説明

画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム

【課題】印刷処理を必要とするユーザに対して印刷の待ち時間を削減する。
【解決手段】印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要とする印刷要求を受け付ける受付手段と、印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を計測する計測手段と、計測された廃トナー量が、印刷済用紙を結束するのに必要される廃トナー量を満足するか否かを判断する判断手段と、を含み、印刷要求を受け付けた後、計測された廃トナー量が、印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足しないと判断すると、印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要としない、他の印刷要求を優先的に受け付け実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザープリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、複数の用紙を束ねる際の後処理として、ステープラーやクリップを使用する方式が知られている。
【0003】
ところが、上記の後処理においては、束ねられた用紙をファイリングや破棄する際に、ステープラーの針やクリップが邪魔になるという問題点があった。そこで、ステープラーやクリップを使用しない方式として、用紙に所定の画像を形成すると共に、接着用のトナー層も形成し、このトナー層を加熱及び加圧することにより用紙同士を接着する方法がある。
【0004】
例えば、複数枚の用紙を積載トレイに供給した後、加熱加圧部材を下降させ、加熱加圧部材と加圧部材とにより接着部を挟持して、用紙間のトナー層を溶融して用紙同士を接着させる方法が既に知られている。ただし、この用紙接着方法では、用紙に所定の画像を形成すると共に、接着用のトナー層も形成していた。
【0005】
この接着用のトナー層は、画像を形成するために使用するトナーをそのまま流用しているので、接着用のトナー層を使えば使う程、画像形成装置全体のトナー消費量が多くなるという問題があり、廃トナーを使用して紙束化を行う方法も考案されている。
【0006】
また、特許文献1には、回収した廃トナーを再利用する目的で、未使用トナーを収容する未使用トナー収容部と、感光体上に残留するトナーを回収する回収手段と、この回収手段によって回収された廃トナーを収容する廃トナー収容部と、回収手段によって回収された廃トナーを廃トナー収容部に向かって搬送する搬送手段と、未使用トナー収容部から供給された未使用トナーと廃トナー収容部から供給された廃トナーとを現像手段に補給するトナー補給手段とを備えるトナー補給装置において、廃トナー収容部に収容される廃トナーの量が廃トナー収容部の所定容量を超えたときに、廃トナーの供給経路を廃トナー収容部から未使用トナー収容部に切り替えるトナー補給装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の方法では、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているとき、又はトナーが存在しないときは、用紙間接着用の材料がなくなってしまうこととなるので紙束化を行うことができなかった。このとき、画像形成装置の操作部パネルにはエラーメッセージが表示され、ユーザによりエラーが解除するまで次の印刷要求が行われない仕組みとなっていた。そのため、紙束化を必要としない、印刷処理のみを必要とするユーザにまで印刷の実行を待たせてしまうという問題があった。
【0008】
特許文献1では、廃トナー量が所定容量以下になった場合、廃トナー利用を停止することとしているが、廃トナーの再利用のために、廃トナーを未使用トナー収容部に搬送する必要があり、廃トナーの不足時には廃トナーを搬送し、廃トナー量が所定の容量以上になるまで、ユーザの印刷処理を待たせてしまうという問題は解決されていない。
【0009】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、廃トナータンク内の廃トナー量が不足した場合において、紙束化処理を実行してもエラーメッセージを出すことなく、紙束化処理を必要としない印刷処理を実行可能とし、印刷処理のみを必要とするユーザに対して印刷実行の待ち時間を削減することができる画像形成装置、画像形成方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における画像形成装置は、印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要とする印刷要求を受け付ける受付手段と、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を計測する計測手段と、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要される廃トナー量を満足するか否かを判断する判断手段と、を含み、前記印刷要求を受け付けた後、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足しないと判断すると、前記印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要としない、他の印刷要求を優先的に受け付け実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、廃トナータンク内の廃トナー量が不足した場合であっても、廃トナーによる紙束化を必要としない用紙への印刷処理を実行可能とし、ユーザの待ち時間を削減することができる画像形成装置、画像形成方法、及びプログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときの印刷要求に対する動作を説明するためのフロー図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに他の印刷要求を優先して実行する動作を説明するためのフロー図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに印字用トナーを用いて用紙間接着と印刷動作を実行する動作を説明するためのフロー図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、用紙間接着モードを選択する動作を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、印字用トナーを用紙間接着に使用するときの印字用トナーの色を選択する動作を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに他の画像形成装置の廃トナータンクと交換する動作を説明するためのフロー図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置が、ネットワークを介して複数台接続されている状態を説明する概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
