説明

画像形成装置並びに印刷制御プログラム及び記録媒体

【課題】画像情報(例えば機密性の高い画像情報)が記録されたシートの該画像情報に対して、所望の印刷処理(例えばその画像情報が他の者に理解できないような印刷処理)を施すことが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】シートPを供給するシート供給部10と、シート供給部10から供給されるシートPが搬送される第2シート搬送経路22と、第2シート搬送経路22からのシートPを印刷する画像形成部30と、印刷動作の制御を司る制御部40とを備えた画像形成装置100,200において、第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの画像を読み取る第1及び第2イメージセンサー91,92を備え、制御部40は、第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、印刷動作の制御を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等のシートに対して所定の印刷処理を行うことができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機や複合機などの画像形成装置等の手段によって画像情報が記録された印刷物や配布原稿などのシートに対して、所望の処理を施すことが必要な場合がある。
【0003】
例えば、機密性の高い画像情報が記録されたシートに対して、機密保持の観点から、その画像情報が他の者に理解できないようにすることが必要な場合がある。
【0004】
具体的には、機密性の高い画像情報を有するシートに対して、シュレッダーにより裁断を行うか、人手により破断するか、もしくは焼却することによって、処分することが多い。
【0005】
従来のプリンターや複写機などの画像形成装置のなかには、シュレッダーを付設したものが少なく、シュレッダーが付設されていたとしても、このような画像形成装置では別途シュレッダーを設けなければならず、それだけ装置の大型化かつコスト高を招く。
【0006】
また、シュレッダーは騒音が比較的大きいため、設置場所が離れている場合が多く、シュレッダーによる裁断作業を行う際の利便性に欠ける。それを避けるためには、機密保持すべき画像情報が記録されたシートに対して、人手により直接破断するか、もしくはシュレッダー機能を搭載したハサミなどの手動式の裁断機により裁断したのち、廃棄するといった処理を行う必要があるため、作業効率が悪化する。
【0007】
この点に関し、従来の画像形成装置においては、画像情報が記録されたシートに対して、所望の印刷処理を行うようにはなっておらず、画像情報が記録されていないシートに対して、所望の印刷処理を行う構成になっているに過ぎない。
【0008】
例えば、下記特許文献1に記載の画像形成装置は、画像情報が記録されていないシートへの印刷に先立って印刷すべき画像データを認識してその画像データに基づき画像処理を行う構成であり、原稿画像のデータについて、ベタ黒領域が原稿画像の端部位置に存在し、かつ、ベタ黒領域の境界が直線状であると判定された場合には、直線状の境界を有するベタ黒領域の黒画素を白画素に変換する画像処理を行う構成になっているに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−150849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、画像情報(例えば機密性の高い画像情報)が記録されたシートの該画像情報に対して、所望の印刷処理(例えばその画像情報が他の者に理解できないような印刷処理)を施すことが可能な画像形成装置並びに印刷制御プログラム及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記課題を解決するために、シートを供給するシート供給部と、前記シート供給部から供給されるシートが搬送されるシート搬送経路と、前記シート搬送経路からのシートを印刷する画像形成部と、印刷動作の制御を司る制御部とを備えた画像形成装置であって、前記シート搬送経路を搬送されるシートの画像を読み取るイメージセンサーを備え、前記制御部は、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、印刷動作の制御を行うように構成されていることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0012】
本発明に係る画像形成装置によれば、前記制御部が前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき印刷動作の制御を行うので、画像情報が記録されたシートの該画像情報に対して、所望の印刷処理を施すことができる。
【0013】
例えば、前記制御部は、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、該シートに画像があると判断した場合、該シートに対し、前記画像形成部によって、前記画像を隠蔽する隠蔽印刷を行う態様を挙げることができる。
【0014】
この特定事項では、前記イメージセンサーで読み取ったシートに対し、該シートの画像を隠蔽する前記隠蔽印刷を行うので、例えば、機密性の高い画像情報が記録されたシートに対して、その画像情報が他の者に理解できないような印刷処理を施すことが可能となる。しかも、別途シュレッダーを設けることなく、前記画像を隠蔽するので、装置の大型化を招くことなくかつコストを低く抑えつつ機密保持を実現することが可能となる。また、当該画像形成装置における画像形成機能を利用するので、シュレッダーや手動式の裁断機による裁断作業を行うことなく、従って、利便性や作業性の悪化を招くことなく、機密保持を図ることが可能となる。
【0015】
本発明に係る画像形成装置において、片方の面に印刷を行ったシートをシート反転経路によって表裏が逆転するように反転させた後、もう片方の面に印刷を行う両面印刷機能を備えていてもよい。この場合、前記シート反転経路が前記シート搬送経路を構成している態様を例示できる。
【0016】
この特定事項では、前記シート搬送経路として前記シート反転経路を利用することで、さらに装置の大型化を招くことがなく、画像情報が記録されたシートの該画像情報に対して、所望の印刷処理を施すことができる。
【0017】
この構成において、前記イメージセンサーは、前記シート反転経路を構成する前記シート搬送経路を間にして両側にそれぞれ配置された2個のイメージセンサーであることが好ましい。
【0018】
この特定事項では、前記2個のイメージセンサーは、シートの両面を読み取るように、前記シート搬送経路を間にして両側にそれぞれ配置されているので、1回のシート供給でシートの両面を読み取ることができる。
【0019】
ところで、イメージセンサーは、通常、シートに光を照射して得られる反射光を受光するようになっているが、この場合、薄手のシートのように光を透過しやすいシートでは、前記2個のイメージセンサーのそれぞれの読み取り部が互いに向き合っていると、光がシートを透過する光透過による影響で個々のイメージセンサーにて読み取り側とは反対側の画像が透過した透過画像を読み取ってしまうことがある。そうすると、シートの読み取るべき面の画像を精度よく読み取ることができない。かかる観点から、前記2個のイメージセンサーは、それぞれの読み取り部が前記シート反転経路を構成する前記シート搬送経路に沿ってずれるように配置されていることが好ましい。
【0020】
この特定事項では、前記2個のイメージセンサーのそれぞれの読み取り部が前記シート搬送経路に沿ってずれているので、薄手のシートのように光を透過しやすいシートにおいても光透過による影響を受け難くでき、シートの読み取るべき面の画像を精度良く読み取ることが可能となる。
【0021】
前記両面印刷機能を備え、前記シート反転経路が前記シート搬送経路を構成している場合において、前記制御部は、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、該シートの両面共に画像が無いと判断した場合、前記画像形成部を経由させることなく、該シートを外部へ排出することが好ましい。
【0022】
この特定事項では、シートの両面共に画像が無い場合には、前記画像形成部を通過させずに外部へ排出することで、無駄な印刷動作を省くことができる。この構成では、前記シート供給部から供給されるシートに未印刷状態のシートが混ざっていた場合に、特に有効である。
【0023】
また、前記両面印刷機能を備え、前記シート反転経路が前記シート搬送経路を構成している場合において、前記シート供給部は、手差し用のシート供給口を有し、かつ、前記シート反転経路を搬送されるシートを前記手差し用のシート供給口から外部へ排出できるように構成されており、前記制御部は、前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づく排出すべきシートもしくは前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づく印刷動作後の排出すべきシートを前記シート反転経路から前記手差し用のシート供給口に排出することが好ましい。
【0024】
この特定事項では、前記排出すべきシートを前記シート反転経路から前記手差し用のシート供給口に排出するので、通常の印刷動作によって排出されたシートとの混同を避けることができ、それだけ利便性を向上させることができる。
【0025】
この構成において、シートを外部へ排出するシート排出口を有するシート排出部を備え、前記制御部は、前記排出すべきシートを前記シート排出口に排出するか、又は、前記シート反転経路から前記手差し用のシート供給口に排出するかを選択的に切り替え可能とされている態様を例示できる。
【0026】
この特定事項では、前記排出すべきシートを必要に応じて前記手差し用のシート供給口に排出することができる。
【0027】
前記両面印刷機能を備え、前記シート反転経路が前記シート搬送経路を構成している場合において、例えば、前記制御部は、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、該シートの両面に画像があると判断した場合、該シートの片方の面に対し、前記画像形成部によって、前記片方の面の画像を隠蔽する隠蔽印刷を行った後、該シートを前記シート反転経路によって表裏が逆転するように反転させ、該シートのもう片方の面に対し、前記画像形成部によって、前記もう片方の面の画像を隠蔽する隠蔽印刷を行う態様を挙げることができる。
【0028】
この特定事項では、前記イメージセンサーで読み取ったシートに対し、該シート両面の画像を隠蔽する前記隠蔽印刷を行うので、例えば、機密性の高い画像情報が両面に記録されたシートに対して、その画像情報が他の者に理解できないような印刷処理を施すことが可能となる。しかも、別途シュレッダーを設けることなく、前記両面の画像を隠蔽するので、装置の大型化を招くことなくかつコストを低く抑えつつ機密保持を実現することが可能となる。また、当該画像形成装置における画像形成機能を利用するので、シュレッダーや手動式の裁断機による裁断作業を行うことなく、従って、利便性や作業性の悪化を招くことなく、機密保持を図ることができる。
