説明

画像形成装置

【課題】 ジャム処理の煩雑さを解消すること。
【解決手段】 第一の構造体21と、第二の構造体26と、フレーム10とで搬送路を形成し、ソレノイド28、及び、ソレノイド29の往復動によって、第一の構造体21と、第二の構造体26と、フレーム10は、回転支点23を中心にして同一回転方向へ分離開放され、センサ27、センサ38、センサ22−1、センサ22−2が印刷媒体のジャム発生位置を検出し、このジャム発生位置に基づいて、図示しない制御部(装置本体のCPU)が、ソレノイド28、及び、ソレノイド29の少なくとも一つを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ等の両面自動印刷可能な、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動両面印刷用の画像形成装置では、一面目印刷中のシートと二面目印刷中のシートが装置内を同時に搬送されているため、ジャム発生時に於けるジャムシートの発見、並びに除去が難しくなる。このジャムシートの発見、並びに除去を容易にするための技術が種々公開されている(例えば特許文献1参照)。この技術では、筐体を上部筐体と下部筐体(装置本体)とに2分割し、下部筐体の側面にあるヒンジ機構を中心にして上部筐体を上方向へ大きく開かせる。このようにしてシートの搬送路を開放した後、ジャムシートを搬送路中から発見し、除去する構成としている。従って、搬送路を開放した後、搬送路の一部を移動させる等して、オペレータが自分の目と手によってジャムシートを探し出さなければ成らないという煩雑さが伴っている。
【特許文献1】特開平8−151166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、ジャム処理には、上部筐体を上方向へ大きく開かせて搬送路を開放した後、更に搬送路の一部を移動させる等して、オペレータが自分の目と手によってジャムシートを探し出さなければ成らないという煩雑さが伴う点である。このように操作が煩雑であり、且つ、オペレータが自分の目と手によってジャムシートを探し出さなければ成らないので、ジャムシートの除去忘れ等が発生しやすくなるからである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、複数の構造体を相互に連結して搬送路を形成し、その搬送路の要所に複数のジャム検知手段を配設し、該ジャム検知手段がジャムを検知すると、分割開放制御手段が、その発生位置に基づいて、その位置でのジャム処理に最適な状態に上記搬送路を分割開放することを最も大きな特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
印刷中にジャムが発生すると、ジャム検知手段が、搬送路中に於けるジャム発生位置を検知し、分割開放制御手段が、その位置でのジャム処理に最適な状態に上記搬送路を分割開放するので、簡単にジャムシートを発見出来、又、容易にジャム処理を行うことが出来るという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
複数の構造体が、同一回転方向への分割開放を可能とする、同一の回転支点を有し、更に、複数の分割開放手段は、構成体相互間を摺動可能に連結するリンクと、前記摺動の可否を制御する電磁クラッチとを有することによって、最小の部品点数の増加で実現することが出来た。
【実施例1】
【0007】
図1は、実施例1を示す装置断面図である。
図に於いて1は、印刷用紙Pを収納するカセットであり、2は、印刷用紙Pを給紙補助ローラ3に圧接させるための印刷用紙受け板である。4は、給紙ローラであり分離ローラ5と共に印刷用紙を一枚づつ分離して給紙するためのローラである。6は、印刷用紙の斜行を矯正して搬送するレジストローラである。
【0008】
7は、レーザビームを照射するための露光装置である。このレーザビームによって感光ドラム8の表面に形成された静電潜像は、現像ユニット9によってトナー像に変換される。尚、複数個の現像ユニット9は、フレーム10に着脱可能に位置決めされて取り付けられている。11は、転写ベルトユニットであり、その内部には、上記複数の感光ドラム8に対応する位置に転写ローラ12が配設されている。14は、トナー像を印刷用紙Pに定着させるための定着器である。
【0009】
15は、搬送されてきた印刷用紙Pを排紙トレイ16に積載するための排紙ローラである。また、上記フレーム10には、用紙ガイド35と、定着器14から送られてきた印刷用紙Pを搬送路切換ガイド17へ導く用紙ガイド37が設けられている。用紙ガイド35には、印刷用紙を検出するセンサ36が配設され、用紙ガイド37には、印刷用紙Pを検出するセンサ38が配設されている。
【0010】
18は、両面印刷時に排紙ローラ15が逆転することによってスイッチバックする印刷用紙Pを搬送する両面搬送路である。両面搬送路18には、複数の搬送ローラ19、及び、再給紙ローラ20が設けられており、再度レジストローラ6の側へ印刷用紙Pを搬送出来るように成っている。21は、上記両面搬送路18の装置外側の用紙ガイド面を成し、上記搬送ローラ19と、印刷用紙Pを検出可能なセンサ22(22−1及び22−2)を有する第一の構造体である。
【0011】
第一の構造体21は、フレーム10に、回転支点23で軸支され、又、第一の構造体21の(図中)上方に設けられたハンドル24がフレーム10に設けられた突起部25と係合することによって固定されている。26は、上記両面搬送路18の装置内側の用紙ガイド面を成し、上記転写ベルトユニット11を保持する第二の構造体である。この第二の構造体26は、フレーム10に回転支点23で軸支され、上記第一の構造体21と感光ドラム8を有する複数の現像ユニット9との間で挟み込まれるように固定されている。
【0012】
又、上記第二の構造体26には、印刷用紙Pを検出可能なセンサ27と、ソレノイド28、29、が配設されている。ソレノイド28の往復動によって、ラッチ30が回転運動し、上記第一の構造体21に配設されているボス31と係合、又は、離反することによって上記第一の構造体21との連結、開放が行われる。又、ソレノイド29の往復動によって、リンク33が駆動され、そのリンク33の往復動によってラッチ32が回転運動し、上記フレーム10に配設されているボス34と係合、又は、離反することによって上記フレーム10との連結、開放が行われる。上記第一の構造体21と上記第二の構造体26との連結、開放が行われる詳細と、上記フレーム10と上記第二の構造体26との連結、開放が行われる詳細については、後に続く動作説明の項で詳細な図面を用いて再度説明する。更に、これらの動作を含め、装置全体を制御する制御部が、図示しない電気系統に接続されている。
