説明

画像形成装置

【課題】 複数のジョブを連続して出力する際、後処理中に後続のジョブの待機時間を削減し、生産性の向上を図ること。
【解決手段】 複数のジョブを受け付けし登録するRAMと、RAMに登録されたジョブの内容に応じて記録媒体に対して画像形成処理と後処理と行い排出するように制御する制御部と、を備えた画像形成装置において、制御部は、登録されたジョブを排出するとき、ジョブの実行順番をRAMに登録されている他のジョブの後処理の内容に応じて変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のジョブデータを受付可能であり、受け付られたジョブに基づいて複写又はプリントし、複写又はプリントされた記録媒体に対して後処理を施すことが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ等から送信される画像形成動作を指示するプリントジョブ(画像データ及び画像データの出力条件)を受信した順番に実行し、記録媒体に画像形成処理を行い、画像形成処理後の記録媒体の束に対して、ステイプルで綴じたり、パンチ穴を開けたり、断裁処理を行うなど、これまで人手によって行われてきた作業の一部を自動的に行うフィニッシャー(後処理機能)を備えた画像形成装置が開発されている。
【0003】
このような従来の画像形成装置は、プリントジョブを受信した順番に出力を実行すると、各プリントジョブの後処理の種類によっては、ジョブを全て出力するために多くの時間を要する場合があった。そのため、プリントジョブを受信してから記録媒体に画像形成され出力されるまでに多くの時間を必要としていた。
【0004】
そこで、このような不具合を解消する方策として、後処理に関する条件に基づいて、ジョブの順番を変更する画像形成装置が開示されている。
【0005】
例えば、ステイプル処理又はバインド処理を予め処理モードとして記憶するメモリと、ステイプル針の有無を検知する針センサと、カバーの有無を検出するカバーセンサと、各センサのいずれかが針なし又はカバーなしを検出した場合、メモリに記憶された処理モードのうち針なし又はカバーなしのために実行できない処理モード以外の実行可能な処理モードを先に実行し、いずれかの処理機能が使用できない場合、実行できる処理を優先的に行うフィニッシャーが開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、第1のジョブの画像出力の実行中にこのジョブより優先順位の高い第2のジョブの画像出力の要求が発生した場合、少なくとも第1と第2のジョブの一方又は両方が後処理を行うように設定されたジョブか否かに基づいて、第1のジョブの画像出力を中断して第2のジョブの画像出力を実行する割り込み処理、又は、第1のジョブの画像出力を続行してこの画像出力の終了後に第2のジョブの画像出力を実行する後回し処理を行うよう制御する制御手段を有し、第1のジョブと第2のジョブとの出力束の重なり、紛れ込みが生ずる等のシートの排出状態に関して支障がない画像形成装置が開示されている(特許文献2参照)。
【0007】
ポーズ指示部で一時停止が指示されてからその解除が指示されるまでの間、入力されるジョブ大容量排出部及び1以上の用紙排出部のいずれかを排出先として指定しているかを判定し、大容量排出部を排出先に指定するジョブについては受付を禁止し、大容量排出部以外の用紙排出部を排出先とする後続のジョブを受け付け、画像装置の稼動率が低下を改善した画像形成装置が開示されている(特許文献3参照)。
【0008】
所定時間内で印刷ジョブを受け付ける受付手段と、受付手段で受け付けた印刷ジョブに対して第1の装置(プリンタ)で行われる画像形成処理を含む第1の処理に要する時間と、第2の装置(オフラインフィニッシャ)で行われる後処理である第2の処理に要する時間とを算出する算出手段と、算出された第1の処理に要する時間と第2の処理に要する時間とに基づいて、印刷ジョブの処理順序をスケジューリングするスケジューリング手段とを備え、効率よくプリント処理を行うことのできる印作管理装置が開示されている(特許文献4参照)。
【特許文献1】特開平10−194571号公報
【特許文献2】特開平11−188948号公報
【特許文献3】特開2001−253625号公報
【特許文献4】特開2003−29956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1によれば、ステイプル針の有無又はカバーの有無に応じて、ステイプル処理又はバインド処理に支障がある場合、処理モード(ジョブ)の実行順番を変更しているのであり、特許文献2によれば、優先順位が予め設定されたジョブに対して、後処理の実行順番が判断されるため、ジョブの出力に要する時間の短縮や生産効率の向上は図られていない。特許文献3によれば、後処理部のスタッカが停止中の場合にジョブの実行順番が変更される画像形成装置であるため、後処理部が動作している最中のジョブの実行順番の変更ではなく、ジョブ実行中の待ち時間の短縮は図られていない。特許文献4によれば、オンラインフィニッシャに特化した技術であり、後処理が必要であり、かつ、後処理に時間がかかるジョブを優先して出力させており、後処理の待機時間が生じてしまう。
【0010】
そこで、本発明の課題は、複数のジョブを連続して出力する際、後処理中に後続のジョブの待機時間を削減し、生産性の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、複数のジョブを受け付けし登録するジョブ登録手段と、前記ジョブ登録手段に登録されたジョブの内容に応じて記録媒体に対して画像形成処理と後処理とを行い排出するように制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記登録されたジョブを排出するとき、ジョブの実行順番を前記ジョブ登録手段に登録されている他のジョブの後処理の内容に応じて変更すること、を特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ジョブ登録手段に登録されたジョブが複数の実行部数が設定されているジョブを含む場合、前記制御手段は、前記登録されたジョブを1部毎に出力するように制御し、ジョブの部毎の実行順番を前記ジョブ登録手段に登録されている他のジョブの後処理の内容に応じて変更すること、を特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記登録されたジョブを排出するときとは、前記ジョブ登録手段に登録された第1のジョブが画像形成処理を実行して第1の排出口に記録媒体を排出しているときであること、を特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明は、複数のジョブを受け付けし登録するジョブ登録手段と、前記ジョブ登録手段に登録されたジョブに応じて記録媒体上に画像を記録する画像形成処理と後処理と行い排出するように制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記ジョブが前記ジョブ登録手段に受付登録されるとき、ジョブの登録順番を前記ジョブ登録手段に登録されている他のジョブの後処理の内容に応じて変更すること、を特徴としている。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記後処理の内容は、少なくとも後処理の種類、後処理が行われる際の記録媒体の搬送経路、出力される記録媒体の排出口、後処理に要する時間の長短のいずれかであること、を特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、複数のジョブを連続して出力する際、後処理中に後続のジョブの待機時間を削減することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られるのは勿論のこと、ジョブに複数の実行部数が設定されており、複数のジョブを連続して出力する際、1部毎に実行順序を入れ替えることができ、後処理中に後続のジョブの待機時間を削減することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、画像形成処理が完了し第1の排出口に排出している後処理中に、実行可能な後続のジョブの画像形成処理を実行させることができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、受け付けられたジョブ全ての出力に要する時間の合計時間を短縮することができ、後処理中に後続のジョブの待機時間を削減することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項と同様の効果を得られるのは勿論のこと、少なくとも後処理の種類、後処理が行われる際の記録媒体の搬送経路、出力される記録媒体の排出口、後処理に要する時間の長短のいずれかに応じて順番を変更することによって効果的に生産性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[実施の形態1]
以下、図を参照して本発明の実施の形態1を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本実施の形態1における画像形成装置Aの断面構成図を示す。
画像形成装置Aは、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を処理対象紙としての紙等の記録媒体Pに画像形成するコピー機能や、パーソナルコンピュータ等から画像データを受信し、画像データが表す画像を記録媒体上に形成して出力するプリンタ機能と、画像が形成された記録媒体に対して、ステイプル処理、パンチ処理、折り処理、断裁処理等の後処理機能等を備えたデジタル複合機である。図1に示すように、画像形成装置Aは、本体部1と後処理を行う手段としての後処理部2とから構成さえる。
【0022】
本体部1は、画像読取部10と、プリント部20とから構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部11と読取部12とを備える。
自動原稿送り部11の原稿トレイT1に載置された原稿dは、読取部12の読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、読取部12の光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ12aにより原稿dの画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0023】
読取部12により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述する画像制御部に出力され、画像制御部においてA/D変換され各種画像処理が施された後、プリント部20に出力される。
【0024】
画像形成処理を行う手段としてのプリント部20は、入力されたプリントデータに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、画像形成部21、給紙部22、給紙搬送部23、定着部24、搬出部25を備えて構成される。
【0025】
画像形成部21は、感光体ドラム、帯電装置、画像データを表すレーザ光を出力するレーザ出力部とレーザ光を主走査方向に走査させるポリゴンミラーとを有する露光装置、現像装置、転写装置21a、クリーニング部を備えている。
