説明

画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラム

【課題】 他のユーザーによる変更を反映した共有データを出力すること。
【解決手段】 複数のPC各々は、ファイルサーバーに記憶された共有データのうちから出力対象データを指定するデータ指定部と、出力指示をファイルサーバーに送信する出力指示送信部と、を備え、ファイルサーバーは、出力指示を受信することに応じて(S51)、出力対象データがアクセス中か否かを判断するアクセス判断部(S53)と、出力対象データを読み出し(S55)、出力条件に従って、出力対象データを出力する出力制御部(S56〜S61)と、アクセス判断部によりアクセス中と判断された場合(S55でNO)、アクセス判断部によりアクセス中でないと判断されるまで出力対象データの読み出しを禁止する出力禁止部(S53でNO)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムに関し、特に、表形式のデータの画像を形成するのに適した画像形成装置、その画像形成装置で実行される画像形成方法および画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開公報WO2009/004692には、表示画面内に表形式に並べられた複数の表示枠を表示し、該各表示枠には複数の情報が表示可能であり、選択された表示枠は拡大可能であり、選択されなかった表示枠は該拡大された表示枠の倍率に従って縮小される情報表示方法であって、前記各表示枠に表示されうる情報の候補は、それぞれ表示優先順位の属性および表示文字サイズの属性を有し、前記各表示枠のサイズに従って、当該各表示枠に表示されうる情報の候補の前記表示優先順位および前記表示文字サイズを判定して情報表示を行うことを特徴とする情報表示方法が記載されている。
【0003】
しかしながら、従来の情報表示方法は、選択された表示枠が縦および横の両方向に拡大される。より具体的には、選択された表示枠と縦方向に並ぶ枠は横方向に拡大されて縦方向に縮小され、選択された表示枠と横方向に並ぶ枠は横方向に縮小されて縦方向に拡大される。さらに、選択された表示枠と横方向および縦方向のいずれにも並ばない表示枠は、縦方向および横方向の両方向に縮小される。表形式で並べられた表は、複数のデータを縦方向および横方向それぞれに分類して比較できるようにしたものなので、縦方向および横方向のいずれか一方を拡大すれば十分な場合があり、この場合に、縦および横の両方向に縮小される表示枠の数が増えて、複数の表示枠の全体を見づらくなってしまうといった問題がある。
【特許文献1】国際公開公報WO2009/004692
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、表データをユーザーが見やすい形状に変換した画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、表データをユーザーが見やすい形状に変換した画像を形成することが可能な画像形成方法を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、表データをユーザーが見やすい形状に変換した画像を形成することが可能な画像形成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、第1の方向と第2の方向それぞれに1以上の項目を有する表データを取得する表データ取得手段と、取得された表データの複数のセルのうちから1つのセルを拡大対象に選択するセル選択手段と、第1および第2の方向のいずれか一方を処理方向に決定する処理方向決定手段と、表データの処理方向の1以上の項目のうち拡大対象に選択されたセルが属する項目を拡大対象項目に決定する拡大対象項目決定手段と、決定された拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、処理方向の1以上の項目であって拡大対象項目以外の縮小対象項目の幅を所定の倍率に相対する倍率で縮小することによって、取得された表データを変換する変換手段と、変換された表データの画像を形成する画像形成制御手段と、を備える。
【0008】
この局面に従えば、表データの複数のセルのうちから1つのセルが拡大対象に選択されると、第1および第2の方向のいずれか一方が処理方向に決定され、処理方向の1以上の項目のうち拡大対象に選択されたセルが属する項目が拡大対象項目に決定され、拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、処理方向の1以上の項目であって拡大対象項目以外の縮小対象項目の幅を所定の倍率に相対する倍率で縮小することによって、表データが変換され、変換された表データの画像が形成される。このため、表データが有する複数のセルのうちユーザーにより注目される項目の幅を拡大した画像が形成される。その結果、表データをユーザーが見やすい形状に変換した画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0009】
好ましくは、処理方向決定手段は、処理対象選択手段により処理対象に選択されたセルが属する第1の方向の項目または第2の方向の項目のいずれか一方が、2階層以上の階層構造の場合、第1および第2の方向のうち階層構造を有する方向を処理方向として決定する。
【0010】
この局面に従えば、第1および第2の方向のうち階層構造を有する方向が処理方向に決定されるので、階層構造を形成する項目を見やすくした表の画像を形成することができる。
【0011】
好ましくは、処理方向の1以上の項目のうち、選択されたセルが属する拡大対象項目と上位の階層の項目が同じ項目を拡大候補項目として決定する拡大候補項目決定手段と、画像形成手段により表データの画像が形成された後に、決定された拡大候補項目を新たな拡大対象項目に決定する拡大項目再決定手段と、をさらに備え、変換手段は、新たな拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、処理方向の1以上の項目であって新たな拡大対象項目以外の新たな縮小対象項目の幅を所定の倍率に相対する倍率で縮小することにより、取得された表データを変換する再変換手段を含む。
【0012】
この局面に従えば、拡大対象項目と上位の階層の項目が同じ項目が拡大候補項目として決定され、表データの画像が形成された後に、拡大候補項目が新たな拡大対象項目に決定され、新たな拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大した表の画像が形成される。このため、階層構造に含まれ、上位の項目が同じ複数の項目それぞれの幅を拡大した複数の表の画像が形成される。その結果、階層構造を形成する項目を見やすくした複数の表の画像を形成することができる。
【0013】
好ましくは、セル選択手段により処理対象に選択されたセルと書式が同じ別の書式同一セルを抽出する抽出手段を、さらに備え、処理方向決定手段は、抽出手段により書式同一セルが抽出される場合、セル選択手段により処理対象に選択されたセルと、抽出手段により抽出された書式同一セルとがともに属する項目を有する方向を処理方向に決定する。
【0014】
この局面に従えば、処理対象に選択されたセルと書式が同じ別の書式同一セルとがともに属する項目を有する方向が処理方向に決定される。このため、書式が同じセルを含む項目の幅が拡大されるので、同じ書式の部分を見やすくした表の画像を形成することができる。
【0015】
