説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】アクティベーションに対するセキュリティの向上を図ることの可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】他の画像形成装置とネットワークを介して接続された画像形成装置であって、追加機能の使用許可情報が入力された場合に、他の画像形成装置にて保持中の使用許可情報を記録した記録データを基に、前記入力された使用許可情報と同一の使用許可情報を保持している他の画像形成装置が存在するか否かを判断し、存在する場合には前記追加機能を無効化する制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からコピー機やプリンタ、複合機(MFP:Multi Function Peripherals)などの画像形成装置において、所定の操作が行われた場合に、追加機能(例えばインターネット・ファクシミリ機能やセキュリティ機能など)を有効化する技術(アクティベーション)が知られている。このような追加機能は、一般的にソフトウェアによって実現可能であるため、ソフトウェアの形態で予め画像形成装置の記憶部に格納されていたり、ネットワークを介してダウンロードしたりすることができる。つまり、追加機能の有効化とは、その追加機能を実現するためのソフトウェアを使用可能にすることを指す。
【0003】
アクティベーションの一例として、追加機能の使用許可情報を記憶したアクティベーション用USB(Universal Serial Bus)メモリを画像形成装置に装着することで、追加機能を有効化する技術がある。この技術では、1度使用したアクティベーション用USBメモリを他の画像形成装置で使用できなくすることで、追加機能の不正使用を防止している。また、アクティベーションの他の例として、追加機能の提供者からライセンスキー(使用許可情報)を発行し、そのライセンスキーを画像形成装置に入力することで、追加機能を有効化する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−207119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したライセンスキーを入力することで追加機能を有効化する技術では、ライセンスキーの配布形態によっては不正使用されやすい場合もあり、他の画像形成装置で不正にアクティベーションされてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、アクティベーションに対するセキュリティの向上を図ることの可能な画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、画像形成装置に係る第1の解決手段として、他の画像形成装置とネットワークを介して接続された画像形成装置であって、追加機能の使用許可情報が入力された場合に、他の画像形成装置にて保持中の使用許可情報を記録した記録データを基に、前記入力された使用許可情報と同一の使用許可情報を保持している他の画像形成装置が存在するか否かを判断し、存在する場合には前記追加機能を無効化する制御部を備える。
【0008】
また、画像形成装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御部は、所定の取得タイミングが到来する度に、前記ネットワークを介して他の画像形成装置から保持中の使用許可情報を取得して前記記録データを作成することを特徴とする。
また、画像形成装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記制御部は、追加機能の使用許可情報が入力された場合に、当該入力された使用許可情報を前記ネットワークを介して他の画像形成装置に送信する一方、前記ネットワークを介して他の画像形成装置から受信した使用許可情報を基に前記記録データを作成することを特徴とする。
さらに、本発明では、画像形成システムに係る解決手段として、上記の第1〜第3のいずれかの解決手段を有する画像形成装置をネットワークを介して接続する構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ある画像形成装置に追加機能のライセンスキーが入力された場合、他の画像形成装置にて保持中の使用許可情報を記録した記録データを基に、入力された使用許可情報と同一の使用許可情報を保持している他の画像形成装置が存在するか否かを判断し、存在する場合(つまり入力されたライセンスキーは不正使用された可能性が高い場合)には追加機能を無効化することにより、アクティベーションに対するセキュリティの向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置M1の機能ブロック図である。
【図3】画像形成システムの動作を表す第1のシーケンスチャートである。
【図4】画像形成システムの動作を表す第2のシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成システムの構成概略図である。この図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システムは、複数(n台)の画像形成装置M1〜Mnが、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して相互に接続された構成となっている。また、このネットワークNWには、パーソナルコンピュータ等の端末装置PCが接続されている。なお、説明の便宜上、図1ではネットワークNWに端末装置PCが1台だけ接続されている場合を例示しているが、勿論、複数台の端末装置が接続されていても良い。
