説明

画像形成装置および画像形成システム

【課題】予め登録されている関連するスケジュールの重要度に応じて印刷ジョブの実行タイミングを制御することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】複合機は、印刷ジョブを受信し(S101)、先行の印刷ジョブがある場合は(S102;Yes)、今回受信した印刷ジョブの情報から、共有スケジュールが登録されているマスタースケジューラを参照して関連するスケジュールを検索する(S104)、または、個人スケジュールが登録されている個人スケジューラを参照して関連するスケジュールを検索する(S106)。そして、この検索により特定したスケジュールが属するスケジューラの種類に基づいて、今回受信した印刷ジョブの実行タイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め登録されているスケジュールを参照して印刷ジョブの実行タイミングを制御する画像形成装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ機能を備えた画像形成装置では、ユーザが端末から依頼した印刷ジョブの実行タイミングを、予め登録されている関連するスケジュールを参照して制御しているものがある。
【0003】
たとえば、特許文献1には、印刷を伴うスケジュールの登録管理機能を備えた画像形成装置が印刷ジョブの所要時間を算出し、その印刷ジョブを関連するスケジュールの開始時刻に間に合うように実行する技術が開示されている。特許文献2には、画像形成装置がユーザから依頼された印刷ジョブの所要時間を算出すると共に、スケジュールサーバにアクセスしてそのユーザのスケジュールの空き時間および他の印刷ジョブの実行予定を確認し、そのユーザが印刷物を取得できる時間帯に印刷ジョブを実行する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−331178号公報
【特許文献2】特開2006−88641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1および2の技術では、依頼された印刷ジョブの実行タイミングを関連するスケジュールの開始時刻や空き時間といった時刻/時間情報に基づいて制御するようにしている。しかし、依頼が集中して所定時刻までに完了できない印刷ジョブや所定時間内に処理仕切れない印刷ジョブが発生したような場合は、各印刷ジョブをより適切なタイミングで実行するなどの対応をとることができない。
【0006】
一方、企業や組織などでは、組織レベル(集団レベル)のスケジュールと個人レベルのスケジュールとを個別のスケジューラを使用して管理することが一般に行われている。たとえば、組織全体にかかわるスケジュール、役職者など組織の重要メンバーにかかわるスケジュール、組織のプロジェクトのスケジュールなどはマスタースケジューラ(共用スケジューラ)に登録して管理し、組織の所属員が各々管理するスケジュールは個人スケジューラに登録して管理するというように、管理対象のスケジュールを組織/個人レベルで分けて対応するスケジューラに登録し管理するなどしている。
【0007】
このようなスケジュール管理形態では、マスタースケジューラには個人スケジューラよりも重要なスケジュールが属していると言え、印刷ジョブの依頼が集中した場合などには、個人スケジューラよりも共用スケジューラに属するスケジュールに関連する印刷ジョブ(印刷物の出力)を優先させる方が好ましい場合もある。
【0008】
このように、スケジュールの重要度に応じて印刷ジョブの実行タイミングを制御することも考えられるが、特許文献1および2の技術ではそのようなことは考慮されていない。また、特許文献1および2の技術はいずれも1種類のスケジューラのみを対象としており、上記のような複数種類のスケジューラを対象とすることは考慮されていない。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、予め登録されている関連するスケジュールの重要度に応じて印刷ジョブの実行タイミングを制御することができる画像形成装置および画像形成システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]印刷ジョブが入力される入力部と、
前記入力部から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する画像形成部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、共用スケジュールを管理するための共用スケジュール管理部と、個人スケジュールを管理するための個人スケジュール管理部とにアクセスして、前記印刷ジョブに含まれている情報に基づいて当該印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理部の種類に基づいて当該印刷ジョブの実行タイミングを制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0012】
上記発明では、組織レベルや集団レベルで管理するような共用性のあるスケジュール(共用スケジュール)は共用スケジュール管理部に登録して管理し、個人レベルで管理するスケジュール(個人スケジュール)は個人スケジュール管理部に登録して管理するというように、管理対象のスケジュールを共用と個人用に分けて対応するスケジュール管理部に登録し個別に管理する。これにより、共用スケジュール管理部には個人スケジュール管理部よりも重要度の高いスケジュールが属することになる。そしてこれらのスケジュール管理部の中から、印刷ジョブに含まれている情報に基づいてその印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理部の種類(共用/個人)に基づいて印刷ジョブの実行タイミングを制御する。
