説明

画像形成装置

【課題】 顔料系記録液のような高粘度記録液の廃液を収容する場合に廃液が吸収部材に堆積してそれ以上に吸収されず、吸収部材を使い切れなかったり、満タン検知が遅れて廃液が収容容器から溢れたりすることがある。
【解決手段】 廃液タンク100は、タンクケース本体101と、このケース本体101内に収納した液体状の廃液を吸収する吸収部材102と、廃液投入口104を形成したケース本体101の上部を覆う蓋部材103を備え、吸収部材102には廃液投入口104に対応する切り欠き部111を設けて空間105を形成し、液体状の廃液は吸収部材102で吸収して収容し、液体状以外の廃液は空間105に堆積させて収容し、空間105の堆積状況を回復動作回数のカウント値で算出して基準値と比較することで、堆積満タンか否かを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に廃液を収容する廃液収容容器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プリンタ/ファクシミリ/複写機の複合機などの各種画像形成装置において、記録液を吐出する液滴吐出ヘッドを記録ヘッドとして備えたものにあっては、記録液を吐出する記録ヘッドの性能を維持回復する機構が不可欠である。
【0003】
このヘッドの性能維持回復機構の主な機能は、インクの自然蒸発によるノズル孔付近の記録液の増粘固着を防止するために密閉性の高いキャップ部材で覆うキャップ機能と、ノズル孔内に発生した気泡などによる吐出不良を記録液を排出することで回復し、またキャップ機能を通じてヘッドのノズルから記録液を吸引排出する吐出回復機能と、ノズル面に付着し液滴の飛翔状態を変化させる原因となる残留記録液を拭き取るためのワイピング機能などで構成される。
【0004】
そして、このようなヘッドの性能維持回復動作を行うことによって、記録(画像形成)に用いられない記録液が廃液となって排出されることになり、この記録液の廃液を貯留するための廃液収容容器(廃液タンクともいう。)を備えている。
【特許文献1】特開2000−127439号公報
【特許文献2】特開2003−165236号公報
【0005】
このような廃液タンクとしては、特許文献3に記載されているように、容器本体を複数の部屋に分割してそれぞれに吸収部材を設けることで吸収部材の交換回数を減らすようにしたもの、特許文献4に記載されているように、吸収部材を複数に分割して交換可能にすることで装置の小型化を図るようにしたものがある。
【特許文献3】特開2001−171148号公報
【特許文献4】特開2002−19153号公報
【0006】
また、特許文献5、6に記載されているように、廃液タンクをインクカートリッジと一体に設けることで、インクカートリッジの交換の度に廃液タンクも交換されるようにしたものもある。
【特許文献5】特開2002−307720号公報
【特許文献6】特開2002−307705号公報
【0007】
さらに、この廃液タンクが満タンになって溢れると装置内に悪影響を与えることになるため、一般に、廃液タンクが満タンになったことを検出するための廃液タンク満タン検出装置を備えるようにしている。
【0008】
このような廃液タンクの満タン検出装置としては、例えば特許文献7に記載されているように、廃インク収納ユニットの吸収体における廃インク量を、投入される総インク量とその蒸発量を加味した廃インク量から決定し、基準値はその廃インク量より算出するようにしたもの、特許文献8に記載されているように、廃インク収納ユニットの吸収体における廃インク量を、廃インクが廃インク収納ユニット内に投入される時間間隔に応じて得られる蒸発量を加味した値とし、基準値はその廃インク量より算出するようにしたもの、特許文献9に記載されているように、廃インクタンクの吸収体における廃インク量を、メンテナンス回数に応じて得られる蒸発量を加味した値から算出し、基準値はその廃インク量より算出するようにしたものがある。
【特許文献7】特開2004−136550号公報
【特許文献8】特許第3167475号公報
【特許文献9】特開2000−141704号公報
【0009】
また、特許文献10に記載されているように、複数の廃インクタンクを備えるとともに、複数の廃インクタンクのうちの1つの廃インクタンクにのみ満杯検知センサを備えて、この満杯検知センサの廃インクタンクに対する廃インク量の通算値をカウントして、満杯が検知されたときのカウント値に基づいて他の廃インクタンクの満杯を判定するようにしたものもある。
【特許文献10】特開2004−66554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、最近のインクを用いる画像形成装置においては、普通紙への高品質印字を可能にするために着色剤として有機顔料、カーボンブラック等を用いる顔料系インクの使用が検討、あるいは実用化がされているが、顔料は、染料とは異なり水への溶解性がないため、通常は、顔料を分散剤とともに混合し、分散処理して水に安定分散させた状態の水性インクとして用いられる。
【0011】
このような顔料系インクは染料系インクよりも総じて粘度が高くなり、高粘度故の問題が生じている。すなわち、高粘度インクの廃液(廃インク)は増粘し易く、増粘した廃液を吸収部材に直に落とすと廃液がその部分で堆積し易くなり、廃液が吸収部材に吸収されなくなる。
【0012】
そのために、従来の廃液収容容器にあっては、吸収部材を使い切る前に、投入口付近で廃液の堆積が生じて廃インクが溢れるようなことがあり、廃インク量に基づいて満タン(満杯)検知を行なっても堆積による満タンについてまでは検出できないという課題がある。また、吸収部材の全体に廃インクが回らないことで、満タン検出をセンサなどで行う場合には、満タン検知部位と廃インクの投入部位が離れていると、満タン検出できないまま廃インクが溢れるようなことがあるという課題が生じている。
【0013】