【0029】
前記隠蔽印刷を行う場合において、前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の全体に対して前記隠蔽印刷を行ってもよいし、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の一部に対して前記隠蔽印刷を行ってもよい。
【0030】
前記隠蔽印刷を行う場合において、前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の全体に対して前記隠蔽印刷を行う全体隠蔽印刷と、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の一部に対して前記隠蔽印刷を行う部分隠蔽印刷とを選択的に切り替え可能とされていることが好ましい。
【0031】
この特定事項では、前記全体隠蔽印刷と前記部分隠蔽印刷とを必要に応じて選択することができる。
【0032】
前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の一部に対して前記隠蔽印刷を行う場合において、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を表示する表示パネルを備え、前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を部分的に選択可能に一旦前記表示パネルに表示させ、人為操作により隠蔽すべき部分が選択されたのち、該シートに対し、前記選択された部分に対応する画像を隠蔽するように前記隠蔽印刷を行う態様を例示できる。
【0033】
この特定事項では、シートから読み取った画像を一旦前記表示パネルに表示させ、前記人為操作により隠蔽すべき部分が選択されることで、該シートの隠蔽すべきでない部分の画像を隠蔽せずに任意に選んで残すことが可能となる。
【0034】
この場合、前記表示パネルは、前記表示画面上へのタッチ操作により該表示画面の位置情報を入力可能なものであり、前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を部分的に選択可能に一旦前記表示画面に表示させ、前記タッチ操作により隠蔽すべき部分が選択されたのち、該シートに対し、前記選択された部分に対応する画像を隠蔽するように前記隠蔽印刷を行ってもよい。
【0035】
この特定事項では、前記タッチ操作により隠蔽すべき部分を容易に選択することが可能となる。
【0036】
前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の一部に対して前記隠蔽印刷を行う場合において、前記制御部は、前記隠蔽印刷により隠蔽した画像を新たに別のシートに印刷することが好ましい。
【0037】
この特定事項では、前記隠蔽した画像を新たに別のシートに印刷するので、前記イメージセンサーで読み取ったシートに対して隠蔽すべき部分が隠蔽された画像と隠蔽されていない画像とを記録する一方で、前記別のシートに対して隠蔽すべき部分の画像のみを記録することができる。
【0038】
前記隠蔽印刷を行う場合において、前記隠蔽印刷は、前記画像を該画像より大きめの面積で隠蔽することが好ましい。
【0039】
この特定事項では、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を該画像より大きめの面積で隠蔽するので、例えば、機密性の高い画像情報が記録されたシートに対して、隠蔽する面積を可及的に少なくした状態で(すなわち隠蔽のための印刷材料の使用量を低く抑えた状態で)その画像情報が他の者に理解できないような印刷処理を施すことが可能となる。
【0040】
前記隠蔽印刷を行う場合において、前記隠蔽印刷は、前記画像を塗りつぶすベタ印刷である態様を例示できる。この場合、隠蔽すべき画像を確実に見えなくすることができる。
【0041】
前記隠蔽印刷を行う場合において、前記隠蔽印刷は、前記画像を網点状に隠蔽する網点印刷である態様を例示できる。この場合、隠蔽すべき画像の隠蔽性を維持しつつも隠蔽のための印刷材料の使用量を削減することができる。
【0042】
前記隠蔽印刷を行う場合において、前記隠蔽印刷は、前記画像を塗りつぶすベタ印刷と、前記画像を網点状に隠蔽する網点印刷とを含み、前記制御部は、前記ベタ印刷と前記網点印刷とを選択的に切り替え可能とされている態様を例示できる。
【0043】
この特定事項では、操作者が隠蔽性を優先したいときには前記ベタ印刷を選択することができ、印刷材料の削減を優先したいときには前記網点印刷を選択することができる。
【0044】
なお、画像形成装置がカラー画像形成装置のように複数種類の色を印刷するものである場合には、隠蔽性を向上させるという観点から、前記隠蔽印刷の色は所定濃度よりも濃い色(特に黒色)であることが好ましい。
【0045】
本発明に係る画像形成装置において、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を表示する表示パネルを備え、前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を一旦前記表示パネルに表示させ、前記表示パネルに表示された前記画像に文字及び図形の少なくとも一方を含む追加情報を挿入する態様を例示できる。
【0046】
この特定事項では、前記イメージセンサーで読み取ったシートに対して、既に記録されている画像情報に加えて、文字及び図形の少なくとも一方を含む前記追加情報を挿入することが可能となる。
【0047】
この構成において、前記追加情報を前記画像形成部によって前記イメージセンサーで読み取ったシートに印刷することが好ましい。
【0048】
本発明に係る画像形成装置において、前記イメージセンサーとしては、コンタクトイメージセンサーを好適に用いることができる。
【0049】
この特定事項では、コンタクトイメージセンサーは比較的コンパクトであるため、既存構成の余ったスペースを利用して前記コンタクトイメージセンサーを配置することができ、これにより、当該画像形成装置全体の大きさを維持した状態で、前記した作用効果を得ることができる。
【0050】
本発明は、オフィス等に広く普及している電子写真方式の画像形成プロセスによる印刷を行う画像形成装置にも適用することができる。すなわち、本発明に係る画像形成装置において、前記画像形成部が電子写真方式の画像形成プロセスによる印刷を行う態様を例示できる。
【0051】
本発明に係る画像形成装置において、表示パネルを有するコンピューターを備え、前記コンピューターにおける前記表示パネルは、前記画像形成部の上部に設けられており、前記制御部が前記コンピューターを構成する制御部である態様を例示できる。
【0052】
この特定事項では、前記コンピューターにおける前記表示パネルが前記画像形成部の上部に設けられているので、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を見やすい状態で前記表示パネルの比較的大きな画面上に表示することができる。しかも、前記制御部が前記コンピューターを構成する制御部であるので、この制御部によって、当該画像形成装置の印刷動作を制御することができ、例えば、前記表示パネルの画面上に表示した画像に対し、印刷制御プログラムを用いて加工処理等の各種の画像編集を行うことができる。
【0053】
この場合、前記表示パネルは、前記画像形成部の上部に該画像形成部に対して開閉可能に設けられていることが好ましい。
【0054】
この特定事項では、前記画像形成部の上部において前記表示パネルを閉じることができ、これにより、当該画像形成装置のコンパクト化を実現することができる。
【0055】
本発明はまた、前記コンピューターを、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、印刷動作の制御を行う印刷制御手段を含む手段として機能させることを特徴とする印刷制御プログラム及び本発明に係る印刷制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体も提供する。
【0056】
この場合、前記印刷制御手段は、前記した本発明に係る画像形成装置の印刷動作を実行することができる。例えば、前記印刷制御手段は、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、該シートに画像があると判断した場合、該シートに対し、前記画像形成部によって、前記画像を隠蔽する隠蔽印刷を行う態様を挙げることができる。
【発明の効果】
【0057】
以上説明したように、本発明によると、画像情報(例えば機密性の高い画像情報)が記録されたシートの該画像情報に対して、所望の印刷処理(例えばその画像情報が他の者に理解できないような印刷処理)を施すことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1に示す画像形成装置を手差し用のシート供給口側から視た図である。
【図4】操作パネル部において画面切り替えキーにより切り替えられる表示パネルの設定画面を示す図であって、図(a)は、排出口設定画面を示す図であり、図(b)は、隠蔽印刷設定画面を示す図であり、図(c)は、隠蔽印刷種類設定画面を示す図である。
【図5】図1に示す画像形成装置による隠蔽印刷の動作例を示す図であって、図(a)は、シートが第1及び第2イメージセンサーにより読み取られている状態を示す図であり、図(b)は、シートの後端が第2イメージセンサーを通過した状態を示す図であり、図(c)は、シートが隠蔽印刷されている状態を示す図である。
【図6】画像情報が記録されたシートの画像全体に対する全体隠蔽印刷を説明するための図であって、図(a)は、該シートに対して隠蔽印刷が施されていない状態を示す図であり、図(b)は、該シートに対する隠蔽印刷としてベタ印刷が施されている状態を示す図であり、図(c)は、該シートに対する隠蔽印刷として網点印刷が施されている状態を示す図である。
【図7】シートから読み取った画像が表示された表示パネルの表示画面及びその周囲に配置された各種キーを示す図であって、図(a)は、シートから読み取った画像が表示された画面を示す図であり、図(b)は、シートから読み取った画像を部分的に選択した画面を示す図である。
【図8】図1に示す画像形成装置の他の例を示す概略断面図であって、図(a)は、該画像形成装置の表示パネルを閉じた状態を示す図であり、図(b)は、該画像形成装置の表示パネルを開いた状態を示す図である。
【図9】図8に示す画像形成装置の表示パネルを示す概略側面図であって、図(a)は、シートから読み取った画像が該表示パネルに表示されている状態を示す図であり、図(b)は、該表示パネルに表示された画像に対して隠蔽すべき部分が選択されている状態を示す図であり、図(c)は、該表示パネルに表示された画像に対して追加情報が挿入されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【0060】
