説明

画像形成装置

【課題】ユーザの希望する任意の画像を使用してサンプル出力可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】スキャナ部で読み取った画像などをサンプル出力用の画像として記憶装置69に記憶して登録する。ジョブ投入時に、既に登録してある画像の中からサンプル出力に使用する画像の選択やサンプル出力周期などの指定をユーザから受け付け、ジョブ実行中に指定されたサンプル出力タイミングが到来したとき、あるいは手動サンプル出力指示を受けたとき、サンプル出力用に指定されている画像を用紙に画像形成し、該用紙をサブトレイに排紙して、サンプル出力を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機や印刷装置などの画像形成装置に係り、特に、画像形成後の用紙を第1排紙部へ排紙する連続した通常出力の前後もしくは途中で、画像形成後の用紙を第2排紙部へサンプル出力可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷やコピーを連続して大量に行う場合や、画質の変化し易いカラープリントを行う場合には、良好な画質が維持されているかを時折、確認することが好ましい。しかし、大量印刷時の排紙先として使用されるスタッカ装置は印刷物を外から見えない場所に積載することが多く、画質確認のためにスタッカ扉を開くと印刷動作が一時停止してしまい生産性が低下してしまう。
【0003】
そこで、第1排紙部へ排紙する印刷動作の実行中に第2排紙部へ排紙するサンプル出力を、ユーザがサンプル出力ボタンを操作したとき、あるいは設定されたサンプル出力周期(設定された印刷枚数毎)で自動的に実行するように構成された画像形成装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
一般にサンプル出力用の画像には、印刷ジョブに属する各ページの中で、サンプル出力の実行タイミングが到来した時点で印刷されていたページの画像がそのまま流用される。たとえば、印刷ジョブ中の6ページ目を印刷した次にサンプル出力する場合、6ページ目の画像を使用してサンプル出力が行われる。
【0005】
また、冊子の印刷中にオペレータからサンプル出力指示を受けると、現時点で出力されている冊子の出力後に、排紙トレイをサンプル出力用の排紙トレイに切り替えて、冊子1部をサンプル出力するデジタル印刷装置(特許文献2参照)がある。
【0006】
このほか、排紙先の切り替えは行わないが、指定した周期毎に、カラープリント時はカラー用の固定のテストパターンを、モノクロプリント時はモノクロ用の固定のテストパターンを自動的に印刷出力する装置がある(たとえば、特許文献3参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開2005−153374号公報
【特許文献2】特開2004−284323号公報
【特許文献3】特開平8−197779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、サンプル出力に使用される画像は、印刷ジョブの画像が流用されるため、画質確認に適さない画像であったり、ユーザがサンプル出力用として期待する画像でなかったりする場合があった。
【0009】
また、予め装置内部に備えられるメーカーの作成した固定のテストパターンは、すべての項目の画質や色味の確認が可能なように複雑なパターンやカラーチャートで構成されるため、たとえば、用紙の汚れ具合だけをサンプル出力で確認したいユーザにとってはトナーの消費量が無駄に増えてしまうといった問題があった。
【0010】
また、印刷機を使用するユーザは、確認したい内容に応じた独自のテストチャートを使用する傾向があり、サンプル出力においても、メーカーの作成した固定のチャートでは、このようなユーザの要求を満足させることができないという問題があった。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、ユーザの希望する任意の画像を使用してサンプル出力可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0013】
[1]用紙に画像を形成して出力する画像形成部と、
前記画像形成部から出力された用紙を受け入れる第1排紙部と、
前記画像形成部から出力された用紙を受け入れる第2排紙部と、
前記画像形成部から出力された用紙を前記第1排紙部に排出するか前記第2排紙部に排出するかを切り替える排紙先切替部と、
画像形成後の用紙を前記第1排紙部へ排紙する通常出力と、連続した前記通常出力の前後もしくは途中で画像形成後の用紙を前記第2排紙部へ排紙するサンプル出力の実行を制御する制御部と、
前記サンプル出力で使用される画像が入力される画像入力手段と、
前記画像入力手段で入力された画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている画像の中から前記サンプル出力で使用する画像が選択される選択手段と、
を備え、
前記制御部は、前記選択手段で選択された画像を用紙に画像形成させて前記サンプル出力を行わせる
ことを特徴とする画像形成装置。
【0014】
上記発明では、画像入力手段から入力した任意の画像を記憶手段に記憶し登録しておき、これら記憶手段に記憶されている画像の中からサンプル出力に使用する画像を選択することができる。画像入力手段は、たとえば、原稿を光学的に読み取って画像データを取得するスキャナ、あるいはパーソナルコンピュータなどの外部装置からネットワークなどの通信経由で画像データを入力するように構成されてもよい。
【0015】
[2]前記選択手段は、前記通常出力を行うジョブ毎に、少なくともサンプル出力の実行時期とサンプル出力に使用される画像とを指定するサンプル出力条件の設定を複数組み受け付け、
前記制御部は、設定されている複数のサンプル出力条件のそれぞれに従ってサンプル出力を行わせる
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0016】
上記発明では、ジョブ毎に、サンプル出力の実行時期と、サンプル出力に使用される画像とを指定するサンプル出力条件の設定を複数組み受け付けることができ、その設定された複数のサンプル出力条件のそれぞれに従ってサンプル出力が行われる。これにより、多様なサンプル出力をジョブ毎に設定することができる。
【0017】
[3]ユーザからサンプル出力の出力指示を受ける指示受付手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記記憶手段に記憶されている画像の中から前記出力指示に基づくサンプル出力で使用する画像の選択を受け、
