説明

画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、及び記録媒体

【課題】オペレータによるペーパージャム処理をしやすくした画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を第1の表示手段で表示し、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を第2の表示手段で表示することにより、装置自身の残紙排出動作による再ジャム発生時には、その旨を速やかにオペレータに伝えオペレータが手作業にて取り除く必要のあるジャム紙を最小限とするので、オペレータのペーパージャム処理に費やす労力を、大幅に削減する事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の画像形成装置においては高速化が進み、動作時においては装置内の給紙/画像形成/排紙等の通紙経路上に複数枚の用紙が同時に存在する。このうちのいずれかの用紙がペーパージャムを発生させた場合、その時点で通紙経路上の他の位置にも他の用紙が存在しており、そのような箇所は複数に及ぶおそれが高い。
【0003】
更に昨今は、画像形成装置の本体に加えてオプション周辺機(大量給紙ユニット、排紙処理ユニット等)を具備しているケースも多く、その場合は更に搬送経路も長くなりペーパージャム発生時の装置内残紙の発生箇所が多くなってしまう。
【0004】
ここで、装置内部でペーパージャムが発生した場合、その主原因となった残紙はダメージを受けているが装置外に自動排出する事が困難である。このため、オペレータによる手作業にて取り除かれるのが一般的である。また、他の残紙においては直接的なダメージを受けているおそれは少ないが、装置内に残された影響によりカールやシワ等のクセが紙に残る事が懸念され、更にそれらの残紙について中途半端な状態(位置)から通紙(印刷)を再開させると新たにペーパージャムが発生するおそれがある。
このため、装置の表示部にジャム発生を表示することが行われている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開平8−248710号公報
【特許文献2】特開2000−335782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、主原因除去後の残紙処理について、総て自動で機外に排出されるのが理想的であるが、極めて中途半端な状況から通紙を再開させる事について、人間(オペレータ)の監視無しにいかなるケースにおいても全自動にてすべての残紙を機外に排出する事は現状の検知機能及び装置の対応能力を鑑みると極めて困難である。
【0006】
従って、現状はペーパージャム発生時において、主原因となった残紙を特定せず機内残紙をすべて一律に操作部に表示しており、オペレータの手作業によって、装置内部の総ての残紙が取り除かれるまで当該装置は復旧しない。
つまり、前述した従来技術においてオペレータに各々の残紙位置に応じて装置のさまざまな箇所を開け、総ての残紙を除去する事をさせており、ユーザーにとっては大変面倒な作業となっている。
【0007】
装置のアプライアンス性をより向上するために、オペレータはジャムの主原因となった残紙のみを取り除き、他の残紙はできるだけオペレータの手を介在せずに取り除ける事が望ましい。
【0008】
そこで、本発明の目的は、オペレータによるペーパージャム処理をしやすくした画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、前記用紙の搬送状態を管理する制御部と、前記制御部からオペレータへのメッセージを表示し且つ前記オペレータから前記制御部への指示を入力する操作部と、通紙経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する検知手段とを備えた画像形成装置において、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段と、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する第2の表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段と、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する第2の表示手段とを備えたことにより、残紙の強制排紙を実施した後の状態変遷に応じて操作部への表示とオペレータの指示を繰り返す事にてマン〜マシン間にてコミュニケーションを取りつつ強制排紙動作を進行させて行く事ができ、装置自身の残紙排出動作による再ジャム発生時には、その旨を速やかにオペレータに伝えオペレータが手作業にて取り除く必要のあるジャム紙を最小限(再ジャムの主原因となった残紙のみ)とするので、オペレータのペーパージャム処理に費やす労力を、従来技術と比べて大幅に削減する事ができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、用紙を供給する給紙部と、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像が形成された用紙を排出する排紙部と、前記用紙の搬送状態を管理する制御部と、前記制御部からオペレータへのメッセージを表示し且つ前記オペレータから前記制御部への指示を入力する操作部と、前記給紙部、前記画像形成部及び前記排紙部内の各々の通紙経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及びその際の装置内の総ての残紙位置を検知する検知手段を前記制御部に備えた画像形成装置において、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止して主原因であるジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段を備え、当該ジャム紙が前記オペレータにより除去された事を検知すると装置内のその他の残紙有無を検知し、装置内に残紙が存在する場合は総ての残紙位置を表示する第2の表示手段を前記制御部内に備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止して主原因であるジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段と、当該ジャム紙がオペレータにより除去された事を検知