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の全体構成を概略的に示す断面図である。また、図2は、図1に示す画像形成装置100の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
【0061】
図1に示す画像形成装置100は、用紙等のシートPを供給するシート供給部10と、シート供給部10から供給されるシートPが搬送されるシート搬送経路20と、シート搬送経路20からのシートPを印刷する画像形成部30と、印刷動作の制御を司る制御部40(図1では図示せず、図2参照)と、シートPを外部へ排出するシート排出部50とを備えている。ここで、シート搬送経路20とは、シート供給部10と画像形成部30との間で搬送されるシートPの搬送経路をいう。本実施の形態では、シート搬送経路20は、第1シート搬送経路21と第2シート搬送経路22とからなっている。第1シート搬送経路21は、シート供給部10と画像形成部30との間の経路とされており、シート供給部10から画像形成部30へシートPを案内するようになっている。第2シート搬送経路22は、後述するシート反転経路61の一部を構成しており、シート反転経路61におけるシート反転ローラ部62とシート供給部10との間の経路とされている。
【0062】
シート供給部10は、ここでは、シート供給カセット部11と、手差しシート供給部12とを備えている。
【0063】
シート供給カセット部11は、収容される多数枚のシートPを1枚ずつシート搬送経路20へ供給するものである。詳しくは、シート供給カセット部11は、シートPを多数枚収容できるシート供給カセット11aと、シート供給カセット11aに収容されているシートPを1枚ずつシート搬送経路20へ供給するシート供給ローラ部11bとを備えている。
【0064】
シート供給カセット11aは、画像形成部30の下方に配設されており、手前に引き出してシートPを収容できるようになっている。シート供給ローラ部11bは、シート供給カセット11aに収容されている最上位のシートPを引き出してシート搬送経路20へ送り出すようになっている。
【0065】
手差しシート供給部12は、手差し用のシート供給口12aを有し、1枚又は多数枚のシートPを1枚ずつシート供給口12aからシート搬送経路20へ供給するものである。なお、手差しシート供給部12は、さらに、シートPを載置する手差しトレイ12bと、手差しトレイ12bに載置されているシートPを1枚ずつシート搬送経路20へ供給する手差しローラ部12cとを備えることができる(図1中鎖線参照)。
【0066】
第1シート搬送経路21は、シート供給カセット部11又は手差しシート供給部12から送られてくるシートPを画像形成部30へ案内するものである。
【0067】
画像形成部30は、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成プロセスにより印刷を行うものである。画像形成部30は、レジスト前搬送経路31と、レジストローラ部32と、画像形成エンジン部33と、定着部34とを備えている。
【0068】
レジスト前搬送経路31は、シート搬送経路20から送られてくるシートPをレジストローラ部32へ案内するものである。
【0069】
レジストローラ部32は、画像形成エンジン部33にて形成される画像に対してシートPの画像形成位置と同期をとって該シートPを搬送するものである。ここでは、レジストローラ部32は、画像形成エンジン部33にて形成される画像に対してシートPの画像形成位置と同期するタイミングで回転駆動されるペーパストップローラ(PSローラ)32aを備えている。
【0070】
画像形成エンジン部33は、静電潜像担持体(ここでは感光体ドラム)33aと、現像装置33bと、帯電装置(ここでは帯電ブラシ)33cと、露光装置(ここではイメージ書き込みLEDアレイ)33dと、転写装置(ここでは転写ローラ)33eと、クリーニング装置(図示せず)と、除電装置(図示せず)とを含んでいる。
【0071】
この画像形成エンジン部33では、画像を形成(印刷)するにあたり、帯電ブラシ33cによって感光体ドラム33aの表面を一様に帯電する。帯電ブラシ33cにて感光体ドラム33aの表面に帯電された電荷に対して、外部機器から伝達される画像データに基づき、イメージ書き込みLEDアレイ33dより画像光を照射して静電潜像を形成する。得られた静電潜像に現像装置33bにてトナーを含む現像剤を供給して可視像(トナー像)を形成する。さらに、得られた可視像をPSローラ32aにて同期をとって搬送されてきたシートPに転写ローラ33eによって転写する。また、転写ローラ33eによって転写されずに感光体ドラム33aの表面に残った転写残トナーを前記クリーニング装置によって除去する。また、感光体ドラム33aの表面に残った残留電荷を前記除電装置によって除電する。
【0072】
定着部34は、可視像が転写されたシートPを受け取り、この可視像をシートP上に定着させるものであり、ヒートローラ34a及び加圧ローラ34bを備えている。ヒートローラ34a及び加圧ローラ34bは、図示しない圧接手段によって圧接されており、これらのローラ34a,34b間に挟み込んでシートPを搬送するようになっている。ヒートローラ34aは、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ34bと共にシートPを熱圧着することにより、シートPに転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、シートPに対して熱定着させる機能を有している。
【0073】
なお、これら一連の印刷動作を行う各構成要素は、第1シート搬送経路21の上方に設けられたメインモーター35によって駆動されるようになっている。
【0074】
シート排出部50は、シート排出口51を有し、シート排出口51と連通するシート排出経路52と、シート排出ローラ部53と、シートPを排出する排出トレイ54とを備えている。ここでは、シート排出部50は、シート搬送方向(図1中矢印A方向)においてシート供給側とは反対側の端部に設けられている。
【0075】
シート排出経路52は、画像形成部30から送られてくるシートPをシート排出口51へ案内するものである。ここでは、シート排出経路52は、画像形成部30から略水平方向に搬送されるシートPが上方へ向けて略180°に反転するように湾曲している。
【0076】
シート排出ローラ部53は、画像形成部30からシート排出経路52に送られてくるシートPをシート排出口51から外部に排出するものである。詳しくは、シート排出ローラ部53は、排出駆動部71(図2参照)により駆動伝達手段71aを介して駆動されることで、シートPをシート搬送方向Aへ搬送するようになっている。ここでは、シート排出ローラ部53は、シート排出経路52のシート反転経路61との分岐部(ここでは湾曲部頂部)52aの近傍に設けられた排紙ガイドローラ53aと、シート排出口51の近傍に設けられた排紙ローラ53bとを備えている。
【0077】
排出トレイ54は、シート排出口51から排出されるシートPを載置するトレイである。ここでは、排出トレイ54は、画像形成部30の上面に設けられており、シート排出口51から排出されたシートPをフェイスダウンで載置するようになっている。
【0078】
本実施の形態では、シート排出ローラ部53は、シートPをシート搬送方向Aへ搬送するのに加えて、シートPをシート搬送方向Aとは逆方向のシート逆搬送方向(図1中矢印B方向)へも搬送するようになっている。
【0079】
そして、画像形成装置100は、両面印刷機能として、画像形成部30にて片方の面に印刷を行ったシートPを表裏が逆転するように反転させた後、もう片方の面に印刷を行うように画像形成部30へ導くシート反転搬送部60を備えている。
【0080】
シート反転搬送部60は、両面印刷のためのシート反転経路61と、シート反転ローラ部62と、シートハンドル部63とを備えている。
【0081】
シート反転経路61は、シート排出経路52の分岐部52aからシート逆搬送方向Bに搬送されるシートPを表裏が逆転するように反転させた後、シートハンドル部63へ向かうように案内するようになっている。ここでは、シート反転経路61は、シート排出経路52の分岐部52aから下方の延び、かつ、シートハンドル部63側へ向けて略90°に方向転換するように湾曲している。
【0082】
シート反転ローラ部62は、シート排出経路52の分岐部52aからシート反転経路61をシート逆搬送方向Bに搬送されてくるシートPをシートハンドル部63側へ向けて搬送するようになっている。詳しくは、シート反転ローラ部62は、反転駆動部72(図2参照)により駆動伝達手段72aを介して駆動されることで、シートPをシート逆搬送方向Bへ搬送するようになっている。ここでは、シート反転ローラ部62は、第2シート搬送経路22のシート供給部10側とは反対側の端部の近傍に設けられた第1シート反転ガイドローラ62aと、第1シート反転ガイドローラ62aとシート排出経路52の分岐部52aとの間に設けられた第2シート反転ガイドローラ62bとを備えている。
【0083】
シートハンドル部63は、シート供給カセット部11又は手差しシート供給部12から第1シート搬送経路21をシート搬送方向Aに搬送されてくるシートPを画像形成部30へ引き渡す印刷用ハンドル動作と、シート反転ローラ部62によってシート反転経路61をシート逆搬送方向Bに搬送されてくるシートPを画像形成部30へ略180°反転するように引き渡す反転用ハンドル動作とを行うように構成されている。詳しくは、シートハンドル部63は、ハンドル駆動部73(図2参照)により駆動伝達手段73aを介して駆動されることで、所定の正転方向(図1中矢印C方向)へ回転するようになっている。ここでは、シートハンドル部63は、シートハンドル中間ローラ63aを備えている。シートハンドル中間ローラ63aは、印刷用ハンドル動作又は反転用ハンドル動作のときに、第1シート搬送経路21又は第2シート搬送経路22を搬送されてくるシートPを保持しつつ正転方向Cに回転して該シートPのシート搬送方向A下流側端(先端)をレジスト前搬送経路31に引き渡すようになっている。
【0084】
本実施の形態に係る画像形成装置100において、複写機を構成する場合、原稿の画像を読み取るスキャナユニット等の画像読取装置300(図1中鎖線参照)が設けられる。
【0085】
以上説明した画像形成装置100では、シートPの片方の面へ印刷(片面印刷)する場合には、先ず、シート供給カセット部11又は手差しシート供給部12から供給されてくるシートPを第1シート搬送経路21からシートハンドル部63の印刷用ハンドル動作によってレジスト前搬送経路31を経てレジストローラ部32まで搬送する。次いで、レジストローラ部32まで搬送されたシートPをレジストローラ部32によって感光体ドラム33a上のトナー像と同期をとって転写部位に搬送する。この転写部位に搬送されたシートP上に、転写ローラ33eに印加された転写電界にて感光体ドラム33a上のトナー像を転写し、このトナー像を定着部34にてシートP上に定着する。このとき、シート排出ローラ部53がシートPをシート搬送方向Aへ搬送する状態とされている。この状態において、トナー像が定着されたシートPをシート排出経路52からシート排出ローラ部53によってシート排出口51を経て排出トレイ54上に排出する。
