説明

画像形成装置

【課題】縁なしプリント対応の画像形成装置において、記録紙の終端近傍をプリントしている際における搬送速度の変動を抑制することにより、プリント品質の低下を抑制する。
【解決手段】排紙ローラ33が圧入されたローラシャフト51と、スターホイール33aを排紙ローラ33に対向する位置で支持する板金部材52と、ローラシャフト51に回転駆動力を伝達するギヤ部材53と、板金部材52に装着される第1ダンパアーム54と、第1ダンパアーム54に回動自在に係合される第2ダンパアーム55と、第1ダンパアーム54及び第2ダンパアーム55を互いに引き合う方向に付勢するばね56とによって、回転負荷機構50を構成する。ばね56の付勢によって、第1ダンパアーム54及び第2ダンパアーム55の半円筒部54a、55aがギヤ部材53の円筒部53bと当接し、摩擦力が発生し、ローラシャフト51の回転に負荷をかける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙の終端までプリント可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式の画像形成装置(以下、インクジェットプリンタと記す)においては、近年、写真画質に迫る高画質化と共に、記録紙の終端までプリントする、いわゆる縁なしプリントへの対応が求められている。特許文献1には、縁なしプリント時において、用紙後端部の浮き上がりを防止するために、プリントヘッドの近傍に、線状の用紙押さえ部材を備えたインクジェットプリンタが示されている。なお、特許文献2には、サーマルヘッドプリンタやインパクトプリンタに用いられる記録紙搬送機構が示されている。
【特許文献1】特開2004−160791号公報
【特許文献2】実開昭61−120555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、インクジェットプリンタにおいては、プリントヘッドの上流側に給紙ローラが、下流側に排紙ローラがそれぞれ設けられている。給紙ローラと排紙ローラとの間で記録紙が弛まないように、排紙ローラの搬送速度は、給紙ローラの搬送速度よりも、わずかに高く設定されている。従って、給紙ローラ及び排紙ローラによって記録紙が搬送されているときには、排紙ローラの側に若干の負荷がかけられた状態となる。ところが、記録紙の終端部が給紙ローラから外れると、排紙ローラの側にかけられた負荷が瞬間的に解除される。排紙ローラが圧入されたローラシャフトは、軸受けによって支持されているので、ローラシャフトとその軸受けとの間にがたが存在する。また、排紙ローラを回転駆動するギヤには、バックラッシュが存在する。従って、記録紙の終端部が給紙ローラから外れることにより排紙ローラの回転の負荷が瞬間的に解除されると、記録紙の搬送速度が瞬間的に変動することとなる。その結果、記録紙の後端近傍部において、記録紙とプリントヘッドとの同期がとれなくなり、色むらやすじが発生してプリント品質が低下するという不具合が生じる。
【0004】
そこで、記録紙の搬送速度の変動を抑制するために、排紙ローラのローラシャフトの回転に負荷をかける回転負荷機構(排出ダンパ機構)を備えたインクジェットプリンタが実用化されている。
【0005】
図5は、従来のインクジェットプリンタの排紙ローラを含む搬送機構103bを示している。また、図6は、記録紙搬送機構103bに包含される回転負荷機構150の主要構成を示している。記録紙搬送機構103bは、画像が形成された記録紙を搬送方向に駆動する排紙ローラ133と、排紙ローラ133が圧入されて排紙ローラ133と共に回転するローラシャフト151と、排紙ローラ133に対向して配置され、排紙ローラ133に記録紙を押圧するスターホイール(図示せず)と、スターホイールを排紙ローラ133に対向する位置で支持する第1板金部材152と、ローラシャフト151に回転駆動力を伝達するために、ローラシャフト151に圧入されたギヤ部材153と、ローラシャフト151の回転に負荷をかける第1ダンパアーム154及び第2ダンパアーム155と、第1ダンパアーム154及び第2ダンパアーム155のそれぞれの先端部を互いに引き合う方向に付勢するばね156と、第1ダンパアーム154及び第2ダンパアーム155を回動自在に連結する連結シャフト157と、連結シャフト157の両端部を支持する第2板金部材158と、ローラシャフト151に圧入され、第1ダンパアーム154及び第2ダンパアーム155と当接される円筒部材159等によって構成されている。
