説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラム

【課題】電力消費が少なく、かつ、チャージムラの発生を防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、チャージャにより感光体を帯電させ、電子写真方式により画像を形成する。画像形成装置は、湿度の変化率に応じて、チャージャに流されるチャージャ電流を制御する。画像形成装置のCPUは、所定の検知時刻に湿度を検知し、湿度変化を検知する(S101,S103)。CPU21は、所定の閾値よりも湿度変化が大きいかどうかを判断し、大きい場合には、チャージャ電流を増大させる制御を行うことにより、チャージムラの発生を防止する(S105,S107)。チャージャ電流が増大された後、所定の時間が経過するなどしてストップ解除条件が満たされると、CPU21は、チャージャ電流の制御ストップを解除し、再び湿度変化に応じたチャージャ電流の制御を行う。必要な期間だけチャージャ電流を増大させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムに関し、特に、コロナ帯電方式により感光体を帯電させる電子写真方式の画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)がある。このような画像形成装置としては、コロナ帯電方式により有機感光体(OPC(Organic PhotoConductor/Organic Photoreceptor))などの感光体を帯電させるものが多い。
【0003】
コロナ帯電方式では、複数の針が連なってなる鋸歯電極や、ワイヤを用いてなるワイヤ電極などを有するコロナ帯電ユニット(以下、チャージャと呼ぶことがある。)が用いられる。チャージャは、電極にチャージャ電流が流され、鋸歯電極の針先端の部分や、ワイヤ電極のワイヤ部分から感光体に放電することで、感光体を帯電させる。なお、チャージャの電極の周囲には、安定板と呼ばれる導体の板金が配置されている。また、電極の感光体に対向する側には、グリッドが配置されている。
【0004】
下記特許文献1には、帯電ローラにより像担持体を帯電させる画像形成装置において、環境変化により帯電ローラの静電容量が変化したり像担持体の膜厚により像担持体の静電容量が変化したりして放電開始電圧が変化しても、最適な電圧を帯電部材に印加可能にすることが開示されている。特許文献1には、帯電ローラへの印加電圧を徐々に増やしていき、そのとき流れる電流の変化率を読むことにより、帯電ローラの印加電圧を決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−170948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コロナ帯電方式で画像形成を行う場合、形成する画像に、ムラなどの不良(以下、チャージムラと呼ぶことがある。)が発生することがある。チャージムラが発生する原因としては、例えば以下のようなものがある。すなわち、鋸歯電極を用いている場合、個々の針に抵抗差があると、比較的抵抗が小さい針からの放電量が多くなり、抵抗が大きい針からの放電量が少なくなる。したがって、感光体の帯電電位は、抵抗が小さい針の直下において高くなり、抵抗が大きい針の直下において低くなる。この状態で、全面ハーフトーン画像などを形成すると、帯電電位の高低の差に応じて、ハーフトーン画像に濃淡が生じる。すなわち、チャージムラが生じる。
【0007】
図14は、チャージムラの発生例を示す図である。
【0008】
図を参照して、チャージムラは、例えば、用紙Pの進行方向(図において矢印Fで示す方向)に1mm幅程度のスジ状に発生する。図において、チャージムラを3本のスジ状部Xとして示している。このスジ状のチャージムラは、1本発生する場合もあるし、複数本発生する場合もある。
【0009】
なお、鋸歯電極ではなくワイヤ電極を用いたワイヤ放電を行う場合においても同様の現象が発生する。その理由は、ワイヤ放電においても、ワイヤに部分的に放電ポイントが存在するからである。ワイヤの各放電ポイントの抵抗の大小によって、鋸歯電極の場合と同様に、チャージムラが発生する。
【0010】
チャージムラの発生は、電極の針をパット部材で清掃する機構をチャージャに設け、時々ユーザがその機構を利用して電極を清掃することで、ある程度は改善することが可能である。しかしながら、このようにして行う針の清掃の効果には限界があり、チャージムラを確実に解消できるとは限らない。また、ユーザが頻繁に清掃を行う必要があり、手間がかかる。
【0011】
なお、上記特許文献1には、このようなコロナ帯電方式における問題点に対し有効な解決策は何ら開示されていない。
【0012】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、電力消費が少なく、かつ、チャージムラの発生を防止することができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、チャージャにより帯電させた感光体上にトナー像を形成し、トナー像を用紙に転写することで用紙に画像を形成する画像形成装置は、装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における、温度の変化率及び湿度の変化率のうち少なくとも一方の情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された情報に基づいて、チャージャに流すチャージャ電流を変化させる制御を行う電流制御手段とを備える。
【0014】
好ましくは電流制御手段は、取得手段により取得された情報に基づいて、装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における湿度の変化率が所定値より高いと認められるとき、チャージャ電流を増大させる制御を行う。
【0015】
好ましくは電流制御手段は、取得手段により取得された情報に基づいて、装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における湿度の変化率が高いほどチャージャ電流を増大させる制御を行う。
【0016】
好ましくは電流制御手段は、チャージャ電流を変化させる制御を行ったとき、その後ストップ解除条件が満たされるまで、取得手段により取得された情報にかかわらず、チャージャ電流の制御をストップする。
【0017】
好ましくはストップ解除条件は、取得手段により取得された情報に基づいて設定されている。
【0018】
好ましくはストップ解除条件は、制御のストップを開始してから所定時間が経過したことを含む。
【0019】
好ましくはストップ解除条件は、制御のストップを開始してから所定枚数の用紙に画像の形成を行ったことを含む。
【0020】
この発明の他の局面に従うと、チャージャにより帯電させた感光体上にトナー像を形成し、トナー像を用紙に転写することで用紙に画像を形成する画像形成装置の制御方法は、装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における、温度の変化率及び湿度の変化率のうち少なくとも一方の情報を取得する取得ステップと、取得ステップにより取得された情報に基づいて、チャージャに流すチャージャ電流を変化させる制御を行う電流制御ステップとを備える。
【0021】
この発明のさらに他の局面に従うと、チャージャにより帯電させた感光体上にトナー像を形成し、トナー像を用紙に転写することで用紙に画像を形成する画像形成装置の制御プログラムは、装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における、温度の変化率及び湿度の変化率のうち少なくとも一方の情報を取得する取得ステップと、取得ステップにより取得された情報に基づいて、チャージャに流すチャージャ電流を変化させる制御を行う電流制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
