説明

画像形成装置のジョブ完了システム、画像形成装置、及び情報処理装置

【課題】
プリンタから送信される印刷ジョブにかかるログを必要最低限に留めることにより、ネットワーク・トラフィックを低減し、不必要なログの蓄積を防止することが可能な画像形成装置のジョブ完了システム、画像形成装置、及び情報処理装置の提供。
【解決手段】
情報処理装置と、画像形成処理を実行する画像形成装置と、画像形成装置で行ったジョブのログを取得する情報処理装置とを備えたシステムであって、画像形成装置は、当該装置で行ったジョブ処理結果ログを生成するジョブ処理部と、ジョブ処理部により生成されたジョブ処理結果ログを格納するログ情報格納部とを備え、情報処理装置は、ログ情報格納部に格納されたジョブ処理結果ログを取得するログ取得部と、ログ取得部が取得したジョブ処理結果ログを解析するログ解析部と、ログ解析部による解析結果を通知メッセージとして表示させるメッセージ処理部とを備えた画像形成装置のジョブ完了システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置のジョブ完了システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)等の情報処理装置と、プリンタ等の画像形成装置と、がLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続された印刷システムにおいて、例えば、プリンタのトナー切れや、ネットワークの断絶といった予期せぬ障害の発生により、PCから送信された印刷ジョブがプリンタにおいて処理されない場合がある。
【0003】
このような障害が発生した場合に、その発生原因、発生時期を特定することができるように、プリンタにて行った印刷ジョブのログを全て蓄積して格納するプリンタが実用化されている。
【0004】
そして、障害の発生原因、発生時期を特定する場合には、PCはプリンタに蓄積された全ての印刷ジョブのログをネットワークを介して取得して分析し、その障害の発生原因、発生時期を特定する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−149371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記印刷システムにおいて、PCがプリンタに蓄積された全てのログをネットワークを介して取得しようとすると、発生した障害に起因しない過去の印刷ジョブのログまで取得することになり、ネットワーク・トラフィックを招くといった問題があった。また、不必要な過去の印刷ログがPCの記憶装置に蓄積されることにより、当該記憶装置の記憶容量を圧迫するといった問題もあった。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、プリンタから送信される印刷ジョブにかかるログを必要最低限に留めることにより、ネットワーク・トラフィックを低減すると共に、不必要なログの蓄積を防止することが可能な画像形成装置のジョブ完了システム、画像形成装置、及び情報処理装置を提供することである。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置のジョブ完了システムは、情報処理装置と、画像形成処理を実行する画像形成装置と、画像形成装置で行ったジョブのログを取得する情報処理装置と、を備えたシステムであって、画像形成装置は、当該装置で行ったジョブ処理結果ログを生成するジョブ処理部と、ジョブ処理部により生成されたジョブ処理結果ログを格納するログ情報格納部と、を備え、情報処理装置は、ログ情報格納部に格納されたジョブ処理結果ログを取得するログ取得部と、ログ取得部が取得したジョブ処理結果ログを解析するログ解析部と、ログ解析部による解析結果を通知メッセージとして表示させるメッセージ処理部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる画像形成装置は、入力された印刷ジョブデータから当該印刷ジョブデータを特定する特定情報を抽出し、抽出された特定情報と印刷ジョブデータの処理結果とを備えたジョブ処理結果ログを生成するジョブ処理部と、ジョブ処理部により生成されたジョブ処理結果ログを格納するログ情報格納部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明にかかる情報処理装置は、所定の装置から当該装置で行ったジョブ処理結果ログを取得するログ取得するログ取得部と、、ログ取得部が取得したジョブ処理結果ログを解析するログ解析部と、ログ解析部による解析結果を通知メッセージとして表示させるメッセージ処理部と、を備えることを特著とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プリンタから送信される印刷ジョブにかかるログの取得を必要最低限に留めることにより、ネットワーク・トラフィックを低減させると共に、不必要なログの蓄積を防止することが可能な画像形成装置のジョブ完了システム、画像形成装置、及び情報処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨に逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態にかかる画像形成装置のジョブ完了システムのシステム構成の一例を説明するためのシステム構成図である。