前記制御部は、前記出力指示を受けたとき、前記出力指示に基づくサンプル出力で使用する画像として前記選択手段で選択された画像を使用して前記サンプル出力を行わせる
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0018】
上記発明では、ユーザからの出力指示に基づくサンプル出力で使用する画像の選択を予め受けておき、ユーザからサンプル出力の出力指示を受けたとき、その予め選択された画像を使用してサンプル出力が行われる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る画像形成装置によれば、ユーザの希望する任意の画像を使用してサンプル出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置3の断面構成を示している。画像形成装置3は、画像形成装置本体5と、大容量給紙装置6と、画像形成装置本体5の後段に接続された積載装置7とから構成される。画像形成装置3は、原稿を光学的に読み取りその複製画像を用紙上に形成するコピー機能や、パーソナルコンピュータなどの外部装置から印刷データを受信し、対応する画像を用紙上に形成して出力するプリント機能などを備えた、いわゆるデジタル複合機と称される装置である。
【0022】
大容量給紙装置6は、画像形成装置本体5に給紙する用紙を大量に蓄えることのできる給紙装置である。積載装置7は、画像形成装置本体5から排出される用紙を多数枚積載して蓄積するスタッカ装置であり、ここでは、第1積載装置7aと第2積載装置7bの2台がカスケード接続されている。画像形成装置3は大容量給紙装置6および第1積載装置7a、第2積載装置7bを備えているので大量の印刷を連続的に行うことができ、所謂、軽印刷にも使用される。
【0023】
画像形成装置本体5は、原稿画像を読み取るスキャナ部11と、原稿トレイ12aに載置された原稿を1枚ずつスキャナ部11の原稿読み取り位置へ繰り出す自動原稿送り装置12と、用紙上に画像を形成して出力するプリンタ部13と、操作表示部70とを備えている。
【0024】
スキャナ部11は、原稿に光を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、原稿からの反射光をラインイメージセンサ11aに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路などで構成される。スキャナ部11は、自動原稿送り装置12によって原稿を搬送することにより原稿を読み取り位置に対して相対移動させながら読み取る流し読み形式のほか、原稿をプラテンガラス上に載置した状態で読み取ることができる。スキャナ部11は画像入力部としての機能を果たす。
【0025】
プリンタ部13は、画像形成用の用紙を蓄えるための複数の給紙トレイ14と、用紙上に画像を形成する画像形成部15と、大容量給紙装置6もしくは給紙トレイ14から用紙を繰り出し、画像形成部15を通過させて後段の第1積載装置7aへ排出する用紙搬送機構16などで構成される。
【0026】
画像形成部15は、感光体21、帯電装置22、レーザーユニット23、現像装置24、転写装置25、分離装置26、クリーニング装置27、定着装置28などで構成され、電子写真プロセスによって画像を用紙上に形成する。
【0027】
詳細には、感光体21は、円筒形状を成すとともに、図示省略の駆動部によって一定方向(図中の矢印A方向)に回転される。回転中、感光体21は、帯電装置22によるコロナ放電によって一様に帯電した後、レーザーユニット23から画像データに応じてオンオフされるレーザー光の走査を受けてその表面に静電潜像が形成される。現像装置24は、感光体21の表面に形成された静電潜像をトナー像として顕像化する。
【0028】
用紙搬送機構16は、用紙を大容量給紙装置6あるいは給紙トレイ14から繰り出して搬送し、感光体21と転写装置25との間へ適切なタイミングで送り込む(矢印B)。転写装置25は感光体21の表面に形成されているトナー像を、用紙搬送機構16によって搬送されてきた用紙上に静電的に転写し、分離装置26は、除電により感光体21からこの用紙を分離する。クリーニング装置27は、転写後に感光体21に残ったトナーをブレード等で擦って除去する。トナー像が転写された用紙は、さらに搬送され(矢印C)、定着装置28を通る際に加圧加熱されてトナー像が用紙上に固着された後、第1積載装置7aへと排出される(矢印D)。なお、画像形成部15は電子写真方式以外の他の方式で用紙上に画像を形成するものであってもかまわない。
【0029】
第1積載装置7aは、積載される用紙の量に応じて昇降するステージ41aを備えた第1排紙部としての主積載部41を内蔵しており、大量(たとえば、約5000枚)の用紙を積載可能に構成されている。第1積載装置7aの本体には主積載部41に積載された用紙を取り出す際に押下される取り出し釦42と、用紙の取り出し時に開かれる図示省略の扉が設けられている、第1積載装置7aは、用紙の取り出し時以外はこの扉を閉めて使用され、画像形成装置本体5から排出される用紙の受け入れ動作中は主積載部41に積載された用紙の画像を外部から目視確認できない構造になっている。
【0030】
第1積載装置7aの天部上面には、サンプル出力された用紙を積載するための第2排紙部としてのサブトレイ43が設けられている。サブトレイ43は、外部に露出した排紙トレイであり、積載された用紙の画像を目視確認することができる構造になっている。
【0031】
第1積載装置7aはさらに、画像形成装置本体5から排出されて流入してきた用紙を自装置内で搬送するための搬送機構44やその用紙の排出先を主積載部41とサブトレイ43あるいは後段の装置のいずれかに切り替える排出先切り替え機構(排紙先切替部)45などを備えている。
【0032】
第2積載装置7bは第1積載装置7aと同様の構成であり、重複した説明は省略する。なお、扉を開いて第1積載装置7aの主積載部41から用紙を取り出している間は第2積載装置7bを使用するというようにして、用紙の排紙蓄積先として第1積載装置7aと第2積載装置7bとを交互に使用することで、連続した画像形成動作中にも用紙の取り出しが可能になっている。
【0033】
図2は、主積載部41に用紙が積載されて取り出されるまでの第1積載装置7aの動作状況を模式的に示している。同図(a)に示すように、第1積載装置7aに用紙が積載されていない状態ではステージ41aは最も上昇した位置にある。たとえば、この状態で画像形成装置本体5によるプリント動作(画像形成動作)が開始され、画像形成後の用紙が第1積載装置7aの主積載部41へ排紙されると、用紙の積載量に応じて主積載部41が同図(b)、(c)に示すように次第に下降し、積載された用紙の最上部の高さがほぼ変化しないように維持される。