具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置でレーザ光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置は、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面に帯電したトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置により感光体ドラム上に形成されたトナー像は、転写装置において記録媒体Pに転写される。また、記録媒体Pにトナー像が転写された後、感光体ドラムの表面の残留電荷や残留トナー等は、クリーニング部により除去される。
【0026】
給紙部22は、複数の給紙カセット22a、給紙手段22b、手差しトレイT2を備える。給紙カセット22aは、給紙カセット22a毎にサイズや種類毎に予め識別された記録媒体Pが収容されており、給紙手段22bによって収容された記録媒体Pを最上部から一枚ずつ給紙搬送部23に向けて搬送する。手差しトレイT2は、ユーザのニーズに合わせて様々な種類の記録媒体Pをその都度積載可能となっており、給紙ローラによって積載された記録媒体Pを最上部から一枚ずつ給紙搬送部23に向けて搬送する。
【0027】
給紙搬送部23は、給紙カセット22a、手差しトレイT2から搬送された記録媒体Pを、複数の中間ローラ、レジストローラ等を経て転写装置21aへと搬送する。
また、給紙搬送部23は、搬送路切換板23aにより、片面画像形成処理済みの記録媒体Pを自動両面給紙搬送路23bに搬送し、再び中間ローラ、レジストローラ2を経て転写装置21aへと搬送する。
【0028】
定着部24は、給紙搬送部23によって搬送された記録媒体Pに転写されたトナー像を熱定着する。定着処理された記録媒体Pは、搬出部25の排紙ローラ25aに挟持されて搬出口25bから後処理部2の受入口80aへ出力される。
【0029】
後処理部2は、本体部1により画像が形成された記録媒体Pを1部毎に集積し、1部毎にステイプル処理、折り処理、断裁処理等の後処理を行うフィニッシャーである。図1に示すように、後処理部2は、記録媒体Pが排出される複数の排出口として固定排紙トレイT3、昇降排紙トレイT4、冊子収納トレイT5と、表紙給紙部30と、シフト処理部40と、ステイプルユニット50と、折りユニット60と、断裁ユニット70と、搬送手段80とを備えて構成される。
【0030】
後処理部2は、本体部1から記録媒体Pが搬出される搬出口25bの位置と合致するよに受入口80aが設置されている。受入口80aから記録媒体Pの搬送方向下流の搬送経路は、第1搬送経路R1、第2搬送経路R2、第3搬送経路R3、第7搬送経路R7の4系統に分岐されており、第1、2、3の切換ゲート81、82、84の占める角度の選択により記録媒体Pがいずれかの搬送経路に搬送される。
【0031】
第1搬送経路R1は、本体部1から排出された画像形成済みの記録媒体Pに対してステイプル処理及びソート処理が行われない場合の記録媒体Pの搬送経路である。受入口80aに搬送された記録媒体Pは、第1の切換ゲート81の右側の搬送路を通過し、搬送ローラに挟持されて上昇搬送され、排出ローラ83aに挟持されて固定排紙トレイT3上に排出される。
【0032】
第2搬送経路R2は、本体部1から排出された画像形成済みの記録媒体Pに対してシフト処理が行われる場合又はソート処理が行われなくても大量に出力したい場合の記録媒体Pの搬送経路である。
受入口80aに搬送された記録媒体Pは、第1の切換ゲート81の下方の搬送路を通過し、搬送ローラに挟持されてシフト処理部40を経て排出ローラ83ab挟持されて、大量の記録媒体を収納可能な昇降排紙トレイT4上に排出される。
【0033】
第3搬送経路R3は、本体部1から排出された画像形成済みの記録媒体Pに対してステイプル処理が行われる場合の記録媒体Pの搬送経路である。受入口80aに搬送された記録媒体Pは、第2の切換ゲート82の下方の搬送路を通過し、搬送ローラに挟持されて傾斜配置された後述するスタック台51に排出される。スタック台51に排出された記憶媒体Pは、ステイプラー52近傍の可動ストッパ部材の突き当て面に記録媒体Pの搬送方向先端部が当接して停止される。この停止位置において、スタック台51上に所定枚数の記録媒体Pが積載及び整合されると、ステイプラー52によりステイプル処理が行われ、記録媒体Pの束が綴じ合わされる。記録媒体Pの束は、スタック台51の載置面上を滑走して斜め上方に押し上げられ排出ローラ83bに挟持されて、昇降排紙トレイT4上に排出される。
【0034】
第7搬送経路R7は、ステイプルを実施しない折り処理を行う場合に使用される搬送経路であり、本体から排出された記憶媒体Pは、受入口80aから第7搬送経路R7に搬送され、可動ストッパ部材62の突き当て面で停止する。可動ストッパ部材62上に所定枚数の記録媒体Pが積載及び整合されると、折りユニット60によって各種の折り処理が行われ、断裁ユニット70に搬送される。
【0035】
表紙給紙部30は、合紙や表紙用紙等を収容する表紙載置部31と給紙ローラ32とを備えている。表紙給紙部30に収納されている合紙又は表紙用紙は、給紙ローラ32により分離、給送され、複数の搬送ローラに挟持されて、スタック台51へ搬送される。表紙載置部31から給紙ローラ32を経て第3搬送経路R3に至るまでを第4の搬送経路R4とする。
【0036】
ステイプルユニット50は、スタック台51とステイプラー52とを備え、本体部1内で画像形成処理されて後処理部2の受入口80aに搬送された記録媒体Pが複数の搬送ローラによってスタック台51に搬送された記録媒体Pの束を幅整合し、ステイプルラー52により綴じ針で綴じるステイプル処理を行う。ステイプル処理された記録媒体Pの束は、昇降排紙トレイT4又は第5搬送経路R5を経て折りユニット60へ搬送される。
【0037】
折りユニット60は、スタック台61と可動ストッパ部材62とを備え、第5搬送経路R5又は第7搬送経路R7を経て複数の搬送ローラによって搬送された記録媒体Pに対して、中折り処理、3つ折り処理、Z折り処理等の折り処理を行う。折り処理された記録媒体は、第6搬送経路R6を経て断裁ユニット70へ搬送される。
【0038】
断裁ユニット70は、記録媒体Pの搬送方向又は搬送方向と直交する方向に移動可能な切断刃71を有する。切断刃71は、搬送された記録媒体Pに対して、記録媒体Pの搬送方向又は搬送方向と直交する方向の長さを指定サイズに切断する(断裁処理)。断裁処理された記録媒体は、冊子収納トレイT5へ排出される。
【0039】
図2に、画像形成装置Aの制御ブロック図を示す。
図2に示すように、画像形成装置Aは、本体部1を制御する本体制御部1aとプリンタコントローラ1bと、本体部1に接続された後処理部2から構成されている。本体部1は、プリンタコントローラ1bのLANIF(Local Area Network InterFace)14bを介してLAN上のユーザ端末PCと相互に情報の送受信が可能に接続されている。
【0040】
本体制御部1aは、画像読取部10、プリント部20、操作表示部90、画像制御部100を備えて構成される。なお、図1で説明した各部と同一の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
画像制御部100は、制御手段としての制御部110、不揮発メモリ120、複数のジョブを受け付けし登録するジョブ登録手段としてのRAM(Random Access Memory)130、読取処理部140、圧縮IC150、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC160、画像メモリ170、伸張IC180、書込処理部190から構成される。
【0042】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ120に格納されている各種処理プログラムに従って画像形成装置Aの各部の動作を集中制御する。例えば、操作表示部90から入力される操作信号に従って、コピーモード、プリンタモード、スキャナモードを切り替え、不揮発メモリ120に記憶されている各モードに対する処理プログラムを読み出して、複写、印刷、画像データの読取等の制御を行う。また、操作表示部90から入力される操作信号やユーザ端末PCから入力される出力データに従って、プリント出力された記録媒体Pの後処理を設定する。
【0043】
また、制御部110は、本実施の形態1を実現させるために、不揮発メモリ120から本実施の形態に係るジョブ登録プログラム、ジョブ実行プログラム、割り込み判定データテーブルと、RAM130からジョブキューとジョブデータとを読み出して、当該プログラム、データとの協働により複数のジョブの実行順番を制御する。即ち、本実施の形態1の制御部110は、受付順に登録されたジョブ(以下、登録ジョブと言う。)を実行する際、本体部1及び後処理部2によって実行されるジョブ(以下、実行ジョブと言う。)の実行順番を入れ替えて実行させる。
【0044】
なお、ジョブとは、画像形成装置Aが行う画像形成処置及び後処理等に関する一連の動作を示す。例えば、複数枚の原稿を出力する場合には、複数枚の出力に関する一連の動作が1ジョブであり、複数部数を出力する場合には、複数部数分の出力に関する一連の動作が1ジョブである。
【0045】
不揮発メモリ120は、画像形成に係る各種処理プログラム及びデータの他、本実施の形態1に係るジョブ登録プログラム、ジョブ実行プログラム、割り込み判定データテーブル、画像形成処理された記録媒体Pに対する後処理をプリント部20を介して後処理制御部400に対し設定するためのデータ及び各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0046】
本実施の形態1のジョブ登録プログラムは、ジョブが受け付けられた順番に登録し、出力実行待ちの登録ジョブの行列データ(以下、ジョブキューと言う。)を作成するプログラムである。
【0047】
本実施の形態1のジョブ実行プログラムは、登録ジョブを実行する際に、割り込み判定データテーブルを参照し、実行ジョブが画像形成処理を終了し後処理を実行してジョブデータに設定されている排出トレイに記録媒体を排出しているとき、ジョブの実行順番を実行ジョブと実行順番をRAM130に登録されている登録ジョブとの後処理の内容に応じて変更させるプログラムである。
【0048】
図3に、不揮発メモリ120に記憶されている割り込み判定データテーブルの一例を示す。割り込み判定データテーブルは、実行ジョブとRAM130に登録されている登録ジョブと後処理の内容に応じて、実行ジョブの後に実行可能な登録ジョブか否かを判断するためのデータテーブルである。
【0049】
図3に示すように、割り込み判定データテーブルは、後処理の内容、即ち実行ジョブと登録ジョブとの後処理の種類が同じか否か、後処理部2での搬送経路が重複するか否か、排出されるトレイが同一か否か、登録ジョブの後処理に要する時間の長短に基づいて予め設定されている。
【0050】
図3に示すように、実行ジョブと登録ジョブとが同じ後処理の場合(図3の斜線の部分)、同一の搬送経路及び後処理ユニットを使用することとなり、同時期に処理することが不可能であるため、登録ジョブの実行順番を変更処理の対象とはならない。
図3に示す「○」は、登録ジョブの実行順番の割り込みを許可すること示し、「×」は、登録ジョブの実行順番の割り込みを許可しないことを示す。
【0051】
また、図3の「×*1」は、実行ジョブの後処理の搬送経路が、比較される登録ジョブの後処理の搬送経路に含まれる場合、ジョブの割り込み処理を許可しないことを示す。例えば、実行ジョブの後処理がステイプルであり実行ジョブと比較される登録ジョブの後処理が中綴じの場合、実行ジョブの後処理の搬送経路としての第3搬送経路R3が、比較される登録ジョブの後処理の搬送経路(第3搬送経路R3、第5、6搬送経路R5、6)に含まれるため、実行ジョブの後処理中(ステイプル処理中)に登録ジョブが開始されても、実行ジョブのステイプル処理が終了するまで(第3搬送経路R3通過するまで)、登録ジョブの後処理を待機させなくてはならず、ジョブの順序を変更する効果がないためジョブの割り込み処理を許可しない。