【0006】
回転負荷機構150は、第1ダンパアーム154、第2ダンパアーム155、ばね156、連結シャフト157、第2板金部材158及び円筒部材159等によって構成されている。すなわち、ばね156によって互いに引き寄せられた第1ダンパアーム154と第2ダンパアーム155が円筒部材159を挟み込むことにより、円筒部材159と第1ダンパアーム154及び第2ダンパアーム155との間に摩擦力が発生し、ローラシャフト151の回転に負荷がかけられる。
【0007】
ところが、このような回転負荷機構は、構成が複雑で部品点数が多く、インクジェットプリンタのコストアップを招来する要因となっている。また、連結シャフト157、第2板金部材158の加工精度によっては、プリンタの固体毎に、円筒部材159と、第1ダンパアーム154、第2ダンパアーム155の位置関係がばらつくため、負荷を安定させるための調整に手間がかかる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、少ない部品点数でありながらも、排紙ローラが圧入されるローラシャフトの回転に適度の負荷をかけ、記録紙の終端近傍をプリントしている際における記録紙の搬送速度の変動を抑制することにより、プリント品質の低下を抑制することができるインクジェット方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、装填された記録紙を保持する給紙トレイと、この給紙トレイに保持された記録紙を装置内部に搬送する第1搬送手段と、この第1搬送手段によって搬送された記録紙に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段によって画像が形成された記録紙を装置外部に搬送する第2搬送手段と、この第2搬送手段によって搬送された記録紙が堆積される排紙トレイとを備え、画像形成手段は、インクが充填されたインクカートリッジと、このインクカートリッジが装着され、記録紙の搬送方向に対して直交する方向に往復移動するキャリアと、このキャリアを駆動するキャリア駆動手段とを有する画像形成装置において、第2搬送手段は、記録紙を搬送方向に駆動する排紙ローラと、この排紙ローラが圧入されて該排紙ローラと共に回転するローラシャフトと、排紙ローラに対向して配置され、該排紙ローラに記録紙を押圧するスターホイールと、このスターホイールを排紙ローラに対向する位置で支持するための板金部材と、ローラシャフトに回転駆動力を伝達するために、該ローラシャフトに圧入されたギヤ部材と、板金部材に装着されて、該ローラシャフトの回転に負荷をかける第1ダンパアームと、この第1ダンパアームに装着されて、該ローラシャフトの回転に負荷をかける第2ダンパアームと、第1ダンパアーム及び第2ダンパアームを互いに引き合う方向に付勢するばねとを有し、ギヤ部材は、回転駆動力を受ける歯車部と、この歯車部と一体的に成形された円筒部を含み、第1ダンパアームは、ギヤ部材の円筒部が内接される半円筒部と、この半円筒部から突出され、板金部材に設けられている開口に挿入される挿入凸部と、半円筒部を挟んで挿入凸部とは反対側に突出され、ばねが係合される第1ばね係合凸部とを含み、第2ダンパアームは、ギヤ部材の円筒部が内接される半円筒部と、この半円筒部から突出され、第1ダンパアームの挿入凸部に係合されるアーム係合凸部と、半円筒部を挟んでアーム係合凸部とは反対側に突出され、ばねが係合される第2ばね係合凸部とを含み、第2ダンパアームのアーム係合凸部は、第1ダンパアームの挿入凸部と交差して該挿入凸部に対して回動自在に係合され、ばねの付勢力によって、第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部がギヤ部材の円筒部に当接され、該第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部と該ギヤ部材の円筒部との摩擦によってローラシャフトの回転に負荷をかけ、記録紙の終端部近傍をプリントする際、記録紙の搬送速度の変動を抑制し、プリント品質の低下を防止し得るものである。
【0010】
