説明

画像形成装置

【課題】ライン型画像形成装置における維持回復機構の構成が複雑、装置の奥行きが大型化、複数の色間の距離が長くなる。
【解決手段】液滴を吐出するライン型記録ヘッドをベース部材12に保持したヘッドユニット1と、ヘッドユニット1の記録ヘッドにインクを供給するインク供給部2と、ヘッドユニット1の記録ヘッドに対向して用紙を搬送する搬送ユニット3と、用紙Pを搬送ユニット3に給紙する給紙部4と、搬送ユニット3の用紙搬送方向下流側に配置され、ヘッドユニット1のライン型記録ヘッドの維持回復を行う維持回復ユニット5と、排紙部6と、ヘッドユニット1を用紙搬送方向に沿って搬送ユニット3に対応する位置と維持回復ユニット5に対応する位置との間で双方向に移動させるヘッド移動手段7を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッド及び用紙を搬送する搬送手段を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。
【0004】
このようなインク吐出方式の画像形成装置においては、インク滴を吐出する記録ヘッドの性能を維持回復する維持回復機構が備えられる。このヘッドの維持回復機構(装置)は、記録ヘッドのノズル面(ノズルが形成された面)を高い密閉性を保って覆うための保湿用キャップ部材、ノズルから増粘したインクを吸引して排出するための吸引ポンプなどの吸引手段に接続される吸引用キャップ(保湿用キャップと兼用されることもある。)、ノズル面に付着したインクを拭き取って除去するためのワイパ部材(ワイパ、ワイパブレード)、ワイパ部材を清掃するワイパクリーナ(ワイパ清掃部材)、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出を行なうための空吐出受けなどで構成される。
【0005】
例えば、特許文献1にはヘッドユニットが垂直位置に回動移動し、直立位置にあるヘッドユニットを維持ユニットへ対向する位置まで移動させ、メンテナンスを行うことが記載されている。
【特許文献1】特開2003−11377号公報
【0006】
また、特許文献2には印字中であっても不使用のヘッドユニットをキャッピングするために、維持ユニットを、ヘッドユニットに対して記録媒体搬送方向の下流に配置することが記載されている。
【特許文献2】特開2002−59559号公報
【0007】
次に、画像形成装置における搬送手段に関して、例えば、特許文献3には用紙搬送中にジャムが発生した場合に、記録ヘッドと搬送手段との間の空間を広げるために、搬送ベルトを用いて用紙を搬送する搬送手段を、搬送方向に並んでいる各インク吐出口に記録媒体を近接させて搬送可能となる画像記録状態と、搬送手段とインク吐出口の全体を離隔させて画像記録手段と搬送手段がほぼ平行な状態あるいは傾斜状態となる解除手段を備えることが記載されている。
【特許文献3】特許第2816217号公報
【0008】
次に、インク吐出方式で画像形成を行う場合、記録ヘッドと用紙搬送面との間のギャップ(ヘッド間ギャップ)を維持しなければならないことから、例えば、特許文献4にはヘッドユニットを、直動手段を有する摺動機構に設置し、記録媒体の表面位置を検出することでヘッド間ギャップを一定に調整することが記載されている。その他、ギャップ規制に関しては特許文献5、6もある。
【特許文献4】特開平11−105376号公報
【特許文献5】特開2005−138371号公報
【特許文献6】特許第3025110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、画像形成装置においては、印刷速度の向上を図るために、用紙の全幅分の長さにノズルを配置した1つの記録ヘッド又は複数の記録ヘッドを並べて配置することで用紙の全幅分の長さにノズルを配置したライン型ヘッドが用いられるようになってきている。このようなライン型ヘッドの維持回復を行うために、一般に、複数のライン型ヘッドと維持回復機構(メンテナンス機構、クリーニング機構)とを用紙搬送方向に沿って交互に配置し、ライン型ヘッドと維持回復機構が相対的に交互に移動を繰り返すことによって維持回復を行うようしたり、あるいは、用紙搬送路の脇、即ち用紙搬送路と直交する方向の用紙搬送路外に維持回復機構が配置され、ライン型ヘッドが回動して配置された維持回復機構に移動したりするような構成が採用されている。
【0010】