すると装置内のその他の残紙有無を検知し、装置内に残紙が存在する場合は総ての残紙位置を表示する第2の表示手段を前記制御部内に備えたことにより、残紙の強制排紙を実施した後の状態変遷に応じて操作部への表示とオペレータの指示を繰り返す事にてマン〜マシン間にてコミュニケーションを取りつつ強制排紙動作を進行させて行く事ができ、装置自身の残紙排出動作による再ジャム発生時には、その旨を速やかにオペレータに伝えオペレータが手作業にて取り除く必要のあるジャム紙を最小限(再ジャムの主原因となった残紙のみ)とするので、オペレータのペーパージャム処理に費やす労力を、従来技術と比べて大幅に削減する事ができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記第1の表示手段による操作部表示から前記第2の表示手段による操作部表示への移行は、前記制御部が当該装置の総てのドアが閉じられた事を検知した場合である事を特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、第1の表示手段による操作部表示から前記第2の表示手段による操作部表示への移行は、前記制御部が当該装置の総てのドアが閉じられた事を検知した場合であることにより、ドアが開いた状態で装置の動作の再開が行われることが防止される。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記第2の表示手段による操作部表示の中に、強制排紙スイッチをONする事により排紙モードを起動させ、残紙を装置外に強制的に排紙することをオペレータに促す表示を行う強制排紙表示手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、第2の表示手段による操作部表示の中に、強制排紙スイッチをONする事により排紙モードを起動させ、残紙を装置外に強制的に排紙することをオペレータに促す表示を行う強制排紙表示手段を備えたことにより、オペレータによる残紙の排紙がしやすくなる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、通常時には印刷スタートの機能を持つスタートスイッチを、前記第2の表示手段の制御状態時において強制排紙スイッチとして機能させる様に機能切り替えを行う手段を前記制御部内に備えたことを特徴とする。
【0018】
請求個5記載の発明によれば、通常時には印刷スタートの機能を持つスタートスイッチを、第2の表示手段の制御状態時において強制排紙スイッチとして機能させる様に機能切り替えを行う手段を制御部内に備えたことにより、スイッチの占める領域が少なくなるのでその分だけコンパクト化が図れる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記強制排紙スイッチがONされた事を検知すると、装置内の総ての残紙を装置外に排紙する強制排紙手段を制御装置内に備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、強制排紙スイッチがONされた事を検知すると、装置内の総ての残紙を装置外に排紙する強制排紙手段を制御装置内に備えたことにより、オペレータによるペーパージャム処理をしやすくすることができる。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、強制排紙動作実施の結果、装置内の残紙が総て装置外に排出された場合には、制御をペーパージャム発生前の状態に戻し通常動作を再開させ、強制排紙動作の実施中に新たにペーパージャムが発生した場合には、制御を前記第1の表示手段の制御状態に戻し、あるいは前記強制排紙動作実施後に更に装置内に残紙が検知された場合には、制御を第2の表示手段2の制御状態に戻す制御切替手段を制御部内に備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、強制排紙動作実施の結果、装置内の残紙が総て装置外に排出された場合には、制御をペーパージャム発生前の状態に戻し通常動作を再開させ、強制排紙動作の実施中に新たにペーパージャムが発生した場合には、制御を第1の表示手段の制御状態に戻し、あるいは強制排紙動作実施後に更に装置内に残紙が検知された場合には、制御を第2の表示手段2の制御状態に戻す制御切替手段を制御部内に備えたことにより、強制排紙動作実施後に更に装置内に残紙が残っていてもペーパージャムに対する処理が効率的に行われる。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項記載の発明において、前記制御部は、装置以外のオプションの給紙装置及び排紙装置に関し、装置内の各部と同様の動作を実施させるようにしたことを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、制御部は、装置以外のオプションの給紙装置及び排紙装置に関し、装置内の各部と同様の動作を実施させるようにしたので、ペーパージャムに対する処理が効率的に行われる。
【0025】
請求項9記載の発明は、用紙に画像を形成し、画像が形成された用紙の搬送状態を管理し、前記用紙の経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する画像形成方法において、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示し、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示することを特徴とする。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示し、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示することにより、装置に用紙を補充する必要が有るか否か、どの程度印刷できるかが把握できる。
【0027】
請求項10記載の発明は、用紙に画像を形成する処理、画像が形成された用紙の搬送状態を管理する処理、前記用紙の経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する処理をコンピュータに実行させる画像形成プログラムにおいて、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示する処理、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示する処理、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する処理をコンピュータに実行させることにより、ペーパージャムに対する処理が効率的に行われる。