好ましくは、処理方向決定手段は、第1の方向の1以上の項目のうちに、処理対象選択手段により処理対象に選択されたセルが属する項目の項目名と同じ項目名の項目が存在する場合、第1の方向を処理方向に決定し、第2の方向の1以上の項目のうちに、処理対象選択手段により処理対象に選択されたセルが属する項目の項目名と同じ項目名の項目が存在する場合、第2の方向を処理方向に決定し、拡大対象項目決定手段は、表データの処理方向の1以上の項目のうち拡大対象に選択されたセルが属する項目に加えて、拡大対象に選択されたセルが属する項目の項目名と同じ項目名の項目を拡大対象項目に決定する。
【0016】
この局面に従えば、第1の方向の1以上の項目のうちに、
第1および第2の方向のうち、処理対象に選択されたセルが属する項目の項目名と同じ項目名の項目が存在する方向が処理方向に決定され、表データの処理方向の1以上の項目のうち拡大対象に選択されたセルが属する項目に加えて、その項目と項目名が同じ項目が拡大対象項目に決定される。このため、項目名が同じ複数の項目の幅を拡大した表の画像が形成されるので、同じ項目名の複数の部分を見やすくした表の画像を形成することができる。
【0017】
好ましくは、取得された表データの画像を表示する表示手段と、ユーザーによる操作を受け付ける操作受付手段と、をさらに備え、セル選択手段は、操作受付手段により受け付けられた操作により選択されるセルを拡大対象に選択する。
【0018】
この局面に従えば、ユーザーによる操作により選択されるセルが拡大対象に選択される。このため、ユーザーは、表示データに含まれる複数のセルのうちから1つのセルを選択すればようので、操作が容易となる。
【0019】
好ましくは、予め定められた文字のサイズに基づいて、縮小対象項目の幅を縮小する倍率と、拡大対象項目の幅を拡大する倍率と、をそれぞれ決定する倍率決定手段を、さらに備える。
【0020】
この局面に従えば、予め定められた文字のサイズに基づいて、縮小対象項目の幅を縮小する倍率と、拡大対象項目の幅を拡大する倍率と、がそれぞれ決定される。このため、文字のサイズを予め定められたサイズ以上にした表データの画像を形成することができる。
【0021】
この発明の他の局面に従えば、画像形成方法は、第1の方向と第2の方向それぞれに1以上の項目を有する表データを取得するステップと、取得された表データの複数のセルのうちから1つのセルを拡大対象に選択するステップと、第1および第2の方向のいずれか一方を処理方向に決定するステップと、表データの処理方向の1以上の項目のうち拡大対象に選択されたセルが属する項目を拡大対象項目に決定するステップと、決定された拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、処理方向の1以上の項目であって拡大対象項目以外の縮小対象項目の幅を所定の倍率に相対する倍率で縮小することによって、取得された表データを変換するステップと、変換された表データの画像を形成するステップと、を画像形成装置に実行させる。
【0022】
この局面に従えば、表データをユーザーが見やすい形状に変換した画像を形成することが可能な画像形成方法を提供することができる。
【0023】
この発明のさらに他の局面に従えば、画像形成プログラムは、第1の方向と第2の方向それぞれに1以上の項目を有する表データを取得するステップと、取得された表データの複数のセルのうちから1つのセルを拡大対象に選択するステップと、第1および第2の方向のいずれか一方を処理方向に決定するステップと、表データの処理方向の1以上の項目のうち拡大対象に選択されたセルが属する項目を拡大対象項目に決定するステップと、決定された拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、処理方向の1以上の項目であって拡大対象項目以外の縮小対象項目の幅を所定の倍率に相対する倍率で縮小することによって、取得された表データを変換するステップと、変換された表データの画像を形成するステップと、を画像形成装置を制御するコンピュータに実行させる。
【0024】
この局面に従えば、表データをユーザーが見やすい形状に変換した画像を形成することが可能な画像形成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
【図2】MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【図3】MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図4】表データの一例を示す第1の図である。
【図5】拡大後の表データの一例を示す第1の図である。
【図6】拡大後の表データの一例を示す第2の図である。
【図7】拡大後の表データの一例を示す第3の図である。
【図8】表データの一例を示す第2の図である。
【図9】拡大後の表データの一例を示す第4の図である。
【図10】表データの一例を示す第3の図である。
【図11】拡大後の表データの一例を示す第5の図である。
【図12】画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】第1変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】第2変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図15】第3変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0027】
図1は、本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、画像形成装置として機能するMFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0028】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0029】
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
【0030】
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。
【0031】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、ファクシミリデータを送受信する。ファクシミリ部116は、原稿読取部130により読み取られた画像データまたはHDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。また、ファクシミリ部116は、受信されたファクシミリデータをHDD115に記憶するか、画像形成部140にファクシミリデータの画像を用紙に形成させる。
【0032】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピュータまたは画像形成装置と通信する。なお、通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0033】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0034】
操作パネル160は、液晶表示装置(LCD)165と、LCD165の表示を制御する表示制御回路161と、VRAM(Video RAM)163と、タッチパネル169と、ハードキー部170と、タッチパネル169およびハードキー部170を制御する入力制御回路167と、を含む。LCD165およびハードキー部170は、MFP100の上面に設けられる。
【0035】
表示制御回路161は、CPU111、VRAM163およびLCD165と接続される。VRAM163は、表示制御回路161の作業領域として用いられ、LCD165に表示する画像を一時記憶する。表示制御回路161は、CPU111により制御されて、LCD165を制御し、LCD165にVRAM163に記憶された画像を表示させる。表示制御回路161は、後述するプレビュー画面をLCD165に表示させる。
【0036】