さらに、上述した従来のようにソフト検知による廃インク満タン検知は、廃液タンクに投入される廃インク量を計算し、基準値との比較により満タンか否かを判定するものであったため、その算出方法は、空吐出や吸引量など個々の動作での消費量をあらかじめ保持せざるを得ず、動作実施ごとに計算を実施するなど比較的複雑であり、その結果スループットの低下をもたらしているという課題もある。
【0014】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高粘度記録液の廃液を収容する廃液収容容器内での廃液の堆積を簡単な構成で検出できるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、廃液を収容する空間を有する廃液収容容器と、この廃液収容容器の空間内における廃液の堆積状況に相関する相関値を求める手段と、相関値が予め定めた基準値を越えたか否かを判別する手段とを備えている構成とした。
【0016】
ここで、廃液収容容器の空間内における廃液の堆積状況に相関する相関値を、記録ヘッドから画像形成に関与しない記録液を排出させる回復処理動作の回数として求めることが好ましい。また、廃液収容容器は、空間とともに廃液を吸収保持する吸収部材を備え、吸収部材が満タンになったことを検知する満タン検知手段を備えていることが好ましく、この場合、廃液収容容器内の空間と吸収体との容積比率が1:4〜3:2の範囲内であることが好ましい。
【0017】
また、基準値は回復処理動作の頻度に基づいて変更することが好ましく、この場合、回復処理動作の頻度は当該廃液収容容器の総使用期間における回復処理動作の総回数に基づいて求めることが好ましい。あるいは、基準値が一定値である構成とすることもできる。さらに、相関値を環境条件に基づいて補正することが好ましい。さらにまた、相関値が予め定めた基準値を越えたときには装置の利用可能状態を制限することが好ましい。
【0018】
本発明に係る画像形成装置においては、記録液は少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率がインク全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ、水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を超える点を持つように構成された記録液であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る画像形成装置によれば、廃液を収容する空間を有する廃液収容容器と、この廃液収容容器の空間内における廃液の堆積状況に相関する相関値を求める手段と、相関値が予め定めた基準値を越えたか否かを判別する手段とを備えているので、廃液収容容器の空間内に廃液を堆積できるとともに、この堆積状況に相関する相関値を求めて基準値を越えたか否かを判別するので、簡単な構成で堆積が満タンになったか否かを判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の一例を示す同画像形成装置を前方側から見た斜視説明図である。
この画像形成装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0021】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
【0022】
この前カバー6は、全体が、この前カバー6を閉じた状態で、カートリッジ装填部4内に装填されている複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができる透明又は半透明の部材で形成されている。なお、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができれば一部が透明又は半透明の部材で形成されている構成とすることもできる。
【0023】
また、操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11y(色を区別しないときは「残量表示部11」という。)を配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
【0024】
次に、この画像形成装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同機構部の要部平面説明図である。
フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0025】
このキャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0026】
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0027】
この記録ヘッド34にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。
【0028】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。この各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
【0029】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0030】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0031】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
【0032】
そして、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
【0033】
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド35側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
【0034】