これらの発明に従うと、装置のおかれている環境の温度又は湿度の変化に応じて、チャージャに流す電流を変化させる制御を行うことができる。したがって、電力消費が少なく、かつ、チャージムラの発生を防止することができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置のトナー像形成部の構成を示す側面図である。
【図3】プリントヘッドを示す側面図である。
【図4】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】チャージムラの発生例を示す図である。
【図6】画像形成装置がおかれている温湿度環境がHH環境からLL環境に急激に変化したときの針の抵抗値の変化を示すグラフである。
【図7】画像形成装置がおかれている温湿度環境がLL環境からHH環境に急激に変化したときの針の抵抗値の変化を示すグラフである。
【図8】急激な環境変化があった場合のチャージムラの発生有無を示す図である。
【図9】チャージャ電流の制御の一例を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態におけるチャージャ電流の制御条件の一例を説明する図である。
【図11】チャージャ電流の制御の効果を説明する図である。
【図12】第2の実施の形態におけるチャージャ電流の制御条件の一例を説明する図である。
【図13】チャージャ電流の制御の効果を説明する図である。
【図14】チャージムラの発生例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
【0025】
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能では、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)などに蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙などに印刷(プリント)する。プリンタとしての機能では、PCなどの外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置などからファクシミリデータを受信してそれをHDDなどに蓄積する。データ通信機能では、接続された外部機器との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDDに記憶したデータなどを共有可能にする。
【0026】
画像形成装置は、電子写真方式により画像を形成するものである。画像形成装置は、主にチャージムラ(帯電ムラ)の対策のため、使用環境(温湿度環境)の変化率(一定時間における温湿度変化の勾配)に応じて、感光体を帯電させるためのチャージャに流されるチャージャ電流を制御する。すなわち、チャージャ電流は、温湿度環境そのものではなく、単位時間あたりの温湿度環境の変化すなわち変化率に応じて制御される。これは、後述するように、チャージムラが、環境そのものでなく環境の変化率、特に湿度の変化率に強く影響されて発生する現象であるからである。
【0027】
なお、画像形成装置の設置場所の温湿度環境は、おおまかに、以下の3種類の環境のいずれかに該当することが多い。すなわち、高温高湿環境(以下、HH環境と称する。)、中温中湿環境(以下、NN環境と称する。)、低温低湿環境(以下、LL環境と称する。)の3種類の環境である。
【0028】
画像形成装置は、例えば夏にエアコンディショナの運転を開始した場合など、急激に湿度が低くなる場合の変化(HH環境からLL環境への変化)があり、単位時間あたりの湿度変化がマイナス側に大きくなる場合では、チャージャ電流を増大させる。また、画像形成装置は、冬や朝に暖房を開始した場合など、急激に湿度が高くなる場合の変化(LL環境からHH環境への変化)があり、単位時間あたりの湿度変化がプラス側に大きくなる場合にも、チャージャ電流を増大させる。
【0029】
なお、それ以外の場合、すなわち、緩やかに湿度が低くなる場合の変化(NN環境からLL環境への変化)、緩やかに湿度が高くなる場合の変化(LL環境からNN環境への変化、NN環境からHH環境への変化)、又は湿度がほとんど変化しない場合(NN環境からNN環境、HH環境からHH環境、LL環境からLL環境)では、チャージャ電流は増大させずに、一定の値を維持する。
【0030】
[第1の実施の形態]
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置を示す斜視図である。
【0032】
[画像形成装置1の構成]
【0033】
図を参照して画像形成装置1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、電源部9と、操作部11と、制御部20と、プリント部30と、スキャン部40と、温湿度センサ60とを備える。制御部20は、後述するように、CPU21などを有する(図4参照)。制御部20、プリント部30、及び温湿度センサ60は、画像形成装置1の筐体の内部に配置されている。制御部20及び温湿度センサ60の詳細については、後述する。
【0034】
この画像形成装置1は、3つの給紙カセット3(給紙カセット3a,3b,3c)を有している。それぞれの給紙カセット3には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット3は、画像形成装置1の下部に、画像形成装置1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、プリント部30に送られる。なお、給紙カセット3の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
【0035】
排紙トレイ5は、画像形成装置1の筐体のうちプリント部30が収納されている部位の上方でスキャン部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、プリント部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
【0036】
電源部9は、画像形成装置1の筐体の内部に設けられている。電源部9は、商用電源に接続され、商用電源をもとに、制御部20やプリント部30などに電力を供給する。
【0037】
操作部11は、画像形成装置1の上部前面側に配置されている。操作部11には、ユーザにより押下操作可能な複数の操作ボタン11aが配置されている。また、操作部11には、表示パネル13が配置されている。表示パネル13は、例えば、タッチパネルを備えたLCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、CPU21により制御されて表示を行う。操作部11は、操作ボタン11aや表示パネル13がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU21に送信する。すなわち、ユーザは、操作部11に操作を行うことにより、画像形成装置1に種々の動作を実行させることができる。
【0038】
プリント部30は、おおまかに、トナー像形成部300と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。プリント部30は、電子写真方式で用紙に画像を形成する。プリント部30は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙にカラー画像を形成可能に構成されている。トナー像形成部300の構成については後述する。
【0039】