ハードキー部170は、スタートキーを少なくとも含む複数のハードキーを含む。ハードキーは、入力制御回路167に接続され、ハードキーがユーザーにより押下されている間はON信号を入力制御回路167に出力し、ユーザーにより押下されていない間はOFF信号を入力制御回路167に出力する。
【0037】
タッチパネル169は、LCD165の上面または下面に設けられ、ユーザーにより指示された位置の座標を入力制御回路167に出力する。タッチパネル169は、マルチタッチスクリーンパネルであり、ユーザーにより同時に複数の位置が指示される場合、指示された複数の位置にそれぞれ対応する複数の座標を入力制御回路167に出力する。タッチパネル169は、LCD165の表示面と同じまたはそれ以上のサイズであるのが好ましい。タッチパネル169は、LCD165に重畳して設けられるので、タッチパネル169は、ユーザーがLCD165の表示面を指示すれば、LCD165の表示面中でユーザーが指示した1以上の位置にそれぞれ対応する1以上の座標を入力制御回路167に出力する。タッチパネルは、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
【0038】
入力制御回路167は、ハードキー部170が有する複数のハードキーのうちでON信号を出力するハードキーが存在する場合、ON信号を出力するハードキーの識別情報をCPU111に出力する。また、入力制御回路167は、タッチパネル169がユーザーにより指示された1以上の位置を検出する場合、タッチパネル169から出力される1以上の座標をCPU111に出力する。
【0039】
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置117を制御して、それに装着されたCD−ROM118からCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM102に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0040】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM118に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピュータがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0041】
図3は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図3に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111により実現される機能である。
【0042】
図3を参照して、CPU111は、表形式の表データを取得する表データ取得部51と、表データを表示する表データ表示部53と、表データに含まれる複数のセルのうちから1つを選択するセル選択部55と、処理方向を決定する処理方向決定部57と、拡大対象項目を決定する拡大対象項目決定部61と、表データを変換する変換部59と、変換された表データの画像を形成する画像形成制御部63と、拡大候補項目を決定する拡大候補項目決定部67と、拡大候補項目のうちから新たな拡大対象項目を決定する拡大項目再決定部65と、を含む。
【0043】
表データ取得部51は、表形式の表データを取得する。表データは、アプリケーションデータであってもよいし、画像データであってもよい。表示データは、縦方向(第1の方向)と横方向(第2の方向)それぞれに1以上の項目を有し、縦方向に縦方向の項目数と同じ数のセルを配列し、横方向に横方向の項目数と同じ数のセルが配列したデータである。例えば、表データが、縦方向に3つの項目を有し、横方向に4つの項目を有する場合、縦方向に3つのセルを配列し、横方向に4つのセルを配列し、合計12個のセルを有する。ここでは、表データが、縦方向に3つの項目を有し、横方向に4つの項目を有する場合、3行4列の表データという。
【0044】
表データ取得部51は、通信I/F部112が、ネットワークに接続されたコンピュータから表データを受信する場合、通信I/F部112から表データを取得する。また、ユーザーが操作パネル160を操作してHDD115に記憶された表データを読み出す読出指示を入力する場合、入力制御回路167から読出指示が入力され、HDD115から読出指示により特定される表データを読み出すことにより表データを取得する。さらに、表データ取得部51は、原稿読取部130が表の画像が表された原稿を読み取る場合、原稿読取部130が出力する表の画像の画像データを表データとして取得する。表データ取得部51は、取得された表データを表データ表示部53、セル選択部55、処理方向決定部57および変換部59に出力する。
【0045】
なお、表データ取得部51は、取得された表データが画像データの場合には、表示データから実線を検出し、実線で区切られた複数の矩形の領域を抽出することによって、表データの縦方向および横方向の項目数を検出するようにすればよい。
【0046】
表データ表示部53は、表データ取得部51から入力される表データを表示する。具体的には、表示データを表示制御回路161に出力し、LCD165に表データの画像を表示させる。表データ表示部53は、LCD165に表示された表データの画像をセル選択部55に出力する。
【0047】
セル選択部55は、表データ取得部51から表データが入力され、表データ表示部53から表データの画像が入力される。セル選択部55は、表データ取得部51から入力される表データに含まれる複数のセルのうちからユーザーにより指定された1つのセルを拡大対象として選択する。以下、セル選択部55が拡大対象として選択したセルを拡大対象セルという。具体的には、ユーザーが、LCD165に表示された表データの画像中のセルを指で指示すれば、ユーザーにより指示された位置がタッチパネル169により検出される。セル選択部55は、入力制御回路169からユーザーにより指示された位置が入力され、入力される位置から表データの画像中の位置を判定し、表データ中の複数のセルのいずれが指示されたかを特定する。また、ユーザーがハードキー群170の有するハードキーを指示することにより、LCD165に表示されたカーソルを移動させるようにし、カーソルが表示された位置のセルを指定するようにしてもよいし、ユーザーがハードキー群170の有するハードキーを指示することにより、複数のセルを順に選択可能にしてもよい。
【0048】
セル選択部55は、拡大対象セルを識別するためのセル識別情報を処理方向決定部57に出力する。セル識別情報は、表データの縦方向の項目の順番および横方向の項目の順番を特定する値である。例えば、3行4列の表データの場合、縦方向に上から2番目の項目、横方向に左から3番目の項目のセルが拡大対象セルとして選択される場合、セル識別情報は2行3列である。
【0049】
処理方向決定部57は、セル選択部55から拡大対象セルのセル識別情報が入力され、表データ取得部51から表データが入力される。処理方向決定部57は、セル識別情報で特定される拡大対象セルが属する縦方向の項目および横方向の項目に基づいて、縦方向と横方向のいずれか一方を処理方向に決定する。処理方向決定部57は、階層検出部71と、書式同一項目抽出部75と、名称同一項目抽出部79と、第1〜第3決定部73,77,81と、を有する。
【0050】
階層検出部71は、表データの縦方向の複数の項目および横方向の複数の項目を解析し、縦方向および横方向が階層構造を形成するか否かを判断する。階層検出部71は、縦方向および横方向のいずれか一方が階層構造を形成すると判断する場合、縦方向および横方向いずれか一方の階層構造情報を第1検出部73および拡大候補項目決定部67に出力する。階層構造情報は、階層構造を形成する下位の階層に含まれる複数の項目をそれぞれ識別するための複数の項目識別情報を含む。