この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによって駆動ベルトを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
【0035】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
【0036】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0037】
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。
【0038】
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、ワイパーブレード83に付着した記録液を除去するための清掃部材であるワイパークリーナ85と、ワイパーブレード83のクリーニング時にワイパーブレード83をワイパークリーナ85側に押し付けるクリーナ手段を構成するクリーナコロ86などを備えている。
【0039】
そして、この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ85で除去されたインク、空吐出受け94に空吐出されたインクは、図2に仮想線で示す本発明に係る廃液収容容器である廃液タンク100に排出されて収容される。
【0040】
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0041】
次に、この画像形成装置における廃液タンク100の一例について図4ないし図7を参照して説明する。なお、図4は同廃液タンクの概略分解斜視説明図、図5は同廃液タンクの概略外観斜視説明図、図6は同廃液タンクの容器本体の平面説明図、図7は同廃液タンクの満タン検知センサの説明に供する模式的説明図である。
【0042】
この廃液タンク100は、タンクケース本体(容器本体)101と、このケース本体101内に収納した液体状の廃液を吸収する吸収部材(吸収体)102と、ケース本体101の上部を覆う蓋部材103を備えている。
【0043】
この廃液タンク100には、前述した維持回復機構81から排出される廃液が、蓋部材103に設けた1つの廃液投入口104を介して内部に投入(供給)される。そして、この廃液投入口104を介して廃液が供給される部位に対応して、吸収部材102に切り欠き部111を形成することでケース本体101の底面を露出させた空間105を形成している。これにより、廃液を吸収部材102に直接投入しないで、空間105を通じてケース本体101の底面に直接到達させることができ、廃液中の流動性が少なく粘度が高いものは空間105内に堆積させて収容できるようにするとともに、空間105に投入された廃液中の流動性の高い液体は吸収部材102で吸収できるようにする。
【0044】
また、ケース本体101には空間105のケース本体101で形成される側壁面を除く三面のうち、二面を囲む仕切り壁部材(囲いリブ)112を底面まで一体に形成している。これにより、吸収部材102の切り欠き部111の空間105に臨む1つの壁面だけが空間105に露出することになり、この空間105に露出している吸収部材102の壁面部分からしか液体状の廃液が吸収部材102に浸透しなくなる。
【0045】
さらに、空間105の堆積状況の満タン検知については後述するようにソフト的に行なうが、廃液を吸収する吸収部材102の満タン検知については蓋部材103の内面側などに反射型フォトセンサからなる満タンセンサ110を設けて、空間105から離れた位置で検知するようにしている。
【0046】
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図8を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部200は、装置全体の制御を司るCPU201と、CPU201が実行するプログラム、本発明に係る廃液タンク100の堆積状況を判別するための基準値、駆動波形データ、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC205とを備えている。
【0047】
また、この制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F206と、記録ヘッド34を駆動制御するための駆動波形を生成する駆動波形生成部207と、ヘッドドライバ208と、主走査モータ210を駆動するための主走査モータ駆動部211と、副走査モータ212を駆動するための副走査モータ駆動部213と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部215と、維持回復機構81の図示しない吸引ポンプやキャップ82などを昇降させるカム軸を駆動するモータ216を駆動するための維持回復機構駆動部217と、廃液タンク100の満タンを検知する満タンセンサ110からの検知信号、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O218などを備えている。この制御部280には、この装置に必要な情報の入力及び表示をおこなうための操作パネル(操作部5)が接続されている。
【0048】
制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F216で受信する。
【0049】
そして、CPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、記録ヘッド34の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ208にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号や制御信号をヘッドドライバ208に送出する。
【0050】
