説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】より簡易な構成で、紙づまり発生時の機密性を確実に確保する画像形成装置及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】プリンタコントローラ1により受け付けられたプリントジョブが親展情報を含むか否かを判断し、予約プリントジョブが親展情報を含むと判断した場合に、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるようにプリント部7を制御する制御部9を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムにかかるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機密文書をプリントする親展モードと、機密ではない通常の文書をプリントする通常モードとを備え、親展モードで印刷している際に紙づまりが発生した場合には、紙づまり処理のために開く扉をロックし、ロックされた扉の解除は当該機密文書のプリントを指示した者のみが行えるように認証機能を設けた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。
また、親展モードでプリントした用紙をトレイに排紙する際には、当該用紙の画像形成した面を下側にして排紙するように構成したものも知られている(例えば、特許文献2)。
また、画像形成装置にプリントジョブが予約された場合に、当該予約されたプリントジョブ(以下、予約ジョブとする。)が親展モードで印刷するジョブである場合には、当該予約ジョブを既に予約されている通常モードの予約ジョブよりも優先順位を高くするようにしたものも知られている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開2005−319735号公報
【特許文献2】特開2004−208238号公報
【特許文献3】特開2004−101572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1では、紙づまり処理のために開く扉をロックする機構や、当該ロック解除を機密文書のプリントを指示した者のみが行えるように認証機能を設けなければならず、その分、機構,制御,操作性などが複雑化・煩雑化するという問題がある。
特許文献2及び3では、親展モードで印刷中に紙づまりが発生した場合については記載されておらず、上記問題を解決することはできない。
【0004】
本発明の課題は、より簡易な構成で、紙づまり発生時の機密性を確実に確保する画像形成装置及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、外部からプリントジョブを受け付けるコントローラと、
前記コントローラにより受け付けられたプリントジョブに基づいてプリント処理を行うプリント部と、
前記コントローラにより受け付けられたプリントジョブが、親展情報を含むか否かを判断し、
前記プリント部による実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続してプリント処理を開始可能な予約プリントジョブを予約する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記予約プリントジョブが、親展情報を含むと判断した場合に、前記プリント部による前記実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、前記予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるように前記プリント部を制御することを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記予約プリントジョブが前記親展情報を含まないと判断されるとともに、前記実行中プリントジョブが前記親展情報を含むと判断された場合に、前記プリント部による前記実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、前記予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるように前記プリント部を制御することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記実行中プリントジョブと前記予約プリントジョブとがともに前記親展情報を含むと判断された場合に、前記予約プリントジョブに基づくプリント処理を前記実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させて開始させるように前記プリント部を制御することを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置と、
前記親展情報が含まれる前記プリントジョブに基づいて前記プリント部によりプリント処理がなされた記録媒体を収容する親展トレイを備える後処理装置と、