請求項2の発明は、装填された記録紙を保持する給紙トレイと、この給紙トレイに保持された記録紙を装置内部に搬送する第1搬送手段と、この第1搬送手段によって搬送された記録紙に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段によって画像が形成された記録紙を装置外部に搬送する第2搬送手段と、この第2搬送手段によって搬送された記録紙が堆積される排紙トレイとを備え、画像形成手段は、インクが充填されたインクカートリッジと、このインクカートリッジが装着され、記録紙の搬送方向に対して直交する方向に往復移動するキャリアと、このキャリアを駆動するキャリア駆動手段とを有する画像形成装置において、第2搬送手段は、記録紙を搬送方向に駆動する排紙ローラと、この排紙ローラが圧入されて該排紙ローラと共に回転するローラシャフトと、このローラシャフトに当接することにより該ローラシャフトの回転に負荷をかける第1ダンパアーム及び第2ダンパアームと、この第1ダンパアーム及び第2ダンパアームを互いに引き合う方向に付勢するばねとを有し、第1ダンパアームは、ローラシャフトが内接される半円筒部と、この半円筒部から突出されて、画像形成装置のシャーシの一部に設けられた開口に挿入される挿入凸部とを含み、第2ダンパアームは、ギヤ部材の円筒部が内接される半円筒部と、この半円筒部から突出され、第1ダンパアームの挿入凸部に係合されるアーム係合凸部とを含み、第2ダンパアームのアーム係合凸部は、第1ダンパアームの挿入凸部と交差して該挿入凸部に対して回動自在に係合され、ばねの付勢力によって、第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部がギヤ部材の円筒部に当接され、該第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部と該ギヤ部材の円筒部との摩擦によってローラシャフトの回転に負荷をかけ、記録紙の終端部近傍をプリントする際、記録紙の搬送速度の変動を抑制し、プリント品質の低下を防止し得るものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、第2ダンパアームのアーム係合凸部が、第1ダンパアームの挿入凸部と交差して挿入凸部に対して回動自在に係合されるので、図5及び図6に示した連結シャフト157が不要となる。また、第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの組み立て工程を簡素化することができる。また、第1ダンパアームの挿入凸部が、スターホイールを支持するための板金部材に設けられた開口に挿入されて保持されるため、図5に示した第2板金部材158が不要となる。さらに、ギヤ部材の歯車部と一体的に形成された円筒部と第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部とが当接することにより、回転に負荷をかけるための摩擦力を発生させるので、ローラシャフトに圧入される円筒部材を別途設ける必要がなくなる。また、第1ダンパアームの挿入凸部が開口に挿入される構成であるので、板金部材等の加工精度に関わらず、ギヤ部材の円筒部の中心軸と第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部の中心軸の位置関係を略一定に維持することができる。従って、画像形成装置の部品点数を増加させることなく、ローラシャフトの回転に適度の負荷をかけることができ、プリント品質の低下を抑制できるようになる。
【0012】
請求項2の発明によれば、第2ダンパアームのアーム係合凸部が、第1ダンパアームの挿入凸部と交差して挿入凸部に対して回動自在に係合されるので、図5及び図6に示した連結シャフト157が不要となる。また、第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの組み立て工程を簡素化することができる。また、第1ダンパアームの挿入凸部が、シャーシの一部に設けられた開口に挿入されて保持されるため、図5に示した第2板金部材158が不要となる。従って、画像形成装置の部品点数を増加させることなく、ローラシャフトの回転に適度の負荷をかけることができ、プリント品質の低下を抑制できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の実施形態による画像形成装置の一例であるインクジェットプリンタについて図面を参照して説明する。図1はインクジェットプリンタの概略構成を示している。インクジェットプリンタ1は、装填された記録紙Pを保持する給紙トレイ2と、この給紙トレイ2に保持された記録紙Pを搬送する搬送機構3と、この搬送機構3によって搬送された記録紙Pに画像を形成する画像形成部(画像形成手段)4と、画像形成部4によって画像が形成された記録紙Pが堆積される排紙トレイ5と、搬送機構3及び画像形成部4を収容する筐体6と、搬送機構3及び画像形成部4の制御を司る制御部等によって構成されている。