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ソーラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット3から給紙して、画像形成装置1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置1の筐体から排紙トレイ5などに排出する。
【0040】
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
【0041】
スキャン部40は、画像形成装置1の筐体の上部に配置されている。スキャン部40は、ADF(Auto Document Feeder)41を有している。スキャン部40は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャン部40は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿を、ADF41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサによりその画像データを読み取る。
【0042】
図2は、画像形成装置1のトナー像形成部300の構成を示す側面図である。
【0043】
図を参照して、トナー像形成部300は、中間転写ベルト305と、転写ローラ307と、4組のプリントヘッド310Y,310M,310C,310K(以下、それぞれを区別せずプリントヘッド310と称することがある。)と、レーザスキャンユニット320などで構成されている。
【0044】
中間転写ベルト305は、環状であり、2つのローラ間に架けわたされている。中間転写ベルト305は、用紙搬送部に連動して回動する。転写ローラ307は、中間転写ベルト305のうち一方のローラに接触している部分に対向するように配置されている。用紙は、中間転写ベルト305と転写ローラ307との間で挟まれながら搬送される。
【0045】
各プリントヘッド310は、感光体311、チャージャ313、現像部315、ベルト転写ローラ317、及びクリーニングブレード319などを含んでいる。プリントヘッド310としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のCMYK各色の画像を形成するためのものが4つ配置されている。4組のプリントヘッド310は、中間転写ベルト305に沿うように、互いに並んで配置されている。レーザスキャンユニット320は、各プリントヘッド310の感光体311上にレーザ光を走査可能に配置されている。
【0046】
トナー像形成部300において、各レーザスキャンユニット320は、YMCKの各色別の画像データに基づいて、各プリントヘッド310の感光体311上に潜像を形成する。現像部315は、各感光体311に各色別のトナー像を形成する。各感光体311は、トナー像を中間転写ベルト305に転写し、その中間転写ベルト305上に、用紙に形成するトナー像の鏡像を形成する(1次転写)。その後、転写ローラ307により、中間転写ベルト305に形成されたトナー像が用紙に転写され、用紙上にトナー像が形成される(2次転写)。
【0047】
図3は、プリントヘッド310を示す側面図である。
【0048】
図を参照して、各プリントヘッド310は、従来の一般的な画像形成装置におけるそれと略同様に構成されている。すなわち、感光体311は、ドラム形状であり、その胴部に有機感光体(OPC(Organic PhotoConductor/Organic Photoreceptor))を有している。感光体311の周囲には、感光体311の回転方向に沿って、順に、チャージャ313、現像部315、ベルト転写ローラ317、及びクリーニングブレード319が配置されている。
【0049】
チャージャ313は、電極331と、安定板333と、グリッド335とを有している。電極331は、主走査方向(図において紙面に垂直な方向)に連なる複数の針337を有している。すなわち、電極331は、鋸歯状の電極である。安定板333は、板金部材である。安定板333は、電極331の周囲を、感光体311に対向する部分を除いて、覆うように配置されている。グリッド335は、電極331の感光体311に対向する側に配置されている。
【0050】
チャージャ313は、感光体311との間に高電圧が印加され、電極331にチャージャ電流Icが流されることで、感光体311の表面を一様に帯電させる(コロナ帯電方式)。感光体311の表面のうち帯電した部位には、レーザスキャンユニット320からレーザ光が照射される。これにより、感光体311の表面に潜像が形成される。現像部315は、感光体311の胴部のうち正又は負に帯電している部分にトナーを付着させ、トナー像を形成する。ベルト転写ローラ317は、感光体311との間に中間転写ベルト305を挟みながら電荷を加え、感光体311から中間転写ベルト305上にトナー像を転写する。クリーニングブレード319は、感光体311の表面に接触しており、感光体311の表面に残留しているトナーを収集する。
【0051】
図4は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0052】
図を参照して制御部20は、CPU21と、ROM23と、RAM25と、HDD27と、インターフェイス部29とを有している。制御部20は、操作部11、プリント部30、スキャン部40、及び温湿度センサ60などと共にシステムバスに接続されている。これにより、制御部20と画像形成装置1の各部とが、信号を送受可能に接続されている。
【0053】
HDD27は、インターフェイス部29を介して外部から送られたジョブ(JOB)のデータや、スキャン部40で読み取った画像データなどを記憶する。また、HDD27は、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラム(プログラム)27aなどを記憶する。HDD27は、1つのクライアントPC又は複数のクライアントPCなどから送信された複数のジョブを記憶可能である。
【0054】
インターフェイス部29は、例えば、NIC(Network Interface Card)などのハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。インターフェイス部29は、画像形成装置1をLANなどの外部ネットワークに接続する。これにより、画像形成装置1は、外部ネットワークに接続されているクライアントPCなどの外部装置と通信可能になる。図において、画像形成装置1は、PC71やPC73などが接続された外部ネットワークに接続されている。画像形成装置1は、PC71,73から印刷ジョブを受信可能である。また、画像形成装置1は、スキャン部40で読み取った画像データを、PC71に送信したり、メールサーバなどを介してE−mailにより送信したりすることができる。なお、インターフェイス部29は、無線通信により外部ネットワークに接続可能に構成されていてもよい。また、インターフェイス部29は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスであってもよい。この場合、インターフェイス部29は、通信ケーブルを介して接続された外部装置と画像形成装置1とを通信可能にする。
【0055】
CPU21は、ROM23、RAM25、又はHDD27などに記憶された制御プログラム27aなどを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を制御する。CPU21は、操作部11から操作信号が送られたり、PC71などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム27aを実行する。これにより、ユーザによる操作部11の操作などに応じて、画像形成装置1の所定の機能が実行される。
【0056】