を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、紙づまり処理のために開く扉をロックする機構や、当該ロック解除を行う者の認証機能等を設けずとも、親展情報を含むプリントジョブのプリント処理において紙づまりが発生しても、当該プリントジョブのプリント処理より前のプリントジョブのプリント処理は終了していることとなり、親展情報を含むプリントジョブのプリントを指示した者以外の者が紙づまり解除を行うことを防止でき、より簡易な構成で、機密性を確実に確保することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、紙づまり処理のために開く扉をロックする機構や、当該ロック解除を行う者の認証機能等を設けずとも、連続印刷可能な場合であって、先のプリントジョブが親展情報を含む場合に、当該先のプリントジョブに基づくプリント処理において紙づまりが発生しても、後のプリントジョブのプリント処理は開始されていないこととなり、親展情報を含むプリントジョブのプリントを指示した者以外の者が紙づまり解除を行うことを防止でき、より簡易な構成で、機密性を確実に確保することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、親展情報をともに含むプリントジョブ同士のプリント処理は連続させることとなり、より効率的に、且つ、機密性を確保して、印刷処理を行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、排紙後における機密性を確実に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の最良の形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。また、限定的な表現をする場合があるが、これに限られるものではない。
【0014】
本発明に係る画像形成システム1000は、例えば、図1に示すように、ネットワーク(図示省略)等を介して、PC200等の外部機器と接続される画像形成装置100、当該画像形成装置100とシリアル回線(図示省略)等を介して接続される後処理装置300等を備えて構成されている。
【0015】
画像形成装置100は、例えば、図1に示すように、プリンタコントローラ(コントローラ)1,画像形成制御部2等を備えて構成されている。
【0016】
プリンタコントローラ1は、例えば、図1に示すように、LANIF(Local Area Network Interface)1A,コントローラ制御部1B等を備えて構成されており、画像形成装置100と、ネットワーク(図示省略)上のPC200等の外部機器(図示省略)とを通信可能に接続し、PC200等の外部機器から送信されるプリントジョブを受け付ける。
【0017】
画像形成制御部2は、例えば、図1に示すように、外部I/F部3,スキャナ部4,操作表示部5,画像メモリ6,プリント部7,通信部8,制御部9等を備えて構成されている。
【0018】
外部I/F部3は、例えば、プリンタコントローラ1から入力される画像データを受信するインターフェースである。具体的には、外部I/F部3は、例えば、プリンタコントローラ1から送信されたプリントジョブを受信する。
【0019】
スキャナ部4は、例えば、原稿に対し光を照射し、反射される光をCCD(Charged Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の光電変換装置で捉え、捉えたアナログの電気信号から図示しないA/D変換器によりデジタル信号(画像信号)に変換することにより原稿の読み取りを行う。
【0020】
操作表示部5は、例えば、表示部(図示省略),赤外線式や静電式のタッチパネル(図示省略)や各種の操作キー(図示省略)を備えて構成され、ユーザにより操作されることにより各種の操作信号を制御部9に出力する。
また、操作表示部5の表示部は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)から構成されるディスプレイあるいはTFT(Thin film Transistor)素子や有機EL(Electro Luminescent)素子等から構成されるFPD(Flat Display Panel)等を備えて構成されている。そして、操作表示部5の表示部は、制御部9から出力される表示信号に基づいて、画像形成装置100の操作メッセージを始めとした各種の案内を表す文章や単語、操作に供する操作画面(図示省略)の画像を表示する。また、操作表示部5の表示部は、例えば、タッチパネルと一体に構成されており、ユーザは、表示部に表示された操作画面の各種ボタンを押下することで入力指示を行うようになっている。
【0021】
画像メモリ6は、例えば、外部I/F部3により受信されたプリントジョブを予約ジョブとして一時的に記憶している。具体的には、プリントジョブに含まれ、圧縮処理された画像データを格納するとともに、プリント出力前のプリント出力対象の被圧縮画像データを一時的に格納している。ここで、プリントジョブは、画像データの他に、例えば、機密であることを示す親展情報を含む。
【0022】
プリント部7は、例えば、電子写真プロセス等により各種の画像形成を行う公知の画像形成機構から構成されるものである。なお、プリント部7はこれに限定されるものではなく、インク吐出方式や感熱方式等の種々の画像形成機構を適用することができる。そして、プリント部7は、例えば、制御部9から入力される制御信号に従って記録媒体に画像形成を行うことにより、プリントジョブに基づいてプリント処理を行う。
【0023】
通信部8は、例えば、シリアル回線等の通信ネットワークに接続され、画像形成装置100と後処理装置300との間の通信を行う。