【0013】
たとえば、上記のスケジュールが共用スケジュール管理部に属している場合は、そのスケジュールは重要度が高いと判断でき、そのスケジュールに関連する印刷ジョブも重要度が高いと判断できる。逆に、個人スケジュール管理部に属している場合は、そのスケジュールは重要度が低いと判断でき、そのスケジュールに関連する印刷ジョブも重要度が低いと判断できる。
【0014】
これにより、予め登録されている関連するスケジュールの重要度に応じて印刷ジョブの実行タイミングを制御できるようになる。また、たとえば1つのスケジュール管理部を用いる場合は、個々のスケジュールの重要度を判別可能とするために、スケジュールの登録時に重要度を見極めてその重要度を示す情報をスケジュールに対応付けて付加するなどしなければならなくなるが、上述したように、管理対象のスケジュールを共用と個人用に分けて対応するスケジュール管理部に登録し個別に管理する構成であれば、スケジュールが属するスケジュール管理部の種類を確認するだけでそのスケジュールの重要度を簡単に把握することができる。
【0015】
[2]前記制御部は、新たに入力された前記印刷ジョブを先行の印刷ジョブの実行後に実行すると前記関連するスケジュールに間に合わない場合は、スケジュールに間に合わない印刷ジョブがないように、印刷待ちの全ての印刷ジョブの実行タイミングを、前記個人スケジュール管理部に属するスケジュールに関連する印刷ジョブよりも前記共用スケジュール管理部に属するスケジュールに関連する印刷ジョブを優先させる条件下で調整する
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0016】
上記発明では、新たに入力された印刷ジョブを先行の印刷ジョブの実行後に実行すると、その最新の印刷ジョブが関連するスケジュールに間に合わなくなる場合は、スケジュールに間に合わない印刷ジョブがないように、印刷待ちの全ての印刷ジョブ(先行および最新の印刷ジョブ)の実行タイミングを、個人スケジュール管理部に属するスケジュールに関連する印刷ジョブよりも共用スケジュール管理部に属するスケジュールに関連する印刷ジョブを優先させる条件下で調整する。
【0017】
これにより、印刷待ちの全ての印刷ジョブを各々のスケジュールに間に合わせることも可能となる。また、上記の調整を行ってもスケジュールに間に合わない印刷ジョブが発生する場合でも、重要度が低いと判断できる、個人スケジュール管理部に属するスケジュールに関連する印刷ジョブよりも、重要度が高いと判断できる、共用スケジュール管理部に属するスケジュールに関連する印刷ジョブがそのスケジュールに間に合うよう優先的に実行されるようになる。
【0018】
[3]前記制御部は、前記調整を、前記全ての印刷ジョブにおける各印刷ジョブの所要時間と各印刷ジョブに関連するスケジュールの開始時刻とに基づいて行う
ことを特徴とする[2]に記載の画像形成装置。
【0019】
上記発明では、[2]に記載した関連するスケジュールに間に合わない印刷ジョブが発生した場合の調整が、先行と最新を含む全ての印刷ジョブにおける各印刷ジョブの所要時間と各印刷ジョブに関連するスケジュールの開始時刻とに基づいて行われる。これにより、全ての印刷ジョブに対して実行タイミングを適切にするような制御を行うことができる。
【0020】
[4]前記実行タイミングの制御には、ジョブ割り込みとジョブ実行順序の変更との少なくとも一方が含まれる
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0021】
上記発明では、印刷ジョブの実行タイミングの制御を行う上で、先行の印刷ジョブの間などに最新の印刷ジョブの割り込ませるジョブ割り込みや、先行と最新を含む全ての印刷ジョブにおけるジョブ実行順序の変更を行うことにより、柔軟な制御が可能となって実行タイミングの最適化が図りやすくなる。
【0022】
[5]印刷ジョブが入力される入力部と、
前記入力部から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する画像形成部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、重要度の異なるスケジュールをその重要度に応じて個別に管理するための複数種類のスケジュール管理部にアクセスして、前記印刷ジョブに含まれている情報に基づいて当該印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理部の種類に基づいて当該印刷ジョブの実行タイミングを制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0023】
上記発明では、たとえば、重要度の高いスケジュールは第1スケジュール管理部に登録して管理し、重要度の低いスケジュールは第2スケジュール管理部に登録して管理するなどのように、複数種類のスケジュール管理部を使用し、管理対象のスケジュールを重要度で分けて対応するスケジュール管理部に登録し個別に管理する。そしてこれらのスケジュール管理部の中から、印刷ジョブに含まれている情報に基づいてその印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理部の種類(たとえば、第1=重要度・高/第2=重要度・低など)に基づいて印刷ジョブの実行タイミングを制御する。
【0024】
これにより、予め登録されている関連するスケジュールの重要度に応じて印刷ジョブの実行タイミングを制御できるようになる。また、たとえば1つのスケジュール管理部を用いる場合は、個々のスケジュールの重要度を判別可能とするために、スケジュールの登録時に重要度を示す情報をスケジュールに対応付けて付加するなどしなければならなくなるが、上述したように、複数種類のスケジュール管理部を使用し、管理対象のスケジュールを重要度で分けて対応するスケジュール管理部に登録し個別に管理する構成であれば、スケジュールが属するスケジュール管理部の種類を確認するだけでそのスケジュールの重要度を簡単に把握することができる。
