画像形成装置
【課題】放熱板をサーマルヘッドに取り付けた場合にも、用紙搬送方向と直交する方向においてプラテンローラに対するサーマルヘッドの押圧力が不均一になるのを抑制することにより、印画品質を向上させることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】この画像形成装置は、回転軸2に取り付けられたプラテンローラ3と、サーマルヘッド4と、サーマルヘッド4のプラテンローラ3とは反対側の表面を覆うように取り付けられ、用紙搬送方向(A方向)の一方の端部が折り曲げられることにより形成された部分5bを有する放熱板5と、サーマルヘッド4をプラテンローラ3側に押圧するキャップ19とを備えている。そして、放熱板5の折り曲げられた領域には、A方向と直交するB方向に延びる長穴部5fが1つ形成されており、キャップ19は、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5aの一点を押圧する。
【解決手段】この画像形成装置は、回転軸2に取り付けられたプラテンローラ3と、サーマルヘッド4と、サーマルヘッド4のプラテンローラ3とは反対側の表面を覆うように取り付けられ、用紙搬送方向(A方向)の一方の端部が折り曲げられることにより形成された部分5bを有する放熱板5と、サーマルヘッド4をプラテンローラ3側に押圧するキャップ19とを備えている。そして、放熱板5の折り曲げられた領域には、A方向と直交するB方向に延びる長穴部5fが1つ形成されており、キャップ19は、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5aの一点を押圧する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、サーマルヘッドを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱転写プリンタなどの画像形成装置に装着されるサーマルヘッドとして、プラテンローラを押圧するサーマルヘッド基板と、そのサーマルヘッド基板を支持する支持部材とを含むサーマルヘッドが知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、従来では、上記した特許文献1のサーマルヘッドの構成において、支持部材に放熱板を取り付けることにより、サーマルヘッドで発生した熱を放熱する技術が知られている。
【0003】
図11は、従来のサーマルヘッドに放熱板が取り付けられた熱転写プリンタ(画像形成装置)の構造を示した斜視図であり、図12は、図11に示した従来の熱転写プリンタの放熱板周辺の分解斜視図である。図13および図14は、図11に示した従来の熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示した図である。まず、図11〜図14を参照して、従来の熱転写プリンタの構造について説明する。
【0004】
従来の熱転写プリンタでは、図11に示すように、シャーシ101の内部に、回転軸102に取り付けられたプラテンローラ103と、サーマルヘッド104(図12参照)と、放熱板105と、一対の回動アーム106および107と、サーマルヘッド押圧機構部108と、用紙搬送機構部109とが設けられている。なお、図11に示した熱転写プリンタにおいて、用紙搬送方向は、図11中のA方向である。
【0005】
シャーシ101は、図11および図13に示すように、底面101aと、一対の側面101bおよび101cとを有する。シャーシ101の底面101aには、回動アーム106用の取り付け部101dと、用紙搬送機構部109用の取り付け部101eおよび101fとが形成されている。また、シャーシ101の取り付け部101dおよび101fには、それぞれ、穴部101gおよび101hが形成されている。また、シャーシ101の一方の側面101bの外側には、サーマルヘッド押圧機構部108用のモータ110と、用紙搬送機構部109用のモータ111とが取り付けられている。また、シャーシ101の一方の側面101bおよび他方の側面101cには、それぞれ、サーマルヘッド押圧機構部108用の穴部101iが形成されている。また、シャーシ101の他方の側面101cには、回動アーム107用の穴部101jが形成されている。なお、図13では、図面の簡略化のため、用紙搬送機構部109は図示していない。また、図11および図14に示すように、シャーシ101の他方の側面101cには、インクシート112aが装着されたインクカートリッジ112用の穴部101kが形成されている。また、図11および図13に示すように、シャーシ101の側面101bおよび101cには、それぞれ、回転軸102を回転可能に支持する軸受113が取り付けられている。
【0006】
また、図14に示すように、サーマルヘッド104は、プラテンローラ103と対向するように配置されている。このサーマルヘッド104は、図12および図14に示すように、支持部材114と、サーマルヘッド基板115とを含む。支持部材114は、長方形状に形成されているとともに、その支持部材114の上面側には、ねじ穴部114aが形成されている。また、サーマルヘッド基板115は、支持部材114の下面側に取り付けられている。また、サーマルヘッド104は、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向(図11参照)に向かって長辺が延びるように配置されている。そして、図14に示すように、サーマルヘッド104とプラテンローラ103との間の領域が、用紙130に対す
る印画が行われる印画領域F101となる。
【0007】
また、図12および図14に示すように、放熱板105は、サーマルヘッド104(支持部材114)の上面を覆うように支持部材114に取り付けられている。また、放熱板105は、サーマルヘッド104の上面を覆う部分105aと、インクシートガイドとして機能する部分105bと、回動アーム106および107が取り付けられる部分105cとを有する。放熱板105のサーマルヘッド104の上面を覆う部分105aには、取り付け穴部105dが形成されているとともに、その取り付け穴部105dは、支持部材114のねじ穴部114aに対応する領域に設けられている。そして、放熱板105は、上方側からねじ116aによりサーマルヘッド104に対してねじ止めされている。
【0008】
また、放熱板105のインクシートガイドとして機能する部分105bは、放熱板105のA方向の一方の端部に設けられているとともに、放熱板105の一方の端部がサーマルヘッド104の上面に対して垂直に下方側に向かって折り曲げられることにより形成されている。また、放熱板105の回動アーム106および107が取り付けられる部分105cは、放熱板105のA方向の他方の端部に設けられているとともに、放熱板105の他方の端部が斜め上方側に向かって折り曲げられることにより形成されている。この放熱板105の部分105cには、取り付け穴部105eが形成されている。
【0009】
また、図12に示すように、回動アーム106および107の一方の先端部には、それぞれ、支持軸106aおよび107aが設けられている。回動アーム106は、支持軸106aがシャーシ101の穴部101g(図13参照)に嵌め込まれることにより、支持軸106aを支点として回動可能に支持されている。また、回動アーム107は、支持軸107aがシャーシ101の穴部101j(図11参照)に嵌め込まれることにより、支持軸107aを支点として回動可能に支持されている。また、回動アーム106は、取り付け部106bを有するとともに、その取り付け部106bには、ねじ穴部106cが形成されている。また、回動アーム107は、取り付け部107bを有するとともに、その取り付け部107bには、ねじ穴部107cが形成されている。そして、放熱板105は、上方側からねじ116bにより回動アーム106および107の各々に対してねじ止めされている。また、回動アーム106の他方の先端部には、後述する回動部材118の端部118b(図11参照)と係合する係合部106dが設けられている。
【0010】
また、図11および図13に示すように、サーマルヘッド押圧機構部108は、支持棒117と、回動部材118と、キャップ119と、カムギア120とを含む。支持棒117の両端部は、シャーシ101の穴部101iに嵌め込まれている。また、回動部材118は、支持棒117に対して回転可能に取り付けられている。また、回動部材118の一方の端部118aは、所定方向に突出するように形成されているとともに、その端部118aの先端に、キャップ119が取り付けられている。また、回動部材118の他方の端部118bは、回動アーム106の係合部106dと係合するように形成されている。また、回動部材118の他方の端部側には、カムピン118cが設けられているとともに、そのカムピン118cは、カムギア120のカム溝120aに係合している。また、カムギア120には、図示しないギアを介してモータ110の駆動力が伝達される。
【0011】
そして、図11および図14に示すように、回動部材118がC方向に回動する場合には、回動アーム106の係合部106dが回動部材118の端部118bにより上方側に押し上げられるので、放熱板105およびサーマルヘッド104が上方側に回動される。その一方、回動部材118がD方向に回動する場合には、回動部材118の端部118bが下方側に移動するので、放熱板105およびサーマルヘッド104が下方側に回動される。また、図13および図14に示すように、サーマルヘッド104が下方側に回動した後に、回動部材118のD方向への回動をさらに続けることによって、キャップ119に
より放熱板105が押圧されることにより、サーマルヘッド104がプラテンローラ103側に押圧される。なお、図13および図14に示した状態において、キャップ119と放熱板105との接触部分が、印画時において放熱板105がキャップ119に押圧される押圧点P101である。
【0012】
また、図11に示すように、用紙搬送機構部109は、送りローラ121と、押さえローラ122と、軸受123と、回動板124と、引張りコイルバネ125とを含む。軸受123は、シャーシ101の取り付け部101eと側面101cとに取り付けられているとともに、その軸受123により送りローラ121が回転可能に支持されている。また、送りローラ121の表面には、凸部を有する領域121aが形成されている。また、回動板124は、支点軸124aを支点として回動するように、シャーシ101の取り付け部101eに取り付けられている。また、回動板124の一方の端部には、軸受124bが設けられているとともに、その軸受124bにより押さえローラ122が回転可能に支持されている。また、引張りコイルバネ125の一方端は、回動板124の他方の端部に取り付けられているとともに、引張りコイルバネ125の他方端は、シャーシ101の穴部101hに取り付けられている。
