説明

画像形成装置及びプリントシステム

【課題】省電力モードと通常電力モードと電力消費の差を極力大きくして省電力化を図りつつも、ユーザによる手動操作によらず省電力モードから復帰させる。
【解決手段】MFP2は制御部20を含む負荷に電力を供給する電源部27と電力供給源との間を接続する電源ライン28aに電源リレー30を設けており、この電源リレー30は、通電状態において電源ライン28aを接続するとともに非通電状態において電源ライン28aを遮断する。また、MFP2の制御部20は、MFP2を省電力モードに移行させる場合には、電源リレー30を非通電状態に設定することにより電源ライン28aを遮断する。一方、制御部20は、MFP2を省電力モードから復帰させる場合には、MFP2の外部から供給される起動用電流により電源リレー30が通電状態に設定されることにより電源ライン28aを接続して、電源部27から電力の供給を受けることによりMFP2を立ち上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプリントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、省電力の観点から、複数の電力モードを必要に応じて切り換えることができる画像形成装置が知られている。このような電力モードとしては、装置としての所定の機能を発揮することができる、すなわち、画像形成が可能な電力モード(通常電力モード)や、通常電力モードよりも電力消費を抑えた電力モード(省電力モード)などが挙げられる。
【0003】
また、オフィスなどの大規模な使用環境では、画像形成装置と、この画像形成装置にジョブを出力する情報処理装置と、画像形成装置へと送信されるジョブを管理する印刷制御装置とがそれぞれ通信可能に構成されたプリントシステムが形成されている。
【0004】
例えば特許文献1には、画像形成装置が、二次電池を備える構成が開示されている。具体的には、この画像形成装置は、活動状態から休止状態へと移行し、電力供給ユニットからメインコントローラー及び省電力コントローラーへの電力供給が途絶えた場合、二次電池により、リアルタイムクロック及び省電力コントローラーの省電力制御部への電力供給を保証する。
【0005】
例えば特許文献2には、通常モードと省電力モードが設定されたネットワーク制御装置が開示されている。このネットワーク制御装置は、システム全体の制御を司るメイン制御部と、システムのうちの予め設定された制御を司るサブ制御部と、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手段と、を備える。そして、サブ制御部は、電源オフ要因パケットを検出したときに省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させること。
【0006】
例えば特許文献3には、省電力モード時に画像形成装置の電源を落とさず、AC0Wを実現し、ネットワーク応答が可能な画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、二次電池の状態が所定の値を下回ったことを検知したら、複数の電力源の中で最小の消費電力の電力源をオンして復帰要因検知部へ電力供給し、二次電池は、復帰要因検知部への電力供給をオフする。また、画像形成装置は、複数の電力源の中で最小な消費電力の電力源をオンして、二次電池を充電する。そして、画像形成装置は、充電が終了したら、二次電池から復帰要因検知部への電力供給をオンし、復帰要因検知部に電力を供給していた複数の電力源の中で最小消費電力の電力源をオフする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−165108号公報
【特許文献2】特開2010−152701号公報
【特許文献3】特開2010−3178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献2に開示されているように、省電力モードは、最大で0Wまで消費電力を制限することができるため、省電力モードと通常電力モードとの電力消費の差が最大となり、電力消費の抑制を効果的に実現することができるという長所を有する。しかしながら、少電力モードへと一度移行してしまうと、制御機能を担う要素(制御部)への電力供給もなされていないため、当該制御部により自動的に省電力モードから復帰することができない。そのため、ユーザによる手動操作、すなわち、装置上の電源スイッチを手動でオンしなければならないといったように、通常電力モードへと復帰する際の作業が煩わしいという問題がある。
【0009】
この点、特許文献1,3に開示されているように、電力供給源から供給される電力を0Wとしつつ、二次電池を利用して制御部に電力を供給することで、通常電力モードへの復帰を実現することができる。しかしながら、この手法によれば、二次電池には電力を事前に貯えておく必要があるため、省電力モード時に外部から供給される電力が擬似的に0Wとなるに過ぎない。また、長期間の省電力モードに対応するためには、大容量の二次電池が必要となり、コストアップを招来するという問題がある。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、省電力モードと通常電力モードとの電力消費の差を極力大きくして省電力化を図りつつも、ユーザによる手動操作によらず省電力モードから復帰させることができる手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、電力供給源と接続される電源ラインを介して電力が供給されて、当該電力を画像形成装置内の負荷に供給する電源部と、電源ラインに設けられており、通電状態において電源ラインを接続するとともに非通電状態において電源ラインを遮断する切換部と、電源部から供給される電力により動作するとともに、切換部に対して通電状態又は非通電状態を設定する制御部と、を有する画像形成装置を提供する。この場合、制御部は、画像形成装置を省電力モードに移行させる場合には、切換部を非通電状態に設定することにより電源ラインを遮断し、画像形成装置を省電力モードから復帰させる場合には、画像形成装置の外部から供給される起動用電流により切換部が通電状態に設定されることにより電源ラインを接続して、電源部から電力の供給を受けることにより画像形成装置の立ち上げを行う。