【0086】
一方、シートPの両側の面への印刷(両面印刷)する場合には、前述したように片面印刷が終了して定着部34を通過したシートPをシート排出ローラ部53によってシート搬送方向A上流側端(後端)がシート排出経路52のシート反転経路61との分岐部52aを通過する位置まで搬送する。このとき、シートPの後端側は略垂直方向に向いている。その後、シート排出ローラ部53で保持した状態で、シート排出ローラ部53が逆回転することによって、シート排出ローラ部53で保持されたシートPをシート反転ローラ部62に向けてシート逆搬送方向Bへ搬送する。そしてシート反転ローラ部62によってシート反転経路61をシート逆搬送方向Bに搬送されるシートPをシートハンドル部63の反転用ハンドル動作によってレジスト前搬送経路31を経てレジストローラ部32まで搬送した後、前述と同様に画像形成部30よりシートPのもう片方の面にも印刷動作を行う。印刷されたシートPをシート排出経路52からシート排出ローラ部53によってシート排出口51を経て排出トレイ54上に排出する。こうして両面印刷が完了する。
【0087】
なお、画像形成装置100は、シート排出経路52のシート反転経路61との分岐部52aの近傍に設けられる反転切り替え部材をさらに備えていてもよい。この反転切り替え部材は、シートPをシート排出口51から排出するときに画像形成部30からシート搬送方向Aに送られてくるシートPをシート排出口51へ向けて案内する排出動作と、シートPを反転するときにシート排出経路52からシート逆搬送方向Bに送られてくるシートPをシート反転経路61へ案内する反転動作とを切り替えることができる。
【0088】
(本発明の特徴部分の説明)
本実施の形態に係る画像形成装置100において、シート搬送経路20(ここでは第2シート搬送経路22)にイメージセンサー90が配置されている。
【0089】
本実施の形態では、シート反転経路61は、第1シート搬送経路21の途中部分と連通している。そして、シート反転経路61の一部(ここでは、第1シート搬送経路21の連通部21aからシート排出経路52の分岐部52aに至る途中の経路)が第2シート搬送経路22とされており、この第2シート搬送経路22にイメージセンサー90が配置されている。
【0090】
画像形成装置100は、さらに、搬送切り替え部材81を備えている。搬送切り替え部材81は、第1シート搬送経路21の第2シート搬送経路22との連通部21aの近傍に設けられている。搬送切り替え部材81は、シート供給カセット部11又は手差しシート供給部12からシート搬送方向Aに送られてくるシートPを第1シート搬送経路21へ向けて案内する第1切り替え動作(図1の実線参照)と、シート供給カセット部11又は手差しシート供給部12からシート搬送方向Aに送られてくるシートPをシート反転経路61における第2シート搬送経路22へ向けて案内する第2切り替え動作(図1の破線参照)とを切り替え可能に構成されている。詳しくは、搬送切り替え部材81は、各ローラの回転軸線方向に延びるガイド部材とされており、前記回転軸線方向に沿った枢支軸81a回りに回動自在とされている。搬送切り替え部材81は、切り替え駆動部74(図2参照)により駆動伝達手段74aを介して駆動されることで、第1切り替え動作と第2切り替え動作とが切り替えられるようになっている。
【0091】
そして、シートハンドル部63は、さらに、搬送切り替え部材81が第2切り替え動作状態において、第2シート搬送経路22をシート搬送方向Aに搬送されてくるシートPをそのまま搬送させる読み取り用ハンドル動作と、第2シート搬送経路22をシート逆搬送方向Bに搬送されてくるシートPをそのまま搬送させる排出用ハンドル動作とを行うようにも構成されている。詳しくは、シートハンドル部63は、さらに、ハンドル駆動部73により駆動伝達手段73aを介して駆動されることで、逆転方向(図1中矢印D方向)へ回転するようにもなっている。ここでは、シートハンドル中間ローラ63aは、読み取り用ハンドル動作では逆転方向Dに回転して第2シート搬送経路22のシートPをシート搬送方向Aに送り出すようになっており、排出用ハンドル動作では正転方向Cに回転して第2シート搬送経路22のシートPをシート逆搬送方向Bに送り出すようにもなっている。
【0092】
また、シート反転ローラ部62は、さらに、シート供給カセット部11又は手差しシート供給部12からシート反転経路61をシート搬送方向Aに搬送されてくるシートPをシート排出経路52に向けて搬送するようにもなっている。詳しくは、シート反転ローラ部62は、さらに、反転駆動部72により駆動伝達手段72aを介して駆動されることで、シートPをシート搬送方向Aへ搬送するようにもなっている。
【0093】
また、本実施の形態では、搬送切り替え部材81が第2切り替え動作状態において、シート反転経路61をシート逆搬送方向Bに搬送されるシートPを手差し用のシート供給口12aへ排出できるように構成されている。この場合、第2切り替え動作は、シート反転経路61からシート逆搬送方向Bに送られてくるシートPを手差し用のシート供給口12aへ向けて案内する切り替え動作でもある。なお、手差しシート供給部12は、手差しトレイ12b及び手差しローラ部12cを備える場合、シートPが手差し用のシート供給口12aから手差しトレイ12bへ排出されるときには、手差しローラ部12cがシートPの経路から退避した退避位置に位置することができる。
【0094】
本実施の形態では、イメージセンサー90は、コンタクトイメージセンサーとされている。コンタクトイメージセンサーとしては、一般的にスキャナー装置やファクシミリ装置等の画像読取装置における原稿の読み取りに使われる密着読み取りセンサーやCIS(Contact Image Sensor)と呼ばれる市販品を用いることができ、代表的には、セルフォックレンズとCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の画像読み取りセンサーと発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の光源とを組み合わせたセンサユニットを例示できる。具体的な製品としては、例えば、コンタクトイメージセンサー HE06G−W01(キャノン・コンポーネンツ株式会社製)を挙げることができる。
【0095】
また、本実施の形態では、イメージセンサー90は、第2シート搬送経路22を間にした両側のうち片面への印刷側(ここでは下側)に配置された第1イメージセンサー91と、もう片面への印刷側(ここでは上側)に配置された第2イメージセンサー92とからなっている。すなわち、第1イメージセンサー91は、シート搬送方向Aに搬送されるシートPの片方の面(画像形成部30にて初めに印刷される面)を読み取る位置に配置されている。第2イメージセンサー92は、シートPの片方の面とは反対側(裏側)のもう片方の面を読み取る位置に配置されている。ここでは、第1及び第2イメージセンサー91,92は、それぞれの読み取り部91a,92aが第2シート搬送経路22に沿ってずれるように配置されている。
【0096】
図2に示すように、第1及び第2イメージセンサー91,92は、制御部40の入力系に接続されている。排出駆動部71、反転駆動部72、ハンドル駆動部73及び切り替え駆動部74は、制御部40の出力系に接続されている。また、制御部40には画像形成部30も接続されている。
【0097】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部41と、記憶部42とを備えている。記憶部42は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶メモリーを含み、各種制御プログラムや必要な関数およびテーブルや各種データを記憶するようになっている。詳しくは、画像形成装置100は、制御部40の処理部41が記憶部42のROMに予め格納された印刷制御プログラムを記憶部42のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素を制御するようになっている。
【0098】
そして、制御部40は、第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの第1及び第2メージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、印刷動作の制御を行うように構成されている。
【0099】
本実施の形態では、制御部40は、シート反転経路61の一部を構成する第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、該シートPの少なくとも一方の面に画像があると判断した場合、該シートPに対し、画像形成部30によって、この画像を隠蔽する隠蔽印刷を行う。
【0100】
詳しくは、制御部40は、第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、該シートPの第1イメージセンサー91で読み取った片方の面(表面)のみに画像があると判断した場合、該シートPの片方の面の画像に対し、画像形成部30によって隠蔽印刷を行った後、該シートPをシート排出口51へ排出するか、又は、手差し用のシート供給口12aへ排出する。
【0101】
また、制御部40は、第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、該シートPの両面の双方に画像があると判断した場合、該シートPの片方の面の画像に対し、画像形成部30によって隠蔽印刷を行い、該シートPをシート反転搬送部60によって表裏が逆転するように反転させ、該シートPのもう片方の面(裏面)の画像に対し、画像形成部30によって隠蔽印刷を行った後、該シートPをシート排出口51へ排出するか、又は、手差し用のシート供給口12aへ排出する。
【0102】
この隠蔽印刷は、シートPの画像の全体に対して行われてもよいし、一部に対して行われてもよい。隠蔽印刷としては、例えば、シートPに記録された画像を塗りつぶすベタ印刷を行ってもよいし、シートPに記録された画像を網点状に隠蔽する網点印刷を行ってもよい。
【0103】
本実施の形態では、制御部40は、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取った画像を画像処理プロセッサにより該画像より大きめのサイズで隠蔽するように隠蔽印刷を行う。
【0104】
また、本実施の形態では、制御部40は、第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、該シートPの両面共に画像が無いと判断した場合、画像形成部30を経由させることなく、該シートPをシート排出口51から排出トレイ54へ排出するか、又は、手差し用のシート供給口12aへ排出する。
【0105】