【特許文献1】特開平4−216069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図11〜図14に示した従来の熱転写プリンタでは、サーマルヘッド104の上面に取り付けられた放熱板105がサーマルヘッド104に対する補強板として機能するため、サーマルヘッド104がプラテンローラ103(回転軸102)よりも撓みにくくなるという不都合があった。すなわち、放熱板105の部分105bが部分105aに対して垂直下方に折り曲げられることにより形成されているので、その折り曲げ部の曲げ強度が大きくなる。このため、放熱板105の折り曲げ部に起因して、放熱板105が取り付けられるサーマルヘッド104がプラテンローラ103(回転軸102)よりも撓みにくいという不都合があった。このように、サーマルヘッド104がプラテンローラ103(回転軸102)よりも撓みにくいと、図13に示すように、キャップ119により放熱板105が押圧された場合に、押圧点P101に対応する領域近傍F102において、回転軸102(プラテンローラ103)の下方側への撓み量がサーマルヘッド104の下方側への撓み量よりも大きくなる。このため、押圧点P101に対応する領域近傍F102のサーマルヘッド104のプラテンローラ103に対する押圧力が、押圧点P101に対応する領域近傍F102以外の領域よりも弱くなるという不都合があった。その結果、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向においてサーマルヘッド104のプラテンローラ103に対する押圧力が不均一になるので、印画品質が低下するという問題点があった。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、放熱板をサーマルヘッドに取り付けた場合にも、用紙搬送方向と直交する方向においてサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が不均一になるのを抑制することにより、印画品質を向上させることが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による画像形成装置は、回転軸に取り付けられたプラテンローラと、インクシートを挟んでプラテンローラと対向するように配置されたサーマルヘッドと、サーマルヘッドのプラテンローラとは反対側の表面を覆うようにサーマルヘッドに取り付けられ、用紙搬送方向の一方の端部がプラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有する放熱板と、放熱板の一点を押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧する押圧部材とを
備えている。そして、放熱板の用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域には、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部が1つ形成されており、押圧部材は、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分の一点を押圧する。
【0016】
この第1の局面による画像形成装置では、上記のように、サーマルヘッドに取り付けられる放熱板に、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部を形成することによって、放熱板の曲げ強度を弱くすることができるので、放熱板を撓みやすくすることができる。これにより、サーマルヘッドのプラテンローラとは反対側の表面に放熱板を取り付けたとしても、サーマルヘッドが撓みにくくなるという不都合が発生するのを抑制することができる。この場合、長穴部が形成された放熱板を押圧部材により押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧することによって、押圧部材による押圧点に対応する領域近傍において、プラテンローラが取り付けられた回転軸が撓んだ場合に、サーマルヘッドを回転軸と同じように撓ませることができる。これにより、押圧部材による押圧点に対応する領域近傍のサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が、押圧点に対応する領域近傍以外の領域よりも弱くなるのを抑制することができる。その結果、用紙搬送方向と直交する方向においてサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が不均一になるのを抑制することができるので、印画品質を向上させることができる。また、放熱板の用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域に長穴部を形成することによって、用紙搬送方向の一方の端部がプラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有する放熱板において、長穴部の形成領域の大きさ分だけ曲げ強度の大きい折り曲げられた領域が減少するので、その分、放熱板全体の曲げ強度を弱くすることができる。また、長穴部近傍の放熱板の上面部分が、押圧部材により押圧されるように構成することによって、長穴部近傍の放熱板の上面部分は、長穴部近傍の放熱板の上面部分以外の部分よりも撓みやすいので、プラテンローラが取り付けられた回転軸が撓んだ場合に、容易に、放熱板が取り付けられたサーマルヘッドを回転軸と同じように撓ませることができる。この場合、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分の一点が、押圧部材により押圧されるように構成することによって、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分は、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分以外の部分よりも撓みやすいので、放熱板の中央部近傍の一点を押圧する場合において、放熱板を撓みやすくすることができる。また、用紙搬送方向と直交する方向に延びるように、放熱板に長穴部を1つ形成することによって、用紙搬送方向と直交する方向に配列された複数の長穴部を放熱板に形成する場合に比べて、放熱板をより撓みやすくすることができる。
【0017】
この発明の第2の局面による画像形成装置は、回転軸に取り付けられたプラテンローラと、プラテンローラと対向するように配置されたサーマルヘッドと、サーマルヘッドのプラテンローラとは反対側の表面を覆うようにサーマルヘッドに取り付けられ、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部が形成された放熱板と、放熱板を押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧する押圧部材とを備えている。
【0018】
この第2の局面による画像形成装置では、上記のように、サーマルヘッドに取り付けられる放熱板に、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部を形成することによって、放熱板の曲げ強度を弱くすることができるので、放熱板を撓みやすくすることができる。これにより、サーマルヘッドのプラテンローラとは反対側の表面に放熱板を取り付けたとしても、サーマルヘッドが撓みにくくなるという不都合が発生するのを抑制することができる。この場合、長穴部が形成された放熱板を押圧部材により押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧することによって、押圧部材による押圧点に対応する領域近傍において、プラテンローラが取り付けられた回転軸が撓んだ場合に、サーマルヘッドを回転軸と同じように撓ませることができる。これにより、押圧部材による押圧点に対応する領域近傍のサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が、押圧点に対応する領域近傍以外の領域よりも弱くなるのを抑制することができる。その結果、用紙搬送方
向と直交する方向においてサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が不均一になるのを抑制することができるので、印画品質を向上させることができる。
【0019】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、サーマルヘッドは、インクシートを挟んでプラテンローラと対向するように配置されており、放熱板は、用紙搬送方向の一方の端部がプラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有し、放熱板の長穴部は、放熱板の用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域に形成されている。このように構成すれば、用紙搬送方向の一方の端部がプラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有する放熱板において、長穴部の形成領域の大きさ分だけ曲げ強度の大きい折り曲げられた領域が減少するので、その分、放熱板全体の曲げ強度を弱くすることができる。
【0020】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、押圧部材は、長穴部近傍の放熱板の上面部分を押圧する。このように構成すれば、長穴部近傍の放熱板の上面部分は、長穴部近傍の放熱板の上面部分以外の部分よりも撓みやすいので、プラテンローラが取り付けられた回転軸が撓んだ場合に、容易に、放熱板が取り付けられたサーマルヘッドを回転軸と同じように撓ませることができる。
【0021】
この場合、好ましくは、押圧部材は、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分の一点を押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧する。このように構成すれば、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分は、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分以外の部分よりも撓みやすいので、放熱板の中央部近傍の一点を押圧する場合において、放熱板を撓みやすくすることができる。
【0022】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、放熱板の長穴部は、用紙搬送方向と直交する方向に延びるように1つ形成されている。このように構成すれば、用紙搬送方向と直交する方向に配列された複数の長穴部を放熱板に形成する場合に比べて、放熱板をより撓みやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による熱転写プリンタ(画像形成装置)の構造を示した斜視図であり、図2は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。図3は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタにインクカートリッジが装着された状態を示した斜視図であり、図4は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッド周辺の拡大断面図である。図5〜図7は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの放熱板の構造を説明するための図であり、図8および図9は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示した図である。まず、図1〜図9を参照して、本実施形態による熱転写プリンタの構造について説明する。
【0025】
