画像形成装置
【課題】像担持体クリーニング手段の寿命判定を適切に行うことができるとともに、装置のコストアップを抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御部101は、感光体に基準トナーパターンを形成し、像担持体クリーニング手段たる感光体クリーニングブレード2aに入力する。そして、感光体クリーニングブレードを通過した通過トナーを中間転写ベルトに転写して、ベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト表面移動方向上流側、かつ、一次転写ローラ11よりも下流側に設けられたトナー検知手段たるセンサユニット200で感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナーを検知する。その検知結果に基づいて、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定を行う。
【解決手段】制御部101は、感光体に基準トナーパターンを形成し、像担持体クリーニング手段たる感光体クリーニングブレード2aに入力する。そして、感光体クリーニングブレードを通過した通過トナーを中間転写ベルトに転写して、ベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト表面移動方向上流側、かつ、一次転写ローラ11よりも下流側に設けられたトナー検知手段たるセンサユニット200で感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナーを検知する。その検知結果に基づいて、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、像担持体たる感光体上の各色トナー像を色毎に無端移動体たる搬送ベルト上の記録体に順次転写する直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置や、感光体上の各色トナー像を色毎に無端移動体たる中間転写体上に一次転写して重ね合わせ、中間転写体上から記録体上に一括二次転写する中間転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置が広く知られている。この画像形成装置では、転写後に感光体上に残留したトナーは、ブレードなどの像担持体クリーニング手段にて除去される。
【0003】
像担持体クリーニング手段が劣化すると、像担持体クリーニング手段で転写残トナーを除去できず、通過するトナーが発生する。この通過したトナーは、形成する画像に影響を与え、異常画像が形成される。
【0004】
従来においては、像担持体クリーニング手段の使用期間、画像形成枚数、感光体の回転数などが所定値(以下、寿命設定値)を超えたら、像担持体クリーニング手段の寿命が到来したとして、像担持体クリーニング手段の交換を使用に報知している。しかし、実際の像担持体クリーニング手段の寿命は、単純に使用期間、画像形成枚数、感光体の回転数等のみで決定されるわけではなく、装置の使用環境に大きく左右される。よって、使用期間、画像形成枚数、感光体の回転数などで寿命判定を行う場合は、クリーニング手段の寿命が早期にくる悪条件の使用環境下でも異常画像が形成されないよう、余裕度をある程度見込んだ寿命設定値としている。よって、実際はまだ使用を続ける事が可能な状態にあっても交換時期を迎えてしまう事が多い。また、それとは逆に突発的な異常により寿命が早まった場合では、寿命設定値を超える前に像担持体クリーニング手段の寿命が来てしまい、異常画像が形成されてしまう。
【0005】
特許文献1には、次のような画像形成装置が記載されている。すなわち、感光体に付着した転写残トナーを除去する像担持体クリーニング手段よりも感光体移動方向下流側に、トナー検知手段を設ける。そして、像担持体クリーニング手段に基準トナーパターンを入力し、像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーをトナー検知手段で検知して、その検知結果に基づいて、像担持体クリーニング手段の寿命を判定する画像形成装置である。像担持体クリーニング手段が劣化していないときは、像担持体クリーニング手段が、基準パターンを感光体から良好に除去するので、像担持体クリーニング手段を通過する通過トナーはほとんどない。よって、トナー検知手段でトナーがほとんど検知されない。一方、像担持体クリーニング手段が劣化して、基準トナーパターンを良好に除去できなくなると、像担持体クリーニング手段を通過する通過トナーが多くなり、トナー検知手段が検知するトナー量が多くなる。すなわち、像担持体クリーニング手段よりも感光体移動方向下流側に設けたトナー検知手段でクリーニング手段を通過した通過トナー量を検知することで、像担持体クリーニング手段が寿命であることを判定でき、使用者に像担持体クリーニング手段の寿命を報知することができる。このように、特許文献1においては、トナー検知手段でクリーニング手段のクリーニング不良を実際に検知して、寿命を判定しているので、クリーニング手段の適切な寿命判定を行うことができる。
【0006】
【特許文献1】特開平8−179574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、複数の像担持体を用いてカラー画像の形成を行うタンデム方式の画像形成装置においては、それぞれの像担持体にトナー検知手段を設けるため、コストがアップする問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像担持体クリーニング手段の寿命判定を適切に行うことができるとともに、装置のコストアップを抑えることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体と、それぞれの像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、それぞれの像担持体が担持するトナー像を、該無端移動体の表面に保持される記録媒体に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に記録媒体に転写する転写手段と、ぞれぞれの像担持体に設けられ、前記像担持体に付着した転写残トナーを除去する像担持体クリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記像担持体上に基準トナーパターンを形成し、該基準トナーパターンを前記像担持体クリーニング手段に入力し、前記像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを前記無端移動体に転写し、前記無端移動体上の通過トナーを、トナー検知手段で検知し、その検知結果に基づいて、前記像担持体クリーニング手段の寿命を判定する像担持体クリーニング手段寿命判定手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記無端移動体の表面に付着した異物を除去する無端移動体クリーニング手段を備え、前記トナー検知手段を、前記無端移動体クリーニング手段よりも無端移動体移動方向上流側、かつ、前記無端移動体の前記像担持体との対向位置よりも下流側に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記無端移動体に基準トナーパターンを形成し、前記無端移動体クリーニング手段に入力し、前記無端移動体クリーニング手段を通過した通過トナーをトナー検知手段で検知し、この検知結果に基づいて前記無端移動体クリーニング手段の寿命を判定する無端移動体クリーニング手段寿命判定手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、Y色トナーで形成することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、粒径分布が最も広いトナー色で形成することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、円形度が最も高いトナー色で形成することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3乃至6いずれかひとつの画像形成装置において、前記無端移動体クリーニング手段寿命判定手段は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを前記無端移動体クリーニング手段に入力し、各トナー付着量におけるトナー検知手段の検知結果に基づいて、前記無端移動体クリーニング手段の寿命判定を行うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかひとつの画像形成装置において、前記像担持体クリーニング手段寿命判定手段は、各像担持体クリーニング手段を通過した各色のトナーを、前記無端移動体の副走査線方向異なる位置に転写し、前記トナー検知手段で連続的に検知することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかひとつの画像形成装置において、前記像担持体クリーニング手段寿命判定手段は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを前記像担持体クリーニング手段に入力し、各トナー付着量におけるトナー検知手段の検知結果に基づいて、前記像担持体クリーニング手段の寿命判定を行うことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかひとつの画像形成装置において、前記トナー検知手段で前記無端移動体クリーニング手段を通過した通過トナーまたは前記像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを検知した後、前記無端移動体の空回し動作を実行することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、前記空回し動作は、前記検知手段によって前記通過トナーが除去されたことを確認するまで実施することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、前記空回し動作の動作時間が、所定時間経過した場合は、空回し動作を中止して、使用者に報知することを特徴とするものである。
【0010】
本発明においては、像担持体クリーニング手段の寿命判定時に像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを無端移動体に転写して、無端移動体に転写された通過トナーをトナー検知手段で検知して寿命判定を行う。これにより、像担持体それぞれに設けられた像担持体クリーニング手段の寿命判定を、ひとつのトナー検知手段で行うことができ、それぞれの像担持体にトナー検知手段を設けるものに比べて、装置のコストアップを抑えることができる。
また、トナー検知手段で像担持体クリーニング手段のクリーニング不良によって像担持体クリーニング手段を通過した通過トナー量を実際に検知して、寿命を判定しているので、像担持体クリーニング手段の適切な寿命判定を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、ひとつのトナー検知手段で像担持体それぞれに設けられた像担持体クリーニング手段の寿命判定を行うことができ、それぞれの像担持体にトナー検知手段を設けるものに比べて、装置のコストアップを抑えることができる。また、トナー検知手段で像担持体クリーニング手段のクリーニング不良を実際に検知して、寿命を判定するので、像担持体クリーニング手段の適切な寿命判定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
まず、本願発明を適用できる画像形成装置の一例について説明する。
図1はその概略構成図である。
この画像形成装置は、電子写真方式のタンデム型のカラープリンタである。装置中央に転写手段たる中間転写ベルトユニット51を装置本体に対して脱着可能に備えている。中間転写ベルトユニット51は二次転写対向ローラでもある駆動ローラ12、テンションローラ13、2本の支持ローラ14,15を備え、これらのローラで無端移動体であり中間転写体である中間転写ベルト52を張架している。
【0013】
中間転写ベルト52は、多層構造、単層構造でも構わない。多層構造であればベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)シート、ポリイミド系樹脂でつくり、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなるものが好ましい。単層であればPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PC(ポリカーボネート)、ポリイミド等の材質を用いるものが好ましい。なお、中間転写ベルト52の材質および構造に関してはこれに特定されるものではない。
【0014】
この中間転写ベルト52の下方の移動領域に沿ってブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4つの画像形成手段たる画像形成ユニット10K,10Y,10M,10Cが構成されている。各画像形成ユニットは感光体1、像担持体クリーニング手段たる感光体クリーニングブレード2aを備えた感光体クリーニング装置2、帯電装置4、現像装置9などを備えている。符号5は図示を省略した装置下部に配置されている光書き込み装置からの書き込み光を示す。中間転写ベルトユニット51の各感光体1と対向するベルト部分の裏面には一次転写手段たる転写バイアスローラ11を備えている。駆動ローラ12に巻き付くベルト部分の表面に対向して2次転写手段たる二次転写ローラ21が設けられている。また、二次転写後の中間転写ベルト表面をクリーニングする無端移動体クリーニング手段であり中間転写体クリーニング手段でもあるベルトクリーニングブレード19aを備えたベルトクリーニング装置19も設けられている。ベルトクリーニング装置19は図示の例のように中間転写ベルトユニット51のフレームに保持させてもよいし、画像形成装置本体側に保持させてもよい。
【0015】
画像形成装置本体側には、ストックされている記録媒体としての転写紙25を給紙する給紙ローラ26、搬送ローラ対27、レジストローラ対28、二次転写ローラ21、二次転写後ガイド板40、定着装置30、排紙ローラ32なども設けられている。定着装置30は、定着ローラ30aに加圧ローラ30bを押し当てて構成する。
