説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置において、ユーザの操作性や利便性を向上させる機能が追加されているが、ユーザには知られておらず使用されることが無いという問題点があった。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、ユーザの入力操作を解析して、同入力操作を簡単化する機能が該画像形成装置に備わっている場合には、該機能をユーザに表示パネルや電子メールにより通知する機能を備えたため、ユーザの操作性や利便性を向上させる機能をユーザが有効に利用することが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ユーザに対して、操作方法の通知を可能とする画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置は多機能化が進んでおり、機能設定がユーザにとって難しいものになりつつある。その問題を解決するべく、複雑な機能を使用するときは通常表示モード、簡単な機能設定のときは、シンプル表示モードを表示させることにより、装置の操作性を向上させるものが提案されている(特許文献1、2、3、4参照)。
【0003】
しかし、画像形成装置の機能の多様化により、ユーザの操作性や利便性を向上させる機能が追加されているが、ユーザには知られておらず使用されることが無い。上記の特許文献1から4の方法では、これらの機能はメニュー中に表示されるだけで、ユーザがそれらの操作機能を知らないと使用されることがない。
【0004】
【特許文献1】特開2002−281200号公報
【特許文献2】特開2005−74714号公報
【特許文献3】特開2005−74715号公報
【特許文献4】特開2005−74716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、画像形成装置において、ユーザの操作性や利便性を向上させるための機能であるが、ユーザには知られておらず使用されることが無いものについて、ユーザにその機能の使用を知らせることができなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、ユーザの入力操作を受け付ける入力部と前記ユーザの入力操作に基づき入力操作に関する未使用の有効機能が備わっているかどうかを判定する操作解析判定部と前記操作解析判定部の判定に応じて前記未使用の有効機能をユーザに通知する機能通知部とを有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置は、ユーザの入力操作を受け付ける入力部と前記ユーザの入力操作に基づき入力操作に関する未使用の有効機能が備わっているかどうかを判定する操作解析判定部と前記操作解析判定部の判定に応じて前記未使用の有効機能をユーザに通知する機能通知部とを有することを最も主要な特徴とするため、ユーザの操作性や利便性を向上させるための機能であるがユーザには知られておらず使用されることが無い機能について、ユーザがその機能に相当する操作を該機能を使わずに複数の行程により行った際には、ユーザに対して同操作を実現する簡単化された機能について通知することが可能となり、ユーザの操作性を向上した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
画像形成装置において、ユーザの操作性や利便性を向上させるための機能であるが、ユーザには知られておらず使用されることが無い機能があるという問題点をユーザの入力操作を解析して、同操作を簡単化して実現する機能があれば、その旨をユーザに通知することにより問題点を解決した。
【実施例1】
【0009】
[構成]
図1は、本発明の実施例に係わる画像形成装置の機能ブロック図である。
【0010】
本ブロック図では、通常の画像形成装置に備わっているが、本発明の本質には関係ないスキャナ部や印刷部などの機能部については省略してある。
【0011】
画像形成装置101は、入力部111、表示部113(機能通知部)、制御部115(操作解析判定部)、電子メール送信部117(機能通知部)、操作記録部119(入力操作記録部)の各機能部を有する。
【0012】
入力部111は、ユーザが複写やFAX送信や画像スキャンなどの画像形成装置の操作を入力する。
【0013】
表示部113(機能通知部)は、入力部での入力の際の選択項目を表示したり、画像形成装置の状態を表示したりするとともに、機能通知部として画像形成装置に備わっているがユーザが知らない機能をユーザに通知するための表示を行う。
【0014】
制御部115(操作解析判定部、期間設定部、ユーザ特定部)は、画像形成装置101の各機能部の制御を行うとともに、ユーザの入力操作を解析して、同操作が画像形成装置に備わっている簡単化された機能により実現可能かどうかを判断する。