【0034】
図2(c)のように積載された状態で取り出し釦42が操作されると、主積載部41への新たな用紙の受け入れを中断した後(このとき連続して画像形成されている場合は画像形成装置本体5から流入してきた用紙を第2積載装置7bへ排出する)、ステージ41aの下降動作が開始し、図2(d)に示すようにステージ41aが下端まで下降する。
【0035】
この状態になるとユーザは扉を開けて第1積載装置7a内の用紙を取り除くことができる。図2(e)に示すようにステージ41a上から用紙が取り除かれて扉が閉められると、第1積載装置7aはステージ41aを上昇させて図2(a)の状態に戻る。このように、主積載部41への排紙動作中に該主積載部41に排紙されて積載されている用紙の画像を目視確認することはできない。このため、画像形成装置3では、画像形成後の用紙を主積載部41へ排紙する連続した通常出力の前後もしくは途中で排紙先をサブトレイ43に一時的に変更して画像形成後の用紙をサブトレイ43に排出するサンプル出力を実行する機能を備えている。
【0036】
図3は、画像形成装置本体5および積載装置7の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置本体5は、当該画像形成装置本体5の動作を統括制御する主制御部60に、スキャナ部11とプリンタ部13と操作表示部70と画像処理手段80とを接続して構成される。
【0037】
スキャナ部11は、図1に示すラインイメージセンサ11aのほか、当該スキャナ部11の動作全体を制御するスキャナ制御部11bを備えている。プリンタ部13は画像データに応じてオン/オフされるレーザーダイオード(LD)23aのほか、画像形成部15や用紙搬送機構16などを含めたプリンタ部13全体の動作を制御するプリンタ制御部20などを有している。このほか、図示省略してあるがプリンタ制御部20には画像形成部15の各部や用紙搬送機構16を作動させるモータ、ソレノイド、センサなどが接続されている。
【0038】
操作表示部70は、各種設定画面や操作画面を表示してユーザから各種の設定/選択操作を受け付けたり、ユーザに向けて各種の情報や警告を表示したりする機能を果たす。操作表示部70は、液晶ディスプレイからなる表示部71と、その画面上に敷設されたタッチスイッチおよびその他のスイッチから成る操作部72と、表示部71および操作部72の動作を制御する操作制御部73とを有している。操作表示部70は、サンプル出力で使用する画像の選択を受ける選択手段としての機能を果たす。
【0039】
なお、図示省略してあるが、スキャナ制御部11b、操作表示部70、プリンタ制御部20はそれぞれCPU(Central Processing Unit)およびROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を主要部とする回路で構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って各種の制御を実行する。
【0040】
主制御部60は、画像形成装置3の動作を統括制御する機能を果し、読み取り処理部61と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御部62と、圧縮IC63aと、伸張IC63bと、画像メモリ65と、書き込み処理部66と、画像制御CPU67と、不揮発メモリ68と、ハードディスク装置などの記憶装置69を備えている。記憶装置69は、サンプル出力に使用される画像を記憶して登録しておく記憶手段としての機能を果たす。
【0041】
読み取り処理部61は、スキャナ部11の出力する画像データに対して拡大処理、鏡像処理、誤差拡散による2値化処理などを施す機能を果たす。圧縮IC63aは画像データを圧縮し、伸張IC63bは圧縮された画像データを元のイメージデータに伸張する機能を果たす。画像メモリ65は、非圧縮の画像データをページ単位で記憶可能なページメモリ65aとしての機能と、圧縮された画像データを蓄積する圧縮メモリ65bとしての機能を果たす。
【0042】
書き込み処理部66は、画像メモリ65から読み出して伸張された画像データに応じてレーザーユニット23のレーザーダイオード23aをオン/オフさせるための信号を、プリンタ部13の動作に応じたタイミングでレーザーダイオード23aへ出力する機能を果たす。DRAM制御部62は、ダイナミックRAMからなる画像メモリ65へのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御や、画像データを圧縮して画像メモリ65に格納したり、画像メモリ65から圧縮データを読み出して伸張したりする際のタイミング制御等を行う。
【0043】
画像制御CPU67は、画像形成装置本体5の動作全体を制御するCPUであり、画像データの流れを管理する機能や、ジョブの予約登録やジョブの実行を管理する機能、サンプル出力動作などを制御する制御部としての機能を果たす。画像制御CPU67は、図示省略のプログラムメモリに格納されたプログラムに従って動作する。不揮発性メモリ68は、電源オフ後も記憶しておくべきユーザデータやシステムデータが記憶されるメモリである。
【0044】
画像処理手段80は、パーソナルコンピュータ等の外部端末2から印刷データを受信し、この印刷データをラスタイメージデータに展開するプリントコントローラとしての機能と、スキャナ部11で原稿を読み取って得た画像データを電子メールやFTP(File Transfer Protocol)で外部端末2などへネットワークを通じて送信するスキャナーコントローラとしての機能を果たす。画像処理手段80はサンプル出力用の画像を入力する画像入力手段としても作用する。画像形成装置3は、画像処理手段80によって印刷データをラスタイメージデータに展開して得た画像やネットワークを通じて受信した画像をサンプル出力用の画像として記憶装置69に記憶できるように構成されている。
【0045】
画像処理手段80は、上記の機能を統括制御するコントローラ制御CPU81と、LAN(Local Area Network)に接続するための通信機能を果たすLANIF部82と、イメージデータを蓄積等する画像メモリ83と、DRAM制御部84とを有している。DRAM制御部84は、ダイナミックRAMからなる画像メモリ83へのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御を行う。またPCI(Peripheral Component Interconnect)バスを通じて主制御部60のDRAM制御部62との間で画像データを受け渡しする。
【0046】