【0012】
ここで、第1の発明において、切換部は、起動用電流が切換部内の電流経路を流れることにより通電状態となることが好ましい。
【0013】
また、第1の発明は、電流を供給する補助電源部と、起動用電流の入力に応じて、補助電源部から切換部への電流供給を許可する許可部と、を更に有することが好ましい。この場合、切換部は、補助電源部から供給される電流が切換部内の電流経路を流れることにより通電状態となることが好ましい。
【0014】
また、第1の発明は、起動用電流を非接触で受電する受電部をさらに備えていてもよい。この場合、切換部は、受電部から供給される電流が切換部内の電流経路を流れることにより通電状態となる。
【0015】
また、第1の発明において、切換部は、電源ラインの接続又は遮断を手動で切り換えるスイッチ部材を備える。
【0016】
また、第2の発明は、それぞれが第1の発明に記載された複数の画像形成装置と、画像形成装置が実行するジョブを送信する情報処理装置及び画像形成装置のそれぞれと通信可能に構成されており、情報処理装置からジョブを受信して所定の画像形成装置にジョブの実行を指示する印刷制御装置と、を有するプリントシステムを提供する。この場合、印刷制御装置は、画像形成装置のそれぞれと接続する起動用ラインと、情報処理装置からジョブを受信した場合に、起動用ラインを介して画像形成装置のそれぞれに起動用電流を供給する電流供給手段と、複数の画像形成装置のうち立ち上げ状態を継続する画像形成装置を指示する起動指示信号を、画像形成装置のそれぞれに送信する起動指示手段と、を有する。
【0017】
ここで、第2の発明において、画像形成装置の制御部は、受信した起動指示信号に基づいて、立ち上げ状態を継続する画像形成装置であることを判断した場合には、切換部を通電状態に設定し、立ち上げ状態を継続する画像形成装置でないことを判断した場合には、切換部を非通電状態のままに設定することが好ましい。
【0018】
また、第2の発明において、起動指示手段は、複数の画像形成装置のうち、ジョブにおいて指定された画像形成装置を立ち上げ状態を継続する画像形成装置として選択することが好ましい。
【0019】
また、第2の発明において、印刷制御装置は、それぞれの画像形成装置に関する特徴を格納する記憶手段をさらに有することが好ましい。この場合、起動指示手段は、ジョブにおいて指定される印刷条件に基づいて記憶手段を検索することにより、当該印刷条件と特徴とが適合する画像形成装置を、立ち上げ状態を継続する画像形成装置として選択する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画像形成装置を省電力モードへと移行させる場合には、電源部よりも後段側の要素への電力供給が遮断される。これにより、省電力モードと通常電力モードと電力消費の差を極力大きくすることができ、省電力化を効果的に実現することができる。また、画像形成装置の外部から供給される起動用電流により電源ラインを接続し、制御部が電源部から電力の供給を受けることで、画像形成装置を立ち上げることができる。そのため、ユーザによる手動操作によらず省電力モードから復帰させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】プリントシステムの全体構成を示すブロック図
【図2】MFPの構成を示すブロック図
【図3】印刷制御装置の構成を示すブロック図
【図4】プリントシステムにおけるMFPの省電力モードからの復帰手順を示すフローチャート
【図5】第1の変形例としてのMFPの構成を模式的に示すブロック図
【図6】第2の変形例としてのMFPの構成を模式的に示すブロック図
【図7】第3の変形例としてのMFPの構成を模式的に示すブロック図
【図8】管理データベースの説明図
【図9】印刷制御装置による印刷指令の手順を示すフローチャート
【図10】印刷条件とMFPの特徴との適合状況を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るプリントシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施形態に係るプリントシステムは、複数のPC1と、複数のMFP2と、印刷制御装置4とで構成されており、これらは有線LAN又は無線LAN、WAN等のネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。なお、PC1、MFP2及び印刷制御装置4における相互間の接続は、ネットワーク5に限らず、直接的な接続(ローカル接続)を採用してもよい。また、本実施形態では、MFP2は複数台で構成されているが、一台であってもよく、また、PC1も一台であってもよい。さらに、PC1やMFP2の台数が多い場合には、負荷軽減の観点から印刷制御装置4を複数台設けてもよい。
【0023】
PC1は、ユーザの指示に従いジョブを生成する情報処理装置である。このPC1は、CPU、ROMやRAMなどのメモリ、通信I/F部などを備えるコンピュータであり、これらの要素はバスを介して相互に接続されている。このPC1は、ドキュメントを作成するためのアプリケーションソフトウェアを実行したり、ドキュメントの印刷をMFP2に指示するプリンタドライバとしての機能を有する。PC1は、アプリケーションソフトウェアで作成されたドキュメントのデータを、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)の印刷データに変換し、当該印刷データ、印刷条件(カラー又はモノクロの指定、部数や用紙サイズなど)を含むジョブをMFP2に送信する。