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、画像形成装置1の動作を行うために用いられるデータが記憶されている。ROM23には、HDD27と同様に、種々の制御プログラムや、画像形成装置1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU21は、所定の処理を行うことにより、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
【0057】
RAM25は、CPU21のメインメモリである。RAM25は、後述のようにCPU21が制御プログラム27aを実行するときに必要なデータを記憶するのに用いられる。
【0058】
スキャン部40は、上述のように、スキャナ機能を実行し、原稿から画像データを読み取る。スキャン部40により読み取られた画像データは、CPU21によりアプリケーションデータ形式に変換され、HDD27などに記憶される。CPU21は、HDD27などに記憶された画像データを、PC71,73などに送信可能である。
【0059】
温湿度センサ60は、例えば、画像形成装置1の筐体の内部の温度及び湿度、すなわち画像形成装置1のおかれている環境の温度及び室温を測定可能である。なお、温湿度センサ60は、画像形成装置の筐体の内部及び外部の両方の温度及び湿度、又は画像形成装置の筐体の外部の温度及び湿度を測定可能に構成されていてもよい。温湿度センサ60は、後述するように、CPU21の要求に応じて、測定対象環境の温度及び湿度を測定し、測定結果をCPU21に送信する。温湿度センサ60は、例えば、一般に、画像形成装置1に設定されているものである。なお、温湿度センサ60は、所定の時間間隔(例えば、10秒ごと)で温度及び湿度を測定し、その測定結果をCPU21に送信するように構成されていてもよい。
【0060】
[チャージムラについて]
【0061】
図5は、チャージムラの発生例を示す図である。
【0062】
画像形成装置1において、コロナ帯電方式で画像形成を行う場合、上述のように、形成する画像に、ムラなどの不良(以下、チャージムラと呼ぶことがある。)が発生することがある。図において、矢印Fは用紙の進行方向を示し、また、スジ状部Xはチャージムラが発生している部分を示す。
【0063】
チャージムラの発生原因としては、電極331の針337の各々に、互いに抵抗差があることが挙げられる。ここで、チャージムラは、相対湿度環境に急激な変化があったときに比較的顕著に発生する。すなわち、このとき、スジ状部Xと他の部位との濃淡の差(チャージムラのレベル)が大きくなる。このことから、チャージムラの発生メカニズムが判明したので、それについて以下に説明する。
【0064】
すなわち、まず、画像形成時に、電極331に高電圧を印加してコロナ放電を行うと、針337には、窒化酸化物などの放電生成物(以下、Noxと呼ぶことがある。)が付着する。このとき、針337毎にNoxの付着度合いにバラツキが生じるため、比較的Noxの付着が少ないきれいな針337bがある一方で、Noxの付着が多い針337aが生じる。すなわち、針337毎に、Noxの付着量の差が生じる。図に示すように、チャージムラが発生するとき、スジ状部Xは、Noxの付着が多い針337aに対応する位置に発生する。
【0065】
Noxが付着している針(比較的Noxの付着量が多い針)337aは、付着してない針(比較的Noxの付着量が少ない針)337bよりも抵抗が低くなりやすい。画像形成装置1がおかれている温湿度環境がHH環境であるとき、湿度などの影響で、Noxが付着している針337aの抵抗も、付着していない針337bの抵抗も、共に比較的低くなる。なお、Noxが付着している針337aよりも、Noxが付着してない針337bのほうが、抵抗が若干高めになる。他方、画像形成装置1がおかれている温湿度環境がLL環境であるとき、Noxが付着している針337aの抵抗も、付着していない針337bの抵抗も、共に比較的高くなる。なお、この場合も、Noxが付着している針337aよりも、Noxが付着していない針337bのほうが、抵抗が若干高めになる。
【0066】
ここで、HH環境からLL環境に急激に温湿度環境が変化した場合や、LL環境からHH環境に急激に温湿度環境が変化した場合には、Noxが付着している針337aと付着していない針337bとで、大きな抵抗差が生じる。
【0067】
図6は、画像形成装置1がおかれている温湿度環境がHH環境からLL環境に急激に変化したときの針(チャージャー針と呼ぶことがある)337の抵抗値の変化を示すグラフである。
【0068】
図を参照して、黒丸は、Noxが付着している針337aを示し、白丸は、Noxが付着していない針337bを示す。まず、図の右側のグラフに示すように、HH環境において、針337a,337bは共に、上述のように抵抗が小さい状態である。HH環境からLL環境に急激に変化した直後には、Noxが付着していない針337bの抵抗が大きくなるのに対し、Noxが付着している針337aの抵抗が比較的小さいままになる。すなわち、針337aの抵抗値と針337bの抵抗値との差が大きくなる。このとき、チャージムラが比較的顕著に発生する。
【0069】
この抵抗差は、針337aと針337bとで乾燥する速度が異なることにより生じるものである。すなわち、HH環境では、針337は吸水しており、抵抗が小さい状態である。HH環境からLL環境になると、各針337の乾燥に伴い、各針337の抵抗が大きくなる。このとき、Noxは乾燥速度を遅くする作用をもたらすので、Noxが付着している針337aは、付着していない針337bよりも乾燥する速度が遅くなる。したがって、針337aの抵抗が大きくなるまでの時間は、針337bの抵抗が大きくなるまでの時間よりも長くなる。換言すると、HH環境からLL環境に急激に変化した直後には、針337bは比較的乾燥していても、針337aはまだ吸水した状態であるため、針337aの抵抗値と針337bの抵抗値との差が大きくなる。
【0070】
画像形成装置1がおかれている温湿度環境がHH環境からLL環境に急激に変化した後、LL環境が維持されると、Noxが付着している針337aの抵抗も次第に大きくなる。すなわち、図の左側のグラフに示すように、LL環境になってから時間が経過するにつれ、Noxが付着していない針337bの抵抗はあまり変化しない一方で、Noxが付着している針337aの抵抗は徐々に大きくなる。そして、LL環境になってから例えば30時間経過後には、針337a,337bの両者の抵抗は、上述のように略同程度になる。
【0071】
図7は、画像形成装置1がおかれている温湿度環境がLL環境からHH環境に急激に変化したときの針337の抵抗値の変化を示すグラフである。
【0072】
図を参照して、図6と同様に、黒丸は、Noxが付着している針337aを示し、白丸は、Noxが付着していない針337bを示す。まず、図の左側のグラフに示すように、LL環境においては、上述のように針337a,337bの抵抗は共に大きい状態である。LL環境からHH環境に急激に変化した直後には、Noxが付着していない針337bの抵抗は比較的大きいままであるのに対し、Noxが付着している針337aの抵抗は小さくなる。すなわち、針337aの抵抗値と針337bの抵抗値との差が大きくなり、チャージムラが比較的顕著に発生する。
【0073】
この抵抗差は、針337aと針337bとで吸湿する速度が異なることにより生じるものである。すなわち、LL環境では、針337は乾燥しており抵抗が大きい状態である。LL環境からHH環境に変化すると、各針337の吸湿に伴い、各針337の抵抗が小さくなる。このとき、Noxは吸湿速度を速くする作用をもたらすので、Noxが付着している針337aは、付着していない針337bよりも吸湿速度が速くなる。したがって、針337aの抵抗が小さくなるまでの時間は、針337bの抵抗が小さくなるまでの時間よりも短くなる。換言すると、LL環境からHH環境に急激に変化した直後には、針337aは比較的吸水していても、針337bはまだ乾燥した状態であるため、針337aの抵抗値と針337bの抵抗値との差が大きくなる。
