説明

画像形成装置およびその制御方法および制御プログラム

【課題】
現在のメニュー項目の階層を中心としたメニューモード操作(メニュー項目移動操作およびメニュー設定値変更操作)に関するマニュアル情報の一覧を印刷出力することで、所望の設定変更を簡易かつ迅速に行うことができるようにした画像形成装置およびその制御方法および制御プログラムを提供する。
【解決手段】
プリンタ100において、メニューモード操作方法不明時にヘルプボタン103aを押下すると、現在表示中のメニュー項目の階層を中心とした操作マニュアル(ヘルプモード印刷200)を印刷する。ユーザは、このヘルプモード印刷200を参照し、所望のメニュー項目若しくは、所望のメニュー設定値と対応する操作番号を入力すると、所望のメニューモード操作が行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびその制御方法および制御プログラムに関わり、詳しくは、多層化されたメニュー項目の中の現在のメニュー項目の階層を中心としたメニューモード操作(メニュー項目移動操作およびメニュー設定値変更操作)に関するマニュアル情報の一覧を印刷出力することで、所望の設定変更を簡易かつ迅速に行うことができるようにした画像形成装置およびその制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ等で行える機能の多くなったことに伴って、設定する項目も多くなり、メニュー設定項目が多層化されている。そのため、ユーザはマニュアル等がないと設定を所望する項目までたどり着くのが難しく、また設定できる項目も多いため、設定できる内容の意味を把握しておくのも困難になってきているといった問題がある。
【0003】
このような問題に対処したものとして、特許文献1記載の「階層構造メニュー提示・選択方法及び装置及び階層構造メニュー提示・選択制御プログラムを格納した記憶媒体」、特許文献2記載の「複合機における操作情報入力方法」、特許文献3記載の「データ処理装置、印刷装置、印刷システム、印刷装置の制御方法、及び記憶媒体」が開示されている。
【0004】
この特許文献1の発明は、階層構造メニュー中での表示した機能メニューと、階層構造メニュー中での移動履歴、選択履歴、各機能メニューを表示していた時間の少なくとも1つをプリントアウトすることで、機能メニューの選択を容易かつ正確に行うことが可能になり、機能メニューの選択を効率的に行うことが可能になるという技術について言及されている。
【0005】
また、特許文献2の発明は、その時の状況に応じた適切なヘルプガイドを簡単に出力できるので、パネル操作によって設定を変更したり、エラーに適切に対処することが容易になり、特に高齢者や初心者等にとっては著しく使い勝手が向上するという技術について言及されている。
【0006】
また、特許文献3の発明は、ヘルプキーが操作された後に、操作されたキーについての機能の説明が表示又はプリントされるため、キーの機能を直接的に把握できるため、キーの機能がすぐわかり、便利であるという技術について言及されている。
【特許文献1】特開平11−164079号
【特許文献2】特開2001−88410号
【特許文献3】特開2003−125132号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の発明は、階層構造メニュー中での移動履歴、選択履歴、各機能メニューを表示していた時間といったメニュー操作処理における過去の履歴を印刷するもので、個人で占有して使用する場合には有効であるが、オフィスなどで不特定多数で利用する場合には、各人使用目的が異なるため、機能メニュー選択が容易になるというものではなかった。
【0008】
また、上記特許文献2および上記特許文献3の発明は、ある特定のメニューやボタンについてのガイドデータを印刷するといったものであるため、特定のものに対する操作方法の不明点を解消することはできるが、効率的なメニュー選択処理を行えるというものではなかった。
【0009】
そこで、本発明は、現在のメニュー項目の階層を中心としたメニューモード操作(メニュー項目移動操作およびメニュー設定値変更操作)に関するマニュアル情報の一覧を印刷出力することで、所望の設定変更を簡易かつ迅速に行うことができるようにした画像形成装置およびその制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、多層化されたメニュー項目の中から所望のメニュー項目をユーザ操作により選択して該選択したメニュー項目を表示器上に表示し、該表示したメニュー項目の中の所望の設定値をユーザ操作により選択して前記表示器上に表示して各種設定値の設定変更を行うメニューモードを有する画像形成装置において、