説明

画像形成装置のクリーニング装置

【課題】 感光体を清掃するクリーニング装置のクリーニングブレードのめくれ変形を防止し、長期間にわたってクリーニング性能が維持できるクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成装置において、トナー像が形成される中間転写ベルト27は、図示しない駆動ローラとクリーナ対向ローラ26との間に架設され、トナー像を記録媒体に転写後、中間転写ベルト上の転写残トナーはクリーニングブレード28aで除去される。クリーニングブレード28aの幅方向両端部の厚さは幅方向両端部以外の厚さよりも厚く設定される。この構成により、クリーニングブレード28aの幅方向両端部が感光体の移動方向に引き込まれることがなくなり、ブレード先端のめくれ変形を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やその複合機などの画像形成装置に関し、特に感光体上にトナー像を記録媒体に転写した後に感光体上に残留した転写残トナーを清掃するクリーニング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体上に形成された画像潜像をトナーで現像し、感光体上に形成されたトナー像を一旦中間転写体に転写した後、記録媒体に転写し、或いは直接記録媒体に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着処理して画像を形成する工程をとる。
【0003】
上記した従来の画像形成装置では、感光体の上、或いは中間転写体の上に形成されたトナー像を記録媒体などに転写した後には転写されなかったトナーが残留するが、次回の画像形成に支障をきたすので、感光体、或いは中間転写体の表面はクリーニング装置により清掃され、残留した転写残トナーが取り除かれる。
【0004】
クリーニング装置としてはクリーニングブレードを使用するブレードクリーニング方式が広く採用されている。
【0005】
図10は、ブレードクリーニング方式のクリーニング装置の構成の一例を説明する図で、感光体101(中間転写体でも同じ、ここでは感光体で説明する)に隣接してクリーニング装置102が配置され、感光体101の回転方向である矢印a方向に逆らう方向にクリーニングブレード103の先端が感光体101の表面に圧接されており、残留トナーを機械的な力で除去するように構成されている。この構成ではクリーニングブレード103が感光体101の全幅にわたって均一な力で圧接させるようにイコライザその他の手段が採用されている。なお、クリーニングブレード103の材料はポリウレタンゴムなどが使用される。
【0006】
以上説明したクリーニング装置のクリーニングブレードは、感光体や中間転写ベルトに圧接されて接触面に摩擦力が作用し、また、高温度/高湿度環境で動作するなど過酷な環境に置かれるから、クリーニングブレード先端の幅方向両端部にめくれ変形が発生しやすい。
【0007】
このため、クリーニングブレード先端の幅方向両端部の接触圧を中央部よりも下げるなどの対策が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
また、クリーニングブレード先端の左右両端部を厚くして変形量を小さくし、両端部のめくれ変形を防止するもの(特許文献2参照)、クリーニングブレード先端を幅方向両端部で腰を弱くするようにして両端部のめくれ変形を防止するもの(特許文献3参照)などが提案されている。
【0009】
この他、クリーニングブレードの実質的に画像形成領域の外に位置する先端の幅方向両端部を熱処理して摩擦係数を下げるように面取りを施したもの(特許文献4参照)なども提案されている。
【0010】
図11は、クリーニングブレードのめくれ変形を説明する図で、クリーニングブレードが新品のときは、図11(a)に示すようにクリーニングブレード103の先端は幅方向両端部も中央部も感光体に接触しているが、使用期間が長くなると、図11(b)に示すようにクリーニングブレードと感光体との間に作用する摩擦力により、クリーニングブレード先端部の幅方向両端部が、感光体の回転方向である矢印a方向に引き込まれて変形する現象をいう。そして、めくれ変形の発生は、感光体に対するクリーニングブレードが接触するときの接触角θに影響されることが分かっている。
【特許文献1】特開2001−142307号公報。
【特許文献2】特開平08−320639号公報。