【0012】
各画像形成装置M1〜Mnの内部構成は全て同一であるため、以下では画像形成装置M1を代表的に用いて説明する。画像形成装置M1は、例えばコピー機、プリンタ等の機能を1台に集約した複合機(MFP:Multi Function Peripherals)であり、原稿を読み取るための原稿読取装置1と、原稿読取装置1によって読み取った原稿の画像データ、またはネットワークNWを介して端末装置PCから受信した印刷指示及び印刷用画像データ(つまりジョブ)に基づいて、用紙(記録媒体)に画像を形成するMFP本体2とから概略構成されている。
【0013】
原稿読取装置1は、スキャナ部10及びADF(Auto Document Feeder:自動原稿給紙装置)20から構成されている。スキャナ部10は、プラテンガラス11上にセットされた原稿、またはADF20によって自動給紙される原稿の読み取りを行うものであり、プラテンガラス11、白色基準板12、フルレートキャリッジ13、ハーフレートキャリッジ14、集光レンズ15及びCCD(Charge Coupled Devices)センサ16等を備えている。
【0014】
プラテンガラス11は、読み取り対象の原稿を1枚ずつセットするためのガラス板である。白色基準板12は、シェーディング補正用の白色基準データを取得するための白色板である。フルレートキャリッジ13は、プラテンガラス11の下方において、不図示のキャリッジ搬送機構によりプラテンガラス11に沿って左右方向(走査方向)に往復移動可能に設けられており、照明光を斜め上方に向けて出射するランプ13aと、照明光の反射光を後述するハーフレートキャリッジ14に向けて反射するミラー13bを内蔵している。
【0015】
ハーフレートキャリッジ14は、フルレートキャリッジ13と同様に、不図示のキャリッジ搬送機構によりプラテンガラス11に沿って左右方向に往復移動可能に設けられており、フルレートキャリッジ13のミラー13bからの入射光を下方に向けて反射するミラー14aと、ミラー14aからの入射光を後述する集光レンズ15に向けて反射するミラー14bを内蔵している。なお、キャリッジ搬送機構により、フルレートキャリッジ13の移動量とハーフレートキャリッジ14の移動量との比率は1:0.5となるように制御されている。これにより、集光レンズ15に達するまでの照明光の光路長が一定となるように制御される。
【0016】
プラテンガラス11上にセットされた原稿を読み取る場合は、フルレートキャリッジ13及びハーフレートキャリッジ14を走査方向に移動させることで原稿をスキャンするが、後述するADF20によって原稿を自動給紙する場合には、フルレートキャリッジ13及びハーフレートキャリッジ14を所定の原稿読取位置にて待機させ、原稿側を移動(搬送)させることで原稿をスキャンする。
【0017】
集光レンズ15は、ハーフレートキャリッジ14のミラー14bからの入射光を集光してCCDセンサ16の受光面に結像させる。CCDセンサ16は、不図示のCCD駆動部から供給されるタイミング信号に同期して作動し、受光面にて受光した光を光電変換することにより、読み取った原稿の画像に応じたアナログ電圧信号を生成してAFE(アナログフロントエンド:図示省略)に出力する。なお、AFEは、上記のアナログ電圧信号を所定のゲイン設定値にて増幅した後、デジタル変換して読み取った原稿の画像データを生成するものであり、この画像データはMFP本体2の制御部60の制御により、フラッシュメモリ63に記憶される(図2参照)。
【0018】
ADF20は、原稿載置トレイ22にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ順次自動給紙するものであり、プラテンカバー21、原稿載置トレイ22、ピックアップローラ23、レジストローラ24、プラテンローラ25及び排紙ローラ26等から構成されている。プラテンカバー21は、スキャナ部10の上面に対して開閉可能に設けられており、プラテンガラス11上に原稿をセットして読み取りを行う場合における原稿押さえカバーとしての役割と、ピックアップローラ23、レジストローラ24、プラテンローラ25及び排紙ローラ26等の自動給紙機構に使用される部材の収納用筐体としての役割を担っている。なお、図1では、プラテンカバー21が閉じられた状態を示している。
【0019】
原稿載置トレイ22は、読み取り対象の原稿をセットするためのトレイである。ピックアップローラ23は、原稿載置トレイ22にセットされた原稿を1枚ずつピックアップしてレジストローラ24に搬出するためのローラである。レジストローラ24は、所定のタイミングで原稿をプラテンローラ25に搬送するためのローラである。プラテンローラ25は、原稿を所定の原稿読取位置を経由して排紙ローラ26に搬送するためのローラである。排紙ローラ26は、読み取り完了後の原稿を外部に排出するためのローラである。これら各ローラの回転動作は、MFP本体2の制御部60により制御されている。
【0020】