第1積載装置7aは、当該装置の動作を制御するスタッカ制御部90に、取り出し釦42、主積載部41に積載された用紙を取り出す際に開かれる扉の開閉を検知するドアセンサ91、主積載部41に積載されている用紙が所定の上限量に達したか否かを検知する用紙上限センサ92、ステージ41aの下降位置が下限に達したか否かを検知するステージ下限センサ93、ステージ41aの上昇位置が上限に達したか否かを検知するステージ上限センサ94、ステージ41aもしくはサブトレイ43への排紙完了を検知する排紙センサ95、ステージ41aを昇降させる動力源(モータ)であるステージ昇降動力部96、用紙の排紙先を主積載部41とサブトレイ43とに切り替える切替爪を作動させるソレノイドとそのドライブ回路からなる排紙先切り替え部97などを接続して構成される。第2積載装置7bは第1積載装置7aと同一構成であり、その説明は省略する。
【0047】
スタッカ制御部90はプリンタ部13のプリンタ制御部20に信号線で接続されている。画像制御CPU67は用紙の排紙先を指定する(切り替える)指示をプリンタ制御部20に対して出力し、プリンタ制御部20は用紙の排紙タイミングに合わせて排紙先の切り替え指示などを該当のスタッカ制御部90へ出力するようになっている。
【0048】
次に、画像形成装置3の動作について説明する。
【0049】
<コピー動作>
コピー動作は、スキャナ部11によって原稿画像を読み取り、その読み取りで得た画像データを画像メモリ65に格納するまでの読み取り処理と、画像メモリ65に格納されている画像データをプリンタ部13へ出力して印刷させる出力処理(通常出力)との組み合わせで構成される。読み取り処理において、スキャナ部11のラインイメージセンサ11aによって原稿画像を光学的に読み取って得た画像データは読み取り処理部61に入力されて各種読み取り用画像処理が施された後、DRAM制御部62を介して圧縮IC63aに入力されて圧縮される。圧縮後の画像データは再びDRAM制御部62を介して圧縮メモリ65bに保存される。圧縮メモリ65b内の圧縮された画像データは、記憶装置69に転送されて保存される場合もある。
【0050】
出力処理は、全ページの原稿画像の読み取り処理が完了した後に開始される。出力処理では、出力対象の画像データが記憶装置69に保存されている場合は、画像メモリ65に読み出される。圧縮メモリ65b内の圧縮された画像データはDRAM制御部62によって読み出され、伸張IC63bで伸張されてページメモリ65aに一旦格納され、該ページメモリ65aからDRAM制御部62を介して書き込み処理部66へ送られ、出力用の各種画像処理が施された後、プリンタ部13のレーザーダイオード23aへ出力される。プリンタ部13は書き込み処理部66から送られて来る画像データに基づいて用紙上に画像形成し、その画像形成後の用紙を後段の積載装置7へ排出し、積載装置7はその用紙を主積載部41に積載する。
【0051】
<外部端末からの印刷データに基づくプリント動作>
外部端末2からの印刷データに基づくプリント動作は、原稿受け取り処理と出力処理との組み合わせで構成される。原稿受け取り処理では、外部端末2からLAN回線を通じて画像処理手段80に印刷データが入力され、画像処理手段80はその印刷データをラスタイメージに展開した後、PCIバスを通じてDRAM制御部62へ出力する。該画像データはDRAM制御部62を経由して圧縮IC63aで圧縮され、圧縮後の画像データは再びDRAM制御部62を経て圧縮メモリ65bに保存される。圧縮メモリ65b内の圧縮された画像データは記憶装置69に転送されて保存される場合もある。出力処理の詳細はコピー動作の場合と同様であり、その説明は省略する。
【0052】
<サンプル出力動作>
サンプル出力動作とは、画像形成後の用紙を第1排出部(主積載部41)へ排紙する連続した通常出力の前後もしくは実行中に、排紙先を第2排紙部(サブトレイ43)に切り替えて画像形成後の用紙を第2排紙部へ排紙した後、排紙先を第1排出部(主積載部41)へ戻す一連の動作である。サンプル出力動作には、自動サンプル出力と手動サンプル出力とがある。前者にはジョブの開始前に行うジョブ開始前出力と、ジョブ開始から指定枚数の印刷が行われる毎に周期的にサンプル出力する指定枚数毎出力と、部の区切りでサンプル出力する部区切り出力と、ジョブの終了時に出力するジョブ終了出力とがある。後者はユーザから出力指示を受けた時点で即座にサンプル出力する手動出力である。
【0053】
画像形成装置3は、スキャナ部11や画像処理手段80から入力された任意の画像をサンプル出力に使用する画像(サンプル出力画像)として記憶装置69に記憶して登録でき、その登録された画像の中からサンプル出力に使用する画像をジョブ毎に選択し指定できるようになっている。
【0054】
図4は、ジョブ開始前出力による自動サンプル出力例を示している。図中上列Fはジョブを構成する原稿画像であり、下列Pは、画像形成されて出力される用紙を示している。原稿画像内および用紙内の番号は画像番号を示している。この例では、ジョブは原稿画像が16ページで構成され、部数は1部、プリントモード片面に設定されている。ジョブ開始前出力では、ジョブに基づく通常出力が行われる前に、指定されたサンプル出力画像を使用したサンプル出力(図中、網がけの用紙)が行われる。
【0055】
図5は、指定枚数毎出力による自動サンプル出力例を示している。指定枚数は7枚に設定されており、ジョブ開始から通常出力が7枚行われる毎にサンプル出力が行われている。
【0056】
図6は、部区切り出力による自動サンプル出力例を示している。1部を構成する原稿画像は3ページであり、部数は3部、プリントモード片面に設定されている。1部目と2部目の間、2部目と3部目の間のそれぞれで、指定されたサンプル出力用の画像によるサンプル出力が行われている。
【0057】
図7は、ジョブ終了後出力による自動サンプル出力例を示している。ジョブAの原稿画像は5ページ(A1〜A5)であり、部数は1部、プリントモード片面に設定されている。ジョブAの次に実行されるジョブBの原稿画像は3ページ(B1〜B3)であり、部数は1部、プリントモード片面に設定されている。この例では、ジョブAによる通常出力が行われ、その完了後にサンプル出力が行われ、さらにその後、ジョブBの通常出力が行われ、その完了後にサンプル出力が行われている。
【0058】
図8は、サンプル出力後、一旦、通常出力を中断させ、再スタート指示(たとえば、スタートボタンを押下されるなど)を受けた時点で通常出力を再開させる動作モードでの出力例を示している。ユーザは、サンプル出力された画像を目視確認した上で、通常出力を再開させることができる。
【0059】