前記メニュー項目および前記設定値に対応するマニュアル情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在のメニュー項目の階層を中心とした前記メニュー項目の一覧を前記記憶手段に記憶された該メニュー項目に対応するマニュアル情報とともに印刷出力するメニュー項目一覧印刷出力手段とを具備し、前記ユーザは、前記メニュー項目一覧印刷出力手段で印刷出力された前記メニュー項目の一覧を参照して所望のメニュー項目の選択操作を行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記メニュー項目一覧印刷出力手段は、前記メニュー項目の一覧の各メニュー項目に対応してメニュー項目選択番号を付して印刷出力し、前記所望のメニュー項目の選択操作は、前記メニュー項目選択番号に基づき行われることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在選択されているメニュー項目における設定値の一覧を前記記憶手段に記憶された該設定値に対応するマニュアル情報とともに印刷出力する設定値一覧印刷出力手段とを更に具備し、前記ユーザは、前記設定値一覧印刷出力手段で印刷出力された前記設定値の一覧を参照して所望の設定値の選択操作を行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記設定値一覧印刷出力手段は、前記設定値の一覧の各設定値に対応して設定値選択番号を付して印刷出力し、前記所望の設定値の選択操作は、前記設定値選択番号に基づき行われることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、多層化されたメニュー項目の中から所望のメニュー項目をユーザ操作により選択して該選択したメニュー項目を表示器上に表示し、該表示したメニュー項目の中の所望の設定値をユーザ操作により選択して前記表示器上に表示して各種設定値の設定変更を行うメニューモードを有する画像形成装置において、前記メニュー項目および前記設定値に対応するマニュアル情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在のメニュー項目の階層を中心とした前記メニュー項目の一覧を前記記憶手段に記憶された該メニュー項目に対応するマニュアル情報とともに印刷出力するメニュー項目一覧印刷出力手段と、前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在選択されているメニュー項目における設定値の一覧を前記記憶手段に記憶された該設定値に対応するマニュアル情報とともに印刷出力する設定値一覧印刷出力手段とを具備し、前記ユーザは、前記メニュー項目一覧印刷出力手段で印刷出力された前記メニュー項目の一覧を参照して所望のメニュー項目の選択操作を行い、前記設定値一覧印刷出力手段で印刷出力された前記設定値の一覧を参照して所望の設定値の選択操作を行うことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、多層化されたメニュー項目の中から所望のメニュー項目をユーザ操作により選択して該選択したメニュー項目を表示器上に表示し、該表示したメニュー項目の中の所望の設定値をユーザ操作により選択して前記表示器上に表示して各種設定値の設定変更を行うメニューモードを有する画像形成装置の制御方法において、前記メニュー項目および前記設定値に対応するマニュアル情報をそれぞれ記憶手段で記憶し、前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在のメニュー項目の階層を中心とした前記メニュー項目の一覧を前記記憶手段に記憶された該メニュー項目に対応するマニュアル情報とともにメニュー項目一覧印刷出力手段で印刷出力し、前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在選択されているメニュー項目における設定値の一覧を前記記憶手段に記憶された該設定値に対応するマニュアル情報とともに設定値一覧印刷出力手段で印刷出力し、前記ユーザは、前記メニュー項目一覧印刷出力手段で印刷出力された前記メニュー項目の一覧を参照して所望のメニュー項目の選択操作を行い、前記設定値一覧印刷出力手段で印刷出力された前記設定値の一覧を参照して所望の設定値の選択操作を行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明は、多層化されたメニュー項目の中から所望のメニュー項目をユーザ操作により選択して該選択したメニュー項目を表示器上に表示し、該表示したメニュー項目の中の所望の設定値をユーザ操作により選