【0016】
以上の構成で、不図示のスタートスイッチを押すと、駆動モータで駆動ローラ12を回転させて中間転写ベルト52を回転させる。同時に、各感光体を回転させて各感光体上にそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの単色画像を形成する。そして、感光体1上に形成された各色トナー像が中間転写ベルト52上で重ね合わさせて転写され、中間転写ベルト上に合成カラー画像を形成する。画像転写後の各感光体1は、感光体クリーニングブレード2aで、画像転写後に感光体上に残留する残留トナーが除去される。
【0017】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙ローラ26が回転し、転写紙25を繰り出し、不図示の分離ローラで1枚ずつ分離して給紙路に搬送する。給紙路に搬送された転写紙を、搬送ローラ27によって搬送し、レジストローラ28に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト52上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ28を回転し、中間転写ベルト52と2次転写ローラ21との間に転写紙25を送り込み、2次転写ローラ21で転写してシート上にカラー画像を記録する。合成カラー画像が転写された転写紙25はガイド板40でガイドされて定着装置30に到り、ここでトナー像が転写紙25に定着された後、排紙ローラ対32で装置上部のスタック部に排紙される。
【0018】
一方、画像転写後の中間転写ベルト52は、ベルトクリーニングブレード19aで、画像転写後に中間転写ベルト52上に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成装置による再度の画像形成に備える。
【0019】
図2は、ベルトクリーニング装置19の周辺の概略構成図である。
図に示すように、ベルトクリーニング装置19は、無端移動体クリーニング手段であり、中間転写体クリーニング手段たるベルトクリーニングブレード19aを備えている。ベルトクリーニングブレード19aとしては、ウレタン製のブレードを用いる。ベルトクリーニングブレード19aのブレードエッジを中間転写ベルト52に圧接させて、ベルトクリーニングブレード19aのブレードエッジを中間転写ベルト52に密着させる。画像転写後に中間転写ベルト52上に残留する残留トナーは、ベルトクリーニングブレード19aによって掻き落とされ、トナー収容部19bへ落下し、トナー収容部19bに落下した残留トナーは、図示しない搬送スクリュによって不図示の廃トナー収容部へ搬送される。なお、各画像形成ユニット10K,10Y,10M,10Cにそれぞれ備えられている感光体クリーニング装置もベルトクリーニング装置19と同様な構成を有している。
【0020】
ブレードによるクリーニング方法では、使用環境によってブレードの経時劣化度合いがばらつくため、単純にプリント枚数、作像回数(回転数)等により寿命を判断する従来の方式では、余裕度を設けた寿命設定となっていた。本来、ブレードによるクリーニング方式を用いた場合は、ブレードエッジと相手方(中間転写ベルト52または感光体1)との密着度合いによりクリーニング性が異なってくるためにブレードエッジの摩耗の進行具合が寿命の判断基準となる。すなわち、ブレードエッジの摩耗が進行すると、ブレードエッジと相手方との密着度合いが低下して、ブレードを通過するトナーが発生し、クリーニング性が低下するのである。ブレード摩耗の進行は、単純にプリント枚数や作像回数に比例するものではなく、使用する環境(高温と低温)や出力画像面積、FC(フルカラー)/BK(モノクロ)モードの比率、使用する紙種等様々な外乱を受けながらばらつくものである。また、ブレード以外のクリーニング方法、例えばブラシやスポンジローラ等による静電的な方法を用いる場合においても、ブレード方式同様、クリーニング手段たるブラシやスポンジローラなどの経時劣化によってクリーニング性が低下する。そして、その経時劣化は、ブレード同様、使用環境によってばらついてしまう。
【0021】
そこで、本実施形態においては、使用環境によって経時劣化がばらつくブレードやブラシなどのクリーニング手段の寿命を的確に検知し、クシーニング装置の交換時期を決定できるようにしている。
具体的に説明すると、図2に示すように、ベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト表面移動方向上流側、かつ、一次転写ローラよりも下流側に感光体クリーニングブレードを通過した通過トナーを検知するトナー検知手段たるセンサユニット200を設ける。トナー検知手段たる第1センサユニット200は、中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上のトナーを検知するものである。具体的には、図3に示すように、中間転写ベルト52の主走査線方向に複数の反射型フォトセンサ200aを並列配置する。これによって、中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上のトナーを検知することができる。そして、各反射型フォトセンサ200aにて、感光体クリーニングブレード2aを通過したトナー量を反射光により測定し、その値により、感光体クリーニングブレード2aの寿命の判定を行う。
【0022】
また、ベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト移動方向下流側に、ベルトクリーニングブレード19aを通過したトナーを検知するトナー検知手段たる第2センサユニット201を設ける。この第2センサユニット201も、上述した第1センサユニット200同様の構成を有しており、中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上のトナーを検知する。そして、第2センサユニット201の各反射型フォトセンサにて、ベルトクリーニングブレード19aを通過したトナー量を反射光により測定し、その値により、ベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定を行う。
【0023】
図4は、画像形成装置を制御する制御部101の機能ブロック図である。この制御部101は、実際には本プリンタ全体の制御を統括して行なうものであるが、図示では感光体クリーニングブレード2aまたはベルトクリーニングブレード19aの寿命を判定する寿命判定モードを実行するときに必要な機能のみ表示している。
図に示すように、制御部101は、プリンタ全体の制御を司る制御手段であり、各種演算や各部の駆動制御を実行するCPU(Central Processing Unit)101aにバスラインを介して、コンピュータプログラム等の固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)101bと各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)101cとが接続されて構成されている。ROM101bには、第1センサユニット200で検知された中間転写ベルト上の感光体クリーニングブレード2aを通過したトナー量に基づいて、感光体クリーニングブレード2aの寿命を判定する感光体クリーニング手段寿命判定プログラムが格納されている。制御部101は、サービスマンの操作や所定枚数画像形成後など、所定のタイミングでROM101bに格納された感光体クリーニング手段寿命判定プログラムをCPU101aで実行する。すなわち、制御部101が、感光体クリーニング手段寿命判定手段として機能している。
また、ROM101bには、第2センサユニット201で検知された中間転写ベルト上のベルトクリーニングブレード19aを通過したトナー量に基づいて、ベルトクリーニングブレード19aの寿命を判定する中間転写体クリーニング手段寿命判定プログラムも格納されている。そして、制御部101は、サービスマンの操作や、所定枚数画像形成後など、所定のタイミングでROM101bに格納された中間転写体クリーニング手段寿命判定プログラムをCPU101aで実行する。すなわち、制御部101が、中間転写体クリーニング手段寿命判定手段として機能している。
【0024】
図5は、ベルトクリーニングブレード寿命判定モードの制御フローを示す図である。
制御部101は、例えば、画像形成枚数などをカウントし、そのカウント値が所定値となったら、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定モードを実行する。また、サービスマンの不図示の操作部の操作によって、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定モードを実行する。
制御部101は、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定モードが実行されたら、いずれかの画像形成ユニット10を駆動して、中間転写ベルト上に所定の付着量の基準トナーパターン像を形成する(S1)。基準トナーパターン像の主走査線方向(軸方向)長さは、中間転写ベルト52の主走査線方向(軸方向)長さとほぼ同じとしている。
【0025】
次に、制御部101は、2次転写電源をOFFにして、中間転写ベルト上基準トナーパターン像を2次転写せずに、ベルトクリーニングブレード19aに基準トナーパターンを入力する。そして、制御部101は、第2センサユニット201と対向する位置まで搬送される直前に、第2センサユニット201の各反射型フォトセンサをONにし、所定期間、各反射型フォトセンサの出力電圧値をモニターする(S2)。
【0026】
次に、制御部101は、所定期間モニターした各反射型フォトセンサの出力電圧値のうち、最も小さい出力電圧値(以下、最小出力電圧値)を検出する。次に、ROM101に格納された図6に示す寿命未達ブレードにおけるトナー入力量A(基準トナーパターンのトナー付着量)に対応するセンサ出力電圧値V0を読み出して、最小出力電圧値と、寿命未達ブレードにおけるトナー入力量Aに対応するセンサ出力電圧値V0とのセンサ出力差を算出する。そして、制御部101は、算出したセンサ出力差が、ROM101bに格納された基準値以上か否かをチェックする(S3)。なお、基準値は、図6に示すように、寿命未達ブレードにおけるトナー入力量Aに対応するセンサ出力電圧値V0から、寿命ブレードにおけるトナー入力量Aに対応するセンサ出力電圧値V1を減算した値である。また、ROM101bに寿命ブレードにおけるトナー入力量Aに対応するセンサ出力電圧値V1を基準値として格納し、寿命判定モードによって得られたセンサ出力電圧値が基準値(センサ出力電圧値V1)以下の場合に、ベルトクリーニングブレード19aの寿命と判定してもよい。
【0027】
センサ出力差が基準値以上の場合(S3のYES)は、ベルトクリーニングブレード19aに寿命が到来しているので、ベルトクリーニングブレード19aの交換を促す表示を図示しない操作表示部などに表示するなどして、使用者に報知する(S4)。また、サービスセンターなどにベルトクリーニングブレードが寿命である旨を通報するようにしてもよい。ベルトクリーニングブレード19aの交換を促す表示が出た場合は、ベルトクリーニングブレード19aを交換してもよいし、ベルトクリーニング装置19を交換してもよい。
一方、センサ出力差が基準値未満の場合(S3のNO)は、そのまま終了する。
【0028】
ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定用の基準トナーパターンのトナー色は、Y色が好ましい。これは、図6に示すように、寿命判定時にベルトクリーニングブレードに入力するトナー量Aは、実使用上想定される入力量Cよりも多くしている。このため、まだ、寿命が到達していないベルトクリーニングブレードであっても、ブレードを通過するトナーが発生する。ベルトクリーニングブレード19aを通過するトナーが発生すると、中間転写ベルト上にトナーが残留し、この残留したトナーは、画像とともに転写紙に転写されるおそれがある。しかし、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定用の基準トナーパターン像をY色とすることで、残留トナーが転写紙に転写されたとしても、残留トナーを目立ちにくくすることができるからである。
【0029】
また、ベルトクリーニングブレードの寿命判定用の基準トナーパターンを形成するトナーを、最も粒径分布の広いトナーで形成してもよい。クリーニング性に不利な粒径分布の広いトナーをベルトクリーニングブレードに入力することで、クリーニング性に不利な条件でベルトクリーニングブレードの寿命判定を行うことができる。これにより、異常画像が形成される前に、センサ出力差が基準値以上となり、異常画像が形成される前に、ベルトクリーニングブレード19aの交換を使用者に促すことができる。
【0030】
また、ベルトクリーニングブレードの寿命判定用の基準トナーパターンを形成するトナーを、クリーニング性に不利な円形度の最も高いトナーで形成しても、最も粒径分布の広いトナーで形成した場合同様、異常画像が形成される前に、ベルトクリーニングブレード19aの交換を使用者に促すことができる。
【0031】
さらに、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定用の基準トナーパターンをY色単色のトナー像と、M色単色のトナー像と、C色単色のトナー像と、Bk色単色のトナー像とし、それぞれの色のトナーでベルトクリーニングブレード19aの寿命判定を行ってもよい。これにより、各色のトナーの特性によりばらつくクリーニング性を検知することができ、確実にベルトクリーニングブレード19aの寿命を判定することができる。また、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定用の基準トナーパターンの色を、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定モード実行毎に異ならせてもよい。すなわち、Y色の基準トナーパターンでベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定したら、次回は、Y色以外の色(例えば、M色)の基準トナーパターンでベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定を行う。そして、その次は、Y、M色以外の色(例えばC色)で基準トナーパターンでベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定を行い、その次は、K色の基準トナーパターンでベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定を行う。このようにしても、各色のトナーの特性によりばらつくクリーニング性を検知することができる。