【0024】
PC1には、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等からなる表示装置が接続されており、表示装置は、PC1に制御されることにより各種画面を表示する。さらに、PC1には、キーボードやマウス等からなる入力装置が接続されており、ユーザに操作されることにより、MFP2に送信するジョブ等の情報をPC1に指示することができる。
【0025】
なお、PC1としての情報処理装置は、コンピュータ以外にも、無線LANを介して通信が可能な携帯情報端末やスマートフォンなどであってもよい。
【0026】
図2は、MFP2の構成を示すブロック図である。MFP2は、用紙に画像形成を行う画像形成装置であり、本実施形態では、コピー、プリント、スキャナー、ネットワーク等の複合機(MFP:Multi Functional Peripherals)である。MFP2は、制御部20と、表示部21と、操作部22と、ADF23と、画像読取部24と、給紙部25と、画像形成部26と、電源部27とを主体に構成される。
【0027】
制御部20は、MFP2を構成する各部を統合的に制御したり、ネットワーク5を介して印刷制御装置4と通信する機能を担っている。制御部20は、例えばCPU、ROMやRAMなどのメモリ、通信I/F部などを備えるマイクロコンピュータであり、これらの要素はバスを介して相互に接続されている。
【0028】
表示部21は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等からなる表示装置であり、制御部20に制御されることにより各種画面を表示する。操作部22は、ボタンやスイッチ等からなる入力装置であり、ユーザに操作されることにより、MFP2に関する各種設定、MFP2が実行するジョブ等の情報を制御部20に指示することができる。なお、表示部21と操作部22とは各々独立した構成としてもよいが、例えばタッチパネルといったように、表示部21上に、透明電極が格子状に配置された感圧式又は静電容量式の操作部22を設けた一体型の構成としてもよい。
【0029】
ADF23は、単数又は複数枚の原稿を自動で画像読取部24へ搬送する自動原稿送り装置である。
【0030】
画像読取部24は、例えば、光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)等の撮像素子、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。この画像読取部24は、ADF23によって搬送される原稿の画像を光学的に読み取り、画像信号を得ると、当該画像信号にA/D変換処理を施し、入力画像データとして制御部20に出力する。
【0031】
給紙部25は、各種サイズの用紙を格納する用紙トレイや、ローラやガイド部材等の搬送手段で構成される。この給紙部25は、ユーザにより指定された用紙を画像形成部26へと搬送する。
【0032】
画像形成部26は、用紙に画像を形成する機能を担っている。本実施形態における画像形成部26は、例えば電子写真方式を利用して画像形成を行うものであり、レーザ光源や光学系から構成される露光ユニット、感光体ドラムとその周辺に配置されている帯電・現像ユニット、ローラなどの転写ユニット、定着ユニットなどで構成される。この画像形成部26は、(1)感光体ドラムを帯電させる、(2)露光部により感光体ドラム上に静電潜像を形成する、(3)形成された静電潜像にトナーを付着させる、(4)感光体ドラム上のトナー画像を用紙に転写する、(5)転写されたトナー画像を用紙に定着する、という一連のプロセスを通じて、用紙に画像(トナー画像)を形成する。
【0033】
電源部27は、MFP2を構成する電気的な要素(負荷)に電力を供給する装置であり、電力供給源から供給される電力を負荷に供給する。ここで、電力供給源は、例えばAC100Vの交流電源であり、差込プラグ(図示せず)及び電源ケーブルにより構成される電源ライン(以下「主電源ライン」という)28aを介して電源部27と接続されている。電源部27は、電力変換機としてのAC−DC変換回路を備え、入力である交流電流を直流電流に変換し、当該直流電流を負荷に供給する。負荷は、制御部20及び用紙Pにトナー画像を形成するために動作する種々の要素、すなわち、表示部21、ADF23、画像読取部24、給紙部25及び画像形成部26などであり、電源ライン(以下「負荷電源ライン」という)28bを介して電源部27の所定の出力と接続されている。
【0034】
電源部27の入力側に至る主電源ライン28aには、当該主電源ライン28aを接続又は遮断するメインスイッチ29が設けられている。このメインスイッチ29は、MFP2の本体側面部に設けられ、ユーザの手動操作により、主電源ライン28aの状態を切り換えることができる。
【0035】
また、主電源ライン28aは、制御部20により接続又は遮断を切り換えることができる。具体的には、主電源ライン28aには、切換部としての電源リレー30が設けられており、この電源リレー30は、通電状態、すなわち、電源リレー30内の電流経路を電流が流れると接点が閉となり、主電源ライン28aを接続する。一方、電源リレー30は、非通電状態、すなわち、電源リレー30内の電流経路を電流が流れないと接点が開となり、主電源ライン28aを遮断する。例えば、電源リレー30は、電源部27の所定の出力(例えば5V出力)からグランドへと至る電源ライン(以下「リレー電源ライン」という)28c上に設けられており、電源リレー30と電源部27との間には、NPN型トランジスタといったスイッチ31が設けられている。当該スイッチ31は、制御部20に制御されることによりリレー電源ライン28cを接続又は遮断することができる。すなわち、制御部20は、スイッチ31を介して、電源部27から電源リレー30に至る電流経路を接続又は遮断することができる。