択して前記表示器上に表示して各種設定値の設定変更を行うメニューモードを有し、前記メニュー項目および前記設定値に対応するマニュアル情報をそれぞれ記憶する記憶手段を有する画像形成装置の処理をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在のメニュー項目の階層を中心とした前記メニュー項目の一覧を前記記憶手段に記憶された該メニュー項目に対応するマニュアル情報とともに印刷出力するメニュー項目一覧印刷出力ステップと、前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在選択されているメニュー項目における設定値の一覧を前記記憶手段に記憶された該設定値に対応するマニュアル情報とともに印刷出力する設定値一覧印刷出力ステップとを含み、前記ユーザは、前記メニュー項目一覧印刷出力ステップで印刷出力された前記メニュー項目の一覧を参照して所望のメニュー項目の選択操作を行い、前記設定値一覧印刷出力ステップで印刷出力された前記設定値の一覧を参照して所望の設定値の選択操作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、現在のメニュー項目の階層を中心としたメニューモード操作(メニュー項目移動操作およびメニュー設定値変更操作)に関するマニュアル情報の一覧を印刷出力するように構成したので、ユーザは、この印刷出力されたマニュアル情報を参照するだけで、メニューモード操作方法を把握することができ、これにより事前に操作マニュアルを用意することなく、また、メニューモードの操作方法を把握しておくことなく所望の設定変更を簡易かつ迅速に行うことができる。
【0018】
また、上記印刷出力されたマニュアル情報を参照しながら、所望のメニュー項目若しくは、所望のメニュー設定値と対応する操作番号を入力するだけで、メニューモード操作が行えるので、操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係わる画像形成装置およびその制御方法および制御プログラムの実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
まず、本実施の形態で用いる主な用語の意味について定義する。本実施の形態で用いる「メニューモード」とは、画像形成装置に設置されたオペレータパネルよりメニュー項目移動操作およびメニュー設定値変更操作を行う際に設定されるモードのことをいう。
【0021】
図1は、本発明に係わる画像形成装置をプリンタ100に適用して構成したシステムの概略構成を示す図である。なお、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN(Local Area Network),WAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続が為され処理が行われるシステムであっても本発明を適用できる。
【0022】
図1において、プリンタ100は、本発明に係わる画像形成装置が適用され、装置本体にはオペレータパネル101が設置されている。
【0023】
オペレータパネル101は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示用デバイスと、ユーザ指示を入力するボタンなどの入力用デバイスを備えたユーザインターフェースである。ここに配設されるLCDは十分な表示領域を持ち合わせておらず、主に文字を用いてプリンタ100に関する各種情報を表示するものである。
【0024】
また、入力用デバイスとして配設されるボタンの1つにヘルプボタン103aがあり、このヘルプボタン103aは、プリンタ100において操作方法不明時などに押下されると、ユーザにプリンタ100の操作方法を教えるための機能を果たすボタンである。具体的には、メニューモード移行後に、メニュー操作方法が分からない、若しくは、目的の設定項目が見つからない場合に、ユーザがヘルプボタン103aを押下すると、プリンタ100はヘルプモードへと移行するとともに、LCD表示中のメニュー項目の階層を中心とした操作マニュアル(図中ヘルプモード印刷200)を印刷出力する。
【0025】
詳細は後述するが、ヘルプモード印刷200には、操作番号とメニュー項目(若しくは、設定項目)と内容とがセットとなり1または複数項目印刷される。ユーザはそのヘルプモード印刷200を参照して、所望のメニュー項目等がある場合には、所望のメニュー項目に対応する操作番号をオペレータパネル101の入力用デバイスを用いて入力することで、所望のメニュー項目に移動することができる。
【0026】
