説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム

【課題】効率的に用紙の冷却を行なうことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】プリントがスタートすると(S101)、排紙部に用紙が到達したかどうかを検出するための用紙検出センサの出力をチェックする(S102)。センサがONとなると、冷却ファンの風向を用紙を冷却する方向に設定し(S103)、センサがONしている時間の計測をスタートする(S104)。用紙検出センサが所定時間間隔以上OFFとなっている場合(S105でYES)、センサON時間の計測を終了する(S106)。センサON時間に基づいてタイマーの時間をセットする(S107)。セットした時間が経過すると、冷却ファンの風向を画像読取装置を冷却する方向に設定して(S109)、一連の動作を終了する(S110)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関し、特に、排出された用紙を冷却することができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(MFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機など)には、原稿から画像を読取る画像読取装置(スキャナ)が備えられている。画像読取装置は通常、画像形成装置の定着部の上方に配置される。画像読取装置と記録媒体(トナー画像定着後の用紙(OHP用紙を含む)など)を冷却するための冷却装置の構成や制御に関し、以下の文献が存在する。
【0003】
下記特許文献1では、定着部と排紙部との間の距離をとることで、定着部を冷却せずに排紙部の記録媒体のみを効率よく冷却する方法が開示されている。その構成において、画像形成中とその前後に、冷却ファンの回転数を高くする制御方法が提案されている。
【0004】
特許文献2では、画像読取部と反転排紙部とを同一の冷却装置により冷却する方法が提案されている。
【0005】
特許文献3では、排出される用紙を、それが搬送ローラーに挟持されている間にのみ送風することで冷却する技術が提案されている。排出すべき用紙が排紙ローラーに挟持されている間にのみ、送風ファンを動作させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−340988号公報
【特許文献2】特開2005−196079号公報
【特許文献3】特開2006−330398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上述した従来の冷却方法では、用紙を効率的に冷却できないという問題があった。
【0008】
画像読取装置を、画像形成装置の排出部の上部に備える装置構成を採用した場合において、効率的に用紙を冷却できないときは、画像読取装置と画像形成装置の排出部との間の距離を縮めることができない(画像読取装置へ熱の影響が生じることを防ぐ必要があるため)。これにより、装置を小型化させ難いという問題があった。
【0009】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、効率的に用紙の冷却を行なうことができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像形成装置は、画像形成装置本体の上部に搭載される画像読取装置と、前記画像形成装置本体と前記画像読取装置とで形成される胴体の内部に設けられた、画像が形成された用紙を排出して積載するための排紙部と、冷却装置と、前記排紙部に排出される用紙の量に応じて、前記冷却装置を制御する制御手段とを備える。
【0011】
好ましくは前記冷却装置は、前記画像読取装置の温度上昇を防止するための冷却ファンである。
【0012】
好ましくは前記制御手段は、前記冷却ファンの風量と風向の少なくとも一方を制御する。
【0013】
好ましくは画像形成装置は、前記排紙部へ用紙が排出されたことを検出する用紙検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記用紙検出手段の検出結果に基づいて、前記冷却ファンの風量と風向の少なくとも一方を制御する。
【0014】
好ましくは前記制御手段は、前記冷却ファンの稼働時間を制御する。
【0015】
この発明の他の局面に従うと、画像形成装置本体の上部に搭載される画像読取装置と、前記画像形成装置本体と前記画像読取装置とで形成される胴体の内部に設けられた、画像が形成された用紙を排出して積載するための排紙部と、冷却装置とを備えた画像形成装置の制御方法は、前記排紙部に排出される用紙の量に応じて、前記冷却装置を制御する制御ステップを備える。