本実施形態においては、本発明にかかる画像形成装置110と情報処理装置120とは、例えば、オフィス等で運用されているLAN等のネットワーク100を介して接続されている。そして、画像形成装置110は、例えば、電子写真方式の印刷エンジンを搭載し、情報処理装置120から送信された印刷ジョブデータに基づく画像を記録紙等の記録媒体に形成することができる。また、情報処理装置120は、例えば、文書作成、図表作成のための文書・図表作成アプリケーションソフトを備え、ユーザにより当該文書・図表アプリケーションソフトを用いて作成されたアプリケーションデータを印刷ジョブデータとして画像形成装置110に送信することが可能であると共に、画像形成装置110を使用するためのクライアントコンピュータとして機能する。
【0014】
図2は、第1の実施形態にかかる画像形成装置110及び情報処理装置120の要部構成を説明するための機能ブロック図である。本図を使用して、まず、画像形成装置110の要部構成を説明し、次いで、情報処理装置120の要部構成について説明する。
【0015】
画像形成装置110は、CPU(Central Processing Unit)112と、RAM(Random Access Memory)113と、操作/表示部114と、画像印刷部115と、通信制御部116と、HDD(Hard Disk Drive)117と、ROM(Read Only Memory)118と、を備える。
【0016】
CPU112は、マイクロプロセッサ等から構成され、システムバス111に接続されている各デバイスやファームウェア等の制御プログラムを統括的に制御し、画像形成装置110全体の制御を行う。
【0017】
RAM113は、プログラムの実行に必要な情報の読み込みや入力された画像データを一次的に格納する揮発性のメモリ領域である。
【0018】
操作/表示部114は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示手段やタッチパネル等の入力手段を備え、各種情報入力の受付け及び画像形成装置110の動作状況や各種情報の表示を行う。
【0019】
画像印刷部115は、例えば、電子写真方式の印刷エンジンであり、受信した印刷ジョブデータに基づく画像をユーザにより用意された記録紙等に印刷する処理を行う。
【0020】
通信制御部116は、ネットワーク100を介して、情報処理装置120との双方向データ通信を制御する。
【0021】
HDD(Hard Disk Drive)117は、電気的に読み書き可能な不揮発性のメモリ領域である。そして、HDD117にはログ情報格納部1171が形成されており、ログ情報処理部1171は、ログ処理部1181により作成されたジョブ処理結果ログを格納する。
【0022】
ROM118は不揮発性のメモリ領域であり、画像形成装置110全体を制御する制御プログラムが格納されている。そして、ROM118に格納されている制御プログラムの一部であるログ処理部1181は、情報処理装置120から受信した印刷ジョブデータから当該印刷ジョブデータを特定するための必要な情報(以下、特定情報と称する)を抽出すると共に、当該特定情報と画像形成装置110による印刷ジョブデータの処理結果とを合わせることでジョブ処理結果ログを作成し、ログ情報格納部1171に格納させる。
【0023】
図3は、ログ処理部1181によりログ情報格納部1171に格納されたジョブ処理結果ログ300の構成の一例を説明する図である。ジョブ処理結果ログ300は、特定情報としてのジョブ名310、ジョブ終了時刻320、ジョブ終了結果330、及び特定情報としてのログイン名340で構成されている。
【0024】
次に、情報処理装置120について説明する。情報処理装置120は、CPU122と、操作/表示部123と、通信制御部124と、RAM125と、HDD126と、を備える。
【0025】
CPU122は、マイクロプロセッサ等から構成され、システムバス121に接続されている各デバイスやファームウェア等の制御プログラムを統括的に制御し、情報処理装置120全体の制御を行う。
【0026】
操作/表示部123は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の表示手段やキーボード、マウス等といった入力手段を備え、各種情報入力の受付及び情報処理装置120の動作状況や各種情報の表示を行う。
【0027】