ここで、図2および図3を参照しながら、ヘルプモード印刷200の一例について説明する。なお、ヘルプモード印刷200は、メニューモードの操作にあたってメニュー項目移動操作時とメニュー設定値変更操作時により異なるものが印刷出力されるが、ここでは、まず、メニュー項目移動操作時にヘルプボタン103aが押下された場合に出力されるヘルプモード印刷200−1について説明する。
【0027】
図2において、ヘルプモード印刷200−1には、操作番号20aと、該操作番号と対応するメニュー項目20bとメニュー内容20cがセットとなり、それぞれ印刷されている。
【0028】
用紙メニュー(現在の項目)30は、ヘルプボタン103a押下時にLCDに表示中のカレントメニューであり、この場合、用紙メニュー30には操作番号が付られず、用紙メニュー30の下位層にあたるメニュー(操作番号「3」〜操作番号「6」)40にそれぞれ操作番号が付られ選択可能となっている。
【0029】
また、操作番号「1」のメニューモード10は、メニュー項目移動操作を行わない(キャンセルの)場合に選択するものである。
【0030】
例えば、ユーザが印刷位置の微調整を所望する場合には、このヘルプモード印刷200の操作番号「7」に対応する印刷位置設定メニューに移動する必要がある。この場合、オペレータパネル101の入力用デバイスを用いて「7」を入力することで、印刷位置設定メニューに移動することができる。
【0031】
次に、メニュー設定値変更操作時にヘルプボタン103aが押下された場合に出力されるヘルプモード印刷200−2について説明する。
【0032】
図3において、ヘルプモード印刷200−2には、操作番号50aと、該操作番号と対応する設定項目50bと設定項目内容50cがセットとなり、それぞれ印刷されている。
【0033】
このヘルプモード印刷200−2は、ユーザが上記図2に示されるヘルプモード印刷200−1を用いて操作番号「4」を入力し用紙種別設定メニューに移動後、ヘルプボタン103aを押下することにより印刷出力される。すなわち、多層化されたメニュー構造において、最も下位にあたるメニュー項目でヘルプボタン103aを押下することで、メニュー設定値変更用のヘルプモード印刷200−2が印刷されることとなる。
【0034】
例えば、ユーザがラベル紙に印刷することを所望する場合には、オペレータパネル101の入力用デバイスを用いて「4」を入力することで、用紙種別に係わるメニュー設定値をラベル紙に設定変更することができる。
【0035】
次に、図4〜図6を参照しながら、オペレータパネル101について説明する。
【0036】
図4は、プリンタ100に設置されたオペレータパネル101の一例が示されており、(a)〜(c)に示されるオペレータパネルは全て同一のものである。但し、(a)〜(c)に示されるオペレータパネル101は、それぞれ異なったモード時のものであり、ボタンに割り付けられる機能がそれぞれ異なる。
【0037】
図4において、(a)は、通常時におけるオペレータパネル101のボタン配列を示しており、ストップ、排出、メニューイン、印刷可等のボタンが有効化される。メニューインボタン103bは、印刷設定メニュー、用紙種別設定メニュー・・・等のメニュー項目移動操作を行う場合に押下するボタンであり、メニューインボタン103b押下とともにメニューモードへと移行する。
【0038】
(b)は、メニューモード時におけるオペレータパネル101のボタン配列を示しており、上述した(a)に示すオペレータパネルにおいて、メニューインボタン103bが押下された場合のものである。設定変更、ヘルプ、メニュー終了、上下左右矢印等のボタンが有効化される。ヘルプボタン103aは、上記図1で説明したものと同一のものであり、ヘルプボタン103a押下とともにヘルプモード印刷200を出力し、ヘルプモードに移行する。メニュー終了ボタン103cは、メニューモードを解除し通常時に戻るボタンである。すなわち、(b)から(a)のオペレータパネル101のボタン配列に戻る。また、ユーザがメニュー操作を熟知している場合等には、設定変更ボタン103eを押下することで、ヘルプ機能を使わずに従来通りの操作によりメニュー操作を行える。
【0039】
(c)は、ヘルプモード時におけるオペレータパネル101のボタン配列を示しており、上述した(b)に示すオペレータパネルにおいて、ヘルプボタン103aが押下された場合のものである。ヘルプ終了、上下矢印等のボタンが有効化される。ヘルプ終了ボタン103dは、操作番号入力後に押下することで、所望のメニュー項目に移動若しくは、所望のメニュー設定値に変更することができる。
【0040】
上述したように本発明においては、通常、メニューモード、ヘルプモードといった3段階のモード設定を設け、それぞれに応じて適宜オペレータパネル101上に有効化されるボタンを切り替えるように制御するので、ユーザの操作ミスを抑止でき操作性を向上することができる。