【0016】
この発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置本体の上部に搭載される画像読取装置と、前記画像形成装置本体と前記画像読取装置とで形成される胴体の内部に設けられた、画像が形成された用紙を排出して積載するための排紙部と、冷却装置とを備えた画像形成装置の制御プログラムは、前記排紙部に排出される用紙の量に応じて、前記冷却装置を制御する制御ステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
これらの発明に従うと、効率的に用紙の冷却を行なうことができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態における4サイクル画像形成装置の断面を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置が備える冷却装置のブロック図である。
【図3】画像形成装置が実行する冷却装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】用紙検出センサ11のオン時間と、ファンを駆動するタイマーのセット時間との関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における4サイクル画像形成装置の断面を示す図である。
【図6】図5の画像形成装置が備える冷却装置の風向切替機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態における4サイクル画像形成装置の断面を示す図である。
【0021】
図1を参照しながら、画像形成プロセスの概要を説明する。給紙カセット2には画像を形成するための用紙が収容されている。用紙の有無は図示しないセンサにより検出され、用紙がセットされていない場合や印字中に用紙が無くなった場合には、図示しない表示パネル等でユーザーに報知が行なわれる。給紙カセット2の前方(図では右側)には、給紙カセット2内の用紙を画像形成部へ送り出すための給紙部3が備えられている。
【0022】
画像形成装置1は単独で用いられたり、直接またはネットワークを介してコンピューターに接続して使用される。以下では、コンピューターに接続されてプリンタとして動作する場合を例に説明する。
【0023】
図示しないコンピューターからは、用紙に印字する画像データがコントローラー(制御部)Cに転送される。転送された画像データに基づいて、画像書き込み部により感光体4上に潜像が形成される。現像部では、その潜像に従って感光体4上に現像材による像が形成される。
【0024】
感光体4上の現像材は、中間転写ベルト5に転写される。カラーモードにおいては、感光体4上への画像形成と現像動作および中間転写ベルト5上への転写を、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に行ない、各色の画像が重ね合わされて中間転写ベルト5上にフルカラー画像が形成される。
【0025】
中間転写ベルト5上の画像は、2次転写部6において用紙へ転写される。用紙は給紙部3から送り出された後、用紙に対する画像の位置が適切となるように制御されて、2次転写部6に搬送される。2次転写部6で現像材が転写された用紙は、定着部7に送られ、熱と圧力が加えられた後、排紙部8に排出される。定着部7を通過することにより、用紙上の現像材は用紙に定着すると同時に発色し、画像形成が完了する。
【0026】
画像形成装置1は、その上部に画像読取装置9を備えている。従って画像形成装置は、いわゆる複写機として使用することが可能である。その場合には、上述の画像データとして、コンピューターから転送されたデータを用いるのではなく、画像読取装置9にて読み取ったデータを用いることとなる。
【0027】
画像形成プロセスは、既に述べた通りである。画像読取装置9には、原稿台上に原稿を置いて読み取り光学系を移動させて画像情報を読み取る方式や、原稿を移動させながら画像情報を読み取る方式があり、ここではどちらの方式を採用してもよいし、両方を兼ね備えていても良い。読み取った画像データに基づいて画像を形成する点は、上記と同様である。
【0028】
定着部7は、熱を加えることにより用紙上の現像材を定着させる。従って、定着部7を通過した用紙は高温になる。一方、画像読取装置9内には原稿上の画像情報を読み取るための光学系や読取素子があり、これらに熱が加わると読取画像の品質が低下する。