通信制御部124は、ネットワーク100を介して、画像形成装置110との双方向データ通信を制御する。
【0028】
RAM125は、CPU122の主メモリ、ワーキングエリアとして機能する。
【0029】
HDD126は、電気的に書き込み可能な不揮発性のメモリ領域である。そして、HDD126には、プリンタドライバ1261と、アプリケーション1262と、設定データファイル400と、ログファイル500と、が格納されている。
【0030】
プリンタドライバ1261は、アプリケーション1262からの印刷実行指令を受け、印刷データを出力するまでの機能の総称であり、一般的なプリンタドライバプログラムである。
【0031】
アプリケーション1262はソフトウェアのことであり、ユーザインタフェース(UI)部12621と、メッセージ処理部12622と、ログ取得部12623と、ログ解析部12624と、から構成される。
【0032】
UI部12621は、アプリケーション1262の入出力インタフェースプログラムであり、アプリケーション1262の機能にかかる設定画面等を操作/表示部123が備える、例えばCRTディスプレイに表示させると共に、表示させた画面を介してユーザによる設定入力を受け付ける。
【0033】
メッセージ処理部12622はアプリケーション1262の処理部であり、UI部12621が操作/表示部123に表示させる為の文字列を提供する。
【0034】
ログ取得部12623はアプリケーション1262の処理部であり、設定データファイル400、及びログファイル500の情報に基づき画像形成装置110のログ情報格納部1171に格納されているジョブ印刷結果ログ300を取得する。
【0035】
ログ解析部12624はアプリケーション1262の処理部であり、ログ取得部12623により取得されたジョブ印刷結果ログ300の解析を行う。
【0036】
設定データファイル400には、アプリケーション1262が処理を実行するための設定値が記録されており、UI部12621を介してユーザにより入力された設定値が記録される。また、設定データファイル400には、アプリケーション1262がジョブの完了を通知した時刻情報がメッセージ処理部12622により記録される。
【0037】
図4は、設定データファイル400の構成の一例を説明する図である。設定データファイル400は、ログ取得部12623が画像形成装置110へ周期的にジョブ印刷結果ログ300を取得する為の時間間隔である問い合わせ間隔410が記録されている。
【0038】
ログファイル500には、ログ解析部12624により解析されたジョブ印刷結果ログ300の解析結果が記録される。
【0039】
図5は、ログファイル500の構成の一例を説明する図である。ログファイル500は、図3に示したジョブ印刷結果ログ300と同様に、ジョブ名510、ジョブ終了時刻520、ジョブ終了結果530、及びログイン名540で構成されている。
【0040】
次に、本実施形態にかかる画像形成装置のジョブ完了システムの処理動作について図6のフローチャートを用いて説明する。
ただし、事前に情報処理装置120が備える文書作成、図表作成のための文書・図表アプリケーションソフトによって作成されたアプリケーションデータは、印刷ジョブデータとしてプリンタドライバ1261を介して画像形成装置110に送信され、印刷が実行されているものとする。そして、当該印刷ジョブにかかる印刷結果は、画像形成装置110のログ処理部1181によってログ情報格納部1171に、図3に示すジョブ処理結果ログ300として格納されているものとする。なお、図3に示すログイン名340は、情報処理装置120のアカウント名であり、プリンタドライバ1261が生成する画像形成装置110のジョブデータの一部として埋め込まれる情報である。
【0041】
まず、ステップS1において、ログ取得部12623は印刷が実行されるまでの待機時間を計測しつつ、計測された待機時間と設定データファイル400の問い合わせ間隔410に記録されている問い合わせ間隔との比較を行い、計測された待機時間が問い合わせ間隔410よりも短い場合(ステップS1 No)、待機時間の計測を続行する。一方、計測された待機時間が問い合わせ時間410よりも長い場合(ステップS1 Yes)、ログ取得部12623は設定データファイル400の最終通知時刻420を基に、最終通知時刻420に記録されている最終通知時刻に取得したジョブ処理結果ログ300よりも新しいジョブ処理結果ログ300を画像形成装置110のログ情報格納部1171から取得する。なお、最終通知時刻420が存在しない場合は、現在の時刻を最終通知時刻420として設定すると共に、画像形成装置110のログ情報格納部1171からジョブ処理結果ログ300を取得する(ステップS2)。
【0042】