【0014】
搬送機構3は、第1搬送機構(第1搬送手段)3aと、第2搬送機構(第2搬送手段)3bとを有している。第1搬送機構3aは、給紙トレイ2に載置された記録紙Pを装置本体の内部に送出するピックローラ30と、ピックローラ30によって送出された記録紙Pをガイドして給紙ローラ32に導く下面ガイド部材31と、画像形成部4の上流側に設けられ、ピックローラ30によって送出された記録紙Pを画像形成部4の側に送出する給紙ローラ32と給紙ローラ32に対向するように配置されたローラ32aと、給紙ローラ32等を駆動するためのフィードモータ34等を有している。
【0015】
画像形成部4は、インクが充填されたインクカートリッジ40と、インクカートリッジ40を支持しながら、記録紙Pの搬送方向A(副走査方向)に直交する主走査方向に往復移動するキャリア41と、キャリア41を駆動するキャリア駆動モータ42等によって構成されている。インクカートリッジ40の下面には、記録紙Pにインクを吐出するプリントヘッド43が設けられている。キャリア41は、主走査方向に平行に配設されたローラシャフト44によって往復移動自在に支持され、キャリア駆動モータ42に駆動されて移動する。キャリア駆動モータ42の出力は、ベルトを介してキャリア41に伝達される。
【0016】
図2は、インクジェットプリンタ1の第2搬送機構3bを示している。また、図3及び図4は、第2搬送機構3bに包含される回転負荷機構(排出ダンパ機構)50の主要構成を示している。ここで、回転負荷機構50とは、記録紙の搬送速度の変動を抑制するために、排紙ローラ33が圧入されたローラシャフト51の回転に予め負荷をかける機構であり、以下に示すギヤ部材53、第1ダンパアーム54、第2ダンパアーム55、ばね56等によって構成されている。
【0017】
第2搬送機構3bは、画像形成部4によって画像が形成された記録紙Pを排出するための排紙ローラ(第2搬送手段)33と、排紙ローラ33が圧入されて排紙ローラ33と共に回転するローラシャフト51と、排紙ローラ33に対向して配置され、排紙ローラ33に記録紙を押圧するスターホイール33a(図1参照)と、スターホイール33aを排紙ローラ33に対向する位置で支持するための板金部材52と、ローラシャフト51に回転駆動力を伝達するために、ローラシャフト51に圧入されたギヤ部材53と、板金部材52に装着されて、ローラシャフト51の回転に負荷をかける第1ダンパアーム54と、この第1ダンパアーム54に装着されて、ローラシャフト51の回転に負荷をかける第2ダンパアーム55と、第1ダンパアーム54及び第2ダンパアーム55を互いに引き合う方向に付勢するばね56とを有している。なお、ローラシャフト51は、インクジェットプリンタ1のシャーシ60に装着される軸受け部材61によって回転自在に支持されている。また、板金部材52は、ねじ等を介してシャーシ60に装着され、シャーシ60の一部を構成する。
【0018】
ギヤ部材53は、回転駆動力を受ける歯車部53aと、歯車部53aと一体的に成形された円筒部53bを有している。第1ダンパアーム54は、ギヤ部材53の円筒部53bが内接される半円筒部54aと、半円筒部54aから突出され、板金部材52に設けられている開口52aに挿入される挿入凸部54bと、半円筒部54aを挟んで挿入凸部54bとは反対側に突出され、ばね56が係合される第1ばね係合凸部54cとを有している。また、第2ダンパアーム55は、ギヤ部材53の円筒部53bが内接される半円筒部55aと、半円筒部55aから突出され、第1ダンパアーム54の挿入凸部54bに係合されるアーム係合凸部55bと、半円筒部55aを挟んでアーム係合凸部55bとは反対側に突出され、ばね56が係合される第2ばね係合凸部55cとを有している。
【0019】
第2ダンパアーム55のアーム係合凸部55cは、第1ダンパアーム54の挿入凸部54bと交差して挿入凸部54bに対して回動自在に係合されている。図4に示すように、第1ダンパアーム54の挿入凸部54bには、ダンパアーム55のアーム係合凸部55bを挿入して交差状態で係合するための開孔54dと溝状の凹部54eが形成されており、アーム係合凸部55bには、凹部54eに対応する突起55dが形成されている。
【0020】