【0029】
請求項11記載の発明は、請求項10に記載の画像形成プログラムを記録した記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を第1の表示手段で表示し、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を第2の表示手段で表示することにより、装置自身の残紙排出動作による再ジャム発生時には、その旨を速やかにオペレータに伝えオペレータが手作業にて取り除く必要のあるジャム紙を最小限とするので、オペレータのペーパージャム処理に費やす労力を、大幅に削減する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明に係る画像形成装置の一実施の形態は、給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、用紙の搬送状態を管理する制御部と、制御部からオペレータへのメッセージを表示し且つオペレータから制御部への指示を入力する操作部と、通紙経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する検知手段とを備えた画像形成装置において、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段と、ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する第2の表示手段とを備えたことを特徴とする。
制御部としては、例えば、マイクロプロセッサが挙げられる。また、センサーとしては、例えば、LEDとフォトダイオード(またはフォトトランジスタ)とで構成されるフォトインタラプタが挙げられる。さらに、表示手段としては、例えば、液晶表示装置が挙げられる。
【0032】
上記構成によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段と、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する第2の表示手段とを備えたことにより、残紙の強制排紙を実施した後の状態変遷に応じて操作部への表示とオペレータの指示を繰り返す事にてマン〜マシン間にてコミュニケーションを取りつつ強制排紙動作を進行させて行く事ができ、装置自身の残紙排出動作による再ジャム発生時には、その旨を速やかにオペレータに伝えオペレータが手作業にて取り除く必要のあるジャム紙を最小限(再ジャムの主原因となった残紙のみ)とするので、オペレータのペーパージャム処理に費やす労力を、従来技術と比べて大幅に削減する事ができる。
【0033】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、用紙を供給する給紙部と、用紙に画像を形成する画像形成部と、画像が形成された用紙を排出する排紙部と、用紙の搬送状態を管理する制御部と、制御部からオペレータへのメッセージを表示し且つ前記オペレータから制御部への指示を入力する操作部と、給紙部、画像形成部及び排紙部内の各々の通紙経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及びその際の装置内の総ての残紙位置を検知する検知手段を制御部に備えた画像形成装置において、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止して主原因であるジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段を備え、ジャム紙がオペレータにより除去された事を検知すると装置内のその他の残紙有無を検知し、装置内に残紙が存在する場合は総ての残紙位置を表示する第2の表示手段を制御部内に備えたことを特徴とする。
【0034】
上記構成によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止して主原因であるジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段と、ジャム紙がオペレータにより除去された事を検知すると装置内のその他の残紙有無を検知し、装置内に残紙が存在する場合は総ての残紙位置を表示する第2の表示手段を制御部内に備えたことにより、残紙の強制排紙を実施した後の状態変遷に応じて操作部への表示とオペレータの指示を繰り返す事にてマン〜マシン間にてコミュニケーションを取りつつ強制排紙動作を進行させて行く事ができ、装置自身の残紙排出動作による再ジャム発生時には、その旨を速やかにオペレータに伝えオペレータが手作業にて取り除く必要のあるジャム紙を最小限(再ジャムの主原因となった残紙のみ)とするので、オペレータのペーパージャム処理に費やす労力を、従来技術と比べて大幅に削減する事ができる。
【0035】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、第1の表示手段による操作部表示から第2の表示手段による操作部表示への移行は、制御部が当該装置の総てのドアが閉じられた事を検知した場合である事を特徴とする。
【0036】
上記構成によれば、第1の表示手段による操作部表示から第2の表示手段による操作部表示への移行は、制御部が当該装置の総てのドアが閉じられた事を検知した場合であることにより、ドアが開いた状態で装置の動作の再開が行われることが防止される。
【0037】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、第2の表示手段による操作部表示の中に、強制排紙スイッチをONする事により排紙モードを起動させ、残紙を装置外に強制的に排紙することをオペレータに促す表示を行う強制排紙表示手段を備えたことを特徴とする。
【0038】
上記構成によれば、第2の表示手段による操作部表示の中に、強制排紙スイッチをONする事により排紙モードを起動させ、残紙を装置外に強制的に排紙することをオペレータに促す表示を行う強制排紙表示手段を備えたことにより、オペレータによる残紙の排紙がしやすくなる。
【0039】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、通常時には印刷スタートの機能を持つスタートスイッチを、第2の表示手段の制御状態時において強制排紙スイッチとして機能させる様に機能切り替えを行う手段を制御部内に備えたことを特徴とする。