【0025】
[6]共有スケジュールを管理するための共有スケジュール管理装置と、
個人スケジュールを管理するための個人スケジュール管理装置と、
前記共有スケジュール管理装置および前記個人スケジュール管理装置と通信可能に接続された画像形成装置と、
を有し、
前記画像形成装置は、
印刷ジョブが入力される入力部と、
前記入力部から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する画像形成部と、
前記共有スケジュール管理部と前記個人スケジュール管理部とにアクセスして、前記印刷ジョブに含まれている情報に基づいて当該印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理装置の種類に基づいて当該印刷ジョブの実行タイミングを制御する制御部と、
を備える
ことを特徴とする画像形成システム。
【0026】
[7]重要度の異なるスケジュールをその重要度に応じて個別に管理するための複数種類のスケジュール管理装置と、
前記複数種類のスケジュール管理装置と通信可能に接続された画像形成装置と、
を有し、
前記画像形成装置は、
印刷ジョブが入力される入力部と、
前記入力部から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する画像形成部と、
前記複数種類のスケジュール管理部にアクセスして、前記印刷ジョブに含まれている情報に基づいて当該印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理部の種類に基づいて当該印刷ジョブの実行タイミングを制御する制御部と、
を備える
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の効果】
【0027】
本発明の画像形成装置および画像形成システムによれば、予め登録されている関連するスケジュールの重要度に応じて印刷ジョブの実行タイミングを制御できるようになる。したがって、印刷ジョブの実行依頼が集中したような場合に、各印刷ジョブの実行タイミングを各々が関連するスケジュールの重要度に応じて決定するなどが可能となる。また、新たに入力された印刷ジョブを先行の印刷ジョブの実行後に実行すると関連するスケジュールに間に合わない場合に、重要度が低いスケジュールに関連する印刷ジョブよりも重要度が高いスケジュールに関連する印刷ジョブを優先しつつ、印刷待ちの全ての印刷ジョブを各々のスケジュールに間に合わせるなどが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム5のシステム構成例を示している。画像形成システム5は、オフィスなどで使用されるシステムであり、複合機(MFP;Multi Function Peripheral/Multi Function Printer)10と、任意台数のクライアント端末11と、マスタースケジュール管理サーバ12と、個人スケジュール管理サーバ13とをLAN(Local Area Network)などのネットワーク2に接続して構成される。
【0030】
複合機10は、原稿のコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能などを備えた装置(画像形成装置)である。また、ネットワーク2を通じてマスタースケジュール管理サーバ12および個人スケジュール管理サーバ13にアクセスし、それらのスケジュール管理サーバに予め登録されているスケジュールを参照して印刷ジョブ(プリントジョブ)の実行タイミングを制御する機能を備えている。
【0031】
クライアント端末11は、複合機10に対してネットワーク2を通じてアクセスし、印刷ジョブなど各種作業の依頼や操作の依頼などを行う装置であり、たとえば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)に複合機10のドライバプログラムなどを組み込んで構成される。また、クライアント端末11を使用するユーザの識別情報(ユーザ識別情報)を印刷ジョブに付加して複合機10に送信する機能や、ネットワーク2を通じてマスタースケジュール管理サーバ12および個人スケジュール管理サーバ13にアクセスし、スケジュール(イベント)の登録、変更、削除、表示(閲覧)などを行う機能を備えている。
【0032】
マスタースケジュール管理サーバ12は、共用スケジュール(マスタースケジュール)の管理サービスを提供する機能を備えたスケジュール管理サーバ(共用スケジュール管理部)として構成されている。共用スケジュールは、本実施の形態では部門レベルのスケジュールであり、たとえば、部門全体にかかわるスケジュール、部門の役職者など重要メンバーにかかわるスケジュール、部門のプロジェクトのスケジュールなどである。マスタースケジュール管理サーバ12には、共用スケジュールを管理する機能を備えたソフトウェアであるマスタースケジューラ14(共用スケジューラ)が格納されている。
【0033】
マスタースケジューラ14に対する共用スケジュールの登録、変更、削除は、権限を与えられた管理者がクライアント端末11または図示しない管理者端末などを通じてマスタースケジューラ14にアクセスして行う。また、共用スケジュールの登録や変更では、スケジュールの件名、日付、開始時刻、終了時刻、場所などの各種の情報の入力もしくは入力に相当する選択や設定などを行う。さらに、イベントの内容や関係者(会議の出席者など)、備考などを入力できるようにしてもよい。
【0034】
対象部門の所属員は、各自のクライアント端末11を通じてマスタースケジューラ14にアクセスすることにより、自分の所属する部門の共用スケジュールを閲覧することができる。
【0035】