【特許文献3】特開平07−311526号公報。
【特許文献4】特開平11−095631号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記したように、クリーニングブレードは、高温度/高湿度環境で動作するなど過酷な環境で使用されるのでクリーニングブレード両端部にめくれ変形が発生しやすいが、この対処として感光体や中間転写ベルトに対するクリーニングブレードの圧接力を低減させると、ブレード先端部の幅方向両端部の圧接角はブレード材の反発力とのバランスにより通常の圧接力で接触している中央部分の接触角よりも大きくなり、結果としてブレードの先端の幅方向両端部が感光体の移動方向に引き込まれ、ブレードのめくれ変形の発生のきっかけとなる部分が発生する。この状態で高温度/高湿度環境での画像形成動作が継続されると、次第に前記きっかけ部分がブレード先端の全幅にまで成長してブレード先端にめくれ変形が発生してしまう。
【0012】
クリーニングブレード先端部にめくれ変形が発生したまま画像形成動作を継続すると、クリーニング装置のクリーニング性能が著しく低下し、転写された記録媒体の裏面に汚れが発生したり、また、感光体や中間転写ベルトとクリーニングブレードとの間の摩擦力が増大して著しい騒音が発生したり、感光体や中間転写ベルトを駆動する駆動系の破損に繋がるという不都合が発生する。
【0013】
この発明は、上記課題を解決し、クリーニングブレード先端部のめくれ変形の発生を防止し、長期間にわたってクリーニング性能が維持できる画像形成装置のクリーニング装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、像担持体に圧接して像担持体上の転写残トナーを清掃するクリーニングブレードを備えた画像形成装置のクリーニング装置であって、前記クリーニングブレードを保持する保持部材を有し、前記保持部材の厚さは、保持するブレード幅方向両端部の厚さが幅方向両端部以外の厚さよりも厚く設定されていることを特徴とする画像形成装置のクリーニング装置である。
【0015】
そして、前記像担持体は、複数の搬送ローラの上に架設された無端状の像担持体であり、前記クリーニングブレードは前記保持部材に保持されて像担持体が架設された搬送ローラに対向する位置に配置することができる。
【0016】
請求項3の発明は、像担持体に圧接して像担持体上の転写残トナーを清掃するクリーニングブレードを備えた画像形成装置のクリーニング装置であって、前記像担持体は、複数の搬送ローラの上に架設された無端状の像担持体で、当該像担持体の厚みは幅方向両端部の厚さが幅方向両端部以外の厚さよりも厚く設定されており、前記クリーニングブレードは前記像担持体が架設された搬送ローラに対向する位置に配置されることを特徴とする画像形成装置のクリーニング装置である。
【発明の効果】
【0017】
以上詳細に説明したとおり、この発明の画像形成装置のクリーニング装置では、クリーニングブレードは像担持体が架設された搬送ローラに対向する位置に配置され、クリーニングブレードの幅方向両端部の厚さは幅方向両端部以外の厚さよりも厚く設定されるものである。
【0018】
この構成により、ブレードの先端の幅方向の両端部が感光体の移動方向に引き込まれることがなくなり、ブレード先端にめくれ変形の発生を防止し、長期間にわたってクリーニング性能が維持できる画像形成装置のクリーニング装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態について説明する。まず、この発明の実施の形態の画像形成装置の全体構成を説明する。
【0020】
図1は、この発明を実施するに適したモノクロ画像形成装置10の、感光体とその周囲に配置された画像形成に関連する各種装置の配置の概略を説明する図である。図1において、感光体11の周囲には、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写装置15、クリーニング装置16が配置され、そのクリーニングブレード16aが感光体11の表面に圧接配置されている。
【0021】
以上の構成の動作を簡単に説明する。まず、電源の投入により感光体11が矢印a方向に一定の速度で回転を開始する。画像形成動作が開始され、帯電装置12により感光体11の表面が均一に帯電される。図示しない原稿台上の原稿がスキャナで走査されて出力された画像信号、或いは図示しないパソコンなどから出力された画像信号が露光装置13に入力される。露光装置13はレーザ装置を備え、入力された画像信号で変調されたレーザ光が感光体11に投射されて画像潜像が形成される。