【0015】
また、入力操作の解析を定期的に行う場合は、初期設定によりその期間を一定の期間(例えば、1週間、1ヶ月、3ヶ月)に設定を行う期間設定部を含む。
【0016】
また、画像形成装置の使用があるたびに、使用するユーザが誰であるかを特定するユーザ特定部を含む。
【0017】
電子メール送信部117(機能通知部)は、機能通知部として画像形成装置に備わっているがユーザが知らない機能をユーザに通知するために電子メールを送信する。
【0018】
操作記録部119(入力操作記録部)は、入力部111でのユーザの入力操作を記録しておく。
【0019】
[フローチャート]
図2のフローチャートを用いて、入力操作を一旦記録して、定期的に記録された入力操作を解析する方法の動作の流れについて説明する。
【0020】
S11:画像形成装置が起動すると、入力操作の記録を開始する。入力操作の記録の際には、ユーザのログイン記録も行って、各入力操作がどのユーザによって行われたかを記録する。ログイン方法は、画像形成装置の操作パネルを用いてユーザがキー入力によりログインする形をとっても良いし、ICカードなどの入出力機器を用いても良いし、また指紋認証などの生体認証による方法を用いても良い。
【0021】
ログインによりユーザが特定できるので、あらかじめユーザの電子メールアドレスを登録しておくことにより、未使用の有効機能について電子メールで知らせることが可能となる。
【0022】
S13:あらかじめ設定してある期間、例えば一週間、一ヶ月、3ヶ月などを単位として、それらの期間が過ぎたかどうかを判断する。期間が過ぎたらS15に動作を移行する。過ぎていなければS13を繰り返し、それらの期間が過ぎるまで入力操作の記録を蓄積する。
【0023】
S15:入力操作の分析を行う。入力操作のシーケンスを解析して、画像形成装置に備わっている機能で同操作を簡単化することができるかどうかの解析処理を行う。具体的な解析方法については後述する。
【0024】
S17:前ステップで解析した結果、記録された入力操作を簡単化する機能が見つかってユーザに通知するかどうかを判断する。通知すべき機能が存在したら動作をS19に移行する。通知すべき機能が存在しなければ、S11に動作を移行し、再度入力操作の記録から動作を繰り返す。
【0025】
S19:ユーザに機能を通知する。通知する方法としては、電子メール送信部117により電子メールでユーザに知らせる方法や、ユーザが再度画像形成装置にログインする際に、表示部113に表示することにより行う方法がある。
【0026】
どちらかの通知方法を用いても良いし、両方の通知方法を行っても良い。
【0027】
以上の一連の動作により、入力操作を記録しておいて定期的に解析する方法による動作を終了する。
【0028】
図3に入力操作について定期的に操作内容を解析するのではなく、操作毎に解析を行う方法についてフローチャートを用いて説明する。
【0029】
図3のフローチャートでは、図2のフローチャートでのS13の入力操作確認期間経過の判断の部分が無い。S21で入力操作の記録を開始して、S23で入力操作を解析し、S25で通知すべき機能があったかどうかを判断して、あった場合にはS27でユーザに通知を行い。無い場合には、S21から操作を繰り返す。
【0030】
[解析処理]
入力操作の解析は、指定したシーケンスの入力操作があらかじめ指定した繰り返し閾値(例えば1回、3回、5回など)を超えた場合に、簡単化する機能の通知を行うこととする。具体的には、例えば以下の例にある、画像形成装置に備わっている簡単化された機能について、各作業内容に記載してあるシーケンスの入力操作が行われたかどうかを判定する方法により行う。
【0031】
例1:控えコピー機能(FAX送信する際に原稿の控えの複写も行う機能)の場合
同一ユーザが、一連の作業中で、下記作業A,または作業Bを繰り返し閾値以上実施した場合、控えコピー機能の通知を実施する。
【0032】
(作業A)
1.コピーを行う。
【0033】
2.1.と同一サイズ、同一枚数での送信をする。
【0034】
(作業B)
1.送信を行う。
【0035】
2.1.と同一サイズ、同一枚数でのコピーを行う。
【0036】
例2:原稿サイズ混載機能(異なる原稿サイズの原稿を原稿台において連続して複写が可能な機能)の場合
同一ユーザが、一連の作業中で、下記作業Cを繰り返し閾値以上実施した場合、原稿サイズ混載機能の通知を実施する。
【0037】
(作業C)
1.ある原稿サイズでコピーを行う
2.1.と異なる原稿サイズで1.と同一部数、コピーを行う
例3:転送設定機能(FAX受信した内容を自動であらかじめ設定した転送先に転送する機能)の場合
同一ユーザが、一連の作業中で、下記作業Dを繰り返し閾値以上実施した場合、転送設定機能の通知を実施する。