個人スケジュール管理サーバ13は、上記部門における所属員毎(ユーザ毎)の個人スケジュールの管理サービスを提供する機能を備えたスケジュール管理サーバ(個人スケジュール管理部)として構成されている。個人スケジュール管理サーバ13には、ユーザ別に個人スケジュールを管理する機能を備えたソフトウェアである個人スケジューラ15が格納されている。
【0036】
上記部門の所属員は、各自のクライアント端末11を通じて個人スケジューラ15における自分に割り当てられた専用のスケジューラにアクセスすることにより、自分の個人スケジュールを登録、変更、削除したり、閲覧したりすることができる。このユーザ毎に割り当てられた専用のスケジューラには、使用するユーザの識別情報(ユーザ識別情報)が対応付けられて登録されている。また、個人スケジュールの登録や変更では、共用スケジュールと同様に、スケジュールの件名、日付、開始時刻、終了時刻、場所などの各種の情報の入力もしくは入力に相当する選択や設定などを行う。さらに、イベントの内容や関係者(会議の出席者など)、備考などを入力できるようにしてもよい。
【0037】
なお、スケジュール管理を以下の2つの例で行う場合は、共用スケジュールと個人スケジュールとは以下のように分類してもよい。
【0038】
(1)参加者によるスケジュール管理
スケジュールを登録するときに参加者(出席者)を指定できるスケジューラサービス(オンラインでスケジュール管理を行うことができるサービス)の場合は、スケジュールの登録時に参加者によってマスタースケジューラ14または個人スケジューラ15への分類登録が行われる。たとえば、課長以上の役職者が参加するイベントのスケジュールはマスタースケジューラ14に登録され、それ以外のイベントのスケジュールは個人スケジューラ15に登録される。
【0039】
(2)参加人数によるスケジュール管理
スケジュールを登録するときに参加人数(出席人数)を登録できるスケジューラサービスの場合は、スケジュールの登録時に参加人数によってマスタースケジューラ14または個人スケジューラ15への分類登録が行われる。たとえば、参加人数が5人以上のイベントのスケジュールはマスタースケジューラ14に登録され、参加人数が4人以下のイベントのスケジュールは個人スケジューラ15に登録される。
【0040】
図2は、複合機10の概略構成を示している。複合機10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)21に、バス22を介してROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、不揮発メモリ25と、ハードディスク装置(Hard Disk Drive;HDD)26と、操作部27と、表示部28と、ファクシミリ通信部29と、ネットワーク通信部30と、原稿送り装置制御部31と、スキャナ部32と、画像処理部33と、プリンタ部34とを接続して構成される。
【0041】
CPU21は、ROM23に格納されているプログラムに基づいて複合機10の動作を制御する。RAM24はCPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用されるほか、画像データを一時的に保存するための画像メモリなどにも使用される。
【0042】
不揮発メモリ25は、電源がオフされても記憶が保持されるメモリであり、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置26は、各種の保存データなどを格納するほか、原稿のスキャンやコピーにおける画像データ、クライアント端末11から依頼された印刷における画像データ(印刷データ)なども保存する。
【0043】
操作部27は、各種のボタン類などで構成され、ユーザなどが複合機10に対して行う各種の操作を受け付ける機能を果たす。表示部28は、液晶ディスプレイなどで構成され、各種の画面を表示する機能を果たす。
【0044】
ファクシミリ通信部29は、ファクシミリ機能を備えた外部装置と公衆回線を通じて通信する機能を果たす。ネットワーク通信部30は、クライアント端末11、マスタースケジュール管理サーバ12、個人スケジュール管理サーバ13などの外部装置とネットワーク2を通じて通信すると共に、クライアント端末11から送られた印刷ジョブが入力される入力部としての機能を果たす。
【0045】
原稿送り装置制御部31は、図示しない自動原稿送り装置(Auto Document Feeder;ADF)の動作を制御する機能を果たす。自動原稿送り装置は、スキャナ部32による読取位置に原稿を自動で送り込む機能を備えている。たとえば、原稿が積載される原稿トレイと、原稿トレイに積載された原稿をスキャナ部32の読取位置に案内し排出するための搬送通路と、原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ搬送通路に送り込み、スキャナ部32の読取位置を通過させて搬送通路から排出する複数の搬送ローラと、スキャナ部32による読み取りの済んだ原稿が搬送通路から排出される排出トレイなどで構成される。
【0046】
スキャナ部32は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。たとえば、原稿に光を照射する光源と、原稿からの反射光を受光して原稿を幅方向に1ライン分読み取るイメージセンサと、原稿からの反射光をイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路などで構成される。
【0047】
画像処理部33は画像データに対して、画像補正、回転、拡大/縮小、圧縮(圧縮暗号化)/伸張(伸張復号化)など各種の画像処理を施す機能を果たす。また、クライアント端末11から依頼された印刷における印刷データ(ベクタ形式のイメージデータ)に対してラスタライズ処理を施す機能を果たす。
【0048】