【0022】
感光体11上の画像潜像は、現像装置14に装填されているトナーで現像され、トナー像が形成される。トナー像が転写装置15に到達するタイミングに合わせて図示しない給紙部から記録媒体Pが給紙され、転写装置15において感光体11上のトナー像は記録媒体Pに転写される。この後、記録媒体Pは図示しない定着装置に搬送され、記録媒体P上のトナー像は定着処理され、排出される。
【0023】
感光体11の上には転写されなかったトナーが残留するが、次回の画像形成に支障をきたすので、感光体11の表面はクリーニング装置16のクリーニングブレード16aで清掃され、残留トナーが取り除かれる。
【0024】
図2は、この発明を実施するに適したタンデム方式のフルカラー画像形成装置20の構成の概略を説明する図である。図2において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び黒(K)の各色の画像を形成する作像ユニット21、22、23、24が、駆動ローラ25及びクリーナ対向ローラ26の間に架設された中間転写ベルト27の下に直列に配置され、中間転写ベルト27は、図示しない駆動装置で回転する駆動ローラ25の回転により矢印b方向に一定の速度で移動するように構成されている。
【0025】
各作像ユニット21〜24は、それぞれ感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング装置が配置されているが、その構成は、先に図1により説明した構成と類似した構成であるから、ここでは説明を省略する。なお、各作像ユニット21〜24には転写装置は備えられておらず、これに代えて中間転写ベルト27を挟んで作像ユニット21〜24と反対側に、一次転写ローラ211、212、213、214が配置されている。
【0026】
また、駆動ローラ25と対向する位置には中間転写ベルト27を挟んで二次転写ローラ215が配置され、クリーナ対向ローラ26と対向する位置には中間転写ベルト27を挟んでクリーニング装置28が配置され、そのクリーニングブレード28aは中間転写ベルト27の表面に圧接配置されている。
【0027】
以上の構成の動作を簡単に説明する。電源の投入により中間転写ベルト27が矢印b方向に一定の速度で移動を開始する。画像形成動作が開始され、作像ユニット21〜24には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び黒(K)の各色のトナー像が形成される。まず、イエロー(Y)のトナー像が一次転写ローラ211の作動により中間転写ベルト27上に転写され、その上にマゼンタ(M)のトナー像が一次転写ローラ212の作動により重畳転写され、以下、同様にしてシアン(C)、及び黒(K)の各色のトナー像が重畳転写され、フルカラーのトナー像が形成される。
【0028】
中間転写ベルト27上に形成されたフルカラーのトナー像が二次転写ローラ215の位置に到達するタイミングに合わせて、図示しない給紙部から記録媒体Pが給紙され、二次転写ローラ215により中間転写ベルト27上のフルカラーのトナー像は記録媒体Pに転写される。この後、記録媒体Pは定着装置29に搬送され、記録媒体P上のトナー像は定着処理され、排出される。
【0029】
中間転写ベルト27の上には転写されなかったトナーが残留するが、次回の画像形成に支障をきたすので、中間転写ベルト27の表面はクリーニング装置28のクリーニングブレード28aにより清掃され、残留トナーが取り除かれる。
【0030】
中間転写ベルトは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂にカーボンを分散させ、表面抵抗を1×107 〜1×1012Ω/□に調整したものを使用する。このほか、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂などの樹脂や、シリコンゴム、ウレタンゴムなどの弾性材、またこれらに導電粉体やカーボンを分散させて抵抗値調整を行った材料を用いてもよい。
【0031】
一次転写ローラ、二次転写ローラ、中間転写ベルトは、アルミニウムや鉄などの金属ローラ、或いはアルミニウムなどの金属製芯金の表面を、EPDM、NBR、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの弾性材料に導電粉体やカーボンを分散させて抵抗値を1×1012Ω・cm以下に調整した材料で被覆して構成するが、これに限られるものではない。