【0052】
図3の「×*2」は、出力実行後の排出トレイが同一である場合、ジョブの割り込み処理を許可しないことを示す。例えば、実行ジョブの後処理が中折り断裁有り、登録ジョブの後処理が中綴じ断裁有りの場合、実行ジョブ及び登録ジョブ共に、後処理後の記録媒体の排出レイは断裁排出トレイT6となる。この場合、出力された記録媒体が混在してしまうため、ジョブの割り込み処理を許可しない。
【0053】
図3「×*3」は、実行ジョブの後処理に要する時間が、極端に短い場合、ジョブの割り込み処理を許可しない。例えば、実行ジョブがパンチ又は後処理なしの場合、後処理時間は1、2秒と非常に短い時間である。
また、実行ジョブの後処理中に比較される登録ジョブの画像形成処理を行うには、比較される登録ジョブのジョブデータに基づいて画像形成部の状態(プロセス線速度、定着温度等)の変更を行わなくてはならない。実行ジョブがパンチ中に比較される登録ジョブの画像形成処理が開始された場合、登録ジョブのジョブデータに基づいて画像形成部の状態を変更している最中に、実行ジョブの後処理が終了してしまう。また、実行ジョブが後処理がない場合、実行ジョブの出力終了となる。従って、実行ジョブの後処理待ちという待ち時間が発生しないため、登録ジョブの実行順序を入れ替える必要がないため、ジョブの割り込み処理を許可しない。
【0054】
図3「○*」は、実行ジョブの後処理の搬送経路が、比較される登録ジョブの後処理の搬送経路を含む場合、実行ジョブの後処理の搬送経路を記録媒体が通過後に比較される登録ジョブが実行されるようにジョブの割り込み処理を許可する。
例えば、実行ジョブの後処理が中綴じ、実行ジョブと比較される登録ジョブの後処理がステイプルの場合、実行ジョブの後処理の搬送経路(第3搬送経路R3、第5、6搬送経路R5、6)が、比較される登録ジョブの後処理の搬送経路(第3搬送経路)を含むため、実行ジョブがステイプル処理中は、第3搬送経路R3を使用しているため登録ジョブを実行することはできないが、実行ジョブがステイプル処理後に折り処理が開始された場合、第3搬送経路R3は使用可となるため、実行ジョブのステイプル処理後であれば、比較される登録ジョブの後処理(ステイプル処理)が可能となり、ジョブの割り込み処理を許可する。
【0055】
RAM130は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
また、本実施の形態1を実現させるために、ジョブキューと、各登録ジョブを識別するためのジョブID、各種動作設定、画像データの記憶場所等からなるジョブデータと、各種ワークデータとを記憶する。
【0056】
図4に、ジョブデータの一例を示す。
図4に示すように、ジョブデータは、プリント条件と画像データとに基づいて、出力されるページ共通のデータ(ページ共通データ)と、出力されるページ毎のデータ(ページ別データ)とから構成されている。
【0057】
ページ共通データは、ユーザ端末PCから入力される出力データや、後述する操作表示部90から入力される操作信号に基づいた設定条件を含む。例えば、記録媒体Pの出力部数を示す設定部数、出力済みの部数がカウントされた値を示す出力済み部数、1部あたりのトレイから給紙した枚数を示す給紙枚数、画像形成処理又は後処理が行われた記録媒体Pが排出される排出トレイ、後処理の種類を示す各種後処理設定等である。
【0058】
ページ別データは、出力されるプリントデータと使用される記録媒体Pとの向きの整合を図るため、プリントデータが回転される角度である出力時画像回転角度、ページ毎のプリントデータが格納されているアドレスを示す画像格納アドレスから構成される。
【0059】
読取処理部140は、画像読取部10の読取制御部200から入力されるアナログ画像信号に、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC150に出力される。
【0060】
圧縮IC150は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC160に出力する。
【0061】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、圧縮IC150によるデジタル画像データの圧縮処理及び伸張IC180による圧縮画像データの伸張処理を制御するとともに、画像メモリ170への画像データの入出力制御を行う。
例えば、画像読取部10により読み取られたアナログ画像信号の保存が指示されると、読取処理部140から入力されたデジタル画像データの圧縮処理を圧縮IC150により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ170の圧縮メモリ171に格納させる。また、圧縮メモリ171に格納された圧縮画像データのプリント出力が指示されると、圧縮メモリ171から圧縮画像データを読み出し、伸張IC180により伸張処理を施してページメモリ172に格納させる。さらに、ページメモリ172に格納された非圧縮画像データのプリント出力が指示されると、ページメモリ172から非圧縮画像データを読み出して書込処理部190に出力する。
【0062】
画像メモリ170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ171とページメモリ172とを備える。圧縮メモリ171は、圧縮画像データを格納するためのメモリであり、ページメモリ172は、プリント出力前にプリント出力対象の非圧縮画像データを一時的に格納するためのメモリである。
【0063】
伸張IC180は、入力される圧縮画像データに伸張処理を施す。
【0064】
書込処理部190は、DRAM制御IC160から入力された非圧縮画像データに基づいて、画像形成のためのプリントデータを生成し、プリント部20に出力する。
【0065】
画像読取部10は、CCD(Charge Coupled Devices)12a、画像読取制御部200、その他ここでは図示しないが図1に示したADF部11、読取部12から構成される。画像読取制御部200は、ADF部11、読取部12等を制御して、コンタクトガラスに載置された原稿面の露光走査を実行させ、光の反射光をCCD12aにより光電変換を行い画像を読み取る。読み取られたアナログ画像信号を画像制御部100の読取処理部140に出力される。
【0066】
操作表示部90は、LCD(Liquid Crystal Display)91、操作表示制御部900、その他図示しない操作キー群から構成される。LCD91上には、LCD91を覆うようにタッチパネルが設けられており、操作表示制御部900は、制御部110から入力される表示信号に従って、プリント条件を入力するための基本画面や、各種処理結果等をLCD91に表示させる。また、操作表示制御部900は、操作キー群又はタッチパネルから入力される操作信号を制御部110に出力する。
【0067】
図5に、LCD91に表示される画面の一例を示す。
図5(a)は、基本画面G0の一例、図5(b)は、出力設定釦を押下した場合の後処理設定画面G10の一例を示す。
【0068】
基本画面G0は、メッセージエリアG1、画質/ローテーション表示エリアG2、プリント枚数/設定枚数表示エリアG3、ジョブリストを表示するためのフォルダボタンG4、プリント条件選択エリアG5を有する。
【0069】
メッセージエリアG1は、「コピーできます。」、「原稿をセットしてください。」、「コピー設定できます。原稿セットはお待ち下さい。」や、プリント条件選択エリアG5の各種ボタンを押下した際にユーザに対する指示や、画像形成装置Aの状態の説明が表示される。
【0070】
画質/ローテーション表示エリアG2は、ノーマル、ファイン、スーパーファイン等の画質の表示及び画像の回転がアイコンで表示される。
プリント枚数/設定枚数表示エリアG3は、プリント枚数及び設定枚数が表示される。
【0071】
フォルダボタンG4は、ジョブ毎の状況、即ち、出力中(出力JOB)、予約済ジョブ(予約JOB)、予約設定中のジョブ(設定JOB)、読み込み中のジョブ(読込JOB)、空いているジョブ(空きJOB)が表示される。フォルダボタンG4の各ボタンを選択することにより、ジョブ毎に設定されているプリント条件を確認及び設定することができる。
【0072】
プリント条件選択エリアG5は、ジョブ毎に出力、両面選択、コピー濃度、倍率、サイズ選択、応用設定等のプリント条件を示す表示ボタン群G51と、各プリント条件の内容表示を示す設定ボタン群G52とを有している。
【0073】
図5(b)に示すように、設定ボタン群G52の「出力設定」ボタンを押下した場合、後処理要求を設定入力するための後処理設定画面G10が表示される。
後処理設定画面G10は、綴じ方向を示す綴じ方向設定ボタン群G11と、ステイプル位置を示すステイプル設定ボタン群G12と、後処理の種類を示す後処理設定ボタン群G13と、データ設定ボタン群G14と、操作補助ボタン群G15を有している。
【0074】
ステイプル設定ボタン群G12は、記録媒体を綴じ針で止める際のステイプル位置と数に応じて複数のボタンが設けられている。ステイプル設定ボタン群G12の押下されたボタンに応じたステイプル処理の指示信号が制御部110に出力される。
【0075】
後処理設定ボタン群G13は、押下されたボタンに応じた後処理の指示信号が制御部110に出力される。例えば、中折りボタンG13aが押下された場合、制御部110に中折り処理の指示信号が出力される。
【0076】
各設定ボタンは、基本画面G0や設定画面G10上で直接設定できるものと、基本画面G0や設定画面G10上では表示しきれずに次画面に展開するために使用するものがある。また、図示しない操作キー群からもプリント条件を設定することが可能である。
【0077】
プリント部20は、図1に示した画像形成部21等のプリント出力に係る各部やプリント制御部300を備えて構成される。プリント制御部300は、制御部110からの指示に従って画像形成部21等のプリント部20の各部の動作を制御し、書込処理部190から入力された画像データに基づいて記録媒体Pに画像形成を行わせると共に、制御部110からの指示に従って後処理部2の各部を動作させる指示信号を後処理制御部400に出力する。
【0078】
次に、プリンタコントローラ1bの各部について説明する。
プリンタコントローラ1bは、コントローラ制御部11b、DRAM制御IC12b、画像メモリ13b、LANIF14bから構成される。
【0079】
コントローラ制御部11bは、各部の動作を統括的に制御し、LANIF14bを介して、ユーザ端末PCから入力される出力データをジョブとして本体制御部1aへ配信する機能を実現する。
【0080】
DRAM制御IC12bは、LANIF14bにより受信された出力データの画像メモリ13bへの格納や、画像メモリ13bからの出力データの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12bは、画像制御部100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部11bからの指示に従って、プリント対象の出力データを画像メモリ13bから読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0081】
画像メモリ13bは、DRAMから構成され、入力された出力データを一時的に格納する。
