説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】
使用する現像剤を有効に再利用するとともに、小型化の実現を図った画像形成装置を提供する。
【解決手段】
潜像担持体10にて現像された像が転写される転写部材40と、潜像担持体10をクリーニングするクリーニング部18と、転写部材40をクリーニングするクリーニングローラー81と、クリーニングローラー81をクリーニングするブレード811とブレード811で掻き取られた回収物を貯留する第1の貯留部87と、転写部材40をクリーニングするクリーニングブレード82と、クリーニングブレード82で掻き取られた回収物を貯留する第2の貯留部88と、第2の貯留部88に貯留された回収物をクリーニングローラー81に塗布させる塗布部と、クリーニング部18で回収された回収物を第2の貯留部88へ移送させる移送経路770と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリアからなる液体現像剤によって現像し、これによる現像剤をさらに記録紙などの転写材に転写して、さらに転写された転写材上のトナー像を定着して画像形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、可視化する画像形成装置が種々提案されている。この画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
従来、液体現像剤を用いる電子写真方式の画像形成装置では、現像部に形成されたトナー像を転写部材に転写した後、転写されたトナー像を記録紙などの転写材に2次転写することで画像形成が行われている。現像部にてトナー像が転写される転写部材には、ベルトタイプやローラータイプのものが用いられており、転写部材の表面は繰り返し何度も使用される。そのため、2次転写後の転写部材の表面は、転写部材に当接して設けられるクリーニング部によって、付着した転写残りのトナーなどを取り除かれた後に、新たな画像形成に備える。
【0004】
特許文献1には、液体現像剤を用いた画像形成装置で使用されるクリーニング装置について、像担持体の表面に付着したトナー粒子をキャリア液中に浮遊させる予備クリーニング手段と、浮遊したトナー粒子を静電力により回収するトナー粒子回収手段と、像担持体の表面のキャリア液を回収するキャリア液回収手段を有するものが開示されている。このクリーニング装置によれば、予備クリーニング手段でトナー粒子をキャリア液中に浮遊させ、トナー粒子回収手段による静電力でトナー粒子を電気泳動させて回収することで、トナー粒子の回収効率を向上させることができる。
【0005】
また、この特許文献1では、予備クリーニング手段で使用するキャリア液を再利用することでキャリア液の消費を抑えることについても開示がみられる。特許文献1の図6には、中間転写体クリーニング装置30で回収したキャリア液を再利用するクリーニング液供給再利用装置400についての記載がみられる。
【0006】
このクリーニング液供給再利用装置400は、クリーニング液を貯蔵するクリーニング液槽401と、トナー粒子回収ローラー32で回収したトナーを貯留するトナー粒子回収槽305と、ブレード33で回収したキャリア液及びクリーニング液を貯蔵する廃液槽402と、クリーニング液槽401と廃液槽402の液をポンプ403で汲み上げ、混合する混合槽404の4つの槽を有している。
【0007】
混合された混合層のキャリア液及びクリーニング液の混合液は、予備クリーニングローラー31にポンプ403で供給される。また、ブレード33で回収されたキャリア液及びクリーニング液の混合液は、廃液槽402でろ過された後混合槽404に送られる。また、トナー粒子回収ローラー32で回収したトナーは、トナー粒子回収ローラー32の表面に接触したトナー粒子回収用ブレード35で掻き取られ、トナー粒子回収槽305に貯留される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−209426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されるクリーニング液供給利用装置400では、クリーニング液を再利用するため、クリーニング液槽401、トナー粒子回収槽305、廃液槽402、混合層405の4つの槽、並びに、各槽を接続するための部品、ポンプなどが必要となるため、クリーニング装置、そして、画像形成装置の小型化を図ることが困難となっている。
【0010】
また、特許文献1のクリーニング装置では、予備クリーニング手段、トナー粒子回収手段、キャリア液回収手段を、クリーニングの対象となる中間転写体の表面上に当接させて配置する必要がある。このような場合、中間転写体上にある程度の面積が必要となるため、ベルトタイプの中間転写体のようにクリーニング可能な部分の面積が制限される場合には、クリーニング装置の設置自体が困難となってしまう。また、部品点数も増加することでクリーニング装置、そして、画像形成装置の小型化を図ることも困難である。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、転写部材をクリーニングするクリーニング装置において、転写部材をクリーニングする液を有効に再利用するとともに、クリーニング装置および画像形成装置の小型化を実現可能とする画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体に形成された前記潜像をトナー粒子とキャリア液とを含む液体現像剤で現像する現像部と、前記現像部で前記潜像担持体に現像された像が転写される転写部材と、前記潜像担持体をクリーニングするクリーニング部と、バイアスが印加されるとともに、前記転写部材に当接して前記転写部材をクリーニングするクリーニングローラーと、前記クリーニングローラーに当接し、前記クリーニングローラーをクリーニングするブレードと、前記ブレードで掻き取られた回収物を貯留する第1の貯留部と、前記転写部材に当接し、前記クリーニングローラーでクリーニングされた前記転写部材をクリーニングするクリーニングブレードと、前記クリーニングブレードで掻き取られた回収物を貯留する第2の貯留部と、前記第2の貯留部に貯留された回収物を前記クリーニングローラーに塗布させる塗布部と、前記クリーニング部で回収された回収物を前記第2の貯留部へ移送させる移送経路と、を有する。