【0074】
画像形成装置1がおかれている温湿度環境がLL環境からHH環境に急激に変化した後、HH環境が維持されると、Noxが付着していない針337bの抵抗も次第に小さくなる。すなわち、図の右側のグラフに示すように、HH環境になってから時間が経過するにつれ、Noxが付着している針337aの抵抗はあまり変化しない一方で、Noxが付着していない針337bの抵抗は徐々に小さくなる。そして、HH環境になってから例えば30時間経過後には、針337a,337bの両者の抵抗は、上述のように略同程度になる。
【0075】
このように、HH環境からLL環境へ、又はLL環境からHH環境への急激な変化があった場合において、Noxが付着しているか否かによって、各針337の吸湿度合い(乾燥度合い)に大きな差が生じる。また、このとき、針337毎に大きな抵抗の差が生じる。これは、針337の乾燥・吸湿するメカニズムによって吸湿度合いに差が生じること、及び一般的に水分を吸収しているほど物質の抵抗は低くなることによる。このように生じる抵抗差は、環境の急激な変化があったときに一時的に発生するものであり、環境変化後、長時間が経過すると、針337毎の抵抗は均一化されていく。
【0076】
一方、先に説明したが、チャージムラと呼ばれる現象は、針337の抵抗値のバラツキによって生じる画像異常である。針337にかけられた電圧に対して、抵抗が少ない針337からは多くの放電が生じ、抵抗が高い針337からはあまり放電しない。したがって、感光体311のうち抵抗が高い針337に対応する部位には帯電電位がのりにくくなる。この場合、ハーフトーン画像を採取すると、その帯電電位の低い部分だけが濃淡が他の部位と異なってしまう。このように、相対湿度環境の急激な変化があった場合には、針337の抵抗の差が大きくなり、チャージムラが生じやすくなる。
【0077】
ここで、上記のようなチャージムラの発生を防止するには、チャージャ313の電極に流すチャージャ電流(以下Ic)を常に比較的大きくしておくことが有効である。チャージャ電流Icを大きくすると、複数の針337で放電がより均一に行われるからである。
【0078】
図8は、急激な環境変化があった場合のチャージムラの発生有無を示す図である。
【0079】
ここで、急激な環境変化とは、例えば、10時間で80%以上湿度が変化することをいう。図において、丸印(○)は、チャージムラがほとんど発生しない状態であることすなわち良好に画像形成可能である状態であることを示す。また、三角印(△)は、チャージムラが発生する状態であるがそのチャージムラはあまり目立たないものであること、すなわち比較的レベルが低いチャージムラが発生する状態であることを示す。また、ばつ印(×)は、目立つチャージムラすなわち比較的レベルが高いチャージムラが発生する状態であることを示す。図において、各列は環境変化後の経過時間(0時間後、10時間後、20時間後、30時間後)について分かれている。また、各行は、チャージャ313に流れるチャージャ電流Ic(通常値(「Ref」)、通常値より50μA増加した値(「+50μA」)、通常値より100μA増加した値(「+100μA」)、通常値より200μA増加した値(「+200μA」))について分かれている。
【0080】
図を参照して、環境変化直後すなわち「0時間後」では、チャージャ電流Icを基準値(Ref)+200μAにしたとき(「+200μA」)にやっと「○」レベルになる。また、環境変化から10時間経過した後(「10時間後」)では、チャージャ電流IcがRef+100μA(「+100μA」)より大きいときに「○」レベルになる。また、20時間経過した後(「20時間後」)では、チャージャ電流IcがRef+50μA(「+50μA」)より大きいときに「○」になる。30時間経過した後(「30時間後」)では、通常どおりの基準値(「Ref」)のチャージャ電流Icで、「○」レベルが達成される。
【0081】
このように、相対湿度の急激な変化があった場合、上述したメカニズムによってチャージムラのレベルが悪化してから、針337の抵抗が変化後の環境で安定し、チャージムラのレベルが通常の良好なレベルに復帰するまでには、かなりの時間を要する。チャージムラが発生しないようにするには、上述からわかるようにチャージャ電流Icを大きくすればよい。しかしながら、チャージムラ対策とはいえ、チャージャ電流Icを一律に大きくすることは、消費電力の増大を招くため、省エネの観点から好ましくない。
【0082】
そこで、本実施の形態において、画像形成装置1は、画像形成装置1のおかれている環境の変化に応じてチャージャ電流Icを変更する制御(以下、湿度変化率制御と呼ぶことがある)を行うことにより、環境変化時のチャージムラの発生を防止する。すなわち、チャージャ電流Icは、温湿度環境すなわち温度及び湿度の両方又はいずれか一方に応じて制御されるのではなく、単位時間あたりの温湿度環境の変化すなわち温湿度環境の変化率に応じて制御される。
【0083】
チャージャ電流Icの制御は、CPU21により行われる。また、本実施の形態において、チャージャ電流Icの制御は、湿度の変化を読み取ることにより行われる。具体的には、チャージャ電流Icの制御は、温湿度センサ60により検知された湿度の変化率に基づいて行われる。上記のように、チャージムラは湿度変化に起因するためである。
【0084】
[チャージャ電流Icの制御の流れ]
【0085】
まず、チャージャ電流Icの制御のおおまかな流れについて説明する。
【0086】
図9は、チャージャ電流Icの制御の一例を示すフローチャートである。
【0087】
図を参照して、ステップS101において、CPU21は、所定の検知時刻が到来したかどうかを判断する。検知時刻は、所定の間隔で、例えば2時間毎に到来する。
【0088】
ステップS101において検知時刻が到来したとき、ステップS103において、CPU21は、湿度変化を検知する。すなわち、CPU21は、2時間毎に、湿度変化を検知する。このとき、CPU21は、画像形成装置1内の温湿度センサ60により湿度を検知し、例えば前回の検知結果からの相対湿度の変化量、すなわち所定時間における相対湿度の変化量を算出する。換言すると、CPU21は、相対湿度の変化率を算出する。なお、温湿度センサ60が湿度の変化量などを検知可能であり、CPU21は、その検知結果を温湿度センサ60から取得することにより湿度変化を検知してもよい。
【0089】
ステップS105において、CPU21は、所定の閾値と比べ、湿度の変化が大きいかどうかを判断する。CPU21は、例えば、相対湿度が40%以上変化した場合には、湿度の変化が大きいと判断する。なお、CPU21は、相対湿度の変化率が所定の閾値よりも大きい場合に、湿度の変化が大きいと判断してもよい。
【0090】
ステップS105において湿度変化が大きければ、ステップS107において、CPU21は、チャージャ電流Icを増大させる制御を行う。また、このとき、CPU21は、湿度に応じたチャージャ電流Icの制御をストップさせる。CPU21は、後述するような制御条件に従って、湿度変化の程度に応じて、チャージャ電流Icを増大させる。本実施の形態では、CPU21は、湿度変化の程度が高いほど、すなわち湿度の変化率が高いほど、チャージャ電流Icを増大させる制御を行う。
【0091】
ステップS109において、CPU21は、後述の制御条件に定められたストップ解除条件に照らし、チャージャ電流Icの制御ストップを解除するか否かを判断する。ストップ解除条件としては、例えば、後述するような、制御ストップを開始してから所定時間が経過したことなどが挙げられる。すなわち、CPU21は、チャージャ電流Icを変化させる制御を行ったとき、その後ストップ解除条件が満たされるまで、温湿度センサ60により検知される湿度情報にかかわらず、チャージャ電流Icの制御ストップを継続する。