【0036】
さらに、このリレー電源ライン28cにおける電源リレー30とスイッチ31との間には、起動用ライン6が接続されている。起動用ライン6は、図1に示すように、印刷制御装置4と個々のMFP2との間を接続しており、印刷制御装置4から所定の出力(例えば5V出力)に対応する電力を供給する電流経路として機能する。この起動用ライン6により、電源リレー30の通電を制御部20が行う以外にも、印刷制御装置4から行うことができるようになっている。
【0037】
このような構成のMFP2において、制御部20は、これを機能的に捉えた場合、画像形成制御手段及び電力モード切換手段としての機能を備えている。
【0038】
<画像形成制御手段>
画像形成制御手段としての制御部20は、表示部21、操作部22、ADF23、画像読取部24、給紙部25及び画像形成部26の各部を制御することにより、用紙への画像形成を行う。具体的には、制御部20は、PC1から受信したジョブに基づいて、用紙への画像形成を行ったり、画像読取部24が読み込んだ画像データに関連付けられたジョブに基づいて、用紙への画像形成を行ったりする。
【0039】
<電力モード移行手段>
電力モード移行手段としての制御部20は、MFP2に供給される電力状態を設定する電力モードとして、通常電力モードと、省電力モードとを有している。
【0040】
通常電力モードは、MFP2を動作させるために必要な電力がMFP2に供給されるモードであり、MFP2を立ち上げることにより初期的に設定される。具体的には、後述するように、起動用ライン6を介して起動用電流が供給されることにより、主電源ライン28aが接続されると、電源部27を介して制御部20に電力が供給される。制御部20は、電源部27から電力が供給されると、必要な制御プログラムを起動したり、所定の内部リレーをオンすることで、MFP2を構成する他の負荷に電力を供給する。これにより、MFP2の立ち上げが完了し、MFP2に対して通常電力モードが設定される。
【0041】
一方、省電力モードは、MFP2による電力消費が通常電力モードよりも少ない電力モードである。本実施形態にかかる省電力モードは、電力消費の抑制を最も尊重した電力モードであり、電源リレー30により主電源ライン28aを遮断した状態に相当する。本実施形態では、電源部27よりも上流側には負荷が設けられていないため、電源リレー30により主電源ライン28aを遮断した場合、MFP2の消費電力は0Wとなる。
【0042】
省電力モードは、制御部20がスイッチ31をオフし、電源リレー30によりリレー電源ライン28cを遮断することで、通常電力モードから移行可能である。この省電力モードでは、制御部20及び他の負荷に対する電力供給が遮断された状態となる。省電力モードへと移行した場合には、起動用ライン6を介して起動用電流が供給される以外では、通常電力モードへは復帰しないこととなる。なお、省電力モードから通常電力モードへの復帰方法の詳細については後述する。
【0043】
制御部20は、電力モードとして通常電力モードを優先的に選択しているが、所定の移行条件を具備することで省電力モードへと移行する。移行条件としては、ジョブの終了後、所定時間(例えば30分)が経過するまでの間に新たなジョブが開始されないことや、予め設定された時刻(午後7時)に到達したことである。
【0044】
図3は、印刷制御装置4の構成を示すブロック図である。印刷制御装置4は、各PC1とMFP2との間に介在し、MFP2の印刷動作を管理している。この印刷制御装置4は、制御部40と、表示部41と、操作部42と、電源部43を主体に構成される。
【0045】
制御部40は、CPU、ROMやRAMなどのメモリ、補助記憶装置としてのHDD(Hard Disk Drive)、通信I/F部などを備えるコンピュータであり、これらの要素はバスを介して相互に接続されている。
【0046】
表示部41は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等からなる表示装置であり、制御部40に制御されることにより各種画面を表示する。また、操作部42は、キーボードやマウス等からなる入力装置であり、ユーザに操作されることにより、各種設定や指示を制御部40に入力する。
【0047】
電源部43は、印刷制御装置4を構成する電気的な要素(負荷)に電力を供給する装置であり、電力供給源からの供給される電力を負荷に供給する。電源部43は、電力変換機としてのAC−DC変換回路を備え、入力である交流電流を直流電流に変換し、直流電流を制御部40及びその他の負荷に供給する。ここで、電力供給源は、例えばAC100Vの交流電源であり、差込プラグ(図示せず)及び電源ケーブルにより構成される電源ライン(以下「主電源ライン」という)44aを介して電源部43と接続されている。また、負荷は、制御部20及び表示部41等であり、電源ライン(以下「負荷電源ライン」という)44bを介して電源部43の所定の出力と接続されている。
【0048】
また、電源部43の所定の出力(例えば5V出力)には、前述の起動用ライン6が接続されており、電源部43は、この起動用ライン6を介して、各MFP2の電源リレー30に対して起動用電流を供給することができる。この起動用ライン6には、NPN型トランジスタといったスイッチ45が設けられており、当該スイッチ45は、制御部40に制御されることにより起動用ライン6を接続又は遮断することができる。すなわち、制御部40は、スイッチ45を介して、電源部45から各MFP2(電源リレー30)に至る電流経路を接続又は遮断することができる。
【0049】
本実施形態との関係において、制御部40は、これを機能的に捉えた場合、印刷制御手段、電流供給手段及び起動指示手段としての機能を有している。
【0050】