【0051】
表データにおいて、縦方向の複数の項目および横方向の複数の項目は、階層構造を形成する場合がある。階層構造は、項目が上位と下位との2階層以上を含む場合であって、上位の階層の項目が、下位の階層の複数の項目を含む。例えば、階層構造は、3行4列の表データが、横方向の4つの項目のすべてを含む上位階層の1つの項目を有し、縦方向の3つの項目のみの場合がある。この場合、横方向の第1〜第4番目の4つの項目が階層構造を形成しているという。また、3行4列の表データにおいて、横方向の第1番目と第2番目の2つの項目が上位階層の1つの項目に含まれ、横方向の第3番目と第4番目の2つの項目は上位階層の項目に含まれない場合であって、縦方向の3つの項目のみの場合がある。この場合、横方向の第1番目と第2番目の2つの項目が階層構造を形成しているという。
【0052】
第1決定部73は、階層検出部71から階層構造情報が入力され、セル選択部55から拡大対象セルのセル識別情報が入力される。第1決定部73は、セル識別情報で特定される拡大対象セルが属する縦方向の項目および横方向の項目それぞれについて、階層構造情報で特定される下位階層の項目か否かを判断する。階層構造情報で特定される下位階層の項目を階層構造項目という。第1決定部73は、拡大対象セルが属する縦方向の項目が階層構造項目と判断する場合、縦方向を処理方向に決定し、拡大対象セルが属する横方向の項目が階層構造項目と判断する場合、横方向を処理方向に決定する。第1決定部73は、拡大対象セルが属する縦方向の項目および横方向の項目の両方が階層構造項目と判断する場合、縦方向と横方向とのいずれか一方を、処理方向に決定する。ここでは、横方向を処理方向に決定する。第1決定部73は、決定した処理方向を拡大対象項目決定部61に出力する。第1決定部73は、拡大対象セルが属する縦方向の項目および横方向の項目の両方のいずれもが階層構造項目でないと判断する場合、処理方向を決定しない。第1決定部73は、処理方向を決定する場合、決定された処理方向を拡大対象項目決定部61に出力する。
【0053】
書式同一項目抽出部75は、表データに含まれる複数のセルそれぞれの書式を検出し、セル選択部55から入力されるセル識別情報で特定される拡大対象セルと書式が同じ別のセルのすべてを書式同一セルとして抽出する。書式は、セルに含まれる文字のフォントおよび色、セルの背景の模様および色等を含む。書式同一項目抽出部75は、1以上の書式同一セルを抽出する場合、抽出された書式同一セルのセル識別情報を第2決定部77に出力する。書式同一項目抽出部75は、表データに含まれる複数のセルそれぞれの書式がすべて同じならば書式同一セルを抽出しない。
【0054】
第2決定部77は、書式同一項目抽出部75から書式同一セルのセル識別情報が入力される場合、拡大対象セルの縦方向の項目が同じ書式同一セルが存在し、かつ、拡大対象セルの横方向の項目が同じ書式同一セルが存在しない場合、縦方向を処理方向に決定する。また、第2決定部77は、書式同一項目抽出部75から書式同一セルのセル識別情報が入力される場合、拡大対象セルの横方向の項目が同じ書式同一セルが存在し、かつ、拡大対象セルの縦方向の項目が同じ書式同一セルが存在しない場合、横方向を処理方向に決定する。換言すれば、拡大対象セルと書式同一セルとがともに属する項目が縦方向の項目ならば縦方向を処理方向に決定し、拡大対象セルと書式同一セルとがともに属する項目が横方向の項目ならば横方向を処理方向に決定する。第2決定部77は、処理方向を決定する場合、決定された処理方向を拡大対象項目決定部61に出力する。拡大対象セルの縦方向または横方向の項目が同じ書式同一セルが存在する項目を書式同一項目という。
【0055】
名称同一項目抽出79は、表データに含まれる縦方向の複数の項目および横方向の複数の項目の項目名を比較し、縦方向および横方向それぞれにおいて、複数の項目のうちで項目名が同じ2以上の項目を検出する。縦方向および横方向それぞれにおいて、複数の項目のうちで項目名が同じ2以上の項目を名称同一項目という。同一項目抽出79は、縦方向に含まれる複数の項目のうちで同じ項目名の2以上の項目を検出する場合、縦方向において同じ項目名の2以上の名称同一項目を有すると判断し、縦方向において同じ名称同一項目名の2以上の項目それぞれの項目識別情報の組を、第3決定部81に出力する。名称同一項目抽出部79は、横方向に含まれる複数の項目のうちで同じ項目名の2以上の名称同一項目を検出する場合、横方向において同じ項目名の2以上の名称同一項目を有すると判断し、横方向において同じ項目名の2以上の項目それぞれの項目識別情報の組を、第3決定部81に出力する。
【0056】
第3決定部81は、名称同一項目抽出部79から縦方向において2以上の名称同一項目それぞれの項目識別情報の組が入力される場合、縦方向を処理方向に決定し、決定された処理方向と、縦方向において2以上の名称同一項目それぞれの項目識別情報の組とを、拡大対象項目決定部61に出力する。第3決定部81は、名称同一項目抽出部79から横方向において2以上の名称同一項目それぞれの項目識別情報の組が入力される場合、横方向を処理方向に決定するとともに、決定された処理方向と、横方向において2以上の名称同一項目それぞれの項目識別情報の組とを、拡大対象項目決定部61に出力する。



拡大対象項目決定部61は、セル選択部55から拡大対象セルのセル識別情報が入力され、第1〜第3決定部73,77,81のいずれかから処理方向が入力される。拡大対象項目決定部61は、第1決定部73から処理方向が入力される場合、処理方向の複数の項目のうちから拡大対象セルが属する項目を拡大対象項目に決定し、決定された拡大対称項目の項目識別情報を、変換部59および拡大項目再決定部65に出力する。拡大対象項目決定部61は、第1決定部73から入力される処理方向が縦方向を示す場合、縦方向の複数の項目のうちから拡大対象セルが属する項目(階層構造に属する項目)を拡大対象項目に決定し、拡大対象項目決定部61は、第1決定部73から入力される処理方向が横方向を示す場合、横方向の複数の項目のうちから拡大対象セルが属する項目(階層構造項目)を拡大対象項目に決定する。
【0057】
また、拡大対象項目決定部61は、第2決定部77から処理方向が入力される場合、処理方向の複数の項目のうちから拡大対象セルが属する書式同一項目を拡大対象項目に決定し、決定された拡大対称項目の項目識別情報を、変換部59に出力する。拡大対象項目決定部61は、第2決定部77から入力される処理方向が縦方向を示す場合、縦方向の複数の項目のうちから拡大対象セルが属する書式同一項目を拡大対象項目に決定し、拡大対象項目決定部61は、第2決定部73から入力される処理方向が横方向を示す場合、横方向の複数の項目のうちから拡大対象セルが属する書式同一項目を拡大対象項目に決定する。
【0058】
また、拡大対象項目決定部61は、第3決定部81から処理方向が入力される場合、処理方向とともに、処理方向において同じ項目名の2以上の名称同一項目それぞれの項目識別情報の組が入力される。拡大対象項目決定部61は、第3決定部81から入力される2以上の項目識別情報それぞれで特定される2以上の名称同一項目を拡大対象項目に決定し、拡大対象項目に決定された2以上の名称同一項目の項目識別情報を変換部59に出力する。
【0059】
拡大対象項目決定部61は、第1〜第3決定部73、77、81の2以上から処理方向が入力される場合がある。拡大対象項目決定部61は、第1決定部73から処理方向が入力される場合は階層構造項目を、第2決定部77から処理方向が入力される場合は書式同一項目を、第3決定部81から処理方向が入力される場合は2以上の名称同一項目を、それぞれ拡大対象項目に設定するが、いずれを優先するかは予め定めておけばよい。ここでは、書式同一項目、名称同一項目および階層構造項目の順に優先順位を定める場合を例に説明する。
【0060】
