説明

画像形成装置、管理システム、管理方法、及び、管理プログラム

【課題】画像形成装置における各種調整処理の実施の時期を通知するに当たり、その利用態様に応じた的確なタイミングで通知することができる。
【解決手段】所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定する基準値設定部111と、前記パラメーターを計測するパラメーター計測部112と、前記パラメーターの計測値にもとづき前記基準値を更新する基準値更新部113と、計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行う報知部114と、を備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターや複写機などの画像形成装置に関する機器調整のタイミングを知らせる画像形成装置、管理システム、管理方法、及び、管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターや複写機などの画像形成装置においては、故障対応や品質管理を円滑に行うための様々なシステムが存在する。
例えば、画像形成装置において発生した故障を遠隔地に設置した管理サーバーによって検出し、当該管理サーバーが、その故障内容に応じたバックアップデータや補修プログラム等を画像形成装置に送信し、再設定することができる遠隔管理システムが存在する。
このような遠隔管理システムによれば、現地に赴くことなく、迅速に故障対応を行うことが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、経時変化等により劣化する階調特性を適切に維持するため、所定操作に応じて半自動的に階調調整を行う自動階調調整機能を有する画像形成装置が存在する。
例えば、画像形成装置における出力回数や入出力値の履歴を記録し、出力回数が一定回数(例えば、10,000回)に到達したときに、又は、入出力値から表される階調特性の誤差が一定の閾値範囲外となったときに、ユーザーに対し、階調調整を実施すべき通知を行う。
このような通知処理を行うことで、ユーザーは的確なタイミングで階調調整の実行を行うことができ、出力品質の維持に寄与することができる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−216789号公報
【特許文献2】特開2001−285555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像形成装置に対する品質管理に当たり、以下の問題が生じていた。
例えば、階調調整の実施を促す通知を行う画像形成装置の場合、画質に関して意識が高いユーザーは、一定の実行回数が経過する前に既に階調調整を実施しているケースが多い。
具体的には、図11に示す階調調整理想曲線例において、通常、正常範囲からはみ出るタイミング、又は、正常範囲からはみ出た異常曲線に移行したタイミングで、階調調整の実施を促す通知を行うようにしている。
しかしながら、階調曲線が正常範囲内(典型的には、理想曲線からそれほど離れていない状態)であっても、高い出力品質を求めるユーザーによっては階調調整を早期に実施するケースがある。
このため、階調調整を促す通知をすべてのユーザーに対して一律の条件にもとづいて行うのではなく、個別に対応し得る柔軟なサービスの実現が求められていた。
【0006】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、各種調整処理の実施の時期を通知するに当たり、その利用態様に応じた的確なタイミングで通知することができる画像形成装置、管理システム、管理方法及び管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、所定の出力処理を行う画像形成装置であって、所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定する基準値設定手段と、前記パラメーターを計測するパラメーター計測手段と、前記パラメーターの計測値にもとづいて前記基準値を更新する基準値更新手段と、計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行う報知手段と、を備える構成としてある。
【0008】
また、本発明の管理システムは、所定の通信回線を介して接続された一又は二以上の所定の画像形成装置と所定の管理サーバーとを有する管理システムであって、前記管理サーバーは、所定の条件にもとづき前記画像形成装置を所定のグループに分類するグループ化手段と、分類された前記グループごとに定められる所定のグループ別基準値を、該当するグループの画像形成装置に通知する基準値通知手段と、を備え、前記画像形成装置は、所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定する基準値設定手段と、前記パラメーターを計測するパラメーター計測手段と、前記パラメーターの計測値にもとづいて前記基準値を更新する基準値更新手段と、計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行う報知手段と、を備え、前記基準値更新手段が、所定の条件を満たすときは前記基準値を前記管理サーバーから通知された前記グループ別基準値に更新する備える構成としてある。
【0009】
また、本発明の管理方法は、所定の出力処理を行う画像形成装置を管理する方法であって、所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定するステップと、前記パラメーターを計測するステップと、前記パラメーターの計測値にもとづいて前記基準値を更新するステップと、計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行うステップと、を含む方法としてある。
【0010】