【0013】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記第1の貯留部にて貯留される回収物を第1のトナー粒子の濃度の回収物と、前記第1のトナー粒子の濃度よりも薄い第2のトナー粒子の濃度の回収物と、に分離する分離部と、前記分離部で分離された第2のトナー粒子の濃度の回収物を前記第2の貯留部に移送させる第2の移送経路と、を有する。
【0014】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記分離部で前記第1のトナー粒子の濃度の回収物を前記第1の貯留部に移送する第3の移送経路を有する。
【0015】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記第2の貯留部で貯留された回収物を前記第1の貯留部に移送する第4の移送経路を有する。
【0016】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記第1の貯留部で貯留された回収物を貯留する前記第1の貯留部と異なる第3の貯留部を有する。
【0017】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記クリーニングローラーに印加するバイアスを定電圧に制御する定電圧制御部を有する。
【0018】
また、本発明に係る画像形成方法は、潜像担持体に形成された潜像をトナー粒子とキャリア液とを含む液体現像剤で現像し、前記潜像担持体に現像された像を転写部材に転写し、前記潜像担持体をクリーニング部にてクリーニングし、バイアスが印加されたクリーニングローラーを、前記転写部材に当接させて前記転写部材をクリーニングし、前記クリーニングローラーにブレードを当接させて前記クリーニングローラーをクリーニングし、前記ブレードで掻き取られた回収物を第1の貯留部に貯留し、前記クリーニングローラーでクリーニングされた前記転写部材にクリーニングブレードを当接させて前記転写部材をクリーニングし、前記クリーニングブレードで掻き取られた回収物を第2の貯留部に貯留するとともに、 前記クリーニング部で回収された回収物を前記第2の貯留部に貯留し、前記第2の貯留部に貯留された回収物を前記クリーニングローラーに塗布することを特徴とする。
【0019】
以上、本発明の画像形成装置および画像形成方法によれば、潜像担持体をクリーニングするクリーニング部で回収した回収物を、転写部材をクリーニングするクリーニングローラーに供給することで現像剤の利用効率の向上を図ることができる。さらには、分散剤を含んだ潜像担持体側の回収物が使用可能となるため、転写部材からクリーニングローラーへのトナー粒子の誘引効率を高めクリーニング性の向上を図ることが可能となる。
【0020】
また、クリーニングローラーに回収物を塗布する塗布部には、フィルター部にて濃度調整された後の回収物が供給されることとなるため、クリーニングローラーに塗布される回収物に混入するトナー粒子の量を抑え、クリーニングローラーによるクリーニング性能の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示した図。
【図2】本発明の実施形態に係るクリーニング部の主要構成を示した図。
【図3】塗布ローラーと滴下装置をローラー軸方向と垂直な方向から見た模式図。
【図4】滴下装置と塗布ローラーとの位置関係を示した図。
【図5】本発明の他の実施形態に係るクリーニング装置の一部を示した図。
【図6】本発明の実施形態に係る液体現像剤の移送の様子を示した図。
【図7】本発明の実施形態で使用するフィルター部の構成を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示した図である。本実施形態の画像形成装置は、転写ベルト40と、感光体10Y、10M、10C、10Kを主要構成とする4つの画像形成部と、各感光体10Y、10M、10C、10K(本発明でいう「潜像担持体」)に対応して配設された4つの現像装置30Y、30M、30C、30Kと、図中、転写ベルト40の右側に配設されている2次転写部と、図中、転写ベルト40の左側に配設されているクリーニング部などによって構成されている。
【0023】
以下、画像形成部及び現像装置30Y、30M、30C、30Kについては、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるため、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0024】
現像部30Yは、液体現像剤により感光体10Y上に形成された潜像を現像する装置であって、現像ローラー20Yと、中間ローラー32Yと、アニロックスローラー33Yと、液体現像剤を貯蔵する液体現像剤容器31Y、現像ローラー20Y上のトナーを帯電させるトナー帯電器22Yを主な構成要素としている。
【0025】