図9は、手動サンプル出力例を示している。ジョブは原稿画像が10ページで構成され、部数は1部、プリントモード片面に設定されている。ページ6を通常出力中に手動サンプル出力の出力指示を受け、その次の用紙には、予め指定された手動サンプル出力用の画像が形成されてサブトレイ43へサンプル出力されている。この例では、サンプル出力後、通常出力が中断され、ユーザから再スタート指示を受けた時点で通常出力は再開されている。
【0060】
以下、ユーザが任意の画像をサンプル出力用の画像(サンプル出力画像)として登録する際の動作の流れについて説明する。
【0061】
図10は、操作表示部70の表示部71に表示される画面の一例を示している。表示部71に表示される各画面の上部には、横一列に配列されたタグボタン101と、画像形成装置3の現在の状態に関する基本事項を表示するための基本情報表示部102が常設で表示される。基本情報表示部102の下方は様々な画面の表示に使用される汎用表示領域103になっている。いずれかのタグボタン101を選択操作することで汎用表示領域103に表示される画面が切り替わる。図10は、コピーのタグボタン101aが操作されて汎用表示領域103にコピー基本画面110が表示された状態を示している。なお、装置の待機状態ではコピー基本画面110が表示される。
【0062】
コピー基本画面110には、原稿設定111、画質設定112、倍率設定113、片面/両面設定114、応用設定115、出力設定116、用紙設定117の各設定欄が設けられている。各設定欄111〜117には設定のための案内情報や操作ボタンが表示されるほか、各設定項目に対する現時点の設定内容が表示されている。
【0063】
たとえば、原稿設定では、原稿の読み込み方法(連続・単葉)やスキャナ部11にセットされた原稿の向きに関する設定などが行われる。また、用紙設定欄117には、画像形成装置3の備える各給紙トレイにセットされている用紙のサイズや紙種、坪量、残量などが表示される。トレイ番号の表示部分を押下することにより給紙トレイを選択するようになっている。
【0064】
サンプル出力画像を登録する際には、タグボタン101の中の保存のタグ101cを操作する。これにより図示省略の保存設定画面が表示され、さらにその画面にて図示しないサンプル画像登録ボタンを操作すると、図11に示すようなボックス選択画面120が表示される。
【0065】
ボックス選択画面120には、ボックス表示欄121と、ファイル表示欄122とが設けられている。ボックス表示欄121には、サンプル出力画像を登録するために既に作成されている各ボックスに対応するボックス選択ボタン123が表示される。ボックスとは、画像(画像ファイル)を分類して登録するために記憶装置69内に設けられる仮想の入れ物である。ユーザはボックスを新規作成したり削除したりすることができ、各ボックス内に画像ファイルを登録することができる。また、各ボックスにはボックス番号が割り当てられるほかユーザは任意のボックス名を付与することができる。ファイル表示欄122には、ボックス表示欄121で選択されたボックスに保存されている画像ファイルのファイル名が一覧表示される。
【0066】
いずれかのボックス選択ボタン123を選択した状態で画面右下部の新規ファイル保存ボタン124を操作すると、図12に示すファイル名入力画面130が表示される。ファイル名入力画面130には文字や記号を入力するためのキーボード131が模擬表示される。ユーザはこのキーボード131を操作してファイル名を入力欄132に入力する。OKボタン133が操作されると、ファイル名が確定し、図13に示す読み込み設定画面140が表示される。
【0067】
サンプル出力画像として登録したい原稿をスキャナ部11にセットした後、読み込み設定画面140で原稿の読み取りに関する各種設定を行い、図示省略のスタートボタンを操作すると、その原稿の画像がスキャナ部11で読み取られ、対応する画像データが、ボックス選択画面120で選択されたボックスに、ファイル名入力画面130で設定されたファイル名の画像ファイルにして保存される。画像の読み込みが完了すると表示が自動的にボックス選択画面120に戻り、ユーザは、続けてサンプル出力画像を登録することができるようになっている。
【0068】
画像形成装置3では、このようにして任意の画像をサンプル出力画像として任意のボックスに登録することができる。このほか、外部端末2から受信した印刷データを画像処理手段80によってラスタイメージに展開して得た画像をサンプル出力画像として任意のボックスに保存して登録するプリンタ画像登録機能も備えている。プリンタ画像登録機能に係わる操作は、外部端末2側のプリンタドライバの設定画面(図示省略)を通じて行われる。たとえば、印刷データの中でサンプル出力画像として登録するページの番号や登録先のボックスの選択、登録するファイル名の設定などが行われる。
【0069】
なお、ここでは、サンプル出力画像は他の一般の画像を保存するためのボックスとは別のサンプル出力画像専用のボックスに登録されるが、一般の画像用のボックスにサンプル出力画像を登録したり、一般のボックス内の任意の画像をサンプル出力画像に選択したりできるように構成されてもよい。
【0070】
次に、コピージョブなどの投入時に行うサンプル出力設定について説明する。
【0071】
サンプル出力設定を行う場合、図10に示すコピー基本画面110において出力設定欄116の出力設定の選択ボタン116aを操作する。これにより図14に示す出力設定画面150が表示部71に表示される。出力設定画面150には、用紙の綴じ方向や排紙面、後処理に関する設定項目の選択ボタンが表示されている。出力設定画面150の右下部には、装置がサンプル出力の実行時期を自動で判断して行う自動サンプル出力に関する設定を行うための自動サンプル出力設定ボタン151と、ユーザから出力指示を受けた時点でサンプル出力を行う手動サンプル出力に関する設定を行うための手動サンプル出力設定ボタン152とが表示されている。
【0072】
自動サンプル出力設定ボタン151が操作されると、図15に示すサンプル出力設定画面160が表示される。本画像形成装置3では、ジョブ毎に、サンプル出力の実行時期(出力タイミングおよび指定枚数)と、サンプル出力に使用される画像(チャート)と、サンプル出力に使用する用紙の給紙元(指定給紙トレイ)とを指定するサンプル出力条件を複数組み設定することができるようになっている。サンプル出力設定画面160には、サンプル出力条件の識別番号を示す番号ボタン161と、各番号のサンプル出力条件の内容を示す設定内容表示欄162とが対応付けて表示されている。図15の例では、No1とNo2の2つのサンプル出力条件が設定されている。
【0073】
いずれかの番号ボタン161を操作すると、その番号のサンプル出力条件を詳細設定するための詳細設定画面170が表示部71に表示される(図16参照。)。詳細設定画面170には、サンプル出力画像のチャート名が表示されるチャート欄171と、サンプル出力タイミングを選択するためのサンプル出力タイミング設定欄172と、指定枚数を設定するための指定枚数設定欄173と、給紙トレイを設定するための給紙トレイ設定欄174が表示される。