【0092】
ステップS109において制御ストップを解除すると判断された場合、又はステップS105において湿度変化が大きくないと判断された場合、CPU21は、再び、ステップS101,S103からの処理を行う。なお、CPU21は、ステップS109において制御ストップが解除されたとき、その2時間後に検知時刻が到来した時に再びステップS101,S103からの処理を実行する。
【0093】
[チャージャ電流Icの制御条件の一例]
【0094】
図10は、第1の実施の形態におけるチャージャ電流Icの制御条件の一例を説明する図である。
【0095】
図を参照して、制御条件は、単位時間(2時間)あたりの湿度変化と、チャージャ電流Icの値及び制御ストップを開始してからの経過時間(ストップ解除条件の一例)とが対応して定められているものである。CPU21は、湿度変化を検知すると、この制御条件に基づいて、チャージャ電流Icの制御を行う。なお、制御条件に関するデータは、例えばHDD27などに記憶されている。
【0096】
本実施の形態において、2時間で相対湿度が90%程度のHH環境から相対湿度が10%程度のLL環境に変化した場合には、2時間での相対湿度の変化量が80%以上になる。このように、2時間での相対湿度の変化量が80%以上であるとき、CPU21は、制御条件に基づいて、チャージャ電流Icを、通常の電流(Ref)から200μAほど増大させる。すなわち、チャージャ電流Icは、Ref+200μAに制御される。
【0097】
また、CPU21は、HH環境からLL環境への変化であっても、2時間での湿度変化が60%〜80%であるときには、チャージャ電流IcをRef+100μAに制御する。また、CPU21は、2時間での湿度変化が40%〜60%であるときには、チャージャ電流IcをRef+50μAに制御する。
【0098】
他方、2時間あたりの湿度変化が40%未満の場合、CPU21は、チャージャ電流Icを通常の電流(Ref)とする制御を行う。この場合、チャージャ電流Icが通常値でもチャージムラの悪化は見られないところ、チャージャ電流Icを増大させる必要がないからである。
【0099】
なお、図に示すとおり、LL環境からHH環境に変化する場合すなわち湿度が高くなる側の変化においても、CPU21は、上述の湿度が低くなる側と同様に、湿度の変化率に応じた制御を行う。
【0100】
上述のように、HH環境からLL環境に変化する場合、湿度の急激な変化が大きいほど、Noxが付着した針337aと付着していない針337bとで乾燥速度が大きく異なり、チャージムラのレベルが悪くなる。また、LL環境からHH環境に変化する場合、湿度の急激な変化が大きいほど、Noxが付着した針337aと付着していない針337bとで吸水速度が大きく異なり、チャージムラのレベルが悪くなる。しかしながら、このように2時間あたりの湿度の変化量を読み取ってそれに応じた段階的な制御を行うことにより、電力を消費しすぎないように、必要十分な程度にチャージャ電流Icを増大させ、チャージムラの発生を防止することができる。すなわち、チャージムラの改善とチャージャ電流Icの適正化(省エネ)とのバランスをとることができる。
【0101】
また、本実施の形態においては、制御ストップ後所定時間が経過したことがストップ解除条件として設定されている。このとき、CPU21は、湿度の変化量に応じた所定時間だけ、チャージャ電流Icを増大させたときの制御ストップを継続する。すなわち、ストップ解除条件は、温湿度センサ60により検知された湿度の情報に基づいて設定されている。
【0102】
制御ストップは、湿度の変化量が大きいほど、それに応じて長く継続される。これは、以下の理由による。すなわち、図6及び図7に示すように、通常のチャージャ電流Icが流れているとき、一旦湿度の急激な変化があると、チャージムラが解消するまで(良好になるまで)に10時間〜30時間程度時間がかかる。このとき、湿度の変化が激しいほど、チャージムラが顕著に発生し、チャージムラが解消するまでの時間が長くなる。
【0103】
例えば、LL環境からHH環境に80%以上の湿度変化があり、そのままHH環境で2時間経過した場合、すなわち、80%以上の湿度変化があった次の2時間での湿度の変化率が0%である場合を想定する。このとき、上述のように、湿度変化があったときに、一旦、チャージャ電流IcがRef+200μAに制御される。ここで、その2時間後に、チャージムラの発生原因が解消されていない状態で、湿度変化が0%であることによりチャージャ電流IcがRef(基準値)に戻されると、チャージムラの悪化などの問題が生じる。すなわち、上述したように、一度湿度の急激な変化がありチャージムラが悪化すれば、チャージムラのレベルが再び良好になるまでに10〜30時間かかるため、それまではチャージャ電流Icの制御をストップすることが好ましい。
【0104】
本実施の形態では、CPU21は、HH環境からLL環境に変化したとき及びLL環境からHH環境に変化したときに、共に、2時間での湿度変化が80%以上であれば、チャージャ電流IcをRef+200μAとした状態で、湿度変化率制御を20時間ストップする。すなわち、このとき、制御ストップの時間は20時間である。また、湿度変化が60%〜80%であれば、CPU21は、チャージャ電流IcをRef+100μAとした状態で、湿度変化率制御を10時間ストップする。すなわち、このとき、制御ストップの時間は10時間である。また、湿度変化が40〜60%であれば、CPU21は、チャージャ電流IcをRef+50μAとした状態で、湿度変化率制御を5時間だけストップする。すなわち、このとき、制御ストップの時間は5時間である。
【0105】
図11は、チャージャ電流Icの制御の効果を説明する図である。
【0106】
図は、上記のような湿度変化に応じたチャージャ電流Icの制御を行った場合と行わなかった場合との、それぞれのチャージムラの発生状況を示す。図において、丸印(○)、三角印(△)、及びばつ印(×)は、それぞれ、図8におけるそれと同様に、発生したチャージムラのレベルを示す。図において、チャージムラの発生状況は、チャージャ電流Icの制御を行った場合と行わなかった場合とでそれぞれ、湿度変化があった後、10時間経過する毎に示す。
【0107】
図を参照して、チャージャ電流Icの制御を行わなかった場合は、湿度変化が大きいほど、また変化後の経過時間が短いほど、チャージムラのレベルが悪いことがわかる。これに対し、チャージャ電流Icの制御を行った場合には、湿度変化が大きくても、また、その後時間が経過しても、チャージムラのレベルが良好なまま保たれていることがわかる。
【0108】
このように、本実施の形態では、湿度変化に応じて、チャージャ電流Icを必要なときに必要量だけ増加させ、チャージムラの発生を抑えることができる。したがって、チャージムラの発生を防止することができ、かつ、チャージャ電流Icを一律に増加させた場合と比較して、画像形成装置1の消費電力を低減して省エネルギー化することができる。
【0109】
[第2の実施の形態]
【0110】
第2の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、湿度変化に応じてチャージャ電流Icが増大された後、すなわち制御ストップが開始されてから、所定の枚数の用紙に画像の形成が行われた場合に、制御ストップが解除される点が第1の実施の形態と異なる。すなわち、第2の実施の形態においては、プリント枚数(印刷枚数)が制御ストップのストップ解除条件として規定されている。
【0111】
ここで、HH環境からLL環境に急激に変化したり、LL環境からHH環境に急激に変化したとき、時間がさほど経過していなくても、多くの用紙への画像の形成が行われれば、すなわちプリント枚数が多ければ、短時間でチャージムラのレベルが改善される。その理由は、印刷を重ねることによって、チャージャ313の周囲で発生するオゾンの量が増加し、針337の抵抗が平均化されやすくなるからである。この性質を利用して、第2の実施の形態では、CPU21は、湿度変化に応じて、かつ、プリント枚数に応じて、チャージャ電流Icの制御を実行する。