【0038】
(作業D)
1.FAXを受信する
2.1.で受信した所定の受信先からのFAXを所定の転送先へ転送する。
【0039】
例4:イメージリピート機能(原稿を一枚読み込ませるだけで、同じ内容を一枚の用紙内に自動配列したコピーをとる機能)の場合
同一ユーザが、一連の作業中で、下記作業Eを繰り返し閾値以上実施した場合、イメージリピート機能の通知を実施する。
【0040】
(作業E)
1.原稿を縮小コピーモードで複数コピーする。
【0041】
2.1.原稿を等倍モードでコピーする。
【0042】
上記の例などにより、入力操作が適合した場合には、呼応する機能が画像形成装置に備わっていることをユーザに知らせる。
【0043】
[実施例の効果]
本発明実施例により、画像形成装置に備わっている操作性及び利便性を向上される機能であるが、ユーザに知られていないため使われていなかった機能が、その機能と同等の操作をユーザが行うかどうかを解析して、そのような操作が行われた場合には、ユーザに対して表示部や電子メールにより通知するため、ユーザが画像形成装置に備わっている操作性及び利便性の高い機能について知ることが可能となり、結果として装置の操作性効率、ユーザの利便性が向上した。
【0044】
また、ユーザに通知をする際には、ただ機能の存在を知らせるだけでなく、その機能の操作の開始するためのメニューの選択方法なども同時に通知することにより利便性が向上した。
【0045】
本実施例により、画像形成装置の多様な機能についてのユーザの理解を促進することが可能となった。
【0046】
[その他]
入力操作を解析する際には、ユーザごとに入力操作を解析する方法について説明したが、ユーザの如何に関わり無く画像形成装置毎に入力操作を解析して、簡単化する機能があれば通知を行う方法も選択可能となっている。
【0047】
その場合には、通知方法に電子メールを用いなくともよいし、画像形成装置毎に代表のメールアドレスを設定しておいて、そのメールアドレスに通知する方法をとっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】画像形成装置の機能ブロック図である(実施例1)。
【図2】定期的に入力操作を解析する際のフローチャートである(実施例1)。
【図3】入力操作毎に解析する際のフローチャートである(実施例1)。
【符号の説明】
【0049】
101 画像形成装置
111 入力部
113 表示部(機能通知部)
115 制御部(操作解析判定部、期間設定部、ユーザ特定部)
117 電子メール送信部(機能通知部)
119 操作記録部(入力操作記録部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの入力操作を受け付ける入力部と、
前記ユーザの入力操作に基づき入力操作に関する未使用の有効機能が備わっているかどうかを判定する操作解析判定部と、
前記操作解析判定部の判定に応じて前記未使用の有効機能をユーザに通知する機能通知部と、を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記操作解析判定部は、前記未使用の有効機能を前記ユーザの入力操作を簡単化するものとして判定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置であって、
前記通知を電子メールを用いて送信するメール送信部、または表示パネルを用いて表示する表示部の少なくとも一方を備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記ユーザの入力操作を記録する入力操作記録部を有し、
前記操作解析判定部は、定期的に入力操作記録部の操作記録を解析して、前記有効機能を判定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置であって、
前記入力操作記録部の操作記録を解析する期間を初期設定により変更する期間設定部を備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記機能通知部は、前記操作解析判定部の判定回数が閾値を超えた際に、前記通知を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記ユーザを特定するユーザ特定部を備えた
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−109172(P2008−109172A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287143(P2006−287143)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】