに自己の全ての設定値「カラー印刷」「両面印刷」「A4」「普通紙」を複写する。
【0049】
図8は、画像形成装置10−1が設定値の複写を行った後の、各画像形成装置の設定値について示した図である。画像形成装置10−1が設定値の複写を行う前の画像形成装置10−2の設定値が図3に示したT10−2だったと仮定すると、画像形成装置10−2には、画像形成装置10−1の設定値が複写されなかったので、図3で示した設定値のままである。一方、画像形成装置10−nは、画像形成装置10−1の設定が複写されたので、設定値が書き換えられ、例えば、設定項目「紙質」は設定値が「OHP」であったものが、「普通紙」に書き換えられる。また、画像形成装置10−1は、ユーザに設定値を複写しなかったことを伝達するために、操作・表示部14に図8(b)のような情報を表示させても良い。
【0050】
次に、画像形成システム100が複写元装置を決定する処理の一例について説明する。
図9は、通信手段20に接続された複数の画像形成装置のうちいずれか1つの画像形成装置が、複写元装置を決定する処理の一例を示したフローチャートである。
ユーザが選択した画像形成装置、あるいは、通信手段20に接続された複数の画像形成装置のうち予め複写元装置を決定する装置として選択された画像形成装置が、本処理を行う。本実施例では、画像形成装置10−1が複写元装置を決定する装置として選択された画像形成装置であるとして説明する。
【0051】
画像形成装置10−1は、ユーザから設定値別のエラー発生率閾値の入力を受付ける(ステップS101)。そして、画像形成装置10−1は、ユーザから設定値の複写を開始させる操作(設定値複写開始操作)を受付けたか否かを判定する(ステップS102)。画像形成装置10−1は、ユーザから設定値複写開始操作を受付けていない場合(ステップS102/NO)、設定値複写開始操作を受付けるまで待機する。画像形成装置10−1は、ユーザから設定値複写開始操作を受付けた場合(ステップS102/YES)、通信手段20に接続された他の画像形成装置から設定値毎のエラー回数および、総印刷枚数を取得する(ステップS103)。次に、画像形成装置10−1は、各画像形成装置の総エラー発生率を計算する(ステップS104)。
【0052】
次に、画像形成装置10−1は、ステップS104で計算した各画像形成装置の総エラー率を参照しながら複写元装置を決定していく。まず、画像形成装置10−1は、総エラー発生率を参照している画像形成装置が最初の画像形成装置であるか否か判定する(ステップS105)。総エラー発生率を参照している画像形成装置が最初の画像形成装置である場合(ステップS105/YES)、画像形成装置10−1は、最初の画像形成装置を複写元装置に設定する(ステップS107)。画像形成装置10−1は、総エラー発生率を参照している画像形成装置が最初の画像形成装置でない場合(ステップS105/NO)、前回総エラー発生率を参照した画像形成装置の総エラー発生率と、今回総エラー発生率を参照している画像形成装置の総エラー発生率とを比較する(ステップS106)。
【0053】
前回総エラー発生率を参照した画像形成装置の総エラー発生率が、今回総エラー発生率を参照している画像形成装置の総エラー発生率よりも大きい場合(ステップS106/NO)、今回総エラー発生率を参照している画像形成装置を複写元装置に設定する(ステップS107)。そして、画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置まで総エラー発生率の参照が終了したか否か判定する(ステップS108)。前回総エラー発生率を参照した画像形成装置の総エラー発生率が、今回総エラー発生率を参照している画像形成装置の総エラー発生率よりも小さい場合(ステップS106/YES)、画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置まで総エラー発生率の参照が終了したか否か判定する(ステップS108)。
【0054】
画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置まで総エラー発生率の参照が終了した場合(ステップS108/YES)、複写元装置にステップS104で受付けた設定値毎のエラー発生率閾値を送信する(ステップS110)。次に、画像形成装置10−1は、設定値複写開始操作を複写元装置に通知する(ステップS111)。画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置まで総エラー発生率の参照が終了していない場合(ステップS108/NO)、次の画像形成装置の総エラー発生率の参照を行う(ステップS109)。そして、画像形成装置10−1は、最後の画像形成装置の総エラー発生率の参照が終了するまで、ステップS105〜ステップS107までの処理を繰り返す。
【0055】
なお、ステップS103の処理を実行するCPUが取得部125に相当する。また、ステップS104〜ステップS111までの処理を実行するCPUが、決定部127に相当する。
【0056】
次に、複写元装置が設定値の複写を行う処理の一例について説明する。図10は、複写元装置として設定された画像形成装置が他の画像形成装置に設定値の複写を行う際の処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
通信手段20に接続された画像形成装置は、複写元装置を決定する装置(本実施例の場合、画像形成装置10−1)から設定値複写開始操作の通知があったか否かを判定する(ステップS200)。設定値複写開始操作の通知がない場合には(ステップS200/NO)、通信手段20に接続された画像形成装置は、設定値複写開始操作の通知があるまで待機する。
通信手段20に接続された画像形成装置は、設定値複写開始操作の通知があった場合には(ステップS200/YES)、自己が複写元装置として設定されたことになるため、通信手段20に接続された他の画像形成装置から設定値ごとのエラー回数と総印刷枚数を取得する(ステップS201)。本実施例では、画像形成装置10−nが複写元装置として設定されたとして、以後のフローチャートについて説明する。
【0058】
画像形成装置10−nは、画像形成装置10−1が送信した設定値毎のエラー発生率閾値を取得する(ステップS202)。次に、画像形成装置10−nは、画像形成装置10−nの設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きくなる設定値が1つ以上あるか否か判定する(ステップS203)。
【0059】