【0032】
トナーは粒径7μm以下、好ましくは4.5μm以上6.5μm以下の重合トナーを使用するとよい。
【0033】
クリーニングブレードは、耐オゾン性、耐摩耗性に優れたポリウレタンゴムを使用し、感光体や中間転写ベルトに接触するエッジ部は高精度に仕上げられている。
【0034】
ここで、クリーニングブレードの性能試験について説明する。
【0035】
[試験1] クリーニングブレードのめくれ変形の発生の検証
クリーニングブレードの圧接力、圧接角を変化させながら連続画像形成を行い、ブレードのめくれ変形の発生の有無を試験した。
【0036】
試験1の設定条件
環境温度/湿度:温度30℃、相対湿度85%
ブレード圧接力の範囲:20〜45(N/m2
ブレード圧接角の範囲:0°〜25°
図3は、試験結果を示す図で、○印はめくれ変形なし、×印はめくれ変形発生を示す。線(a)よりも圧接力が高い領域でブレードのめくれ変形が発生しており、圧接力が適正と判断される領域においても、ブレードの圧接角が19°以上でめくれ変形が発生している。クリーニングブレードのめくれ変形は、圧接力が適正と判断される領域(線(a)よりも下側の領域)においては、圧接角に依存することが分かる。
【0037】
しかし、クリーニング装置の清掃機能からみれば、ブレード圧接角が小さければ良いというものではなく、以下説明する試験からも明らかなように、低温環境ではブレード圧接角が小さい領域でクリーニング不良(拭き残し)が発生する。
【0038】
[試験2] クリーニング不良(拭き残し)の発生の検証
クリーニングブレードの圧接力、圧接角を変化させながら連続画像形成を行い、クリーニング不良(拭き残し)の発生の有無を試験した。
【0039】
試験2の設定条件
環境温度/湿度:温度10℃、相対湿度15%
ブレード圧接力の範囲:20〜45(N/m2
ブレード圧接角の範囲:0°〜25°
図4は、試験結果を示す図で、○印はめくれ変形なし、×印はめくれ変形発生を示す。線(b)よりも圧接角が小さい領域、即ち、圧接角14°以下で、クリーニング不良(拭き残し)の発生が認められた。
【0040】
また、クリーニングブレードは圧接状態で放置しておくとクリープを起し、ブレードの倒れ込みが発生してブレード圧接角が最大で約2°低下することが分かっている。このため、クリーニングブレードの圧接角は、初期状態においてクリープによる圧接角の低下分を考慮して約2°高めに設定する必要がある。
【0041】
そこで、クリーニングブレードの圧接角の設定値は、ブレードのめくれ発生領域の圧接角19°よりも低く、クリープを考慮した拭き残し発生領域の圧接角14°よりも高い値に設定しなければならないが、両方の条件を満たす圧接角の設定可能範囲は非常に狭く、また、クリーニングブレードを取り付ける部品の精度、及び取り付け精度のバラツキによる取付角度の誤差±2°を考慮すると、実際にクリーニングブレードを上記条件を満たす圧接角に設定することは殆ど不可能な場合もあることが分かった。
【0042】
これを解消するため、少くとも実際に画像が形成される領域内では、クリーニング性能が十分満足できる比較的大きな圧接角にクリーニングブレードを設定し、且つブレードのめくれ発生のきっかけとなるブレードの幅方向両端部は、めくれが発生しない範囲の小さな圧接角になるように設定する。
【0043】
但し、画像領域外であっても、感光体へのカブリトナー(正規に現像されたものではないトナーで、少量は転写ベルトへも転写される)が存在しており、このカブリトナーを清掃する必要があるため、ブレードの幅方向両端部はカブリトナー程度の少量のトナーの清掃ができる状態を維持する必要がある。具体的には、ブレードエッジが適正に感光体に圧接していない「腹当たり」状態にならない角度に設定する。
【0044】
具体的には、先に説明した試験結果に基づいて、次のように設定する。即ち、実際に画像が形成される領域である感光体や中間転写ベルトに圧接するクリーニングブレードの幅方向中央部の圧接角と両端部の圧接角との差の最大値を、ブレードのめくれ発生領域の圧接角19°と拭き残し発生領域の圧接角14°との差である5°(=19°−14°)に設定するものとし、圧接角との差の最小値は部品のバラツキを考慮して2°とする。
【0045】
以下、先に図2を参照して説明したタンデム方式のフルカラー画像形成装置のクリーニング装置28に本発明を適用した実施例について説明する。