プリンタ部34は、入力された画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する機能を果たす。たとえば、用紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置などを備え、電子写真プロセスによって用紙上に画像を形成するレーザープリンタなどとして構成される。
【0049】
CPU21はプログラムを実行することで、ネットワーク通信部30から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像をプリンタ部34により用紙に形成して出力する機能を果たす。
【0050】
また、先行の印刷ジョブが存在する(ジョブキューに登録されている)場合は、今回入力された最新の印刷ジョブが関連するスケジュールを特定するスケジュール特定部35としての機能を果たす。スケジュール特定部35は、マスタースケジュール管理サーバ12にアクセスしてマスタースケジューラ14から登録されている全ての共有スケジュールの情報(件名、日付、開始時刻など)を取得する機能と、個人スケジュール管理サーバ13にアクセスして個人スケジューラ15の中から最新の印刷ジョブに付加されているユーザ識別情報に基づいてそのユーザに対応するスケジューラを識別しそのスケジューラから登録されている全ての個人スケジュールの情報(件名、日付、開始時刻など)を取得する機能と、取得した全てのスケジュールの中から最新の印刷ジョブに含まれている情報(ファイル名など)に基づいて最新の印刷ジョブが関連するスケジュールを特定する機能とを果たす。
【0051】
印刷ジョブが関連するスケジュールの特定は、上記のスケジュールの情報を印刷ジョブの情報と比較することで行う。たとえば、スケジュールの件名および日付を印刷ジョブのファイル名と比較し、件名および日付がファイル名に含まれている場合に、そのスケジュールが上記最新の印刷ジョブの関連するスケジュールであると特定する。なお、日付については、同じ日付でも「20080109」や「2008年1月9日」(または西暦を省略した「1月9日」)など複数の表記形式が存在するため、表記形式にかかわらず日付が同一であるか否かを判断するようにすることが好ましい。
【0052】
また、CPU21はプログラムを実行することで、特定したスケジュールの情報に、取得先のスケジューラ(スケジュール管理サーバ)を示すスケジューラ情報(スケジューラ名など)と、最新の印刷ジョブの識別情報(ジョブ識別情報)とを関連付けてRAM24などに格納し、これらの情報をその印刷ジョブの実行後に削除する機能を果たす。
【0053】
また、最新の印刷ジョブを先行の印刷ジョブの実行後に実行すると関連するスケジュールに間に合わない場合は、上記格納した情報(スケジュールの情報、スケジューラ情報、ジョブ識別情報)を読み出し、その情報に基づいて、スケジュールに間に合わない印刷ジョブがないように、先行および最新を含む印刷待ちの全ての印刷ジョブの実行タイミングを、個人スケジューラ15に属するスケジュールに関連する印刷ジョブよりもマスタースケジューラ14に属するスケジュールに関連する印刷ジョブを優先させる条件下で調整する機能を果たす。
【0054】
また、CPU21はプログラムを実行することで、先行の印刷ジョブの間などに最新の印刷ジョブを割り込ませるジョブ割り込み(ジョブキューへの最新の印刷ジョブの挿入)や、先行と最新を含む全ての印刷ジョブにおけるジョブ実行順序の変更(ジョブキューにおける印刷ジョブの並び順変更)を行う割り込み判定部36としての機能と、印刷ジョブが関連するスケジュールに間に合うか否か(スケジュールの開始時刻前に印刷ジョブが実行完了するか否か)の判断に用いる印刷ジョブの所要時間を予測するジョブ所要時間予測部37としての機能とを果たす。
【0055】
次に、複合機10の動作について説明する。
【0056】
図3および図4は、複合機10による印刷ジョブの実行制御の処理の流れを示している。詳細には、図3は印刷ジョブの実行制御におけるメイン処理の流れを示し、図4はそのメイン処理におけるジョブ実行タイミング制御のサブ処理(サブルーチン)の流れを示している。
【0057】
複合機10では、CPU21が本処理を開始し(Start)、クライアント端末11から送信された印刷ジョブをネットワーク通信部30で受信すると(ステップS101)、先行の印刷ジョブがあるか(ジョブキューに登録されているか)を確認する(ステップS102)。先行の印刷ジョブがない場合は(ステップS102;No)、今回受信した印刷ジョブに基づく印刷処理を開始し(ステップS103)、本処理を終了する(End)。
【0058】
先行の印刷ジョブがある場合は(ステップS102;Yes)、CPU21のスケジュール特定部35は、今回受信した印刷ジョブの情報からマスタースケジューラ14を参照し、関連するスケジュールを検索する(ステップS104)。詳細には、マスタースケジュール管理サーバ12にアクセスしてマスタースケジューラ14から登録されている全ての共有スケジュールの情報(件名、日付、開始時刻など)を取得し、それらの共有スケジュールの情報(件名および日付など)を今回受信した印刷ジョブの情報(ファイル名など)と比較することにより、関連するスケジュールを検索する。
【0059】
共有スケジュールの中から関連するスケジュールが見つかった場合は(ステップS105;Yes)、そのスケジュールの情報に、取得先のマスタースケジューラ14(マスタースケジュール管理サーバ12)を示すスケジューラ名などのスケジューラ情報と、今回受信した印刷ジョブの識別情報(ジョブ識別情報)とを関連付けてRAM24などに保存し(ステップS109)、ジョブ実行タイミング制御をサブルーチンで行い(ステップS110/詳細は図4参照)、本処理を終了する(End)。
【0060】