【0014】
本発明は、要するに、廃トナータンク内の廃トナー量不足時には、廃トナーを用いた紙束化要求があったドキュメントの印刷動作は実行せず、廃トナーを用いた紙束化の必要がないドキュメントを先行して印刷し、廃トナーを用いた紙束化の必要がないドキュメントを先行して印刷することにより廃トナー量を増やし、廃トナーを用いた紙束化が可能な廃トナー量が溜まった時点で、廃トナーを用いた紙束化要求があったドキュメントの印刷動作を実行し、紙束化を実施することとしている。
【0015】
これにより、廃トナーを用いた紙束化処理を要求してもエラーメッセージを出すことなく、廃トナーを用いた紙束化を必要としない用紙への画像形成は実行可能とし、ユーザの待機時間を削減することができる。しかし、廃トナーを用いた紙束化要求があったドキュメントへの印刷に関しては、廃トナーを用いた紙束化が可能な廃トナー量になるまで待機する必要があり、急を要する場合には問題となる。
【0016】
そこで、直ちにトナーを用いた紙束化を行いたい場合は、印字用トナーを紙束化用トナーとして中間転写ベルト上に一次転写し、用紙上に二次転写させて、その紙束化用トナーだけは定着装置を通さずに、印刷要求枚数がスタックされた後に、加熱加圧部材と加圧部材とを用いて用紙束を挟み、トナーを用いて紙束化させる方法も具備するものとする。
【0017】
ただし、この実施形態では、印字用トナーを使用することになるので、トナーの再利用とはならず、トナー消費を早めてしまうという懸念がある。そこで、廃トナー量が十分溜まっている他の画像生成装置をネットワーク経由で検索し、その画像形成装置の廃トナータンクと交換する仕組みをも設けることとする。
【0018】
このように、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに、様々な仕組みを活用し、トナーを用いた紙束化を実行することが特徴になっている。この本発明の特徴について、以下図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置において、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときの印刷要求に対する動作を説明するためのフロー図である。図1において、まず、ステップ(以下、「S」という。)101において、廃トナーによる用紙間の接着と印刷動作とが要求されると、S102の処理において、用紙間の接着に使用する廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているか否かが判断される。
【0020】
S102において、廃トナータンクの廃トナー量が不足していない(S102:NO)と判断されたときは、S105へ移行し、廃トナーによる用紙間接着と印刷動作が実行され、処理が終了する。
【0021】
他方、S102において、廃トナータンクの廃トナー量が不足している(S102:YES)と判断されたときは、S103へ移行し、「廃トナータンク内の廃トナー量が不足している」旨のエラー表示が図示しない画像形成装置の表示部に表示される。
【0022】
そして、S104において、ユーザにより、廃トナー量が十分入っている廃トナータンクに交換されると、エラー表示が解除され、S105において、廃トナーによる用紙間接着と印刷動作とが実行され、処理が終了する。
【0023】
なお、S103において、「廃トナータンク内の廃トナー量が不足している」旨のエラー表示がなされている状態で、S106の廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷要求が発生したときであっても、画像形成装置はこの要求を受け付けない。S104の廃トナータンクが交換され、エラー表示が解除されて初めてS106の廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷要求が受け付けられる。
【0024】
このように、本実施形態では、通常、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているとき、廃トナーを用いた用紙間接着と印刷動作要求があったとしても、操作パネル上に「(廃トナータンク内の)廃トナー量不足」と表示されたり、廃トナー量不足ランプが点灯したりすることにより、廃トナーによる用紙間接着と印刷動作は実施されない。
【0025】
このときに別途印刷要求があっても、エラーが解除されるまで、印刷動作は行われない。よって、廃トナータンクを交換する等の処置により、エラーが解除されることにより、初めて要求があった廃トナーによる用紙間接着と印刷動作が実行され、別途印刷要求も実行されるようになる。
【0026】
このように、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているとき、廃トナーによる用紙間接着と印刷動作は実行できず、その後に入力された印刷要求も実行されない。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置において、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに他の印刷要求を優先して実行する動作を説明するためのフロー図である。図2において、まず、S201において、廃トナーによる用紙間接着と印刷要求とが要求されると、S202の処理において、用紙間の接着に使用する廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているか否かが判断される。