また、本発明の管理プログラムは、所定の出力処理を行う画像形成装置を管理するためのプログラムであって、前記画像形成装置のコンピューターを、所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定する基準値設定手段、前記パラメーターを計測するパラメーター計測手段、前記パラメーターの計測値にもとづいて前記基準値を更新する基準値更新手段、及び、計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行う報知手段、として機能させる構成としてある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置、管理システム、管理方法、及び、管理プログラムによれば、画像形成装置における各種調整処理の実施の時期を通知するに当たり、その利用態様に応じた的確なタイミングで通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一実施形態に係るMFP(画像形成装置)の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るMFP制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係るMFPの階調調整方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第一実施形態に係る自動階調調整において出力回数にもとづいて導き出される警告タイミングを説明するための説明図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る自動階調調整において階調誤差にもとづいて導き出される警告タイミングを説明するための説明図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る管理システムの概略構成図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る管理システムをなすMFPと管理サーバーの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係る管理システムをなすMFP(画像形成装置)MFP制御部及び管理サーバーのサーバー制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係るMFPの階調調整方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第三実施形態に係る管理システムをなすMFP(画像形成装置)MFP制御部及び管理サーバーのサーバー制御部の構成を示す機能ブロック図である
【図11】階調調整理想曲線の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るMFP(画像形成装置)の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のMFP10は、MFP制御部11と、データ受信部12と、画像読取部13と、画像処理部14と、エンジン部15と、ネットワークインターフェース部16と、外部インターフェース部17と、操作部18と、記憶部19とを備える。
【0014】
データ受信部12は、LAN(Local Area
Network)等のネットワークを介し、図示しないクライアントPC(パーソナルコンピューター)等から送信されてきた文書または画像のデータ(以下、画像データという。)を受信する。
画像読取部13は、イメージセンサなどのスキャン機構を有し、このスキャン機構により紙その他の記録媒体に描かれた画像や文字を読み取って画像データを取得する。
【0015】
画像処理部14は、データ受信部12が受信した画像データや、画像読取部13によって取得した画像データをラスタライズ化し、色変換処理、ガンマ補正処理、スクリーン処理その他の必要な画像処理を施す。
なお、所謂、自動階調調整の実施が命令された場合、画像処理部14は、ガンマ補正に用いるガンマ補正テーブルの補正を行うことで所定の階調調整を行う。例えば、所定のサンプル画像を中間転写体や用紙上に形成してその濃度を計測することでその時点における階調特性を解析し、所定の入出力特性(理想の階調曲線)にしたがってその階調特性を調整する処理を行う。
【0016】
エンジン部15は、画像処理部14により画像処理が施された画像データのトナー像を感光体ドラム上に形成し、転写ローラによりトナー像を用紙に転写し、定着ローラによりトナー像を用紙に定着させることによって印刷処理を行う(感光体ドラム、転写ローラ及び定着ローラは非図示)。
【0017】
ネットワークインターフェース部16は、外部の各種ネットワークとの仲介を行うネットワークインターフェースである。ネットワークインターフェース部16は、例えば、インターネット等の公衆通信網との接続を介し、MFP10を管理するホストコンピューターとの通信を可能とする。
外部インターフェース部17は、所定の外部機器との間で各種情報の入出力を可能とするものである。例えば、赤外線通信機能を有する携帯端末から必要なデータを入出力することができる。また、USBメモリなどの可搬型メモリとのインターフェースでもあり、装着された可搬型メモリ内のデータを取り込むことができる。
【0018】
操作部18は、タッチパネルとカラーLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザーのタッチ操作により種々の操作指令を入力するための操作キーを表示する操作パネルを構成する。操作画面には、所定のタイミングで自動階調調整を促すメッセージが表示される。この操作画面に表示されるガイダンスに従ってユーザーが必要な操作を行うことにより、画像処理部14に対し所定の実施命令が出力され、前述した階調調整処理が自動的に実施される。
【0019】
記憶部19は、メモリやHDD(Hard Disc Drive)など、所定の記憶容量を有する記憶デバイスである。
記憶部19は、例えば、画像処理に必要な色変換テーブル、ガンマ補正テーブル、スクリーンテーブルなどをHDDに保存する。また、他の内部情報として、課金カウンタや接続オプション、その他各種の保全データをHDDに保存する。
特に、記憶部19は、MFP制御部11における各機能の実行にもとづき、基準値規定回数分の実行履歴(後述する出力回数保存手段1131の動作にもとづく)や階調理想曲線との誤差率(後述する階調誤差値保存手段1134の動作にもとづく)をメモリに保存する。
【0020】