画像形成装置10−nは、画像形成装置10−nの設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きくなる設定値が1つ以上ある場合(ステップS203/YES)、自己の設定値を他の画像形成装置に複写しない(ステップS205)。画像形成装置10−nは、画像形成装置10−nの設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きくなる設定値が1つ以上ない場合(ステップS203/NO)、自己の設定値を他の画像形成装置に複写する(ステップS204)。
【0060】
次に、画像形成装置10−nは、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理(ステップS203〜ステップS205)が終了したか否かを判定する(ステップS206)。
画像形成装置10−nは、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理が終了していない場合(ステップS206/YES)、次の画像形成装置について設定値を複写できるか否かの判定を行う(ステップS207)。画像形成装置10−nは、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理が終了している場合(ステップS206/YES)、処理を終了する。
【0061】
なお、ステップS201の処理を実行するCPUが取得部125に相当する。また、ステップS203〜ステップS207までの処理を実行するCPUが、複写部126に相当する。
【実施例2】
【0062】
実施例1では、エラー発生率がエラー発生率閾値を越えている設定値が一つでもあれば画像形成装置10−1は、他の画像形成装置に設定値を複写しなかった。しかし、画像形成装置10は、エラー発生率がエラー発生率閾値を超えていない設定値については、複写を行うように構成しても良い。
【0063】
そこで、再度、図7を参照しながら、画像形成装置10が、エラー発生率がエラー発生率閾値を超えていない設定値については、複写を行う構成について説明する。なお、実施例2において、画像形成システム100の構成、画像形成装置10のハードウェア構成は実施例1と異なるところがないため、説明を省略する。
【0064】
実施例2では、ユーザが画像形成装置10−nの設定値を他の画像形成装置に複写したいと考えて、画像形成装置10−nの操作・表示部14から、設定値の複写を要求する操作を実行したとする。
【0065】
画像形成装置10−n(第2の画像形成装置)は、上述したように画像形成装置10−1〜画像形成装置10−n−1(第1の画像形成装置)から総印刷枚数およびエラー回数を取得し、画像形成装置及び設定値ごとのエラー発生率を求める。
次に画像形成装置10−nは、自己の設定値「カラー印刷」について、画像形成装置10−1のエラー発生率がエラー発生率閾値を上回っているか否かを判定する。画像形成装置10−1の設定値「カラー印刷」におけるエラー発生率は3%で、エラー発生率閾値10%を下回っている。従って、画像形成装置10−nは、設定値「カラー印刷」を、画像形成装置10−1に複写する。次に、画像形成装置10−nは、設定値「両面印刷」について、画像形成装置10−1のエラー発生率がエラー発生率閾値を上回っているか否かを判定する。設定値「両面印刷」における画像形成装置10−1のエラー発生率は0%であり、エラー発生率閾値8%を下回っているので、画像形成装置10−nは、設定値「両面印刷」を画像形成装置10−1に複写する。
【0066】
次に、画像形成装置10−nは、設定値「A4」での画像形成装置10−1のエラー発生率がエラー発生率閾値を上回っているか否かを判定する。設定値「A4」における画像形成装置10−1のエラー発生率は0%であり、エラー発生率閾値8%を下回っているので、画像形成装置10−nは、設定値「A4」を画像形成装置10−1に複写する。
【0067】
次に、画像形成装置10−nは、設定値「OHP」での画像形成装置10−1のエラー発生率がエラー発生率閾値を上回っているか否かを判定する。設定値「OHP」における画像形成装置10−1のエラー発生率は24%であり、エラー発生率閾値10%を上回っているので、画像形成装置10−nは、設定値「OHP」を画像形成装置10−1に複写しない。
上述の処理を、画像形成装置10−nは、同様にして画像形成装置10−2〜画像形成装置10−n−1に対して実行する。
【0068】
図11は、画像形成装置10−1が設定値の複写を行った後の、各画像形成装置の設定値について示した図である。画像形成装置10−nが設定値の複写を行う前の画像形成装置10−1の設定が図3に示したT10−1だったと仮定すると、画像形成装置10−1には、設定項目「カラー/モノクロ印刷」〜「用紙サイズ」については、画像形成装置10−nの設定値が複写され、設定項目「紙質」の設定値は、複写されなかったので「普通紙」のままである。一方、画像形成装置10−2は、設定値「A4」および「OHP」については、エラー発生率がエラー発生率閾値を下回っていたので、画像形成装置10−nの設定値が複写された。しかし、「カラー印刷」と「両面印刷」については、画像形成装置10−nの設定値は複写されず、図3に示した値のままである。
また、画像形成装置10−nは、ユーザに設定値を複写しなかったことを伝達するために、図9(b)(1)および(2)のように操作・表示部14に画像形成装置名毎に複写を行わなかった設定項目を表示させても良い。
【0069】
次に、複写元装置が設定値毎に設定値を他の画像形成装置に複写するか否かを判定して、設定値の複写を行う処理の一例について説明する。図12は、ユーザが複写元装置に選択した画像形成装置が、他の画像形成装置に設定値を複写する場合の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例では、画像形成装置10−2が複写元装置に選択されたとして説明を実施する。
【0070】
画像形成装置10−2は、ユーザから設定値別のエラー発生率閾値の入力を受付ける(ステップS301)。
そして、画像形成装置10−2は、ユーザから設定値の複写を開始させる操作(設定値複写開始操作)を受付けたか否かを判定する(ステップS302)。画像形成装置10−2は、ユーザから設定値複写開始操作を受付けていない場合(ステップS302/NO)設定値複写開始操作を受付けるまで待機する。画像形成装置10−2は、ユーザから設定値複写開始操作を受付けた場合(ステップS302/YES)、通信手段20に接続された他の画像形成装置から設定値毎のエラー発生率を取得する(ステップS303)。
【0071】
次に、画像形成装置10−2は、画像形成装置10−2の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS304)。