そして、CPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッドドライバ208に画像データを転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM202にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしても良い。
【0051】
駆動波形生成部207は、駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器等で構成され、1の駆動パルス(駆動信号)又は複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形をヘッドドライバ208に対して出力する。
【0052】
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて駆動波形生成部207から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド34の圧力発生手段に印加して記録ヘッド34を駆動する。
【0053】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0054】
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0055】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0056】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0057】
このとき維持回復機構81のノズル吸引などで生じる廃液は図示しない吸引ポンプに接続した廃液チューブから廃液タンク100に排出される。
【0058】
つまり、例えば図9に模式的に示すようにキャリッジ33に搭載したヘッド34A、34B(簡略化して2ヘッド構成で例示している。)から記録液31が維持回復機構81によるヘッド吸引動作などの回復動作でキャップ82内に吸引排出され、この廃液308が、廃液タンク100の空間105の略中央付近に廃液投入口104を通じて投入される。
【0059】
このとき、廃液タンク100の空間105に投入された廃液のうちの流動性の殆どない廃液は空間105の底面に堆積して収容され、廃液のうちの液体は吸収部材102に吸収されて収容される。
【0060】
このように、空間105を形成して廃液をケース本体101の底面に直接投入することで、液状の廃液は吸収部材102で吸収することができ、液状以外の廃液は空間105内で徐々に堆積して吸収部材102の露出面を塞がなくなるので、吸収部材102の吸収能力が低下することが抑制され、効率的に吸収部材102での吸収を継続することができる。
【0061】
つまり、顔料系記録液は記録画像の画質向上に極めて有利である反面、液体成分の現象によって粘度が急減に上昇して、記録液が増粘して固形物のように振舞うことから、廃液タンクの吸収部材に直接投入すると、その場で堆積してしまって廃液投入口から溢れ出すことが多くなる。そこで、廃液タンクに吸収部材のない空間を設けて、液体成分以外の成分は空間内で堆積させ、液体成分は吸収部材で吸収することにより、堆積による溢れを防止しつつ効率的に廃液を収容することができる。
【0062】
特に、記録液が、水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率がインク全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ、水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を超える点を持つ顔料系記録液にあっては、堆積が生じやすいので、上述した廃液タンクを備えることが有用である。
【0063】
このような記録液を廃液タンク100内に収容する場合、実験によると、廃液タンク100内の空間105と吸収部材102との容積比率を1:4〜3:2の範囲内にすることによって、空間105及び吸収部材102のいずれも効率的に使用できることが確認された。
【0064】
そこで、この廃液タンク100の空間105内における廃液の堆積状況が満タンになったことを判別するための処理(堆積満タン検出処理)の一例について図10をも参照して説明する。
まず、本実施形態では、廃液タンク100の空間105内の廃液の堆積状況に相関する相関値を回復動作の実行回数とし、この回復動作の実行回数をカウントするソフト的なカウンタ(これを「堆積状況カウンタ」という。)を備える。
【0065】
そして、制御部200は、図10に示すように、維持回復機構81による回復動作を実行したときに、堆積状況カウンタを更新し、この堆積状況カウンタのカウント値が予め定めた基準値を超えているか否かを判別し、堆積状況カウンタのカウント値が基準値を超えていなければ廃液タンク100の空間105内の堆積状況は満タンではないとしてこの処理を抜け、堆積状況カウンタのカウント値が基準値を超えているときには廃液タンク100の空間105内の堆積状況が満タンであるとして、廃液タンク満タン信号を出力する。
【0066】
このように、廃液を収容する空間を有する廃液タンクと、この廃液タンクの空間内における廃液の堆積状況に相関する相関値を求める手段と、相関値が予め定めた基準値を越えたか否かを判別する手段とを備えることによって、堆積する廃液が廃液タンクから溢れることを未然に防ぐことができるとともに、廃液タンクを無駄なく効率的に使用でき、より確実な信頼性のある画像形成装置を得ることができる。
【0067】
また、廃液タンクには廃液を堆積させるための空間とともに廃液を吸収保持する吸収部材を備えて、この吸収部材が満タンになったことを検知する満タンセンサ110をも備えることによって、堆積する廃液が廃液タンクから溢れることを未然に防ぐことができるだけでなく、吸収部材の溢れも確実に検出することができて、一層信頼性が向上する。
【0068】