【0082】
LANIF14bは、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLANに接続するための通信インターフェイスであり、ユーザ端末PCからLANを介して、印刷対象の出力データを受信する。受信された出力データは、DRAM制御IC12bに出力される。
【0083】
後処理部2は、ステイプルユニット50、折りユニット60、断裁ユニット70、各種後処理ユニットへ記録媒体を搬送する搬送ローラ等の搬送手段80が設けられており、各部は後処理制御部400により統括的に制御されている。
後処理制御部400は、制御部110からプリント制御部300を介して入力される後処理の指示信号に応じて、記録媒体Pを搬送経路に沿って所定の後処理ユニットに搬送し、各部を駆動制御して記録媒体Pに所定の後処理を行わせ、所定の排出トレイに排出する制御を行う。
【0084】
次に、本実施の形態1の動作を説明する。
まず図6に、本実施の形態1との比較のために従来のジョブの実行動作例を示す。
ジョブが受け付けられた順番は、1番目に第1ジョブ、2番目に第2ジョブ、3番目に第3ジョブ、4番目に第4ジョブ、5番目に第5ジョブ、6番目に第6ジョブが受け付けられた場合、受け付けられた順番に登録され、受け付けられた順番に登録ジョブのジョブキューが構成されているとする。
なお、図6に示すジョブキューには、説明を簡略化するために、ジョブ名、出力枚数、後処理の種類、出力に要する時間のみを表示することとする。
【0085】
出力に要する時間とは、本体部1内で給紙カセット22a又は手差しトレイT2から記録媒体Pが給紙されてから画像形成処理され後処理部2内で後処理等が行われ、各排紙トレイの近傍に設けられたセンサが検知した記録媒体の部数又は枚数のカウント数とジョブデータの設定部数又は給紙枚数とが等しくなった時刻までに要する時間である。
【0086】
出力に要する時間としては、本体部1において要する時間(以下、画像形成処理時間と言う。)と後処理部2において要する時間(以下、後処理時間と言う。)とから構成される。
【0087】
画像形成処理時間は、記録媒体Pの1枚目が給紙カセット22a又は手差しトレイT2に給紙されてから、プリント枚数分の画像形成処理が完了し、最後の記録媒体Pが搬出口25bに設けられたセンサによって検知されるまでの時間であるが、ここでは、説明を簡略化するために、1枚の画像形成処理を行うために1秒の時間が必要であるとし、30枚の場合の画像形成処理時間は30秒とする。
【0088】
後処理時間は、後処理部2において処理される内容(後処理の種類)に応じて時間が異なる。例えば、後処理部2で中折り断裁処理が行われる場合、記録媒体Pが受入口80a近傍に設けられたセンサが記録媒体Pを検知した時刻から、中折り断裁処理が行われた記録媒体Pの束が冊子収納トレイT5近傍に設けられたセンサが検知する時刻までに要する時間(以下、中折り断裁処理時間と言う。)となり、例えば1部あたり30秒となる。
また、例えば後処理部2でステイプル処理が行われる場合、記録媒体Pが受入口80a近傍に設けられたセンサが記憶媒体Pを検知した時刻から、ステイプル処理処理が行われた記録媒体Pの束が昇降排紙トレイT4近傍に設けられたセンサが検知する時刻までに要する時間(以下、ステイプル処理時間と言う。)となり、例えば1部あたり5秒となる。
【0089】
図6に示す従来のプリントジョブの実行動作例について説明する。
図6に示すように、登録された順番にジョブが順次実行される。
給紙枚数が30枚、後処理が中折り断裁処理の第1ジョブは、本体部1において画像形成処理が行われた後、後処理部2において後処理が開始される。後処理部2では、画像形成処理された記録媒体Pがスタック台61に給紙枚数が格納された後、折りユニット60において中折り処理され、断裁ユニット70へ搬送される。断裁ユニット70へ搬送された記録媒体Pの束は、断裁処理され冊子収納トレイT5へ排出される。冊子収納トレイT5に記録媒体Pの束が排紙されたことにより第1ジョブの後処理が終了、即ち第1ジョブの実行が終了された判断され、第2ジョブの実行が開始される。
【0090】
第2ジョブは、第1ジョブの実行動作の終了後、本体部1において画像形成処理が開始され、画像形成処理後に後処理部2で第1ジョブと同様の工程で中折り断裁処理が行われる。第3ジョブは、第2ジョブの実行動作の終了後、本体部1において画像形成処理が開始され、画像形成処理後に後処理部2で第1ジョブと同様の工程で中折り断裁処理が行われる。
【0091】
第4ジョブは、第3ジョブの実行動作の終了後、本体部1において画像処理が開始され、画像形成処理が行われた後、後処理部2において後処理が開始される。後処理部2では、画像形成処理された記録媒体Pがスタック台51に給紙枚数が格納された後、ステイプラー52によってステイプル処理が行われる。ステイプル処理された記録媒体Pの束は、昇降排紙トレイT4に排出される。昇降排紙トレイT4に記録媒体Pの束が排紙されたことにより第4ジョブの後処理が終了、即ち第4ジョブの実行が終了と判断され、第5ジョブの実行が開始される。
【0092】
第5ジョブは、第4ジョブの実行動作の終了後、本体部1において画像形成処理が開始され、画像形成処理後に後処理部2で第4ジョブと同様の工程でステイプル処理が行われる。第6ジョブは、第5ジョブの実行動作が終了後、本体部1において画像形成処理が開始され、画像形成処理後に後処理部2で第4ジョブと同様の工程でステイプル処理が行われる。
【0093】
このように、従来のジョブの実行動作は、登録された順番にジョブが実行されているため、先行しているジョブの実行動作が終了してから次のジョブが実行されるため、第1〜6ジョブ全ての出力に要する時間の合計は、235秒となる。
【0094】
このような従来のジョブの実行動作は、本体部1又は後処理部2のどちらか一方しか動作していない場合があるため、非常に非効率であり、生産性の低下を招く要因となっている。
【0095】
図7に、本実施の形態1のジョブの実行動作の一例を示す。
図7に示すように、第1ジョブが本体部1において画像形成処理が終了し中折り断裁処理が開始される時刻t1のとき、第1ジョブの中折り断裁処理と並行して本体部1において第4ジョブの画像形成処理が開始される。そして、第4ジョブの画像形成処理が終了しステイプル処理が開始される時刻t2のとき、第4ジョブのステイプル処理と並行して第2ジョブの画像形成処理が開始される。
【0096】
更に、第2ジョブの画像形成処理が終了し中折り断裁処理が開始される時刻t3のとき、第2ジョブの中折り断裁処理と並行して第5ジョブの画像形成処理が開始される。第5ジョブの画像形成処理が終了しステイプル処理が開始される時刻t4のとき、第5ジョブのステイプル処理と並行して第3ジョブの画像形成処理が開始される。第3ジョブの画像形成処理が終了し中折り断裁処理が開始される時刻t5のとき、第3ジョブの中折り断裁処理と並行して第6ジョブの画像形成処理が開始される。
【0097】
このように、本実施の形態1のジョブの実行動作は、第1〜6ジョブ全ての出力に要する時間の合計が140秒となる。
【0098】
図8に、本実施の形態1におけるジョブの登録動作フローチャートを示す。
図8に示すジョブの登録動作は、制御部110において、ジョブ登録プログラムと各種データに基づいて実行される。
【0099】
まず、制御部110は、ジョブが受け付けられたか否かを判断する(ステップS1)。制御部110は、ジョブが受け付けられていない場合(ステップS1;No)、登録動作を終了する。
【0100】
制御部110は、ジョブが受け付けられた場合(ステップS1;Yes)、ジョブキューに登録されている登録ジョブがあるか否かを判断する(ステップS2)。制御部110は、登録ジョブが無いと判断した場合(ステップS2;No)、受け付けられたプリントジョブ(受付ジョブ)をジョブキューの先頭に登録する(ステップS3)。制御部110は、受付ジョブを登録すると登録動作を終了する。
【0101】
制御部110は、登録ジョブがあると判断した場合(ステップS2;Yes)、受付ジョブを最後尾に登録し(ステップS4)、登録動作を終了する。このように、受付ジョブは、受け付けられた順番に登録ジョブとして登録される。
【0102】
図9に、本実施の形態1におけるジョブの実行順序の設定動作フローチャートを示し、図10に本実施の形態1における実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートを示す。図9、10に示すジョブの実行順序の設定動作は、制御部110において、ジョブ実行プログラムと割り込み判定データテーブル、各ジョブのジョブデータ、各種データ等に基づいて実行される。
なお、ジョブの実行順序の設定動作フローチャートが動作する場合の画像形成装置Aの状態は、画像形成処理及び後処理可能な状態であることとする。
【0103】
まず、図9に示す本実施の形態1におけるジョブの実行順序の設定動作フローチャートにおいて説明する。
制御部110は、本体部1が待機中であるか否かを判断する(ステップS11)。
制御部110は、本体部1が待機中であると判断した場合(ステップS11;Yes)、登録ジョブがあるか否かを判断する(ステップS12)。制御部110は、登録ジョブが無いと判断した場合(ステップS12;No)、ステップS11に戻り登録ジョブがあるまで待機する。制御部110は、登録ジョブがあると判断した場合(ステップS12;Yes)、ジョブキューの先頭に登録されている登録ジョブの実行を開始させる(ステップS13)。
【0104】
制御部110は、本体部1が待機中ではないと判断した場合、即ち画像形成処理中であると判断した場合(ステップS11;No)、先行して実行されている実行ジョブの画像形成処理が終了したか否かを判断する(ステップS14)。制御部110は、画像形成処理が終了していないと判断した場合(ステップS14;No)、画像形成処理が終了するまで待機する。
【0105】
制御部110は、先行して実行されている実行ジョブの画像形成処理が終了したと判断した場合(ステップS14;Yes)、実行ジョブに後処理があるか否かを実行ジョブのジョブデータを参照して判断する(ステップS15)。
【0106】
制御部110は、実行ジョブに後処理があると判断した場合(ステップS15;Yes)、ジョブキューに登録ジョブがあるか否かを判断する(ステップS16)。
【0107】
制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがないと判断した場合(ステップS16;No)、ジョブの実行順序の設定動作を終了する。
【0108】
制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがあると判断した場合(ステップS16;Yes)、実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作を、ジョブキューの先頭から順次行う(ステップS17〜19)。
【0109】
制御部110は、実行ジョブと最後尾の登録ジョブ(N番目の登録ジョブ)との比較動作後(ステップS19後)又は制御部110は、後処理が無いと判断した場合(ステップS15;No)、ジョブキューの先頭に登録されている登録ジョブの実行を開始させる(ステップS20)。
【0110】
制御部110は、ジョブキューの先頭に登録されていた登録ジョブの実行を開始させた後(ステップS20の後)、ジョブキューに登録ジョブがないか否かを判断する(ステップS21)。
【0111】