【0013】
次に、実施例1の動作について説明する。
最初に図1を用いて装置全体の動作概要について説明し、続いて他の図を用いて、印刷用紙Pの搬送動作中に於けるジャムの検出及びジャム処理制御の方法について詳細に説明する。
【0014】
印刷動作が開始されると、カセット1に収納された印刷用紙Pは、給紙補助ローラ3により取り込まれ、更に、給紙ローラ4と、分離ローラ5に挟み込まれ、一枚づつ分離された状態でレジストローラ6へ送られる。印刷用紙Pは、レジストローラ6に突き当たることによって斜行が矯正される。この印刷用紙Pは、現像ユニット9によって感光ドラム8の表面に形成されたトナー像が、感光ドラム8の回転によって搬送路に近づいてくるタイミングに合わせて転写ローラ12へ送られる。ここでトナー像は、印刷用紙Pの上に転写され、その後定着器14を通過することによって印刷用紙Pに定着される。両面印刷を行わない場合、又は、二面目の画像形成が終了している場合は、印刷用紙Pは排紙ローラ15によって排紙トレイ16の上に排出積載される。
【0015】
又、両面印刷を行う場合には、正回転する排紙ローラ15によって、印刷用紙Pは、その後端が搬送路切換ガイド17を通過するまで搬送される。そのとき、印刷用紙Pがくわえ込まれている状態で排紙ローラ15の回転が正回転から逆回転に変換され、印刷用紙Pはスイッチバックされる。同時に搬送路切換ガイド17によって搬送路が切り換えられ、印刷用紙Pは両面搬送路18へ搬送される。次に、印刷用紙Pは、搬送ローラ19、再給紙ローラ20によって再度レジストローラ6へ搬送され、二面目の画像形成が同様に行われた後、排紙トレイ16へ排出積載される。以上で装置全体の動作概要についての説明を終了し、ジャムの検出及びジャム処理制御について説明する。
【0016】
図2は、実施例1のジャム処理制御のフローチャートである。
図3は、実施例1を示す装置の詳細図である。
この図は、図1の中で図2のフロー説明に必要な部分のみを拡大した詳細図である。
図4は、実施例1の動作を示す装置断面図(その1)である。
この図は、図2のフロー説明に必要な動作説明図である。
図5は、実施例1の動作を示す装置断面図(その2)である。
この図は、図2のフロー説明に必要な動作説明図である。
【0017】
図2のステップに基づいて印刷用紙Pの搬送動作中に於けるジャムの検出及びジャム処理制御の方法の詳細についてステップS1−1からステップS1−14までステップ順に説明する。最初にフローの説明に用いる記号について定義する。
T1(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ27(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T2(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ38(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T3(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ22−1(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T4(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ22−2(図1)を通過するまでの見込み時間である。
尚、T1(S)、T2(S)、T3(S)、T4(S)の各見込み時間は、装置全体を制御する制御部(図示していない)の内部に有するタイマに、予め設定されているものとする。
【0018】
ステップS1−1
印刷処理が開始され、印刷用紙Pがカセット1(図1)から搬送開始される。同時に制御部(図示していない)のタイマが計時を開始する。
ステップS1−2
センサ27(図1)がT1(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合にはステップS1−3へ進み、検知した場合にはステップS1−5へ進む。
【0019】
ステップS1−3
センサ27(図1)がT1(S)以内に印刷用紙Pを検知しないので、給紙の途中でジャムが発生し、印刷用紙Pが現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間に残っていると判断される。制御部(図示していない)は、装置を停止させ、ソレノイド29(図3)を駆動し、リンク33(図3)の往復動によってラッチ32(図3)を回転させ、ボス34(図3)との係合を解く。
【0020】
ステップS1−4
制御部(図示していない)は、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシート(印刷用紙P)の除去を求める。
【0021】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図1)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図1)とフレーム10(図1)に設けられている突起部25(図1)との係合が解かれ、図4に示すように第一の構造体21及び第二の構造体26は、回転支点23を中心にして回転し、開放される。このとき、第二の構造体26は、ラッチ30が第一の構造体21に設けられているボス31と係合しているため第一の構造体21と第二の構造体26は、一体化している。このように、現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)との間でジャムが発生しても、一つのハンドル操作で印刷用紙Pが残留している場所のみが大きく開き、簡単にジャムシートを発見可能であり、又容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0022】
ステップS1−5
センサ38(図1)がT2(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合には、印刷用紙Pが現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間での搬送途中でジャムが発生しており、印刷用紙Pが現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間に残っていると判断される。従って、ステップS1−2でセンサ27(図1)がT1(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合と同様にステップS1−3、ステップS1−4へ進んで同様のジャム処理が行われる。一方、センサ38(図1)がT2(S)以内に印刷用紙Pを検知した場合にはステップS1−6へ進む。