しかしながら、複数のライン型ヘッドと維持回復機構(メンテナンス機構、クリーニング機構)とを用紙搬送方向に沿って交互に配置する構成では、構成が複雑になる。また、この構成では、複数のライン型ヘッド間の距離が長くなり、その分色間における着弾位置ずれが発生し易くなる。さらに、用紙搬送路の脇に維持回復機構を配置する構成では、装置の奥行きが大きくなるという課題がある。
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、特にライン型画像形成装置における維持回復を簡単な構成で装置の奥行きを大型化することなく行うことができ、しかも複数の色間の距離を短くできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出するライン型記録ヘッドをベース部材に保持して構成されるヘッドユニットと、
前記記録ヘッドに対向して用紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段の用紙搬送方向下流側に配置され、前記ライン型記録ヘッドの維持回復を行う維持回復手段と、
前記ヘッドユニットを用紙搬送方向に沿って前記搬送手段に対応する位置と前記維持回復手段に対応する位置との間で双方向に移動させるヘッド移動手段と
を備えている構成とした。
【0013】
ここで、前記維持回復手段の上方に、前記維持回復手段を覆う位置と前記用紙を案内する位置との間で開閉可能な搬送ガイド部材を備えている構成とできる。
【0014】
また、前記搬送手段は前記記録ヘッドに近接するホーム位置と前記記録ヘッドから離間した解除位置との間で変位可能に配置されている構成とできる。
【0015】
また、前記搬送手段は、少なくとも2つのローラ間に掛け回された搬送ベルトを有し、用紙搬送方向上流側のローラを支点として前記解除位置に回動可能に設けられている構成とできる。
【0016】
また、前記搬送手段には、前記搬送手段をホーム位置にした時に前記ヘッドユニットの記録ヘッドのノズル面と前記搬送手段による用紙搬送面とのギャップを規制するギャップ規制手段を備えている構成とできる。
【0017】
また、前記ヘッドユニットを保持するベース部材は、前記ヘッドユニットを保持する第1ベース部材と、この第1ベース部材を少なくとも上下方向に移動可能に保持する第2ベース部材とを有している構成とできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る画像形成装置によれば、搬送手段の用紙搬送方向下流側にライン型記録ヘッドの維持回復を行う維持回復手段を設けて、ヘッドユニットを用紙搬送方向に沿って搬送手段に対応する位置と維持回復手段に対応する位置との間で双方向に移動させるので、維持回復を簡単な構成で行うことができるとともに、装置の奥行きを大型化することがなくなるとともに、ヘッド間に維持回復手段が配置されないので複数のヘッド間を狭くすることができて各色間の距離を短くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する概略斜視説明図、図は同じく側面説明図、図3は同じく要部平面説明図である。
【0020】
この画像形成装置は、液滴を吐出するライン型記録ヘッドで構成されるヘッドユニット1と、ヘッドユニット1の記録ヘッドにインクを供給するインク供給部2と、ヘッドユニット1の記録ヘッドに対向して用紙を搬送する搬送手段としての搬送ユニット3と、用紙Pを搬送ユニット3に給紙する給紙部4と、搬送ユニット3の用紙搬送方向下流側に配置され、ヘッドユニット1のライン型記録ヘッドの維持回復を行う維持回復手段としての維持回復ユニット5と、排紙部6と、ヘッドユニット1を用紙搬送方向に沿って搬送ユニット3に対応する位置と維持回復ユニット5に対応する位置との間で双方向(図1の矢示A方向)に移動させるヘッド移動手段7などとを備えている。
【0021】
ヘッドユニット1は、液滴を吐出する複数のヘッド11aを配列して構成した記録ヘッド11を4列分、即ち、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液体であるインクを吐出する複数の記録ヘッド11y、11m、11c、11k(以下、色の区別をしないときは、y、m、c、kのサブ符号を添えない符号を用いる。他の部材等についても同様である。)を用紙搬送方向に沿って配置してベース部材12に保持して構成されている。
【0022】