なお、制御部40は、シートPの第2イメージセンサー92で読み取ったもう片方の面のみに画像があると判断した場合に、画像形成部30を経由させることなく、該シートPをシート排出口51へ排出するか、又は、手差し用のシート供給口12aへ排出してもよい。また、制御部40は、シートPの第2イメージセンサー92で読み取ったもう片方の面のみに画像があると判断した場合に、印刷動作を行うことなく画像形成部30を経由させ、該シートPをシート反転搬送部60によって表裏が逆転するように反転させ、該シートPのもう片方の面の画像に対し、画像形成部30によって隠蔽印刷を行った後、該シートPをシート排出口51へ排出するか、又は、手差し用のシート供給口12aへ排出してもよい。
【0106】
本実施の形態では、画像形成装置100には、手差し用のシート供給口側の側面部に人為操作可能な操作パネル部110(図1では図示せず、後述する図3参照)が設けられている。
【0107】
図3は、図1に示す画像形成装置100を手差し用のシート供給口12a側から視た図である。
【0108】
図3に示すように、操作パネル部110は、表示パネル(ここでは液晶表示パネル)111を有している。詳しくは、表示パネル111は、表示画面111a上へのタッチ操作により該表示画面111aの位置情報を入力可能とされたタッチパネルとされている。
【0109】
表示パネル111は、操作パネル部110に設けられている。操作パネル部110には、さらに、操作部材として作用するスタートキー112及び画面切り替えキー113が設けられている。
【0110】
図2に示すように、スタートキー112及び画面切り替えキー113は、制御部40の入力系に接続されている。表示パネル111は、制御部40の出力系に接続されている。
【0111】
スタートキー112は、隠蔽印刷の印刷動作の開始を制御部40に指示する操作キーである。画面切り替えキー113は、表示パネル111の表示画面111aに表示される各種設定画面を選択するキーである。
【0112】
図4は、操作パネル部110において画面切り替えキー113により切り替えられる表示パネル111の設定画面を示す図である。図4(a)は、排出口設定画面D1を示しており、図4(b)は、隠蔽印刷設定画面D2を示しており、図4(c)は、隠蔽印刷種類設定画面D3を示している。
【0113】
制御部40は、操作者によって画面切り替えキー113が押下操作されると、排出口設定画面D1、隠蔽印刷設定画面D2及び隠蔽印刷種類設定画面D3を表示画面111aに順次表示する。
【0114】
図4(a)に示す排出口設定画面D1は、シート排出口51又は手差し用のシート供給口12aへのシート排出を設定する画面である。画面切り替えキー113により図4(a)に示す排出口設定画面D1に切り替えられると、排出口設定画面D1に排出口排出ボタンD1aと手差し口排出ボタンD1bとが表示される。
【0115】
そして、操作者によって排出口排出ボタンD1aがタッチ操作されると、排出すべきシートPをシート排出口51に排出する排出口排出モードが設定される一方、操作者によって手差し口排出ボタンD1bがタッチ操作されると、排出すべきシートPをシート反転経路61から手差し用のシート供給口12aに排出する手差し口排出モードが設定される。
【0116】
また、図4(b)に示す隠蔽印刷設定画面D2は、隠蔽印刷をシート画像の全部に対して行うか又は一部に対して行うかを設定する画面である。画面切り替えキー113により図4(b)に示す隠蔽印刷設定画面D2が切り替えられると、隠蔽印刷設定画面D2に全体印刷ボタンD2aと部分印刷ボタンD2bとが表示される。
【0117】
そして、操作者によって全体印刷ボタンD2aがタッチ操作されると、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像の全体に対して隠蔽印刷を行う全体隠蔽印刷モードが設定される一方、操作者によって部分印刷ボタンD2bがタッチ操作されると、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像の一部に対して隠蔽印刷を行う部分隠蔽印刷モードが設定される。
【0118】
ここでは、制御部40は、部分隠蔽印刷モードが設定されると、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像を部分的に選択可能に一旦表示画面111aに表示させ、操作者によってタッチ操作されることで、隠蔽すべき部分が選択されたのち、該シートPに対し、該選択された部分に対応する画像を隠蔽するように隠蔽印刷を行う。さらに、制御部40は、隠蔽印刷により隠蔽した画像を新たに別のシートに印刷する。このため、部分隠蔽印刷モードが設定された場合、隠蔽印刷設定画面D2に別シート印刷ボタンD2cが表示される。
【0119】
そして、操作者によって別シート印刷ボタンD2cがタッチ操作されると、隠蔽印刷により隠蔽した画像を別のシートに印刷する別シート印刷モードが設定される。
【0120】
また、図4(c)に示す隠蔽印刷種類設定画面D3は、隠蔽印刷のベタ印刷又は網点印刷を設定する画面である。画面切り替えキー113により図4(c)に示す隠蔽印刷種類設定画面D3が切り替えられると、隠蔽印刷種類設定画面D3にベタ印刷ボタンD3aと網点印刷ボタンD3bとが表示される。
【0121】
そして、操作者によってベタ印刷ボタンD3aがタッチ操作されると、シートPに記録された画像を塗りつぶすベタ印刷モードが設定される一方、操作者によって網点印刷ボタンD3bがタッチ操作されると、シートPに記録された画像を網点状に隠蔽する網点印刷モードが設定される。
【0122】
また、操作パネル部110には、さらに、操作部材として作用するアップキー114aと、ダウンキー114bとが設けられている。
【0123】
制御部40は、操作者によってアップキー114aが押下操作されると、表示画面111aに表示されるシートPの画像を上側情報が表示されるように下方向にスクロールする一方、操作者によってダウンキー114bが押下操作されると、表示画面111aに表示されるシートPの画像を下側情報が表示されるように上方向にスクロールする。
【0124】
(隠蔽印刷の動作について)
次に、隠蔽印刷の具体的な動作について説明する。図5は、図1に示す画像形成装置100による隠蔽印刷の動作例を示す図である。図5(a)は、シートPが第1及び第2イメージセンサー91,92により読み取られている状態を示しており、図5(b)は、シートPの後端が第2イメージセンサー92を通過した状態を示しており、図5(c)は、シートPが隠蔽印刷されている状態を示している。
【0125】
操作者によるスタートキー112の押下操作により、先ず、図5(a)に示すように、搬送切り替え部材81が第2切り替え動作に切り替えられ、シートハンドル部63のシートハンドル中間ローラ63aが逆転方向Dに回転する状態とされる。この状態において、シート供給カセット部11又は手差しシート供給部12(図示例では手差しシート供給部12)から供給されてくるシートPを搬送切り替え部材81によって第2シート搬送経路22に案内し、シートハンドル部63の読み取り用ハンドル動作によって第1及び第2イメージセンサー91,92へシート搬送方向Aに搬送する。
【0126】
このとき、シートPの先端が第1イメージセンサー91の読み取り部91aを通過すると第1イメージセンサー91による画像読み取りを開始し、また第2イメージセンサー92の読み取り部92aを通過すると第2イメージセンサー92による画像読み取りを開始する。
【0127】
さらに、図5(b)に示すように、シートハンドル部63を通過したシートPをシート反転ローラ部62によって後端が第1及び第2イメージセンサー91,92を通過するまで搬送する。
【0128】
このとき、シートPの後端が第1イメージセンサー91の読み取り部91aを通過すると第1イメージセンサー91による画像読み取りを終了し、また第2イメージセンサー92の読み取り部92aを通過すると第2イメージセンサー92による画像読み取りを終了する。こうして読み取った画像データは、制御部40の記憶部42に記憶する。
【0129】
この読み取り開始タイミング及び読み取り終了タイミングは、従来の画像読取装置等に用いられる手法と同様であり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0130】
ここで、シートPの搬送動作について、片方の面のみに画像がある場合と、両面に画像がある場合と、両面共に画像が無い場合とに分けて説明する。
【0131】
<シートPの片方の面のみに画像がある場合>
第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、シートPの片方の面のみに画像がある場合には、第1シート反転ガイドローラ62a及び第2シート反転ガイドローラ62bがシート逆搬送方向Bへ回転し、かつ、シートハンドル部63のシートハンドル中間ローラ63aが正転方向Cに回転する状態とされる。この状態において、図5(c)に示すように、該シートPをシート反転ローラ部62によってシート逆搬送方向Bに搬送し、シートハンドル部63の反転用ハンドル動作によってレジスト前搬送経路31を経てレジストローラ部32まで搬送した後、画像形成部30よりシートPの片方の面に隠蔽印刷を行う。
【0132】
(排出トレイに排出する場合)
そして、排出口排出モードが設定されている場合には、隠蔽印刷されたシートPをシート排出ローラ部53によってシート搬送方向Aへ搬送し、シート排出口51から排出トレイ54に排出する。
【0133】
(手差しトレイに排出する場合)
一方、手差し口排出モードが設定されている場合には、隠蔽印刷されたシートPをシート排出ローラ部53によって後端がシート排出経路52のシート反転経路61との分岐部52aを通過した後、シート逆搬送方向Bへ搬送し、シート反転経路61に移行させる。このとき、第1シート反転ガイドローラ62a及び第2シート反転ガイドローラ62bがシート逆搬送方向Bへ回転し、かつ、シートハンドル部63のシートハンドル中間ローラ63aが正転方向Cに回転する状態とされる。この状態において、該シートPをシート反転ローラ部62によってシート逆搬送方向Bに搬送し、シートハンドル部63の排出用ハンドル動作によって第1シート搬送経路21の第2シート搬送経路22との連通部21aから第1シート搬送経路21を経て手差し用のシート供給口12aに排出する。
【0134】
<シートPの両面に画像がある場合>
第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、シートPの両面に画像がある場合には、片方の面のみに画像がある場合と同様にしてシートPの片方の面に隠蔽印刷を行う。そして、片方の面に隠蔽印刷されたシートPを前記した両面印刷と同様に反転した後、画像形成部30よりシートPのもう片方の面にも隠蔽印刷を行う。
【0135】
なお、シートPの片方の面に画像が無く、もう片方の面に画像がある場合には、シートPを、片方の面に隠蔽印刷を行うことなく、画像形成部30を通過させた後、シート排出経路52、シート反転経路61、シートハンドル部63、レジスト前搬送経路31及びレジストローラ部32を経て画像形成部30にてもう片方の面に隠蔽印刷を行ってもよい。