また、基準トナーパターンをY,M,C,K色の重ね合わせトナーとしてもよい。このようにすることで、実使用においてベルトクリーニングブレード19aに入力される態様と近い態様で寿命判定を行うことができる。
【0032】
次に、感光体クリーニングブレードの寿命判定モードについて説明する。
図7は、感光体クリーニングブレードの寿命判定モードの制御フローを示す図である。なお、Y,M,C,K色の感光体クリーニングブレードの寿命判定のやり方は、同じである。
【0033】
制御部101は、ベルトクリーニングブレードの寿命判定モードと同様、例えば、画像形成枚数などをカウントし、そのカウント値が所定値となったら、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定モードを実行する。また、サービスマンの不図示の操作部の操作によって、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定モードを実行する。
【0034】
まず、制御部101は、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定モードが実行されたら、画像形成ユニット10を駆動して、感光体上に所定の付着量の基準トナーパターン像を形成する(S11)。基準トナーパターン像の主走査線方向(軸方向)長さは、感光体1の主走査線方向(軸方向)長さとほぼ同じとしている。感光体クリーニングブレード寿命判定用の基準トナーパターンのトナー付着量は、ベルトクリーニングブレード寿命判定用の基準トナーパターンのトナー付着量と同じでもよいし、異ならせてもよい。
【0035】
次に、制御部101は、1次転写電源をOFFにして、中間転写ベルト上に基準トナーパターン像を1次転写せずに、感光体クリーニングブレード2aに基準トナーパターンを入力する。そして、制御部101は、1次転写電源をONにして、感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナーを中間転写ベルト上に転写する(S12)。中間転写ベルト上に通過トナーを転写したら、中間転写ベルト上の通過トナーを、第1センサユニット200との対向領域に搬送する。制御部101は、通過トナーが第1センサユニット200と対向する位置まで搬送される直前に、第1センサユニット200の各反射型フォトセンサをONにし、所定期間、各反射型フォトセンサの出力電圧値をモニターする(S13)。
【0036】
次に、制御部101は、所定期間モニターした各反射型フォトセンサの出力電圧値のうち、最も小さい出力電圧値を検出する。次に、ROM101に格納された寿命未達ブレードにおけるトナー入力量に対応するセンサ出力電圧値を読み出して、最小出力電圧値と、寿命未達ブレードにおけるトナー入力量に対応するセンサ出力電圧値とのセンサ出力差を算出する。そして、制御部101は、算出したセンサ出力差が、ROM101bに格納された基準値以上か否かをチェックする(S14)。
【0037】
センサ出力差が基準値以上の場合(S14のYES)は、感光体クリーニングブレード2aに寿命が到来しているので、感光体クリーニングブレード2aの交換を促す表示を図示しない操作表示部などに表示するなどして、使用者に報知する(S15)。また、サービスセンターなどに感光体クリーニングブレードが寿命である旨を通報するようにしてもよい。感光体クリーニングブレード2aの交換を促す表示が出た場合は、感光体クリーニングブレード2aを交換してもよいし、感光体クリーニング装置2を交換してもよい。また、感光体クリーニング装置2を備えた画像形成ユニットごと交換してもよい。
一方、センサ出力差が基準値未満の場合(S14のNO)は、そのまま終了する。
【0038】
第1センサユニット200を通過した通過トナーは、ベルトクリーニングブレード19aによって中間転写ベルト52から除去される。
【0039】
このように、本実施形態においては、感光体クリーニングブレード2aを通過したトナーを中間転写ベルト52に転写して、中間転写ベルト上に設けられた第1センサユニット200で感光体クリーニングブレード2aを通過したトナー量を検知することで、Y、M、C、K色の画像形成ユニット10の感光体クリーニングブレード2aを通過するトナー量を、中間転写ベルト上に設けられた第1センサユニット200のみで検知することができる。これにより、各画像形成ユニット毎にセンサユニットを設けるものに比べて、装置を安価にすることができる。
【0040】
また、Y色の通過トナー、M色の通過トナー、C色の通過トナー、K色の通過トナーが、中間転写ベルト52の副走査線方向の異なる位置に連続して形成されるように各色の画像形成ユニット10Y,M,C,Kを制御してもよい。このように制御することで、例えば、Y色の通過トナーを第1センサユニットが検知してから、M色の基準トナーパターンを形成するものに比べて、各色の感光体クリーニングブレードの寿命判定が終了するまでの時間を短縮することができる。
【0041】
また、上述の予め実験で求めたある付着量における寿命ブレードと新品ブレードとのセンサ出力差に基づいて、寿命判定を行うものの場合、プリンタの使用環境が、実験環境と大きく異なっていると、正確な寿命判定が行えない場合がある。これは、トナー入力量とセンサ出力電圧(通過トナー量)との関係(傾き)が、環境などの諸条件で異なってくるためである。すなわち、環境条件によって図6に示す寿命ブレードの傾きよりも傾きの絶対値が大きくなると、クリーニングブレードにまだ寿命がきていないにもかかわらず、寿命と判定してしまったり、図6に示す寿命ブレードの傾きよりも傾きの絶対値が小さい場合は、クリーニングブレードの寿命(転写残トナーが通過してしまう状態)がきたにもかかわらず、寿命と判定できなかったりするおそれがある。
そこで、図8に示すように、トナー付着量aの基準トナーパターンを感光体クリーニングブレード2aに入力したときの第1センサユニット200のセンサ出力電圧と、トナー付着量bの基準トナーパターンを感光体クリーニングブレード2aに入力したときの第1センサユニット200のセンサ出力電圧とに基づいて、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定を行ってもよい。具体的には、図8に示すように、トナー付着量(感光体クリーニングブレード2aへのトナー入力量)aのときの第1センサユニット200のセンサ出力電圧値と、トナー付着量bのときの第1センサユニットのセンサ出力電圧とから、トナー入力量−センサ出力電圧の傾きを求める。そして、その傾きから、トナーの通過(摺り抜け)が発生しない領域(センサ出力電圧値がV0の領域)と、トナー通過(摺り抜け)が発生する領域との境界のトナー入力量X1,X2,X3を求める。そして、その境界のトナー入力量Xと、実使用において想定される感光体クリーニングブレードに入力されるトナー量cとから、感光体クリーニングブレードの実使用において想定される感光体クリーニングブレードに入力されるトナー量cに対する余裕度Sがわかる。そして、この余裕度Sが0以下、すなわち、トナーの通過が発生しない領域とトナー通過が発生する領域との境界のトナー入力量Xが、実使用において想定される感光体クリーニングブレードに入力されるトナー量cよりも小さいときは、感光体クリーニングブレードの寿命がきたと判定することができる。
このように、センサ出力電圧−トナー入力量の傾きを求め、傾きから感光体クリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xを求め、このトナー入力量Xに基づいて、寿命判定することで、上述の予め実験で求めたある付着量における寿命ブレードと新品ブレードとのセンサ出力差に基づいて、寿命判定を行うものに比べて、正確な寿命判定を行うことができる。なお、基準トナーパターンの付着量(ブレードへのトナー入力量)は、確実に通過トナーが発生するように、多めのトナー量とする。
【0042】
また、実使用において想定される感光体クリーニングブレードに入力されるトナー量cと感光体クリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xとから求めた余裕度Sから、感光体クリーニングブレードの寿命を予測することも可能となる。寿命予測が可能となることで、サービスセンターなどに感光体クリーニングブレードが寿命である旨を自動通報する設定である場合は、通報を受けたサービスマンとユーザーとの間で余裕をもって訪問日を設定することが可能となる。
【0043】
また、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定においても、トナー付着量aの基準トナーパターンをベルトクリーニングブレード19aに入力したときの第2センサユニット201のセンサ出力電圧と、トナー付着量bの基準トナーパターンをベルトクリーニングブレード19aに入力したときの第2センサユニット201のセンサ出力電圧とに基づいて、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定を行ってもよい。ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定においても、各入力量a、bと、各入力量a、bにおけるセンサ出力電圧とから、センサ出力電圧−トナー入力量の傾きを求め、傾きからベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xを求め、このトナー入力量Xに基づいて、余裕度Sを算出する。そして、この余裕度Sから寿命判定することで、正確な寿命判定を行うことができるとともに、ベルトクリーニングブレードの寿命の予測も行うことができる。
【0044】
また、第1センサユニット200および第2センサユニット201を、一つのフォトセンサ200aで構成し、このフォトセンサを主走査線方向に移動させることで、中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上のトナーを検知するようにしてもよい。
図9は、フォトセンサ200aを主走査線方向に移動可能したセンサユニット200(201)の一例を示す概略構成図である。
図9に示すように、フォトセンサ200aは、スライド台座200eに積載されており、このスライド台座200eには、スクリュー軸200gと、スクリュー軸200gと一定間隔を開けて設けられたスライドガイド200dとが貫通している。また、スクリュー軸200gにはスクリュー軸200gを正逆回転させるパルスモータ200fが取り付けられている。スライド台座200eのスクリュー軸200gが貫通する貫通孔の内周面には、スクリュー軸200gの螺子溝に螺合するよう螺子溝が形成されている。また、スライド台座200eは、スライドガイド200dと遊貫している。このスライドガイド200dでスライド台座200eのスクリュー軸200gを中心とした回動を規制し、スクリュー軸200gの回転で、スライド台座200eがスクリュー軸上を軸方向に移動する。フォトセンサ200aのプリント基板200bのコネクタ200cには、発光素子に電圧を供給するハーネス(図示省略)や、受光素子の出力用のハーネス(図示省略)等が取り付けられているが、フォトセンサ200aの移動によりハーネスが弛んで中間転写ベルト52の表面に接触するおそれがある。そこで、上記ハーネスをフレキシブルケーブルとしたり、フォトセンサ200aの移動によりハーネスが弛まないようにハーネスを巻き取る機構を設けたりしている。
【0045】
図9に示すようなセンサユニット200(201)を用いた場合においては、制御部101は、クリーニングブレードを通過した通過トナーが、センサユニット200(201)と対向する位置にきたとき、中間転写ベルト52を停止させる。中間転写ベルト52が停止したら、制御部101は、パルスモータ200fを駆動させて、スクリュー軸200gを回転させる。これによって、スライド台座200eが、主走査線方向へスライドして、フォトセンサ200aが主走査線方向に移動する。そして、フォトセンサ200aを移動させて中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上の通過トナーをフォトセンサ200aで検知したら、制御部101は、中間転写ベルト52の回転駆動を再開させて、通過トナーをベルトクリーニングブレード19aへ搬送して、ベルトクリーニングブレード19aで中間転写ベルト上の通過トナーを除去する。
【0046】
また、上述では、ベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト移動方向下流側に、ベルトクリーニングブレード19aを通過した通過トナー量を検知するための第2センサユニット201を設けているが、第2センサユニットを無くして、第1センサユニット200で、ベルトクリーニングブレードを通過した通過トナー量を検知してもよい。これにより、第1センサユニット200のみで、ベルトクリーニングブレードを通過した通過トナー量および各感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナー量検知することになり、装置のコストを低減することができる。
【0047】
また、寿命判定モード実行後、場合によって中間転写ベルト上に通過トナーが残留してしまう可能性がある。よって、センサユニットで通過トナー量検知後も、中間転写ベルト上の通過トナーが除去されるまで中間転写ベルト52を空回ししてもよい。
図10は、中間転写ベルト空回し制御の制御フロー図である。
センサユニットで通過トナー量を検知したら、中間転写ベルト空回し制御をスタートさせる。まず、制御部101は、空回し制御をスタートしたら、時限値T1、時限値T2をセットする(S21)。時限値T2は、中間転写ベルト52が一回転するのにかかる時間であり、時限値T1よりも小さい値である。制御部101は、時限値T1T2のカウントダウンを開始し、時限値T1がタイムオーバー、すなわち、T1=0となったか否かをチェックする(S22)。時限値T1がタイムオーバーでない場合(S22のNO)は、時限値T2がタイムオーバー、すなわち、T2=0となったか否かをチェックする(S25)。時限値T2がタイムオーバーした場合(S25のYES)は、中間転写ベルト52が一回転以上回転しても、センサユニット200、201で通過トナーが検知されていないので、中間転写ベルト上の通過トナーが完全に除去されている。よって、中間転写ベルト52の駆動を停止して、空回し制御を終了する(S26)。