現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、中間ローラー32Y、トナー帯電器22Yが配されている。中間ローラー32Yは、その表面を現像ローラー20Yと供給ローラー33Yに当接させており、その外周には中間ローラークリーニングブレード34Yが配設されている。供給ローラー33Yには、液体現像剤容器31Yから汲み上げた液体現像剤の量を調整する規制部材35Yが当接している。なお、本実施形態の現像装置のように中間ローラー32Yを用いた3ローラー方式では、中間ローラー32Yが供給ローラー33Yに当接することで液体現像剤の量を調整するため、この規制部材36Yを配設しない構成とすることも可能である。
【0026】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0027】
アニロックスローラー33Yは、中間ローラー32Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能する。このアニロックスローラー33Yは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー33Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図に示すように供給ローラー33Yは時計回りに回転して、中間ローラー32Yに液体現像剤を塗布する。
【0028】
規制ブレード35Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー33Yの表面に当設し、アニロックスローラー33Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0029】
中間ローラー32Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように、現像ローラー20Yと同様、反時計回りに回転し、現像ローラー20Yに対しカウンター当接する。中間ローラー32Yは現像ローラー20Yと同様に、金属製の内心の外周部に弾性層を設けて構成される。
【0030】
中間ローラー32Yと現像ローラー20Yとの当接位置下流には、中間ローラークリーニングブレード34Yが当接して配設され、現像ローラー36に供給されなかった液体現像剤を掻き取って現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに回収する。
【0031】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように反時計回りに回転する。現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。
【0032】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが潜像担持体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配設され、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去する。現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに滴下して再利用される。
【0033】
トナー帯電器22Y(帯電部材)は、現像ローラー20Yの表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、このトナー帯電器22Yと近接する位置でコロナ放電による電界が印加され帯電される。なお、このトナー帯電のための電界印加手段は、コロナ放電器のコロナ放電に代えて、コンパクションローラーなどを用いてもよい。このようなコンパクションローラーは、円筒状の部材とし、金属ローラー基材の表層に導電性の樹脂層やゴム層を備えた構造とし、例えば現像ローラー20Yと反対方向の時計回りに回転させるようにするとよい。
【0034】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って順に配設された、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、感光体スクイーズ装置、1次転写部50Y、感光体クリーニングブレード18Yなどによって構成される。この画像形成部は感光体10Yの外周上、露光ユニット12Yと第1スクイーズローラー13Yとの間において現像部30Yの現像ローラー20Yと当接する。
【0035】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0036】
コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0037】
1次転写部50Yの上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置されている。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材からなる第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y'、感光体スクイーズローラークリーニング
ブレード14Y、14Y'にて構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰
なキャリア液及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y'には、カブ
リトナーを感光体スクイーズローラー13Y、13Y'側に誘引するため所定のバイアス
電圧が印加されている。
【0038】
感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y'は、各感光体スクイ
ーズローラー13Y、13Y'に当接して設けられ、回収されたキャリア液やカブリトナ
ーを含んだ液体現像剤を掻き落として、現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに滴下する。