次に、ログ解析部12624は、ログ取得部12623により取得されたジョブ処理結果ログ300のジョブ終了時刻320と設定データファイル400の最終通知時刻420とを比較し、ジョブ終了時刻320が最終通知時刻420に記録されている時刻よりも遅い場合、つまり、新しいジョブ処理結果ログ300であるか否かの判定を行う。新しいジョブ処理結果ログ300がない場合(ステップS3 No)、その旨をログ取得部12623に通知する。通知を受けたログ取得部12623は、待機時間の計測を続行する。
【0043】
一方、新しいジョブ処理結果ログ300があった場合(ステップS3 Yes)、ログ解析部12624は、引き続き、ジョブ処理結果ログ300のログイン名340と情報処理装置120にログインしているアカウント名とを比較し、一致しない場合は(ステップS4 No)、その旨をログ取得部12623に通知する。通知を受けたログ取得部12623は待機時間の計測を続行する。
【0044】
一方、ログイン名340とアカウント名とが一致する場合(ステップS4 Yes)、ログ解析部12624は、ジョブ処理結果ログ300を図5に示すようなログファイル500に記録する。ログファイル500にジョブ処理結果ログ300を記録したログ解析部12624は、その旨をメッセージ処理部12622に通知する。通知を受けたメッセージ処理部12622は、ログファイル500からジョブ終了時刻520を抽出すると共に、設定データファイル400の最終通知時刻420にジョブ終了時刻520を記録し最終通知時刻420を更新する(ステップS5)。
【0045】
そして、メッセージ処理部12622は、ログファイル500の情報に基づき、UI部1262が操作/表示部123に表示させる、例えば、図7に示すような通知メッセージ画面700を構成する文字列を生成する(ステップS6)。
【0046】
ステップS7において、メッセージ処理部12622は、ログ取得部12623に対して待機時間の計測時間をリセットするよう指示を与える。指示を受けたログ取得部12623は、情報処理装置120の電源がOFFでない場合(ステップS8 No)、再び待機時間の計測処理を実行する。
【0047】
ここで、図8のタイムテーブルを用いて本実施形態の具体的態様の一例について説明する。なお、本図において、時刻T1(例えば、2008年06月06日06時06分01秒)までに、画像形成装置110側では、何の印刷ジョブを行っていないものとする。そして、時刻T1において、情報処理装置120から画像形成装置110に対して最新のジョブ処理結果ログが存在するか否かという問い合わせを開始すると仮定する。前述したように、T1の時点においては、画像形成装置110は何の印刷ジョブも行っていないので、ジョブ処理結果ログは存在せず、情報処理装置120が備える操作/表示部123に表示される時刻であるT1が設定データファイル4001の最終通知時刻4201に記録される。
【0048】
そして、時刻T2(2008年06月06日06時06分06秒)において、印刷ジョブが発生し、図8に示すようなジョブ処理結果ログ3001が画像形成装置110のログ情報格納部1171に記録されているものとする。
【0049】
最終通知時刻4201から1分後である時刻T3(2008年06月06日06時07分01秒)において、情報処理装置120は画像形成装置110に対して最新のジョブ処理結果ログが存在するか否かの問い合わせを行う。この場合、ジョブ処理結果ログ3001に記録されているジョブ処理終了時刻T2は最終通知時刻4201よりも遅い時刻であるため、情報処理装置120は、当該ジョブ処理結果ログ3001に関するメッセージを、例えば、図7に示すようなメッセージを操作/表示部123に表示させると共に、最終通知時刻をT1からT3へと更新する。
【0050】
このように、情報処理装置120が画像形成装置110へジョブ処理結果ログの問い合わせを行う場合、最終通知時刻以降に発生した印刷ジョブにかかるジョブ処理結果ログが情報処理装置120に送信されるので、ネットワーク・トラフィックを低減させると共に、不必要なログの蓄積を防止することができる。
【0051】
以上のように、第1の実施形態によれば、画像形成装置と接続される情報処理装置において、画像形成装置が実行した印刷ジョブデータの処理結果の通知が必要な場合、情報処理装置が最後に通知した時刻に基づき、画像形成装置に格納されているログ情報が取得されるため、印刷ジョブにかかるログの取得を必要最低限に留めることができるため、ネットワーク・トラフィックを低減させると共に、不必要なログの蓄積を防止することができる。
【0052】
[第2の実施形態]
第2の実施形態にかかる画像形成装置のジョブ完了システムのシステム構成は、第1の実施形態にかかるシステム構成と略同一である。したがって、第2の実施形態の説明においては、第1の実施形態と同一な箇所には同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所について説明する。
【0053】
図9は、第2の実施形態にかかる画像形成部110及び情報処理装置120’の要部構成を説明する機能ブロック図である。情報処理装置120’は、第1の実施形態にかかる情報処理装置120の構成に加えて、最終通知時刻設定部12625を備える。