【0028】
S202において、廃トナータンクの廃トナー量が不足していない(S202:NO)と判断されたときは、S205へ移行し、廃トナーによる用紙間接着と印刷動作が実行され、処理が終了する。
【0029】
他方、S202において、廃トナータンクの廃トナー量が不足している(S202:YES)と判断されたときは、S203へ移行し、廃トナーによる用紙間接着と印刷要求を停止し、次に要求される廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷要求を優先して実行する。
【0030】
そして、廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷要求が実行された結果、S204において、廃トナータンク内の廃トナー量が、廃トナーによる用紙間接着を行うために必要とされる一定量以上となったか否かが判断される。
【0031】
S204において、廃トナータンク内の廃トナー量が、廃トナーによる用紙間接着を行うために必要とされる一定量以上となったとき(S204:YES)は、S205へ移行し、廃トナーによる用紙間接着と印刷要求とが実行され、廃トナータンク内の廃トナー量が、廃トナーによる用紙間接着を行うために必要とされる一定量未満であるとき(S204:NO)は、S203の処理へ戻る。
【0032】
このように、本実施形態では、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに、廃トナーによる用紙間接着と印刷要求とがあった場合、廃トナーによる用紙間接着と印刷要求を止め、次の廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷要求を優先して実行する制御としている。これにより、廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷を優先して実行することができ、ユーザの待機時間を減らすことができる。
【0033】
そして、廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷要求を実行し続けることにより、廃トナータンク内の廃トナー量は増加していくので、廃トナー量が一定量以上となったときに、廃トナーによる用紙間接着と印刷要求を実行するものとする。
【0034】
これにより、廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷を優先的に実行することができるので、ユーザの待機時間を減らすことができ、さらに、廃トナーによる用紙間接着を必要とする印刷要求も実行することができる。
【0035】
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置において、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに印字用トナーを用いて用紙間接着と印刷動作を実行する動作を説明するためのフロー図である。図3において、まず、S301において、廃トナーによる用紙間接着と印刷要求とが要求されると、S302の処理において、用紙間の接着に使用する廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているか否かが判断される。
【0036】
S302において、廃トナータンクの廃トナー量が不足していない(S302:NO)と判断されたときは、S305へ移行し、廃トナーによる用紙間接着と印刷動作が実行され、処理が終了する。
【0037】
他方、S302において、廃トナータンクの廃トナー量が不足している(S302:YES)と判断されたときは、S303へ移行し、廃トナーに代えて、印字用トナーを用いた用紙間接着と印刷動作が実行される。
【0038】
そして、印字用トナーによる用紙間接着と印刷動作とが実行された結果、S304において、廃トナータンク内の廃トナー量が、廃トナーによる用紙間接着を行うために必要とされる一定量以上となったか否かが判断される。
【0039】
S304において、廃トナータンク内の廃トナー量が、廃トナーによる用紙間接着を行うために必要とされる一定量以上となったとき(S304:YES)は、S305へ移行し、廃トナーによる用紙間接着と印刷要求とが実行され、廃トナータンク内の廃トナー量が、廃トナーによる用紙間接着を行うために必要とされる一定量未満であるとき(S304:NO)は、S303の処理へ戻る。
【0040】
このように、上述した図2の実施形態では、廃トナーによる用紙間接着を必要としない印刷を実行することができるので、ユーザの待機時間を減らすことができ、さらに廃トナーによる用紙間接着を必要とする印刷要求も実行することができるものであった。すなわち、図2の実施形態では、廃トナーによる用紙間接着を必要とする印刷要求に対しては、廃トナータンク内の廃トナー量が一定量に溜まるまでユーザを待機させるものであった。
【0041】
しかしながら、画像形成装置では、素早く用紙間接着と印刷要求を実行できないと困る場合もあり得る。そこで、素早く用紙間接着と印刷とを実行することができるように、この図3の実施形態においては、廃トナー不足により用紙間接着と印刷要求とが実行できない場合に、印字用トナーを用いて用紙間接着と印刷要求とを実行することとしたのである。
【0042】
廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときは、廃トナーによる用紙間接着と印刷とを実行することができない。そこで、トナーを用いた用紙間接着と印刷要求があり、素早く実行したい場合は、図4に示すように、図示しない操作部パネル上で用紙接着モードを選択できるようにし、廃トナーによる用紙接着だけを行うか、廃トナーによる用紙間接着と印字用トナーによる用紙間接着とを併せて行うかを選択することができるようにする。
【0043】
すなわち、図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置において、用紙間接着モードを選択する動作を説明するためのフロー図であり、ユーザにより、図示しない画像形成装置の操作パネル上の用紙間接着モードが選択されることにより(S401)、廃トナーによる用紙間接着のみを実行するか(S402)、廃トナーによる用紙間接着と印字用トナーによる用紙間接着との双方を実行するか(S403)のいずれかの用紙間接着モードが実行されるのである。