【0074】
チャート欄171は操作ボタンを兼ねており、チャート欄171を押下すると図17に示すチャート選択画面180が表示される。チャート選択画面180は、図11のボックス選択画面120と同様にボックス表示欄181と、ファイル表示欄182とを備え、ボックス表示欄181からいずれかのボックスを選択し、さらにそのボックス内のいずれかの画像ファイルをファイル表示欄182で選択することにより、サンプル出力画像を選択することができるようになっている。
【0075】
図16の詳細設定画面170のサンプル出力タイミング設定欄172では、以下の選択肢の中から設定することができる。
「無し」…自動サンプル出力モードをオフする。
「ジョブ開始前」…ジョブ開始前にサンプル出力を実施する(ジョブ開始前出力)。
「指定枚数」…指定枚数設定欄173に設定された枚数の通常出力が行われる毎にサンプル出力を実施する(指定枚数毎出力)。
「部区切り」…部の切れ目でサンプル出力を実施する(部区切り出力)。
「ジョブ終了」…ジョブの終了でサンプル出力を実施する(ジョブ終了後出力)。
【0076】
指定枚数設定欄173には、1〜9999の範囲の任意の数字を設定することができる。給紙トレイ設定欄174には、給紙トレイの番号(トレイ1、トレイ2など)もしくは「通常出力と同一給紙トレイ」のいずれかを設定することができる。
【0077】
図15に示すように、1つのジョブに対して複数のサンプル出力条件が設定されている場合、それら設定されている各サンプル出力条件にしたがってサンプル出力が行われる。たとえば、第1のサンプル出力条件は「サンプル出力画像:チャートA、指定枚数:50枚」と設定され、第2のサンプル出力条件は「サンプル出力画像:チャートB、指定枚数:100枚」と設定された場合、そのジョブによる通常出力の50枚目で第1のサンプル出力条件に基づいてチャートAがサンプル出力され、通常出力の100枚目で第1のサンプル出力条件に基づきチャートAがサンプル出力されさらに第2のサンプル出力条件に基づきチャートBがサンプル出力される。なお、1つのサンプル出力条件において複数のサンプル出力画像を指定可能に構成されてもよい。
【0078】
図14の出力設定画面150にて手動サンプル出力設定ボタン152を操作した場合には、図18に示す手動サンプル出力詳細設定画面190が表示部71に表示される。手動サンプル出力詳細設定画面190には、手動サンプル出力の有/無を選択する有無設定欄191と、サンプル出力画像に選択したチャート名が表示されるチャート欄192と、給紙トレイを設定するための給紙トレイ設定欄193が表示されている。
【0079】
有無設定欄191では、手動サンプル出力を有効にする「有り」と無効にする「無し」のいずれかの選択肢を選択することができる。チャート欄192、給紙トレイ設定欄193は図16のチャート欄171、給紙トレイ設定欄174と同様でありその説明は省略する。
【0080】
有無設定欄191において「有り」を選択した場合には、図19に例示するような、通常出力を伴うジョブの実行中に表示されるプリント中画面200内に、手動サンプル出力ボタン201が表示される。ユーザは、プリント中の任意の時点で手動サンプル出力ボタン201を操作することによってサンプル出力の出力指示を手動で出すことができ、その直ぐ次のページでサンプル出力が行われる。有無設定欄191において「無し」を選択した場合はプリント中画面200内の手動サンプル出力ボタン201は非表示となり、手動サンプル出力の出力指示を出すことができなくなっている。
【0081】
次に、通常出力を伴うジョブを受け付けから出力完了となるまでの画像形成装置3の動作の流れを説明する。なお、サンプル出力用ボックスへのサンプル出力画像の登録は既に行われているものとする。
【0082】
図20は、上記動作の全体の流れを示している。まず、ジョブ投入にかかわる各種の設定がユーザによって行われる(ステップS301)。この設定において先に説明したサンプル出力条件の設定などが行われる。設定完了後、図示省略のスタートボタンが押下されると、当該ジョブの実行を開始するための各種の準備処理が行われる(ステップS302)。また、自動サンプル出力用の画像および手動サンプル出力用の画像の準備処理が行われる(ステップS303)。
【0083】
その後、給紙処理(ステップS304)、画像形成処理(ステップS305)、排紙処理(ステップS306)をジョブが終了するまで繰り返し実行し(ステップS307;N)、ジョブが終了したら(ステップS307;Y)、サンプル出力用給紙カウンタをクリアして(ステップS308)処理を終了する。なお、サンプル出力用給紙カウンタは、自動サンプル出力した後の通常出力枚数を計数するカウンタである。
【0084】
図21は、サンプル出力画像準備処理(図20のS303)の詳細を示している。ジョブ投入時の設定にて自動サンプル出力の設定が行われている場合は(ステップS401;Y)、その設定されたサンプル出力条件にて指定されている画像(チャート)の画像データおよびヘッダを記憶装置69から読み出し、伸張IC63bで伸張してページメモリ65aの所定エリアに格納する(ステップS402)ことを、当該ジョブに対して設定されているすべてのサンプル出力条件について行う(ステップS403;N)。
【0085】
すべてのサンプル出力条件に対して上記の画像準備が終了した場合(ステップS403;Y)もしくは自動サンプル出力が設定されていない場合は(ステップS401;N)、手動サンプル出力が「有り」に設定されているか否かを調べる(ステップS404)。手動サンプル出力が「有り」に設定されていない場合は(ステップS404;N)処理を終了する。手動サンプル出力が「有り」に設定されている場合は(ステップS404;Y)、設定されている手動サンプル出力用の画像(チャート)の画像データおよびヘッダを記憶装置69から読み出し、伸張IC63bで伸張してページメモリ65aの所定エリアに格納して(ステップS405)本処理を終了する。
【0086】
図22は、給紙処理(図20、S304)の流れを示している。自動サンプル出力設定ありか否かを調べ(ステップS501)、自動サンプル出力設定ありの場合、自動サンプル出力の実行時期が到来したか否かを調べる自動サンプル出力実行判断処理を行う(ステップS503)。
【0087】