本実施形態による熱転写プリンタでは、図1に示すように、シャーシ1の内部に、回転軸2に取り付けられたプラテンローラ3と、サーマルヘッド4と、放熱板5と、一対の回動アーム6および7と、サーマルヘッド押圧機構部8と、用紙搬送機構部9とが設けられている。なお、図1に示した熱転写プリンタにおいて、用紙搬送方向は、図1中のA方向である。
【0026】
シャーシ1は、図1および図2に示すように、底面1aと、底面1aのA方向と直交するB方向の両端部を底面1aに対して垂直方向に折り曲げることにより形成された一対の
側面1bおよび1cとを有する。シャーシ1の底面1aには、底面1aに対して上方側に突出する回動アーム6用の取り付け部1dと、底面1aに対して上方側に突出する用紙搬送機構部9用の取り付け部1eおよび1fとが形成されている。このシャーシ1の取り付け部1d〜1fは、底面1aの一部を切り起こすことにより形成されている。また、シャーシ1の取り付け部1dおよび1fには、それぞれ、穴部1gおよび1hが形成されている。また、シャーシ1の一方の側面1bの外側には、サーマルヘッド押圧機構部8用のモータ10と、用紙搬送機構部9用のモータ11とが取り付けられている。また、シャーシ1の一方の側面1bおよび他方の側面1cには、それぞれ、サーマルヘッド押圧機構部8用の穴部1iが形成されている。また、シャーシ1の他方の側面1cには、回動アーム7用の穴部1jが形成されている。なお、図2では、図面の簡略化のため、用紙搬送機構部9は図示していない。
【0027】
また、図1および図3に示すように、シャーシ1の他方の側面1cには、インクカートリッジ12が挿入される穴部1kが形成されている。このシャーシ1の穴部1kにインクカートリッジ12が挿入されることにより、インクカートリッジ12がシャーシ1の内部に保持される。なお、図4に示すように、インクカートリッジ12には、インクシート12aが装着されている。
【0028】
また、図1および図2に示すように、シャーシ1の側面1bおよび1cには、それぞれ、回転軸2用の軸受13が取り付けられている。そして、プラテンローラ3が取り付けられた回転軸2は、軸受13により回転可能に支持されている。
【0029】
また、図1および図4に示すように、サーマルヘッド4は、プラテンローラ3よりも上方に、かつ、プラテンローラ3と対向するように配置されている。このサーマルヘッド4は、図4および図5に示すように、支持部材14と、サーマルヘッド基板15とを含む。支持部材14は、約4mmの厚みを有するアルミニウム製の引き抜き材からなるとともに、長方形状に形成されている。また、支持部材14の上面側には、ねじ穴部14aが形成されている。また、サーマルヘッド基板15は、支持部材14の下面側に取り付けられている。そして、サーマルヘッド4は、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向(図1参照)に向かって長辺が延びるように配置されている。また、図4に示すように、インクカートリッジ12に装着されたインクシート12aは、サーマルヘッド4(サーマルヘッド基板15)とプラテンローラ3との間に配置されるとともに、そのサーマルヘッド4とプラテンローラ3との間の領域が、用紙30に対する印画が行われる印画領域F1となる。
【0030】
また、図4および図5に示すように、放熱板5は、約2mmの厚みを有するアルミニウム板からなるとともに、サーマルヘッド4(支持部材14)の上面を覆うように支持部材14に取り付けられている。また、放熱板5は、サーマルヘッド4の上面を覆う部分5aと、インクシートガイドとして機能する部分5bと、回動アーム6および7が取り付けられる部分5cとを有する。なお、部分5bは、本発明の「インクシートガイド部」の一例である。放熱板5のサーマルヘッド4の上面を覆う部分5aには、取り付け穴部5dが形成されているとともに、その取り付け穴部5dは、支持部材14のねじ穴部14aに対応する領域に設けられている。そして、放熱板5は、上方側からねじ16aによりサーマルヘッド4に対してねじ止めされている。また、図6に示すように、放熱板5の部分5aは、約22mmのA方向の長さL1を有する。
【0031】
また、図4および図5に示すように、放熱板5のインクシートガイドとして機能する部分5bは、放熱板5のA方向の一方の端部に設けられているとともに、放熱板5の一方の端部がサーマルヘッド4の上面に対して垂直に下方側に向かって折り曲げられることにより形成されている。また、放熱板5の回動アーム6および7が取り付けられる部分5cは、放熱板5のA方向の他方の端部に設けられているとともに、放熱板5の他方の端部が斜
め上方側に向かって折り曲げられることにより形成されている。この放熱板5の部分5cには、取り付け穴部5eが形成されている。
【0032】
ここで、本実施形態では、図5〜図7に示すように、放熱板5の用紙搬送方向(A方向)の一方の端部側の折り曲げられた領域(放熱板5の部分5aと部分5bとの間)には、A方向と直交するB方向に延びる長穴部5fが1つ形成されている。この放熱板5の長穴部5fの一方の長辺は、放熱板5の部分5aに配置されているとともに、他方の長辺は、放熱板5の部分5bに配置されている。具体的には、図6および図7に示すように、放熱板5の長穴部5fの一方の長辺は、放熱板5の部分5aと部分5cとの境界から約19mmの距離L2を隔てて配置されているとともに、長穴部5fの他方の長辺は、放熱板5の部分5cの下端から約3mmの距離L3を隔てて配置されている。また、放熱板5の長穴部5fの短辺は、放熱板5のB方向の端面から約5mmの距離L4を隔てて配置されている。
【0033】
また、図5に示すように、回動アーム6および7の一方の先端部には、それぞれ、支持軸6aおよび7aが設けられている。回動アーム6は、支持軸6aがシャーシ1の穴部1g(図2参照)に嵌め込まれることにより、支持軸6aを支点として回動可能に支持されている。また、回動アーム7は、支持軸7aがシャーシ1の穴部1j(図1参照)に嵌め込まれることにより、支持軸7aを支点として回動可能に支持されている。また、回動アーム6は、取り付け部6bを有するとともに、その取り付け部6bには、ねじ穴部6cが形成されている。また、回動アーム7は、取り付け部7bを有するとともに、その取り付け部7bには、ねじ穴部7cが形成されている。そして、放熱板5は、上方側からねじ16bにより回動アーム6および7の各々に対してねじ止めされている。これにより、回動アーム6および7が回動することにより、放熱板5およびサーマルヘッド4も回動される。また、回動アーム6の他方の先端部には、後述する回動部材18の端部18b(図1参照)と係合する係合部6dが設けられている。
【0034】
また、図1および図2に示すように、サーマルヘッド押圧機構部8は、支持棒17と、回動部材18と、樹脂製のキャップ19と、カムギア20とを含む。なお、キャップ19は、本発明の「押圧部材」の一例である。支持棒17の両端部は、シャーシ1の穴部1iに嵌め込まれている。また、回動部材18は、支持棒17に対して回転可能に取り付けられている。また、回動部材18の一方の端部18aは、所定方向に突出するように形成されているとともに、その端部18aの先端に、キャップ19が取り付けられている。また、回動部材18の他方の端部18bは、回動アーム6の係合部6dと係合するように形成されている。また、回動部材18の他方の端部側には、カムピン18cが設けられているとともに、そのカムピン18cは、カムギア20のカム溝20aに係合している。また、カムギア20には、図示しないギアを介してモータ10の駆動力が伝達される。すなわち、モータ10が駆動してカムギア20が回動することにより、回動部材18が回動される。
【0035】
これにより、図1および図4に示すように、回動部材18がC方向に回動する場合には、回動アーム6の係合部6dが回動部材18の端部18bにより上方側に押し上げられるので、放熱板5およびサーマルヘッド4が上方側に回動される。その一方、回動部材18がD方向に回動する場合には、回動部材18の端部18bが下方側に移動するので、放熱板5およびサーマルヘッド4が下方側に回動される。また、図8および図9に示すように、サーマルヘッド4が下方側に回動した後に、回動部材18のD方向への回動をさらに続けることによって、キャップ19により放熱板5が押圧されることにより、サーマルヘッド4がプラテンローラ3側に押圧される。そして、図8および図9に示した状態において、キャップ19と放熱板5との接触部分が、印画時において放熱板5がキャップ19に押圧される押圧点P1である。
【0036】
ここで、本実施形態では、図6に示すように、印画時において、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5aの一点(押圧点P1)が、サーマルヘッド押圧機構部8のキャップ19(図1参照)により押圧されるように構成されている。なお、放熱板5の部分5aと部分5cとの境界から押圧点P1までの距離L5は、約18mmである。
【0037】
また、図1に示すように、用紙搬送機構部9は、金属製の送りローラ21と、金属製の押さえローラ22と、軸受23と、回動板24と、引張りコイルバネ25とを含む。軸受23は、シャーシ1の取り付け部1eと側面1cとに取り付けられているとともに、その軸受23により送りローラ21が回転可能に支持されている。また、送りローラ21の表面には、転造加工による凸部を有する領域21aが形成されている。また、押さえローラ22は、送りローラ21よりも上方に、かつ、送りローラ21と対向するように配置されている。また、回動板24は、支点軸24aを支点として回動するように、シャーシ1の取り付け部1eに取り付けられている。また、回動板24の一方の端部には、軸受24bが設けられているとともに、その軸受24bにより押さえローラ22が回転可能に支持されている。また、引張りコイルバネ25の一方端は、回動板24の他方の端部に取り付けられているとともに、引張りコイルバネ25の他方端は、シャーシ1の穴部1hに取り付けられている。この引張りコイルバネ25は、回動板24(軸受24b)に支持された押さえローラ22を送りローラ21側に付勢する機能を有する。なお、回動板24および引張りコイルバネ25は、図示しないが、シャーシ1の側面1c側にも取り付けられている。
【0038】
次に、図4、図8および図9を参照して、本実施形態による熱転写プリンタの印画時の動作について説明する。
【0039】
まず、図4に示すように、プラテンローラ3からサーマルヘッド4を離間させた状態で、用紙搬送機構部9により用紙30を印画領域F1に搬送する。この後、回動部材18をD方向に回動させることによって、放熱板5およびサーマルヘッド4を下降させる。
【0040】
次に、図9に示すように、サーマルヘッド4を下降させた後に、回動部材18のD方向への回動をさらに続ける。これにより、押圧点P1においてキャップ19により放熱板5が押圧されるので、サーマルヘッド4がプラテンローラ3側に押圧される。なお、キャップ19による放熱板5に対する押圧力は、約5kgである。
【0041】
この際、本実施形態では、図8に示すように、キャップ19による押圧点P1に対応する領域近傍F2において、プラテンローラ3が取り付けられた回転軸2が下方側に撓むとともに、サーマルヘッド4および放熱板5も回転軸2と同じように撓む。すなわち、図8および図9に示すように、プラテンローラ3とサーマルヘッド4とは、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向の全領域において、インクシート12aおよび用紙30を挟んで密着した状態となる。
【0042】