【0041】
図5は、メニューモード、ヘルプモード時におけるオペレータパネル101のLCD102表示内容の一例を示す図である。まず、ここでは、メニュー項目移動操作時におけるLCD102表示内容について説明する。
【0042】
図5において、102aは、メニューモード時におけるLCD102表示内容であり、上記図4で説明したオペレータパネル(b)のLCDに該当する。この状態(メニュー項目の階層)でヘルプボタン103aを押下すると上記図2で説明したヘルプモード印刷200−1が出力されるとともに、102bに示すヘルプモード時のLCD表示内容に移行する。
【0043】
102bはヘルプモード時におけるLCD102表示内容であり、上記図4で説明したオペレータパネル(c)のLCDに該当する。ここで、上下矢印ボタンにより操作番号「4」を選択しヘルプ終了ボタン103dを押下すると、102cに示すように用紙種別設定メニュー項目へと移動することができる。
【0044】
次に、メニュー設定値変更操作時におけるLCD102表示内容について説明する。
【0045】
図6において、102dは、メニューモード時におけるLCD102表示内容であり、上記図4で説明したオペレータパネル(b)のLCDに該当する。この状態(メニュー項目の階層)でヘルプボタン103aを押下すると上記図3で説明したヘルプモード印刷200−2が出力されるとともに、102eに示すヘルプモード時のLCD表示内容に移行する。
【0046】
102eはヘルプモード時におけるLCD102表示内容であり、上記図4で説明したオペレータパネル(c)のLCDに該当する。ここで、上下矢印ボタンにより操作番号「3」を選択しヘルプ終了ボタン103dを押下すると、102fに示すように用紙種別に係わるメニュー設定値をOHPに変更設定することができる。以上が本発明におけるオペレータパネル101の説明である。
【0047】
図7は、本発明に係わるプリンタ100の内部構成を示すブロック図である。なお、上記図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0048】
図7において、プリンタ100は、各種処理機能部として表示部102、操作部103、制御部104、マニュアル抽出部105、マニュアル情報格納部106、印刷出力部107を具備して構成される。
【0049】
表示部102および操作部103は、上述したオペレータパネル101に配設されるもので、LCDなどの表示用デバイスが表示部102に対応し、ユーザ指示を入力するボタンなどの入力用デバイスが操作部103に対応する。
【0050】
制御部104は、プリンタ100を統括制御する処理部である。例えば、ユーザがヘルプモード印刷200を参照しながら操作部103から操作番号を入力した場合には、入力された操作番号に対応するメニュー項目に移動若しくは、メニュー設定値に変更するといった処理を行う。
【0051】
マニュアル抽出部105およびマニュアル情報格納部106は、ヘルプモード印刷200を行うためのマニュアル情報を抽出および格納する処理部であり、マニュアル情報格納部106は、プリンタ100に関する操作マニュアルを格納する記憶装置であり、マニュアル抽出部105は、上述したヘルプボタン103aが押下された際にLCD表示中のメニュー項目の階層を中心とした操作マニュアルをマニュアル情報格納部106から抽出する処理部である。
【0052】
このマニュアル情報格納部106には、操作番号とメニュー項目(若しくは、設定項目)と内容とがセットととなった操作マニュアルが格納されている。すなわち、ヘルプモード印刷200に印刷される内容の情報が格納されている。
【0053】
印刷出力部107は、操作マニュアル若しくは、画像形成データなどを制御部104の出力依頼に基づき用紙等に画像形成し出力する処理部である。具体的には、操作部103において、ヘルプボタン103aが押下された場合には、マニュアル情報抽出部105により抽出された操作マニュアルを制御部104の指示に基づき出力し、それ以外の場合は、一般的なプリンタと同等の出力処理を行う。
【0054】
以上が本発明に係わるプリンタ100の概略構成を示す各機能ブロック図の説明である。なお、ここでは、本発明に係わる構成要素のみを挙げて説明したが、プリンタ100にはこの他、他装置との通信を行うための通信部などが適宜設けられていてもよい。
【0055】
図8は、図7に示したプリンタ100におけるヘルプ制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【0056】
ユーザがオペレータパネル101のメニューインボタン103bを押下すると、このヘルプ制御処理は開始される(ステップS101でYES)。