MFP本体2は、原稿読取装置1にて読み取った原稿の画像データ、またはネットワークNWを介して端末装置PCから受信した印刷用画像データに基づいて、電子写真方式によってトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙に転写するトナー画像形成部3と、トナー画像形成部3によって用紙に転写されたトナー画像を定着させる定着部4と、用紙をトナー画像形成部3及び定着部4を経由して外部に搬送するための用紙搬送機構5と、各種サイズの用紙をセットするための用紙カセット6、7、8とを備えている。さらに、MFP本体2には、手前側に開閉自在な手差しトレイ9が設けられており、手差しトレイ9にセットされた用紙を用紙搬送機構5によって搬送可能な構成となっている。
【0021】
トナー画像形成部3は、中間転写ベルト31と、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色にそれぞれ対応したトナー画像形成ユニットF(FY、FM、FC、FB)と、駆動ローラ32と、テンションローラ33と、二次転写ローラ34と、クリーナー35とから構成されている。中間転写ベルト31は、各トナー画像形成ユニットF(FY、FM、FC、FB)によって形成される各色のトナー画像を1次転写するための中間転写体であり、駆動ローラ32及びテンションローラ33に張架されて、図1において時計回りに回走する構成となっている。
【0022】
トナー画像形成ユニットF(FY、FM、FC、FB)は、それぞれ感光体ドラムFaと、帯電部Fbと、露光部Fcと、現像部Fdと、一次転写ローラFeとを備え、さらに不図示のクリーニング装置及び除電装置等とを備える。感光体ドラムFaは、円柱に形状設定され、その周面に静電潜像及び当該静電潜像に基づくトナー画像が形成されるものである。帯電部Fbは、感光体ドラムFaに対して対向配置され、感光体ドラムFaの周面を帯電状態とするものである。露光部Fcは、画像データに基づいてレーザ光を帯電状態の感光体ドラムFaの周面において走査して静電潜像を形成するものである。現像部Fdは、感光体ドラムFaの周面に対してトナーを付着させることによって感光体ドラムFaの周面上に静電潜像に基づくトナー画像を形成(現像)するものである。
【0023】
一次転写ローラFeは、中間転写ベルト31を挟んで感光体ドラムFaと対向配置され、感光体ドラムFaに現像されたトナー画像を中間転写ベルト31に一次転写するものである。二次転写ローラ34は、中間転写ベルト31を挟んで駆動ローラ32と対向配置されており、用紙カセット6、7、8のいずれかから用紙搬送機構5によって搬送される用紙に、中間転写ベルト31表面に転写されているトナー画像を2次転写するものである。クリーナー35は、クリーニングローラやクリーニングブレード等を備え、中間転写ベルト31の残留トナーを除去するものである。
【0024】
定着部4は、用紙上に二次転写されたトナー画像を定着させるものであり、加圧・加熱することによりトナーを定着させる加熱ローラ41を備えている。用紙搬送機構5は、用紙カセット6、7、8から用紙を1枚ずつ搬出するためのピックアップローラ51、52、53と、ピックアップした用紙をトナー画像形成部3(駆動ローラ32と2次転写ローラ34との間)に搬送するための給紙ローラ54、55、56と、定着後の用紙を外部に排紙するための排紙ローラ57等から構成されている。用紙カセット6、7、8は、MFP本体2に対して引き出し自在に取り付けられており、各種サイズの用紙を収容するものである。
【0025】
図2は、上述した画像形成装置M1の機能ブロック構成図である。なお、この図2において、図1と同じ構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。図2において、符号60は制御部、符号61はROM(Read Only Memory)、符号62はRAM(Random Access Memory)、符号63はフラッシュメモリ、符号64は操作表示部、符号65は通信I/Fである。
【0026】
制御部60は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、ROM61に記憶されている制御プログラムに従い、フラッシュメモリ63に記憶されている画像データ、操作表示部64から入力される操作信号、通信I/F65を介して端末装置PCから受信した印刷指示及び印刷用画像データ(ジョブ)に応じて、画像形成装置M1の各機能部(原稿読取装置1、トナー画像形成部3、定着部4、用紙搬送機構5など)を統合制御することにより、画像形成動作(トナー画像の形成動作、用紙へのトナー画像の転写動作、トナー画像の定着動作)を制御するものである。
【0027】
また、詳細は後述するが、制御部60は、追加機能(例えばインターネット・ファクシミリ機能やセキュリティ機能など)の使用許可情報(例えばライセンスキー)が入力された場合に、他の画像形成装置にて保持中のライセンスキーを記録したライセンス記録データを基に、入力されたライセンスキーと同一のライセンスキーを保持している他の画像形成装置が存在するか否かを判断し、存在する場合には追加機能を無効化する(使用不能状態とする)機能を有している。
【0028】
また、この制御部60は、所定のライセンスキー取得タイミングが到来する度に、ネットワークNWを介して他の画像形成装置から保持中のライセンスキーを取得して上記のライセンス記録データを更新し、そのライセンス記録データをフラッシュメモリ63に記憶する機能を有している。さらに、この制御部60は、追加機能のライセンスキーが入力された場合に、当該入力されたライセンスキーをネットワークNWを介して他の画像形成装置に送信する一方、ネットワークNWを介して他の画像形成装置から受信したライセンスキーを基にライセンス記録データを更新する機能を有している。