【0040】
上記構成によれば、通常時には印刷スタートの機能を持つスタートスイッチを、第2の表示手段の制御状態時において強制排紙スイッチとして機能させる様に機能切り替えを行う手段を制御部内に備えたことにより、スイッチの占める領域が少なくなるのでその分だけコンパクト化が図れる。
【0041】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、強制排紙スイッチがONされた事を検知すると、装置内の総ての残紙を装置外に排紙する強制排紙手段を制御装置内に備えたことを特徴とする。
【0042】
上記構成によれば、強制排紙スイッチがONされた事を検知すると、装置内の総ての残紙を装置外に排紙する強制排紙手段を制御装置内に備えたことにより、オペレータによるペーパージャム処理をしやすくすることができる。
【0043】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、強制排紙動作実施の結果、装置内の残紙が総て装置外に排出された場合には、制御をペーパージャム発生前の状態に戻し通常動作を再開させ、強制排紙動作の実施中に新たにペーパージャムが発生した場合には、制御を第1の表示手段の制御状態に戻し、あるいは強制排紙動作実施後に更に装置内に残紙が検知された場合には、制御を第2の表示手段2の制御状態に戻す制御切替手段を制御部内に備えたことを特徴とする。
【0044】
上記構成によれば、強制排紙動作実施の結果、装置内の残紙が総て装置外に排出された場合には、制御をペーパージャム発生前の状態に戻し通常動作を再開させ、強制排紙動作の実施中に新たにペーパージャムが発生した場合には、制御を第1の表示手段の制御状態に戻し、あるいは強制排紙動作実施後に更に装置内に残紙が検知された場合には、制御を第2の表示手段2の制御状態に戻す制御切替手段を制御部内に備えたことにより、強制排紙動作実施後に更に装置内に残紙が残っていてもペーパージャムに対する処理が効率的に行われる。
【0045】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、制御部は、装置以外のオプションの給紙装置及び排紙装置に関し、装置内の各部と同様の動作を実施させるようにしたことを特徴とする。
【0046】
請求項8記載の発明によれば、制御部は、装置以外のオプションの給紙装置及び排紙装置に関し、装置内の各部と同様の動作を実施させるようにしたので、ペーパージャムに対する処理が効率的に行われる。
【0047】
本発明に係る画像形成方法の一実施の形態は、用紙に画像を形成し、画像が形成された用紙の搬送状態を管理し、用紙の経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する画像形成方法において、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示し、ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示することを特徴とする。
【0048】
上記構成によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示し、ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示することにより、装置に用紙を補充する必要が有るか否か、どの程度印刷できるかが把握できる。
【0049】
本発明に係る画像形成プログラムの一実施の形態は、用紙に画像を形成る処理、画像が形成された用紙の搬送状態を管理する処理、用紙の経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する処理をコンピュータに実行させる画像形成プログラムにおいて、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示する処理、ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0050】
上記構成によれば、装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示する処理、ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する処理をコンピュータに実行させることにより、ペーパージャムに対する処理が効率的に行われる。
【0051】
本発明に係る記録媒体の一実施の形態は、上記画像形成プログラムを記録した記録媒体であることを特徴とする。
【0052】
<プログラム及び記録媒体>
以上で説明した本発明の画像形成装置は、コンピュータで画像形成処理を実行させる画像形成プログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0053】
これにより、画像形成プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明の画像形成装置を実現することができる。
このような画像形成プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
ここで、記録媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体、HDD(Hard Disc Driver)、フラッシュメモリー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、FeRAM(強誘電体メモリー)等の半導体メモリーが挙げられる。
【0054】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【実施例1】
【0055】
<請求項1、2関係>
まず、図1に沿って、本実施例の全体構成を説明する。
図1は、画像形成装置において本件に関連する部分の構成ブロック図の一例である。
52は画像形成装置の本体(以下本体装置と記す。)内の給紙部である。図には示されていない給紙トレイより印刷紙(用紙)を給紙し、画像形成部54まで印刷紙を搬送する(搬送経路(通紙経路)R1)。54は画像形成装置内の画像形成部である。
【0056】
一般的に作像装置及び定着装置を備え、給紙部52より受け取った印刷紙を作像装置へ搬送し(搬送経路R2)、更に印刷紙を作像装置及び定着装置に通過させて印刷を行い(搬送経路R3)、その後、排紙部55まで印刷紙を搬送する(搬送経路R4)。
【0057】