一方、時限値T2がタイムオーバーする前に、センサユニット200、201が中間転写ベルト上の通過トナーを検知したら、時限値T2をリセットする(S25のNO、S27、S28)。
また、時限値T1がタイムオーバーした場合(S22のYES)は、所定時間中間転写ベルト52を空回しても、中間転写ベルト上の通過トナーが除去されていないので、ベルトクリーニングブレード19aに寿命がきているなどの装置が異常状態にある。よって、この場合は、中間転写ベルト52の駆動を停止して(S23)、操作表示部などに装置が異常状態にある旨を表示するなどして、使用者に報知する(S24)。
【0048】
また、上述では、本発明を中間転写方式のタンデム型画像形成装置に適用した例について説明したが、図11に示すように、直接転写方式のタンデム型画像形成装置にも本発明を適用することができる。この場合においては、一次転写位置よりも無端移動体たる転写材搬送ベルト60の移動方向下流側、かつ、転写材搬送ベルト表面をクリーニングする搬送ベルトクリーニング装置85よりも上流側にセンサユニット200を配置する。そして、各感光体クリーニング手段を通過した通過トナーを転写材搬送ベルト60に転写して、センサユニット200で通過トナー量を検知することで、各感光体クリーニング手段の寿命判定を行う。このように直接転写方式のタンデム型画像形成装置においても、ひとつのセンサユニット200で各感光体クリーニング手段の寿命判定を行うことができる。また、搬送ベルトクリーニング装置85に基準トナーパターンを入力して、通過トナーをセンサユニット200で検知することで、搬送ベルトクリーニング装置85の寿命判定を行うこともできる。
【0049】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体たる感光体1と、それぞれの感光体1との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体たる中間転写ベルト52とを備えている。また、それぞれの感光体1が担持するトナー像を、中間転写ベルト52の表面に転写した後に記録媒体たる転写紙25に転写する転写手段たるベルトユニット51を備えている。また、ぞれぞれの感光体1に設けられ、中間転写ベルト52に転写した後の感光体に付着した転写残トナーを除去する像担持体クリーニング手段たる感光体クリーニングブレード2aを備えている。また、像担持体クリーニング手段寿命判定手段たる制御部101は、感光体上に基準トナーパターンを形成し、基準トナーパターンを感光体クリーニングブレード2aに入力し、感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナーを中間転写ベルト52に転写し、中間転写ベルト52に転写した通過トナーを、トナー検知手段たる第1センサユニット200で検知し、その検知結果に基づいて、感光体クリーニングブレードの寿命を判定する。
このように、本実施形態においては、第1センサユニット200で感光体クリーニングブレード2aのクリーニング不良を実際に検知して、寿命を判定しているので、感光体クリーニングブレード2aの適切な寿命判定を行うことができる。また、制御部101は、感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナーを中間転写ベルト52に転写して、中間転写ベルト52に転写された通過トナーを第1センサユニット200で検知して寿命判定を行う。これにより、感光体1それぞれに設けられた感光体クリーニングブレード2aの寿命判定を、ひとつのセンサユニットで行うことができ、それぞれの感光体にセンサユニットを設けるものに比べて、装置のコストアップを抑えることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、第1センサユニット200を、前記無端移動体クリーニング手段たるベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト52の移動方向上流側、かつ、中間転写ベルトの感光体との対向位置よりも下流側に配置している。これにより、ベルトクリーニングブレード19aにより通過トナーが除去される前に、センサユニット200で通過トナー量を検知することができる。
【0051】
また、無端移動体クリーニング手段寿命判定手段たる制御部101は、中間転写ベルト52に基準トナーパターンを形成し、ベルトクリーニングブレード19aに入力し、ベルトクリーニングブレード19aを通過した通過トナーを第2センサユニットで検知し、この検知結果に基づいてベルトクリーニングブレード19aの寿命を判定する。このように、センサユニットでベルトクリーニングブレード19aのクリーニング不良を実際に検知して、寿命を判定しているので、ベルトクリーニングブレード19aの適切な寿命判定を行うことができる。
【0052】
また、基準トナーパターンをY色トナーで形成することで、ベルトクリーニングブレード19aを通過した通過トナーが中間転写ベルト52に残留して、この残留した通過トナーが転写紙に転写されたとしても、他の色に比べて、目立ちにくくすることができる。
【0053】
また、基準トナーパターンをクリーニング性に不利な粒径分布が最も広いトナー色で形成することで、クリーニング性に不利な条件でベルトクリーニングブレードの寿命判定を行うことができる。これにより、異常画像が形成される前に、センサ出力差が基準値以上となり、異常画像が形成される前に、ベルトクリーニングブレード19aの交換を使用者に促すことができる。
【0054】
また、基準トナーパターンをクリーニング性に不利な円形度が最も高いトナー色で形成することでも、クリーニング性に不利な条件でベルトクリーニングブレードの寿命判定を行うことができる。
【0055】
また、制御部101は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンをベルトクリーニングブレード19aに入力し、各トナー付着量におけるセンサユニットの検知結果に基づいて、ベルトクリーニングブレード19a寿命判定を行う。このようにして寿命判定することで、トナー入力量に対するセンサユニットの出力電圧値(通過トナー量)の傾きを求めることができる。そして、傾きから、ベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xがわかり、このトナー入力量Xと、ベルトクリーニングブレードの実使用において想定されるベルトクリーニングブレードに入力されるトナー量とから、寿命判定を行うことができる。このように、ベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xがわかるので、正確な寿命判定を行うことができる。また、ベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xと、感光体クリーニングブレードの実使用において想定されるベルトクリーニングブレードに入力されるトナー量とから、入力トナー量の余裕度を検知することができ、ベルトクリーニングブレードの寿命予測を行うことも可能となる。
【0056】
また、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを感光体クリーニングブレード19aに入力し、各トナー付着量におけるセンサユニットの検知結果に基づいて、感光体クリーニングブレード19a寿命判定を行う。このようにして寿命判定することで、上述同様、トナー入力量に対するセンサユニットの出力電圧値(通過トナー量)の傾きを求めることができ、この傾きから、ベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xを検知することができる。そして、このトナー入力量Xと、ベルトクリーニングブレードの実使用において想定されるベルトクリーニングブレードに入力されるトナー量とから、寿命判定を行うことで、正確な寿命判定を行うことができる。
【0057】
また、センサユニット200(201)でベルトクリーニングブレードを通過した通過トナーまたは感光体クリーニングブレードを通過した通過トナーを検知した後、中間転写ベルトの空回し動作を実行する。これにより、通過トナーをベルトクリーニングブレードによって中間転写ベルト上から除去することができ、転写紙に通過トナーが付着するのを抑制することができる。
【0058】
特に、空回し動作をセンサユニット200(201)によって、中間転写ベルト上に通過トナーが付着していないことを確認するまで実施することで、転写紙に通過トナーが付着するのを防止することができる。
【0059】
また、空回し動作の動作時間が、所定時間経過した場合は、空回し動作を中止することで、中間転写ベルトの寿命がきており、中間転写ベルト上の通過トナーを除去できなくなっていた場合に、空回し動作が長時間に続くことを防止することができ、長時間空回し動作によって他のユニットにダメージがおよぶのを抑制することができる。また、使用者に装置の異常を報知することで、使用者が、転写紙に通過トナーが付着した異常画像を形成してしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】ベルトクリーニング装置19の周辺の概略構成図。
【図3】センサユニットの一例を示すの概略構成図。
【図4】画像形成装置を制御する制御部の機能ブロック図。
【図5】ベルトクリーニングブレード寿命判定モードの制御フロー図。
【図6】トナー入力量と、センサ出力電圧との関係の一例を示す図。
【図7】感光体クリーニングブレード寿命判定モードの制御フロー図。
【図8】トナー入力量と、センサ出力電圧との関係の他の例を示す図。
【図9】センサユニットの他の例を示すの概略構成図。
【図10】空回し制御フロー図。
【図11】直接転写方式の画像形成装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0061】
1 感光体
2a 感光体クリーニングブレード
2 感光体クリーニング装置
10K,10Y,10M,10C 画像形成ユニット
19a ベルトクリーニングブレード
19 ベルトクリーニング装置
51 中間転写ベルトユニット
52 中間転写ベルト
200 第1センサユニット
201 第2センサユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、像担持体たる感光体上の各色トナー像を色毎に無端移動体たる搬送ベルト上の記録体に順次転写する直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置や、感光体上の各色トナー像を色毎に無端移動体たる中間転写体上に一次転写して重ね合わせ、中間転写体上から記録体上に一括二次転写する中間転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置が広く知られている。この画像形成装置では、転写後に感光体上に残留したトナーは、ブレードなどの像担持体クリーニング手段にて除去される。
【0003】
像担持体クリーニング手段が劣化すると、像担持体クリーニング手段で転写残トナーを除去できず、通過するトナーが発生する。この通過したトナーは、形成する画像に影響を与え、異常画像が形成される。
【0004】
従来においては、像担持体クリーニング手段の使用期間、画像形成枚数、感光体の回転数などが所定値(以下、寿命設定値)を超えたら、像担持体クリーニング手段の寿命が到来したとして、像担持体クリーニング手段の交換を使用に報知している。しかし、実際の像担持体クリーニング手段の寿命は、単純に使用期間、画像形成枚数、感光体の回転数等のみで決定されるわけではなく、装置の使用環境に大きく左右される。よって、使用期間、画像形成枚数、感光体の回転数などで寿命判定を行う場合は、クリーニング手段の寿命が早期にくる悪条件の使用環境下でも異常画像が形成されないよう、余裕度をある程度見込んだ寿命設定値としている。よって、実際はまだ使用を続ける事が可能な状態にあっても交換時期を迎えてしまう事が多い。また、それとは逆に突発的な異常により寿命が早まった場合では、寿命設定値を超える前に像担持体クリーニング手段の寿命が来てしまい、異常画像が形成されてしまう。
【0005】
特許文献1には、次のような画像形成装置が記載されている。すなわち、感光体に付着した転写残トナーを除去する像担持体クリーニング手段よりも感光体移動方向下流側に、トナー検知手段を設ける。そして、像担持体クリーニング手段に基準トナーパターンを入力し、像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーをトナー検知手段で検知して、その検知結果に基づいて、像担持体クリーニング手段の寿命を判定する画像形成装置である。像担持体クリーニング手段が劣化していないときは、像担持体クリーニング手段が、基準パターンを感光体から良好に除去するので、像担持体クリーニング手段を通過する通過トナーはほとんどない。よって、トナー検知手段でトナーがほとんど検知されない。一方、像担持体クリーニング手段が劣化して、基準トナーパターンを良好に除去できなくなると、像担持体クリーニング手段を通過する通過トナーが多くなり、トナー検知手段が検知するトナー量が多くなる。すなわち、像担持体クリーニング手段よりも感光体移動方向下流側に設けたトナー検知手段でクリーニング手段を通過した通過トナー量を検知することで、像担持体クリーニング手段が寿命であることを判定でき、使用者に像担持体クリーニング手段の寿命を報知することができる。このように、特許文献1においては、トナー検知手段でクリーニング手段のクリーニング不良を実際に検知して、寿命を判定しているので、クリーニング手段の適切な寿命判定を行うことができる。
【0006】