画像形成装置10−2は、画像形成装置10−2の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも大きい場合(ステップS304/YES)、画像形成装置10−2は、エラー発生率とエラー発生率閾値とを比較した設定値を他の画像形成装置に複写しない(ステップS306)。画像形成装置10−2は、画像形成装置10−2の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率が、エラー発生率閾値よりも小さい場合(ステップS304/NO)、画像形成装置10−2は、設定値を他の画像形成装置に複写する。(ステップS305)。
【0072】
次に、画像形成装置10−2は、全ての設定値について、他の画像形成装置に複写が可能か否かの判定が終了したかを判定する(ステップS307)。
画像形成装置10−2は、全ての設定値について判定が終了していない場合、(ステップS307/NO)、次の設定値を他の画像形成装置に複写できる否かを判定するため、ステップS304〜ステップS306の処理を繰り返す。画像形成装置10−2は、全ての設定値について判定が終了した場合(ステップS307/YES)、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理(ステップS304〜ステップS207)が終了したか否かを判定する(ステップS308)。
【0073】
画像形成装置10−2は、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理が終了していない場合(ステップS308/YES)、次の画像形成装置について設定値を複写できるか否かの判定を行う(ステップS304〜ステップS307)。画像形成装置10−2は、最後の画像形成装置まで設定値を複写するための処理が終了している場合(ステップS308/YES)、処理を終了する。
【0074】
なお、ステップS303の処理を実行するCPUが取得部125に相当する。また、ステップS304〜ステップS308までの処理を実行するCPUが、複写部126に相当する。
【0075】
以上の説明から明らかなように、実施例1および実施例2によれば、複写元装置は、自己の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率がエラー発生率閾値を超える設定値が1以上ある場合には設定値を他の画像形成装置に複写しないため、設定値を複写することに起因して他の画像形成装置が画像形成を行う効率が低下することを低減する。より詳しくは、設定値の複写先装置が、複写された設定値により、紙詰まり(印刷ジャム)、PDLエラー、紙質(例えば、普通紙、OHP等)や用紙サイズの不整合、モータフェイル等のエラーを起こし、印刷が中断する可能性が抑制される。また、実施例1および実施例2によれば、画像形成の効率を低下させる設定値の複写に起因して、ユーザが設定値を元の設定値に再度変更する、あるいは別の設定値に変更するという作業負荷が低減される。
さらに、実施例2によれば、複写元装置は自己の設定値における他の画像形成装置のエラー発生率がエラー発生率閾値以下である設定値については他の画像形成装置に複写することにより、設定値を複写することに起因して他の画像形成装置が画像形成を行う効率が低下することを低減しつつ、設定値を複写する。実施例2によれば、エラー発生率閾値以下である設定値は複写されるため、ユーザが設定値を複写先装置に複写する作業が低減される。
さらに、実施例1および実施例2の画像形成システムは、総エラー発生率が最小の画像形成装置を複製元装置に設定することにより、画像形成システム全体の画像形成の効率を高める。
【0076】
上述した実施例は、本発明の実施例の一部である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば、実施例では、複写元装置は他の画像形成装置から設定値毎のエラー回数および総印刷枚数を取得して、設定値毎のエラー発生率や、総エラー発生率を求めていたが、各画像形成装置がそれぞれ設定値毎のエラー発生率や、総エラー発生率を保持し、複写元装置は各画像形成装置から設定値毎のエラー発生率や、総エラー発生率を取得するようにしても良い。
また、制御部12が実行するプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
【符号の説明】
【0077】
10、10−1、10−2、10−n…画像形成装置
11…通信部
12…制御部
13…保持部
14…操作・表示部
15…画像処理部
16…画像出力部
20…通信手段
100…画像形成システム
121…CPU
122…RAM
123…ROM(記憶部)
124…入出力部
125…取得部
126…複写部
127…決定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部と、
前記取得部が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数から求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を前記取得部の取得元に複写する複写部と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
画像形成動作を制御するための設定値を記憶する第1の記憶部と、予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を保持する保持部と、を有する第1の画像形成装置と、
画像形成動作を制御するための設定値を記憶する第2の記憶部と、前記第1の画像形成装置が予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1の画像形成装置の保持部に保持されている記録媒体の数量と設定値毎のエラー回数とから求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、前記第2の記憶部に記憶された前記設定値の一部または全部を前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写する複写部と、を有する第2の画像形成装置と、
を有する画像形成システム。
【請求項3】