55は本体装置内の排紙部である。画像形成部54より受け取った印刷紙を本体装置の排紙口まで搬送し、排紙トレイに排出する(搬送経路R5)。
53はオプションの給紙装置(バンク)である。大量に印刷を行う場合等に、本体装置内の給紙部52に替わり給紙機能を受け持つ。大量給紙トレイより印刷紙を給紙し、画像形成部54まで印刷紙を搬送する(搬送経路R6)。なお、画像形成部54はバンク53より印刷紙を受け取ると搬送経路R7を通じて作像装置へ搬送する。
【0058】
56はオプションの排紙装置(フィニッシャー)である。大量に印刷を行う場合及び、印刷紙の仕分けやステープル等の後処理を行う場合、本体装置内の排紙部55に替わり排紙機能を受け持つ。排紙部としてフィニッシャー56が選択されている場合、画像形成部54は作像装置及び定着装置を通過後の印刷紙の搬送経路をR8として、フィニッシャー56に印刷紙を受け渡す。フィニッシャー56は画像形成部54から印刷紙を受け取ると、しかるべき処理を施した後に印刷紙を機外の大量排紙トレイに排出する(搬送経路R9)。
【0059】
50は本体装置内の制御部である。本画像形制御部成装置における全動作は、制御部50によって管理/制御される。Iは制御部50と給紙部52とを接続する入/出力信号群であり、制御部50は本信号群を監視する事により給紙部52の状態を把握し、また本信号群を制御する事により給紙や搬送等の動作を行う。
【0060】
IIは制御部50と画像形成部54とを接続する入/出力信号群であり、制御部50は本信号群を監視する事により画像形成部54の状態を知り、また本信号群を制御する事により画像形成や搬送等の動作を行う。
【0061】
IIIは制御部50と排紙部55とを接続する入/出力信号群であり、制御部50は本信号群を監視する事により排紙部55の状態を把握し、また本信号群を制御する事により搬送や排紙等の動作を行う。
【0062】
IVは制御部50とバンク53とを接続する通信回線である。ここでは、バンク53はその内部に自身を制御するための制御部(CPU)を備えているものとし、制御部50は本通信回線を通じてバンク53のCPUと通信を行う事により、バンク53の状態を把握し、また給紙や搬送等の動作の指示を行う。
【0063】
Vは制御部50とフィニッシャー56とを接続する通信回線である。ここでは、フィニッシャー56はその内部に自身を制御するための制御部(CPU)を備えているものとし、制御部50は本通信回線を通じてフィニッシャー56のCPUと通信を行う事により、フィニッシャー56の状態を把握し、また搬送、後処理、及び排紙等の動作の指示を行う。
【0064】
51は本体装置内の操作部であり、VIは制御部50と操作部51とを接続する信号群である。制御部50は本信号群を介して装置の状況やオペレータへのメッセージを操作部51に表示し、且つ操作部51上の各スイッチ類のオペレータによる操作状況を知る事ができる。
【0065】
次に、図2に沿って制御部50の内部構成概略を説明する。
図2は制御部50の内部を中心とした概略構成のブロック図である。
破線Aの内部は本体装置内部を表し、破線Bの内部は制御部50の内部を表す。
【0066】
72はCPUであり、ROM73内部に予め備えられた制御プログラムに従い本装置の制御を司る。
73はROMであり、CPU72を動作させるための制御プログラムが内蔵される。
74はRAMであり、CPU72が動作するためのワーキングメモリーである。
62は操作部制御部であり、CPU72は本制御部を介して操作部62の制御を行う。
ここで、操作部62は図1に示した操作部51に相当し、操作部制御部66と操作部62とを接続する信号群VIは図1に示したVIに相当する。
67は入/出力信号制御部チャンネル1であり、CPU72はこの入/出力制御部67を介して給紙部63の制御を行う。
ここで、給紙部63は図1に示した給紙部52に相当し、入/出力信号制御部チャンネル1(67)と給紙部63とを接続する信号群Iは図1に示した信号群Iに相当する。68は入/出力信号制御部チャンネル2であり、CPU72は本制御部を介して画像形成部64の制御を行う。
ここで、画像形成部64は図1に示した画像形成部54に相当し、入/出力信号制御部チャンネル2(68)と画像形成部64とを接続する信号群IIは図1に示した信号群IIに相当する。
【0067】
69は入/出力信号制御部チャンネル3であり、CPU72は本制御部を介して排紙部65の制御を行う。
ここで、排紙部65は図1の排紙部55に相当し、入/出力信号制御部チャンネル3(69)と排紙部65とを接続する信号群IIIは図1に示した信号群IIIに相当する。
【0068】
70はシリアル通信制御部チャンネル1であり、CPU72は本制御部を介してバンク60との通信を行う。
ここで、バンク60は図1に示した53に相当し、シリアル通信制御部チャンネル1(70)とバンク60とを接続する通信回線IVは図1に示した通信回線IVに相当する。
【0069】
71はシリアル通信制御部チャンネル2であり、CPU72は本制御部を介してフィニッシャー612との通信を行う。
ここで、フィニッシャー61は図1に示したフィニッシャー56に相当し、シリアル通信制御部チャンネル2(71)とフィニッシャー61とを接続する通信回線Vは図1に示した通信回線Vに相当する。
【0070】
次に図3に沿って、本件の実施例を説明する。
図3は図1に示した制御部50におけるCPU72(図2)の制御プログラムで本件に関わる部分のフローチャートであり、図2に示したROM74に内蔵されるものである。
制御部50(図1)のCPU72(図2)が装置の通紙経路である図1のR1〜R9のいずれかでペーパージャムが発生した事を検知した時点より、本制御ルーチンはスタートする。
【0071】
ステップS10:CPU72(図2)は本体装置の給紙/搬送/画像形成/排紙動作を停止する。また、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置にも動作停止の指示をする。
【0072】
ステップS11:CPU72(図2)は本制御ルーチンをスタートさせた原因
となるジャム紙の位置を特定する。バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて特定する。
【0073】
ステップS12:CPU72(図2)は操作部51(図1)に上記にて特定した主原因となるジャム紙の位置がどこであるのかを表示する。それは、通紙経路であるR1〜R9のいずれかである。バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて表示を行う。