なお、拡大対象項目を、書式同一項目、名称同一項目、階層構造項目の優先順位はこれに限定されることなく、任意に優先順位を定めることができる。例えば、階層構造に属する項目を、書式同一項目よりも優先する場合には、処理対象に設定されたセルの縦方向の項目が書式同一項目であり、横方向の項目が階層構造に属する項目の場合、横方向の項目を拡大対象項目とする。
【0061】
また、拡大対象項目を、書式同一項目、名称同一項目、階層構造に属する項目のいずれか1つに基づいて決定するようにしてもよいし、書式同一項目、名称同一項目、階層構造に属する項目のうちから選択された2つのうちから決定するようにしてもよい。
【0062】
変換部59は、表データ取得部51から表データが入力され、拡大対象項目決定部61から拡大対象項目の項目識別情報が入力される。表データのうち拡大対象項目の幅を拡大するとともに、拡大対象項目の処理方向に含まれる複数の項目のうち拡大対象項目以外の縮小対象項目の幅を縮小することによって、表データを変換する。変換部59は、変換した後の表データを画像形成制御部63に出力する。具体的には、変換部59は、拡大対象項目が縦方向の項目の場合、表データのうち拡大対象項目の縦方向の長さ拡大するとともに、縮小対象項目の縦方向の長さ縮小することによって、表データを変換する。変換部59は、拡大対象項目が横方向の項目の場合、表データのうち拡大対象項目の横方向の長さ拡大するとともに、縮小対象項目の横方向の長さ縮小することによって、表データを変換する。
【0063】
変換部59は、倍率決定部83を含む。倍率決定部83は、拡大対象項目の幅を拡大する拡大倍率と、縮小対象項目の幅を縮小する縮小倍率を決定する。縮小対象項目の幅を縮小する縮小倍率は、拡大対象項目の幅を拡大する拡大倍率に相対する倍率である。具体的には、倍率決定部83は、変換部59が表データを変換する前後で、表データ全体のサイズが同じになるように、拡大倍率と縮小倍率とを決定する。拡大倍率を予め定めておき、変換部59が表データを変換する前後で、表データ全体のサイズが同じになるように、縮小倍率を定めるようにしてもよい。逆に、縮小倍率を先に定め、変換部59が表データを変換する前後で、表データ全体のサイズが同じになるように、拡大倍率を定めるようにしてもよい。この場合は、縮小倍率を、縮小対象項目の幅を縮小した後に、縮小対象項目に含まれる文字のサイズが予め定められたサイズ以上になるように定めるのが好ましい。
【0064】
画像形成制御部63は、変換部59から変換後の表データが入力されると、変換後の表データを画像形成部140に出力し、画像形成部140に変換後の表データの画像を用紙に形成させる。これにより、拡大対象項目の幅が処理方向に拡大され、縮小対象項目の幅が処理方向に縮小された表データの画像が用紙に形成される。画像形成制御部63は、表データの画像形成が終了すると、拡大項目再決定部65に終了指示を出力する。
【0065】
拡大候補項目決定部67は、階層検出部71から縦方向および横方向いずれか一方の階層構造情報が入力される場合、階層構造情報に含まれる複数の項目識別情報でそれぞれ特定される複数の項目を拡大候補項目に決定する。拡大候補項目決定部67は、決定された複数の拡大候補項目それぞれの項目識別情報を拡大項目再決定部65に出力する。
【0066】
拡大項目再決定部65は、拡大候補項目決定部67から複数の拡大候補項目それぞれの項目識別情報が入力され、拡大対象項目決定部61から拡大対象項目の項目識別情報が入力される。拡大項目再決定部65は、画像形成制御部63から終了指示が入力されることに応じて、複数の拡大候補項目であって、未だ拡大対象項目に決定されていない1以上の拡大候補項目のうちから1つを、新たな拡大対象項目に決定し、決定された新たな拡大対象項目の項目識別情報を変換部59に出力する。拡大項目再決定部65は、複数の拡大候補項目のすべてが拡大対象項目に決定されたならば、新たな拡大対象項目を決定しない。
【0067】
変換部59は、再変換部85をさらに含む。再変換部85は、拡大項目再決定部65から新たな拡大対象項目の項目識別情報が入力されることに応じて、表データ取得部51から入力される表データのうち新たな拡大対象項目の幅を拡大するとともに、新たな拡大対象項目が属する処理方向の複数の項目のうち新たな拡大対象項目以外の項目を新たな縮小対象項目に設定し、新たな縮小対象項目の幅を縮小することによって、表データを変換する。再変換部85は、変換した後の表データを画像形成制御部63に出力する。このため、表データが、複数の拡大候補項目をそれぞれ拡大した複数の表データに変換される。このため、複数の拡大候補項目それぞれを拡大した表データの画像が形成される。
【0068】
図4は、表データの一例を示す第1の図である。図4を参照して、表データは、縦方向に項目名「L」、「M」、「N」の3つの項目と、横方向に項目名「A」、「B」、「C」の3つの項目を有する3行3列の表データである。横方向は、項目名「A」、「B」、「C」の3つの項目それぞれの上位階層に項目名「Z」の項目を有する階層構造を形成している。ここで、2行1列のセルがユーザーにより選択された場合を例に説明する。2行1列のセルが属する横方向の項目は項目名「A」であり、縦方向の項目は項目名「M」である。項目名「A」の横方向の項目は、項目名「Z」の上位階層の項目に属する。このため、横方向が処理対象方向に決定され、項目名「A」の横方向の項目が拡大対象項目に決定される。
【0069】
図5は、拡大後の表データの一例を示す第1の図である。図5を参照して、図4に示した表データと比較して、項目名「A」の横方向の項目の幅が処理対象方向である横方向に拡大され、横方向の残りの項目である項目名「B」および項目名「C」の2つの項目の幅が横方向に縮小されている。なお、図では、セル中の文字のサイズを拡大または縮小していないが、文字のサイズを拡大または縮小するようにしてもよい。
【0070】
図6は、拡大後の表データの一例を示す第2の図である。図6に示す表データは、図5に示した表データの画像が形成された後に生成される表データである。項目名「B」の横方向の項目は、項目名「A」の横方向の項目が属する上位階層の項目名「Z」の項目の下位階層の項目である。図6を参照して、図4に示した表データと比較して、項目名「B」の縦方向の項目の幅が処理対象方向である横方向に拡大され、横方向の残りの項目である項目名「A」および項目名「C」の2つの項目の幅が横方向に縮小されている。
【0071】
図7は、拡大後の表データの一例を示す第3の図である。図7に示す表データは、図6に示した表データの画像が形成された後に生成される表データである。項目名「C」の横方向の項目は、項目名「A」および項目名「B」それぞれの横方向の項目が属する上位階層の項目名「Z」の項目の下位階層の項目である。図7を参照して、図4に示した表データと比較して、項目名「C」の縦方向の項目の幅が処理対象方向である横方向に拡大され、横方向の残りの項目である項目名「A」および項目名「B」の2つの項目の幅が横方向に縮小されている。
【0072】
図8は、表データの一例を示す第2の図である。図8を参照して、表データは、縦方向に項目名「L」、「M」、「N」の3つの項目と、横方向に項目名「A」、「B」、「C」の3つの項目を有する3行3列の表データである。また、項目名「M」の縦方向の項目と、その項目を縦方向の項目とする3つのセルとに、ハッチングが付され、これらの背景の色が、他の項目およびセルの背景の色と異なっていることを示している。
【0073】
項目名「M」の項目を縦方向の項目とする3つのセルのいずれかがユーザーにより選択された場合、図9に示す拡大後の表データが生成される。ここでは、2行1列のセルがユーザーにより選択されたとする。
【0074】
図9は、拡大後の表データの一例を示す第4の図である。図9を参照して、図8に示した表データと比較して、項目名「M」の縦方向の項目の幅が処理対象方向である縦方向に拡大され、縦方向の残りの項目である項目名「L」および項目名「N」の2つの項目の幅が縦方向に縮小されている。