【0112】
図12は、第2の実施の形態におけるチャージャ電流Icの制御条件の一例を説明する図である。
【0113】
図を参照して、第2の実施の形態において、制御条件において、ストップ解除条件として、制御ストップが開始してからの経過時間に代えて、制御ストップが開始されてからのプリント枚数が設定されている点で、第1の実施の形態とは相違する。CPU21は、湿度変化を検知すると、この制御条件に基づいて、チャージャ電流Icの制御を行う。
【0114】
湿度変化に応じたチャージャ電流Icの制御は、第1の実施の形態において行われるそれと同様に行われる。すなわち、CPU21は、湿度の変化の程度に応じて、チャージャ電流Icを通常よりも増大させ、その状態でチャージャ電流Icの制御をストップさせる。
【0115】
ここで、CPU21は、チャージャ電流Icを増大させて制御ストップした後、プリント枚数がある程度多くなった時点で制御ストップを停止すなわち解除する。このとき、CPU21は、ストップ解除条件を、湿度の変化に応じて設定する。CPU21は、湿度の変化率が大きいほど、ストップ解除条件におけるプリント枚数が多くなるように、ストップ解除条件を設定する。
【0116】
例えば、図に示すように、CPU21は、80%以上の湿度変化があったとき、チャージャ電流IcをRef+200μAとした状態を保ち、その後プリント枚数が5000枚となったときに、制御ストップを停止し、通常の湿度変化率制御に戻る。すなわち、このとき、ストップ解除条件におけるプリント枚数は、5000枚である。また、CPU21は、湿度変化が60〜80%である場合は、チャージャ電流IcをRef+100μAとした状態を保ち、その後プリント枚数が2500枚となったときに、制御ストップを停止し、通常の湿度変化率制御に戻る。すなわち、このとき、ストップ解除条件におけるプリント枚数は、2500枚である。また、CPU21は、湿度変化が40%〜60%である場合は、チャージャ電流IcをRef+50μAとした状態を保ち、その後プリント枚数が1000枚となったときに、制御ストップを停止し、通常の湿度変化率制御に戻る。すなわち、このとき、ストップ解除条件におけるプリント枚数は、1000枚である。
【0117】
図13は、チャージャ電流Icの制御の効果を説明する図である。
【0118】
図は、上記のような湿度変化率制御を行った場合と行わなかった場合との、それぞれのチャージムラの発生状況を示す。図において、丸印(○)、三角印(△)、及びばつ印(×)は、それぞれ、図8におけるそれと同様に、発生したチャージムラのレベルを示す。図において、チャージムラの発生状況は、チャージャ電流Icの制御を行った場合と行わなかった場合とでそれぞれ、湿度変化があった後のプリント枚数毎に示す。
【0119】
図を参照して、チャージャ電流Icの制御を行わなかった場合は、湿度変化が大きいほど、また変化後のプリント枚数が少ないほど、チャージムラのレベルが悪いことがわかる。これに対し、チャージャ電流Icの制御を行った場合には、湿度変化が大きくても、また、その後プリント枚数が少なくても、チャージムラのレベルが良好なまま保たれていることがわかる。
【0120】
第2の実施の形態においても、上記のようにチャージャ電流Icの制御が行われることにより、第1の実施の形態と同様に、チャージムラを効率的に改善することができる。すなわち、チャージムラの発生を防止することができ、かつ、チャージャ電流Icを一律に増加させた場合と比較して、画像形成装置1の消費電力を低減して省エネルギー化することができる。
【0121】
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様に、チャージャ電流Icの制御ストップ後、湿度変化に応じた所定の経過時間後に、制御ストップを解除するようにしてもよい。すなわち、この場合、湿度変化が大きくチャージャ電流Icが増大された後、所定の経過時間が経過するか又は所定のプリント枚数の印刷が行われるかいずれかのストップ解除条件を満たしたときに、制御ストップが解除される。したがって、必要な期間だけチャージャ電流Icを増大させ、より効率的にかつ確実にチャージムラの発生を防止することができる。
【0122】
[実施の形態における効果]
【0123】
以上のように構成された画像形成装置では、チャージムラ対策として、チャージャ電流を制御する。したがって、検知した湿度そのものに応じた制御ではなく、単位時間あたりの湿度の変化量すなわち湿度の変化率に応じてチャージャ電流の制御が行われる。これにより、環境そのものでなく環境の変化率、特に湿度の変化率に強く影響されるチャージムラの発生を効果的に防止することができる。
【0124】
また、チャージャ電流を増大させることによるチャージムラの発生防止は、チャージムラが発生しやすい状態にあるときにのみ行われ、チャージムラが発生しないような場合には通常の低いチャージャ電流が流される。したがって、画像形成装置の消費電力を低減し、省エネルギー化することができる。
【0125】
また、湿度の変化が大きいとき、所定のストップ解除条件を満たすまでは、チャージ電流を増大させた状態でチャージ電流の制御がストップされる。したがって、一旦チャージムラが発生する可能性が高い状態になっても、その状態が解消されるまでチャージ電流が増大されたままであるので、チャージムラの発生をより確実に防止することができる。
【0126】
[その他]
【0127】
なお、湿度の検知を行う間隔は2時間おきに限定されるものではない。また、制御ストップを行う期間やプリント枚数などの設定は、上述に限られるものではない。
【0128】
また、チャージャは、鋸歯電極すなわち針電極方式のものに限定されるものではなく、ワイヤ電極を用いたワイヤ帯電方式のものであってもよい。ワイヤ帯電方式であっても、ワイヤ電極は連続で放電されるわけではなく、放電ポイント毎に放電されるのであり、原理的には鋸歯電極すなわち針電極の場合と同様である。すなわち、ワイヤ電極を用いている場合でも、上述と同様にチャージャ電流の制御を行うことにより、チャージムラを改善することができる。
【0129】
また、CPUは、湿度の測定を2時間よりもさらに短い間隔又は長い間隔で行ってもよい。湿度の測定間隔や、湿度の変化率の取得間隔は、例えば感光体の材料、現像剤の物性、チャージャの構成などに応じて、又は演算による制御部などの負荷を鑑みて適宜設定すればよい。また、CPUは、湿度の測定を数秒毎に行い、常に略最新の湿度の変化率を取得するように構成されていてもよい。また、CPUは、湿度の変化率に所定値以上の変化があった場合に、より頻繁に湿度の変化率を確認し、湿度の変化率の変化が少なかった場合には、次回の湿度の測定までの時間を長めにするなど、湿度の変化率の取得間隔を変更してもよい。このように取得間隔を変更することにより、画像形成装置を省電力化し、かつ、湿度の変化に応じて速やかにチャージャ電流の制御を行ってチャージムラの発生を防止することができる。
【0130】
また、温湿度センサは、画像形成装置に設けられていなくてもよい。すなわち、CPUは、例えばインターフェイス部などを介して画像形成装置に有線接続又は無線接続された外部機器から得た情報に基づいて、チャージャ電流の制御を実行してもよい。例えば、CPUは、外部機器から温度や湿度の情報を取得して、CPU自身が算出した温度や湿度の変化の情報を取得してもよい。また、CPUは、外部機器において算出された湿度等の変化率の情報を取得してもよい。この場合、画像形成装置にそのような制御を行うための温湿度センサを設けなくてもよく、画像形成装置の製造コストを低減することができる。
【0131】