【0136】
(排出トレイに排出する場合)
そして、排出口排出モードが設定されている場合には、シートPの片方の面のみに画像がある場合と同様にして、隠蔽印刷されたシートPをシート排出口51から排出トレイ54に排出する。
【0137】
(手差しトレイに排出する場合)
一方、手差し口排出モードが設定されている場合には、シートPの片方の面のみに画像がある場合と同様にして、隠蔽印刷されたシートPを手差し用のシート供給口12aに排出する。
【0138】
<シートPの両面共に画像が無い場合>
第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、シートPの両面共に画像が無い場合には、該シートPを、画像形成部30を経由させることなく、外部へ排出する。
【0139】
(排出トレイに排出する場合)
すなわち、排出口排出モードが設定されている場合には、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPをシート反転ローラ部62及びシート排出ローラ部53によってシート搬送方向Aへ搬送し、直接、シート排出口51から排出トレイ54に排出する。
【0140】
(手差しトレイに排出する場合)
一方、手差し口排出モードが設定されている場合には、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPをシート反転ローラ部62によってシート逆搬送方向Bに搬送し、シートハンドル部63の排出用ハンドル動作によって第1シート搬送経路21の第2シート搬送経路22との連通部21aから第1シート搬送経路21を経て手差し用のシート供給口12aに排出する。
【0141】
なお、シートPの片方の面に画像が無く、もう片方の面に画像がある場合にも、画像形成部30を経由させることなくシートPを外部へ排出することができる。
【0142】
次に、隠蔽印刷について、全体隠蔽印刷モードが設定されている場合と、部分隠蔽印刷モードが設定されている場合とで分けて説明する。
【0143】
[全体隠蔽印刷モード]
図6は、画像情報が記録されたシートPの画像全体に対する全体隠蔽印刷を説明するための図である。図6(a)は、該シートPに対して隠蔽印刷が施されていない状態を示している。図6(b)は、該シートPに対する隠蔽印刷としてベタ印刷が施されている状態を示している。図6(c)は、該シートPに対する隠蔽印刷として網点印刷が施されている状態を示している。
【0144】
シートPの画像(図6(a)参照)の全体に対して隠蔽印刷を行う全体隠蔽印刷モードが設定されている場合において、ベタ印刷モードが設定されている場合には、ベタ印刷を行い(図6(b)参照)、網点印刷モードが設定されている場合には、網点印刷を行う(図6(c)参照)。例えば、シートPの画像が文字である場合、ページ内の文章を一群の画像として枠取りし、その全体を隠蔽してもよいが、隠蔽のための印刷材料(ここではトナー)の使用量をさらに削減するという観点から、段落単位で枠取りして隠蔽印刷することにより各段落間で隠蔽印刷しないようにしてもよいし、行単位で枠取りして隠蔽印刷することにより各行間で隠蔽印刷しないようにしてもよい。或いは、文字単位で枠取りして隠蔽印刷することにより各文字間で隠蔽印刷しないようにしてもよい。なお、文章、段落、行、文字の認識は、従来から公知の画像処理手法を用いることができ、ここでは詳しい説明を省略する。
【0145】
具体的には、記憶部42に記憶されている画像データに対して、画像処理プロセッサで文字や図形等の画像を識別し、例えば、図6(a)のシートPの画像を隠蔽するためのベタ画像又は網点画像を作成する。
【0146】
ここでは、ベタ印刷及び網点印刷は、隠蔽すべき文字や図形等の画像(外形)のサイズより、シートPの搬送によるずれ(例えば±0.5程度)を考慮し、1mm程度大きいサイズであることが好ましい。
【0147】
シートPの後端がシート搬送方向A下流側の第2イメージセンサー92を外れた位置で、第2イメージセンサー92による画像読み取りを終了すると(図5(b)参照)、シートPをシート反転ローラ部62によってシート逆搬送方向Bに搬送し、シートハンドル中間ローラ63aを経由して画像形成部30へ搬送する(図5(c)参照)。そして、画像形成装置30において、レジスト前搬送経路31からPSローラ32aへ搬送されたシートPに対して、PSローラ32aにてシートPの画像と同期をとった上で、画像形成エンジン部33で作成された画像のトナーを転写ローラ33eで転写し、予め読まれた画像部分に重ねるようにトナーによって隠蔽し、定着部34を経由して隠蔽印刷する。
【0148】
ここでは、初期設定においてベタ印刷モードが設定されており、通常は、ベタ印刷が行われると、図6(b)に示すようになるが、トナーの消費を抑えるために、網点印刷ボタンD3b(図4(c)参照)により網点印刷モードが設定されることで、図6(c)に示すような網点印刷を行うことができる。ところで、A4サイズ原稿で印字率5%の場合、一般にトナーの消費量は0.02gである。ベタ印刷に対し、網点印刷であれば、例えば、トナー消費量を約半減させることができる。
【0149】
なお、ベタ印刷及び網点印刷については、以下に説明する部分隠蔽印刷の場合も同様である。
【0150】
[部分隠蔽印刷モード]
部分隠蔽印刷モードが設定されている場合には、第2イメージセンサー92による画像読み取りを終了し、シートPの後端が第2イメージセンサー92を外れた位置で、シートPをシート反転ローラ部62によって一旦停止する。
【0151】
そして、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像を表示パネル111の表示画面111aに表示する。
【0152】
図7は、シートPから読み取った画像が表示された表示パネル111の表示画面111a及びその周囲に配置された各種キー112,113,114a,114bを示す図である。図7(a)は、シートPから読み取った画像が表示された画面を示しており、図7(b)は、シートPから読み取った画像を部分的に選択した画面を示している。
【0153】
操作者は、シートPから読み取った表示画面111a上の画像に対して(図7(a)参照)隠蔽したい部分をタッチ操作にて消去することで選択する。例えば、表示画像の隠蔽すべき部分をタッチ操作(具体的にはペンのように先端の尖った画面位置指定部材による画面への接触(画面位置の指定))によって枠で囲むことで選択するようにしてもよい。この場合、枠内を塗りつぶすようにしてもよい(図7(b)参照)。なお、アップダウンキー114a,114bを押下操作することで、表示画面111aに表示される画像をスクロールすることができる。
【0154】
操作者により隠蔽したい部分が選択され、スタートキー112が押下操作されると、読み取ったシートPに対し、選択した部分に対応する画像を隠蔽するように隠蔽印刷を行う。
【0155】
この場合、別シート印刷モードが設定されている場合には、隠蔽印刷により隠蔽した画像を別の新しいシート(例えばシート供給カセット部11又は手差しシート供給部12から供給される白紙のシート)に印刷する。
【0156】
以上説明したように、本実施の形態に係る画像形成装置100では、例えば、機密性の高い画像情報が記録されたシートPに対して、その画像情報を隠蔽する印刷処理を施すように構成することができる。
【0157】
ところで、画像形成装置は、文字や図形等の画像情報を印刷することを主な目的とするが、シート上に記録された画像情報の有無やサイズにかかわらず、シート面全体に対して全面的に隠蔽する全面隠蔽印刷を行えば、文字や図形等の画像情報を簡単かつ容易に隠蔽することができる。従って、この全面隠蔽印刷は、文字や図形等の画像情報を他の者に理解できないようにすることができる上で簡便な手法である。しかし、何れのシートに対しても印刷処理を施し、しかもシート面全体に全面隠蔽印刷を行うとなると、隠蔽のための印刷材料(ここではトナー)の使用量がかさみ、あまりにも不経済である。
【0158】
また、近年の環境問題を考慮すると、機密情報が記録されたシートを焼却することは好ましくなく、また、単純に破断するのではなく有効利用することが望まれる。
【0159】
この点、画像形成装置100によれば、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像を基準に隠蔽印刷用画像(ここでは、該読み取ったシートPの画像より大きめの隠蔽印刷用画像)を作成し、シートPを画像形成部30に搬送した後、シートPの画像に重ねて印刷することで、シートPの文字や図形等の画像を隠蔽することができ、これにより機密保持を簡単に達成することができる。しかも、シュレッダー裁断による嵩張りもなく、また、従来では焼却していたかも知れないシートをリサイクル用シートとして回収することが可能となる。
【0160】
また、本実施の形態では、第1及び第2イメージセンサー91,92でシートPの画像を読み取るシート搬送経路として、別途シート搬送経路を設けることなく、両面印刷用のシート反転経路61を利用するので、装置100の大型化を招くことなく、画像情報が記録されたシートPに対して、その画像情報が他の者に理解できないような印刷処理を施すことができる。
【0161】
また、本実施の形態では、2個のイメージセンサー91,92を第2シート搬送経路22の両側にそれぞれ配置し、シートの両面を同時的に読み取るので、1回のシート供給でシートPの両面を処理することができる。
【0162】
また、本実施の形態では、2個のイメージセンサー91,29のそれぞれの読み取り部91a,92aが第2シート搬送経路22に沿ってずれているので、薄手のシートのように光を透過しやすいシートにおいても光透過による影響を受け難くでき、シートPの読み取るべき面の画像を精度良く読み取ることが可能となり、シートPの両面の画像識別を正確に行うことができる。
【0163】
また、本実施の形態では、2個のイメージセンサー91,92でシートPの両面に画像があると認識した場合、片方の面に対して画像形成部30によって隠蔽印刷を行った後、シートPをシート反転経路61によって表裏が逆転するように反転させ、もう片方の面にも隠蔽印刷を行うので、1回のシート供給で両面画像の隠蔽印刷を行うことが可能となる。
【0164】
逆にシートPの両面共に画像が無い場合には、画像形成部30を通過させずに外部へ排出することで、シートPは画像形成エンジン部33でのトナーで汚すことや定着部34での熱や圧力の影響を受けることなく、シートPを排出することができる。こうすることで、シート供給部10において白紙が混ざっていたとしても正しく選別することができ、それだけシートの無駄を排除することができる。
【0165】
また、本実施の形態では、手差し口排出モードを選択すれば、第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づく排出すべきシートPもしくは第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づく印刷動作後の排出すべきシートPをシート反転経路61から手差し用のシート供給口12aに排出することができるため、隠蔽印刷以外の通常の印刷動作によって排出されたシートとの混同を避けることができ、それだけ利便性を向上させることができる。