ヘッドユニット1の各記録ヘッド11に各色のインクを供給するインク供給部2は、図示しない各色のインクを収容した交換可能なメインタンク(インクカートリッジ)を含むメインタンクユニットと、メインタンクからインクが供給されるサブタンク(インクタンク)21と、サブタンク21から供給チューブ23を介してインクが供給され、供給されるインクを供給チューブ24を介して各ヘッド11aに分岐して供給する分岐部22とを備え、各サブタンク21とヘッドユニット1の記録ヘッド11との間に水頭差を設けて記録ヘッド11に所要の負圧を発生させている。
【0023】
ヘッドユニット1はベース部材12に保持され、このベース部材12はヘッドユニット1を保持する第1ベース部材12Aと、この第1ベース部材12Aを少なくとも上下方向に移動自在に保持する第2ベース部材12Bとで構成されている。この第2ベース部材12B上には、インク供給部2のサブタンク21及び分岐部22なども保持されている。
【0024】
そして、この第2ベース部材12Bは、ヘッド移動手段7の駆動ローラ72と従動ローラ72に掛け回されたタイミングベルト74に連結され、駆動ローラ72が駆動モータ75によって回転駆動されることにより、用紙搬送方向に沿って移動される。これにより、ヘッドユニット1を用紙搬送方向に沿って搬送ユニット3に対応する位置と維持回復ユニット5に対応する位置との間で双方向に移動される。
【0025】
このように、ヘッドユニット1とインク供給部2のサブタンク21などもベース部材12(ここでは、第2ベース部材12B)上に保持して一体的に移動させることによってサブタンク21から記録ヘッド11に対するインク供給用のチューブの変形による内部圧力の変化などの不具合を防止できる。なお、サブタンク供給方式に代えてインクカートリッジから直接ヘッドにインクを供給する方式の場合にはインクカートリッジそのものを第2ベース部材に保持することもできる。
【0026】
搬送ユニット3は、給紙部4から分離ローラ41及び給紙ローラ42によって1枚ずつ分離されて給紙される用紙Pをヘッドユニット1に対向して搬送する搬送ベルト31を備えている。この搬送ベルト31は、搬送駆動ローラ32と搬送従動ローラ33との間に掛け回された無端状ベルトであり、表面には複数の図示しない穴が形成されており、搬送ベルト31の下部には用紙Pを吸引するエアー吸着ファン(吸引ファン34)が配置されている。また、搬送ユニット3にはヘッドユニット1の記録ヘッド11のノズル面と搬送ベルト41の表面(用紙搬送面)との間のギャップを規制するギャップ調整手段35が備えられている。
【0027】
搬送駆動ローラ32は図示しないモータにより回転されることで搬送ベルト41が周回移動し、用紙Pは搬送ベルト31上に吸引ファン34により吸い付けられ、搬送ベルト31の周回移動によって搬送される。なお、用紙の吸着は吸引に限られるものではなく、静電吸着や粘着などによって保持する構成にしてもよい。
【0028】
この搬送ユニット6は、搬送ベルト31、吸引ファン34、ギャップ調整手段35などが一体的に用紙搬送方向上流側の従動ローラ33を支点として用紙搬送方向下流側の駆動ローラ32が下がる状態で回動可能に配置され、記録ヘッド11(ヘッドユニット1)に近接するホーム位置(実線図示の位置:第1位置)と記録ヘッド10から離間する解除位置(破線図示の位置:第2位置)との間で矢示B方向に変位可能とされている。搬送ユニット3の用紙搬送方向下流側が下がって解除される構成とすることで、ジャムの場合のジャム用紙の取出しが容易になり、また、ヘッドユニット1を維持回復機構5側へ移動するときにヘッドユニット1の記録ヘッド11のノズル面と搬送ベルト31との干渉のおそれを防止できる。
【0029】
この搬送ユニット3をホーム位置と解除位置との間で変位させる解除機構8は、搬送ユニット解除駆動モータ81と、この駆動モータ81の回転がピニオン82を介して伝達されるセクタギヤ83とを備え、搬送ユニット解除駆動モータ81とピニオン82は画像形成装置のベース側(装置筐体側)に固定され、セクタギヤ83は図示しない搬送ユニット3のユニットフレーム側に固定され、ピニオン82が回転することによってセクタギヤ83が移動、即ち搬送ユニット3が回動変位する機構となっている。なお、搬送ベルト解除駆動モータ81からピニオン82まではタイミングベルトやギヤ等の動力伝達機構を用いているが図示を簡略化している。
【0030】