【0023】
ステップS1−6
両面印刷を必要としていない場合(片面印刷の場合)にはステップS1−7へ進み、両面印刷を必要としている場合にはステップS1−9へ進む。
ステップS1−7
後に続く印刷データがある場合にはステップS1−8へ進み、無い場合にはフローを終了する。
ステップS1−8
制御部(図示していない)はタイマを0にリセットしてステップS1−1へ戻り次の印刷を開始する。
【0024】
ステップS1−9
両面印刷を必要としている場合であっても、両面とも印刷が終了している場合にも、ステップS1−7へ進み、ステップS1−6における片面印刷の場合と同様の処理がなされる。一方、両面印刷を必要としている場合であって、未だ一面目のみ印刷が終了した場合にはステップS1−10へ進む。
【0025】
ステップS1−10
センサ22−1(図1)がT3(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合にはステップS1−11へ進み、検知した場合にはステップS1−13へ進む。
【0026】
ステップS1−11
センサ22(図1)がT3(S)以内に印刷用紙Pを検知しないので、両面搬送路18の入り口でジャムが発生し、印刷用紙Pが両面搬送路18の中に残っていると判断される。制御部(図示していない)は、装置を停止させ、ソレノイド28(図3)を駆動し、ラッチ30(図3)を回転させ、ボス31(図3)との係合を解く。
【0027】
ステップS1−12
制御部(図示していない)は、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシートの除去を求める。
【0028】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図1)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図1)とフレーム10(図1)に設けられている突起部25(図1)との係合が解かれ、図5に示すように第一の構造体21は、回転支点23を中心にして回転し、開放される。このとき、第二の構造体26は、ラッチ32(図3)がフレーム10に設けられているボス34(図3)と係合しているためフレーム10と第二の構造体26は、一体化している。このように、両面搬送路18(図1)の中でジャムが発生しても、一つのハンドル操作で印刷用紙Pが残留している場所のみが大きく開き、簡単にジャムシートを発見可能であり、又容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0029】
ステップS1−13
センサ22−2(図1)がT4(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合には、印刷用紙が両面搬送路18(図1)の搬送途中でジャムが発生しており、印刷用紙Pが両面搬送路18(図1)の中に残っていると判断される。従って、ステップS1−10でセンサ22−1(図1)がT4(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合と同様にステップS1−11、ステップS1−12へ進んで同様のジャム処理が行われる。一方、センサ22−2(図1)がT4(S)以内に印刷用紙Pを検知した場合にはステップS1−14へ進む。
【0030】
ステップS1−14
制御部(図示していない)は、タイマを0にリセットしてステップS1−2へ戻り二面目の印刷を開始する。
又、印刷用紙Pが複数枚連続で搬送されている途中でジャムが発生した場合、現像ユニット9と、転写ベルトユニット11との間と、両面搬送路18中の両方に印刷用紙Pが残ることもあり得る。この場合には、ジャムが発生した場所に残った印刷用紙Pを取り除けば、それ以外の印刷用紙Pは搬送され、排紙トレイ16へと排出積載されるので印刷処理を再開することが出来る。
【0031】
以上説明したように、本実施例によれば、印刷処理中にジャムが発生した場合に、印刷用紙の残っている場所が検出され、その場所に応じて構造体を連結又は開放できる構成を有しているので、一つのハンドル操作によって、印刷用紙が残っている場所を大きく開くことが出来るので、簡単にジャムシートを発見出来、容易にジャム処理を行うことが出来るという効果を得る。
【実施例2】
【0032】
上記実施例1では、印刷用紙Pが複数枚連続で搬送されている場合についても適用出来るが、現像ユニット9と転写ベルトユニット11の間と、両面搬送路18中の両方に残存している印刷用紙のジャム処理までは考慮していない。本実施例では、現像ユニット9と転写ベルトユニット11の間と、両面搬送路18中の一方のみでジャムが発生しているが、ジャムが発生していない他方をも含めてジャム処理する場合、及び、両方でほぼ同時にジャムが発生した場合についてのジャム処理について対応する。
【0033】
図6は、実施例2を示す装置断面図である。
図7は、A部(図6)拡大図である。
実施例1との相違部分のみについて説明する。実施例1と同一の部分については同一の符合を付して説明を省略する。
図に示すように、フレーム10に固定されたソレノイド40と、該ソレノイド40の往復動に連動して、フレーム10に設けられている回転支点42を中心にして回動するラッチ41が実施例1の画像形成装置に追加されているのみである。図に示すように、ラッチ41は、第二の構造体26の回転支点23の近傍に設けられている突起部39と、係合、又は、離反するように配設されている。
【0034】
次に、実施例2の動作について説明する。
装置全体の動作概要については実施例1と同様なので説明を省略し、印刷用紙Pの搬送動作中に於けるジャムの検出、及びジャム処理制御の方法について詳細に説明する。
図8は、実施例2のジャム処理制御のフローチャートである。
図8のステップS2−1からステップS2−20までステップ順に印刷用紙Pの搬送動作中に於けるジャムの検出、及びジャム処理制御の方法の詳細について説明する。最初にフローの説明に用いる記号について定義する。
T1(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ27(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T2(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ38(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T3(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ22−1(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T4(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ22−2(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T5(S)は、印刷用紙Pがセンサ22−1(図1)又はセンサ22−2(図1)を通過した時刻を基点にして経過する所定の時間である。