前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値のうちいずれか1つの設定値において、前記第1の画像形成装置のエラー発生率が予め定められた値を超えている場合に、前記第2の記憶部に記憶されている設定値の全ての、前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値への複写を制限することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値の全てにおける前記第1の画像形成装置のエラー発生率が、予め定められた値以下である場合に、前記設定値の全てを前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値における前記第1の画像形成装置のエラー発生率が、予め定められた値以下である場合に、前記第2の記憶部の設定値を前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記第2の画像形成装置は、予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を保持する保持部と、
前記保持部に保持されている設定値毎のエラー回数を総和して求める総エラー回数を記録媒体の数量で除して求められる総エラー率と、前記第1の画像形成装置の保持部に保持されている設定値毎のエラー回数を総和して求める総エラー回数を記録媒体の数量で除して求められる総エラー率とに基づいて、設定値の複写元を前記第1の画像形成装置とするか否かを決定する決定部と、を有することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項7】
コンピュータを、
予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部、
前記取得部が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数とから求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を前記取得部の取得元に複写する複写部、
として機能させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項1】
予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部と、
前記取得部が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数から求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を前記取得部の取得元に複写する複写部と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
画像形成動作を制御するための設定値を記憶する第1の記憶部と、予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を保持する保持部と、を有する第1の画像形成装置と、
画像形成動作を制御するための設定値を記憶する第2の記憶部と、前記第1の画像形成装置が予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1の画像形成装置の保持部に保持されている記録媒体の数量と設定値毎のエラー回数とから求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、前記第2の記憶部に記憶された前記設定値の一部または全部を前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写する複写部と、を有する第2の画像形成装置と、
を有する画像形成システム。
【請求項3】
前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値のうちいずれか1つの設定値において、前記第1の画像形成装置のエラー発生率が予め定められた値を超えている場合に、前記第2の記憶部に記憶されている設定値の全ての、前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値への複写を制限することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値の全てにおける前記第1の画像形成装置のエラー発生率が、予め定められた値以下である場合に、前記設定値の全てを前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記複写部は、前記第2の記憶部の設定値における前記第1の画像形成装置のエラー発生率が、予め定められた値以下である場合に、前記第2の記憶部の設定値を前記第1の画像形成装置の前記第1の記憶部に記憶された設定値に複写することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記第2の画像形成装置は、予め定められた期間内に画像形成を行った記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を保持する保持部と、
前記保持部に保持されている設定値毎のエラー回数を総和して求める総エラー回数を記録媒体の数量で除して求められる総エラー率と、前記第1の画像形成装置の保持部に保持されている設定値毎のエラー回数を総和して求める総エラー回数を記録媒体の数量で除して求められる総エラー率とに基づいて、設定値の複写元を前記第1の画像形成装置とするか否かを決定する決定部と、を有することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項7】
コンピュータを、
予め定められた期間内に画像形成処理がなされた記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数を取得する取得部、
前記取得部が取得した記録媒体の数量および設定値毎のエラー回数とから求められる設定値毎のエラー発生率に基づいて、記憶部に記憶された、画像形成動作を制御するための設定値の一部または全部を前記取得部の取得元に複写する複写部、
として機能させることを特徴とする画像形成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−188529(P2010−188529A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32202(P2009−32202)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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