【0074】
ステップS13:オペレータにより、装置のしかるべきカバーが開けられ、更に装置の総てのカバーが閉じられた事を検知したらCPU72(図2)は主原因となるジャム紙が取り除かれたと仮定し、処理をステップS13に移す。装置の総てのカバーが閉じられるまで、本処理をループさせ待機する。
【0075】
<請求項3>
また本検知は、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて行う。
ステップS14:装置の総てのカバーが閉じられた事を検知後、CPU72(図2)は主原因となるジャム紙がまだ残っていないか否かを検知する。もし、まだ当該ジャム紙が残っていた場合は、処理をステップS12に戻して繰り返しオペレータに当該ジャム紙の除去を促す。また、当該ジャム紙が残っていない場合は、処理を次ステップS15へ移行する。
また本検知動作は、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて行う。
【0076】
ステップS15:CPU72(図2)は通紙経路(R1〜R5)に更に残紙がないか否かを検知する。また本検知動作は、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの通紙経路(R6〜R9)も含めて行う。
【0077】
ステップS16:上記図3のステップS15の検知にて、総ての通紙経路内に残紙が存在しない場合は、処理を終了に移す。また、通紙経路内のいずれかに残紙が存在する場合は処理をステップS17に移す。
ステップS17:CPU72(図2)は上記ステップS15にて検知した総ての残紙の位置を、操作部51(図1)に表示する。また更に、オペレータに残紙の強制排紙を促すメッセージを表示する。本実施例においては、通常時における印刷スタートスイッチを強制排紙スイッチとして兼ねるので、その旨を含めたメッセージとする。「例:残りの紙を排紙するには、スタートボタンを押してください。」
【0078】
<請求項4>
また本表示は、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて行う。
【0079】
ステップS18:CPU72(図2)は、操作部51(図1)のスタートボタンが押されるまで処理を待機する。スタートボタンが押された事を検知すると、処理をステップS19に移す。
【0080】
<請求項5>
ステップS19:強制排紙スイッチがオペレータによって押された事を検知したら、CPU72(図2)は総ての通紙経路(R1〜R9)の残紙を機外に排出すべく通紙動作を開始する。
【0081】
<請求項6>
また本動作は、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて行う。
【0082】
ステップS20:上記排紙動作(図3のステップS19)を実施中に新たなペーパージャムが発生した場合(ステップS20/N)は、処理を図3のスタートSTARTに戻す。
また、一連の排紙動作において新たなペーパージャムが発生しない場合、処理を図3のステップS21に移す。
【0083】
<請求項7>
本検知は、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて行う。
【0084】
ステップS20/Y:新たにペーパージャムが発生したので処理をスタートに戻し、再度 ジャムに主原因となった残紙の除去作業から繰り返す。
【0085】
ステップS21:一連の排紙動作にて総ての残紙が機外に排出されるまで処理をステップS20に戻すループを繰り返す。一連の排紙動作にて、新たにペーパージャムが発生する事無く総ての残紙を機外に排出できたら(ステップS21/Y)、処理をステップS22に移す。
【0086】
<請求項7>
また本検知は、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて行う。
【0087】
ステップS22:総ての残紙を機外に排出後、装置の排紙動作を停止し、処理をステップS15に戻す。
【0088】
ステップS16/N:ペーパージャムの主原因となった残紙を含め、総ての機内通紙経路内の残紙が除去されたので、本ルーチンは終了し、処理を通常処理に戻す。
図3の波線Aにて囲まれた部分の処理が、第1の表示手段に相当する制御であり、図3の破線Bにて囲まれた部分の処理が、第2の表示手段に相当する制御である。
【0089】
<請求項1>
また、図3のステップS11〜S15,S17,S19,S20,S21にて、バンク53(図1)及びフィニッシャー56(図1)が接続されている場合は、それらの装置も含めて各項目の処理を実施する事が<請求項8>の実施例である。
【0090】
次に本発明に係る画像形成装置の構成について、図4を参照してさらに詳しく説明する。
図4は、本発明に係る画像形成装置の一実施例を示す構成図である。
回転可能に支持されて図4の矢印a〜d方向に回転する感光体201の外周部には、除電装置Lと、クリーニング装置202と、帯電装置203と、現像装置205とが配設されている。
【0091】
感光体201の外周部における帯電装置203と現像装置205との間には、露光装置204から発せられる光情報を入射させるスペースが確保されている。
図4に示す構成では感光体201が4個あるが、現像装置205が扱う色材(トナー)の色が異なるのみであり、それぞれの外周部に設けられる画像形成用の上述した部品構成は同じである。
【0092】
感光体201は、直径が例えば30mmから100mm程度のアルミニウム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けて構成され、その一部が中間転写ベルト(第1の顕像担持手段)210に接している。
【0093】
中間転写ベルト210は、回転するローラ211、212、213、214により支持され、図4の矢印215方向に移動可能に張架されている。この中間転写ベルト210の裏側(ループの内側)には、第1の転写手段としてのローラ212が感光体201の近傍に配備され、感光体201上の顕像を中間転写ベルト210に転写させる。
【0094】
中間転写ベルト210のベルトループの外側における、中間転写ベルト210から顕像を記録媒体または裏面用中間転写ベルト(第2の顕像担持手段)200に転写する位置の下流に、中間転写ベルト用クリーニング装置250が配設されている。このクリーニング装置250のブラシローラ251は、中間転写ベルト210から顕像が他に転写された後でベルト200の表面に残留する不要なトナーを拭い去る。
【0095】