インクジェットプリンタ1においては、ばね56の付勢力によって、第1ダンパアーム54及び第2ダンパアーム55の半円筒部54a、55aがギヤ部材53の円筒部53bに当接され、第1ダンパアーム54及び第2ダンパアーム55の半円筒部54a、55aの内面とギヤ部材53の円筒部53bの外面との間に摩擦力が発生する。この摩擦力によってローラシャフト51の回転に負荷がかかり、記録紙の終端部近傍をプリントする際における、記録紙の搬送速度の変動が抑制される。
【0021】
以上のように、本実施形態のインクジェットプリンタ1によれば、第2ダンパアーム55のアーム係合凸部55bが、第1ダンパアーム54の挿入凸部54bと交差して挿入凸部54bに対して回動自在に係合されるので、図5及び図6に示した連結シャフト157が不要となる。また、第1ダンパアーム54及び第2ダンパアーム55の組み立て工程を簡素化することができる。また、第1ダンパアーム54の挿入凸部54bが、スターホイール33aを支持するための板金部材52に設けられた開口52aに挿入されて保持されるため、図5に示した第2板金部材158が不要となる。さらに、ギヤ部材53の歯車部53aと一体的に形成された円筒部53bと第1ダンパアーム54及び第2ダンパアーム55の半円筒部54a、55aとが当接することにより、回転に負荷をかけるための摩擦を発生させるので、図5及び図6に示した円筒部材159も不要となる。また、第1ダンパアーム54の挿入凸部54bが開口52aに挿入される構成であるので、ギヤ部材53の円筒部53bの中心軸と第1ダンパアーム54及び第2ダンパアーム55の半円筒部54a、55aの中心軸との位置関係を、板金部材52等の加工精度に関わらず略一定に維持することができる。従って、インクジェットプリンタ1の部品点数を増加させることなく、ローラシャフト51の回転に適度の負荷をかけることができ、プリント品質の低下を抑制できるようになる。
【0022】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも、第2ダンパアーム55のアーム係合凸部55bが、第1ダンパアーム54の挿入凸部54bと交差して挿入凸部54bに対して回動自在に係合され、かつ第1ダンパアーム54の挿入凸部54bが、シャーシ60の一部に設けられた開口に挿入される構成であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態による画像形成装置の一例であるインクジェットプリンタの構成を示す図。
【図2】インクジェットプリンタに備えられた第2搬送機構の構成を示す斜視図。
【図3】第2搬送機構に包含される回転負荷機構の主要構成を示す斜視図。
【図4】同回転負荷機構の主要構成を別の角度から示す斜視図。
【図5】従来のインクジェットプリンタに備えられた搬送機構の構成を示す斜視図。
【図6】従来のインクジェットプリンタに備えられた搬送機構に包含される回転負荷機構の主要構成を示す斜視図。
【符号の説明】
【0024】
1 インクジェットプリンタ
2 給紙トレイ
3 搬送機構
4 画像形成部(画像形成手段)
5 排紙トレイ
3a 第1搬送機構(第1搬送手段)
3b 第2搬送機構(第2搬送手段)
33 排紙ローラ(第2搬送手段)
33a スターホイール
40 インクカートリッジ
41 キャリア
50 回転負荷機構
51 ローラシャフト
52 板金部材
53 ギヤ部材
54 第1ダンパアーム
55 第2ダンパアーム
56 ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装填された記録紙を保持する給紙トレイと、この給紙トレイに保持された記録紙を装置内部に搬送する第1搬送手段と、この第1搬送手段によって搬送された記録紙に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段によって画像が形成された記録紙を装置外部に搬送する第2搬送手段と、この第2搬送手段によって搬送された記録紙が堆積される排紙トレイとを備え、
前記画像形成手段は、インクが充填されたインクカートリッジと、このインクカートリッジが装着され、記録紙の搬送方向に対して直交する方向に往復移動するキャリアと、このキャリアを駆動するキャリア駆動手段とを有する画像形成装置において、
前記第2搬送手段は、