【0054】
最終通知時刻設定部12625は、アプリケーション1262’の処理部であり、設定データファイル1000及び情報処理装置120’のログ取得部12623が計測している現在時刻を基に最終通知時刻を再設定する。
【0055】
図10は、設定データファイル1000の構成の一例を説明する図である。設定データファイル1000は、ログ取得部12623が画像形成装置110へ周期的にジョブ印刷結果ログ300を取得する為の時間間隔である問い合わせ間隔1010と、アプリケーション1262’が印刷ジョブの完了を通知する期限である通知期限1020と、が記録されている。
【0056】
次に、本実施形態にかかる画像形成装置のジョブ完了システムの処理動作について図11のフローチャートを用いて説明する。
ただし、事前に情報処理装置120’が備える文書作成、図表作成のための文書・図表作成アプリケーションソフトによって作成されたアプリケーションデータは、印刷ジョブデータとしてプリンタドライバ1261を介して画像形成装置110に送信され印刷が実行されているものとする。そして、当該印刷ジョブにかかる印刷結果は、画像形成装置110のログ処理部1181によってログ情報格納部1171に、例えば、図3に示すジョブ処理結果ログ300として格納されているものとする。なお、図3に示すログイン名340は、情報処理装置120’のアカウント名であり、プリンタドライバ1261が生成する画像形成装置110のジョブデータの一部として埋め込まれる情報である。
【0057】
まず、ステップS10において、最終通知時刻設定部12625は、ログ取得部12623が計測している現在時刻と設定データファイル1000に記録されている最終通知時刻1030との差と、設定データファイル1000に記録されている通知期限1020と、の比較を行い、通知期限1020が、現在時刻と最終通知時刻1030との差よりも短い場合(ステップS10 No)、最終通知時刻設定部12625は、現在時刻と通知期限1020との差を最終通知時刻1030として設定データファイル1000に記録する(ステップS11)。一方、通知期限1020が、現在時刻と最終通知時刻1030との差よりも長い場合(ステップS10 Yes)、その旨をログ取得部12623に通知する。
【0058】
通知を受けたログ取得部12623は、印刷が実行されるまでの待機時間を計測しつつ、計測された待機時間と設置データファイル1000の問い合わせ間隔1010に記録されている問い合わせ間隔との比較を行い、計測された待機時間が問い合わせ間隔1010よりも短い場合(ステップS12 No)、待機時間の計測を続行する。一方、計測された待機時間が問い合わせ間隔1010よりも長い場合(ステップS12 Yes)、ログ取得部12623は設定データファイル1000の最終通知時刻1030を基に、最終通知時刻930に記録されている最終通知時刻に取得したジョブ印刷結果ログ300よりも新しいジョブ処理結果ログ300を画像形成装置110のログ情報格納部1171から取得する。なお、最終通知時刻1030が存在しない場合は、現在の時刻を最終通知時刻1030として設定すると共に、画像形成装置110のログ情報格納部1171からジョブ処理結果ログ300を取得する(ステップS13)。
【0059】
次に、ログ解析部12624は、ログ取得部12623により取得されたジョブ処理結果ログ300のジョブ終了時刻320と設定データファイル1000の最終通知時刻1030とを比較し、ジョブ終了時刻320が最終通知時刻1030に記録されている時刻よりも遅い場合、つまり、新しいジョブ処理結果ログ300であるか否かの判定を行う。新しいジョブ処理結果ログ300がない場合(ステップS14 No)、その旨をログ取得部12623に通知する。通知を受けたログ取得部12623は、待機時間の計測を実行する。
【0060】
一方、新しいジョブ処理結果ログ300があった場合(ステップS14 Yes)、ログ解析部12624は、引き続き、ジョブ処理結果ログ300のログイン名340と情報処理装置120’のログインしているアカウント名とを比較し、一致しない場合は(ステップS15 No)、その旨をログ取得部12623に通知する。通知を受けたログ取得部12623は待機時間の計測を続行する。
【0061】
一方、ログイン名340とアカウント名とが一致する場合(ステップS15 Yes)、ログ解析部12624は、ジョブ処理結果ログ300を図5に示すようなログファイル500’に記録する(ステップS16)。ログファイル500’にジョブ処理結果ログ300を記録したログ解析部12624は、その旨をメッセージ処理部12622に通知する。通知を受けたメッセージ処理部12622は、ログファイル500からジョブ終了時刻520’を抽出すると共に、設定データファイル1000の最終通知時刻1030にジョブ終了時刻520’を記録し最終通知時刻1030を更新する(ステップS16)。
【0062】