【0044】
これにより、廃トナーが不足しているときは、印字用トナーによる用紙間接着を行うことで、素早く用紙間接着と印刷とを実行することができる。印字用トナーによる用紙間接着は、用紙接着箇所に対応したトナーを図示しない中間転写ベルト上に一次転写し、用紙上に二次転写し、用紙がスタックされた後に、加熱加圧部材と加圧部材とを用いて挟むことにより実行される。
【0045】
ところで、図3の実施形態で説明したように、本発明は、印字用トナーを用紙間接着用途として使用することを可能とするものであるが、この場合、如何なる色のトナーを使用するかによって、トナーボトルの寿命に影響を及ぼす。そこで、図5に示すように、如何なる色のトナーを用紙間接着用途として使用するかを指定することができるようにしている。
【0046】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置において、印字用トナーを用紙間接着に使用するときの印字用トナーの色を選択する動作を説明するためのフロー図である。図5において、ユーザにより、図示しない操作パネル上で用紙間接着に使用する印字用トナーの色指定モードが選択されると(S501)、インクの量が最も多いトナーを使用するか(S502)、各ユーザ毎に使用頻度が低い色が存在する場合もあり得るため、ユーザにより指定された任意の色(Bk(黒)、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン))を使用するか(S503)を選択できるようにする。量が最も多いトナーを使用する場合(S502)、トナーボトルに備えられている図示しないトナー残量センサの結果を用いて、量の大小を見分けることとする。
【0047】
以上説明してきたように、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに、廃トナーを用いた用紙間接着を必要としない印刷を実行すると、廃トナーを用いた用紙間接着を必要としない印刷動作に関してはユーザの待機時間を低減することができるが、廃トナータンク内の廃トナーが一定量に溜まるまで待つ必要がある。一方、印字用トナーを用いた用紙間接着を実行すると、用紙間接着と印刷動作に関してはユーザを待機させることなく印刷を実行することが可能であるが、印字用トナーボトルの消費が激しくなってしまう。何れの実施形態にも一長一短がある。よって、ユーザの待機時間を短くし、かつ、印字用トナーボトルのトナーを消費しない用紙間接着が求められる。
【0048】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置において、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに他の画像形成装置の廃トナータンクと交換する動作を説明するためのフロー図であり、図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置が、ネットワークを介して複数台接続されている状態を説明する概略構成図である。
【0049】
図7において、複数台の画像形成装置71、72、73、74、75、及び76が、ネットワーク70を介して接続されている。また、これら複数台の画像形成装置71、72、73、74、75、及び76を制御するためのサーバ77もネットワーク70を介して画像形成装置71、72、73、74、75、及び76に接続されている。
【0050】
画像形成装置の廃トナータンク内の廃トナー量が減ってきたとき、又は量が不足しているときに、図示しない操作パネル上に廃トナーの量が不足している旨が表示される。一般的に企業等では同じ型番の画像形成装置が大量に設置されている場合が多く、各画像形成装置は図7に示すようにネットワーク70で接続されている場合が多い。
【0051】
そこで、図6に示すように、画像形成装置の図示しない操作パネル上に設けられた廃トナータンク検索ボタンがユーザにより押下されることにより(S601)、ネットワーク70を経由して、サーバ77に格納されている各画像形成装置71〜76の稼働状況から、一定量以上溜まった廃トナータンクを有する画像形成装置が検索される(S602)ようにする。これにより、迅速に代替用の廃トナータンクを有する画像形成装置を発見することができ、その画像形成装置が有する廃トナータンクと交換する(S603)ことにより、廃トナーによる用紙間接着と印刷動作の同時実行が可能となる。
【0052】
なお、交換された側の画像形成装置では廃トナータンク内の廃トナー量が不足することとなるが、画像形成装置によっては、廃トナーによる用紙間接着以外の他の接着機能(例えば、ステープラー留め等)を具備している場合も多く、ネットワークを介して接続された画像形成装置の間で融通を利かせて廃トナーを使用することが可能である。
【0053】
なお、図7においては、6台の画像形成装置がネットワーク70を介して接続されている例を示しているが、画像形成装置の台数は任意の台数とすることが可能である。また、ネットワーク70は、画像形成装置71〜76とサーバ77間の双方向通信が可能なネットワークであれば、その種類は問わないものとする。さらに、画像形成装置71〜76及びネットワーク70を監視する装置の一例としてサーバ77を用いているが、画像形成装置71〜76及びネットワーク70を監視することが可能な装置であれば、如何なる装置であっても良い。
【0054】
このように、本発明では、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときには、廃トナーを用いた紙束化要求のあったドキュメントの印刷動作を行うことなく、廃トナーを用いた紙束化を必要としないドキュメントを先行して印刷させている。
【0055】
そして、廃トナーを用いた紙束化を必要としないドキュメントを先行して印刷し続けることにより廃トナー量を増やし、廃トナーを用いた紙束化が可能な一定の廃トナー量が溜まって初めて、廃トナーによる紙束化要求があったドキュメントの印刷動作を行い、紙束化を実行することとしている。
【0056】
これにより、廃トナータンク内の廃トナー量が不足しているときに、仮に紙束化処理を実行したとしてもエラーメッセージを出力することなく、廃トナーによる紙束化を必要としない用紙の印刷処理を実行することにより、ユーザの待機時間を削減しているのである。
