説明

画像形成装置及びプログラム更新方法

【課題】手間を掛けることなくオプション機器を制御するプログラムを容易に更新することができる画像形成装置及びプログラム更新方法を提供する。
【解決手段】複合機1は、オプション機器を制御する制御プログラムを記憶するROM11と、USBメモリー2が装着されるUSBポート21と、ROM11に記憶された制御プログラムを更新する更新プログラムが記憶されたUSBメモリー2がUSBポート21に装着されたときにオプション機器が装着されていないと判断した場合には、更新プログラムをUSBメモリー2から退避領域R2に退避しておき、オプション機器が装着されたと判断した場合に、ROM11に記憶されている制御プログラムを退避領域R2に退避した更新プログラムに更新するCPU11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機や複合機等の画像形成装置、及びプログラム更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機や複合機等の画像形成装置は、USB(Universal Serial Bus)メモリー、SD(Secure Digital)メモリーカード等の記憶媒体との間で各種データの授受が可能なものが多くなっている。このような画像形成装置は、記憶媒体に記憶されたドキュメントファイル等のプリントアウトや、画像形成装置が備えるスキャナーによって読み取った原稿画像等の画像ファイルを記憶媒体に記憶することが可能であるため、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0003】
また、上記の画像形成装置は、自装置で用いられている各種プログラム(印刷制御プログラム、スキャナー制御プログラム等)を、記憶媒体に記憶された更新プログラムに更新することも可能である。以下の特許文献1には、USB規格の1つである自動検知機能(電源が投入されている状態でUSB機器の挿抜を自動的に検出する機能)を利用し、更新プログラムが格納されたUSBメモリーが装着された場合に、画像形成装置を再起動することなくプログラムの更新を自動的に行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−182418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置は、ユーザーの個別的な要求に応じた機能を実現すべく、各種オプション機器の装着が可能に構成されているものが多い。画像形成装置の代表的なオプション機器としては、例えばスキャナーで用いられるADF(自動原稿送り装置)、用紙を収容する給紙カセット、ステープル処理やパンチ処理等が可能なフィニッシャー等が挙げられる。
【0006】
このような画像形成装置において、オプション機器を制御するプログラムの更新は、オプション機器が装着されている状態でなければ行うことができない。このため、オプション機器を制御するプログラムを更新しようとすると、画像形成装置にオプション機器を装着してから行う必要があり、手間がかかるという問題があった。また、オプション機器を制御するプログラムは、画像形成装置に組み込まれている他のプログラムとのバージョンの整合性を考慮して更新する必要がある。このため、画像形成装置で用いられているプログラムの知識を有しなければ、プログラムの更新によってバージョンの不整合が生じてしまい、オプション機器が正常に動作しなくなる虞も考えられる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、手間を掛けることなくオプション機器を制御するプログラムを容易に更新することができる画像形成装置及びプログラム更新方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、拡張機器の装着が可能な画像形成装置において、前記拡張機器を制御するプログラムを記憶する不揮発性の記憶部と、着脱自在な記憶媒体が装着される装着部と、前記記憶部に記憶されたプログラムを更新する更新プログラムが記憶された記憶媒体が前記装着部に装着されたときに前記拡張機器が装着されていないと判断した場合には、前記更新プログラムを前記記憶媒体から退避領域に退避しておき、前記拡張機器が装着されたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されているプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新する制御部とを備えることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記記憶媒体に記憶された更新プログラムを退避する退避領域が設けられた格納部を備えることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記制御部が、前記記憶部に記憶されたプログラムのバージョンと前記退避領域に退