【0166】
また、本実施の形態では、シートPから読み取った画像を一旦表示パネル111に表示させる部分隠蔽印刷モードを選択すれば、表示画面111aをタッチ操作することで、操作者が隠蔽したい文面や図形等の画像のみ簡単に選択することもでき、しかも隠蔽しなくてもよい部分の画像を隠蔽せずに任意に選んで残すことが可能となる。
【0167】
また、本実施の形態では、隠蔽した画像を新たに別のシート(例えば白紙)に印刷するので、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPに対して隠蔽された画像と隠蔽されていない画像とを記録する一方で、別のシートに対して操作者が隠蔽したい部分の画像のみを記録することができる。
【0168】
また、本実施の形態では、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPに対し、該シートPの画像を該画像より大きめの面積で隠蔽するので、例えば、機密性の高い画像情報が記録されたシートに対して、隠蔽する面積を少なくした状態で(すなわち隠蔽のための印刷材料(ここではトナー)の使用量を低く抑えた状態で)その画像情報が他の者に理解できないような印刷処理を施すことが可能となる。
【0169】
また、本実施の形態では、ベタ印刷を行う場合には、隠蔽すべき画像を確実に見えなくすることができる。一方、網点印刷を行う場合には、隠蔽すべき画像の隠蔽性を維持しつつも隠蔽のための印刷材料の使用量を削減することができる。
【0170】
また、本実施の形態では、ベタ印刷モードと網点印刷モードとを切り替えできるので、操作者が隠蔽性を優先したいときにはベタ印刷を選択することができ、トナーの削減を優先したいときには網点印刷を選択することができる。
【0171】
また、本実施の形態では、第1及び第2イメージセンサー91,92としてコンタクトイメージセンサーを用いるので、既存構成の余ったスペースを利用してコンタクトイメージセンサーを配置することができ、これにより、当該画像形成装置100の大型化を招くことなく、前記した作用効果を得ることができる。
【0172】
(他の実施形態)
次に図1に示す画像形成装置100の他の例について説明する。図8は、図1に示す画像形成装置100の他の例200を示す概略断面図である。また、図9は、図8に示す画像形成装置200の表示パネル210を示す概略側面図である。なお、図8及び図9において、図1に示す画像形成装置100と同じ構成要素は同一符号を付し、その説明を省略する。また、図8において、搬送切り替え部材81は図示を省略している。
【0173】
図8に示す画像形成装置200は、図1に示す画像形成装置100とコンピューター(ここではパーソナルコンピューター)の表示パネル210とを統合したものである。すなわち、画像形成装置200は、図1に示す画像形成装置100において、表示パネル111に代えてパーソナルコンピューターの表示パネル210を設け、制御部40としてパーソナルコンピューターの制御部を設けたものである。
【0174】
この画像形成装置200は、表示パネル(ここでは液晶表示パネル)210を有するパーソナルコンピューターを備えており、表示パネル210は、画像形成部30の上部に(ここでは該画像形成部30に対して開閉可能に)設けられている。
【0175】
図8(a)は、画像形成装置200の表示パネル210を閉じた状態を示しており、図8(b)は、画像形成装置200の表示パネル210を開いた状態を示している。
【0176】
この画像形成装置200では、図8(a)に示すように、表示パネル210は画像形成部30の上面を覆うように構成され、図8(b)に示すように、表示パネル210を立てることにより、操作者が表示画面210aを良好に視認することができる。
【0177】
具体的には、表示パネル210は、画像形成部30に対して、シート搬送方向Aのシート供給側端部(シート排出口51とは反対側端部)に各ローラの回転軸線方向に沿った枢支軸211回りに回動自在に支持されている。
【0178】
画像形成装置200は、さらに、図1に示す画像形成装置100の排出トレイ54に代えて画像形成部30の上部に該画像形成部30に設けられた排出トレイ220を備えている。なお、排出トレイ220は、画像形成部30に対して開閉可能に設けられていてもよい。
【0179】
表示パネル210は、背面に排出トレイ220を収納するようになっていてもよい。具体的には、排出トレイ220は、閉じた状態の表示パネル210の背面に収納され(図8(a)参照)、かつ、開放した状態の表示パネル210をシート排出口51の近傍から画像形成部30の先端側に対して傾斜した状態で支持するようになっていてもよい(図8(b)参照)。
【0180】
また、この画像形成装置200における制御部40は、パーソナルコンピューターを構成する制御部とされている。
【0181】
図9(a)は、シートPから読み取った画像が表示パネル210に表示されている状態を示している。図9(b)は、表示パネル210に表示された画像に対して隠蔽すべき部分が選択されている状態を示している。図9(c)は、表示パネル210に表示された画像に対して追加情報が挿入されている状態を示している。
【0182】
画像形成装置200は、印刷制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体Mからの印刷制御プログラムを読み出して実行することにより、各種構成要素を制御するようになっている。
【0183】
前記印刷制御プログラムは、パーソナルコンピューターを、第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、印刷動作の制御を行う印刷制御手段を含む手段として機能させる。さらに、前記印刷制御プログラムは、パーソナルコンピューターを、通常の印刷動作を行うように機能させるようにもなっていてもよい。
【0184】
そして、前記印刷制御手段は、前記した印刷動作を実行することができる。例えば、前記印刷制御手段は、第2シート搬送経路22を搬送されるシートPの第1及び第2イメージセンサー91,92による読み取り結果に基づき、該シートPに画像があると判断した場合、該シートPに対し、画像形成部30によって、前記画像を隠蔽する隠蔽印刷を行う隠蔽印刷手段を含んでいてもよい。
【0185】
ここでは、前記隠蔽印刷手段は、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像を一旦表示画面210aに表示させ、人為操作により隠蔽すべき部分が選択されたのち、該シートPに対し、該選択された部分に対応する画像を隠蔽するように前記隠蔽印刷を行う。
【0186】
具体的には、前記印刷制御手段は、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像を一旦表示パネル210に表示させ(図9(a)参照)、表示画面210aに表示された画像に対して図示しないポインティングデバイス(いわゆるマウス)等の操作手段によって隠蔽すべき部分が選択される(図9(b)参照)。
【0187】
また、前記印刷制御手段は、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像を一旦表示画面210aに表示させ、表示画面210aに表示された前記画像に文字及び図形の少なくとも一方を含む追加情報を挿入する画像編集手段を含んでいる(図9(c)参照)。ここでは、画像編集手段は、前記追加情報を画像形成部30によって該読み取ったシートPに印刷する。
【0188】
以上説明した画像形成装置200によれば、パーソナルコンピューターにおける表示パネル210が画像形成部30の上部に設けられているので、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取ったシートPの画像を表示パネル210の比較的大きな表示画面上に表示することができ、それだけ操作者が見やすい状態で操作することが可能となる。しかも、表示パネル210が画像形成部30に対して開閉可能とされているので、当該画像形成装置200のコンパクト化を実現することができる。さらに、制御部40がパーソナルコンピューターを構成する制御部であるので、この制御部によって、当該画像形成装置200の印刷動作を制御することができる。例えば、表示パネル210の画面210a上に表示した画像に対し、前記画像編集手段によって加工処理等の各種の画像編集を行うことができる。
【0189】
また、表示画面210aに表示された画像に文字及び図形の少なくとも一方を含む追加情報を挿入し、該挿入した追加情報を画像形成部30によって該読み取ったシートPに印刷することで、第1及び第2イメージセンサー91,92で読み取った図9(a)に示すようなシートPの画像に対して、図9(b)に示すように、隠蔽印刷を行うだけでなく、図9(c)に示すように、既に記録されている画像情報に加えて、日付や案内地図などの追加情報を追加した新たな印刷物を得ることができる。
【0190】
なお、本実施形態の画像形成装置100,200において、イメージセンサー90は、第2シート搬送経路22に代えて、或いは、加えてシート供給部10と画像形成部30との間の第1シート搬送経路21に設けてもよい。或いは、イメージセンサー90は、シート供給部10に設けてもよい。
【0191】
また、本実施形態の画像形成装置100,200は、両面印刷機能を有するものであるが、片面印刷機能のみを有するものであってもよい。この場合、イメージセンサー90は、第1シート搬送経路21やシート供給部10に設けることができる。
【0192】
また、本実施形態の画像形成装置100,200は、画像形成部30を電子写真方式の画像形成プロセスによる印刷を行うものとしたが、それに限定されるものではなく、例えば、インクジェット方式等の画像形成プロセスによる印刷を行う画像形成部としてもよい。
【符号の説明】
【0193】
10 シート供給部
12a 手差し用のシート供給口
20 シート搬送経路
30 画像形成部
40 制御部
50 シート排出部
51 シート排出口
61 シート反転経路
90 イメージセンサー
91 第1イメージセンサー
92 第2イメージセンサー
100 画像形成装置
110 表示パネル
111a 表示画面
200 画像形成装置
210 表示パネル
M 記録媒体
P シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを供給するシート供給部と、前記シート供給部から供給されるシートが搬送されるシート搬送経路と、前記シート搬送経路からのシートを印刷する画像形成部と、印刷動作の制御を司る制御部とを備えた画像形成装置であって、
前記シート搬送経路を搬送されるシートの画像を読み取るイメージセンサーを備え、