【0039】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y'
からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。この1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写バックアップローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。この1次転写部50Yにおいては、1次転
写バックアップローラー51Yに印加される転写バイアスの作用によって、感光体10Y上のトナー像は転写ベルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0040】
1次転写部50Yの下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上のキャリア成分リッチな液体現像剤をクリーニングする。
【0041】
転写ベルト40(転写部材)は、ポリイミド基層上にポリウレタンの弾性中間層を設け、さらにその上にPFA表層が設けられている三層構造となっている。この転写ベルト40は、ベルト駆動ローラー41、テンションローラー42にて張架され、PFA表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。本実施形態の画像形成装置では、転写させるための部材として、転写ベルト40を用いているが、ベルトに限らず、ローラー、ドラムなど各種の転写部材を採用することも可能である。
【0042】
感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置することで形成される1次転写部50Y、50M、50C、50Kでは、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、転写ベルト40上にフルカラーのトナー像を形成する。
【0043】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、両者によって2次転写部(ニップ部)を形成する。この2次転写部では、転写ベルト40上に形成された単色あるいはフルカラーのトナー像が転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写される。さらに、シート材搬送経路Lの下流には、図示しない定着ユニットが配設され、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像に熱や圧力を加えて定着させる。
【0044】
2次転写ユニットに対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101、101'に
よって転写材を2次転写部まで搬送し、転写ベルト40上に形成された単色あるいはフルカラーのトナー像を転写材に転写する。
【0045】
テンションローラー42は、駆動ローラー41と共に中間転写体40を張架しており、中間転写体40のテンションローラー42に張架されている箇所にて、クリーニング装置80(クリーニング部)が当接して配設される。
【0046】
次に、転写ベルト40表面上をクリーニングするクリーニング装置80についてより詳細に説明する。図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられるクリーニング装置の概要を示す図である。図2において、81はクリーニングローラー、811はクリーニングローラークリーニングブレード、82は転写ベルトクリーニングブレード、83は塗布ローラー、831はスポンジ外周部、85はならしローラー、87は第1タンク、871は第1タンク受け部、872は第1タンク貯留部、88は第2タンク、881は第2タンク受け部、882は第2タンク貯留部をそれぞれ示している。
【0047】
クリーニングローラー81は、転写ベルト40を挟んだ形で、テンションローラー42と対向配置されており、転写ベルト40に当接し転写ベルト40の表面をクリーニングす
る。このクリーニングローラー81は、機材に導電性のウレタンゴムが用いられ、その表層は、表面の粗さを軽減するため導電性のウレタンコートが施されている。
【0048】
このクリーニングローラー81には、バイアス印加部86によってバイアス電圧が印加されている。本実施形態では、クリーニングローラー81にマイナスの定電圧をかけるとともに、テンションローラー42をアースすることで、クリーニングローラー81とテンションローラー42間には電界が形成されている。プラス側に帯電したトナー粒子は、この電界によってクリーニングローラー81側に誘引されることとなり、クリーニングローラー81では、転写ベルト40上のトナー粒子を効率よく回収することができる。
【0049】
クリーニングローラークリーニングブレード811は、クリーニングローラー81の表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部を有する弾性ブレードであり、クリーニングローラー81に当接し、クリーニングローラー81上のトナー粒子とキャリア液とを掻き落としてクリーニングする。クリーニングローラークリーニングブレード811で掻き落とされる回収物1は、後述する転写ベルトクリーニングブレード82で回収する回収物2と比べ、トナー粒子を多く含んだものとなる。
【0050】
クリーニングローラークリーニングブレード602で掻き落とされた回収物1は、第1タンク87の第1タンク受け部871に落下し、最終的には第1タンク貯留部882に貯まるようになっている。
【0051】