避した更新プログラムのバージョンとが異なると判断した場合に、前記記憶部に記憶されているプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記記憶部に記憶されたプログラムの更新を行うか否かを確認させる確認情報を表示する表示部と、前記記憶部に記憶されたプログラムの更新を行うか否かを指示する指示情報を入力する入力部とを備えており、前記制御部は、前記拡張機器が装着されたと判断した場合に、前記確認情報を前記表示部に表示させ、プログラムの更新を指示する指示情報が前記入力部から入力されたときに、前記記憶部に記憶されているプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新することを特徴としている。
本発明のプログラム更新方法は、拡張機器の装着が可能な画像形成装置で用いられるプログラムを更新するプログラム更新方法であって、前記拡張機器を制御するプログラムを更新する更新プログラムが記憶された記憶媒体が装着されたときに前記拡張機器が装着されているか否かを判断し、前記拡張機器が装着されていないと判断した場合には前記更新プログラムを前記記憶媒体から退避領域に退避する第1ステップと、前記第1ステップの後に前記拡張機器が装着されたと判断した場合には、前記拡張機器を制御するプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新する第2ステップとを有することを特徴としている。
また、本発明のプログラム更新方法は、前記第2ステップが、前記拡張機器を制御するプログラムの更新を行うか否かを確認させる確認情報を表示する第3ステップと、前記第3ステップの後に前記拡張機器を制御するプログラムの更新を指示する指示情報が入力されたか否かを判断する第4ステップと、前記第4ステップで前記指示情報が入力されたと判断した場合に、前記拡張機器を制御するプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新する第5ステップとを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、更新プログラムが記憶された記憶媒体が装着部に装着されたときに拡張機器が装着されていないと判断した場合には、更新プログラムを記憶媒体から退避領域に退避しておき、拡張機器が装着されたと判断した場合に、記憶部に記憶されているプログラムを退避領域に退避した更新プログラムに更新するようにしているため、手間を掛けることなく拡張機器を制御するプログラムを容易に更新することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における複合機で行われる制御プログラムの更新制御を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における複合機の電源投入時に行われる動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による画像形成装置及びプログラム更新方法について詳細に説明する。尚、以下では、画像形成装置が複合機である場合を例に挙げて説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の斜視図である。図1に示す通り、複合機1は、本体部1a、スキャナー部1b、及び操作表示パネル1c等を備えており、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ送信/受信機能を併せ持っている。この複合機1は、スキャナー部1bで用いられるADF(自動原稿送り装置)、用紙を収容する給紙カセット、ステープル処理やパンチ処理等が可能なフィニッシャー等の各種オプション機器(拡張機器)の装着が可能に構成されている。
【0013】
また、複合機1は、上記のオプション機器に加えて、不揮発性メモリーの一種であるUSBメモリー2(記憶媒体)が装着されてUSBメモリー2に対する各種データの授受が可能に構成されている。このUSBメモリー2には、例えばスキャナー部1bで読み取りを行った原稿画像等の画像ファイル、本体部1aで印刷しようとする画像の画像ファイル、或いは、複合機1で用いられる各種プログラムを更新するための更新プログラム等が記憶される。尚、複合機1に対するUSBメモリー2の着脱は、複合機1を使用するユーザーや複合機1のメンテナンスを行う作業者によって行われる。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の要部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、複合機1は、CPU(Central Processing Unit)11(制御部)、ROM(Read Only Memory)12(記憶部)、RAM(Random Access Memory)13、各種センサー群14、用紙搬送部15、画像読取部16、データ格納部17(格納部)、画像形成部18、通信I/F部19、操作表示部20(表示部、入力部)、及びUSBポート21(装着部)を備える。