<印刷制御手段>
印刷制御手段としての制御部40は、各PC1からMFP2へと送信されるジョブを中継し、これを管理した上でMFP2へと送信する。かかる制御部40の動作により、複数のPC1からのジョブがMFP2に集中し、MFP2の処理能力を超えてしまうといった事態を抑制することができる。
【0051】
<電流供給手段>
電流供給手段としての制御部40は、PC1からジョブを受信した場合には、スイッチ45を制御することにより、起動用ライン6を介して電源部45からMFP2のそれぞれに起動用電流を供給する。
【0052】
<起動指示手段>
起動指示手段としての制御部40は、複数のMFP2のうち立ち上げ状態を継続するMFP2を指示する起動指示信号を、MFP2のそれぞれに送信する。
【0053】
なお、このような処理を行うにあたり、制御部40は、ネットワーク5に接続するPC1及びMFP2をそれぞれ識別するための識別子(MACアドレス等のID)情報を保有している。
【0054】
図4は、プリントシステムにおけるMFP2の省電力モードから通常電力モードへの復帰手順を示すフローチャートである。ここで、ネットワークに接続する各MFP2の電力モードは、省電力モードへと移行しているものとする。
【0055】
まず、ステップ10(S10)において、印刷制御装置4の制御部40は、MFP2の起動指示があるか否かを判断する。制御部40は、この起動指示の有無を、PC1からジョブを受信したか否かにより判断する。すなわち、制御部40は、PC1からジョブを受信した場合には、起動指示ありと判断し、PC1からジョブを受信していない場合には、起動指示がないと判断する。このステップ10において肯定判定された場合、すなわち、起動指示ありの場合には、ステップ11(S11)に進む。一方、ステップ10において否定判定された場合、すなわち、起動指示なしの場合には、本ルーチンを抜ける。
【0056】
ステップ11において、制御部40は、スイッチ45をオフからオンに切り換え、起動用ライン6を遮断状態から接続状態へと切り換える。これにより、起動用ライン6を介して電源部43から各MFPへと電力が供給される。各MFP2では、起動用ライン6からリレー電源ライン28cを経由して電源リレー30へと電流が流れ、当該電源リレー30が主電源ライン28aを接続する。これにより、電力供給源から電源部28へと電力が供給され、電源部27から制御部20へと電力が供給される。
【0057】
ステップ12(S12)において、各MFP2における制御部20は、電源部27から電力が供給されると、MFP2の立ち上げ処理を実行する。立ち上げ処理は、省電力モードから通常電力モードへ復帰するために必要な処理をいう。本実施形態において、制御部20は、必要な制御プログラムを起動したり、制御部20を除く他の負荷に対して電源部27から電力を供給したりする。
【0058】
ステップ13(S13)において、各MFP2の制御部20は、自己の立ち上げ処理が完了すると、印刷制御装置4に対して、立ち上げ処理が完了したことを示す立ち上げ完了信号をネットワーク5を介して送信する。
【0059】
ステップ14(S14)において、印刷制御装置4の制御部40は、各MFP2から送信される立ち上げ完了信号を受信する。そして、制御部40は、全てのMFP2から立ち上げ完了信号を受信すると、PC1からのジョブを参照し、ネットワーク5に接続する複数のMFP2のうち、ジョブを実行するMFP2を特定する。そして、ステップ15(S15)において、制御部40は、ジョブを実行するために、立ち上げ状態を継続するMFP2を指示する起動指示信号を、ネットワーク5を介して各MFP2に対して送信する。
【0060】
ステップ16(S16)において、各MFP2における制御部20は、起動指示信号を受信すると、起動指示信号に基づいて、起動指示されたMFP2であるか否か、すなわち、自己が立ち上げ状態を継続するMFP2であるか否かを判断する。このステップ16において肯定判定された場合、すなわち、立ち上げ状態を継続するMFP2であることを判断した場合には、ステップ17(S17)に進む。一方、ステップ16において否定判定された場合、すなわち、立ち上げ状態を継続するMFP2でないことを判断した場合には、後述するステップ21(S21)に進む。
【0061】
ステップ17において、立ち上げ状態を継続するMFP2の制御部20は、電源リレー30のオンコマンドを印刷制御装置4に対して送信する。つぎに、ステップ18(S18)において、制御部20は、スイッチ31をオフからオンに切り換え、電源部27から電源リレー30へと至るリレー電源ライン28cを接続する。そして、ステップ19(S19)において、制御部20は、立ち上げ状態を維持することにより、通常電力モードを設定する。
【0062】
また、ステップ20(S20)において、MFP2からオンコマンドを受信した印刷制御装置4の制御部40は、スイッチ45をオンからオフに切り換え、これにより、起動用ライン6を遮断する。
【0063】
一方、ステップ16の否定判定に続くステップ21において、立ち上げ状態を継続しない各MFP2の制御部20は、立ち下げ処理を行う。具体的には、制御部20は、制御部20を除く負荷に対する電源部27からの電力の供給を遮断したり、実行中の制御プログラムを終了し、印刷制御装置4による起動用ライン6の遮断に伴って電源リレー30をオンからオフに切り換えることによる主電源ライン28aの遮断に備える。
【0064】
このように本実施形態において、MFP2は、制御部20を含む負荷に電力を供給する電源部27と電力供給源との間を接続する主電源ライン28aに電源リレー30を設けており、この電源リレー30は、通電状態において主電源ライン28aを接続するとともに非通電状態において主電源ライン28aを遮断する。また、MFP2の制御部20は、MFP2を省電力モードに移行させる場合には、電源リレー30を非通電状態に設定することにより主電源ライン28aを遮断する。一方、制御部20は、MFP2を省電力モードから復帰させる場合には、MFP2の外部から供給される起動用電流により電源リレー30が通電状態に設定されることにより主電源ライン28aを接続して、電源部27から電力の供給を受けることによりMFP2を立ち上げる。