図4に示すジョブ実行タイミング制御では、新たな印刷ジョブをジョブキューの最後に追加してもスケジュールに間に合うときはその新たな印刷ジョブをジョブキューの最後に追加する。一方、スケジュールに間に合わないときは、印刷待ちの全ての印刷ジョブを対象に、スケジュールに間に合わない印刷ジョブがないように、それらの実行タイミングを、個人スケジューラ15に属するスケジュールに関連する印刷ジョブよりもマスタースケジューラ14に属するスケジュールに関連する印刷ジョブを優先させる条件下で調整する。詳細は後述する。
【0061】
共有スケジュールの中から関連するスケジュールが見つからなかった場合は(ステップS105;No)、CPU21のスケジュール特定部35は、今回受信した印刷ジョブの情報から個人スケジューラ15を参照し、関連するスケジュールを検索する(ステップS106)。詳細には、個人スケジュール管理サーバ13にアクセスして個人スケジューラ15の中から、今回受信した印刷ジョブに付加されているユーザ識別情報に基づいてそのユーザに対応するスケジューラを識別しそのスケジューラから登録されている全ての個人スケジュールの情報(件名、日付、開始時刻など)を取得すると共に、それらの個人スケジュールの情報(件名および日付など)を今回受信した印刷ジョブの情報(ファイル名など)と比較することにより、関連するスケジュールを検索する。
【0062】
個人スケジュールの中から関連するスケジュールが見つかった場合は(ステップS107;Yes)、そのスケジュールの情報に、取得先の個人スケジューラ15(個人スケジュール管理サーバ13)を示すスケジューラ名などのスケジューラ情報と、今回受信した印刷ジョブの識別情報(ジョブ識別情報)とを関連付けてRAM24などに保存し(ステップS109)、ジョブ実行タイミング制御をサブルーチンで行い(ステップS110/詳細は図4参照)、本処理を終了する(End)。
【0063】
また、個人スケジュールの中からスケジュールが見つからなかった場合は(ステップS107;No)、CPU21は、ジョブキューの最後に今回受信した印刷ジョブを追加し、本処理を終了する(End)。
【0064】
図4に示すように、ジョブ実行タイミング制御では、CPU21は、RAM24などに保存されている先行の印刷ジョブの情報およびスケジュールの情報を読み出し(ステップS111)、先行の印刷ジョブの実行後に、今回受信した印刷ジョブを実行しても、この印刷ジョブが関連するスケジュールに間に合うか否かを判断する(ステップS112)。
【0065】
ここで、CPU21のジョブ所要時間予測部37は、先行の印刷ジョブの所要時間と今回受信した印刷ジョブの所要時間とを、各印刷ジョブに含まれている情報(印刷枚数、用紙サイズ、片面/両面、モノクロ/カラー、解像度などの印刷処理条件の情報)と複合機10の印刷処理能力に基づいて予測する。そしてCPU21は、予測した各所要時間を加算した時間が、現在の時刻から対象となるスケジュールの開始時刻までの時間以下である場合は、今回受信した印刷ジョブがその対象となるスケジュールに間に合うと判断し、超過する場合は、今回受信した印刷ジョブがその対象となるスケジュールに間に合わないと判断する。
【0066】
間に合うと判断した場合は(ステップS112;Yes)、CPU21の割り込み判定部36は、今回受信した印刷ジョブの実行タイミングを「最後」と決定してジョブキューの最後にその印刷ジョブを追加し(ステップS113)、メイン処理に戻る(Return)。
【0067】
間に合わないと判断した場合は(ステップS112;No)、CPU21は、全ての印刷ジョブについて、各々が関連するスケジュールの開始時刻に間に合う実行順があるかを確認する(ステップS114)。
【0068】
上記の実行順が見つかった場合は(ステップS114;Yes)、CPU21の割り込み判定部36は、その実行順に全ての印刷ジョブが並ぶように、ジョブキューに登録されている先行の印刷ジョブの並べ替えと、今回受信した印刷ジョブのジョブキューへの挿入とを行い(ステップS115)、メイン処理に戻る(Return)。
【0069】
上記の実行順が見つからなかった場合は(ステップS114;No)、CPU21の割り込み判定部36は、今回受信した印刷ジョブの関連するスケジュールがマスタースケジューラ14に所属するか個人スケジューラ15に所属するかを確認する(ステップS116)。
【0070】
なお、関連するスケジュールがマスタースケジューラ14に属する印刷待ちの印刷ジョブをマスターグループのジョブと呼び、関連するスケジュールが個人スケジューラ15に属する印刷待ちの印刷ジョブを個人グループのジョブと呼ぶものとする。
【0071】
今回受信した印刷ジョブの関連するスケジュールがマスタースケジューラ14に所属する場合は(ステップS116;マスター)、その印刷ジョブを含めてマスターグループの全印刷ジョブが各々の関連するスケジュールの開始時刻に間に合う実行順があるかを確認する(ステップS117)。この実行順では、個人グループの印刷ジョブについては、関連するスケジュールの開始時刻に間に合わないものが生じることは許容される。
【0072】
上記の実行順が見つかった場合は(ステップS117;Yes)、CPU21の割り込み判定部36は、その実行順に印刷待ちの全ての印刷ジョブが並ぶように、ジョブキューに登録されている先行の印刷ジョブの並べ替えと、今回受信した印刷ジョブのジョブキューへの挿入とを行い(ステップS115)、メイン処理に戻る(Return)。
【0073】
上記の実行順が見つからなかった場合は(ステップS117;No)、CPU21の割り込み判定部36は、今回受信した印刷ジョブを含めたマスターグループの印刷ジョブの中でスケジュールに間に合わなくなるジョブ数が最小となるように(あるいは遅れ時間が最小となるように)、ジョブキューに登録されている先行の印刷ジョブの並べ替えと、今回受信した印刷ジョブのジョブキューへの挿入とを行い(ステップS118)、メイン処理に戻る(Return)。なお、ステップS118では、今回受信した印刷ジョブを、その印刷ジョブを除くマスターグループの印刷ジョブの中の最後のものの次に挿入するようにしてもよい。