この後、図9に示すように、サーマルヘッド4がプラテンローラ3側に押圧された状態で、用紙搬送機構部9により用紙30をA方向に移動させることによって、印画領域F1において用紙30に対する印画が行われる。
【0043】
本実施形態では、上記のように、サーマルヘッド4(支持部材14)に取り付けられる放熱板5に、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向に延びる長穴部5fを形成することによって、放熱板5の曲げ強度を弱くすることができるので、放熱板5を撓みやすくすることができる。これにより、サーマルヘッド4のプラテンローラ3とは反対側の表面に放熱板5を取り付けたとしても、サーマルヘッド4が撓みにくくなるという不都合が発生
するのを抑制することができる。この場合、長穴部5fが形成された放熱板5をサーマルヘッド押圧機構部8(キャップ19)により押圧することにより、サーマルヘッド4をプラテンローラ3側に押圧することによって、キャップ19による押圧点P1に対応する領域近傍F2において、プラテンローラ3が取り付けられた回転軸2が撓んだ場合に、サーマルヘッド4を回転軸2と同じように撓ませることができる。これにより、キャップ19による押圧点P1に対応する領域近傍F2のサーマルヘッド4のプラテンローラ3に対する押圧力が、押圧点P1に対応する領域近傍F2以外の領域よりも弱くなるのを抑制することができる。その結果、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向においてサーマルヘッド4のプラテンローラ3に対する押圧力が不均一になるのを抑制することができるので、印画品質を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、放熱板5の用紙搬送方向(A方向)の一方の端部側の折り曲げられた領域(放熱板5の部分5aと部分5bとの間)に長穴部5fを形成することによって、長穴部5fの形成領域の大きさ分だけ曲げ強度の大きい折り曲げられた領域が減少するので、その分、放熱板5全体の曲げ強度を弱くすることができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、長穴部5f近傍の放熱板5の部分5aが、サーマルヘッド押圧機構部8(キャップ19)により押圧されるように構成することによって、長穴部5f近傍の放熱板5の部分5aは、長穴部5f近傍の放熱板5の部分5a以外の部分よりも撓みやすいので、プラテンローラ3が取り付けられた回転軸2が撓んだ場合に、容易に、放熱板5が取り付けられたサーマルヘッド4を回転軸2と同じように撓ませることができる。この場合、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5aの一点が、サーマルヘッド押圧機構部8(キャップ19)により押圧されるように構成することによって、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5aは、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5a以外の部分よりも撓みやすいので、放熱板5の中央部近傍の一点を押圧する場合において、放熱板5を撓みやすくすることができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向に延びるように、放熱板5に長穴部5fを1つ形成することによって、A方向と直交するB方向に配列された複数の長穴部を放熱板5に形成する場合に比べて、放熱板5をより撓みやすくすることができる。
【0047】
次に、上記した印画品質の向上に関する効果を確認するために行った実験について説明する。この確認実験では、まず、放熱板5に長穴部5fが形成された本実施形態の熱転写プリンタ(図1参照)と、比較例としての放熱板105に長穴部が形成されていない従来の熱転写プリンタ(図11参照)とを用いて、用紙30(130)に対する印画を行った。そして、本実施形態および比較例の各々の熱転写プリンタによる印画の彩度を測定した。
【0048】
図10は、一実施形態および比較例の各々の熱転写プリンタによる印画の彩度を測定した結果を示したグラフである。なお、図10の縦軸には、印画の彩度(任意単位)がとられているとともに、横軸には、印画された用紙の幅方向(用紙搬送方向と直交する方向)の位置がとられている。また、図10中の破線は、押圧点に対応する領域を示している。
【0049】
図10を参照して、放熱板5に長穴部5fが形成された本実施形態では、放熱板105に長穴部が形成されていない比較例に比べて、用紙の幅方向における彩度のばらつきが小さくなることが判明した。具体的には、本実施形態では、押圧点P1に対応する領域近傍F2(図8参照)における彩度の低下がほとんど発生しなかった一方、比較例では、押圧点P101に対応する領域近傍F102(図13参照)における彩度の低下率が大きくなった。この結果から、本実施形態では、押圧点P1に対応する領域近傍F2において、サ
ーマルヘッド4が回転軸2(プラテンローラ3)と同じように撓んだので、押圧点P1に対応する領域近傍F2のサーマルヘッド4のプラテンローラ3に対する押圧力が、押圧点P1に対応する領域近傍F2以外の領域よりも弱くなるのが抑制されることが確認できた。
【0050】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0051】
たとえば、上記実施形態では、熱転写プリンタに本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、熱転写方式ファクシミリなどの熱転写プリンタ以外の画像形成装置にも適用可能である。
【0052】
また、上記実施形態では、サーマルヘッドをプラテンローラよりも上方に配置したが、本発明はこれに限らず、サーマルヘッドをプラテンローラの下方側に配置するとともに、下方側からサーマルヘッドをプラテンローラに対して押圧してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、インクシートガイド部を有する放熱板を用いたが、本発明はこれに限らず、放熱板とインクシートガイドとが別個に設けられていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、モータの駆動力により回動部材を回動させるとともに、その回動部材に取り付けられたキャップにより放熱板を押圧したが、本発明はこれに限らず、バネの付勢力により放熱板を押圧してもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、放熱板5の用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域(放熱板5の部分5aと部分5bとの間)に長穴部5fを形成したが、本発明はこれに限らず、放熱板5のサーマルヘッド4の上面を覆う部分5aにのみ長穴部5fを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態による熱転写プリンタの構造を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタにインクカートリッジが装着された状態を示した斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッド周辺の拡大断面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの放熱板周辺の構造を説明するための分解斜視図である。
【図6】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの放熱板の平面図である。
【図7】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの放熱板の正面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示した正面図である。
【図9】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示したサーマルヘッド周辺の拡大断面図である。
【図10】一実施形態および比較例の各々の熱転写プリンタによる印画の彩度を測定した結果を示したグラフである。
【図11】従来のサーマルヘッドに放熱板が取り付けられた熱転写プリンタの構造を示した斜視図である。
【図12】図11に示した従来の熱転写プリンタの放熱板周辺の分解斜視図である。
【図13】図11に示した従来の熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示した正面図である。
【図14】図11に示した従来の熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示したサーマルヘッド周辺の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0057】
2 回転軸
3 プラテンローラ
4 サーマルヘッド
5 放熱板
5b 部分(インクシートガイド部)
5f 長穴部
12a インクシート
19 キャップ(押圧部材)
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、サーマルヘッドを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱転写プリンタなどの画像形成装置に装着されるサーマルヘッドとして、プラテンローラを押圧するサーマルヘッド基板と、そのサーマルヘッド基板を支持する支持部材とを含むサーマルヘッドが知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、従来では、上記した特許文献1のサーマルヘッドの構成において、支持部材に放熱板を取り付けることにより、サーマルヘッドで発生した熱を放熱する技術が知られている。
【0003】
図11は、従来のサーマルヘッドに放熱板が取り付けられた熱転写プリンタ(画像形成装置)の構造を示した斜視図であり、図12は、図11に示した従来の熱転写プリンタの放熱板周辺の分解斜視図である。図13および図14は、図11に示した従来の熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示した図である。まず、図11〜図14を参照して、従来の熱転写プリンタの構造について説明する。
【0004】
従来の熱転写プリンタでは、図11に示すように、シャーシ101の内部に、回転軸102に取り付けられたプラテンローラ103と、サーマルヘッド104(図12参照)と、放熱板105と、一対の回動アーム106および107と、サーマルヘッド押圧機構部108と、用紙搬送機構部109とが設けられている。なお、図11に示した熱転写プリンタにおいて、用紙搬送方向は、図11中のA方向である。
【0005】