そして、メッセージ処理部12622は、ログファイル500’の情報に基づき、UI部1262が操作/表示部123に表示させる、例えば、図7に示すような通知メッセージ画面700を構成する文字列を生成する(ステップS17)。
【0063】
ステップS18において、メッセージ処理部12622は、ログ取得部12623に対して待機時間の計測時間をリセットするよう指示を与える。指示を受けたログ取得部12623は、情報処理装置120’の電源がOFFでない場合は(ステップS19 No)、再び待機時間の計測処理を実行する。
【0064】
ここで、図12のタイムテーブルを用いて本実施形態の具体的態様について説明する。なお、本図は、第1の実施形態の図8で説明したタイムテーブルの時刻T3以降の時間軸を引き継ぐものである。図12に示すように、例えば、時刻T4(2008年06月06日06時07分07秒)、時刻T5(2008年06月06日06時07分20秒)、時刻T6(2008年06月06日06時07分40秒)において、それぞれ印刷ジョブが発生したと仮定する。また、時刻T7(2008年06月06日06時07分50秒)において、情報処理装置120’の電源断が発生したとする。
【0065】
本来なら、時刻T3から1分後の時刻であるT8(2008年06月06日06時08分01秒)において情報処理装置120’は画像形成装置110に対して最新のジョブ印刷結果ログの問い合わせを実行するはずであるが、情報処理装置120’が電源断しているため、当該問い合わせは実行されないことになる。
【0066】
そして、例えば、時刻T9(2008年06月08日06時07分11秒)において、情報処理装置120’が電源断から復旧したとすると、情報処理装置120’が画像処理装置110に対してジョブ印刷結果ログの問い合わせが実行可能な時刻はT9となる。
【0067】
本実施形態においては、前述したように、通知期限(例えば、2日)が設けれている。したがって、図11のステップS10によれば、通知期限が2日であり、現在時刻(T9)−最終通知時刻(T3)=2日10秒となり、現在時刻と最終通知時刻との差は通知期限を越えているので、図11のステップS11によれば、情報処理装置120’は、最終通知時刻1031を現在時刻(T9)−2日=2008年06月06日06時07分11秒(Tx)と設定する。
【0068】
次に、情報処理装置120’が画像形成装置110に最新のジョブ印刷結果ログの問い合わせを実行するのは、時刻T9から1分後の時刻T10(2008年06月08日06時08分11秒)である。このとき、最終通知時刻1031は2008年06月06日06時07分11秒(Tx)であるため、当該最終通知時刻1031より遅い時刻に発生した、時刻T5において発生した印刷ジョブにかかるジョブ印刷結果ログ3003と、時刻T6において発生した印刷ジョブにかかるジョブ印刷結果ログ3004が情報処理装置120’に送信されることになる。なお、時刻T4において発生した印刷ジョブにかかるジョブ印刷結果ログ3002は、情報処理装置120’が電源断から復旧して2日以上前に発生した印刷ジョブであるため、取得する必要はなく、当該ジョブ印刷結果ログ3002は情報処理装置120’には送信されない。
【0069】
なお、本図の説明においては、情報処理装置120’は電源断から復旧後、時刻T10において画像形成装置110に最新のジョブ印刷結果ログのを問合せる態様として説明したが、情報処理装置120’は時刻T9において画像形成装置110に最新のジョブ印刷結果ログを問合せてもよい。また、第1の実施形態と同様に、時刻T9又は時刻T10において、情報処理装置120’の電源断前の最終通知時刻T3を基準に、時刻T3以降に発生したジョブ印刷結果ログを情報処理装置120’に送信する形態としても構わない。
【0070】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、情報処理装置が実行した印刷ジョブの処理結果の最終通知時刻を再計測するため、情報処理装置が最後に通知した時刻から、例えば、電源断等の事情により長期間ログ情報を取得していない場合においても、古すぎる不必要なログ情報は通知されず、最新のログ情報を通知することができる。
【0071】
本実施形態の説明においては、プリンタを一例として説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、MFPのようなものでもよく、その場合には、印刷ジョブのログだけではなく、MFPの各種機能を使って行った履歴でもよく(例えば、Scan−To−Mailの履歴等)、受信だけではなく、送信ログでもかまわない。
【0072】
本実施形態の説明においては、印刷にかかるジョブ処理について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、FAX送信、E−mail送信にかかるジョブ処理等にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明のシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態にかかる画像形成装置及び情報処理装置の要部構成を説明する機能ブロック図である。