【0029】
そこで、画像読取装置9を冷却することが必要となるが、冷却においては、印字直後の用紙を冷却する方がより効果が大きい。そのため画像形成装置1は、排紙部8近傍の冷却を行うための冷却装置として、冷却ファン10を備えており、その風の向きを変えるための風向変更機構を有している。冷却ファン10は、画像読取装置9が画像を読み取っている状態では画像読取装置9を冷却するようにその風向が調整される。
【0030】
印字された用紙が排紙部8に排出されたことを検出するための用紙検出センサ11がONすると、冷却ファン10の風向は、用紙を冷却する方向となるように調整される。用紙検出センサ11がOFFすることで、用紙が排出完了となったことが検出される。それから一定時間経過後に、冷却ファン10の風向は、画像読取装置9が冷却されるように変更される。連続して複数枚を印字した場合には、最後の用紙が排出された後、タイマーでセットされた時間の経過後に、冷却ファン10の風向は画像読取装置9側へ変更される。冷却ファン10の風向の変更タイミングは、印字する用紙の枚数に応じて変化させる。
【0031】
冷却ファン10の風向は、モータやソレノイド等のアクチュエータを用いて切り替えることができる。風向は、少なくとも用紙を冷却する方向と画像読取装置9を冷却する方向の2方向に切り替え可能であれば良い。また、用紙サイズや印字枚数によって風向を微調整することとしてもよい。その場合には、多段階または連続的に風向を変更できるように装置を構成すればよい。用紙の中央部分に風向が向くように制御するなどである。
【0032】
なお、画像を形成する用紙の通紙経路には、用紙の通過を検出するためのセンサSE1,SE2が備えられていてもよい。また、排紙部8における用紙の存在(または量)を検出するためのセンサSE3が備えられていてもよい。
【0033】
図2は、図1の画像形成装置が備える冷却装置のブロック図である。
【0034】
図を参照して冷却装置は、排紙部8に用紙が排出されることを検出する用紙検出センサ11と、用紙検出センサ11の検出に基づいて冷却ファン10の風量(風の強さ)や、風向を制御する制御部20と、モータにより回転駆動される冷却ファン10と、ファンの風向を切替える風向切替部30とを備える。
【0035】
風向切替部30は、モータやソレノイド等のアクチュエータにより冷却ファン10自体の方向を変える機構であってもよいし、モータやソレノイド等のアクチュエータにより冷却ファン10の前に設けられたルーバーの方向を変える機構であってもよい。
【0036】
図3は、画像形成装置が実行する冷却装置の制御動作を示すフローチャートである。
【0037】
プリントがスタートすると(S101)、排紙部8に用紙が到達したかどうかを検出するための用紙検出センサ11の出力をチェックする(S102)。センサがONしたことを検出すると、冷却ファン10の風向を用紙を冷却する方向に設定し(S103)、同時にセンサがONしている時間(センサON時間)の計測をスタートする(S104)。
【0038】
その後、用紙検出センサ11が所定時間間隔(通紙間隔よりも所定時間長い時間)以上OFFとなっているかどうかをチェックし(S105)、YESとなるとセンサON時間の計測を終了する(S106)。そして、用紙検出センサ11がONしていた時間(センサON時間)を算出し、その結果に基づいてタイマーの時間をセットする(S107)。
【0039】
その後、セットした時間が経過したかどうかをチェックして(S108)、セットされた時間が経過すると、冷却ファン10の風向を画像読取装置9を冷却する方向に設定し、風量を元の状態に戻して(S109)、一連の動作を終了する(S110)。
【0040】
なお、ステップS105でNOである間、ステップS120で冷却ファン10の風量を増加させ、ステップS105へ戻る。ステップS120の処理は無くても良い。
【0041】
なお、コピーまたはプリントのセット枚数が少ない場合には、用紙検出センサ11のOFF(S105でYES)と同時に、冷却ファン10の風向を画像読取装置9を冷却する方向に切り替えても良い。また、排紙部8または画像読取部9近傍の温度を検出するセンサを装置に備えさせ、その検出結果によって冷却ファン10の風向を切り替えるようにしても良い。
【0042】
連続コピーや連続プリントの場合(画像形成後の複数枚の用紙が連続して排出される場合)には、用紙検出センサ11の出力はONからOFFに切り替わった後、短時間で再びONに切り替わることとなる。その間に冷却ファン10の風向を切り替えることは煩わしいため、図3のステップS105のように、冷却ファン10の風向切り替えタイミングは、用紙検出センサ11の出力が所定時間以上OFFとなったことを検出した後、タイマー時間経過後とすることが望ましい。