シャーシ101は、図11および図13に示すように、底面101aと、一対の側面101bおよび101cとを有する。シャーシ101の底面101aには、回動アーム106用の取り付け部101dと、用紙搬送機構部109用の取り付け部101eおよび101fとが形成されている。また、シャーシ101の取り付け部101dおよび101fには、それぞれ、穴部101gおよび101hが形成されている。また、シャーシ101の一方の側面101bの外側には、サーマルヘッド押圧機構部108用のモータ110と、用紙搬送機構部109用のモータ111とが取り付けられている。また、シャーシ101の一方の側面101bおよび他方の側面101cには、それぞれ、サーマルヘッド押圧機構部108用の穴部101iが形成されている。また、シャーシ101の他方の側面101cには、回動アーム107用の穴部101jが形成されている。なお、図13では、図面の簡略化のため、用紙搬送機構部109は図示していない。また、図11および図14に示すように、シャーシ101の他方の側面101cには、インクシート112aが装着されたインクカートリッジ112用の穴部101kが形成されている。また、図11および図13に示すように、シャーシ101の側面101bおよび101cには、それぞれ、回転軸102を回転可能に支持する軸受113が取り付けられている。
【0006】
また、図14に示すように、サーマルヘッド104は、プラテンローラ103と対向するように配置されている。このサーマルヘッド104は、図12および図14に示すように、支持部材114と、サーマルヘッド基板115とを含む。支持部材114は、長方形状に形成されているとともに、その支持部材114の上面側には、ねじ穴部114aが形成されている。また、サーマルヘッド基板115は、支持部材114の下面側に取り付けられている。また、サーマルヘッド104は、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向(図11参照)に向かって長辺が延びるように配置されている。そして、図14に示すように、サーマルヘッド104とプラテンローラ103との間の領域が、用紙130に対す
る印画が行われる印画領域F101となる。
【0007】
また、図12および図14に示すように、放熱板105は、サーマルヘッド104(支持部材114)の上面を覆うように支持部材114に取り付けられている。また、放熱板105は、サーマルヘッド104の上面を覆う部分105aと、インクシートガイドとして機能する部分105bと、回動アーム106および107が取り付けられる部分105cとを有する。放熱板105のサーマルヘッド104の上面を覆う部分105aには、取り付け穴部105dが形成されているとともに、その取り付け穴部105dは、支持部材114のねじ穴部114aに対応する領域に設けられている。そして、放熱板105は、上方側からねじ116aによりサーマルヘッド104に対してねじ止めされている。
【0008】
また、放熱板105のインクシートガイドとして機能する部分105bは、放熱板105のA方向の一方の端部に設けられているとともに、放熱板105の一方の端部がサーマルヘッド104の上面に対して垂直に下方側に向かって折り曲げられることにより形成されている。また、放熱板105の回動アーム106および107が取り付けられる部分105cは、放熱板105のA方向の他方の端部に設けられているとともに、放熱板105の他方の端部が斜め上方側に向かって折り曲げられることにより形成されている。この放熱板105の部分105cには、取り付け穴部105eが形成されている。
【0009】
また、図12に示すように、回動アーム106および107の一方の先端部には、それぞれ、支持軸106aおよび107aが設けられている。回動アーム106は、支持軸106aがシャーシ101の穴部101g(図13参照)に嵌め込まれることにより、支持軸106aを支点として回動可能に支持されている。また、回動アーム107は、支持軸107aがシャーシ101の穴部101j(図11参照)に嵌め込まれることにより、支持軸107aを支点として回動可能に支持されている。また、回動アーム106は、取り付け部106bを有するとともに、その取り付け部106bには、ねじ穴部106cが形成されている。また、回動アーム107は、取り付け部107bを有するとともに、その取り付け部107bには、ねじ穴部107cが形成されている。そして、放熱板105は、上方側からねじ116bにより回動アーム106および107の各々に対してねじ止めされている。また、回動アーム106の他方の先端部には、後述する回動部材118の端部118b(図11参照)と係合する係合部106dが設けられている。
【0010】
また、図11および図13に示すように、サーマルヘッド押圧機構部108は、支持棒117と、回動部材118と、キャップ119と、カムギア120とを含む。支持棒117の両端部は、シャーシ101の穴部101iに嵌め込まれている。また、回動部材118は、支持棒117に対して回転可能に取り付けられている。また、回動部材118の一方の端部118aは、所定方向に突出するように形成されているとともに、その端部118aの先端に、キャップ119が取り付けられている。また、回動部材118の他方の端部118bは、回動アーム106の係合部106dと係合するように形成されている。また、回動部材118の他方の端部側には、カムピン118cが設けられているとともに、そのカムピン118cは、カムギア120のカム溝120aに係合している。また、カムギア120には、図示しないギアを介してモータ110の駆動力が伝達される。
【0011】
そして、図11および図14に示すように、回動部材118がC方向に回動する場合には、回動アーム106の係合部106dが回動部材118の端部118bにより上方側に押し上げられるので、放熱板105およびサーマルヘッド104が上方側に回動される。その一方、回動部材118がD方向に回動する場合には、回動部材118の端部118bが下方側に移動するので、放熱板105およびサーマルヘッド104が下方側に回動される。また、図13および図14に示すように、サーマルヘッド104が下方側に回動した後に、回動部材118のD方向への回動をさらに続けることによって、キャップ119に
より放熱板105が押圧されることにより、サーマルヘッド104がプラテンローラ103側に押圧される。なお、図13および図14に示した状態において、キャップ119と放熱板105との接触部分が、印画時において放熱板105がキャップ119に押圧される押圧点P101である。
【0012】
また、図11に示すように、用紙搬送機構部109は、送りローラ121と、押さえローラ122と、軸受123と、回動板124と、引張りコイルバネ125とを含む。軸受123は、シャーシ101の取り付け部101eと側面101cとに取り付けられているとともに、その軸受123により送りローラ121が回転可能に支持されている。また、送りローラ121の表面には、凸部を有する領域121aが形成されている。また、回動板124は、支点軸124aを支点として回動するように、シャーシ101の取り付け部101eに取り付けられている。また、回動板124の一方の端部には、軸受124bが設けられているとともに、その軸受124bにより押さえローラ122が回転可能に支持されている。また、引張りコイルバネ125の一方端は、回動板124の他方の端部に取り付けられているとともに、引張りコイルバネ125の他方端は、シャーシ101の穴部101hに取り付けられている。
【特許文献1】特開平4−216069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図11〜図14に示した従来の熱転写プリンタでは、サーマルヘッド104の上面に取り付けられた放熱板105がサーマルヘッド104に対する補強板として機能するため、サーマルヘッド104がプラテンローラ103(回転軸102)よりも撓みにくくなるという不都合があった。すなわち、放熱板105の部分105bが部分105aに対して垂直下方に折り曲げられることにより形成されているので、その折り曲げ部の曲げ強度が大きくなる。このため、放熱板105の折り曲げ部に起因して、放熱板105が取り付けられるサーマルヘッド104がプラテンローラ103(回転軸102)よりも撓みにくいという不都合があった。このように、サーマルヘッド104がプラテンローラ103(回転軸102)よりも撓みにくいと、図13に示すように、キャップ119により放熱板105が押圧された場合に、押圧点P101に対応する領域近傍F102において、回転軸102(プラテンローラ103)の下方側への撓み量がサーマルヘッド104の下方側への撓み量よりも大きくなる。このため、押圧点P101に対応する領域近傍F102のサーマルヘッド104のプラテンローラ103に対する押圧力が、押圧点P101に対応する領域近傍F102以外の領域よりも弱くなるという不都合があった。その結果、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向においてサーマルヘッド104のプラテンローラ103に対する押圧力が不均一になるので、印画品質が低下するという問題点があった。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、放熱板をサーマルヘッドに取り付けた場合にも、用紙搬送方向と直交する方向においてサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が不均一になるのを抑制することにより、印画品質を向上させることが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による画像形成装置は、回転軸に取り付けられたプラテンローラと、インクシートを挟んでプラテンローラと対向するように配置されたサーマルヘッドと、サーマルヘッドのプラテンローラとは反対側の表面を覆うようにサーマルヘッドに取り付けられ、用紙搬送方向の一方の端部がプラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有する放熱板と、放熱板の一点を押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧する押圧部材とを
備えている。そして、放熱板の用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域には、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部が1つ形成されており、押圧部材は、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分の一点を押圧する。
【0016】