制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがあると判断した場合(ステップS21;No)、ステップS11に戻る。制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがないと判断した場合(ステップS21;Yes)、ジョブの実行順序の設定動作を終了する。制御部110は、新たに受付ジョブを登録した場合、ジョブの実行順序の設定動作をステップS11から開始する。
【0112】
次に図10に、図9の実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートにおいて説明する。ここでは、実行ジョブとジョブキューの先頭からN番目に登録されている登録ジョブ(図9のステップS19)との比較動作のフローチャートを示す。
【0113】
制御部110は、比較される登録ジョブ(ここではN番目の登録ジョブ)のジョブデータを参照して、後処理があるか否かを判断する(ステップS31)。
【0114】
制御部110は、登録ジョブに後処理があると判断した場合(ステップS31;Yes)、登録ジョブのジョブデータと実行ジョブのジョブデータとを参照して、登録ジョブの後処理と実行ジョブの後処理が等しいか否かを判断する(ステップS32)。
【0115】
制御部110は、登録ジョブの後処理と実行ジョブの後処理とが等しいと判断した場合(ステップS32;Yes)、次番目の登録ジョブとの比較動作に移る。
【0116】
制御部110は、登録ジョブに後処理がないと判断した場合(ステップS31;No)又は登録ジョブの後処理と実行ジョブとの後処理とが等しくないと判断した場合(ステップS32;No)、割り込み判定データテーブルを参照する(ステップS33)。
【0117】
制御部110は、割り込み判定データテーブルを参照して、登録ジョブ優先させて実行ジョブの次に実行される登録順番に割り込み可能であるか否かを判断する(ステップS34)。
【0118】
制御部110は、割り込み可能でないと判断した場合(ステップS34;No)、次番目の登録ジョブとの比較動作に移る。
【0119】
制御部110は、割り込み可能であると判断した場合(ステップS34;Yes)、当該登録ジョブをジョブキューの先頭に挿入し(即ち、実行ジョブの画像形成処理後に実行されるジョブとする。)、割り込まれた以降の登録ジョブから当該登録ジョブまでの登録ジョブを1つ降順させる(ステップS35)。
【0120】
制御部110は、登録ジョブの順序変更完了後(ステップS36)、図9に示すステップS20に進む。
【0121】
制御部110は、実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作を、ジョブキューの先頭から順次行う。図9に示す1番目の登録ジョブからN−1番目の登録ジョブの実行ジョブとの比較動作も、同様のフローチャートであるため、説明は省略する。
【0122】
図11に、図9、10に示したジョブの実行順序の設定動作フローチャートに基づいて、図7に示した本実施の形態1のジョブの実行順序のフロー図を示す。
図11に示す太線は画像形成処理中の実行ジョブ、太破線は後処理中の実行ジョブ、細線は登録ジョブ、矢印は実行方向を示す。
【0123】
図11(a)は、受け付けられた順番に登録され登録ジョブの待ち行列、即ち、ジョブキューを示す。ジョブキューは、受け付けられた順番に、第1、2、3、4、5、6ジョブの6つの登録ジョブから構成されている。
【0124】
制御部110は、図11(a)に示すジョブキューを受け付けた場合、ジョブキューの先頭に登録されている第1ジョブの実行を開始させる(図11(b))。
【0125】
制御部110は、第1ジョブの画像形成処理が終了したとき、第1ジョブに後処理(中折り断裁処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第1ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第4ジョブをジョブキューの先頭に割り込み登録する。制御部110は、第4ジョブをジョブキューの先頭に登録した後、実行を開始する(図11(c))。このとき、第1ジョブは後処理が行われている。
【0126】
制御部110は、第4ジョブの画像形成処理が終了したとき、第4ジョブに後処理(ステイプル処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第4ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第2ジョブをジョブキューの先頭に割り込み登録する。制御部110は、第2ジョブをジョブキューの先頭に登録した後、実行を開始する(図11(d))。このとき、第4ジョブは後処理が行われている。
【0127】
制御部110は、第2ジョブの画像形成処理が終了したとき、第2ジョブに後処理(中折り断裁処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第2ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第5ジョブをジョブキューの先頭に割り込み登録する。制御部110は、第5ジョブをジョブキューの先頭に登録した後、実行を開始する(図11(e))。このとき、第2ジョブは後処理が行われている。
【0128】
制御部110は、第5ジョブの画像形成処理が終了したとき、第5ジョブに後処理(ステイプル処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第5ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第3ジョブをジョブキューの先頭に割り込み登録する。制御部110は、第3ジョブをジョブキューの先頭に登録した後、実行を開始する(図11(f))。このとき、第5ジョブは後処理が行われている。
【0129】
制御部110は、第3ジョブの画像形成処理が終了したとき、第3ジョブに後処理(中折り断裁処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第3ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第6ジョブをジョブキューの先頭に割り込み登録する。制御部110は、第6ジョブをジョブキューの先頭に登録した後、実行を開始する(図11(g))。このとき、第3ジョブは後処理が行われている。
【0130】
制御部110は、第6ジョブの画像形成処理が終了したとき、第6ジョブに後処理(中折り断裁処理)があり、登録ジョブがなしと判断し、ジョブの実行順序の設定動作を終了する(図11(h))。このとき、第6ジョブは後処理が行われている。
【0131】
このように、本実施の形態1によれば、複数のジョブを連続して出力する際、ジョブの実行順番をRAM130に登録されている登録ジョブの後処理の内容に応じて、優先して実行できる登録ジョブがある場合、実行順番を入れ替えて優先して実行できる登録ジョブを実行させることにより、第1〜6ジョブ全ての出力に要する時間の合計時間が従来の235秒から140秒と短縮することができ、後処理中に後続のジョブの待機時間を削減することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0132】
[実施の形態2]
以下、図を参照して本発明の実施の形態2を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
本実施の形態2における画像形成装置Aの断面構成、割り込み判定データテーブルの一例、ジョブデータの一例、LCD91に表示される画面の一例は実施の形態1と同様であるため、図示及び説明は省略する。
画像形成装置Aの制御ブロックは、不揮発メモリ120に記憶されているジョブ実行プログラムと、RAM130がワークデータとしての実行部数番号を記憶することが実施の形態1と異なり、本実施の形態2の制御部110は、受付順に登録された登録ジョブを実行する際、本体部1及び後処理部2によって実行されるジョブの実行順番をジョブの部毎に入れ替えて実行させること以外は同様であるため、画像形成装置Aの制御ブロック図の図示及びその他の説明は省略する。
【0133】
本実施の形態2のジョブ実行プログラムは、登録ジョブを実行する際に、割り込み判定データテーブルを参照し、実行ジョブが画像形成処理を終了し後処理を実行してジョブデータに設定されている排出トレイに記録媒体を排出しているとき、ジョブの部毎の実行順番を実行ジョブとRAM130に登録されている登録ジョブとの後処理の内容に応じて変更させるプログラムである。
【0134】
実行部数番号とは、これから実行される実行ジョブの部の番号を示すワークデータである。
【0135】
まず図12に、本実施の形態2との比較のために従来のジョブの実行動作例を示す。
ジョブが受け付けられた順番は、1番目に第1ジョブ、2番目に第2ジョブが受け付けられた場合、受け付けられた順番に登録され、受け付けられた順番に登録ジョブのジョブキューが構成されているとする。
【0136】
なお、図12に示すジョブキューには、説明を簡略化するために、ジョブ名、給紙枚数、設定部数、後処理の種類、ジョブ全体の出力に要する時間、各部の画像処理時間と後処理時間とを表示することとする。出力に要する時間、画像処理時間、後処理時間は、実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0137】
図12に示す従来のプリントジョブの実行動作例について説明する。
図12に示すように、登録された順番にジョブが順次実行される。
第1ジョブは、1部あたりの給紙枚数が30枚、後処理が中折り断裁処理、設定部数が3部のジョブであり、1部毎に本体部1において画像形成処理が1部行われた後、後処理部2において後処理が開始される。後処理部2では、画像形成処理された記録媒体Pがスタック台61に給紙枚数が格納された後、折りユニット60において中折り処理され、断裁ユニット70へ搬送される。断裁ユニット70へ搬送された記録媒体Pの束は、断裁処理され冊子収納トレイT5へ排出される。冊子収納トレイT5に記録媒体Pの束が排紙されたことにより第1ジョブの1部の後処理が終了、即ち第1ジョブの1部目の実行が終了されたと判断され、第1ジョブの2部目の実行が開始される。
【0138】
第1ジョブの2部目は、第1ジョブの1部目の実行動作の終了後、本体部1において画像形成処理が開始され、画像形成処理後に後処理部2で第1ジョブの1部目と同様の工程で中折り断裁処理が行われる。第1ジョブの3部目は、第1ジョブの2部目の実行動作の終了後、本体部1において画像形成処理が開始され、画像形成処理後に後処理部2で第1ジョブの1部目と同様の工程で中折り断裁処理が行われる。
【0139】
第2ジョブは、1部あたりの給紙枚数が40枚、後処理がステイプル処理、設定部数が2部のジョブであり、第1ジョブの3部目の実行動作の終了後、本体部1において1部毎に画像処理が開始され、画像形成処理が行われた後、後処理部2において後処理が開始される。後処理部2では、画像形成処理された記録媒体Pがスタック台51に給紙枚数が格納された後、ステイプラー52によってステイプル処理が行われる。ステイプル処理された記録媒体Pの束は、昇降排紙トレイT4に排出される。昇降排紙トレイT4に記録媒体Pの束が排紙されたことにより第2ジョブの1部目の後処理が終了、即ち第2ジョブの1部目の実行が終了と判断され、第2ジョブの2部目の実行が開始される。
【0140】
第2ジョブの2部目は、第2ジョブの1部目の実行動作の終了後、本体部1において画像形成処理が開始され、画像形成処理後に後処理部2で第2ジョブの1部目と同様の工程でステイプル処理が行われる。
【0141】