T6(S)は、印刷用紙Pがセンサ27(図1)又はセンサ38(図1)を通過した時刻を基点にして経過する所定の時間である。
尚、T1(S)、T2(S)、T3(S)、T4(S)の各見込み時間、及びT5(S)、T6(S)の各経過時間は、装置全体を制御する制御部(図示していない)のタイマに、予め設定されているものとする。
【0035】
ステップS2−1
印刷用紙P1がカセット1(図1)から搬送開始される。同時に制御部(図示していない)のタイマが計時を開始する。
ステップS2−2
センサ27(図1)がT1(S)以内に印刷用紙P1を検知しない場合にはステップS2−3へ進み、検知した場合にはステップS2−8へ進む。
【0036】
ステップS2−3
センサ22−1又はセンサ22−2が印刷用紙P0を検出してT5(S)以内ならばステップS2−4へ進み、それ以外の場合にはステップS2−6へ進む。
【0037】
ステップS2−4
センサ27(図1)がT1(S)以内に印刷用紙P1を検知しないので、給紙の途中でジャムが発生し、印刷用紙P1が現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間に残っていると判断される。更に、センサ22−1又はセンサ22−2が印刷用紙P0を検出してT5(S)以内ならば、(ジャム発生の有無に関わらず)まだ印刷用紙P0が両面搬送路18(図1)中に残っているとみなされる。そこで制御部(図示していない)は、装置を停止させ、ソレノイド28と29を駆動し、第一の構造体21、第二の構造体26、及びフレーム10のそれぞれを分離する。更に、ソレノイド40を駆動して、第二の構造体26の突起部39がラッチ41と係合可能状態にする。
【0038】
ステップS2−5
制御部(図示していない)は、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシートの除去を求める。
【0039】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図1)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図1)とフレーム10(図1)に設けられている突起部25(図1)との係合が解かれ、第一の構造体21と、第二の構造体26とは、回転支点23を中心に回転してそれぞれ開放される。但し、第二の構造体26は、所定の角度回転すると第二の構造体26の突起部39がラッチ41と係合し(図7)、そこで回転停止する。一方、第一の構造体21は、実施例1と同様の角度まで回転して停止する。その結果図6に示すように、フレーム10と、第一の構造体21と、第二の構造体26とは、それぞれ離反した状態になって開放される。
【0040】
従って、現像ユニット9(図1)と、転写ベルトユニット11(図1)の間、及び両面搬送路18(図1)中の両方でジャムが発生しても一つのハンドル操作で印刷用紙P0及び印刷用紙P1が残留した場所を同時に大きく開き、簡単にジャムシートを発見し、容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0041】
ステップS2−6
センサ27(図1)がT1(S)以内に印刷用紙P1を検知しないので、給紙の途中でジャムが発生し、印刷用紙Pが現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間に残っていると判断される。又、センサ22−1又はセンサ22−2が印刷用紙P0を検出してからT5(S)を経過しているので、両面搬送路18(図1)には印刷用紙P0は、存在しないと判断されるので、制御部(図示していない)は、装置を停止させ、ソレノイド29(図3)を駆動し、リンク33(図3)の往復動によってラッチ32(図3)を回転させ、ボス34(図3)との係合を解く。
【0042】
ステップS2−7
制御部(図示していない)は、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシートの除去を求める。
【0043】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図1)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図1)とフレーム10(図1)に設けられている突起部25(図1)との係合が解かれ、実施例1の図4に示すと同様に、第一の構造体21及び第二の構造体26は、回転支点23を中心にして回転し、開放される。このとき、第二の構造体26は、ラッチ30が第一の構造体21に設けられているボス31と係合しているため第一の構造体21と第二の構造体26は、一体化している。このように、現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)との間でジャムが発生しても、一つのハンドル操作で印刷用紙P1が残留している場所のみが大きく開き、簡単にジャムシートを発見可能であり、又容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0044】
ステップS2−8
センサ38(図1)がT2(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合には、印刷用紙P1が現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間での搬送途中でジャムが発生しており、印刷用紙P1が現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間に残っていると判断される。従って、ステップS2−2でセンサ27(図1)がT1(S)以内に印刷用紙P1を検知しない場合と同様にステップS2−3を通って、ステップS2−4、又はステップS2−6へ進んで同様のジャム処理が行われる。一方、センサ38(図1)がT2(S)以内に印刷用紙Pを検知した場合にはステップS2−9へ進む。
【0045】
ステップS2−9
両面印刷を必要としていない場合(片面印刷の場合)にはステップS2−10へ進み、両面印刷を必要としている場合にはステップS2−12へ進む。
ステップS2−10