この第1の局面による画像形成装置では、上記のように、サーマルヘッドに取り付けられる放熱板に、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部を形成することによって、放熱板の曲げ強度を弱くすることができるので、放熱板を撓みやすくすることができる。これにより、サーマルヘッドのプラテンローラとは反対側の表面に放熱板を取り付けたとしても、サーマルヘッドが撓みにくくなるという不都合が発生するのを抑制することができる。この場合、長穴部が形成された放熱板を押圧部材により押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧することによって、押圧部材による押圧点に対応する領域近傍において、プラテンローラが取り付けられた回転軸が撓んだ場合に、サーマルヘッドを回転軸と同じように撓ませることができる。これにより、押圧部材による押圧点に対応する領域近傍のサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が、押圧点に対応する領域近傍以外の領域よりも弱くなるのを抑制することができる。その結果、用紙搬送方向と直交する方向においてサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が不均一になるのを抑制することができるので、印画品質を向上させることができる。また、放熱板の用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域に長穴部を形成することによって、用紙搬送方向の一方の端部がプラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有する放熱板において、長穴部の形成領域の大きさ分だけ曲げ強度の大きい折り曲げられた領域が減少するので、その分、放熱板全体の曲げ強度を弱くすることができる。また、長穴部近傍の放熱板の上面部分が、押圧部材により押圧されるように構成することによって、長穴部近傍の放熱板の上面部分は、長穴部近傍の放熱板の上面部分以外の部分よりも撓みやすいので、プラテンローラが取り付けられた回転軸が撓んだ場合に、容易に、放熱板が取り付けられたサーマルヘッドを回転軸と同じように撓ませることができる。この場合、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分の一点が、押圧部材により押圧されるように構成することによって、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分は、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分以外の部分よりも撓みやすいので、放熱板の中央部近傍の一点を押圧する場合において、放熱板を撓みやすくすることができる。また、用紙搬送方向と直交する方向に延びるように、放熱板に長穴部を1つ形成することによって、用紙搬送方向と直交する方向に配列された複数の長穴部を放熱板に形成する場合に比べて、放熱板をより撓みやすくすることができる。
【0017】
この発明の第2の局面による画像形成装置は、回転軸に取り付けられたプラテンローラと、プラテンローラと対向するように配置されたサーマルヘッドと、サーマルヘッドのプラテンローラとは反対側の表面を覆うようにサーマルヘッドに取り付けられ、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部が形成された放熱板と、放熱板を押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧する押圧部材とを備えている。
【0018】
この第2の局面による画像形成装置では、上記のように、サーマルヘッドに取り付けられる放熱板に、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部を形成することによって、放熱板の曲げ強度を弱くすることができるので、放熱板を撓みやすくすることができる。これにより、サーマルヘッドのプラテンローラとは反対側の表面に放熱板を取り付けたとしても、サーマルヘッドが撓みにくくなるという不都合が発生するのを抑制することができる。この場合、長穴部が形成された放熱板を押圧部材により押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧することによって、押圧部材による押圧点に対応する領域近傍において、プラテンローラが取り付けられた回転軸が撓んだ場合に、サーマルヘッドを回転軸と同じように撓ませることができる。これにより、押圧部材による押圧点に対応する領域近傍のサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が、押圧点に対応する領域近傍以外の領域よりも弱くなるのを抑制することができる。その結果、用紙搬送方
向と直交する方向においてサーマルヘッドのプラテンローラに対する押圧力が不均一になるのを抑制することができるので、印画品質を向上させることができる。
【0019】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、サーマルヘッドは、インクシートを挟んでプラテンローラと対向するように配置されており、放熱板は、用紙搬送方向の一方の端部がプラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有し、放熱板の長穴部は、放熱板の用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域に形成されている。このように構成すれば、用紙搬送方向の一方の端部がプラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有する放熱板において、長穴部の形成領域の大きさ分だけ曲げ強度の大きい折り曲げられた領域が減少するので、その分、放熱板全体の曲げ強度を弱くすることができる。
【0020】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、押圧部材は、長穴部近傍の放熱板の上面部分を押圧する。このように構成すれば、長穴部近傍の放熱板の上面部分は、長穴部近傍の放熱板の上面部分以外の部分よりも撓みやすいので、プラテンローラが取り付けられた回転軸が撓んだ場合に、容易に、放熱板が取り付けられたサーマルヘッドを回転軸と同じように撓ませることができる。
【0021】
この場合、好ましくは、押圧部材は、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分の一点を押圧することにより、サーマルヘッドをプラテンローラ側に押圧する。このように構成すれば、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分は、長穴部の中央部近傍の放熱板の上面部分以外の部分よりも撓みやすいので、放熱板の中央部近傍の一点を押圧する場合において、放熱板を撓みやすくすることができる。
【0022】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、放熱板の長穴部は、用紙搬送方向と直交する方向に延びるように1つ形成されている。このように構成すれば、用紙搬送方向と直交する方向に配列された複数の長穴部を放熱板に形成する場合に比べて、放熱板をより撓みやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による熱転写プリンタ(画像形成装置)の構造を示した斜視図であり、図2は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。図3は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタにインクカートリッジが装着された状態を示した斜視図であり、図4は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッド周辺の拡大断面図である。図5〜図7は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの放熱板の構造を説明するための図であり、図8および図9は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示した図である。まず、図1〜図9を参照して、本実施形態による熱転写プリンタの構造について説明する。
【0025】
本実施形態による熱転写プリンタでは、図1に示すように、シャーシ1の内部に、回転軸2に取り付けられたプラテンローラ3と、サーマルヘッド4と、放熱板5と、一対の回動アーム6および7と、サーマルヘッド押圧機構部8と、用紙搬送機構部9とが設けられている。なお、図1に示した熱転写プリンタにおいて、用紙搬送方向は、図1中のA方向である。
【0026】
シャーシ1は、図1および図2に示すように、底面1aと、底面1aのA方向と直交するB方向の両端部を底面1aに対して垂直方向に折り曲げることにより形成された一対の
側面1bおよび1cとを有する。シャーシ1の底面1aには、底面1aに対して上方側に突出する回動アーム6用の取り付け部1dと、底面1aに対して上方側に突出する用紙搬送機構部9用の取り付け部1eおよび1fとが形成されている。このシャーシ1の取り付け部1d〜1fは、底面1aの一部を切り起こすことにより形成されている。また、シャーシ1の取り付け部1dおよび1fには、それぞれ、穴部1gおよび1hが形成されている。また、シャーシ1の一方の側面1bの外側には、サーマルヘッド押圧機構部8用のモータ10と、用紙搬送機構部9用のモータ11とが取り付けられている。また、シャーシ1の一方の側面1bおよび他方の側面1cには、それぞれ、サーマルヘッド押圧機構部8用の穴部1iが形成されている。また、シャーシ1の他方の側面1cには、回動アーム7用の穴部1jが形成されている。なお、図2では、図面の簡略化のため、用紙搬送機構部9は図示していない。
【0027】
また、図1および図3に示すように、シャーシ1の他方の側面1cには、インクカートリッジ12が挿入される穴部1kが形成されている。このシャーシ1の穴部1kにインクカートリッジ12が挿入されることにより、インクカートリッジ12がシャーシ1の内部に保持される。なお、図4に示すように、インクカートリッジ12には、インクシート12aが装着されている。
【0028】
また、図1および図2に示すように、シャーシ1の側面1bおよび1cには、それぞれ、回転軸2用の軸受13が取り付けられている。そして、プラテンローラ3が取り付けられた回転軸2は、軸受13により回転可能に支持されている。
【0029】
また、図1および図4に示すように、サーマルヘッド4は、プラテンローラ3よりも上方に、かつ、プラテンローラ3と対向するように配置されている。このサーマルヘッド4は、図4および図5に示すように、支持部材14と、サーマルヘッド基板15とを含む。支持部材14は、約4mmの厚みを有するアルミニウム製の引き抜き材からなるとともに、長方形状に形成されている。また、支持部材14の上面側には、ねじ穴部14aが形成されている。また、サーマルヘッド基板15は、支持部材14の下面側に取り付けられている。そして、サーマルヘッド4は、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向(図1参照)に向かって長辺が延びるように配置されている。また、図4に示すように、インクカートリッジ12に装着されたインクシート12aは、サーマルヘッド4(サーマルヘッド基板15)とプラテンローラ3との間に配置されるとともに、そのサーマルヘッド4とプラテンローラ3との間の領域が、用紙30に対する印画が行われる印画領域F1となる。
【0030】
また、図4および図5に示すように、放熱板5は、約2mmの厚みを有するアルミニウム板からなるとともに、サーマルヘッド4(支持部材14)の上面を覆うように支持部材14に取り付けられている。また、放熱板5は、サーマルヘッド4の上面を覆う部分5aと、インクシートガイドとして機能する部分5bと、回動アーム6および7が取り付けられる部分5cとを有する。なお、部分5bは、本発明の「インクシートガイド部」の一例である。放熱板5のサーマルヘッド4の上面を覆う部分5aには、取り付け穴部5dが形成されているとともに、その取り付け穴部5dは、支持部材14のねじ穴部14aに対応する領域に設けられている。そして、放熱板5は、上方側からねじ16aによりサーマルヘッド4に対してねじ止めされている。また、図6に示すように、放熱板5の部分5aは、約22mmのA方向の長さL1を有する。
【0031】
また、図4および図5に示すように、放熱板5のインクシートガイドとして機能する部分5bは、放熱板5のA方向の一方の端部に設けられているとともに、放熱板5の一方の端部がサーマルヘッド4の上面に対して垂直に下方側に向かって折り曲げられることにより形成されている。また、放熱板5の回動アーム6および7が取り付けられる部分5cは、放熱板5のA方向の他方の端部に設けられているとともに、放熱板5の他方の端部が斜