【0075】
図10は、表データの一例を示す第3の図である。図10を参照して、表データは、縦方向に項目名「Color」、「B&W」の2つの項目と、横方向に項目名「Copy」、「Scan」、「Copy」、「Scan」の4つの項目を有する2行4列の表データである。横方向は、第1列目の項目名「Copy」および第2列目の項目名「Scan」の2つの項目それぞれの上位階層に項目名「ModelA」の項目と、第3列目の項目名「Copy」および第4列目の項目名「Scan」の2つの項目それぞれの上位階層に項目名「ModelB」の項目と、を有する。
【0076】
ここで、2行1列のセルがユーザーにより選択された場合を例に説明する。2行1列のセルが属する横方向の項目は、第1列の項目名「Copy」であり、縦方向の項目は、項目名「B&W」である。横方向の項目は、4つの項目を有し、第1列と第3列の項目名が同じであり、第2列と第4列の項目名が同じである。このため、横方向の項目は、2行1列のセルが属する横方向の項目の第1列の項目名「Copy」と同じ項目名の項目をするので、横方向が処理対象方向に決定され、項目名「Copy」の第一例の項目と、第3列の項目とが拡大対象項目に決定される。
【0077】
図11は、拡大後の表データの一例を示す第5の図である。図11を参照して、図10に示した表データと比較して、横方向の項目のうち第一例の項目と、第3列の項目それぞれの幅が処理対象方向である横方向に拡大され、横方向の残りの項目名がともに「Scan」の第2列の項目と第4列の項目の幅が横方向に縮小されている。
【0078】
図12は、画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0079】
図12を参照して、CPU111は、表データを取得したか否かを判断する(ステップS01)。通信I/F部112が、ネットワークに接続されたコンピュータから表データを受信する場合、通信I/F部112から表データを取得する。また、原稿読取部130が表の画像が表された原稿を読み取る場合、原稿読取部130が出力する表の画像の画像データを表データとして取得する。表データを取得したならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS03に進める。ステップS02においては、取得された表データをHDD115に記憶し、処理をステップS03に進める。
【0080】
ステップS03においては、ユーザーによる表データの指定を受け付けたか否かを判断する。HDD115に記憶されている表データのファイル名の一覧をLCD165に表示し、ユーザーがタッチパネル169またはハードキー部170を用いて1つのファイル名を選択すれば、選択されたファイル名の表データの指定を受け付ける。表データの指定を受け付けたならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS04においては、指定された表データを表示し、処理をステップS05に進める。具体的には、指定された表示データをHDDから読出し、表データの画像をLCD165に表示させる。
【0081】
ステップS05においては、セルを選択する操作を受け付けたか否かを判断する。ユーザーがタッチパネル169またはハードキー部170を用いて、LCD165に表示された表データの画像に含まれる複数のセルのいずれか1つを選択すれば、セルを選択する操作を受け付ける。セルを選択する操作を受け付けたならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理を終了する。
【0082】
ステップS06においては、ステップS05において、ユーザーにより選択されたセルを拡大対象セルに設定し、処理をステップS07に進める。ステップS07においては、書式同一項目が存在するか否かを判断する。表データに含まれる複数のセルのうちに、拡大対象セルと書式が同一の書式同一セルと、書式が異なるセルとが存在し、かつ、拡大対象セルの縦方向の項目と同じ縦方向の項目の書式同一セルが存在する場合、または拡大対象セルの横方向の項目と同じ横方向の項目の書式同一セルが存在する場合、書式同一項目が存在すると判断する。ただし、拡大対象セルの縦方向の項目と同じ縦方向の項目の書式同一セルが存在し、かつ、拡大対象セルの横方向の項目と同じ横方向の項目の書式同一セルが存在する場合、書式同一項目が存在すると判断しない。書式同一項目が存在するならば処理をステップS08に進めるが、書式同一項目が存在しないならば処理をステップS09に進める。ステップS08においては、第1変換処理を実行し、処理を終了する。第1変換処理の詳細は後述する。
【0083】
ステップS09においては、名称同一項目が存在するか否かを判断する。縦方向の複数の項目のうちに、拡大対象セルが属する縦方向の項目と名称が同一の項目が存在する場合、または、横方向の複数の項目のうちに、拡大対象セルが属する横方向の項目と名称が同一の項目が存在する場合、名称同一項目が存在すると判断する。ただし、縦方向の複数の項目のうちに拡大対象セルが属する縦方向の項目と名称が同一の項目が存在し、かつ、横方向の複数の項目のうちに拡大対象セルが属する横方向の項目と名称が同一の項目が存在する場合、名称同一項目が存在すると判断しない。名称同一項目が存在するならば処理をステップS10に進めるが、名称同一項目が存在しないならば処理をステップS11に進める。ステップS10においては、第2変換処理を実行し、処理を終了する。第2変換処理の詳細は後述する。
【0084】
ステップS11においては、拡大対象セルが属する項目が階層構造の項目か否かを判断する。具体的には、拡大対象セルが属する縦方向の項目または横方向の項目のいずれかが、上位の階層の項目に含まれる下位の階層の項目ならば、階層構造の項目と判断する。階層構造の項目と判断する場合は、処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理を終了する。ステップS12においては、第3変換処理を実行し、処理を終了する。第3変換処理の詳細は後述する。
【0085】
図13は、第1変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1変換処理は、図12のステップS08において実行される処理である。図13を参照して、書式同一項目が横方向の項目か否かを判断する(ステップS21)。書式同一項目が横方向の項目ならば処理をステップS22に進め、そうでなく書式同一項目が縦方向の項目ならば処理をステップS23に進める。
【0086】
ステップS22においては、横方向を処理方向に決定し、処理をステップS24に進める。一方、ステップS23においては、縦方向を処理方向に決定し、処理をステップS24に進める。
【0087】
ステップS24においては、拡大対象項目を決定する。拡大対象セルが属する処理方向の項目を拡大対象項目に決定する。横方向が処理方向に決定された場合には、拡大対象セルが属する横方向の項目を拡大対象項目に設定し、縦方向が処理方向に決定された場合には、拡大対象セルが属する縦方向の項目を拡大対象項目に設定する。
【0088】
そして、縮小対象項目を決定する(ステップS25)。横方向が処理方向に決定された場合には、横方向の複数の項目のうち拡大対象項目以外の1以上の項目すべてを縮小対象項目に設定し、縦方向が処理方向に決定された場合には、縦方向の複数の項目のうち拡大対象項目以外の1以上の項目すべてを縮小対象項目に設定する。
【0089】