記録紙を搬送方向に駆動する排紙ローラと、この排紙ローラが圧入されて該排紙ローラと共に回転するローラシャフトと、前記排紙ローラに対向して配置され、該排紙ローラに記録紙を押圧するスターホイールと、このスターホイールを前記排紙ローラに対向する位置で支持するための板金部材と、前記ローラシャフトに回転駆動力を伝達するために、該ローラシャフトに圧入されたギヤ部材と、前記板金部材に装着されて、該ローラシャフトの回転に負荷をかける第1ダンパアームと、この第1ダンパアームに装着されて、該ローラシャフトの回転に負荷をかける第2ダンパアームと、第1ダンパアーム及び第2ダンパアームを互いに引き合う方向に付勢するばねとを有し、
前記ギヤ部材は、回転駆動力を受ける歯車部と、この歯車部と一体的に成形された円筒部を含み、
前記第1ダンパアームは、前記ギヤ部材の円筒部が内接される半円筒部と、この半円筒部から突出され、前記板金部材に設けられている開口に挿入される挿入凸部と、前記半円筒部を挟んで前記挿入凸部とは反対側に突出され、前記ばねが係合される第1ばね係合凸部とを含み、
前記第2ダンパアームは、前記ギヤ部材の円筒部が内接される半円筒部と、この半円筒部から突出され、前記第1ダンパアームの挿入凸部に係合されるアーム係合凸部と、前記半円筒部を挟んで前記アーム係合凸部とは反対側に突出され、前記ばねが係合される第2ばね係合凸部とを含み、
前記第2ダンパアームのアーム係合凸部は、前記第1ダンパアームの挿入凸部と交差して該挿入凸部に対して回動自在に係合され、
前記ばねの付勢力によって、前記第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部が前記ギヤ部材の円筒部に当接され、該第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部と該ギヤ部材の円筒部との摩擦によって前記ローラシャフトの回転に負荷をかけ、記録紙の終端部近傍をプリントする際、記録紙の搬送速度の変動を抑制し、プリント品質の低下を防止し得ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
装填された記録紙を保持する給紙トレイと、この給紙トレイに保持された記録紙を装置内部に搬送する第1搬送手段と、この第1搬送手段によって搬送された記録紙に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段によって画像が形成された記録紙を装置外部に搬送する第2搬送手段と、この第2搬送手段によって搬送された記録紙が堆積される排紙トレイとを備え、
前記画像形成手段は、インクが充填されたインクカートリッジと、このインクカートリッジが装着され、記録紙の搬送方向に対して直交する方向に往復移動するキャリアと、このキャリアを駆動するキャリア駆動手段とを有する画像形成装置において、
前記第2搬送手段は、
記録紙を搬送方向に駆動する排紙ローラと、この排紙ローラが圧入されて該排紙ローラと共に回転するローラシャフトと、このローラシャフトに当接することにより該ローラシャフトの回転に負荷をかける第1ダンパアーム及び第2ダンパアームと、この第1ダンパアーム及び第2ダンパアームを互いに引き合う方向に付勢するばねとを有し、
前記第1ダンパアームは、前記ローラシャフトが内接される半円筒部と、この半円筒部から突出されて、画像形成装置のシャーシの一部に設けられた開口に挿入される挿入凸部とを含み、
前記第2ダンパアームは、前記ギヤ部材の円筒部が内接される半円筒部と、この半円筒部から突出され、前記第1ダンパアームの挿入凸部に係合されるアーム係合凸部とを含み、
前記第2ダンパアームのアーム係合凸部は、前記第1ダンパアームの挿入凸部と交差して該挿入凸部に対して回動自在に係合され、
前記ばねの付勢力によって、前記第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部が前記ギヤ部材の円筒部に当接され、該第1ダンパアーム及び第2ダンパアームの半円筒部と該ギヤ部材の円筒部との摩擦によって前記ローラシャフトの回転に負荷をかけ、記録紙の終端部近傍をプリントする際、記録紙の搬送速度の変動を抑制し、プリント品質の低下を防止し得ることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−204234(P2007−204234A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26076(P2006−26076)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】