このように、従来のジョブの実行動作は、登録された順番にジョブが実行され、実行されているジョブの部全ての実行動作が終了してから次のジョブが実行されるため、第1、2ジョブ全ての出力に要する時間の合計は、270秒となる。
【0142】
このような従来のジョブの実行動作は、本体部1又は後処理部2のどちらか一方しか動作していない場合があるため、非常に非効率であり、生産性の低下を招く要因となっている。
【0143】
図13に、本実施の形態2のジョブの実行動作の一例を示す。
図13に示すように、第1ジョブの1部目が本体部1において画像形成処理が終了し中折り断裁処理が開始される時刻t11のとき、第1ジョブの1部目の中折り断裁処理と並行して本体部1において第2ジョブの1部目の画像形成処理が開始される。そして、第2ジョブの1部目の画像形成処理が終了しステイプル処理が開始される時刻t12のとき、第2ジョブの1部目のステイプル処理と並行して第1ジョブの2部目の画像形成処理が開始される。
【0144】
更に、第1ジョブの2部目の画像形成処理が終了し中折り断裁処理が開始される時刻t13のとき、第1ジョブの2部目の中折り断裁処理と並行して第2ジョブの2部目の画像形成処理が開始される。第2ジョブの2部目の画像形成処理が終了しステイプル処理が開始される時刻t14のとき、第2ジョブの2部目のステイプル処理と並行して第1ジョブの3部目の画像形成処理が開始される。
【0145】
このように、本実施の形態2のジョブの実行動作は、第1、2ジョブ全ての出力に要する時間の合計が200秒となる。
【0146】
本実施の形態2におけるジョブの登録動作フローチャートは、実施の形態1におけるジョブの登録動作フローチャートと同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0147】
図14に、本実施の形態2におけるジョブの実行順序の設定動作フローチャートを示し、図15に本実施の形態2における実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートを示す。図14、15に示すジョブの実行順序の設定動作は、制御部110において、ジョブ実行プログラムと割り込み判定データテーブル、各ジョブのジョブデータ、各種データ等に基づいて実行される。
なお、ジョブの実行順序の設定動作フローチャートが動作する場合の画像形成装置Aの状態は、画像形成処理及び後処理可能な状態であることとする。
【0148】
まず、図14に示す本実施の形態2におけるジョブの実行順序の設定動作フローチャートにおいて説明する。
図14に示すステップS41からステップS43は、実施の形態1の図9に示すステップS11からステップS13までと同様の動作であるため、説明は省略する。
【0149】
制御部110は、本体部1が待機中ではないと判断した場合、即ち画像形成処理中であると判断した場合(ステップS41;No)、先行して実行されている実行ジョブの画像形成処理が1部終了したか否かを判断する(ステップS44)。制御部110は、画像形成処理が1部終了していないと判断した場合(ステップS44;No)、画像形成処理が1部終了するまで待機する。
【0150】
制御部110は、先行して実行されている実行ジョブの画像形成処理が1部終了したと判断した場合(ステップS44;Yes)、実行ジョブに後処理があるか否かを実行ジョブのジョブデータを参照して判断する(ステップS45)。
【0151】
制御部110は、実行ジョブに後処理があると判断した場合(ステップS45;Yes)、ジョブキューに登録ジョブがあるか否かを判断する(ステップS46)。
【0152】
制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがあると判断した場合(ステップS46;Yes)、実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作を、ジョブキューの先頭から順次行う(ステップS47〜49)。
【0153】
制御部110は、実行ジョブと最後尾の登録ジョブ(N番目の登録ジョブ)との比較動作後(ステップS49後)又は実行ジョブに後処理がないと判断した場合(ステップS45;No)、ジョブキューに登録ジョブなしと判断した場合(ステップS46;No)、実行ジョブのジョブデータの設定部数の値と出力済み部数の値とが等しいか否かを判断し、実行ジョブの未実行の部の有無を判断する(ステップS50)。
【0154】
制御部110は、実行ジョブに未実行の部あり(即ち、実行ジョブのジョブデータの設定部数の値と出力済み部数の値とが等しくない。)と判断した場合(ステップS50;Yes)、実行部数番号を実行ジョブの出力済み部数の値に1を加えた値に設定し、これから実行される部の設定を行う(ステップS51)。
【0155】
制御部110は、実行部数番号の設定後(ステップS51後)、先行して実行されている実行ジョブの部の後処理が終了したか否かを判断する(ステップS52)。
【0156】
制御部110は、先行して実行されている実行ジョブの部の後処理が終了していないと判断した場合(ステップS52;No)、後処理が終了するまで待機する。
【0157】
制御部110は、先行して実行されている実行ジョブの部の後処理が終了したと判断した場合(ステップS52;Yes)、実行ジョブの実行部数番号に設定されている部を実行させ(ステップS53)、ステップS41に戻る。
【0158】
制御部110は、実行ジョブに未実行の部なし(即ち、実行ジョブのジョブデータの設定部数の値と出力済み部数の値とが等しい。)と判断した場合(ステップS50;No)、ジョブキューに登録ジョブがあるか否かを判断する(ステップS54)。
【0159】
制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがあると判断した場合(ステップS54;Yes)、ジョブキューの先頭の登録ジョブを実行ジョブに設定し(ステップS55)、設定された実行ジョブの実行を開始させ(ステップS56)、ステップS41に戻る。
【0160】
制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがないと判断した場合(ステップS54;No)、実行順序の設定動作を終了する。制御部110は、新たに受付ジョブを登録した場合、ジョブの実行順序の設定動作をステップS41から開始する。
【0161】
次に図15に、図14の実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートにおいて説明する。ここでは、実行ジョブとジョブキューの先頭からN番目に登録されている登録ジョブ(図14のステップS49)との比較動作のフローチャートを示す。
【0162】
制御部110は、割り込み可能でないと判断した場合(ステップS64;No)、次番目の登録ジョブとの比較動作に移る。
【0163】
制御部110は、割り込み可能であると判断した場合(ステップS64;Yes)、登録ジョブのジョブデータの設定部数の値と出力済み部数の値とが等しいか否かを判断し、登録ジョブの未実行の部の有無を判断する(ステップS65)。
【0164】
制御部110は、登録ジョブに未実行の部なし(即ち、登録ジョブのジョブデータの設定部数の値と出力済み部数の値とが等しい。)と判断した場合(ステップS65;No)、次番目の登録ジョブとの比較動作に移る。
【0165】
制御部110は、登録ジョブに未実行の部あり(即ち、登録ジョブのジョブデータの設定部数の値と出力済み部数の値とが等しくない。)と判断した場合(ステップS65;Yes)、実行部数番号を実行ジョブの出力済み部数の値に1を加えた値に設定し、これから実行される部の設定を行う(ステップS66)。
【0166】
制御部110は、実行部数番号の設定後(ステップS66後)登録ジョブを実行ジョブに設定し(即ち、先行して実行されている実行ジョブの画像形成処理後に実行されるジョブとする。)(ステップS67)、登録ジョブを1つ降順させる(ステップS68)。
【0167】
制御部110は、登録ジョブの順序変更完了後(ステップS69)、図14に示すステップS53に進む。
【0168】
制御部110は、実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作を、ジョブキューの先頭から順次行う。図14に示す1番目の登録ジョブからN−1番目の登録ジョブの実行ジョブとの比較動作も、同様のフローチャートであるため、説明は省略する。
【0169】
図16に、図14、15に示したジョブの実行順序の設定動作フローチャートに基づいて、図13に示した本実施の形態2のジョブの実行順序のフロー図を示す。
図16に示す太線は画像形成処理中の実行ジョブ、太破線は後処理中の実行ジョブ、細線は登録ジョブ、矢印は実行方向を示す。
【0170】
図16(a)は、受け付けられた順番に登録され登録ジョブの待ち行列、即ち、ジョブキューを示す。ジョブキューは、受け付けられた順番に、第1、2ジョブの2つの登録ジョブから構成されている。
【0171】
制御部110は、図16(a)に示すジョブキューを受け付けた場合、ジョブキューの先頭に登録されている第1ジョブの1部目の実行を開始する(図16(b))。
【0172】
制御部110は、第1ジョブの1部目の画像形成処理が終了したとき、第1ジョブに後処理(中折り断裁処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第1ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第2ジョブを特定し、第2ジョブに未実行の部があると判断した後、実行部数番号として出力済み部数の値(ここでは0)に1を加えた値(即ち、実行部数番号=1)に設定する。第2ジョブを実行ジョブに設定し、先行して実行している実行ジョブ(ここでは、第1ジョブ)を降順させ、第2ジョブの実行部数番号に設定されている部(1部目)の実行を開始する(図16(c))。このとき、第1ジョブの1部目は後処理が行われている。
【0173】
制御部110は、第2ジョブの1部目の画像形成処理が終了したとき、第2ジョブに後処理(ステイプル処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第2ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第1ジョブを特定し、第1ジョブに未実行の部があると判断した後、実行部数番号として出力済み部数の値(ここでは1)に1を加えた値(即ち、実行部数番号=2)に設定する。第1ジョブを実行ジョブに設定し、先行して実行している実行ジョブ(ここでは、第2ジョブ)を降順させ、第1ジョブの実行部数番号に設定されている部(2部目)の実行を開始する(図16(d))。このとき、第2ジョブの1部目は後処理が行われている。
【0174】
制御部110は、第1ジョブの2部目の画像形成処理が終了したとき、第1ジョブに後処理(中折り断裁処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第1ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第2ジョブを特定し、第2ジョブに未実行の部があると判断した後、実行部数番号として出力済み部数の値(ここでは1)に1を加えた値(即ち、実行部数番号=2)に設定する。第2ジョブを実行ジョブに設定し、先行して実行している実行ジョブ(ここでは、第1ジョブ)を降順させ、第2ジョブの実行部数番号に設定されている部(2部目)の実行を開始する(図16(e))。このとき、第1ジョブの2部目は後処理が行われている。
【0175】