ここで、回復動作とは、前述したように液滴吐出を良好にするための動作であり、具体的には、画像記録以外のインク予備吐出(空吐出)、記録ヘッドのノズルからのインクを吸引するヘッド吸引、ワイパーブレード等でのノズル面ワイピング動作、及び、これらの組み合わせ動作などが挙げられ、例えば、上記画像形成装置においては、クリーニング(ヘッド吸引、ワイピング、空吐出の一連の動作)、大気開放(サブタンクに対するインク補給充填動作+ヘッド吸引+クリーニング)、リフレッシュ(クリーニングより多い量のヘッド吸引+クリーニング)などの動作を行なう。
【0069】
この場合、回復動作の中でも比較的多量に廃インクを排出する動作であるヘッド吸引を含む動作を1回行なう毎に、その排出インク量にかかわらず、例えば、堆積状況カウンタをインクリメント(+1)する構成としている。これによって、堆積状況カウンタのカウント値を保持する必要記憶容量を小さく保ちつつ堆積状況も把握することが可能となる。なお、堆積状況カウンタのカウント値は電源OFF等でも消去されないように書替え可能な不揮発性メモリに保持する。
【0070】
このように、廃液タンクの空間内における廃液の堆積状況に相関する相関値を、記録ヘッドから画像形成に関与しない記録液を排出させる回復処理動作の回数として求めることによって、簡単な処理で廃液タンクの空間内での堆積が満タンになったことを判別することができる。
【0071】
また、基準値は、廃液タンクの空間内での収容可能容積により決定されるので、一定値とすることができる。特に、前述したように、廃液タンク100内の空間105と吸収部材102との容積比率を1:4〜3:2の範囲内とすることによって、空間105と吸収部材102とが大きな時間的差異を生じることなく満タンになることが確認されたので、このような場合には基準値を一定値としても十分に対応することができる。
【0072】
さらに、基準値は、一定値としないで、堆積の進行速度に相関して変更することもできる。つまり、廃液の排出頻度により廃液の乾燥状況に差異が生じることから、廃液排出頻度に応じて基準値を変動させることも有効である。
【0073】
具体的には、廃液排出頻度が低い場合には、廃液の乾燥が促進されて流動性が低下することから、廃液量の割に堆積が進行しやすく、逆に、廃液排出頻度が高い場合は、乾燥が進みにくく、堆積が進行しにくい、という傾向がある。
【0074】
そこで、廃液排出頻度に対応する維持回復動作頻度を求めて、図11に示すように、維持回復頻度が低いときには、相対的に堆積が早く進行するので基準値を小さくし、維持回復頻度が高いときには、相対的に堆積が遅く進行するので基準値を大きくするように変更することで、廃液の堆積進行速度に応じた適切な基準値を設定することができる。これにより、廃液タンクの堆積による溢れを防止するとともにより効率的に廃液タンクを使用することができる。
【0075】
この場合、廃液排出頻度の算出方法も限定するものではないが、堆積状況カウント値を当該廃液タンクの総使用期間で除して求めることができる。つまり、(回復処理動作の総回数/経過期間)の演算によって求めることができる。この場合の当該廃液タンクの総使用期間は、例えば、装置寿命内に廃液タンクが交換されたときには、廃液タンクの総使用期間=(現在の日時−廃液タンク交換日)で、装置寿命内で廃液タンクが交換されていないときには、廃液タンクの総使用期間=(現在の日時−装置稼動開始日)で求められる。
【0076】
なお、経過期間には、通電状態でない時間も含む。より、具体的には、廃液タンクが交換されていない場合には、画像形成装置の初起動時刻を記憶しておき、現在時刻との差分により該経過期間を求めることが可能であり、廃液タンクが交換された場合は、交換時の時刻を記憶しておき、現在時刻との差分により該経過期間を求めることが可能ある。なお、廃液排出頻度及び堆積状況カウントの各演算処理を実行するタイミングとしては、廃液を排出直後、即ち回復動作終了時点が好ましい。
【0077】
これらの基準値を一定とする場合及び基準値を廃液排出頻度に応じて変更する場合の一例を図12に示している。同図中のケース1は廃液排出頻度にかかわらず基準値を一定値(例えば1000回)とした例、ケース2は廃液排出頻度に応じて基準値を変更(例えば500回〜1500回)とした例である。もちろん、これに限るものではない。
【0078】
次に、堆積満タン検出処理の他の例について図11をも参照して説明する。
ここでは、制御部200は、維持回復機構81による回復動作を実行したときに、回復動作の種類を判別し、環境条件を判別した後、回復動作の種類及び環境条件に応じて堆積状況カウンタを更新し、この堆積状況カウンタのカウント値が予め定めた基準値を超えているか否かを判別し、堆積状況カウンタのカウント値が基準値を超えていなければ廃液タンク100の空間105内の堆積状況は満タンではないとしてこの処理を抜け、堆積状況カウンタのカウント値が基準値を超えているときには廃液タンク100の空間105内の堆積状況が満タンであるとして、廃液タンク満タン信号を出力する。
【0079】
つまり、ここでは、回復動作の種類と環境条件に応じて堆積状況カウンタのカウント値を補正するようにしている。すなわち、廃液タンク100の空間105内における廃液の堆積の程度は廃液の流動性即ち廃液の粘度による影響を受ける。具体的には、図14に示すように、高湿のときよりも低湿のときの方が、粘度が高くなって、堆積の程度が相対的に多くなり、低温のときよりも高温のときの方が、乾燥が早くなって、堆積の程度が相対的に多くなる。
【0080】
そこで、環境条件に応じて堆積状況カウンタのカウント値に加算する加算値を設定しておき、環境条件の判別結果に応じて対応する加算値で堆積状況カウンタのカウント値を更新することより、より正確に廃液タンクの空間内における堆積状況を把握することができるようになり、より確実に廃液タンクの堆積による溢れを防止するとともにより効率的に廃液タンクを使用することができる。
【0081】
また、回復動作にも前述したように排出される廃液の量が異なる複数種類の動作があるので、回復動作の種類に応じて堆積状況カウンタのカウント値に加算する加算値を設定しておき、回復動作種類の判別結果に応じて対応する加算値で堆積状況カウンタのカウント値を更新することより、より正確に廃液タンクの空間内における堆積状況を把握することができるようになり、より確実に廃液タンクの堆積による溢れを防止するとともにより効率的に廃液タンクを使用することができる。