後に続く印刷データがある場合にはステップS2−11へ進み、無い場合にはフローを終了する。
ステップS2−11
制御部(図示していない)はタイマを0にリセットしてステップS2−1へ戻り次の印刷を開始する。
【0046】
ステップS2−12
両面印刷を必要としている場合であっても、両面とも印刷が終了している場合には、ステップS2−10へ進み、ステップS2−9における片面印刷の場合と同様の処理がなされる。一方、両面印刷を必要としている場合であって、未だ一面目のみ印刷が終了した場合にはステップS2−13へ進む。
ステップS2−13
センサ22−1(図1)がT3(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合にはステップS2−14へ進み、検知した場合にはステップS2−19へ進む。
【0047】
ステップS2−14
センサ27又はセンサ38が印刷用紙P2を検出してT6(S)以内ならばステップS2−15へ進み、それ以外の場合にはステップS2−17へ進む。
【0048】
ステップS2−15
センサ22−1(図1)がT3(S)以内に印刷用紙P1を検知しないので、両面搬送路18(図1)中でジャムが発生し、印刷用紙P1が両面搬送路18(図1)中に残っていると判断される。更に、センサ27(図1)又は、センサ38(図1)が印刷用紙P2を検出してT6(S)以内なので、(ジャム発生の有無に関わらず)まだ印刷用紙P2が現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間に残っていると判断される。そこで制御部(図示していない)は、装置を停止させ、ソレノイド28と29を駆動し、第一の構造体21、第二の構造体26、及びフレーム10のそれぞれを分離する。更に、ソレノイド40を駆動して、第二の構造体26の突起部39がラッチ41と係合可能状態にする。
【0049】
ステップS2−16
制御部(図示していない)は、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシート(印刷用紙P)の除去を求める。
【0050】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図1)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図1)とフレーム10(図1)に設けられている突起部25(図1)との係合が解かれ、第一の構造体21と、第二の構造体26とは、回転支点23を中心に回転してそれぞれ開放される。但し、第二の構造体26は、所定の角度回転すると第二の構造体26の突起部39がラッチ41と係合し(図7)、そこで回転停止する。一方、第一の構造体21は、実施例1と同様の角度まで回転して停止する。その結果図6に示すように、フレーム10と、第一の構造体21と、第二の構造体26とは、それぞれ離反した状態になって開放される。
【0051】
従って、現像ユニット9(図1)と、転写ベルトユニット11(図1)の間、及び両面搬送路18(図1)中の両方でジャムが発生しても一つのハンドル操作で印刷用紙P1及び印刷用紙P2が残留した場所を同時に大きく開き、簡単にジャムシートを発見し、容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0052】
ステップS2−17
センサ22−1(図1)がT3(S)以内に印刷用紙Pを検知しないので、両面搬送路18の入り口でジャムが発生し、印刷用紙P1が両面搬送路18の中に残っていると判断される。更に、センサ27又はセンサ38が印刷用紙P2が現像ユニット9(図1)と転写ベルトユニット11(図1)の間に残っていないと判断されるので、制御部(図示していない)は、装置を停止させ、ソレノイド28(図3)を駆動し、ラッチ30(図3)を回転させ、ボス31(図3)との係合を解く。
【0053】
ステップS2−18
制御部(図示していない)は、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシートの除去を求める。
【0054】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図1)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図1)とフレーム10(図1)に設けられている突起部25(図1)との係合が解かれ、図5に示すように第一の構造体21は、回転支点23を中心にして回転し、開放される。このとき、第二の構造体26は、ラッチ32(図3)がフレーム10に設けられているボス34(図3)と係合しているためフレーム10と第二の構造体26は、一体化している。このように、両面搬送路18(図1)の中でジャムが発生しても、一つのハンドル操作で印刷用紙P1が残留している場所のみが大きく開き、簡単にジャムシートを発見可能であり、又容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0055】
ステップS2−19
センサ22−2(図1)がT4(S)以内に印刷用紙P1を検知しない場合には、印刷用紙が両面搬送路18(図1)の搬送途中でジャムが発生しており、印刷用紙P1が両面搬送路18(図1)の中に残っていると判断される。従って、ステップS2−13でセンサ22−1(図1)がT4(S)以内に印刷用紙P1を検知しない場合と同様にステップS2−14を通り、ステップS2−15又はステップS2−17へ進んで同様のジャム処理が行われる。一方、センサ22−2(図1)がT4(S)以内に印刷用紙Pを検知した場合にはステップS2−20へ進む。
【0056】
ステップS2−20
制御部(図示していない)のタイマを0にリセットしてステップS2−2へ戻り二面目の印刷を開始する。
【0057】
以上説明したように、本実施例によれば、印刷用紙の残っている場所が検出され、その場所に応じて構造体を連結又は開放できる構成を有しているので、一つのハンドル操作によって、印刷用紙が残っている場所を大きく開くことが出来るので、複数箇所でジャムが発生した場合、或いは又一カ所でジャムが発生しているが、他の場所に残存している印刷用紙をも排除したい場合に、簡単にジャムシートを発見出来、容易にジャム処理を行うことが出来るという効果を得る。
【実施例3】
【0058】