【0015】
CPU11は、ROM12に記憶されている制御プログラムに基づき、各種センサー群14から出力される各種検出信号を参照しつつ、操作表示部20から入力される操作指示、又は通信I/F部19を介して入力されるクライアントコンピュータ(図示省略)等からの各種指示に応じて複合機1の動作を制御する。例えば画像読取部16による画像データの読み取り制御、或いは、データ格納部17に記憶されている原稿画像データ、プリント画像データ、及びファクシミリ画像データ等の各種画像データのプリント制御や送信制御を行う。
【0016】
また、CPU11は、UBSポート21にUSBメモリー2が装着された場合には、USBメモリー2に更新プログラムが格納されているか否かを確認し、更新プログラムが格納されている場合にはROM12に記憶されている制御プログラムの更新制御を行う。尚、上記の更新プログラムは、例えばROM12に記憶されている制御プログラムをバージョンアップするための制御プログラムである。
【0017】
上記の更新制御を行う際に、CPU11は、装着されていないオプション機器についての更新プログラムの有無を判断し、このような更新プログラムが有ると判断した場合は、その更新プログラムをデータ格納部17に設けられた退避領域R2に退避する。そして、CPU11は、そのオプション機器が装着されたと判断した場合に、そのオプション機器を制御する制御プログラムを、データ格納部17の退避領域R2に退避した更新プログラムに更新する。このような処理を行うのは、オプション機器を制御するプログラムの更新を、手間を掛けることなく容易に行うためである。
【0018】
また、CPU11は、オプション機器の制御プログラムを更新プログラムに更新する際には、制御プログラムの更新制御を実行するか否かを確認させる確認画面を操作表示部20に表示させ、制御プログラムの更新指示が操作表示部20から入力されてから、更新を実行する。これは、ユーザーや作業者の意図しないプログラムの更新が行われるのを防止するためである。
【0019】
ROM12は、CPU11で実行される制御プログラム及びその他のデータを記憶するEEPROM等の不揮発性メモリーである。尚、CPU11で実行される制御プログラムには、複合機1に設けられるプリント機能等の標準的な機能を実現する制御プログラムと、オプション機器を制御する制御プログラムとに大別される。前者の制御プログラムは、更新プログラムが格納されたUSBメモリー2をUSBポート21に装着した状態で電源投入すれば更新が可能であるが、後者の制御プログラムは対象となるオプション機器が装着されていなければ更新することができない。
【0020】
RAM13は、CPU11が制御プログラムを実行して各種動作を行う際に、データの一時保存先となるワーキングエリアとして用いられる揮発性メモリーである。各種センサー群14は、用紙切れ検出センサー、用紙詰まり検出センサー、用紙位置検出センサー、温度センサー等の画像形成動作に必要な各種センサーであり、それぞれのセンサーで検出した各種の情報を検出信号としてCPU11に出力する。
【0021】
用紙搬送部15は、搬送ローラー、搬送ローラー駆動用のモーター等を備えており、用紙トレイに収納されている印刷用紙を画像形成部18に搬送するとともに、画像形成部18で画像形成処理後が行われた印刷用紙を図示しない排紙トレイに搬送する。画像読取部16は、ADF(自動原稿送り装置)及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等を備えており、ADFによって順次給紙される原稿の画像をCCDセンサーに読み取らせ、原稿画像に基づく原稿画像データを出力する。尚、画像読取部16から出力された原稿画像データはCPU11を介してデータ格納部17に記憶される。
【0022】
データ格納部17は、例えばハードディスクドライブによって実現され、CPU11の制御の下で各種データを格納する。このデータ格納部17には、画像データ記憶領域R1と退避領域R2とが設けられている。画像データ記憶領域R1は、原稿画像データ、通信I/F部19がクライアントコンピュータ(図示省略)から受信するプリント画像データ、及び通信I/F部19が公衆網(図示省略)から受信するファクシミリ画像データ、USBメモリー2から読み出した画像データ等が記憶される領域である。退避領域R2は、USBメモリー2に格納された更新プログラムの一部が退避される領域である
【0023】
画像形成部18は、CPU11の制御の下で、データ格納部17の画像データ記憶領域R1に記憶されている原稿画像データ、プリント画像データ、又はファクシミリ画像データを用いて画像形成処理を行う。具体的には、上記の各種画像データに応じた画像形成画像を用紙搬送部15から搬送される印刷用紙にトナーを用いて転写し、定着ローラーによってその画像形成画像の定着処理を行う。通信I/F部19は、クライアントコンピュータ(図示省略)や公衆網(図示省略)に接続され、このクライアントコンピュータや公衆網との間で各種信号の送受信を行う。