め上方側に向かって折り曲げられることにより形成されている。この放熱板5の部分5cには、取り付け穴部5eが形成されている。
【0032】
ここで、本実施形態では、図5〜図7に示すように、放熱板5の用紙搬送方向(A方向)の一方の端部側の折り曲げられた領域(放熱板5の部分5aと部分5bとの間)には、A方向と直交するB方向に延びる長穴部5fが1つ形成されている。この放熱板5の長穴部5fの一方の長辺は、放熱板5の部分5aに配置されているとともに、他方の長辺は、放熱板5の部分5bに配置されている。具体的には、図6および図7に示すように、放熱板5の長穴部5fの一方の長辺は、放熱板5の部分5aと部分5cとの境界から約19mmの距離L2を隔てて配置されているとともに、長穴部5fの他方の長辺は、放熱板5の部分5cの下端から約3mmの距離L3を隔てて配置されている。また、放熱板5の長穴部5fの短辺は、放熱板5のB方向の端面から約5mmの距離L4を隔てて配置されている。
【0033】
また、図5に示すように、回動アーム6および7の一方の先端部には、それぞれ、支持軸6aおよび7aが設けられている。回動アーム6は、支持軸6aがシャーシ1の穴部1g(図2参照)に嵌め込まれることにより、支持軸6aを支点として回動可能に支持されている。また、回動アーム7は、支持軸7aがシャーシ1の穴部1j(図1参照)に嵌め込まれることにより、支持軸7aを支点として回動可能に支持されている。また、回動アーム6は、取り付け部6bを有するとともに、その取り付け部6bには、ねじ穴部6cが形成されている。また、回動アーム7は、取り付け部7bを有するとともに、その取り付け部7bには、ねじ穴部7cが形成されている。そして、放熱板5は、上方側からねじ16bにより回動アーム6および7の各々に対してねじ止めされている。これにより、回動アーム6および7が回動することにより、放熱板5およびサーマルヘッド4も回動される。また、回動アーム6の他方の先端部には、後述する回動部材18の端部18b(図1参照)と係合する係合部6dが設けられている。
【0034】
また、図1および図2に示すように、サーマルヘッド押圧機構部8は、支持棒17と、回動部材18と、樹脂製のキャップ19と、カムギア20とを含む。なお、キャップ19は、本発明の「押圧部材」の一例である。支持棒17の両端部は、シャーシ1の穴部1iに嵌め込まれている。また、回動部材18は、支持棒17に対して回転可能に取り付けられている。また、回動部材18の一方の端部18aは、所定方向に突出するように形成されているとともに、その端部18aの先端に、キャップ19が取り付けられている。また、回動部材18の他方の端部18bは、回動アーム6の係合部6dと係合するように形成されている。また、回動部材18の他方の端部側には、カムピン18cが設けられているとともに、そのカムピン18cは、カムギア20のカム溝20aに係合している。また、カムギア20には、図示しないギアを介してモータ10の駆動力が伝達される。すなわち、モータ10が駆動してカムギア20が回動することにより、回動部材18が回動される。
【0035】
これにより、図1および図4に示すように、回動部材18がC方向に回動する場合には、回動アーム6の係合部6dが回動部材18の端部18bにより上方側に押し上げられるので、放熱板5およびサーマルヘッド4が上方側に回動される。その一方、回動部材18がD方向に回動する場合には、回動部材18の端部18bが下方側に移動するので、放熱板5およびサーマルヘッド4が下方側に回動される。また、図8および図9に示すように、サーマルヘッド4が下方側に回動した後に、回動部材18のD方向への回動をさらに続けることによって、キャップ19により放熱板5が押圧されることにより、サーマルヘッド4がプラテンローラ3側に押圧される。そして、図8および図9に示した状態において、キャップ19と放熱板5との接触部分が、印画時において放熱板5がキャップ19に押圧される押圧点P1である。
【0036】
ここで、本実施形態では、図6に示すように、印画時において、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5aの一点(押圧点P1)が、サーマルヘッド押圧機構部8のキャップ19(図1参照)により押圧されるように構成されている。なお、放熱板5の部分5aと部分5cとの境界から押圧点P1までの距離L5は、約18mmである。
【0037】
また、図1に示すように、用紙搬送機構部9は、金属製の送りローラ21と、金属製の押さえローラ22と、軸受23と、回動板24と、引張りコイルバネ25とを含む。軸受23は、シャーシ1の取り付け部1eと側面1cとに取り付けられているとともに、その軸受23により送りローラ21が回転可能に支持されている。また、送りローラ21の表面には、転造加工による凸部を有する領域21aが形成されている。また、押さえローラ22は、送りローラ21よりも上方に、かつ、送りローラ21と対向するように配置されている。また、回動板24は、支点軸24aを支点として回動するように、シャーシ1の取り付け部1eに取り付けられている。また、回動板24の一方の端部には、軸受24bが設けられているとともに、その軸受24bにより押さえローラ22が回転可能に支持されている。また、引張りコイルバネ25の一方端は、回動板24の他方の端部に取り付けられているとともに、引張りコイルバネ25の他方端は、シャーシ1の穴部1hに取り付けられている。この引張りコイルバネ25は、回動板24(軸受24b)に支持された押さえローラ22を送りローラ21側に付勢する機能を有する。なお、回動板24および引張りコイルバネ25は、図示しないが、シャーシ1の側面1c側にも取り付けられている。
【0038】
次に、図4、図8および図9を参照して、本実施形態による熱転写プリンタの印画時の動作について説明する。
【0039】
まず、図4に示すように、プラテンローラ3からサーマルヘッド4を離間させた状態で、用紙搬送機構部9により用紙30を印画領域F1に搬送する。この後、回動部材18をD方向に回動させることによって、放熱板5およびサーマルヘッド4を下降させる。
【0040】
次に、図9に示すように、サーマルヘッド4を下降させた後に、回動部材18のD方向への回動をさらに続ける。これにより、押圧点P1においてキャップ19により放熱板5が押圧されるので、サーマルヘッド4がプラテンローラ3側に押圧される。なお、キャップ19による放熱板5に対する押圧力は、約5kgである。
【0041】
この際、本実施形態では、図8に示すように、キャップ19による押圧点P1に対応する領域近傍F2において、プラテンローラ3が取り付けられた回転軸2が下方側に撓むとともに、サーマルヘッド4および放熱板5も回転軸2と同じように撓む。すなわち、図8および図9に示すように、プラテンローラ3とサーマルヘッド4とは、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向の全領域において、インクシート12aおよび用紙30を挟んで密着した状態となる。
【0042】
この後、図9に示すように、サーマルヘッド4がプラテンローラ3側に押圧された状態で、用紙搬送機構部9により用紙30をA方向に移動させることによって、印画領域F1において用紙30に対する印画が行われる。
【0043】
本実施形態では、上記のように、サーマルヘッド4(支持部材14)に取り付けられる放熱板5に、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向に延びる長穴部5fを形成することによって、放熱板5の曲げ強度を弱くすることができるので、放熱板5を撓みやすくすることができる。これにより、サーマルヘッド4のプラテンローラ3とは反対側の表面に放熱板5を取り付けたとしても、サーマルヘッド4が撓みにくくなるという不都合が発生
するのを抑制することができる。この場合、長穴部5fが形成された放熱板5をサーマルヘッド押圧機構部8(キャップ19)により押圧することにより、サーマルヘッド4をプラテンローラ3側に押圧することによって、キャップ19による押圧点P1に対応する領域近傍F2において、プラテンローラ3が取り付けられた回転軸2が撓んだ場合に、サーマルヘッド4を回転軸2と同じように撓ませることができる。これにより、キャップ19による押圧点P1に対応する領域近傍F2のサーマルヘッド4のプラテンローラ3に対する押圧力が、押圧点P1に対応する領域近傍F2以外の領域よりも弱くなるのを抑制することができる。その結果、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向においてサーマルヘッド4のプラテンローラ3に対する押圧力が不均一になるのを抑制することができるので、印画品質を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、放熱板5の用紙搬送方向(A方向)の一方の端部側の折り曲げられた領域(放熱板5の部分5aと部分5bとの間)に長穴部5fを形成することによって、長穴部5fの形成領域の大きさ分だけ曲げ強度の大きい折り曲げられた領域が減少するので、その分、放熱板5全体の曲げ強度を弱くすることができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、長穴部5f近傍の放熱板5の部分5aが、サーマルヘッド押圧機構部8(キャップ19)により押圧されるように構成することによって、長穴部5f近傍の放熱板5の部分5aは、長穴部5f近傍の放熱板5の部分5a以外の部分よりも撓みやすいので、プラテンローラ3が取り付けられた回転軸2が撓んだ場合に、容易に、放熱板5が取り付けられたサーマルヘッド4を回転軸2と同じように撓ませることができる。この場合、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5aの一点が、サーマルヘッド押圧機構部8(キャップ19)により押圧されるように構成することによって、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5aは、長穴部5fの中央部近傍の放熱板5の部分5a以外の部分よりも撓みやすいので、放熱板5の中央部近傍の一点を押圧する場合において、放熱板5を撓みやすくすることができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、用紙搬送方向(A方向)と直交するB方向に延びるように、放熱板5に長穴部5fを1つ形成することによって、A方向と直交するB方向に配列された複数の長穴部を放熱板5に形成する場合に比べて、放熱板5をより撓みやすくすることができる。
【0047】
次に、上記した印画品質の向上に関する効果を確認するために行った実験について説明する。この確認実験では、まず、放熱板5に長穴部5fが形成された本実施形態の熱転写プリンタ(図1参照)と、比較例としての放熱板105に長穴部が形成されていない従来の熱転写プリンタ(図11参照)とを用いて、用紙30(130)に対する印画を行った。そして、本実施形態および比較例の各々の熱転写プリンタによる印画の彩度を測定した。
【0048】
図10は、一実施形態および比較例の各々の熱転写プリンタによる印画の彩度を測定した結果を示したグラフである。なお、図10の縦軸には、印画の彩度(任意単位)がとられているとともに、横軸には、印画された用紙の幅方向(用紙搬送方向と直交する方向)の位置がとられている。また、図10中の破線は、押圧点に対応する領域を示している。