MFP制御部11は、CPU、制御プログラムやデータが記憶されたROM、ワークメモリとして機能するRAM、I/Oポートなどのマイクロコンピューターで構成され、記憶された制御プログラムにもとづき、MFP10の構成各部を制御する。
特に、本実施形態では、画像形成装置10においてユーザーの操作に応じて行われる自動階調調整処理の的確な実施タイミングを報知するために必要な機能ブロックを構成している。
【0021】
つぎに、本実施形態に係るMFP制御部11の各機能ブロックについて図2を参照しながら詳細に説明する。
図2に示すように、MFP制御部11は、基準値設定部111と、パラメーター計測部112と、基準値更新部113と、報知部114とを備える。
【0022】
基準値設定部111は、階調調整処理の実施のタイミングを導出するために参照する種々のパラメーターの基準値を予め設定するものであり、出力基準値設定手段1111と階調基準値設定手段1112とを備える。
出力基準値設定手段1111は、出力処理の回数を調整処理に関するパラメーターとして所定の基準値を予め設定する。なお、本実施形態では、出力処理の回数を10000回とした基準値を予め設定するものとする。
階調基準値設定手段1112は、階調理想値との誤差(以下、階調誤差値という。)をパラメーターとした基準値を予め設定する。本実施形態では、階調誤差値を2.00%とした基準値として予め設定するものとする。
【0023】
パラメーター計測部112は、所定のタイミングで階調調整に関するパラメーター(出力回数、階調誤差値など)を計測するものである。
また、パラメーター計測部112は、図2に示すように、出力回数計数手段1121と階調誤差値計測手段1122とを備える。
出力回数計数手段1121は、自動階調調整処理の実施のつど、直前に実施した階調調整処理からその階調調整処理の実施の間の出力処理の回数を計数する。すなわち、出力回数計数手段1121は、階調調整処理と階調調整処理との間にエンジン部15によって印刷・コピーされた回数を計数する。
階調誤差値計測手段1122は、自動階調調整処理の実施の際に、その時点における階調誤差値を計測する。例えば、その階調調整処理に用いるサンプル画像の濃度を計測し、理想値とのギャップを算出してその誤差率(階調誤差値)を求める。
【0024】
基準値更新部113は、基準値保存部111に保存されている各種基準値を、調整処理の際に計測したパラメーターにもとづいて更新するものであり、出力回数保存手段1131と、代表出力回数算出手段1132と、出力基準値更新手段1133と、階調誤差値保存手段1134と、代表誤差値算出手段1135と、階調基準値更新手段1136とを備える。
出力回数保存手段1131は、出力回数計数手段1121が調整処理に際に計数した出力回数(すなわち、調整処理と調整処理の間に出力処理を行った回数)を所定数分保存する。例えば、本実施形態の場合、5回分の出力回数の計数履歴を保存する。
代表出力回数算出手段1132は、保存した出力回数の代表値を代表出力回数として算出する。例えば、5回分の出力回数を保存している場合、出力回数の合計値を回数分で除算した平均値を代表値(代表出力回数)として求めることができる。
出力基準値更新手段1133は、出力基準値保存手段1111によって予め保存した基準値(10,000回)を、代表出力回数算出手段1132が算出した代表出力回数に更新する。
【0025】
階調誤差値保存手段1134は、階調誤差値計測手段1122が調整処理の際に計測した階調誤差値を所定数分保存する。例えば、本実施形態の場合、5回分の階調誤差値の計測履歴を保存する。
代表誤差値算出手段1134は、保存した階調誤差値の代表値を代表誤差値として算出する。例えば、5回分の階調誤差値を保存している場合、階調誤差値の合計値を回数分で除算した平均値を代表値(代表誤差値)として求める。
【0026】
報知部114は、定期又は不定期に計測したパラメーターが基準値保存部111によって保存された基準値に達したときに所定の報知処理を行う。これにより、ユーザーに自動階調調整処理の実施を促すものである。
例えば、基準値が更新されていない場合、出力処理の回数が10,000回カウントされたとき、または、階調誤差値が2.00%を超過したときに、ユーザーに対し自動階調調整処理の実施を促すメッセージを通知する。
【0027】
次に、本実施形態に係る階調調整の管理方法について図3〜5を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係る階調調整の管理方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、ユーザーが自動階調調整を開始するタイミングに応じて、MFP10(MFP制御部11)が階調の調整処理を開始する(S1,S2)。
具体的には、ユーザーが操作部18を介して自動階調調整の実施を命令する(S3)と、所定の信号がMFP10に送出され、この信号を受けたMFP10(MFP制御部11)は、現状の階調特性に関する階調曲線の演算処理を行う(S4)。
そして、MFP10(MFP制御部11)は、求めた階調曲線の結果判定を行う(S5)とともに、調整前後のカウンタおよび曲線データのバックアップを行い(S6)、前4回の調整データとの演算処理による誤差許容範囲(階調誤差値)及び調整表示カウント(出力回数)を更新して(S7)、階調処理を終了する(S8,S9)。
【0028】
ステップS7において更新される出力回数及び階調誤差値は、階調調整の実施をユーザーに促すための警告に用いるパラメーターである。
以下、階調調整の実施タイミングの算出方法について図4及び図5を参照しながら説明する。
【0029】
図4は、出力回数にもとづいて階調調整の実施タイミングを算出する方法を説明するための図である。
図4に示すように、予め規定回数分の出力の実行履歴を確保できるようメモリ領域を与えておく。本例の場合、出力回数保存手段1131が、調整間5回分の出力回数の履歴を確保するものとする。
そして、報知部114が、この平均出力回数(代表出力回数)分の出力を検知すると階調調整を実施すべき警告を行う。
【0030】
i)出荷時の状態
出荷時、階調調整を促す警告は10,000回ごとに行うこととしている。
すなわち、この場合、出荷時に実行履歴はないため、便宜上、デフォルトの基準値(実行回数:10,000回)を5回分保存している。
【0031】
ii)自動階調調整1回目実施時