実施例1では、図2を用いて説明したように、第二の構造体26にソレノイド28及びソレノイド29を配設し、第一の構造体21と第二の構造体26とを一体に連結した状態で、フレーム10と連結、開放したり、第二の構造体26とフレーム10とを一体に連結した状態で、第一の構造体と連結、開放したりすることを可能にした。実施例2では、図7を用いて説明したように、実施例1に追加して、フレーム10にソレノイド40を配設し、第一の構造体21と第二の構造体26との間、第二の構造体26とフレーム10との間を同時に開放することを可能にした。本実施例では、ソレノイド28、ソレノイド29、及び、ソレノイド40に換えて、第一の構造体21と第二の構造体26との間、第二の構造体26とフレーム10との間にそれぞれ電磁チャックで制御可能なリンクを配設し、上記実施例1の機能と、上記実施例2の機能とを共に可能にする。
【0059】
図9は、実施例3を示す装置断面図である。
図10は、実施例3を示す要部詳細図である。
実施例1(図1)との相違部分のみについて説明し、実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符合を付して説明を省略する。
図9に於いて、55は、各構成部分を配設するためのフレームである。43は、第一の構造体であって、フレーム55に、回転支点23で軸支され、又、第一の構造体43の(図中)上方に設けられたハンドル24がフレーム55に設けられた突起部25と係合することによって固定されている。44は、第二の構造体であってフレーム55に回転支点23で軸支され、上記第一の構造体43と複数の現像ユニット9との間で挟み込まれるように固定されている。
【0060】
図10に示すように、第二の構造体44に固定された軸45に取り付けられ、非通電時は、軸45を中心に回転可能なギア部分を有する電磁クラッチ46が配設されている。48は、リンクであり、電磁クラッチ46を挟み込み、電磁クラッチ46のギアと係合するラックギア47を有している。またリンク48は、端部が第一の構造体43に設けられたボス49に回転可能に取り付けられている。又フレーム55には、フレーム55に固定された軸50に取り付けられ、非通電時は、軸50を中心に回転可能なギア部分を有する電磁クラッチ51が配設されている。52は、リンクである。電磁クラッチ51を挟み込み、電磁クラッチ51のギアと係合するラックギア53を有している。また、リンク52は、端部が第二の構造体44に設けられたボス54に回転可能に取り付けられている。
【0061】
次に、実施例3の動作について説明する。
装置全体の動作概要については実施例1と同様なので説明を省略し、印刷用紙Pの搬送動作中に於けるジャムの検出、及びジャム処理制御の方法について詳細に説明する。
図11は、実施例3のジャム処理制御のフローチャートである。
図12は、実施例3の動作を示す装置断面図(その1)である。
図13は、実施例3の動作を示す装置断面図(その2)である。
図14は、実施例3の動作を示す装置断面図(その3)である。
図12、図13、図14は、図11のフローの中で装置の開放状態を説明する図である。
【0062】
図11のステップS3−1からステップS3−18までステップ順に印刷用紙Pの搬送動作中に於けるジャムの検出、及びジャム処理制御の方法の詳細について説明する。最初にフローの説明に用いる記号について定義する。
T1(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ27(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T2(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ38(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T3(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ22−1(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T4(S)は、印刷用紙Pの搬送開始時刻から、印刷用紙Pがセンサ22−2(図1)を通過するまでの見込み時間である。
T5(S)は、印刷用紙Pがセンサ22−1(図1)又はセンサ22−2(図1)を通過した時刻を基点にして経過する所定の時間である。
T6(S)は、印刷用紙Pがセンサ27(図1)又はセンサ38(図1)を通過した時刻を基点にして経過する所定の時間である。
尚、T1(S)、T2(S)、T3(S)、T4(S)の各見込み時間、及びT5(S)、T6(S)の各経過時間は、装置全体を制御する制御部(図示していない)の内部に有するタイマに、予め設定されているものとする。
【0063】
ステップS3−1
印刷用紙P1がカセット1(図9)から搬送開始される。同時に制御部(図示していない)のタイマが計時を開始する。
ステップS3−2
センサ27(図9)がT1(S)以内に印刷用紙P1を検知しない場合にはステップS3−3へ進み、検知した場合にはステップS3−7へ進む。
【0064】
ステップS3−3
センサ22−1又はセンサ22−2が印刷用紙P0を検出してT5(S)以内ならばステップS2−4へ進み、それ以外の場合にはステップS2−6へ進む。
ステップS3−4
センサ27(図9)がT1(S)以内に印刷用紙P1を検知しないので、給紙の途中でジャムが発生し、印刷用紙P1が現像ユニット9(図9)と転写ベルトユニット11(図9)の間に残っていると判断される。更に、センサ22−1又はセンサ22−2が印刷用紙P0を検出してT5(S)以内ならば、(ジャム発生の有無に関わらず)まだ印刷用紙P0が両面搬送路18(図9)中に残っているとみなされる。そこで制御部(図示していない)は、装置を停止させ、電磁クラッチ46、51とも非通電に制御し、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシートの除去を求める。この状態では、第一の構造体43、第二の構造体44、及びフレーム55のそれぞれ分離状態にある。
【0065】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図9)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図9)とフレーム55(図9)に設けられている突起部25(図9)との係合が解かれ、第一の構造体43と、第二の構造体44とは、回転支点23を中心に回転してそれぞれ開放され図12の状態になる。
【0066】
図12に示すように、このとき第二の構造体44は、電磁クラッチ51が自由に回転するのでリンク52がスライドし、リンク52の端部が電磁クラッチ51のギア部分に突き当たるまで回転する。又、第一の構造体43は、電磁クラッチ46が自由に回転することでリンク48がスライドし、リンク48の端部が電磁クラッチ46のギア部分に突き当たるまで回転する。その結果、フレーム55と、第一の構造体43と、第二の構造体44とは、それぞれ離反した状態になって開放される。
【0067】