【特許文献1】特開平8−179574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、複数の像担持体を用いてカラー画像の形成を行うタンデム方式の画像形成装置においては、それぞれの像担持体にトナー検知手段を設けるため、コストがアップする問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像担持体クリーニング手段の寿命判定を適切に行うことができるとともに、装置のコストアップを抑えることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体と、それぞれの像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、それぞれの像担持体が担持するトナー像を、該無端移動体の表面に保持される記録媒体に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に記録媒体に転写する転写手段と、ぞれぞれの像担持体に設けられ、前記像担持体に付着した転写残トナーを除去する像担持体クリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記像担持体上に基準トナーパターンを形成し、該基準トナーパターンを前記像担持体クリーニング手段に入力し、前記像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを前記無端移動体に転写し、前記無端移動体上の通過トナーを、トナー検知手段で検知し、その検知結果に基づいて、前記像担持体クリーニング手段の寿命を判定する像担持体クリーニング手段寿命判定手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記無端移動体の表面に付着した異物を除去する無端移動体クリーニング手段を備え、前記トナー検知手段を、前記無端移動体クリーニング手段よりも無端移動体移動方向上流側、かつ、前記無端移動体の前記像担持体との対向位置よりも下流側に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記無端移動体に基準トナーパターンを形成し、前記無端移動体クリーニング手段に入力し、前記無端移動体クリーニング手段を通過した通過トナーをトナー検知手段で検知し、この検知結果に基づいて前記無端移動体クリーニング手段の寿命を判定する無端移動体クリーニング手段寿命判定手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、Y色トナーで形成することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、粒径分布が最も広いトナー色で形成することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、円形度が最も高いトナー色で形成することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3乃至6いずれかひとつの画像形成装置において、前記無端移動体クリーニング手段寿命判定手段は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを前記無端移動体クリーニング手段に入力し、各トナー付着量におけるトナー検知手段の検知結果に基づいて、前記無端移動体クリーニング手段の寿命判定を行うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかひとつの画像形成装置において、前記像担持体クリーニング手段寿命判定手段は、各像担持体クリーニング手段を通過した各色のトナーを、前記無端移動体の副走査線方向異なる位置に転写し、前記トナー検知手段で連続的に検知することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかひとつの画像形成装置において、前記像担持体クリーニング手段寿命判定手段は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを前記像担持体クリーニング手段に入力し、各トナー付着量におけるトナー検知手段の検知結果に基づいて、前記像担持体クリーニング手段の寿命判定を行うことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかひとつの画像形成装置において、前記トナー検知手段で前記無端移動体クリーニング手段を通過した通過トナーまたは前記像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを検知した後、前記無端移動体の空回し動作を実行することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、前記空回し動作は、前記検知手段によって前記通過トナーが除去されたことを確認するまで実施することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、前記空回し動作の動作時間が、所定時間経過した場合は、空回し動作を中止して、使用者に報知することを特徴とするものである。
【0010】
本発明においては、像担持体クリーニング手段の寿命判定時に像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを無端移動体に転写して、無端移動体に転写された通過トナーをトナー検知手段で検知して寿命判定を行う。これにより、像担持体それぞれに設けられた像担持体クリーニング手段の寿命判定を、ひとつのトナー検知手段で行うことができ、それぞれの像担持体にトナー検知手段を設けるものに比べて、装置のコストアップを抑えることができる。
また、トナー検知手段で像担持体クリーニング手段のクリーニング不良によって像担持体クリーニング手段を通過した通過トナー量を実際に検知して、寿命を判定しているので、像担持体クリーニング手段の適切な寿命判定を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、ひとつのトナー検知手段で像担持体それぞれに設けられた像担持体クリーニング手段の寿命判定を行うことができ、それぞれの像担持体にトナー検知手段を設けるものに比べて、装置のコストアップを抑えることができる。また、トナー検知手段で像担持体クリーニング手段のクリーニング不良を実際に検知して、寿命を判定するので、像担持体クリーニング手段の適切な寿命判定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
まず、本願発明を適用できる画像形成装置の一例について説明する。
図1はその概略構成図である。
この画像形成装置は、電子写真方式のタンデム型のカラープリンタである。装置中央に転写手段たる中間転写ベルトユニット51を装置本体に対して脱着可能に備えている。中間転写ベルトユニット51は二次転写対向ローラでもある駆動ローラ12、テンションローラ13、2本の支持ローラ14,15を備え、これらのローラで無端移動体であり中間転写体である中間転写ベルト52を張架している。
【0013】
中間転写ベルト52は、多層構造、単層構造でも構わない。多層構造であればベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)シート、ポリイミド系樹脂でつくり、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなるものが好ましい。単層であればPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PC(ポリカーボネート)、ポリイミド等の材質を用いるものが好ましい。なお、中間転写ベルト52の材質および構造に関してはこれに特定されるものではない。
【0014】
この中間転写ベルト52の下方の移動領域に沿ってブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4つの画像形成手段たる画像形成ユニット10K,10Y,10M,10Cが構成されている。各画像形成ユニットは感光体1、像担持体クリーニング手段たる感光体クリーニングブレード2aを備えた感光体クリーニング装置2、帯電装置4、現像装置9などを備えている。符号5は図示を省略した装置下部に配置されている光書き込み装置からの書き込み光を示す。中間転写ベルトユニット51の各感光体1と対向するベルト部分の裏面には一次転写手段たる転写バイアスローラ11を備えている。駆動ローラ12に巻き付くベルト部分の表面に対向して2次転写手段たる二次転写ローラ21が設けられている。また、二次転写後の中間転写ベルト表面をクリーニングする無端移動体クリーニング手段であり中間転写体クリーニング手段でもあるベルトクリーニングブレード19aを備えたベルトクリーニング装置19も設けられている。ベルトクリーニング装置19は図示の例のように中間転写ベルトユニット51のフレームに保持させてもよいし、画像形成装置本体側に保持させてもよい。
【0015】
画像形成装置本体側には、ストックされている記録媒体としての転写紙25を給紙する給紙ローラ26、搬送ローラ対27、レジストローラ対28、二次転写ローラ21、二次転写後ガイド板40、定着装置30、排紙ローラ32なども設けられている。定着装置30は、定着ローラ30aに加圧ローラ30bを押し当てて構成する。
【0016】
以上の構成で、不図示のスタートスイッチを押すと、駆動モータで駆動ローラ12を回転させて中間転写ベルト52を回転させる。同時に、各感光体を回転させて各感光体上にそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの単色画像を形成する。そして、感光体1上に形成された各色トナー像が中間転写ベルト52上で重ね合わさせて転写され、中間転写ベルト上に合成カラー画像を形成する。画像転写後の各感光体1は、感光体クリーニングブレード2aで、画像転写後に感光体上に残留する残留トナーが除去される。
【0017】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙ローラ26が回転し、転写紙25を繰り出し、不図示の分離ローラで1枚ずつ分離して給紙路に搬送する。給紙路に搬送された転写紙を、搬送ローラ27によって搬送し、レジストローラ28に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト52上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ28を回転し、中間転写ベルト52と2次転写ローラ21との間に転写紙25を送り込み、2次転写ローラ21で転写してシート上にカラー画像を記録する。合成カラー画像が転写された転写紙25はガイド板40でガイドされて定着装置30に到り、ここでトナー像が転写紙25に定着された後、排紙ローラ対32で装置上部のスタック部に排紙される。
【0018】
一方、画像転写後の中間転写ベルト52は、ベルトクリーニングブレード19aで、画像転写後に中間転写ベルト52上に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成装置による再度の画像形成に備える。
【0019】
図2は、ベルトクリーニング装置19の周辺の概略構成図である。
図に示すように、ベルトクリーニング装置19は、無端移動体クリーニング手段であり、中間転写体クリーニング手段たるベルトクリーニングブレード19aを備えている。ベルトクリーニングブレード19aとしては、ウレタン製のブレードを用いる。ベルトクリーニングブレード19aのブレードエッジを中間転写ベルト52に圧接させて、ベルトクリーニングブレード19aのブレードエッジを中間転写ベルト52に密着させる。画像転写後に中間転写ベルト52上に残留する残留トナーは、ベルトクリーニングブレード19aによって掻き落とされ、トナー収容部19bへ落下し、トナー収容部19bに落下した残留トナーは、図示しない搬送スクリュによって不図示の廃トナー収容部へ搬送される。なお、各画像形成ユニット10K,10Y,10M,10Cにそれぞれ備えられている感光体クリーニング装置もベルトクリーニング装置19と同様な構成を有している。
【0020】
ブレードによるクリーニング方法では、使用環境によってブレードの経時劣化度合いがばらつくため、単純にプリント枚数、作像回数(回転数)等により寿命を判断する従来の方式では、余裕度を設けた寿命設定となっていた。本来、ブレードによるクリーニング方式を用いた場合は、ブレードエッジと相手方(中間転写ベルト52または感光体1)との密着度合いによりクリーニング性が異なってくるためにブレードエッジの摩耗の進行具合が寿命の判断基準となる。すなわち、ブレードエッジの摩耗が進行すると、ブレードエッジと相手方との密着度合いが低下して、ブレードを通過するトナーが発生し、クリーニング性が低下するのである。ブレード摩耗の進行は、単純にプリント枚数や作像回数に比例するものではなく、使用する環境(高温と低温)や出力画像面積、FC(フルカラー)/BK(モノクロ)モードの比率、使用する紙種等様々な外乱を受けながらばらつくものである。また、ブレード以外のクリーニング方法、例えばブラシやスポンジローラ等による静電的な方法を用いる場合においても、ブレード方式同様、クリーニング手段たるブラシやスポンジローラなどの経時劣化によってクリーニング性が低下する。そして、その経時劣化は、ブレード同様、使用環境によってばらついてしまう。
【0021】
そこで、本実施形態においては、使用環境によって経時劣化がばらつくブレードやブラシなどのクリーニング手段の寿命を的確に検知し、クシーニング装置の交換時期を決定できるようにしている。
具体的に説明すると、図2に示すように、ベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト表面移動方向上流側、かつ、一次転写ローラよりも下流側に感光体クリーニングブレードを通過した通過トナーを検知するトナー検知手段たるセンサユニット200を設ける。トナー検知手段たる第1センサユニット200は、中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上のトナーを検知するものである。具体的には、図3に示すように、中間転写ベルト52の主走査線方向に複数の反射型フォトセンサ200aを並列配置する。これによって、中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上のトナーを検知することができる。そして、各反射型フォトセンサ200aにて、感光体クリーニングブレード2aを通過したトナー量を反射光により測定し、その値により、感光体クリーニングブレード2aの寿命の判定を行う。
【0022】