まず、当初からの出力回数が6,500回に達したタイミングで1回目の自動調整処理がユーザーによって行われたものとする。
この場合、出力回数保存手段1131は、「1回前」分の出力回数を「6,500」に変更して上書き保存する。
そして、代表出力回数算出手段1132が、保存した5回分の出力回数の平均値を算出する。この場合、平均出力回数は、(6,500+10,000+10,000+10,000+10,000)/5=9,300となる。
出力基準値更新手段1133は、求めた平均出力回数を新たな基準値として更新する。
すなわち、この結果、階調調整の最適な実施タイミングは9,300回毎と算出され、報知部114は、出力処理が9,300回に達すると階調調整を実施すべき警告を通知することとなる。
【0032】
iii)自動階調調整2回目実施時
つぎに、1回目の自動階調調整が実施されてからの出力回数が5,000回に達したタイミングで2回目の自動階調調整が行われたものとする。
この場合、出力回数保存手段1131は、「1回前」分の出力回数を「5,000」に変更するとともに、「2回目」分の出力回数を1回目実施時における出力回数「6,500」に変更して上書き保存する。
そして、代表出力回数算出手段1132が、保存した5回分の出力回数の平均値を算出する。この場合、平均出力回数は、(5,000+6,500+10,000+10,000+10,000)/5=8,300となる。
出力基準値更新手段1133は、求めた平均出力回数を新たな基準値として更新する。
すなわち、この結果、階調調整の最適な実施タイミングは8,300回毎と算出され、報知部114は、出力処理が8,300回に達すると階調調整を実施すべき警告を通知することとなる。
【0033】
iv)自動階調調整3回目〜6回目実施時
以降、階調調整の実施のたびに上記iii)と同様の処理を行う。
この結果、図3に示すように、6回目の階調調整時において、出力回数が4,300回を超過したときを警告タイミングとして求めることができる。
【0034】
図5は、階調誤差値にもとづいて階調調整の実施タイミングを導出する方法を説明するための図である。
図5に示すように、予め規定回数分の階調誤差値の計測履歴を確保できるようメモリ領域を与えておく。本例の場合、階調誤差値保存手段1134が、階調調整時に計測した5回分の階調誤差値の履歴を確保するものとする。
そして、報知部114が、この平均代表誤差値を超過する代表誤差値を計測したときに階調調整を実施すべき警告を行う。
【0035】
i)出荷時の状態
出荷時、階調調整を促す警告は階調誤差値が2.00%を超過した時点で行うこととしている。
すなわち、この場合、出荷時に計測履歴はないため、便宜上、デフォルトの基準値(階調誤差値:2.00%)を5回分保存している。
【0036】
ii)自動階調調整1回目実施時
まず、所定のタイミングで1回目の自動階調調整をユーザーが行い、そのときに計測した階調誤差値が2.2であったものとする。
この場合、「1回前」分の階調誤差値を「2.2」に更新しない。すなわち、デフォルトの基準値「2.00」を超過したパラメーターが得られた場合、基準値は更新しないようにする。
この結果、5回分の基準値はそのまま変わらず、報知部114は、2.0%を超過する階調誤差値が計測された場合に階調調整を実施すべき警告をする。
つまり、基準値をその元の値より緩い基準値にすると品質の低下に繋がるため、基準値を厳しくする更新のみを行う趣旨である。
【0037】
iii)自動階調調整2回目実施時
つぎに、所定のタイミングで2回目の自動階調調整をユーザーが行い、そのときに計測した階調誤差値が1.60%であったものとする。
この場合、階調誤差値保存手段1134は、「1回前」分の階調誤差値を「1.60」に変更して上書き保存する。
そして、代表誤差値算出手段1135が、保存した5回分の代表誤差値の平均値を算出する。この場合、平均階調誤差値は、(1.60+2.00+2.00+2.00+2.00)/5=1.92%となる。
出力基準値更新手段1133は、求めた平均階調誤差値を新たな基準値として更新する。
すなわち、この結果、階調調整の最適な実施タイミングは階調誤差値が1.92%に達したときと算出され、報知部114は、1.92%を超過する階調誤差値が計測された場合に階調調整を実施すべき警告をする。
【0038】
iv)自動階調調整3回目〜6回目実施
以降、上記iii)と同様の処理を行う。
この結果、図4に示すように、6回目の階調調整時において、階調誤差値が1.5%を超過したときを階調調整の警告タイミングとして求めることができる。
【0039】
以上、本発明の第一実施形態に係るMFP10によれば、基準値設定部111が、階調調整処理に関するパラメーター(例えば、出力回数や階調誤差値など)の基準値を予め設定し、基準値更新部113が、前記基準値を、階調調整処理の実施の際に計測したパラメーターにもとづき導出される基準値に更新し、報知部114が、定期又は不定期に計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときにユーザーに対して階調調整を実施すべき旨の報知処理を行うようにしている。
このため、階調調整を早めに行うユーザーに対しては、早めに階調調整を行うように警告することができる。
また、階調調整の過程で階調調整が遅くなることがあったとしても、所定の基準値より遅くならないように警告のタイミングを制御することができる。
したがって、本実施形態のMFP10によれば、一定の出力品質を維持するだけでなく、ユーザーの品質要求に対応し得る報知サービスを提供することでき、より付加価値の高い画像形成装置10を提供することができる。
【0040】
[第二実施形態]
つぎに、本発明の第二実施形態に係る遠隔管理システムについて説明する。
図6は、本実施形態に係る遠隔管理システムの概略を示したネットワーク構成図である。
図6に示すように、遠隔管理システム1は、複数のMFP10(MFP10a〜10d)と管理サーバー20とからなり、各MFP10と管理サーバー20とは電話回線網やインターネット回線網などの公衆通信網30を介して接続される。
本実施形態の遠隔管理システム1は、各地に配置されたMFP10を管理サーバー20を介して集中管理するものであり、これにより、管理者は、各MFP10に関する課金データの取得(検針)、故障検知、保全データのバックアップ、MFP10の再起動(リセット)などを、現地に赴くことなく管理サーバー20を介して行うことができる。