【0065】
かかる構成によれば、MFP2を省電力モードへと移行させる場合には、機内の負荷に電力を供給する電源部27へと至る主電源ライン28aを遮断している。これにより、電源部27よりも後段側の要素への電力供給を遮断することができ、0W状態を作出することができる。これにより、省電力モードと通常電力モードと電力消費の差を極力大きくすることができるので、省電力化を図ることができる。また、このような0W状態では、MFP2の制御部20が立ち上がっていないが、省電力モードから復帰させる場合には、MFP2の外部から供給される起動用電流により電源リレー30を通電させることにより、主電源ライン28aを接続する。これにより、制御部20に給電が行われ、MFP2を立ち上げることができるので、ユーザによる手動操作によらず省電力モードからMFP2を復帰させることができる。
【0066】
また、本実施形態において、電源リレー30は、起動用電流が当該電源リレー30を直接的に流れることにより、通電状態となる。これにより、起動用電流により電源リレーの状態を通電状態と非通電状態とで切り換えることができる。
【0067】
また、本実施形態において、印刷制御装置4は、MFP2のそれぞれに起動用電流を供給する起動用ライン6を備える。そして、印刷制御装置4の制御部40は、PC1からジョブを受信した場合には、起動用ライン6を介してMFP2のそれぞれに起動用電流を供給する(電流供給手段)。また、制御部40は、複数のMFP2のうち立ち上げ状態を継続するMFP2を指示する起動指示信号を、MFP2のそれぞれに送信する(起動指示手段)。
【0068】
かかる構成によれば、印刷制御装置4が起動用ライン6を介して起動用電流を供給することができるので、省電力モードに移行しているMFP2を省電力モードから復帰させることができる。
【0069】
また、本実施形態において、MFP2の制御部20は、受信した起動指示信号に基づいて、立ち上げ状態を継続するMFP2であることを判断した場合には、リレー電源ライン28cの接続を継続し、立ち上げ状態を継続するMFP2でないことを判断した場合には、リレー電源ライン28c遮断する。
【0070】
かかる構成によれば、制御部20が、起動指示信号により、ジョブの実行に必要なMFP2のみに、立ち上げ状態を継続させて省電力モードから復帰させることができる。これにより、ユーザの利便性を確保することができるとともに、省電力化を実現することができる。
【0071】
また、本実施形態において、印刷制御装置4の制御部40は、複数のMFP2のうち、ジョブにおいて指定されたMFP2を、立ち上げ状態を継続するMFP2として選択する。かかる構成によれば、ユーザが稼働したいMFP2を適切に立ち上げることができる。
【0072】
なお、上述した実施形態では、PC1、MFP2及び印刷制御装置4の相互間の通信用の接続は、LAN等のネットワーク5を利用し、起動用ライン6を別個に設けることで、印刷制御装置4から各MFP2への起動用電流を供給している。しかしながら、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)や、パワー・オーバー・イーサネット(登録商標)(PoE)といった手法を利用して、通信用ラインと起動用ラインとを一元化してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、印刷制御装置4の制御部40は、各MFP2との間で通信を行い、各MFP2から応答に応じて、起動指示信号を送信したり、起動用電流の供給を終了したりしている。しかしながら、印刷制御装置4の制御部40は、このような応答を要求せずに、あるいは、要求に係わらず、起動指示信号を送信したり、起動用電流の供給を終了したりしてもよい。例えば、制御部40は、起動用電流を供給した後、所定時間の経過を条件として起動指示信号を送信したり、起動指示信号を送信した後、所定時間の経過を条件として起動用電流の供給を終了したりするといった如くである。
【0074】
本実施形態において、外部から起動用電流を供給可能なMFP2の構成を例示したが、この機能を実現するために、MFP2は次に示すような形態であってもよい。以下、変形例を示すが、前述した構成と重複する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
【0075】
<第1の変形例>
図5は、第1の変形例としてのMFP2の構成を模式的に示すブロック図である。本変形例のMFP2は、例えばリチウムイオンバッテリーといった二次電池、太陽電池又は一次電池といった補助電源として機能する補助電源部32をさらに有している。この補助電源部32は、電源リレー30よりも上流側のリレー電源ライン28cに接続されている。これにより、電源リレー30への通電を、補助電源部32から行うことができるようになっている。
【0076】
ここで、補助電源部32と、リレー電源ライン28cの接続点との間には、NPN型トランジスタといったスイッチ45が設けられている。また、このスイッチ45であるトランジスタのベースには、印刷制御装置4から給電される起動用ライン6が接続されている。このスイッチ45は、印刷制御装置4から起動用ライン6を介して供給される起動用電流がベース電流として作用することで、補助電源部32からリレー電源ライン28cへと至る経路を接続又は遮断することができる。換言すれば、スイッチ45は、起動用電流の入力に応じて、補助電源部32から電源リレー30への電流供給を許可する許可部としての機能を担っている。
【0077】