【0029】
ROM61は、制御部60で使用される制御プログラムやその他の設定データを記憶する読み出し専用の不揮発性メモリである。また、このROM61には、予め追加機能を実現するためのソフトウェアが格納されている。RAM62は、制御部60が制御プログラムを実行して各種動作を行う際に、データの一時保存先に用いられる揮発性のワーキングメモリである。フラッシュメモリ63は、制御部60による制御の下、画像読取装置1にて読み取った原稿の画像データや、端末装置PCから送信された印刷用画像データ、さらに上記のライセンス記録データを記憶する書き換え可能な不揮発性メモリである。
【0030】
操作表示部64は、例えばタッチパネルによって構成されており、制御部60による制御の下、各種操作キーや各種情報をユーザに通知する画面を表示すると共に、タッチパネル上に表示される各種操作キーの操作入力情報を操作信号として制御部60に出力する。通信I/F65は、画像形成装置M2〜Mn及び端末装置PCと通信を行うためのインタフェースであり、ネットワークNWを介して画像形成装置M2〜Mn及び端末装置PCと接続されている。
【0031】
次に、上記のように構成された本実施形態の画像形成システムの動作について、図3及び図4のシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、4台の画像形成装置M1〜M4がネットワークNWを介して接続されている場合を想定して説明する。
【0032】
図3は、4台の画像形成装置M1〜M4の内、画像形成装置M1におけるライセンス記録データの作成・更新動作を表すシーケンスチャートである。この図3に示すように、画像形成装置M1の制御部60は、ライセンスキー取得タイミングが到来したか否かを判断し(ステップS1)、「No」の場合には、ステップS1の処理を繰り返すことでライセンスキー取得タイミングの到来を監視し、「Yes」の場合には、通信I/F65を介して、他の画像形成装置M2、M3及びM4に対して、それぞれが保持しているライセンスキーを送信するように要求する(ステップS2)。
【0033】
ここで、ライセンスキー取得タイミングとは、定期的なタイミングまたは不定期的なタイミングのどちらでも良く、例えば画像形成装置M1の電源オンタイミングや、電源オン中における一定時間の経過タイミング(例えば5時間経過毎のタイミング)をライセンスキー取得タイミングとすることができる。
【0034】
画像形成装置M2は、画像形成装置M1からライセンスキーの送信要求を受けると、自装置に保持されているライセンスキーを、ネットワークNWを介して画像形成装置M1に送信する(ステップS3)。また、画像形成装置M3は、画像形成装置M1からライセンスキーの送信要求を受けると、自装置に保持されているライセンスキーを、ネットワークNWを介して画像形成装置M1に送信する(ステップS4)。同様に、画像形成装置M4は、画像形成装置M1からライセンスキーの送信要求を受けると、自装置に保持されているライセンスキーを、ネットワークNWを介して画像形成装置M1に送信する(ステップS5)。なお、各画像形成装置M2、M3及びM4は、ライセンスキーを保持していない場合には、その旨を画像形成装置M1に通知する。
【0035】
画像形成装置M1の制御部60は、通信I/F65を介して他の画像形成装置M2、M3及びM4からライセンスキーを取得すると、それらの取得したライセンスキーを基にライセンス記録データを更新してフラッシュメモリ63に記憶する(ステップS6)。
上記のようなステップS1〜S6の動作が、ライセンスキー取得タイミングが到来する度に実施されることにより、画像形成装置M1のフラッシュメモリ63に記憶されているライセンス記録データは、他の画像形成装置M2、M3及びM4にて保持中のライセンスキーを記録した最新のデータに更新される。他の画像形成装置M2、M3及びM4についても同様である。
【0036】
また、図3では図示していないが、画像形成装置M1の制御部60は、上記のようにライセンスキー取得タイミングが到来した時に自発的にライセンス記録データを更新するだけでなく、通信I/F65を介して他の画像形成装置M2、M3及びM4からライセンスキーが送信されてきた場合に、その送信されたライセンスキーを基にライセンス記録データを更新する。
【0037】
図4は、画像形成装置M1に追加機能のライセンスキーが入力された場合の動作を表すシーケンスチャートである。この図4に示すように、操作表示部64の操作によって、画像形成装置M1に追加機能のライセンスキーが入力される(ステップS10)と、画像形成装置M1の制御部60は、通信I/F65を介して、他の画像形成装置M2、M3及びM4に対して、入力されたライセンスキーを送信する(ステップS11)。
【0038】
画像形成装置M2は、画像形成装置M1からライセンスキーを受信すると、その受信したライセンスキーを基にライセンス記録データを更新する(ステップS12)。また、画像形成装置M3は、画像形成装置M1からライセンスキーを受信すると、その受信したライセンスキーを基にライセンス記録データを更新する(ステップS13)。同様に、画像形成装置M4は、画像形成装置M1からライセンスキーを受信すると、その受信したライセンスキーを基にライセンス記録データを更新する(ステップS14)。