【0041】
図7は、本実施形態に係る遠隔管理システムのMFP及び管理サーバーの構成を示すブロック図であり、図8は、MFP制御部及びサーバー制御部の構成を示す機能ブロック図である。
これらの図に示すように、本実施形態の遠隔管理システム1は、管理サーバー20を備える点において第一実施形態と異なるとともに、MFP10のMFP制御部11が、出力頻度通知手段115,代表出力回数通知手段116及び代表誤差値通知手段117を備える点において第一実施形態に係るMFP10とは異なる。
その他の構成は第一実施形態と同様である。このため、同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0042】
図7(a)は、本実施形態のMFPの構成を示したブロック図である。
同図に示すように、MFP10の構成は、図1に示す第一実施形態と同様である。
図7(b)は、本実施形態の管理サーバーの構成を示したブロック図である。
同図に示すように、本実施形態の管理サーバー20は、サーバー制御部21と、ネットワークインターフェース部22と、表示部23と、操作部24と、記憶部25とを備えた情報処理装置からなる。
ネットワークインターフェース部22は、外部の各種ネットワークとの仲介を行うネットワークインターフェースであり、本実施形態においては電話回線網やインターネット回線網等の公衆通信網30が接続される。管理サーバー20は、このネットワークインターフェース部22を介しMFP10との間で必要なデータ及び制御信号の送受信を行う。
【0043】
表示部23は、液晶ディスプレイ等からなるモニター装置である。
操作部24は、キーボードやマウス等の入力デバイスからなり、ユーザーからの命令をサーバー制御部21に伝える。
記憶部25は、所定の記憶容量を有するハードディスクドライブやメモリからなる記憶媒体であり、MFP10から送られてくる出力頻度、代表出力回数、代表誤差値等を一時的に保有する処理を行う。
サーバー制御部21は、CPU、制御プログラムやデータが記憶されたROM、ワークメモリとして機能するRAM、I/Oポートなどのマイクロコンピューターで構成され、記憶された制御プログラムにもとづき、管理サーバー20の構成各部を制御する。
【0044】
図8(a)は、本実施形態のMFP制御部の構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、本実施形態のMFP制御部11は、第一実施形態に係る図2に対して、出力頻度通知手段115と、代表出力回数通知手段116と、代表誤差値通知手段117とを、さらに備える。
出力頻度通知手段115は、MFP10の出力頻度を管理サーバー20に通知する。本実施形態では、MFP10のコピーの使用頻度を管理サーバー20に通知するようにしている。
代表出力回数通知手段116は、代表出力回数算出手段1132によって算出された代表出力回数を管理サーバー20に通知する。
代表誤差値通知手段117は、代表誤差値算出手段1135によって算出された代表誤差値を管理サーバー20に通知する。
なお、管理サーバー20に通知されるこれらのデータは、MFP10の検診時に、課金データとともに管理サーバー20に送信することによって各通知手段を実施するようにすると良い。
その他の構成は、図2に示す第一実施形態と同様である。
【0045】
図8(b)は、本実施形態のサーバー制御部の構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、本実施形態のサーバー制御部21は、グループ化手段211と、グループ別基準値算出手段212と、基準値通知手段213とを備える。
グループ化手段211は、所定の条件にもとづきMFP10を一又は二以上のグループに分類する。
ここで、「所定の条件」とは、例えば、MFPの性能、仕様、使用するユーザー、出力頻度等にもとづいて分類し得る種々の条件をいう。
本実施形態においては、MFP10の出力頻度通知手段115の実行により通知されたコピーの使用頻度にもとづきMFP10を高・中・低の3グループに分類する。これにより、図6に示す各MFP10については、「コピー使用頻度:高」のグループにMFP10a及びMFP10dが分類され、「コピー使用頻度:中」のグループにMFP10bが分類され、「コピー使用頻度:小」のグループにMFP10cが分類される(図6※1参照)。
【0046】
グループ別基準値算出手段212は、分類されたグループごとに、当該グループに属するMFP10に係る基準値にもとづきグループ別の基準値(グループ別基準値)を算出する。
本実施形態の場合、分類されたグループごとに、当該グループに属する各MFP10の平均出力回数や平均誤差値の平均値をグループ別基準値として算出する。この結果、「コピー使用頻度:高」のグループのグループ別基準値として、警告回数(出力回数):7,850回、理想範囲(階調誤差値):±1.79%と算出され、「コピー使用頻度:中」のグループのグループ別基準値として、警告回数(出力回数):9,800回、理想範囲(階調誤差値):±1.98%と算出され、「コピー使用頻度:小」のグループのグループ別基準値として、警告回数(出力回数):10,000回、理想範囲(階調誤差値):±2.00%と算出される(図6※2参照)。
基準値通知手段213は、このグループ別基準値を、該当するグループのMFP10に通知する。
【0047】
グループ別基準値の通知を受けたMFP10は、MFP制御部11の基準値更新部113が、所定の条件を満たすときに、基準値をそのグループ別基準値に更新する。
具体的には、管理サーバー20から通知を受けたグループ別基準値としての出力処理の回数が、もとの基準値である出力処理の回数より少ない場合、出力基準値更新手段1133が、その基準値をそのグループ別基準値に更新する。
また、管理サーバー20から通知を受けたグループ別基準値としての階調誤差値が、もとの基準値である誤差階調値より小さい場合、階調基準値更新手段1136が、その基準値をそのグループ別基準値に更新する。
【0048】