また、ベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト移動方向下流側に、ベルトクリーニングブレード19aを通過したトナーを検知するトナー検知手段たる第2センサユニット201を設ける。この第2センサユニット201も、上述した第1センサユニット200同様の構成を有しており、中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上のトナーを検知する。そして、第2センサユニット201の各反射型フォトセンサにて、ベルトクリーニングブレード19aを通過したトナー量を反射光により測定し、その値により、ベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定を行う。
【0023】
図4は、画像形成装置を制御する制御部101の機能ブロック図である。この制御部101は、実際には本プリンタ全体の制御を統括して行なうものであるが、図示では感光体クリーニングブレード2aまたはベルトクリーニングブレード19aの寿命を判定する寿命判定モードを実行するときに必要な機能のみ表示している。
図に示すように、制御部101は、プリンタ全体の制御を司る制御手段であり、各種演算や各部の駆動制御を実行するCPU(Central Processing Unit)101aにバスラインを介して、コンピュータプログラム等の固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)101bと各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)101cとが接続されて構成されている。ROM101bには、第1センサユニット200で検知された中間転写ベルト上の感光体クリーニングブレード2aを通過したトナー量に基づいて、感光体クリーニングブレード2aの寿命を判定する感光体クリーニング手段寿命判定プログラムが格納されている。制御部101は、サービスマンの操作や所定枚数画像形成後など、所定のタイミングでROM101bに格納された感光体クリーニング手段寿命判定プログラムをCPU101aで実行する。すなわち、制御部101が、感光体クリーニング手段寿命判定手段として機能している。
また、ROM101bには、第2センサユニット201で検知された中間転写ベルト上のベルトクリーニングブレード19aを通過したトナー量に基づいて、ベルトクリーニングブレード19aの寿命を判定する中間転写体クリーニング手段寿命判定プログラムも格納されている。そして、制御部101は、サービスマンの操作や、所定枚数画像形成後など、所定のタイミングでROM101bに格納された中間転写体クリーニング手段寿命判定プログラムをCPU101aで実行する。すなわち、制御部101が、中間転写体クリーニング手段寿命判定手段として機能している。
【0024】
図5は、ベルトクリーニングブレード寿命判定モードの制御フローを示す図である。
制御部101は、例えば、画像形成枚数などをカウントし、そのカウント値が所定値となったら、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定モードを実行する。また、サービスマンの不図示の操作部の操作によって、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定モードを実行する。
制御部101は、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定モードが実行されたら、いずれかの画像形成ユニット10を駆動して、中間転写ベルト上に所定の付着量の基準トナーパターン像を形成する(S1)。基準トナーパターン像の主走査線方向(軸方向)長さは、中間転写ベルト52の主走査線方向(軸方向)長さとほぼ同じとしている。
【0025】
次に、制御部101は、2次転写電源をOFFにして、中間転写ベルト上基準トナーパターン像を2次転写せずに、ベルトクリーニングブレード19aに基準トナーパターンを入力する。そして、制御部101は、第2センサユニット201と対向する位置まで搬送される直前に、第2センサユニット201の各反射型フォトセンサをONにし、所定期間、各反射型フォトセンサの出力電圧値をモニターする(S2)。
【0026】
次に、制御部101は、所定期間モニターした各反射型フォトセンサの出力電圧値のうち、最も小さい出力電圧値(以下、最小出力電圧値)を検出する。次に、ROM101に格納された図6に示す寿命未達ブレードにおけるトナー入力量A(基準トナーパターンのトナー付着量)に対応するセンサ出力電圧値V0を読み出して、最小出力電圧値と、寿命未達ブレードにおけるトナー入力量Aに対応するセンサ出力電圧値V0とのセンサ出力差を算出する。そして、制御部101は、算出したセンサ出力差が、ROM101bに格納された基準値以上か否かをチェックする(S3)。なお、基準値は、図6に示すように、寿命未達ブレードにおけるトナー入力量Aに対応するセンサ出力電圧値V0から、寿命ブレードにおけるトナー入力量Aに対応するセンサ出力電圧値V1を減算した値である。また、ROM101bに寿命ブレードにおけるトナー入力量Aに対応するセンサ出力電圧値V1を基準値として格納し、寿命判定モードによって得られたセンサ出力電圧値が基準値(センサ出力電圧値V1)以下の場合に、ベルトクリーニングブレード19aの寿命と判定してもよい。
【0027】
センサ出力差が基準値以上の場合(S3のYES)は、ベルトクリーニングブレード19aに寿命が到来しているので、ベルトクリーニングブレード19aの交換を促す表示を図示しない操作表示部などに表示するなどして、使用者に報知する(S4)。また、サービスセンターなどにベルトクリーニングブレードが寿命である旨を通報するようにしてもよい。ベルトクリーニングブレード19aの交換を促す表示が出た場合は、ベルトクリーニングブレード19aを交換してもよいし、ベルトクリーニング装置19を交換してもよい。
一方、センサ出力差が基準値未満の場合(S3のNO)は、そのまま終了する。
【0028】
ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定用の基準トナーパターンのトナー色は、Y色が好ましい。これは、図6に示すように、寿命判定時にベルトクリーニングブレードに入力するトナー量Aは、実使用上想定される入力量Cよりも多くしている。このため、まだ、寿命が到達していないベルトクリーニングブレードであっても、ブレードを通過するトナーが発生する。ベルトクリーニングブレード19aを通過するトナーが発生すると、中間転写ベルト上にトナーが残留し、この残留したトナーは、画像とともに転写紙に転写されるおそれがある。しかし、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定用の基準トナーパターン像をY色とすることで、残留トナーが転写紙に転写されたとしても、残留トナーを目立ちにくくすることができるからである。
【0029】
また、ベルトクリーニングブレードの寿命判定用の基準トナーパターンを形成するトナーを、最も粒径分布の広いトナーで形成してもよい。クリーニング性に不利な粒径分布の広いトナーをベルトクリーニングブレードに入力することで、クリーニング性に不利な条件でベルトクリーニングブレードの寿命判定を行うことができる。これにより、異常画像が形成される前に、センサ出力差が基準値以上となり、異常画像が形成される前に、ベルトクリーニングブレード19aの交換を使用者に促すことができる。
【0030】
また、ベルトクリーニングブレードの寿命判定用の基準トナーパターンを形成するトナーを、クリーニング性に不利な円形度の最も高いトナーで形成しても、最も粒径分布の広いトナーで形成した場合同様、異常画像が形成される前に、ベルトクリーニングブレード19aの交換を使用者に促すことができる。
【0031】
さらに、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定用の基準トナーパターンをY色単色のトナー像と、M色単色のトナー像と、C色単色のトナー像と、Bk色単色のトナー像とし、それぞれの色のトナーでベルトクリーニングブレード19aの寿命判定を行ってもよい。これにより、各色のトナーの特性によりばらつくクリーニング性を検知することができ、確実にベルトクリーニングブレード19aの寿命を判定することができる。また、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定用の基準トナーパターンの色を、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定モード実行毎に異ならせてもよい。すなわち、Y色の基準トナーパターンでベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定したら、次回は、Y色以外の色(例えば、M色)の基準トナーパターンでベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定を行う。そして、その次は、Y、M色以外の色(例えばC色)で基準トナーパターンでベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定を行い、その次は、K色の基準トナーパターンでベルトクリーニングブレード19aの寿命の判定を行う。このようにしても、各色のトナーの特性によりばらつくクリーニング性を検知することができる。
また、基準トナーパターンをY,M,C,K色の重ね合わせトナーとしてもよい。このようにすることで、実使用においてベルトクリーニングブレード19aに入力される態様と近い態様で寿命判定を行うことができる。
【0032】
次に、感光体クリーニングブレードの寿命判定モードについて説明する。
図7は、感光体クリーニングブレードの寿命判定モードの制御フローを示す図である。なお、Y,M,C,K色の感光体クリーニングブレードの寿命判定のやり方は、同じである。
【0033】
制御部101は、ベルトクリーニングブレードの寿命判定モードと同様、例えば、画像形成枚数などをカウントし、そのカウント値が所定値となったら、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定モードを実行する。また、サービスマンの不図示の操作部の操作によって、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定モードを実行する。
【0034】
まず、制御部101は、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定モードが実行されたら、画像形成ユニット10を駆動して、感光体上に所定の付着量の基準トナーパターン像を形成する(S11)。基準トナーパターン像の主走査線方向(軸方向)長さは、感光体1の主走査線方向(軸方向)長さとほぼ同じとしている。感光体クリーニングブレード寿命判定用の基準トナーパターンのトナー付着量は、ベルトクリーニングブレード寿命判定用の基準トナーパターンのトナー付着量と同じでもよいし、異ならせてもよい。
【0035】
次に、制御部101は、1次転写電源をOFFにして、中間転写ベルト上に基準トナーパターン像を1次転写せずに、感光体クリーニングブレード2aに基準トナーパターンを入力する。そして、制御部101は、1次転写電源をONにして、感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナーを中間転写ベルト上に転写する(S12)。中間転写ベルト上に通過トナーを転写したら、中間転写ベルト上の通過トナーを、第1センサユニット200との対向領域に搬送する。制御部101は、通過トナーが第1センサユニット200と対向する位置まで搬送される直前に、第1センサユニット200の各反射型フォトセンサをONにし、所定期間、各反射型フォトセンサの出力電圧値をモニターする(S13)。
【0036】
次に、制御部101は、所定期間モニターした各反射型フォトセンサの出力電圧値のうち、最も小さい出力電圧値を検出する。次に、ROM101に格納された寿命未達ブレードにおけるトナー入力量に対応するセンサ出力電圧値を読み出して、最小出力電圧値と、寿命未達ブレードにおけるトナー入力量に対応するセンサ出力電圧値とのセンサ出力差を算出する。そして、制御部101は、算出したセンサ出力差が、ROM101bに格納された基準値以上か否かをチェックする(S14)。
【0037】
センサ出力差が基準値以上の場合(S14のYES)は、感光体クリーニングブレード2aに寿命が到来しているので、感光体クリーニングブレード2aの交換を促す表示を図示しない操作表示部などに表示するなどして、使用者に報知する(S15)。また、サービスセンターなどに感光体クリーニングブレードが寿命である旨を通報するようにしてもよい。感光体クリーニングブレード2aの交換を促す表示が出た場合は、感光体クリーニングブレード2aを交換してもよいし、感光体クリーニング装置2を交換してもよい。また、感光体クリーニング装置2を備えた画像形成ユニットごと交換してもよい。
一方、センサ出力差が基準値未満の場合(S14のNO)は、そのまま終了する。
【0038】
第1センサユニット200を通過した通過トナーは、ベルトクリーニングブレード19aによって中間転写ベルト52から除去される。
【0039】
このように、本実施形態においては、感光体クリーニングブレード2aを通過したトナーを中間転写ベルト52に転写して、中間転写ベルト上に設けられた第1センサユニット200で感光体クリーニングブレード2aを通過したトナー量を検知することで、Y、M、C、K色の画像形成ユニット10の感光体クリーニングブレード2aを通過するトナー量を、中間転写ベルト上に設けられた第1センサユニット200のみで検知することができる。これにより、各画像形成ユニット毎にセンサユニットを設けるものに比べて、装置を安価にすることができる。
【0040】
また、Y色の通過トナー、M色の通過トナー、C色の通過トナー、K色の通過トナーが、中間転写ベルト52の副走査線方向の異なる位置に連続して形成されるように各色の画像形成ユニット10Y,M,C,Kを制御してもよい。このように制御することで、例えば、Y色の通過トナーを第1センサユニットが検知してから、M色の基準トナーパターンを形成するものに比べて、各色の感光体クリーニングブレードの寿命判定が終了するまでの時間を短縮することができる。
【0041】
また、上述の予め実験で求めたある付着量における寿命ブレードと新品ブレードとのセンサ出力差に基づいて、寿命判定を行うものの場合、プリンタの使用環境が、実験環境と大きく異なっていると、正確な寿命判定が行えない場合がある。これは、トナー入力量とセンサ出力電圧(通過トナー量)との関係(傾き)が、環境などの諸条件で異なってくるためである。すなわち、環境条件によって図6に示す寿命ブレードの傾きよりも傾きの絶対値が大きくなると、クリーニングブレードにまだ寿命がきていないにもかかわらず、寿命と判定してしまったり、図6に示す寿命ブレードの傾きよりも傾きの絶対値が小さい場合は、クリーニングブレードの寿命(転写残トナーが通過してしまう状態)がきたにもかかわらず、寿命と判定できなかったりするおそれがある。