【0024】
操作表示部20は、操作表示パネル1cとしてのタッチパネル20a及び各種操作キーを備えており、操作キーの操作内容をCPU11に出力するとともに、CPU11の制御の下でタッチパネル20aへ種々の情報を表示する。操作表示部20が備える各種操作キーは、例えばコピー機能切替キー、プリント機能切替キー、スキャン機能切替キー、ファクシミリ機能切替キー、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー(数値入力キー)が挙げられる。尚、コピー機能切替キー、プリント機能切替キー、スキャン機能切替キー、及びファクシミリ機能切替キーは、それぞれの機能をユーザーが使用する場合に、各機能の動作モードへ複合機1を切り替える為のキーである。
【0025】
また、タッチパネル20aに各種ボタンを表示することによって、以上の各種キー以外のソフトキーの利用も可能である。本実施形態で用いられるソフトキーは、ROM12に記憶された制御プログラムをUSBメモリー2に記憶された更新プログラム(退避領域R2に退避された更新プログラム)に更新するか否かを指示するボタン等が含まれる。
【0026】
USBポート21は、USB規格に対応したシリアルインターフェイスであり、USBメモリー2が装着されることによってUSBメモリー2と電気的に接続される。このUSBポート21は、USBメモリー2と接続されている場合に、CPU11の制御の下で、USBメモリー2との間で各種データを授受する。尚、USBポート21は、USBメモリー2が装着されたか否か、及びUSBメモリー2が取り外されたか否かの検出が共に可能であり、その検出結果をCPU11に出力する。
【0027】
次に、上記構成における複合機1の動作について詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態における複合機で行われる制御プログラムの更新制御を示すフローチャートである。図3に示す処理は、複合機1のユーザー或いは作業者がUSBメモリー2を複合機1のUSBポート21に装着すると開始される。つまり、USBメモリー2の装着がUSBポート21によって検出され、この検出結果がUSBポート21からCPU11に出力されることにより開始される。
【0028】
ここで、USBポート21に装着されたUSBメモリー2には、複合機1のROM12に記憶された制御プログラムをバージョンアップするための更新プログラムが格納されているとする。また、上記の制御プログラムには、装着されているオプション機器を制御する制御プログラム、及び、装着されていないオプション機器を制御する制御プログラムが含まれるとする。
【0029】
尚、更新プログラムは、ファイル形式でUSBメモリー2に格納されており、新たな制御プログラムが収容されている1つ又は2以上のファイルと、これらのファイルを管理する管理情報が収容されているファイルとからなる。管理情報としては、制御プログラムの用途を示すキーワード、ファイル名、チェックサム、データ形式の別を示す情報(テキスト形式かバイナリ形式かを示す情報)等が収容される。
【0030】
USBメモリー2が装着された旨を示す検出結果がUSBポート21から出力されると、CPU11は、USBポート21を介してUSBメモリー2を検索し(ステップS11)、更新プログラムが格納されているか否かを判断する(ステップS12)。ここで仮に、USBメモリー2に画像ファイルのみが格納されている場合には、判断結果が「NO」になり、図3に示す一連の処理は終了する。
【0031】
これに対し、更新プログラムが有ると判断した場合(ステップS12の判断結果が「YES」の場合)には、CPU11は、USBメモリー2に格納された更新プログラムの種別を判別し(ステップS13)、オプション機器の更新プログラムが有るか否かを判断する(ステップS14)。ここで仮に、オプション機器についての更新プログラムが無いと判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、CPU11は、USBメモリー2に格納された更新プログラムを読み出して、ROM12に記憶された制御プログラム(複合機1に設けられる標準的な機能を実現する制御プログラム)を更新する処理を行う(ステップS15)。
【0032】
他方、ステップS14において、オプション機器についての更新プログラムが有ると判断した場合(判断結果が「YES」の場合)には、CPU11は、実際に装着されているオプション機器の情報を取得する(ステップS16)。そして、取得した情報に基づいて未装着のオプション機器についての更新プログラムをデータ格納部17に設けられた退避領域R2に退避させる(ステップS17:第1ステップ)。
【0033】