【0024】
制御部9は、例えば、CPU(Central Processing Unit;図示省略),RAM(Random Access Memory;図示省略),ROM(Read Only Memory;図示省略)等を備えて構成され、ROMに格納された処理プログラム等を読み出して、RAMに展開して実行することにより、画像形成装置100全体の制御を行う。
【0025】
具体的には、制御部9は、例えば、プリント部7にって実行中である実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続してプリント処理を開始可能な予約プリントジョブを画像メモリ6に記憶させることにより予約する。より具体的には、制御部9は、例えば、実行中プリントジョブに基づくプリント処理が所定の段階に達したか否かを判断し、所定の段階に達したと判断した場合に、プリンタコントローラ1により予約プリントジョブが受け付けられているか否かを判断し、プリンタコントローラ1により予約プリントジョブが受け付けられたと判断した場合に、当該予約プリントジョブを画像メモリに記憶させて予約する。
ここで、所定の段階とは、最終ページに対する給紙要求を出力した段階,最終ページに対する作像処理が完了した段階,最終ページに対する定着処理が完了した段階等の何れのタイミングであってもよい。
【0026】
また、制御部9は、例えば、プリンタコントローラ1により受け付けられ、外部I/F部3により受信されたプリントジョブが、機密であることを示す親展情報を含むか否かを判断する。
【0027】
また、制御部9は、例えば、予約プリントジョブが、機密であることを示す親展情報を含むと判断した場合に、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるようにプリント部7を制御する。
また、制御部9は、例えば、予約プリントジョブが親展情報を含まないと判断するとともに、実行中プリントジョブが親展情報を含むと判断した場合に、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるようにプリント部7を制御する。
また、制御部9は、例えば、実行中プリントジョブと予約プリントジョブとがともに親展情報を含むと判断した場合に、予約プリントジョブに基づくプリント処理を実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させて開始させるようにプリント部7を制御する。
ここで、プリント処理を連続させるとは、実行中プリントジョブのプリント処理の終了前に、次の予約プリントジョブのプリント処理を開始させることである。
また、プリント処理の終了とは、例えば、プリント処理における最終ページに対する後処理装置300の処理が完了した段階,後処理装置300で最終ページを処理している段階,最終ページが後処理装置300へ搬送された段階,最終ページが画像形成装置100から排紙された段階等の何れのタイミングであってもよい。
また、プリント処理の開始とは、例えば、プリント処理における給紙の開始,作像の開始,プリントジョブに含まれる画像データの画像処理開始の何れであってもよい。
【0028】
後処理装置300は、例えば、図1に示すように、通信部10,綴じ機構11,折り機構12,パンチ機構13,搬送部14,制御部15,排紙トレイ16等を備えて構成されている。
【0029】
通信部10は、例えば、シリアル回線等の通信ネットワークに接続され、後処理装置300と画像形成装置100との間の通信を行う。
【0030】
綴じ機構11は、例えば、スタック台(図示省略),ステイプラ(図示省略)等を備えて構成され、スタック台に搬送された記録媒体の束を幅整合し、ステイプラにより綴じ針で綴じるステイプル処理を行う。
【0031】
折り機構12は、当該折り機構12に搬送された記録媒体に対して中折り処理,3つ折り処理,Z折り処理等の折り処理を行う。
【0032】
パンチ機構13は、例えば、当該パンチ機構13に搬送された記録媒体を幅整合し、所定位置にパンチ穴を開けるパンチ処理を行う。
【0033】
搬送部14は、例えば、複数のローラ(図示省略),当該ローラを回動させるモータ(図示省略)等を備えて構成され、画像形成装置100から搬送された記録媒体を、綴じ機構11,折り機構12,パンチ機構13等の各部へ搬送した後、排紙トレイ16へと搬送する。具体的には、搬送部14は、制御部15から入力される制御信号に従って、親展情報を含むプリントジョブに基づくプリント処理が行われた記録媒体を親展トレイ16A(後述)に排紙し、親展情報を含まないプリントジョブに基づくプリント処理が行われた記録媒体を通常トレイ16B(後述)へ排紙する。
【0034】
制御部15は、例えば、CPU(図示省略),RAM(図示省略),ROM(図示省略)等を備えて構成され、ROMに格納された処理プログラム等を読み出して、RAMに展開して実行することにより、後処理装置300全体の制御を行う。
【0035】
排紙トレイ16は、例えば、図1に示すように、親展トレイ16A,通常トレイ16B等を備えて構成されている。親展トレイ16Aは、例えば、親展情報を含むプリントジョブに基づくプリント処理が行われた記録媒体を収容する。また、通常トレイ16Bは、例えば、親展情報を含まないプリントジョブに基づくプリント処理が行われた記録媒体を収容する。
【0036】