【0057】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
70 ネットワーク
71、72、73、74、75、76 画像形成装置
77 サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2000−047544号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要とする印刷要求を受け付ける受付手段と、
前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を計測する計測手段と、
前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要される廃トナー量を満足するか否かを判断する判断手段と、
を含み、
前記印刷要求を受け付けた後、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足しないと判断すると、前記印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要としない、他の印刷要求を優先的に受け付け実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記他の印刷要求を優先的に受け付け、前記他の印刷要求に対応する印刷を実行した後、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足すると判断すると、前記印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要とする印刷要求を受け付け実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷要求を受け付けた後、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足しないと判断すると、印刷に用いられる印刷用トナーによる結束を行う印刷要求を受け付け実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷用トナーによる結束を行う印刷要求を受け付け実行した後、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足すると判断すると、前記印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要とする印刷要求を受け付け実行することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記廃トナーによる結束、又は前記廃トナーによる結束及び前記印刷用トナーによる結束のいずれか一方の結束要求を選択する選択手段をさらに含み、前記選択手段により選択された結束要求に基づいて,前記印刷済用紙の結束を実行することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷用トナーによる結束を行うために用いられるトナーの色を指定する指定手段をさらに含み、前記指定手段により、トナー残量が最大である色、又はユーザにより任意に選択された色が指定されることを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された他のトナータンクに溜まっているトナー量を検索する検索手段をさらに含み、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足しないと判断すると、前記検索手段により検索された、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量が溜まっている他のトナータンクと入れ替えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
受付手段が、印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要とする印刷要求を受け付ける工程と、
計測手段が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を計測する工程と、
判断手段が、前記計測する工程により計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要される廃トナー量を満足するか否かを判断する工程と、
を含み、
前記判断する工程により、前記印刷要求を受け付けた後、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足しないと判断されると、受付手段が、前記印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要としない、他の印刷要求を優先的に受け付け実行する工程と、を含むこと特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
画像形成装置のコンピュータにより実行可能なプログラムであって、
受付手段が、印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要とする印刷要求を受け付ける処理と、
計測手段が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を計測する処理と、
判断手段が、前記計測する処理により計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要される廃トナー量を満足するか否かを判断する処理と、
を含み、
前記判断する処理により、前記印刷要求を受け付けた後、前記計測された廃トナー量が、前記印刷済用紙を結束するのに必要とされる廃トナー量を満足しないと判断されると、受付手段が、前記印刷済用紙の廃トナーによる結束を必要としない、他の印刷要求を優先的に受け付け実行する処理と、を含むこと特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−105070(P2013−105070A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249475(P2011−249475)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】