維持回復ユニット5は、記録ヘッド11のノズル面をキャッピングするキャップ部材51などを備えている。この維持回復ユニット5の上方には、維持回復ユニット5を覆う搬送ガイド部材9が配置され、この搬送ガイド部材9は矢示C方向に回転して維持回復ユニット5を開放する図2の破線図示の位置と搬送ユニット3からの用紙をガイドする実線図示の位置とを取り得るようにされている。
【0031】
排紙部6は、エンドフェンス61及び図示しないサイドフェンスを備えている。
【0032】
次に、このように構成したこの画像形成装置の維持回復動作について図4をも参照して説明する。
ヘッドユニット1の記録ヘッド11の維持回復動作(クリーニング)を行うとき、搬送ユニット3が矢示B1方向に解除位置まで回動されるとともに、搬送ガイド部材9が矢示C1方向に回動されて維持回復ユニット5の上方が開放され、ヘッド移動手段7の駆動モータ75が駆動されることでベース部材12に伴われてヘッドユニット1が矢示A1方向に移動され、維持回復ユニット5上で停止する。
【0033】
その後、記録ヘッド11のノズル面がキャップ部材51でキャッピングされ、キャップ部材51を通して図示しないポンプ吸引ユニットによって記録ヘッド11内のインクをノズルから吸引する維持回復動作を行う。維持回復動作としてのノズル吸引が完了した後、再びヘッドユニット1が元の搬送ユニット3上の印字位置に戻り、搬送ガイド部材9が閉じて印字可能な状態となる。
【0034】
このように、搬送手段の用紙搬送方向下流側にライン型記録ヘッドの維持回復を行う維持回復手段を設けて、ヘッドユニットを用紙搬送方向に沿って搬送手段に対応する位置と維持回復手段に対応する位置との間で双方向に移動させる構成とすることで、維持回復を簡単な構成で行うことができるとともに、画像形成装置の奥行きを大型化することがなくなる。しかも、複数の記録ヘッドを用紙搬送方向に並べてその間隔を狭くして配置することができるので、各色の距離が短くなり、着弾位置ずれが低減して画像品質が向上することになる。
【0035】
次に、この画像形成装置におけるギャップ調整動作について図5及び図6をも参照して説明する。
ギャップ調整手段35は、回転軸36に取り付けた偏心カム36で構成され、回転軸36は図示しない駆動モータにて回転駆動され、エンコーダによる回転角位置検出が行われるようにしている。なお、ステッピングモータによる回転角制御を行うこともできる。
【0036】
先ず、図5に示すように、搬送ユニット3がホーム位置にあるときには、ギャップ調整手段35の偏心カム37がヘッドユニット1の第1ベース部材12Aに当接し、第1ベース部材12Aは第2ベース部材12Bに対して持ち上げられた状態になるので、搬送ユニット3とヘッドユニット1の記録ヘッド11のノズル面との間のギャップがギャップ調整手段35の偏心カム37の回転位置に応じた高さに規定される。
【0037】
これに対して、図6に示すように、搬送ユニット3が解除位置に回動されたときには、ギャップ調整手段35の偏心カム37がヘッドユニット1の第1ベース部材12Aから離間し、ヘッドユニット1の第1ベース部材12Aは矢示方向に第2ベース部材12B上に自重で下降して接触する。
【0038】
したがって、前述したように、ヘッドユニット1の維持回復動作を行った後、ヘッドユニット1を搬送ユニット3に対向する位置まで戻した後、搬送ユニット3を図5に示すホーム位置まで回動することによって、ヘッドユニット1と搬送ユニット3とのギャップが自動的に偏心カム37の回転位置に応じた量に調整されることになる。
【0039】
ここで、図7に示すように、ギャップ調整手段35の偏心カム37は回転軸36によって回転されるので、偏心カム37の回転位置に応じてヘッドユニット1の記録ヘッドのノズル面11Aと用紙搬送面(搬送ベルト31の表面)とのギャップGを任意に調整することができる。なお、図7(a)ないし(c)ではギャップG1>G2>G3の関係にある例を示している。
【0040】
次に、本発明の他の実施形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同実施形態の説明に供する要部平面説明図である。
ここでは、記録ヘッド111として1ライン分のノズル列を有する構成のものを用いている。したがって、この場合、維持回復ユニット5のキャップ部材511も1ライン分の長さでキャッピングできる構成としている。
【0041】
次に、本発明の更に他の実施形態について図9ないし図11を参照して説明する。なお、図9は同実施形態の説明に供する概略斜視説明図、図10は要部側断面説明図、図11は同じく要部平面説明図である。