例えば、図6に示すMFP10aに予め設定されている調整警告回数の基準値は9700回であり、管理サーバー20から受信したグループ別基準値データ(7,850回)の精度が高いため、調整警告回数の基準値を7,850回に更新し、また、MFP10bに予め設定されている階調の調整理想範囲の基準値は±1.98%であり、管理サーバー20から受信したグループ別基準値データ(±1.79%)の精度が高いため、階調の調整理想範囲の基準値を±1.79%に更新する。
【0049】
また、MFP10bに予め設定されている調整警告回数の基準値は9800回であり、管理サーバー20から受信したグループ別基準値データ(9,800回)と同精度であるため、調整警告回数の基準値は更新せず、また、MFP10bに予め設定されている階調調整の調整理想範囲の基準値は±1.98%であり、管理サーバー20から受信したグループ別基準値データ(±1.98%)と同精度であるため、階調の調整理想範囲の基準値は更新しない。MFP10cについても同様の判断基準により基準値の更新処理は行わない。
【0050】
MFP10dに予め設定されている調整警告回数の基準値は6,000回であり、管理サーバー20から受信したグループ別基準値データ(7,850回)の精度が低いため、調整警告回数の基準値は更新せず、また、MFP10dに予め設定されている階調の調整理想範囲の基準値は±1.60%であり、管理サーバー20から受信したグループ別基準値データ(±1.79%)の精度が低いため、階調の調整理想範囲の基準値は更新しない(以上、図6の※3参照)。
【0051】
なお、調整回数を一定期間実施していないMFP10においては、上述した条件に拘わらず、階調調整を促す通知を行うようにしてもよい。
例えば、階調調整を3ヶ月間実施してないMFP10cにおいては、自動階調調整の実施ガイダンスを表示し、又は、階調調整が必要である旨のメッセージを表示するようにしてもよい(図6の※4参照)。
【0052】
つぎに、本実施形態に係る階調調整の管理方法について図9を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態に係る階調調整の管理方法を示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、管理サーバー20のグループ化手段211が、各MFP10のグループ分けを行う(S11)。グループ化は、例えば、検診時、階調調整時など、定期的に行うことができる。これにより、MFP10aとMFP10dが「コピー使用頻度:高」のグループに分類され、MFP10bが「コピー使用頻度:中」のグループに分類され、MFP10cが「コピー使用頻度:低」のグループに分類される。
【0053】
次いで、管理サーバー20の基準値通知手段213は、自動階調サンプルデータをMFP10に配信する(S12)。具体的には、前述したグループ別基準値算出手段212によって算出されたグループ別基準値を自動階調サンプルデータとしてMFP10に通知する。
本実施形態においては、「コピー使用頻度:高」に属するMFP10a及びMFP10dに対して「警告回数:7,850回」及び「理想範囲:±1.79%」からなるグループ別基準値が通知され、「コピー使用頻度:中」に属するMFP10bに対して「警告回数:9,800回」及び「理想範囲:±1.98%」からなるグループ別基準値が通知され、「コピー使用頻度:低」に属するMFP10cに対して「警告回数:10,000回」及び「理想範囲:±2.00%」からなるグループ別基準値が通知される。
【0054】
MFP10は、このサンプルデータを受信し(S13)、予め設定されている基準値との比較処理を行う(S14)。つまり、管理サーバー20から受信した「警告回数」と自己に設定されている「調整警告回数」との対比を行うとともに、管理サーバー20から受信した「理想範囲」と自己に予め設定されている「調整理想範囲」との対比を行う。
この結果、基準値更新部113は、受信データの精度が良い場合は、内部データを更新する処理を行って一連の処理を終了する(S16,S18)。なお、内部データの更新処理は、ユーザーの任意によりその実否を判断することができる。
他方、内部データの精度がよい場合は、更新処理は行わずに一連の処理を終了する(S17,S18)。
【0055】
例えば、MFP10aの場合、管理サーバー20から受信した「警告回数」及び「調整範囲」は7,850回及び±1.79%であり、「調整警告回数:9700回」及び「調整理想範囲:±1.98%」よりもそれぞれ精度が高いので、内部データである「調整警告回数」及び「調整理想範囲」を7,850回及び±1.79%に更新する。
また、MFP10dの場合、管理サーバー20から受信した「警告回数」及び「調整範囲」は7,850回及び±1.79%あり、「調整警告回数:6,000回」及び「調整理想範囲:±1.60%」よりもそれぞれ精度が低いので、内部データである「調整警告回数」及び「調整理想範囲」は更新しないこととなる。
【0056】
以上、本発明の第二実施形態に係る遠隔管理システム1によれば、MFP10をグループ化し、グループ別基準値を算出し、各MFP10に通知するようにしている。
そして、MFP10は、元の基準値と、通知されたグループ別基準値とを対比して、精度が良い方の基準値にもとづいて調整処理を促す通知を行う。
このため、第一実施形態と同様の作用効果を奏するのみならず、調整処理の実施タイミングのバリエーションを有することができ、出力品質のさらなる向上を図ることが可能となる。
【0057】
[第三実施形態]
つぎに、本発明の第三実施形態に係る遠隔管理システムについて説明する。
図10は、本発明の第三実施形態に係る遠隔管理システムのMFP制御部とサーバー制御部の構成を示した機能ブロック図である。
図10(a)に示すように、MFP制御部11は、保全データ送信手段118と、エラーコード送信手段119と、保全データ更新手段120とを備える点において、第二実施形態に係る図8と異なる。他の構成については第二実施形態と同様である。このため、同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0058】
保全データ送信手段118は、MFP10が保有する所定の保全データを所定のカテゴリーごとに管理サーバー20に送信する。
具体的には、色変換テーブルなどの内部情報(課金カウンタや接続オプション等を含む)やメンテナンス情報(保全データ)が対象となる。
例えば、メンテナンス情報を、「メンテナンス情報の定着関連データ」、「スキャン設定データ」、「高圧設定データ」、自己調整時の調整データ」等に小分けし、ローテーションさせながら順次送信処理を行う。