【0049】
図10を参照して、放熱板5に長穴部5fが形成された本実施形態では、放熱板105に長穴部が形成されていない比較例に比べて、用紙の幅方向における彩度のばらつきが小さくなることが判明した。具体的には、本実施形態では、押圧点P1に対応する領域近傍F2(図8参照)における彩度の低下がほとんど発生しなかった一方、比較例では、押圧点P101に対応する領域近傍F102(図13参照)における彩度の低下率が大きくなった。この結果から、本実施形態では、押圧点P1に対応する領域近傍F2において、サ
ーマルヘッド4が回転軸2(プラテンローラ3)と同じように撓んだので、押圧点P1に対応する領域近傍F2のサーマルヘッド4のプラテンローラ3に対する押圧力が、押圧点P1に対応する領域近傍F2以外の領域よりも弱くなるのが抑制されることが確認できた。
【0050】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0051】
たとえば、上記実施形態では、熱転写プリンタに本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、熱転写方式ファクシミリなどの熱転写プリンタ以外の画像形成装置にも適用可能である。
【0052】
また、上記実施形態では、サーマルヘッドをプラテンローラよりも上方に配置したが、本発明はこれに限らず、サーマルヘッドをプラテンローラの下方側に配置するとともに、下方側からサーマルヘッドをプラテンローラに対して押圧してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、インクシートガイド部を有する放熱板を用いたが、本発明はこれに限らず、放熱板とインクシートガイドとが別個に設けられていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、モータの駆動力により回動部材を回動させるとともに、その回動部材に取り付けられたキャップにより放熱板を押圧したが、本発明はこれに限らず、バネの付勢力により放熱板を押圧してもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、放熱板5の用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域(放熱板5の部分5aと部分5bとの間)に長穴部5fを形成したが、本発明はこれに限らず、放熱板5のサーマルヘッド4の上面を覆う部分5aにのみ長穴部5fを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態による熱転写プリンタの構造を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタにインクカートリッジが装着された状態を示した斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッド周辺の拡大断面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの放熱板周辺の構造を説明するための分解斜視図である。
【図6】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの放熱板の平面図である。
【図7】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの放熱板の正面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示した正面図である。
【図9】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示したサーマルヘッド周辺の拡大断面図である。
【図10】一実施形態および比較例の各々の熱転写プリンタによる印画の彩度を測定した結果を示したグラフである。
【図11】従来のサーマルヘッドに放熱板が取り付けられた熱転写プリンタの構造を示した斜視図である。
【図12】図11に示した従来の熱転写プリンタの放熱板周辺の分解斜視図である。
【図13】図11に示した従来の熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示した正面図である。
【図14】図11に示した従来の熱転写プリンタのサーマルヘッドがプラテンローラ側に押圧された状態を示したサーマルヘッド周辺の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0057】
2 回転軸
3 プラテンローラ
4 サーマルヘッド
5 放熱板
5b 部分(インクシートガイド部)
5f 長穴部
12a インクシート
19 キャップ(押圧部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸に取り付けられたプラテンローラと、インクシートを挟んで前記プラテンローラと対向するように配置されたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの前記プラテンローラとは反対側の表面を覆うように前記サーマルヘッドに取り付けられ、用紙搬送方向の一方の端部が前記プラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有する放熱板と、前記放熱板の一点を押圧することにより、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラ側に押圧する押圧部材とを備えた画像形成装置において、
前記放熱板の前記用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域には、前記用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部が1つ形成されており、
前記押圧部材は、前記長穴部の中央部近傍の前記放熱板の上面部分の一点を押圧する、画像形成装置。
【請求項2】
回転軸に取り付けられたプラテンローラと、
前記プラテンローラと対向するように配置されたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの前記プラテンローラとは反対側の表面を覆うように前記サーマルヘッドに取り付けられ、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部が形成された放熱板と、
前記放熱板を押圧することにより、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラ側に押圧する押圧部材とを備えた、画像形成装置。
【請求項3】
前記サーマルヘッドは、インクシートを挟んで前記プラテンローラと対向するように配置されており、
前記放熱板は、前記用紙搬送方向の一方の端部が前記プラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有し、
前記放熱板の長穴部は、前記放熱板の前記用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域に形成されている、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記押圧部材は、前記長穴部近傍の前記放熱板の上面部分を押圧する、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記押圧部材は、前記長穴部の中央部近傍の前記放熱板の上面部分の一点を押圧することにより、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラ側に押圧する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記放熱板の長穴部は、前記用紙搬送方向と直交する方向に延びるように1つ形成されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
回転軸に取り付けられたプラテンローラと、インクシートを挟んで前記プラテンローラと対向するように配置されたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの前記プラテンローラとは反対側の表面を覆うように前記サーマルヘッドに取り付けられ、用紙搬送方向の一方の端部が前記プラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有する放熱板と、前記放熱板の一点を押圧することにより、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラ側に押圧する押圧部材とを備えた画像形成装置において、
前記放熱板の前記用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域には、前記用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部が1つ形成されており、
前記押圧部材は、前記長穴部の中央部近傍の前記放熱板の上面部分の一点を押圧する、画像形成装置。
【請求項2】
回転軸に取り付けられたプラテンローラと、
前記プラテンローラと対向するように配置されたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドの前記プラテンローラとは反対側の表面を覆うように前記サーマルヘッドに取り付けられ、用紙搬送方向と直交する方向に延びる長穴部が形成された放熱板と、
前記放熱板を押圧することにより、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラ側に押圧する押圧部材とを備えた、画像形成装置。
【請求項3】
前記サーマルヘッドは、インクシートを挟んで前記プラテンローラと対向するように配置されており、
前記放熱板は、前記用紙搬送方向の一方の端部が前記プラテンローラ側に折り曲げられることにより形成されたインクシートガイド部を有し、
前記放熱板の長穴部は、前記放熱板の前記用紙搬送方向の一方の端部側の折り曲げられた領域に形成されている、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記押圧部材は、前記長穴部近傍の前記放熱板の上面部分を押圧する、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記押圧部材は、前記長穴部の中央部近傍の前記放熱板の上面部分の一点を押圧することにより、前記サーマルヘッドを前記プラテンローラ側に押圧する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記放熱板の長穴部は、前記用紙搬送方向と直交する方向に延びるように1つ形成されている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−54968(P2007−54968A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−239553(P2005−239553)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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