転写ベルトクリーニングブレード82は、転写ベルト40を挟んだ形で、テンションローラー42と対向配置される。転写ベルトクリーニングブレード82は、転写ベルト40表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部を有する弾性ブレードなどで構成され、クリーニングローラー81でクリーニングされた転写ベルト40上に残留するキャリア液を掻き落とすようにしてクリーニングする。
【0052】
転写ベルトクリーニングブレード82で掻き落とされた回収物2は、第2タンク88の第2タンク受け部881に落下し、第2タンク貯留部882に貯められる。第2タンク貯留部882に貯められた回収物は、クリーニングローラー81にて効率よくトナー粒子を回収するために再利用される。回収物の移送、並びに、キャリア液の移送については後ほど説明を行うこととする。
【0053】
本実施形態では、このようにクリーニングローラークリーニングブレード811で回収される回収物1を第1タンク87で回収し、転写ベルトクリーニングブレード82で回収される回収物2を第2タンク88で分けて回収することで、比較的キャリア粒子の混入の少ない回収物2をクリーニングローラー81での再利用に用いることが可能となっている。
【0054】
塗布ローラー83はクリーニングローラー81にキャリア液を塗布するローラーであり、本実施形態ではその外周部にはスポンジ部材(スポンジ外周部831)が配されている。塗布ローラー83によってキャリア液を塗布されたクリーニングローラー81は湿りを帯び、転写ベルト40(テンションローラー42)との間のニップ部ではキャリア液が十分に介在された状態となる。このような状態で、クリーニングローラー81には、液体現像剤中のトナー粒子を誘引するようなバイアス電圧が印加されるので、良好なクリーニング性を得ることが可能となる。
【0055】
上記の塗布ローラー604にキャリア液を滴下して供給する構成が滴下装置84であり、その下部にはキャリア液を排出するノズル841が設けられている。図3は塗布ローラー83、滴下装置84及びならしローラー85をローラー軸方向と垂直な方向からみた模
式図である。滴下装置84のノズル841は、軸方向に略均等の間隔で設けられており、その直下部分の塗布ローラー83にキャリア液を供給するようになっている。
【0056】
キャリア液の供給を受けた塗布ローラー83は図2に示すように反時計周りで回転して、ならしローラー85に向かい、このならしローラー85でそのスポンジ外周部831が押圧されることによって、スポンジ外周部831中のキャリア液が塗布ローラー83の軸方向に行き渡る。
【0057】
図4は滴下装置84と塗布ローラー83との位置関係を説明する図である。滴下装置84のノズル841から滴下されるキャリア液は、塗布ローラー83の鉛直方向最高位の位置(a)から塗布ローラー83とならしローラー85との間に形成されるニップ位置(b)との間の範囲(a〜bの範囲)の中となるように滴下されることが好ましい。このような位置関係によれば、ならしローラー85によって、塗布ローラー83上のキャリア液を軸方向に略均等にならすことが可能となる。
【0058】
ところで、本実施形態においては、塗布ローラー83としてはスポンジ外周部831を有するものを例に取り説明しているが、塗布ローラー83として外周囲がゴムで形成されたソリッドローラーを用いることが可能である。このような実施形態について図5を参照して説明する。図5は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いられるクリーニング装置の概要を示す図である。
【0059】
この実施形態では、塗布ローラー83として外周囲がゴムで形成されたソリッドローラーが用いられている。この場合も先の実施形態と同様で、滴下装置84のノズル841から滴下されるキャリア液は、塗布ローラー83の鉛直方向最高位の位置(a)から塗布ローラー83とならしローラー85との間に形成されるニップ位置(b)との間の範囲(a〜bの範囲)の中となるように滴下されることが好ましい。
【0060】
先の実施形態において、塗布ローラー83に滴下されたキャリア液は、ならしローラー85でスポンジ外周部831が押圧されることで軸方向に行き渡るように構成されていたが、この実施形態では、塗布ローラー83に滴下されたキャリア液は、ならしローラー85と塗布ローラー83と間のニップ部に図示するような液溜まりを形成するようにして、キャリア液が軸方向に行き渡るように構成される。
【0061】
以上、クリーニング装置80について、転写ベルト40周りの構成について説明を行ったが、このようなクリーニング装置80によれば、転写ベルト40上のトナー粒子、キャリア液を効率よく回収することが可能となる。特に、塗布ローラー83にキャリア液を塗布するとともにバイアス印加を行うことで、トナー粒子をキャリア液中に浮遊させた状態で、塗布ローラー83側に誘引して回収できトナー粒子の回収効率の向上を図ることが可能となる。
【0062】
では、このクリーニング装置80においてトナー粒子の回収効率を図るキャリア液の移送について説明を行う。本発明の実施形態では、クリーニング装置80にて用いるキャリア液を、1次転写後の感光体10をクリーニングして回収されたキャリア液リッチな回収物を用いることで、現像剤の再利用を図っている。
【0063】
図6は、第1実施形態の画像形成装置を示した図である。まず、感光体10Y周辺
において現像剤の再利用を図る現像剤補給部について現像装置30Yに設けられたものを例にとって説明を行う。他の色の現像装置30M、30C、30Kについてもその構成は同様である。
【0064】
本実施形態では、感光体10Y周辺において現像剤の再利用を図るための主な構成として、高濃度現像剤タンク74Y、キャリア液タンク75Y、濃度調整タンク71Y、回収タンク76Y、回収液バッファタンク77Y、各タンクを接続する移送経路などを備えている。なお、各移送経路にはポンプやバルブなどを設けられることでその移送量を制御することが可能となっている。