図23は、自動サンプル出力実行判断処理(図22のS503)の詳細を示している。ジョブ開始前出力の設定ありで(ステップS601;Y)現状がジョブ開始前の場合(ステップS602;Y)、もしくは指定枚数毎出力の設定ありで(ステップS603;Y)出力枚数が指定枚数に到達している場合(すなわち、サンプル出力用給紙カウンタの値が指定枚数になった場合、ステップS604;Y)、もしくは部区切り出力の設定ありで(ステップS605;Y)現状が1部分の通常出力が完了の場合(ステップS606;Y)、もしくはジョブ終了後出力の設定ありで(ステップS607;Y)現状がジョブ終了の場合(ステップS608;Y))には、自動サンプル出力の実行タイミングが到来したことを示す情報と、そのサンプル出力に必要な情報とをメモリの所定エリア(ページ情報エリア)にセットする(ステップS609)。たとえば、今回のサンプル出力に使用する画像データ(先のS303で準備した中の該当する画像データ)の格納アドレス、給紙トレイの情報などをセットして本処理を終了する(リターン)。上記以外の場合は、自動サンプル出力の実行タイミングが到来していないと判断して本処理を終了する(リターン)。
【0088】
図22に戻って説明を続ける。自動サンプル出力の実行タイミングが到来していない場合は(ステップS504;N)、ジョブの中で次に画像形成すべきページに関するページ情報(ジョブ中のどのページの画像を出力するかを示す情報や、給紙トレイ、排紙先などを示す情報)を取得し(ステップS505)、その排紙先情報および給紙トレイ情報を所定の担当モジュールとの情報受け渡し用エリアにセットし(ステップS506)、サンプル出力用給紙カウンタをカウントアップし(ステップS507)、実際に給紙処理を行う各部に対して給紙要求を発行して(ステップS511)処理を終了する(リターン)。これにより、情報受け渡し用エリアで指示した給紙トレイから用紙が給紙され、指示した画像がその用紙に画像形成され(図20のS305)、指示した排紙先に排紙される(図20のS306)。
【0089】
自動サンプル出力の実行タイミングが到来した場合は(ステップS504;Y)、サンプル出力用給紙カウンタをクリアし(ステップS508)、次に画像形成するページ(サンプル出力するページ)のページ情報(サンプル出力画像やサンプル出力する用紙の給紙トレイを示す情報など)を先のページ情報エリアから取得する(ステップS509)。そして、排紙先情報をサンプル出力用排紙先(サブトレイ43)に変更してこれを所定の担当モジュールとの情報受け渡し用エリアにセットし、かつ指定されたサンプル出力用給紙トレイに対応する給紙トレイ情報を所定の担当モジュールとの情報受け渡し用エリアにセットする(ステップS510)。その後、実際に給紙処理を行う各部に対して給紙要求を発行して(ステップS511)処理を終了する(リターン)。
【0090】
これにより、情報受け渡し用エリアで指示したサンプル出力用の給紙トレイから用紙が給紙され、指示したサンプル出力画像がその用紙に画像形成され(図20のS305)、指示した排紙先(サブトレイ43)に排紙されて(図20のS306)、サンプル出力が実行される。
【0091】
図24は、排紙処理(図20、S306)の流れを示している。今回排紙する用紙がサンプル出力による排紙か否かを判断し(ステップS701)、サンプル出力による排紙でない場合は(ステップS701;N)、通常排紙処理を行って(ステップS702)処理を終了する(リターン)。通常排紙処理での排紙は、たとえば、排紙先を主積載部41にして行う。そのほか、通常出力での排紙が完了した場合の種々の処理、たとえば、ジョブの処理済みページを1ページ進めるなどの処理を行う。サンプル出力による排紙の場合は(ステップS701;Y)、サンプル出力排紙処理を行って(ステップS703)処理を終了する(リターン)。サンプル出力排紙処理での排紙は、排紙先をサブトレイ43にして行われる。
【0092】
このように、画像形成装置3では、ユーザが任意の画像をサンプル出力用の画像として登録することができるので、ユーザの確認したい内容に応じた独自のテストチャートをサンプル出力させることができ、メーカーの作成した固定のチャートを使用する場合に比べて、ユーザの要求を満たすサンプル出力を行うことができる。また、用紙の汚れ具合だけをサンプル出力で確認したいユーザにとっては、それに適した画像でサンプル出力を行わせることができ、複雑な固定のテストパターンの出力によってトナーの消費量が無駄に増えてしまうといった問題が解消される。
【0093】
さらにサンプル出力条件をジョブ毎に設定できるので、各ジョブの出力画像に応じたチャートをサンプル出力させることができる。また、1つのジョブに対してサンプル出力条件を複数組設定できるので、複雑な出力態様でサンプル出力させることができ、多様なユーザの要求に対応することができる。また、自動サンプル出力とは別に手動サンプル出力用の画像を設定できるので、たとえば、自動サンプル出力では画像の汚れを検査するための簡単なチャートを出力させ、手動サンプル出力では複雑なチャートを使用して様々な項目で画質をチェックしたい、といった要望にも対応することができる。
【0094】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0095】
たとえば、実施の形態ではジョブの投入時にサンプル出力設定を受けるようにしたが、他のタイミングで受け付けるようにされてもよい。たとえば、予約ジョブにおいては、ジョブの実行待ちの間に設定可能としてもよい。また、ジョブとは別に、画像形成装置3を単位にあるいはユーザ単位に自動サンプル出力設定や手動サンプル出力設定を登録できるように構成されてもよい。たとえば、ユーザ単位の場合には、ユーザ認証されると、そのユーザに対応付けて登録されている自動サンプル出力設定や手動サンプル出力設定が有効になるようにされるとよい。
【0096】
実施の形態では、スキャナ部11などから入力した画像をサンプル出力用のボックスに記憶し登録するようにしたが、ボックスを使用せずにサンプル出力用の画像を記憶して管理するように構成されてもよい。またサンプル出力用の画像をユーザ別に記憶して管理するように構成されてもよい。
【0097】
また、実施の形態では積載装置7の主積載部41を通常出力の排紙先とし、サブトレイ43をサンプル出力用の排紙先としたが、排紙先はこれらに限定されるものではなく、通常出力での排紙先とサンプル出力での排紙先とが相違すればよい。通常出力の排紙先がスタッカ装置内にあって画像を目視確認できないような場合に本発明はより効果的となるが、これに限定されるものではない。また、実施の形態では、画像形成装置本体5と積載装置7とを別体の装置に構成したが、一体に構成されてもよい。
【0098】
画像形成装置は、実施の形態で例示した多機能な複合機に限定されず、コピー機能のみを有するデジタル複写機、あるいはプリンタ機能のみを保有するプリンタ装置であってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の断面構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置で使用される積載装置の主積載部に用紙が積載されて取り出されるまでの動作状況を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】ジョブ開始前出力による自動サンプル出力例を示す説明図である。