【0059】
エラーコード送信手段119は、所定の異常が発生した際、当該異常に係るカテゴリーを識別可能な所定のエラーコードを管理サーバー20に送信する。
この際、切り離し情報(例えば、給紙カセットの3段目が異常であるために3段目の給紙カセットを切り離すための情報)などのオプション機器異常情報や内部情報とともに、エラーコードを管理サーバー20に送信するようにしてもよい。
保全データ更新手段120は、エラーコードの送信に対して管理サーバー20から返信された保全データによって対応する保全データを更新する。
すなわち、この処理によって、不具合があったデータを正常なデータに変更することができる。
【0060】
図10(b)に示すように、サーバー制御部21は、保全データ保存手段214と、保全データ返信手段215とを備える点において、第二実施形態と異なる。他の構成については第二実施形態と同様である。このため、同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
保全データ保存手段214は、MFP10から受信した保全データを各カテゴリーごとに保存しておく。例えば、MFP10から順次受信する「メンテナンス情報の定着関連データ」、「スキャン設定データ」、「高圧設定データ」、自己調整時の調整データ」をそのつど保存しておく。
つまり、MFP10に異常が発生したときを想定し、更新し得るメンテナンス情報をカテゴリー毎にバックアップするものである。このように、通常時からメンテナンス情報を順次繰り返して保存しておくことにより、長期データ監視による故障発生時の検証にも役立てることができる。
【0061】
保全データ返信手段215は、MFP10からエラーコードを受信した場合に、当該エラーコードにより特定されるカテゴリーの保全情報を抽出してそのMFP10に返信する。
すなわち、MFP10に異常が発生した場合に、オペレーターによる手動又は自動的に、管理サーバー20が、メンテナンスモード調整値を取得し、調整バックアップ値を取得し、予めバックアップしたメンテナンス情報をMFP10に送信し、データの再設定(更新)を行わせる。
つまり、MFPで何らかの異常が生じた場合に、その異常に関するカテゴリーのメンテナンス情報のみをMFP10に送信して再設定させることができる。
この点、異常時に、サービスマンの手配するための画面切替処理や、再起動(リセット)を行う操作のみを可能としていた従来の遠隔管理システムと異なる。
【0062】
なお、この様な部分初期化で改善が見られない場合に、ユーザー設定部分のメモリ領域を外部記憶媒体に出力してバックアップし、その後に全体初期化を行わせ、ユーザー設定のメモリ領域データはこの初期化後に書き込むと改善される場合があるため、そのようなガイダンスを表示することが好ましい。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る遠隔管理システム1によれば、MFP10のメンテナンス情報をバックアップするとともに、メンテナンス情報の一部破壊など部分的なデータ障害に対しても、部分初期化を行うことで円滑に復旧させることができるようになる。
このため、不必要なデータの初期化、リセット等によるデータ消去を回避することが可能となり、異常時の保守対応を円滑に行うことができるようになる。
特に、機器に依存するデータ(例えば、アドレス情報やショートカット情報など)、ユーザーによって異なるデータであって、機器異常とは関連性のないデータを初期化する必要がなくなるため、従来に比べ、保守対応を円滑に行うことが可能となる。
また、第二実施形態と同様の効果作用を奏するため、より信頼性に優れた遠隔管理システム1を実現することができる。
【0064】
以上、本発明のMFP10及び遠隔管理システム1について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかるMFP10及び遠隔管理システム1は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、第二実施形態及び第三実施形態における管理サーバー20は、一般的なサーバー装置に限るものではなく、MFP10a〜10dの中の1台に必要な機能を持たせ、そのMFP10を管理サーバー兼画像形成装置としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、複写機、プリンター、複合機などの画像形成装置、及び、画像形成装置を含む遠隔管理システムに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 遠隔管理システム
10 MFP(画像形成装置)
11 MFP制御部
111 基準値設定部
112 パラメーター計測部
113 基準値更新部
114 報知部
20 管理サーバー
21 サーバー制御部
211 グループ化手段
212 グループ別基準値算出手段
213 基準値通知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の出力処理を行う画像形成装置であって、
所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定する基準値設定手段と、
前記パラメーターを計測するパラメーター計測手段と、
前記パラメーターの計測値にもとづいて前記基準値を更新する基準値更新手段と、
計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行う報知手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記基準値設定手段が、出力処理の回数をパラメーターとした前記基準値を予め設定し、
前記パラメーター計測手段が、前記出力処理の回数を計数し、
前記基準値更新手段が、前記基準値を、所定の調整処理から次の調整処理の間に計数された出力処理の回数の代表値に更新し、
前記報知手段が、計数した前記出力処理の回数が前記基準値に達したときに前記報知処理を行う請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記基準値設定手段が、所定の階調誤差値をパラメーターとした前記基準値を予め設定し、