前記制御部は、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、印刷動作の制御を行うように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、該シートに画像があると判断した場合、該シートに対し、前記画像形成部によって、前記画像を隠蔽する隠蔽印刷を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、
片方の面に印刷を行ったシートをシート反転経路によって表裏が逆転するように反転させた後、もう片方の面に印刷を行う両面印刷機能を備え、
前記シート反転経路が前記シート搬送経路を構成していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記イメージセンサーは、前記シート反転経路を構成する前記シート搬送経路を間にして両側にそれぞれ配置された2個のイメージセンサーであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記2個のイメージセンサーは、それぞれの読み取り部が前記シート搬送経路に沿ってずれるように配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3から請求項5までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記シート反転経路を構成する前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、該シートの両面共に画像が無いと判断した場合、前記画像形成部を経由させることなく、該シートを外部へ排出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3から請求項6までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記シート供給部は、手差し用のシート供給口を有し、かつ、前記シート反転経路を搬送されるシートを前記手差し用のシート供給口から外部へ排出できるように構成されており、
前記制御部は、前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づく排出すべきシートもしくは前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づく印刷動作後の排出すべきシートを前記シート反転経路から前記手差し用のシート供給口に排出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置において、
シートを外部へ排出するシート排出口を有するシート排出部を備え、
前記制御部は、前記排出すべきシートを前記シート排出口に排出するか、又は、前記シート反転経路から前記手差し用のシート供給口に排出するかを選択的に切り替え可能とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項3から請求項8までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記シート反転経路を構成する前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、該シートの両面に画像があると判断した場合、該シートの片方の面に対し、前記画像形成部によって、前記片方の面の画像を隠蔽する隠蔽印刷を行った後、該シートを前記シート反転経路によって表裏が逆転するように反転させ、該シートのもう片方の面に対し、前記画像形成部によって、前記もう片方の面の画像を隠蔽する隠蔽印刷を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項2又は請求項9に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の全体に対して前記隠蔽印刷を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項2又は請求項9に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の一部に対して前記隠蔽印刷を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項2又は請求項9に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の全体に対して前記隠蔽印刷を行う全体隠蔽印刷と、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像の一部に対して前記隠蔽印刷を行う部分隠蔽印刷とを選択的に切り替え可能とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置において、
前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を表示する表示パネルを備え、
前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を部分的に選択可能に一旦前記表示パネルに表示させ、人為操作により隠蔽すべき部分が選択されたのち、該シートに対し、前記選択された部分に対応する画像を隠蔽するように前記隠蔽印刷を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像形成装置において、
前記表示パネルは、前記表示画面上へのタッチ操作により該表示画面の位置情報を入力可能なものであり、
前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を部分的に選択可能に一旦前記表示画面に表示させ、前記タッチ操作により隠蔽すべき部分が選択されたのち、該シートに対し、前記選択された部分に対応する画像を隠蔽するように前記隠蔽印刷を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項11から請求項14までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記隠蔽印刷により隠蔽した画像を新たに別のシートに印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項2又は請求項9から請求項15までの何れか一つに画像形成装置において、
前記隠蔽印刷は、前記画像を該画像より大きめの面積で隠蔽することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項2又は請求項9から請求項16までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記隠蔽印刷は、前記画像を塗りつぶすベタ印刷であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項2又は請求項9から請求項16までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記隠蔽印刷は、前記画像を網点状に隠蔽する網点印刷であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項2又は請求項9から請求項16までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記隠蔽印刷は、前記画像を塗りつぶすベタ印刷と、前記画像を網点状に隠蔽する網点印刷とを含み、
前記制御部は、前記ベタ印刷と前記網点印刷とを選択的に切り替え可能とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
請求項1から請求項19までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を表示する表示パネルを備え、
前記制御部は、前記イメージセンサーで読み取ったシートの画像を一旦前記表示パネルに表示させ、前記表示パネルに表示された前記画像に文字及び図形の少なくとも一方を含む追加情報を挿入することを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
請求項20に記載の画像形成装置において、
前記追加情報を前記画像形成部によって前記イメージセンサーで読み取ったシートに印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項22】
請求項1から請求項21までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記イメージセンサーは、コンタクトイメージセンサーであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項23】
請求項1から請求項22までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成部は、電子写真方式の画像形成プロセスによる印刷を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項24】
請求項1から請求項23までの何れか一つに記載の画像形成装置において、
表示パネルを有するコンピューターを備え、
前記コンピューターにおける前記表示パネルは、前記画像形成部の上部に設けられており、
前記制御部が前記コンピューターを構成する制御部であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項25】
請求項24に記載の画像形成装置において、
前記表示パネルは、前記画像形成部の上部に該画像形成部に対して開閉可能に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項26】
請求項24又は請求項25に記載の画像形成装置における前記コンピューターを、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、印刷動作の制御を行う印刷制御手段を含む手段として機能させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項27】
請求項26に記載の印刷制御プログラムにおいて、
前記印刷制御手段は、前記シート搬送経路を搬送されるシートの前記イメージセンサーによる読み取り結果に基づき、該シートに画像があると判断した場合、該シートに対し、前記画像形成部によって、前記画像を隠蔽する隠蔽印刷を行う隠蔽印刷手段を含むことを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項28】
請求項26又は請求項27に記載の印刷制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−252219(P2010−252219A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101757(P2009−101757)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】