【0065】
現像剤補給部は、現像剤貯留部311Yに濃度調整された液体現像剤を補給する手段であって、本実施形態では、高濃度現像剤タンク74Y、キャリア液タンク75Y、濃度調整タンク71Y、回収タンク76Y、回収液バッファタンク77Y、各タンクを接続する移送経路を主な構成要素としている。なお、本実施形態では、各色毎にキャリア液タンク75Yを設けた構成としているが、このキャリア液タンク75Yは各色の現像剤補給部で共用することも可能である。このような構成によれば、各色の現像剤補給部において共通のキャリア液を供給することが可能となり、各色における液体現像剤の質の均一化、並びに、部材点数の削減に貢献することとなる。
【0066】
感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y'、現像ローラークリ
ーニングブレード21Y、中間ローラークリーニングブレード34Yで掻き取られた現像剤は、現像剤容器31Y内に設けられている回収液貯留部312Yに一旦貯留され、移送経路711Yを介して濃度調整タンク71Yに供給される。
【0067】
また、感光体クリーニングブレード18Yで掻き取られたキャリア液リッチな状態の液体現像剤は、回収タンク76Y、回収液バッファタンク77Y、移送経路713Yを介して濃度調整タンク71Yに供給される。
【0068】
また、濃度調整タンク71Yには、高濃度現像剤タンク74Yから移送経路741Yを介して高濃度現像剤が供給される。そして、キャリア液タンク75からは、移送経路751Yを介してキャリア液が供給される。
【0069】
このように濃度調整タンク71Yには、感光体10Y周辺の構成から回収された現像剤、そして、高濃度現像剤タンク74Y、キャリア液タンク75Yから供給される未使用のトナー、キャリア液が供給される。この濃度調整タンク71Y内にはプロペラ状の攪拌部材72Yが設けられており、回収された現像剤、未使用のトナー、キャリア液を攪拌して濃度調整タンク71Y内の現像剤の濃度に偏りがないようにする。また、濃度調整タンク71Y内には、濃度検出センサー73Yが設けられ、検出された濃度によって、高濃度調整タンク74Yからの高濃度現像剤、キャリア液タンク75Yからのキャリア液の移送量を制御することで濃度調整タンク71Y内の濃度を所望のものに制御している。
【0070】
このように濃度調整タンク71Yで濃度調整された現像剤は、現像剤貯留部311Yに供給され、現像に再利用されることとなる。なお、現像剤容器31Y内は現像剤貯留部311Yと回収液貯留部312Yに仕切られているが、回収した回収液貯留部312Y内の現像剤は現像剤貯留部311Yに混入しないような構成となっており、調整された現像剤の濃度が乱されることはない。
【0071】
以上、感光体10Y周辺において現像剤の再利用を図るための構成について説明したが、本実施形態では、この構成中、感光体クリーニングブレード18Y(本発明における「クリーニング部」)で回収したキャリア液リッチな回収物を、転写ベルト40(本発明における「転写部材」)をクリーニングするクリーニング装置80にて再利用することで、現像剤の利用効率の向上を図るとともに、部品点数を削減しクリーニング装置80の小型化、および画像形成装置の小型化を図っている。
【0072】
回収物バッファタンク77Yに貯留されたキャリア液リッチな回収物は、各色毎の移送経路771Y、各色の移送経路が統合された移送経路770を介して第2タンク貯留部882に供給される。第2タンク貯留部882への回収物は、移送経路770に配された供給ポンプ79を適宜駆動することで移送される。本実施形態では、このように各色の移送経路771Y、771M、771C、771Kが統合された移送経路770に供給ポンプ79を配した構成としたが、各色の移送経路771Y、771M、771C、771に移送手段としてのポンプを配することとしてもよい。このような構成によれば、各色毎に回収物バッファタンク77の貯蔵量に応じて第2タンク88への供給量を制御することも可能となる。
【0073】
このように本実施形態では、感光体10側で回収した回収物を、一旦、第2タンク貯留部872に供給することで、第2タンク貯留部872に貯留される回収物をキャリア液リッチな状態に保つことが可能となる。そして、第2タンク貯留部882に貯留されたキャリア液リッチな状態の回収物は、移送経路883を介して滴下装置84に供給される。本実施形態では、この第2タンク88から滴下装置84への移送経路883と、滴下装置84と、塗布ローラー83と、ならしローラー85とによって、クリーニングローラー81にキャリア液を塗布する塗布部を形成しているが、タンク88からクリーニングローラー81に対して回収物を供給する形態であれば、塗布部には適宜形態を採用することが可能である。
【0074】
感光体10側で利用するキャリア液をクリーニング装置80側で再利用することで
、転写ベルト40上のトナー粒子をクリーニングローラー81側へ効率よく誘引し、トナー粒子の回収効率を高めることも可能となる。これは、感光体側10側で使用される現像剤に分散剤が混入することを理由としている。分散剤はトナー粒子など固形成分と親和性が高く、トナー粒子に付着することでその帯電性を高めるものとして知られている。この分散剤を含んだキャリア液をクリーニング装置80にて再利用することで、分散剤が付着したトナー粒子をクリーニングローラー81側へ誘引し、回収効率を向上させることが可能となる。
【0075】