また、本実施形態によれば、例えば、補助電源部32を二次電池などで構成する場合であっても、電源リレー30を通電する程度の電流を供給できればよく、また、その供給時間も短くて足りる。これにより、大容量の二次電池を補助電源部32として利用する必要もないので、コストアップや装置の大型化といった不都合を抑制することができる。
【0078】
このようにMFP2に対する起動用電流は、前述したように電源リレー30を直接的に通電するのみならず、電源リレー30の通電状態を非通電状態に切り換えるためのトリガー信号であってもよい。
【0079】
<第2の変形例>
図6は、第2の変形例としてのMFP2の構成を模式的に示すブロック図である。本変形例において、MFP2は、非接触電力伝送装置における二次コイルユニット(受電コイルユニット)といった受電部34を備えており、当該受電部34は、一次コイルユニットといった送電部から起動用電流に応じて送電される電力を受電する機能を担っている。受電部34は、電源リレー30よりも上流側のリレー電源ライン28cに接続されており、受電部34によって受電された電力は、リレー電源ライン28cを介して電源リレー30へと供給することができる。
【0080】
この場合、送電部は、印刷制御装置4によって制御されることにより、受電部34に対して送電を行う構成であることが好ましい。また、送電部は、単に送電する機能を備えていればよく、例えばスマートフォンといったように、非接触電力伝送を実現することができる種々の装置を利用してもよい。
【0081】
<第3の変形例>
図7は、第3の変形例としてのMFP2の構成を模式的に示すブロック図である。上述したMFP2においてメインスイッチ29は、主電源ライン28aを遮断するブレーカーとして機能しており、MFP2に対する電源の立ち上げは、もっぱら起動用信号の入力に依存している。本変形例では、電源リレー30にユーザが手動により操作することができる手動スイッチ35を設け、起動用電流以外にもこの手動スイッチ35の操作により電源リレー30の接点を開閉することができる。
【0082】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態にかかる画像形成システムについて説明する。この第2の実施形態にかかる画像形成システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、PC1からのジョブに応じて復帰させるMFP2を選択することができることである。なお、第1の実施形態と重複する点については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
【0083】
印刷制御装置4の制御部40は、管理データベースを格納する記憶手段としての機能を備えている。管理データベースは、図8に示すように、ネットワークに接続するMFP2毎に作成されたレコードの集合であり、一つのレコードは、「ID」、「特徴」、「ステース」によって構成されている。「ID」は、ネットワーク5に接続されるMFP2を識別するための機器固有の識別子であり、例えばMACアドレス等がこれに該当する。「特徴」は、MFP2の特徴を示すものであり、「印刷性能」、「ステイプル」、「パンチ」、「生産性」及び「省電力性」の小項目を備えている。印刷性能は、MFP2がカラー出力に対応するものであるのか、それともモノクロ出力に対応するものであるのかを示す。ステイプルは、MFP2がステイプル機能を備えているのか、それとも備えていないのかを示す。パンチは、MFP2がパンチ機能を備えているのか、それとも備えていないのかを示す。「生産性」はMFP2の生産性の程度を示す。省電力性は、MFP2の省電力性の程度を示す。「ステータス」は、MFP2が印刷中であるのか、それとも0W、すなわち、省電力モードであるのかを示す。この管理データベースは、制御部40により適宜更新されている。
【0084】
図9は、本実施形態にかかる印刷制御装置4による印刷指令の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、PC1からのジョブが入力されることにより、印刷制御装置4の制御部40によって実行される。
【0085】
まず、ステップ30(S30)において、印刷制御装置4の制御部40は、PC1から受信したジョブを確認する。このジョブに確認により、ユーザが所定のMFP2を指定しているか否か、カラー出力及びモノクロ出力のいずれを希望しているか、ステイプル又はパンチの有無、生産性を希望する程度、省電力性を希望する程度を必要項目として認識することができる。
【0086】
ステップ31(S31)において、制御部40は、管理データベースを参照し、ネットワーク5に接続する複数のMFP2のうち、確認したジョブに対応するMFP2を選択する。具体的には、制御部40は、ジョブにおいて特定のMFP2が希望されている場合には、そのMFP2を選択する。一方、ジョブにおいて特定のMFP2が希望されていない場合、制御部40は、管理データベースを参照し、図10に示すように、各レコードの「特徴」が必要項目に合致するMFP2を選択する。
【0087】
ステップ32(S32)において、制御部40は、選択したMFP2が省電力モード(0W)であるか否かを判断する。この判断は、管理データベースを検索し、選択したMFP2に対応するレコードの「ステータス」の状況から行うことができる。このステップ32において肯定判定された場合、すなわち、選択したMFP2が省電力モードである場合には、ステップ33(S33)に進む。一方、ステップ32において否定判定された場合、すなわち、選択したMFP2が省電力モードでない場合には、後述するステップ34(S34)に進む。
【0088】
ステップ33において、制御部40は、所望のMFP2を省電力モードから復帰させる。具体的には、制御部40は、ステップ31において選択されたMFPを省電力モードから復帰させる。なお、復帰方法の詳細は、第1の実施形態に示す手順と同様であるため、その詳細については省略する。