図4はブラシローラ251が裏面用中間転写ベルト200の表面から離れた状態にある。このブラシローラ251は支点250Aを中心として揺動可能に設けられ、裏面用中間転写ベルト200表面に接離可能な構造になっている。
中間転写ベルト210から転写されたトナー像を記録媒体P(記録用紙)に転写する以前、すなわち裏面用中間転写ベルト210がトナー像を担持しているときは離れた状態とし、記録媒体Pへの転写が行われてクリーニングが必要となったとき、ブラシローラ251は図4での反時計方向に揺動し接触される。
除去された不要トナーはトナー収納部250Bに集められる。
【0096】
露光装置204は公知のレーザ方式によるもので、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体201の表面に潜像として照射する。この露光装置204としては、LEDアレイと結像手段とから成る露光装置を用いてもよい。
【0097】
このように、上述した感光体201と、クリーニング装置202と、帯電装置203と、露光装置204と、現像装置205と、除電装置Lと、第1の転写手段212とが、中間転写ベルト210に転写する顕像(トナーによる像)を生成する作像手段として機能する。
【0098】
中間転写ベルト210は、基体の厚みが例えば50μm〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトであり、感光体201からトナーを転写可能とする抵抗値を備える。
この中間転写ベルト210に対して図4の右方には、ベルト状の裏面用中間転写ベルト(第2の顕像担持手段)200が配設されている。この裏面用中間転写ベルト200は、回転ローラ216,217,218,219により支持され、図4の矢印方向に移動可能に張架されており、裏側(ループの内側)には、第2の転写手段219が配設されている。裏面用中間転写ベルト200によるベルトループの外側には、この裏面用中間転写ベルト用クリーニング装置250、チャージャCHなどが配設されている。
【0099】
上述した第2の転写手段219と、ローラ218と、中間転写ベルト210を支持するローラ213とにより、中間転写ベルト210と裏面用中間転写ベルト200とが接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。
【0100】
裏面用中間転写ベルト200は、基体の厚みが例えば50μm〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトで、中間転写ベルト210からトナーを転写可能とする摩擦抵抗値を備えるベルトである。
【0101】
記録媒体(用紙)Pは図4の下方の給紙装置(給紙カセット)226−1,226−2に収納されており、最上にある用紙が給紙ローラ227で1枚づつ、複数のガイド229を経てレジストローラ対228に搬送される。
記録媒体Pが搬送されるさらに下流(図4では上側)には、定着用加熱手段230、排紙ガイド対231、排紙ローラ対232、排紙スタック部240が配設されている。
【0102】
図4における中間転写ベルト210の上方で排紙スタック部240の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部TSが設けてある。トナーの色はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色があり、カートリッジTCの形態にされている。このカートリッジTCからは、粉体ポンプ等により対応する色の現像装置に適宜補給される。
【0103】
このような装置本体の一部であるフレーム252は、開閉支軸252Aを中心として、回動・開放が可能な構造にされている。このため、ユーザーはこのフレーム252を開いた状態とすることにより記録媒体の搬送路を大きく開くことができ、ジャムが発生した場合の記録媒体(用紙)の処理を容易にしている。
【0104】
また、上述した記録媒体Pへの画像形成を行う装置本体の上部に画像読み取り装置が支持部266を介して連設され、この画像読み取り装置により読み取られた画像データを上述した装置本体が記録媒体Pに印刷することで、コピー動作を可能にするよう構成されている。
【0105】
尚、図4において、画像読取装置は、原稿105を搭載するコンタクトガラス101、シートスルー用読み取り窓102、白レベル調整やシェーディング補正データ生成用の基準白板103、原稿105を照射する光源107及び第1ミラー108が搭載される第1キャリッジ109、第2ミラー110、第3ミラー111が搭載される第2キャリッジ112、キャリッジ位置を検出するために備えられたホームポジションセンサー(以下、HPSと記す)117、CCDイメージセンサー(以下、CCDと記す)11上に縮小結像させるレンズユニット113を有する。
【0106】
画像読み取り装置の外周部には、操作・表示部(表示手段、かつ入力手段)が設けられている。この操作・表示部は、ユーザーに各種の操作情報を表示により通知すると共に操作入力を受けるタッチパネルや、テンキーなど各種のボタンを備える(図示略)。
ユーザーは、この操作・入力部により、コピーの片面/両面切り替え、コピー動作の開始、コピー枚数の設定、コピー機能とプリンター機能との切り替えなどの各種操作を行うようになっている。
【0107】
なお、上述した実施例は、本発明の好適な実施例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
以上で、本件の実施例の説明を終わる。
【0108】
〔作用効果〕
本発明においては、ペーパージャムにより装置が緊急停止した場合、主原因であるジャム紙の位置を操作部に表示してオペレータにジャム紙の除去を促し、オペレータによって当該ジャム紙が取り除かれた後にまだ装置内通紙経路に残紙が存在する場合はその旨を操作部に表示してオペレータに強制排紙スイッチを作動させる事を促し、オペレータが強制排紙スイッチを作動した場合、通紙経路内の残紙を総て装置外に排紙する。
上記強制排紙動作中に新たにペーパージャムが発生した場合は、上記の新たな主原因であるジャム紙に対して上記のジャム紙位置表示から動作を繰り返す事により、制排紙スイッチをオペレータによってONさせる事にて残紙の強制排紙を実施し、その後の状態変遷に応じて操作部への表示とオペレータの指示を繰り返す事にてマン〜マシン間にてコミュニケーションを取りつつ、強制排紙動作を進行させて行く事で、装置自身の残紙排出動作による再ジャム発生時には、その旨を速やかにオペレータに伝え、オペレータが手作業にて取り除く必要のあるジャム紙を最小限(再ジャムの主原因となった残紙のみ)とする事が目的である。これによって、オペレータのペーパージャム処理に費やす労力を、従来に比べて大幅に削減する事ができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ装置等の画像形成装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】画像形成装置において本件に関連する部分の構成ブロック図の一例である。