一方、クリーニングローラークリーニングブレード811で回収された回収物は、第1タンク87内の第1タンク貯留部872に貯留される。この第1タンク貯留部872には、フィルター部91(分離部)が接続されており、フィルター部91は、第1タンク貯留部872内の回収物をろ過(トナー粒子を捕集)した後、移送経路812を介して第2タンク貯留部882に供給する。このようにトナー粒子を比較的多く含んだ第1タンク貯留部872に貯留する回収物は、ろ過された後に第2タンク貯留部882に貯留されてクリーニングローラー81に塗布されるため、クリーニングローラー81による転写ベルト40のクリーニング効率を向上させることが可能となる。
【0076】
図7は、本実施形態で採用するフィルター部91の構成を示した断面図である。本
実施形態では、クロスフロー型のフィルター部91を採用するものであり、主要構成としては外壁部911、内壁部912、流入部913、第1流出部914、第2流出部915を有する。
【0077】
第1タンク87からの回収物は流入部913から取り入れられ、内壁部912で構成された室Aを通過して第1流出部914を通過して第1タンク87へと戻される。第1流出部914の径r2は、流入部913の径r1は小さく絞られており、室Aの内圧は高くなる。また、内壁部912の材質にはセラミックのような多孔質のものが用いられ、室Aの内圧の上昇に伴い、多孔質の孔よりも十分に小さいキャリア液は内壁部912を通過して室Aから外壁部911と内壁部912によって形成される室Bに移動する。この室Bは第2流出部915に連結しており、ろ過されたキャリア液はこの第2流出部915から第2
タンク88へと供給される。一方、ろ過残りの回収物は第1流出部914から第1タンク88へと戻される。
【0078】
なお、このクロスフロー型のフィルター部91は一例であって、回収物に含まれるトナー粒子を捕集して、回収物を第1のトナー粒子の濃度の回収物と、この第1のトナー粒子濃度よりも薄い第2のトナー粒子の濃度の回収物とに分離させるものであれば、その構成やトナー粒子の捕集率などは適宜なものを採用できる。
【0079】
この第1タンク貯留部872には、第2タンク貯留部882でオーバーフローした回収物を搬送する移送経路884が接続されている。このような構成により第1タンク貯留部872内での回収物の濃度を低下(粘度を低下)させ、回収物の流動性を向上させることができる。第1タンク貯留部872内の回収物は流動性が向上しているため、効率よくフィルター部91に搬送することが可能である。また、フィルター部91に流入する濃度を抑え、フィルター部91の負担を低減し、フィルター部91の長寿命化を図ることも可能となる。
【0080】
本実施形態では、クリーニング装置80内で循環する回収物の濃度が高くなることを防ぐため、第1タンク貯留部872でオーバーフローした回収物を廃棄タンク92に廃棄することとしている。これは、第1タンク87内の回収物が第2タンク88内の回収物よりも濃度が高いことに着目したものであって、第1タンク貯留部872内の回収物を廃棄することで、クリーニング装置80内で循環する回収物の濃度を抑える事が可能となる。また、オーバーフローさせた分を回収するという簡単な構成により実現できるため、装置のコストを抑えることも可能となる。
【0081】
以上、本実施形態によれば、バイアス印加されるとともにキャリア液が塗布されたクリーニングローラー81で転写ベルト40上に付着したトナー粒子の回収効率を向上させることが可能となる。その際、クリーニングローラー81に塗布されるキャリア液は、感光体10をクリーニングして得た回収物を利用するため現像剤の利用効率の向上が図られる。そして、クリーニング装置80側に配するタンクは、基本的には第1タンク87、第2タンク88で足りるためクリーニング装置80の小型化、および画像形成装置の小型化を図ることが可能となる。
【0082】
また、クリーニング装置80では、クリーニングローラークリーニングブレード811で回収した回収物を第1タンク89で受け、転写ベルトクリーニングブレード82で回収した回収物を第2タンク88で受けることで、第2タンク88内の回収物に混入するトナー粒子の量を抑え、クリーニングローラー81でのクリーニング性能の向上を図ることが可能となる。
【0083】
そして、第1タンク87に貯留する回収物は、フィルター部91にて濃度調整された後、第2タンク88に供給されるため、第2タンク88内の回収物の濃度を低く抑えることが可能となる。
【0084】
さらに、第1タンク89内の回収物を廃棄タンク側に廃棄することでクリーニング装置80内で循環する回収物の濃度を抑えることが可能となる。第1タンク貯留部892でオーバーフローしたものを廃棄する構成を採用した場合には、簡単な装置構成で実現できるため製造コストも低く抑えることが可能となる。
【0085】
なお、本明細書においては、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施の形態の構成を適宜組み合わせて構成された実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0086】
10Y、10M、10C、10K…感光体(潜像担持体)、11Y、11M、11C、11K…コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K…露光ユニット、13Y、13M、13C、13K…第1感光体スクイーズローラー、13Y'、13M'、13C'、1
3K'…第2感光体スクイーズローラー、14Y、14Y'、14M、14M'、14C、