ここでは、ヘッドユニット1の第1ベース部材12Aに位置決め孔15を設け、搬送ユニット3には位置決め孔15に係合可能な位置決めピン39を設けて、搬送ユニット3を解除位置からホーム位置に戻すときに、図10及び図11に示すように、位置決めピン39が位置決め孔15内に進入して係合することで、搬送ユニット3とヘッドユニット1との位置決めを行うようにしている。なお、ヘッドユニット1は図10で矢示E方向に図示しないスプリングなどで付勢されており、位置決めピン39が位置決め孔15に係合したときには、位置決め孔15の一側壁面に当接する(図11参照)ようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成を説明する概略斜視説明図である。
【図2】同じく側面概略説明図である。
【図3】同じく要部平面説明図である。
【図4】同じく維持回復動作の説明に供する説明図である。
【図5】同じくギャップ規制調整動作の説明に供する説明図である。
【図6】同じくギャップ規制解除状態の説明図である。
【図7】同じくギャップ調整の説明に供する説明図である、
【図8】本発明の他の実施形態の説明に供する平面説明図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を説明する概略斜視説明図である。
【図10】同じく位置決め部分の要部側断面説明図である。
【図11】同じく位置決め部分の要部平面説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1…ヘッドユニット
2…インク供給部
3…搬送ユニット
4…給紙部
5…維持回復ユニット
6…排紙部
7…ヘッド移動手段
8…排紙ユニット解除機構
9…搬送ガイド部材
11…記録ヘッド
12…ベース部材
12A…第1ベース部材
12B…第2ベース部材
21…サブタンク
31…搬送ベルト
32…駆動ローラ
33…従動ローラ
34…エアー吸着ファン(吸引ファン)
51…キャップ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出するライン型記録ヘッドを含むヘッドユニットと、
前記記録ヘッドに対向して用紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段の用紙搬送方向下流側に配置され、前記ライン型記録ヘッドの維持回復を行う維持回復手段と、
前記ヘッドユニットを用紙搬送方向に沿って前記搬送手段に対応する位置と前記維持回復手段に対応する位置との間で双方向に移動させるヘッド移動手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記維持回復手段の上方に、前記維持回復手段を覆う位置と前記用紙を案内する位置との間で開閉可能な搬送ガイド部材を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記搬送手段は前記記録ヘッドに近接するホーム位置と前記記録ヘッドから離間した解除位置との間で変位可能に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、前記搬送手段は、少なくとも2つのローラ間に掛け回された搬送ベルトを有し、用紙搬送方向上流側のローラを支点として前記解除位置に回動可能に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の画像形成装置において、前記搬送手段には、前記搬送手段をホーム位置にした時に前記ヘッドユニットの記録ヘッドのノズル面と前記搬送手段による用紙搬送面とのギャップを規制するギャップ規制手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、前記ヘッドユニットを保持する第1ベース部材と、この第1ベース部材を少なくとも上下方向に移動可能に保持する第2ベース部材とを有していることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−166338(P2009−166338A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6258(P2008−6258)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】