【0039】
一方、画像形成装置M1の制御部60は、フラッシュメモリ63からライセンス記録データを読み出し(ステップS15)、その読み出したライセンス記録データを基に、入力されたライセンスキーと同一のライセンスキーを保持している他の画像形成装置が存在するか否かを判断する(ステップS16)。このステップS16において、「No」、つまり入力されたライセンスキーと同一のライセンスキーを保持している他の画像形成装置が存在しない場合、入力されたライセンスキーは不正使用されたものではないと推定されるため、画像形成装置M1の制御部60は、自装置に設定されている追加機能を有効化する(ステップS17)。つまり、画像形成装置M1の制御部60は、ROM61に格納されている、追加機能を実現するためのソフトウェアを使用可能状態にする。
【0040】
一方、上記ステップS16において、「Yes」、つまり入力されたライセンスキーと同一のライセンスキーを保持している他の画像形成装置が存在する場合、入力されたライセンスキーは不正使用されたものである可能性が高いため、画像形成装置M1の制御部60は、自装置に設定されている追加機能を無効化する(ステップS18)。つまり、画像形成装置M1の制御部60は、ROM61に格納されている、追加機能を実現するためのソフトウェアを使用不能状態にする。
【0041】
このように、本実施形態によれば、ある画像形成装置に追加機能のライセンスキーが入力された場合、他の画像形成装置にて保持中のライセンスキーを記録したライセンス記録データを基に、入力されたライセンスキーと同一のライセンスキーを保持している他の画像形成装置が存在するか否かを判断し、存在する場合(入力されたライセンスキーは不正使用された可能性が高い場合)には、自装置の追加機能を無効化することにより、アクティベーションに対するセキュリティの向上を図ることが可能となる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、ライセンスキー取得タイミングが到来する度に、ネットワークNWを介して他の画像形成装置から保持中のライセンスキーを自発的に取得してライセンス記録データを更新する手法と、ネットワークNWを介して他の画像形成装置から送信されたライセンスキーを基にライセンス記録データを更新する手法とを組み合わせた場合を例示したが、どちらか一方の手法を単独で用いるような構成としても良い
【0043】
(2)上記実施形態では、画像形成装置M1〜MnとしてMFPを例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、コピー機や、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置にも適用することができる。また、上記実施形態では、タンデム方式の画像形成装置M1〜Mnを例示したが、その他の方式の画像形成装置でも本発明を適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0044】
M1〜Mn…画像形成装置、1…原稿読取装置、2…MFP本体、10…スキャナ部、20…ADF(Auto Document Feeder)、3…トナー画像形成部、4…定着部、5…用紙搬送機構、6、7、8…給紙カセット、60…制御部、61…ROM(Read Only Memory)、62…RAM(Random Access Memory)、63…画像データメモリ、64…操作表示部、65…通信I/F、PC…端末装置、NW…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の画像形成装置とネットワークを介して接続された画像形成装置であって、
追加機能の使用許可情報が入力された場合に、他の画像形成装置にて保持中の使用許可情報を記録した記録データを基に、前記入力された使用許可情報と同一の使用許可情報を保持している他の画像形成装置が存在するか否かを判断し、存在する場合には前記追加機能を無効化する制御部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、所定の取得タイミングが到来する度に、前記ネットワークを介して他の画像形成装置から保持中の使用許可情報を取得して前記記録データを作成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、追加機能の使用許可情報が入力された場合に、当該入力された使用許可情報を前記ネットワークを介して他の画像形成装置に送信する一方、前記ネットワークを介して他の画像形成装置から受信した使用許可情報を基に前記記録データを作成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の複数の画像形成装置がネットワークを介して接続された画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−206255(P2010−206255A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46430(P2009−46430)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】