14C'、14K、14K'…感光体スクイーズローラークリーニングブレード、18Y、18M、18C、18K…感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K…現像ローラー、21Y、21M、21C、21K…現像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、22K…コンパクションコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K…現像装置(現像部)、31Y、31M、31C、31K…現像剤容器、311Y、311M、311C、311K…現像剤貯留部、312Y、312M、312C、312K…回収液貯留部、32Y、32M、32C、32K…中間ローラー、33Y、33M、33C、33K…アニロックスローラー、34Y、34M、34C、34K…中間ローラークリーニングブレード、35Y、35M、35C、35K…規制ブレード、40…転写ベルト、41…ベルト駆動ローラー、42…テンションローラー、50Y、50M、50C、50K…1次転写部、51Y、51M、51C、51K…1次転写バックアップローラー、60…2次転写ユニット、61…2次転写ローラー、62…2次転写ローラークリーニングブレード、63…2次転写ユニット回収貯留部、101、101'…
ゲートローラー、102…転写材ガイド、71Y、71M…濃度調整タンク、72Y、72M…攪拌部材、73Y、73M…濃度検出センサー、74Y、74M…高濃度現像剤タンク、75Y、75M…キャリア液タンク、76Y、76M…回収タンク、77Y、77M…回収液バッファタンク、711Y、711M、712Y、712M、713Y、713M、741Y、741M、751Y、771Y、771M、770…移送経路、79…供給ポンプ、80…クリーニング装置、81…クリーニングローラー、811…クリーニングローラークリーニングブレード、82…転写ベルトクリーニングブレード、83…塗布ローラー、831…スポンジ外周部、84…滴下装置、841…ノズル、85…ならしローラー、86…バイアス印加部、87…第1タンク、871…第1タンク受け部、872…第1タンク貯留部、88…第2タンク、881…第2タンク受け部、882…第2タンク貯留部、91…フィルター部、911…外壁部、912…内壁部、913…流入部、914…第1流出部、915…第2流出部、92…廃棄タンク、883、884、891、911、912…移送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像担持体に形成された前記潜像をトナー粒子とキャリア液とを含む液体現像剤で現像する現像部と、
前記現像部で前記潜像担持体に現像された像が転写される転写部材と、
前記潜像担持体をクリーニングするクリーニング部と、
バイアスが印加されるとともに、前記転写部材に当接して前記転写部材をクリーニングするクリーニングローラーと、
前記クリーニングローラーに当接し、前記クリーニングローラーをクリーニングするブレードと、
前記ブレードで掻き取られた回収物を貯留する第1の貯留部と、
前記転写部材に当接し、前記クリーニングローラーでクリーニングされた前記転写部材をクリーニングするクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードで掻き取られた回収物を貯留する第2の貯留部と、
前記第2の貯留部に貯留された回収物を前記クリーニングローラーに塗布させる塗布部と、
前記クリーニング部で回収された回収物を前記第2の貯留部へ移送させる移送経路と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の貯留部にて貯留される回収物を第1のトナー粒子の濃度の回収物と、前記第1のトナー粒子の濃度よりも薄い第2のトナー粒子の濃度の回収物と、に分離する分離部と、
前記分離部で分離された第2のトナー粒子の濃度の回収物を前記第2の貯留部に移送させる第2の移送経路と、を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記分離部で前記第1のトナー粒子の濃度の回収物を前記第1の貯留部に移送する第3の移送経路を有する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の貯留部で貯留された回収物を前記第1の貯留部に移送する第4の移送経路を有する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の貯留部で貯留された回収物を貯留する前記第1の貯留部と異なる第3の貯留部を有する請求項1から請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記クリーニングローラーに印加するバイアスを定電圧に制御する定電圧制御部を有する請求項1から請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
潜像担持体に形成された潜像をトナー粒子とキャリア液とを含む液体現像剤で現像し、
前記潜像担持体に現像された像を転写部材に転写し、
前記潜像担持体をクリーニング部にてクリーニングし、
バイアスが印加されたクリーニングローラーを、前記転写部材に当接させて前記転写部材をクリーニングし、
前記クリーニングローラーにブレードを当接させて前記クリーニングローラーをクリーニングし、
前記ブレードで掻き取られた回収物を第1の貯留部に貯留し、
前記クリーニングローラーでクリーニングされた前記転写部材にクリーニングブレードを当接させて前記転写部材をクリーニングし、
前記クリーニングブレードで掻き取られた回収物を第2の貯留部に貯留するとともに、
前記クリーニング部で回収された回収物を前記第2の貯留部に貯留し、
前記第2の貯留部に貯留された回収物を前記クリーニングローラーに塗布することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−75775(P2011−75775A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226389(P2009−226389)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】