【0089】
ステップ34において、制御部40は、選択したMFP2に対してジョブとともに、印刷の開始指令を送信する。
【0090】
このように本実施形態において、印刷制御装置4の制御部40は、管理データベース、すなわち、MFP2のそれぞれに関する特徴を格納する記憶手段としての機能を担っている。この場合、制御部40は、ジョブにおいて指定される印刷条件に基づいて管理データベースを検索することにより、印刷条件と特徴とが適合するMFP2を、立ち上げ状態を継続するMFP2として選択する。
【0091】
かかる構成によれば、ジョブの実行に最適なMFP2を選択して、これにジョブを実行させることができる。そのため、ユーザの希望するジョブを適切に実行することができる。
【0092】
以上、本発明の実施形態にかかる画像形成装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0093】
1 PC
2 MFP
20 制御部
21 表示部
22 操作部
23 ADF
24 画像読取部
25 給紙部
26 画像形成部
27 電源部
28a 主電源ライン
28b 負荷電源ライン
28c リレー電源ライン
29 メインスイッチ
30 電源リレー
31 スイッチ
32 補助電源部
33 スイッチ
34 受電部
35 手動スイッチ
4 印刷制御装置
40 制御部
41 表示部
42 操作部
43 電源部
44a 主電源ライン
44b 負荷電源ライン
45 スイッチ
5 ネットワーク
6 起動用ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給源と接続される電源ラインを介して電力が供給されて、当該電力を画像形成装置内の負荷に供給する電源部と、
前記電源ラインに設けられており、通電状態において前記電源ラインを接続するとともに非通電状態において前記電源ラインを遮断する切換部と、
前記電源部から供給される電力により動作するとともに、前記切換部に対して通電状態又は非通電状態を設定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記画像形成装置を省電力モードに移行させる場合には、前記切換部を非通電状態に設定することにより前記電源ラインを遮断し、
前記画像形成装置を省電力モードから復帰させる場合には、画像形成装置の外部から供給される起動用電流により前記切換部が通電状態に設定されることにより前記電源ラインを接続して、前記電源部から電力の供給を受けることにより画像形成装置の立ち上げを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記切換部は、前記起動用電流が前記切換部内の電流経路を流れることにより通電状態となることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項3】
電流を供給する補助電源部と、
前記起動用電流の入力に応じて、前記補助電源部から前記切換部への電流供給を許可する許可部と、を更に有し、
前記切換部は、前記補助電源部から供給される電流が前記切換部内の電流経路を流れることにより通電状態となることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項4】
前記起動用電流を非接触で受電する受電部をさらに備え、
前記切換部は、前記受電部から供給される電流が前記切換部内の電流経路を流れることにより通電状態となることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項5】
前記切換部は、前記電源ラインの接続又は遮断を手動で切り換えるスイッチ部材を備えることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項6】
それぞれが請求項1から5のいずれかに記載された複数の画像形成装置と、
画像形成装置が実行するジョブを送信する情報処理装置及び前記画像形成装置のそれぞれと通信可能に構成されており、前記情報処理装置からジョブを受信して所定の前記画像形成装置にジョブの実行を指示する印刷制御装置と、を有し、
前記印刷制御装置は、
前記画像形成装置のそれぞれと接続する起動用ラインと、
前記情報処理装置からジョブを受信した場合に、前記起動用ラインを介して前記画像形成装置のそれぞれに前記起動用電流を供給する電流供給手段と、
前記複数の画像形成装置のうち立ち上げ状態を継続する前記画像形成装置を指示する起動指示信号を、前記画像形成装置のそれぞれに送信する起動指示手段と、
を有することを特徴とするプリントシステム。
【請求項7】
前記画像形成装置の制御部は、前記受信した起動指示信号に基づいて、立ち上げ状態を継続する画像形成装置であることを判断した場合には、前記切換部を通電状態に設定し、立ち上げ状態を継続する画像形成装置でないことを判断した場合には、前記切換部を非通電状態のままに設定することを特徴とする請求項6に記載されたプリントシステム。
【請求項8】
前記起動指示手段は、前記複数の画像形成装置のうち、前記ジョブにおいて指定された画像形成装置を立ち上げ状態を継続する画像形成装置として選択することを特徴とする請求項7に記載されたプリントシステム。
【請求項9】
前記印刷制御装置は、それぞれの前記画像形成装置に関する特徴を格納する記憶手段をさらに有し、
前記起動指示手段は、前記ジョブにおいて指定される印刷条件に基づいて前記記憶手段を検索することにより、当該印刷条件と前記特徴とが適合する前記画像形成装置を、立ち上げ状態を継続する画像形成装置として選択することを特徴とする請求項7に記載されたプリントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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