【0043】
すなわち冷却ファン10の風向切り替えタイミングを、センサOFF後一定時間経過後にセットする場合、その一定時間は、連続印字の用紙の排出間隔よりも長くすることが好ましい。
【0044】
図4は、用紙検出センサ11のオン時間と、ファンを駆動するタイマーのセット時間との関係を示す図である。
【0045】
用紙検出センサ11の「センサON時間」が長ければ、タイマーのセット時間は長くされる。なお、「センサON時間」とは、図3のステップS105でYESと判断されるまでの時間である。
【0046】
また、センサON時間とタイマーセット時間とは比例関係にしてもよいし、図4のように、センサON時間が所定時間より短い場合でも一定の時間はタイマーにセットすることとしてもよい。もちろん、センサON時間が所定時間より短ければ、タイマーをセットせずに、排紙終了後にすぐにファンの方向を切替えるようにしてもよい。
【0047】
なお、冷却ファン10の風量を可変式にして、風向の切り替えや、画像読取装置の動作や、印字枚数等に応じて風量を変更することとしてもよい(図3のフローチャートでは、印字枚数に応じて風量を増加させる例を示している)。
【0048】
さらに、排紙部8に用紙があるかどうか、または排紙部8へユーザーがアクセスしたかどうかを検出するセンサなどを装置に備えさせることにより、排出直後の用紙がユーザーによって取り去られた場合には、冷却ファン10の風向を画像読取装置9を冷却する方向に切り替えたり、風量を変化させたりする(弱くする)ことで、不必要な排紙部8への送風を防ぐことも可能である。排紙部8に用紙があるかどうかは、例えば図1のセンサ11により検出することが可能である。
【0049】
なお、図3のフローチャートでは、用紙検出センサの出力に基づいてステップS105のループを抜けることとしたが、ジョブ終了時に制御部Cが出力するジョブ終了信号の出力に基づいてステップS105のループを抜けることとしてもよい。
【0050】
また、図3のフローチャートでは、用紙検出センサの出力に基づいてステップS105のループを抜けることとしたが、用紙検出センサSE1〜SE3のいずれか、またはジャム検出センサなどの出力に基づいてステップS105のループを抜けることとしてもよい。
【0051】
また、通常の画像読取装置9の方向に風が送られているときには比較的風量を少なくし、ステップS103で風向が用紙の方向に向けられたときに、風量を増加させてもよい(ステップS109でまた風量を少なくするなどしてもよい)。
【0052】
また、連続して出力される用紙の量をカウントし、そのカウント値に基づいて風量を増加させるようにしてもよい。
【0053】
なお、ステップS109ではファンを停止させてもよい。ステップS103でファンを動作させてもよい。
【0054】
[第1の実施の形態における効果]
【0055】
以上の構成によると画像形成装置は、画像形成装置本体の上部に画像読取装置を搭載して、画像形成装置本体と画像読取装置とで形成される胴体の内部に設けられた排紙部に画像が形成された用紙を排出して積載する。画像形成装置は、画像読取装置の温度上昇を防止するための冷却装置を有する。排紙部に排出される用紙の量に応じて、冷却装置の制御が行なわれる。
【0056】
より詳しくは、冷却装置の制御部は、冷却ファンの風量と風向の少なくとも一方を制御する。
【0057】
好ましくは画像形成装置は、排紙部へ用紙が排出されたことを検出する用紙検出部を有し、冷却装置の制御部は、用紙検出部の検出結果に従って冷却ファンの風量と風向とを制御する。
【0058】
また冷却装置の制御部は、冷却ファンの稼働時間(用紙を冷却する方向を向いている時間)を制御する。
【0059】
このようにして、排出される記録媒体の状態に応じて冷却装置の風量や風向が制御される。より詳しくは、印字された紙の量に応じて風の流れ(風量や風向)が制御される。排出される記録媒体の状態に応じて冷却装置の風量や風向を制御することにより、効率のよい冷却ができる。また、画像読取装置への熱の悪影響を防ぐことができるため、画像読取装置を画像形成装置本体側に近づけて配置することができる。これにより、装置を小型化することができるという効果がある。
【0060】
[第2の実施の形態]
【0061】
図5は、本発明の第2の実施の形態における4サイクル画像形成装置の断面を示す図である。
【0062】
以下、図5の画像形成装置が図1におけるそれと異なる点について説明する。図5の画像形成装置は、冷却装置の風向切替機構を備える。
【0063】