次のステップS26においては、倍率を決定する。拡大対象項目の幅を拡大する拡大倍率と、縮小対象項目の幅を縮小する縮小倍率を決定する。具体的には、表データを変換する前後で、表データ全体のサイズが同じになるように、拡大倍率と縮小倍率とを決定する。拡大倍率を予め定めておき、表データを変換する前後で、表データ全体のサイズが同じになるように、縮小倍率を定めるようにしてもよい。逆に、縮小倍率を先に定め、表データを変換する前後で、表データ全体のサイズが同じになるように、拡大倍率を定めるようにしてもよい。この場合は、縮小倍率を、縮小対象項目の幅を縮小した後に、縮小対象項目に含まれる文字のサイズが予め定められたサイズ以上になるように定めるのが好ましい。
【0090】
そして、表データの拡大対象項目の幅を決定された倍率で拡大し(ステップS27)、縮小対象項目の幅を決定された倍率で縮小する(ステップS28)。そして、拡大対象項目の幅を拡大し、縮小対象項目の幅を縮小した後の表データの画像を形成し(ステップS29)、処理を画像形成処理に戻す。
【0091】
図14は、第2変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2変換処理は、図12のステップS10において実行される処理である。図14を参照して、名称同一項目が横方向の項目か否かを判断する(ステップS31)。名称同一項目が横方向の項目ならば処理をステップS32に進め、そうでなく名称同一項目が縦方向の項目ならば処理をステップS33に進める。
【0092】
ステップS32においては、横方向を処理方向に決定し、処理をステップS34に進める。一方、ステップS33においては、縦方向を処理方向に決定し、処理をステップS34に進める。
【0093】
ステップS34においては、拡大対象項目を決定する。縦方向が処理方向に決定された場合には、拡大対象セルが属する縦方向の項目と、縦方向に含まれる複数の項目であって拡大対象セルが属する縦方向の項目と名称が同一の項目と、を拡大対象項目に決定する。横方向が処理方向に決定された場合には、拡大対象セルが属する横方向の項目と、横方向に含まれる複数の項目であって拡大対象セルが属する横方向の項目と名称が同一の項目と、を拡大対象項目に決定する。
【0094】
そして、縮小対象項目を決定する(ステップS35)。横方向が処理方向に決定された場合には、横方向の複数の項目のうち拡大対象項目以外の1以上の項目すべてを縮小対象項目に設定し、縦方向が処理方向に決定された場合には、縦方向の複数の項目のうち拡大対象項目以外の1以上の項目すべてを縮小対象項目に設定する。
【0095】
次のステップS36においては、図13のステップS26と同様に、倍率を決定する。そして、表データの拡大対象項目の幅を決定された拡大倍率で拡大し(ステップS37)、縮小対象項目の幅を決定された縮小倍率で縮小する(ステップS38)。そして、拡大対象項目の幅を処理方向に拡大し、縮小対象項目の幅を処理方向に縮小した後の表データの画像を形成し(ステップS39)、処理を画像形成処理に戻す。
【0096】
図15は、第3変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。第3変換処理は、図12のステップS12において実行される処理である。図15を参照して、階層構造の項目が横方向か否かを判断する。拡大対象項目が属する横方向の項目が階層構造ならば処理をステップS42に進めるが、そうでなければ処理をステップS43に進める。
【0097】
ステップS42においては、横方向を処理方向に決定し、処理をステップS44に進める。一方、ステップS43においては、縦方向を処理方向に決定し、処理をステップS44に進める。
【0098】
ステップS44においては、拡大対象項目を決定する。拡大対象セルが属する処理方向の項目を拡大対象項目に決定する。横方向が処理方向に決定された場合には、拡大対象セルが属する横方向の項目を拡大対象項目に設定し、縦方向が処理方向に決定された場合には、拡大対象セルが属する縦方向の項目を拡大対象項目に設定する。ステップS45においては、拡大候補項目を決定する。拡大対象セルの処理方向の項目と、上位階層の項目が同じ下位階層の項目のすべてを拡大候補項目に決定する。
【0099】
そして、縮小対象項目を決定する(ステップS46)。横方向が処理方向に決定された場合には、横方向の複数の項目のうち拡大対象項目以外の1以上の項目すべてを縮小対象項目に設定し、縦方向が処理方向に決定された場合には、縦方向の複数の項目のうち拡大対象項目以外の1以上の項目すべてを縮小対象項目に設定する。
【0100】
次のステップS47においては、ステップS27と同様にして、倍率を決定する。拡大倍率と縮小倍率とを決定する。そして、表データの拡大対象項目の幅を決定された拡大倍率で拡大し(ステップS48)、縮小対象項目の幅を決定された縮小倍率で縮小する(ステップS49)。そして、拡大対象項目の幅を拡大し、縮小対象項目の幅を縮小した後の表データの画像を形成する(ステップS50)。
【0101】
次のステップS51においては、ステップS45において決定された拡大候補項目のうちに拡大対象項目に決定されていない拡大候補項目が存在するか否かを判断する。そのような拡大候補項目が存在するならば処理をステップS52に進めるが、存在しなければ処理を画像形成処理に戻す。
【0102】
ステップS52においては、拡大候補項目のうち未だ拡大対象項目に決定されていない拡大候補項目のうちから1つを新たな拡大対象項目に再決定し、処理をステップS46に戻す。
【0103】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、表データの複数のセルのうちから1つのセルを、ユーザーが選択すれば、選択されたセルを拡大対象に選択し、表データの第1および第2の方向のいずれか一方を処理方向に決定し、表データの処理方向の1以上の項目のうち拡大対象に選択されたセルが属する項目を拡大対象項目に決定し、他の項目を縮小対象項目に決定する。そして、拡大対象項目の幅を所定の拡大倍率で拡大するとともに、縮小対象項目の幅を拡大倍率に相対する縮小倍率で縮小することによって、表データを変換し、変換された表データの画像を形成する。
【0104】
例えば、処理対象に選択されたセルが属する第1の方向の項目または第2の方向の項目のいずれか一方が階層構造の場合、階層構造を有する方向を処理方向として決定する。この場合、階層構造を有する方向が処理方向に決定されるので、階層構造を形成する項目の幅を拡大した見やすい表の画像を形成することができる。
【0105】
さらに、拡大対象項目と上位の階層の項目が同じ項目を拡大候補項目に決定し、表データの画像が形成された後に、拡大候補項目を新たな拡大対象項目に決定し、新たな拡大対象項目の幅を所定の拡大倍率で拡大するとともに、縮小対象項目の幅を拡大倍率に相対する縮小倍率で縮小することによって、表データを変換し、変換された表データの画像を形成する。このため、階層構造に含まれ、上位の項目が同じ複数の項目それぞれの幅を拡大した複数の表の画像を形成することができる。
【0106】
また、ユーザーにより処理対象に選択されたセルと書式が同じ別の書式同一セルが抽出される場合、ユーザーにより処理対象に選択されたセルと書式が同じ別の書式同一セルとがともに属する項目を有する方向を処理方向に決定する。このため、ユーザーが選択したセルと書式が同じセルを含む項目の幅を拡大した表の画像が形成されるので、同じ書式の部分を見やすくした表の画像を形成することができる。
【0107】
また、ユーザーにより処理対象に選択されたセルが属する項目の項目名と同じ項目名の項目が存在する方向が処理方向に決定され、表データの処理方向の1以上の項目のうち拡大対象に選択されたセルが属する項目に加えて、その項目と項目名が同じ項目が拡大対象項目に決定する。このため、項目名が同じ複数の項目の幅を拡大するので、同じ項目名の複数の部分を見やすくした表の画像を形成することができる。
【0108】
また、縮小対象項目の幅を縮小する縮小倍率を、縮小後の文字のサイズが予め定められたサイズ以上となるように決定し、縮小倍率に基づいて拡大対象項目を拡大する拡大倍率を決定する。このため、文字のサイズを予め定められたサイズ以上にした表データの画像を形成することができる。