更新プログラムの退避が完了すると、CPU11は、USBメモリー2に格納された更新プログラムを読み出して、ROM12に記憶された制御プログラムを更新する処理を行う(ステップS15)。具体的には、複合機1に設けられる標準的な機能を実現する制御プログラムと、複合機1に装着されているオプション機器を制御する制御プログラムとを更新する処理を行う。以上の処理によって図3に示す一連の処理が終了し、USBポート21に装着されたUSBメモリー2の取り外しが可能になる。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態における複合機の電源投入時に行われる動作を示すフローチャートである。複合機1の電源が投入されると、CPU11の制御の下で各種の初期化処理が行われる(ステップS21)。例えば、装着されているオプション機器を認識して、その状態を初期状態に設定する処理が行われる。初期化処理が終了すると、CPU11は、データ格納部17に設けられた退避領域R2に更新プログラムが有るか否かを判断する(ステップS22)。
【0035】
ここで仮に、退避領域R2に更新プログラムが無いとCPU11が判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、図4に示す一連の処理は終了する。これに対し、退避領域R2に更新プログラムが有ると判断した場合(ステップS22の判断結果が「YES」の場合)には、更新対象のオプション機器(その更新プログラムによって制御プログラムが更新されるオプション機器)が装着されているか否かを判断する(ステップS23:第2ステップ)。
【0036】
更新対象のオプション機器が装着されていないとCPU11が判断した場合(ステップS23の判断結果が「NO」の場合)には、図4に示す一連の処理が終了する。これに対し、更新対象のオプション機器が装着されていると判断した場合(判断結果が「YES」の場合)には、CPU11は、更新対象のオプション機器を制御するために現在用いられている制御プログラムのバージョンと、退避領域R2に退避された更新プログラムのバージョンとが同じであるか否かが判断される(ステップS24)。
【0037】
両プログラムのバージョンが同じであるとCPU11が判断した場合(ステップS24の判断結果が「YES」の場合)には、図4に示す一連の処理が終了する。尚、更新対象のオプション機器制御する制御プログラムが組み込まれていないとCPU11が判断した場合にも、図4に示す一連の処理が終了する。これに対し、両プログラムのバージョンが違うと判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、CPU11の制御によって、更新確認画面が操作表示部20に表示される(ステップS25:第3ステップ)。
【0038】
ここで、更新確認画面は、ユーザー又は作業者に対して、ROM12に格納された制御プログラムの更新を行うか否かを確認させるための画面である。例えば、この更新確認画面には、「オプション機器の更新プログラムが見つかりました。更新しますか?」等の更新の実行を確認させるメッセージとともに、更新の実行を指示する「更新ボタン」と更新の実行中止を指示する「中止ボタン」とが表示される。尚、更新確認画面には、以上のメッセージと共に、更新プログラムの種類やバージョンを示す情報、バージョンを何から何に変更するかを示す情報等の各種情報を表示しても良い。
【0039】
更新確認画面を表示させると、CPU11は、更新指示が入力されたか否かを判断する(ステップS26:第4ステップ)。ここで、ユーザー又は作業者が、更新確認画面に表示された「中止ボタン」を押下した場合、或いは更新確認画面が表示されてから一定時間(例えば、10秒)が経過した場合には、ステップS26の判断結果が「NO」になり、制御プログラムの更新が行われずに、図4に示す一連の処理が終了する。
【0040】
これに対し、ユーザー又は作業者が、更新確認画面に表示された「更新ボタン」を押下した場合にはステップS26の判断結果が「YES」になり、ROM12に記憶された制御プログラム(ステップS23で装着が確認されたオプション機器を制御する制御プログラム)を、データ格納部17の退避領域R2に退避された更新プログラムに更新する処理がCPU11によって行われる(ステップS27:第2ステップ,第5ステップ)。
【0041】
以上説明した通り、本実施形態では、更新プログラムが格納されたUSBメモリー2が装着された時点において装着されていないオプション機器の更新プログラムを退避領域R2に退避しておき、退避された更新プログラムの有無及びオプション機器の装着の有無を電源再投入時に判断し、この判断結果に応じて自動的にプログラムの更新を行うようにしている。このため、手間を掛けることなくオプション機器を制御するプログラムを容易に更新することができる。また、制御プログラム間のバージョンの不整合も生ずることもない。
【0042】
尚、上記実施形態において、ROM12に格納された制御プログラムの更新を行う更新処理は、図3中のステップS15と図4中のステップS27で行われ、更新確認画面の表示(ステップS25)及び更新指示の有無を判断する処理(ステップS26)は、図4中のステップS27の前のみで行われていた。勿論、これらの更新確認画面の表示及び更新指示の有無を判断する処理は、図3中のステップS15の前で行っても良い。