図6は、図5の画像形成装置が備える冷却装置の風向切替機構を示す図である。
【0064】
上述の通り、画像形成装置において、画像読取装置9を冷却することが必要となる。プリントされた用紙が排紙されるときには、画像読取装置9を冷却するよりも、印字直後の用紙を冷却する方がより効果が大きい。
【0065】
このため画像形成装置1は、排紙部8近傍の冷却を行うための冷却装置として冷却ファン10を備えており、その風の向きは用紙に連動して変化する。排紙部8の近傍には用紙の動きに連動する用紙検出センサ(揺動レバー)11が配置される。ルーバー12は、揺動レバー11と連動する。このようにしてルーバー12を移動させることにより、冷却ファン10の風向を変化させる。
【0066】
より詳しくは、用紙が揺動レバー11を押している場合には風向が用紙を冷却する方向となるように制御が行なわれる。図5および6において破線で示されるルーバー12の位置は、風向が用紙を冷却する方向となっていることを示す。揺動レバー11が初期位置(用紙がない状態)にある場合には、冷却ファン10は、画像読取装置9を冷却するようにその風向が設定される。図5および6において実線で示されるルーバー12の位置は、風向が画像読取装置9を冷却する方向となっていることを示す。
【0067】
揺動レバー11としては、排出された用紙の後端を押さえるレバーや、用紙を検出する検出センサのレバーを用いることができる。また、排紙部8のトレイの角度が変化する構成にしておき、トレイの角度(すなわち積載したプリント後の用紙の量、または姿勢)と連動してルーバー12を動かすようにしても良い。揺動レバー11およびトレイの角度の両者に連動して、ルーバー12を動かすようにしても良い。
【0068】
図6を参照して、より詳しい冷却装置の風向切り替え動作について説明する。
【0069】
定着部7を経た用紙は、排紙ローラー13によって排紙部8へ排出される。排紙ローラー13を出た直後の用紙の位置に揺動レバー11が配置される。揺動レバー11は、用紙が排紙ローラー13直後にない状態においては実線で示す位置となり、用紙が排出されてくるとそれにあわせて漸次、破線の位置まで移動する。用紙の厚みや剛性により揺動レバー11に加わる力は変化するため、破線の位置は若干変化することとなる。
【0070】
冷却ファン10の前方には、その風向を制御するルーバー12が配置されている。ルーバー12は揺動レバー11と同様に回動可能に支持されている。揺動レバー11とルーバー12とは、図示しないリンク機構により連結されている。これにより、ルーバー12の実線と破線の位置は、揺動レバー11の実線と破線の位置に対応している。すなわち、ルーバー12が実線の位置にあるとき、揺動レバー11は実線の位置となり、ルーバー12が点線の位置にあるとき、揺動レバー11は点線の位置となる。
【0071】
用紙が揺動レバー11を押し上げている状態では、冷却ファン10の風が用紙を冷却する方向に向かうよう、ルーバー12が制御されることとなる。
【0072】
揺動レバー11とルーバー12の連結には、リンク機構の他にもカム機構等を用いることも可能である。
【0073】
また、冷却ファン10の風量を可変式にして、風向の切り替えや画像読取装置の動作に応じて風量を変更するようにしても良い。例えば、第1の実施の形態のように、用紙検出センサ(揺動レバー)11が所定時間以上OFFとなるまで風量を増加させるなどである。
【0074】
用紙検出センサ(揺動レバー)11のオン/オフが所定時間内に繰り返された回数に応じて、ファンの風量を増加させるようにしてもよい。用紙検出センサ(揺動レバー)11がオンとなったときにファンの風量を増加させるようにしてもよい。
【0075】
第1の実施の形態における風量の制御を、第2の実施の形態で採用してもよい。
【0076】
[第2の実施の形態における効果]
【0077】
以上のように画像形成装置は、画像形成装置本体の上部に画像読取装置を搭載し、画像形成装置本体と画像読取装置とで形成される胴体の内部に設けられた排紙部に、画像が形成された用紙を排出して積載するように構成される。画像形成装置は、画像読取装置の温度上昇を防止するための冷却装置を有し、排紙部に排出される用紙に連動して冷却装置を制御する。
【0078】
冷却装置の制御部は、冷却ファンの風量と風向の少なくとも一方を制御する。
【0079】
好ましくは冷却装置の制御部は、冷却ファンの風向が用紙の移動に連動する機構を備えている。
【0080】
冷却ファンの風向は、積載された用紙の量と姿勢の少なくとも一つに連動するように構成することも可能である。
【0081】
また冷却装置の制御部は、冷却ファンの稼働時間を制御することとしてもよい。
【0082】