次に、上述のような構成の本実施形態に係る画像形成システム1000の画像形成装置100における連続印刷動作の一例を図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、画像形成装置100において、制御部9は、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理が所定の段階に達したか否かを判断する(ステップS1)。
【0037】
ステップS1において、制御部9が、所定の段階に達していないと判断した場合には(ステップS1;No)、制御部9は、ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS1において、制御部9が、所定の段階に達したと判断した場合には(ステップS1;Yes)、制御部9は、プリンタコントローラ1により予約プリントジョブが受信されているか否かを判断する(ステップS2)。
【0038】
ステップS2において、制御部9が、予約プリントジョブ(予約ジョブ)がプリンタコントローラ1により受信されていないと判断した場合には(ステップS2;No)、本処理を終了する。
ステップS2において、制御部9が、予約プリントジョブ(予約ジョブ)がプリンタコントローラ1により受信されていると判断した場合には(ステップS2;Yes)、制御部9は、予約プリントジョブが、機密であることを示す親展情報を含むか否かを判断する(ステップS3)。
【0039】
ステップS3において、制御部9が、予約プリントジョブが親展情報を含むと判断した場合には(ステップS3;Yes)、制御部9は、実行中プリントジョブ(前ジョブ)が親展情報を含むか否かを判断する(ステップS4)。
【0040】
ステップS4において、制御部9が、実行中プリントジョブ(前ジョブ)が親展情報を含まないと判断した場合には(ステップS4;No)、ステップS8へ進む。
ステップS4において、制御部9が、実行中プリントジョブ(前ジョブ)が親展情報を含むと判断した場合には(ステップS4;Yes)、制御部9は、予約プリントジョブに基づくプリント処理を実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させて開始させるようにプリント部7を制御する(ステップS5)。
【0041】
ステップS3において、制御部9が、予約プリントジョブが親展情報を含まないと判断した場合には(ステップS3;No)、制御部9は、実行中プリントジョブ(前ジョブ)が親展情報を含むか否かを判断する(ステップS6)。
【0042】
ステップS6において、制御部9が、実行中プリントジョブ(前ジョブ)が親展情報を含まないと判断した場合には(ステップS6;No)、制御部9は、予約プリントジョブに基づくプリント処理を実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させて開始させるようにプリント部7を制御する(ステップS7)。
【0043】
ステップS6において、制御部9が、実行中プリントジョブ(前ジョブ)が親展情報を含むと判断した場合には(ステップS6;Yes)、制御部9は、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理が終了したか否かを判断する(ステップS8)。
【0044】
ステップS8において、制御部9が、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理が終了していないと判断した場合には(ステップS8;No)、制御部9は、ステップS8の処理を繰り返す。
ステップS8において、制御部9が、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理が終了したと判断した場合には(ステップS8;Yes)、制御部9は、予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるようにプリント部7を制御し(ステップS9)、本処理を終了する。
【0045】
以上に説明した、本実施形態に係る画像形成システム1000及び画像形成装置100によれば、外部からプリンタコントローラ1により、プリントジョブが受け付けられ、制御部9により、プリント部7が制御されて、プリンタコントローラ1によって受け付けられたプリントジョブに基づいてプリント処理が行われ、制御部9により、プリンタコントローラ1によって受け付けられたプリントジョブが、機密であることを示す親展情報を含むか否かが判断され、制御部9は、予約プリントジョブが、機密であることを示す親展情報を含むと判断した場合に、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるようにプリント部7が制御されるので、紙づまり処理のために開く扉をロックする機構や、当該ロック解除を行う者の認証機能等を設けずとも、親展情報を含むプリントジョブのプリント処理において紙づまりが発生しても、当該プリントジョブのプリント処理より前のプリントジョブのプリント処理は終了していることとなり、親展情報を含むプリントジョブのプリントを指示した者以外の者が紙づまり解除を行うことを防止でき、より簡易な構成で、機密性を確実に確保することができる。
【0046】