【0057】
この処理が開始されると、まず、メニューインボタン103b押下によってプリンタ100はメニューモードへと移行する(ステップS102)。具体的には、上記図4で説明したオペレータパネル101のボタン配列が(a)から(b)へと移行する。
【0058】
ここで、ユーザがメニューの操作方法が分からない。すなわち、所望のメニュー項目への移動操作が不明等によってヘルプボタン103aを押下すると(ステップS103でYES)、プリンタ100はヘルプモードへと移行するとともに(ステップS104)、ヘルプモード印刷200を出力する(ステップS105)。具体的には、上記図4で説明したオペレータパネル101のボタン配列が(b)から(c)へと移行するとともに、上記図2で説明したヘルプモード印刷200−1を印刷出力する。
【0059】
そして、ユーザは出力されたヘルプモード印刷200を参照しながら、所望のメニュー項目と対応する操作番号をオペレータパネル101の上下矢印を必要回数押下し入力する(ステップS106)。所望の操作番号入力が行われヘルプ終了ボタン103dが押下されると(ステップS107)、入力された操作番号と対応するメニュー項目へ移動するとともに、ヘルプモードを解除する(ステップS108)。
【0060】
一方、ユーザがメニュー操作方法を熟知しており、所望のメニュー項目へユーザ自身で移動できる場合には、ヘルプボタン103aは押下せず設定変更ボタン103eを押下し(ステップS103でNO)、ユーザ自身でメニュー選択を行い(ステップS109)、所望のメニュー項目へと移動する(ステップS110)。
【0061】
次に、ユーザがメニュー設定値変更操作が分からない。すなわち、所望のメニュー項目へは移動できたが設定値の変更方法が不明等によってヘルプボタン103aを押下すると(ステップS111でYES)、プリンタ100はヘルプモードへと移行するとともに(ステップS112)、ヘルプモード印刷200を出力する(ステップS113)。具体的には、上記図4で説明したオペレータパネル101のボタン配列が(b)から(c)へと移行するとともに、上記図3で説明したヘルプモード印刷200−2を印刷出力する。
【0062】
そして、ユーザは出力されたヘルプモード印刷200を参照しながら、所望のメニュー設定値と対応する操作番号をオペレータパネル101の上下矢印を必要回数押下し入力する(ステップS114)。所望の操作番号入力が行われヘルプ終了ボタン103dが押下されると(ステップS115)、入力された操作番号と対応するメニュー設定値へ設定変更するとともに、ヘルプモードを解除する(ステップS116)。
【0063】
一方、ユーザがメニュー操作方法を熟知しており、所望のメニュー設定値をユーザ自身で設定変更できる場合には、ヘルプボタン103aは押下せず設定変更ボタン103eを押下し(ステップS111でNO)、ユーザ自身でメニュー設定値を選択し(ステップS117)、所望のメニュー設定値に変更設定する(ステップS118)。
【0064】
そして、他のメニュー項目についてもメニューモード操作が必要な場合には、(ステップS119でNO)、再び、ステップS103に戻り、ヘルプボタン103aが押下されるか否かの判断を行うが、ここで、他のメニュー項目についてのメニューモード操作が必要なく、ユーザによりメニュー終了ボタン103cが押下された場合は(ステップS119でYES)、メニューモードを解除し(ステップS120)、このヘルプ制御処理を終了する。
【0065】
以上説明したように本発明においては、メニューモード操作方法不明時にヘルプボタン103aを押下すると、LCD表示中のメニュー項目の階層を中心としたヘルプモード印刷200を印刷するように構成したので、ユーザは、このヘルプモード印刷200を参照するだけで、メニューモード操作方法を把握することができ、これにより事前に操作マニュアルを用意することなく、また、メニューモードの操作方法を把握しておくことなく所望の設定変更を簡易かつ迅速に行うことができる。
【0066】
また、ヘルプモード印刷200を参照しながら、所望のメニュー項目若しくは、所望のメニュー設定値と対応する操作番号を入力するだけで、メニューモード操作が行えるので、操作性が向上する。
【0067】
なお、上記実施例においては、本発明に係わる画像形成装置をプリンタ100に適用する場合を説明したが、この画像形成装置の制御方法をプリンタ100にインストールされた制御プログラムにより実行させるように構成してもよい。
【0068】
また、上記実施例においては、本発明に係わる画像形成装置をプリンタ100に適用した場合を説明したが、本発明はヘルプモード印刷200を出力できれば足りるので、カラー対応、白黒対応、インクジェット方式、トナー方式等のいずれかに限定されるものではない。さらに、ファックス、コピー機、複合機などの画像形成装置全般に適用可能であることはいうまでもない。