そこで、図8に示すように、トナー付着量aの基準トナーパターンを感光体クリーニングブレード2aに入力したときの第1センサユニット200のセンサ出力電圧と、トナー付着量bの基準トナーパターンを感光体クリーニングブレード2aに入力したときの第1センサユニット200のセンサ出力電圧とに基づいて、感光体クリーニングブレード2aの寿命判定を行ってもよい。具体的には、図8に示すように、トナー付着量(感光体クリーニングブレード2aへのトナー入力量)aのときの第1センサユニット200のセンサ出力電圧値と、トナー付着量bのときの第1センサユニットのセンサ出力電圧とから、トナー入力量−センサ出力電圧の傾きを求める。そして、その傾きから、トナーの通過(摺り抜け)が発生しない領域(センサ出力電圧値がV0の領域)と、トナー通過(摺り抜け)が発生する領域との境界のトナー入力量X1,X2,X3を求める。そして、その境界のトナー入力量Xと、実使用において想定される感光体クリーニングブレードに入力されるトナー量cとから、感光体クリーニングブレードの実使用において想定される感光体クリーニングブレードに入力されるトナー量cに対する余裕度Sがわかる。そして、この余裕度Sが0以下、すなわち、トナーの通過が発生しない領域とトナー通過が発生する領域との境界のトナー入力量Xが、実使用において想定される感光体クリーニングブレードに入力されるトナー量cよりも小さいときは、感光体クリーニングブレードの寿命がきたと判定することができる。
このように、センサ出力電圧−トナー入力量の傾きを求め、傾きから感光体クリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xを求め、このトナー入力量Xに基づいて、寿命判定することで、上述の予め実験で求めたある付着量における寿命ブレードと新品ブレードとのセンサ出力差に基づいて、寿命判定を行うものに比べて、正確な寿命判定を行うことができる。なお、基準トナーパターンの付着量(ブレードへのトナー入力量)は、確実に通過トナーが発生するように、多めのトナー量とする。
【0042】
また、実使用において想定される感光体クリーニングブレードに入力されるトナー量cと感光体クリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xとから求めた余裕度Sから、感光体クリーニングブレードの寿命を予測することも可能となる。寿命予測が可能となることで、サービスセンターなどに感光体クリーニングブレードが寿命である旨を自動通報する設定である場合は、通報を受けたサービスマンとユーザーとの間で余裕をもって訪問日を設定することが可能となる。
【0043】
また、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定においても、トナー付着量aの基準トナーパターンをベルトクリーニングブレード19aに入力したときの第2センサユニット201のセンサ出力電圧と、トナー付着量bの基準トナーパターンをベルトクリーニングブレード19aに入力したときの第2センサユニット201のセンサ出力電圧とに基づいて、ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定を行ってもよい。ベルトクリーニングブレード19aの寿命判定においても、各入力量a、bと、各入力量a、bにおけるセンサ出力電圧とから、センサ出力電圧−トナー入力量の傾きを求め、傾きからベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xを求め、このトナー入力量Xに基づいて、余裕度Sを算出する。そして、この余裕度Sから寿命判定することで、正確な寿命判定を行うことができるとともに、ベルトクリーニングブレードの寿命の予測も行うことができる。
【0044】
また、第1センサユニット200および第2センサユニット201を、一つのフォトセンサ200aで構成し、このフォトセンサを主走査線方向に移動させることで、中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上のトナーを検知するようにしてもよい。
図9は、フォトセンサ200aを主走査線方向に移動可能したセンサユニット200(201)の一例を示す概略構成図である。
図9に示すように、フォトセンサ200aは、スライド台座200eに積載されており、このスライド台座200eには、スクリュー軸200gと、スクリュー軸200gと一定間隔を開けて設けられたスライドガイド200dとが貫通している。また、スクリュー軸200gにはスクリュー軸200gを正逆回転させるパルスモータ200fが取り付けられている。スライド台座200eのスクリュー軸200gが貫通する貫通孔の内周面には、スクリュー軸200gの螺子溝に螺合するよう螺子溝が形成されている。また、スライド台座200eは、スライドガイド200dと遊貫している。このスライドガイド200dでスライド台座200eのスクリュー軸200gを中心とした回動を規制し、スクリュー軸200gの回転で、スライド台座200eがスクリュー軸上を軸方向に移動する。フォトセンサ200aのプリント基板200bのコネクタ200cには、発光素子に電圧を供給するハーネス(図示省略)や、受光素子の出力用のハーネス(図示省略)等が取り付けられているが、フォトセンサ200aの移動によりハーネスが弛んで中間転写ベルト52の表面に接触するおそれがある。そこで、上記ハーネスをフレキシブルケーブルとしたり、フォトセンサ200aの移動によりハーネスが弛まないようにハーネスを巻き取る機構を設けたりしている。
【0045】
図9に示すようなセンサユニット200(201)を用いた場合においては、制御部101は、クリーニングブレードを通過した通過トナーが、センサユニット200(201)と対向する位置にきたとき、中間転写ベルト52を停止させる。中間転写ベルト52が停止したら、制御部101は、パルスモータ200fを駆動させて、スクリュー軸200gを回転させる。これによって、スライド台座200eが、主走査線方向へスライドして、フォトセンサ200aが主走査線方向に移動する。そして、フォトセンサ200aを移動させて中間転写ベルト52の主走査線方向全域に亘って、中間転写ベルト上の通過トナーをフォトセンサ200aで検知したら、制御部101は、中間転写ベルト52の回転駆動を再開させて、通過トナーをベルトクリーニングブレード19aへ搬送して、ベルトクリーニングブレード19aで中間転写ベルト上の通過トナーを除去する。
【0046】
また、上述では、ベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト移動方向下流側に、ベルトクリーニングブレード19aを通過した通過トナー量を検知するための第2センサユニット201を設けているが、第2センサユニットを無くして、第1センサユニット200で、ベルトクリーニングブレードを通過した通過トナー量を検知してもよい。これにより、第1センサユニット200のみで、ベルトクリーニングブレードを通過した通過トナー量および各感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナー量検知することになり、装置のコストを低減することができる。
【0047】
また、寿命判定モード実行後、場合によって中間転写ベルト上に通過トナーが残留してしまう可能性がある。よって、センサユニットで通過トナー量検知後も、中間転写ベルト上の通過トナーが除去されるまで中間転写ベルト52を空回ししてもよい。
図10は、中間転写ベルト空回し制御の制御フロー図である。
センサユニットで通過トナー量を検知したら、中間転写ベルト空回し制御をスタートさせる。まず、制御部101は、空回し制御をスタートしたら、時限値T1、時限値T2をセットする(S21)。時限値T2は、中間転写ベルト52が一回転するのにかかる時間であり、時限値T1よりも小さい値である。制御部101は、時限値T1T2のカウントダウンを開始し、時限値T1がタイムオーバー、すなわち、T1=0となったか否かをチェックする(S22)。時限値T1がタイムオーバーでない場合(S22のNO)は、時限値T2がタイムオーバー、すなわち、T2=0となったか否かをチェックする(S25)。時限値T2がタイムオーバーした場合(S25のYES)は、中間転写ベルト52が一回転以上回転しても、センサユニット200、201で通過トナーが検知されていないので、中間転写ベルト上の通過トナーが完全に除去されている。よって、中間転写ベルト52の駆動を停止して、空回し制御を終了する(S26)。
一方、時限値T2がタイムオーバーする前に、センサユニット200、201が中間転写ベルト上の通過トナーを検知したら、時限値T2をリセットする(S25のNO、S27、S28)。
また、時限値T1がタイムオーバーした場合(S22のYES)は、所定時間中間転写ベルト52を空回しても、中間転写ベルト上の通過トナーが除去されていないので、ベルトクリーニングブレード19aに寿命がきているなどの装置が異常状態にある。よって、この場合は、中間転写ベルト52の駆動を停止して(S23)、操作表示部などに装置が異常状態にある旨を表示するなどして、使用者に報知する(S24)。
【0048】
また、上述では、本発明を中間転写方式のタンデム型画像形成装置に適用した例について説明したが、図11に示すように、直接転写方式のタンデム型画像形成装置にも本発明を適用することができる。この場合においては、一次転写位置よりも無端移動体たる転写材搬送ベルト60の移動方向下流側、かつ、転写材搬送ベルト表面をクリーニングする搬送ベルトクリーニング装置85よりも上流側にセンサユニット200を配置する。そして、各感光体クリーニング手段を通過した通過トナーを転写材搬送ベルト60に転写して、センサユニット200で通過トナー量を検知することで、各感光体クリーニング手段の寿命判定を行う。このように直接転写方式のタンデム型画像形成装置においても、ひとつのセンサユニット200で各感光体クリーニング手段の寿命判定を行うことができる。また、搬送ベルトクリーニング装置85に基準トナーパターンを入力して、通過トナーをセンサユニット200で検知することで、搬送ベルトクリーニング装置85の寿命判定を行うこともできる。
【0049】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体たる感光体1と、それぞれの感光体1との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体たる中間転写ベルト52とを備えている。また、それぞれの感光体1が担持するトナー像を、中間転写ベルト52の表面に転写した後に記録媒体たる転写紙25に転写する転写手段たるベルトユニット51を備えている。また、ぞれぞれの感光体1に設けられ、中間転写ベルト52に転写した後の感光体に付着した転写残トナーを除去する像担持体クリーニング手段たる感光体クリーニングブレード2aを備えている。また、像担持体クリーニング手段寿命判定手段たる制御部101は、感光体上に基準トナーパターンを形成し、基準トナーパターンを感光体クリーニングブレード2aに入力し、感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナーを中間転写ベルト52に転写し、中間転写ベルト52に転写した通過トナーを、トナー検知手段たる第1センサユニット200で検知し、その検知結果に基づいて、感光体クリーニングブレードの寿命を判定する。
このように、本実施形態においては、第1センサユニット200で感光体クリーニングブレード2aのクリーニング不良を実際に検知して、寿命を判定しているので、感光体クリーニングブレード2aの適切な寿命判定を行うことができる。また、制御部101は、感光体クリーニングブレード2aを通過した通過トナーを中間転写ベルト52に転写して、中間転写ベルト52に転写された通過トナーを第1センサユニット200で検知して寿命判定を行う。これにより、感光体1それぞれに設けられた感光体クリーニングブレード2aの寿命判定を、ひとつのセンサユニットで行うことができ、それぞれの感光体にセンサユニットを設けるものに比べて、装置のコストアップを抑えることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、第1センサユニット200を、前記無端移動体クリーニング手段たるベルトクリーニングブレード19aよりも中間転写ベルト52の移動方向上流側、かつ、中間転写ベルトの感光体との対向位置よりも下流側に配置している。これにより、ベルトクリーニングブレード19aにより通過トナーが除去される前に、センサユニット200で通過トナー量を検知することができる。
【0051】
また、無端移動体クリーニング手段寿命判定手段たる制御部101は、中間転写ベルト52に基準トナーパターンを形成し、ベルトクリーニングブレード19aに入力し、ベルトクリーニングブレード19aを通過した通過トナーを第2センサユニットで検知し、この検知結果に基づいてベルトクリーニングブレード19aの寿命を判定する。このように、センサユニットでベルトクリーニングブレード19aのクリーニング不良を実際に検知して、寿命を判定しているので、ベルトクリーニングブレード19aの適切な寿命判定を行うことができる。
【0052】
また、基準トナーパターンをY色トナーで形成することで、ベルトクリーニングブレード19aを通過した通過トナーが中間転写ベルト52に残留して、この残留した通過トナーが転写紙に転写されたとしても、他の色に比べて、目立ちにくくすることができる。
【0053】
また、基準トナーパターンをクリーニング性に不利な粒径分布が最も広いトナー色で形成することで、クリーニング性に不利な条件でベルトクリーニングブレードの寿命判定を行うことができる。これにより、異常画像が形成される前に、センサ出力差が基準値以上となり、異常画像が形成される前に、ベルトクリーニングブレード19aの交換を使用者に促すことができる。
【0054】
また、基準トナーパターンをクリーニング性に不利な円形度が最も高いトナー色で形成することでも、クリーニング性に不利な条件でベルトクリーニングブレードの寿命判定を行うことができる。
【0055】