前記パラメーター計測手段が、前記階調誤差値を計測し、
前記基準値更新手段が、前記基準値を、所定の調整処理の際に計測した前記階調誤差値の代表値に更新し、
前記報知手段が、計測した前記階調誤差値が前記基準値に達したときに前記報知処理を行う請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
所定の通信回線を介して接続された一又は二以上の所定の画像形成装置と所定の管理サーバーとを有する管理システムであって、
前記管理サーバーは、
所定の条件にもとづき前記画像形成装置を所定のグループに分類するグループ化手段と、
分類された前記グループごとに定められる所定のグループ別基準値を、該当するグループの画像形成装置に通知する基準値通知手段と、を備え、
前記画像形成装置は、
所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定する基準値設定手段と、
前記パラメーターを計測するパラメーター計測手段と、
前記パラメーターの計測値にもとづいて前記基準値を更新する基準値更新手段と、
計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行う報知手段と、を備え、
前記基準値更新手段が、所定の条件を満たすときは前記基準値を前記管理サーバーから通知された前記グループ別基準値に更新する
ことを特徴とする管理システム。
【請求項5】
前記画像形成装置が、
前記基準値設定手段が、出力処理の回数をパラメーターとした前記基準値を予め設定し、
前記パラメーター計測手段が、前記出力処理の回数を計数し、
前記基準値更新手段が、前記基準値を、所定の調整処理から次の調整処理の間に計数された出力処理の回数の代表値に更新し、前記管理サーバーから通知された前記グループ別基準値としての出力処理の回数が、前記基準値としての出力処理の回数より少ない場合に、前記基準値を前記グループ別基準値に更新し、
前記報知手段が、計数した前記出力処理の回数が前記基準値に達したときに前記報知処理を行う請求項4記載の管理システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は、
前記基準値設定手段が、所定の階調誤差値をパラメーターとした前記基準値を予め設定し、
前記パラメーター計測手段が、前記階調誤差値を計測し、
前記基準値更新手段が、前記基準値を、所定の調整処理の際に計測した前記階調誤差値の代表値に更新し、前記管理サーバーから通知された前記グループ別基準値としての階調誤差値が、前記基準値としての誤差階調値より小さい場合に、前記基準値を前記グループ別基準値に更新し、
前記報知手段が、計測した前記階調誤差値が前記基準値に達したときに前記報知処理を行う請求項4記載の管理システム。
【請求項7】
前記管理サーバーは、
分類されたグループに属する画像形成装置に係る基準値の代表値を前記グループ別基準値として算出するグループ別基準値算出手段を、備え、
前記基準値通知手段は、算出した前記グループ別基準値を、該当するグループの画像形成装置に通知する請求項4〜6のいずれか一項記載の管理システム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、
所定の調整処理から次の調整処理の間に計数された出力処理の回数の代表値を代表出力回数として前記管理サーバーに通知する代表出力回数通知手段を、備え、
前記管理サーバーは、
前記グループ別基準値算出手段が、分類された前記グループに属する各画像形成装置から通知を受けた前記代表出力回数の代表値を前記グループ別基準値として算出する請求項7記載の管理システム。
【請求項9】
前記画像形成装置は、
前記所定の調整処理の際に計測した階調誤差値の代表値を代表誤差値として前記管理サーバーに通知する代表誤差値通知手段を、備え、
前記管理サーバーは、
前記グループ別基準値算出手段が、分類された前記グループに属する各画像形成装置から通知を受けた前記代表誤差値の代表値を前記グループ別基準値として算出する請求項7記載の管理システム。
【請求項10】
前記画像形成装置は、
当該画像形成装置が保有する所定の保全データを所定のカテゴリーごとに前記管理サーバーに送信する保全データ送信手段と、
所定の異常が発生した際、所定のエラーコードを前記管理サーバーに送信するエラーコード送信手段と、
前記管理サーバーから受信した保全データによって対応する保全データを更新する保全データ更新手段と、を備え、
前記管理サーバーは、
前記画像形成装置から受信した前記保全データを所定のカテゴリーごとに保存する保全データ保存手段と、
前記画像形成装置から前記エラーコードを受信した場合に、少なくとも当該エラーコードにより特定されるカテゴリーの保全情報を抽出して当該画像形成装置に返信する保全データ返信手段と、を備える請求項4〜9のいずれか一項記載の管理システム。
【請求項11】
所定の出力処理を行う画像形成装置を管理する方法であって、
所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定するステップと、
前記パラメーターを計測するステップと、
前記パラメーターの計測値にもとづいて前記基準値を更新するステップと、
計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行うステップと、を含むことを特徴とする管理方法。
【請求項12】
所定の出力処理を行う画像形成装置を管理するためのプログラムであって、
前記画像形成装置のコンピューターを、
所定の調整処理に関するパラメーターの基準値を予め設定する基準値設定手段、
前記パラメーターを計測するパラメーター計測手段、
前記パラメーターの計測値にもとづいて前記基準値を更新する基準値更新手段、及び
計測した前記パラメーターが前記基準値に達したときに所定の報知処理を行う報知手段、として機能させるための管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−68458(P2012−68458A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213641(P2010−213641)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】