【0082】
上述した図14の例は、環境条件を「低温・低湿」、「低温・高湿」、「高温・低湿」、「高温・高湿」の4つに区分し、回復動作の種類を「回復動作A」(相対的に廃液量少)、「回復動作B」(相対的に廃液量中)、「回復動作C」(相対的に廃液量多)の3つに区分し、それぞれに加算値を設定したものである。
【0083】
上記の各処理において、堆積状況カウンタのカウント値が基準値を超えている場合には、廃液タンク満タン信号を出力する。この信号により、画像形成装置と連結したホスト側に、或いは操作/表示部5に満タンであることを表示するようにすることができる。また、満タン表示とともに、画像形成装置の利用そのものを禁止することも可能であるし、限定条件での使用を許諾する旨表示し、画像形成装置の利用可能状態を維持することも可能である。この場合は、限定条件として、廃液排出量や画像形成装置の利用時間等を所定値までに限定する方法などがあげられる。後者の場合、実際に画像形成装置利用禁止状態になる前に廃液タンクの交換等の機会を得ることができ、操作性に優れたものとなる。
【0084】
また、上記各実施形態では本発明に係る画像形成装置としてプリンタ構成で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す前方側から見た斜視説明図である。
【図2】同画像形成装置の機構部の概略を示す構成図である。
【図3】同機構部の要部平面説明図である。
【図4】同画像形成装置の廃液収容容器の一例を示す概略分解斜視説明図である。
【図5】同じく概略外観斜視説明図である。
【図6】同じく容器本体の平面説明図である。
【図7】同じく満タン検知手段の説明に供する説明図である。
【図8】同画像形成装置の制御部の概要を説明するブロック説明図である。
【図9】廃液収容容器に対する廃液投入までの流れを説明する模式的説明図である。
【図10】廃液収容容器の堆積満タン検出処理の一例を示すフロー図である。
【図11】同処理の説明に供する回復処理頻度と基準値の関係の一例を示す説明図である。
【図12】同じく回復処理頻度と基準値の関係の具体例を示す説明図である。
【図13】廃液収容容器の堆積満タン検出処理の他の例を示すフロー図である。
【図14】同処理の説明に供する回復動作種類及び環境条件と堆積状況カウンタの加算値の具体例を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0086】
10…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…サブタンク
81…維持回復機構
82…キャップ
83…ワイパーブレード
84…空吐出受け
100…廃液タンク
101…タンクケース本体
102…吸収部材
103…蓋部材
104…廃液投入口
105…空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録液の液滴を吐出して被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、廃液を収容する空間を有する廃液収容容器と、この廃液収容容器の空間内における廃液の堆積状況に相関する相関値を求める手段と、前記相関値が予め定めた基準値を越えたか否かを判別する手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記廃液収容容器の空間内における廃液の堆積状況に相関する相関値を、前記記録ヘッドから画像形成に関与しない記録液を排出させる回復処理動作の回数として求めることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記廃液収容容器は、前記空間とともに前記廃液を吸収保持する吸収部材を備え、前記吸収部材が満タンになったことを検知する満タン検知手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記廃液収容容器内の空間と吸収部材との容積比率が1:4〜3:2の範囲内であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記基準値は回復処理動作の頻度に基づいて変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、前記回復処理動作の頻度は当該廃液収容容器の総使用期間における回復処理動作の総回数に基づいて求めることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記基準値が一定値であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記相関値を環境条件に基づいて補正することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記相関値が予め定めた基準値を越えたときには装置の利用可能状態を制限することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記録液は少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率がインク全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ、水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を超える点を持つように構成された記録液であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−159465(P2006−159465A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350713(P2004−350713)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】