【0074】
また、今回受信した印刷ジョブの関連するスケジュールが個人スケジューラ15に所属する場合は(ステップS116;個人)、マスターグループの印刷ジョブの実行順を各々のスケジュールに間に合うように優先しつつ、今回受信した印刷ジョブを含めた個人グループの印刷ジョブの中でスケジュールに間に合わなくなるジョブ数が最小となるように(あるいは遅れ時間が最小となるように)、ジョブキューに登録されている先行の印刷ジョブの並べ替えと、今回受信した印刷ジョブのジョブキューへの挿入とを行い(ステップS119)、メイン処理に戻る(Return)。
【0075】
なお、ステップS119では、今回受信した印刷ジョブをジョブキューの最後に追加するようにしてもよい。もしくは、今回受信した印刷ジョブの挿入により、マスターグループの印刷ジョブが間に合わなくなることがなければ、今回受信した印刷ジョブをその印刷ジョブを除く個人グループの印刷ジョブの中の最後のものの次に挿入するようにしてもよい。
【0076】
このように、本実施の形態では、共用スケジュールはマスタースケジューラ14(マスタースケジュール管理サーバ12)に登録して管理し、個人スケジュールは個人スケジューラ15(個人スケジュール管理サーバ13)に登録して管理するというように、管理対象のスケジュールを共用と個人用に分けて対応するスケジューラ(スケジュール管理サーバ)に登録し個別に管理する。これにより、マスタースケジューラ14には個人スケジューラ15よりも重要度の高いスケジュールが属することになる。そして複合機10は、これらのスケジューラの中から、印刷ジョブに含まれている情報に基づいてその印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジューラ(スケジュール管理サーバ)の種類(共用/個人)に基づいて印刷ジョブの実行タイミングを制御する。
【0077】
これにより、予め登録されている関連するスケジュールの重要度に応じて印刷ジョブの実行タイミングを制御できるようになる。また、たとえば1つのスケジューラ(スケジュール管理サーバ)を用いる場合は、個々のスケジュールの重要度を判別可能とするために、スケジュールの登録時に重要度を見極めてその重要度を示す情報をスケジュールに対応付けて付加するなどしなければならなくなるが、上述したように、管理対象のスケジュールを共用と個人用に分けて対応するスケジューラに登録し個別に管理する構成であれば、スケジュールが属するスケジューラ(スケジュール管理サーバ)の種類を確認するだけでそのスケジュールの重要度を簡単に把握することができる。
【0078】
また本実施の形態では、新たに入力された印刷ジョブを先行の印刷ジョブの実行後に実行すると、その最新の印刷ジョブが関連するスケジュールに間に合わなくなる場合は、スケジュールに間に合わない印刷ジョブがないように、印刷待ちの全ての印刷ジョブの実行タイミングを、個人スケジューラ15に属するスケジュールに関連する印刷ジョブよりもマスタースケジューラ14に属するスケジュールに関連する印刷ジョブを優先させる条件下で調整する。これにより、印刷待ちの全ての印刷ジョブを各々のスケジュールに間に合わせることも可能となる。また、上記の調整を行ってもスケジュールに間に合わない印刷ジョブが発生する場合でも、重要度が低いと判断できる、個人スケジューラ15に属するスケジュールに関連する印刷ジョブよりも、重要度が高いと判断できる、マスタースケジューラ14に属するスケジュールに関連する印刷ジョブがそのスケジュールに間に合うよう優先的に実行されるようになる。
【0079】
また本実施の形態では、関連するスケジュールに間に合わない印刷ジョブが発生した場合の調整が、先行と最新を含む全ての印刷ジョブにおける各印刷ジョブの所要時間と各印刷ジョブに関連するスケジュールの開始時刻とに基づいて行われる。これにより、全ての印刷ジョブに対して実行タイミングを適切にするような制御を行うことができる。
【0080】
また本実施の形態では、印刷ジョブの実行タイミングの制御を行う上で、ジョブ割り込みやジョブ実行順序の変更を行うことにより、柔軟な制御が可能となって実行タイミングの最適化が図りやすくなる。
【0081】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0082】
たとえば、実施の形態におけるスケジュール管理サービスは、スケジュール管理サーバを用いて提供するようにしているが、複合機10内にマスタースケジューラ14と個人スケジューラ15を格納して、複合機10が提供するような構成でもよい。また個人スケジューラ15は、各ユーザのクライアント端末11内に格納されている構成としてもよい。その場合には、複合機10はクライアント端末11にアクセスして端末内の個人スケジューラ15から個人スケジュールの情報を取得するように動作する構成とすればよい。
【0083】
また、図3のフローチャートでは、マスタースケジューラ14から先に検索を行うようにしているが、個人スケジューラ15から先に検索を行うようにしてもよい。
【0084】
また、実施の形態では、管理対象のスケジュールを共用と個人用に分けて対応するスケジューラに登録し個別に管理する構成を例に説明したが、このような共用/個人用のスケジュール管理に限らず、スケジュールの重要度に応じて分類し対応するスケジューラに登録して個別に管理する構成としてもよい。
【0085】
また、複合機10におけるプリンタ部34は、レーザ光に代えてLED(Light Emitting Diode)で感光体ドラムを走査露光するLEDプリンタなどの他の方式のプリンタとしてもよい。
【0086】