【0109】
なお、上述した実施の形態においては、画像形成装置の一例として、MFP100を例に説明したが、図12〜図14に示した画像形成処理を、MFP100に実行させる画像形成方法、または、その画像形成方法をMFP100を制御するCPU111に実行させるための画像形成プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0110】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0111】
100 MFP、51 表データ取得部、53 表データ表示部、55 セル選択部、57 処理方向決定部、59 変換部、61 拡大対象項目決定部、63 画像形成制御部、65 拡大項目再決定部、67 拡大候補項目決定部、71 階層検出部、73 第1決定部、75 抽出部、77 第2決定部、79 同一項目抽出部、81 第3決定部、83 倍率決定部、85 再変換部、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 外部記憶装置、118 CD−ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、161 表示制御回路、163 VRRAM、165 LCD、167 入力制御回路、169 タッチパネル、170 ハードキー部。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向と第2の方向それぞれに1以上の項目を有する表データを取得する表データ取得手段と、
前記取得された表データの複数のセルのうちから1つのセルを拡大対象に選択するセル選択手段と、
前記第1および第2の方向のいずれか一方を処理方向に決定する処理方向決定手段と、
前記表データの前記処理方向の1以上の項目のうち前記拡大対象に選択されたセルが属する項目を拡大対象項目に決定する拡大対象項目決定手段と、
前記決定された拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、前記処理方向の1以上の項目であって前記拡大対象項目以外の縮小対象項目の幅を前記所定の倍率に相対する倍率で縮小することによって、前記取得された表データを変換する変換手段と、
前記変換された表データの画像を形成する画像形成制御手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記処理方向決定手段は、前記処理対象選択手段により処理対象に選択されたセルが属する前記第1の方向の項目または前記第2の方向の項目のいずれか一方が、2階層以上の階層構造の場合、前記第1および第2の方向のうち階層構造を有する方向を処理方向として決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記処理方向の1以上の項目のうち、前記選択されたセルが属する拡大対象項目と上位の階層の項目が同じ項目を拡大候補項目として決定する拡大候補項目決定手段と、
前記画像形成手段により前記表データの画像が形成された後に、前記決定された拡大候補項目を新たな拡大対象項目に決定する拡大項目再決定手段と、をさらに備え、
前記変換手段は、前記新たな拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、前記処理方向の1以上の項目であって前記新たな拡大対象項目以外の新たな縮小対象項目の幅を前記所定の倍率に相対する倍率で縮小することにより、前記取得された表データを変換する再変換手段を含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記セル選択手段により処理対象に選択されたセルと書式が同じ別の書式同一セルを抽出する抽出手段を、さらに備え、
前記処理方向決定手段は、前記抽出手段により前記書式同一セルが抽出される場合、前記セル選択手段により処理対象に選択されたセルと、前記抽出手段により抽出された前記書式同一セルとがともに属する項目を有する方向を処理方向に決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記処理方向決定手段は、前記第1の方向の1以上の項目のうちに、前記処理対象選択手段により処理対象に選択されたセルが属する項目の項目名と同じ項目名の項目が存在する場合、前記第1の方向を前記処理方向に決定し、前記第2の方向の1以上の項目のうちに、前記処理対象選択手段により処理対象に選択されたセルが属する項目の項目名と同じ項目名の項目が存在する場合、前記第2の方向を前記処理方向に決定し、
前記拡大対象項目決定手段は、前記表データの前記処理方向の1以上の項目のうち前記拡大対象に選択されたセルが属する項目に加えて、前記拡大対象に選択されたセルが属する項目の項目名と同じ項目名の項目を拡大対象項目に決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記取得された表データの画像を表示する表示手段と、
ユーザーによる操作を受け付ける操作受付手段と、をさらに備え、
前記セル選択手段は、前記操作受付手段により受け付けられた操作により選択されるセルを前記拡大対象に選択する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
予め定められた文字のサイズに基づいて、前記縮小対象項目の幅を縮小する倍率と、前記拡大対象項目の幅を拡大する倍率と、をそれぞれ決定する倍率決定手段を、さらに備えた、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
第1の方向と第2の方向それぞれに1以上の項目を有する表データを取得するステップと、
前記取得された表データの複数のセルのうちから1つのセルを拡大対象に選択するステップと、
前記第1および第2の方向のいずれか一方を処理方向に決定するステップと、
前記表データの前記処理方向の1以上の項目のうち前記拡大対象に選択されたセルが属する項目を拡大対象項目に決定するステップと、
前記決定された拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、前記処理方向の1以上の項目であって前記拡大対象項目以外の縮小対象項目の幅を前記所定の倍率に相対する倍率で縮小することによって、前記取得された表データを変換するステップと、
前記変換された表データの画像を形成するステップと、を画像形成装置に実行させる画像形成方法。
【請求項9】
第1の方向と第2の方向それぞれに1以上の項目を有する表データを取得するステップと、
前記取得された表データの複数のセルのうちから1つのセルを拡大対象に選択するステップと、
前記第1および第2の方向のいずれか一方を処理方向に決定するステップと、
前記表データの前記処理方向の1以上の項目のうち前記拡大対象に選択されたセルが属する項目を拡大対象項目に決定するステップと、
前記決定された拡大対象項目の幅を所定の倍率で拡大するとともに、前記処理方向の1以上の項目であって前記拡大対象項目以外の縮小対象項目の幅を前記所定の倍率に相対する倍率で縮小することによって、前記取得された表データを変換するステップと、
前記変換された表データの画像を形成するステップと、を画像形成装置を制御するコンピュータに実行させる画像形成プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−50632(P2013−50632A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189292(P2011−189292)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】