【0069】
また、上記実施例においては、操作番号を入力する場合、上記図4(b)に示すオペレータパネル101の上下矢印を必要回数押下するといった方法で説明したが、図9に示すオペレータパネル101を採用することで、テンキー103fにより操作番号を入力するなどしてもよい。その場合、さらに操作性が向上することとなる。
【0070】
この他、本発明は、上記および図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。例えば、上記実施例においては、表示部102の画面内容に対応した操作マニュアル(ヘルプモード印刷200)を印刷出力する場合を説明したが、これに限られず、ユーザが所望する操作マニュアルを指示できるように構成することで、メニュー項目移動操作を省略し直接メニュー設定値変更操作を行えるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の画像形成装置およびその制御方法および制御プログラムは、プリンタ、ファックス、コピー機、複合機などの画像形成装置全般に適用可能であり、特に、十分な表示領域を持ち合わせていない画像形成装置において有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係わる画像形成装置をプリンタ100に適用して構成したシステムの概略構成を示す図である。
【図2】メニュー項目移動操作時におけるヘルプモード印刷200の一例を示す図である。
【図3】メニュー設定値変更操作時におけるヘルプモード印刷200の一例を示す図である。
【図4】図1に示したプリンタ100に設置されたオペレータパネル101の一例を示す図である。
【図5】メニュー項目移動操作時におけるLCD102表示内容の一例を示す図である。
【図6】メニュー設定値変更操作時におけるLCD102表示内容の一例を示す図である。
【図7】図1に示したプリンタ100の内部構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示したプリンタ100におけるヘルプ制御処理の動作を説明するフローチャートである。
【図9】オペレータパネル101の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
100 プリンタ
101 オペレータパネル
102 表示部(LCD:Liquid Crystal Display)
103 操作部
104 制御部
105 マニュアル抽出部
106 マニュアル情報格納部
107 印刷出力部
200 ヘルプモード印刷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層化されたメニュー項目の中から所望のメニュー項目をユーザ操作により選択して該選択したメニュー項目を表示器上に表示し、該表示したメニュー項目の中の所望の設定値をユーザ操作により選択して前記表示器上に表示して各種設定値の設定変更を行うメニューモードを有する画像形成装置において、
前記メニュー項目および前記設定値に対応するマニュアル情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在のメニュー項目の階層を中心とした前記メニュー項目の一覧を前記記憶手段に記憶された該メニュー項目に対応するマニュアル情報とともに印刷出力するメニュー項目一覧印刷出力手段と
を具備し、
前記ユーザは、前記メニュー項目一覧印刷出力手段で印刷出力された前記メニュー項目の一覧を参照して所望のメニュー項目の選択操作を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記メニュー項目一覧印刷出力手段は、
前記メニュー項目の一覧の各メニュー項目に対応してメニュー項目選択番号を付して印刷出力し、
前記所望のメニュー項目の選択操作は、
前記メニュー項目選択番号に基づき行われる
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在選択されているメニュー項目における設定値の一覧を前記記憶手段に記憶された該設定値に対応するマニュアル情報とともに印刷出力する設定値一覧印刷出力手段と
を更に具備し、
前記ユーザは、前記設定値一覧印刷出力手段で印刷出力された前記設定値の一覧を参照して所望の設定値の選択操作を行う
ことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定値一覧印刷出力手段は、
前記設定値の一覧の各設定値に対応して設定値選択番号を付して印刷出力し、