制御部110は、第2ジョブの2部目の画像形成処理が終了したとき、第2ジョブに後処理(ステイプル処理)があり、登録ジョブがあると判断した後、ジョブキューの先頭の登録ジョブから実行ジョブ(第2ジョブ)との比較動作を行い、割り込み可能な第1ジョブを特定し、第1ジョブに未実行の部があると判断した後、実行部数番号として出力済み部数の値(ここでは2)に1を加えた値(即ち、実行部数番号=3)に設定する。第1ジョブを実行ジョブに設定し、先行して実行している実行ジョブ(ここでは、第2ジョブ)を降順させ、第1ジョブの実行部数番号に設定されている部(3部目)の実行を開始する(図16(d))。このとき、第2ジョブの2部目は後処理が行われている。
【0176】
制御部110は、第1ジョブの3部目の画像形成処理が終了したとき、第1ジョブに後処理(中折り断裁処理)があり、登録ジョブがないと判断した後、実行ジョブに未実行の部がないと判断し、ジョブキューに登録ジョブがなしと判断し、ジョブの実行順序の設定動作を終了する(図16(g))。このとき、第1ジョブの3部目は後処理が行われている。
【0177】
このように、本実施の形態2によれば、複数のジョブを連続して出力する際、登録ジョブに複数の実行部数が設定されている場合、登録ジョブを1部毎に出力するように制御し、実行ジョブの1部が画像形成処理を終了し後処理開始するとき、ジョブの実行順番をRAM130に登録されている登録ジョブの後処理の内容に応じて、優先して実行できる登録ジョブがある場合、実行順番を入れ替えて優先して実行できる登録ジョブを実行させることにより、第1、2ジョブ全ての出力に要する時間の合計時間が従来の270秒から200秒と短縮することができ、後処理中に後続のジョブの待機時間を削減することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0178】
[実施の形態3]
以下、図を参照して本発明の実施の形態3を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
本実施の形態3における画像形成装置Aの断面構成、ジョブデータの一例、LCD91に表示される画面の一例は実施の形態1と同様であるため、図示及び説明は省略する。
画像形成装置Aの制御ブロックは、不揮発メモリ120に記憶されているジョブ登録プログラムと、ジョブ実行プログラムと、割り込み判定データテーブルの一例と、RAM130がワークデータとしての最終の後処理を記憶することが実施の形態1と異なり、本実施の形態3の制御部110は、受付ジョブを登録する際、予め登録されている登録ジョブの排出トレイ以外の排出口に出力可能な受付ジョブが受付られた場合、受付ジョブを優先し登録順番を入れ替えて登録し、登録順番に従って登録ジョブを順次実行すること以外は同様であるため、画像形成装置Aの制御ブロック図の図示及びその他の説明は省略する。
【0179】
本実施の形態3のジョブ登録プログラムは、受付ジョブが受付られ登録されるとき、受付ジョブと予め登録されている登録ジョブとの後処理の内容に応じて登録順番を入れ替えて登録し、出力実行待ちの登録ジョブの行列データ(以下、ジョブキューと言う。)を作成するプログラムである。
【0180】
本実施の形態3のジョブ実行プログラムは、ジョブキューを順次実行させるプログラムである。
【0181】
本実施の形態3の割り込み判定データテーブルは、受付ジョブとRAM130に登録されている登録ジョブと後処理の内容に応じて、登録ジョブの後に実行可能な受付ジョブか否かを判断するためのデータテーブルである。
【0182】
割り込み判定データテーブルは、後処理の内容、即ち受付ジョブと登録ジョブとの後処理の種類が同じか否か、後処理部2での搬送経路が重複するか否か、排出されるトレイが同一か否か、登録ジョブの後処理に要する時間の長短に基づいて予め設定されており、実施の形態1の割り込み判定データテーブルの一例として図示した図3中の「実行ジョブ」は「受付ジョブ」に変更される以外は、同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0183】
最終の後処理とは、後述する受付ジョブと登録ジョブとの比較動作において、比較されるジョブの後処理を示すワークデータである。
【0184】
図17に、本実施の形態3におけるジョブの登録動作フローチャートを示し、図18に本実施の形態3における受付ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートを示す。図17、18に示すジョブの登録動作は、制御部110において、ジョブ受付プログラムと割り込み判定データテーブル、各ジョブのジョブデータ、各種データ等に基づいて実行される。
なお、ジョブの登録動作フローチャートが動作する場合の画像形成装置Aの状態は、画像形成処理及び後処理可能な状態であることとする。
【0185】
まず、図17に示す本実施の形態3におけるジョブの登録動作フローチャートにおいて説明する。
制御部110は、ジョブが受け付けられたか否かを判断する(ステップS71)。制御部110は、ジョブが受け付けられたと判断した場合(ステップS71;No)、登録動作を終了する。
【0186】
制御部110は、ジョブが受け付けられたと判断した場合(ステップS71;Yes)、実行ジョブがあるか否かを判断する(ステップS72)。制御部110は、実行ジョブがないと判断した場合(ステップS72;No)、受付ジョブをジョブキューの先頭に登録し実行を開始させる(ステップS73)。即ち、受付ジョブは、登録された後、実行ジョブに設定される。
【0187】
制御部110は、実行ジョブがありと判断した場合(ステップS72;Yes)、ジョブキューに登録ジョブがあるか否かを判断する(ステップS74)。制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがないと判断した場合(ステップS74;No)、受付ジョブを実行ジョブの直後に実行される1番目の登録ジョブとして登録する(ステップS75)。
【0188】
制御部110は、ジョブキューに登録ジョブがありと判断した場合(ステップS74;Yes)、実行ジョブジョブデータを参照して最終の後処理を実行ジョブの後処理に設定する(ステップS76)。
【0189】
制御部110は、最終の後処理を設定した後、受付ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作をジョブキューの先頭から順次行う(ステップS77〜79)。
【0190】
制御部110は、実行ジョブと最後尾の登録ジョブ(N番目の登録ジョブ)との比較動作後(ステップS79後)、受付ジョブがジョブキューに登録されていないか否かを判断する(ステップS80)。
【0191】
制御部110は、受付ジョブがジョブキューに登録されていると判断した場合(ステップS80;No)、登録動作を終了する。
【0192】
制御部110は、受付ジョブがジョブキューに登録されていないと判断した場合(ステップS80;Yes)、受付ジョブをジョブキューの最後尾に登録させ(ステップS81)受付ジョブが登録された後、登録動作を終了する。
【0193】
制御部110は、新たに受付ジョブを受け付けた場合、ジョブの登録動作をステップS71から開始する。
【0194】
次に図18に、図17の受付ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートにおいて説明する。ここでは、受付ジョブとジョブキューの先頭からN番目に登録されている登録ジョブ(図17のステップS79)との比較動作のフローチャートを示す。
【0195】
まず、制御部110は、受付ジョブと比較される登録ジョブ(ここではN番目の登録ジョブ)のジョブデータを参照して登録ジョブの後処理と最終の後処理とが等しくないか否かを判断する(ステップS91)。
【0196】
制御部110は、登録ジョブの後処理と最終の後処理とが等しいと判断した場合(ステップS91;No)、受付ジョブジョブデータを参照して受付ジョブの後処理と最終の後処理とが等しくないか否かを判断する(ステップS92)。
【0197】
制御部110は、受付ジョブの後処理と最終の後処理とが等しくないと判断した場合(ステップS92;Yes)、割り込み判定データテーブルを参照する(ステップS93)。
【0198】
制御部110は、割り込み判定データテーブルを参照して受付ジョブの割り込み可能であるか否かを判断する(ステップS94)。
【0199】
制御部110は、登録ジョブの後処理と最終の後処理とが等しくないと判断した場合(ステップS91;Yes)、受付ジョブの後処理と最終の後処理とが等しい場合(ステップS92;No)又は割り込み可能でないと判断した場合(ステップS94;No)、最終の後処理を当該登録ジョブ(ここではN番目の登録ジョブ)の後処理に設定し(ステップS95)、次番目の登録ジョブとの比較動作に移る。
【0200】
制御部110は、割り込み可能であると判断した場合(ステップS94;Yes)、受付ジョブを当該登録ジョブ(ここではN番目の登録ジョブ)の前に優先して登録し、当該ジョブ以降の登録ジョブを1つ降順させる(ステップS96)。
【0201】
制御部110は、受付ジョブの登録完了後(ステップS97)、図17に示すステップS80に進む。
【0202】
制御部110は、受付ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作を、ジョブキューの先頭から順次行う。図17に示す1番目の登録ジョブからN−1番目の登録ジョブの受付ジョブとの比較動作も、同様のフローチャートであるため、説明は省略する。
【0203】
図19に、図17、18に示した受付ジョブの登録動作フローチャートに基づいて、本実施の形態3のジョブの受付登録動作のフロー図を示す。
図19に示す太線は実行ジョブ、細線は登録ジョブを示す。
【0204】
図19(a)は、これから受け付けられる受付ジョブであり、第1ジョブから順番に第6ジョブまでが受け付けられるとする。
【0205】
制御部110は、図19(a)に示す第1ジョブの受付時、実行ジョブがないため、第1ジョブをジョブキューの先頭に登録し、実行を開始させる(図19(b))。
【0206】
制御部110は、第2ジョブの受付時、実行ジョブとしての第1ジョブがあり、登録ジョブがないと判断した後、第2ジョブを第1ジョブの直後に実行される登録ジョブとしてジョブキューの先頭に登録し、第2ジョブをジョブキューの1番目の登録ジョブとして登録し、第2ジョブの登録動作を終了する(図19(c))。
【0207】
制御部110は、第3ジョブの受付時、実行ジョブとしての第1ジョブがあり、登録ジョブとしての第2ジョブがあると判断した後、最終の後処理を第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)に設定し、ジョブキューの先頭の登録ジョブから受付ジョブ(即ち、第3ジョブ)との比較動作を行う。
制御部110は、ジョブキューの先頭の第2ジョブの後処理(中折り断裁処理)が最終の後処理としての第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)と等しいと判断し、第3ジョブの後処理(中折り断裁処理)が第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)と等しいと判断した後、最終の後処理を第2ジョブの後処理(中折り断裁処理)に設定する。制御部110は、第2ジョブがジョブキューの最後尾の登録ジョブであり第3ジョブが登録未完了であると判断し、受3ジョブをジョブキューの最後尾に登録し、第3ジョブの登録動作を終了する(図19(d))。
【0208】