【0043】
以上、本発明の一実施形態による画像形成装置及びプログラム更新方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、本発明で使用可能な記憶媒体はUSBメモリー2に限定されることなく、SDメモリーカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、スマートメディア、フレキシブルディスク、CD‐R、CD‐RW、DVD(登録商標)‐R、DVD‐RW、MOディスク等の各種の記憶媒体であってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置が複合機である場合を例に挙げて説明したが、本発明は、プリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 複合機
2 USBメモリー
11 CPU
12 ROM
17 データ格納部
20 操作表示部
21 USBポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張機器の装着が可能な画像形成装置において、
前記拡張機器を制御するプログラムを記憶する不揮発性の記憶部と、
着脱自在な記憶媒体が装着される装着部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムを更新する更新プログラムが記憶された記憶媒体が前記装着部に装着されたときに前記拡張機器が装着されていないと判断した場合には、前記更新プログラムを前記記憶媒体から退避領域に退避しておき、前記拡張機器が装着されたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されているプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新する制御部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶媒体に記憶された更新プログラムを退避する退避領域が設けられた格納部を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部に記憶されたプログラムのバージョンと前記退避領域に退避した更新プログラムのバージョンとが異なると判断した場合に、前記記憶部に記憶されているプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶されたプログラムの更新を行うか否かを確認させる確認情報を表示する表示部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムの更新を行うか否かを指示する指示情報を入力する入力部とを備えており、
前記制御部は、前記拡張機器が装着されたと判断した場合に、前記確認情報を前記表示部に表示させ、プログラムの更新を指示する指示情報が前記入力部から入力されたときに、前記記憶部に記憶されているプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
拡張機器の装着が可能な画像形成装置で用いられるプログラムを更新するプログラム更新方法であって、
前記拡張機器を制御するプログラムを更新する更新プログラムが記憶された記憶媒体が装着されたときに前記拡張機器が装着されているか否かを判断し、前記拡張機器が装着されていないと判断した場合には前記更新プログラムを前記記憶媒体から退避領域に退避する第1ステップと、
前記第1ステップの後に前記拡張機器が装着されたと判断した場合には、前記拡張機器を制御するプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新する第2ステップと
を有することを特徴とするプログラム更新方法。
【請求項6】
前記第2ステップは、前記拡張機器を制御するプログラムの更新を行うか否かを確認させる確認情報を表示する第3ステップと、
前記第3ステップの後に前記拡張機器を制御するプログラムの更新を指示する指示情報が入力されたか否かを判断する第4ステップと、
前記第4ステップで前記指示情報が入力されたと判断した場合に、前記拡張機器を制御するプログラムを前記退避領域に退避した更新プログラムに更新する第5ステップと
を有することを特徴とする請求項5記載のプログラム更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−234329(P2012−234329A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102011(P2011−102011)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】