【0046】
[第1実施例]
図5は、クリーニング装置28の第1実施例の構成を説明する図である。第1実施例では、中間転写ベルト27が架設されるクリーナ対向ローラ26の外径を幅方向両端部(図5で実線で示す)を太く、中央部(図5で破線で示す)を細く、鼓形に構成してある。
【0047】
この構成により、中間転写ベルト27に圧接するクリーニングブレード28aの幅方向の両端部(図5で実線で示す部分)の圧接角は中央部分(図5で破線で示す部分)の圧接角よりも小さく設定することができる。なお、符号28bはクリーニングブレード28aを保持する保持部材を示す。
【0048】
この他、クリーナ対向ローラ26の外径を、幅方向両端部、中央部とも同じに設定し、中間転写ベルト27の厚みを幅方向の両端部で厚く中央部で薄く構成しても、クリーニングブレード28aの幅方向両端部の圧接角を中央部分の圧接角よりも小さく設定することができる。
【0049】
クリーナ対向ローラ26の外径を大きくし過ぎるとクリーニングブレードが腹当たり状態になるので、クリーナ対向ローラ26の外径は適切な寸法とし、ブレード先端部が全幅において中間転写ベルトに圧接するようにブレードの厚み設定するものとする。
【0050】
[第2実施例]
図6は、クリーニング装置28の第2実施例の構成を説明する図である。第2実施例では、クリーニングブレード28aの厚みを、幅方向の両端部(図6で破線で示す)で薄く、中央部(図6で実線で示す)で厚く構成してある。この構成により中間転写ベルト27に圧接するクリーニングブレード28aの幅方向の両端部(図6で実線で示す部分)の圧接角を中央部分(図6で破線で示す部分)の圧接角よりも小さく設定することができる。なお、符号28bはクリーニングブレード28aを保持する保持部材を示す。
【0051】
クリーニングブレード28aの厚みを厚くし過ぎるとクリーニングブレードが腹当たり状態になるので、ブレード先端部が全幅において中間転写ベルトに圧接するようにブレードの厚み設定するものとする。
【0052】
[第3実施例]
図7は、クリーニング装置28の第3実施例の構成を説明する図である。第3実施例では、クリーニングブレード28aの変形可能な自由端(保持部材28bで固定されていない部分)の長さを、幅方向の両端部(図7で破線で示す)で短く、中央部(図7で実線で示す)で長く構成してある。この構成により中間転写ベルト27に圧接するクリーニングブレード28aの幅方向の両端部(図7で実線で示す部分)の圧接角を中央部分(図7で破線で示す部分)の圧接角よりも小さく設定することができる。なお、符号28bはクリーニングブレード28aを保持する保持部材を示す。
【0053】
クリーニングブレード28aの長さを長くし過ぎるとクリーニングブレードが腹当たり状態になるので、ブレード先端部が全幅において中間転写ベルトに圧接する長さが維持されるように設定するものとする。
【0054】
[第4実施例]
図8は、クリーニング装置28の第4実施例の構成を説明する図である。第4実施例では、クリーニングブレード28aを保持する保持部材28bのブレード先端に向かうエッジ方向の長さを、幅方向の両端部(図8で実線で示す)で短く、中央部(図8で破線で示す)で長く構成してある。この構成により中間転写ベルト27に圧接するクリーニングブレード28aの幅方向の両端部(図8で実線で示す部分)の圧接角を中央部分(図8で破線で示す部分)の圧接角よりも小さく設定することができる。
【0055】
クリーニングブレード28aを保持する保持部材28bのブレード先端に向かうエッジ方向の長さを長くし過ぎるとクリーニングブレードが腹当たり状態になるので、ブレード先端部が全幅において中間転写ベルトに圧接する長さが維持されるように設定するものとする。
【0056】
[第5実施例]
図9は、クリーニング装置28の第5実施例の構成を説明する図である。第5実施例では、クリーニングブレード28aを保持する保持部材28bの厚みを、幅方向の両端部(図9で実線で示す)で厚く、中央部(図9で破線で示す)で薄く構成してある。この構成により中間転写ベルト27に圧接するクリーニングブレード28aの幅方向の両端部(図9で実線で示す部分)の圧接角を中央部分(図9で破線で示す部分)の圧接角よりも小さく設定することができる。
【0057】
クリーニングブレード28aを保持する保持部材28bの幅方向の両端部の厚みを厚くし過ぎると、クリーニングブレードが腹当たり状態になるので、ブレード先端部が全幅において中間転写ベルトに圧接する長さが維持されるように設定するものとする。