制御部110は、第4ジョブの受付時、実行ジョブとしての第1ジョブがあり、登録ジョブとしての第2、3ジョブがあると判断した後、最終の後処理を第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)に設定し、ジョブキューの先頭の登録ジョブから受付ジョブ(即ち、第4ジョブ)との比較動作を行う。
制御部110は、ジョブキューの先頭の第2ジョブの後処理(中折り断裁処理)が最終の後処理としての第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)と等しいと判断し、第4ジョブの後処理(ステイプル処理)が第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)と等しくないと判断した後、割り込み判定データテーブルを参照して、割り込み可能であると判断し、第4ジョブを第2ジョブの前に登録し、第2ジョブ以降の登録ジョブを1つ降順させ、第4ジョブの登録動作を終了する(図19(e))。
【0209】
制御部110は、第5ジョブの受付時、実行ジョブとしての第1ジョブがあり、登録ジョブとしての第4、2、3ジョブがあると判断した後、最終の後処理を第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)に設定し、ジョブキューの先頭の登録ジョブから受付ジョブ(即ち、第5ジョブ)との比較動作を行う。
制御部110は、ジョブキューの先頭の第4ジョブの後処理(ステイプル処理)が最終の後処理としての第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)と等しくないと判断し、最終の後処理を第4ジョブの後処理(ステイプル処理)に設定した後、2番目の登録ジョブ(第2ジョブ)との比較動作に進む。
制御部110は、2番目の登録ジョブ(第2ジョブ)の後処理(中折り断裁処理)が最終の後処理(ステイプル処理)と等しくないと判断し、最終の後処理を第2ジョブの後処理(中折り断裁処理)に設定した後、3番目の登録ジョブ(第3ジョブ)との比較動作に進む。
制御部110は、3番目の登録ジョブ(第3ジョブ)の後処理(中折り断裁処理)が最終の後処理(中折り断裁処理)と等しいと判断し、第5ジョブの後処理(ステイプル処理)が第3ジョブの後処理(中折り断裁処理)と等しくないと判断した後、割り込み判定データテーブルを参照して、割り込み可能であると判断し、第5ジョブを第3ジョブの前に登録し、第3ジョブ以降の登録ジョブを1つ降順させ、第5ジョブの登録動作を終了する(図19(f))。
【0210】
制御部110は、第6ジョブの受付時、実行ジョブとしての第1ジョブがあり、登録ジョブとしての第4、2、5、3ジョブがあると判断した後、最終の後処理を第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)に設定し、ジョブキューの先頭の登録ジョブから受付ジョブ(即ち、第6ジョブ)との比較動作を行う。
制御部110は、ジョブキューの先頭の第4ジョブの後処理(ステイプル処理)が最終の後処理としての第1ジョブの後処理(中折り断裁処理)と等しくないと判断し、最終の後処理を第4ジョブの後処理(ステイプル処理)に設定した後、2番目の登録ジョブ(第2ジョブ)との比較動作に進む。
制御部110は、2番目の登録ジョブ(第2ジョブ)の後処理(中折り断裁処理)が最終の後処理(ステイプル処理)と等しくないと判断し、最終の後処理を第2ジョブの後処理(中折り断裁処理)に設定した後、3番目の登録ジョブ(第3ジョブ)との比較動作に進む。
制御部110は、3番目の登録ジョブ(第5ジョブ)の後処理(ステイプル処理)が最終の後処理(中折り断裁処理)と等しくないと判断し、最終の後処理を第5ジョブの後処理(ステイプル処理)に設定した後、4番目の登録ジョブ(第3ジョブ)との比較動作に進む。
制御部110は、4番目の登録ジョブ(第3ジョブ)の後処理(中折り断裁処理)が最終の後処理(ステイプル処理)と等しくないと判断し、最終の後処理を第3ジョブの後処理(中折り断裁処理)に設定する。
制御部110は、第3ジョブがジョブキューの最後尾の登録ジョブであり第6ジョブが登録未完了であると判断し、受6ジョブをジョブキューの最後尾に登録し、第6ジョブの登録動作を終了する(図19(g))。
【0211】
従って、受け付けられた第1〜6ジョブは、第1ジョブ、第4ジョブ、第2ジョブ、第5ジョブ、第3ジョブ、第6ジョブの順番に実行されるように登録される。
【0212】
本実施の形態3のように登録されたジョブキューの実行は、実施の形態1の図13に示す実行動作が行われるため、登録ジョブの実行動作の図示及び説明は省略する。
【0213】
このように、本実施の形態3によれば、受付ジョブが登録される際、予め登録されている登録ジョブと受付ジョブとの後処理の内容に応じて、受付ジョブの登録順番を入れ替えて登録することにより、受け付けられたジョブ全ての出力に要する時間の合計時間を短縮することができ、後処理中に後続のジョブの待機時間を削減することができるため、生産性の向上を図ることができる。
【0214】
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】実施の形態1における画像形成装置Aの断面構成図である。
【図2】画像形成装置Aの制御ブロック図である。
【図3】不揮発メモリ120に記憶されている割り込み判定データテーブルの一例である。
【図4】ジョブデータの一例である。
【図5】LCD91に表示される画面の一例である。
【図6】実施の形態1との比較のための従来のジョブの実行動作例である。
【図7】実施の形態1のジョブの実行動作の一例である。
【図8】実施の形態1におけるジョブの登録動作フローチャートである。
【図9】実施の形態1におけるジョブの実行順序の設定動作フローチャートである。
【図10】実施の形態1における実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートである。
【図11】図9、10に示したジョブの実行順序の設定動作フローチャートに基づいて、図7に示した本実施の形態1のジョブの実行順序のフロー図である。
【図12】実施の形態2との比較のために従来のジョブの実行動作例である。
【図13】実施の形態2のジョブの実行動作の一例である。
【図14】実施の形態2におけるジョブの実行順序の設定動作フローチャートである。
【図15】実施の形態2における実行ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートである。
【図16】図14、15に示したジョブの実行順序の設定動作フローチャートに基づいて、図13に示した本実施の形態2のジョブの実行順序のフロー図である。
【図17】実施の形態3におけるジョブの登録動作フローチャートである。
【図18】実施の形態3における受付ジョブとジョブキューの登録ジョブとの比較動作のフローチャートである。
【図19】図17、18に示した受付ジョブの登録動作フローチャートに基づいて、実施の形態3のジョブの受付登録動作のフロー図である。
【符号の説明】
【0216】
1 本体部
1a 本体制御部
1b プリンタコントローラ
11b コントローラ制御部
12b DRAM制御IC
13b 画像メモリ
14b LANIF
2 後処理部
10 画像読取部
11 ADF部
12 読取部
12a CCDイメージセンサ
20 プリント部
21 画像形成部
21a 転写装置
22 給紙部
22a 給紙カセット
22b 給紙手段
23 給紙搬送部
23a 搬送路切換板
23b 自動両面給紙搬送路
24 定着部
25 搬出部
25a 排紙ローラ
25b 搬出口
30 表紙給紙部
31 表紙載置部
32 給紙ローラ
40 シフト処理部
50 ステイプルユニット
51 スタック台
52 ステイプラー
60 折りユニット
61 スタック台
62 可動ストッパ部材
70 断裁ユニット
71 切断刀
80 搬送手段
80a 受入口
81、82、84 第1、2、3切換ゲート
83a、83b 排出ローラ
90 操作表示部
91 LCD
100 画像制御部
110 制御部
120 不揮発メモリ
130 RAM
140 読込処理部
150 圧縮IC
160 DRAM制御IC
170 画像メモリ
171 圧縮メモリ
172 ページメモリ
180 伸張IC
190 書込処理部
200 画像読取制御部
300 プリント制御部
400 後処理制御部
900 操作表示制御部
A 画像形成装置
d 原稿
G0 基本画面
G1 メッセージエリア
G2 画質/ローテーション表示エリア
G3 プリント枚数/設定枚数表示エリア
G4 フォルダボタン
G5 プリント条件選択エリア
G10 後処理設定画面
G11 綴じ方向設定ボタン
G12 ステイプル設定ボタン群
G13 後処理設定ボタン群
G14 データ設定ボタン群
G15 操作補助ボタン群
G51 表示ボタン群
G52 設定ボタン群
P 記録媒体
R1、2、3、4、5、6、7 第1、2、3、4、5、6、7搬送経路
T1 原稿トレイ
T2 手差しトレイ
T3 固定排紙トレイ
T4 昇降排紙トレイ
T5 冊子収納トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のジョブを受け付けし登録するジョブ登録手段と、前記ジョブ登録手段に登録されたジョブの内容に応じて記録媒体に対して画像形成処理と後処理とを行い排出するように制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、
前記制御手段は、前記登録されたジョブを排出するとき、ジョブの実行順番を前記ジョブ登録手段に登録されている他のジョブの後処理の内容に応じて変更すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ登録手段に登録されたジョブが複数の実行部数が設定されているジョブを含む場合、
前記制御手段は、前記登録されたジョブを1部毎に出力するように制御し、ジョブの部毎の実行順番を前記ジョブ登録手段に登録されている他のジョブの後処理の内容に応じて変更すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記登録されたジョブを排出するときとは、前記ジョブ登録手段に登録された第1のジョブが画像形成処理を実行して第1の排出口に記録媒体を排出しているときであること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
複数のジョブを受け付けし登録するジョブ登録手段と、前記ジョブ登録手段に登録されたジョブに応じて記録媒体上に画像を記録する画像形成処理と後処理と行い排出するように制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、
前記制御手段は、前記ジョブが前記ジョブ登録手段に受付登録されるとき、ジョブの登録順番を前記ジョブ登録手段に登録されている他のジョブの後処理の内容に応じて変更すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記後処理の内容は、少なくとも後処理の種類、後処理が行われる際の記録媒体の搬送経路、出力される記録媒体の排出口、後処理に要する時間の長短のいずれかであること、
を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−1044(P2006−1044A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177137(P2004−177137)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】