従って、現像ユニット9(図9)と、転写ベルトユニット11(図9)の間、及び両面搬送路18(図9)中の両方でジャムが発生しても一つのハンドル操作で印刷用紙P0及び印刷用紙P1が残留した場所を同時に大きく開き、簡単にジャムシートを発見し、容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0068】
ステップS3−5
センサ27(図9)がT1(S)以内に印刷用紙P1を検知しないので、給紙の途中でジャムが発生し、印刷用紙Pが現像ユニット9(図9)と転写ベルトユニット11(図9)の間に残っていると判断される。又、センサ22−1又はセンサ22−2が印刷用紙P0を検出してからT5(S)を経過しているので、両面搬送路18(図9)には印刷用紙P0は、存在しないと判断されるので、制御部(図示していない)は、装置を停止させ、電磁クラッチ46に通電する。
【0069】
ステップS3−6
制御部(図示していない)は、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシートの除去を求める。
【0070】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図9)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図9)とフレーム10(図9)に設けられている突起部25(図9)との係合が解かれ、第一の構造体43及び第二の構造体44は、回転支点23を中心にして回転し、開放される。この状態を示す図が図13である。
【0071】
図13に示すように、このとき電磁クラッチ46のギア部分が回転しない状態になるためリンク48は、スライドせずに固定された状態となる。その結果、第一の構造体43と第二の構造体44は、一体化している。このように、現像ユニット9(図9)と転写ベルトユニット11(図9)との間でジャムが発生しても、一つのハンドル操作で印刷用紙P1が残留している場所のみが大きく開き、簡単にジャムシートを発見可能であり、又容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0072】
ステップS3−7
センサ38(図9)がT2(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合には、印刷用紙P1が現像ユニット9(図9)と転写ベルトユニット11(図9)の間での搬送途中でジャムが発生しており、印刷用紙P1が現像ユニット9(図9)と転写ベルトユニット11(図9)の間に残っていると判断される。従って、ステップS3−2でセンサ27(図9)がT1(S)以内に印刷用紙P1を検知しない場合と同様にステップS3−3を通って、ステップS3−4、又はステップS3−5へ進んで同様のジャム処理が行われる。一方、センサ38(図9)がT2(S)以内に印刷用紙Pを検知した場合にはステップS3−8へ進む。
【0073】
ステップS3−8
両面印刷を必要としていない場合(片面印刷の場合)にはステップS3−9へ進み、両面印刷を必要としている場合にはステップS3−11へ進む。
ステップS3−9
後に続く印刷データがある場合にはステップS3−10へ進み、無い場合にはフローを終了する。
ステップS3−10
制御部(図示していない)はタイマを0にリセットしてステップS3−1へ戻り次の印刷を開始する。
【0074】
ステップS3−11
両面印刷を必要としている場合であっても、両面とも印刷が終了している場合には、ステップS3−9へ進み、ステップS3−8における片面印刷の場合と同様の処理がなされる。一方、両面印刷を必要としている場合であって、未だ一面目のみ印刷が終了した場合にはステップS3−12へ進む。
ステップS3−12
センサ22−1(図9)がT3(S)以内に印刷用紙Pを検知しない場合にはステップS3−13へ進み、検知した場合にはステップS3−17へ進む。
【0075】
ステップS3−13
センサ27又はセンサ38が印刷用紙P2を検出してT6(S)以内ならばステップS3−14へ進み、それ以外の場合にはステップS3−15へ進む。
【0076】
ステップS3−14
センサ22−1(図9)がT3(S)以内に印刷用紙P1を検知しないので、両面搬送路18(図9)中でジャムが発生し、印刷用紙P1が両面搬送路18(図9)中に残っていると判断される。更に、センサ27(図9)又は、センサ38(図9)が印刷用紙P2を検出してT6(S)以内なので、(ジャム発生の有無に関わらず)まだ印刷用紙P2が現像ユニット9(図9)と転写ベルトユニット11(図9)の間に残っていると判断される。そこで制御部(図示していない)は、装置を停止させ、電磁クラッチ46、51(図9)とも非通電に制御し、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシートの除去を求める。この状態では、第一の構造体43(図9)、第二の構造体44(図9)、及びフレーム55(図9)のそれぞれ分離状態にある。
【0077】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図9)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図9)とフレーム55(図9)に設けられている突起部25(図9)との係合が解かれ、第一の構造体43(図9)と、第二の構造体44(図9)とは、回転支点23(図9)を中心に回転してそれぞれ開放され図12の状態になる。
【0078】
図12に示すように、このとき第二の構造体44は、電磁クラッチ51が自由に回転するのでリンク52がスライドし、リンク52の端部が電磁クラッチ51のギア部分に突き当たるまで回転する。又、第一の構造体43は、電磁クラッチ46が自由に回転することでリンク48がスライドし、リンク48の端部が電磁クラッチ46のギア部分に突き当たるまで回転する。その結果、フレーム55と、第一の構造体43と、第二の構造体44とは、それぞれ離反した状態になって開放される。
【0079】
従って、現像ユニット9(図9)と、転写ベルトユニット11(図9)の間、及び両面搬送路18(図9)中の両方でジャムが発生しても一つのハンドル操作で印刷用紙P0及び印刷用紙P1が残留した場所を同時に大きく開き、簡単にジャムシートを発見し、容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0080】
ステップS3−15
センサ22−1(図9)がT3(S)以内に印刷用紙P1を検知しないので、両面搬送路18(図9)中でジャムが発生し、印刷用紙P1が両面搬送路18(図9)中に残っていると判断される。更に、センサ27(図9)又は、センサ38(図9)が印刷用紙P2を検出してT6(S)を経過しているので、印刷用紙P2が現像ユニット9(図9)と転写ベルトユニット11(図9)の間に残っていないと判断される。そこで制御部(図示していない)は、装置を停止させ、電磁クラッチ51(図9)に通電する。