【図5】指定枚数毎出力による自動サンプル出力例を示す説明図である。
【図6】部区切り出力による自動サンプル出力例を示す説明図である。
【図7】ジョブ終了後出力による自動サンプル出力例を示す説明図である。
【図8】サンプル出力後は、一旦、通常出力を中断させる場合のサンプル出力例を示す説明図である。
【図9】手動サンプル出力例を示す説明図である。
【図10】コピー基本画面の表示例を示す正面図である。
【図11】ボックス選択画面の表示例を示す正面図である。
【図12】ファイル名入力画面の表示例を示す正面図である。
【図13】読み込み設定画面の表示例を示す正面図である。
【図14】出力設定画面の表示例を示す正面図である。
【図15】サンプル出力設定画面の表示例を示す正面図である。
【図16】詳細設定画面の表示例を示す正面図である。
【図17】チャート選択画面の表示例を示す正面図である。
【図18】手動サンプル出力詳細設定画面の表示例を示す正面図である。
【図19】プリント中画面の表示例を示す正面図である。
【図20】画像形成装置がジョブを実行する際の動作全体を示す流れ図である。
【図21】サンプル出力画像準備処理を示す流れ図である。
【図22】給紙処理を示す流れ図である。
【図23】自動サンプル出力実行判断処理を示す流れ図である。
【図24】排紙処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0100】
2…外部端末
3…画像形成装置
5…画像形成装置本体
6…大容量給紙装置
7…積載装置
7a…第1積載装置
7b…第2積載装置
11…スキャナ部
11a…ラインイメージセンサ
11b…スキャナ制御部
12…自動原稿送り装置
12a…原稿トレイ
13…プリンタ部
14…給紙トレイ
15…画像形成部
16…用紙搬送機構
20…プリンタ制御部
21…感光体
22…帯電装置
23…レーザーユニット
23a…レーザーダイオード
24…現像装置
25…転写装置
26…分離装置
27…クリーニング装置
28…定着装置
31…濃度検知手段
32…濃度復帰手段
41…主積載部
41a…ステージ
42…取り出し釦
43…サブトレイ
44…搬送機構
45…排出先切り替え機構
60…主制御部
61…読み取り処理部
62…DRAM制御部
63a…圧縮IC
63b…伸張IC
65…画像メモリ
65a…ページメモリ
65b…圧縮メモリ
66…書き込み処理部
67…画像制御CPU
68…不揮発性メモリ
69…記憶装置
70…操作表示部
71…表示部
72…操作部
73…操作制御部
80…画像処理手段
81…コントローラ制御CPU
82…LANIF部
83…画像メモリ
84…DRAM制御部
90…スタッカ制御部
91…ドアセンサ
92…用紙上限センサ
93…ステージ下限センサ
94…ステージ上限センサ
95…排紙センサ
96…ステージ昇降動力部
97…排紙先切り替え部
101…タグボタン
101a…コピーのタグボタン
101c…保存のタグボタン
102…基本情報表示部
103…汎用表示領域
110…コピー基本画面
116a…出力設定の選択ボタン
120…ボックス選択画面
121…ボックス表示欄
122…ファイル表示欄
123…ボックス選択ボタン
124…新規ファイル保存ボタン
130…ファイル名入力画面
131…キーボード
132…入力欄
133…OKボタン
140…読み込み設定画面
150…出力設定画面
151…自動サンプル出力設定ボタン
152…手動サンプル出力設定ボタン
160…サンプル出力設定画面
161…番号ボタン
162…設定内容表示欄
170…詳細設定画面
171…チャート欄
172…サンプル出力タイミング設定欄
173…指定枚数設定欄
174…給紙トレイ設定欄
180…チャート選択画面
181…ボックス表示欄
182…ファイル表示欄
190…手動サンプル出力詳細設定画面
191…有無設定欄
192…チャート欄
193…給紙トレイ設定欄
200…プリント中画面
201…手動サンプル出力ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成して出力する画像形成部と、
前記画像形成部から出力された用紙を受け入れる第1排紙部と、
前記画像形成部から出力された用紙を受け入れる第2排紙部と、
前記画像形成部から出力された用紙を前記第1排紙部に排出するか前記第2排紙部に排出するかを切り替える排紙先切替部と、
画像形成後の用紙を前記第1排紙部へ排紙する通常出力と、連続した前記通常出力の前後もしくは途中で画像形成後の用紙を前記第2排紙部へ排紙するサンプル出力の実行を制御する制御部と、
前記サンプル出力で使用される画像が入力される画像入力手段と、
前記画像入力手段で入力された画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている画像の中から前記サンプル出力で使用する画像が選択される選択手段と、
を備え、
前記制御部は、前記選択手段で選択された画像を用紙に画像形成させて前記サンプル出力を行わせる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記通常出力を行うジョブ毎に、少なくともサンプル出力の実行時期とサンプル出力に使用される画像とを指定するサンプル出力条件の設定を複数組み受け付け、
前記制御部は、設定されている複数のサンプル出力条件のそれぞれに従ってサンプル出力を行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザからサンプル出力の出力指示を受ける指示受付手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記記憶手段に記憶されている画像の中から前記出力指示に基づくサンプル出力で使用する画像の選択を受け、
前記制御部は、前記出力指示を受けたとき、前記出力指示に基づくサンプル出力で使用する画像として前記選択手段で選択された画像を使用して前記サンプル出力を行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−119693(P2009−119693A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295416(P2007−295416)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】