また、制御部9により、予約プリントジョブが親展情報を含まないと判断されるとともに、実行中プリントジョブが親展情報を含むと判断された場合に、プリント部7による実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるようにプリント部7が制御されるので、紙づまり処理のために開く扉をロックする機構や、当該ロック解除を行う者の認証機能等を設けずとも、連続印刷可能な場合であって、先のプリントジョブが親展情報を含む場合に、当該先のプリントジョブに基づくプリント処理において紙づまりが発生しても、後のプリントジョブのプリント処理は開始されていないこととなり、親展情報を含むプリントジョブのプリントを指示した者以外の者が紙づまり解除を行うことを防止でき、より簡易な構成で、機密性を確実に確保することができる。
【0047】
また、制御部9により、実行中プリントジョブと予約プリントジョブとがともに親展情報を含むと判断された場合に、予約プリントジョブに基づくプリント処理を実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させて開始させるようにプリント部7が制御されるので、親展情報をともに含むプリントジョブ同士のプリント処理は連続させることとなり、より効率的に、且つ、機密性を確保して、印刷処理を行うことができる。
【0048】
また、親展トレイ16Aにより、親展情報が含まれるプリントジョブに基づいてプリント部7によりプリント処理がなされた記録媒体が収容されるので、排紙後における機密性を確実に確保することができる。
【0049】
なお、プリントジョブに暗証情報が含まれ、親展情報を含むプリントジョブに基づくプリント処理の実行中に紙づまりが発生した場合に紙づまりを処理する際に開かれる扉がロックされ、暗証情報が入力され、入力された暗証情報がプリントジョブに含まれる暗証情報と一致した場合に、当該扉のロックが解除されるように構成してもよい。
また、プリンタコントローラ1は、画像形成装置100内に備えられることとしたが、画像形成装置100とは独立して設けられてもよい。
また、プリントジョブにユーザ情報が含まれるように構成し、制御部9が実行中プリントジョブと予約プリントジョブがともに親展情報を含むと判断した場合に、実行中プリントジョブと予約プリントジョブとのユーザ情報が一致するか否かが判断されて、一致する場合にのみ、実行中プリントジョブに基づくプリント処理と予約プリントジョブに基づくプリント処理とが連続して実行されるようにプリント部7が制御されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置における連続印刷動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1 プリンタコントローラ(コントローラ)
7 プリント部
9 制御部
16A 親展トレイ
100 画像形成装置
1000 画像形成システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からプリントジョブを受け付けるコントローラと、
前記コントローラにより受け付けられたプリントジョブに基づいてプリント処理を行うプリント部と、
前記コントローラにより受け付けられたプリントジョブが、親展情報を含むか否かを判断し、
前記プリント部による実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続してプリント処理を開始可能な予約プリントジョブを予約する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記予約プリントジョブが、親展情報を含むと判断した場合に、前記プリント部による前記実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、前記予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるように前記プリント部を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記予約プリントジョブが前記親展情報を含まないと判断されるとともに、前記実行中プリントジョブが前記親展情報を含むと判断された場合に、前記プリント部による前記実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させないで、前記予約プリントジョブに基づくプリント処理を開始させるように前記プリント部を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記実行中プリントジョブと前記予約プリントジョブとがともに前記親展情報を含むと判断された場合に、前記予約プリントジョブに基づくプリント処理を前記実行中プリントジョブに基づくプリント処理に連続させて開始させるように前記プリント部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置と、
前記親展情報が含まれる前記プリントジョブに基づいて前記プリント部によりプリント処理がなされた記録媒体を収容する親展トレイを備える後処理装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−173841(P2008−173841A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8837(P2007−8837)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】