また本発明は、実施の形態で説明した複合機に限らず、プリンタ機やプリンタ機能を備えた複写機などの他の画像形成装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置としての複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る複合機による印刷ジョブの実行制御におけるメイン処理を示す流れ図である。
【図4】図3のメイン処理におけるジョブ実行タイミング制御のサブルーチンを示す流れ図である。
【符号の説明】
【0088】
2…ネットワーク
5…画像形成システム
10…複合機(MFP)
11…クライアント端末(PC)
12…マスタースケジュール管理サーバ
13…個人スケジュール管理サーバ
14…マスタースケジューラ
15…個人スケジューラ
21…CPU
22…バス
23…ROM
24…RAM
25…不揮発メモリ
26…ハードディスク装置(HDD)
27…操作部
28…表示部
29…ファクシミリ通信部
30…ネットワーク通信部
31…原稿送り装置制御部
32…スキャナ部
33…画像処理部
34…プリンタ部
35…スケジュール特定部
36…割り込み判定部
37…ジョブ所要時間予測部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブが入力される入力部と、
前記入力部から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する画像形成部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、共用スケジュールを管理するための共用スケジュール管理部と、個人スケジュールを管理するための個人スケジュール管理部とにアクセスして、前記印刷ジョブに含まれている情報に基づいて当該印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理部の種類に基づいて当該印刷ジョブの実行タイミングを制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、新たに入力された前記印刷ジョブを先行の印刷ジョブの実行後に実行すると前記関連するスケジュールに間に合わない場合は、スケジュールに間に合わない印刷ジョブがないように、印刷待ちの全ての印刷ジョブの実行タイミングを、前記個人スケジュール管理部に属するスケジュールに関連する印刷ジョブよりも前記共用スケジュール管理部に属するスケジュールに関連する印刷ジョブを優先させる条件下で調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記調整を、前記全ての印刷ジョブにおける各印刷ジョブの所要時間と各印刷ジョブに関連するスケジュールの開始時刻とに基づいて行う
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記実行タイミングの制御には、ジョブ割り込みとジョブ実行順序の変更との少なくとも一方が含まれる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
印刷ジョブが入力される入力部と、
前記入力部から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する画像形成部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、重要度の異なるスケジュールをその重要度に応じて個別に管理するための複数種類のスケジュール管理部にアクセスして、前記印刷ジョブに含まれている情報に基づいて当該印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理部の種類に基づいて当該印刷ジョブの実行タイミングを制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
共有スケジュールを管理するための共有スケジュール管理装置と、
個人スケジュールを管理するための個人スケジュール管理装置と、
前記共有スケジュール管理装置および前記個人スケジュール管理装置と通信可能に接続された画像形成装置と、
を有し、
前記画像形成装置は、
印刷ジョブが入力される入力部と、
前記入力部から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する画像形成部と、
前記共有スケジュール管理部と前記個人スケジュール管理部とにアクセスして、前記印刷ジョブに含まれている情報に基づいて当該印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理装置の種類に基づいて当該印刷ジョブの実行タイミングを制御する制御部と、
を備える
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
重要度の異なるスケジュールをその重要度に応じて個別に管理するための複数種類のスケジュール管理装置と、
前記複数種類のスケジュール管理装置と通信可能に接続された画像形成装置と、
を有し、
前記画像形成装置は、
印刷ジョブが入力される入力部と、
前記入力部から入力された印刷ジョブの画像データに対応する画像を用紙に形成して出力する画像形成部と、
前記複数種類のスケジュール管理部にアクセスして、前記印刷ジョブに含まれている情報に基づいて当該印刷ジョブが関連するスケジュールを特定し、そのスケジュールが属するスケジュール管理部の種類に基づいて当該印刷ジョブの実行タイミングを制御する制御部と、
を備える
ことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−42522(P2010−42522A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206058(P2008−206058)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】