【図2】制御部50の内部を中心とした概略構成のブロック図である。
【図3】図1に示した制御部50におけるCPU72の制御プログラムで本件に関わる部分のフローチャートである。
【図4】本発明に係る画像形成装置の一実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0111】
50 制御部
51 操作部
52 給紙部
53 バンク
54 画像形成部
55 排紙部
56 フィニッシャー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、前記用紙の搬送状態を管理する制御部と、前記制御部からオペレータへのメッセージを表示し且つ前記オペレータから前記制御部への指示を入力する操作部と、通紙経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する検知手段とを備えた画像形成装置において、
装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段と、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する第2の表示手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
用紙を供給する給紙部と、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像が形成された用紙を排出する排紙部と、前記用紙の搬送状態を管理する制御部と、前記制御部からオペレータへのメッセージを表示し且つ前記オペレータから前記制御部への指示を入力する操作部と、前記給紙部、前記画像形成部及び前記排紙部内の各々の通紙経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及びその際の装置内の総ての残紙位置を検知する検知手段を前記制御部に備えた画像形成装置において、
装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止して主原因であるジャム紙の位置を操作部に表示する第1の表示手段を備え、当該ジャム紙が前記オペレータにより除去された事を検知すると装置内のその他の残紙有無を検知し、装置内に残紙が存在する場合は総ての残紙位置を表示する第2の表示手段を前記制御部内に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置において、前記第1の表示手段による操作部表示から前記第2の表示手段による操作部表示への移行は、前記制御部が当該装置の総てのドアが閉じられた事を検知した場合である事を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像形成装置において、前記第2の表示手段による操作部表示の中に、強制排紙スイッチをONする事により排紙モードを起動させ、残紙を装置外に強制的に排紙することをオペレータに促す表示を行う強制排紙表示手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、通常時には印刷スタートの機能を持つスタートスイッチを、前記第2の表示手段の制御状態時において強制排紙スイッチとして機能させる様に機能切り替えを行う手段を前記制御部内に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置において、前記強制排紙スイッチがONされた事を検知すると、装置内の総ての残紙を装置外に排紙する強制排紙手段を制御装置内に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置において、強制排紙動作実施の結果、装置内の残紙が総て装置外に排出された場合には、制御をペーパージャム発生前の状態に戻し通常動作を再開させ、強制排紙動作の実施中に新たにペーパージャムが発生した場合には、制御を前記第1の表示手段の制御状態に戻し、あるいは前記強制排紙動作実施後に更に装置内に残紙が検知された場合には、制御を第2の表示手段2の制御状態に戻す制御切替手段を制御部内に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載の画像形成装置において、前記制御部は、装置以外のオプションの給紙装置及び排紙装置に関し、装置内の各部と同様の動作を実施させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
用紙に画像を形成し、画像が形成された用紙の搬送状態を管理し、前記用紙の経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する画像形成方法において、
装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示し、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示することを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
用紙に画像を形成する処理、画像が形成された用紙の搬送状態を管理する処理、前記用紙の経路に存在するセンサーの状態変遷を監視する事により装置内でのペーパージャム発生及び残紙位置を検知する処理をコンピュータに実行させる画像形成プログラムにおいて、
装置内でペーパージャムが発生した場合に、装置を停止しジャム紙の位置を表示する処理、当該ジャム紙が除去された事を検知すると総ての残紙位置を表示する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−268375(P2008−268375A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108596(P2007−108596)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】