以上のように第2の実施の形態によると、排出される記録媒体の状態に連動して冷却装置の風量や風向を制御することが可能となる。より詳しくは、印字された紙の動きに連動して風の流れ(風量や風向)を制御することができる。効率的な冷却により画像読取装置への熱の影響(悪影響)が出ないようにすることができるので、画像形成装置と画像読取装置との間の距離を小さくすることができる。これにより、装置全体の小型化を低コストで達成することができる。
【0083】
[その他]
【0084】
なお、上記実施の形態においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を一面ずつ順次中間転写ベルト上に形成して重ねた後、それらを一括して用紙に転写(2次転写)する現像方式を示しているが、本発明は、各色に対応した感光体を備えたタンデム方式の画像形成装置や、用紙に直接画像を転写する直接転写方式の画像形成装置にも用いることができる。
【0085】
また、本発明はMFP、ファクシミリ装置、複写機などの画像形成装置に対して実施することができる。
【0086】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウエア回路を用いて行なってもよい。
【0087】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0088】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成装置
2 給紙カセット
3 給紙部
4 感光体
5 中間転写ベルト
6 2次転写部
7 定着部
8 排紙部
9 画像読取装置
10 冷却装置(冷却ファン)
11 用紙検出センサ(揺動レバー)
12 ルーバー
13 排紙ローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体の上部に搭載される画像読取装置と、
前記画像形成装置本体と前記画像読取装置とで形成される胴体の内部に設けられた、画像が形成された用紙を排出して積載するための排紙部と、
冷却装置と、
前記排紙部に排出される用紙の量に応じて、前記冷却装置を制御する制御手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記冷却装置は、前記画像読取装置の温度上昇を防止するための冷却ファンである、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記冷却ファンの風量と風向の少なくとも一方を制御する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排紙部へ用紙が排出されたことを検出する用紙検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記用紙検出手段の検出結果に基づいて、前記冷却ファンの風量と風向の少なくとも一方を制御する、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記冷却ファンの稼働時間を制御する、請求項2から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置本体の上部に搭載される画像読取装置と、
前記画像形成装置本体と前記画像読取装置とで形成される胴体の内部に設けられた、画像が形成された用紙を排出して積載するための排紙部と、
冷却装置とを備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記排紙部に排出される用紙の量に応じて、前記冷却装置を制御する制御ステップを備えた、画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
画像形成装置本体の上部に搭載される画像読取装置と、
前記画像形成装置本体と前記画像読取装置とで形成される胴体の内部に設けられた、画像が形成された用紙を排出して積載するための排紙部と、
冷却装置とを備えた画像形成装置の制御プログラムであって、
前記排紙部に排出される用紙の量に応じて、前記冷却装置を制御する制御ステップをコンピュータに実行させる、画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−156912(P2010−156912A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152(P2009−152)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】