【0081】
ステップS3−16
制御部(図示していない)は、所定の表示部(図示していない)にジャムの発生を表示してオペレータに知らせてジャムシートの除去を求める。
【0082】
この状態でオペレータがジャムシートを除去するためにハンドル24(図9)を上方へ引き上げると、ハンドル24(図9)とフレーム10(図9)に設けられている突起部25(図9)との係合が解かれ、第一の構造体43(図9)は、回転支点23(図9)を中心にして回転し、開放される。この状態を示す図が図14である。
【0083】
図14に示すように、このとき電磁クラッチ51のギア部分が回転しない状態になるためリンク52は、スライドせずに固定された状態となる。その結果、第二の構造体44とフレーム55とは、一体化している。このように、現像ユニット9(図9)と転写ベルトユニット11(図9)との間でジャムが発生しても、一つのハンドル操作で印刷用紙P1が残留している場所のみが大きく開き、簡単にジャムシートを発見可能であり、又容易にジャム処理を行うことが出来る。
【0084】
ステップS3−17
センサ22−2(図9)がT4(S)以内に印刷用紙P1を検知しない場合には、印刷用紙が両面搬送路18(図9)の搬送途中でジャムが発生しており、印刷用紙P1が両面搬送路18(図9)の中に残っていると判断される。従って、ステップS2−13でセンサ22−1(図9)がT4(S)以内に印刷用紙P1を検知しない場合と同様にステップS3−13を通り、ステップS3−14又はステップS3−15へ進んで同様のジャム処理が行われる。一方、センサ22−2(図9)がT4(S)以内に印刷用紙Pを検知した場合にはステップS3−18へ進む。
【0085】
ステップS3−18
制御部(図示していない)はタイマを0にリセットしてステップS3−2へ戻り二面目の印刷を開始する。
【0086】
以上説明したように、本実施例によれば、印刷用紙の残っている場所が検出され、その場所に応じて構造体を連結又は開放できる構成を有しているので、一つのハンドル操作によって、印刷用紙が残っている場所を大きく開くことが出来るので、複数箇所でジャムが発生した場合、或いは又一カ所でジャムが発生しているが、他の場所に残存している印刷用紙をも排除したい場合であっても、簡単にジャムシートを発見出来、容易にジャム処理を行うことが出来るという実施例2の効果を部品点数が少なく、且つ、簡単な構成によって達成出来るという効果を得る。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上の説明では、本発明をプリンタに適用させた場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。即ち、ファクシミリ装置、複写機、プロッタなどにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施例1を示す装置断面図である。
【図2】実施例1のジャム処理制御のフローチャートである。
【図3】実施例1を示す装置の詳細図である。
【図4】実施例1の動作を示す装置断面図(その1)である。
【図5】実施例1の動作を示す装置断面図(その2)である。
【図6】実施例2を示す装置断面図である。
【図7】A部(図6)拡大図である。
【図8】実施例2のジャム処理制御のフローチャートである。
【図9】実施例3を示す装置断面図である。
【図10】実施例3を示す要部詳細図である。
【図11】実施例3のジャム処理制御のフローチャートである。
【図12】実施例3の動作を示す装置断面図(その1)である。
【図13】実施例3の動作を示す装置断面図(その2)である。
【図14】実施例3の動作を示す装置断面図(その3)である。
【符号の説明】
【0089】
1 カセット
2 給紙補助ローラ
3 印刷用紙受け板
4 給紙ローラ
5 分離ローラ
6 レジストローラ
7 露光装置
8 感光ドラム
9 現像ユニット
10 フレーム
11 転写ベルトユニット
12 転写ローラ
14 定着器
15 排紙ローラ
16 排紙トレイ
17 搬送路切換ガイド
18 両面搬送路
19 搬送ローラ
20 再給紙ローラ
21 第一の構造体
22 センサ
23 回転支軸
24 ハンドル
25 突起部
26 第二の構造体
27 センサ
28 ソレノイド
29 ソレノイド
30 ラッチ
31 ボス
32 ラッチ
33 リンク
34 ボス
35 用紙ガイド
36 センサ
37 用紙ガイド
38 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に画像形成可能な画像形成装置であって、
相互に連結して前記印刷媒体の搬送路を形成する複数の構造体と、
前記搬送路を前記複数の構造体に分割開放可能な複数の分割開放手段と、
前記搬送路に於ける印刷媒体のジャム発生位置を検出するジャム検知手段と、
該ジャム検知手段が検出したジャム発生位置に基づいて、前記複数の分割開放手段の中から所定の分割開放手段を選択し、所定の構造体同士の連結状態を維持しつつ前記搬送路を分割開放する分割開放制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置に於いて、
前記複数の構造体は、
同一回転方向への分割開放を可能とする、同一の回転支点を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置に於いて、
前記分割開放制御手段に換えて、前記ジャム検知手段がジャムの発生を検知すると、前記複数の構造体全ての連結手段を開放する全連結開放制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の画像形成装置に於いて、
前記複数の分割開放手段は、ソレノイドの往復動によって所定の係合を解くラッチを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の画像形成装置に於いて、
前記複数の分割開放手段は、前記構造体相互間を摺動可能に連結するリンクと、前記摺動の可否を制御する電磁クラッチとを有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−36432(P2006−36432A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217454(P2004−217454)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】