また、CPUは、湿度の変化量に代えて気温など温度の変化量若しくは変化率を取得して、それに応じてチャージャ電流を変更してもよい。上述したように、一般に、画像形成装置が用いられるオフィスなどの室内環境は、気温が高い場合には高湿であることが多く、また、気温が低い場合には低湿であることが多い。したがって、CPUは、取得した気温が高い場合には高湿であるとみなし、取得した気温が低い場合には低湿であるとみなしてもよい。このとき、CPUは、例えば次のようにチャージャ電流の制御を実行する。すなわち、CPUは、取得した気温の減少率が高いとき、高湿から低湿に変化したとみなし、湿度の減少率が高いと認める。この場合、CPUは、その温度の減少率すなわち湿度の減少率に応じて、チャージャ電流を増大させる。同様に、CPUは、取得した気温の増加率が高いとき、湿度の増加率が高いと認める。この場合、CPUは、温度の増加率すなわち湿度の増加率に応じて、チャージャ電流を増大させる。このように、CPUが、温度の変化量又は変化率を取得して、それに応じてチャージャ電流の制御を行うことにより、湿度を測定可能なセンサ又は機器を用いる必要がなくなり、画像形成装置の製造コストを低減することができる。
【0132】
また、CPUは、湿度の変化量や変化率に加えて、気温など温度の変化量や変化率を取得して、それらに応じてチャージャ電流の制御を行うようにしてもよい。例えば、湿度の減少率が同様に高い2つの場合であって、一方は温度の増加率が高く、他方は温度の減少率が高いときに、CPUは、互いに異なる量だけチャージャ電流を増大させるようにしてもよい。これにより、画像形成装置がおかれている環境の種々の変化に適応し、種々の態様でチャージャ電流を制御することができる。
【0133】
なお、温湿度センサとしては、画像形成条件を決定するために画像形成装置に通常用いられているものを、チャージャ電流の制御用に兼用することができる。
【0134】
また、プリンタ部は、上述のような、中間転写ベルトを用いたタンデム方式のものに限られない。プリンタ部は、中間転写ベルトを用いたいわゆる4サイクル方式のものでもよいし、中間転写ベルトを用いず、感光体から用紙に直接にトナー像を転写するように構成されていてもよい。また、プリンタ部は、モノクロ画像のみを形成可能に構成されていてもよい。
【0135】
また、カラー画像を形成可能で色毎に感光体を有する画像形成装置において、上述のような湿度変化率制御は、各色それぞれで行うようにすればよい。これにより、各色ともチャージムラが少なくなり、より高画質な画像を形成可能になる。他方、複数色のうち一部の色については、湿度変化率制御を行わないようにしてもよい。例えば、イエロー(Y)色は、色が見えにくく、チャージムラの発生の影響が他の色と比べて目立ちにくい。そのため、例えばイエロー色については湿度変化率制御を行わず、それにより画像形成装置の消費電力を低減させるようにしてもよい。
【0136】
また、画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。
【0137】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
【0138】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
【0139】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0140】
1 画像形成装置
20 制御部
21 CPU
27a 制御プログラム(プログラムの一例)
30 プリント部
311 感光体
313 チャージャ
Ic チャージャ電流


【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャージャにより帯電させた感光体上にトナー像を形成し、前記トナー像を用紙に転写することで前記用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における、温度の変化率及び湿度の変化率のうち少なくとも一方の情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記チャージャに流すチャージャ電流を変化させる制御を行う電流制御手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記電流制御手段は、前記取得手段により取得された情報に基づいて、装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における湿度の変化率が所定値より高いと認められるとき、前記チャージャ電流を増大させる制御を行う、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電流制御手段は、前記取得手段により取得された情報に基づいて、装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における湿度の変化率が高いほど前記チャージャ電流を増大させる制御を行う、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電流制御手段は、前記チャージャ電流を変化させる制御を行ったとき、その後ストップ解除条件が満たされるまで、前記取得手段により取得された情報にかかわらず、前記チャージャ電流の制御をストップする、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ストップ解除条件は、前記取得手段により取得された情報に基づいて設定されている、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ストップ解除条件は、前記制御のストップを開始してから所定時間が経過したことを含む、請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ストップ解除条件は、前記制御のストップを開始してから所定枚数の用紙に画像の形成を行ったことを含む、請求項4から6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
チャージャにより帯電させた感光体上にトナー像を形成し、前記トナー像を用紙に転写することで前記用紙に画像を形成する画像形成装置の制御方法であって、
装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における、温度の変化率及び湿度の変化率のうち少なくとも一方の情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された情報に基づいて、前記チャージャに流すチャージャ電流を変化させる制御を行う電流制御ステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
チャージャにより帯電させた感光体上にトナー像を形成し、前記トナー像を用紙に転写することで前記用紙に画像を形成する画像形成装置の制御プログラムであって、
装置周囲の環境及び装置内部の環境のうち少なくとも一方における、温度の変化率及び湿度の変化率のうち少なくとも一方の情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された情報に基づいて、前記チャージャに流すチャージャ電流を変化させる制御を行う電流制御ステップとをコンピュータに実行させる、画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図5】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−145453(P2011−145453A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5697(P2010−5697)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】