前記所望の設定値の選択操作は、
前記設定値選択番号に基づき行われる
ことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
多層化されたメニュー項目の中から所望のメニュー項目をユーザ操作により選択して該選択したメニュー項目を表示器上に表示し、該表示したメニュー項目の中の所望の設定値をユーザ操作により選択して前記表示器上に表示して各種設定値の設定変更を行うメニューモードを有する画像形成装置において、
前記メニュー項目および前記設定値に対応するマニュアル情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在のメニュー項目の階層を中心とした前記メニュー項目の一覧を前記記憶手段に記憶された該メニュー項目に対応するマニュアル情報とともに印刷出力するメニュー項目一覧印刷出力手段と、
前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在選択されているメニュー項目における設定値の一覧を前記記憶手段に記憶された該設定値に対応するマニュアル情報とともに印刷出力する設定値一覧印刷出力手段と
を具備し、
前記ユーザは、前記メニュー項目一覧印刷出力手段で印刷出力された前記メニュー項目の一覧を参照して所望のメニュー項目の選択操作を行い、前記設定値一覧印刷出力手段で印刷出力された前記設定値の一覧を参照して所望の設定値の選択操作を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
多層化されたメニュー項目の中から所望のメニュー項目をユーザ操作により選択して該選択したメニュー項目を表示器上に表示し、該表示したメニュー項目の中の所望の設定値をユーザ操作により選択して前記表示器上に表示して各種設定値の設定変更を行うメニューモードを有する画像形成装置の制御方法において、
前記メニュー項目および前記設定値に対応するマニュアル情報をそれぞれ記憶手段で記憶し、
前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在のメニュー項目の階層を中心とした前記メニュー項目の一覧を前記記憶手段に記憶された該メニュー項目に対応するマニュアル情報とともにメニュー項目一覧印刷出力手段で印刷出力し、
前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在選択されているメニュー項目における設定値の一覧を前記記憶手段に記憶された該設定値に対応するマニュアル情報とともに設定値一覧印刷出力手段で印刷出力し、
前記ユーザは、前記メニュー項目一覧印刷出力手段で印刷出力された前記メニュー項目の一覧を参照して所望のメニュー項目の選択操作を行い、前記設定値一覧印刷出力手段で印刷出力された前記設定値の一覧を参照して所望の設定値の選択操作を行う
ことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
多層化されたメニュー項目の中から所望のメニュー項目をユーザ操作により選択して該選択したメニュー項目を表示器上に表示し、該表示したメニュー項目の中の所望の設定値をユーザ操作により選択して前記表示器上に表示して各種設定値の設定変更を行うメニューモードを有し、前記メニュー項目および前記設定値に対応するマニュアル情報をそれぞれ記憶する記憶手段を有する画像形成装置の処理をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在のメニュー項目の階層を中心とした前記メニュー項目の一覧を前記記憶手段に記憶された該メニュー項目に対応するマニュアル情報とともに印刷出力するメニュー項目一覧印刷出力ステップと、
前記メニューモードにおけるユーザの特定操作により現在選択されているメニュー項目における設定値の一覧を前記記憶手段に記憶された該設定値に対応するマニュアル情報とともに印刷出力する設定値一覧印刷出力ステップと
を含み、
前記ユーザは、前記メニュー項目一覧印刷出力ステップで印刷出力された前記メニュー項目の一覧を参照して所望のメニュー項目の選択操作を行い、前記設定値一覧印刷出力ステップで印刷出力された前記設定値の一覧を参照して所望の設定値の選択操作を行う
ことを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−72819(P2006−72819A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257103(P2004−257103)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】