また、制御部101は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンをベルトクリーニングブレード19aに入力し、各トナー付着量におけるセンサユニットの検知結果に基づいて、ベルトクリーニングブレード19a寿命判定を行う。このようにして寿命判定することで、トナー入力量に対するセンサユニットの出力電圧値(通過トナー量)の傾きを求めることができる。そして、傾きから、ベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xがわかり、このトナー入力量Xと、ベルトクリーニングブレードの実使用において想定されるベルトクリーニングブレードに入力されるトナー量とから、寿命判定を行うことができる。このように、ベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xがわかるので、正確な寿命判定を行うことができる。また、ベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xと、感光体クリーニングブレードの実使用において想定されるベルトクリーニングブレードに入力されるトナー量とから、入力トナー量の余裕度を検知することができ、ベルトクリーニングブレードの寿命予測を行うことも可能となる。
【0056】
また、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを感光体クリーニングブレード19aに入力し、各トナー付着量におけるセンサユニットの検知結果に基づいて、感光体クリーニングブレード19a寿命判定を行う。このようにして寿命判定することで、上述同様、トナー入力量に対するセンサユニットの出力電圧値(通過トナー量)の傾きを求めることができ、この傾きから、ベルトクリーニングブレードからトナーが漏れ出し始めるトナー入力量Xを検知することができる。そして、このトナー入力量Xと、ベルトクリーニングブレードの実使用において想定されるベルトクリーニングブレードに入力されるトナー量とから、寿命判定を行うことで、正確な寿命判定を行うことができる。
【0057】
また、センサユニット200(201)でベルトクリーニングブレードを通過した通過トナーまたは感光体クリーニングブレードを通過した通過トナーを検知した後、中間転写ベルトの空回し動作を実行する。これにより、通過トナーをベルトクリーニングブレードによって中間転写ベルト上から除去することができ、転写紙に通過トナーが付着するのを抑制することができる。
【0058】
特に、空回し動作をセンサユニット200(201)によって、中間転写ベルト上に通過トナーが付着していないことを確認するまで実施することで、転写紙に通過トナーが付着するのを防止することができる。
【0059】
また、空回し動作の動作時間が、所定時間経過した場合は、空回し動作を中止することで、中間転写ベルトの寿命がきており、中間転写ベルト上の通過トナーを除去できなくなっていた場合に、空回し動作が長時間に続くことを防止することができ、長時間空回し動作によって他のユニットにダメージがおよぶのを抑制することができる。また、使用者に装置の異常を報知することで、使用者が、転写紙に通過トナーが付着した異常画像を形成してしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】ベルトクリーニング装置19の周辺の概略構成図。
【図3】センサユニットの一例を示すの概略構成図。
【図4】画像形成装置を制御する制御部の機能ブロック図。
【図5】ベルトクリーニングブレード寿命判定モードの制御フロー図。
【図6】トナー入力量と、センサ出力電圧との関係の一例を示す図。
【図7】感光体クリーニングブレード寿命判定モードの制御フロー図。
【図8】トナー入力量と、センサ出力電圧との関係の他の例を示す図。
【図9】センサユニットの他の例を示すの概略構成図。
【図10】空回し制御フロー図。
【図11】直接転写方式の画像形成装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0061】
1 感光体
2a 感光体クリーニングブレード
2 感光体クリーニング装置
10K,10Y,10M,10C 画像形成ユニット
19a ベルトクリーニングブレード
19 ベルトクリーニング装置
51 中間転写ベルトユニット
52 中間転写ベルト
200 第1センサユニット
201 第2センサユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体と、
それぞれの像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、
それぞれの像担持体が担持するトナー像を、該無端移動体の表面に保持される記録媒体に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に記録媒体に転写する転写手段と、
ぞれぞれの像担持体に設けられ、前記像担持体に付着した転写残トナーを除去する像担持体クリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
前記像担持体上に基準トナーパターンを形成し、該基準トナーパターンを前記像担持体クリーニング手段に入力し、前記像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを前記無端移動体に転写し、前記無端移動体上の通過トナーを、トナー検知手段で検知し、その検知結果に基づいて、前記像担持体クリーニング手段の寿命を判定する像担持体クリーニング手段寿命判定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記無端移動体の表面に付着した異物を除去する無端移動体クリーニング手段を備え、
前記トナー検知手段を、前記無端移動体クリーニング手段よりも無端移動体移動方向上流側、かつ、前記無端移動体の前記像担持体との対向位置よりも下流側に配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
前記無端移動体に基準トナーパターンを形成し、前記無端移動体クリーニング手段に入力し、前記無端移動体クリーニング手段を通過した通過トナーをトナー検知手段で検知し、この検知結果に基づいて前記無端移動体クリーニング手段の寿命を判定する無端移動体クリーニング手段寿命判定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、Y色トナーで形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3の画像形成装置において、
前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、粒径分布が最も広いトナー色で形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3の画像形成装置において、
前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、円形度が最も高いトナー色で形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3乃至6いずれかひとつの画像形成装置において、
前記無端移動体クリーニング手段寿命判定手段は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを前記無端移動体クリーニング手段に入力し、各トナー付着量におけるトナー検知手段の検知結果に基づいて、前記無端移動体クリーニング手段の寿命判定を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかひとつの画像形成装置において、
前記像担持体クリーニング手段寿命判定手段は、各像担持体クリーニング手段を通過した各色のトナーを、前記無端移動体の副走査線方向異なる位置に転写し、前記トナー検知手段で連続的に検知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかひとつの画像形成装置において、
前記像担持体クリーニング手段寿命判定手段は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを前記像担持体クリーニング手段に入力し、各トナー付着量におけるトナー検知手段の検知結果に基づいて、前記像担持体クリーニング手段の寿命判定を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれかひとつの画像形成装置において、
前記トナー検知手段で前記無端移動体クリーニング手段を通過した通過トナーまたは前記像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを検知した後、前記無端移動体の空回し動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
前記空回し動作は、前記検知手段によって前記通過トナーが除去されたことを確認するまで実施することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
前記空回し動作の動作時間が、所定時間経過した場合は、空回し動作を中止して、使用者に報知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体と、
それぞれの像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、
それぞれの像担持体が担持するトナー像を、該無端移動体の表面に保持される記録媒体に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に記録媒体に転写する転写手段と、
ぞれぞれの像担持体に設けられ、前記像担持体に付着した転写残トナーを除去する像担持体クリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
前記像担持体上に基準トナーパターンを形成し、該基準トナーパターンを前記像担持体クリーニング手段に入力し、前記像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを前記無端移動体に転写し、前記無端移動体上の通過トナーを、トナー検知手段で検知し、その検知結果に基づいて、前記像担持体クリーニング手段の寿命を判定する像担持体クリーニング手段寿命判定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記無端移動体の表面に付着した異物を除去する無端移動体クリーニング手段を備え、
前記トナー検知手段を、前記無端移動体クリーニング手段よりも無端移動体移動方向上流側、かつ、前記無端移動体の前記像担持体との対向位置よりも下流側に配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
前記無端移動体に基準トナーパターンを形成し、前記無端移動体クリーニング手段に入力し、前記無端移動体クリーニング手段を通過した通過トナーをトナー検知手段で検知し、この検知結果に基づいて前記無端移動体クリーニング手段の寿命を判定する無端移動体クリーニング手段寿命判定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、Y色トナーで形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3の画像形成装置において、
前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、粒径分布が最も広いトナー色で形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3の画像形成装置において、
前記無端移動体クリーニング手段に入力する基準トナーパターンを、円形度が最も高いトナー色で形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3乃至6いずれかひとつの画像形成装置において、
前記無端移動体クリーニング手段寿命判定手段は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを前記無端移動体クリーニング手段に入力し、各トナー付着量におけるトナー検知手段の検知結果に基づいて、前記無端移動体クリーニング手段の寿命判定を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかひとつの画像形成装置において、
前記像担持体クリーニング手段寿命判定手段は、各像担持体クリーニング手段を通過した各色のトナーを、前記無端移動体の副走査線方向異なる位置に転写し、前記トナー検知手段で連続的に検知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかひとつの画像形成装置において、
前記像担持体クリーニング手段寿命判定手段は、トナー付着量の異なる基準トナーパターンを前記像担持体クリーニング手段に入力し、各トナー付着量におけるトナー検知手段の検知結果に基づいて、前記像担持体クリーニング手段の寿命判定を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれかひとつの画像形成装置において、
前記トナー検知手段で前記無端移動体クリーニング手段を通過した通過トナーまたは前記像担持体クリーニング手段を通過した通過トナーを検知した後、前記無端移動体の空回し動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
前記空回し動作は、前記検知手段によって前記通過トナーが除去されたことを確認するまで実施することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
前記空回し動作の動作時間が、所定時間経過した場合は、空回し動作を中止して、使用者に報知することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−299009(P2008−299009A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144048(P2007−144048)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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