【0058】
以上、この発明の実施の形態の説明では、画像形成装置の中間転写ベルト上の転写残トナーを清掃するクリーニング装置について説明したが、この発明に係るクリーニング装置は、中間転写ベルト上の転写残トナーを清掃するクリーニング装置に限られるものではなく、感光体ドラムその他の形式の感光体上の転写残トナーを清掃するクリーニングブレードを使用するクリーニング装置にも適用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
感光体を清掃するクリーニング装置のクリーニングブレードのめくれ変形を防止し、長期間にわたってクリーニング性能が維持できるクリーニング装置を備えた画像形成装置である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】モノクロ画像形成装置の感光体とその周囲に配置された画像形成に関連する各種装置の配置の概略を説明する図。
【図2】タンデム方式のフルカラー画像形成装置の構成の概略を説明する図。
【図3】クリーニングブレードのめくれ変形に関する試験結果を説明する図。
【図4】クリーニングブレードによるクリーニング不良に関する試験結果を説明する図。
【図5】クリーニング装置の第1実施例の構成を説明する図。
【図6】クリーニング装置の第2実施例の構成を説明する図。
【図7】クリーニング装置の第3実施例の構成を説明する図。
【図8】クリーニング装置の第4実施例の構成を説明する図。
【図9】クリーニング装置の第5実施例の構成を説明する図。
【図10】ブレードクリーニング方式のクリーニング装置の構成の一例を説明する図。
【図11】クリーニングブレードのめくれ変形を説明する図。
【符号の説明】
【0061】
10 モノクロ画像形成装置
11 感光体
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
15 転写装置
16 クリーニング装置
16a クリーニングブレード
20 フルカラー画像形成装置
21、22、23、24 作像ユニット
211、212、213、214 一次転写ローラ
215 二次転写ローラ
25 駆動ローラ
26 クリーナ対向ローラ
27 中間転写ベルト
28 クリーニング装置
28a クリーニングブレード
28b 保持部材
29 定着装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に圧接して像担持体上の転写残トナーを清掃するクリーニングブレードを備えた画像形成装置のクリーニング装置であって、
前記クリーニングブレードを保持する保持部材を有し、
前記保持部材の厚さは、保持するブレード幅方向両端部の厚さが幅方向両端部以外の厚さよりも厚く設定されていること
を特徴とする画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項2】
前記像担持体は、複数の搬送ローラの上に架設された無端状の像担持体であり、
前記クリーニングブレードは前記保持部材に保持されて像担持体が架設された搬送ローラに対向する位置に配置されること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置のクリーニング装置。
【請求項3】
像担持体に圧接して像担持体上の転写残トナーを清掃するクリーニングブレードを備えた画像形成装置のクリーニング装置であって、
前記像担持体は、複数の搬送ローラの上に架設された無端状の像担持体で、当該像担持体の厚みは幅方向両端部の厚さが幅方向両端部以外の厚さよりも厚く設定されており、
前記クリーニングブレードは前記像担持体が架設された搬送ローラに対向する位置に配置されること
を特徴とする画像形成装置のクリーニング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−70235(P2011−70235A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5728(P2011−5728)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【分割の表示】特願2005−166336(P2005−166336)の分割
【原出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】