【図3】ジョブ処理結果ログの構成の一例を説明する図である。
【図4】設定データファイルの構成の一例を説明する図である。
【図5】ログファイルの構成の一例を説明する図である。
【図6】第1の実施形態の処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】通知メッセージ構成の一例を説明する図である。
【図8】第1の実施形態の具体的態様の一例を説明するタイムテーブルである。
【図9】第2の実施形態にかかる画像形成装置及び情報処理装置の要部構成を説明する機能ブロック図である。
【図10】設定データファイルの構成の一例を説明する図である。
【図11】第2の実施形態の処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】第2の実施形態の具体的態様の一例を説明するタイムテーブルである。
【符号の説明】
【0074】
100 ネットワーク
110 画像形成装置
111 システムバス
112 CPU
113 RAM
114 操作/表示部
115 画像印刷部
116 通信制御部
117 HDD
1171 ログ情報格納部
118 ROM
1181 ログ処理部
120 情報処理装置
120’ 情報処理装置
121 システムバス
122 CPU
123 操作/表示部
124 通信制御部
125 RAM
126 HDD
1261 プリンタドライバ
1262 アプリケーション
12621UI部
12622メッセージ処理部
12623ログ取得部
12624ログ解析部
12625最終通知時刻設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、
画像形成処理を実行する画像形成装置と、
前記画像形成装置で行ったジョブのログを取得する情報処理装置と、
を備えたシステムであって、
前記画像形成装置は、当該装置で行ったジョブ処理結果ログを生成するジョブ処理部と、
前記ジョブ処理部により生成された前記ジョブ処理結果ログを格納するログ情報格納部と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記ログ情報格納部に格納された前記ジョブ処理結果ログを取得するログ取得部と、
前記ログ取得部が取得した前記ジョブ処理結果ログを解析するログ解析部と、
前記ログ解析部による解析結果を通知メッセージとして表示させるメッセージ処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置のジョブ完了システム。
【請求項2】
前記ジョブ処理結果ログはジョブ名及び/又はユーザのログイン名を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置のジョブ完了システム。
【請求項3】
入力された印刷実行命令に基づき生成された印刷ジョブデータから当該印刷ジョブデータを特定する特定情報を抽出し、抽出された前記特定情報と前記印刷ジョブデータの処理結果とを備えたジョブ処理結果ログを生成するジョブ処理部と、
前記ジョブ処理部により生成された前記ジョブ処理結果ログを格納するログ情報格納部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記特定情報は前記印刷ジョブデータのジョブ名及び/又はユーザのログイン名であることを特徴とする請求項3記載の画形成装置。
【請求項5】
所定の装置から当該装置で行ったジョブ処理結果ログを取得するログ取得部と、
前記ログ取得部が取得した前記ジョブ処理結果ログを解析するログ解析部と、
前記ログ解析部による解析結果を通知メッセージとして表示させるメッセージ処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記通知メッセージが最後に表示された時刻と現在時刻とに基づき最終通知時刻を再設定する最終通知時刻設定部を備えることを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
ログ取得部が前回取得してから今回取得するまでの時間が所定の閾値以上である場合に、今回取得する時間よりも以前の閾値以内のジョブ処理結果ログを取得することを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−92302(P2010−92302A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262191(P2008−262191)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】